WO2007001035A1 - 超音波スピーカシステム - Google Patents

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WO2007001035A1
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Takeshi Fujita
Yoshihiro Furukawa
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Abstract

 超音波スピーカシステムにおいて、音声信号の波形を忠実に空気振動に変換し、簡易な構成で大きな出力を得るとともに良好な音響環境を形成する。  超音波スピーカシステムのパルス幅変調部において、発振信号s0と音声信号s1との比較部(図示せず)に入力され、比較結果により、音声信号s1の電圧情報がパルス幅(時間情報)として記録された2値の変調信号s2が形成される。変調信号s2を超音波スピーカ6から出力すると、聴取者の鼓膜には、パルス幅の振幅周波数の周波数、超音波の振幅量(図5(c)に示す、tmaxとtminとの差)の音量としての音声が聴取される。

Description

明 細 書
超音波スピーカシステム
技術分野
[0001] 本発明は、超音波スピーカ及び超音波スピーカに用いられる電気音響変換技術に 関する。
背景技術
[0002] 従来、指向性の高い音声を出力する手段として、超音波を搬送波として可聴帯域 の音声を空気中に伝播させる超音波スピーカシステムが知られている。この超音波ス ピーカシステムにおいては、可聴音帯域の音声信号によって超音波帯域の搬送信 号を振幅変調(AM: Amplitude Modulation)してスピーカから出力し、伝搬した い音声の音像を空中に定位させる方式がある (たとえば、特許文献 1参照)。一方、 異なる周波数の超音波を複数のスピーカから同時に出力し、これら複数の超音波を 聴取者に同時に聴取させ、聴取者の鼓膜に超音波同士の周波数差の音声を聴取さ せる方法も提案されている (たとえば、非特許文献 1参照)。
特許文献 1 :特開 2005— 101749号公報
非特干文献 1: Theory, history and The Advancement of Parametric L oudspeakers Rev. E (Authors James J. Croft, Joseph O. Norris, Americ an Technology Corporation)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0003] しかし、特許文献 1に示す振幅変調方式によると、変調により音声信号の波形が大 きく歪んでしまうため、スピーカから出力されて聴取者の耳に聴取される音声は再現 性の悪いものとなり、良好な音響環境が得られない。
[0004] また、上記非特許文献 1に記載した方法によれば、複数の異なる周波数の超音波 を同時に発生させてこれらの複数の超音波を同時に複数のスピーカから出力しなけ ればならないため、発振手段や変調手段等の超音波の発生系統、及び超音波スピ 一力等の超音波出力系統が必ず 2系統以上必要となり、構成が煩雑ィ匕するという問 題がある。
[0005] ここで、超音波スピーカシステムにおいて大きな出力を得るとともに良好な音響環 境を形成するためには、超音波スピーカの振動板が、超音波の周波数帯域で振幅 の大きな歪みのない振動を行う必要がある。そして、上記特許文献 1、非特許文献 1 に提示された超音波スピーカをはじめとする従来の超音波スピーカには、動電型の スピーカゃ圧電型のスピーカが用いられている。しかし、動電型のスピーカは、振動 板に重くて体積の大きいコイルが固着されているために振動板の高速振動が妨げら れ、また、圧電型のスピーカは、圧電変換素子の物理的特質上、聴取される音声は 元の音声信号に比して特定周波数帯域 (特に中低域)にお 、て大きく減衰したものと なる。そのため、これらのスピーカを用いた場合、大きな出力が得られず、また、良好 な音響環境が形成できな 、と 、う問題がある。
[0006] 本発明はこのような問題に基づいてなされたものであり、超音波スピーカシステムに おいて、簡単な構成により、音声信号の波形を忠実に空気振動に変換し、大きな出 力を得るとともに、良好な音響環境を形成することを課題としている。
課題を解決するための手段
[0007] 係る課題を達成するために、請求項 1に記載の発明は、超音波スピーカシステムで あって、可聴帯域の音声信号に依存してパルス信号の時間方向の大きさ及び密度 のうち少なくとも何れか一方を変化させ、超音波発生器に供給すると該超音波発生 器に超音波を発生させる超音波信号を出力する超音波出力手段を備えたことを特 徴とする。
[0008] 請求項 2に記載の発明は、請求項 1に記載の構成に加え、前記超音波出力手段は 、超音波帯域の周期で正負反転するパルス信号を発生し、該パルス信号を前記音 声信号に依存してパルス幅変調し該パルス幅変調により得られた変調信号を出力す るパルス幅変調手段であることを特徴とする。
[0009] 請求項 3に記載の発明は、請求項 2に記載の構成に加え、前記パルス幅変調手段 は、前記音声信号に依存して前記変調信号のパルス幅の振幅回数及び振幅量を変 ィ匕させることを特徴とする。
[0010] 請求項 4に記載の発明は、請求項 3に記載の構成に加え、前記パルス幅変調手段 は、前記変調信号の前記パルス幅の前記振幅回数を前記音声信号の周波数に依 存させることを特徴とする。
[0011] 請求項 5に記載の発明は、請求項 3又は 4に記載の構成に加え、前記パルス幅変 調手段は、前記変調信号の前記パルス幅の前記振幅量を前記音声信号の音量に 依存させることを特徴とする。
[0012] 請求項 6に記載の発明は、請求項 1に記載の構成に加え、前記超音波出力手段は
、超音波帯域の周期で正負反転するパルス信号を発生し、該パルス信号を前記音 声信号に依存してパルス密度変調し該パルス密度変調により得られた変調信号を出 力するパルス密度変調手段であることを特徴とする。
[0013] 請求項 7に記載の発明は、請求項 6に記載の構成に加え、前記パルス密度変調手 段は、前記音声信号に依存して前記変調信号のパルス密度の増減回数及び増減量 を変化させることを特徴とする。
[0014] 請求項 8に記載の発明は、請求項 7に記載の構成に加え、前記パルス密度変調手 段は、前記変調信号の前記パルス密度の前記増減回数を前記音声信号の周波数 に依存させることを特徴とする。
[0015] 請求項 9に記載の発明は、請求項 7又は 8に記載の構成にカ卩え、前記パルス密度 変調手段は、前記変調信号の前記パルス密度の前記増減量を前記音声信号の音 量に依存させることを特徴とする。
[0016] 請求項 10に記載の発明は、請求項 1乃至 9の何れかに記載の構成に加え、ローレ ンッカにより前記振動板を振動させる駆動部を有し、前記パルス幅変調手段から出 力された前記信号により超音波を出力する超音波発生器を備えたことを特徴とする。
[0017] 請求項 11に記載の発明は、請求項 10に記載の構成に加え、前記超音波発生器と
、該超音波発生器の周囲に配設された、可聴帯域の信号に基づいて可聴音を空気 中に出力させる音声発生器とを備えたことを特徴とする。
発明の効果
[0018] 上記、請求項 1に記載の発明によれば、超音波出力手段において、可聴帯域の音 声信号に依存してパルス信号の時間方向の大きさ及び密度のうち少なくとも何れか 一方を変化させることにより、パルス信号の時間方向の変化として音声信号の特徴を 記録した変調信号を形成することができる。したがって、変調信号のピーク値を一定 ィ匕させることができるので、瞬間的に過大な信号が発生して波形の乱れや増幅器や スピーカに過大な負荷が力かることを防止しつつ、変調信号に音声信号の特徴を忠 実に保存した高い利得の変調信号を形成することができる。また、かかる変調信号を 超音波信号として形成することにより、信号を超音波発生器に供給し、指向性の高い 空気振動を遠方に向けて発することができる。かかる超音波を聴取した聴取者の鼓 膜には、パルス信号の時間方向の変化が可聴音として聴取されるので、聴取者に元 の音声信号を高い品位で再現した高出力の音声を聴取させることができ、出力の高 い、良好な音響環境を形成できる。
[0019] 請求項 2に記載の発明によれば、パルス幅変調手段において、超音波帯域の周期 で正負反転するパルス信号を発生し、パルス信号を音声信号に依存してパルス幅変 調(PWM : Pulse Width Modulation)した変調信号を出力することにより、スピー 力に超音波を出力させる変調信号を形成することができる。この変調信号は、音声信 号の周波数や大きさに依存してパルス幅の変動の周波数や変動の大きさが変化す るものとなっており、力かる変調信号をスピーカから出力させた場合、聴取者の鼓膜 には、パルス幅の変動の周波数や変動の大きさに基づいた可聴音が聴取される。そ して、超音波帯域の周期で正負反転するパルス信号に基づいて変調を行うことにより 、変調信号には元の音声信号の特質が忠実に保たれており、元の信号の再現性の 高 ヽ変調信号を形成することができ、パルス幅変調によって変調信号を形成すること により、簡単な変調回路により、利得の高い変調信号を形成することができる。
[0020] 請求項 3に記載の発明によれば、パルス幅変調手段において、音声信号に依存し てノ ルス信号のパルス幅の振幅回数及び振幅量を変化させることにより、元の音声 信号の特徴をエネルギー量の変化として忠実に保存した、利得の高 ヽパルス信号群 を形成できる。そして、このパルス信号群を超音波発生器力も出力すれば、連続する パルス信号のエネルギー量の変化を聴取者の鼓膜にぉ 、て品質の高!、音声として 聴取させることができるので、出力が高ぐ良好な音響環境を形成できる。
[0021] 請求項 4に記載の発明によれば、パルス幅変調手段において、音声信号の周波数 を変調信号のパルス幅の振幅回数に依存させることにより、音声信号の周波数の変 化の特徴をエネルギー量の変化として忠実に保存した、利得の高!ヽパルス信号群を 形成できる。そして、このパルス信号群を超音波発生器カゝら出力すれば、聴取者の 鼓膜に、連続するパルス信号の単位時間あたりの振幅回数を周波数とする、品質の 高い音声を聴取させることができるので、出力が高ぐ良好な音響環境を形成できる
[0022] 請求項 5に記載の発明によれば、パルス幅変調手段において、音声信号の音量を 変調信号のパルス幅の振幅量に依存させることにより、音声信号の音量の変化の特 徴をエネルギー量の変化として忠実に保存した、利得の高 ヽパルス信号群を形成で きる。そして、このパルス信号群を超音波発生器力も出力すれば、聴取者の鼓膜に、 連続するパルス信号の単位時間あたりの振幅量を音量とする、品質の高 、音声を聴 取させることができるので、出力が高ぐ良好な音響環境を形成できる。
[0023] 請求項 6に記載の発明によれば、パルス密度変調手段において、超音波帯域の周 期で正負反転するパルス信号を発生し、パルス信号を音声信号に依存してパルス密 度変調(PDM : Pulse Density Modulation)した変調信号を出力することにより、 スピーカに超音波を出力させる変調信号を形成することができる。この変調信号は、 音声信号の周波数や大きさに依存してパルス密度の変動の周波数や変動の大きさ が変化するものとなっており、力かる変調信号をスピーカから出力させた場合、聴取 者の鼓膜には、パルス密度の変動の周波数や変動の大きさに基づいた可聴音が聴 取される。そして、超音波帯域の周期で正負反転するパルス信号に基づいて変調を 行うことにより、変調信号には元の音声信号の特質が忠実に保たれており、元の信号 の再現性の高!ヽ変調信号を形成することができ、パルス密度変調によって変調信号 を形成することにより、簡単な変調回路により、利得の高い変調信号を形成すること ができる。
[0024] 請求項 7に記載の発明によれば、パルス密度変調手段において、音声信号に依存 してパルス信号のパルス幅の増減回数及び増減量を変化させることにより、元の音 声信号の特徴をエネルギー量の変化として忠実に保存した、利得の高 、パルス信号 群を形成できる。そして、このパルス信号群を超音波発生器カゝら出力すれば、連続 するパルス信号のエネルギー量の変化を聴取者の鼓膜にぉ 、て品質の高!、音声と して聴取させることができるので、出力が高ぐ良好な音響環境を形成できる。
[0025] 請求項 8に記載の発明によれば、パルス密度変調手段において、音声信号の周波 数を変調信号のパルス密度の増減回数に依存させることにより、音声信号の周波数 の変化の特徴をエネルギー量の変化として忠実に保存した、利得の高 、パルス信号 群を形成できる。そして、このパルス信号群を超音波発生器カゝら出力すれば、聴取 者の鼓膜に、連続するパルス信号の単位時間あたりの振幅回数を周波数とする、品 質の高い音声を聴取させることができるので、出力が高ぐ良好な音響環境を形成で きる。
[0026] 請求項 9に記載の発明によれば、パルス密度変調手段において、音声信号の音量 を変調信号のパルス密度の増減量に依存させることにより、音声信号の音量の変化 の特徴をエネルギー量の変化として忠実に保存した、利得の高 ヽパルス信号群を形 成できる。そして、このパルス信号群を超音波発生器力も出力すれば、聴取者の鼓 膜に、連続するパルス信号の単位時間あたりの増減量を音量とする、品質の高い音 声を聴取させることができるので、出力が高ぐ良好な音響環境を形成できる。
[0027] 請求項 10に記載の発明によれば、超音波発生器を備えたことにより、指向性の高 い空気振動を遠方に向けて発することができる。また、この超音波発生器はローレン ッカにより振動板を振動させることにより、超音波の領域の信号を効率よく振動板に 伝導させて振動させることができる。これにより、パルス波の変動により聴取される音 声の再現性と利得を高め、出力が高ぐ良好な音響環境を形成できる。
[0028] 請求項 11に記載の発明によれば、拡声手段において、可聴帯域の信号に基づい て可聴音を空気中に出力させる音声発生器を備え、音声発生器の周囲に超音波発 生器を配設したことにより、同一方向に向けて音声発生器の発した可聴音と超音波 発生器の発した超音波を伝播させることができる。これにより、可聴音並びに超音波 の伝播方向に存在する聴取者に、可聴音並びに双方のパルス波の変動により聴取 される音声を聴取させることができる。これにより、パルス波の変動により聴取される音 声によって形成された音場が可聴音により形成された音場によって補完されるので、 奥行きのある自然な臨場感を持った音響環境を形成できる。
図面の簡単な説明 [0029] [図 1]第 1の実施形態の超音波スピーカシステムの全体構成を示す概略図である。
[図 2]同上超音波スピーカシステムにおける拡声部を正面力も見た模式図である。
[図 3]同上超音波スピーカシステムにおける拡声部を側方力も見た模式図である。
[図 4]同上超音波スピーカシステムにおける、第 2超音波スピーカの振動板周辺の側 面断面を示す模式図である。
[図 5]同上超音波スピーカシステムにおける、(a)発振信号と音声信号及び変調信号 との関係の模式図、及び、超音波スピーカの発する超音波と聴取者の鼓膜に聴取さ れる音との関係を表した模式図(b)である。
[図 6]第 2の実施形態の超音波スピーカシステムの全体構成を示す概略図である。
[図 7]同上超音波スピーカシステムにおける、(a)発振信号と音声信号及び変調信号 との関係の模式図、及び、超音波スピーカの発する超音波と聴取者の鼓膜に聴取さ れる音との関係を表した模式図(b)である。
発明を実施するための最良の形態
[0030] 以下、本発明を実施するための実施の形態について説明する。
(第 1の実施形態)
[0031] 図 1乃至図 5に第 1の実施形態を示す。
[0032] 図 1は、第 1の実施形態の超音波スピーカシステムの全体構成を示す概略図である 。同図に示すとおり、超音波スピーカシステム 1Aは、オーディオ入力部 1と、パルス 幅変調部 (パルス幅変調手段) 2と、増幅部 3、 4と、可聴音スピーカ (音声発生器) 5、 N個 (N≥l)の超音波スピーカ (超音波発生器) 6〜6を有する拡声部 7 (拡声手段 )とを備えている。
[0033] オーディオ入力部 1は、入力ジャック等を備え、音声信号 sの供給を受けるために 必要な処理を行う。
[0034] パルス幅変調部 2は、発信信号を発する発信部(図示せず)と、発振信号と音声信 号 sとの信号レベルの大小を比較する比較部(図示せず)とを有する。発信部(図示 せず)は、例えば LC発振回路や差動増幅器を用いた負帰還回路を用いて実現し、 可聴周波数帯域よりも十分に高い特定帯域の周波数の、対称三角波の連続波を発 振信号として発する。比較部(図示せず)は、例えば演算増幅器を使った正帰還回 路を用いて実現し、発振信号と音声信号 Siとの比較の結果を 2値のディジタル信号 の時間情報に変換した、パルス幅変調信号としての変調信号 sを出力する。
2
[0035] 増幅部 3、 4は、 FET等を備えた増幅回路であって、入力された電気信号を増幅し て出力する。
[0036] 可聴音スピーカ 5は、高性能超小型スピーカであり、直径 3センチメートル程度の略 半球状の振動板 5aを有し、 20Hz〜20kHz程度の可聴周波数帯域にぉ 、て非常に 良好な再生特性を有する。可聴音スピーカ 5は、小型で可聴周波数帯域において非 常に良好な再生特性を有するスピーカであれば、動電形、静電形、圧電形等、どの ような変換方式のものを用いてもょ 、。
[0037] 超音波スピーカ 6〜6は、 20kHzより高い超音波領域における再生特性が良好な スピーカである。この超音波スピーカ 6〜6の具体的構成については後述する。
[0038] 図 2は、第 1の実施形態の超音波スピーカシステム 1Aにおける拡声部 7を正面から 見た模式図である。同図に示すとおり、拡声部 7は、略円板状に形成された基板 8の 正面において、中心部に、可聴音スピーカ 5が振動板 5aを正面に向けて固着された 状態で配設され、この可聴音スピーカ 5の周囲には、複数の有底円筒形の超音波ス ピー力 6〜6力 振動板 15を正面に向けた状態で密集して配設されている。可聴音 スピーカ 5、超音波スピーカ 6〜6の底面からは、電気信号を導通させるリード線(図 2に図示せず)がそれぞれ弓 Iき出されており、引き出されたこれらのリード線(図 2に図 示せず)は基板 8の正面上を基板 8の中央部方向に収束するように配設され、可聴音 スピーカ 5の背面で導線 9に接続されている(リード線の配設状態と導線 9との接続状 態は図 2に図示せず)。基板 8の裏側の略中心部からは、導線 9が引き出され、増幅 部 3、 4 (図 1)に接続されている。
[0039] 図 3は、第 1の実施形態の超音波スピーカシステム 1Aにおける拡声部 7を側方から 見た模式図であり、同図は拡声部 7の構成に加え、拡声部 7の発信の様子を模式的 に示している。同図に示すとおり、基板 8の略中央部には、正面(図 3の右側)から背 面(図 3の左側)へ孔部 8aが貫通形成されており、正面側の開口部 8bにおいて、可 聴音スピーカ 5、超音波スピーカ 6〜6力もそれぞれ引き出されたリード線(図 3に図 示せず)が導線 9に接続され、この導線 9が孔部 8aを貫通して基板 8の背面側に引き 出されている。
[0040] また、図 3に示すとおり、可聴音スピーカ 5から出力される音声の伝播の中心軸 10a
(即ち、振動板 5aの背面中心部から振動板 5aの正面中心部に向けて引 、た仮想線 )は、超音波スピーカ 6〜6から発生される超音波の伝播方向(即ち正面側の振動 板 15と垂直方向) 10bと平行である。なお、図 2及び図 3において、超音波スピーカ 6 〜6はいずれも同じ構成を持つので、以下、超音波スピーカ 6とする。
[0041] 図 4は、第 1の実施形態の超音波スピーカシステム 1Aにおける、超音波スピーカ 6 の振動板周辺の側面断面を示す模式図である。同図に示すとおり、超音波スピーカ 6は、略円板状の底板部 16の周縁に略筒状の側部 12が設けられた、略有底円筒形 の本体部 11を有している。側部 12の内周部の一部には、側部 12に対して略直交方 向に円板状の振動板保持部 13が突設され、この振動板保持部 13の略中央部分に は、略円形の開口部 14が開口形成されている。本体部 11は、木材、アルミニウム、 鋼等、加工が容易で塑性が高 、素材によって形成されて 、る。
[0042] 開口部 14の内周部には、略円板状の振動板 15が固着されている。振動板 15は、 質量が小さぐ高い剛性と適度な弾性を有し、容易に板状に加工形成できるとともに 、高周波磁界中に置かれた際にうず電流を多く発生する材質によって形成されてい る。本実施形態においては、振動板 15は金属たとえばジュラルミンによって形成され ている。
[0043] 本体部 11の内周部であって底板部 16と振動板 15との間に形成された空間には、 振動板 15を振動させる駆動部 17が配設されている。駆動部 17は、磁石 18と、ポー ルピース 19と、外周側コイル 20a、内周側コイル 20bとを有している。
[0044] 磁石 18は、略円板状であって底板部 16と略平行に配設されている。この磁石 18 は、アルニコ、フェライト、ネオジゥム等の保磁力の高い物質で形成した永久磁石で あり、一側側が N極、他側側が S極となっている。なお、磁石 18は、電磁石や超伝導 物質等、磁力の大きさを制御したりより高い磁力を発生したりできるものによって形成 してちよい。
[0045] 磁石 18の周縁部には、略円筒形のポールピース 19が開口端部を底板部 16及び 振動板 15に対向した状態で配設され、このポールピース 19の一端側(図 4の下側) の内周部は磁石 18の周縁部にそれぞれ接合されている。ポールピース 19は軟鉄、 パーマロイ等、透磁性の高い軟磁性材料で形成されている。ポールピース 19の他端 部(図 4の上側)に形成された他端面 21は振動板 15に近接した状態で離間対向し、 他端面 21と振動板 15との間には、それぞれ間隙部 22が設けられている。この間隙 部 22は、駆動部 17が発生する磁力が振動板 15に良好に伝達されるとともに、振動 板 15が垂直方向(図 4の上下方向)に振動したときに振動板と他端面 21とが接触し ない程度に振動板 15と他端面 21を離間させた大きさに形成する。
[0046] 外周側コイル 20a、内周側コイル 20bは、それぞれ略環状に形成され、絶縁性の材 料によって断面略コの字形に形成された略環状の外側被覆部 23a、内側被覆部 23 bに収容されて、ポールピース 19の他端部近傍の外周部及び内周部に配設されて いる。即ち、外周側コイル 20a、内周側コイル 20bは、ポールピース 19との対向面側 、振動板 15側、底板部 16側が両被覆部 23a、 23bに被覆されている。外周側コイル 20a,内周側コイル 20bの一端部同士はそれぞれ被覆銅線によって形成した導電部 24によって電気的に接続され、外周側コイル 20a、内周側コイル 20bはそれぞれリー ド線 25a、 25bの一端部側に接続されている。リード線 25a、 25bは径小の銅線等で あり、本体部 11の底板部 16の一部に貫通形成された孔部 26から本体部 11の外部 に引き出され、他端部側が増幅部 4の +端子及び一端子(図示せず)のいずれかと 接続されている。
[0047] 次に、第 1の実施形態の作用について説明する。
[0048] 図 1に示すとおり、超音波スピーカシステム 1Aにおいて、オーディオアンプ(図示せ ず)等力も超音波スピーカシステム 1Aに対して周波数 f (ただし ^は可聴帯域)の音 声信号 sが供給されると、この音声信号 sをオーディオ入力部 1が受信し、増幅部 3 を介して可聴音スピーカ 5、及び、パルス幅変調部 2に送信する。
[0049] パルス幅変調部 2は、発信部(図示せず)が所定周波数の発信信号を発し、変調部
(図示せず)が受信した音声信号 sをもとにパルス幅信号としての変調信号 sを形成
1 2 する。
[0050] ここで、図 5 (a)に発振信号と音声信号 s及び変調信号 sとの関係の模式図を示す
1 2
。図 5 (a)に示す通り、発振部(図示せず)が発振した対称三角波の発振信号 sと音 声信号 Siとが比較部(図示せず)に入力されると、比較部(図示せず)は、音声信号 ^ の電圧が発振信号 sの電圧よりも高い期間は高レベル信号" H"を出力し、逆に発振
0
信号 sの電圧が音声信号 sの電圧よりも高い期間は低レベル信号" L"を出力する。
0 1
これにより、音声信号 sの電圧情報がパルス幅(時間情報)として記録され、信号レべ ルが L、 Hに 2値化された変調信号 sが形成される。発振信号 sの周期 tは可聴帯域
2 0 1 よりも十分に高い超音波帯域の信号の周期であるため、力かる発振信号 s
0に基づい て形成された変調信号の周波数 f (f = l/t )も超音波帯域となる。
2 2 1
[0051] そして、パルス幅変調部 2において形成された変調信号 sは、音声信号 sに依存し
2 1 てノ ルス幅の振幅回数及び振幅量が変化したものとなっている。具体的には、変調 信号 Sのパルス幅の振幅回数は音声信号 Sの周波数に依存したものとなっており(
2 1
例えば、音声信号 sの周波数が 1kHzであれば、この音声信号に基づいて形成され た変調信号 sは、 1秒間に 1000回パルス幅が振幅したものとなる。)、変調信号 sの
2 2 パルス幅の振幅量は音声信号 Sの音量に依存したものとなっている(例えば、音声 信号 Sの音量が小さい場合、変調信号 Sのデューティ比最大地点のオン'デューティ
1 2
信号 tmaxとデューティ比最小地点のオン ·デューティ信号 tminとの信号量の差は小 さくなり、音声信号 sの音量が大きい場合、音量に比例して、デューティ比最大地点 のオン ·デューティ信号 tmaxとデューティ比最小地点のオン ·デューティ信号 tminと の信号量の差が大きくなる。 ) o即ち、パルス幅変調部 2において形成される変調信 号 s
2は、音声信号 s
1の周波数の変化の特徴、及び音声信号 s
1の音量の変化の特徴 をエネルギー量の変化として忠実に保存した、利得の高 ヽパルス信号群として形成 されている。
[0052] 図 1に示すとおり、パルス幅変調部 2は、形成した変調信号 sを、増幅部 4を介して
2
超音波スピーカ 6に送信する。変調信号 sは元の音声信号 sをパルス幅変調したも
2 1
のであるため、音声信号 Sの特質に忠実に依存した、再現性と利得の高い信号とし て形成できる。
[0053] 超音波スピーカ 6において変調信号 sを受信すると、図 4に示すとおり、信号はリー
2
ド線 25a (又はリード線 25b)力も外周側コイル 20a (又は内周側コイル 20b)、及び導 電部 24を介して内周側コイル 20b (又は外周側コイル 20a)に供給される。 [0054] 磁石 18により発生した磁束はポールピース 19に導かれて他端面 21の周辺に磁界 を形成している力 外周側コイル 20a、及び内周側コイル 20bに信号が導通して外周 側コイル 20a、及び内周側コイル 20b周辺に磁界が形成されると、磁石 18により発生 した磁界が変化し、この変化により、振動板 15の表面には磁界の向きと直交方向にう ず電流が発生し、さらにうず電流の向き及び磁界の向きのいずれとも直行方向に口 一レンツ力が発生する。外周側コイル 20a、及び内周側コイル 20bに流れる電流の 大きさや向きが変化すると、磁界の向きとうず電流の大きさや向きがそれぞれ変化、 反転し、これによりローレンツ力の大きさや向きも変化、反転する。これにより、外周側 コイル 20a、及び内周側コイル 20bに変調信号 sが入力されると、信号の変化に伴つ
2
て振動板 15に生ずるローレンツ力が変化し、この変化に伴って振動板 15が振動し( 図 2参照)、変調信号 sが空気振動に変換されて空気中に伝播する。
2
[0055] 変調信号 s
2はうず電流を発生させ易い高周波電流であり、力かる変調信号 s
2により 生じたローレンツ力により振動板 15を振動させることにより、変調信号 sを効率よく振
2
動板 15に伝導して振動させることができる。これにより、差音として聴取される音声の 再現性と利得を高め、より出力の高い、より良好な音響環境を形成できる。
[0056] また、振動板 15は軽量で剛性の高い金属(ジュラルミン)によって形成されているこ とにより、超音波帯域の信号による高速の振動であっても振動板 15に物理的な歪み が生じにくい。また、振動板 15と他端面 21との間に間隙部 22が設けられ、振動板 15 と駆動部 17とが離間しているため、振動板 15の振動が駆動部 17によって妨げられる ことがない。よって、振動板 15は超音波帯域の高速の振動であっても歪みを生ずる ことなく振動する。
[0057] 超音波スピーカ 6はそれぞれ基板 8の正面方向に振動板 15が向き、力かる方向が それぞれの超音波スピーカ 6から発せられる超音波の伝播方向 10b、 10b、 · · ·(図 3 )となる。そのため、伝播方向 10b、 10b、 · · ·にいる聴取者の鼓膜には、超音波スピ 一力 6から発せられた超音波が伝播する。
[0058] 図 5 (b)に、第 1の実施形態の超音波スピーカシステム 1Aにおける、超音波スピー 力 6の発する超音波と聴取者の鼓膜に聴取される音との関係を表した模式図を示す 。同図に示すとおり、超音波帯域の周波数を有し、デューティ比が連続的に変化した パルス幅変調信号に基づいてスピーカから超音波が出力された場合、この超音波を 聴取した聴取者の鼓膜には、超音波のデューティ比の変化に相当する音声が聴取さ れる。
[0059] 即ち、聴取者の鼓膜においては、超音波の振幅周期(図 5 (b)に示す、デューティ 比が 50%〜最大〜 50%〜最小〜 50%に至るまでの周期)の逆数 (即ち 1秒間にお けるデューティ比の振幅回数)が音声の周波数として聴取され、振幅量(図 5 (b)に示 す、デューティ比最大地点のオン ·デューティ信号 tmaxとデューティ比最小地点の オン ·デューティ信号 tminとの信号量の差)が音声のエネルギー量 (すなわち音量) として聴取される。そして、パルス幅変調信号を可聴音の音声信号の周波数帯 (約 2 0Hz〜20kHz)よりも十分に高い周波数帯の超音波によって形成し、デューティ比を 連続的に変化させた場合、聴取者の鼓膜には、パルスのオン'デューティ時間とデュ 一ティ比の変化とに依存して形成される連続信号 sに近似した音声が聴取される。
3
本実施形態の超音波スピーカシステム 1Aにおいては、力かる原理を適用して聴取 者に音声を聴取させる。なお、上記原理に基づいて聴取者の鼓膜に音声が聴取さ れるのは、超音波の振幅周期の逆数としての周波数が可聴帯域の周波数 (約 20Hz 〜20kHz)の場合であることは、 V、うまでもな 、。
[0060] 本実施形態においては、前述した通り、変調信号 sは、音声信号 sの周波数の変
2 1
化の特徴、及び音声信号 sの音量の変化の特徴をエネルギー量の変化として忠実 に保存した、利得の高いパルス信号群として形成されているため、連続信号 Sは、音
3 声信号 Sに略同一のものとなる。従って、聴取者の鼓膜には音声信号 Sに基づいた 品質の高い音声が聴取されることになる。
[0061] そして、図 2及び図 3に示すとおり、拡声部 7の基板 8中央には可聴音スピーカ 5が 配設されており、音声信号 sに基づいて音声を出力する。超音波スピーカ 6から超音 波を発生させるとともに可聴音スピーカ 5から音声を発生させると、可聴音スピーカ 5 力も発生された音声波は超音波スピーカ 6から発生された超音波に周囲を囲まれた 状態で空気中に伝播する。そして、超音波スピーカ 6から発生される超音波の伝播方 向 10b及び中心軸 10a方向においては、可聴音スピーカ 5から発生される可聴音の 音声波と超音波スピーカ 6から発生される直進性の高い超音波とが相互に作用しあ い、可聴音スピーカ 5の形成する音場と、超音波スピーカ 6の発生する音場とが融合 する。そして、原音の周波数特性を損ねることなく音声を出力できる可聴音スピーカ 5 からも音声を発生させて音場を形成し、超音波スピーカ 6の形成した音場と融合させ ることにより、超音波スピーカ 6の形成した音場が補完され、奥行きのある自然な臨場 感を持った音響環境を形成することができる。
[0062] 以上示したとおり、第 1の実施形態の超音波スピーカシステム 1Aにおいては、聴取 者に元の音声信号 sを高い品位で再現した高出力の音声を聴取させることができ、 簡単な構成により、出力の高い、良好な音響環境を形成できる。
(第 2の実施形態)
[0063] 図 6及び図 7に第 2の実施形態を示す。第 2の実施形態の超音波スピーカシステム においては、パルス密度変調(PDM : Pulse Density Modulation)を用いて変 調信号を形成する。
[0064] 図 6は、第 2の実施形態の超音波スピーカシステムの全体構成を示す概略図である 。同図に示すとおり、超音波スピーカシステム 1Bは、パルス幅変調部 2に代えてパル ス密度変調部 2aが設けられている他は、第 1の実施形態の超音波スピーカシステム 1Aと同一の構成である。なお、その他の構成も図 2乃至図 4に示す第 1の実施形態 の超音波スピーカシステム 1 Aと同じである。
[0065] パルス密度変調部 2aは、発信信号を発する発信部(図示せず)と、発振信号と音声 信号 sとの信号レベルの大小を比較する比較部(図示せず)と、電荷を蓄えるキャパ シタ(図示せず)とを有し、発振信号と音声信号 sとの比較の結果を 2値のディジタル 信号の時間情報に変換した、パルス密度変調信号としての変調信号 s 'を出力する
2
[0066] 図 7 (a)に発振信号と音声信号 s及び変調信号 s 'との関係の模式図を示す。パル
1 2
ス密度変調部 2aに音声信号 sが入力されると、キャパシタ(図示せず)には電荷の蓄 電が開始される。発振部(図示せず)は蓄電開始力 所定時間に達するとキャパシタ (図示せず)の電荷を強制放電させるための放電トリガ信号を発する。また、発振部( 図示せず)は電荷の蓄積開始力も所定時間毎に手順をリセットするリセットトリガ信号 を発する。リセットトリガ信号が発せられるとキャパシタ(図示せず)への蓄電が再開さ れ、リセットトリガ信号、放電トリガ信号が発せられる毎に蓄電、放電が繰り返される。
[0067] リセットトリガ信号は所定時間 t毎に発せられる。また、キャパシタ(図示せず)に蓄
2
電を開始して力 放電トリガ信号が発せられるまでの時間は音声信号 Siの電圧の大 きさに依存する。即ち、音声信号 sの電圧が大きい時の蓄電時間は長くなり、音声信 号 Sの電圧が小さい時の蓄電時間は短くなる。
[0068] また、比較部(図示せず)はキャパシタ(図示せず)の蓄電状態に基づ!/、て変化する キャパシタ電圧 Vを監視し、キャパシタ電圧 Vがゼロよりも高い期間は高レベル信号" H"を出力し、逆にキャパシタ電圧 Vがゼロの期間は低レベル信号" L"を出力する。
[0069] 図 7 (a)に示す通り、一の高レベル信号" H"は、それぞれ 1本〜複数本のパルス信 号により形成されている。各パルス信号は同一のパルス幅であり、同一のデューティ 一比である。音声信号 sの電圧が高レベルの部分はパルス信号の本数が多く(密度 が高く)なり、音声信号 sの電圧が低レベルの部分はパルス信号の本数が少なく (密 度が低く)なる。即ち、音声信号 sの電圧情報が高レベル信号" H"を形成するパルス 信号の本数に依存したノ ルス密度情報として記録される。これにより、信号レベルが L、 Hに 2値化された変調信号 s ,が形成される。
2
[0070] そして、パルス密度変調部 2aにお 、て形成された変調信号 s 'は、音声信号 sに
2 1 依存してパルス密度が変化したものとなっている。具体的には、変調信号 S,のパル
2 ス密度の増減回数は音声信号 sの周波数に依存し、変調信号 Sのパルス密度の増
1 2
減量は音声信号 Sの音量に依存 (例えば、音声信号 Sの音量が小さい場合、変調信 号 sの密度最大箇所 dmaxの信号量と密度最小箇所 dmin信号量の差 (換言すれば
2
、それぞれの箇所において高レベル信号" H"を形成するパルス信号の本数差)は小 さくなり、音声信号 sの音量が大きい場合、密度最大箇所 dmaxの信号量と密度最小 箇所 dmin信号量の差は大きくなる。)する。即ち、パルス密度変調部 2aにおいて形 成される変調信号 s
2 'も、第 1の実施形態の変調信号 s
2と同様、音声信号 s
1の周波数 の変化の特徴、及び音声信号 sの音量の変化の特徴をエネルギー量の変化として 忠実に保存した、利得の高 ヽパルス信号群として形成されて 、る。
[0071] 図 7 (b)に、第 2の実施形態の超音波スピーカシステム 1Bにおける、超音波スピー 力 6の発する超音波と聴取者の鼓膜に聴取される音との関係を表した模式図を示す 。同図に示すとおり、超音波帯域の周波数で発生されたパルス信号のパルス密度が 連続的に変化した変調信号 S
2 'に基づいてスピーカから超音波が出力された場合、 この超音波を聴取した聴取者の鼓膜には、パルス密度の変化に相当する音声が聴 取される。
[0072] 即ち、聴取者の鼓膜においては、パルス密度の増減周期(図 7 (b)に示す、密度平 均箇所 dave〜密度最大箇所 dmax〜密度平均箇所 dave〜密度平均箇所 dave〜 密度最小箇所 dmin〜密度平均箇所 daveに至る周期)の逆数 (即ち 1秒間における パルス密度の増減回数)が音声の周波数として聴取され、パルス密度の増減量(図 7 (b)に示す、密度最大箇所 dmaxの信号量と密度最小箇所 dminの信号量の差)が 音声のエネルギー量 (すなわち音量)として聴取される。そして、パルス信号の発振 周波数を可聴音の音声信号の周波数帯よりも十分に高 、周波数帯とし、パルス密度 を連続的に変化させた場合、聴取者の鼓膜には、パルス密度の変化に依存して形 成される連続信号 s 'に近似した音声が聴取される。第 2の実施形態の超音波スピー
3
カシステム 1Bにおいては、力かる原理を適用して聴取者に音声を聴取させる。
[0073] このように、第 2の実施形態の超音波スピーカシステム 1Bにおいても、聴取者に元 の音声信号 sを高い品位で再現した高出力の音声を聴取させることができ、簡単な 構成により、出力の高い、良好な音響環境を形成できる。
[0074] 上記第 1、第 2の実施形態においては、超音波スピーカ 6の振動板 15を金属たとえ ばジュラルミン製としたが、これに限定されず、質量が小さぐ高い剛性と適度な弾性 を有し、容易に板状に加工形成できるとともに、高周波磁界中に置かれた際にうず電 流を多く発生する材質であれば、ジュラルミン以外のどのような金属、及び、金属以 外のどのような材質を用いて振動板 15を形成してもよ 、。
[0075] 上記第 1、第 2の実施形態においては、パルス幅変調部 2等をコイル、コンデンサ、 トランジスタ等の電子回路によって形成し、各素子の特性によって発振や変調を行う ものとしたが、これに限定されず、 CPU等を用いて発振や変調を制御させてもよい。
[0076] 上記第 1、第 2の実施形態においては、パルス幅変調部 2が発振部を有し、この発 振部において対称三角波の発振信号を発したが、パルス幅変調部 2を自励発振型 回路によって形成し、発振信号の供給を受けなくてもパルス幅変調を行える構成とし てもよい。また、上記実施の形態では発振信号に対称三角波を用いたが、これに限 定されず、非対称三角波、矩形波、正弦波等を発信信号として用いてもよい
[0077] 上記第 1、第 2の実施形態において、拡声部 7は、基板 8の正面に可聴音スピーカ 5 、超音波スピーカ 6を、それぞれ振動板 5a、 15を正面に向けた状態で配設したが、 基板 8の正面に超音波スピーカ 6を、背面に可聴音スピーカ 5をそれぞれ固着して配 設し、内面が回転双曲面の反響板を基板 8の背面側に離間対向させ、可聴音スピー 力 5から出力した音声を反響板の内面に反響させて基板 8の正面方向に伝播させる こともできる。可聴音スピーカ 5から出力した音声を回転双曲面形状の反響板の内面 に反響させることにより、可聴音スピーカ 5から出力した音声の指向性を高めて伝播さ せることができる。
[0078] 上記第 1、第 2の実施形態は本発明の例示であり、本発明がこれらの実施形態に限 定されることを意味するものではな 、ことは、 V、うまでもな 、。
産業上の利用可能性
[0079] 以上の通り、本発明の超音波スピーカシステムは、音像の定位性に優れ、音場の 広帯域感の再現性にも優れており、指向性のある超音波の平行ビームでスピーカシ ステムを実現できるため、スポット音声サービス事業として、商店、百貨店、スーパー マーケット等の商業施設における商品説明宣伝、また、ホール、ドライブインシアター
、博物館、動物園等の文化アミューズメント施設における展示上映説明、更に、駅舎 、道路等の公共施設における注意喚起情報提供等に対して適用でき、音響特性再 現用のハイファイスピーカ、公共放送用拡声器としても応用できる。
符号の説明
[0080] 1A, 1Β· · ·超音波スピーカシステム
2· · ·パルス幅変調部
2&· · ·パルス密度変調部
5 · · ·可聴音スピーカ
6、 6〜6 · · ·超音波スピーカ
7· ·,拡声部
15 · ·,振動板 17···駆動部 ^•··音声信号 s , s ·変調信号

Claims

請求の範囲
[1] 可聴帯域の音声信号に依存してパルス信号の時間方向の大きさ及び密度のうち少 なくとも何れか一方を変化させ、超音波発生器に供給すると該超音波発生器に超音 波を発生させる超音波信号を出力する超音波出力手段を備えたことを特徴とする超 音波スピーカシステム。
[2] 前記超音波出力手段は、超音波帯域の周期で正負反転するパルス信号を発生し 、該パルス信号を前記音声信号に依存してパルス幅変調し該パルス幅変調により得 られた変調信号を出力するパルス幅変調手段であることを特徴とする請求項 1に記 載の超音波スピーカシステム。
[3] 前記パルス幅変調手段は、前記音声信号に依存して前記変調信号のパルス幅の 振幅回数及び振幅量を変化させることを特徴とする請求項 2に記載の超音波スピー カシステム。
[4] 前記パルス幅変調手段は、前記変調信号の前記パルス幅の前記振幅回数を前記 音声信号の周波数に依存させることを特徴とする請求項 3に記載の超音波スピーカ システム。
[5] 前記パルス幅変調手段は、前記変調信号の前記パルス幅の前記振幅量を前記音 声信号の音量に依存させることを特徴とする請求項 3又は 4に記載の超音波スピーカ システム。
[6] 前記超音波出力手段は、超音波帯域の周期で正負反転するパルス信号を発生し 、該パルス信号を前記音声信号に依存してパルス密度変調し該パルス密度変調に より得られた変調信号を出力するパルス密度変調手段であることを特徴とする請求項 1に記載の超音波スピーカシステム。
[7] 前記パルス密度変調手段は、前記音声信号に依存して前記変調信号のパルス密 度の増減回数及び増減量を変化させることを特徴とする請求項 6に記載の超音波ス ピーカシステム。
[8] 前記パルス密度変調手段は、前記変調信号の前記パルス密度の前記増減回数を 前記音声信号の周波数に依存させることを特徴とする請求項 7に記載の超音波スピ 一力システム。
[9] 前記パルス密度変調手段は、前記変調信号の前記パルス密度の前記増減量を前 記音声信号の音量に依存させることを特徴とする請求項 7又は 8に記載の超音波ス ピーカシステム。
[10] ローレンツ力により前記振動板を振動させる駆動部を有し、前記パルス幅変調手段 力 出力された前記信号により超音波を出力する超音波発生器を備えたことを特徴 とする請求項 1乃至 9の何れかに記載の超音波スピーカシステム。
[11] 前記超音波発生器と、該超音波発生器の周囲に配設された、可聴帯域の信号に 基づいて可聴音を空気中に出力させる音声発生器とを備えたことを特徴とする請求 項 10に記載の超音波スピーカシステム。
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