JP2019047464A - スピーカシステム - Google Patents

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康典 持田
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和彦 西
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Abstract

【課題】スコーカおよびツイータのそれぞれの振動板からの音を視聴者から見て同じ位置から発生させることができ、かつ、スコーカの振動板でウーファ領域の音の再生をも行わせることができるスピーカシステムを提供する。【解決手段】ツイータ用のボイスコイルギャップとそれより大径でそれより前方に位置するスコーカ用のボイスコイルギャップとを直列に有するスピーカ磁気回路と、前方に凸のドーム形状に形成されツイータのボイスコイルで駆動されるツイータの振動板と、中心軸線に対する斜面の傾斜が後方中央に向かって徐々に中心軸線と平行に近づく前方に凹の円錐台状の曲面に形成されスコーカのボイスコイルで駆動されるスコーカ振動板とを備えてなる。また、スコーカの振動板には、外周縁付近に振動に対して粘性および内部損を呈する部材を介して質量を呈する部材を添着して、最低共振周波数f0を下げて、ウーファ領域の音の再生を可能とする。【選択図】図2

Description

この発明は、オーディオ再生装置におけるスピーカシステムに関し、より具体的には、再生音域を複数のスピーカで各音域ごとに分担して受け持たせて再生する形式のスピーカシステムにおいて、中音域および低音域用にコーン型振動板を採用し、高音域用にドーム型振動板を採用して、両振動板を同軸にかつ前後方向に接近させて配設したことにより視聴者から見た音像の位置(方向)が周波数によってずれないように工夫するとともに、コーン型振動板が中音域および低音域でそれぞれ適した振動モードで振動するような構造とすることにより、低音域から高音域まで全音域の範囲の音を一つのスピーカシステムで良好に再生できるように工夫したものである。
オーディオ再生装置では、低音から高音までの広い周波数帯域の音を再生するために、再生音域を複数のスピーカで各音域ごとに分担して受け持たせて再生するスピーカシステムがある。最も一般的なものは、低音域を再生するウーファ、中音域を再生するスコーカ、高音域を再生するツイータからなる3ウエイスピーカシステムであり、通常は、一つの縦長のスピーカボックス(エンクロージャ)に下からウーファ、スコーカ、ツイータの順で配置されている。
音は、周波数が高いほど指向性が鋭いので、スコーカとツイータが上下の異なる箇所に配置されていることにより視聴者から見て中音域の音と高音域の音が上下にずれた位置から発しているように感じられる欠点を有することが否めない。つまり、周波数帯域に応じて視聴者から見た音像の定位が上下に揺れ動くことになる。また、振動板が上下に異なる箇所に配置されることから、その取付け面積に応じてスピーカボックスの高さが高くなり、大型とならざるを得ない。なお、低音域の音は指向性が鋭くないので、発音源の位置はあまり問題にならない。
従来技術の中にも、互いに異なる周波数帯域の音の再生を受け持つ複数のスピーカを同軸上に配置して発音源の音像の定位がずれないようにしようという発明が見受けられ、例えば、特許文献1〜4に開示されているが、いずれの技術も、振動板・ボイスコイル・磁気回路を備えてなる一つのスピーカの前方の空いた箇所に、同様に振動板・ボイスコイル・磁気回路を備えてなり大きさの異なる別のスピーカを配置する構成を採用しており、いわゆる別々のスピーカを前後方向に並べたに過ぎない。そのため、構成上嵩張らざるを得ない。また、特許文献5には、ツイータとスコーカの振動板同士を接近させた構造の複合スピーカが開示されており、中高音の前後方向の音像定位の問題を解決しているが、やはり、それぞれ振動板・ボイスコイル・磁気回路を独立に備えてなる2種のスピーカを空間的にやりくりして組み合わせているので、特に磁気回路が複雑な形状を呈している。
さらに、特許文献6〜7には、いずれもドーム形状のスコーカとツイータの振動板を各外周縁部で駆動する各ボイスコイル用のギャップを同一板面内で同心円状に直列配置した磁気回路を備えてなるスピーカが開示されており、単一の磁気回路内に2つのボイスコイルギャップを直列に形成したことにより、磁気回路を簡単な構造でかつ小型に作り上げている。しかしながら、スコーカの振動板がドーム形状であるので、その振動板でウーファ領域の音の再生まで行わせようとの配慮は、なされていない。
特開2005−277874号公報 特開2005−303484号公報 特開2009− 5180号公報 特開2012−182773号公報 実開昭56−026486号マイクロフィルム 特許第5964485号公報 特開2017−112498号公報
この発明は、スコーカおよびツイータのそれぞれの振動板からの音を視聴者から見て同じ位置(方向)から発生させることができ、かつ、スコーカの振動板にウーファ領域の音の再生をも受け持たせて、小型ながらウーファ領域、スコーカ領域、ツイータ領域の全領域の音の再生を1つのスピーカシステムで行わせることができるスピーカシステムを提供しようというものである。また、この発明は、高音域の音が聴感上他の音域の音に融合して感じよく聞こえるように、高音域の音波の到達する位相を僅かに遅らせようというものである。
上記の課題を解決するために、この発明によるスピーカシステムは、スピーカの前後方向中心軸線を中心とする円周上に半径方向に対向して形成された第一のボイスコイルギャップと、第一のボイスコイルギャップより前方の位置において第一のボイスコイルギャップより大径の前後方向中心軸線を中心とする円周上に半径方向に対向して形成された第二のボイスコイルギャップとを直列に有するスピーカ磁気回路と、第一のボイスコイルギャップの中に配置された第一のボイスコイルと、第二のボイスコイルギャップの中に配置された第二のボイスコイルと、前方に凸のドーム形状に形成され外周縁が第一のボイスコイルの前縁に接続された第一の振動板と、前後方向中心軸線を中心軸とする前方に凹の円錐台状の面であって、中心軸に対する斜面の傾斜が後方中央に向かって徐々に前後方向中心軸線と平行に近づく曲面を成し、中央部に円形の開口部を有する湾曲した円錐台状曲面の形状に形成され、当該円形開口部の内周縁が第二のボイスコイルの前縁に接続された第二の振動板と、磁気回路に固定されていて第二の振動板の外周縁をダンパを介して前後方向に浮動的に支持する支持枠体とを備えてなることを特徴とする。
この発明によるスピーカシステムでは、さらに、第二の振動板の外周縁に隣接する領域において、振動に対して粘性および内部損を呈する部材を介して質量を呈する部材を第二の振動板に添着することにより、第二の振動板に分割振動が成立するのを抑えて良好にスコーカの領域の音を再生できるとともに、第二の振動板の最低共振周波数を下げることにより、第二の振動板でウーファの領域の音まで再生可能にすることができる。
また、この発明によるスピーカシステムでは、第二の振動板は、その半径方向中央から周辺部に掛けた部分に、振動板31の板面に垂直方向にチャンネル状に押し出された形状の半径方向に直線状のリブ31rが複数本形成されることにより、振動板の平面に近い部分の曲げこわさが向上してピストン運動が保証される。
さらに、この発明によるスピーカシステムは、上記の構造に加えて、第一の振動板および第二の振動板の円形開口部に接触しない状態で第一の振動板に近接した位置から第二の振動板の円形開口部を越える位置までに掛けて配置され、第一の振動板の径に対応する径の入口開口から第二の振動板の円形開口部の内径に対応する径の出口開口まで徐々に内径が広がる筒形に形成された、音波を誘導する導波ホーンを備えることにより、第一の振動板からの音波の放射効率を高めることができる。
さらに、この発明によるスピーカシステムは、上記の構造に加えて、第一の振動板の前方正面に、導波ホーンの入口開口の部分から途中の部分までに掛けて、第一の振動板のドーム形状に向かい合う背面を有し、前端に向かって徐々に円柱状から先細となる側面を有する形状の整流器を、当該背面と導波ホーンの入口開口との間に隙間を空けて備えることにより、第一の振動板の分割振動からの直接放射が整流器の背面に遮られて分割振動に起因する歪み成分が適当に抑えられて、歪みの少ない音が導波ホーンの前方に放射されるようにすることができる。
さらに、この発明のスピーカシステムでは、磁気回路を、中央磁極部材と、中央磁極部材に対して間に第一のボイスコイルギャップを介在させて対向して設けられた中間磁極部材と、中間磁極部材に対して間に第二のボイスコイルギャップを介在させて対向して設けられた前面ヨーク部材と、前面ヨーク部材に接続して設けられた永久磁石からなる側面ヨーク部材と、側面ヨーク部材と中央磁極部材の間に両者に接続して設けられた背面ヨーク部材とを備えて構成すれば、永久磁石による起磁力を利用するスピーカシステムを構成することができる。また、その場合、永久磁石としてネオジミウム・コバルト磁石を採用すれば、第二のボイスコイルギャップの磁束密度を0.6テスラ以上に設計することができるので、第二のボイスコイルの動きに対する制動効果が働いて、第二の振動板の最低共振周波数領域におけるQ値が低下して、全体的には音圧が減少するけれども、より低い周波数まで再生音域を延ばすことができる。
さらに、この発明のスピーカシステムでは、第一の振動板を、ベリリウムを主構成要素として形成された厚さが20〜30μmの板状部材とし、第二の振動板を、マグネシウムを主構成要素として形成された厚さが50〜200μmの板状部材として構成すると、振動板の面内の分割振動が抑えられるので、スピーカシステムとして好適なものが実現できる。その場合、前方に凸のドーム形状である第一の振動板の直径は、10〜30mmの範囲が好適であり、前方に凹の湾曲した円錐台状の曲面である第二の振動板の直径は、140〜200mmの範囲が好適である。
この発明によれば、スピーカシステムにおいて異なる周波数帯域を受け持つ2つの振動板を前方に凸のドーム形状および前方に凹の湾曲した円錐台状の曲面として前後方向の異なる位置で同軸に配設したので、それら異なる帯域の音像がずれた位置(方向)から聞こえてくることがなく、再生音の音像の揺れ動きをなくすことができる。また、湾曲した円錐台状の曲面の振動板の形状を中心軸に対する斜面の傾斜が後方中央に向かって徐々に中心軸線と平行に近づく曲面としたので、当該部分における振動板の曲げこわさが向上して分割振動が抑えられ、さらに、当該振動板の外周縁に隣接する領域において、振動に対して粘性および内部損を呈する部材を介して質量を呈する部材を振動板に添着することにより、再生可能音域をより低音域の方に延ばすことができる。
この発明の第一の実施形態によるスピーカシステムの正面図である。 図1のII−II線における断面図である。 図1のIII−III線における断面図である。 この発明の第二の実施形態によるスピーカシステムの正面図である。 図4のV−V線における断面図である。 この発明の第二の実施形態によるスピーカシステムの周波数特性の概略を示す図である。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態として、スコーカとツイータを含むスピーカシステムについて説明する。図1は、この発明の第一の実施形態の正面図であり、図2は、図1のII−II線における断面図であり、図3は、図1のIII−III線における断面図である。
まず、この実施形態のスピーカシステムの磁気回路について説明する。なお、磁気回路は、全体的にスピーカの前後方向中心軸線Xo−Xoを中心軸とする回転対称図形に形成されている。中央磁極部材11が、前端部分(図2では左端部分)にツイータ用のボイスコイルギャップを形成するための円柱状の磁極部11aを有するとともに、磁極部11aの後方(図2では右方)に一旦細径の円柱部を形成した後に徐々に大径になる基部11bを有して、円板状の背面ヨーク部材15に接続して設けられている。磁極部11aの半径方向外方から前方(図2では左方)に掛けて、中央磁極部材11と同軸の円筒状の中間磁極部材12が支持部材16により背面ヨーク部材15に対して支持されており、中間磁極部材12の後端部分は内向きに円環状に張り出して磁極部11aと対向する磁極部12aを形成していて、磁極部11aと磁極部12aとの間にツイータ用のボイスコイルギャップ25が形成されている。中間磁極部材12の前端部分は外向きに円環状に張り出して磁極部12bが形成されており、磁極部12bの半径方向外方には、円板状の前面ヨーク部材13の内側に円環面を有する磁極部13aが対向して設けられていて、磁極部12bと磁極部13aとの間に、スコーカ用のボイスコイルギャップ35が形成されている。スコーカ用のボイスコイルギャップ35は、ツイータ用のボイスコイルギャップ25より大径で、ツイータ用のボイスコイルギャップ25より前方に位置している。
前面ヨーク部材13の外周部13bの後面(図2では右面)は、円筒状の側面ヨーク部材14に接続されており、その後方(図2では右方)には、円板状の背面ヨーク部材15が接続して設けられていて、背面ヨーク部材15の中央部分は、前述の中央磁極部材11の基部11bの背面に接続されている。これにより、中央磁極部材11、中間磁極部材12、前面ヨーク部材13、側面ヨーク部材14および背面ヨーク部材15が、途中にツイータ用のボイスコイルギャップ25およびスコーカ用のボイスコイルギャップ35を直列に有するスピーカ磁気回路を形成している。磁気回路を構成する材質としては、中央磁極部材11および中間磁極部材12をFeおよびCoを主要成分とする磁性材料のパーメンジュールで構成すると、材料の飽和磁束密度が高いので、寸法に制約のある中で強力な磁束の磁気回路が実現できて、有利である。前面ヨーク部材13、側面ヨーク部材14および背面ヨーク部材15に囲まれた内部空間には、磁気回路の磁束を発生させるための励磁コイル19が中央磁極部材11および中間磁極部材12を中に囲んで巻回されている。
次いで、この実施形態のスピーカシステムの振動板の系について説明する。ツイータ用のボイスコイルギャップ25の中には、ツイータ用のボイスコイル23が巻回されたツイータ用のボイスコイルボビン22が、ツイータ用のダンパ24により中間磁極部材12に対して位置決め支持されて、ギャップ25内で宙吊り状態で前後方向(図2では左右方向)に往復運動可能に配置されている。ツイータ用のボイスコイルボビン22の前縁には、前方に凸のドーム形状に形成されたツイータの振動板21の外周縁21cが一体的に接続形成されている。ツイータ用のボイスコイル23に流れる音声電流に応じてツイータの振動板21が振動して、前方(図2では左方)に放音する。ツイータの振動板21は、厚さが25μmのBeの薄板で、直径26mmの前方に凸のドーム形状に形成されている。なお、発明者らの実験では、Beの板厚は、20〜30μmの範囲で、また、ドーム形状の直径は、10〜30mmの範囲で、実用的であった。また、ツイータの振動板21としては、別途の特許第5324886号の発明に係る製造方法により製造された3層構造の振動板も好適に利用することができる。
さらに、ツイータの振動板21の前方には、ツイータの振動板21から放射される音波を前方に誘導する導波ホーン27が設けられている。この導波ホーン27は、ツイータの振動板21に接触しない状態でツイータの振動板21の外周縁21cに近接した位置から中間磁極部材12の磁極部12bを超える前方位置までに掛けて中間磁極部材12の内部に配置され、ツイータの振動板21の径に対応する径の入口開口27aから磁極部12bを超える前方位置まで徐々に内径が広がる筒形に形成されたエクスポーネンシャルホーンである。導波ホーン27は、中間磁極部材12に対して位置決め支持されている。これにより、ツイータは、ホーンスピーカとして効率よく音波を前方に放射する。
さらに、ツイータの振動板21の前方正面には、導波ホーン27の入口開口27aの部分から導波ホーン27の途中の部分までに掛けて、整流器28が設けられていて、振動板21からの直接の音波の前進を妨げており、音波は、整流器28の背面28aの周辺と導波ホーン27の入口開口27aとの間の隙間から導波ホーン27の内部空間に向かって整流されて放射される。整流器28は、略砲弾形状をした立体部材であり、背面28aは、ドーム形振動板21の凸曲面とほぼ平行に向かい合う凹曲面を成し、側面は円柱状で前端に掛けて徐々に先細となる曲面を成している。振動板21の分割振動からの直接放射が背面28aに遮られて分割振動に起因する歪み成分が適当に抑えられて、歪みの少ない音が導波ホーンの前方に放射される。整流器28は、図では明示されていないが、適宜の支持部材により導波ホーン27に対して支持されている。
スコーカ用のボイスコイルギャップ35の中には、スコーカ用のボイスコイル33が巻回されたスコーカ用のボイスコイルボビン32が、スコーカ用の中央ダンパ34により前面ヨーク部材13に対して位置決め支持されて、ギャップ35内で宙吊り状態で前後方向(図2では左右方向)に往復運動可能に配置されている。スコーカ用のボイスコイルボビン32の前縁には、スコーカの振動板31の中央開口部31cが一体的に接続形成されている。スコーカ用のボイスコイル33に流れる音声電流に応じてスコーカの振動板31が振動して、前方(図2では左方)に放音する。スコーカの振動板31は、前後方向中心軸線Xo−Xoを中心軸とする前方に凹の円錐台状の曲面であって、中心軸に対する斜面の傾斜が周辺から後方中央に向かって徐々に前後方向中心軸線Xo−Xoと平行に近づく曲面を成し、後方中央部に円形の中央開口部31cを有する湾曲した円錐台状曲面の形状に形成されている。
スコーカの振動板31は、図2の断面形状に見られるように、円錐台状曲面の傾斜が、ボイスコイルボビン32に接続された部分で前後方向中心軸線Xo−Xoに平行な方向から、前方に向かって徐々に前後方向中心軸線Xo−Xoに対して大きい角度になる方向に変化させてある。このような曲面形状により、振動板31の曲げこわさが中央領域で高くなっており、振動板31の分割振動が抑制され、ピストンモーションが保証される。さらに、振動板31は、その半径方向中程から周辺部に掛けた比較的平面に近い部分に、背面から前面に向かって振動板31の板面に垂直方向にチャンネル状に押し出された形状の半径方向に直線状のリブ31rが複数本(図1では、7本)、不等間隔に形成されている。この場合、リブ31の押し出し方向は、前面から背面に向かう方向でもよい。これにより、比較的平面に近い部分の曲げこわさが高くなって、その部分の分割振動が抑制され、ピストンモーションが保証される。また、リブ31rを不等間隔に設けたことは、振動板31の分割振動モードが成立しにくくなることに一役買っている。スコーカの振動板31の外周縁部31dは、周縁ダンパ39によりフレーム41に対して浮動的に位置決め支持されていて、前後方向に往復運動可能である。スコーカの振動板31は、厚さが100μmのMgの薄板で、直径160mmの前方に凹の円錐台状曲面の形状に形成されている。なお、発明者らの実験では、Mgの板厚は、50〜200μmの範囲で、また、円錐台状曲面の形状の直径は、140〜200mmの範囲で、実用的であった。また、スコーカの振動板31としては、別途の特許第5324886号の発明に係る製造方法により製造された3層構造の振動板も好適に利用することができる。
ここで、上記実施形態におけるツイータの振動板21とスコーカの振動板31の好適な製造方法について説明する。ツイータの振動板21の場合、まず、ドーム形状の振動板21とボイスコイルボビン22の一体となった形状の基板を薄い銅板でプレス加工または絞り加工により用意する。次いで、当該基板の内面に薄い絶縁膜を介して真空蒸着法によりBeの膜を、例えば、厚さ=25μmに蒸着する。次に、この出来上がった積層物の基板部分の銅をフォトリソグラフィ法によりエッチングして、ボイスコイル23となる部分をボイスコイルボビン22の部分の周囲にらせん状に残して、コイルの巻線の隣接線間と振動板21部分の前面全体の銅を除去する。これにより、ボイスコイルボビン22に絶縁膜を介してボイスコイルが巻回された状態でボイスコイルボビン22と振動板21が一体となった厚さ=25μmのスコーカの振動板が出来上がる。スコーカの振動板31の場合も同様であって、まず、円錐台状曲面の形状の振動板31とボイスコイルボビン32の一体となった形状の基板を薄い銅板でプレス加工または絞り加工により用意する。次いで、当該基板の内面(振動板31の前面となる側)に薄い絶縁膜を介して真空蒸着法によりMgの膜を、例えば、厚さ=100μmに蒸着する。次に、この出来上がった積層物の基板部分の銅をフォトリソグラフィ法によりエッチングして、ボイスコイル33となる部分をボイスコイルボビン32の部分の周囲にらせん状に残して、コイルの巻線の隣接線間と振動板31部分の背面全体の銅を除去する。これにより、ボイスコイルボビン32に絶縁膜を介してボイスコイルが巻回された状態でボイスコイルボビン32と振動板31が一体となった厚さ=100μmのスコーカの振動板が出来上がる。
さらに、スコーカの振動板31には、その外周縁部31dに隣接する領域において、振動に対して粘性および内部損を呈する弾性部材(以下、「粘弾性部材」)37を介して質量を呈する部材(以下、「質量部材」)38が添着されている。これにより、振動板31の当該領域が振動して前後に往復運動すると粘弾性部材37を介して質量部材38が前後に往復駆動される。その場合、振動周波数が高いほど質量部材38は、振動板31に合わせて往復運動しにくく、振動周波数が低いほど質量部材38は、振動板31に合わせて往復運動し易いので、一般的なスコーカの周波数領域では、振動板31は質量部材38の部分でより固定的に支持されることになる一方、一般的なウーファの周波数領域では、質量部材38が振動板31と一緒に往復運動し、振動板31は質量部材38の質量が加わった系として振動する。その結果、振動板の最低共振周波数f0 がその分だけ低くなり、一般的なウーファ領域の音の再生も可能である。また、この場合、質量部材38が粘弾性部材38を介して振動板31に添着されていることにより、スコーカの周波数領域で振動板31が主として質量部材38より内側で振動する場合に、振動板31の面を伝播する振動波が粘弾性部材37により吸収されて反射が抑えられ、振動板31の面に分割振動が成立しにくくなるという利点が得られる。なお、この実施形態では、質量部材38(振動板31の前面側と後面側の各1個)は、具体的な仕様として、厚さ=1.7mm、幅=5mm、幅方向中央半径=75mmで、質量=30gのステンレス鋼の部材で構成した。
また、図2に明示されているように、この実施形態では、ツイータの振動板21をスコーカの振動板31よりも後方(図2では右方)に位置させており、これにより、ツイータの振動板21から放射される音波の位相をスコーカの振動板31から放射される音波の位相に対して視聴者の位置で聴感上好ましい程度の位相遅れとなるように調整している。この後方にずらす距離は、大方の視聴者の位置に対して聴感上好ましい位相遅れを生じる程度の範囲で適切な値に設定する。最適な距離を実験的に求めるには、中央磁極部材11の後端から中間磁極部材12の前端までの寸法を一定として、つまり、スコーカ用のボイスコイルギャップ35の位置を一定として、ツイータ用のボイスコイルギャップ25の位置が前後方向に異なる位置となる複数とおりの中央磁極部材11と中間磁極部材12の組を用意して、図示しないが、それぞれ背面ヨーク部材15と支持部材16に対してねじ止め交換可能とし、官能検査により最適の組を求めることができる。例えば、4kHzの音については、20mmの前後方向位置の違いが約90度(=1/4波長)の位相の違いに相当する。
次に、各振動板のバックキャビティについて説明する。図2に示されるように、ツイータの振動板21の後方において中央磁極部材11の中心軸付近に前面から細長い丸孔(図2では2本)が穿設され、背面ヨーク部材15に丸孔が穿設されるとともにその背面にキャップ部材15aが設けられていて、振動板21の背面の空間とそれらが連続してツイータのバックキャビティ11vを形成している。中央磁極部材11の細長い丸孔、背面ヨーク部材の丸孔と、キャップ部材15aの中の空間にはグラスウールが詰められている。前面ヨーク部材13には振動板31の背面から磁気回路の内部の空間に向けて透孔13hが穿設され、背面ヨーク部材15にはさらに後方の空間に向けて透孔15hが穿設されていて、このような構造により、振動板31の背面の空間がスピーカシステムの後方の空間に連通しており、スピーカシステムをスピーカエンクロージャに取り付けた場合に、スピーカエンクロージャの内容積がスコーカのバックキャビティを形成する。ツイータのバックキャビティ11vは、スコーカの振動板31の振動による気圧変動の干渉を避けるために、キャップ部材15aによりスコーカのバックキャビティから独立している。
次に、ボイスコイルギャップの磁気シャント部材について説明する。図3は、図1のIII−III線における断面図であり、この図は、スコーカ用のボイスコイルギャップ35の磁気シャント部材17を図解するものである。磁気シャント部材17は、スコーカ用のボイスコイルギャップ35を跨いで、中間磁極部材12から前面ヨーク部材13に架けて磁気回路をバイパスして短絡する磁性材料からなるもので、この実施形態では、円周方向に8箇所(図1参照)設けられ、スコーカ用のボイスコイルギャップ35内の磁束密度を、ツイータ用のボイスコイルギャップ25との相対関係で適切な値に減じ調整している。スコーカ用のボイスコイルギャップ35内の磁束密度を調整する必要が無い場合は、磁気シャント部材17は、不要である。
以上に説明した第一の実施形態では、磁気回路の磁束を発生させるための起磁力源として中央磁極部材11および中間磁極部材12の周りに励磁コイル19を巻回した電磁石による構成を採用しているが、電磁石による励磁に代えて、永久磁石を起磁力源とする構成を採用することも可能であり、第二の実施形態として、永久磁石を採用した場合について、以下に説明する。図4は、この発明の第二の実施形態によるスピーカシステムの正面図であり、図5は、図4のV−V線における断面図である。
この実施形態のスピーカシステムは、第一の実施形態における側面ヨーク部材14の部分を円周方向に横並べした複数本(図4では、10本)の各円柱の軸線方向に着磁した円柱状の永久磁石18に置き換えるとともに、励磁コイル19を除いたものである。永久磁石は、円柱状の部材を円柱の軸線方向に着磁して製造されることが多く、入手も容易であるので、この実施形態では、円柱状の永久磁石18を複数本横並べして配置する構成を採用した。この構造は、中央磁極部材11および中間磁極部材12自体を永久磁石とするよりもはるかに強力な起磁力が得られる。この場合、両ボイスコイルギャップの磁束密度を極力高くすべく、できるだけ起磁力の大きい強力な永久磁石を使用したいので、できるだけ太い永久磁石を円柱体同士の間に隙間が空かないように密着させて配置する。ボイスコイルギャップの磁束密度が高いと、特にスコーカの場合に、再生音の周波数特性の面で次のような利点がある。すなわち、アンプの低い出力インピーダンスで両端が短絡されたボイスコイルの閉じた線輪が高磁束密度の磁界の中を動くことに対して、線輪に作用する制動力が大きくなる。そのため、周波数特性の最低共振周波数(f0 )におけるQ値が低下し、特性曲線のピークが抑えられ、それ以下の裾野部分が低域に向かって延びることになり、スコーカの再生音域を低音の方に広げることに寄与する。また、併せてスピーカエンクロージャの内部共振周波数をスピーカのf0 以下の適当な値に設定することにより、周波数特性の低域を延ばすことが期待できる。
ここで、この永久磁石18を用いたスピーカシステムの具体的な実施形態として、その構造上の具体的数値とそれにより得られた周波数特性について、説明する。図4、5において、スコーカの振動板31は、直径が160mm、厚さが100μmのMgの薄板である。この場合、スコーカのボイスコイルギャップ35の長さ(ボイスコイルの振動方向の長さ)を15mmとし、したがって、前面ヨーク部材13(材質は軟鉄)の厚さを15mmとし、各永久磁石18を直径20mm、長さ30mmの軸方向に着磁したネオジミウム・コバルト磁石(飽和磁束密度が高く、エネルギ積が大きい材料)とし、背面ヨーク部材15(材質は軟鉄)の厚さを15mmとし、中央磁極部材11および中間磁極部材12の材質をパーメンジュールとして磁気回路を構成し、ボイスコイルギャップ35の磁束密度を0.7T(テスラ)(=7,000ガウス)に設計した。ボイスコイル33の巻幅(振動方向の長さ)を7mmとし、ボイスコイル33が振幅7mmで振動しても、ボイスコイル33がボイスコイルギャップ35からはみ出さないように設定した。なお、永久磁石としては、同様にエネルギ積の大きいネオジミウム・鉄・ボロン磁石を採用することもできる。
上述の設計によるスピーカシステムで測定された周波数特性を図6に示す。図6において、Psは、上記の強力な永久磁石を採用してボイスコイルギャップ35の磁束密度を0.7Tとした場合のスコーカの周波数特性を示す。従来技術において得られていたボイスコイルギャップの磁束密度は、一般的には0.4T(4,000ガウス)程度であり、この実施形態のような強力な永久磁石を採用しなければ、ボイスコイルの動きに対する制動はあまり作用せず、むしろ振動板の最低共振周波数f0 におけるQ値を1よりも大きく設計して、周波数特性にその部分でピークを持たせることにより低域の出力レベルを確保することになり、その場合の周波数特性は、図6に破線の特性曲線Ps’で示すような形を呈するであろうところ、この実施形態のようなエネルギ積の大きい強力な永久磁石を採用してスコーカのボイスコイルギャップ35の磁束密度を従来得られなかった値に高く設計すると、ボイスコイルの動きに対する制動力が大きくなり、特性曲線Psで示すように、周波数特性の全体の出力レベルが低下するとともに、周波数特性の最低共振周波数(f0 )におけるQ値が低く抑えられて、特性曲線のピークが消失し、それより低い周波数の裾野部分がより低域に向かって延びる効果がある。なお、ツイータの特性曲線が破線Pt’示すレベルのままであると、スコーカの特性曲線Psとの釣り合いが取れないので、ツイータの駆動アンプのレベルを調整して実線Ptの特性曲線となるようにしてスコーカの特性曲線Psと揃える。発明者らの実験によると、この永久磁石を採用することにより、スコーカのボイスコイルギャップの磁束密度が0.6T(6,000ガウス)以上となれば、最低共振周波数(f0 )における特性曲線のピークを消失させることができ、それより低い周波数部分の再生レベルを低域に向かって延ばす効果が得られた。
磁気回路の起磁力として永久磁石を採用すると、スピーカ単体として扱うのに便利であることに加えて、特に、上述したような飽和磁束密度の高いエネルギ積の大きい材料の永久磁石を採用することができ、それによりボイスコイルの動きに対する制動力が大きくなり、周波数特性の最低共振周波数(f0 )におけるQ値がより大きく低下し、特性曲線のピークがさらに抑えられ、それ以下の裾野部分がより低域に向かって延びる効果がある。他方、電磁石を採用した構成にすると、設計に際しての実験段階で磁束密度を種々に変えてみながら最適設計をするには好都合であると思われ、また、オーディオセットとしてスピーカシステムを使用する場合に、励磁電流に応じてスピーカの特性を意図的な特性に設定しようとするには、便利であると思われる。
以上に説明した実施形態において、ツイータとスコーカが同じ軸位置から、かつ、前後方向にもほぼ同じ位置(ただし、聴感上好ましい位相調整の分だけずらしてある)から音を放射するので、視聴者から見て音像の方向が周波数帯に応じてずれることなく、良好な再生音空間が提供される。さらに、スコーカの振動板が徐々に傾斜の変化する湾曲した円錐台状曲面の形状に形成されているので、単純な直線的傾斜の円錐台状の形状の場合に比べて曲げこわさが向上しており、ピストンモーション領域が広く、歪みの少ない音の再生が期待できる。また、ツイータとスコーカが1つのユニットとしてできているので、スピーカボックスに占める大きさが小さくて済む。
さらに、スコーカの振動板の外周縁に隣接する領域に粘弾性部材を介して質量部材が添着された実施形態によると、スコーカの振動板が通常のスコーカ領域の音の再生を行うのに加えて、振動板の最低共振周波数(f0 )が下がってウーファ領域の音の再生をも行うことができ、ツイータとスコーカの振動板を備えた1個のスピーカシステムで従来の3ウエイスピーカシステムと同等の範囲の音再生を行うことができる。
さらに、スコーカの磁気回路に永久磁石を採用してスコーカのボイスコイルギャップの磁束密度を高くした実施形態によると、スコーカによる再生音域を従来のウーファによる再生音域よりもさらに低音域まで延ばすことができる。
Xo−Xo…前後方向中心軸線、11…中央磁極部材、11a…磁極部、11b…基部、11v…バックキャビティ、12…中間磁極部材、12a…磁極部、12b…磁極部、13…前面ヨーク部材、13a…磁極部、13b…外周部、13h…透孔、14…側面ヨーク部材、15…背面ヨーク部材、15a…キャップ部材、15h…透孔、16…支持部材、17…磁気シャント部材、18…永久磁石、19…励磁コイル、21…ツイータの振動板、21c…外周縁、22…ツイータ用のボイスコイルボビン、23…ツイータ用のボイスコイル、24…ツイータ用のダンパ、25…ツイータ用のボイスコイルギャップ、27…導波ホーン、27a…入口開口、28…整流器、28a…整流器の背面、31…スコーカの振動板、31c…中央開口部、31d…外周縁部、31r…リブ、32…スコーカ用のボイスコイルボビン、33…スコーカ用のボイスコイル、34…スコーカ用の中央ダンパ、35…スコーカ用のボイスコイルギャップ、37…粘弾性部材、38…質量部材、39…スコーカ用の周縁ダンパ、41…フレーム。

Claims (9)

  1. スピーカの前後方向中心軸線を中心とする円周上に半径方向に対向して形成された第一のボイスコイルギャップと、前記第一のボイスコイルギャップより前方の位置において前記第一のボイスコイルギャップより大径の前記前後方向中心軸線を中心とする円周上に半径方向に対向して形成された第二のボイスコイルギャップとを直列に有するスピーカ磁気回路と、
    前記第一のボイスコイルギャップの中に配置された第一のボイスコイルと、
    前記第二のボイスコイルギャップの中に配置された第二のボイスコイルと、
    前方に凸のドーム形状に形成され外周縁が前記第一のボイスコイルの前縁に接続された第一の振動板と、
    前記前後方向中心軸線を中心軸とする前方に凹の円錐台状の曲面であって、中心軸に対する斜面の傾斜が後方中央に向かって徐々に前記前後方向中心軸線と平行に近づく曲面を成し、中央部に円形の開口部を有する湾曲した円錐台状曲面の形状に形成され、前記円形開口部の内周縁が前記第二のボイスコイルの前縁に接続された第二の振動板と、
    前記磁気回路に固定されていて前記第二の振動板の外周縁をダンパを介して前後方向に浮動的に支持する支持枠体と
    を備えてなるスピーカシステム。
  2. 請求項1に記載のスピーカシステムであって、さらに、
    前記第二の振動板の外周縁に隣接する領域において、振動に対して粘性および内部損を呈する部材を介して質量を呈する部材を前記第二の振動板に添着してなる
    ことを特徴とするスピーカシステム。
  3. 請求項1または2に記載のスピーカシステムにおいて、
    前記第二の振動板は、その半径方向中央から周辺部に掛けた部分に、振動板31の板面に垂直方向にチャンネル状に押し出された形状の半径方向に直線状のリブ31rが複数本形成されている
    ことを特徴とするスピーカシステム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のスピーカシステムであって、さらに、
    前記第一の振動板および前記円形開口部に接触しない状態で前記第一の振動板に近接した位置から前記円形開口部を越える位置までに掛けて配置され、前記第一の振動板の径に対応する径の入口開口から前記円形開口部の内径に対応する径の出口開口まで徐々に内径が広がる筒形に形成された、音波を誘導する導波ホーンを備えてなる
    ことを特徴とするスピーカシステム。
  5. 請求項4に記載のスピーカシステムであって、さらに、
    前記第一の振動板の前方正面に、前記導波ホーンの入口開口の部分から途中の部分までに掛けて、前記第一の振動板のドーム形状に向かい合う背面を有し、前端に向かって徐々に円柱状から先細となる側面を有する形状の整流器を、前記背面と前記導波ホーンの入口開口との間に隙間を空けて備えてなる
    ことを特徴とするスピーカシステム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のスピーカシステムにおいて、
    前記磁気回路は、中央磁極部材と、前記中央磁極部材に対して間に第一のボイスコイルギャップを介在させて対向して設けられた中間磁極部材と、前記中間磁極部材に対して間に第二のボイスコイルギャップを介在させて対向して設けられた前面ヨーク部材と、前記前面ヨーク部材に接続して設けられた永久磁石からなる側面ヨーク部材と、前記側面ヨーク部材と前記中央磁極部材の間に両者に接続して設けられた背面ヨーク部材とを備えて構成されている
    ことを特徴とするスピーカシステム。
  7. 請求項6に記載のスピーカシステムにおいて、
    前記永久磁石がネオジミウム・コバルト磁石であって、前記第二のボイスコイルギャップの磁束密度が0.6テスラ以上である
    ことを特徴とするスピーカシステム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のスピーカシステムにおいて、
    前記第一の振動板は、ベリリウムを主構成要素として形成された振動板であって、厚さが20〜30μmの板状部材であり、前記第二の振動板は、マグネシウムを主構成要素として形成された厚さが50〜200μmの板状部材である
    ことを特徴とするスピーカシステム。
  9. 請求項8に記載のスピーカシステムにおいて、
    前記第一の振動板は、前方に凸のドーム形状の直径が10〜30mmであり、前記第二の振動板は、前方に凹の円錐台形状の直径が140〜200mmである
    ことを特徴とするスピーカシステム。
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