WO2006123699A1 - 幹細胞に対する骨芽細胞への分化促進剤 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、幹細胞から骨芽細胞への分化促進剤、骨芽細胞の製造方法、該製造方法により製造される骨芽細胞、または骨治療材を提供することにある。
本発明は、カルシウム拮抗薬を有効成分として含有する幹細胞から骨芽細胞への分化促進剤、該分化促進剤を使用することを特徴とする骨芽細胞の製造方法、該製造方法により製造される骨芽細胞、または該分化促進剤を含有することを特徴とする骨治療材を提供する。
Description
明 細 書
幹細胞に対する骨芽細胞への分化促進剤
技術分野
[0001] 本発明は、幹細胞に対する骨芽細胞への分化促進剤、骨芽細胞の製造方法、該 製造方法により製造される骨芽細胞、および骨治療材に関する。
背景技術
[0002] 変形性関節症や慢性関節リウマチ、難治性骨折、骨形成不全症、歯周病等、種々 の骨疾患に対する根治療法として、損傷または疾病に冒された骨組織を修復させる ことが提唱されている。具体的には、従来、腸骨より採取した自家骨片の移植による 治療や、金属またはセラミック製等の人工骨の移植による治療等が行われてきた。し かし、 自家骨片の移植においては、採骨量に限界があり、採骨部に痛みが残存し出 血を伴うという問題がある。また、人工骨による治療では、使用するに従い、すり減つ たり緩んだりするという問題があり、人工骨周辺の免疫力が落ちることによる感染症や 、人体にとって異物である人工物への拒絶反応が生ずることもあり、耐用年数は平均 10年から 20年である。こうした状況から、これらに替わる治療法が求められてきた。
[0003] そこで、患者自身の新鮮な骨髄細胞を採取して傷害部位に骨髄細胞を注入する治 療が試みられてレ、る。これは骨髄には血球系細胞へ分化する造血幹細胞以外に、 骨組織を形成する能力のある骨芽細胞へ分化可能な幹細胞が含まれているからで ある。すなわち、新鮮骨髄に含まれる幹細胞が移植部位において骨芽細胞へ分化し 、更にその分化した細胞による骨形成が期待できるからである。しかし、この新鮮な骨 髄細胞に含まれる幹細胞は数が少なぐその治療効果もまだ明確ではない。
[0004] 近年、骨髄細胞を採取し生体外で培養して幹細胞を増殖させることが可能になつ てきた。少量の成体骨髄から取得した幹細胞は増殖可能で、この増幅された幹細胞 を骨芽細胞や軟骨細胞に分化させて移植するという治療法も試みられている。
一般に幹細胞とは、様々な組織を構成する細胞へ分化する多分化能と、自己複製 能を有する細胞であり、成体骨髄以外にも、成体の様々な組織、胚、胎児等からも取 得することができる。胚性幹細胞は、受精卵より取得され、成体を構成する全ての組
織に分化できる能力を持つ。一方、成体組織には、成体の全ての組織ではないが、 当該組織の機能性細胞を供給する幹細胞が存在し、その例として、造血幹細胞や神 経幹細胞等が知られている。特に、骨芽細胞や脂肪細胞等への分化能を有する幹 細胞は、間葉系幹細胞と呼ばれ、成体骨髄や臍帯血等から取得できる。最近では、 成体の組織中に、当該組織の機能性細胞だけでなぐ胚性幹細胞のように成体のほ とんど全ての細胞に分化できる能力を有する、成体多能性幹細胞が存在することも 報告されてレ、る (非特許文献 1参照)。
[0005] これらの幹細胞は、薬剤やサイト力イン等の添加により、特定の細胞へ in vitroで分 ィ匕させることができる。例えば、間葉系幹細胞から骨芽細胞へはデキサメタゾン、 β - グリセ口フォスフェート、およびァスコルビン酸を作用させることにより誘導できることが 報告されている(非特許文献 2参照)。また、骨形成因子(bone morphogenetic protei ns; BMPs)や塩基性繊維芽細胞増殖因子(basic fibroblast growth factor; bFGF)等 の増殖因子も骨芽細胞への分化を誘導させる作用があることが知られている。一般 に、蛋白質の場合、低分子化合物と比べて、安定性、生産コスト、生理作用の多様 性等の点で実用に供する場合に問題がある。低分子化合物としては、 HMG-CoA還 元酵素の阻害剤であるスタチン系の薬剤に骨形成促進作用が報告されている(非特 許文献 3参照)が、臨床上の有用性については明確ではない(非特許文献 4、 5参照 ;)。また、別の低分子化合物として、パーモルファミン(purmorphamine)の in vitro骨芽 細胞誘導活性が報告されている(非特許文献 6参照)が、臨床上の有用性について は明確ではない。
[0006] 一方、ある種のジヒドロピリジン、フエニルアルキルァミン、ベンゾチアゼピン等は 血管平滑筋の L型カルシウムチャンネルに拮抗的に作用し、降圧作用を示すことが 報告されており(非特許文献 7参照)、これらの化合物が kudimで骨芽細胞株 MC3T
3-E1の成熟を促進させること(非特許文献 8、 9参照)、塩酸べニジピンを雄性高血圧 自然発症ラット (SHR)に投与すると骨重量、骨強度が増加すること(非特許文献 10 参照)が報告されている。しかし、これらの化合物の骨芽細胞への分化が決定されて レ、ない幹細胞に対する作用は不明である。し力も、幹細胞は骨芽細胞以外の細胞へ も分化する多様な分化能を有しており、例えば、成体骨髄由来の間葉系幹細胞は脂
肪細胞、骨格筋細胞、線維芽細胞、軟骨細胞等への分化能を有することから、これら の化合物の骨芽細胞以外の細胞への分化に対する影響については全く不明であり
、これまでの知見を基に幹細胞に対する作用を予測することは困難である。
非特許文献 1:「ネイチヤー(Nature)」、 2002年、 418卷、 p. 41—49
非特許文献 2:「サイエンス(Science)」、 1999年、 284卷、 p. 143— 147
非特許文献 3 :「サイエンス(Science)」、 1999年、 286卷、 p. 1946 - 1949
非特許文献 4 :「アールスライティス 'リサーチ(Arthritis Research)」、 2002年、 4卷、 p
. 151 - 153
非特許文献 5 :「ジャーナル'ォブ 'クリニカル'エンドクリノロジ一'メタボリズム(Journal of Clinical Endocrinology Metabolism)」、 2002年、 87卷、 p. 1451— 1458
非特許文献 6 :「ジャーナル'ォブ'ザ 'アメリカン 'ケミカル'ソサエティ一(Journal of th e American Chemical Society)」、 2002年、 124卷、 p. 14520— 14521
非特許文献 7 :「クリニカル'カルシウム(Clinical Calcium)」、 1997年、 7卷、 p. 7— 10 非特許文献 8 :「バイオロジカル'アンド'ファーマシューティカル'ブリタン(Biological & Pharmaceutical Bulletin)」、 2001年、 24卷、 p. 628— 633
非特許文献 9 :「カルシファイド 'ティッシュ 'インターナショナル(Calcified Tissue Inter national)」、 2002年、 70卷、 p. 30— 39
非特許文献 10 :「新薬と臨床」、 1993年、 42卷、 p. 2298
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] 幹細胞を生体外で骨芽細胞へ分化させて移植するという治療法や、生体内の幹細 胞に対して直接、骨芽細胞への分化を促進させる治療法等において、幹細胞から骨 芽細胞への分化を促進させる活性を有する低分子化合物があれば、移植に必要とさ れる細胞数を減らすことや、分化誘導に力かる時間の短縮等の効果が期待できる。 本発明の目的は、幹細胞に対する骨芽細胞への分化促進剤、骨芽細胞の製造方 法、該製造方法により製造される骨芽細胞、または骨治療材を提供することにある。 課題を解決するための手段
[0008] 本発明は以下の(1)〜(: 16)に関する。
(1)カルシウム拮抗薬を有効成分として含有する、幹細胞に対する骨芽細胞への分 化促進剤。
(2)カルシウム拮抗薬力 ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬、フヱニルアルキルアミ ン系カルシウム拮抗薬、およびべンゾチアゼピン系カルシウム拮抗薬からなる群から 選ばれる少なくとも一つのカルシウム拮抗薬である、上記(1)に記載の分化促進剤。
(3)幹細胞が、骨芽細胞への分化能を有する幹細胞である、上記(1)〜(2)のいず れか 1項に記載の分化促進剤。
(4)骨芽細胞への分化能を有する幹細胞が、胚性幹細胞、成体多能性幹細胞、およ び末梢血単球由来細胞からなる群から選ばれる少なくとも一つの幹細胞である、上 記(3)に記載の分化促進剤。
(5)成体多能性幹細胞が CD45陰性かつ CXCR4陽性細胞である、上記 (4)に記載の 分化促進剤。
(6)骨芽細胞への分化能を有する幹細胞が間葉系幹細胞である、上記(3)に記載 の分化促進剤。
(7)間葉系幹細胞が骨髄、脂肪組織、臍帯、歯周辺組織、子宮内膜組織および筋 組織から選ばれる組織由来である、上記(6)に記載の分化促進剤。
(8)骨芽細胞への分化能を有する幹細胞が哺乳動物由来である、上記(3)〜(7)の レ、ずれか 1項に記載の分化促進剤。
(9)哺乳動物がヒトである、上記(8)に記載の分化促進剤。
(10)幹細胞を骨芽細胞へ分化誘導させる条件下、上記(1)〜(9)のいずれか 1項に 記載の分化促進剤を添加して幹細胞を培養し、幹細胞を骨芽細胞へ分化させ、該 培養物中より骨芽細胞を採取することを特徴とする骨芽細胞の製造方法。
( 11 )上記( 10)に記載の製造方法により得られる骨芽細胞。
(12)上記(1)〜(9)のいずれか 1項に記載の幹細胞に対する骨芽細胞への分化促 進剤と幹細胞の足場とを含有する骨治療材。
(13)幹細胞の足場が、生体吸収性材料または生体非吸収性材料である上記(12) に記載の骨治療材。
(14)生体吸収性材料が、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ポリダリコール酸、ポリ
乳酸、ポリ- L -乳酸、ポリ- D,L-乳酸、乳酸とグリコール酸の共重合体、ポリ ε -力プロ ラタトン、ポリシァノアクリレート、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート 、ポリフォスファゼン、コラーゲン、ゼラチン、フイブリン、キチン、キトサン、ヒアノレロン 酸、セルロース、アルギン酸、デンプン、およびデキストラン、ペプチド、およびその誘 導体からなる群から選ばれる少なくとも一つの物質である、上記(13)に記載の骨治 療材。
(15)生体非吸収性材料がチタンまたはセラミックである上記(13)または(14)に記 載の骨治療材。
(16)幹細胞の足場が、繊維性および/または多孔性形態である上記(12)〜(15)の いずれか 1項に記載の骨治療材。
発明の効果
[0009] 本発明により、カルシウム拮抗薬を有効成分として含有する、幹細胞に対する骨芽 細胞への分化促進剤、骨芽細胞の製造方法、該製造方法により製造される骨芽細 胞、または骨治療材を提供することができる。
図面の簡単な説明
[0010] [図 1]図 1は、塩酸べニジピンの種々の濃度における、 hMSCの骨芽細胞への分化に 対する効果を表すグラフである。縦軸は単位面積あたりのフォンコッサ染色陽性部分 の割合(%)を、横軸は塩酸べニジピンの濃度 (mol/Ι)を表す。縦軸の値は 3回の実 験の平均値土 SEMを示す。
[図 2]図 2は、塩酸べニジピンの種々の濃度における、 hMSCの脂肪細胞への分化に 対する効果を表すグラフである。縦軸は 490nmにおける吸光度を、横軸は塩酸べ二 ジピンの濃度(mol/1)を表す。縦軸の値は 3回の実験の平均値土 SEMを示す。
[図 3]図 3は、 hMSCに対する種々の濃度のアムロジピンまたは二フエジピンの、骨芽 細胞分化への効果を表すグラフである。縦軸は単位面積あたりのフォンコッサ染色陽 性部分の割合(%)を、横軸はアムロジピン(秦)または二フエジピン(〇)の濃度(mol/ 1)を表す。縦軸の値は 3回の実験の平均値土 SEMを示す。
[図 4]図 4は、 mAdSCに対する塩酸べニジピンの骨芽細胞への分化に対する効果を 表すグラフである。縦軸は単位面積あたりのフォンコッサ染色陽性部分の割合(%)を
表す。縦軸の値は 3回の実験の平均値 ± SEMを示す。
[図 5]図 5は、 mAdSCに対する塩酸べニジピンの骨芽細胞への分化に対する効果を 表すグラフである。縦軸は DNA含量あたりの ALP活性の相対値(%)を表す。縦軸の 値は 3回の実験の平均値 ± SEMを示す。
[図 6]図 6は、 mAdSCに対する各種カルシウム拮抗薬の骨芽細胞への分化に対する 効果を表すグラフである。縦軸は DNA含量あたりの ALP活性の相対値(%)を、横軸 は対照群(1)、塩酸べラパミル 10— 8 mol/L (2)、塩酸べラパミル 10— iol/L (3)、または 塩酸ジルチアゼム 10— 8mol/L (4)を表す。縦軸の値は 3回の実験の平均値土 SEMを示 す。
発明を実施するための最良の形態
[0011] 1.カルシウム拮抗薬
本発明の幹細胞に対する骨芽細胞への分化促進剤に含有されるカルシウム拮抗 薬としては、カルシウム拮抗作用を有する物質であればいずれでもよぐ例えばジヒド 口ピリジン系カルシウム拮抗薬、フヱニルアルキルアミン系カルシウム拮抗薬、ベンゾ チアゼピン系カルシウム拮抗薬、ゾニサミド、ファスジル、ロメリジン、プレガバリン、シ クランデレート、イデべノン、ブフロメジノレ、ァトシバン、およびそれらの薬理学的に許 容される塩等があげられる。他に、特公昭 60-033114号公報、特公平 04-081986号公 報、特公平 05-003851号公報、特公平 03-013232号公報、特開 2004-238398号公報 、 Nanjing Yaoxueyuan Xuebao, 2, 19-26 (1983)、特公昭 59- 019930号公報、特公昭 5 1-023492号公報、特公平 03-064516号公報のそれぞれに記載の化合物、およびそ れらの薬理学的に許容される塩等があげられる力 S、ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗 薬、フエニルアルキルアミン系カルシウム拮抗薬、ベンゾチアゼピン系カルシウム拮 抗薬、ゾニサミド、ファスジル、ロメリジン、プレガバリン、シクランデレート、イデべノン 、ブフロメジノレ、ァトシバン、およびそれらの薬理学的に許容される塩が好ましぐジヒ ドロピリジン系カルシウム拮抗薬がより好ましレ、。
[0012] ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬としては、ベニジピン、二フエジピン、アムロジピ ン、シノレニジピン、二トレンジピン、ニモジピン、イスラジピン、二カノレジピン、フエロジ ピン、マニジピン、二ルバジピン、二ソルジピン、バルニジピン、ァラニジピン、エホ二
ジピン、レルカニジピン、ラシジピン、ァゼルジニピン、およびそれらの薬理学的に許 容される塩等があげられる。他に、特公平 02- 000348号公報、 Arzneimittel-Forschun g,29, 226-229 (1979)、特公昭 62-006703号公報、特公平 03-014307号公報、特公平 05-021105号公報、特公平 05-053774号公報、 Arzneimittel-Forschung, 33, 106-112 (1983)、特公平 03-069910号公報、 Chemical & Pharmaceutical Bulletin, 27, 1426-1 440 (1979)、特公昭 61-021550号公報、 Chemical & Pharmaceutical Bulletin, 33, 378 7-3797 (1985)、特公昭 61-025711号公報、特公平 05-053774号公報、特公昭 57-030 111号公報、特公昭 61-001066号公報、特公昭 61-021627号公報、特公平 06-05575 1号公報、特公平 06-099458号公報、特公平 05-017908号公報、特公平 05-050506 号公報、特公平 06-086430号公報、特公平 03-031715号公報のそれぞれに記載の 化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩等があげられる力 ベニジピン、二 フエジピン、アムロジピン、およびそれらの薬理学的に許容される塩が好ましい。
[0013] フエニルアルキルアミン系カルシウム拮抗薬としては、ベラパミル、ガロパミル、べプ リジルの他、特公昭 51-018940号公報、特公昭 61-006815号公報、特公昭 54-029493 号公報のそれぞれに記載の化合物、およびそれらの薬理学的に許容される塩等が あげられる力 ベラパミル、ガロパミル、ベプリジル、およびそれらの薬理学的に許容 される塩が好ましい。
[0014] ベンゾチアゼピン系カルシウム拮抗薬としては、ジルチアゼムの他、特公昭 63-017 831号公報、特開昭 57-169476号公報のそれぞれに記載の化合物、およびそれらの 薬理学的に許容される塩等があげられるが、ジルチアゼムおよびその薬理学的に許 容される塩が好ましい。
薬理学的に許容される塩としては、酸付加塩、金属塩、アンモニゥム塩、有機アミン 付加塩、アミノ酸付加塩等があげられる。
[0015] 酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マ レイン酸塩、フマル酸塩、クェン酸塩等の有機酸塩があげられる。
金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、力 ルシゥム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられる。
アンモニゥム塩としては、アンモニゥム、テトラメチルアンモニゥム等の塩があげられ
る。
[0016] 有機アミン付加塩としては、モノレホリン、ピぺリジン等の塩があげられる。
アミノ酸付加塩としては、グリシン、フエ二ルァラニン、リジン、ァスパラギン酸、ダル タミン酸等の塩があげられる。
上記の薬理学的に許容される塩のうち、塩酸塩が好ましく用いられるが、他の塩、 または 2以上の塩を適宜組み合わせて用いてもよい。
[0017] カルシウム拮抗薬の製造方法としては特に限定されないが、ベニジピンは例えば特 公平 02-000348号公報、特開平 05-078319号公報、特開平 05-148231号公報等に記 載の方法またはそれらに準じた方法により得ることができる。二フエジピンは例えば Ar zneimittel-Forschung, 29, 226-229 (1979)等に記載の方法またはそれに準じた方法 により得ることができる。アムロジピンは例えば特公昭 62-006703号公報等に記載の 方法またはそれに準じた方法により得ることができる。シノレニジピンは例えば特公平 0 3-014307号公報等に記載の方法またはそれに準じた方法により得ることができる。二 トレンジピンは例えば特公平 05-021105号公報、特公平 05-053774号公報等に記載 の方法またはそれに準じた方法により得ることができる。ニモジピンは例えば Arzneimi ttel-Forschung, 33, 106-112 (1983)等に記載の方法またはそれに準じた方法により 得ることができる。イスラジピンは例えば特公平 03-069910号公報等に記載の方法ま たはそれに準じた方法により得ることができる。二カルジピンは例えば Chemical & Pha rmaceutical Bulletin, 27, 1426-1440 (1979)等に記載の方法またはそれに準じた方法 により得ることができる。フエロジピンは例えば特公昭 61-021550号公報等に記載の 方法またはそれに準じた方法により得ることができる。マニジピンは例えば Chemical & Pharmaceutical Bulletin, 33, 3787-3797 (1985)等に記載の方法またはそれに準じ た方法により得ることができる。二ルバジピンは例えば特公昭 61-025711号公報等に 記載の方法またはそれに準じた方法により得ることができる。二ソルジピンは例えば 特公平 05-053774号公報等に記載の方法またはそれに準じた方法により得ることが できる。バルニジピンは例えば特公昭 57-030111号公報等に記載の方法またはそれ に準じた方法により得ることができる。ァラニジピンは例えば特公昭 61-001066号公報 、特公昭 61-021627号公報等に記載の方法またはそれに準じた方法により得ることが
できる。エホニジピンは例えば特公平 06-055751号公報、特公平 06-099458号公報 等に記載の方法またはそれらに準じた方法により得ることができる。レルカニジピンは 例えば特公平 05-017908号公報等に記載の方法またはそれに準じた方法により得る ことができる。ラシジピンは例えば特公平 05-050506号公報、特公平 06-086430号公 報等に記載の方法またはそれらに準じた方法により得ることができる。ァゼルジニピ ンは例えば特公平 03-031715号公報等に記載の方法またはそれに準じた方法により 得ることができる。ベラパミルは例えば特公昭 51-018940号公報等に記載の方法また はそれに準じた方法により得ることができる。ガロパミルは例えば特公昭 61-006815号 公報等に記載の方法またはそれに準じた方法により得ることができる。ベプリジルは 例えば特公昭 54-029493号公報等に記載の方法またはそれらに準じた方法により得 ることができる。ジルチアゼムは例えば特公昭 63-017831号公報、特開昭 57-169476 号公報等に記載の方法またはそれらに準じた方法により得ることができる。ゾニサミド は例えば特公昭 60-033114号公報等に記載の方法またはそれに準じた方法により得 ることができる。ファスジルは例えば特公平 04-081986号公報、特公平 05-003851号 公報等に記載の方法またはそれらに準じた方法により得ることができる。ロメリジンは 例えば特公平 03-013232号公報等に記載の方法またはそれに準じた方法により得る こと力 Sできる。プレガバリンは例えば特開 2004-238398号公報等に記載の方法または それに準じた方法により得ることができる。シクランデレートは例えば Nanjing Yaoxuey uan Xuebao, 2, 19-26 (1983)等に記載の方法またはそれに準じた方法により得ること ができる。イデべノンは例えば特公昭 59-019930号公報等に記載の方法またはそれ に準じた方法により得ることができる。ブフロメジルは例えば特公昭 51-023492号公報 等に記載の方法またはそれに準じた方法により得ることができる。ァトシバンは例え ば特公平 03-064516号公報等に記載の方法またはそれに準じた方法により得ること ができる。
本発明に用いられるカルシウム拮抗薬としては、上記製造方法で得られる物質の 他、市販されている薬剤等を用レ、ることもできる。
公報記載のカルシウム拮抗薬については、各々の公報に記載の製造方法またはそ れに準じた製造方法により得ることができる。
カルシウム拮抗薬の製造における中間体および目的化合物は、有機合成化学で 常用される分離精製法、例えば、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロ マトグラフィーなどに付して単離精製することができる。また、中間体においては特に 精製することなく次の反応に供することもできる。
[0019] 薬理学的に許容される塩を取得したいとき、それらが塩の形で得られるときはその まま精製すればよぐまた、遊離の形で得られるときは、それらを適当な溶媒に溶解ま たは懸濁し、酸または塩基を加えて単離、精製すればよい。
また、本発明に用いられるカルシウム拮抗薬は、水または各種溶媒との付加物の形 で存在することもある力 これらの付加物も本発明で用いられるカルシウム拮抗薬に 包含される。
[0020] 2.幹細胞に対する骨芽細胞への分化促進剤
本発明の幹細胞に対する骨芽細胞への分化促進剤(以下「本発明の分化促進剤」 という。)は、 ii dx2または ii dimにおいて幹細胞と接触させたとき、該幹細胞に対し て作用し、該幹細胞から骨芽細胞への分化を促進させることができる。
[0021] 本発明の分化促進剤は種々の骨疾患治療に使用することができる。該疾患として は、治癒過程で骨形成が生ずる疾患であれば特に限定されないが、例えば、変形性 関節症、慢性関節リウマチ、難治性骨折、腫瘍の骨転移に伴う溶骨、骨形成不全症 、歯周病、開頭術後の骨欠損等の手術に伴う骨欠損、骨粗鬆症に伴う骨欠損等があ げられる。
本発明の分化促進剤は、活性成分としてカルシウム拮抗薬を単独で、または任意 の他の治療のための有効成分と混合して医薬製剤として提供される。また、それら医 薬製剤は、活性成分を薬理学的に許容される一種またはそれ以上の担体と一緒に 混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の方法により製造される。 また、それら医薬製剤は、動物およびヒトに使用されるものである。
[0022] 他の治療のための有効成分としては、例えば、骨粗鬆症治療剤、骨形成を促進す るサイト力インや転写因子およびその発現プラスミド、骨吸収を促進するサイト力イン に対する抗体や siRNA(small inhibitory RNA)等の阻害剤、 BMP-2の骨形成促進効 果を增強することが報告されている Rock(Rho-kinase)阻害剤である Y-27632(Calbioch
em社)、抗リウマチ薬である T-614(富山化学社)、骨芽細胞誘導活性を有するパーモ ルファミンおよび GSK-3 (glycogen synthase kinase-3)阻害剤、例えばリチウム等があ げられる。
[0023] 骨粗鬆症治療剤としては、カルシトリオール、アルファカルシドール等の活性型ビタ ミン D3、エルカトニン、サケカルシトニン等のカルシトニン、オステン等のイブリフラボ ン、アレンドロネート、ェチドロネート、リセドロネート等のビスフォスフェート、エストロゲ ン、エストラジオール、エストリオール、塩酸ラロキシフェン等の選択的エストロゲン受 容体モジュレーター、メナテトレノン等のビタミン K2、経口カルシウム斉 IJ、ノ ラサイロイ ドホルモン等があげられる。
[0024] 骨形成を促進するサイト力インとしては、 bFGF (basic fibroblast growth factor)、 BM P- 2 (bone morphogenetic protein- 2)、 TGF- β (transforming growth factor- β )、 OC IF/ OPG (osteoclastogenesis inhibitory factor/osteoprotegermノ等力めげられ、 ' 形 成を促進する転写因子としては、 Runx2 (runt-related gene 2)等があげられる。
[0025] 骨吸収を促進するサイト力インとしては、 IL-1 (interleukin-1)、 IL-6 (interleukin-6) 、 TNF- (tumor necrosis factor- )等があげられる。
本発明の分化促進剤の投与経路としては、治療に際し最も効果的なものを使用す るのが望ましぐ経口または、例えば静脈内等の非経口をあげることができる。
投与形態としては、錠剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤、注射剤等があげられる。
[0026] 経口投与に適当な、例えばシロップ剤のような液体調製物は、水、蔗糖、ソノレビット 、果糖等の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のダリコール類、ご ま油、ォリーブ油、大豆油等の油類、 p—ヒドロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤 、ストロベリーフレーバー、ペパーミント等のフレーバー類等を使用して製造できる。 また、錠剤、散剤および顆粒剤等は、乳糖、ブドウ糖、蔗糖、マンニット等の賦形剤 、澱粉、アルギン酸ソーダ等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤 、ポリビニールアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン等の結合剤、脂 肪酸エステル等の界面活性剤、グリセリン等の可塑剤等を用いて製造できる。このよ うな錠剤の好適な例として、例えばコニール錠(協和醱酵工業株式会社)、ノバルスク 錠 (フアイザ一株式会社)が製造販売されており、入手可能となっている。
[0027] 非経口投与に適当な製剤は、好ましくは受容者の血液と等張である活性化合物を 含む滅菌水性剤からなる。例えば注射剤の場合は、塩溶液、ブドウ糖溶液または塩 水とブドウ糖溶液の混合物からなる担体等を用いて注射用の溶液を調製する。
また、これら非経口剤においても、経口剤で例示した希釈剤、防腐剤、フレーバー 類、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、界面活性剤、可塑剤等から選択される 1種ま たはそれ以上の補助成分を添加することもできる。
[0028] 本発明の分化促進剤の投与量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、 治療すべき症状の性質または重篤度により異なるが、経口投与の場合、カルシウム 拮抗薬として、通常成人一人当り 0.01mg〜lg、好ましくは 0.05〜50mgを一日一回な いし数回投与する。静脈内投与等の非経口投与の場合、成人一人当り 0.001〜100 mg、好ましくは 0.01〜10mgを一日一回ないし数回投与する。
[0029] 3. ii dtmでの幹細胞から骨芽細胞への分化促進方法
幹細胞を骨芽細胞へ分化誘導させる条件下、本発明の分化促進剤を添加して幹 細胞を培養し、幹細胞を骨芽細胞へ分化させ、該培養物中より骨芽細胞を採取する こと力 Sできる。
[0030] ii dtmで本発明の分化促進剤を用いる場合、水、エタノール、 DMSO等の溶媒に 溶解して用いることが好ましい。
幹細胞としては、いずれの動物の幹細胞であってもよレ、が、例えばヒト、サル、ィヌ、 ネコ、ゥサギ、マウス、ラット、ノヽムスター、ゥマ、ゥシ、ヒッジ、ブタ、フェレット、モノレモ ット等の哺乳類、爬虫類、両生類、鳥類等の幹細胞があげられ、好ましくはヒト、サル
、ィヌ、ネコ、ゥサギ、マウス、ラット、ハムスター、ゥマ、ゥシ、ヒッジ、ブタ、フェレット、 モルモット等の哺乳類の幹細胞、より好ましくはヒトの幹細胞があげられる。
[0031] また、幹細胞は、少なくとも骨芽細胞への分化能を有する幹細胞であれば特に限 定されず、例えば、胚性幹細胞(ES細胞)、生殖性幹細胞 [EG(embryonic germ)細胞 ; Cell, 70, 841-847 (1992), Nature, 359, 550-551 (1992)]、成体多能性幹細胞、間 葉系幹細胞、末梢血単球由来細胞、神経幹細胞、心筋由来幹細胞、筋由来幹細胞 、肝幹細胞、角膜周辺の輪部由来幹細胞、毛包中の幹細胞、小腸由来幹細胞、膝 臓由来幹細胞、肺由来幹細胞、精巣由来多能性幹細胞 [mGS(multipotent germline
stem)細胞; Cell, 119, 1001—1012 (2004)、 maGSCs (multipotent adult germline stem cells) ; Nature, 440, 1199-1203 (2006)]、 ES細胞と機能性細胞の融合細胞 [Science, 3 09, 1369-1373 (2005)]、核移植した ES細胞 [Science, 292, 740-743 (2001)]、 ES細胞 等の細胞抽出液で初期化した細胞 [Molecular Biology of the Cell, 16, 5719-5735 (2 005)]等があげられるが、胚性幹細胞、成体多能性幹細胞、間葉系幹細胞、末梢血 単球由来細胞、筋由来幹細胞が好ましぐ間葉系幹細胞が特に好ましい。
[0032] 胚性幹細胞とは、 in vitroで培養が可能で、かつ他の個体の着床以前の胚、例えば 胚盤胞の胞腔中に注入すると、生殖細胞をも含む全ての細胞に分化できる細胞であ り、 ES細胞とも呼ばれている。
着床以前の初期胚を、文献 (マニピュレイティング ·ザ'マウス ·ェンブリオ 'ァ ·ラボラ トリー'マニュアル)に記載された方法に従って培養することで、該初期胚より胚性幹 細胞を取得することができる。
[0033] 得られた胚性幹細胞の培養方法としては、文献 (マニピュレイティング 'ザ'マウス' ェンブジ才 *ァ*ラボラトリー ·マニュ T レ; Methods in Enzymology volume 225, Guide t o Techniques in Mouse Development, Academic Press, 1993 ; ES細胞を用い 7こ変異 マウスの作製等)に記載の方法があげられる。胚性幹細胞は無血清培養することも可 能であり、例えば、 Dulbecco MEM培地に 15〜20%の KNOCKOUT™ SR (Life Techn ologies社製)、 2mmol/lグルタミン、 100 μ mol/1 MEM非必須アミノ酸(Non-Essential Amino Acids)溶液、 50U/mlペニシリン、 50U/mlストレプトマイシン、 100 μ mol/1 2 _ メルカプトエタノール、および l,000U/ml白血病阻害因子(LIF)を加えた培地で培養 することにより、未分化な胚性幹細胞としての形質を保ったまま幹細胞を継代培養す ることができる [Focus, 20, 8,(1998)]。
[0034] 成体多能性幹細胞とは成体のほとんどすべての細胞に分化する能力を持つ多分 化能幹細胞であり、例えば WO01/11011、 WO01/21767, WO01/48149, WO06/287 23等に記載の細胞の他、 WO04/101775記載の CD45陰性かつ CXCR4陽性を示す幹 細胞があげられる。
末梢血単球由来細胞としては、例えば Journal of Leukocyte Biology, 74, 833-845 ( 2003)に記載の単球由来間葉系前駆細胞、 Pro Natl. Acad. Sci. USA, 100, 2426-2
431 (2003)に記載の f -マクロファージ等があげられる。
筋由来幹細胞としては、例えば Development, 129, 2987-2995 (2002)に記載の筋サ テライト細胞由来のもの、 Journal of Cell Biology, 157, 571-577 (2002)に記載の骨格 筋間質由来のもの、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 96, 14482-14486 (1999)および Natu re 401, 390-394 (1999)に記載の Side Population細胞、 Cell 102, 777-786 (2000)に 記載の細胞、 Journal of Cell Biology, 157, 851-864 (2002)に記載の細胞、 Journal of Cell Biology, 150, 1085-1099 (2000)に記載の細胞、 US2006/14287に記載の細胞等 があげられる。
筋由来幹細胞を取得する方法としては、特に限定されないが、例えば以下の方法 で取得することができる。
ヒトの上腕二頭筋の外側頭や下腿の縫工筋などの筋肉を含む結合組織を切皮して 摘出後、縫合する。取得した全筋は、はさみあるいはメスを利用してミンチ状にした後 、 0.06%コラゲナーゼおよび 10%FBS含有高濃度グルコース培地に懸濁し、 37°Cで 2時 間インキュベーションする。ミンチ状の筋肉より分離してきた細胞を回収後、遠心分離 法により細胞を回収し、 10%FBS含有高濃度グノレコース培地に懸濁する。該懸濁液を まず半径 40 μ mのマイクロフィルターに通過させた後、半径 20 μ mのマイクロフィルタ 一を通すことによりヒト筋由来幹細胞を得ることができる。
ラットやマウスから取得する方法も、特に限定されないが、例えば以下の手順で取 得すること力 Sできる。
ラットまたはマウスを頸椎脱臼により致死させ、 70%エタノールで十分消毒した後、皮 膚を切除して大腿四頭筋を取得する。大腿四頭筋は、はさみあるいはメスを利用して ミンチ状にした後、 0.06%コラゲナーゼおよび 10%FBS含有高濃度グルコース培地に懸 濁し、 37°Cで 2時間インキュベーションする。ミンチ状の筋肉より分離してきた細胞を 回収後、遠心分離法により細胞を回収し、 10%FBS含有高濃度グノレコース培地に懸 濁する。該懸濁液をまず半径 40 z mのマイクロフィルターに通過させた後、半径 20 μ mのマイクロフィルターを通すことによりラットおよびマウスの筋細胞幹細胞を得ること ができる。
間葉系幹細胞とは、骨髄、脂肪組織、臍帯血、子宮内膜、真皮、骨格筋、骨膜、歯
小嚢、歯根膜、歯髄、歯胚等の間葉系組織に存在し、少なくとも骨芽細胞、脂肪細 胞、筋肉細胞等の間葉系細胞への分化能を有する細胞をいう。以下、種々の組織か ら間葉系幹細胞を単離する方法を具体的に述べる。
[0036] (1)骨髄から間葉系幹細胞を単離する方法
ヒトの骨髄から間葉系幹細胞を取得する方法としては、安全かつ効率的に取得され る方法であれば特に限定されないが、例えば以下に示す S. E. Haynesworth et al. B one, 13, 81 (1992)に記載の方法があげられる。
[0037] 胸骨または腸骨において、骨髄穿刺を行う場所の皮膚を消毒し、特に骨膜下を十 分に局所麻酔する。骨髄穿刺針の内筒を抜き、 5,000unitsのへパリンを入れた 10ml 注射器を装着して必要量、平均的には 10ml〜20mlの骨髄液を吸引する。骨髄穿刺 針を取り外し、 10分間程度圧迫止血する。取得した骨髄液を 1,000 X gで遠心分離し て骨髄細胞を回収した後、該骨髄細胞をリン酸緩衝液 (phosphate-buffered saline: P BS)で洗浄する。遠心分離および洗浄を 2回繰り返した後、骨髄細胞を 10%のゥシ胎 仔血清(FBS)を含む a -MEM -modified MEM)ゝ DMEM (Dulbecco's modified ME M)、 IMDM (Isocove's modified Dulbecco's medium)等の細胞培養用培地に浮遊させ ることにより骨髄細胞液を得る。
[0038] 骨髄細胞液から間葉系幹細胞を単離する方法としては、骨髄細胞液中に混在する 他の細胞、例えば血球系細胞、造血幹細胞、血管幹細胞、線維芽細胞等を除去す ることができれば特に限定されなレ、が、例えば以下に示す M. F. Pittenger et al. Scie nce, 284, 143-147 (1999)に記載の方法があげられる。
骨髄細胞液を密度 1.073g/mlの Percollに重層した後、 1,100 X gで 30分間遠心分離 し、界面の細胞を間葉系幹細胞として単離することができる。また、骨髄細胞液に 10 X PBSを加えて 9/10に希釈した Percollを同容量加えて混合した後に、 20,000 X gで 3 0分間遠心分離し、密度 1.075〜1.060の画分の細胞を間葉系幹細胞として単離する こともできる。
[0039] また、ヒトの骨髄に由来する間葉系幹細胞は、 Cambrex社、タカラバイオ社より購入 することあできる。
ラットまたはマウスの骨髄から間葉系幹細胞を取得する方法としては、特に限定さ
れなレ、が、例えば以下の手順で取得することができる。
ラットまたはマウスを頸椎脱臼により致死させ、 70%エタノールで充分消毒した後、大 腿骨の皮膚および大腿四頭筋を切除する。膝関節の部分にハサミをいれて関節を はずし、大腿骨背面の筋肉を除去する。股関節の部分にハサミを入れて関節を外し 、大腿骨を取り出す。大腿骨に付着している筋肉をハサミでできるだけ除去した後、 大腿骨の両端をハサミで切断する。骨の太さに応じた適当なサイズの注射針を 2.5ml の注射器に装着し、 10%の FBSを含むひ- MEM、 DMEM、 IMDM等の培地約 1.5mlを注 射器に充填した後、注射針の先端を大腿骨の膝関節側の断端に差し込む。注射器 内の培養液を骨髄内に注入することで、股関節側の断端力ら骨髄細胞が押し出され る。得られた骨髄細胞はピペッティングにより培養液中に浮遊させる。得られた骨髄 細胞液からは、上記のヒト骨髄細胞液の場合と同様の方法により、間葉系幹細胞を 単離すること力 Sできる。
[0040] (2)臍帯から間葉系幹細胞を単離する方法
ヒトの臍帯から間葉系幹細胞を取得する方法としては、効率的に取得される方法で あれば特に限定されなレ、が、例えば以下に示す Stem Cells, 21, 105-110 (2003)に記 載の方法があげられる。
[0041] 臍帯静脈の両端に力ニューレを挿入し、適当な緩衝液、例えば、 EBSS(Earle's bala need salt solution)で洗浄する。タンパク質分解酵素、例えば、 0.1%コラゲナーゼを含 む 199培地に抗生物質を添加して血管に注入し、 4〜40°C、好ましくは 37°Cで、 1〜6 0分間インキュベートする。血管を EBSSで洗浄し、臍帯を軽くマッサージした後、内皮 細胞および内皮下層細胞の懸濁液を回収する。該懸濁液を 600 X gで 10分間遠心分 離し、得られた細胞を、例えば、低濃度のグルコースを含む DMEM培地(DMEM-LG 、 Gibco)に、 20mmol/l HEPES、 100units/mlペニシリン、 100 μ g/mlストレプトマイシン 、 2mmol/lL -グルタミン、 lmmol/1ピルビン酸ナトリウムおよび 10% FBSを加えた培地に 懸濁する。細胞密度を、 102〜106個ん m2として培養フラスコに接種し、 37°C、 5%CO
2 の条件下で培養する。培地を 1〜7日毎に交換し、:!〜 3週間培養を継続することによ り、間葉系幹細胞を取得することができる。
[0042] (3)子宮内膜力 間葉系幹細胞を単離する方法
ヒトの子宮内膜から間葉系幹細胞を取得する方法としては、安全かつ効率的に取 得される方法であれば特に限定されなレ、が、例えば以下に示す Am.J.Pathol., 163, 2 259-2269 (2003)に記載の方法があげられる。
[0043] 外科手術により摘出されたヒト子宮内膜組織を細切し、細胞を培養可能な培地、好 ましくはひ- MEM、 DMEM, IMDM等に 1〜20%の動物由来の血清、好ましくは 5〜10 %の FBSを加えた培地で培養する。培地にはペニシリンやストレプトマイシン等の抗 生物質を加えても良い。さらに、細胞の分離を良くするために、 3型コラゲナーゼ等の コラーゲン分解酵素およびデォキシリボヌクレアーゼ I等の DNA分解酵素を培地に添 加し、 20〜40°C、好ましくは 37°Cの条件で、 10分間〜 5時間、好ましくは 1時間、緩や かに振盪する。個々の子宮内膜腺を顕微鏡で観察しながら分離し、適当な培養容器 、例えば 24-ゥエル培養皿を用いて 37°C、 5%COの条件下で培養することにより、間
2
葉系幹細胞を取得することができる。
[0044] マウスの子宮内膜から間葉系幹細胞を取得する方法としては特に限定されないが 、例えば以下に示す Endocrinology, 106, 1634-1649 (1980)に記載の方法があげられ る。
子宮を細切後、タンパク質分解酵素、例えば 5mg/mlのトリプシン、および 25mg/ml のパンクレアチンを含む PBSに浸し、 0〜37°Cで 10分間〜 3時間、好ましくは 0°Cで 30 分間〜 1時間、さらに室温にて 10分〜 3時間、好ましくは 30分間〜 1時間反応させる。
PBS溶液を注意深く除去した後、:!〜 20%の動物由来の血清、好ましくは 5〜10%の FBSを含む適当な培地、例えば DMEM/F-12培地(DMEMと Ham' s F-12 mediumを 1 : 1に混合したもの)を加えることによりトリプシンを失活させる。培地を PBSに置換し、 組織を 10秒間〜 30分間、好ましくは 30秒間ゆっくり振盪する。子宮組織を注意深く除 き、細胞懸濁液をフィルター、例えば 70 z mのメッシュフィルターに通す。濾過液を 10 00 X gで 5分間遠心分離することにより、細胞を沈殿画分に回収する。得られた細胞 は、 PBSに再懸濁して遠心分離することにより、洗浄しても良い。遠心分離により沈殿 した細胞を、 1〜20%の動物由来の血清、好ましくは 5〜10%の FBSを含む DMEM/F -12培地に懸濁する。培地には抗生物質、例えば lOOunits/mlのペニシリン、 lOOmg/ mlのストレプトマイシンを加えても良レ、。また、非必須アミノ酸溶液を、例えば 1%添加
しても良い。このような培地で培養することにより間葉系幹細胞を取得することができ る。
[0045] (4)脂肪組織または大網から間葉系幹細胞を単離する方法
動物の脂肪組織または大綱から幹細胞を取得する方法としては、特に限定されな いが、例えば以下に示す Tissue Engineering 7, 211-228 (2001)、 Molecular Biology o f the Cell, 1^,4279-4295(2002)に記載の方法があげられる。
[0046] 動物の脂肪組織としては、皮下脂肪、内臓脂肪等、いずれの組織を使用してもよい 。例えば外科手術、脂肪吸引等で採取した脂肪組織を、 PBS、 DMEM培地等で洗浄 し、血液等を除去する。さらに、コラゲナーゼ、トリプシン、プロナーゼ、エラスターゼ、 デイスパーゼ、ヒアルロニダーゼ等の蛋白分解酵素を用いて、 R丄 Freshney, Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique, 4th Edition, A John Wiley & ons Inc .(2000)に記載の方法で消化し、細胞を分散させる。消化反応は、例えば 1〜20%の血 清を含む培地を添加することにより停止する。 500〜1500rpmで:!〜 10分間遠心分離 し、得られた沈殿を動物血清、例えば FBSを 1〜20%含む DMEM培地等の培地に懸 濁後、組織残渣をストレイナー、メッシュ、フィルタ一等を用いて除去する。濾過液を 5 00〜1500卬 mで 1〜10分間遠心することにより間葉系幹細胞を単離することができる
[0047] (5)歯周辺組織から間葉系幹細胞を単離する方法
ヒトの歯、歯胚、歯周辺組織から間葉系幹細胞を取得する方法としては、安全かつ 効率的に取得される方法であれば特に限定されないが、例えば以下に示す Lancet, 364, 149-155(2004)、 Proc.Natl.Acad.Sci. USA, 97, 13625- 13630(2000)に記載の方 法があげられる。
[0048] ヒトの歯としては、乳歯、または切歯、犬歯、小臼歯、大臼歯等の永久歯のいずれ でも良い。例えば、抜歯した第三大臼歯 (親知らず)の歯根の表面から歯周靭帯 (per iodontal ligament)を慎重に分離し、コラゲナーゼ、トリプシン、プロナーゼ、ェラスタ ーゼ、デイスパーゼ、ヒアルロニダーゼ等の蛋白分解酵素を用いて、 37°Cで 1時間消 化反応を行う。ストレイナー、メッシュ、フィルタ一等を用いて、組織残渣を除くことによ り間葉系幹細胞を取得することができる。
[0049] また、抜歯した第三大臼歯 (親知らず)の表面を PBS等で洗浄した後、セメント質と エナメル質の結合部を切断して髄質を露出させ、歯冠および歯根から歯髄組織を慎 重に分離し、上記と同様の方法で蛋白分解酵素処理した後、組織残渣を除くことに より間葉系幹細胞を取得することもできる。
[0050] また、上記以外に、 SH2陽性, SH4陽性, CD29陽性, CD44陽性, CD71陽性, CD90 陽性, CD106陽性, CD120a陽性, CD124陽性, CD14陰性, CD34陰性,および CD45 陰性の細胞を間葉系幹細胞として、 FACSや磁気ビーズを用いて分離する方法 [Scie nce, 284, 143-147 (1999)]を用いることもできる。
[0051] 幹細胞の培養に用いる培地としては、例えば組織培養の技術基礎編 第三版、朝 倉書店 (1996)等に記載された細胞培養用培地があげられるが、ゥシゃヒト等の血清を 1〜20%添加した ct -MEM、 DMEM、 IMDM等の細胞培養用培地が好ましレ、。培養条 件は、幹細胞が培養可能であればいかなる条件でもよいが、培養温度は 33〜37°Cが 好ましぐ 5〜10%の COガスで満たしたインキュベーターで培養することが好ましい。
2
[0052] 幹細胞は、通常の組織培養用のプラスチック製培養皿に接着させて増殖させること が好ましい。細胞が培養皿一面に増殖する頃、培地を除去して、トリプシン EDTA溶 液を加えることで細胞を浮遊させる。浮遊させた細胞は、 PBSまたは細胞培養用の培 地で洗浄後、細胞培養用の培地で 2倍から 20倍に希釈して新しい培養皿に播種する ことで、さらに継代培養することができる。
[0053] 幹細胞を骨芽細胞へ分化誘導させる方法としては、幹細胞を骨芽細胞へ分化誘導 させることができる方法であればいかなる方法でもよいが、例えば以下に示す方法が あげられる。
間葉系幹細胞から骨芽細胞への分化を誘導させる方法としては、例えば Science, 2 84, 143-147 (1999)に記載の方法があげられる。すなわち、間葉系幹細胞を培養器 に播種した後、デキサメサゾン、ァスコルビン酸 _ 2リン酸、および j3—グリセ口フォス フェートを含む細胞培養用培地で 1〜4週間培養し続けることにより、間葉系幹細胞 の一部を骨芽細胞へ分化させることができる。
[0054] また、胚性幹細胞から骨芽細胞への分化を誘導させる方法としては、例えば Differe ntiation, 71, 18-27 (2003)に記載の方法があげられる。すなわち、胚性幹細胞を培養
器に播種した後、 [3—グリセ口フォスフェート、ァスコルビン酸、および 1ひ ,25-OH vit amin D3を含む細胞培養用培地で 2〜4週間培養し続けることにより、胚性幹細胞の 一部を骨芽細胞へ分化させることができる。
[0055] 幹細胞から骨芽細胞への分化誘導時に使用する培養器としては、通常の組織培 養用のプラスチック製培養皿の他、下記 4記載の幹細胞の足場となる材料を用いても よい。
上記のような幹細胞から骨芽細胞へ分化誘導させる条件下において、本発明の分 化促進剤を添加することで、幹細胞から骨芽細胞への分化を促進させることができる ii dimで分化させた骨芽細胞は、例えばへモネティックス社のへモライト 2プラス等 を用いて生理食塩水により洗浄し、培養に用いたサイト力イン等の物質をできる限り 除去した後、上記 2記載の骨疾患患者に投与することにより、該疾患の治療に使用 することができる。骨芽細胞の投与方法としては、通常の点滴法で静脈中に注入す る力 \患部に直接注入することが好ましい。
[0056] 4.骨'冶療材
本発明の分化促進剤は、幹細胞の足場となる材料に含有、結合、被覆等させること により、骨治療材として提供することができる。
[0057] 該骨治療材を上記 2記載の骨疾患における傷害部に移植することにより、骨形成を 促進させることができる。
足場の材料としては、生体非吸収性材料および生体吸収性材料があげられる。 生体非吸収性材料としては、チタン等の金属、ハイドロキシアパタイト等のセラミック 力 Sあげられ、生体非吸収性材料を使用した足場の具体例としては、ネオボーン (東芝 セラミックス社)等があげられる。
[0058] 生体吸収性材料としては、リン酸カルシウムや炭酸カルシウム等の無機材料、ポリ グリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ -L -乳酸(PLLA)、ポリ- D,L-乳酸(PDLLA )、乳酸とグリコール酸との共重合体(PLGA)、ポリ ε -カプロラタトン(PCL)、ポリシァ ノアクリレート、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート、ポリフォスファゼ ン等の生体吸収性合成高分子、コラーゲン、ゼラチン、フイブリン等のタンパク質、キ
チン、キトサン、ヒアルロン酸、セルロース、アルギン酸、デンプン、デキストラン等の 多糖等の生体吸収性天然高分子、ペプチドおよびその誘導体等があげられる。ぺプ チドとして、例えば、 Gly-Gly, Ala- Gly、 Ala-Ala, Leu_Gly、 Phe_Gly、 Gly_Phe、 Phe- Phe力 Sあげられ、ペプチド誘導体としては、例えば、 Fluorenylmethoxycarbony卜誘導 体 [Advanced Materials, 18, 611-614 (2006)]があげられる。また、これらを混合して 用レ、ることもできる。生体吸収性材料を使用した足場の具体例としては、ォスフエリオ ン (ォリンパスバイオマテリアル社)等があげられる。
[0059] 生体非吸収性材料は、移植初期に強レ、強度が得られる利点があり、生体吸収性材 料は、足場が役割を終えた後に生体組織に吸収 ·置換される利点がある。
初期強度が強く至適な分解速度を有する生体吸収性材料として、 PGAと PLLAの重 合体 [Arthroscopy, 15, 691-708 (1999)]、ァテロコラーゲンの架橋形成によるスポン ジ、ハイドロキシアパタイトとコラーゲンの複合体 [Biomaterials, 25, 63-69 (2004)]、 PL LAや PLGA等の生体吸収性合成高分子材料でできた骨格構造体の内部にコラーゲ ン等の生体吸収性天然高分子のマイクロスポンジを形成し両方の高分子の欠点を補 完した担体等が開発されており、これらの材料を幹細胞の足場として使用しても良い
[0060] また、幹細胞が容易に接着するとともに内部に浸透し、骨組織の再生を促進させる ようにするため、上記の足場材料は繊維性または多孔性の構造を有していることが好 ましい。
また、上記の足場材料は、単独で使用してもよいし、 2以上を組み合わせて使用し てもよい。
骨治療材における本発明の分化促進剤は、徐放性形態で提供される。徐放性形 態の剤型は、本発明において使用され得る限り、当該分野で公知の任意の形態で 用いられる。また、徐放性形態を調製する方法は、当該分野において公知であり、例 えば日本薬局方、米国または他の国の薬局方等に記載された方法があげられる。
[0061] 骨治療材を骨疾患における傷害部に移植する方法としては、骨折、先天的な骨の 欠陥、外科的に生じた骨の欠損、補遺を必要とする骨の構造、歯周の欠陥等の、生 体の硬組織の欠損部に対して骨片を移植する際に用いられる、整形外科、獣医等の
医師によく知られた標準的な外科的手術等があげられる。
骨治療材移植後における骨形成は、 X線撮影装置、超音波装置等を用いて、 Dual Energy X-ray absoptiometry (DXA)法、 bmgle Photon Absotiometry (SPA)法、 Dual Photon Absotiometry (DPA)法、 Microdensitometry (MD)法、 Quantitative CT (QCT )法、超音波法等により骨密度または骨塩量を測定することにより確認することができ る。
[0062] また、骨治療材移植後における骨形成は、酵素免疫測定法(enzyme immunoassay 、 EIA)、放射性免疫測定法 (radioimmunoassay, RIA)、免疫放射定量測定 (immunor adiometric assay, IRMA)、酵素結合免疫反応吸着測定法 (enzyme linked immunoso rbent assay ^ EL A)、ィ匕' 光免 測定法、 chemiluminescent immunoassay し LIA )等を用いて、骨型アルカリフォスファターゼ、ォステオカルシン等の骨形成マーカー の血中濃度または尿中濃度を測定することにより確認することもできる。
[0063] 5.本発明の分化促進剤の評価方法
本発明の分化促進剤が、 ii dx2において幹細胞から骨芽細胞への分化を促進す ること力 Sできることは、以下のようにして確認することができる。すなわち、 Green Fluor escent Protein(GFP)を構成的に発現するトランスジエニック 'マウスより上記 3記載の 方法に従って単離した幹細胞、または通常のマウスより上記 3記載の方法に従って単 離し、レトロウイルスベクターを用いて GFP遺伝子を導入した幹細胞を、同系統のマウ スの静脈内または骨欠損部に注入する。本発明の分化促進剤を該マウスに対して一 日一回ないし数回投与して 10〜20日間飼育した後、骨組織を摘出する。常法により 作製した組織切片を蛍光顕微鏡で観察し、単位面積当たりの GFP陽性骨芽細胞数 を陰性対照と比較する。なお、組織切片中の骨芽細胞はへマトキシリン'ェォジン染 色等により形態的に同定することができる。
[0064] 本発明の分化促進剤が、 iiudimにおいて幹細胞から骨芽細胞への分化を促進す ること力 Sできることは、以下のようにして確認することができる。すなわち、幹細胞から 骨芽細胞へ分化を誘導する条件下で、本発明の分化促進剤を添加して幹細胞を培 養し、骨芽細胞への分化に伴い発現が上昇する遺伝子またはタンパク質を定量的に 解析し、陰性対照と比較する。
[0065] 骨芽細胞への分化に伴い発現が上昇する遺伝子の定量的な解析法としては、 RT- PCR (reverse transcnption-polymerase chain reaction)、ノ1 ~ザンフロット角率析、 ット ブロットハイブリダィゼーシヨン法、 DNAマイクロアレイ等があげられる。
骨芽細胞への分化に伴い発現が上昇するタンパク質の定量的な解析法としては、 ウェスタンプロット解析、該タンパク質に特異的に反応する抗体を用レ、た免疫組織染 色、 ELISA等があげられる。
[0066] 骨芽細胞への分化に伴い発現が上昇する遺伝子またはタンパク質としては、 I型コ ラーゲン、ォステオカルシン、ォステオネタチン、ォステオポンチン、ボーンシァロプロ ティン (bone sialoprotein) , Runx2 (runt-related gene 2)、アルカジフォスファターゼ (A LP)等があげられる。
また、骨芽細胞中の ALP酵素活性を測定することにより、骨芽細胞への分化を確認 すること力 Sできる。 ALP酵素活性の測定キットとしては、例えばアルカリ性ホスファ B-テ ストヮコー(和光純薬株式会社製)等があげられる。
[0067] また、骨芽細胞が産生した石灰化成分を検出することによつても骨芽細胞への分 化を確認することもできる。石灰化成分を検出する方法としては、フォンコッサ (von K ossa)染色、ァリザリンレッド (Alizarin Red)染色等の染色法があげられる。
フォンコッサ染色は、硝酸銀を用いて石灰化成分であるリン酸カルシウムを検出す る方法である。具体的には、パラフィン等で固定した細胞に対し 1〜5%の硝酸銀水 溶液を反応させ光に当てると、リン酸カルシウムが存在する部分が黒く呈色すること から、例えば該呈色面積を計測することで骨芽細胞への分化を評価することができる
[0068] ァリザリンレッド染色は、ァリザリン赤 Sがカルシウムに対して特異的な結合を示しレ ーキを形成することを利用した方法である。具体的には、パラフィン等で固定した細 胞に対し 0.01〜5%ァリザリン赤 S溶液を反応させると、赤紫色〜橙赤色に呈色するこ とから、例えば該呈色面積を計測することで骨芽細胞への分化を評価することができ る。
以下、本発明の分化促進剤の、骨芽細胞分化促進作用に関する試験例を示す。
[0069] 試謝列 1 ヒト 糸田朐,に する べュジピンによる # 糸田朐 h ¾ (
11
ヒト間葉系幹細胞(以下、 hMSCと称す)に対する塩酸べニジピンによる骨芽細胞分 化促進効果をフォンコッサ染色で評価した。 hMSCは Cambrex社製のものを用いた。
[0070] hMSCを 1ゥエルあたり 1.2 x 104個の細胞数で 12ゥヱルプレートに播種し、 20%FBS (J RH Bioscience社製)を含む IMDM培地(Invitrogen社製)でー晚培養した。翌日、エタ ノールに溶解した塩酸べニジピン (協和発酵工業社製:製品名コニール)を、終濃度 力 S10— 8mol/L〜10— 12mol/Lとなるように添加した分化誘導培地に交換し、 37°C、 5%CO 条件下で培養した。分化誘導培地は、 20%FBSを含む IMDM培地中に、 0.1 μ mol/L デキサメサゾン、 50 μ mol/Lァスコルビン酸— 2リン酸(Sigma社製)、 10mmol/L β - グリセ口フォスフェート(Sigma社製)を添加したものを用いた。該分化誘導培地で培養 することにより、ヒト間葉系幹細胞は、骨芽細胞の他、一部は脂肪細胞へも分化誘導 される。培養期間中は 3〜4日に 1回、塩酸べニジピンを添加した分化誘導培地で培 地交換した。
[0071] 培養一ヶ月後、フォンコッサ染色により石灰化した骨芽細胞を検出した。細胞を PBS
(Invitrogen社製)で 1回洗浄し、固定液(10% formalin/PBS)で 5分間固定した。蒸留 水で 3回洗浄した後、暗所で 5%硝酸銀水溶液(ナカライテスタ社製)と 10分間反応さ せた。更に蒸留水で 5回洗浄して光に 15分間当て呈色させた。その後、 5%チォ硫酸 ナトリウム水溶液(ナカライテスタ社製)にて定着させた。
[0072] ゥエルを位相差顕微鏡 (Nikon社製)下で観察し、それぞれのゥヱルについて任意 の 4ケ所をデジタルカメラで記録した。画像データを TIFFフォーマットに変換し、染色 された部分の面積を画像解析ソフト「Scion ImageJ (Scion社製)を用いて計測し、フォ ンコッサ染色陽性面積割合を算出した。
その結果を図 1に示す。図 1から明らかなように、塩酸べニジピンは濃度依存的に h MSCから骨芽細胞への分化を促進させた。
[0073] 一方、終濃度が 10— 6〜10— 1Qmol/Lとなるように塩酸べニジピンを添カ卩して培養した 12
日後にオイルレッド(Oil Red)染色により脂肪細胞を検出した。具体的には、細胞を 1 回 PBSで洗浄し、固定液で 5分間反応させた。蒸留水で 3回洗浄した後、オイルレッド (ナカライテスタ社製)溶液を添加して 5分間反応させた。更に蒸留水で 3回洗浄した
後、 2_プロパノール(国産化学社製)で色素を抽出し、プレートリーダー(BioRad社製 )で、 490nmの吸光度を測定した。
[0074] その結果を図 2に示す。図 2から明らかなように、塩酸べニジピンは hMSC力 脂肪 細胞への分化を抑制した。
以上の結果から、塩酸べニジピンは、骨芽細胞および脂肪細胞へ分化誘導され得 る hMSCに対して作用し、骨芽細胞への分化を選択的に促進させる活性を有している ことが示された。
[0075] 試謝列 2 ヒト 糸田朐,に する べュジピンによる # 糸田朐 h ¾ (
21
hMSCに対する塩酸べニジピンによる骨芽細胞分化促進効果を遺伝子発現解析で 評価した。
[0076] hMSCを 6cmディッシュに 8.7 x 104個播種し、 20%FBSを含む IMDM培地でー晚培養 した。翌日、エタノールに溶解した塩酸べニジピンを終濃度 10— 8mol/Lとなるよう添カロ した分化誘導培地に交換し、 37°C、 5%CO条件下で培養した。 3〜4日に 1回、塩酸べ
2
ニジピンを添加した分化誘導培地で培地交換した。
分化誘導培地で培養後 12日目の細胞力ら RNeasy Mini Kit (QIAGEN社製)を用い て RNAを回収し、 SuperScriptmファーストストランドシステム(Invitrogen社製)を用いて cDNAを合成した。具体的な操作方法はキット、システムの添付文書に従った。この c DNAに対し、配列番号 1および 2に示される塩基配列を有するヒトアルカリフォスファ ターゼ (ALP)遺伝子特異的プライマーを用いて RT-PCRを行った。対照として、配列 番号 3および 4で示される塩基配列を有するダリセルアルデヒド 3リン酸脱水素酵素( G3PDH)遺伝子特異的プライマーを用いて G3PDH遺伝子の発現を測定した。
[0077] その結果、 10— 8mol/L塩酸べニジピンを添カ卩した群における ALP遺伝子の発現が、 添カ卩していない群と比較して上昇していることが示された。このことにより、塩酸べ二 ジピンにより hMSCから骨芽細胞への分化が促進されたことが明らかとなった。
なお、対照とした G3PDH遺伝子の発現は、塩酸べニジピンの添カ卩の有無で変化が 見られなかった。
[0078] 試験例 3 ヒト間葉系幹細朐に対するアムロジピンまたは二フエジピンによる骨芽細胞
hMSCに対するアムロジピンまたは二フヱジピンによる骨芽細胞分化促進効果をフォ ンコッサ染色で評価した。塩酸べニジピンの代りに、アムロジピン(Sig腿社製)または 二フヱジピン(Sigma社製)をエタノールに溶解させて、終濃度力 0— 7mol/L〜10— mol/ Lとなるよう培地に添加したことを除き、試験例 1と同様の方法を用いた。
[0079] アムロジピンまたは二フエジピンによる分化誘導 1力月後のフォンコッサ染色陽性面 積の割合を算出した結果を図 3に示す。図 3から明らかなように、アムロジピン、二フエ ジピンともに、濃度依存的に hMSCから骨芽細胞への分化を促進させた。
[0080] 試謝列 4 マウス 方 g ^ 糸田朐,に する べュジピンによる # 糸田 マウス脂肪組織由来間葉系幹細胞(以下、 mAdSCと称す)は、 WO2006/006692に 記載されているヒト脂肪組織力 の間葉系幹細胞の分離 ·培養方法と同様の方法で 、 C57BL6/Jマウス (雄、チャールズ 'リバ一より購入)より調製した。 mAdSCに対する塩 酸べニジピンによる骨芽細胞分化促進効果をフォンコッサ染色で評価した。
[0081] mAdSCを 1ゥエルあたり 1.0 x 104個の細胞数で 12ゥエルプレートに播種し、 20%FBS ( JRH Bioscience社製)を含む IMDM培地(Invitrogen社製)でー晚培養した。 4日後、ェ タノールに溶解した塩酸べニジピン (協和発酵工業社製:製品名コニール)を、終濃 度が 10— 8mol/Lとなるように添加した分化誘導培地に交換し、 37°C、 5%CO条件下で 培養した。分化誘導培地は、 20%FBSを含む IMDM培地中に、 O. l z mol/Lデキサメサ ゾン、 50 x mol/Lァスコルビン酸 _ 2リン酸(Sigma社製)、 10mmol/L β—グリセロフォ スフヱート(Sigma社製)を添加したものを用いた。該分化誘導培地で培養することに より、 mAdSCは、骨芽細胞の他、一部は脂肪細胞へも分化誘導される。培養期間中 は 3〜4日に 1回、塩酸べニジピンを添加した分化誘導培地で培地交換した。
[0082] 培養一ヶ月後、フォンコッサ染色により石灰化した骨芽細胞を検出した。細胞を PBS
(Invitrogen社製)で 1回洗浄し、固定液(10% formalin/PBS)で 5分間固定した。蒸留 水で 3回洗浄した後、喑所で 5%硝酸銀水溶液け力ライテスタ社製)と 10分間反応さ せた。更に蒸留水で 5回洗浄して光に 15分間当て呈色させた。その後、 5%チォ硫酸 ナトリウム水溶液(ナカライテスタ社製)にて定着させた。
[0083] ゥエルを位相差顕微鏡 (Nikon社製)下で観察し、それぞれのゥヱルについて任意 の 4ケ所をデジタルカメラで記録した。画像データを TIFFフォーマットに変換し、染色 された部分の面積を画像解析ソフト「Scion ImageJ (Scion社製)を用いて計測し、フォ ンコッサ染色陽性面積割合を算出した。
その結果を図 4に示す。図 4から明らかなように、 10— 8mol/Lの塩酸べニジピンは mA dSCから骨芽細胞への分化を促進させた。
[0084] 試験例 5 マウス脂肪組織由夹間葉系幹細朐に対する塩酸べニジピンによる骨芽細 mAdSCに対する塩酸べニジピンによる骨芽細胞分化促進効果を ALP酵素活性で 評価した。
[0085] mAdSCを 1ゥエルあたり 1.0 x 103個の細胞数で 96ゥエルプレートに播種し、 20%FBS ( JRH Bioscience社製)を含む IMDM培地(Invitrogen社製)でー晚培養した 検体に つき 2枚ずつ作製した)。 4日後、エタノールに溶解した塩酸べニジピン(協和発酵ェ 業社製:製品名コニール)を、終濃度が 10— 8mol/Lとなるように添加した分化誘導培地 に交換し、 37°C、 5%CO条件下で培養した。分化誘導培地は、 20%FBSを含む IMDM
2
培地中に、 0.1 μ mol/Lデキサメサゾン、 50 μ mol/Lァスコルビン酸— 2リン酸(Sigma 社製)、 10mmol/L β—グリセ口フォスフェート(Sigma社製)を添加したものを用いた。 該分化誘導培地で培養することにより、 mAdSCは、骨芽細胞の他、一部は脂肪細胞 へも分化誘導される。培養期間中は 3〜4日に 1回、塩酸べニジピンを添加した分化 誘導培地で培地交換した。
[0086] 1枚は、分化誘導培地で培養後 14日目の細胞からアルカリ性フォスファ B -テストヮ コー(和光純薬株式会社製)を用いて基質緩衝液を回収し、溶液中の ALP活性の定 量に使用した。具体的な操作方法はキット、システムの添付文書に従った。
[0087] もう 1枚は、分化誘導培地で培養後 14日目の細胞から Fluorescent DNA Quantitati on Kit (BIO-RAD社製)を用いて DNA溶液を回収し、溶液中の DNA含量の定量に使 用した。具体的な操作方法はキット、システムの添付文書に従った。
[0088] ALP活性を DNA量当りの活性で算出し、対照群 (溶媒としてエタノールを添カ卩した群 )の ALP活性を 100%として相対値で表した結果を図 5に示す。図 5から明ら力なように
、塩酸べニジピンを添カ卩した群における ALP活性力 添カ卩していない群と比較して上 昇していることが示された。このことにより、塩酸べニジピンにより mAdSCから骨芽細 胞への分化が促進されたことが明らかとなった。
[0089] 試験例 6 マウス脂肪組織由夹間葉系幹細朐に対する各種カルシウム拮抗薬による 骨芽細 fl Z7ィ 促 i隹効果
mAdSCに対する各種カルシウム拮抗薬による骨芽細胞分化促進効果を ALP酵素 活性で評価した。
[0090] mAdSCを 1ゥエルあたり 1.0 x 103個の細胞数で 96ゥエルプレートに播種し、 20%FBS ( JRH Bioscience社製)を含む IMDM培地(Invitrogen社製)でー晚培養した 検体に つき 2枚ずつ作製した)。 4日後、エタノールに溶解した塩酸べラパミル (Sigma社製)を 終濃度が 10— 6、または 10— 8mol/Lとなるように、塩酸ジルチアゼム(Sigma社製)を、終濃 度が 10— 8mol/Lとなるように添加した分化誘導培地に交換し、 37°C、 5%CO条件下で
2 培養した。分化誘導培地は、 20%FBSを含む IMDM培地中に、 0.1 μ mol/Lデキサメサ ゾン、 50 μ mol/Lァスコルビン酸一 2リン酸(Sigma社製)、 10mmol/L β—グリセロフォ スフェート(Sigma社製)を添加したものを用いた。該分化誘導培地で培養することに より、 mAdSCは、骨芽細胞の他、一部は脂肪細胞へも分化誘導される。培養期間中 は 3〜4日に 1回、各種薬剤を添加した分化誘導培地で培地交換した。
[0091] 1枚は、分化誘導培地で培養後 14日目の細胞からアルカリ性フォスファ B -テストヮ コー(和光純薬株式会社製)を用いて基質緩衝液を回収し、溶液中の ALP活性定量 に使用した。具体的な操作方法はキット、システムの添付文書に従った。
[0092] もう 1枚は、分化誘導培地で培養後 14日目の細胞から Fluorescent DNA Quantitati on Kit (BIO-RAD社製)を用いて DNA溶液を回収し、溶液中の DNA含量定量に使用 した。具体的な操作方法はキット、システムの添付文書に従った。
[0093] ALP活性を DNA量当りの活性で算出し、対照群 (溶媒としてエタノールを添カ卩した群 )の ALP活性を 100%として相対値で表した結果を図 6に示す。図 6から明ら力なように 、塩酸べラパミル、塩酸ジルチアゼムを添カ卩した群における ALP活性力 添カ卩してい ない群と比較して上昇していることが示された。このことにより、各種カルシウム拮抗 薬により mAdSCから骨芽細胞への分化が促進されたことが明らかとなった。
以下に、本発明の実施例を示す。
実施例 1
[0094] 錠剤
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。
fi
塩酸べニジピン 5 mg
乳糖 62 mg
馬鈴薯デンプン 30 mg
ポリビエルアルコール 2 mg
ステアリン酸マグネシウム 1 mg
実施例 2
[0095] 幹細胞から骨芽細胞への分化促進剤
常法により、塩酸べニジピン、塩酸べラパミル、塩酸ジルチアゼムを 0. lmmol/L になるようにエタノールに溶解し、塩酸べニジピン、塩酸べラパミル、塩酸ジルチアゼ ムを含む本発明の分化促進剤を調製した。
産業上の利用可能性
[0096] 本発明によれば、幹細胞に対する骨芽細胞への分化促進剤、骨芽細胞の製造方 法、該製造方法により製造される骨芽細胞、または骨治療材を提供することができる
配列表フリーテキスト
[0097] 配列番号 1 人工配列の説明:合成 DNA
配列番号 2—人工配列の説明:合成 DNA
配列番号 3—人工配列の説明:合成 DNA
配列番号 4 人工配列の説明:合成 DNA
Claims
請求の範囲
[I] カルシウム拮抗薬を有効成分として含有する、幹細胞に対する骨芽細胞への分化促 進剤。
[2] カルシウム拮抗薬が、ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬、フエニルアルキルアミン 系カルシウム拮抗薬、およびべンゾチアゼピン系カルシウム拮抗薬からなる群から選 ばれる少なくとも一つのカルシウム拮抗薬である、請求項 1に記載の分化促進剤。
[3] 幹細胞が、骨芽細胞への分化能を有する幹細胞である、請求項:!〜 2のいずれか 1 項に記載の分化促進剤。
[4] 骨芽細胞への分化能を有する幹細胞が、胚性幹細胞、成体多能性幹細胞、および 末梢血単球由来細胞からなる群から選ばれる少なくとも一つの幹細胞である、請求 項 3に記載の分化促進剤。
[5] 成体多能性幹細胞が CD45陰性かつ CXCR4陽性細胞である、請求項 4に記載の分 化促進剤。
[6] 骨芽細胞への分化能を有する幹細胞が間葉系幹細胞である、請求項 3に記載の分 化促進剤。
[7] 間葉系幹細胞が骨髄、脂肪組織、臍帯、歯周辺組織、子宮内膜組織および筋組織 力 選ばれる組織由来である、請求項 6に記載の分化促進剤。
[8] 骨芽細胞への分化能を有する幹細胞が哺乳動物由来である、請求項 3〜7のいずれ 力 4項に記載の分化促進剤。
[9] 哺乳動物がヒトである、請求項 8に記載の分化促進剤。
[10] 幹細胞を骨芽細胞へ分化誘導させる条件下、請求項:!〜 9のいずれか 1項に記載の 分化促進剤を添加して幹細胞を培養し、幹細胞を骨芽細胞へ分化させ、該培養物 中より骨芽細胞を採取することを特徴とする骨芽細胞の製造方法。
[I I] 請求項 10に記載の製造方法により得られる骨芽細胞。
[12] 請求項:!〜 9のいずれか 1項に記載の幹細胞に対する骨芽細胞への分化促進剤と幹 細胞の足場とを含有する骨治療材。
[13] 幹細胞の足場が、生体吸収性材料または生体非吸収性材料である請求項 12に記 載の骨治療材。
[14] 生体吸収性材料が、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ポリダリコール酸、ポリ乳酸、 ポリ- L-乳酸、ポリ- D,L-乳酸、乳酸とグリコール酸の共重合体、ポリ ε -力プロラタトン 、ポリシァノアクリレート、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート、ポリフ ォスファゼン、コラーゲン、ゼラチン、フイブリン、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、セル ロース、アルギン酸、デンプン、およびデキストラン、ペプチド、およびその誘導体から なる群から選ばれる少なくとも一つの物質である、請求項 13に記載の骨治療材。
[15] 生体非吸収性材料がチタンまたはセラミックである請求項 13または 14に記載の骨治 療材。
[16] 幹細胞の足場力 繊維性および/または多孔性形態である請求項 12〜: 15のいず れか 1項に記載の骨治療材。
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