WO2006106592A1

WO2006106592A1 - 回転伝達装置及びそれを用いた車両

Info

Publication number: WO2006106592A1
Application number: PCT/JP2005/010352
Authority: WO
Inventors: Hiroshi Kobayashi; Mitsuhiro Koseki
Original assignee: Tokyo University Of Science
Priority date: 2005-02-25
Filing date: 2005-06-06
Publication date: 2006-10-12
Also published as: TW200630260A; JPWO2006106592A1; TWI374100B; JP4863515B2

Abstract

　車両においては、メインフレームとフロントフレームとの間に継手機構が設けられている。継手機構は、メインフレームに対するフロントフレームの旋回を許容しつつ、メインフレーム側で発生した回転駆動力をフロントフレーム側へ伝達する。また、継手機構は、第１の継手部、第２の継手部及び継手連結体を有している。第１の継手部は、メインフレームに回転可能に設けられている。第２の継手部は、フロントフレームに回転可能に設けられている。継手連結体は、第１の自在継手を構成するように第１の継手部に回動可能に連結されているとともに、第２の自在継手を構成するように第２の継手に回動可能に連結されている。

Description

回転伝達装置及びそれを用いた車両

技術分野

[0001] この発明は、関節部による干渉を除いて回転の伝達を行う回転伝達装置、並びにそれを用いた二輪車及び三輪車等の車両に関するものである。

背景技術

[0002] 従来の前後輪駆動自動二輪車では、入力軸及び出力軸を左右方向に向けた等速ジョイントのピボット中心力ステアリング中心の直下に配置されている（例えば、特許文献 1参照)。

[0003] 特許文献 1 :特開平 3— 167092号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0004] 上記のような従来の自動二輪車では、等速ジョイントを 1つだけ用いているため、ステアリングの範囲が ± 32〜33° 程度に制限されてしまう。また、等速ジョイントのピボット中心を高精度でステアリング中心と一致させないと、ハンドルを旋回させることが困難になるため、等速ジョイントの加工精度や糸且付精度を高くする必要があり、コストが高くなつてしまう。し力も、実際の自動二輪車や自転車では、フレーム等の構造部品に橈みが生じるため、等速ジョイントのピボット中心をステアリング中心と一致させた状態を維持するのは困難であり、実用性が低いという問題があった。

[0005] この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、コストの増大を抑えつつ、関節部による干渉を除いて回転を伝達することができる回転伝達装置、及びそれを用いた実用性の高い車両を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006] この発明による車両は、メインフレーム、メインフレームに回転可能に設けられている後輪、ステアリング軸を中心に旋回可能にメインフレームに連結されて、るフロントフレーム、フロントフレームに回転可能に設けられている前輪、メインフレームとフロントフレームとの間に設けられ、メインフレームに対するフロントフレームの旋回を許容しつつ、メインフレーム側で発生した回転駆動力をフロントフレーム側へ伝達する継手機構、回転駆動力をメインフレーム側力継手機構に伝達するメイン側伝達手段、及び回転駆動力を継手機構力前輪に伝達するフロント側伝達手段を備え、継手機構は、メインフレームに回転可能に設けられ、メイン側伝達手段により回転駆動力が伝達されて回転される第 1の継手部と、フロントフレームに回転可能に設けられて、る第 2の継手部と、第 1の自在継手を構成するように第 1の継手部に回動可能に連結されて、るとともに、第 2の自在継手を構成するように第 2の継手に回動可能に連結され、第 1の継手部の回転を第 2の継手部に伝達する継手連結体とを有して!/、る。

また、この発明による回転伝達装置は、第 1の基体と、主回動軸を中心として回動可能に第 1の基体に連結された第 2の基体とに設けられ、第 1の基体に対する第 2の基体の回動を許容しつつ、第 1基体に設けられた第 1の回転体の回転を上記第 2基体に設けられた第 2の回転体に伝達するものであって、第 1の基体に回転可能に設けられ、第 1の回転体の回転が伝達されて回転される第 1の継手部と、第 2の基体に回転可能に設けられる第 2の継手部と、第 1の自在継手を構成するように第 1の継手部に回動可能に連結されて、るとともに、第 2の自在継手を構成するように第 2の継手部に回動可能に連結され、第 1の継手部の回転を第 2の継手部に伝達する継手連結体とを有する継手機構を備えてヽる。

図面の簡単な説明

圆 1]この発明の実施の形態 1による自転車を示す斜視図である。

圆 2]図 1の継手機構を示す正面図である。

[図 3]図 2の継手機構本体を示す正面図である。

圆 4]図 3の継手機構本体を示す右側面図である。

[図 5]図 3の V— V線に沿う断面図である。

圆 6]図 1のステアリング軸と図 5のインナ部材との位置関係を示す説明図である。

[図 7]図 5の隙間 gの設定方法を示す説明図である。

圆 8]この発明の実施の形態 2による自転車を示す側面図である。

[図 9]この発明の実施の形態 3による三輪車のフレーム及び車輪を示す斜視図である [図 10]図 9のメインフレームとフロントフォーク体との連結部を示す正面図である。

[図 11]図 10の連結部を一部破断して示す斜視図である。

[図 12]図 9のメインフレームの前端部を示す斜視図である。

発明を実施するための最良の形態

[0008] 以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。

実施の形態 1.

図 1はこの発明の実施の形態 1による自転車を示す斜視図である。図において、第 1の基体としてのメインフレーム 1には、サドル軸 2が設けられている。サドル軸 2の上端部には、運転手が座るためのサドル（図示せず）が取り付けられている。

[0009] メインフレーム 1の後端部には、第 1の回転体としての後輪 3が回転可能に連結されている。また、メインフレーム 1には、後輪 3を回転させるための一対のペダル 4が設けられている。ペダル 4に入力された駆動力は、メインチェーン 5を介して後輪 3に伝達される。

[0010] メインフレーム 1の前端部には、主回動軸としてのステアリング軸（ノヽンドル軸） 6が旋回可能（回動可能）に連結されている。ステアリング軸 6の上端部には、ハンドル（図示せず）が取り付けられている。ステアリング軸 6の下端部には、前輪アーム 7が連結されている。前輪アーム 7は、ステアリング軸 6と一体に旋回される。前輪アーム 7の軸心は、ステアリング軸 6の軸心に対してオフセットされている。第 2の基体としてのフロントフレームは、ステアリング軸 6及び前輪アーム 7を有して!/、る。

[0011] 前輪アーム 7の下端部には、第 2の回転体としての前輪 8が回転可能に連結されている。後輪 3の回転は、回転伝達装置 9を介して前輪 8に伝達される。これにより、前輪 8は、後輪 3と同じ速度で回転される。

[0012] 回転伝達装置 9は、後輪 3と一体に回転される後輪スプロケット 10、メインフレーム 1 の側面に搭載された第 1及び第 2の伝達スプロケット 11, 12、メインフレーム 1とフロントフレームとの間に搭載された継手機構 13、前輪 8と一体に回転される前輪スプロケット 14、後輪スプロケット 10と第 1の伝達スプロケット 11との間に卷かれた第 1の伝達チェーン 15、第 2の伝達スプロケット 12と継手機構 13との間に巻かれた第 2の伝達チェーン 16、及び継手機構 13と前輪スプロケット 14との間に巻かれた第 3の伝達チェーン 17を有している。

[0013] 第 1及び第 2の伝達スプロケット 11, 12は、同軸に配置され、一体に回転される。従つて、第 1の伝達スプロケット 11, 12のサイズを変えることにより、入力された回転を減速又は増速して継手機構 13に入力することができる。第 1の伝達チェーン 15は、メインフレーム 1に平行に酉 S置されて、る。

[0014] メインフレーム 1の前端部には、継手機構 13を取り付けるための取付アーム 18が固定されている。継手機構 13は、ステアリング軸 6を直進方向にしたとき、軸方向が水平かつ左右方向に平行となるように取付アーム 18と前輪アーム 7との間に配置されている。取付アーム 18は、前輪アーム 7と平行である。また、取付アーム 18の軸心は、ステアリング軸 6の軸心に対して前輪アーム 7とは反対側にオフセットされている。

[0015] 継手機構 13は、ステアリング軸 6の旋回を許容しつつ、第 2の伝達チェーン 16から入力された駆動力を第 3の伝達チェーン 17に伝達する。また、継手機構 13は、ステァリング軸 6の旋回による干渉を受けずに、第 2の伝達チェーン 16から第 3の伝達チーン 17に駆動力を伝達する。さらに、継手機構 13は、駆動力の伝達による干渉を受けずに、ステアリング軸 6の旋回を許容する。

[0016] 実施の形態 1のメイン側伝達手段は、後輪スプロケット 10と、第 1及び第 2の伝達スプロケット 11, 12と、第 1及び第 2の伝達チェーン 15, 16とを有している。また、フロント側伝達手段は、第 3の伝達チェーン 17及び前輪スプロケット 14とを有している。

[0017] 図 2は図 1の継手機構 13を示す正面図である。継手機構 13は、継手機構本体 19 と、継手機構本体 19の中間部に被せられたフレキシブルカバー 20とを有している。フレキシブルカバー 20は、例えばゴムにより構成されている。

[0018] 取付アーム 18には、第 1のボス 21が固定されている。第 1のボス 21及び取付ァーム 18には、第 1の支持シャフト 22が貫通している。第 1の支持シャフト 22の先端部は、継手機構本体 19の第 1の端部に挿入されている。第 1の支持シャフト 22の回転は、第 1のボス 21及び第 1のシャフト 22を径方向に貫通した第 1のピン 23により阻止されている。継手機構 13は、第 1の支持シャフト 22に対して回転自在になっている。

[0019] 前輪 8を直進方向に向けたとき、継手機構本体 19と取付アーム 18との間には、所定の寸法 (例えば 3mm程度）の隙間 gが存在している。継手機構本体 19は、第 1の支持シャフト 22に対して軸方向へスライド可能である。

[0020] 前輪アーム 7には、第 2のボス 24が固定されている。第 2のボス 24及び前輪アーム 7には、第 2の支持シャフト 25が貫通している。第 2の支持シャフト 25の先端部は、継手機構本体 19の第 2の端部に挿入されている。第 2の支持シャフト 25の回転は、第 2 のボス 24及び第 2の支持シャフト 25を径方向に貫通した第 2のピン 26により阻止されている。継手機構 13は、第 2の支持シャフト 25に対して回転自在になっている。

[0021] 上記のように、継手機構 13は、第 1及び第 2の支持シャフト 22, 25により回転自在に支持されている。また、継手機構 13は、ステアリング軸 6の下端部と前輪 8との間に配置されている。

[0022] 図 3は図 2の継手機構本体 19を示す正面図、図 4は図 3の継手機構本体 19を示す右側面図、図 5は図 3の V—V線に沿う断面図である。継手機構本体 19は、第 1の継手部としての第 1のァウタ部材 27と、第 2の継手部としての第 2のァウタ部材 28と、第 1及び第 2のァウタ部材 27, 28間に連結された継手連結体としてのインナ部材 29と、第 1のァウタ部材 27の回転をインナ部材 29に伝達する第 1の伝達ピン 30と、インナ部材 29の回転を第 2のァウタ部材 28に伝達する第 2の伝達ピン 31とを有して、る。

[0023] 第 1のァウタ部材 27には、第 1の支持シャフト 22の先端部が挿入される断面円径の第 1のシャフト挿入凹部 27a、第 2の伝達チェーン 16が巻き付けられる第 1の継手スプロケット 27b、及びインナ部材 29の第 1端部が挿入される断面円径の第 1のインナ挿入凹部 27cが設けられている。第 1のシャフト挿入凹部 27aと第 1のインナ挿入凹部 27cとの間は、断面円径の第 1の連通孔 27dにより連通されている。

[0024] 第 1のシャフト挿入凹部 27aと第 1の支持シャフト 22との間には、ニードルベアリング

(図示せず）が介在されている。ニードルベアリングは、第 1の支持シャフト 22に対する第 1のァウタ部材 27の回転を許容するとともに、第 1の支持シャフト 22に対する第 1 のァウタ部材 27の軸方向へのスライドを許容する。

[0025] 第 2のァウタ部材 28には、第 2の支持シャフト 25の先端部及び-一ドルベアリング（図示せず)が挿入される断面円径の第 2のシャフト挿入凹部 28a、第 3の伝達チェ一ン 17が巻き付けられる第 2の継手スプロケット 28b、及びインナ部材 29の第 2端部が挿入される断面円径の第 2のインナ挿入凹部 28cが設けられている。第 2のシャフト挿入凹部 28aと第 2のインナ挿入凹部 28cとの間は、断面円径の第 2の連通孔 28d により連通されている。

[0026] インナ部材 29の第 1端部には、第 1のインナ挿入凹部 27cに挿入された第 1のボール部 29aが設けられている。第 1のボール部 29aには、第 1のピン孔 29bが設けられている。第 1のピン孔 29bには、第 1の伝達ピン 30が貫通されている。第 1の伝達ピン 30の両端部は、第 1のァウタ部材 27に固定されている。

[0027] インナ部材 29の第 2端部には、第 2のインナ挿入凹部 28cに挿入された第 2のボール部 29cが設けられている。第 2のボール部 29cには、第 2のピン孔 29dが設けられている。第 2のピン孔 29dには、第 2の伝達ピン 31が貫通されている。第 2の伝達ピン 31の両端部は、第 2のァウタ部材 28に固定されている。

[0028] 図 5に示すように、一断面において、第 1及び第 2のピン孔 29b, 29dの幅寸法は、中間から両端へ向けて徐々に拡がっている。これによつて、第 1のボール部 29aは、第 1のァウタ部材 27に対して X軸と平行な軸を中心として所定の角度範囲（例えば士 30° )だけ回動（屈曲）可能になっている。ここで、 X軸は、ステアリング軸 6に平行な軸である。また、第 2のァウタ部材 28は、第 2のボール部 29cに対して X軸と平行な軸を中心として所定の角度範囲（例えば ± 30° )だけ回動（屈曲）可能になっている。

[0029] このように、インナ部材 29は、第 1の自在継手を構成するように第 1のァウタ部材 27 に連結されているとともに、第 2の自在継手を構成するように第 2のァウタ部材 28に連結されている。

[0030] 図 6は図 1のステアリング軸 6と図 5のインナ部材 29との位置関係を示す説明図である。なお、自転車の直進方向は、 +Z軸方向である。図において、第 1のァウタ部材 2 7に対する第 1のボール部 29aの回動中心を C、第 1のァウタ部材 27に対する第 1の

1

ボール部 29aの回動範囲を士 Θ とすると、第 2のァウタ部材 28に対する第 2のボー

1

ル部 29cの回動中心 Cは、 Cを中心とする円弧 C C に沿って移動可能である。

2 1 21 22

[0031] ステアリング軸 6は、その軸線の延長が扇形 C C C 内を通るように配置されている

1 21 22

。扇形 C C C は、ボール部 29a， 29cの回動中心を結ぶ線分の回動可能領域であ

1 21 22

る。即ち、継手機構 13は、第 1のァウタ部材 27に対するインナ部材 29の回動領域をステアリング軸 6の軸線の延長線が通るように配置されて、る。この領域内であれば、ステアリング軸 6の軸線がどこを通ってもよい。

[0032] 次に、図 7は図 5の隙間 gの設定方法を示す説明図である。図において、第 1のァゥタ部材 27に対する第 1のボール部 29aの回動中心を C、ステアリング軸 6の軸線の

1

位置を Oとする。ステアリング軸 6を直進方向にしたとき、隙間 g = 0であった場合の継手機構本体 19の先端面（回動中心を C力最も遠い端面)の位置を仮に Pとする。

1 1

[0033] この状態からステアリング軸 6を右に最大に旋回させると、 Pの位置は、 Oを中心と

1

した円弧に沿って Pまで移動する。このため、 Cから継手機構本体 19の先端面まで

2 1

の距離は、旋回前よりも短くなつてしまう（C P >C P )。これは、ステアリング軸 6を左

1 1 1 2

に旋回させた場合も同様である。しかし、実際の継手機構本体 19では、 Cから先端

1 面までの距離は変化できな!/、。

[0034] これに対して、この実施の形態 1では、 C力も継手機構本体 19の先端面までの距

1

離を、ステアリング軸 6を最大に旋回させたときに許容される長さ以下に予め設定している。例えば、 C力も先端面までの距離を線分 C Pの長さに設定すると、ステアリン

1 1 2

グ軸 6を直進方向に戻したときの継手機構本体 19の先端面の位置は Pとなる。従つ

0

て、隙間 gは、線分 P Pの

1 0 間隔 g

0以上に設定すればよい (g≥g

0 )。

[0035] このような隙間 gは、第 2のァウタ部材 28と前輪アーム 7との間に確保してもよい。また、第 1のァウタ部材 27と取付アーム 18との間と、第 2のァウタ部材 28と前輪アーム 7 との間とに分けて、隙間 gを設けてもよい。

[0036] 即ち、継手機構本体 19は、ステアリング軸 6を直進方向にしたとき、隙間 gの範囲で軸方向に変位可能になっている。逆に、隙間 gを設けないと、継手機構本体 19がステアリング軸 6の旋回の妨げとなってしまう。これを避けるためには、例えば第 1のボール部 29aと第 2のボール部 29cとの間にスプラインシャフトを介在させるなどして、継手機構本体 19の軸方向寸法を、 g以上の範囲で可変とする方法もある。即ち、継

0

手機構 13は、軸方向への変位及び伸縮の少なくともいずれか一方が所定の範囲で可能になっていればよい。

[0037] 次に、動作について説明する。ペダル 4を漕ぐことにより後輪 3が回転されると、後輪の回転は、後輪スプロケット 10、第 1の伝達チェーン 15、第 1の伝達スプロケット 11 、第 2の伝達スプロケット 12、第 2の伝達チェーン 16、継手機構 13、第 3の伝達チェーン 17及び前輪スプロケット 14を介して前輪 8に伝達される。従って、この自転車は、前後輪が同時に駆動される前後輪駆動自転車として機能する。

[0038] このような自転車では、メインフレーム 1と前輪アーム 7との間に継手機構 13を設けたので、メインフレーム 1とフロントフレームとの間の関節部による干渉を除いて回転駆動力をメインフレーム 1側力もフロントフレーム側に伝達することができる。

[0039] また、継手機構 13は、 2個の自在継手を含んでいるので、 1個の自在継手の中心をステアリング中心と高精度で一致させる必要がなぐ加工精度や組付精度を低くして、コストを削減することができる。また、自転車の構造部品に橈みが生じても、ステアリング軸 6の旋回が可能であるため、自転車としての実用性が高い。

特に、実施の形態 1では、第 1のァウタ部材 27に対するインナ部材 29の回動領域をステアリング軸 6の軸線の延長線が通るように継手機構 13が配置されているとともに、継手機構 13の軸方向への変位及び伸縮の少なくともいずれか一方が所定の範囲で可能になっているので、コストをより確実に削減することができ、実用性をさらに高めることができる。

[0040] さらに、継手機構 13は、 2個の自在継手を組み合わせた構造を有しているので、 1 個の自在継手の場合よりもステアリング軸 6の旋回角度を大きくすることができる。さらにまた、第 1のァウタ部材 27からインナ部材 29への回転伝達時に発生したインナ部材 29の微小振動は、インナ部材 29から第 2のァウタ部材 28への回転伝達により打ち消されるので、インナ部材 29のみが微小振動することになり、フロントフレーム側へ振動が伝達されない。これにより、第 1のァウタ部材 27と第 2のァウタ部材 28とは、より確実に等速で回転する。

[0041] なお、メインフレームとフロントフレームとの間には、メインフレームに対するフロントフレームの旋回範囲を、継手機構により規制される範囲よりも狭い範囲に規制するストツパを設けてもよい。これにより、ハンドルの操作力が継手機構に直接伝わるのを防止し、継手機構を保護することができる。

[0042] また、上記の例では自転車を示した力この発明は、例えばオートバイ、又はモータをメインフレーム側に搭載した電動二輪車等にも適用できる。

さらに、 2個の後輪又は前輪を有する三輪自転車や三輪オートバイ等の三輪車にも、この発明を適用することができる。

さらにまた、上記の例では、前後輪駆動の自転車を示した力メインフレーム側で発生した回転駆動力を前輪のみに伝達する前輪駆動の二輪車にも、この発明は適用できる。即ち、ペダル軸やエンジンの出力軸を第 1の回転体としてもよい。

また、この発明の回転伝達装置は、二'三輪車以外の車両や、回転伝達を要する車両以外の装置にも適用できる。

[0043] 実施の形態 2.

次に、図 8はこの発明の実施の形態 2による自転車を示す側面図である。この例では、メインフレーム 1に筒状のチェーン収容部 laが設けられており、第 1の伝達チェ一ン 15の一部がチェーン収容部 la内に配置されている。また、メインフレーム 1には、第 1の伝達チェーン 15に張力を付与する第 1のテンショナ 32が取り付けられている。さらに、前輪アーム 7には、第 3の伝達チェーン 17に張力を付与する第 2のテンショナ 33が取り付けられている。他の構成は、実施の形態 1と同様である。

[0044] このような自転車では、第 1の伝達チェーン 15がチェーン収容部 laに収容されているので、運転手や荷物が第 1の伝達チェーン 15に干渉するのをより確実に防止することができる。また、テンショナ 32, 33を用いたので、伝達チェーン 15, 17の張力を安定して保つことができ、駆動力をより確実に前輪 8に伝達することができる。

[0045] なお、第 2及び第 3の伝達チェーン 16, 17の少なくともいずれか一方を収容するためのチェーン収容部をメインフレーム及びフロントフレームの少なくともいずれか一方に設けてもよい。

また、伝達チェーン 15〜17の少なくともいずれ力 1つを覆うカバーをメインフレーム又はフロントフレームに取り付けることによりチェーン収容部を構成してもよい。

さらに、第 2の伝達チェーン 16に対して張力を付与するテンショナを用いてもよい。

[0046] 実施の形態 3.

次に、図 9はこの発明の実施の形態 3による三輪車のフレーム及び車輪を示す斜視図である。この三輪車は、リカンベントタイプの前輪駆動前輪操舵三輪車である。図において、第 1の基体としての略 T字形のメインフレーム 41の後端部には、一対の後輪 42が回転自在に連結されている。メインフレーム 41の上部には、運転手が座るシート（図示せず）が装着される。また、メインフレーム 41の中間部には、第 1の回転体としてのペダル軸（図示せず）が揷通されるペダル軸孔 41aが設けられている。

[0047] メインフレーム 41の前端部には、フロントフレーム（第 2の基体)である倒立タイプのフロントフォーク体 43が旋回自在に連結されて!、る。フロントフォーク体 43の下端部には、第 2の回転体としての前輪 44が回転自在に連結されている。フロントフォーク体 43の上端部には、フロントフォーク体 43を旋回させるためのハンドル等の操縦部材（図示せず)が連結される。

[0048] 図 10は図 9のメインフレーム 41とフロントフォーク体 43との連結部を示す正面図、図 11は図 10の連結部を一部破断して示す斜視図である。図において、フロントフォーク体 43は、互いに略並行に配置された右フォーク 45及び左フォーク 46と、フォーク 45, 46の上部間に固定された上部プレート 47と、上部プレート 47の下方でフォーク 45, 46間に固定された下部プレート 48とを有している。

[0049] メインフレーム 41の前端部は、上部プレート 47と下部プレート 48との間にステアリング軸（主回動軸) 49を中心に回動可能に連結されている。メインフレーム 41とフロントフォーク体 43との間には、継手機構 51が連結されている。継手機構 51の構成は、実施の形態 1の継手機構本体 19と同じである。継手機構 51の第 1のァウタ部材 27は、メインフレーム 41の前端部に回転自在に保持されている。即ち、メインフレーム 41の前端部には、図 12に示すように継手機構保持孔 41bが設けられており、継手機構保持孔 41bの内周面と第 1のァウタ部材 27の外周面との間にはベアリング（図示せず）が介在されている。

[0050] 右フォーク 45には、第 2のァウタ部材 28の第 2のシャフト挿入凹部 28aに挿入される支持シャフト 50が設けられている。第 2のァウタ部材 28と支持シャフト 50との間には、ニードルベアリング（図示せず）が介在されている。第 2のァウタ部材 28は、支持シャフト 50に対して回転自在である。

[0051] また、第 2のァウタ部材 28は、支持シャフト 50の軸方向へ所定の範囲で変位可能である。さらに、継手機構 51は、第 1のァウタ部材 27に対するインナ部材 29の回動領域をステアリング軸 49の軸線の延長線が通るように配置されて、る。

[0052] ペダル軸と一体に回転される第 1のスプロケット（図示せず）と第 1の継手スプロケット 27bとの間には、メイン側伝達手段としての第 1の伝達チェーン（図示せず）が巻かれている。前輪 8と一体に回転される前輪スプロケット（図示せず）と第 2の継手スプロケット 28bとの間には、フロント側伝達手段としての第 2の伝達チェーン（図示せず）が巻かれている。継手機構 51は、メインフレーム 41に対するフロントフォーク体 43の旋回を許容しつつ、第 1の伝達チェーン力入力された駆動力を第 2の伝達チェーンに伝達する。

[0053] このような三輪車では、メインフレーム 41とフロントフォーク体 43との間に継手機構 51を設けたので、メインフレーム 41とフロントフォーク体 43との間の関節部による干渉を除いて回転駆動力をメインフレーム 41側力もフロントフォーク体 43側に伝達することができる。

[0054] また、継手機構 51は、 2個の自在継手を含んでいるので、 1個の自在継手の中心をステアリング中心と高精度で一致させる必要がなぐ加工精度や組付精度を低くして、コストを削減することができる。また、自転車の構造部品に橈みが生じても、ステアリング軸 49の旋回が可能であるため、自転車としての実用性が高い。

特に、第 1のァウタ部材 27に対するインナ部材 29の回動領域をステアリング軸 49 の軸線の延長線が通るように継手機構 51が配置されて、るとともに、継手機構 51の軸方向への変位及び伸縮の少なくともいずれか一方が所定の範囲で可能になっているので、コストをより確実に削減することができ、実用性をさらに高めることができる

[0055] さらに、ペダル軸の回転を後輪に伝達するための伝達機構が不要であるため、三輪車の後部の構造を簡素化できるとともに、路面からのシートの高さを低くすることができ、リカンベントタイプの三輪車に特に好適である。

[0056] なお、実施の形態 1〜3では、伝達チェーンを用いた伝達手段を示したが、伝達手段はこれに限定されるものではなぐ例えば軸線を中心に回転されるロッドと複数の傘歯車との組み合わせを用いてもよ、。

Claims

請求の範囲

[1] メインフレーム、

上記メインフレームに回転可能に設けられている後輪、

ステアリング軸を中心に旋回可能に上記メインフレームに連結されているフロントフレーム、

上記フロントフレームに回転可能に設けられている前輪、

上記メインフレームと上記フロントフレームとの間に設けられ、上記メインフレームに対する上記フロントフレームの旋回を許容しつつ、上記メインフレーム側で発生した回転駆動力を上記フロントフレーム側へ伝達する継手機構、

上記回転駆動力を上記メインフレーム側から上記継手機構に伝達するメイン側伝達手段、及び

上記回転駆動力を上記継手機構から上記前輪に伝達するフロント側伝達手段を備え、

上記継手機構は、

上記メインフレームに回転可能に設けられ、上記メイン側伝達手段により上記回転駆動力が伝達されて回転される第 1の継手部と、

上記フロントフレームに回転可能に設けられている第 2の継手部と、

第 1の自在継手を構成するように上記第 1の継手部に回動可能に連結されて、るとともに、第 2の自在継手を構成するように上記第 2の継手に回動可能に連結され、上記第 1の継手部の回転を上記第 2の継手部に伝達する継手連結体と

を有している車両。

[2] 上記継手機構は、上記第 1の継手部に対する上記継手連結体の回動領域を上記ステアリング軸の軸線の延長線が通るように配置されているとともに、軸方向への変位及び伸縮の少なくともいずれか一方が所定の範囲で可能になっている請求項 1記載の单両。

[3] 上記メイン側伝達手段は、

上記メインフレームに搭載されている第 1の伝達スプロケットと、

上記第 1の伝達スプロケットと同軸に設けられ、上記第 1の伝達スプロケットと一体に回転される第 2の伝達スプロケットと、

上記後輪の回転を上記第 1の伝達スプロケットに伝達する第 1の伝達チェーンと、上記第 2の伝達スプロケットの回転を上記第 1の継手部に伝達する第 2の伝達チェ一ンとを有し、

上記第 1の継手部には、第 2の伝達チェーンが巻かれた第 1の継手スプロケットが設けられて!/、る請求項 1記載の車両。

[4] 上記フロント側伝達手段は、上記第 2の継手部の回転を上記前輪に伝達する第 3 の伝達チーンを有し、

上記第 2の継手部には、第 3の伝達チェーンが巻かれた第 2の継手スプロケットが設けられて!/、る請求項 3記載の車両。

[5] 上記メインフレームには、上記第 1の伝達チェーンの少なくとも一部を収容するチェーン収容部が設けられて、る請求項 3記載の車両。

[6] 第 1の基体と、主回動軸を中心として回動可能に上記第 1の基体に連結された第 2 の基体とに設けられ、上記第 1の基体に対する上記第 2の基体の回動を許容しつつ、上記第 1基体に設けられた第 1の回転体の回転を上記第 2基体に設けられた第 2の回転体に伝達する回転伝達装置であって、

上記第 1の基体に回転可能に設けられ、上記第 1の回転体の回転が伝達されて回転される第 1の継手部と、

上記第 2の基体に回転可能に設けられている第 2の継手部と、

を有する継手機構を備えて、る回転伝達装置。