明 細 書
マルチキャスト通信システム 技術分野
[0001] 本発明は、マルチキャスト通信システムに関し、特にマルチキャストの経路であるマ ルチキャストツリーを通じて、パケットのマルチキャスト通信を行うマルチキャスト通信 システムに関する。
背景技術
[0002] 近年、インターネットではマルチキャスト通信が広く行われて 、る。マルチキャスト通 信は、ネットワーク内で、複数の相手を指定して同じパケットを送信する技術であり、 映像配信などに利用されている(なお、ネットワーク内の全ノードに同一パケットを送 信することはブロードキャスト、単一の特定ノードにパケットを送信することはュ-キヤ ストと呼ばれる)。
[0003] また、映像などの通信情報には、高画質'高品質化が求められており、移動しなが らでも高品質なサービスを使いたいといった要望が多ぐ携帯電話機やノートバソコ ン等の端末の移動を伴うネットワークに対しても、高品質なマルチキャスト通信の実現 が強く求められている。
[0004] 図 22はマルチキャスト通信を示す図である。ネットワーク 100は、ルータ R101— R1 04、通信装置 101、複数の端末群からなる端末グループ gl、 g2を有する(以降、説 明を簡単にするため、端末グループ gl、 g2中に含まれる複数端末をそれぞれ、受信 端末 102、 103で代表させる)。
[0005] ルータ R101— R103はシリアルに接続し、ルータ R104はルータ R102に接続する 。受信端末 102は、ルータ R101に接続し、受信端末 103は、ルータ R103に接続す る。また、通信装置 101は無線によってルータ R101と接続している。
[0006] 受信端末 102は、マルチキャストサービスの参加要請をルータ R101へ通知し、受 信端末 103は、マルチキャストサービスの参加要請をルータ R103へ通知する。通信 装置 101から受信端末 102、 103へマルチキャスト送信する場合は、通信装置 101 →ルータ R101→受信端末 102の経路と、通信装置 101→ルータ R101→ルータ R1
02→ルータ R103→受信端末 103の経路とからなるマルチキャストツリー ml上をマ ルチキャストパケットが流れることになる。
[0007] 図 23はマルチキャスト通信を示す図である。ネットワーク 100aは、通信装置 101が ルータ R101と切り離されて移動し、ルータ R104と接続した様子を示している。このと き、通信装置 101から受信端末 102、 103へマルチキャスト送信を行う場合には、通 信装置 101→ルータ R104→ルータ R102→ルータ R101→受信端末 102の経路と 、通信装置 101→ルータ R104→ルータ R102→ルータ R103→受信端末 103の経 路とカもなるマルチキャストツリー m2上をマルチキャストパケットが流れることになる。
[0008] 上記のような、端末がマルチキャストサービスへ参加を行うためのプロトコルとしては IGMP (Internet Group Management Protocol)があり、マルチキャストツリーを構築す る方法としては PIM— DM (Protocol Independent Multicast Dense Mode)、 PIM— SM ( PIM-Sparse Mode)または SSM (Source Specific Multicast)などの方式が定義されて おり利用されている。
[0009] また、送信元や中継装置力もマルチキャストツリーを構築するための方法としては、 MPLS (Multi Protocol Label Switching Architecture)の中のツリー構築技術 RFC3032 などが利用されている。
[0010] マルチキャスト通信の従来技術として、中継装置がマルチキャストグループへの加 入要求を受信すると、隣接中継装置にマルチキャストツリー構築を指示して、ルーテ イングテーブルを更新する技術が提案されている(例えば、特許文献 1)。
特許文献 1:特開 2004 - 297579号公報 (段落番号〔0044〕一〔0049〕 ,第 1図) 発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0011] しかし、上記のようにして、端末が移動可能であり、移動によってマルチキャストッリ 一が変更すると、パケットの欠落やパケットの順序逆転などが生じるおそれがあり、ネ ットワークの運用性、信頼性を低下させるといった問題があった。
[0012] 図 24は問題点を示す図である。通信装置 101がルータ R101からルータ R104へ 接続を変更して移動する場合を考える。このとき、通信装置 101から受信端末 102、 103へ、パケット D1— D8の順にマルチキャスト送信を行うとする。
[0013] また、ルータ R101では、ノ ッファリングなどの機能により、パケットを送信する際に 遅延が生じるとする。さらに、マルチキャストツリーが ml→m2へ変化するときは、ル ータ R101— R104内部では、マルチキャストツリー mlの経路情報を含むマルチキヤ ストテーブル(テーブル tlとする)力もマルチキャストツリー m2の経路情報を含むマル チキャストテーブル (テーブル t2とする)へ切り替わることになる(テーブルは上書き処 理で更新される)。
[0014] 送信遅延を有するルータ R101において、マルチキャストツリー mlを通じてパケット D1— D4すべてを送信する前に、マルチキャストツリーの変更契機を認識したとする
[0015] このような場合、例えば、ルータ R101がパケット D3までをマルチキャストツリー ml を通じて送信した後に、マルチキャストツリーの変更契機を認識し、ルータ R101内の マルチキャストテーブルがテーブル tl→t2へ切り替わってしまうと、旧経路のマルチ キャストツリー mlに関する経路情報が消えてしまうために、パケット D4は受信端末 1 02に届力ないことになり、パケット欠落が生じてしまう(ルータ R101内のマルチキャス トッリ一 m2のテーブル t2は、ルータ R102からの送信パケットを受信したら、受信端 末 102へ送信する経路が記されたテーブルであるので、テーブル切り替え後は、通 信装置 101から送信されたパケット D4を送信する経路情報はなくなつてしまう)。
[0016] 一方、ルータ R101からマルチキャストツリー mlを通じて出力したパケット D4がル ータ R102に到着するよりも、ルータ R102においてテーブル tl→t2へと切り替わりマ ルチキャストツリー m2が構築して、ルータ R104から送信されたパケット D5がルータ R102に先に到着した場合には、パケット D4よりも先にパケット D5が、ルータ R102 力も受信端末 103へ送信されることになり、受信端末 103ではパケットの順序逆転が 生じること〖こなる。
[0017] このように、マルチキャストツリー構築機能を有する従来のネットワークでは、マルチ キャストツリーの構造に変化が生じると、各ルータにおいて、マルチキャスト伝送制御 に食い違いが生じ、パケット欠落や順序逆転を起こす原因となり、多くの受信端末に 悪影響を与えてしまうおそれがあった。
[0018] 本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、効率的なマルチキャストツリー
の更新制御を行って、パケット欠落や順序逆転などの通信障害を防止して、ネットヮ ークの運用性及び信頼性の向上を図ったマルチキャスト通信システムを提供すること を目的とする。
課題を解決するための手段
[0019] 本発明では上記課題を解決するために、図 1に示すような、マルチキャストの経路 であるマルチキャストツリーを通じて、パケットのマルチキャスト通信を行うマルチキヤ スト通信システム 1において、マルチキャスト送信を行う場合に、パケットの出力順に シーケンス番号を付与して送信するマルチキャスト送信部 11と、マルチキャスト送信 時に自端末が移動した際に、パケットのシーケンス番号を含む、マルチキャストツリー の更新契機となる契機情報を生成し、サーバ側へ通知する契機情報生成部 12と、か ら構成され、サーバ側へ位置登録を行ってネットワーク内を移動可能な通信装置 10 と、契機情報を受信し、通信装置 10が移動した接続先のアクセスポイントへ契機情 報を通知し、かつ通信装置 10が移動する前に接続して 、た元のアクセスポイントへ は、契機情報をカプセル化して通知する契機情報通知部 21を含み、通信装置 10の 位置登録及びマルチキャストツリーの管理を行うネットワーク制御サーバ 20と、通信 装置 10が移動した接続先のアクセスポイントとして機能する場合は、契機情報を受 信して、新経路のマルチキャストツリーが構築するまで、通信装置 10が送信したパケ ットをバッファリングしておき、新経路のマルチキャストツリーの構築後に出力する制 御を行うバッファ部 31と、通信装置 10が移動する前に接続していた元のアクセスボイ ントとして機能する場合は、カプセル化された契機情報をデカプセルィ匕してマルチキ ヤストッリ一のルート中継装置であった接続元中継装置へ中継送信する制御を行う デカプセル化部 32と、パケット中継の動作を実行する場合は、中継された契機情報 の中のシーケンス番号を認識し、シーケンス番号のパケットを受信して出力するまで 、旧経路のマルチキャストツリーを選択し、シーケンス番号のパケットを出力した後に 新経路のマルチキャストツリーへの更新処理を行う更新処理部 33と、から構成される パケット中継装置 30— 1一 30— nと、を有することを特徴とするマルチキャスト通信シス テム 1が提供される。
[0020] ここで、マルチキャスト送信部 11は、マルチキャスト送信を行う場合に、パケットの出
力順にシーケンス番号を付与して送信する。契機情報生成部 12は、マルチキャスト 送信時に自端末が移動した際に、パケットのシーケンス番号を含む、マルチキャスト ツリーの更新契機となる契機情報を生成し、サーバ側へ通知する。契機情報通知部 21は、契機情報を受信し、通信装置 10が移動した接続先のアクセスポイントへ契機 情報を通知し、かつ通信装置 10が移動する前に接続して 、た元のアクセスポイント へは、契機情報をカプセルィ匕して通知する。パケット中継装置 30— 1一 30— nに対し 、通信装置 10が移動した接続先のアクセスポイントとして機能する場合は、バッファ 部 31は、契機情報を受信して、新経路のマルチキャストツリーが構築するまで、通信 装置 10が送信したパケットをバッファリングしておき、新経路のマルチキャストツリー の構築後に出力する。また、通信装置 10が移動する前に接続していた元のアクセス ポイントとして機能する場合は、デカプセル化部 32は、カプセル化された契機情報を デカプセルィ匕してマルチキャストツリーのルート中継装置であった接続元中継装置へ 中継送信する。さらに、パケット中継の動作を実行する場合は、更新処理部 33は、中 継された契機情報の中のシーケンス番号を認識し、シーケンス番号のパケットを受信 して出力するまで、旧経路のマルチキャストツリーを選択し、シーケンス番号のバケツ トを出力した後に新経路のマルチキャストツリーへの更新処理を行う。
[0021] また本発明のマルチキャスト通信方法は、マルチキャストの経路であるマルチキャス トッリ一を通じて、パケットによるマルチキャスト通信を行うマルチキャスト通信方法に おいて、マルチキャストデータに対して、順序を示す情報を付与して送信し、経路を 用いて、新たなマルチキャストツリーの構築および現在のマルチキャストツリー力もを 新たなマルチキャストツリーへの経路切替の契機を示す更新契機情報を送信し、更 新契機情報を該経路上の中継装置が受信時に、経路の状態に応じて新たなマルチ キャストツリー経路を構築し、更新契機情報の契機を示し更新情報を含むマルチキヤ ストパケットを受信した場合に新たな経路に切り換えることを特徴とする。 発明の効果
[0022] 本発明のマルチキャスト通信システムは、通信装置では、パケットのシーケンス番号 を含む契機情報を生成し、ネットワーク制御サーバでは、契機情報を受信して、通信 装置が移動した接続先のアクセスポイント及び移動前に接続していた元のアクセスポ
イントへ通知する。そして、パケット中継装置では、中継された契機情報に対して、シ 一ケンス番号のパケットを受信して出力するまで、旧経路のマルチキャストツリーを選 択し、シーケンス番号のパケットを出力した後に新経路のマルチキャストツリーへの更 新を行う構成とした。これにより、各パケット中継装置における、マルチキャスト更新の 処理誤差をなくして、パケット欠落や順序逆転などの通信障害を防止することができ るので、ネットワークの運用性及び信頼性の向上を図ることが可能になる。
[0023] 本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ま U、実施 の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
図面の簡単な説明
[0024] [図 1]マルチキャスト通信システムの構成図である。
[図 2]マルチキャスト通信システムの動作を示す図である。
[図 3]契機情報の構成を示す図である。
[図 4]カプセルィ匕した契機情報の構成を示す図である。
[図 5]マルチキャスト通信システムの構成を示す図である。
[図 6]マルチキャスト通信システムの構成を示す図である。
[図 7]マルチキャスト通信システムの動作を示す図である。
[図 8]パケット中継先指示情報の構成を示す図である。
[図 9]カプセルィ匕した更新一時停止情報の構成を示す図である。
[図 10]マルチキャスト通信システムの構成を示す図である。
[図 11]マルチキャスト通信システムの動作を示す図である。
[図 12]マルチキャストテーブルの更新動作を説明するための図である。
[図 13]マルチキャストテーブルの更新動作を説明するための図である。
[図 14]マルチキャスト制御情報を示す図である。
[図 15]マルチキャスト通信システムの第 1の原理図を示す図である。
[図 16]マルチキャスト通信システムの第 2の原理図を示す図である。
[図 17]端末側単独シーケンスの一例を示す図である。
[図 18]ネットワーク側単独シーケンスの一例を示す図である。
[図 19]端末、ネットワーク連携シーケンスの一例を示す図である。
[図 20]旧経路側の処理シーケンスの一例を示す図である。
[図 21]新経路側の処理シーケンスの一例を示す図である。
[図 22]マルチキャスト通信を示す図である。
[図 23]マルチキャスト通信を示す図である。
[図 24]問題点を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0025] 以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図 1はマルチキャスト通信 システムの構成図である。第 1の実施の形態のマルチキャスト通信システム 1は、通信 装置 10、ネットワーク制御サーバ 20、パケット中継装置 30— 1一 30— n (総称する場 合はパケット中継装置 30とする)、受信端末 41、 42を含む端末グループ Gl、 G2か ら構成され、マルチキャストの経路であるマルチキャストツリーを通じて、パケットのマ ルチキャスト通信を行うシステムである。
[0026] パケット中継装置 30— 1、 30— 3— 30— nはシリアルに接続し、パケット中継装置 30— 2はパケット中継装置 30— 3に接続する。通信装置 10は、パケット中継装置 30— 1に 接続し、端末グループ G1内の複数端末は、パケット中継装置 30 - 1に接続し、端末 グループ G2内の複数端末は、パケット中継装置 30— nに接続する。また、通信装置 1 0は無線によって、パケット中継装置 30-1、 30-2と接続可能である。
[0027] 通信装置 10は、ネットワーク制御サーバ 20へ位置登録を行ってネットワーク内を移 動可能な端末であり、ネットワーク内の端末グループ Gl、 G2中の複数端末へマルチ キャスト送信を行う (説明を簡単にするため、端末グループ Gl、 G2中の複数端末を それぞれ、受信端末 41、 42で代表させる)。また、マルチキャスト配信中、通信装置 1 0は、最初にパケット中継装置 30— 1に接続しており、その後移動してパケット中継装 置 30— 2へ接続を行うものとする(移動を伴うマルチキャスト配信を行う)。
[0028] 通信装置 10は、マルチキャスト送信部 11、契機情報生成部 12から構成される。マ ルチキャスト送信部 11は、パケットのマルチキャスト送信を行う場合に、パケットの出 力順にシーケンス番号を付与して送信する。
[0029] 契機情報生成部 12は、マルチキャスト送信時に自端末が移動した際に、パケットの シーケンス番号を含む契機情報 (マルチキャストツリーの更新契機となる情報である)
を生成し、ネットワーク管理を行うサーバ側(ネットワーク制御サーバ 20)へ通知する。
[0030] 例えば、シーケンス番号 # 1一 # 8まで付与されたパケットに対して、通信装置 10 がパケット中継装置 30-1に接続しているときに、 # 1一 # 4までのパケットを送信し、 その後に移動した場合は、パケットのシーケンス番号は # 4となる( # 4のパケットを送 信して力 移動する)。
[0031] ネットワーク制御サーバ 20は、契機情報通知部 21を含み、通信装置 10の位置登 録の管理及びマルチキャストツリーの管理を行う。契機情報通知部 21は、通信装置 1 0から送信された契機情報を受信する。そして、通信装置 10が移動した接続先のァ クセスポイント(図ではパケット中継装置 30— 2に該当)へ契機情報を通知し、かつ通 信装置 10が移動する前に接続していた元のアクセスポイント(図ではパケット中継装 置 30— 1に該当)へは、契機情報をカプセルィ匕して通知する。
[0032] 尚、本明細書でアクセスポイントとして記載して 、る装置は、アクセスルータや、ァク セス装置であってもよ 、、またマルチキャストの接続元となるルータが直接アクセスポ イントとなっている場合や、アクセスポイントを経由して接続元となるルータが間接的 に接続されていてもよい。
[0033] パケット中継装置 30—1— 30— nは、バッファ部 31、デカプセル化部 32、更新処理 部 33から構成される。パケット中継装置 30に対し、通信装置 10が移動した接続先の アクセスポイントとして機能する場合は(すなわち、パケット中継装置 30— 2では)、バ ッファ部 31は、契機情報を受信して、新経路のマルチキャストツリーが構築するまで、 通信装置 10が送信したパケットをバッファリングしておき、新経路のマルチキャストツ リーの構築後に出力する。
[0034] また、通信装置 10が移動する前に接続していた元のアクセスポイントとして機能す る場合は(すなわち、パケット中継装置 30— 1では)、デカプセルィ匕部 32は、カプセル 化された契機情報をデカプセルィ匕してマルチキャストツリーのルート中継装置であつ た接続元中継装置へ中継送信する。
[0035] さらに、パケット中継の動作を実行する場合は (パケット中継装置 30— 1、 30— 2以外 のパケット中継装置では)、更新処理部 33は、中継された契機情報の中のシーケン ス番号を認識し、シーケンス番号のパケットを受信して出力するまで、旧経路のマル
チキャストツリーを選択し、シーケンス番号のパケットを出力した後に新経路のマルチ キャストツリーへの更新処理を行う。(尚、上記通信装置が接続している中継装置は 直接的な接続だけでなぐマルチキャストツリーを構成している場合の配信経路の場 合に関しても包含する)。
[0036] 次に第 1の実施の形態の動作概要について図 2—図 4を用いて説明する。図 2はマ ルチキャスト通信システム 1の動作を示す図である。なお、以降ではパケット中継装置
30— 1— 30— nをルータ R 1一 Rnと呼ぶ。
[0037] 通信装置 10がルータ R1と接続しているときに、受信端末 41は、ルータ R1に対して
、マルチキャストサービスの参加要請を行い、受信端末 42は、ルータ R4に対してマ ルチキャストサービスの参加要請を行う。
[0038] また、このときの通信装置 10がパケット送信する際のマルチキャストツリー Mlは、 通信装置 10→ルータ Rl→受信端末 41と、通信装置 10→ルータ Rl→ルータ R3→ ルータ R4→受信端末 42とからなる経路である。
[0039] 〔S1〕通信装置 10がルータ R1と接続しているときに、通信装置 10は、シーケンス番 号 # 1一 # 4が付与されたパケットをルータ R1へ送信し、マルチキャスト配信を行う。
[0040] 〔S2〕通信装置 10は、シーケンス番号 # 1一 # 4が付与されたパケットを送信した後 に移動して、ルータ R2と接続する。
〔S3〕通信装置 10は、ネットワーク制御サーバ 20に位置登録を行う。この場合に、 通信装置 10は、契機情報の送信もネットワーク制御サーバ 20に対して行う。
[0041] 図 3は契機情報の構成を示す図である。契機情報 51は、シーケンス番号 51a、マ ルチキャスト識別子 5 lb、新ルート情報 51cから構成される。
シーケンス番号 5 laは、パケットのシーケンス番号である。マルチキャスト識別子 51 bは、移動先ネットワークで一時的に使用するアドレスである気付アドレス(CoA: Care of Address)と MCアドレス(マルチキャストアドレス)からなる。また、新ルート情報 51c は、あらたに接続したルータのアドレスである。
[0042] この例の契機情報は、シーケンス番号 51aは # 4、マルチキャスト識別子 51bは
CoA Rl+MC add (ルータ R1に接続していたときの通信装置 10の気付アドレス +マル チキャストアドレス)、新ルート情報 51cはルータ R2のアドレスとなる(なお、このマル
チキャスト識別子は、マルチキャストツリー Mlを構築したときに使用したそのものであ る。つまり、通信装置 10がルータ R1に接続しているときに、マルチキャストツリー Ml を構築する際に用いたものと同じ識別子情報である)。
[0043] なお、シーケンス番号 51aが挿入されるフィールドは、図 14で後述するマルチキヤ スト制御情報のパラメータが挿入されるフィールドであり、シーケンス番号以外にもマ ルチキャスト制御情報のその他のパラメータを複数設定することができる(図 14で後 述する)。
[0044] 〔S4〕ネットワーク制御サーバ 20は、通信装置 10から送信された契機情報をルータ R2へ通知する。
〔S5〕ネットワーク制御サーバ 20は、通信装置 10から送信された契機情報をカプセ ルイ匕してルータ R1へ通知する。図 4はカプセルィ匕した契機情報の構成を示す図であ る。ステップ S3で生成された契機情報 51に対して、さらに通信装置 10のマルチキヤ スト識別子を宛先アドレス alとした情報と、ネットワーク制御サーバ 20のアドレスを送 信元アドレス a2とした情報力もなるアドレス情報を付加し、これらの情報に対して、宛 先アドレス A1と送信元アドレス A2でカプセル化する。この例では、宛先アドレス A1 をルータ R1のアドレス、送信元アドレス A2をネットワーク制御サーバ 20のアドレスと して、カプセルィ匕して送信する。
[0045] 〔S6〕ネットワーク制御サーバ 20は、位置登録応答を通信装置 10へ送信する。
〔S7〕通信装置 10は、シーケンス番号 # 5— # 8が付与されたパケットをルータ R2 へ送信する。
[0046] 〔S8〕ルータ R2は、契機情報を受信し、新ルート情報がルータ R2自身のアドレスで あることを認識すると、新規のマルチキャストツリーが構築するまで (参加要請が別ル 一タカも来るまで、この例では、配下のルータ R3からの参カ卩要請を受けるまで)、 # 4 以降のシーケンス番号が付与されたパケットのバッファリングを行う。
[0047] [S9]ルータ R1は、カプセル化された契機情報を受信すると、デカプセル化を行つ てカプセルィ匕部分を取り除き、カプセルィ匕の中の契機情報をルータ R3へ転送する。 〔S10〕ルータ R3は、ルータ R4へも契機情報を送信する。このような転送動作が行 われることで、旧経路のマルチキャストツリー Ml上のすべてのルータに対して契機
情報が通知されることになる(宛先は、 CoA Rl+MC add宛てのマルチキャスト送信を 行う)。
[0048] 〔S11〕ルータ R2は、ルータ R3からマルチキャストサービスの参加要請を受けると、 新経路のマルチキャストツリー M2を通じて、バッファリングしていたパケットを出力す る。
[0049] [S12]契機情報を受信したルータでマルチキャストツリーの経路が変更するルータ は(ルータ Rl、 R3が該当する。なお、ルータ R4は、マルチキャストツリー Ml、 M2と も同じ経路である)、直ちにマルチキャストツリー Mlからマルチキャストツリー M2への 更新を行わずに(マルチキャストテーブルの更新を直ちにせずに)、 # 4のシーケンス 番号が付与されたパケットを受信して自ルータから出力するまでは旧経路であるマル チキャストツリー Mlを保持するようにする(このとき、ネットワーク内では、部分的にマ ルチキャストツリー Ml、 M2の混在状態が存在することになる)。
[0050] 〔S13〕ルータ R1、R3は、旧経路のマルチキャストツリー Mlを保っている間に、新 経路のマルチキャストツリー M2からパケットを受信した場合、マルチキャストツリー変 更契機となるシーケンス番号 # 4のパケットを受信して出力するまでは、パケットのバ ッファリングを行い、 # 4のパケットを通過させたら、マルチキャストツリー M2へ更新を 行い、バッファリングしていたパケットを、マルチキャストツリー M2を通じて出力する。
[0051] したがって、マルチキャストパケットは、通信装置 10→ルータ R2→ルータ R3→ルー タ Rl→受信端末 41の経路と、通信装置 10→ルータ R2→ルータ R3→ルータ R4→ 受信端末 42の経路とからなる新しいマルチキャストツリー M2を通じて配信されること になる。
[0052] このような制御が行われることで、各ルータにおける、マルチキャスト更新の食い違 い (処理誤差)をなくすことができるので、受信端末 41、 42に対して、パケット欠落、 順序逆転などの通信障害が発生することなぐ高品質のマルチキャスト通信を行うこと が可能になる。
[0053] 次に第 2の実施の形態について説明する。図 5はマルチキャスト通信システムの構 成を示す図である。第 2の実施の形態のマルチキャスト通信システム laは、通信装置 10a、ネットワーク制御サーバ 20a、パケット中継装置(ルータ) 30a— 1— 30a—4、受
信端末 41、 42から構成される。
[0054] マルチキャスト通信システム laでは、第 1の実施の形態でネットワーク制御サーバ 2 0がルータ Rl、 R2へ行っていた契機情報の通知制御を、通信装置 10aで行うもので ある。したがって、図 1のネットワーク制御サーバ 20にあった契機情報通知部は、契 機情報通知部 13aとして通信装置 10aに含まれる構成となる。その他の構成は同じ である。
[0055] 第 1の実施の形態では、ネットワーク制御サーバ 20aがどのルータ(旧経路であるパ ケット中継装置 30a— 1及び新経路であるパケット中継装置 30a— 2を指す)に対して 指示を行うかを把握するために、マルチキャストの配信経路を認識して 、る必要性が あるが、第 2の実施の形態では、サーバに頼ることなく行うものである。
[0056] 動作としては、通信装置 10aが移動した後、ネットワーク制御サーバ 20aに位置登 録を行って、通信装置 10aは、契機情報をパケット中継装置 30a— 2へ、カプセルィ匕し た契機情報をパケット中継装置 30a— 2を介してパケット中継装置 30a— 1へ通知する 。その他の動作は図 2と基本的に同じなので説明は省略する。
[0057] 次に第 3の実施の形態について説明する。上記においては、端末が移動すること で、移動前後のマルチキャストツリーが変更して通信障害が生じるものとして、第 1、 第 2の実施の形態では、これらの問題点を解消する技術として説明したが、端末の移 動に関係なぐネットワーク自身で意図的なマルチキャストツリーを再構築する場合で も、従来では同様なパケット欠落、順序逆転などの通信障害は発生する。第 3の実施 の形態では、端末の移動を伴わずに、ネットワーク側でマルチキャストツリーを変更し たときに生じる通信障害を解消するマルチキャスト通信技術である。
[0058] 図 6はマルチキャスト通信システムの構成を示す図である。第 3の実施の形態のマ ルチキャスト通信システム lbは、通信装置 10b、ネットワーク制御サーバ 20b、バケツ ト中継装置 30b-l— 30b— 5 (総称する場合はパケット中継装置 30b)、受信端末 41 、 42から構成される。
[0059] パケット中継装置 30b— 1、 30b-3、 30b—4はシリアルに接続し、パケット中継装置 30b— 2はパケット中継装置 30b— 3、 30b-5と接続し、パケット中継装置 30b— 5は、 パケット中継装置 30b-lと接続する。受信端末 41はパケット中継装置 30b-lと接続
し、受信端末 42はパケット中継装置 30b - 4と接続する。また、通信装置 10bは、パケ ット中継装置 30b— 5と接続しており、この位置力も移動しないとする。
[0060] 通信装置 10bは、マルチキャスト送信部 l ibを含む。マルチキャスト送信部 l ibは、 マルチキャスト送信時に、パケットの出力順にシーケンス番号を付与してパケットを送 信する。
[0061] ネットワーク制御サーバ 20bは、情報送信部 21bを含む。情報送信部 21bは、ネット ワーク内のマルチキャストツリーを更新する場合に、通信装置 10bが現在接続してい る中継装置である接続元中継装置 30b— 5に対しては、マルチキャストツリー更新を 即時に行わない更新一時停止情報を含む契機情報を送信する。
[0062] 接続元中継装置 30b— 5はこの情報を、旧マルチキャストの経路を用いて、 30b— 1 、 30b— 3、 30b— 4に対して配信を行う。
また、旧経路のマルチキャストツリー(旧マルチキャストツリー)から新経路のマルチ キャストツリー (新マルチキャストツリー)に変更する際に、接続元中継装置 30b— 5か ら新マルチキャストツリーを通じて最初のパケット中継先となる転送先中継装置 30b— 2へは、最初のパケット中継先である旨を知らせるためのパケット中継先指示情報を 送信する。
[0063] パケット中継装置 30bは、接続元中継制御部 31b、転送先中継制御部 32b、更新 処理部 33bから構成される。接続元中継制御部 3 lbは、パケット中継装置 30bが接 続元中継装置 30b— 5として機能する場合は、更新一時停止情報を含む契機情報を 受信したら、旧マルチキャストツリー経路上の中継装置へ出力する制御を行う。
[0064] また、更新一時停止情報を含めない、更新シーケンス番号を含ませたマルチキャス トッリ一の更新契機となる契機情報を生成して、旧マルチキャストツリー上の中継装置 へ送信する制御を行う。さらに、転送先中継装置 30b— 2からマルチキャストサービス の参加要請があるまで、通信装置 10bから送信されたパケットをバッファリングし、参 加要請を受信した場合は、新マルチキャストツリーの最初のホップ先である転送先中 継装置 30b— 2へパケットを出力する制御を行う
転送先中継制御部 32bは、パケット中継装置 30bが転送先中継装置 30b— 2として 機能する場合は、パケット中継先指示情報を受信して、自己が新マルチキャストッリ
一の最初のパケット中継先である旨を認識すると、配下の中継装置力 送信される参 加要請の受信待ちを行 、、参加要請がきたら接続元中継装置 30b— 5へ送信する制 御を行う。また、接続元中継装置 30b— 5から送信されたパケットを、新マルチキャスト ツリーを通じて出力する制御を行う。
[0065] 更新処理部 33bは、パケット中継装置 30bがパケット中継の動作を実行する場合は
(パケット中継装置 30b— 1、 30b— 3、 30b— 4の場合は)、更新一時停止情報を含む 契機情報を受信した場合は、新経路のマルチキャストツリーへの更新は行わずに参 加要請を隣接装置へ出力し、その後に送信される契機情報を受信した場合は、中継 された契機情報の中のシーケンス番号を認識し、シーケンス番号のパケットを受信し て出力するまで、旧マルチキャストツリーを選択し、シーケンス番号のパケットを出力 した後に新マルチキャストツリーへの更新処理を行う。
[0066] 次に第 3の実施の形態の動作概要について図 7—図 9を用いて説明する。図 7はマ ルチキャスト通信システム lbの動作を示す図である。なお、パケット中継装置 30b— 1 一 30b— 5をルータ R1— R5と呼ぶ。
[0067] 通信装置 10bから受信端末 41、 42へのマルチキャスト経路としては、旧経路のマ ルチキャストッリ一 M lb (通信装置 10b→ルータ R5→ルータ R 1→受信端末 41の経 路と、通信装置 10b→ルータ R5→ルータ Rl→ルータ R3→ルータ R4→受信端末 42 の経路とからなる)と、新経路のマルチキャストツリー M2b (通信装置 10b→ルータ R5 →ルータ R2→ルータ R3→ルータ Rl→受信端末 41の経路と、通信装置 10b→ルー タ R5→ルータ R2→ルータ R3→ルータ R4→受信端末 42の経路とからなる)があり、 最初はマルチキャストツリー Mlbでマルチキャスト配信を行っているとする。
[0068] 〔S21〕通信装置 10bは、シーケンス番号 # 1一 # 4が付与されたパケットをルータ R 5へ送信し、マルチキャスト配信を行う。
〔S22〕ネットワーク制御サーバ 20bは、マルチキャストツリーを Mlb→M2bへの切 り替え制御を行う際に、パケット中継先指示情報を生成して、ルータ R2へ通知する。
[0069] 図 8はパケット中継先指示情報の構成を示す図である。パケット中継先指示情報 52 は、 pause情報 52a、マルチキャスト識別子 52b、ルート情報 52c、アンカールート( anchor route)情報 52dから構成される。
[0070] pause情報 52aは、マルチキャストツリーの変更契機となる情報(例えば、マルチキヤ ストツリーの経路を切り替えるためのシーケンス番号)を含ませないで、更新を一時停 止して新経路を構築する場合に利用する情報である。
[0071] マルチキャスト識別子 52bは、図 3で上述したマルチキャスト識別子と同じフォーマ ットの情報である。ルート情報 52cは、通信装置 10bが現在接続しているルータのァ ドレスである。アンカールート情報 52dは、転送先中継装置 30b— 2のアドレスである( 転送先中継装置のことをアンカールータとも呼ぶ)。
[0072] この例のパケット中継先指示情報 52は、 pause情報 52aは、あら力じめ取り決めた更 新一時停止を意味する pauseを示す何らかの bit値を設定しておく。マルチキャスト識 別子 52bは CoA R5+MC add (ルータ R5に接続しているときの通信装置 10bの気付ァ ドレス +通信装置 10bの MCアドレス)、ルート情報 52bはルータ R5のアドレス、アン カールート情報 52dはルータ R2のアドレスとなる(なお、通信装置 10bは、移動通信 機能は持っており、単に現在の状況で移動しないだけであるので、気付アドレスは有 しているとしたが、固定端末の場合には、 CoAの代わりに MACアドレス等を使用すれ ばよい)。
[0073] なお、 pause情報 52aが挿入されるフィールドは、図 14で後述するマルチキャスト制 御情報のパラメータが挿入されるフィールドであり、 pause以外にもマルチキャスト制御 情報のその他のパラメータを複数設定することができる(図 14で後述する)。
[0074] 〔S23〕ルータ R2は、パケット中継先指示情報を受信し、アンカールート情報力も自 分自身のアドレスが記されて 、ることを検出すると、自身がアンカールータであること を認識する。
[0075] すると、マルチキャスト識別子の CoA R5+MC addを、アンカールート情報に記され ていた情報にもとづいて、 CoA-R2+MC addに置き換える。そして、配下であるルータ R3からの参カ卩要請を受けるまでは、ルータ R5に対して参カ卩要請は上げな 、ように参 加要請受信待ち状態となる。
[0076] 〔S24〕ネットワーク制御サーバ 20bは、マルチキャストツリーを Mlb→M2bへの切 り替え制御を行う際に、更新一時停止情報を生成して、ルータ R5へ通知する。この 場合、更新一時停止情報をカプセルィ匕してルータ R5へ通知する。
[0077] 図 9にカプセルィ匕した更新一時停止情報の構成を示す。更新一時停止情報 53の フォーマットは、パケット中継先指示情報 52のフォーマットと同じである。更新一時停 止情報 53を宛先アドレス Al、送信元アドレス A2でカプセル化する。宛先アドレス A1 は、ルータ R5のアドレス、送信元アドレス A2はネットワーク制御サーバ 20bのァドレ スである。なお、更新一時停止情報 53の中のマルチキャスト識別子は、 CoA R5+MC addである。
[0078] 〔S25〕ルータ R5は、更新一時停止情報を受信すると、デカプセルィ匕を行ってカブ セルィ匕部分を取り除き、カプセルィ匕の中の更新一時停止情報をルータ R1へ送信す る。更新一時停止情報は、マルチキャストツリー Mlb上のルータ Rl、 R3、 R4へ順次 転送される。
[0079] 〔S26〕ルータ R5は、ルータ R2からマルチキャストサービスの参加要請があるまで、 通信装置 10bから送信されたパケット (シーケンス番号 # 5— # 8のパケット)をバッフ ァリングする。
[0080] 〔S27〕ルータ Rl、 R3は、受信した更新一時停止情報の中のマルチキャスト識別子 に変化がなぐアンカールータが指定されていることを認識すると、そのアンカールー タ (ルータ R2)へマルチキャストの参加要請を行う。また、更新一時停止情報には pauseが設定されているために、マルチキャストツリー更新処理はここでは行わない。
[0081] 〔S28〕ルータ R5は、ネットワーク制御サーバ 20bから通知された更新一時停止情 報を受信したパケットのシーケンス番号を含む、マルチキャストツリーの更新契機とな る契機情報を生成して( # 4のシーケンス番号を設定する)、旧マルチキャストツリー Mlb上の隣接装置へ出力する。契機情報は、マルチキャストツリー Mlb上のルータ Rl、 R3、 R4へ順次転送される。
[0082] 〔S29〕ルータ Rl、 R3は、シーケンス番号が設定されると、マルチキャストツリー変 更契機となるシーケンス番号 # 4のパケットを受信して出力するまでは、マルチキャス トッリ一 Mlbを保持する。
[0083] 〔S30〕ルータ R2は、配下のルータ R3力 参加要請を受けると、ルータ R5に対して 参加要請を送信する。
〔S31〕ルータ R5は、アンカールータであるルータ R2からの参加要請を受けると、
バッファリングしていたパケットをルータ R2へ向けて送信する。
[0084] 〔S32〕ルータ R2は、マルチキャスト識別子にもとづいて、マルチキャストツリー M2b 上にパケットを送信する。
〔S33〕ルータ Rl、 R3は、旧経路のマルチキャストツリー Mlbを保っている間に、新 経路のマルチキャストツリー M2b力もパケットを受信した場合、マルチキャストツリー 変更契機となるシーケンス番号 # 4のパケットを受信して出力するまでは、パケットの バッファリングを行い、 # 4のパケットを通過させたら、マルチキャストツリー M2bへ更 新を行い、バッファリングしていたパケットを、マルチキャストツリー M2bを通じて出力 する。
[0085] 次に第 4の実施の形態について説明する。第 1、第 2の実施の形態では、通信装置 10が移動した後に新経路のマルチキャストツリーへの更新処理が開始されるとしたが 、第 4の実施の形態では、通信装置 10の移動前にあら力じめ新経路のマルチキャス トッリ一を構築しておき、その後に通信装置 10が移動してマルチキャスト送信を行うも のである。
[0086] 図 10はマルチキャスト通信システムの構成を示す図である。マルチキャスト通信シ ステム lcは、通信装置 10c、ネットワーク制御サーバ 20c、パケット中継装置 30c— 1 一 30c— n (総称する場合はパケット中継装置 30c)、受信端末 41、 42から構成される 。マルチキャスト通信システム lcの各装置の基本的な接続構成は図 1と同じである。
[0087] 通信装置 10cは、マルチキャスト送信部 l lc、契機情報 Zアドレス送信部 12cを含 む。マルチキャスト送信部 11cは、マルチキャスト送信を行う場合に、パケットの出力 順にシーケンス番号を付与して送信する。
[0088] 契機情報/アドレス送信部 12cは、マルチキャスト送信時に、パケットのシーケンス 番号を含む、マルチキャストツリーの更新契機となる契機情報を生成してネットワーク 制御サーバ 20cへ送信する。また、契機情報 Zアドレス送信部 12cは、移動先の接 続予定の中継装置のアドレス (パケット中継装置 30c— 2のアドレス)を、自端末の移 動前にネットワーク制御サーバ 20cへ送信する。
[0089] ネットワーク制御サーバ 20cは、契機情報通知部 21cを含む。契機情報通知部 21c は、契機情報を受信し、通信装置 10cが移動した接続先のアクセスポイント (パケット
中継装置 30c— 2)へ契機情報を通知する。また、通信装置 10cが移動する前に接続 して 、た元のアクセスポイント(パケット中継装置 30c— 1)へは、契機情報をカプセル 化して通知する。
[0090] パケット中継装置 30cは、参加要請待ち処理部 3 lc、デカプセルィ匕部 32c、更新処 理部 33cから構成される。パケット中継装置 30cが、通信装置 10cが移動した接続先 のアクセスポイントとして機能する場合、参加要請待ち処理部 31cは、契機情報を受 信すると、配下の中継装置力 送信されるマルチキャストサービスの参加要請待ちを 行い、参加要請を受信した後に通信装置 10cが接続して通信装置 10cからパケット が送信された場合には、パケットを新経路のマルチキャストツリーから出力する。
[0091] パケット中継装置 30cが、通信装置 10cが移動する前に接続していた元のアクセス ポイントとして機能する場合は、デカプセルィ匕部 32cは、カプセル化された契機情報 をデカプセルィ匕してマルチキャストツリーのルート中継装置であった接続元中継装置 へ中継送信する。
[0092] パケット中継装置 30cが、パケット中継の動作を実行する場合は、更新処理部 33c は、中継された契機情報の中のシーケンス番号を認識し、シーケンス番号のパケット を受信して出力するまで、旧経路のマルチキャストツリーを選択し、シーケンス番号の パケットを出力した後に新経路のマルチキャストツリーへの更新処理を行う。
[0093] 次に第 4の実施の形態の動作概要について図 11を用いて説明する。図 11はマル チキャスト通信システム lcの動作を示す図である。なお、パケット中継装置 30c— 1一 30c— 4はそれぞれ、ルータ R1— R4と呼ぶ。また、以降に示す契機情報及びカプセ ルイ匕された契機情報は、図 3、図 4で上述したものと同じである。
[0094] 〔S41〕通信装置 10cがルータ R1と接続しているときに、通信装置 10cは、シーケン ス番号 # 1一 # 4が付与されたパケットをルータ R1へ送信し、マルチキャスト配信を 行う。
[0095] [S42]通信装置 10cは、マルチキャスト送信時に、パケットのシーケンス番号を含 む、マルチキャストツリーの更新契機となる契機情報を生成してネットワーク制御サー バ 20cへ送信する。また、移動先の接続予定のルータのアドレス (ルータ R2のァドレ ス)を、自端末の移動前にネットワーク制御サーバ 20cへ送信する。
[0096] 〔S43〕ネットワーク制御サーバ 20cは、通信装置 10から送信された契機情報をル ータ R2へ通知する。
〔S44〕ネットワーク制御サーバ 20cは、通信装置 10から送信された契機情報を力 プセル化してルータ R1へ通知する。
[0097] [S45]ルータ R2は、契機情報を受信し、新ルート情報がルータ R2自身のアドレス であることを認識すると、配下のルータ R3から送信されるマルチキャストサービスの参 加要請待ちを行う。
[0098] [S46]ルータ R1は、カプセル化された契機情報を受信すると、デカプセル化を行 つてカプセルィ匕部分を取り除き、カプセルィ匕の中の契機情報をルータ R3へ転送する
〔S47〕ルータ R3は、ルータ R4へも契機情報を送信する。このような転送動作が行 われることで、旧経路のマルチキャストツリー Mlc上のすべてのルータに対して契機 情報が通知されることになる(宛先は、 CoA Rl+MC add宛てのマルチキャスト送信を 行う)。
[0099] 〔S48〕ルータ R2は、ルータ R3からマルチキャストサービスの参加要請を受ける。そ して、新経路のマルチキャストツリー M2cへのテーブル更新を行う。
〔S49〕契機情報を受信したルータでマルチキャストツリーの経路が変更するルータ (ルータ Rl、 R3)は、直ちにマルチキャストツリー Mlcからマルチキャストツリー M2c への更新を行わずに(マルチキャストテーブルの更新を直ちにせずに)、 # 4のシー ケンス番号が付与されたパケットを受信して自ルータから出力するまでは旧経路であ るマルチキャストツリー Mlcを保持するようにする(このとき、ネットワーク内では、部分 的にマルチキャストツリー Mlc、 M2cの混在状態が存在することになる)。
[0100] 〔S50〕ルータ Rl、 R3は、旧経路のマルチキャストツリー Mlcを保っている間に、新 経路のマルチキャストツリー M2cからパケットを受信した場合、マルチキャストツリー 変更契機となるシーケンス番号 # 4のパケットを受信して出力するまでは、パケットの バッファリングを行い、 # 4のパケットを通過させたら、マルチキャストツリー M2cへ更 新を行い、バッファリングしていたパケットを、マルチキャストツリー M2cを通じて出力 する。
[0101] 〔S51〕通信装置 10cは、移動してルータ R2と接続する。
[S52]通信装置 10cは、ネットワーク制御サーバ 20cに位置登録を行う。
〔S53〕ネットワーク制御サーバ 20cは、位置登録応答を通信装置 10cへ送信する。
[0102] 〔S54〕通信装置 10cは、シーケンス番号 # 5— # 8が付与されたパケットをルータ R 2へ送信する。
〔S55〕ルータ R2は、通信装置 10力も送信されたパケットをマルチキャストツリー M 2cを通じて出力する。
[0103] 次にマルチキャスト送信時のマルチキャストテーブルの更新動作について説明する 。図 12はマルチキャストテーブルの更新動作を説明するための図である。ルータ R1 、 R3が接続し、ルータ R3にはルータ R2と受信端末 41が接続する。また、通信装置 1 0は、ルータ R1と接続し、移動した後にルータ R2と接続する。
[0104] 旧マルチキャストツリー Mlは、通信装置 10→ルータ Rl→ルータ R3→受信端末 4 1の経路であり、新マルチキャストツリー M2は、通信装置 10→ルータ R2→ルータ R3 →受信端末 41の経路である。
[0105] 旧マルチキャストツリー Ml上の動作において、ルータ R1は、旧マルチキャストッリ 一用のテーブル Tlaを使用する。ルータ R1は、通信装置 10から送信されるマルチキ ャスト ID (CoA Rl +MC add)宛てのパケットを受信する。すると、テーブル Tlaから、 ルータ R1で受信した CoA Rl +MC add宛てのパケットの出力はポー Ηηί と記されて いるので、ルータ R1は、テーブル Tlaにもとづき、ルータ R1のポー Ηηίから、マルチ キャスト ID (CoA Rl +MC add)宛てのパケットを出力する。
[0106] 一方、ルータ R3は、旧マルチキャストツリー用のテーブル Tibを使用する。ルータ R3は、ルータ R1から送信されるマルチキャスト ID (CoA Rl +MC add)宛てのバケツ トを受信する。
[0107] すると、テーブル Tlaから、ルータ R3で受信した CoA Rl +MC add宛てのパケット の出力はポー Ηηί と記されているので、ルータ R3は、テーブル Tlaにもとづき、ルー タ R3のポー Ηηίから、マルチキャスト ID (CoA Rl +MC add)宛てのパケットを出力 する。このようにして、パケットが順次転送されることで、旧マルチキャストツリー Mlを 通じてマルチキャストパケットが受信端末 41へ送信される。
[0108] 新マルチキャストツリー M2上の動作において、ルータ R2は、新マルチキャストッリ 一用のテーブル T2aを使用する。ここで、 ID- Change- Keyとは、 CoA Rl +MC addと CoA R2 + MC addとの排他的論理和をとつたものである。
[0109] ルータ R2は、通信装置 10から送信されるマルチキャスト ID (CoA Rl +MC add)宛 てのパケットを受信する。このとき、ルータ R2は、 CoA Rl +MC addと ID- Change- Key との排他的論理和をとり、演算結果として CoA R2 + MC addを求める。
[0110] すると、テーブル T2aから、ルータ R2で受信した CoA R2+MC add宛てのパケット の出力はポー Ηηί と記されているので、ルータ R2は、テーブル T2aにもとづき、ルー タ R2のポー Ηηίからマルチキャスト ID (CoA Rl +MC add)宛てのパケットを出力す る。
[0111] 一方、ルータ R3は、新マルチキャストツリー用のテーブル T2bを使用する。ルータ R2から送信されるマルチキャスト ID (CoA Rl +MC add)宛てのパケットを受信する。 このとき、ルータ R3は、 CoA Rl +MC addと ID- Change- Keyとの排他的論理和をとり 、演算結果として CoA R2+MC addを求める。
[0112] すると、テーブル T2bから、ルータ R3で受信した CoA R2+MC add宛てのパケット の出力はポー Ηηί と記されているので、ルータ R3は、テーブル T2bにもとづき、ルー タ R3のポー Ηηίからマルチキャスト ID (CoA Rl +MC add)宛てのパケットを出力す る。
[0113] このように、マルチキャスト送信時に、通信装置 10からマルチキャスト ID (CoA R1 + MC add)宛てのパケットを送信する際、送信パケットには何の変更をすることなく(マ ルチキャストツリーを切り替える際にもマルチキャストパケット自体には何の変更も行 わずに)、各ノレータでテープノレ更新(この例では、テープノレ Tla→テープノレ T2aへの 更新、及びテーブル Tlb→テーブル T2bへの更新を行う。実際にはテーブルの上書 き処理を行う)が自律的に行われることで、効率よくマルチキャスト配信が行われるこ とになる。
[0114] 図 13はマルチキャストテーブルの更新動作を説明するための図である。端末の移 動を伴わずに、マルチキャストツリーの変更が行われる場合のテーブル更新を示して いる。
ルータ Rl、 R3が接続し、ルータ R3にはルータ R2と受信端末 41が接続する。また 、通信装置 10bは、ルータ R1と固定接続する。旧マルチキャストツリー Mlbは、通信 装置 10b→ルータ Rl→ルータ R3→受信端末 41の経路であり、新マルチキャストッリ 一 M2bは、通信装置 1 Ob→ルータ Rl→ルータ R2→ルータ R3→受信端末 41の経 路である。
[0115] 旧マルチキャストツリー Mlb上の動作において、ルータ R1は、旧マルチキャストッリ 一用のテーブル Tl laを使用する。ルータ R1は、通信装置 10bから送信されるマル チキャスト ID (CoA Rl +MC add)宛てのパケットを受信する。すると、テーブル Tl la 力も、ルータ R1で受信した CoA Rl +MC add宛てのパケットの出力はポー Ηηί2と記 されているので、ルータ R1は、テーブル Tl laにもとづき、ルータ R1のポー Ηηίから 、マルチキャスト ID (CoA Rl +MC add)宛てのパケットを出力する。
[0116] 一方、ルータ R3は、旧マルチキャストツリー用のテーブル Tl lbを使用する。ルータ R3は、ルータ R1から送信されるマルチキャスト ID (CoA Rl +MC add)宛てのバケツ トを受信する。
[0117] すると、テーブル Tl lb力ら、ルータ R3で受信した CoA Rl +MC add宛てのパケット の出力はポー Ηηί と記されているので、ルータ R3は、テーブル Tl lbにもとづき、ル ータ R3のポー Ηηίから、マルチキャスト ID (CoA Rl +MC add)宛てのパケットを出 力する。このようにして、パケットが順次転送されることで、旧マルチキャストツリー Ml bを通じてマルチキャストパケットが受信端末 41へ送信される。
[0118] 新マルチキャストツリー M2b上の動作において、ルータ R1は、新マルチキャストッリ 一用のテーブル T21aを使用する。ルータ R1は、ルータ R3力 新マルチキャストッリ 一 M2bの参加要請を受信し、また、通信装置 10bから送信されるマルチキャスト ID ( CoA Rl +MC add)宛てのパケットを受信する。
[0119] すると、テーブル T2 lbの欄に記載されている情報を選択する。欄には、ルータ R1 で受信した CoA Rl +MC add宛てのパケットの出力はポー Hnf3と記されているので、 ルータ R1は、テーブル T2 laにもとづき、ルータ R1のポー Hnf3から、マルチキャスト I D (CoA Rl +MC add)宛てのパケットを出力する。
[0120] ルータ R2は、新マルチキャストツリー用のテーブル T2 lbを使用する。ここで、
ID- Change- Keyとは、 CoA Rl +MC addと CoA R2 + MC addとの排他的論理和をとつ たものである。
[0121] ルータ R2は、ルータ R1から送信されるマルチキャスト ID (CoA Rl +MC add)宛て のパケットを受信する。このとき、ルータ R2は、 CoA Rl +MC addと ID- Change- Keyと の排他的論理和をとり、演算結果として CoA R2 + MC addを求める。
[0122] すると、テーブル T21b力ら、ルータ R2で受信した CoA R2+MC add宛てのパケット の出力はポー Ηηί と記されているので、ルータ R2は、テーブル T21bにもとづき、ル ータ R2のポー Ηηίからマルチキャスト ID (CoA Rl +MC add)宛てのパケットを出力 する。
[0123] 一方、ルータ R3は、新マルチキャストツリー用のテーブル T21cを使用する。ルータ R2から送信されるマルチキャスト ID (CoA Rl +MC add)宛てのパケットを受信する。 このとき、ルータ R3は、 CoA Rl +MC addと ID- Change- Keyとの排他的論理和をとり 、演算結果として CoA R2+MC addを求める。
[0124] すると、テーブル T21cから、ルータ R3で受信した CoA R2+MC add宛てのパケット の出力はポー Ηηί と記されているので、ルータ R3は、テーブル T21cにもとづき、ル ータ R3のポー Ηηίからマルチキャスト ID (CoA Rl +MC add)宛てのパケットを出力 する。
[0125] 次にマルチキャスト制御情報について説明する。上記の実施の形態において、シ 一ケンス番号や pause情報をルータへ送信して、受信した情報にもとづき、各ルータ で動作が行われる様子を示した力 これらのシーケンス番号や pause情報は、実際に はマルチキャスト制御情報の中のパラメータの一種を用いたものであり、シーケンス 番号や pause情報の他にも、以下に示すパラメータを設定することで、さらに多様なマ ルチキャスト制御を行うことが可能になる。
[0126] 図 14はマルチキャスト制御情報を示す図である。マルチキャスト制御情報 60は、パ ラメータ 61、マルチキャスト識別子 62、新ルート情報 (ルート情報) 63、アンカールー ト情報 64から構成される。
[0127] パラメータ 61には複数の項目がある(以下、要素情報 Optionとも呼ぶ)。 pauseは、 マルチキャストツリーの変更契機の情報を受けるまでマルチキャストツリーの更新を行
わない情報である。 seq no replaceは、シーケンス番号に該当する。ルータは、このシ 一ケンス番号が付与されたパケットを受信して出力した後にマルチキャストツリー更新 処理を行う。
[0128] seq no returnは、シーケンス番号切り戻し情報である。ルータがシーケンス番号切り 戻し情報を受けとると、このシーケンス番号が付与されたパケットを受信して出力した 後に、マルチキャストツリーの切り戻し (元のマルチキャストツリーへ戻り、更新した新 マルチキャストツリーを削除する)処理を行う。
[0129] to replaceは、更新切り替え時間情報である。ルータが更新切り替え時間情報を受 信すると、設定時間経過後にマルチキャストツリー更新処理を行う。 to returnは、切り 戻し時間情報である。ルータが切り戻し時間情報を受信すると、設定時間経過後に マルチキャストツリーの切り戻し処理を行う。
[0130] intervalは、新経路のマルチキャストツリーの接続要請をするタイマ値であり、ルータ はこのパラメータを受信すると、パラメータに設定された時間が経過するまで、新経路 のマルチキャストツリーの接続を行わな!/、。
[0131] chg trg flgは、切り替え完了情報であり、ルータはマルチキャストツリーの更新後に、 マルチキャストツリーのルート中継装置であった接続元中継装置へ切り替え完了情 報(chg trg flg)を通知する。 deleted routeは、切り離し対象経路情報であり、この情報 を設定することで、明示的に、設定されたルートを経由させないことも指定可能である
[0132] levelは、各パラメータに重み付けをする際のレベル値を表し、具体的には優先度を 示す。例えば、レベル値が高いほど優先度が高いとすると、 level= lの seq no return の情報と、 level = 2の seq no returnの情報とをルータが受信したら、 level = 2の seq no returnの情報を優先して処理を行うことになる。また、 valueは、各パラメータに設定さ れる値のことである。
[0133] 次にマルチキャスト通信システムの原理概念について説明する。図 15はマルチキ ャスト通信システムの第 1の原理図を示す図である。本構成では、ネットワーク側がマ ルチキャスト配信経路を意図的に切り替える場合に関して記載している。
[0134] この実施の形態例では、ターミナル自体は動作を行わな ヽ(アドレスを切り替えずに
、ネットワーク内のマルチキャスト配信経路をネットワーク側が意図して切り替える構 成となる。
[0135] mi l :ターミナルであり、このケースでは移動を行わない。
ml2 :R— 1 (ルータ 1であり、本発明を適用した切替前の旧経路のルータ)。 ml3 :R-2 (ルータ 2であり、本発明を適用した切替後の新経路のルータ)。
[0136] ml4 :R— 3 (ルータ 3であり、本発明を適用した経路合流点のルータ)。
ml 5 : Rev (通常の受信端末)
ml6:ネットワーク制御装置 (ネットワーク側で経路切替を制御する装置)。
[0137] fl:契機トリガーは、前述のメッセージ情報であり、要素情報 Optionとして指定した 情報 (例えば、タイムアウト更新の場合は、その時間が経過した場合にテーブルの更 新を行う事を示している。タイムアウト更新では、マルチキャストデータの監視にはま つたく影響を受けな 、こととなる)。
[0138] また、特定シーケンス番号更新を指定した場合では、マルチキャスト識別子に対し て送信されたデータがその特定シーケンス番号を持っているのかを判断する動作と なる。
f 2:契機情報であり、契機トリガーで待ち合わせして 、る契機情報のことを指してお り、一定時間の経過や、特定シーケンス番号のマルチキャストデータ。
[0139] f3 :契機監視処理であり、上記 f2を検出する為に、その契機を待ち合わす装置の 処理。
f4:バッファリング情報 (マルチキャストで送信されたデータを蓄積する機能)。
[0140] f5 :参加要請監視処理であり、マルチキャストに対して、配下ルータ力 参カ卩要請を 受けた事を検知する機能。
以降に構成要素を記載する。
[0141] (l) :ml6は、契機情報を送信して次回構築側である ml 3に対して、準備の指示を 行う。
(2) :ml6は、旧経路を用いて、契機情報の送信を行う(尚、(2)のフィールド中の要 素情報 Optionに対して、特定シーケンス番号更新で入力する値を十分大きくして!/、 れば、契機を事前に行う事でもよい)。この情報は、旧経路のマルチキャストルータに
対して、マルチキャストの経路を用いて送信を行う(図では、 ml2、 ml4)が対象とな る。
[0142] (3) : ml2、 ml4では、(2)の契機情報に対して、受信情報を格納して管理を行う。ま た、(2)の契機情報の要素情報 Optionのフィールド情報により動作を決定する。 例えば、 interval情報を設定して!/、た場合には、当該 intervalの value時間を経過し た後に、 new— routeで示した新経路となるルータに対して、参加要請を行う事となる。
[0143] また、 seq— no— replace情報を設定していた場合には、当該 multicast-identifier (マ ルチキャスト識別子)に対してのマルチキャストデータの送信に関して、 seq— no— replace (特定シーケンス番号更新)に指定した、シーケンス番号を含む、マルチキヤ ストデータを検知した場合に、テーブルの更新を行う。
[0144] このような条件情報を管理して、その条件の一致をトリガーとする動作を行う。
(4)では、 mi lは、新経路である ml 3に対して、マルチキャストデータの送信を行う。 (5)では、 ml 3はそのマルチキャストデータを新経路への送信情報として蓄積する。さ らに、(6)で ml3は旧経路である ml2に対して、マルチキャストの配信データをカプセ ルイ匕する機能を有して、これを用いて送信を行う。
[0145] (7)では、(6)により送信されたデータを旧経路である、 ml2→ml4→ml5の経路で 送信を行う。
(8)では、(1)により契機情報を受けると、自装置に対しての参加要請の監視を開始 する。この参加要請を検出すると、 ml3は、(5)により蓄積していたデータ情報の送信 を新経路に対して配信を開始する。
[0146] (9)ではツリー配下である ml4では、旧経路と合流している部分である為に、(3)によ り設定された契機となる迄は、該データ情報の蓄積を行う。尚、この蓄積データは、
(3)により設定された契機以降のもののみを蓄積してもよい。
[0147] (8)では、(3)により設定された契機を検知した処理で経路の変更を行う。この時に、 ml2では経路を切り替える力 自身が旧ルート (mi lから送信される第一のルータで ある)に、ツリーの延長を行わない事により、新経路への切替情報が存在しないため に、旧ルートである、 ml2→ml4への配信経路を削除する。
[0148] また、 ml4では新ルートである ml 3への経路を保有している為に、新経路へ切替
を行う。また、 ml4は新経路へ切り替えたときに、蓄積していた情報を、(3)による契機 情報以降の情報部分に関して送信を行う。尚、(6)によるカプセルィ匕送信は、 ml2が テーブル更新を検知した時点で ml 3にカプセルィ匕の停止要請を行ってもよ ヽが、更 に、効果的な方法としては、 ml3に対して、(3)による契機情報を送信した時点で、力 プセルイ匕の送信を停止させる関連性を持たせる事で、その信号を貰わなくてもカブ セル化送信の停止を行う事が可能となる。
[0149] 図 16はマルチキャスト通信システムの第 2の原理図を示す図である。本構成では、 ターミナルが移動を伴う場合の構成であり、移動を管理する移動支援装置 (サーバ) を含む構成に関して記載して 、る。
[0150] mi l :ターミナルであり、このケースでは移動を伴う。
ml2 :R— 1 (ルータ 1であり、本発明を適用した切替前の旧経路のルータ)。
ml3 :R-2 (ルータ 2であり、本発明を適用した切替後の新経路のルータ)。
[0151] ml4 :R— 3 (ルータ 3であり、本発明を適用した経路合流点のルータ)。
ml 5 : Rev (通常の受信端末)。
ml 7 :移動前のエリアであり、 mi lが管理しているエリアを示す。
[0152] ml8 :移動後のエリアであり、 ml2が管理しているエリアを示す。
ml 9:サーバ (ml 1の移動を支援する装置)。
以降に構成要素を記載する。構成要素に関しては、図 15と殆ど同じであるが、 ml 1が移動を行う点と、ネットワーク制御装置が、移動支援装置になった部分に関して ヽがめる。
[0153] また、本構成の場合には、以下の 3つの形態を含む事となり、それぞれに対して、 図 17—図 19によりシーケンスを記載するとともに、説明を記載する。
1.通信装置側が、切替契機情報を指定して、切り替える契機を持つ構成で、移動 支援装置は本発明の切替を意識しない移動支援装置の場合 (図 17を用いて詳細な 動作を説明する)。
[0154] 2.移動支援装置側が、切替契機情報を指定して、切り替える契機を設定する機能 を持ち、通信装置力も送信されるデータを検出して、ネットワーク側がその切替を行う 場合であり、通信装置は、本発明の切替を意識しない通信装置の場合 (図 18を用い
て詳細な動作を説明する)。
[0155] 3.通信装置及び移動支援装置ともが、本発明の切替機能を有しており、各装置が 獲得できる情報をそれぞれに分別する事で、処理を簡略化する方法で、切替契機情 報に関しては、端末が移動支援装置に通知する点と、移動支援装置は、その情報を ネットワーク内に対して設定を行う機能の提供と、通信装置からの送信データを構築 するまでの間、旧経路を用いて配信を継続させる機能分担を行った場合の処理 (図 19を用いて詳細な動作を説明する)。
[0156] 図 17は端末側単独シーケンスの一例を示す図である。
〔S61〕通信装置 10aは、マルチキャストパケット(mc-data)の送信を旧マルチキャス トッリ一に対して行う。この時にマルチキャストパケットには順序を示す情報を含ませ ておく。
[0157] 〔S62〕通信装置 10aは移動を行い、新たなルータ R2からのルータ広告を受信する
〔S63〕ルータ広告を受けた通信装置 10aは CoAを更新して、 CoA_R2を作成する。
[0158] [S64]通信装置 10aは、ネットワーク制御サーバ 20aに対して、位置登録を行う。
[S65]ネットワーク制御サーバ 20aは、位置登録の応答を返送する。
[0159] [S66]通信装置 10aは、新経路であるルータ R2に対して、契機情報要求 (契機情 報の送信)を行う。
〔S67〕通信装置 10aは、ルータ R2を介し、旧経路であるルータ R1に対して、契機 情報要求を行う。
[0160] [S68]ルータ R1は、契機情報を受けた後に、マルチキャスト経路 (ルータ R3)に対 して契機情報を送信する。
〔S69〕通信装置 10aより、パケットの送信を、ルータ R2に対して行う。
[0161] 〔S70〕ルータ R2ではパケットを蓄積 (バッファリング)する。
〔S71〕通信装置 10aは、パケットをカプセル化して、旧経路のルータ R1に対して送 信を行う。
[0162] 〔S72〕ルータ R1では、デカプセルィ匕して、旧経路に対してパケットを送信する。
〔S73〕ルータ R3は、契機情報を受けると、新経路であるルータ R2に対してマルチ
キャストツリーへの参加を行う。
[0163] 〔S74〕参カ卩を検出した、ルータ R2ではバッファリングしていた、パケットを経路に対 して送信を行う。
〔S75〕バッファリング情報の配信が終わった後に、ステップ S69で送信しているパ ケットの送信を、バッファリングを行わな 、で送信する。
[0164] 〔S76〕送信されたパケットは、経路上のルータ R3で受信を行い、契機に一致して V、な 、場合は、該当情報をバッファリングする。
〔S77〕ルータ R1では、ステップ S71により送信されたパケットは、ステップ S67で要 求を行った、契機に一致する事を確認しており、一致した場合には、ステップ S78へ いく。
[0165] 〔S78〕通信装置 10aに対して一致した旨の情報を通知する。
〔S79〕通信装置 10aは旧ルートへのカプセルィ匕転送を停止させる。
〔S80〕ルータ R3では、ステップ S74、 75により送信されたパケットは、ステップ S68 で要求を行った、契機に一致する事を確認しており、一致した場合には、ステップ S8
1へいく。
[0166] 〔S81〕ステップ S76によりバッファリングしたパケットをステップ S68の契機以降のパ ケットに関して受信者へ送信を行う。
〔S82〕バッファリングしたパケットの送信が終わった場合には、ステップ S75により 送信を行ったパケットを、ノ ッファリングを用いな ヽで受信者へ送信する。
[0167] 図 18はネットワーク側単独シーケンスの一例を示す図である。
〔S91〕ネットワーク制御サーノ 20は、マルチキャストパケットに対して番号の付与を ルータ R1に依頼を行う。
[0168] [S92]通信装置 10はパケット(mc- data)を、ルータ R1の経路に対して行う。
〔S93〕ステップ S92のパケットに対して、シーケンス番号を付与して送信を行う。
[0169] 〔S94〕通信装置 10は移動を行い、新たなルータであるルータ R2からのルータ広 告を受信する。
〔S95〕ルータ広告を受けた通信装置 10は CoAを更新して、 CoA-R2を作成する。
[0170] 〔S96〕ネットワーク制御サーバ 20に対して、位置登録を行う。
〔S97〕ネットワーク制御サーバ 20は、新経路のルータ R2に対して、契機情報要求 を行う。
[0171] 〔S98〕ネットワーク制御サーバ 20は、位置登録応答を返送する。
[S99]ネットワーク制御サーノ 20は、ルータ R1に対してマルチキャスト状態収集要 求を行う。こでは、該当マルチキャストツリーに対して、現在配信を行ったシーケンス 番号を入手する。
[0172] 〔S100〕ステップ S99に対してのマルチキャスト状態収集応答を行う。
〔S101〕ネットワーク制御サーバ 20は、マルチキャスト状態収集応答を受けて、新 経路への切替契機をルータ R2に対して、契機情報要求により行う(ルータ R2では、 カプセルィ匕転送のストッパーとして、該当情報内のマルチキャスト制御情報のパラメ ータを用いる)。
[0173] 〔S102〕ネットワーク制御サーバ 20は、マルチキャスト状態収集応答を受けて、旧 経路への切替契機をルータ R1に対して、契機情報要求を行う。
〔S103〕ルータ R1は、該当情報内のパラメータを保持するとともに、マルチキャスト の経路に対して、該当情報の転送を行う。
[0174] 〔S104〕通信装置 10より、パケットの送信を、ルータ R2に対して行う。
〔S105〕ルータ R2では該当情報を受けた時に、ステップ S101で指定されたカプセ ル化転送のストッパー位置まで、旧ルータであるルータ R1に対してパケットをカプセ ル化して送信を行う。
[0175] 〔S106〕ルータ R2では該当情報を蓄積 (バッファリング)する。
〔S 107〕ステップ S 105により送信されたパケットをデカプセルィ匕して旧経路に対し て送信を行う。
[0176] 〔S108〕ルータ R3は、ステップ S103の情報を受けて新経路である、ルータ R2に対 してマルチキャストツリーへの参加を行う。
〔S109〕参加を検出した、ルータ R2ではステップ S106によりバッファリングしていた
、パケットを経路に対して送信を行う。
[0177] 〔S110〕蓄積情報の配信が終わった後に、ステップ S 104で送信しているパケットの 送信を、ノ ッファリングを行わないで送信する。
〔S111〕ルータ Rlでは、ステップ S105により送信されたパケットは、ステップ S102 で要求を行った、契機に一致する事を確認しており、一致した場合にはルータ R1が 保有して!/ヽる、該マルチキャスト識別子の経路情報を削除する。
[0178] 〔S112〕ステップ S109、 110により送信されたパケットは、経路上のルータ R3で受 信を行い、ステップ S 103で要求を行った、契機に一致していない場合は、該当情報 をバッファリングする。
[0179] 〔S113〕ルータ R3ではステップ S109、 110により送信されたパケットは、ステップ S 103で要求を行った、契機に一致する事を確認しており、一致した場合には、ステツ プ S 114へいく。
[0180] 〔S114〕ステップ S112によりバッファリングしたパケットをステップ S103の契機以降 のパケットに関して受信者へ送信を行う。
〔S115〕バッファリングしたパケットの送信が終わった場合には、ステップ S 110によ り送信を行ったパケットを、ノ ッファリングを用いな 、で受信者へ送信を行う。
[0181] 〔S116〕ルータ R2ではステップ S101で要求を行った、契機に一致する事を確認し ており、一致した場合にはステップ S 105によりカプセルィ匕送信を行っていた処理の 停止を行う。
[0182] 図 19は端末、ネットワーク連携シーケンスの一例を示す図である。
〔S 121〕通信装置 10は、マルチキャストバケツト(mc- data)の送信をマルチキャスト ツリーに対して行う。この時にマルチキャストパケットには順序を示す情報を含ませて おく。
[0183] 〔S122〕通信装置 10は移動を行い、新たなルータである R2からのルータ広告を受 信する。
〔S123〕ルータ広告を受けた通信装置 10は CoAを更新して、 CoA-R2を作成する。
[0184] 〔S124〕通信装置 10が、ネットワーク制御サーバ 20に対して位置登録の依頼を行 う時に契機情報要求を付与して登録を行う。
〔S125〕ネットワーク制御サーバ 20は、新経路への切替契機をルータ R2に対して 、契機情報要求により行う(ルータ R2では、カプセルィ匕転送のストッパーとして、該当 マルチキャスト制御情報内のパラメータを用いる)。
[0185] 〔S 126〕ネットワーク制御サーバ 20は、旧経路への切替契機をルータ R1に対して 、契機情報要求を行う。
〔S127〕ルータ R1は、該当マルチキャスト制御情報内のパラメータを保持するととも に、マルチキャストの経路に対して、該当情報の転送を行う。
[0186] 〔S 128〕ネットワーク制御サーバ 20は、位置登録応答を返送する。
〔S129〕通信装置 10より、パケットの送信を、ルータ R2に対して行う。
[S130〕ルータ R2では該当情報を受けた時に、ステップ S 121で指定されたカプセ ル化転送のストッパー位置まで、旧ルータである、ルータ R1に対してパケットをカプ セル化して送信を行う。
[0187] [S131〕ルータ R2では該当情報を蓄積 (バッファリング)する。
〔S132〕ステップ S130により送信されたパケットをデカプセルィ匕して旧経路に対し て送信を行う。
[0188] 〔S133〕ルータ R3は、ステップ S127の情報を受けて新経路である、ルータ R2に対 してマルチキャストツリーへの参加を行う。
〔S 134〕参加を検出した、ルータ R2ではステップ S 131によりバッファリングして!/、た
、パケットを経路に対して送信を行う。
[0189] 〔S135〕バッファリング情報の配信が終わった後に、ステップ S132で送信している パケットの送信を、バッファリングを行わな!/、で送信する。
〔S136〕ルータ R1では、ステップ S130により送信されたパケットは、ステップ S126 で要求を行った、契機に一致する事を確認しており、一致した場合にはルータ R1が 保有して!/ヽる、該マルチキャスト識別子の経路情報を削除する。
[0190] 〔S137〕ステップ S134、 135により送信されたパケットは、経路上のルータ R3で受 信を行い、ステップ S 127で要求を行った、契機に一致していない場合は、該当情報 をバッファリングする。
[0191] 〔S 138〕ルータ R3ではステップ S 134、 135により送信されたパケットは、ステップ S 133で要求を行った、契機に一致する事を確認しており、一致した場合には、ステツ プ S139へいく。
[0192] 〔S139〕ステップ S137によりバッファリングしたパケットを、ステップ S127の契機以
降のパケットに関して受信者へ送信を行う。
〔S140〕バッファリングしたパケットの送信が終わった場合には、ステップ S135によ り送信を行ったパケットを、ノ ッファリングを用いな 、で受信者へ送信を行う。
[0193] 〔S141〕ルータ R2ではステップ S125で要求を行った、契機に一致する事を確認し ており、一致した場合にはステップ S 130によりカプセルィ匕送信を行っていた処理の 停止を行う。
[0194] 図 20は旧経路側の処理シーケンスの一例を示す図である。
〔S151〕ネットワーク制御サーバ 20が、契機情報要求を新経路のルータ R2に対し て送信しており、マルチキャスト制御情報を用いて、新規のマルチキャスト通信ルート 力 ルータ R2、シーケンス番号更新が 99、タイムアウト更新を 2秒として設定している
[0195] 〔S 152〕ネットワーク制御サーバ 20が、契機情報要求を新経路のルータ R1に対し て送信しており、マルチキャスト制御情報を用いて、新規のマルチキャスト通信ルート 力 ルータ R2、シーケンス番号更新が 99、タイムアウト更新で 2秒として設定している
[0196] 〔S153〕ルータ R1がステップ S152で受信した情報をルータ R1の経路に対して送 信を行う。
〔S154〕通信装置 10から送信しているマルチキャストのパケットで、シーケンス番号 100の情報力 ルータ R2に対して送信したことを指している。
[0197] 〔S155〕ルータ R2は該当のマルチキャストパケットに関して、旧経路である、ルータ R1に対してカプセルィ匕して送信を行う。
〔S156〕ルータ R1では、ステップ S 155のパケットを受けて、シーケンス番号を受け たか、タイムアウト更新時間を上回ったかの判定を行う。
[0198] 〔S157〕ステップ S156で挙げた条件に一致していない場合は、更新を行わないで 、旧経路を用いて該マルチキャストパケットを送信する。
〔S 158〕ステップ S 156で挙げた条件が一致した場合には、テーブルの更新 (マル チキャストテーブル)を行う。なお、更新先が存在していない場合には、旧経路のマル チキャストテーブルの削除のみとなる。
[0199] 〔S159〕契機情報要求で、切替完了通知を含んでいる場合には、旧経路のルータ
R— 1は、その結果情報をマルチキャスト制御情報の、 chg— trg— flgに含めた宛先アド レスに対して切り替え通知を行う。
[0200] 〔S160〕ネットワーク制御サーバ 20がステップ S159の切り替わり結果を受け、それ を受けた契機でルータ R2に対して、ステップ S 155のカプセルィ匕の停止を指示する。
[0201] 〔S161〕ルータ R1の経路上のルータの動作であり、ステップ S157のパケットを受け て、シーケンス番号を受けた力、タイムアウト更新時間を上回ったかの判定を行う。
[0202] 〔S162〕ステップ S161で挙げた条件に一致していない場合は、更新を行わないで
、旧経路を用いて該マルチキャストパケットを送信する。
〔S163〕ステップ S161で挙げた条件が一致した場合には、テーブルの更新 (マル チキャストテーブル)を行う。なお、更新先が存在していない場合には、旧経路のマル チキャストテーブルの削除のみとなる。
[0203] [S164]旧経路で参カ卩していた、マルチキャストツリーの離脱を行う。
図 21は新経路側の処理を示すシーケンスの一例を示す図である。
〔S171〕ネットワーク制御サーバ 20が、契機情報要求を新経路のルータ R2に対し て送信しており、マルチキャスト制御情報を用いて、新規のマルチキャスト通信ルート 力 ルータ R2、シーケンス番号更新が 99、タイムアウト更新を 2秒として設定している
[0204] 〔S 172〕ネットワーク制御サーバ 20が、契機情報要求を新経路のルータ R1に対し て送信しており、マルチキャスト制御情報を用いて、新規のマルチキャスト通信ルート 力 ルータ R2、シーケンス番号更新が 99、タイムアウト更新で 2秒として設定している
[0205] 〔S 173〕ルータ R1がステップ S 152で受信した情報をルータ R1の経路に対して送 信を行う。
〔S174〕通信装置 10から送信しているマルチキャストのパケットで、シーケンス番号 100の情報力 ルータ R2に対して送信したことを指している。
[0206] 〔S175〕ルータ R2は該当のマルチキャストパケットに関して、旧経路である、ルータ R1に対してカプセルィ匕して送信を行う。
〔S 176〕ルータ R2では、該マルチキャスト識別子に対しての参カ卩要請 (経路ツリー 構築)がされたかを判断する。
[0207] 〔S177〕ステップ S176力 SNoの場合には、マルチキャストパケットのバッファリングを 行う。
〔S178〕ステップ S176が Yesの場合には、バッファリングした情報の確認を行い、 送信済みの場合は、ステップ S 179へいく。
[0208] 〔S 179〕ステップ S 174で送信したパケットをそのまま、ルータ R2の経路を用いて送 信を行う。
〔S180〕ステップ S178のバッファリングした情報が送信未の場合には、ステップ S1 77のバッファリング情報に関して、ルータ R2の経路を用いて送信を行う。
[0209] 〔S181〕ルータ R2は、パケットを受けて、シーケンス番号を受けた力、タイムアウト更 新時間を上回ったかの判定を行う。
〔S182〕ステップ S181で挙げた条件に一致していない場合は、更新を行わないで 、該当パケットをバッファリングする。
[0210] 〔S183〕ステップ S181で挙げた条件が一致した場合には、テーブルの更新を行う
〔S184〕テーブルの更新を行った時に、ステップ S182のバッファリング情報が存在 していれば、そのパケットを送信する。
[0211] 〔S185〕ステップ S182のパケットが存在しない場合は、ステップ S 180より送信され たパケットを送信する。
〔S186〕 99以前のシーケンス番号のパケットは削除する。
[0212] 以上説明したように、マルチキャスト通信システムでは、マルチキャストツリー変化の タイミングを用いて、旧経路を自律的に削除し、かつ新経路を自律的に形成していく ことにより、送信パケットを保証しながら、ネットワーク内のマルチキャスト通信経路を 切り替えることができ、ネットワーク内の通信品質を満足させながら、マルチキャスト配 信を行うことが可能になる。
[0213] 上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が 当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用
例に限定されるものではなぐ対応するすべての変形例および均等物は、添付の請 求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
符号の説明
1 マルチキャスト通信システム
10 通信装置
11 マルチキャスト送信部
12 契機情報生成部
20 ネットワーク制御サーバ
21 契機情報通知部
30— 1一 30— n パケット中継装置
31 バッファ部
32 デカプセル化部
33 更新処理部
41、 42 受信端末
G1、G2 端末グループ