JP2004297579A - データ中継装置、配信経路管理装置、配信経路管理システム及び配信経路管理方法 - Google Patents
データ中継装置、配信経路管理装置、配信経路管理システム及び配信経路管理方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】データ中継装置30は、クライアント装置50からのマルチキャストグループへの加入要求を受信すると、マルチキャスト経路管理装置20に加入要求があったことを通知する。マルチキャスト経路管理装置20は、該データ中継装置30配下の基地局装置40のリストを生成し、該リストの各基地局装置40に隣接する隣接基地局装置40のリストを生成し、そして、該隣接基地局装置40を配下に持つ隣接データ中継装置30のリストを作成する。マルチキャストツリーを前もって構築することをマルチキャスト経路管理装置20が各隣接データ中継装置30に指示し、指示通りマルチキャストツリーが前もって構築されることで、クライアント装置50の移動に伴うマルチキャストツリー構築までの遅延時間を抑える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自装置の配下にある所定のマルチキャストグループに属するクライアント装置に、配下にある基地局装置経由でマルチキャストデータを中継するデータ中継装置と、当該データ中継装置に接続された基地局装置情報と当該基地局装置に隣接する隣接基地局装置情報とを保持する配信経路管理装置と、少なくとも複数のデータ中継装置及びクライアント装置を含んで構成された配信経路管理システムと、これら装置やシステムにおける配信経路管理方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、本発明に係る従来技術として、マルチキャストの概要を説明する。インターネット等を利用したデータの配信は、送信側(データ配信装置)と受信側(クライアント装置)の関係からユニキャスト配信、ブロードキャスト配信、マルチキャスト配信に分類される。
【0003】
このうちユニキャスト配信は、1つのデータ配信装置が1つのクライアント装置にデータを配信する1対1の通信である。このため、データ配信装置が配信すべきデータ量はクライアント装置の数に比例して大きくなり、クライアント装置の数が増加すると、データ配信装置や通信路においてデータの配信処理のための負荷が大きくなってしまう。
【0004】
一方、ブロードキャスト配信及びマルチキャスト配信は、1つのデータ配信装置が多数のクライアント装置にデータを配信する1対多の通信であるため、上記問題は生じない。ここで、マルチキャスト配信は、ブロードキャスト配信と異なり、一回の操作で特定多数の相手だけにデータを配信する方式である。
【0005】
マルチキャスト配信の一例としては、IP(Internet protocol)を用いてマルチキャスト配信を実現するIPマルチキャストが広く知られている。IPマルチキャストでは、同一のデータを受信するクライアント装置のグループにマルチキャスト用のIPアドレスを割り当てることでマルチキャストグループを構成する。このマルチキャストグループに割り当てられるIPアドレス(以下「マルチキャストアドレス」という)は当該グループに固有である。クライアント装置は、あるマルチキャストグループ宛に送信されるマルチキャストデータの受信を希望する場合、隣接しているデータ中継装置(ルータ等)に該マルチキャストグループに属するクライアント装置があることを示す情報を記憶させる。これにより、クライアント装置は、データ配信装置から当該マルチキャストグループ宛に配信されるデータを、データ中継装置等を介して受信することができる。
【0006】
ここで、上記マルチキャストデータを受信するクライアント装置とデータ中継装置との間のマルチキャストグループ管理用プロトコルとしては、IGMP(Internet Group Management Protocol)が用いられている。このIGMPに対応したデータ中継装置には、自身の配下にあるクライアント装置の中にマルチキャストグループに参加しているクライアント装置が存在するか否かを判別する機能が実装されている。なお、各データ中継装置間のマルチキャスト経路制御プロトコルとしては、DVMRP(Distance Vector Multicast Routing Protocol)、MOSPF(Multicast Open Shortest Path First)、PIM−DM(Protocol Independent Multicast Dense Mode)、PIM−SM(Protocol Independent Multicast Sparse Mode)、BGMP(Border Gateway Multicast Protocol)等が用いられる。
【0007】
次に、モバイルマルチキャスト概要を説明する。移動通信網や公衆無線LAN網に接続された携帯電話、PDA、ノート型パーソナルコンピュータ等のクライアント装置に対してマルチキャスト配信を行う場合、クライアント装置が移動することに伴い、固定通信網とは異なる課題が生じる。
【0008】
移動するクライアント装置がIPマルチキャストを受信する方式として、Bi−directional Tunneling(BT)とRemote Subscription(RS)という2つの方式が提案されている。
【0009】
このうち、まずBT方式について説明する。クライアント装置は、モバイルIPにおけるホームネットワークに存在するルータに対してマルチキャストグループへの加入手続きを行う。ホームネットワークに存在するルータは、ホームネットワークに配信されたマルチキャストパケットを、クライアント装置に対してユニキャストで転送することにより、クライアント装置がマルチキャストパケットを受信することができる。この方式では、クライアント装置に対してユニキャストでマルチキャストパケットを配信しているため、移動に伴うマルチキャスト経路の変更は必要なく、ユニキャストの経路を変更するだけであるので、モバイルIPに基づくユニキャストのハンドオフ方式を利用して、移動に伴うパケットロスを少なくすることができる。しかしながら、マルチキャストパケットがユニキャストで送信されるため、同一ネットワークに複数のクライアント装置が存在する場合、同一パケットが重複して配信されることにより帯域を無駄に消費し、マルチキャストの利点が得られないという問題がある。また、ユニキャスト通信では経路最適化を行うことができるが、マルチキャスト通信の場合、受信者が多数存在し、個別に経路最適化を行うとネットワーク帯域を無駄に消費するという問題点もある。
【0010】
このようなBT方式の問題点を解決するため、同一ネットワークに複数のクライアント装置が存在する場合に、そのネットワークのエージェントが代表受信者を選出し、代表受信者のホームエージェントであるDMSP(Designated Multicast Service Provider)のみが、そのエージェントにパケットを転送し、エージェントがネットワークにマルチキャストすることで、パケットの重複配信を防ぐ方式が提案されている(例えば、下記の非特許文献1参照)。また、DMSPを2つ選択し、第1のDMSPからの転送パケットはエージェントが無線ネットワークにマルチキャストし、第2のDMSPからの転送パケットについては、エージェントまでは転送するが、無線ネットワークにはマルチキャストしないことで、代表受信者の移動の際の経路変更に伴うパケットロスを少なくする方式も提案されている(例えば、下記の非特許文献2参照)。しかしながら、これらの方式では、代表受信者でないクライアント装置が移動した際には、そのクライアント装置のホームネットワークにおいてマルチキャスト経路の作成を行う必要がある。さらに、代表受信者でないクライアント装置は自身のホームエージェントでないクライアント装置から転送されたパケットを受信しているため、セキュリティの面でも問題がある。また、経路を最適化できないという問題点は解決されていない。
【0011】
一方、RS方式は、移動するクライアント装置が、現在接続しているサブネットワークのローカルなデータ中継装置(アクセスルータ)に対して直接マルチキャストグループへの加入手続きを行う方式である。この方式では、移動するクライアント装置は現在接続しているアクセスルータから直接マルチキャストパケットを受信することができる。しかしながら、当該クライアント装置は、移動毎に移動先のアクセスルータに対してマルチキャストグループへの加入手続き(IGMP Join等)を行う必要があり、移動先に同一グループの他のクライアント装置が存在しなかった場合は、新たにマルチキャスト経路を作成する必要があるため、移動の度にマルチキャスト経路の作成遅延に伴うパケットロスが発生することが問題となる。また、移動元ネットワークに対してマルチキャストグループからの離脱処理を行うことができないので、移動元に他にクライアント装置が存在しない場合は、IGMP Queryが送信されるまで、移動元ネットワークに無駄なマルチキャストパケットが配信されることも問題である。
【0012】
このようなRS方式の問題点、即ち、ネットワーク間を移動する際にマルチキャストグループへの再加入に伴うパケットロスが発生するという問題点を解決するため、クライアント装置が無線リンクの電波強度(SNR:Signal to Noise Ratio)等を常に測定し、その情報を基に移動先のアクセスルータに対して移動前にマルチキャストグループに加入手続きを開始するように通知する(Remote−Join)という手法を提案している(例えば非特許文献3)。これにより、移動先アクセスルータにおいて移動前に予めマルチキャストデータの配信を行っているため、移動に伴うパケットロスを低減することが可能である。
【0013】
【非特許文献1】
T.Harrison、C.Williamson、W.Mackrell、R.Bunt 著、「Mobile Multicast (MoM) Protocol: Multicast Support for Mobile Hosts」、Proc.ACM/IEEE MobiCom ’97, 1997年
【非特許文献2】
V.Chikarmane、 C.Willamson、 R.Bunt、 W.Mackrell 著、「Multicast Support for mobile hosts using Mobile IP: Design issues and proposed architecture」、Proc.ACM/Baltzer Mobile Networks and Applications、Vol.3、No.4、pp.365−379、1998年
【非特許文献3】
森谷優貴、渥美幸雄著、「移動網におけるIPマルチキャスト受信方式の検討」、電子情報通信学会研究報告、IN2001−201、2002年
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のRS方式では、移動するクライアント装置は、移動毎に移動先のアクセスルータに対してマルチキャストグループへの加入手続き(IGMP Join等)を行う必要があり、移動先に同一グループの他のクライアント装置が存在しなかった場合、新たにマルチキャスト経路を作成する必要があるため、移動の度にマルチキャスト経路の作成遅延に伴うパケットロスが発生することが問題となる。
【0015】
また、上記の非特許文献3の方法によれば、移動するクライアント装置が、移動先アクセスルータに対して予めマルチキャストグループへの加入手続きを行うことにより上記目的を達成しようとしている。しかし、非特許文献3に記載の方法では、移動先アクセスルータ配下に存在する基地局装置からの電波強度がある閾値を超えた場合にマルチキャストグループの加入手続き(Remote−Join)を行うため、例えばクライアント装置の移動速度が高速であった場合には、予めマルチキャストグループの加入手続きを行ったとしてもその手続き完了前にクライアント装置が移動してしまうケースがある。このような場合には、非特許文献3の方法によっても、経路作成遅延に伴うパケットロスが発生する可能性がある。
【0016】
また、非特許文献3の方法によれば、移動するクライアント装置は、予め移動先アクセスルータに対してマルチキャストグループへの加入手続き(Remote−Join)を行うが、実際にクライアント装置がそのアクセスルータに移動するかどうかは確実でないため、当該加入手続きを行ったものの実際にクライアント装置が移動してこない場合も存在する。その際には、移動先ネットワークにおいてマルチキャストデータが配信されるものの、クライアント装置が存在しないため、無線通信のためのコストが無駄になることがある。特に移動通信網や、公衆無線LANの場合においては、無線通信のコストは有線通信のコストと比較して高くなる傾向にあるため、無線通信のコスト増は好ましくない。
【0017】
さらに、非特許文献3の方法によれば、クライアント装置は、基地局装置からの電波強度の測定と閾値との比較を行う必要があり、さらに、上記加入手続き(Remote−Join)を行うための機能をサポートする必要があるため、クライアント装置にそれなりの機能追加を行う必要がある。特に携帯電話等のクライアント装置の場合には、その機能の制限や電力の制限等があるため、この機能追加に必要なコストは無視できない。また、クライアント装置の台数は膨大な数に上るため、新機能の追加されたクライアント装置への入れ替えに伴うコストも要する。
【0018】
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、通信コストの増加を抑えつつ、クライアント装置の移動に伴うマルチキャストデータのパケットロスを低減することができるデータ中継装置、配信経路管理装置、配信経路管理システム及び配信経路管理方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るデータ中継装置は、請求項1に記載したように、自装置の配下にある所定のマルチキャストグループに属するクライアント装置に、配下にある基地局装置経由でマルチキャストデータを中継するデータ中継装置であって、所定のマルチキャストグループへの加入要求をクライアント装置から受信する加入要求受信手段と、前記加入要求を受信した場合に、自装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成する第1のリスト生成手段と、前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する第2のリスト生成手段と、前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成する第3のリスト生成手段と、前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示するマルチキャストツリー構築指示手段と、他のデータ中継装置から受信した構築指示情報に含まれるマルチキャストグループに対するマルチキャストツリーを構築する構築手段と、前記構築指示情報に含まれる情報をもって、自装置が管理するルーティングテーブルを更新するテーブル更新手段とを有することを特徴とする。
【0020】
上記データ中継装置では、加入要求受信手段が所定のマルチキャストグループへの加入要求をクライアント装置から受信すると、第1のリスト生成手段が自装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成し、第2のリスト生成手段が、前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する。そして、第3のリスト生成手段が、前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成すると、マルチキャストツリー構築指示手段は、前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示する。
【0021】
そして、当該構築指示を受信した他のデータ中継装置では、構築手段が、当該構築指示情報に含まれるマルチキャストグループに対するマルチキャストツリーを構築するとともに、テーブル更新手段が、構築指示情報に含まれる情報をもって、自装置が管理するルーティングテーブルを更新する。
【0022】
このように、クライアント装置から加入要求を受信したデータ中継装置と、構築指示を受信した他のデータ中継装置とが連携することにより、特にクライアント装置に機能追加を行う必要なく、前者のデータ中継装置(加入要求を受信したデータ中継装置)の周りに予めマルチキャスト配信経路を作成しておくことができる。このため、クライアント装置が基地局装置を切り替えた場合にも、通信コスト増加を伴うことなく、マルチキャスト配信されるデータのパケットロスを防止することができる。
【0023】
上記データ中継装置は、より好ましくは、以下のような構成態様を採用することを特徴とする。即ち、請求項2に記載したように、データ中継装置は、クライアント装置から所定のマルチキャストグループへの加入要求を受信した場合に、当該クライアント装置のマルチキャストアドレスに関するルーティング情報が、前記ルーティングテーブルに存在するか否かを判断する加入判断手段と、前記ルーティング情報が存在しない場合に、当該マルチキャストグループにクライアントが新たに加入したことを前記隣接データ中継装置に通知する第1の加入情報通知手段とをさらに有することを特徴とする。この場合、加入要求を受信した場合に、加入要求をしたクライアント装置のマルチキャストアドレスに関するルーティング情報がルーティングテーブルに存在するか否かを速やかに判断し、ルーティング情報が存在しない場合に、当該マルチキャストグループにクライアントが新たに加入したことを隣接データ中継装置に通知するので、新規加入情報を速やかに隣接データ中継装置に通知できる。
【0024】
また、請求項3に記載したように、データ中継装置は、前記ルーティングテーブルを予め定められた時間間隔で参照し、ルーティング情報が当該ルーティングテーブル内に存在するマルチキャストグループに関して、新たなクライアント装置が存在することを前記隣接データ中継装置に通知する第2の加入情報通知手段をさらに有することを特徴とする。この場合、ルーティングテーブルを予め定められた時間間隔で参照し、その参照結果に基づき、ルーティング情報が既存のマルチキャストグループに関して、新たなクライアント装置が存在することを確実に検知し隣接データ中継装置に通知することができる。
【0025】
また、請求項4に記載したように、データ中継装置は、第2の加入情報通知手段が、前記クライアント装置が存在することを、隣接データ中継装置に通知した際に、当該通知に対する応答として得たタイマ情報から、当該タイマ値が満了しない範囲で予め決まったルールに基づき設定されたタイミングで、前記ルーティングテーブルを参照し、当該マルチキャストグループに関するクライアント装置の情報が残っていた場合に、クライアント装置が未だ存在することを、前記隣接データ中継装置に通知する第3の加入情報通知手段をさらに有することを特徴とする。この場合、隣接データ中継装置が応答したタイマ情報から、当該タイマ値が満了しない範囲で予め決まったルールに基づき設定されたタイミングでルーティングテーブルを参照し、その参照結果に基づき、当該マルチキャストグループに関するクライアント装置の情報が残っていた場合に、クライアント装置が未だ存在することを確実に検知し隣接データ中継装置に通知することができる。
【0026】
また、請求項5に記載したように、データ中継装置は、自装置の配下にマルチキャストグループに関するクライアント装置が存在しない場合は、配下のクライアント装置へのマルチキャストパケットの転送を回避するよう制御する転送回避手段をさらに有することを特徴とする。この場合、自装置の配下にマルチキャストグループに関するクライアント装置が存在しない場合には、自装置配下のクライアント装置へのマルチキャストパケットの転送が回避されるので、有線と比較して通信コストの高い無線通信路に不必要なデータが流れることを防止できる。
【0027】
また、請求項6に記載したように、データ中継装置では、マルチキャストツリー構築指示手段は、前記マルチキャストツリーの構築指示情報にタイマ情報を含めて指示し、構築手段は、他のデータ中継装置から受信した構築指示情報に含まれたタイマ情報に基づいて、当該タイマが有効な期間のみマルチキャストツリーを構築することを特徴とする。この場合、あるデータ中継装置のマルチキャストツリー構築指示手段がマルチキャストツリーの構築指示情報にタイマ情報を含めて隣接のデータ中継装置に指示すると、隣接のデータ中継装置の構築手段は、受信した構築指示情報に含まれたタイマ情報に基づいて、当該タイマが有効な期間のみマルチキャストツリーを構築する。これにより、隣接のデータ中継装置におけるマルチキャストツリー構築に対し有効期間を設定し、構築動作を制御することができる。
【0028】
上記目的を達成するため、本発明に係る配信経路管理装置は、請求項7に記載したように、自装置の配下にある所定のマルチキャストグループに属するクライアント装置に、配下にある基地局装置経由でマルチキャストデータを中継するデータ中継装置、に接続された基地局装置情報と、当該基地局装置に隣接する隣接基地局装置情報とを保持する配信経路管理装置であって、クライアント装置が所定のマルチキャストグループに加入したことをデータ中継装置から受信する加入情報受信手段と、前記加入情報を受信した場合に、前記データ中継装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成する第1のリスト生成手段と、前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する第2のリスト生成手段と、前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成する第3のリスト生成手段と、前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示するマルチキャストツリー構築指示手段とを有することを特徴とする。
【0029】
上記配信経路管理装置では、加入情報受信手段が、クライアント装置が所定のマルチキャストグループに加入したことをデータ中継装置から受信すると、第1のリスト生成手段がデータ中継装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成し、第2のリスト生成手段が、前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する。そして、第3のリスト生成手段が、前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成すると、マルチキャストツリー構築指示手段は、前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示する。
【0030】
このように、配信経路管理装置は、クライアント装置が所定のマルチキャストグループに加入したことをデータ中継装置から受信することで、隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示するため、当該構築指示を受信した各隣接データ中継装置は、当該構築指示情報に含まれるマルチキャストグループに対するマルチキャストツリーを構築することとなり、データ中継装置、配信経路管理装置、及び構築指示を受信した隣接データ中継装置が連携することにより、特にクライアント装置に機能追加を行う必要なく、前者のデータ中継装置(加入情報を送信したデータ中継装置)の周りに予めマルチキャスト配信経路を作成しておくことができる。このため、クライアント装置が基地局装置を切り替えた場合にも、通信コスト増加を伴うことなく、マルチキャスト配信されるデータのパケットロスを防止することができる。
【0031】
なお、上記の配信経路管理装置では、請求項8に記載したように、マルチキャストツリー構築指示手段は、前記マルチキャストツリーの構築指示情報にタイマ情報を含めて指示する構成とすることが望ましい。この場合、配信経路管理装置は、隣接のデータ中継装置におけるマルチキャストツリー構築に対し有効期間を設定し、構築動作を制御することができる。
【0032】
また、上記の配信経路管理装置は、請求項9に記載したように、各データ中継装置から送信されてくるルーティングテーブルを受信するテーブル受信手段と、受信された各データ中継装置のルーティングテーブルを記憶し管理するテーブル管理手段とをさらに有する構成としてもよい。この場合、配信経路管理装置のテーブル管理手段において、各データ中継装置から受信された各データ中継装置のルーティングテーブルを記憶し、集中管理することができる。
【0033】
ところで、本発明は、前述したデータ中継装置とクライアント装置とを含んで構成された配信経路管理システムに係る発明として捉えることができる。即ち、本発明に係る配信経路管理システムは、請求項10に記載したように、自装置の配下にある所定のマルチキャストグループに属するクライアント装置に、配下にある基地局装置経由でマルチキャストデータを中継する複数のデータ中継装置と、前記データ中継装置により中継されたマルチキャストデータを受信するクライアント装置とを含んで構成された配信経路管理システムであって、前記データ中継装置の各々は、所定のマルチキャストグループへの加入要求をクライアント装置から受信する加入要求受信手段と、前記加入要求を受信した場合に、自装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成する第1のリスト生成手段と、前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する第2のリスト生成手段と、前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成する第3のリスト生成手段と、前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示するマルチキャストツリー構築指示手段と、他のデータ中継装置から受信した構築指示情報に含まれるマルチキャストグループに対するマルチキャストツリーを構築する構築手段と、前記構築指示情報に含まれる情報をもって、自装置が管理するルーティングテーブルを更新するテーブル更新手段とを有することを特徴とする。
【0034】
この場合、クライアント装置から加入要求を受信したデータ中継装置と、構築指示を受信した他のデータ中継装置とが連携することにより、特にクライアント装置に機能追加を行う必要なく、前者のデータ中継装置(加入要求を受信したデータ中継装置)の周りに予めマルチキャスト配信経路を作成しておくことができる。このため、クライアント装置が基地局装置を切り替えた場合にも、通信コスト増加を伴うことなく、マルチキャスト配信されるデータのパケットロスを防止することができる。
【0035】
また、本発明は、前述した配信経路管理装置、データ中継装置及びクライアント装置を含んで構成された配信経路管理システムに係る発明として捉えることができる。即ち、本発明に係る配信経路管理システムは、請求項11に記載したように、自装置の配下にある所定のマルチキャストグループに属するクライアント装置に、配下にある基地局装置経由でマルチキャストデータを中継する複数のデータ中継装置と、前記データ中継装置により中継されたマルチキャストデータを受信するクライアント装置と、前記データ中継装置に接続された基地局装置情報と当該基地局装置に隣接する隣接基地局装置情報とを保持する配信経路管理装置とを含んで構成された配信経路管理システムであって、前記データ中継装置は、所定のマルチキャストグループへの加入要求をクライアント装置から受信する加入要求受信手段と、前記加入要求を受信した場合に、所定のマルチキャストグループにクライアント装置が加入したことを前記配信経路管理装置に通知する加入情報通知手段と、前記配信経路管理装置から受信した構築指示情報に含まれるマルチキャストグループに対するマルチキャストツリーを構築する構築手段と、前記構築指示情報に含まれる情報をもって、自装置が管理するルーティングテーブルを更新するテーブル更新手段とを有し、前記マルチキャスト配信管理装置は、クライアント装置が所定のマルチキャストグループに加入したことをデータ中継装置から受信する加入情報受信手段と、前記加入情報を受信した場合に、前記データ中継装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成する第1のリスト生成手段と、前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する第2のリスト生成手段と、前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成する第3のリスト生成手段と、前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示するマルチキャストツリー構築指示手段とを有することを特徴とする。
【0036】
この場合、データ中継装置、配信経路管理装置、及び構築指示を受信した隣接データ中継装置が連携することにより、特にクライアント装置に機能追加を行う必要なく、前者のデータ中継装置(加入情報を送信したデータ中継装置)の周りに予めマルチキャスト配信経路を作成しておくことができる。このため、クライアント装置が基地局装置を切り替えた場合にも、通信コスト増加を伴うことなく、マルチキャスト配信されるデータのパケットロスを防止することができる。
【0037】
ところで、本発明は、前述したデータ中継装置、配信経路管理装置、及び配信経路管理システムのそれぞれにおける配信経路管理方法に係る発明として捉えることもできる。
【0038】
即ち、本発明に係る、データ中継装置における配信経路管理方法は、請求項12に記載したように、自装置の配下にある所定のマルチキャストグループに属するクライアント装置に、配下にある基地局装置経由でマルチキャストデータを中継するデータ中継装置、における配信経路管理方法であって、所定のマルチキャストグループへの加入要求をクライアント装置から受信する加入要求受信ステップと、前記加入要求を受信した場合に、自装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成する第1のリスト生成ステップと、当該データ中継装置が、前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する第2のリスト生成ステップと、当該データ中継装置が、前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成する第3のリスト生成ステップと、当該データ中継装置が、前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示するマルチキャストツリー構築指示ステップと、構築指示情報を受信した隣接データ中継装置が、当該構築指示情報に含まれるマルチキャストグループに対するマルチキャストツリーを構築する構築ステップと、隣接データ中継装置が、前記構築指示情報に含まれる情報をもって、当該隣接データ中継装置が管理するルーティングテーブルを更新するテーブル更新ステップとを有することを特徴とする。
【0039】
また、本発明に係る、配信経路管理装置における配信経路管理方法は、請求項13に記載したように、自装置の配下にある所定のマルチキャストグループに属するクライアント装置に、配下にある基地局装置経由でマルチキャストデータを中継するデータ中継装置、に接続された基地局装置情報と、当該基地局装置に隣接する隣接基地局装置情報とを保持する配信経路管理装置、における配信経路管理方法であって、クライアント装置が所定のマルチキャストグループに加入したことをデータ中継装置から受信する加入情報受信ステップと、前記加入情報を受信した場合に、当該データ中継装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成する第1のリスト生成ステップと、前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する第2のリスト生成ステップと、前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成する第3のリスト生成ステップと、前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示するマルチキャストツリー構築指示ステップとを有することを特徴とする。
【0040】
また、本発明に係る、配信経路管理システムにおける配信経路管理方法は、請求項14に記載したように、自装置の配下にある所定のマルチキャストグループに属するクライアント装置に、配下にある基地局装置経由でマルチキャストデータを中継する複数のデータ中継装置と、前記データ中継装置により中継されたマルチキャストデータを受信するクライアント装置とを含んで構成された配信経路管理システム、における配信経路管理方法であって、あるデータ中継装置が、所定のマルチキャストグループへの加入要求をクライアント装置から受信する加入要求受信ステップと、当該データ中継装置が、前記加入要求を受信した場合に、自装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成する第1のリスト生成ステップと、当該データ中継装置が、前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する第2のリスト生成ステップと、当該データ中継装置が、前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成する第3のリスト生成ステップと、当該データ中継装置が、前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示するマルチキャストツリー構築指示ステップと、構築指示情報を受信した隣接データ中継装置が、当該構築指示情報に含まれるマルチキャストグループに対するマルチキャストツリーを構築する構築ステップと、隣接データ中継装置が、前記構築指示情報に含まれる情報をもって、当該隣接データ中継装置が管理するルーティングテーブルを更新するテーブル更新ステップとを有することを特徴とする。
【0041】
また、本発明に係る、配信経路管理システムにおける配信経路管理方法は、請求項15に記載したように、自装置の配下にある所定のマルチキャストグループに属するクライアント装置に、配下にある基地局装置経由でマルチキャストデータを中継する複数のデータ中継装置と、前記データ中継装置により中継されたマルチキャストデータを受信するクライアント装置と、前記データ中継装置に接続された基地局装置情報と当該基地局装置に隣接する隣接基地局装置情報とを保持する配信経路管理装置とを含んで構成された配信経路管理システム、における配信経路管理方法であって、あるデータ中継装置が、所定のマルチキャストグループにクライアント装置が加入したことを前記配信経路管理装置に通知する加入情報通知ステップと、前記通知を受けた配信経路管理装置が、当該データ中継装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成する第1のリスト生成ステップと、当該配信経路管理装置が、前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する第2のリスト生成ステップと、当該配信経路管理装置が、前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成する第3のリスト生成ステップと、当該配信経路管理装置が、前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示するマルチキャストツリー構築指示ステップと、構築指示情報を受信した隣接データ中継装置が、当該構築指示情報に含まれるマルチキャストグループに対するマルチキャストツリーを構築する構築ステップと、隣接データ中継装置が、前記構築指示情報に含まれる情報をもって、当該隣接データ中継装置が管理するルーティングテーブルを更新するテーブル更新ステップとを有することを特徴とする。
【0042】
上記請求項12、14に記載の発明によれば、クライアント装置から加入要求を受信したデータ中継装置と、構築指示を受信した他のデータ中継装置とが連携することにより、特にクライアント装置に機能追加を行う必要なく、前者のデータ中継装置(加入要求を受信したデータ中継装置)の周りに予めマルチキャスト配信経路を作成しておくことができる。このため、クライアント装置が基地局装置を切り替えた場合にも、通信コスト増加を伴うことなく、マルチキャスト配信されるデータのパケットロスを防止することができる。
【0043】
上記請求項13、15に記載の発明によれば、データ中継装置、配信経路管理装置、及び構築指示を受信した隣接データ中継装置が連携することにより、特にクライアント装置に機能追加を行う必要なく、前者のデータ中継装置(加入情報を送信したデータ中継装置)の周りに予めマルチキャスト配信経路を作成しておくことができる。このため、クライアント装置が基地局装置を切り替えた場合にも、通信コスト増加を伴うことなく、マルチキャスト配信されるデータのパケットロスを防止することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る各種の実施形態について説明する。
【0045】
[第1実施形態]
[装置の説明]
図1には、本発明に係る配信経路管理システムに相当するマルチキャスト経路管理システム10の構成を示す。このマルチキャスト経路管理システム10は、データ送信装置(図示せず)、マルチキャスト経路管理装置(本発明に係る配信経路管理装置に相当)20、データ中継装置(本発明に係るデータ中継装置に相当)30、基地局装置40及びクライアント装置50を含んで構成され、これら各装置は、CPU、ROM、RAM等のハードウェア資源を備えたコンピュータ等によって構成されている。
【0046】
この図1に示すように、マルチキャスト経路管理装置20、データ中継装置30、基地局装置40及びクライアント装置50はそれぞれ、インターネットや無線通信ネットワークなどのネットワーク60に接続され、このネットワーク60は、複数のデータ中継装置30を相互に接続することによって構成されている。
【0047】
データ中継装置30には、他のデータ中継装置30が接続されている場合と、基地局装置40が接続されている場合とがあり、クライアント装置30は基地局装置40を経由してクライアント装置50と接続される。クライアント装置50は、移動する場合もあり、その場合には、基地局装置40を切り替えながらデータ送信装置(図示せず)が送信するマルチキャストデータを受信する。
【0048】
なお、ここでは、IPマルチキャストに基づくデータ配信の例を想定し、データ中継装置30のうち基地局装置40が接続されたデータ中継装置30を「アクセスルータ30」と呼び、クライアント装置50を「クライアント50」と呼ぶものとする。基地局装置40とクライアント50の間の通信は、所定の無線通信方式に従ってなされるものとする。
【0049】
クライアント50とアクセスルータ30は、IPマルチキャストにおけるグループ管理を実現するためにマルチキャストグループ管理プロトコルを用いる。本実施形態では、マルチキャストグループ管理プロトコルとしてIGMPを用いた場合の例について説明する。
【0050】
[アクセスルータ30の動作手順]
図2には、アクセスルータ30の機能ブロック図を示す。この図2に示すように、アクセスルータ30は、通信手段30a、情報作成手段30b及びマルチキャスト管理データベース30cを含んで構成されている。このうち通信手段30aは、クライアント50から送信されたIGMP Membership Reportメッセージを受信すると、当該IGMP Membership Reportメッセージを情報作成手段30bに渡す。そして、情報作成手段30bは、マルチキャスト管理データベース30c内に保存されているマルチキャストルーティングテーブルを参照し、当該マルチキャストアドレスに関するルーティング情報が存在するかどうかを確認する。
【0051】
ここで、図3を用いてマルチキャストルーティングテーブルの一例を説明する。マルチキャストルーティングテーブルは、マルチキャストアドレスと、そのアドレスに対するパケットが届いたときの出力インタフェースとをその主な構成要素とする。図3に記載されているタイマとアドバンスグラフティングについては、本発明に基づく項目であり、それらの詳細は後述する。マルチキャストルーティングテーブルに、ルーティング情報が存在する、即ち、マルチキャストアドレスが登録されているということは、そのマルチキャストグループに対する受信者が存在することを示している。
【0052】
前述した情報作成手段30bによるルーティング情報の存在確認の結果、当該マルチキャストアドレスに関するルーティング情報がマルチキャストルーティングテーブルに登録されていない場合(この状態を以後「当該マルチキャストグループの最初のメンバーが登録された場合」と称する)には、当該マルチキャストグループに最初のメンバーとなるため、マルチキャストツリーの構築を行う。なお、マルチキャストツリーの構築には、先述したDVMRP、MOSPF、PIM−DM、PIM−SM、BGMP等のマルチキャスト経路制御プロトコルが用いられる。
【0053】
情報作成手段30bは、マルチキャスト経路プロトコルによるマルチキャストツリーの構築が完了すると、マルチキャスト管理データベース30c内のマルチキャストルーティングテーブル中に当該マルチキャスト配信に関する情報を登録する。その後アクセスルータ30に到達したマルチキャストデータは、マルチキャストルーティングテーブルに従って転送されることになる。以上のアクセスルータ30の動作は、IGMP Membership Reportを受信したときの通常の動作である。さらに情報作成手段30bは、以下の手順に従い新メンバー加入通知メッセージを生成する。
【0054】
ここで、図4を用いて新メンバー加入通知メッセージの一例を説明する。新メンバー加入通知メッセージは、メッセージタイプ、マルチキャストグループ識別情報、及びアクセスルータ識別IDをその主な情報要素とする。このうちメッセージタイプは、新メンバー加入通知メッセージであることを示す。マルチキャストグループ識別情報は、マルチキャストグループを一意に識別することができる情報のことを示し、例えば、マルチキャストアドレスや、SDP(Session Description Protocol)で示されるセッションID等が含まれる。アクセスルータ識別IDは、アクセスルータ30を一意に識別することが出来るIDである。このような新メンバー加入通知メッセージは、IPパケットにより構成される場合には、IPアドレス等のIPパケットの構成に必要な情報をその先頭に含む。その際には、アクセスルータ識別IDとしてアクセスルータ30のIPアドレスを用いることが可能であり、その際にはアクセスルータ識別IDは必ずしも必要ではない。また、新メンバー加入通知メッセージには、本メッセージを作成した時刻を示すタイムスタンプ等、その他の情報を追加しても良い。
【0055】
情報作成手段30bは、このような新メンバー加入通知メッセージを作成すると、通信手段30aを通じてマルチキャスト経路管理装置20に新メンバー加入通知メッセージを送信する。
【0056】
[マルチキャスト経路管理装置20の動作手順]
図5には、マルチキャスト経路管理装置20の機能ブロック図を示す。この図5に示すように、マルチキャスト経路管理装置20は、通信手段20a、情報作成手段20b及びルータ・基地局装置管理データベース20cを含んで構成される。このうち通信手段20aは、アクセスルータ30から送信された新メンバー加入通知メッセージを受信すると、当該新メンバー加入通知メッセージを情報作成手段20bに渡す。情報作成手段20bは、ルータ・基地局装置管理データベース20c内に保存されているルータ配下基地局装置テーブルを参照する。
【0057】
ここで、図6を用いてルータ配下基地局装置テーブルの一例を説明する。ルータ配下基地局装置テーブルは、それぞれのアクセスルータ30の配下に存在する基地局装置40をリスト化したものであり、基地局装置40を一意に識別する基地局装置IDをそのテーブルの情報要素として保持している。なお、ルータ配下基地局装置テーブルは、移動通信網の設計の際に予めルータ・基地局装置管理データベース20cに対して保存しておくデータであり、基地局装置の配置設計の変更毎に更新される情報である。情報作成手段20bは、新メンバー加入通知メッセージに含まれるアクセスルータIDをキーにルータ配下基地局装置テーブルを参照することにより、アクセスルータ30配下の基地局装置40のリストを入手することが出来る。この情報を「アクセスルータ配下基地局装置リスト」と呼ぶ。
【0058】
情報作成手段20bは、このようなアクセスルータ配下基地局装置リストを入手すると、それぞれの基地局装置IDについて、ルータ・基地局装置管理データベース20cに保存されている隣接基地局装置テーブルを参照する。
【0059】
ここで、図7を用いて隣接基地局装置テーブルの一例を説明する。隣接基地局装置テーブルは、各基地局装置40に隣接する基地局装置40をリスト化したものであり、隣接する基地局装置40を一意に識別する基地局装置IDをそのテーブルの情報要素として保持している。なお、隣接基地局装置テーブルは、移動通信網の設計の際に予めルータ・基地局装置管理データベース20cに対して保存しておくデータであり、基地局装置の配置設計の変更毎に更新される情報である。情報作成手段20bは、基地局装置IDをキーとして、隣接基地局装置テーブルを参照することにより、当該基地局装置40に隣接する基地局装置40の基地局装置IDのリストを取得することが出来る。この情報を「隣接基地局装置リスト」と呼ぶ。なお、隣接する基地局装置40とは、クライアント50がハンドオーバーの際に移動先の通信相手となる可能性のある基地局装置40のことである。
【0060】
情報作成手段20bは、このような基地局装置リストを取得すると、ルータ・基地局装置管理データベース20c内に保存されているルータ配下基地局装置テーブルを再度参照する。情報作成手段20bは、基地局装置IDをキーとしてルータ配下基地局装置テーブルを参照することにより、当該基地局装置40を配下に持つアクセスルータ30のIDを入手することが出来る。それぞれの基地局装置IDについて検索を行った後、入手したアクセスルータIDをリスト化したものを「隣接アクセスルータリスト」と呼ぶ。アクセスルータリスト中に、前記新メンバー加入通知メッセージ中に含まれるアクセスルータIDが含まれていた場合、つまり、隣接アクセスルータを調査するために元のキーとして入力したアクセスルータ30のIDがそのリスト中に含まれていた場合には、そのIDを隣接アクセスルータIDリストから除外する。
【0061】
情報作成手段20bは、これまでの動作により、隣接するアクセスルータ30のリストを入手することが出来る。この「隣接するアクセスルータ30」とは、新メンバー加入通知メッセージ中に含まれるアクセスルータIDにより指定されるアクセスルータ30に隣接するアクセスルータ30、即ち、当該指定されるアクセスルータ30の配下の基地局装置40に隣接する基地局装置40を配下に持つアクセスルータ30のことである。
【0062】
また、情報作成手段20bは、前記隣接アクセスルータリストに含まれるアクセスルータIDに送信する、以下の遠隔メンバーシップリポートメッセージを作成する。
【0063】
ここで、図8を用いて遠隔メンバーシップリポートメッセージの一例を説明する。遠隔メンバーシップリポートメッセージは、メッセージタイプ、マルチキャストグループ識別情報、及び有効期限をその主な情報要素とする。このうちメッセージタイプは、遠隔メンバーシップリポートメッセージであることを示す。マルチキャストグループ識別情報は、マルチキャストグループを一意に識別することができる情報のことを示し、先述のように、例えば、マルチキャストアドレスや、SDPで示されるセッションID等が含まれる。有効期限は、時刻に関する情報が含まれ、その詳細な説明は後述する。
【0064】
情報作成手段20bは、このような遠隔メンバーシップリポートメッセージを作成すると、通信手段20aを通じて前記隣接アクセスルータリストに含まれるアクセスルータ30それぞれに対して当該遠隔メンバーシップリポートメッセージを送信する。
【0065】
なお、通信手段20aは、そのメッセージが到達したことを通信相手に知らせるため、確認応答メッセージを作成して送信しても良い。こうすることにより、メッセージが無事に到達したことを通信相手が知ることが出来る。また、前記遠隔メンバーシップリポートメッセージで設定したタイマをその確認応答メッセージに含むことにより、アクセスルータ30に対してタイマがいつ満了するかを通知することが出来る。
【0066】
[アクセスルータ30の動作手順]
アクセスルータ30の通信手段30aは、マルチキャスト経路管理装置20から送信された遠隔メンバーシップリポートメッセージを受信すると、情報作成手段30bに対して渡す。なお、遠隔メンバーシップリポートメッセージを受信した通信手段30aは、そのメッセージが到達したことを通信相手に知らせるため、確認応答メッセージを作成して送信しても良い。こうすることによりメッセージが無事に到達したことを通信相手が知ることが出来る。
【0067】
情報作成手段30bは、マルチキャスト管理データベース30c内に保存されているマルチキャストルーティングテーブルを参照し、当該マルチキャストアドレスに関するルーティング情報が存在するかどうかを確認する。
【0068】
確認の結果、当該マルチキャストアドレスに関するルーティング情報が存在するときには、既に当該アクセスルータ30は、当該マルチキャストグループに対するマルチキャストツリーを構築済みであるためここで処理は終了する。
【0069】
一方、確認の結果、当該マルチキャストアドレスに関するルーティング情報が存在しないときには、当該アクセスルータ30配下に当該マルチキャストグループのメンバーが存在しないことになるため、以下のアドバンスグラフティング処理を行う。
【0070】
情報作成手段30bは、アドバンスグラフティング処理を行うと判断したときには、マルチキャストツリーの構築を行う。なお、マルチキャストツリーの構築には、先述したDVMRP、MOSPF、PIM−DM、PIM−SM、BGMP等のマルチキャスト経路制御プロトコルが用いられる。その後、情報作成手段30bは、マルチキャスト経路プロトコルによるマルチキャストツリーの構築が完了すると、マルチキャスト管理データベース30c内のマルチキャストルーティングテーブル中に当該マルチキャスト配信に関する情報を以下に述べる手順に従って登録する。
【0071】
図9には、アドバンスグラフティング処理に伴うルーティングテーブルへの記述が完了した後のマルチキャストルーティングテーブルを示している。この例では、マルチキャストアドレス225.7.7.7に対するアドバンスグラフティング処理を行った後の様子を示しており、マルチキャストルーティングテーブル中にアドバンスグラフティング処理を行ったことを示すフラグ“1”を設定し、その有効期限のタイマ値“60000”を反映している。なお、このタイマ値は、遠隔メンバーシップリポートメッセージに含まれる有効期限フィールドにて指定された値に相当する。
【0072】
なお、アドバンスグラフティング処理を行った場合には、マルチキャストツリーの構築は行うが、配下にクライアント50が存在するわけではないのでパケットを出力する必要はない。したがって、当該マルチキャストグループのマルチキャストデータが到着しても、アクセスルータ30の配下に転送する必要はない。そのため、図9に示すように、マルチキャストルーティングテーブルの出力インタフェースを空欄にしておく。以上のように、マルチキャストツリー及びマルチキャストルーティングテーブルを構築すると、マルチキャストデータはアクセスルータ30までは到達するが、それを配下のインタフェースに転送しない。したがって、マルチキャストデータは、無線ネットワークを流れることはない。
【0073】
[その後IGMP Membership Reportが届いた場合]
IGMP Membership Reportが届いた場合の処理について、発明の概要の説明の流れから、これまでに説明しなかった部分について以下で説明を行う。
【0074】
IGMP Membership Reportが届いた際に、情報作成手段30bは、マルチキャスト管理データベース30c内に保存されているマルチキャストルーティングテーブルを参照し、当該マルチキャストアドレスに関するルーティング情報が存在するかどうかを確認する。
【0075】
確認の結果、当該マルチキャストアドレスに関するルーティング情報が存在し、かつ、ルーティングテーブル中のアドバンスグラフティングビットが存在しない場合は、既にマルチキャストデータの配信が行われていることになるため、ここで処理は終了する。その後の処理は通常のアクセスルータ30としての処理を続ける。
【0076】
一方、確認の結果、当該マルチキャストアドレスに関するルーティング情報が存在し、かつ、ルーティングテーブルにアドバンスグラフティングビットが存在していた場合には、当該マルチキャストグループに関して、既にアドバンスグラフティング処理を実行済みであることを示す。したがって、この状態から通常の状態に戻すために、その要求があったクライアント50の存在する出力インタフェースを出力先として登録し、マルチキャストルーティングテーブルにおけるタイマ及びアドバンスグラフティングのフィールドをクリアする。このとき既にマルチキャストツリーは構築されており、マルチキャストパケットは当該アクセスルータ30に到着しているはずなので、この処理の以後マルチキャストパケットは、クライアント50の存在する出力インタフェースに転送される。
【0077】
[タイマが満了した場合]
以下では、アドバンスグラフティング処理により登録したマルチキャストグループのタイマが満了した場合について説明する。
【0078】
情報作成手段30bは、マルチキャストルーティングテーブルに記載されたタイマ値が満了すると、マルチキャストツリーのプルーニング処理を行う。プルーニング処理とは、マルチキャストツリーを削除するための手続きである。マルチキャストツリーのプルーニングには、先述したDVMRP、MOSPF、PIM−DM、PIM−SM、BGMP等のマルチキャスト経路制御プロトコルのプルーニングのための制御パケットが用いられる。情報作成手段30bは、マルチキャスト経路プロトコルによるマルチキャストツリーのプルーニングが完了すると、マルチキャスト管理データベース30c内のマルチキャストルーティングテーブル中に当該マルチキャスト配信に関する情報を削除する。
【0079】
[新メンバー加入通知メッセージを送信する他の例]
アクセスルータ30の情報作成手段30bは、IGMP Membership Reportメッセージ受信を契機とする以外に、以下の手順により、新メンバー加入通知メッセージをマルチキャスト経路管理装置20に送信しても良い。
【0080】
情報作成手段30bは、予め決められた時間間隔にて定期的にマルチキャストルーティングテーブルを確認し、マルチキャストルーティング情報が存在するマルチキャストグループに関して、マルチキャスト経路管理装置20に対する新メンバー加入通知メッセージを作成し、作成した新メンバー加入通知メッセージをマルチキャスト経路管理装置20に送信しても良い。その処理を行う時間間隔としては、情報作成手段30bで予め決められた時間間隔を用いてもよいし、アクセスルータ30が定期的に発行するIGMP Queryの応答としてクライアント50からIGMP Membership Reportを受信する時間間隔を用いてもよい。後者の場合、本来であれば、マルチキャストルーティング情報が存在しないマルチキャストグループのみ新メンバー加入通知メッセージを発行していたが、このケースでは、マルチキャストルーティング情報が存在していたとしても新メンバー加入通知メッセージを発行する。これにより、定期的にアクセスルータ30の状態をマルチキャスト経路管理装置20に通知することになるため、状態の不一致に伴いマルチキャストツリーの構築に関する状態の不一致が発生する危険性が減少する。
【0081】
情報作成手段30bは、マルチキャスト経路管理装置20に対する新メンバー加入通知メッセージの確認応答として受信したタイマ値を用いて、新メンバー加入通知メッセージを発行しても良い。このタイマ値は、アドバンスグラフティング処理を行って作成した隣接するアクセスルータ30のマルチキャストツリーが削除されるタイマである。しかし、そのタイマが満了する時間になっても依然としてユーザがアクセスルータ30に存在することもある。
【0082】
以上のことから、情報作成手段30bは、上記タイマが満了する前の決められた時間で(例えば、タイマ値の3/4に相当する値などを利用する例が考えられる)、再度マルチキャストルーティングテーブル上にマルチキャストルーティング情報が存在するかどうかを確認し、存在する場合に再度新メンバー加入通知メッセージを送信する。これにより、マルチキャスト経路管理装置20は、遠隔メンバーシップリポートメッセージを再度発行することになるため、隣接するアクセスルータ30のタイマをアップデートすることが可能となる。
【0083】
情報作成手段30bは、クライアント50やその他装置からの指示により新メンバー加入通知メッセージを送信しても良い。例えば、非常に高い品質を求めるクライアント50が存在し、当該クライアント50が移動時にもパケットロスなくマルチキャストデータを受信したい場合などには、情報作成手段30bは当該クライアント50からの指示により新メンバー加入通知メッセージを送信するようなケースも考えられる。
【0084】
[マルチキャストグループへの加入要求を受信した時のアクセスルータ30の動作]
図10は、アクセスルータ30の情報作成手段30bが、IGMP Membership Reportメッセージ、即ち、マルチキャストグループへの加入要求を受信した時のフローチャートを示す。なお、本フローチャートでは、IGMP Membership Reportメッセージを受信した際に、当該マルチキャストアドレスに対するルーティング情報が存在しない場合にのみ新メンバー加入通知メッセージを生成する手順について説明しており、ルーティング情報が存在していても新メンバー加入通知メッセージを生成する前述の特例については記載していない。
【0085】
情報作成手段30bは、IGMP Membership Reportメッセージを受信すると(図10のS21)、当該マルチキャストグループに対するルーティングテーブルを参照し、当該マルチキャストアドレスに対するルーティング情報が存在するか否かを判断する(S22)。ここで、ルーティング情報が存在しない場合、マルチキャストツリーを構築しマルチキャストルーティングテーブルを更新した(S23)後、新メンバー加入通知メッセージを作成し、マルチキャスト経路管理装置20に対して送信する(S26)。
【0086】
一方、S22で当該マルチキャストアドレスに対するルーティング情報が存在する場合には、当該マルチキャストグループに対するアドバンスグラフティングフィールドに情報が存在する(ビットが立っている)か否かを判断する(S24)。ここで、アドバンスグラフティングフィールドに情報が存在する場合には、マルチキャストルーティングテーブルの出力ポートに、IGMP Membership Reportメッセージを受信した通信インタフェースをその出力先として設定して、タイマ及びアドバンスグラフティングのフィールドをクリアし(S25)、そして、新メンバー加入通知メッセージを作成し、マルチキャスト経路管理装置20に対して送信する(S26)。なお、S24でアドバンスグラフティングフィールドに情報が存在する場合には、そのまま動作を終了する。
【0087】
[遠隔メンバーシップリポートメッセージを受信した時のアクセスルータ30の動作]
図11は、アクセスルータ30の情報作成手段30bが、遠隔メンバーシップリポートメッセージを受信した時のフローチャートを示す。
【0088】
情報作成手段30bは、遠隔メンバーシップリポートメッセージを受信すると(S11)、当該マルチキャストグループに対するルーティングテーブルを参照し、当該マルチキャストアドレスに対するルーティング情報が存在するか否かを判断する(S12)。ここで、ルーティング情報が存在しない場合には、アドバンスグラフティング処理(即ち、マルチキャストツリーの構築及びマルチキャストルーティングテーブルの更新)を実行する(S13)。
【0089】
上記実施形態によれば、データ中継装置であるアクセスルータ30とマルチキャスト配信経路管理装置20とが連携することにより、クライアント装置50が存在するアクセスルータ30の周りに予めマルチキャスト配信経路を作成しておくことが可能であり、クライアント50が基地局装置40を切り替えた場合にも、マルチキャスト配信されるデータのパケットロスを防止することができる。
【0090】
また、配下にクライアント装置50が存在する場合にのみマルチキャスト配信データを配信するデータ中継装置30を提供するため、有線と比較して通信コストの高い無線通信路に不必要なデータが流れることを防止することができる。
【0091】
[第2実施形態]
第2実施形態では、マルチキャスト経路管理装置20が各アクセスルータ30のマルチキャストルーティングテーブルを集中管理する実施形態について説明する。各アクセスルータ30は、その保持するマルチキャストルーティングテーブルをマルチキャスト経路管理装置20に対して送信しても良い。マルチキャスト経路管理装置20が各アクセスルータ30のマルチキャストルーティングテーブルを管理することにより以下の最適化が行える。
【0092】
各アクセスルータ30は、定期的に、もしくはマルチキャストルーティングテーブルが更新された際に、マルチキャスト経路管理装置20に対して送信する。
【0093】
マルチキャスト経路管理装置20の情報作成手段20bは、通信手段20aを経由してアクセスルータ30からのマルチキャストルーティングテーブルを受信すると、ルータ・基地局装置管理データベース20cに対して各アクセスルータ30のマルチキャストルーティングテーブルを保存する。
【0094】
マルチキャスト経路管理装置20の情報作成手段20bは、前記隣接アクセスルータリストを取得すると、それぞれのアクセスルータIDをキーにして、ルータ・基地局装置管理データベース20c内のマルチキャストルーティングテーブルを参照する。当該アクセスルータ30のルーティングテーブル中に、当該マルチキャストアドレスに関するルーティング情報が存在しているアクセスルータ30については、当該アクセスルータ30配下に当該マルチキャストグループのメンバーが既に存在するか、もしくは、既にアドバンスグラフティング処理済であるため、当該アクセスルータ30を隣接アクセスルータリストの項目から削除する。
【0095】
情報作成手段20bは、更新した隣接アクセスルータリストに登録されているアクセスルータ30に対して、前記手順と同様に遠隔メンバーシップリポートメッセージを作成し、当該アクセスルータ30に対して送信する。
【0096】
以上のようにマルチキャスト経路管理装置20において、各アクセスルータ30のマルチキャストルーティングテーブルを管理することにより、不必要な遠隔メンバーシップリポートメッセージを送信する必要がないため、それに伴う処理や通信の削減を図ることが出来る。
【0097】
[マルチキャスト経路管理装置20の情報作成手段20bの動作]
図12を用いて、マルチキャスト経路管理装置20の情報作成手段20bの動作を説明する。
【0098】
情報作成手段20bは、新メンバー加入通知メッセージを受信すると(S1)、ルータ配下基地局装置テーブルを参照し、アクセスルータ識別IDをキーにしてアクセスルータ配下基地局装置リストを取得する(S2)。次に、取得したアクセスルータ配下基地局装置リストに登録された基地局装置IDのそれぞれをキーにして隣接基地局装置テーブルを参照し隣接基地局装置リストを取得する(S3)。
【0099】
次に、取得した隣接基地局装置リストに登録された基地局装置IDのそれぞれをキーにしてルータ配下基地局装置テーブルを参照し、隣接アクセスルータリストを取得する(S4)。そして、マルチキャスト経路管理装置20が既に配下のアクセスルータ30のマルチキャストルーティングテーブルを保持し遠隔メンバーシップリポートメッセージ送信先の最適化を行うか否かを判断する(S5)。ここで、最適化を行う場合には、各アクセスルータのルーティングテーブルを参照し、ルーティング情報が既に登録されているアクセスルータをアクセスルータリストから削除する(S6)。
【0100】
その後、アクセスルータリストに項目が存在する(即ち、遠隔メンバーシップリポートメッセージ送信先が存在する)か否かを判断する(S7)。ここで、アクセスルータリストに項目が存在しなければ、そのまま処理を終了するが、項目が存在する場合には、遠隔メンバーシップリポートメッセージを作成し(S8)、アクセスルータリストに登録されているアクセスルータに対して遠隔メンバーシップリポートメッセージを送信する(S9)。
【0101】
以上のような、マルチキャスト経路管理装置20が各アクセスルータ30のマルチキャストルーティングテーブルを集中管理する実施形態についても、データ中継装置であるアクセスルータ30とマルチキャスト配信経路管理装置20とが連携することにより、クライアント装置50が存在するアクセスルータ30の周りに予めマルチキャスト配信経路を作成しておくことが可能であり、クライアント50が基地局装置40を切り替えた場合にも、マルチキャスト配信されるデータのパケットロスを防止することができる。
【0102】
[第3実施形態]
第3実施形態では、マルチキャスト経路管理装置20を使用しない実施形態について説明する。即ち、図1において、マルチキャスト配信経路管理システム10には、マルチキャスト経路管理装置20が存在せず、マルチキャスト経路管理装置20の機能をデータ中継装置30が果たす。
【0103】
[下位のデータ中継装置であるアクセスルータ30の動作手順]
アクセスルータ30の動作手順は、図10のS21、S22、S23、S26と同様である。即ち、アクセスルータ30の通信手段30aは、クライアント50から送信されたIGMP Membership Reportメッセージを受信すると(S21)、受信したIGMP Membership Reportメッセージを情報作成手段30bに対して渡す。情報作成手段30bは、マルチキャスト管理データベース30c内に保存されているマルチキャストルーティングテーブルを参照し、当該マルチキャストアドレスに関するルーティング情報が存在するか否かを確認する(S22)。
【0104】
確認の結果、当該マルチキャストアドレスに関するルーティング情報が登録されていない場合には、当該マルチキャストグループに最初のメンバーとなるため、以下のS23の処理を行う。まず、マルチキャストツリーの構築を行う。このマルチキャストツリーの構築には、先述したDVMRP、MOSPF、PIM−DM、PIM−SM、BGMP等のマルチキャスト経路制御プロトコルが用いられる。
【0105】
情報作成手段30bは、マルチキャスト経路プロトコルによるマルチキャストツリーの構築が完了すると、マルチキャスト管理データベース30c内のマルチキャストルーティングテーブル中に当該マルチキャスト配信に関する情報を登録する。その後アクセスルータ30に到達したマルチキャストデータは、マルチキャストルーティングテーブルに従って転送されることになる。以上のアクセスルータ30の動作は、IGMP Membership Reportを受信したときの通常の動作である。
【0106】
情報作成手段30bは、S26で以下の手順に従い新メンバー加入通知メッセージを生成する。新メンバー加入通知メッセージは、図4に示すように、メッセージタイプ、マルチキャストグループ識別情報、アクセスルータ識別IDをその主な情報要素とする。メッセージタイプは、新メンバー加入通知メッセージであることを示す。マルチキャストグループ識別情報は、マルチキャストグループを一意に識別することができる情報のことを示し、例えば、マルチキャストアドレスや、SDPで示されるセッションID等が含まれる。アクセスルータ識別IDは、アクセスルータ30を一意に識別することが出来るIDである。新メンバー加入通知メッセージは、IPパケットにより構成される場合には、IPアドレス等のIPパケットを構成するための必要な情報をその先頭に含む。その際には、アクセスルータ識別IDとしてアクセスルータ30のIPアドレスを用いることが可能であり、その際にはアクセスルータ識別IDは必ずしも必要ではない。また、新メンバー加入通知メッセージには、本メッセージを作成した時刻を示すタイムスタンプなど、その他の情報を追加しても良い。
【0107】
さらに、S26では、情報作成手段30bは、新メンバー加入通知メッセージを作成すると、通信手段30aを通じて当該マルチキャストグループ向けデータを送信してくる上位のデータ中継装置30に対して送信して処理を終了する。
【0108】
[上位のデータ中継装置30の動作手順]
一方、アクセスルータ30に対し上位に位置するデータ中継装置(上位のデータ中継装置)30は、マルチキャストパケットの送信元IPアドレスをキーにして、ユニキャストのルーティングテーブルを参照し、当該IPアドレス向けにユニキャストパケットを送信する場合に使用する通信インタフェースと同じ通信インタフェースに対して新メンバー加入通知メッセージを送信する。これにより、アクセスルータ30の上位のデータ中継装置30に対して新メンバー加入通知メッセージが送信される。
【0109】
ここで、上位のデータ中継装置30の動作手順を説明する。データ中継装置30の通信手段30aは、アクセスルータ30から送信された新メンバー加入通知メッセージを受信すると、情報作成手段30bに対して渡す。なお、新メンバー加入通知メッセージを受信した通信手段30aは、そのメッセージが到達したことを通信相手に知らせるため、確認応答メッセージを作成して送信しても良い。こうすることにより、メッセージが無事に到達したことを通信相手が知ることが出来る。
【0110】
情報作成手段30bは、遠隔メンバーシップリポートメッセージを送出すべき通信インタフェースを以下の手順により調査する。情報作成手段30bは、最初に自身の通信インタフェースの全てのリストを作成する。その作成したリストを「通信インタフェースリスト」と呼ぶ。この通信インタフェースリストから、遠隔メンバーシップリポートメッセージを送出する必要のない以下に該当する通信インタフェースを、前記通信インタフェースリストから除外する。
【0111】
第一は、新メンバー加入通知メッセージに含まれるマルチキャストグループについて、マルチキャストデータパケットを受信する通信インタフェースであり、第二は、マルチキャストルーティングテーブル中に記載されるマルチキャストパケットを送出している通信インタフェースである。なぜなら、以上の2つのインタフェースには、その通信インタフェースの先には既にマルチキャストパケットが流れているからである。
【0112】
なお、もう1つの通信インタフェースリストの作成方法として、データ中継装置30は、予めアクセスルータ30が存在する通信インタフェースを把握しておき、その通信インタフェースのうち、マルチキャストルーティングテーブル中に記載されたマルチキャストパケットを送出している通信インタフェースを、通信インタフェースから除外し、除外後の通信インタフェースを通信インタフェースリストとしても良い。
【0113】
以上の操作の結果、通信インタフェースリストが空でなければ、即ち、新メンバー加入通知メッセージを送信すべき先が存在する場合には、遠隔メンバーシップリポートメッセージを作成する。
【0114】
遠隔メンバーシップリポートメッセージは第1実施形態と同様であり、それを受信したアクセスルータ30の動作についても第1実施形態と同様であるため、説明は省略する。
【0115】
以上のような、マルチキャスト経路管理装置20が存在しない実施形態についても、上位のデータ中継装置と下位のデータ中継装置(アクセスルータ)とが連携することにより、クライアント装置50が存在するアクセスルータ30の周りに予めマルチキャスト配信経路を作成しておくことが可能であり、クライアント50が基地局装置40を切り替えた場合にも、マルチキャスト配信されるデータのパケットロスを防止することができる。
【0116】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、クライアント装置から加入要求を受信したデータ中継装置と構築指示を受信した他のデータ中継装置とが連携することにより、又は、データ中継装置、配信経路管理装置、及び構築指示を受信した隣接データ中継装置が連携することにより、特にクライアント装置に機能追加を行う必要なく、前者のデータ中継装置(加入要求を受信したデータ中継装置)の周りに予めマルチキャスト配信経路を作成しておくことができる。このため、クライアント装置が基地局装置を切り替えた場合にも、通信コスト増加を伴うことなく、マルチキャスト配信されるデータのパケットロスを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マルチキャスト配信経路管理システムの構成図である。
【図2】アクセスルータの機能ブロック図である。
【図3】マルチキャストルーティングテーブルの例を示す図である。
【図4】新メンバー加入通知メッセージの例を示す図である。
【図5】マルチキャスト経路管理装置の機能ブロック図である。
【図6】ルータ配下基地局装置テーブルの例を示す図である。
【図7】隣接基地局装置テーブルの例を示す図である。
【図8】遠隔メンバーシップリポートメッセージの例を示す図である。
【図9】アドバンスグラフティング処理終了後のマルチキャストルーティングテーブルの例を示す図である。
【図10】アクセスルータがIGMP Membership Reportメッセージを受信した時の処理を示すフローチャートである。
【図11】アクセスルータが遠隔メンバーシップリポートメッセージを受信した時の処理を示すフローチャートである。
【図12】マルチキャスト経路管理装置における処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…マルチキャスト配信経路管理システム、20…マルチキャスト経路管理装置、20a…通信手段、20b…情報作成手段、20c…ルータ・基地局装置管理データベース、30…データ中継装置、30a…通信手段、30b…情報作成手段、30c…マルチキャスト管理データベース、40…基地局装置、50…クライアント装置、60…ネットワーク。
Claims (15)
- 自装置の配下にある所定のマルチキャストグループに属するクライアント装置に、配下にある基地局装置経由でマルチキャストデータを中継するデータ中継装置であって、
所定のマルチキャストグループへの加入要求をクライアント装置から受信する加入要求受信手段と、
前記加入要求を受信した場合に、自装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成する第1のリスト生成手段と、
前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する第2のリスト生成手段と、
前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成する第3のリスト生成手段と、
前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示するマルチキャストツリー構築指示手段と、
他のデータ中継装置から受信した構築指示情報に含まれるマルチキャストグループに対するマルチキャストツリーを構築する構築手段と、
前記構築指示情報に含まれる情報をもって、自装置が管理するルーティングテーブルを更新するテーブル更新手段と、
を有するデータ中継装置。 - クライアント装置から所定のマルチキャストグループへの加入要求を受信した場合に、当該クライアント装置のマルチキャストアドレスに関するルーティング情報が、前記ルーティングテーブルに存在するか否かを判断する加入判断手段と、
前記ルーティング情報が存在しない場合に、当該マルチキャストグループにクライアントが新たに加入したことを前記隣接データ中継装置に通知する第1の加入情報通知手段と、
をさらに有する請求項1記載のデータ中継装置。 - 前記ルーティングテーブルを予め定められた時間間隔で参照し、ルーティング情報が当該ルーティングテーブル内に存在するマルチキャストグループに関して、新たなクライアント装置が存在することを前記隣接データ中継装置に通知する第2の加入情報通知手段をさらに有する請求項1又は2に記載のデータ中継装置。
- 前記第2の加入情報通知手段が、前記クライアント装置が存在することを、隣接データ中継装置に通知した際に、当該通知に対する応答として得たタイマ情報から、当該タイマ値が満了しない範囲で予め決まったルールに基づき設定されたタイミングで、前記ルーティングテーブルを参照し、当該マルチキャストグループに関するクライアント装置の情報が残っていた場合に、クライアント装置が未だ存在することを、前記隣接データ中継装置に通知する第3の加入情報通知手段をさらに有する請求項3記載のデータ中継装置。
- 自装置の配下にマルチキャストグループに関するクライアント装置が存在しない場合は、配下のクライアント装置へのマルチキャストパケットの転送を回避するよう制御する転送回避手段をさらに有する請求項1〜4の何れか1項に記載のデータ中継装置。
- 前記マルチキャストツリー構築指示手段は、前記マルチキャストツリーの構築指示情報にタイマ情報を含めて指示し、
前記構築手段は、他のデータ中継装置から受信した構築指示情報に含まれたタイマ情報に基づいて、当該タイマが有効な期間のみマルチキャストツリーを構築する、
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のデータ中継装置。 - 自装置の配下にある所定のマルチキャストグループに属するクライアント装置に、配下にある基地局装置経由でマルチキャストデータを中継するデータ中継装置、に接続された基地局装置情報と、当該基地局装置に隣接する隣接基地局装置情報とを保持する配信経路管理装置であって、
クライアント装置が所定のマルチキャストグループに加入したことをデータ中継装置から受信する加入情報受信手段と、
前記加入情報を受信した場合に、前記データ中継装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成する第1のリスト生成手段と、
前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する第2のリスト生成手段と、
前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成する第3のリスト生成手段と、
前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示するマルチキャストツリー構築指示手段と、
を有する配信経路管理装置。 - 前記マルチキャストツリー構築指示手段は、前記マルチキャストツリーの構築指示情報にタイマ情報を含めて指示することを特徴とする請求項7記載の配信経路管理装置。
- 各データ中継装置から送信されてくるルーティングテーブルを受信するテーブル受信手段と、
受信された各データ中継装置のルーティングテーブルを記憶し管理するテーブル管理手段と、
をさらに有する請求項7又は8に記載の配信経路管理装置。 - 自装置の配下にある所定のマルチキャストグループに属するクライアント装置に、配下にある基地局装置経由でマルチキャストデータを中継する複数のデータ中継装置と、前記データ中継装置により中継されたマルチキャストデータを受信するクライアント装置とを含んで構成された配信経路管理システムであって、
前記データ中継装置の各々は、
所定のマルチキャストグループへの加入要求をクライアント装置から受信する加入要求受信手段と、
前記加入要求を受信した場合に、自装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成する第1のリスト生成手段と、
前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する第2のリスト生成手段と、
前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成する第3のリスト生成手段と、
前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示するマルチキャストツリー構築指示手段と、
他のデータ中継装置から受信した構築指示情報に含まれるマルチキャストグループに対するマルチキャストツリーを構築する構築手段と、
前記構築指示情報に含まれる情報をもって、自装置が管理するルーティングテーブルを更新するテーブル更新手段と、
を有することを特徴とする配信経路管理システム。 - 自装置の配下にある所定のマルチキャストグループに属するクライアント装置に、配下にある基地局装置経由でマルチキャストデータを中継する複数のデータ中継装置と、前記データ中継装置により中継されたマルチキャストデータを受信するクライアント装置と、前記データ中継装置に接続された基地局装置情報と当該基地局装置に隣接する隣接基地局装置情報とを保持する配信経路管理装置とを含んで構成された配信経路管理システムであって、
前記データ中継装置は、
所定のマルチキャストグループへの加入要求をクライアント装置から受信する加入要求受信手段と、
前記加入要求を受信した場合に、所定のマルチキャストグループにクライアント装置が加入したことを前記配信経路管理装置に通知する加入情報通知手段と、
前記配信経路管理装置から受信した構築指示情報に含まれるマルチキャストグループに対するマルチキャストツリーを構築する構築手段と、
前記構築指示情報に含まれる情報をもって、自装置が管理するルーティングテーブルを更新するテーブル更新手段とを有し、
前記マルチキャスト配信管理装置は、
クライアント装置が所定のマルチキャストグループに加入したことをデータ中継装置から受信する加入情報受信手段と、
前記加入情報を受信した場合に、前記データ中継装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成する第1のリスト生成手段と、
前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する第2のリスト生成手段と、
前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成する第3のリスト生成手段と、
前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示するマルチキャストツリー構築指示手段とを有することを特徴とする配信経路管理システム。 - 自装置の配下にある所定のマルチキャストグループに属するクライアント装置に、配下にある基地局装置経由でマルチキャストデータを中継するデータ中継装置、における配信経路管理方法であって、
所定のマルチキャストグループへの加入要求をクライアント装置から受信する加入要求受信ステップと、
前記加入要求を受信した場合に、自装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成する第1のリスト生成ステップと、
当該データ中継装置が、前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する第2のリスト生成ステップと、
当該データ中継装置が、前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成する第3のリスト生成ステップと、
当該データ中継装置が、前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示するマルチキャストツリー構築指示ステップと、
構築指示情報を受信した隣接データ中継装置が、当該構築指示情報に含まれるマルチキャストグループに対するマルチキャストツリーを構築する構築ステップと、
隣接データ中継装置が、前記構築指示情報に含まれる情報をもって、当該隣接データ中継装置が管理するルーティングテーブルを更新するテーブル更新ステップと、
を有する配信経路管理方法。 - 自装置の配下にある所定のマルチキャストグループに属するクライアント装置に、配下にある基地局装置経由でマルチキャストデータを中継するデータ中継装置、に接続された基地局装置情報と、当該基地局装置に隣接する隣接基地局装置情報とを保持する配信経路管理装置、における配信経路管理方法であって、
クライアント装置が所定のマルチキャストグループに加入したことをデータ中継装置から受信する加入情報受信ステップと、
前記加入情報を受信した場合に、当該データ中継装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成する第1のリスト生成ステップと、
前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する第2のリスト生成ステップと、
前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成する第3のリスト生成ステップと、
前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示するマルチキャストツリー構築指示ステップと、
を有する配信経路管理方法。 - 自装置の配下にある所定のマルチキャストグループに属するクライアント装置に、配下にある基地局装置経由でマルチキャストデータを中継する複数のデータ中継装置と、前記データ中継装置により中継されたマルチキャストデータを受信するクライアント装置とを含んで構成された配信経路管理システム、における配信経路管理方法であって、
あるデータ中継装置が、所定のマルチキャストグループへの加入要求をクライアント装置から受信する加入要求受信ステップと、
当該データ中継装置が、前記加入要求を受信した場合に、自装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成する第1のリスト生成ステップと、
当該データ中継装置が、前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する第2のリスト生成ステップと、
当該データ中継装置が、前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成する第3のリスト生成ステップと、
当該データ中継装置が、前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示するマルチキャストツリー構築指示ステップと、
構築指示情報を受信した隣接データ中継装置が、当該構築指示情報に含まれるマルチキャストグループに対するマルチキャストツリーを構築する構築ステップと、
隣接データ中継装置が、前記構築指示情報に含まれる情報をもって、当該隣接データ中継装置が管理するルーティングテーブルを更新するテーブル更新ステップと、
を有する配信経路管理方法。 - 自装置の配下にある所定のマルチキャストグループに属するクライアント装置に、配下にある基地局装置経由でマルチキャストデータを中継する複数のデータ中継装置と、前記データ中継装置により中継されたマルチキャストデータを受信するクライアント装置と、前記データ中継装置に接続された基地局装置情報と当該基地局装置に隣接する隣接基地局装置情報とを保持する配信経路管理装置とを含んで構成された配信経路管理システム、における配信経路管理方法であって、
あるデータ中継装置が、所定のマルチキャストグループにクライアント装置が加入したことを前記配信経路管理装置に通知する加入情報通知ステップと、
前記通知を受けた配信経路管理装置が、当該データ中継装置の配下にある配下基地局装置に関する配下基地局装置リストを生成する第1のリスト生成ステップと、
当該配信経路管理装置が、前記生成した配下基地局装置リストの配下基地局装置のそれぞれに隣接する隣接基地局装置に関する隣接基地局装置リストを生成する第2のリスト生成ステップと、
当該配信経路管理装置が、前記生成した隣接基地局装置リストの隣接基地局装置のそれぞれをマルチキャストデータの転送先とする隣接データ中継装置に関する隣接データ中継装置リストを生成する第3のリスト生成ステップと、
当該配信経路管理装置が、前記生成した隣接データ中継装置リストの隣接データ中継装置のそれぞれに対して、前記マルチキャストグループに関するマルチキャストツリーを構築することを指示するマルチキャストツリー構築指示ステップと、
構築指示情報を受信した隣接データ中継装置が、当該構築指示情報に含まれるマルチキャストグループに対するマルチキャストツリーを構築する構築ステップと、
隣接データ中継装置が、前記構築指示情報に含まれる情報をもって、当該隣接データ中継装置が管理するルーティングテーブルを更新するテーブル更新ステップと、
を有する配信経路管理方法。
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