WO2006097985A1

WO2006097985A1 - 粉砕機

Info

Publication number: WO2006097985A1
Application number: PCT/JP2005/004425
Authority: WO
Inventors: Masanori Shimizu
Original assignee: Takeuchi Mfg. Co., Ltd.
Priority date: 2005-03-14
Filing date: 2005-03-14
Publication date: 2006-09-21
Also published as: US7121486B1; EP1724024A1; JPWO2006097985A1; JP3919126B2; CN1764520A; US20060243835A1; CN100348392C; DE602005004015T2; EP1724024B1; EP1724024A4; DE602005004015D1

Abstract

　蒸解処理済みの木片チップ等を細かく粉砕する粉砕機を提供する。　蒸解処理済みの木片チップ等の粉砕原料をハウジング内に搬入して、その粉砕原料を、ハウジング内上端に収容された固定板に付設された固定刃と、ハウジング内で回転する回転板に付設された回転刃との間に挟み込んで、鉋の原理を利用して、その固定刃と回転刃とにより細かく粉砕する。粉砕した粉砕物は、固定板のほぼ中央に設けられた貫通穴内で回転するガイド羽根車からその周囲に発生する空気流に乗せて、前方に傾斜させたハウジング側壁前部の搬出口からハウジング外部に強制排出する。

Description

明細書

粉石權

技術分野

[0001] 本発明は、蒸解処理された木片チップ、草木伐採片、雑草等を粉状又はそれに近 V、状態まで粉砕するための粉砕機に関する。

背景技術

[0002] 街路樹等から伐採された伐採草木、ゴルフ場から刈り取られた芝草等を焼却処分した場合には、近時のダイォキシン排出規制上から、複雑で大掛かりな焼却装置を必要とし、コストが嵩む難点がある。

そのため、近時は、それらの伐採草木、芝草等を粉状又はそれに近い状態まで粉砕して、農業肥料として有効利用する方法、土の代用物として有効利用する方法等が提案されている。

木片チップ、草木伐採片、雑草等を粉状又はそれに近い状態まで粉砕するための粉砕機としては、日本国特開平 07— 223208号公報記載のものなどがある。

特許文献 1：特開平 07— 223208号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0003] し力しながら、従来の上記粉砕機は、粉砕刃を持つ 2本の粉砕ロールを嚙み合わせた複雑な構造をしていて、その操作及びメンテナンスが面倒であると共に、高価であるため、一般に広く普及するまでに至っていない。

[0004] そこで、本発明者は、草木伐採片、雑草などは、そのままの状態で、粉砕機に直接に入れて粉砕した場合には、その木片チップ、草木伐採片、雑草に多量に含まれるセルロース繊維やリグニンが邪魔をして、その木片チップ、草木伐採片、雑草を粉状又はそれに近い状態まで粉砕することが、困難であることに鑑み、従来汎用されている蒸解技術を用いて、その木片チップ、草木伐採片、雑草に多量に含まれるセル口ース繊維やリグニンを柔らかくほぐした後、その蒸解処理済みの木片チップ、草木伐採片、雑草を粉砕すれば、その木片チップ、草木伐採片、雑草を粉状又はそれに近い状態まで容易かつ確実に細力べ粉砕できることに想到し、そのための粉砕機を開発した。

ここで、蒸解処理とは、日本国特開 2002-146690号公報等に記載されたように、例えば、木片チップを蒸解釜内に入れて、約 20気圧の高圧、約 200°Cの高温で、連続蒸煮処理することをいう。

[0005] 即ち、本発明は、主として、セルロース繊維やリグニンを多く含む蒸解処理済みの木片チップ、草木伐採片、雑草等を、粉状又はそれに近い状態まで細力べ粉砕するための、粉砕機を提供することを目的としている。

課題を解決するための手段

[0006] このような目的を達成するために、本発明の粉砕機は、有底筒状のハウジングと、該ハウジングの上端開口部を塞ぐ蓋体と、該蓋体裏面に密着させた状態でハウジング内上端に収容された固定板と、該固定板下方のハウジング内上部に固定板と重なり合うように収容された回転板と、該回転板をハウジング内でハウジングの軸心回りに回転自在に支持する回転軸であって、その先端を前記固定板のほぼ中央に設けられた貫通穴内に突出させた回転軸と、該回転軸を所定方向に回転させる回転手段と、前記貫通穴周囲の固定板に貫通穴と連通させてほぼ放射状に透設された複数のガイド長穴と、前記回転軸先端に取着された貫通穴内で回転軸と共に回転するガイド羽根車と、前記固定板下方に重なり合う回転板表面部分に回転板を上下に貫いて所定ピッチで並べて設けられた複数の小孔と、前記回転手段により回転板を回転させる側に位置する固定板の複数の各ガイド長穴の一方の側縁に沿って回転板を回転させる方向とは逆方向に傾斜させて起立させて付設された固定刃であって、その刃先を回転板表面に接近させた状態とした固定刃と、該固定刃が通過する経路と重なり合う前記回転板表面部分に固定刃の配置状態に倣って回転板を回転させる方向に傾斜させてほぼ放射状に起立させて付設された複数の回転刃であって、その刃先を前記固定刃の刃先と衝突しない程度に固定板裏面に接近させた状態とした回転刃と、前記回転板表面部分に並ぶ複数の小孔を通してハウジング内の下部空間に落下した粉砕物をハウジング外部に搬出するための、ハウジングの側壁前部に設けられた搬出口と、該搬出口が設けられたハウジング側壁前部が斜め下方を向くようにハウジングを前方に傾斜させて地上又は建物の床面上に支持する支持手段と、前記蓋体のほぼ中央に開口された粉砕原料の搬入口であって、粉砕原料を蓋体を通して前記固定板の貫通穴内に搬入するための搬入口とが備えられたことを特徴としている。

このような構成の粉砕機にぉ、ては、ハウジングの上端開口部を塞ぐ蓋体のほぼ中央に開口された粉砕原料の搬入口から、蒸解処理済みの木片チップ、草木伐採片、雑草等の粉碎原料を、蓋体を通してハウジング内上端に収容された固定板のほぼ中央に設けられた貫通穴内に搬入できる。

それと共に、回転手段により回転軸を所定方向に回転させて、回転板及び回転軸先端に取着されたガイド羽根車を回転軸と共に所定方向に回転させることができる。そして、固定板のほぼ中央の貫通穴内に搬入された粉砕原料を、その貫通穴内で回転中のガイド羽根車の羽根板及びガイド羽根車からその周囲に向けて発生する空気流の風圧により、ガイド羽根車が嵌入された貫通穴に連なる貫通穴周囲の固定板にほぼ放射状に設けられた複数のガイド長穴のそれぞれに圧送できる。

次いで、その固定板の複数のガイド長穴のそれぞれに圧送された粉砕原料を、固定板下方に重なり合って所定方向に回転する回転板の、ガイド長穴内底部に覼く回転板表面部分に搭載した状態で、その回転する回転板の回転方向に移送できる。そして、その回転板の回転方向に移送中の粉砕原料を、回転板を回転させる側に位置する固定板のガイド長穴の一方の側縁に沿ってその刃先を回転板表面に接近させた状態で回転板を回転させる方向とは逆方向に傾斜させて起立させて付設された固定刃と、その刃先を固定板裏面に接近させた状態で回転板を回転させる方向に傾斜させて回転板に付設された回転板と共に回転する回転刃との間に挟み込んで、鉋の原理を応用して、その固定刃と回転刃との刃先により細かく粉砕できる。その際には、回転板表面部分に搭載されて、回転板の回転方向に移送中の粉砕原料力粉砕されずに、回転板表面とそれに対向する固定板裏面との間の隙間に潜り込むのを、固定刃と回転刃とにより防ぐことができる。

固定刃と回転刃とにより細カゝく粉砕された粉砕物は、回転中のガイド羽根車からその周囲に向けて発生する空気流の風圧により、回転板に並べて設けられた複数の各小孔を通して、回転板下方のハウジング内の下部空間に強制的に落下させることができる。

ノ、ウジング内の下部空間に落下させた粉砕物は、支持手段によりハウジングをその搬出口が設けられたハウジング側壁前部が斜め下方を向くように前方に傾斜させて地上又は建物の床面上に支持しているために、その粉砕物に加わる重力と、回転中のガイド羽根車からその周囲に向けて発生して、固定板の貫通穴及びガイド長穴、回転板の小孔を通して、ハウジング内の下部空間に流入する空気流の風圧とを利用して、ハウジングの側壁前部に開口された搬出口方向に強制的に移送できる。そして、そのハウジング内の下部空間に落下した粉砕物を、ハウジング側壁前部の搬出ロカ、回転中のガイド羽根車からその周囲に向けて発生してハウジング内の下部空間に流入する空気流の風圧を利用して、その空気流に乗せて、ハウジング外部に強制的に搬出できる。

[0008] 本発明の粉砕機においては、前記固定刃の刃先と回転板表面との間の距離を大小に調整する固定刃調整手段と、前記回転刃の刃先と固定板裏面との間の距離を大小に調整する回転刃調整手段とが備えられた構造とすると良い。

[0009] そうした場合には、その固定刃の刃先と回転する回転刃の刃先との間の上下方向の距離を、その固定刃の刃先と回転する回転刃の刃先との間に挟み込んで粉砕する木片チップ等の粉砕原料の大きさに合わせたり、回転板表面に並べて設けられた小孔の径以下の、得ようとする粉砕物の大きさに合わせたりできる。そして、粉砕原料を、所望径以下の粉砕物に容易かつ的確に粉砕できる。

[0010] 本発明の粉砕機においては、前記回転板が、その表面部分に並べて設けられた複数の小孔の径が異なる他の回転板と交換可能にハウジング内上部に収容された構造とすると良い。

[0011] そうした場合には、ハウジング内上部に収容された回転板を、粉砕原料の大きさや

、その粉砕原料を粉砕して得ようとする粉砕物の大きさに合った径の小孔を表面部分に並べて持つ他の回転板に自在に交換できる。そして、その回転板の表面部分に並べて設けられた所望径の複数の小孔を通して、ハウジング内の下部空間に、得ようとする大きさ以下の粉砕物を的確に選択して落下させることができる。 [0012] 本発明の粉砕機においては、前記回転手段に、前記回転軸の回転速度を調整する回転数調整手段が備えられた構造とすると良い。

[0013] そうした場合には、回転手段により回転させる回転板及びガイド羽根車の回転速度を、回転数調整手段を用いて、固定刃の刃先と回転する回転刃の刃先との間に挟み込んで粉砕する木片チップ等の粉砕原料の大きさや、回転板表面に並べて設けられた小孔の径の大小に合わせて、大小に調整できる。そして、その木片チップ等の粉砕原料を、所望の粒径以下に容易かつ確実に粉砕できる。それと共に、粉砕原料を粉砕する回転刃が付設された回転板等を回転させる回転手段に過度の負荷が加わるのを、防ぐことができる。

発明の効果

[0014] 本発明の粉砕機は、構造が簡単で製造容易な簡便な機構を用いて、セルロース繊維やリグニンを多く含む蒸解処理済みの木片チップ、草木伐採片、雑草等を、粉状又はそれに近、状態まで容易かつ確実に細力べ粉砕できる利点を有して、る。図面の簡単な説明

[0015] [図 1]図 1は粉砕機の概略構成図である。

[図 2]図 2は固定板下方に回転板が重なり合った状態の平面図である。

[図 3]図 3は固定板の平面図である。

[図 4]図 4は回転板の平面図である。

[図 5]図 5はガイド羽根車周辺の正面図である。

[図 6]図 6はガイド羽根車の平面図である。

[図 7]図 7は粉砕機の固定刃と回転刃との取り付け構造説明図である。

符号の説明

[0016] 10 ハウジング

12 蓋体

20 固定板

22 貫通穴

24 ガイド長穴

30 回転板 32 小孔

40 回転軸

50 ガイド羽根車

60 回転手段

62 回転数調整手段

70 固定刃

72 固定刃調整手段

80 回転刃

82 回転刃調整手段

90 粉砕物の搬出口

100 支持手段

110 粉砕原料の搬入口

120 ホッパー

200 粉砕原料

220 粉砕物

発明を実施するための最良の形態

[0017] 図 1ないし図 7は本発明の粉砕機の好適な実施の形態を示している。以下に、この粉砕機を説明する。

[0018] この粉砕機は、図 1に示したように、円筒体底部が底板 11で封じられた有底筒状のハウジング 10を備えていて、そのハウジング 10の上端開口部力蓋体 12により封じられている。

ハウジング 10内上端には、図 3に示したような、ほぼ円板状をした厚手の固定板 20 力蓋体 12裏面に密着させた状態で収容されている。

固定板 20下方のハウジング 10内上部には、図 4に示したような、ほぼ円板状をした回転板 30が、固定板 20に重なり合うように収容されて、る。

ハウジング 10内のほぼ中央には、回転軸 40が、ハウジングの底板 11を貫いて、ノヽウジング 10内の軸心に沿って突出している。

回転軸 40中途部周囲には、回転板 30が取着されていて、回転板 30が、回転軸 40 と共に、ハウジング 10内でノヽウジング 10の軸心回りに回転する構造をしている。回転軸 40先端は、図 2に示したように、固定板 20のほぼ中央に設けられた貫通穴 22内に突出させている。

貫通穴 22内に突出させた回転軸 40先端には、図 5と図 6に示したような、複数枚の羽根板 52をほぼ放射状に突出させた構造のガイド羽根車 50が取着されていて、そのガイド羽根車 50が貫通穴 22内で回転軸 40と共に回転する構造をしている。

ノ、ウジングの底板 11外側には、回転軸 40を所定方向に回転させる回転手段 60が備えられている。回転手段 60には、電動モータが用いられている。

貫通穴 22周囲の固定板 20には、図 2と図 3に示したように、複数のガイド長穴 24が、貫通穴 22と連通させてほぼ放射状に固定板 20を上下に貫、て透設されて！/、る。固定板 20下方に重なり合う回転板 30表面部分には、図 4に示したように、複数の小孔 32が、回転板 30を上下に貫いてほぼ放射帯状に所定ピッチで並べて設けられている。

回転手段 60により回転板 30を回転させる側に位置する固定板の複数の各ガイド長穴 24の一方の側縁に沿っては、図 3と図 7に示したように、帯板状をした固定刃 70 力回転板 30を回転させる方向（図 7の矢印方向）とは逆方向に傾斜させて、起立させて付設されている。固定刃 70は、その刃先を、回転板 30表面に接近させた状態としている。

固定刃 70が通過する経路と重なり合う回転板 30表面部分には、図 4と図 7に示したように、固定刃 70の配置状態に倣って、帯板状をした複数の回転刃 80が、回転板 3 0を回転させる方向に傾斜させて、ほぼ放射状に起立させて付設されている。回転刃 80は、その刃先を、固定刃 70の刃先と衝突しない程度に固定板 20裏面に接近させた状態としている。回転刃 80は、図 4に示したように、複数の小孔 32がほぼ放射帯状に並んだ箇所の間の回転板 30部分に回転板 30を上下に貫いて付設されている。ノ、ウジング 10の側壁前部には、回転板 30表面部分に並ぶ複数の小孔 32を通してハウジング 10内の下部空間に落下した粉砕物 220をノ、ウジング 10外部に搬出するための搬出口 90が設けられて!/、る。

ノ、ウジング 10は、図 1に示したように、回転手段 60と共に、支持手段 100に取着されている。そして、その支持手段 100により、ハウジング 10が、その搬出口 90が設けられたハウジング 10側壁前部が斜め下方を向くように、前方に傾斜させて地上又は建物の床面上に支持されている。支持手段 100は、水平保持機構を持つ台車と、該台車上方に起立するアーム等力構成されて、る。

蓋体 12のほぼ中央には、図 1に示したように、粉砕原料の搬入口 110が開口されている。そして、その搬入口 110を通して、木片チップ等の粉砕原料 200を、蓋体 12 を通して蓋体 12裏面に密着させて備えられた固定板の貫通穴 22内に搬入できる構造をしている。

図 1ないし図 7に示した粉砕機は、以上のように構成されている。

この粉砕機の使用に際しては、図 1に示したように、ハウジング 10の上端開口部を塞ぐ蓋体 12のほぼ中央に開口された粉砕原料の搬入口 110から、蒸解処理済みの木片チップ、草木伐採片、雑草等の粉砕原料 200を、蓋体 12を通して、蓋体 12裏面に密着させた状態でハウジング 10内上端に収容された固定板 20のほぼ中央に設けられた貫通穴 22内に搬入する。その際には、図 1に示したように、粉砕原料の搬入口 110に、ホッパー 120を備えて、搬入口 110に粉砕原料を漏れ無く円滑に搬入可能とすると良い。

それと共に、回転手段 60により回転軸 40を所定方向に回転させて、回転板 30及び回転軸 40先端に取着されたガイド羽根車 50を回転軸 40と共に所定方向に回転させる。そして、固定板 20のほぼ中央の貫通穴 22内に搬入された粉砕原料 200を、その貫通穴 22内で回転中のガイド羽根車の羽根板 52及びガイド羽根車 50からその周囲に向けて発生する空気流の風圧により、ガイド羽根車 50が嵌入された貫通穴 22 に連なる貫通穴周囲の固定板 20にほぼ放射状に設けられた複数のガイド長穴 24のそれぞれに圧送する。

次いで、その固定板の複数のガイド長穴 24のそれぞれに圧送された粉砕原料 200 を、固定板 20下方に重なり合って所定方向に回転する回転板 30の、ガイド長穴 24 内底部に覼く回転板 30表面部分に搭載した状態で、その回転する回転板 30と共に、回転板 30の回転方向に移送する。そして、図 7に示したように、その回転板 30の回転方向に移送中の粉砕原料 200を、回転板 30を回転させる側に位置する固定板のガイド長穴 24の一方の側縁に沿ってその刃先を回転板 30表面に接近させた状態で回転板 30を回転させる方向とは逆方向に傾斜させて起立させて付設された固定刃 7 0と、その刃先を固定板 20裏面に接近させた状態で回転板 30を回転させる方向に傾斜させて回転板 30に付設された回転板 30と共に回転する回転刃 80との間に挟み込んで、鉋の原理を応用して、その固定刃 70と回転刃 80との刃先により細力べ粉砕する。その際には、回転板 30表面部分に搭載されて、回転板 30の回転方向に移送中の粉砕原料 200が、細かく粉砕されずに、回転板 30表面とそれに対向する固定板 20裏面との間の隙間に潜り込むのを、固定刃 70と回転刃 80とにより防ぐ。

固定刃 70と回転刃 80とにより細力べ粉砕された粉砕物 220は、図 1に示したように、回転中のガイド羽根 50からその周囲に向けて発生する空気流の風圧により、回転板 30に並べて設けられた複数の各小孔 32を通して、回転板 30下方のハウジング 10内の下部空間に強制的に落下させる。

ノ、ウジング 10内の下部空間に落下させた粉砕物 220は、支持手段 100によりハウジング 10をその搬出口 90が設けられたノ、ウジング 10側壁前部が斜め下方を向くように前方に傾斜させて地上又は建物の床面上に支持しているために、その粉砕物 22 0に加わる重力と、回転中のガイド羽根車 50からその周囲に向けて発生して、固定板の貫通穴 22、ガイド長穴 24及び回転板の小孔 32を通して、ハウジング 10内の下部空間に流入する空気流の風圧とを利用して、ハウジング 10の側壁前部に開口された搬出口 90方向に強制的に移送する。そして、そのハウジング 10内の下部空間に落下した粉砕物 220を、ハウジング側壁前部の搬出口 90から、回転中のガイド羽根 50からその周囲に向けて発生して、ハウジング 10内の下部空間に流入する空気流の風圧を利用して、その空気流に乗せて、ハウジング 10外部の受け箱（図示せず）内等に強制的に搬出する。そして、その受け箱内等に回転板に設けられた小孔 32 の径以下の細カゝく粉砕された粉砕物 220を堆積させる。

この粉砕機の使用中には、回転するガイド羽根車 50の吸気作用を受けて、粉砕原料の搬入口 110から空気がハウジング 10内に強制吸入されて、その空気が、固定板に設けられた貫通穴 22及びガイド長穴 24、回転板に並べて設けられた複数の小孔 32、ハウジング 10内の下部空間及びノ、ウジング 10前部側壁の粉砕物の搬出口 90 を通して、ハウジング 10外部に強制排出され続ける。そして、そのハウジング 10内の各所を強制循環し続ける空気流に乗って、ハウジング 10内で細力べ粉砕された粉砕物 220のほぼ全て力ハウジング 10内部に残らずに、ハウジング 10外部に強制排出され続ける。そして、ハウジング 10内の各所に粉砕物 220の一部が残って付着したり堆積したりするのが防止される。

そのために、この粉砕機においては、ハウジング 10内部を開口させて、そのハウジング 10内の各所に残って付着したり堆積したりした粉砕物 220を、定期的に清掃する面倒なメンテナン作業を不要とすることができる。

[0020] この粉砕機においては、図 7に示したように、固定刃 70の刃先と回転板 30表面との間の距離を大小に調整する固定刃調整手段 72と、回転刃 80の刃先と固定板 20裏面との間の距離を大小に調整する回転刃調整手段 82とが備えられた構造とすると良い。

そして、固定刃 70の刃先と回転する回転刃 80の刃先との間の上下方向の距離を、その固定刃 70の刃先と回転刃 80の刃先との間に挟み込んで粉砕する木片チップ等の粉砕原料 200の大きさに合わせたり、回転板 30表面に並べて設けられた小孔 32 の径以下の、得ようとする粉砕物 220の大きさに合わせたりできるようにすると良い。そして、粉砕原料 200を、固定刃 70と回転する回転刃 80とにより、所望径以下の粉砕物 220に容易かつ的確に粉砕できるようにすると良い。

固定刃調整手段 72と回転刃調整手段 82には、例えば、図 7に示したように、ねじ止め機構を用いて、固定板 20に対しての固定刃 70の取着位置、及び回転板 30に対しての回転刃 80の取着位置をそれぞれ調整できる構造とすると良い。

[0021] この粉砕機においては、回転板 30が、その表面部分に並べて設けられた複数の小孔 32の径が異なる他の回転板 30と交換可能にハウジング 10内上部に収容された構造とすると良い。

そして、ハウジング 10内上部に収容された回転板 30を、粉砕原料 200の大きさや、その粉砕原料 200を粉砕して得ようとする粉砕物 220の大きさに合った例えば 3— 6mmの径の小孔 32を表面部分に並べて持つ他の回転板 30に自在に交換できるようにすると良い。そして、その回転板 30の表面部分に並べて設けられた所望径の複数の小孔 32を通して、ハウジング 10内の下部空間に、得ようとする大きさ以下の粉砕物 220を的確に選択して落下させることができるようにすると良、。

[0022] この粉砕機においては、回転手段 60に、回転軸 40の回転速度を調整する回転数調整手段 62が備えられた構造とすると良い。

そして、回転手段 60により回転させる回転板 30及びガイド羽根車 50の回転速度を、回転数調整手段 62を用いて、固定刃 70の刃先と回転する回転刃 80の刃先との間に挟み込んで粉砕する木片チップ等の粉砕原料 200の大きさや、回転板 30表面に並べて設けられた小孔 32の径の大小に合わせて、大小に調整できるようにすると良い。そして、その木片チップ等の粉砕原料 200を、所望の粒径以下に容易かつ確実に粉砕できるようにすると良い。それと共に、粉砕原料 200を粉砕する回転刃 80が付設された回転板 30等を回転させる電動モータ等の回転手段 60に過度の負荷が加わるのを、防ぐことができるようにすると良い。

回転数調整手段 62には、例えば、回転手段 60の電動モータの回転数を 0—1730 r. p. m.まで連続的に増減速可能なインバータ制御機構を用いると良い。

産業上の利用可能性

[0023] 本発明の粉砕機は、セルロース繊維やリグニンを多く含む蒸解処理済みの木片チップ、草木伐採片、雑草等を、粉状又はそれに近い状態まで細力べ粉砕するための、粉砕機に、広く利用可能である。

また、本発明の粉砕機は、蒸解処理されていない、比較的柔らかな草木伐採片、雑草等を、粉状又はそれに近い状態まで細力べ粉砕するための、粉砕機にも、広く利用可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 有底筒状のハウジングと、該ハウジングの上端開口部を塞ぐ蓋体と、該蓋体裏面に密着させた状態でハウジング内上端に収容された固定板と、該固定板下方のハウジング内下方に固定板に重なり合うように収容された回転板と、該回転板をハウジング内でハウジングの軸心回りに回転自在に支持する回転軸であって、その先端を前記固定板のほぼ中央に設けられた貫通穴内に突出させた回転軸と、該回転軸を所定方向に回転させる回転手段と、前記貫通穴周囲の固定板に貫通穴と連通させてほぼ放射状に透設された複数のガイド長穴と、前記回転軸先端に取着された貫通穴内で回転軸と共に回転するガイド羽車と、前記固定板に重なり合う回転板表面部分に回転板を上下に貫いて所定ピッチで並べて設けられた複数の小孔と、前記回転手段により回転板を回転させる側に位置する固定板の複数の各ガイド長穴の一方の側縁に沿って回転板を回転させる方向とは逆方向に傾斜させて起立させて付設された固定刃であって、その刃先を回転板表面に接近させた状態とした固定刃と、該固定刃が通過する経路と重なり合う前記回転板表面部分に固定刃の配置状態に倣って回転板を回転させる方向に傾斜させてほぼ放射状に起立させて付設された複数の回転刃であって、その刃先を前記固定刃の刃先と衝突しない程度に固定板裏面に接近させた状態とした回転刃と、前記回転板表面部分に並ぶ複数の小孔を通してハウジング内の下部空間に落下した粉砕物をハウジング外部に搬出するための、ハウジングの側壁前部に設けられた搬出口と、該搬出口が設けられたハウジング側壁前部を斜め下方に向けてハウジングを前方に傾斜させて地上又は建物の床面上に支持する支持手段と、前記蓋体のほぼ中央に開口された粉砕原料の搬入口であって、粉砕原料を蓋体を通して前記固定板の貫通穴内に搬入するための搬入口とが備えられたことを特徴とする粉砕機。

[2] 前記固定刃の刃先と回転板表面との間の距離を大小に調整する固定刃調整手段と、前記回転刃の刃先と固定板裏面との間の距離を大小に調整する回転刃調整手段とが備えられたことを特徴とする請求の範囲第 1項記載の粉砕機。

[3] 前記回転板が、その表面部分に並べて設けられた複数の小孔の径が異なる他の回転板と交換可能にハウジング内上部に収容されたことを特徴とする請求の範囲第 1 項記載の粉砕機。

前記回転手段に、前記回転軸の回転速度を調整する回転数調整手段が備えられたことを特徴とする請求の範囲第 1項記載の粉砕機。