明 細 書
バッテリ残量表示方法及び電子機器
技術分野
[0001] 本発明は、通信機能を有するマイクロコンピュータが搭載された機器本体と、この機 器本体に着脱自在に装着され、機器本体側のマイクロコンピュータとシリアル通信を 行う通信機能を有するマイクロコンピュータが搭載され、当該機器本体に電源を供給 するバッテリパックとを備える電子機器におけるバッテリ残量表示方法及びこの表示 方法を用いた電子機器に関する。
本出願は、 日本国において 2005年 3月 10日に出願された日本特許出願番号 200 5— 067818を基礎として優先権を主張するものであり、この出願は参照することによ り、本出願に援用される。
背景技術
[0002] 従来、リチウムイオン電池、 NiCd電池、ニッケル水素電池等の二次電池を内蔵した バッテリパックを電源とするビデオカメラやデジタルスチルカメラのような撮像装置、携 帯用電話機、あるいはパーソナルコンピュータ等の電子機器が用いられている。 この種の電子機器に用いられるバッテリパックには、例えば、バッテリの残量計算や 当該バッテリを電源とする電子機器との間の通信を行うためのマイクロコンピュータ( 以下、単に、マイコンともいう。)と、このマイコンの周辺回路、さらに、当該マイコンに てバッテリの残量計算等を行うために必要な、バッテリセルの状態検出回路等が内蔵 されている。この種のバッテリパックとして、特開平 09— 297166号公報に記載され たものがある。
また、携帯情報端末 (PDA:Personal Digital Assistant)等の携帯型情報処理装置は 、ネットワーク接続機能を有し、処理能力が高まるに伴って、これらを使用した電子決 済などに対応するために、正当なユーザであることを確認するユーザ認証処理が行 われている。例えば、充電装置と携帯型情報処理装置内の制御手段との間で認証 に関する情報の通信を行い、認証確認の結果に基づいて携帯型情報処理装置内に 記憶されてレ、る個人及び秘密情報を保護することが行われてレ、る。この種の機能を
備えた機器として、特開 2004— 310387号公報に記載されるものがある。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
ところで、二次電池を内蔵したバッテリパックを電源とする電子機器では、機器毎に 専用のバッテリパックを用いるようにしたものが多ぐ当該機器に専用のバッテリパック を使用すると機器本体の破損損傷などを招く原因となる。
また、従来、充電装置と携帯型情報処理装置内の制御手段との間で情報の通信を 行いバッテリの認証を行う場合、他の処理の前にバッテリの認証処理が行われており 、バッテリ認証処理を完了しないと、他の処理を行うことができない。
また、バッテリの認証は、同じバッテリであっても、電源投入後に他の処理を行う前 に毎回行われている。
従来、バッテリの認証処理は、同種の電子機器に用いられるものを一括して行うよう にしているため、偽物バッテリを作ろうとする者がバッテリの認証の方法を解析し易く してレ、る。さらに、セット側及びバッテリ側のマイコンの負荷が大きぐ高速で動くマイ コンが必要でコストがかかり、また、セット側及びバッテリ側のマイクロコンピュータの 負荷が大きぐマイクロコンピュータを高速で動かす必要があり消費電力が大きいとい う問題がある。
また、従来のバッテリパックでは、バッテリ残量表示機能とバッテリ認証処理機能と のいずれか一方のみが搭載されており、両機能をともに搭載にしてバッテリ残量表示 とバッテリ認証処理を同時に行うようにするには、 2つの独立したセットとバッテリの通 信システムが必要であり、通信線が 2系統必要となりハードウェアのコストがかかり、ま た、通信用のドライバが 2系統必要となりソフトウェアの開発コストがかかるという問題 点がある。
そこで、本発明の目的は、上述の如き従来の問題点に鑑み、マイクロコンピュータ の負荷を大きくすることなぐバッテリ残量表示とバッテリ認証処理の両機能をともに 搭載できるようにするようにしたバッテリ残量表示方法及び電子機器を提供すること にある。
本発明は、通信機能を有するマイクロコンピュータが搭載された機器本体と、この機
器本体に着脱自在に装着され、機器本体側のマイクロコンピュータとシリアル通信を 行う通信機能を有するマイクロコンピュータが搭載され、当該機器本体に電源を供給 するバッテリパックとを備える電子機器におけるバッテリ残量表示方法である。この方 法は、機器本体側のマイクロコンピュータは、電源が投入されると、先ず、当該機器 本体に装着されたバッテリパック側のマイクロコンピュータからバッテリ残量表示のた めの情報をシリアル通信により取得し、取得した情報に基づいてバッテリ残量表示を 行う。次に、機器本体側のマイクロコンピュータは、当該機器本体に装着されたバッ テリパック側のマイクロコンピュータから認証処理のための情報をシリアル通信により 取得し、取得した情報に基づいて当該機器本体に接続されたバッテリパックが正規 のバッテリパックであるか否かを判定する認証処理を行う。機器本体側のマイクロコン ピュータは、認証処理の後に、バッテリパック側のマイクロコンピュータからシリアル通 信により取得されるバッテリ残量表示のための情報に基づき、バッテリ残量表示の内 容を更新する。
また、本発明は、通信機能を有するマイクロコンピュータが搭載された機器本体と、 機器本体に着脱自在に装着され、機器本体側のマイクロコンピュータとシリアル通信 を行う通信機能を有するマイクロコンピュータが搭載され、当該機器本体に電源を供 給するバッテリパックとを備える電子機器において構成される。本発明が適用された 電子機器は、電源が投入されると、機器本体側のマイクロコンピュータが、先ず、当 該機器本体に装着されたバッテリパック側のマイクロコンピュータからバッテリ残量表 示のための情報をシリアル通信により取得し、取得した情報に基づいてバッテリ残量 表示を行う。次に、機器本体側のマイクロコンピュータが、当該機器本体に装着され たバッテリパック側のマイクロコンピュータから認証処理のための情報をシリアル通信 により取得し、取得した情報に基づいて当該機器本体に接続されたバッテリパックが 正規のバッテリパックであるか否かを判定する認証処理を行レ、、機器本体側のマイク 口コンピュータは、認証処理の後に、バッテリパック側のマイクロコンピュータ力 シリ アル通信により取得されるバッテリ残量表示のための情報に基づき、ノ ノテリ残量表 示の内容を更新する。
本発明は、バッテリの認証を行うことで、粗悪なバッテリをセットで使用できなくし、適
正なバッテリ以外のバッテリの使用による機器本体の破損損傷などを未然に防止す ること力 Sできる。
また、本発明では、最初にバッテリの残り使用可能時間が出るまではバッテリの認 証処理を行わずバッテリ残量表示のみを行うので、ユーザにとってメリットのあるバッ テリの残量表示の機能がバッテリ認証処理のために損なわれることがない。
さらに、本発明では、バッテリ残量表示処理とバッテリ認証処理を同じシステム内で 行うことで、セットとバッテリ間の信号線を独立に持つ必要がなくなりハードウェアのコ ストの削減を図ることができ、さらに、通信ドライバが 1系統で足りることになるので、ソ フトウェアの開発コストが削減できる。
さらにまた、本発明では、バッテリ認証処理を分割してバッテリの残量表示処理の 合間に行うことで、粗悪なバッテリを作るメーカーなどの悪意を持った人が認証のやり 方を解析することが困難になるばかりか、高性能なマイクロコンピュータを使用しなく てもバッテリ認証ができるためコスト削減になり、さらには、マイクロコンピュータを高速 で使用しなくてもバッテリ認証ができるため消費電力削減になる。
さらにまた、本発明では、バッテリ認証結果を保存しているため、 2回目以降の電源 投入時からは、バッテリ残量表示処理に専念でき、ユーザへの直接のメリットが保護 される。
本発明のさらに他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下におい て図面を参照して説明される実施の形態から一層明らかにされるであろう。
図面の簡単な説明
[図 1]図 1は、本発明を適用したビデオカメラの一実施の形態を示すブロック図である
[図 2]図 2は、ビデオカメラに用いられるソフトウェアの状態遷移を示す図である。
[図 3]図 3は、ビデオカメラを構成するカメラ本体側のマイクロコンピュータとバッテリパ ック側のマイクロコンピュータで実行される処理を示すフローチャートである。
[図 4]図 4は、本発明及び従来の方法よる処理において、経過時間に対してどのよう に状態が移行するかを示したタイムチャートである。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本 発明は、以下に示す実施の形態に限定されるものではなぐ本発明の要旨を逸脱し ない範囲で、当業者が有する知識の範囲で適宜変更できることは言うまでもない。 本発明は、例えば、図 1に示すような構成を備えたビデオカメラ 100に適用される。 このビデオカメラ 100は、カメラ本体 1と、このカメラ本体 1に着脱自在に装着され、接 続端子を介して電源を供給するバッテリパック 2からなる。
カメラ本体 1は、第 1のマイクロコンピュータ 3と、液晶表示部(LCD : Liquid Crystal Display) 4と、不揮発性メモリ 5と、ビデオカメラ 100を構成するに必要なレ、くつかの他 のデバイス 6が設けられてレ、る。
第 1のマイクロコンピュータ 3は、液晶表示部 4と、不揮発性メモリ 5と、その他のデバ イス 6に接続されており、それらを制御している。
ここで、ビデオカメラ 100に必要な他デバイス 6としては、撮像光学系のレンズドライ バゃ撮像部のイメージャドライバ、記録再生系のドライバなどがあるが、本発明の説 明に直接必要としないものであるので、以下の説明では、詳細な説明を省略する。 このカメラ本体 1のバッテリボックス内には、第 1のマイクロコンピュータ 3に接続され た接続端子 67、カメラ本体 1のプラス側の電源入力端子 68及びマイナス側の電源入 力端子 69が設けられている。
このカメラ本体 1に設けられた第 1のマイクロコンピュータ 3は、接続端子 67を経由し て外部とシリアル通信が可能とされてレ、る。
バッテリパック 2は、リチウムイオン電池等のバッテリセル 8と、このバッテリセル 8の正 極に一端が接続された電流検出抵抗 9と、この電流検出抵抗 9に両端が接続された 第 2のマイクロコンピュータ 7と、このマイクロコンピュータ 7に接続された不揮発性メモ リ 66等を備える。
このバッテリパック 2には、第 2のマイクロコンピュータ 7に接続された接続端子 10、 バッテリセル 8の正極に電流検出抵抗 9を介して接続されたプラス側の電源入力端子 11及びバッテリセル 8の負極に接続されたマイナス側の電源入力端子 12が設けられ ている。
このバッテリパック 2に設けられた第 2のマイクロコンピュータ 7は、接続端子 10を経
由して外部とシリアル通信が可能とされている。
そして、バッテリパック 2は、カメラ本体 1のバッテリボックスに挿入されると、バッテリ パック 2側の接続端子 10, 1 1 , 12がそれぞれカメラ本体 1側の接続端子 67, 68, 69 に接続される。バッテリパック 2側の接続端子 1 1, 12がそれぞれカメラ本体 1側の接 続端子 68, 69に接続されることで、バッテリパック 2からカメラ本体 1へ電源が供給さ れる。また、バッテリパック 2側の接続端子 10がカメラ本体 1側の接続端子 67に接続 されることで、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3と、バッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7間でシリアル通信が可能になる。
このビデオカメラ 100におけるバッテリ残量表示は、次のようにして行われる。
すなわち、バッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7は、電流検出抵抗 9両 端の電位差を測定し、バッテリセル 8に流れ込んだ電流及びバッテリセル 8から流れ 出した電流を一定周期で計算しており、電流を積算し現在使用可能なバッテリの電 流量を計算して把握してレ、る。
そして、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3は、当該カメラ本体 1の消費電 流値 Isを予め不揮発性メモリ 5に記憶しており、バッテリ側マイクロコンピュータ 7から、 シリアル通信によって、現在使用可能なバッテリパック 2の電流量 laを取得し、ノくッテ リパック 2の残り使用可能時間 Taを
Ta = la/Is · · · ( 1 )
なる式(1 )にて算出して、液晶表示部 4に表示する。
また、このビデオカメラ 100におけるバッテリ認証は、次のようにして行われる。 すなわち、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2 のマイクロコンピュータ 7は、共通のある情報を持っている。共通の情報は、カメラ本 体 1側では不揮発性メモリ 5にバッテリパック 2では不揮発性メモリ 66に保存されてい る。
そして、バッテリパック 2側のマイクロコンピュータ 7は不揮発性メモリ 66から共通の 情報を読み出してカメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3へ送信する。
カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3は、バッテリパック 2側の第 2のマイクロ コンピュータ 7から、シリアル通信によって、共通の情報を受信し、カメラ本体 1側の不
揮発性メモリ 5に保存されている共通の情報を読み出して、バッテリパック 2側から得 た情報と比較して、両情報が一致していれば適正に用いることができる純正のバッテ リパック 2であると判断する。カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3は、不揮発 性メモリ 5にバッテリ認証が終了したことを示す情報と揷入されたバッテリが純正品で あることを示す情報を記録する。
また、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3は、両情報が一致していなけれ ば偽物バッテリであると判断する。偽物バッテリあると判断すると、「現在揷入されてい るバッテリは、不正なバッテリであるので純正バッテリを使用してください。」との情報 を液晶表示部 4に表示するとともに、不揮発性メモリ 5にバッテリの認証が終了したこ とを示す情報と挿入されたバッテリパック 2が純正品でないことを示す情報を記録する 。その一定時間後に、カメラ本体 1の電源を OFFにする。
このビデオカメラ 100では、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリ パック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7間の通信に共通のシリアル通信線 13, 14を 使用する。
そして、ノくッテリ残量表示処理とバッテリ認証処理では、カメラ本体 1側の第 1のマイ クロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7の間で次のデー タが送受信される。
すなわち、バッテリ残量表示処理では、電流検出抵抗 9を介して流された電流の積 算値及び複数のバッテリ残量補正値が送受信される。
なお、バッテリ残量表示処理では、原理的には、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコン ピュータ 3は、バッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7から使用可能なバッテ リの電流量のみを受信すればよい。
実際には、使用可能なバッテリパック 2の電流量は、電流検出抵抗 9による電流の 積算値のみでは決まらない。カメラ本体 1が動作可能な電圧、現在の電圧、バッテリ パック 2の経年劣化の度合いなどの要素によって変化するからである。
本発明の説明では、これらの要素を「バッテリ残量補正値」と呼ぶ。
「バッテリ残量補正係数」には、通信開始後に 1回のみ送受信すればレ、いものと、一 定周期で送受信を繰り返さないといけなレ、ものがある。前者の通信を「バッテリ残量
表示初期通信」、後者を「バッテリ残量表示通常通信」と呼ぶ。
本実施の形態では、「バッテリ残量表示初期通信」として 14個のデータ、「バッテリ 残量表示通常通信」として 18個のデータの送受信を行う。
バッテリ認証処理では、複数の「カメラ本体 1側とバッテリパック 2側で共通に持って いる情報」が送受信される。
「カメラ本体 1側とバッテリパック 2側で共通に持っている情報」を 1個のみ通信を行 えば「バッテリ認証」は可能である。しかし、偽物バッテリを作ろうとする人が「バッテリ 認証」の方法を解析し、この 1個の共通情報を発見すれば、偽物バッテリが作成可能 となってしまう。そこで、本発明では 8個の共通情報を通信しすべてがカメラ本体 1側 とバッテリパック 2側で一致することを確認することで「バッテリ認証」を行う。
なお、「カメラ本体 1側とバッテリパック 2側で共通に持っている情報」の個数は、 8個 に限らず何個であってもよい。
また、「カメラ本体 1側とバッテリパック 2側で共通に持っている情報」を通信するとき 、そのまま通信するのではなぐ演算を施した値を通信してもよい。
ここで、このビデオカメラ 100におけるカメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3 とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7で実行されるソフトウェアについて 説明する。
本実施の形態のソフトウェアには、以下の 5個の状態があり、図 2のような状態遷移 を行う。
状態 ST1は、バッテリ残量表示初期通信状態であって、カメラ本体 1側のマイクロコ ンピュータ 3とバッテリパック 2側のマイクロコンピュータ 7は、バッテリの残量計算に必 要な「バッテリ残量補正値」のうち 1回のみ取得が必要なものの通信を行う。カメラ本 体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7の間で 14回の通信が行われる。
また、状態 ST2は、バッテリ残量表示通常通信状態であって、カメラ本体 1側の第 1 のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7は、バッテ リパック 2の残量表示に必要なデータのうち定期的に取得が必要な「バッテリ残量補 正値」及び「電流検出抵抗 9による電流の積算値」の通信を行う。カメラ本体 1側の第
1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7の間で 1 8回の通信が行われる。
また、状態 ST3は、バッテリ残量計算状態であって、カメラ本体 1側の第 1のマイクロ コンピュータ 3は、バッテリ残量表示初期通信状態 ST1及びバッテリ残量表示通常通 信状態 ST2で取得した「バッテリ残量補正値」及び「電流検出抵抗 9による電流の積 算値」に基づいて、ノ ッテリパック 2の残り使用可能時間を計算し、液種表示部 4に表 示する。
また、状態 ST4は、バッテリ認証通信状態であって、カメラ本体 1側の第 1のマイクロ コンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7は、「カメラ本体 1側 の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7で共 通に持っている情報」の通信を行う。カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3と バッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7の間で合計 8回通信が行われる。 さらに、状態 ST5は、 OFF状態であって、「現在挿入されているバッテリは不正なバ ッテリであるので純正バッテリを使用してください」という旨を液晶表示部 4に表示する 。カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3は、不揮発性メモリ 5に「「バッテリ認証 」が終了したことを示す情報」と「挿入されたバッテリが純正品でないことを示す情報」 を記録する。その一定時間後にカメラ本体 1の電源を OFFにする。
次に、システムのリセット直後からの状態遷移を順に説明する。
すなわち、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2 のマイクロコンピュータ 7は、リセットがかかると、すべての状態からバッテリ残量表示 初期通信状態 ST1へ移行して、バッテリの残量計算に必要な「バッテリ残量補正値」 のうち 1回のみ取得が必要なものの通信を行う。カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンビ ユータ 3とバッテリパック 2側のマイクロコンピュータ 7の間で 14回の通信が行われる。 そして、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマ イク口コンピュータ 7は、バッテリ残量表示初期通信状態 ST1の処理がすべて終了す ると、バッテリ残量表示通常通信状態 ST2に移行して、カメラ本体 1側の第 1のマイク 口コンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7は、バッテリパック 2 の残量表示に必要なデータのうち定期的に取得が必要な「バッテリ残量補正値」及
び「電流検出抵抗 9による電流の積算値」の通信を行う。カメラ本体 1側の第 1のマイ クロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7の間で 18回の通 信が行われる。
次に、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイ クロコンピュータ 7は、バッテリ残量表示通常通信状態 ST2の処理がすべて終了する と、ノ ッテリ残量計算状態 ST3に移行して、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュー タ 3はバッテリ残量表示初期通信状態 ST1及びバッテリ残量表示通常通信状態 ST2 で取得した「バッテリ残量補正値」及び「電流検出抵抗 9による電流の積算値」をもと に、バッテリパック 2の残り使用可能時間を計算し、液晶表示部 4に表示する。
次に、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイ クロコンピュータ 7は、バッテリ残量計算状態 ST3の処理がすべて終了すると、バッテ リ残量表示通常通信状態 ST2に移行して、バッテリパック 2の残量表示に必要なデ ータのうち定期的に取得が必要な「バッテリ残量補正値」又は「電流検出抵抗 9による 電流の積算値」の通信を行う。カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリ パック 2側のマイクロコンピュータ 7の間で 1回のみ通信が行われる。
次に、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイ クロコンピュータ 7は、バッテリ残量表示通常通信状態 ST2でカメラ本体 1側の第 1の マイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7の間で 1回の み通信が終了すると、ノくッテリ認証通信状態 ST4に移行して、「カメラ本体 1側の第 1 のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7で共通に 持っている情報」の通信を行う。カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテ リパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7の間で 1回のみ通信が行われる。
次に、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイ クロコンピュータ 7は、バッテリ認証通信状態 ST4でカメラ本体 1側の第 1のマイクロコ ンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7の間で 1回のみ通信が 終了すると、バッテリ残量表示通常通信状態 ST2に移行して、バッテリパック 2の残量 表示に必要なデータのうち定期的に取得が必要な「バッテリ残量補正値」又は「電流 検出抵抗 9による電流の積算値」の通信を行う。カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンビ
ユータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7の間で 1回のみ通信が行 われる。
そして、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマ イク口コンピュータ 7は、バッテリ残量表示通常通信状態 ST2からバッテリ認証通信状 態 ST4への状態遷移と、バッテリ認証通信状態 ST4からバッテリ残量表示通常通信 状態 ST2への状態遷移を、バッテリ認証通信状態 ST4で全 8回の「カメラ本体 1側の 第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7で共通 に持っている情報」の通信が終わるまで繰り返す。
次に、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイ クロコンピュータ 7は、バッテリ認証通信状態 ST2で全 8回の「カメラ本体 1側の第 1の マイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7で共通に持 つている情報」の通信が終わると、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3は、力 メラ本体 1側の不揮発性メモリ 5に保存されている共通の情報を読み出して、バッテリ パック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7から得た情報と比較する。
次に、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3は、両情報が一致していれば純 正のバッテリであると判断し、一致していなければ偽物バッテリと判断する。
そして、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3は、純正のバッテリであると判 断された場合、不揮発性メモリ 5に「「バッテリ認証」が終了したことを示す情報」と「挿 入されたバッテリが純正品であることを示す情報」を記録し、その後、バッテリ残量表 示通常通信状態 ST2に移行する。以後は、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュ ータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7は、「バッテリ残量補正値」又 は「電流検出抵抗 9による電流の積算値」の通信のみを行う。「バッテリ残量補正値」 又は「電流検出抵抗 9による電流の積算値」の値に変化がない場合は、このバッテリ 残量表示通常通信状態 ST2に留まり続ける。 「バッテリ残量補正値」又は「電流検出 抵抗 9による電流の積算値」の値に変化があった場合は、バッテリ残量計算状態 ST 3へ移行し、バッテリパック 2の残り使用可能時間を再計算し、液晶表示部 4の表示を 更新する。
そして、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3は、偽物バッテリと判断された
場合は、 OFF状態 ST5に移行して、「現在挿入されているバッテリは不正なバッテリ であるので純正バッテリを使用してください」という旨を液晶表示部 4に表示するととも に、不揮発性メモリ 5に「「バッテリ認証」が終了したことを示す情報」と「挿入されたバ ッテリが純正品でないことを示す情報」を記録し、その一定時間後にカメラ本体 1の電 源を OFFにする。
次に、このビデオカメラ 100におけるカメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3と バッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7で実行される処理について、図 3に 示すフローチャートを参照して説明する。
すなわち、このビデオカメラ 100において、カメラ本体 1の電源が ONされると、カメラ 本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュ ータ 7は、先ず、バッテリ残量表示初期通信状態 ST1になり、 14個の「バッテリ残量 補正値」の通信を行う(ステップ SA1〜ステップ SA14,ステップ SB1〜ステップ SB1 4)。
次に、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイ クロコンピュータ 7は、バッテリ残量表示通常通信状態 ST2になり、 18個の「バッテリ 残量補正値」の通信を行う(ステップ SA15〜ステップ SA32,ステップ SB15〜ステツ プ SB32)。
次に、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3は、取得した 14個 + 18個 = 32 個の「バッテリ残量補正値」を元に、バッテリパック 2の残り使用可能時間を計算する( ステップ S A33)。
次に、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3は、バッテリパック 2の残り使用 可能時間を液晶表示部 4に表示する(ステップ SA34)。
次に、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイ クロコンピュータ 7は、バッテリ残量表示通常通信状態 ST1になり、 1個のみ「バッテリ 残量補正値」の通信を行う(ステップ SA35,ステップ SB33)。
次に、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側のマイクロコ ンピュータ 7は、バッテリ認証通信状態 ST4になり、 1個のみ「セット側とバッテリ側で 共通に持っている情報」の通信を行う(ステップ SA36,ステップ SB34)。
そして、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマ イク口コンピュータ 7は、バッテリ認証通信状態 ST4で全 8個の「セット側とバッテリ側 で共通に持っている情報」を通信が完了するまで、(ステップ SA35〜ステップ SA36 ,ステップ SB33〜ステップ SB34)を繰り返す。
次に、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3は、カメラ本体 1側の不揮発性メ モリ 5に保存されている共通の情報を読み出して、バッテリパック 2側の第 2のマイクロ コンピュータ 7から得た情報と、比較する(ステップ SA37)。
そして、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3は、両情報が一致していれば 純正のバッテリである判断して、不揮発性メモリ 5に「「バッテリ認証」が終了したことを 示す情報」と「挿入されたバッテリが純正品であることを示す情報」を記録する (ステツ プ SA38)。その後は、「バッテリ残量表示通常通信状態」 ST61になり、「バッテリ残 量補正値」の通信のみを行う。
また、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3は、両情報が一致していなけれ ば偽物バッテリと判断し、その後は、「現在挿入されているバッテリは不正なバッテリ であるので純正バッテリを使用してください」という旨を液晶表示部 4に表示するととも に、不揮発性メモリ 5に「「バッテリ認証」が終了したことを示す情報」と「挿入されたバ ッテリが純正品でないことを示す情報」を記録し、その一定時間後にカメラ本体 1の電 源を OFFにする(ステップ SA39)。
このビデオカメラ 100では、カメラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリ パック 2側の第 2のマイクロコンピュータ 7で図 3のフローチャートに示した処理を実行 することにより、図 4中の(A)に示すタイミングチャートのように、機器本体 1の電源が 投入されると、先ず、バッテリ残量表示初期通信状態 ST1を経由してバッテリ残量表 示通常通信状態 ST2となり、バッテリの残り使用可能時間が最初に液晶表示部 4に 表示され、その後に、バッテリ認証通信状態 ST4とバッテリ残量表示通常通信状態 S T2を交互に遷移して、認証処理が終了したら、バッテリ残量表示通常通信状態 ST2 を繰り返して、バッテリ残量表示の内容が更新される。
ここで、図 4中の(B)に示すタイミングチャートのように、バッテリ認証を最初に行う従 来のバッテリ認証方法では、図 4中の(C)に示すタイミングチャートのように、従来の
バッテリ残量表示のみ行う場合に比べて、バッテリ認証通信状態 ST4の時間だけ、 バッテリの残り使用可能時間が最初に表示される時間が遅れてしまうが、このビデオ カメラ 100では、先ずバッテリ残量表示を行い、その後に、認証処理を行うので、バッ テリ残量表示のみを行う場合に比べて、バッテリの残り使用可能時間が最初に表示さ れる時間に遅れはない。
すなわち、本発明が適用されたビデオカメラ 100では、最初はバッテリ残量表示処 理のみを行い、液晶表示部 4にバッテリの残り使用可能時間が出た後でバッテリ認証 処理を行うので、最初にバッテリの残り使用可能時間が出るまでの時間力 バッテリ 認証処理を追加しても変わらず、ユーザにとってメリットのあるバッテリ残量表示の機 能がバッテリ認証処理のために損なわれることがなレ、。
このように、本発明が適用されたビデオカメラ 100では、バッテリ認証を行っても、ュ 一ザの直接のメリットであるバッテリの残り使用可能時間が最初に表示される時間が 犠牲にならない。
また、このビデオカメラ 100では、バッテリ残量表示と並行してバッテリ認証を行うの で、純正品でない粗悪なバッテリの使用を不可能にすることができ、純正品以外のバ ッテリパックの使用による機器本体 1の破損損傷などを未然に防止することができる。 さらに、このビデオカメラ 100では、バッテリ残量表示とバッテリ認証の両方を、カメ ラ本体 1側の第 1のマイクロコンピュータ 3とバッテリパック 2側の第 2のマイクロコンピュ ータ 7の通信システムを使い、処理を時分割することで行っているので、通信線が 1 系統のみでよぐハードウェアのコストが削減できる。
さらにまた、このビデオカメラ 100では、バッテリ残量表示処理とバッテリ認証処理を 同じシステム内で行うことで、通信ドライバが 1系統でよくなり、ソフトウェアの開発コス トが削減できる。
さらにまた、このビデオカメラ 100では、バッテリ認証処理を分割してバッテリ残量表 示処理の合間に行うことで、粗悪なバッテリを作るメーカーなどの悪意を持った人が 認証のやり方を解析することが困難になる。
さらにまた、このビデオカメラ 100では、バッテリ認証処理が分割されているので、高 性能なマイクロコンピュータを使用しなくてもバッテリ認証ができるためコストを削減す
ること力 Sできる。
さらにまた、このビデオカメラ 100では、バッテリ認証処理が分割されているので、マ イク口コンピュータを高速で使用しなくてもバッテリ認証ができるため消費電力削減に なる。
さらにまた、このビデオカメラ 100では、バッテリ認証結果を保存しているため、 2回 目以降の電源投入時からは、バッテリ残量表示処理に専念でき、ユーザへの直接の メリットが保護される。
さらにまた、バッテリ認証後にすぐにビデオカメラ 100を使用することができるので、 特に、このようなビデオカメラ 100やデジタルスチルカメラのような撮像装置では、バッ テリ交換時の時間が短縮でき、撮影チャンスを逃がす虞が少なぐ撮影を続行できる という効果がある。