WO2006075650A1 - 内視鏡用挿入部 - Google Patents

Abstract

　モニタ等の表示部に表示される内視鏡画像の一部を拡大表示する際に、非拡大表示時と略同様の光量の照射光により、該内視鏡画像における該一部に相当する患部を照明することができるような内視鏡用挿入部を提供する。本発明の内視鏡用挿入部は、先端面を有する挿入部と、　前記先端面に配置され、被検体に光を照射するための第１の照明光学系と、　前記先端面に配置され、前記被検体に光を照射するための第２の照明光学系と、前記被検体からの光を入射するための第１の光学部材が前記先端面に設けられた第１の撮像部と、　前記被検体からの光を入射するための第２の光学部材が前記第１の照明光学系と前記第２の照明光学系とに挟まれる領域に配置された、前記第１の観察光学系に比べて観察倍率の高い第２の撮像部とを有する。

Description

明 細 書

内視鏡用揷入部

技術分野

[0001] 本発明は、第 1の撮像部と、前記第 1の撮像部に比べて観察倍率の高い第 2の撮 像部とを有する内視鏡用挿入部に関する。

背景技術

[0002] 従来より、内視鏡は、医療分野等において広く利用されている。内視鏡は、例えば 、被検体としての体腔内に細長い挿入部を挿入することによって、体腔内の臓器等を 観察したり、必要に応じて処置具揷通チャンネル内に挿入した処置具を用いて各種 処置をすることができる。挿入部の先端には、湾曲部が設けられ、内視鏡の操作部を 操作することによって、先端部の観察窓の観察方向を変更させることができる。

[0003] 上述したような内視鏡としては、例えば、特開平 06— 154155号公報に記載される ように、観察光学系としての第 1の対物光学系および第 2の対物光学系と、照明部と しての光源装置力 供給される照明光を被検体に対して出射する照明光学系とを挿 入部の先端部に有し、また、第 1の対物光学系および第 2の対物光学系の結像位置 には、夫々の対物光学系に対応した、撮像素子としての固体撮像素子が設けられて V、るような内視鏡が提案されて 、る。

[0004] 一般的に、ユーザーは、観察光学系が有する視野内において得られた、モニタ等 の表示部に表示される患部の観察画像としての内視鏡画像の一部を拡大表示する ことにより、該患部に対して詳細な観察を行う。このような場合、内視鏡の先端部にお ける、観察光学系に対する照明光学系の配置によっては、例えば、上述したような拡 大表示を行う際に、観察光学系の視野が確保されている状態であっても、撮像素子 が撮像を行う際に十分な照明光の光量、すなわち、体腔内の観察に十分な量の光 量を確保できな！/、可能性がある。

[0005] 本発明は、上述の事情に鑑みて成されたものであり、モニタ等の表示部に表示され る内視鏡画像の一部を拡大表示する際に、非拡大表示時と略同様の光量の照射光 により、該内視鏡画像における該一部に相当する患部を照明することができるような 内視鏡用挿入部を提供することを目的として ヽる。

発明の開示

課題を解決するための手段

[0006] 上記目的を達成すベぐ本発明の内視鏡用挿入部は、先端面を有する挿入部と、 前記先端面に配置され、被検体に光を照射するための第 1の照明光学系と、前記先 端面に配置され、前記被検体に光を照射するための第 2の照明光学系と、前記被検 体からの光を入射するための第 1の光学部材が前記先端面に設けられた第 1の撮像 部と、前記被検体力 の光を入射するための第 2の光学部材が前記第 1の照明光学 系と前記第 2の照明光学系とに挟まれる領域に配置された、前記第 1の観察光学系 に比べて観察倍率の高!、第 2の撮像部とを有する。

図面の簡単な説明

[0007] [図 1]本発明の実施の形態に係る内視鏡システムを概略的に示した説明図である。

[図 2]図 1の内視鏡の先端カバーを示す斜視図である。

[図 3]図 1の内視鏡の先端カバーを示す、図 2とは異なる斜視図である。

[図 4]図 1の内視鏡の先端カバーを正面力 見た平面図である。

[図 5]図 4の A— A線に沿って切断した先端部及び湾曲部の断面図である。

[図 6]図 4の B— B線に沿って切断した先端部の断面図である。

[図 7]図 1の内視鏡の送気送水管路の分岐部分を示す断面図である。

[図 8]図 4の C C線に沿って切断した先端部の断面図である。

[図 9]図 4の D— D線に沿って切断した先端部の断面図である。

[図 10]図 5の E—E線に沿って切断した先端部の断面図である。

[図 11]図 5の F—F線に沿って切断した湾曲部の断面図である。

[図 12]図 1の内視鏡の先端カバーを正面力も見た、図 4とは異なる平面図である。

[図 13]図 1の内視鏡の先端カバーを正面から見た、図 4及び図 12とは異なる平面図 である。

[図 14]図 1の内視鏡の先端部を体腔内に挿入した際の照明光学系の照射範囲を示 す模式図である。 発明を実施するための最良の形態

[0008] 以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。

先ず、図 1に基づき、本発明の実施の形態に係る内視鏡システムの構成を説明す る。図 1は本発明の実施の形態に係る内視鏡システムの構成を概略的に示した説明 図である。

[0009] 本発明の第 1の実施の形態に係る内視鏡システム 1は、図 1に示すように、本実施 の形態において、通常光観察及び蛍光観察を行うことが可能な内視鏡 2と、この内視 鏡 2に照明光を供給する光源装置 3と、内視鏡用挿入部を有する内視鏡 2に対する 信号処理を行う信号処理装置としてのプロセッサ 4と、このプロセッサ 4から出力され る映像信号が入力されることにより、通常観察用又は蛍光観察用の各内視鏡画像を 表示する、表示部としてのモニタ 5と、送気送水を行う送気送水装置 6と、前方送水を 行う前方送水装置 6aとを備えて 、る。

[0010] 内視鏡 2は、被検体としての体腔内に挿入し易いように細長な挿入部 11と、この挿 入部 11の基端に連結される操作部 12と、この操作部 12の側部カも延出するュ-バ ーサルケーブル 13とを有している。このユニバーサルケーブル 13の端部に設けられ たコネクタ 14は、光源装置 3に着脱自在に接続される。

[0011] また、内視鏡 2の挿入部 11は、内視鏡用挿入部としての構成を有し、その先端に形 成される硬質の先端部 15と、この先端部 15の基端に形成される湾曲部 16と、この湾 曲部 16の基端カゝら操作部 12まで形成される可撓性を備えた可撓管部 17と、を有し て構成されている。

[0012] 挿入部 11内には、照明光を伝送するライトガイド 21が挿通されている。このライトガ イド 21は、操作部 12を介してユニバーサルケーブル 13内に挿通され、基端部 22が コネクタ 14力も突出する図示しないライトガイドコネクタに接続されている。

[0013] また、このライトガイド 21の先端部分は、先端部 15内において固定されている。尚、 先端部 15の先端部分には、照明光学系である後述する照明ユニットの照明レンズ 2 5が配設され、ライトガイド 21から照明レンズ 25を介して照明光が出射される。また、 先端部 15の先端面には先端カバー 24が設けられている。

[0014] 尚、本実施の形態においては、ライトガイド 21は、例えば操作部 12内において分 岐しているとともに、挿入部 11において 2本に分割された状態として、挿通されている 。そして、 2本に分割された各ライトガイド 21の先端面は、先端カバー 24に設けられ た 2つの照明レンズ 25の背面近傍に夫々配置される。

[0015] また、図 1では省略している力 挿入部 11内には、鉗子等の処置具を揷通可能とす る第 1の管路である処置具チャンネル (鉗子チャンネルともいう）が設けられている。そ して、この処置具チャンネルの先端は、先端カバー 24の先端面において開口してい る。

[0016] この処置具チャンネルは、挿入部 11の基端付近において分岐している。そして、前 記処置具チャンネルの一方は、操作部 12に配設される図示しな!ヽ処置具挿入口ま で揷通されている。また、前記処置具チャンネルの他方は、挿入部 11及びュ-バー サルケーブル 13内を通って吸引チャンネルに連通し、その基端がコネクタ 14を介し て、図示しない吸引手段に接続される。

[0017] 先端部 15の内部には、 2つの撮像ユニットが配設されている。本実施の形態にお いては、通常光観察のための撮像部としての通常光観察用撮像ユニット（以下、通常 光撮像ユニットという） 31Aと、特殊光観察のための撮像部としての蛍光観察用撮像 ユニット（以下、蛍光撮像ユニットという） 31Bとが内蔵されている。

[0018] 尚、本実施の形態において、上述した特殊光観察のための撮像部は、蛍光観察を 行える蛍光観察用撮像ユニットであるが、例えば、暗視観察用撮像ユニット、赤外線 観察用撮像ユニットなどでもよぐ特に蛍光観察用に限定されるものでは無い。

[0019] また、本実施の形態においては、後述するように、通常光撮像ユニット 31Aにおけ るテレ Zズーム操作が可能であるため、通常光撮像ユニット 31Aは、蛍光撮像ュ-ッ ト 31Bに比べて高い観察倍率において被検体の像を得ることができる。

[0020] 通常光撮像ユニット 31A及び蛍光撮像ユニット 31Bには、信号ケーブル 38a, 38b の一端が夫々接続されている。これら信号ケーブル 38a、 38bの他端は、操作部 12 及びユニバーサルケーブル 13内に揷通しており、コネクタ 14内に設けられるリレー 基板 42において、共通の信号ケーブル 43と切り換え可能に接続されている。

[0021] この共通の信号ケーブル 43は、コネクタ 14に接続されるスコープケーブル 44内を 通ってプロセッサ 4に接続される。 [0022] このプロセッサ 4内には、通常光撮像ユニット 31 A及び蛍光撮像ユニット 31Bの撮 像素子をそれぞれ駆動するドライブ回路 45a、 45bと、リレー基板 42を介して前記 2 つの撮像素子から夫々出力される撮像信号に対して信号処理を行う信号処理回路 4 6と、信号処理回路 46等の動作状態を制御する制御回路 47とが設けられている。

[0023] また、内視鏡 2の操作部 12には、制御スィッチ 48a、 48bと、送気送水ボタン 63と、 図示しな!、湾曲操作ノブと、通常光撮像ユニット 31 Aのテレ Zズーム操作を行う図示 しないスィッチ (テレ Zズーム用ボタンともいう）と、図示しない前方送水ボタンと、上述 の図示しな!、処置具揷通口が設けられて 、る。

[0024] これら制御スィッチ 48a、 48bは、夫々信号線 49a、 49bを介してプロセッサ 4の制 御回路 47と接続されている。本実施の形態においては、例えば制御スィッチ 48aは 、切換を指示する信号を発生し、また、制御スィッチ 48bは、例えばフリーズ指示の信 号を発生する。

[0025] リレー基板 42は、例えば、制御スィッチ 48aの操作に応じ、各撮像素子にそれぞれ 接続された信号ケーブル 38a、 38bのうち、一方の信号ケーブルが共通の信号ケー ブル 43と接続された状態から、他方の信号ケーブルが前記信号ケーブル 43と接続 される状態になるように切換動作を行う。

[0026] 具体的には、例えば、制御スィッチ 48aが操作されると、スコープケーブル 44内に 挿通されているとともに制御回路 47に電気的に接続された切換信号線 49cを介し、 切換信号がリレー基板 42に対して出力される。切換信号線 49cが接続されるリレー 基板 42は、制御回路 47からの信号の入力端が通常において、 L (LOW)レベルの 状態となっており、切換制御端子をプルダウンしており、その状態において通常光撮 像ユニット 31 Aの信号ケーブル 38aが共通の信号ケーブル 43と接続されるようにな つている。また、起動開始状態の場合においても、切換制御端子は、 Lレベルとなる ように設定されている。つまり、リレー基板 42の切換制御端子は、切り換え指示の操 作が行われない限りは、通常光観察用の設定となっている。

[0027] この状態において、ユーザーにより制御スィッチ 48aが操作されると、制御回路 47 力もの信号が切換信号線 49cを介し、リレー基板 42の入力端に H (HIGH)レベルと なる制御信号が印加されるとともに、リレー基板 42の切換制御端子がプルアップされ る。そして、その状態において、蛍光撮像ユニット 31Bの信号ケーブル 38bと、共通 の信号ケーブル 43とが接続されるようになって 、る。

[0028] さらに、前述した状態においてユーザーが制御スィッチ 48aを操作すると、制御回 路 47からの信号が切換信号線 49cを介してリレー基板 42の入力端に Lレベルとなる 制御信号が印加され、切換制御端子がプルダウンされる。そして、その状態において 、通常光撮像ユニット 31 Aの信号ケーブル 38aと、共通の信号ケーブル 43とが接続 されるようになつている。

[0029] また、制御スィッチ 48aの操作に伴い、制御回路 47は、光源装置 3内の制御回路 5 8に対しても、スコープケーブル 44内の制御信号線 49dを介して制御信号を出力す る。そして、制御回路 58は、制御回路 47から出力される制御信号に応じ、通常観察 光又は蛍光観察用の励起光を発生可能な状態となるように、光源装置 3が有する各 部を制御する。さらにまた、制御回路 47は、信号処理回路 46の動作状態を制御する ことにより、通常光撮像ユニット 31A及び蛍光撮像ユニット 31Bの各撮像素子に対応 した動作を行わせる。

[0030] 照明部としての光源装置 3は、励起光の波長を含む白色光を発生するランプ 51と、 このランプ 51の光を平行な光束にするコリメータレンズ 52と、このコリメータレンズ 52 の光路中に配置され、例えば可視光波長帯域（380ηπ！〜 780nm)における R (RE D) , G (GREEN) , B (BLUE)の波長帯域の光をそれぞれ通す RGBフィルタを周方 向〖こ設けた回転フィルタ 53と、この回転フィルタ 53の透過光を集光してライトガイド 2 1の基端部 22に出射する集光レンズ 54とを有する。

[0031] また、 RGBフィルタが設けられた回転フィルタ 53には、周方向の外側に、可視光の 波長帯域より短波長の波長帯域の励起光を通す励起光用フィルタが設けてある。ま た、この回転フィルタ 53は、モータ 55により回転駆動される。さらに、このモータ 55は 、ラック 56に取り付けられており、このラック 56に嚙合するギヤ付きモータ 57により、 矢印で示すように照明光軸と直交する方向に移動できるようになって!/、る。

[0032] このギヤ付きモータ 57は、制御回路 58により制御される。また、この制御回路 58は 、制御信号線 49dを介してプロセッサ 4の制御回路 47と接続され、制御スィッチ 48a の操作により、対応する制御動作を行う。 [0033] また、先端部 15には、先端カバー 24に配置された通常光撮像ユニット 31A及び蛍 光撮像ユニット 31Bの各対物レンズ (後に、観察レンズということもある）の外表面に、 その噴出口が向くようにして送気送水部である送気送水ノズル 60が配置されている。

[0034] この送気送水ノズル 60は、後述するように、基端側においては送気管路 6 la及び 送水管路 61bの 2つの管路に分岐しているとともに、先端側においては該 2つの管路 が合流して 1つの管路になっているという構造を有する送気送水管路 61に接続され ている。

[0035] 送気送水ノズル 60に連通する送気管路 61a及び送水管路 61bは、ユニバーサル ケーブル 13のコネクタ 14まで揷通されており、送気及び送水を行う図示しないポン プを内蔵した送気送水装置 6に接続される。

[0036] 送気管路 61a及び送水管路 61bは、その中途となる操作部 12において、送気送水 ボタン 63が介装されている。そして、前述の送気送水ボタン 63が操作されることによ り、送気及び送水が行われる。

[0037] これにより送気送水ノズル 60は、空気などの気体又は蒸留水などの液体を噴出方 向に配置された通常光撮像ユニット 31 A及び蛍光撮像ユニット 31Bの各対物レンズ の外表面に吹き付けて、体液、付着物等を除去及び洗浄して、清浄な状態での撮像 及び観察視野を確保できるようにして ヽる。

[0038] さらに、図 1においては省略している力 挿入部 11内には、体腔内の被検部位に蒸 留水などの液体を送水するための第 2の管路である前方送水チャンネルが設けられ ている。そして、この前方送水チャンネルの先端は、先端カバー 24の先端面におい て開口している。

[0039] この前方送水チャンネルは、前方送水装置 6aに接続されているとともに、操作部 1 2に配設される図示しない前方送水ボタンが介装されている。この前方送水ボタンが 操作されると、挿入部 11の先端面力 体腔への挿入方向に向かって蒸留水などの 液体が吹き付けられる。これにより、体腔内の被検部位に付着した体液などを洗浄す ることができる。尚、図 1に示すように、前方送水装置 6aから延出するケーブルにフッ トスイッチ 6bが接続されており、このフットスィッチ 6bの操作により、ユーザーは、挿入 部 11の先端面力 体腔への挿入方向に向かって蒸留水などの液体を吹き付けるこ とちでさる。

[0040] 図 2〜図 4に示すように、挿入部 11の先端部 15に配設される先端カバー 24には、 通常光撮像ユニット 31 Aの観察レンズ 3 laと、蛍光撮像ユニット 31Bの観察レンズ 31 bと、第 1の照明光学系および第 2の照明光学系を構成する、観察窓としての 2つの 照明レンズ 25a, 25bと、処置具チャンネルの開口部 26と、前方送水チャンネルの開 口部 27と、が配設されている。そして、前述したように、先端カバー 24には、噴出口 6 Oaが観察レンズ 3 la, 31bに向くようにして送気送水ノズル 60が配置されて!、る。

[0041] 先端部 15の先端カバー 24に配置されている観察レンズ 31aは、通常光撮像ュ-ッ ト 31 Aに入射される光を集光する。また、先端部 15の先端カバー 24に配置されてい る観察レンズ 31bは、通常光撮像ユニット 31Bに入射される光を集光する。

[0042] 尚、図 2及び図 3は、図 1の内視鏡の先端カバー部分を示す斜視図である。図 4は 、図 1の内視鏡の先端カバーを正面から見た平面図である。また、 2つの観察レンズ 31a, 31bは、光学部材である。

[0043] 具体的には、先端部 15を先端力も見たときに略円形状の先端カバー 24の先端面 には、略中央に、通常光観察のための撮像部を構成する、観察窓および光学部材と しての観察レンズ 3 laが配設され、この観察レンズ 31aを挟むように図 4の紙面に向 力つて見た左右に照明レンズ 25aと照明レンズ 25bが配設されている。さらに、先端 カバー 24の先端面には、図 4の紙面に向力つて、観察レンズ 31aの右側上方に前方 送水チャンネルの開口部 27が、左側上方に送気送水ノズル 60が、右側下方に、特 殊光観察のための撮像部を構成する、観察窓および光学部材としての観察レンズ 3 lb及び左側下方に送気送水チャンネルの開口部 26が、各々配設されている。

[0044] 尚、本実施の形態における先端カバー 24に配設される各観察レンズ 31a, 31b、 各開口部 26, 27および送気送水ノズル 60の配置については、詳しく後に説明する

[0045] 次に、図 5から図 11に基づいて、本実施の形態の内視鏡 2の挿入部 11の先端部 分の内部構成について説明する。尚、図 5は、図 4の A— A線に沿って切断した先端 部及び湾曲部の断面図である。図 6は、図 4の B— B線に沿って切断した先端部の断 面図である。図 7は、図 1の内視鏡の送気送水管路の分岐部分を示す断面図である 。図 8は、図 4の C C線に沿って切断した先端部の部分断面図である。図 9は、図 4 の D— D線に沿って切断した先端部の部分断面図である。図 10は、図 5の E— E線 に沿って切断した先端部の断面図である。図 11は、図 5の F—F線に沿って切断した 湾曲部の断面図である。

[0046] 図 5に示すように、内視鏡 2の湾曲部 16には、円環状の複数の湾曲駒 7が回動自 在に連設されている。各湾曲駒 7は、その内周面に溶着などの手段によって固設さ れている 4つのワイヤガード 7aを有している。 4つのワイヤガード 7aは、図 10に示すよ うに、挿入軸周りに夫々が略 90° ずらされた位置において、 1つの湾曲駒 7の内周 面に固定されている。

[0047] また、これら複数の湾曲駒 7には、それらの外周を覆うように細線のワイヤなどを筒 状に編み込んだ湾曲ブレード 9が被せられるとともに、この湾曲ブレード 9上に水密を 保つように外皮 10が被せられている。そして、前述した構成を有する湾曲駒 7、湾曲 ブレード 9及び外皮 10により、湾曲部 16が形成されている。

[0048] この外皮 10は、外周部分の一端が先端部 15に固着され、また、外周部分の他端 が可撓管部 17に固着されている状態において、湾曲部 16を被覆している。

[0049] また、湾曲部 16から基端に向かって延出する湾曲操作手段である 4本の湾曲操作 ワイヤ 8が揷入部 11内に揷通されている。これら 4本の湾曲操作ワイヤ 8は、該湾曲 操作ワイヤ 8の先端部分が先端部 15内に設けられた固定環 18の 4つの固定部 18a ( 図 11参照。尚、図 5において、 1つのみ図示している）により夫々、挿入軸周りに略 9 0° にずらされて保持固定されており、基端側の部分が湾曲駒 7に設けられた各ワイ ャガード 7aに夫々、揷通されるように設けられて 、る。

[0050] 尚、湾曲部 16の挿入軸が略直線となっている状態において、先端部 15に設けられ る固定環 18の各固定部 18aにより保持固定され、各湾曲駒 7の各ワイヤガード 7aに 挿通される各湾曲操作ワイヤ 8が略直線となるように、先端部 15及び各湾曲駒 7が連 結されている。

[0051] また、図 1に示すように、これら湾曲操作ワイヤ 8は、該湾曲操作ワイヤ 8の基端部が 操作部 12内に設けられ、湾曲操作ノブに連結されている図示しない湾曲操作機構 に連結されて交互に牽引又は弛緩されるようになっている。 [0052] 4本の湾曲操作ワイヤ 8が湾曲操作ノブの所定の操作によって夫々、牽引弛緩され ることによって、湾曲部 16が 4方向へ湾曲操作される。なお、前記 4方向とは、後述す るように、各撮像ユニット 31A, 31Bにより撮影されたモニタ 5に表示される内視鏡画 像の上下左右の 4方向に略一致する方向である。

[0053] また、前記上下方向に湾曲部 16を操作する第 1の湾曲操作手段である 2本の湾曲 操作ワイヤ 8と、前記左右方向に湾曲部 16を操作する第 2の湾曲操作手段である 2 本の湾曲操作ワイヤ 8とが夫々対となっている。すなわち、湾曲部 16内の湾曲駒 7に おける前記上下方向に対応する方向の 2つのワイヤガード 7aに夫々挿通保持される 2本の湾曲操作ワイヤ 8が第 1の湾曲操作手段であり、湾曲部 16内の湾曲駒 7にお ける前記左右方向に対応する方向の 2つのワイヤガード 7aに夫々挿通保持される 2 本の湾曲操作ワイヤ 8が第 2の湾曲操作手段である。

[0054] 先端部 15内には、硬質な金属からなり、複数、本実施の形態においては 7つの孔 部が形成された円柱部材 15aと、この円柱部材 15aの基端側外周部を外嵌する円環 状の補強環 15bとが配設されている。また、前述の 4つの固定部 18aを有する固定環 18は、先端部 15の補強環 15bの内周側に挿嵌されている。さらに、補強環 15bは、 基端部分が最先端の湾曲駒 7と連結されて ヽる。

[0055] 先端部 15内の円柱部材 15aに形成された 7つの孔部のうち、 2つの孔部が処置具 チャンネル 19及び前方送水チャンネル 20の先端部分を形成し、残りの 5つの孔部に は、前述の通常光撮像ユニット 31 A、蛍光撮像ユニット 3 IB及び送気送水ノズル 60 と、後述する 2つの照明レンズユニットが夫々、配置されている。

[0056] なお、円柱部材 15aの前記 7つの孔部のうち、 1つの孔部は、例えば、ビス、接着剤 などの第 1の観察光学系固定手段によって固定されるとともに、観察レンズ 31aを含 む通常光観察ユニット 31Aが配置される第 1の観察光学系配置手段を構成している 。また、他の 1つの孔部は、例えば、ビス、接着剤などの第 2の観察光学系固定手段 によって固定されるとともに、観察レンズ 31bを含む蛍光観察ユニット 31Bが配置され る第 2の観察光学系配置手段を構成している。さらに、第 1及び第 2の照明光学系と しての各照明レンズ 25を夫々備えた 2つの照明レンズユニットが例えば、ビス、接着 剤などの第 1及び第 2の照明光学系固定手段により夫々固定配置される他の 2つの 孔部は、一方が第 1の照明光学配置手段であって、他方が第 2の照明光学配置手段 を構成している。

[0057] また、前記 7つの孔部のうち、送気送水部である送気送水ノズル 60が配置される孔 部は、例えば、ビス、接着剤などの第 1の送気送水固定手段によって送気ノズル 60 を固定配置する送気送水配置手段を構成している。さらに、前記 7つの孔部のうち、 第 1の内視鏡管路である処置具チャンネル 19が配置される孔部は、第 1の内視鏡管 路配置手段を構成し、第 2の内視鏡管路である前方送水チャンネル 20が配置される 穴部は第 2の内視鏡管路配置手段を構成している。なお、処置具チャンネル 19は、 例えば、ビス、接着剤などの第 1の内視鏡管路固定手段により前記 7つの孔部のうち の 1つの孔部に固定配置され、前方送水チャンネル 20は、例えば、ビス、接着剤など の第 2の内視鏡管路固定手段により他の 1つの孔部に固定配置される。

[0058] 処置具チャンネル 19は、先端部 15の先端面に設けられた先端カバー 24において 開口している開口部 26と、先端部 15の円柱部材 15aの孔部に挿嵌される略円筒状 の管部材 19aと、先端部分が管部材 19aの基端部分を覆い、糸巻きにより接続固定 されている柔軟なチューブ力もなる処置具管路 19bとを有して構成されている。

[0059] この処置具管路 19bは、挿入部 11内を揷通し、その基端が操作部 12において、上 述したように、図 1にお 、ては図示して!/ヽな 、処置具揷通口にお ヽて開口して 、る。

[0060] また、同じく先端カバー 24に開口部 27を有する前方送水チャンネル 20は、先端部 15の円柱部材 15aの孔部に挿嵌される略円筒状の管部材 20aと、管部材 20aの基 端部分を覆い、先端部分が糸巻きにより接続固定されている前方送水管路 20bとを 有して構成されている。

[0061] この前方送水管路 20bは、挿入部 11、操作部 12及びユニバーサルケーブル 13を 通って、コネクタ 14まで挿通しており、前方送水装置 6aに接続される。尚、上述した ように、前方送水チャンネル 20である前方送水管路 20bは、操作部 12において、図 示しな 、前方送水ボタンが介装されて 、る。

[0062] 図 6に示すように、送気送水ノズル 60は、略 L字形状に曲げられた管状部材であつ て、先端側の開口部 60aが各観察レンズ 31a, 31bの外表面側に向くように、基端部 分が先端部 15の円柱部材 15aの孔部に挿嵌されている。 [0063] 送気送水ノズル 60に対応した円柱部材 15aの孔部の基端側には、管部材 62の先 端部分が挿嵌されており、この管部材 62の基端部分に送気送水管路 61が接続され ている。尚、管部材 62と送気送水管路 61とは、糸巻きにより接続固定されている。

[0064] この送気送水管路 61は、図 7に示すように、その基端部分が分岐管 50に接続され ており、分岐管 50の分岐端部が送気管路 61a及び送水管路 61bの先端部分に夫々 接続されている。これにより、送気送水管路 61は、送気管路 61a及び送水管路 61b と連通する。尚、各管路 61, 61a, 61bと分岐管 50とは、糸巻きにより接続固定され ており、夫々の接続部分及び分岐管 50全体の周囲に例えば接着剤などが塗布され 、各接続部分が気密 (水密)保持されている。

[0065] また、先端部 15の円柱部材 15aに形成される 7つの孔部のうち、 2つには、先端側 力も照明レンズユニット 23が夫々挿嵌され、基端部分にライトガイド 21の先端部分が 夫々挿嵌されている。図 8及び図 9に示すように、照明レンズユニット 23は、複数の照 明レンズ 25と、それら照明レンズ 25を保持する保持枠 23aとを有して構成されている 。尚、本実施の形態における 2つの照明レンズユニット 23は、各照明レンズ 25の最先 端となる照明レンズ 25a, 25bを夫々有している。

[0066] ライトガイド 21は、先端部分に円筒部材 21aが被せられ、複数のファイバ繊維を束 ねている外皮 29により被覆されている。円筒部材 21aの基端部分は、先端部分が糸 巻き固定されているチューブ 28に接続固定されており、外皮 29に被覆されたライトガ イド 21がチューブ 28内に揷通して!/、る。

[0067] 図 6に戻って、通常光撮像ユニット 31 Aは、レンズユニット 32と、 CCDまたは CMO S等である撮像素子 33と、回路基板 34とを有している。

[0068] レンズユニット 32は、第 1〜第 4レンズ群 32A〜32Dと、第 1〜第 4レンズ枠 32a〜3 2dとを有して構成されている。本実施の形態においては、観察レンズ 31aを含む 4つ の対物レンズからなる第 1レンズ群 32Aが第 1レンズ枠 32aに保持されており、 1つの 対物レンズからなる第 2レンズ 32Bが第 2レンズ枠 32bに保持され、 2つの対物レンズ 力もなる第 3レンズ群 32Cが第 3レンズ枠 32cに保持され、 3つの対物レンズからなる 第 4レンズ群 32Dが第 4レンズ枠 32dに保持されている。

[0069] また、第 2レンズ 32Bを保持する第 2レンズ枠 32bは、ズーミングのため撮影光軸方 向に対して進退可能な移動枠である。尚、この第 2レンズ枠 32bは、操作部 12に設け られる図示しないズーミング用の操作レバーがユーザーにより操作されることにより、 通常光撮像ユニット 31Aに設けられる、例えば、図示しないモータまたはァクチユエ ータなどの駆動手段により、撮影光軸方向に対する進退移動が行われる。内視鏡 2 力 のような構成を有することにより、通常光撮像ユニット 31Aは、例えば、観察レン ズ 3 laの視野内において得た内視鏡画像の一部をモニタ 5において拡大表示するこ とがでさる。

[0070] 尚、第 2レンズ枠 32bを撮影光軸方向に対する進退移動を行う駆動手段は、図 10 に示す、信号線 38cにより駆動 Z停止信号が供給される。この信号線 38cは、通常 光撮像ユニット 31 Aから、挿入部 11内を通って、操作部 12まで挿通している。

[0071] 撮像素子 33は、第 4レンズ枠 32d最基端にある対物レンズの基端側に並設される カバーレンズ 33aが受光面側に設けられ、回路基板 34に光学像に対応する電気信 号を出力する。この回路基板 34は、電気部品及び配線パターンを有し、撮像素子 3 3からの光学像を電気的な画像信号に光電変換を行 ヽ、その画像信号を信号ケー ブル 38aに出力する。尚、回路基板 34には、信号ケーブル 38aが有する複数の信号 線が半田附け等の手段によって接続されている。

[0072] カバーレンズ 33a、撮像素子 33、回路基板 34及び信号ケーブル 38aの先端部分 は、夫々の外周部が一体的に絶縁封止榭脂などにより覆われ、補強用円環部 35a 及び絶縁チューブ 35bにより被覆されている。

[0073] また、信号ケーブル 38aは、通常光撮像ユニット 31 Aの撮像素子 33及び回路基板 34にて取得した画像信号を図 1に示したコネクタ 14のリレー基板 42及び信号ケープ ル 43を介して、プロセッサ 4の信号処理回路 46に伝送する。

[0074] その一方、蛍光撮像ユニット 31Bは、通常光撮像ユニット 31Aと同様に、レンズュ- ット 32と、 CCDまたは CMOSなどの撮像素子 38と、回路基板 39とを有している。

[0075] レンズユニット 36は、第 1及び第 2レンズ群 36A, 36Bと、第 1及び第 2レンズ枠 32a , 32bとを有して構成されている。本実施の形態においては、観察レンズ 31bを含む 7つの対物レンズ力もなる第 1レンズ群 36Aが第 1レンズ枠 36aに保持されており、第 2レンズ 36Bが第 2レンズ枠 36bに保持されて!、る。 [0076] 撮像素子 38は、第 2レンズ枠 36bの最基端にある対物レンズの基端側に並設され るカバーレンズ 40が受光面側に設けられ、回路基板 39に光学像の電気信号を出力 する。この回路基板 39は、通常光撮像ユニット 31Aの回路基板 34と同様に電気部 品及び配線パターンを有し、信号ケーブル 38aが有する複数の信号線が半田附け 等の手段によって接続されている。また、回路基板 39は、撮像素子 38からの光学像 を電気的な画像信号に光電変換を行い、その画像信号を信号ケーブル 38bに出力 する。

[0077] カバーレンズ 40、撮像素子 33、回路基板 34及び信号ケーブル 38aの先端部分は

、夫々の外周部が一体的に絶縁封止榭脂などにより覆われ、補強用円環部 35a及 び絶縁チューブ 35bにより被覆されている。

[0078] また、信号ケーブル 38bは、蛍光撮像ユニット 31Bの撮像素子 38及び回路基板 39 にて取得した画像信号を図 1に示したコネクタ 14のリレー基板 42及び信号ケーブル

43を介して、プロセッサ 4の信号処理回路 46に伝送する。

[0079] 以上に説明した通常光撮像ユニット 31A及び蛍光撮像ユニット 31Bは、先端部 15 の円柱部材 15aに設けられた所定の孔部に夫々挿嵌されて、ねじなどの固定部材と 共に接着剤などにより強固に固定されている。

[0080] また、本実施の形態においては、通常光撮像ユニット 31 Aの先端に配置されている 観察レンズ 31aは、蛍光撮像ユニット 31Bの先端に配置されている観察レンズ 31bに 比べて大きなレンズ径 (外径である直径）を有して!/、る。

[0081] また、各撮像ユニット 31A, 31Bは、 2つの撮像素子 33, 38の夫々の受光面が揷 入部 11の挿入軸に対して直交し、 2つの撮像素子 33, 38の電荷転送方向としての 水平転送方向及び垂直転送方向が夫々一致するように先端部 15内での設置方向 が決められている。

[0082] また、各撮像ユニット 31 A, 31Bによって撮影された被写体像が図 1に示すモニタ 5 に表示される力 このモニタ 5の上下方向が各撮像素子 33, 38の CCD素子又は C MOS素子の垂直転送方向と一致し、左右方向が各撮像素子 33, 38の CCD素子 又は CMOS素子の水平転送方向に一致している。すなわち、各撮像ユニット 31A, 31Bにより撮影された内視鏡画像の上下左右方向は、モニタ 5の上下左右方向と一 致している。

[0083] このモニタ 5に表示される内視鏡画像の上下左右方向に対応するように、挿入部 1 1の湾曲部 16の上下左右方向が決定される。つまり、湾曲部 16内に揷通する 4つの 湾曲操作ワイヤ 8が、上述したように、操作部 12に設けられる湾曲操作ノブの所定の 操作によって牽引弛緩され、湾曲部 16は、モニタ 5に表示される内視鏡画像の上下 左右方向に対応する上下左右の 4方向へ湾曲自在となって 、る。

[0084] すなわち、各撮像ユニット 31 A, 31Bは、通常光での観察と蛍光の観察が切替えら れても、モニタ 5に表示される内視鏡画像が常に湾曲部 16の湾曲操作方向の上下 左右方向が等しくなるとともに、夫々の撮像素子 33, 38の水平転送方向及び垂直転 送方向が夫々一致するように、先端部 15内における設置方向が決められて 、る。

[0085] これにより、ユーザーは、内視鏡画像を通常光での観察画像と蛍光の観察画像に 切替えた際のモニタ 5に表示される内視鏡画像の上下左右方向の違和感を受けるこ となく湾曲部 16の上下左右方向の湾曲操作を行うことができる。

[0086] 尚、後述する説明における、第 1の方向としての上下方向は、モニタ 5に表示される 内視鏡画像の上下方向、湾曲部 16が湾曲操作される上下方向と略一致する方向と して説明する。また、通常において、モニタ 5は、その上下方向が鉛直上下方向と略 一致するように、設置されている。更に、上記上下方向に略直交する第 2の方向であ る左右方向は、モニタ 5に表示される内視鏡画像の左右方向及び湾曲部 16が湾曲 操作される左右方向と略一致する方向として説明する。

[0087] ここで、以上に説明した内視鏡システム 1の作用について説明する。

[0088] 図 1に示したように、ユーザーは、内視鏡 2のコネクタ 14を光源装置 3に接続し、さら に、このコネクタ 14にスコープケーブル 44の一端を接続し、スコープケーブル 44の 他端をプロセッサ 4に接続する。また、ユーザーは、送気管路 61a及び送水管路 61b を送気送水装置 6に接続する。

[0089] そして、ユーザーは、光源装置 3などの電源スィッチを ONにして、それぞれ動作状 態に設定する。このとき、プロセッサ 4と光源装置 3の制御回路 47, 58は、制御信号 等を送受信できる状態になる。

[0090] また、起動開始直後の状態においては、リレー基板 42は通常光撮像ユニット 31A 側が選択されるように設定されている。また、制御回路 47は、通常光観察状態に設 定する制御動作を行う。つまり、制御回路 47は、光源装置 3の制御回路 58に制御信 号を送り、通常光観察のための照明光の供給状態に設定する。

[0091] さらに、この制御回路 47は、 CCDドライブ回路 45aを駆動させるように制御すると共 に、信号処理回路 46の動作状態を通常光観察モードに設定する。

ユーザーは、内視鏡 2の挿入部 11を体腔内に挿入し、診断対象の患部等を観察 できるように設定する。

[0092] 光源装置 3は、上述のように通常光観察のための照明光の供給状態となる。この状 態において、回転フィルタ 53は、 RGBフィルタが照明光路中に配置された状態でモ ータ 55により回転駆動される。そして、ライトガイド 21には RGBの照明光が面順次な 光として供給される。これに同期して、 CCDドライブ回路 45aは、 CCDドライブ信号を 出力し、照明レンズ 25a、 25bを経て患者の体腔内の患部等を照明する。

[0093] 照明された患部等の被写体は、通常光撮像ユニット 31Aのレンズユニット 32を通つ て、撮像素子 33の受光面に結像され、光電変換される。そして、この撮像素子 33は 、ドライブ信号の印加により、光電変換した信号を出力する。この信号は、信号ケー ブル 38a及びリレー基板 42により選択されている共通の信号ケーブル 43を介して信 号処理回路 46に入力される。

[0094] この信号処理回路 46内に入力された信号は、内部において AZD変換された後、 R, G, B用メモリに一時格納される。

[0095] その後、 R, G, B用メモリに格納された信号は、同時に読み出されて同時化された R, G, B信号となり、さらに DZA変換されてアナログの R, G, B信号となり、モニタ 5 にお 、てカラー表示される。

[0096] そして、ユーザーは、通常光観察による観察を行った患部に対し、蛍光観察により 、該患部をさらに詳しく調べたいと望む場合には、制御スィッチ 48aを ONする。する と、制御回路 47は、制御スィッチ 48aから出力される切換指示信号を受けて、リレー 基板 42の切り換え制御を行うと共に、制御回路 58を介して光源装置 3を蛍光観察の ための励起光の供給状態に設定する。

[0097] また、制御回路 47は、ドライブ回路 45bを動作状態に制御すると共に、信号処理回 路 46を蛍光観察の処理モードに設定する。

[0098] この場合には、光源装置 3内の制御回路 58は、ギヤ付きモータ 57により、モータ 5

5と共に、回転フィルタ 53を照明光路と直交する方向に移動し、照明光路中に励起 光フィルタが配置されるようにする。

[0099] この状態において、ランプ 51からの光は、励起光フィルタを透過することにより、例 えば 400〜450nm付近の波長帯域を有する励起光としてライトガイド 21に供給され る。そして、この励起光は照明レンズ 25a、 25bを経て体腔内の患部等に照射される

[0100] 励起光が照射された患部等は、癌組織であるとその励起光を吸収して、正常な組 織の場合よりも強い蛍光を発する。その蛍光を発する部位の光は、蛍光撮像ユ ット 31Bのレンズユニット 36を通って、撮像素子 38の受光面に結像され、光電変換され る。

[0101] そして、この撮像素子 38は、ドライブ回路 45bからのドライブ信号の印加により、光 電変換及び増幅した信号を出力する。この信号は、信号ケーブル 38b及びリレー基 板 42により選択されている共通の信号ケーブル 43を経て信号処理回路 46に入力さ れる。

[0102] この信号処理回路 46内に入力された信号は、内部で AZD変換された後、 R, G,

B用メモリに、例えば同時に格納される。

[0103] その後、 R, G, B用メモリに格納された信号は、同時に読み出されて同時化された

R, G, B信号となり、さらに DZA変換されてアナログの R, G, B信号となり、モニタ 5 にモノクロ表示されるようになる。

[0104] なお、信号処理回路 46内に入力された信号のレベルを複数の閾値と比較し、その 比較結果に応じて、割り当てる色を変えることにより、擬似カラー化して表示してもよ い。

[0105] このように本実施の形態によれば、通常光観察を行うことができると共に、蛍光観察 を行うこともできるので、通常光観察のみの内視鏡に比べて、より診断し易い内視鏡 を実現できる。また、本実施の形態によれば、撮像ユニット 31A, 31Bをそれぞれ設 けているので、第 1の観察画像としての特殊光観察画像、すなわち、蛍光観察画像と 、第 2の観察画像としての通常光観察画像とを得ることができる。すなわち、第 1の撮 像部である撮像ユニット 31Bは、先端部 15の先端カバー 24に配置された観察レンズ 31bにより集光される光に基づき、第 1の観察画像としての特殊光観察画像を得るこ とができる。また、第 2の撮像部である撮像ユニット 31Aは、先端部 15の先端カバー 2 4に配置された観察レンズ 31aにより集光される光に基づき、第 2の観察画像としての 通常光観察画像を得ることができる。

[0106] 特に、蛍光観察を行う場合には、通常観察の場合に比べて微弱な光による像を撮 像することが多くある。そのため、蛍光観察においては、 SZNの高い撮像素子を用 いることが望ましい。そして、蛍光観察用の撮像素子として、通常観察用の撮像素子 を兼用した場合、 SZNが低い画像になり易くなつてしまう。しかし、本実施の形態に おいては、蛍光観察に適した専用の撮像素子 38を採用しているので、 SZNの良い 蛍光画像を得ることができる。

[0107] また、切換用のリレー基板 42を設けて、 2つの撮像ユニット 31A、 31Bにおける一 方の撮像ユニットのみがプロセッサ 4と接続される構成とすることにより、常時 2つの各 撮像ユニット 31 A、 3 IBを駆動及び信号処理しなければならな 、場合に比較してコ ンパタトな構成の内視鏡システム 1を形成できる。

[0108] また、本実施の形態によれば、 1つの送気送水ノズル 60により、両方の観察レンズ 31a, 31bの外表面に気液を吹き付けて清浄な状態に設定して、良好な観察視野を 確保できるようにしているので、挿入部 11を細径ィ匕でき、挿入の際に患者に与える苦 痛を軽減できると共に、挿入可能となる体腔の適用範囲を拡大することができる。

[0109] また、本実施の形態の内視鏡 2は、通常光観察用の撮像ユニットのみを備えた既存 の内視鏡と同様の外観構造にしてあり、スコープケーブル 44を介して通常光観察用 の撮像ユニットのみを備えた既存の内視鏡に対する駆動及び信号処理を行う図示し な 、プロセッサに接続することにより、既存の内視鏡と同様に通常光観察用の内視 鏡としても使用することもできる。つまり、内視鏡 2は、通常光観察用の撮像ユニットの みを備えた既存の内視鏡と同様の互換性を保ちつつ、既存のプロセッサに接続して 使用することちできる。

[0110] ここで、本実施の形態の内視鏡 2は、以下に説明する構造により種々の特徴 (効果 )を有する。

[0111] 先ず、図 12を参照して、先端カバー 24に配設される送気送水ノズル 60及び各観 察レンズ 31a, 31bの配置について詳しく説明する。

[0112] 図 12は、先端カバーの先端面を示す正面図である。尚、以下の説明において、先 端カバー 24の中心を Oとし、通常光撮像ユニット 31Aの観察レンズ 31aの中心を O

0 1 とし、蛍光撮像ユニット 31Bの観察レンズ 31bの中心を Oとする。また、後述する、第

2

1の中心としての照明レンズ 25aの中心を Oとし、第 2の中心としての照明レンズ 25b

3

の中心を Oとし、処置具チャンネル 19の開口部 26の中心を Oとし、前方送水チャン

4 5 ネル 20の開口部 27の中心を Oとする。さらに、先端カバー 24の先端面の中心 Oを

6 0 通り、湾曲部 16の湾曲上下方向の線を垂直線 Xとし、湾曲左右方向の線を水平線 Y とする。尚、以下の説明において、本実施の形態における垂直線 Xは、鉛直線と等し い線としている。

[0113] 前述したように、送気送水ノズル 60は、その噴出口 60aが観察レンズ 31aに向かつ て臨むように、図 12の紙面に向かって見た先端カバー 24の先端面の左側上方に配 設されている。尚、送気送水ノズル 60は、その噴出口 60aが観察レンズ 31a側を臨 むように、図 12の紙面に向かって見た先端カバー 24の先端面の右側上方に配設さ れていてもよい。このとき、送気送水ノズル 60及び各観察レンズ 3 la, 31bは、先端力 バー 24の先端面にぉ 、て、略直線上に並ぶように配置される。

[0114] 本実施の形態においては、送気送水ノズル 60の噴出口 60aから噴出される蒸留水 又は空気など気液が図中の矢印線 AR方向に噴出するように、送気送水ノズル 60が 先端カバー 24の先端面に配設される。この送気送水ノズル 60は、噴出口 60aから蒸 留水又は空気など気液を拡散するように気液噴出範囲 A内に噴出する。尚、矢印線 ARは、噴出口 60aを有する送気送水ノズル 60の先端面に対して、略直交する方向 であって、噴出口 60aの孔面中央を通る線である。

[0115] 上述した、矢印線 ARの線上に観察レンズ 31aの中心 Oを通る観察光軸と交差す るように、送気送水ノズル 60の軸周りの設置方向、すなわち、噴出口 60aが臨む方 向が決められている。換言すると、蒸留水又は空気など気液の噴出方向である矢印 線 ARが垂直線 Xに対して第 1の角度となる所定の角度 θ 1を有するように、送気送 水ノズル 60の噴出口 60aが臨む方向が決められている。

[0116] その一方で、蛍光撮像ユニット 31Bの観察レンズ 3 lbは、その外表面が先端カバー 24を先端から見たときに、少なくとも矢印線 ARと交わる部分を有するように、図 10の 紙面に向力つた先端カバー 24の先端面の右側下方に配設される。また、観察レンズ 31bは、その中心 Oが矢印線 ARの線分よりも下方側に位置するように先端カバー 2

2

4の先端面に配設されて 、る。

[0117] 以上、説明したように、送気送水ノズル 60及び 2つの観察レンズ 3 la, 31bは、先端 カバー 24の先端面にぉ 、て、略直線上に並設されて！/、る。

[0118] 詳述すると、通常光撮像ユニット 31Aの観察レンズ 31aの中心 Oと蛍光撮像ュ-ッ ト 31Bの観察レンズ 31bの中心 Oを結んだ線 aは、矢印線 ARに対して所定の角度

2

0 2を有して若干に先端カバー 24を先端面側から見たときに下方側にずれている。 換言すると、送気送水ノズル 60の噴出口 60aの孔面中心と観察レンズ 31bの中心 O

2 を結んだ線 bは、矢印線 ARに対して所定の角度 Θ 3を有して若干に先端カバー 24 を先端面側力 見たときに上方側にずれている。

[0119] これにより、各観察レンズ 31a, 31bは、先端カバー 24に配設される各位置が決め られ、それに合わせて、送気送水ノズル 60の噴出口 60aの方向（矢印線 AR方向）が 決められている。さらに、前記角度 Θ 2, Θ 3は、送気送水ノズル 60からの気液噴出 範囲 Aの範囲内に観察レンズ 3 lbの外表面が全て含まれるような範囲に設定されて いる。

[0120] 尚、送気送水ノズル 60の気液噴出範囲 Aは、先端カバー 24の先端側力も見たとき に、通常光撮像ユニット 31 Aの観察レンズ 3 laの外表面を全て含むように設定されて いる。

[0121] また、観察レンズ 3 lbの外径よりも大きなレンズ径 (外径である直径)を有する観察 レンズ 31aは、送気送水ノズル 60に近接するように先端カバー 24の先端面に配設さ れている。

[0122] つまり、先端カバー 24は、先端面側力も見た方向に対して、湾曲部 16の湾曲上下 方向、すなわち、各撮像ユニット 31A, 31Bが有している夫々の撮像素子 33, 38が 処理する垂直転送方向の上下方向を略 2等分する水平線 Yよりも上方側の位置に送 気送水ノズル 60を有している。換言すると、送気送水ノズル 60は、前記水平線 Yから 前記噴出方向（矢印線 AR方向）とは逆方向に離れて、先端カバー 24に配設されて いる。

[0123] さらに、先端カバー 24は、先端面側から見た方向に対する左右方向（湾曲部 16の 湾曲左右方向とは逆方向となる）、すなわち、各撮像ユニット 31A, 31Bが有している 夫々の撮像素子 33, 38が処理する垂直転送方向の左右方向を 2等分する垂直線 X 上には、送気送水ノズル 60の長手方向の軸 (挿入方向と平行な軸）に直交する方向 の断面が存在しな 、ように配設された送気送水ノズル 60を有して!/、る。

[0124] 尚、本実施の形態において、送気送水ノズル 60及び噴出口 60aは、先端カバー 2 4の先端面側力 見たときに、垂直線 Xから左方向に所定の距離だけ離間した先端 カバー 24の先端面の位置に配設されている。つまり、送気送水ノズル 60は、先端力 バー 24の先端面側力も見たときに、その長手方向の軸が先端カバー 24を上下に 2 等分する水平線 Yよりも上方側、且つ、先端カバー 24を左右に 2等分する垂直線 X 力 左方側にずらされた位置に存在するように配置される。

[0125] 以上に述べたように、本実施の形態の内視鏡 2は、先端カバー 24の先端面におい て、送気送水ノズル 60、通常光撮像ユニット 31 Aの観察レンズ 3 la及び蛍光撮像ュ ニット 31Bの観察レンズ 31bが略直線上に配設されている。その結果、本実施の形 態の内視鏡 2は、 1つの送気送水ノズル 60から、各観察レンズ 31a、 31bの外表面に 対して気液が吹き付けられることにより、該各観察レンズの外表面を清浄な状態に設 定することができるとともに、良好な観察視野を確保できるようにして ヽる。

[0126] また、送気送水ノズル 60は、長手方向の軸が先端カバー 24を上下に 2等分する水 平線 Yよりも上方側であり、且つ、先端カバー 24を左右に 2等分する垂直線 Xから所 定の距離だけずれた位置に配置されている。そのため、送気送水ノズル 60と連通す る送気送水管路 61は、挿入部 11が略直線状態の際、先端部 15内に配設される固 定環 18の 4つの固定部 18a及び湾曲部 16内に配設される各湾曲駒 7に夫々設けら れる 4つのワイヤガード 7aと当接することなく略真つ直ぐに先端部 15内及び湾曲部 1 6内に揷通される。

[0127] さらに、上述する送気送水ノズル 60の配置により、送気送水管路 61は、湾曲部 16 内にお 、て、各湾曲駒 7の 4つのワイヤガード 7aに夫々揷通保持される 4本の湾曲操 作ワイヤ 8との接触が防止されるため、湾曲操作ワイヤ 8の牽引弛緩による移動の阻 害を防止すると共に、湾曲操作ワイヤ 8の擦過による劣化を防止することができる。

[0128] 以上の結果、本実施の内視鏡 2は、挿入部 11、特に、先端部 15及び湾曲部 16を 細径ィ匕することができ、挿入の際に患者に与える苦痛を軽減できると共に、挿入可能 となる体腔の適用範囲を拡大することができる。

[0129] また、一般に内視鏡 2は、ユーザーにより湾曲部 16の湾曲上下方向を鉛直方向の 上下に合わせて使用される。そのため、送気送水ノズル 60の噴出口 60aから噴出さ れる蒸留水などの液体は、重力の影響により、噴出口 60aより遠方側が下方側へ流 れ落ちる。

[0130] さらに、送気送水ノズル 60の噴出口 60aから蒸留水又は空気など気液を噴出する と共に、処置具チャンネル 19により吸引が行われた場合、先端カバー 24の下方側に 設けられる処置具チャンネル 19の開口部 26からの吸引力により、前記液体又は前 記気体は、開口部 26方向へ引き寄せられる力を受け、湾曲下方側に流れが変化す る。

[0131] このような事情により、本実施の形態の内視鏡 2は、先端カバー 24の先端面におい て、蛍光撮像ユニット 31Bの観察レンズ 31bが、その中心 Oと通常光撮像ユニット 31

2

Aの観察レンズ 31aの中心 Oを結んだ線 aが送気送水ノズル 60の噴出口 60aから噴 出される蒸留水などの液体の噴出方向である矢印線 ARに対して湾曲部 16の湾曲 下方側に所定の角度 Θ 2だけずらされている。

[0132] そのため、先端カバー 24の先端面において、送気送水ノズル 60から観察レンズ 31 aよりも遠方に位置する観察レンズ 31bは、重力の影響により、噴出方向よりも湾曲下 方側へ流れ落ちた蒸留水などの液体が効率良く吹き付けられ、清浄な状態に洗浄さ れ、良好な観察視野が確保される。さらに、観察レンズ 31bは、吸引が行われることに よって、湾曲下方側へ流れが変化する蒸留水又は空気など気液においても、同様に 効率良く吹き付けられ、清浄な状態に洗浄され、良好な観察視野が確保される。

[0133] また、患者の体腔内に挿入された内視鏡 2は、挿入部 11に汚物などが付着される。

とくに、先端カバー 24の先端面は、挿入方向に対して略垂直な面となっているため、 汚物などが付着し易い。特に、通常光撮像ユニット 31 Aの観察レンズ 3 la及び蛍光 撮像ユニット 31Bの観察レンズ 31bは、夫々の観察視野の確保のため、付着した汚 物などが確実に洗浄されることが望ま 、。

[0134] 一般的に、内視鏡 2を用いた観察においては、蛍光観察を行う頻度に比べ、通常 光観察を行う頻度が高い。そのため、通常光観察においては、良好な観察視野及び 十分な受光光量の確保がなされることが望ましい。本実施の形態における通常光撮 像ユニット 31Aは、先端部 15の先端面の略中央付近に配設されているとともに、蛍 光撮像ユニット 31Bへ撮像のため入射する光を導く観察レンズ 3 lbのレンズ径 (外径 である直径)よりも大き 、レンズ径 (外径である直径）を有する観察レンズ 3 laを具備 することにより、通常光観察における、良好な観察視野及び十分な受光光量の確保 を実現している。

[0135] 特に、本実施の形態の内視鏡は、拡大機能を有しており、テレ Zズーム時の収差を 抑えるため、複数のレンズ群 32A〜32Dを設ける必要があり、その結果において、光 線高が高くなることからレンズ径 (外径である直径）が大きくなつて 、る。

[0136] 換言すると、観察レンズ 3 laは、観察レンズ 3 lbよりもレンズ径 (外径である直径）が 大きぐすなわち、外表面積が広ぐ入射する光の結像側に設けられる通常光撮像ュ ニット 31 Aの撮像素子 33に入射光を集光する。

[0137] また、送気送水ノズル 60の噴出口 60aから噴出される蒸留水又は空気など気液は 、噴出口 60aに近い側の噴出力が大きぐ噴出方向の遠方側になるにつれて、噴出 力が低下すると共に、拡散による密度が低下する。

[0138] このような事情により、本実施の形態の内視鏡 2は、図 11に示すように、蛍光撮像 ユニット 31Bの観察レンズ 31bのレンズ径（外径である直径）よりもレンズ径（外径であ る直径)の大きい通常光撮像ユニット 31Aの観察レンズ 31aが送気送水ノズル 60に 近接する先端カバー 24の先端面の位置に配設されている。尚、上述したように、観 察レンズ 31aは、その外表面全体が送気送水ノズル 60の噴出口 60aから噴出される 蒸留水又は空気など気液の噴出範囲 A内に含まれている。

[0139] これ〖こより、内視鏡 2は、体液、汚物などが付着し易 、レンズ径 (外径である直径）の 大きい観察レンズ 31aが送気送水ノズル 60に近接しているため、噴出口 60aから噴 出される蒸留水又は空気など気液の噴出力及び密度の低下による影響を受けること なぐ洗浄性が向上される。

[0140] 尚、本実施の形態の内視鏡 2は、上述したように、送気送水ノズル 60、通常光撮像 ユニット 31 Aの観察レンズ 3 la及び蛍光撮像ユニット 31Bの観察レンズ 3 lbが図 12 に示す先端カバー 24の先端面に略直線上に並設されている。また、送気送水ノズル 60の噴出口 60aから噴出される蒸留水又は空気など気液の噴出方向である矢印線 AR上には、先端カバー 24の先端面に他の構成部品が配設されて 、な!/、。

[0141] すなわち、矢印線 AR上において、蛍光撮像ユニット 31Bの観察レンズ 3 lbから先 端カバー 24の外周側の先端面には、他の構成部品が配設されていない。

[0142] このような構成により、各観察レンズ 31a, 3 lbに付着した汚物などを洗浄した気液 は、他の構成部品に流れることなぐ噴出方向である矢印線 AR方向に向力つた先端 カバー 24の外縁部に流れる。その結果、内視鏡 2の先端カバー 24の先端面は、送 気送水ノズル 60からの蒸留水又は空気など気液の噴出が行われると、確実に洗浄さ れる。

[0143] 次に、図 12、図 13及び図 14を参照して、先端カバー 24に配設される 2つの照明レ ンズ 25a, 25b、処置具チャンネル 19の開口部 26及び前方送水チャンネル 20の開 口部 27の配置にっ 、て詳しく説明する。

[0144] 上述したように、先端カバー 24の先端面には、 2つの照明レンズ 25a, 25b力 略 中央に配設される通常光撮像ユニット 31 Aの観察レンズ 3 laを挟むように、湾曲左右 方向の位置に夫々配設されている。また、先端カバー 24の先端面には、処置具チヤ ンネル 19の開口部 26が観察レンズ 31aの左側下方の位置に、前方送水チャンネル 20の開口部 27が観察レンズ 3 laの右側上方の位置に夫々配設されている。換言す ると、照明光学系を構成する照明レンズ 25aおよび 25bには、夫々の中心 Oおよび

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Oを結んだ直線上に通常光撮像ユニット 31Aの観察レンズ 31aが略並ぶように夫々

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配置されている。

[0145] 照明レンズ 25aおよび 25bが上述したような位置に夫々配置されている先端部 15 を体腔内に挿入する場合、例えば、図 14に示すように、モニタ 5に表示される内視鏡 画像としての観察レンズ 31aの視野領域 R内において、照明光学系を構成する照明 レンズ 25aから出射される照射光により明るく照らし出される領域は領域 Rlとして、ま た、照明光学系を構成する照明レンズ 25bから出射される照射光により明るく照らし 出される領域は領域 R2として、模式的に示される。そのため、領域 R1および領域 R2 が重なった領域は、照明レンズ 25aおよび 25bの両方から出射される照射光により照 明される。また、例えば、図示しないズーミング用の操作レバーがユーザーにより操 作されることにより、モニタ 5に表示される内視鏡画像において拡大表示することので きる領域力 図 14に示すような、観察レンズ 3 laの視野領域 R内における一部の領 域としての領域 R3である場合、領域 R3は、領域 R1および領域 R2が重なった領域 の内部に含まれる。換言すると、観察レンズ 31aは、通常光撮像ユニット 31Aにより拡 大表示することのできる領域 R3の全体が領域 R1および領域 R2が重なった領域の 内部に含まれるように、照明レンズ 25aおよび 25bに挟まれて設けられている。

[0146] そのため、ユーザーは、拡大表示を行った際に、照明レンズ 25aおよび 25bの両方 力 出射される照射光により照明されるような状態において、すなわち、非拡大表示 時と略同様の光量の照射光により照明されるような状態において、領域 R3内の患部 を観察することができる。

[0147] また、図 12に示すように、処置具チャンネル 19の開口部 26及び前方送水チャンネ ル 20の開口部 27は、夫々の孔面全体が送気送水ノズル 60の噴出口 60aから蒸留 水又は空気など気液を拡散するように噴出する範囲となる気液噴出範囲 Aの領域外 となる先端カバー 24の先端面に配設されている。

[0148] 詳述すると、処置具チャンネル 19の開口部 26は、図 13に示すように、送気送水ノ ズル 60の噴出口 60aから蒸留水又は空気など気液の噴出方向を示した矢印線 AR に沿って二分される、先端カバー 24の先端面下方側の領域であって、気液の噴出 範囲 Aを含まな 、先端カバー 24の先端面における領域 B内に配設されて 、る。

[0149] また、前方送水チャンネル 20の開口部 27は、矢印線 ARに沿って二分される、先 端カバー 24の先端面上方側の領域であって、気液の噴出範囲 Aを含まな 、先端力 バー 24の先端面における領域 C内に配設されている。

[0150] 換言すると、各開口部 26, 27は、先端カバー 24の先端面において、蒸留水又は 空気など気液の噴出方向を示した矢印線 ARの略対称となる位置に夫々配設されて いる。すなわち、各開口部 26, 27は、先端カバー 24の先端面において、開口部 26 の中心 Oと開口部 27の中心 Oとが所定の距離に離間する位置に配設される。

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[0151] 以上説明したように、本実施の形態の内視鏡 2は、先端カバー 24の先端面におい て、処置具チャンネル 19の開口部 26及び前方送水チャンネル 20の開口部 27が送 気送水ノズル 60による気液噴出範囲 Aの領域外に配設されている。そのため、本実 施の形態の内視鏡 2は、送気送水ノズル 60から噴出される蒸留水又は空気など気液 が各開口部 26, 27に流れ込むことを防止できる。

[0152] これにより、送気送水ノズル 60から噴出される蒸留水又は空気など気液は、確実に 遠方側の蛍光撮像ユニット 31Bの観察レンズ 3 lbに吹き付けられる。その結果、蛍光 撮像ユニット 31Bの観察レンズ 3 lbは、確実、且つ、効率良く気液が吹き付けられ、 清浄な状態に洗浄され、良好な観察視野が確保される。

[0153] また、各開口部 26及び 27は、夫々の中心 O及び Oが所定の距離をもって離間す

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るように、先端カバー 24の先端面に配設されている。これにより、内視鏡 2は、処置具 チャンネル 19の開口部 26において吸引動作を行いながら、前方送水チャンネル 20 の開口部 27から蒸留水などの液体を噴出する際、開口部 26への吸引力の影響を受 けることなぐ体腔内の患部に向けて液体を噴出することができる。つまり、本実施の 形態の内視鏡 2は、開口部 27から噴出される液体の噴出方向が開口部 26からの吸 引により乱れが生じないような構成になっている。

[0154] 以上の種々の特徴 (効果)を有する本実施の形態の内視鏡 2は、先端カバー 24の 先端面において、送気送水ノズル 60、通常光撮像ユニット 31 Aの観察レンズ 3 la及 び蛍光撮像ユニット 31Bの観察レンズ 31bが略直線上に配置されている。そのため、 本実施の形態の内視鏡 2は、 1つの送気送水ノズル 60により、各観察レンズ 31a、 31 bの外表面に気液を吹き付けて清浄な状態に設定して、良好な観察視野を確保でき るようにしている。

[0155] 尚、前述した特殊光観察は、蛍光観察だけでなぐ細胞や腺構造をはじめとする組 織学的観察レベルの拡大倍率 (望ましくは、 100倍レベル以上の拡大率)を有する拡 大光学系により、通常光観察画像に比べて高倍率に拡大することが可能な、特殊光 観察画像としての拡大観察画像を得るような拡大観察であってもよい。 [0156] 尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなぐ発明の要旨を 逸脱しな 、範囲にぉ 、て種々変更可能である。

[0157] 本出願は、 2005年 1月 17日に日本国に出願された特願 2005— 9473号を優先 権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の 範囲、図面に引用されたものとする。

Claims

請求の範囲

[1] 先端面を有する挿入部と、

前記先端面に配置され、被検体に光を照射するための第 1の照明光学系と、 前記先端面に配置され、前記被検体に光を照射するための第 2の照明光学系と、 前記被検体からの光を入射するための第 1の光学部材が前記先端面に設けられた 第 1の撮像部と、

前記被検体力 の光を入射するための第 2の光学部材が前記第 1の照明光学系と 前記第 2の照明光学系とに挟まれる領域に配置された、前記第 1の観察光学系に比 ベて観察倍率の高!、第 2の撮像部と、

を有することを特徴とする内視鏡用挿入部。

[2] 先端面を有する挿入部と、

被検体力 の光を入射するための第 1の光学部材が前記先端面に設けられた第 1 の撮像部と、

前記被検体からの光を入射するための第 2の光学部材が前記先端面に設けられた 、前記第 1の撮像部に比べて観察倍率の高い第 2の撮像部と、

前記先端面に設けられ、第 1の中心を有する第 1の照明光学系と、

第 2の中心を有し、前記第 1の中心と前記第 2の中心とを結ぶ直線上に前記第 2の 光学部材が略並んで配置されるように前記先端面に設けられた第 2の照明光学系と を有することを特徴とする内視鏡用挿入部。

[3] 先端部と、内視鏡画像が表示されるモニタ画面の上下方向に略一致する第 1の方 向に湾曲自在な湾曲部とを先端部分に有する挿入部と、

第 1の観察画像を得るための第 1の撮像部と、

表示部において一部を拡大表示することが可能な第 2の観察画像を得るための第 2の撮像部と、

前記先端部に配置され、前記第 1の撮像部に入射される光を集光する第 1の観察 光学系と、

前記先端部に配置され、前記第 2の撮像部に入射される光を集光する第 2の観察 光学系と、

前記先端部に配置され、照明部力 供給される照明光を出射する 2つの照明光学 系と、

前記先端部の先端面における前記第 1の観察光学系および前記第 2の観察光学 系の夫々の中心を結ぶ直線上に略並び、且つ、前記先端面の略中心を通る前記第 1の方向の軸力 所定の距離だけ離れるように、前記先端面に配置された噴出口か ら前記第 1の観察光学系および前記第 2の観察光学系の外表面に対して噴出される 気体又は液体の噴出方向が、前記第 1の方向に対して第 1の角度を有する送気送水 部と、

を具備し、

前記先端面において、前記 2つの照明光学系は、夫々の中心を結ぶ直線上に前 記第 2の観察光学系が略並ぶように夫々配置されて 、ることを特徴とする内視鏡用 挿入部。

[4] 前記第 2の撮像部は、通常光観察画像を得るためのものであることを特徴とする請 求項 1に記載の内視鏡用挿入部。

[5] 前記第 2の撮像部は、通常光観察画像を得るためのものであることを特徴とする請 求項 2に記載の内視鏡用挿入部。

[6] 前記第 2の撮像部は、通常光観察画像を得るためのものであることを特徴とする請 求項 3に記載の内視鏡用挿入部。

[7] 前記第 1の撮像部は、第 1の観察画像としての特殊光観察画像を得るためのもので あり、前記第 2の撮像部は、第 2の観察画像としての通常光観察画像を得るためのも のであることを特徴とする請求項 3に記載の内視鏡用挿入部。

[8] 前記特殊光観察画像は、蛍光観察画像であることを特徴とする請求項 7に記載の 内視鏡用挿入部。

[9] 前記特殊光観察画像は、拡大観察画像であることを特徴とする請求項 7に記載の 内視鏡用挿入部。

[10] 被検体内に挿入するための挿入部と、

前記挿入部の先端部に配設され、所定の方向に気体又は液体を噴出する送気送 水部と、

前記先端部において、前記送気送水部に対し、前記所定の方向側に配設される第

1の観察窓と、

前記先端部において、前記送気送水部に対して前記所定の方向側であって、前記 送気送水部からの距離が前記第 1の観察窓よりも近い位置に配置され、前記第 1の 観察窓よりも大きい外径を有する第 2の観察窓と、

前記先端面に設けられ、第 1の中心を有する第 3の観察窓と、

第 2の中心を有し、前記第 1の中心と前記第 2の中心とを結ぶ直線上に前記第 2の 観察窓が略並んで配置されるように前記先端面に設けられた第 4の観察窓と、 を具備することを特徴とする内視鏡用挿入部。