WO2006070435A1

WO2006070435A1 - 磁気記録媒体の記録データ消去装置、磁気記録媒体の記録データ消去方法、磁気記録媒体の記録データ消去装置を制御するプログラム

Info

Publication number: WO2006070435A1
Application number: PCT/JP2004/019507
Authority: WO
Inventors: Kazushige Komori
Original assignee: Orient Instrument Computer Co., Ltd.
Priority date: 2004-12-27
Filing date: 2004-12-27
Publication date: 2006-07-06
Also published as: CN101091210A; US20080007859A1

Abstract

　磁気記録媒体のデータを消去する場合において、データが完全に消去されているか否かを一定の確からしさで確認することのできる装置、及び方法などを提供する。　磁気記録媒体Ｍに記録されているデータを磁場によって消去する装置において、コイル３を励磁するための励磁制御部５に供給される電力の入力電圧を監視する入力電圧監視手段５６と、コンデンサの充電電圧を確認する充電電圧監視手段５５と、前記２つの監視手段からの出力に基づいて異常を警告する警告手段を備えた動作チェック部５７と、を備えたデータ消去装置とする。

Description

明細書

磁気記録媒体の記録データ消去装置、磁気記録媒体の記録データ消去方法、磁気記録媒体の記録データ消去装置を制御するプログラム

技術分野

[0001] この発明は、ハードディスク装置や磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気記録媒体に記録されたデータを消去するのに用いられる磁気記録媒体の記録データ消去装置、磁気記録媒体の記録データ消去方法、磁気記録媒体の記録データ消去装置を制御するプログラムに関する。

背景技術

[0002] 例えばノヽードディスク装置やフレキシブルディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体を廃棄したり再利用等する場合、データの漏洩防止の観点から、磁気記録媒体に記録されて!/、るデータを消去することが一般に行われて、る。

[0003] これら磁気記録媒体に記録されたデータを消去するための消去装置として、円環状コアの外周面に卷回したトロイダル状のコイルを、消去装置本体内に配置するとともに、このコイルに交流電源を接続したものが知られている（例えば特許文献 1参照）

[0004] この消去装置では、装置本体の外面部にフレキシブルディスクやテープ等を配置し

、前記コイルに交流電源から交流電流を通電して交番磁界を発生させ、この磁界によって磁気記録媒体に記録されたデータを消去するものである。

[0005] また、本件出願人は、先に、コンデンサに電気を蓄えておき、この蓄えた電気を利用してコイルにより磁場を発生させ、当該磁場により磁気記録媒体に記録されたデータを消去する装置を出願して、る。

特許文献 1：特許公報第 2545451号

特許文献 2：特願 2002 - 356962号

特許文献 3：特願 2002-356965号

発明の開示

発明が解決しょうとする課題 [0006] 前記データ消去装置は、磁場を使って記録されているデータを消去するものであるため、消去処理の状態を目視で確認することはできず、また、消去処理後の記録媒体も見た目に変化がないため、消去処理後に磁気記録媒体のデータが完全に消去されているか否かの確認が簡単にはできないものである。つまり、消去処理をしているつもりでいても、消去装置に何らかの不具合が発生して磁界の強度が所定の値に満たなかったり、全く磁場が発生していな力たりして、データが完全には消去できていない可能性がある力これらを確認するためには、処理済みの磁気記録媒体に記録されて!/、るデータが完全に消去されて、るか否かを、ち、ちコンピュータ等の機器につな!/、で確認する必要があった。

[0007] この発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたものであり、磁気記録媒体に記録されて、るデータが消去されて、ることを一定の確力しさで確認することのできる磁気記録媒体の記録データ消去装置、磁気記録媒体の記録データ消去方法、磁気記録媒体の記録データ消去装置を制御するプログラムを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

[0008] 上記課題を解決するために、本願発明にかかる磁気記録媒体の記録データ消去装置は、磁場発生用コイルと、前記磁場発生用コイルを励磁するための励磁制御部を備え、前記励磁制御部はコンデンサを備え、ー且コンデンサに電気を充電し、コンデンサから放電される電気を前記コイルに供給して磁場を発生させ、磁気記録媒体に記録されているデータを前記磁場によって消去する記録データ消去装置において、前記コンデンサの充電電圧を確認する充電電圧監視手段を備え、前記充電電圧監視手段力もの出力に基づいて異常処理動作を実行する動作チェック部を備えたことを特徴とする磁気記録媒体の記録データ消去装置である。

[0009] 前記動作チェック部は、前記磁場発生用コンデンサに対する充電時間と充電電圧に基づ!/ヽて異常処理動作を実行する構成とすることが望まヽ。

[0010] また前記記録データ消去装置に入力される電力の電圧を監視する入力電圧監視手段を備え、前記動作チック部は、前記入力電圧監視手段と前記充電電圧監視手段からの出力に基づ!/、て異常処理動作を実行する構成とすることが望まヽ。 [0011] 異常処理動作としては、使用者に異常を知らせるものであったり、データ消去を中止するものであることが推奨される。もちろん異常処理動作として、異常の報知と処理の中止の双方を行ってもよ!、。後記する方法の発明につ、ても同様である。

[0012] 磁場発生用コイルは、時間の経過に連れてピーク値が低下する減衰交番磁界を発生させるものであることが望ま U、。後記する方法の発明につ、ても同様である。

[0013] また同様の課題を解決するための方法についての発明は、磁場発生用コイルと、前記磁場発生用コイルを励磁するための励磁制御部を備え、前記励磁制御部はコンデンサを備え、ー且コンデンサに電気を充電し、コンデンサから放電される電気を前記コイルに供給して磁場を発生させ、磁気記録媒体に記録されて！ヽるデータを前記磁場によって消去する記録データ消去装置を使用し、磁気記録媒体に記録されているデータを磁場によって消去する方法であって、データ消去処理前に磁場発生用コンデンサの容量が所定の値以上であることを判断し、これが前記条件を満たして!/ヽなヽ場合に異常処理動作を行うことを特徴とする。

[0014] また異常処理は、前記した場合だけでなぐ前記励磁制御部に供給される電力の入力電圧が所定の範囲以内にあることを判断し、これが前記条件を満たしていない場合にも実行されることが望まし、。

[0015] また同様に、データ消去処理開始から一定時間経過後のコンデンサの充電電圧が OVに近、所定値以下であることを判断し、これが設定条件を満たしてヽなヽ場合にも異常処理動作を行うことが推奨される。

[0016] 同様に、データ消去処理後の入力電圧が所定の範囲以内にあることを判断し、データ消去処理後の磁場発生用コンデンサの容量が所定の値以上であることを判断し、前記した条件の少なくとも一つが設定条件を満たして、な、場合にも異常処理動作を行うことが望ましい。

[0017] また同様の課題を解決するもう一つの発明は、磁場発生用コイルと、前記磁場発生用コイルを励磁するための励磁制御部を備え、前記励磁制御部はコンデンサを備え、ー且コンデンサに電気を充電し、コンデンサから放電される電気を前記コイルに供給して磁場を発生させ、磁気記録媒体に記録されて！ヽるデータを前記磁場によって消去する記録データ消去装置を使用し、磁気記録媒体に記録されて、るデータを磁場によって消去する方法であって、データ消去処理開始から一定時間経過後のコンデンサの充電電圧が 0Vに近、所定値以下であることを判断し、これが前記条件を満たしてヽなヽ場合に異常処理動作を行うことを特徴とする記録データ消去方法である。

[0018] また上記した構成に加えて、入力電圧が所定の範囲以内にあることを判断し、磁場発生用コンデンサの容量が所定の値以上であることを判断し、前記 2つの条件の少なくとも一つが設定条件を満たしていない場合にも異常処理動作を行わしめることが推奨される。

[0019] ここで磁場発生用コンデンサの容量が所定の値以上である力否かの判断は、前記磁場発生用コンデンサに充電し、その際の充電時間と充電電圧に基づ!/、て行うことができる。

[0020] またプログラムに関する発明は、磁気記録媒体に記録されているデータを磁場によつて消去する装置を制御するプログラムであって、磁場発生用コイルを励磁するための励磁制御部に供給される電力の入力電圧が所定の範囲以内にあることを判断するステップと、データ消去処理前に磁場発生用コンデンサの容量が所定の値以上であることを判断するステップと、前記 2つの値の少なくとも一方が前記条件を満たして Vヽな、場合には警告を発しまたは Z及びデータ消去処理を中止するものとするステップと、データ消去処理を行った場合には、データ消去処理開始から一定時間経過後のコンデンサの充電電圧が OVに近い所定値以下であることを判断するステップと、入力電圧が所定の範囲以内にあることを判断するステップと、磁場発生用コンデンサの容量が所定の値以上であることを判断するステップと、前記 3つの条件の少なくとも一つが設定条件を満たして、な、場合は警告するステップとを備えた磁気記録媒体の記録データ消去装置を制御するプログラムである。

[0021] 上記したプログラムは、磁気記録媒体の記録データ消去装置に搭載される。

発明の効果

[0022] 上記発明を採用することにより、磁気記録媒体のデータ消去装置は、データ消去処理前などに消去装置の不具合や入力電圧低下などの外乱による消去能力の低下を察知することができる。従って、記録されたデータを完全には消去しきれないような無駄なデータ消去処理やその後の無駄な確認作業を省略することができる。

[0023] 更に、事前の確認においては問題がな力つた場合でも、消去装置に備えられたコンデンサの放電状態を監視し、データ消去処理後に再度処理前と同じ確認を行うため、これらの確認作業で問題がな力つた場合は、事前確認と事後確認の間に行ったデータ消去処理が成功して!/、ることを一定の高、確からしさで推認することができる。従って、データ消去状況を確認するために磁気記録媒体をコンピュータなどを利用して読み込みに行くという作業数を減少または無くすることができ、データ消去処理全体の負荷を低下させることができる。

図面の簡単な説明

[0024] [図 1]この発明の一実施形態にかかる磁気記録装置のデータ消去装置を示す斜視図である。

[図 2]この発明の一実施形態に力かるデータ消去装置を示す一部破断側面図である

[図 3]この発明の一実施形態に力かるデータ消去装置におけるコイル及び箱形ケースを示す斜視図である。

[図 4]この発明の一実施形態に力かるデータ消去装置における直流電源回路を示す電気回路図である。

発明を実施するための最良の形態

[0025] 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

なお、以下の説明では、データ消去対象の磁気記録媒体としてハードディスク装置を例に説明する力磁気テープやフレキシブルディスク等の他の磁気記録媒体にも同様に適用可能である。

[0026] 図 1及び図 2において、このデータ消去装置 Aは、装置本体 1と、装置本体 1に配備されてハードディスク装置 Mが挿入される挿入用空所 2と、装置本体 1に配備された磁界発生手段 3と、磁界発生手段 3の磁界内に配置された磁性体部 4とを備えている

[0027] 前記装置本体 1は、前端面が開放された箱形ケース 11と、この箱形ケース 11の開口 11aを開閉可能に閉塞する蓋体 12と、箱形ケース 11の外面に装着された前端開放の合成樹脂製箱形外装体 13とからなる。勿論、蓋体 12で箱形ケース 11の前端開口 11aを閉塞すれば、前記外装体 13の前端開口も開閉可能に閉塞される。

[0028] この蓋体 12の後面には、水平姿勢で後方へ突出する板状の保持部材 14の基端が固定されており、この保持部材 14の上面にハードディスク装置 Mが載置されるようになっている。この保持部材 14は、蓋体 12で前記箱形ケース 11の開口 11aを閉じた際にハードディスク装置 Mを保持して前記凹部 2内に進入できる程度の幅寸法に形成されている。勿論、保持部材 14は、ハードディスク装置 Mを支持可能な構造であればよぐ板状のものに限らない。また、ハードディスク装置 Mをユーザが直接、前記装置本体 1における挿入用空所 2に挿入させる場合には、前記箱形ケース 11もしくは外装体 13の開口端部に蓋体 12を蝶番等で開閉可能に装着する構成にすればよい。

[0029] 前記磁界発生手段 3は、例えばコイルスプール 31の外周面に図 3に示すように長手方向に沿う状態で多数回巻かれたコイル 32と、後述する直流電源回路（図 5) 5とで構成されている。前記コイルスプール 31の扁平筒状内空部が前記挿入用空所 2として構成されている。なお、コイルスプール 31の前後両端には、それぞれつば部 31 a、 3 lbがー体形成されている。

[0030] 上記コイルスプール 31は、前側つば部 31aが箱形ケース 11の開口 11aに内嵌されるように、前記箱形ケース 11内に収容されるとともに、前記両つば部 31a、 31bを介して位置決めされており、前側つば部 3 laの開口 31cが前記空所 2の前端開口、つまり、ハードディスク装置 Mの揷入口となっている。

[0031] 前記コイル 4は、励磁制御部 5により前記コイルスプール 31の内空部である挿入用空所 2を貫通する方向の磁界を生起させるものであり、その磁界によりハードディスク装置 Mにおけるハードディスク（図示せず)の記録データを消去させる。

[0032] 前記箱形ケース 11及び蓋体 12は、強磁性体、例えば板状の鉄またはその合金製の材料から成形されており、前記磁性体部 4を構成している。この磁性体部 4は、前記コイル 32により発生した磁界による挿入用空所 2内の磁束を増カロさせるとともに、挿入用空所 2の横断面内の磁束密度を均一化させてハードディスク装置 Mに付加する役目をもっている。換言すれば、磁性体部 4は、コイル 32の磁界によるデータ消去作用を助長し均一化させるためのものである。これは、前記鉄系材料からなる箱形ケース 11及び蓋体 12が、コイル力も発生した磁力線を通過させ易くなり、このため、挿入用空所 2内の磁束の増カロ、均一化が達成されているものと思われる。特に、ケース 11の開口端部 (ノヽードディスク装置 Mの挿入口の近傍）において、磁力が強くなる。勿論、磁性体部 4の構成材としては、前記鉄系材料に限らず、ニッケル等の他の強磁性体であっても良い。

[0033] また、箱形ケース 11及び蓋体 12は、アルミニウムやチタン等の常磁性体で構成されていても良い。この場合も、挿入用空所 2内の磁束の増加及び磁束密度の均一化を図ることができる。これは、磁界によって箱形ケース 11及び蓋体 12の表面または内部に渦電流が発生し、この渦電流がさらに磁界を発生するためと思われる。

[0034] 図 5に示すように、前記装置本体 1内には、前記コイル 32を励磁するために、励磁制御部 5が設置されている。当該励磁制御部 5には、商用交流電源接続用プラグ 41 を有する電源コード 42を介して入力された商用交流電源電圧を所定電圧の直流に変換する直流変換部 51と、直流変換部 51からの電力供給により充電されるとともに、前記コイル 32に並列接続されたコンデンサ 52と、直流変換部 51からコンデンサ 52 への入力ラインに介挿されたリアタトル 53と、コンデンサ 52とコイル 32との間に介挿されたスィッチ素子 54とを備えて、る。

[0035] また、励磁制御部 5内にはコンデンサ 52の充電電圧 (コンデンサの端子間電圧）を測定することのできる充電電圧監視手段 55と、商用交流電源接続用プラグ 41から供給される電力の電圧を測定することのできる入力電圧監視手段 56が備えられている

[0036] また、これら充電電圧監視手段 55と入力電圧監視手段 56から送信されるデータを解析し、データが一定の条件を満たしていなければブザーやランプなどで警告し、次の行程に進むことを阻止することのできる動作チェック部 57が備えられている。

[0037] 次に、上記構成のハードディスク装置のデータ消去装置 Aの使用方法を説明する。

[0038] 励磁制御部 5のスィッチ素子 54を開放したまま、前記電源コード 42を介して交流商用電源に接続する。

[0039] この段階で入力電圧監視手段 56から入力電圧のデータが動作チェック部 57に送信される。動作チェック部 57では、入力電圧が所定の範囲内にあるかを判定し、入力電圧が所定の範囲外であった場合は、警告音及びランプでユーザーに異常を警告すると共に、コンデンサ 52への充電を行わないように直流変換部 51を制御する。上記入力電圧の所定範囲とは入力電圧の定格が 100Vの場合 ± 5%の範囲である。本実施形態の場合入力電圧の定格が 100Vであるので、所定の範囲は 95V以上 10 5V以下である。従って、入力電圧が 95V未満または 105Vよりも高い場合は、動作チック部は異常を警告し、直流変換部 51の動作を制御する。

[0040] 次に、入力電圧が所定の範囲内にある場合、コンデンサ 52への充電を開始する。

そして、当該充電開始力一定時間経過後のコンデンサ 52の充電電圧を充電電圧監視手段 55により測定する。当該充電電圧の値は動作チェック部 57に送信され、当該電圧が所定値以下であるかを判定する。コンデンサの充電電圧が所定値よりも高力つた場合は、警告音及びランプでユーザーに異常を警告すると共に、コンデンサ 5 2への充電を中止するように直流変換部 51を制御する。上記充電電圧の所定値とはコンデンサの定格の容量力 S4700 /z Fである場合は 380Vである。また、前記一定時間とは本実施形態の場合は 5秒を採用してヽる。

[0041] このように、充電開始から一定の時間経過後のコンデンサの充電電圧 (端子間電圧 )が高くなるということはコンデンサ 52の容量が低下していることを示すものであり、当該処理がコンデンサ 52の容量を監視していることになる。

[0042] なお、コンデンサの許容される劣化は定格容量の— 10%以内とするのが好ましい。

コンデンサの容量力 S— 10%より低くなると十分にデータを消去できなくなる可能性が高くなるからである。

[0043] また、コンデンサの劣化のチェックをする場合の充電開始後の時間と端子間電圧はコンデンサの定格容量により異なるため、事前に末劣化のコンデンサに対する充電時間と充電電圧 (端子間電圧)の関係と定格容量力 10%劣化しているコンデンサの時間と充電電圧の関係を調べておき、当該データに基づいて定めればよい。

[0044] 上記 2つのチェック行為で異常が検出されな力つた場合は、続いてコンデンサ 52に充電を行、データ消去処理の準備をする。

[0045] 次に、記録データを消去する必要のあるハードディスク装置 Mを前記保持部材 14 に、その厚み方向を高さ方向にした状態で載置する。なお、当該操作は前記チェック行為前に行うものであっても構わない。次いで、保持部材 14を挿入用空所 2内に進入させ、前記蓋体 12で箱形ケース 11の開口部 11aを閉じることにより、前記ハードデイスク装置 Mが図 2に示すように挿入用空所 2内に挿入される。

[0046] 次に消去処理が行われる。消去処理が開始されるに際しては、前記励磁制御部 5 におけるコンデンサ 52は充電が完了しており、既に電力の供給は遮断されている。この状態で、スィッチ素子 54を閉じると、コンデンサ 52の充電電荷がコイル 32へと放電され、この放電により、コイル 32の内部空間、つまりハードディスク装置 Mが配置されて、る挿入用空所 2に磁界が発生し、この磁界による磁力線がハードディスク装置 Mの金属製ケースを貫通することにより、内部ハードディスクに記録されているシリンダ情報等を含むデータが消去される。

[0047] なお、コイル 32が発生する磁場は、時間の経過に連れてピーク値が低下する減衰交番磁界であることが望ましい。即ち減衰交番磁界とは、交互に磁極を反転させつつ磁束密度が低下する磁界を指す。

通常、磁性体の周囲に急激に磁界を印加すると、当該磁性体を所定強度に着磁させることが可能である。また、着磁した磁性体を磁界に位置させ磁界の強度をゼロまで次第に低下させたり、あるいは、着磁した磁性体を磁界力次第に遠ざけることにより、当該磁性体を消磁することができる。このような消磁特性は、テープレコーダやビデオレコーダに用いられる磁気ヘッドの消磁器 (ヘッドィレーサ）などにも応用されている。

[0048] データ消去処理の説明に戻ると、当該消去処理の続行中は充電電圧監視手段 55 により、コンデンサ 52の電圧を常に監視しておき、一定時間経過してもコンデンサの充電電圧が OVにならなければ動作チェック部 57は消去処理が未完了である旨の警告を発する。なお、当該警告は、事前チェックの際と同じ警告でも構わないし、警告音の種類や警告用の発光色や発光パターンなどを違えても構わない。また、前記一定時間とは本実施形態の場合は 1秒であり、 OVの判定はノイズなどを考慮して 3V以下であれば放電が完了しているとして OVと判断すればよい。なお、放電後の電圧が 3V以下であれば、十分にデータの消去が行われたものと考えられ、 IV以下であればその確からしさが向上する。

[0049] 次に、再度入力電圧が所定の範囲内にあるかを判定し、入力電圧が所定の範囲外であった場合は、警告音及びランプでユーザーに異常を警告する。本実施形態の場合所定の範囲は事前のチェックの場合と同様である。

[0050] 更に、コンデンサ 52への充電を開始し、当該充電開始から一定時間経過後のコンデンサ 52の充電電圧を充電電圧監視手段 55により測定し、当該電圧が所定値以下であるかを判定する。コンデンサの充電電圧が所定値よりも高力つた場合は、警告音及びランプでユーザーに異常を警告する。なお、前記一定時間及び所定値は事前のチェックの場合と同様である。

[0051] なお上記した実施形態では、記録媒体たるハードディスク装置を単体の状態で、データ消去装置 1内に載置したが、装置内への記録媒体の置き方は任意であり、前記した様にハードディスク装置等を個別に一個づっ磁界内においてもよぐ箱等に複数の記録媒体を詰め込み、当該箱を磁界内に置いてもよい。またノヽードディスク装置が組み込まれた装置に対して磁界を印加してもょ、。即ちハードディスクを取り外すことなぐコンピュータ装置等に組み込まれた状態で、コンピュータ装置の外側から磁界を印加してもよい。

[0052] 上記した様に本実施形態のデータ消去装置は、消去処理前に入力電圧とコンデンサの劣化状態を監視することにより、無駄な消去処理を行うことを回避することができる。また、消去処理中のコンデンサ 52の放電状態をチェックすることで、消去処理中に発生する不具合を監視することができ、磁気記録媒体であるハードディスク装置の内容をコンピュータで読まなくとも、データの消去不良であることを一定の確力しさで判断することができる。さらに、事後に入力電圧とコンデンサ 52の劣化状態を判定し、一定の条件を満たしていれば、ハードディスク装置に記録されているデータが完全に消去できたことを一定の確からしさで推認することができる。

産業上の利用可能性

[0053] 本発明にかかる磁気記録媒体の記録データ消去装置は、磁気記録媒体をリサイクル業者、磁気記録媒体を消費し破棄するオフィスやリサイクルの窓口となって磁気記録媒体を回収する商業施設に設置され、磁気記録媒体に記録されているデータを消去する場合に利用可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 磁場発生用コイルと、前記磁場発生用コイルを励磁するための励磁制御部を備え

、前記励磁制御部はコンデンサを備え、ー且コンデンサに電気を充電し、コンデンサから放電される電気を前記コイルに供給して磁場を発生させ、磁気記録媒体に記録されているデータを前記磁場によって消去する記録データ消去装置において、前記コンデンサの充電電圧を確認する充電電圧監視手段を備え、前記充電電圧監視手段力もの出力に基づいて異常処理動作を実行する動作チェック部を備えたことを特徴とする磁気記録媒体の記録データ消去装置。

[2] 前記動作チェック部は、前記磁場発生用コンデンサに対する充電時間と充電電圧に基づ!/ヽて異常処理動作を実行することを特徴とする請求項 1に記載の記録データ消去装置。

[3] 前記記録データ消去装置に入力される電力の電圧を監視する入力電圧監視手段を備え、前記動作チェック部は、前記入力電圧監視手段と前記充電電圧監視手段からの出力に基づいて異常処理動作を実行することを特徴とする請求項 1又は 2に記載の記録データ消去装置。

[4] 異常処理動作は、使用者に異常を知らせるものであることを特徴とする請求項 1乃至 3の、ずれかに記載の記録データ消去装置。

[5] 異常処理動作は、データ消去を中止するものであることを特徴とする請求項 1乃至

3の、ずれかに記載の記録データ消去装置。

[6] 磁場発生用コイルは、時間の経過に連れてピーク値が低下する減衰交番磁界を発生させるものであることを特徴とする請求項 1乃至 3のいずれかに記載の記録データ消去装置。

[7] 磁場発生用コイルと、前記磁場発生用コイルを励磁するための励磁制御部を備え、前記励磁制御部はコンデンサを備え、ー且コンデンサに電気を充電し、コンデンサから放電される電気を前記コイルに供給して磁場を発生させ、磁気記録媒体に記録されているデータを前記磁場によって消去する記録データ消去装置を使用し、磁気記録媒体に記録されて、るデータを磁場によって消去する方法であって、データ消去処理前に磁場発生用コンデンサの容量が所定の値以上であることを判断し、これが前記条件を満たして！/ヽな！ヽ場合に異常処理動作を行うことを特徴とする記録データ消去方法。

[8] 前記励磁制御部に供給される電力の入力電圧が所定の範囲以内にあることを判断し、これが前記条件を満たして!/ヽなヽ場合には異常処理動作を行うことを特徴とする請求項 7に記載の記録データ消去方法。

[9] データ消去処理開始力も一定時間経過後のコンデンサの充電電圧が OVに近い所定値以下であることを判断し、これが設定条件を満たしてヽなヽ場合には異常処理動作を行うことを特徴とする請求項 7又は 8に記載の記録データ消去方法。

[10] データ消去処理後の入力電圧が所定の範囲以内にあることを判断し、データ消去処理後の磁場発生用コンデンサの容量が所定の値以上であることを判断し、前記した条件の少なくとも一つが設定条件を満たして、な、場合には異常処理動作を行うことを特徴とする請求項 7乃至 9のいずれかに記載の記録データ消去方法。

[11] 磁場発生用コイルと、前記磁場発生用コイルを励磁するための励磁制御部を備え、前記励磁制御部はコンデンサを備え、ー且コンデンサに電気を充電し、コンデンサから放電される電気を前記コイルに供給して磁場を発生させ、磁気記録媒体に記録されているデータを前記磁場によって消去する記録データ消去装置を使用し、磁気記録媒体に記録されて、るデータを磁場によって消去する方法であって、データ消去処理開始から一定時間経過後のコンデンサの充電電圧が OVに近い所定値以下であることを判断し、これが前記条件を満たして!/、な、場合に異常処理動作を行うことを特徴とする記録データ消去方法。

[12] 入力電圧が所定の範囲以内にあることを判断し、磁場発生用コンデンサの容量が所定の値以上であることを判断し、前記 2つの条件の少なくとも一つが設定条件を満たしてヽなヽ場合は異常処理動作を行うことを特徴とする請求項 11のヽずれかに記載の記録データ消去方法。

[13] 磁場発生用コンデンサの容量が所定の値以上である力否かの判断は、前記磁場発生用コンデンサに充電し、その際の充電時間と充電電圧に基づくものであることを特徴とする請求項 7又は 12に記載の記録データ消去方法。

[14] 磁場発生用コイルは、時間の経過に連れてピーク値が低下する減衰交番磁界を発生させるものであることを特徴とする請求項 7乃至 13のいずれかに記載の記録データ消去方法。

[15] 異常処理動作は、警告を発するものであることを特徴とする請求項 7乃至 14のいずれかに記載の記録データ消去方法。

[16] 異常処理動作は、データ消去処理を中止するものであることを特徴とする請求項 7 乃至 15のいずれかに記載の記録データ消去方法。

[17] 磁気記録媒体に記録されているデータを磁場によって消去する装置を制御するプログラムであって、磁場発生用コイルを励磁するための励磁制御部に供給される電力の入力電圧が所定の範囲以内にあることを判断するステップと、データ消去処理前に磁場発生用コンデンサの容量が所定の値以上であることを判断するステップと、前記 2つの値の少なくとも一方が前記条件を満たしていない場合には警告を発しまたは Z及びデータ消去処理を中止するものとするステップと、データ消去処理を行つた場合には、データ消去処理開始から一定時間経過後のコンデンサの充電電圧が 0 Vに近い所定値以下であることを判断するステップと、入力電圧が所定の範囲以内にあることを判断するステップと、磁場発生用コンデンサの容量が所定の値以上であることを判断するステップと、前記 3つの条件の少なくとも一つが設定条件を満たして Vヽなヽ場合は警告するステップとを備えた磁気記録媒体の記録データ消去装置を制御するプログラム。

[18] 請求項 17に記載のプログラムを備えた磁気記録媒体の記録データ消去装置。