JP6526330B2 - モータ制御装置 - Google Patents

モータ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6526330B2
JP6526330B2 JP2018518915A JP2018518915A JP6526330B2 JP 6526330 B2 JP6526330 B2 JP 6526330B2 JP 2018518915 A JP2018518915 A JP 2018518915A JP 2018518915 A JP2018518915 A JP 2018518915A JP 6526330 B2 JP6526330 B2 JP 6526330B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage value
value
inter
circuit
switching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2018518915A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017203690A1 (ja
Inventor
敏 川村
敏 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2017203690A1 publication Critical patent/JPWO2017203690A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6526330B2 publication Critical patent/JP6526330B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P27/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of supply voltage
    • H02P27/04Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of supply voltage using variable-frequency supply voltage, e.g. inverter or converter supply voltage
    • H02P27/06Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of supply voltage using variable-frequency supply voltage, e.g. inverter or converter supply voltage using DC to AC converters or inverters

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Direct Current Motors (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)

Description

本発明は、モータ制御装置に関する。
従来、いわゆる「パルス幅変調(Pulse Width Modulation,PWM)」又は「パルス振幅変調(Pulse Amplitude Modulation,PAM)」など、矩形波を用いたチョッピング方式によりモータを駆動する技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の水中モータポンプは、PWMインバータ装置と水中モータ間にLCフィルタを設けることにより、水中ケーブルから放射される高周波ノイズを抑制している。
水中モータはもちろんのこと、車載用モータの駆動にもチョッピング方式が用いられている。車載用モータをチョッピング方式にて駆動する場合、特許文献1の水中モータポンプと同様に、駆動回路と車載用モータ間にLCフィルタ又はRLCフィルタなどのフィルタ回路を設けるのが好適である。これにより、放射ノイズの発生を抑制して、当該放射ノイズが他の車載機器に与える影響を軽減することができる。
特開2006−42440号公報
一般に、LCフィルタ又はRLCフィルタなどのフィルタ回路は共振周波数を有している。チョッピング方式におけるチョッピングの周波数(以下「チョッピング周波数」という。)が共振周波数と同等の値に設定された場合、フィルタ回路が共振状態となり、大電流が流れてフィルタ回路等が焼損する。このため、例えばフィルタ回路におけるキャパシタンス値及びインダクタンス値が定数である場合は、共振周波数の値を予め算出しておき、この値と異なる値にチョッピング周波数を設定するのが好適である。
ここで、車載用モータと駆動回路間に設けられるフィルタ回路は、小型化及び低コスト化が強く要求されるため、インダクタのコアを小型にするとともに安価な材料を用いている。このようなインダクタは、コアの磁気飽和により、通電電流値が大きくなるにつれて次第にインダクタンス値が小さくなる。また、通電電流値に対するインダクタンス値を示す特性線の傾きが一定でなく、当該特性が非線形である。
すなわち、車載用モータの駆動中、例えば車載用モータに印加される電圧値が変化した場合、フィルタ回路に流れる電流値が変化して、インダクタンス値が非線形に変化し、共振周波数の値も非線形に変化する。共振周波数の値が変化してチョッピング周波数の値に近づくと、フィルタ回路に流れる電流値が大きくなり、インダクタンス値が小さくなるため、共振周波数の値が更に変化する。このため、共振周波数の値を予め算出することが困難である。
これに対して、インダクタンス値の変化により共振周波数となり得る全周波数帯域を回避した値にチョッピング周波数を設定することが考えられる。しかしながら、一般に、チョッピング周波数は、放射ノイズの発生、平滑特性及び発熱などを考慮して適切な値に設定することが求められる。共振周波数となり得る全周波数帯域を回避した値にチョッピング周波数を設定する場合、設定可能な周波数の選択肢が少なく、チョッピング周波数を適切な値に設定することができない問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、チョッピング周波数を任意の値に設定することができ、かつ、フィルタ回路の共振により大電流が流れるのを防ぐことができるモータ制御装置を提供することを目的とする。
本発明のモータ制御装置は、第1電圧値の出力と第1電圧値よりも低い第2電圧値の出力とを切替自在であり、矩形波を用いたチョッピング方式により車載用モータを駆動する駆動回路と、駆動回路と車載用モータ間に設けられており、キャパシタ部と、通電電流値に対するインダクタンス値の特性が非線形なインダクタ部とを有する出力平滑用のフィルタ回路と、キャパシタ部の端子間電圧値を用いて、駆動回路による第1電圧値と第2電圧値間の切替えを制御する制御回路とを備えるものである。
本発明のモータ制御装置は、上記のように構成したので、チョッピング周波数を任意の値に設定することができ、かつ、フィルタ回路の共振により大電流が流れるのを防ぐことができる。
本発明の実施の形態1に係るモータ制御装置の要部を示す説明図である。 本発明の実施の形態1に係るモータ制御装置における、インダクタ部の通電電流値に対する鎖交磁束数の一例を示す特性図である。 本発明の実施の形態1に係る制御回路の要部を示す機能ブロック図である。 本発明の実施の形態1に係るモータ制御装置における、時間に対するキャパシタ部の端子間電圧値の例であって、キャパシタ部の端子間電圧値が第1閾値以上の値となる場合の一例を示す特性図である。 本発明の実施の形態1に係るモータ制御装置における、時間に対するキャパシタ部の端子間電圧値の例であって、キャパシタ部の端子間電圧値が第2閾値以下の値となる場合の一例を示す特性図である。 本発明の実施の形態1に係る駆動回路の要部を示すハードウェア構成図である。 本発明の実施の形態1に係る制御回路の要部を示すハードウェア構成図である。 本発明の実施の形態1に係る制御回路の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る制御回路の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る駆動回路の動作を示すフローチャートである。 図1に示すモータ制御装置において、駆動回路によるチョッピングを停止するとともにモータを除去した場合の等価回路を示す回路図である。 従来のモータ制御装置における、時間に対する駆動回路の出力電圧値、キャパシタ部の端子間電圧値、インダクタ部の通電電流値、通電電流値のうちの直流成分、及び振動エネルギーの一例を示す特性図である。 本発明の実施の形態1に係るモータ制御装置における、時間に対する駆動回路の出力電圧値、キャパシタ部の端子間電圧値、第1禁止フラグのオンオフ、及び第2禁止フラグのオンオフの一例を示す特性図である。 図12に示す特性図の一部を拡大した特性図である。 図12及び図13に示す状態における、時間に対する駆動回路の出力電圧値、キャパシタ部の端子間電圧値、インダクタ部の通電電流値、通電電流値のうちの直流成分、及び振動エネルギーを示す特性図である。 本発明の実施の形態1に係るモータ制御装置における、時間に対する駆動回路の出力電圧値、キャパシタ部の端子間電圧値、第1禁止フラグのオンオフ、及び第2禁止フラグのオンオフの他の例を示す特性図である。 図15に示す特性図の一部を拡大した特性図である。 本発明の実施の形態1に係るモータ制御装置における、第1閾値が式(5)を満たさない値に設定された場合の時間に対する駆動回路の出力電圧値、キャパシタ部の端子間電圧値、第1禁止フラグのオンオフ、及び第2禁止フラグのオンオフの一例を示す特性図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るモータ制御装置の要部を示す説明図である。図2は、本発明の実施の形態1に係るモータ制御装置における、インダクタ部の通電電流値に対する鎖交磁束数の一例を示す特性図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る制御回路の要部を示す機能ブロック図である。図4は、本発明の実施の形態1に係るモータ制御装置における、時間に対するキャパシタ部の端子間電圧値の例であって、キャパシタ部の端子間電圧値が第1閾値以上の値となる場合の一例を示す特性図である。図5は、本発明の実施の形態1に係るモータ制御装置における、時間に対するキャパシタ部の端子間電圧値の例であって、キャパシタ部の端子間電圧値が第2閾値以下の値となる場合の一例を示す特性図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る駆動回路の要部を示すハードウェア構成図である。図7は、本発明の実施の形態1に係る制御回路の要部を示すハードウェア構成図である。図1〜図7を参照して、実施の形態1のモータ制御装置100について説明する。
第1電源1a及び第2電源1bは、例えば、自動車に搭載されたバッテリにより構成されている。第1電源1a及び第2電源1bにより、電源1が構成されている。モータ2は、例えば、当該自動車に搭載された燃料ポンプに設けられている。
駆動回路3は、電源1から供給された電力をモータ2に供給することにより、モータ2を駆動する回路である。すなわち、駆動回路3はスイッチ(図1にて不図示)を有しており、第1電圧値V1の出力と、第1電圧値V1よりも低い第2電圧値V2の出力とを切替自在である。第1電圧値V1又は第2電圧値V2のうち、いずれか一方の値は0ボルト(V)であっても良い。駆動回路3は、矩形波を用いたチョッピング方式、例えばPWM方式によりモータ2を駆動するものである。
駆動回路3とモータ2間に、出力平滑用のフィルタ回路4が設けられている。図1の例において、フィルタ回路4は、抵抗器41、インダクタ部42及びキャパシタ部43を有するRLCフィルタにより構成されている。インダクタ部42のコアは小型であり、かつ、安価な材料を用いたものである。
図2に、インダクタ部42の通電電流値ILに対する鎖交磁束数ΨLの特性図を示す。図2に示す如く、インダクタ部42は、コアの磁気飽和により、通電電流値ILが大きくなるにつれて次第に鎖交磁束数ΨLが大きくなる。通電電流値ILに対する鎖交磁束数ΨLの特性線は傾きが一定でなく、当該特性は非線形である。具体的には、通電電流値ILが大きくなるにつれて、鎖交磁束数ΨLが大きくなる割合、すなわち図2に示す特性線の傾きの値が次第に小さくなる。これは、ΨL=L×ILの関係を踏まえると、通電電流値ILが大きくなるにつれて次第にインダクタンス値Lが小さくなることを示している。このように、通電電流値ILに対するインダクタンス値Lの特性線(不図示)は傾きが一定でなく、当該特性は非線形である。すなわち、フィルタ回路4は、通電電流値ILに対して共振周波数の値が非線形に変化する回路である。
ここで、インダクタ部42に用いる「安価な材料」とは、その具体例を安価な順に示すと、鉄ダスト、センダスト、シルダスト、鉄アモルファス、その他になる。通電電流値ILに対するインダクタンス値Lの特性線(不図示)も、コアの材料ごとに異なる。インダクタンス値が変化する大きさの順は、安価な順とは異なり、鉄ダスト、センダストは安価であるが、磁気飽和しやすく通電電流値ILに対するインダクタンス値Lの変化量が大きい。鉄アモルファスは通電電流値ILに対するインダクタンス値Lの変化量が小さく、コアの材料に特に適しているが、比較的高価な材料である。
なお、キャパシタ部43において、蓄積電荷量Qに対する端子間電圧値Vcを示す特性線の傾きは一定であり、当該特性は線形である。これは、Q=C×Vcの関係を踏まえると、キャパシタンス値Cに対する端子間電圧値Vcを示す特性線の傾きが一定であり、当該特性が線形であることを示している。これらの特性図は図示を省略する。
電圧値検出部51は、駆動回路3がモータ2を駆動しているとき、キャパシタ部43の端子間電圧値Vcを検出するものである。電圧値検出部51は、検出した端子間電圧値Vcを電圧値比較部52及び極小極大検出部53に出力するものである。
電圧値比較部52には、第1電圧値V1よりも高い第1閾値Vth1と、第2電圧値V2よりも低い第2閾値Vth2とが予め設定されている。電圧値比較部52は、端子間電圧値Vcを第1閾値Vth1と比較するとともに、端子間電圧値Vcを第2閾値Vth2と比較して、これらの比較結果を切替禁止設定部54に出力するものである。電圧値比較部52は、例えば、演算増幅器を用いた比較器などにより構成されている。
極小極大検出部53は、端子間電圧値Vcが極小値になったことを検出するとともに、端子間電圧値Vcが極大値になったことを検出して、これらの検出結果を切替禁止設定部54に出力するものである。極小極大検出部53は、例えば、演算増幅器を用いた微分回路などにより構成されている。
切替禁止設定部54は、端子間電圧値Vcが第1閾値Vth1以上の値となったとき、駆動回路3の出力を第1電圧値V1に固定することにより、第1電圧値V1から第2電圧値V2への切替えを禁止するものである。切替禁止設定部54は、第1電圧値V1から第2電圧値V2への切替えを禁止した状態にて、端子間電圧値Vcが第1閾値Vth1よりも低い値となり、かつ、端子間電圧値Vcが極小値となったとき、当該固定を解除することにより当該禁止を解除するものである。
また、切替禁止設定部54は、端子間電圧値Vcが第2閾値Vth2以下の値となったとき、駆動回路3の出力を第2電圧値V2に固定することにより、第2電圧値V2から第1電圧値V1への切替えを禁止するものである。切替禁止設定部54は、第2電圧値V2から第1電圧値V1への切替えを禁止した状態にて、端子間電圧値Vcが第2閾値Vth2よりも高い値となり、かつ、端子間電圧値Vcが極大値となったとき、当該固定を解除することにより当該禁止を解除するものである。切替禁止設定部54は、例えば、フリップフロップ回路などにより構成されている。
図4に、時間Tに対する端子間電圧値Vcの特性図の一例を示す。図4の例では、端子間電圧値Vcが第1閾値Vth1以上の値となった時刻T1と、端子間電圧値Vcが第1閾値Vth1よりも低い値にて極小値となった時刻T2との間の第1時間区間ΔT1において、第1電圧値V1から第2電圧値V2への切替えが禁止される。
図5に、時間Tに対する端子間電圧値Vcの特性図の他の例を示す。図5の例では、端子間電圧値Vcが第2閾値Vth2以下の値となった時刻T3と、端子間電圧値Vcが第2閾値Vth2よりも高い値にて極大値となった時刻T4との間の第2時間区間ΔT2において、第2電圧値V2から第1電圧値V1への切替えが禁止される。
電圧値検出部51、電圧値比較部52、極小極大検出部53及び切替禁止設定部54により、制御回路5が構成されている。駆動回路3、フィルタ回路4及び制御回路5により、モータ制御装置100が構成されている。
図6に示す如く、駆動回路3は専用の処理回路61及びスイッチ62により構成されている。処理回路61は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field−Programmable Gate Array)などであり、図1に示す駆動回路3の機能をハードウェアにより実現するものである。
図7に示す如く、制御回路5は専用の処理回路63により構成されている。処理回路63は、例えばASIC又はFPGAなどであり、図3に示す電圧値検出部51、電圧値比較部52、極小極大検出部53及び切替禁止設定部54の機能をハードウェアにより実現するものである。なお、図3に示す電圧値検出部51、電圧値比較部52、極小極大検出部53及び切替禁止設定部54の各部の機能それぞれを処理回路63で実現しても良いし、各部の機能をまとめて処理回路63で実現しても良い。
なお、制御回路5は、駆動回路3によるチョッピング周波数に対応できる程度に高い応答速度が求められる。制御回路5に汎用のコンピュータを用いて、電圧値検出部51、電圧値比較部52、極小極大検出部53及び切替禁止設定部54の機能をソフトウェアで実現した場合、応答速度が低く、チョッピング周波数に対応することができない可能性がある。よって、制御回路5は、図7に示す如く専用の処理回路63により構成して、電圧値検出部51、電圧値比較部52、極小極大検出部53及び切替禁止設定部54の機能をハードウェアで実現するのが好適である。
次に、図8のフローチャートを参照して、制御回路5の動作について、切替禁止設定部54の動作を中心に説明する。なお、初期状態において、切替禁止設定部54は第1電圧値V1から第2電圧値V2への切替えを禁止しておらず、第2電圧値V2から第1電圧値V1への切替えを禁止していない。
駆動回路3は、PWM方式によりモータ2を駆動している。電圧値検出部51は、端子間電圧値Vcを検出して、検出した端子間電圧値Vcを電圧値比較部52及び極小極大検出部53に出力する処理を継続している。電圧値比較部52は、端子間電圧値Vcを第1閾値Vth1と比較するとともに、端子間電圧値Vcを第2閾値Vth2と比較して、これらの比較結果を切替禁止設定部54に出力する処理を継続している。極小極大検出部53は、端子間電圧値Vcが極小値になったことを検出するとともに、端子間電圧値Vcが極大値になったことを検出して、これらの検出結果を切替禁止設定部54に出力する処理を継続している。
まず、ステップST1,ST11にて、切替禁止設定部54は、電圧値比較部52による比較結果を参照する。端子間電圧値Vcが第1閾値Vth1以上の値である場合(ステップST1“YES”)、ステップST2にて、切替禁止設定部54は、駆動回路3の出力を第1電圧値V1に固定することにより、第1電圧値V1から第2電圧値V2への切替えを禁止する。このとき、駆動回路3の出力が第1電圧値V1に設定されている場合はそのままの状態で固定され、第2電圧値V2に設定されている場合は第1電圧値V1に切り替えてから固定される。
次いで、ステップST3,ST4にて、切替禁止設定部54は、電圧値比較部52による比較結果、及び極小極大検出部53による検出結果を監視する。端子間電圧値Vcが第1閾値Vth1よりも低い値となり(ステップST3“YES”)、かつ、端子間電圧値Vcが極小値となったとき(ステップST4“YES”)、ステップST5にて、切替禁止設定部54は、駆動回路3の出力の固定を解除することにより、第1電圧値V1から第2電圧値V2への切替えの禁止を解除する。
なお、端子間電圧値Vcが第1閾値Vth1以上の値である場合(ステップST3“NO”)、及び端子間電圧値Vcが極小値となっていない場合(ステップST4“NO”)、切替禁止設定部54は当該固定を解除せずに監視を継続する。
また、端子間電圧値Vcが第2閾値Vth2以下の値である場合(ステップST1“NO”かつステップST11“YES”)、ステップST12にて、切替禁止設定部54は、駆動回路3の出力を第2電圧値V2に固定することにより、第2電圧値V2から第1電圧値V1への切替えを禁止する。このとき、駆動回路3の出力が第2電圧値V2に設定されている場合はそのままの状態で固定され、第1電圧値V1に設定されている場合は第2電圧値V2に切り替えてから固定される。
次いで、ステップST13,ST14にて、切替禁止設定部54は、電圧値比較部52による比較結果、及び極小極大検出部53による検出結果を監視する。端子間電圧値Vcが第2閾値Vth2よりも高い値となり(ステップST13“YES”)、かつ、端子間電圧値Vcが極大値となったとき(ステップST14“YES”)、ステップST15にて、切替禁止設定部54は、駆動回路3の出力の固定を解除することにより、第2電圧値V2から第1電圧値V1への切替えの禁止を解除する。
なお、端子間電圧値Vcが第2閾値Vth2以下の値である場合(ステップST13“NO”)、及び端子間電圧値Vcが極大値となっていない場合(ステップST14“NO”)、切替禁止設定部54は当該固定を解除せずに監視を継続する。
また、端子間電圧値Vcが第1閾値Vth1と第2閾値Vth2間の値である場合(ステップST1“NO”かつステップST11“NO”)、切替禁止設定部54は上記ステップST2〜ST5,ST12〜ST15の処理を実行せず、ステップST1に戻る。
切替禁止設定部54は、モータ2の駆動中、ステップST1〜ST5,ST11〜ST15の処理を繰り返し実行する。
次に、図9のフローチャートを参照して、駆動回路3の動作について説明する。なお、切替禁止設定部54は、駆動回路3によるステップST21〜ST26の処理のバックグラウンドにて、図8に示すステップST1〜ST5,ST11〜ST15の処理を繰り返し実行している。
駆動回路3には、PWMにおける矩形波のパルス幅及びパルス周期が予め設定されている。駆動回路3は、第1電圧値V1の出力を連続している時間(以下「オン時間」という。)を計測するタイマと、第2電圧値V2の出力を連続している時間(以下「オフ時間」という。)を計測するタイマとを有している。
まず、ステップST21,ST22にて、駆動回路3は、出力の切替えの要否を判定する。すなわち駆動回路3は、オン時間がパルス幅に対応する時間以上となったとき、出力を第1電圧値V1から第2電圧値V2に切り替えるタイミングであると判定する(ステップST21“YES”)。また、駆動回路3は、オフ時間がパルス周期からパルス幅を減算した値に対応する時間以上となったとき、出力を第2電圧値V2から第1電圧値V1に切り替えるタイミングであると判定する(ステップST21“NO”かつステップST22“YES”)。
第1電圧値V1から第2電圧値V2に切り替えるタイミングであると判定した場合(ステップST21“YES”)、ステップST23にて、駆動回路3は、切替禁止設定部54により第1電圧値V1から第2電圧値V2への切替えが禁止されているか否かを判定する。第1電圧値V1から第2電圧値V2への切替えが禁止されている場合(ステップST23“YES”)、駆動回路3は出力を切り替えずにステップST21に戻る。他方、第1電圧値V1から第2電圧値V2への切替えが禁止されていない場合(ステップST23“NO”)、ステップST24にて、駆動回路3は第1電圧値V1から第2電圧値V2に出力を切り替える。
第2電圧値V2から第1電圧値V1に切り替えるタイミングであると判定した場合(ステップST21“NO”かつステップST22“YES”)、ステップST25にて、駆動回路3は、切替禁止設定部54により第2電圧値V2から第1電圧値V1への切替えが禁止されているか否かを判定する。第2電圧値V2から第1電圧値V1への切替えが禁止されている場合(ステップST25“YES”)、駆動回路3は出力を切り替えずにステップST21に戻る。他方、第2電圧値V2から第1電圧値V1への切替えが禁止されていない場合(ステップST25“NO”)、ステップST26にて、駆動回路3は第2電圧値V2から第1電圧値V1に出力を切り替える。
出力の切替えが不要であると判定した場合(ステップST21“NO”かつステップST22“NO”)、駆動回路3は上記ステップST23〜ST26の処理を実行せず、ステップST21に戻る。
次に、図10〜図16を参照して、モータ制御装置100の詳細な動作の具体例、及びモータ制御装置100の効果などについて説明する。
インダクタ部42の通電電流値ILは、モータ2の駆動中、駆動回路3によるチョッピングに応じて振動する。通電電流値ILのうちの直流成分をIL_DCとする。図1に示すモータ制御装置100において、直流成分IL_DCはモータ2の通電電流となる。また、直流成分IL_DCによるインダクタ部42の鎖交磁束数をΨL_DCとする。このように定義されたΨL_DCを用いて、インダクタ部42に蓄えられるエネルギーのうちのキャパシタ部43との間を行き来するエネルギー(以下「振動エネルギー」という。)ELは、以下の式(1)で表される。
Figure 0006526330
キャパシタ部43の端子間電圧値Vcは、モータ2の駆動中、駆動回路3によるチョッピングに応じて振動する。端子間電圧値Vcのうちの直流成分をVc_DC、交流成分をVc_ACとして、Vc=Vc_DC+Vc_ACと定義する。図1に示すモータ制御装置100において、直流成分Vc_DCは駆動回路3の出力電圧値であるV1又はV2となる。このように定義すると、キャパシタ部43に蓄えられるエネルギーのうちのインダクタ部42との間を行き来するエネルギー(以下「振動エネルギー」という。)Ecは、以下の式(2)で表される。
Figure 0006526330
図1に示すモータ制御装置100において、駆動回路3によるチョッピングを停止して駆動回路3の出力電圧値を0[V]にするとともに、モータ2を除去した場合、直流成分IL_DC,Vc_DCはいずれも零値となる。この場合の等価回路(以下、単に「等価回路」という。)を図10に示す。図10に示す状態において、等価回路内のエネルギーは、インダクタ部42及びキャパシタ部43に蓄えられるエネルギー、並びに抵抗器41にて消費されるエネルギーのみとなる。このうち、インダクタ部42及びキャパシタ部43に蓄えられるエネルギーの合計値は振動エネルギーEc,ELとなり、インダクタ部42とキャパシタ部43間を往復する。この等価回路は外部とのエネルギー授受がないため、等価回路内のエネルギーは抵抗器41にて消費される分だけ減少していく。
これに対し、図1に示すモータ制御装置100の回路においては、インダクタ部42の通電電流値IL及びキャパシタ部43の端子間電圧値Vcともに直流成分を持つ。当該回路において、通電電流値ILの交流成分をIL_AC=IL−IL_DC、端子間電圧値Vcの交流成分をVc_AC=Vc−Vc_DCとして座標変換を行うことにより、交流成分のみを取り出して直流成分がない場合と等価なエネルギーを算出することができる。このエネルギーが上記式(1)及び上記式(2)に示す振動エネルギーEc,ELとなる。振動エネルギーEc,ELの合計値は、通電電流値IL及び端子間電圧値Vcが直流成分を持つ場合に図10と等価になるエネルギーであり、振動の大きさを評価できる量となる。
以上のように、通電電流値ILの振動エネルギーELと端子間電圧値Vcの振動エネルギーEcとの合計値(以下「振動エネルギー」という。)Eは、フィルタ回路4における振動の度合いを示す指標である。すなわち、フィルタ回路4が共振状態にあるとき、通電電流値ILの振幅及び端子間電圧値Vcの振幅が大きくなり、振動エネルギーEも大きくなる。
ここで、インダクタ部42の通電電流をIL_AC=IL−IL_DCにより座標変換すると、インダクタ部42の特性が上記のとおり非線形であるため、上記(1)のように積分を含む非線形な式となり、容易に計算することができない。他方、キャパシタ部43の特性は上記のとおり線形であるため、上記(2)のように容易に計算することができる。振動エネルギーの制御において、キャパシタ部43の端子間電圧値Vcを監視してECの変化を予測することは他の方法よりも容易である。この方法によれば、簡単なロジック回路を用いて、素子の破壊、機器の誤動作等に至る大きな振動を抑えることができる。
図11は、実施の形態1のモータ制御装置100に対する比較対象として、図1に示す制御回路5を有しない従来のモータ制御装置の特性図を示している。具体的には、時間Tに対する駆動回路3の出力電圧値Vout、時間Tに対する端子間電圧値Vc、時間Tに対する通電電流値IL、時間Tに対する直流成分IL_DC、及び時間Tに対する振動エネルギーEの一例を示している。
図11に示す如く、0〜5.0ミリ秒(ms)の時間区間に亘り、出力電圧値Voutのチョッピング周波数は略一定である。しかしながら、端子間電圧値Vcの振幅及び通電電流値ILの振幅は一定でなく、0〜0.5[ms]の時間区間における振幅に対して、0.5〜5.0[ms]の時間区間における振幅が大きくなっている。特に、1.5〜3.0[ms]及び3.5〜5.0[ms]の時間区間において振幅が大きくなっている。すなわち、モータ2の駆動中にフィルタ回路4の共振周波数が変化したことにより、これらの時間区間にてフィルタ回路4が共振状態となり、振動エネルギーEが大きくなっている。このとき、通電電流値ILのピーク値に応じた大電流が流れて、フィルタ回路4等が焼損する。
ここで、駆動回路3の出力が第1電圧値V1から第2電圧値V2に切り替わるとき、通電電流値ILの振動エネルギーELは変化せず、端子間電圧値Vcの振動エネルギーEcのみが変化する。このときの振動エネルギーEの変化量ΔE1は、キャパシタンス値C、第1電圧値V1、第2電圧値V2及び端子間電圧値Vcに対して、例えば以下の式(3)で表される。
Figure 0006526330
同様に、駆動回路3の出力が第2電圧値V2から第1電圧値V1に切り替わるとき、通電電流値ILの振動エネルギーELは変化せず、端子間電圧値Vcの振動エネルギーEcのみが変化する。このときの振動エネルギーEの変化量ΔE2は、第1電圧値V1、第2電圧値V2及び端子間電圧値Vcに対して、例えば以下の式(4)で表される。
Figure 0006526330
上記式(3)により、端子間電圧値Vcが高いときに駆動回路3の出力を第1電圧値V1から第2電圧値V2に切り替えた場合、振動エネルギーEが大きくなる。また、上記式(4)により、端子間電圧値Vcが低いときに駆動回路3の出力を第2電圧値V2から第1電圧値V1に切り替えた場合、振動エネルギーEが大きくなる。したがって、端子間電圧値Vcが高いときに第1電圧値V1から第2電圧値V2への切替えを禁止するとともに、端子間電圧値Vcが低いときに第2電圧値V2から第1電圧値V1への切替えを禁止することで、チョッピングにより振動エネルギーEが大きくなるのを防ぐことができる。すなわち、フィルタ回路4の共振周波数にかかわらず、フィルタ回路4等に大電流が流れるのを防いで、フィルタ回路4等の焼損を防ぐことができる。
図12は、実施の形態1に係るモータ制御装置100の特性図を示している。具体的には、時間Tに対する出力電圧値Vout、時間Tに対する端子間電圧値Vc、第1電圧値V1から第2電圧値V2への切替えが禁止されているか否かを示すフラグ(以下「第1禁止フラグ」という。)F1のオンオフ、及び第2電圧値V2から第1電圧値V1への切替えが禁止されているか否かを示すフラグ(以下「第2禁止フラグ」という。)F2のオンオフの一例を示している。図13は、図12に示す特性図のうち、3.00〜3.50[ms]の時間区間を拡大した特性図を示している。
図12及び図13の例において、第1電圧値V1は+14[V]に設定されており、第1閾値Vth1は+15[V]に設定されている。第2電圧値V2は±0[V]に設定されており、第2閾値Vth2は−1[V]に設定されている。
図13に示す如く、端子間電圧値Vcが第2閾値Vth2以下の値となってから第2閾値Vth2よりも高い値にて極大値となるまでの第2時間区間ΔT2において、第2禁止フラグF2がオンに設定されている。第2時間区間ΔT2において、駆動回路3の出力は第2電圧値V2に固定されている。
図14は、図12及び図13に示す状態における、時間Tに対する出力電圧値Vout、時間Tに対する端子間電圧値Vc、時間Tに対する通電電流値IL、時間Tに対する直流成分IL_DC、及び時間Tに対する振動エネルギーEを示す特性図である。すなわち、図14は、図10に対する比較対象となる特性図を示している。
図12〜図14の例における出力電圧値Voutのチョッピング周波数は、図11の例と同等の値に設定されている。しかしながら、第2時間区間ΔT2にて第2電圧値V2から第1電圧値V1への切替えを禁止したことにより、0.5〜5.0[ms]の時間区間にて振動が抑制されている。特に、図11の例では、1.5〜3.0[ms]及び3.5〜5.0[ms]の時間区間にて端子間電圧値Vcの振幅、通電電流値ILの振幅及び振動エネルギーEが大きくなっていたが、図14の例ではいずれも低減されている。したがって、通電電流値ILのピーク値も低減されており、フィルタ回路4等に大電流が流れるのを防いで、フィルタ回路4等が焼損するのを防ぐことができる。
図15は、実施の形態1に係るモータ制御装置100の特性図を示している。具体的には、時間Tに対する出力電圧値Vout、時間Tに対する端子間電圧値Vc、第1禁止フラグF1のオンオフ、及び第2禁止フラグF2のオンオフの他の例を示している。図16は、図15に示す特性図のうち、2.50〜3.00[ms]の時間区間を拡大した特性図を示している。
図15及び図16の例において、第1電圧値V1は+14[V]に設定されており、第1閾値Vth1は+15[V]に設定されている。第2電圧値V2は±0[V]に設定されており、第2閾値Vth2は−5[V]に設定されている。
図16に示す如く、端子間電圧値Vcが第1閾値Vth1以上の値となってから第1閾値Vth1よりも低い値にて極小値となるまでの第1時間区間ΔT1において、第1禁止フラグF1がオンに設定されている。第1時間区間ΔT1において、駆動回路3の出力は第1電圧値V1に固定されている。
図15及び図16の例における出力電圧値Voutのチョッピング周波数は、図11の例と同等の値に設定されている。しかしながら、第1時間区間ΔT1にて第1電圧値V1から第2電圧値V2への切替えを禁止したことにより、0.5〜5.0[ms]の時間区間にて振動が抑制されている。特に、図11の例では、1.5〜3.0[ms]及び3.5〜5.0[ms]の時間区間にて端子間電圧値Vcの振幅が大きくなっていたが、図15の例では低減されている。同様に、通電電流値IL(不図示)の振幅及び振動エネルギーE(不図示)も低減されている。したがって、通電電流値ILのピーク値も低減されており、フィルタ回路4等に大電流が流れるのを防いで、フィルタ回路4等が焼損するのを防ぐことができる。
なお、第1閾値Vth1は、抵抗器41による電圧降下を考慮した値に設定するのが好適である。すなわち、第1閾値Vth1は、第1電圧値V1、抵抗器41の抵抗値R、及びモータ2に流れる電流値の最大値Imaxに対して、以下の式(5)を満たす値に設定するのが好適である。
Vth1≧V1+|R×Imax| (5)
第1閾値Vth1が上記式(5)を満たさない場合、駆動回路3の出力を第1電圧値V1に固定した状態にて、端子間電圧値Vcが第1閾値Vth1よりも低い値まで低下しない可能性がある。この場合、駆動回路3のチョッピングが停止したのと等価な状態となり、モータ2を正常に駆動することができなくなる。図17は、この場合の時間Tに対する出力電圧値Vout、時間Tに対する端子間電圧値Vc、第1禁止フラグF1のオンオフ、及び第2禁止フラグF2のオンオフの一例を示している。
同様に、第2閾値Vth2は、抵抗器41による電圧降下を考慮した値に設定するのが好適である。すなわち、第2閾値Vth2は、第2電圧値V2、抵抗器41の抵抗値R、及びモータ2に流れる電流値の最大値Imaxに対して、以下の式(6)を満たす値に設定するのが好適である。
Vth2≦V2−|R×Imax| (6)
第2閾値Vth2が上記式(6)を満たさない場合、駆動回路3の出力を第2電圧値V2に固定した状態にて、端子間電圧値Vcが第2閾値Vth2よりも高い値まで上昇しない可能性がある。この場合、駆動回路3のチョッピングが停止したのと等価な状態となり、モータ2を正常に駆動することができなくなる。この場合の特性図は図示を省略する。
なお、モータ制御装置100は、出力平滑用のフィルタ回路4に加えて、ノイズ除去用のフィルタ回路を有するものであっても良い。また、電圧値比較部52は、第1閾値Vth1及び第2閾値Vth2の各々について、いわゆる「ヒステリシス」が設定されたものであっても良い。また、電圧値比較部52は、比較結果を安定させるために待ち時間を設定したり、平均化処理を実行したりするものであっても良い。
また、駆動回路3はPWM方式におけるパルス幅が予め設定されたものに代えて、パルス幅を適応的に設定するものであっても良い。例えば、駆動回路3は、モータ2に印加される電圧値、又はモータ2に流れる電流値などを検出して、モータ2の駆動中、これらの検出値が適切な値となるようにパルス幅を変化させるものであっても良い。図1において、駆動回路3がこれらの値を検出するための回路については図示を省略している。
また、駆動回路3は、矩形波を用いたチョッピング方式によりモータ2を駆動するものであれば良く、PWM方式に限定されるものではない。駆動回路3は、例えば、パルスの振幅を制御するPAM方式、又はパルスの周波数を制御するPFM(Pulse Frequency Modulation)方式によりモータ2を駆動するものであっても良い。実施の形態1のモータ制御装置100は、モータ2の駆動中、フィルタ回路4の共振周波数が変化するとともにPFM方式によりチョッピング周波数が変化する場合であっても、フィルタ回路4の共振により大電流が流れるのを防ぐことができる。
また、フィルタ回路4は、図1に示す抵抗器41を除去して、インダクタ部42及びキャパシタ部43を用いたLCフィルタにより構成されたものであっても良い。この場合、インダクタ部42が抵抗値Rを有するため、この抵抗値Rが図1に示す抵抗器41と同等の機能を果たす。すなわち、上記式(5)及び上記式(6)における抵抗値Rは、図1に示す抵抗器41の抵抗値Rに限定されるものではなく、フィルタ回路4におけるこれに相当する抵抗値Rであれば良い。
また、モータ2は、車載用のモータであれば良く、自動車用の燃料ポンプに設けられたモータに限定されるものではない。
以上のように、実施の形態1のモータ制御装置100は、第1電圧値V1の出力と第1電圧値V1よりも低い第2電圧値V2の出力とを切替自在であり、矩形波を用いたチョッピング方式によりモータ2を駆動する駆動回路3と、駆動回路3とモータ2間に設けられており、キャパシタ部43と、通電電流値ILに対するインダクタンス値Lの特性が非線形なインダクタ部42とを有する出力平滑用のフィルタ回路4と、キャパシタ部43の端子間電圧値Vcを用いて、駆動回路3による第1電圧値V1と第2電圧値V2間の切替えを制御する制御回路5とを備える。端子間電圧値Vcを用いて駆動回路3による出力の切替えを制御することにより、通電電流値ILに対してフィルタ回路4の共振周波数の値が非線形に変化するモータ制御装置100において、モータ2の駆動中にフィルタ回路4の共振周波数が変化してチョッピング周波数に近づいた場合であっても、フィルタ回路4の共振により大電流が流れるのを防ぐことができる。すなわち、チョッピング周波数を任意の値に設定することができ、かつ、フィルタ回路4の共振により大電流が流れるのを防ぐことができる。
また、制御回路5は、第1電圧値V1よりも高い第1閾値Vth1が設定されており、端子間電圧値Vcが第1閾値Vth1以上の値となったとき、駆動回路3による第1電圧値V1から第2電圧値V2への切替えを禁止する。これにより、駆動回路3の出力切り替え時に振動エネルギーEが大きくなるのを防いで、フィルタ回路4等に大電流が流れるのを防ぐことができる。
また、制御回路5は、第1電圧値V1から第2電圧値V2への切替えを禁止した状態にて、端子間電圧値Vcが第1閾値Vth1よりも低い値となり、かつ、端子間電圧値Vcが極小値となったとき、当該禁止を解除する。これにより、駆動回路3の出力切り替え時に振動エネルギーEが大きくなるのを防ぎつつ、適切なタイミングにて切替えの禁止を解除することができる。
また、第1閾値Vth1は、第1電圧値V1、フィルタ回路4の抵抗値R、及びモータ2に流れる電流値の最大値Imaxに対して、上記式(5)を満たす値に設定されている。これにより、駆動回路3の出力を第1電圧値V1に固定したとき、駆動回路3のチョッピングが停止したのと等価な状態になるのを防ぐことができる。
また、制御回路5は、第2電圧値V2よりも低い第2閾値Vth2が設定されており、端子間電圧値Vcが第2閾値Vth2以下の値となったとき、駆動回路3による第2電圧値V2から第1電圧値V1への切替えを禁止する。これにより、駆動回路3の出力切り替え時に振動エネルギーEが大きくなるのを防いで、フィルタ回路4等に大電流が流れるのを防ぐことができる。
また、制御回路5は、第2電圧値V2から第1電圧値V1への切替えを禁止した状態にて、端子間電圧値Vcが第2閾値Vth2よりも高い値となり、かつ、端子間電圧値Vcが極大値となったとき、当該禁止を解除する。これにより、駆動回路3の出力切り替え時に振動エネルギーEが大きくなるのを防ぎつつ、適切なタイミングにて切替えの禁止を解除することができる。
また、第2閾値Vth2は、第2電圧値V2、フィルタ回路4の抵抗値R、及びモータ2に流れる電流値の最大値Imaxに対して、上記式(6)を満たす値に設定されている。これにより、駆動回路3の出力を第2電圧値V2に固定したとき、駆動回路3のチョッピングが停止したのと等価な状態になるのを防ぐことができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
本発明のモータ制御装置は、車載用モータの制御に用いることができる。具体的には、例えば、自動車用の燃料ポンプに設けられたモータの制御に適している。
1 電源、1a 第1電源、1b 第2電源、2 モータ、3 駆動回路、4 フィルタ回路、5 制御回路、41 抵抗器、42 インダクタ部、43 キャパシタ部、51 電圧値検出部、52 電圧値比較部、53 極小極大検出部、54 切替禁止設定部、61 処理回路、62 スイッチ、63 処理回路、100 モータ制御装置。

Claims (8)

  1. 第1電圧値の出力と前記第1電圧値よりも低い第2電圧値の出力とを切替自在であり、矩形波を用いたチョッピング方式により車載用モータを駆動する駆動回路と、
    前記駆動回路と前記車載用モータ間に設けられており、キャパシタ部と、通電電流値に対するインダクタンス値の特性が非線形なインダクタ部とを有する出力平滑用のフィルタ回路と、
    前記キャパシタ部の端子間電圧値を用いて、前記駆動回路による前記第1電圧値と前記第2電圧値間の切替えを制御する制御回路と、
    を備えるモータ制御装置。
  2. 前記制御回路は、前記第1電圧値よりも高い第1閾値が設定されており、前記端子間電圧値が前記第1閾値以上の値となったとき、前記駆動回路による前記第1電圧値から前記第2電圧値への切替えを禁止することを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 前記制御回路は、前記第1電圧値から前記第2電圧値への切替えを禁止した状態にて、前記端子間電圧値が前記第1閾値よりも低い値となり、かつ、前記端子間電圧値が極小値となったとき、当該禁止を解除することを特徴とする請求項2記載のモータ制御装置。
  4. 前記第1閾値をVth1、前記第1電圧値をV1、前記フィルタ回路の抵抗値をR、前記車載用モータに流れる電流値の最大値をImaxとして、前記第1閾値Vth1は、
    Vth1≧V1+|R×Imax|
    を満たす値に設定されていることを特徴とする請求項2記載のモータ制御装置。
  5. 前記制御回路は、前記第2電圧値よりも低い第2閾値が設定されており、前記端子間電圧値が前記第2閾値以下の値となったとき、前記駆動回路による前記第2電圧値から前記第1電圧値への切替えを禁止することを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  6. 前記制御回路は、前記第2電圧値から前記第1電圧値への切替えを禁止した状態にて、前記端子間電圧値が前記第2閾値よりも高い値となり、かつ、前記端子間電圧値が極大値となったとき、当該禁止を解除することを特徴とする請求項5記載のモータ制御装置。
  7. 前記第2閾値をVth2、前記第2電圧値をV2、前記フィルタ回路の抵抗値をR、前記車載用モータに流れる電流値の最大値をImaxとして、前記第2閾値Vth2は、
    Vth2≦V2−|R×Imax|
    を満たす値に設定されていることを特徴とする請求項5記載のモータ制御装置。
  8. 前記車載用モータは、自動車用の燃料ポンプに設けられていることを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
JP2018518915A 2016-05-27 2016-05-27 モータ制御装置 Expired - Fee Related JP6526330B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2016/065721 WO2017203690A1 (ja) 2016-05-27 2016-05-27 モータ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017203690A1 JPWO2017203690A1 (ja) 2018-08-02
JP6526330B2 true JP6526330B2 (ja) 2019-06-05

Family

ID=60411688

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018518915A Expired - Fee Related JP6526330B2 (ja) 2016-05-27 2016-05-27 モータ制御装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6526330B2 (ja)
WO (1) WO2017203690A1 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69840430D1 (de) * 1997-07-16 2009-02-26 Shimadzu Corp Antriebssteuerung für motorgetriebene schnell rotierende körper und verfahren zum bestimmen des dafür verwendeten maschinentyps
JP2013090401A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Toyota Motor Corp 回転電機制御システム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2017203690A1 (ja) 2017-11-30
JPWO2017203690A1 (ja) 2018-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101173805B1 (ko) 리니어 진동 모터의 구동 제어 장치
CN105429473A (zh) Llc谐振转换器装置和方法
US8625249B2 (en) Control apparatus for electromagnetic inductive load
JP5405980B2 (ja) 発電機の出力制御装置
JP5617227B2 (ja) Dc−dcコンバータ
JP5609805B2 (ja) 負荷駆動装置
KR101173807B1 (ko) 리니어 진동 모터의 구동 제어 장치
KR101851930B1 (ko) 교류-직류 컨버터
JP2008535456A (ja) 共振コンバータの制御
US9231474B2 (en) DC/DC converter and display device
JP2006500892A (ja) 受動コモンモードフィルタおよび受動コモンモードフィルタを作動させるための方法
CN102549294B (zh) 无励磁工作型电磁制动器控制装置以及方法
JP2015213402A (ja) Dc/dcコンバータ
JP5529921B2 (ja) 電磁接触器
JP6526330B2 (ja) モータ制御装置
KR20210037663A (ko) 구동 시스템을 작동하기 위한 방법 및 구동 시스템
JP2018074787A (ja) 誘導負荷駆動回路
JP6321593B2 (ja) 回生電流の時間的変化を抑制する機能を備えたモータ駆動装置
JP2019149867A (ja) 電力変換装置及び電力変換システム
JP4736545B2 (ja) スイッチング素子の過電流保護装置
JP5034750B2 (ja) 電源制御回路
JP2007524211A (ja) 電気加熱電流の発生方法、特に材料を誘導加熱する方法および装置
JP2013255304A (ja) 異常検出装置
JP4804916B2 (ja) 昇圧装置
JP4607717B2 (ja) 交流電気車用電力変換装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180410

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190507

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6526330

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees