明 細 書
光照射装置
技術分野
[0001] 本発明は、工場等において光を照射して製品の外観や傷の検査等に用いられる 光照射装置に関する。
背景技術
[0002] 近時、この種の製品検査用の光照射装置において、光源にパワー LEDと称される 超高輝度タイプの LEDが使用されつつある。このパワー LEDを用いれば、多数の L EDを用いることなぐ単体で十分な照度を得られ、多数の LEDを用いるのに比して、 光学系を単純ィ匕でき、シンプルな構造にすることが可能になる。
[0003] そして、力かるパワー LEDを用いた光照射装置として、先に本願出願人は、特許文 献 1に示すようなものを発明して!/ヽる。
[0004] この光照射装置は、ケーシングを、カップ状をなす後側筐体要素及び前側筐体要 素に分離するとともに、これらを互いの軸線を一致させて螺合結合できるようにし、そ の結合過程で、内部に収容した LED及び光学系を、それらの軸線を合致させつつ 前後から Oリング等の弾性部材を介在させて狭圧するような構造にしたものであり、簡 単に位置精度よく組み立てられて、しカゝも LEDにケーシングを密着させて放熱をも効 率的に行えるようにした画期的なものである。
特許文献 1:特開 2004 - 111377号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] ところで、上述の光照射装置で、 LEDや光学系を筐体要素に入れるときには、熱 伝導のためにケーシングと LEDの裏面との間に介在する熱伝導部材を入れ、その後 、 LED,光学系の順で積み上げるように挿入している。そして最後に他方の筐体要 素を結合するわけである力 熱伝導部材と LEDとは互いに面積の小さな部品であり、 これらを光学ユニットに先立って中に入れてしまうために、位置合わせが難しいうえ、 よしんば位置ずれが起こってもわかりにくぐそれを検証できないまま、製品化される
ことちあり得る。
[0006] また、筐体要素同士を回転させて結合するようにしているため、電力供給用のコネ クタが装着される筐体要素に、 LEDを予め収容するようにしている。他方の筐体要素 に LEDを収容すると、筐体要素同士の結合の過程で、コネクタと LEDと間のケープ ルがねじれて断線が生じるなど、種々の不具合が考えられること力もではあるが、同 一の筐体要素にコネクタと LEDとが保持されるには、配線作業上、あまり好ましいも のではない。
[0007] また筐体要素同士を螺合するため、極端に言えば、回しすぎによって筐体要素同 士が近接しすぎ、また同時に回転によって剪断力も作用することから、 Oリングに過 負荷が作用して千切れたり、逆に回し足りないために、筐体要素同士の十分な結合 が図れな力つたりするなど、大量に生産する場合には、品質管理が難しいという問題 点ちある。
[0008] さらに、光学ユニットの大きさ、 LEDの大きさ(特に、高さ)および加工精度などは誤 差範囲内ではあるが、実際の製造過程に影響を及ぼす場合があるため、 LEDや光 学系などを積み上げるようにした構成の光照射装置では、各部材の累積誤差が生じ (大きくなり)、各光照射装置間相互で押圧力が相違してしまう。この各光照射装置間 での押圧力のバラつきにより、品質の安定した光照射装置を提供することが困難な 場合が生じると ヽぅ問題点もある。
[0009] そこで本発明は、上述した問題点を解決すべくなされたものであって、第 1筐体要 素及び第 2筐体要素を結合しケーシングを形成する際に同時に、内部に収容した L ED及び光学系の位置決めもしてしまう構造の光照射装置において、組み立て関連 作業のさらなる円滑化と、製品としての品質の安定ィ匕を図ることをその主たる所期課 題としたものである。
課題を解決するための手段
[0010] すなわち本発明に係る光照射装置は、前方に光を射出する LEDと、 LEDに前側 から接近することで当該 LEDと互いの軸線を一致させて係合する光学ユニットと、光 学ユニット、 LED及び LEDの裏面に密着させる熱伝導部材をこの順で内部に挿入 するための開口を、後端面に有する筒状の第 1筐体要素と、第 1筐体要素の開口近
傍に係合し、当該第 1筐体要素に挿入された光学ユニット、 LED及び熱伝導部材の 抜け落ちを防止する脱落防止部材と、第 1筐体要素の所定位置に取り付けられて前 記開口を閉塞し、当該第 1筐体要素とともにケーシングを形成する第 2筐体要素と、 第 2筐体要素に設けた前方に突出する突出部材とを備えてなり、前記所定位置にお いて、前記開口を挿通した突出部材が、熱伝導部材を介して LEDの裏面を押圧し、 光学ユニットと LEDとを係合させてそれらの軸線を一致させるように構成して 、るもの である。
[0011] このようなものであれば、光学ユニットを挿入した後に、小さな部品である LED及び 熱伝導部材を入れることになるため、組み立てやすぐまた LEDに対して熱伝導部 材が正しく設置されているかどうかを、筐体要素同士の結合直前まで確認しながら作 業することができる。
[0012] また脱落防止部材があるために、第 1筐体要素と第 2筐体要素との結合時などにお ける光学系部品の不測の脱落がなぐこの点でも組み立てを容易化できる。
[0013] さらに、第 2筐体要素を、第 1筐体要素の所定位置に取り付けるようにし、それらの 結合時における相対位置関係が組み立て者によらず、画一的に定まるようにしてい るため、例えば oリング等を内蔵させた場合でも、装置ごとに oリングの変形度合いに 違いのない、安定した品質の光照射装置を提供できる。
[0014] LEDの径方向へのずれを防止する一実施態様としては、光学ユニットを、前記第 1 筐体要素に、径方向にはほぼがた無く嵌入するものにすればよい。このことにより、 L EDが光学ユニットに係合して必然的に LEDの径方向の位置が確定する。またこのよ うな構成の下では、熱伝導部材が、前記第 1筐体要素に、径方向にはほぼがた無く 嵌入する環状の支持部材に保持され、その支持部材とともに、当該第 1筐体要素に 挿入されるものであることが望ましい。このようにすれば、熱伝導部材も径方向にずれ ることはなぐ確実に LEDの裏面に接触させることができる。
[0015] 組み立て時やメンテナンス時の配線作業の容易化を図るには、第 2筐体要素が、 第 1筐体要素に軸線方向に沿ってスライド嵌合するものであり、その第 2筐体要素に 、 LEDへの電力供給用のコネクタを取り付けて 、るものが望まし 、。
[0016] より具体的には、第 2筐体要素が、第 1筐体要素にスライドして外嵌する筒状をなす
側周壁と、その側周壁の後端面を閉塞する底壁とを備えたものであり、その底壁を貫 通するケーブル連通路を設けるとともに、そのケーブル連通路の後端開口を塞ぐよう にコネクタを取り付け、コネクタと LEDとを、ケーブル連通路を揷通するケーブルによ つて接続するようにして ヽるものを挙げることができる。
[0017] 簡単な構成で、確実に第 2筐体要素の第 1筐体要素に対する取り付け位置を前記 所定位置に設定できるようにするには、第 2筐体要素が、第 1筐体要素をガタなくスラ イド挿入させる小径室と、その小径室に軸線方向に連続して設けた大径室とを備え、 第 1筐体要素が、前記スライド挿入方向とは逆側の端部に鍔部を有し、その鍔部が 前記所定位置において、第 2筐体要素の大径室と小径室との間の段部に干渉し、そ れ以上のスライド挿入を抑止するように構成して ヽるものが好適である。
[0018] 大光量スポット照明に好適な本発明の具体的実施態様としては、前記第 2筐体要 素が、第 1筐体要素よりも前方に延伸してその前端部においてレンズを保持している ものが挙げられる。
[0019] 本発明の効果が特に顕著となる具体的実施態様としては、前記 LEDが連続して 2 OOmA以上の電流を流すことが可能なパワー LEDを挙げることができる。
[0020] なお、本明細書での LEDとは、 PN接合半導体であり、実際に発光する部材である LED素子、その LED素子が搭載されているベース、 LED素子を覆うモールド部材、 プリント基板等への接続のためのリード線等を備えたいわゆる LEDパッケージと言わ れるもののことである。
発明の効果
[0021] このような構成の本発明によれば、第 1筐体要素及び第 2筐体要素を結合する際に 同時に、内部に収容した LED及び光学系の位置決めもしてしまう構造の光照射装置 において、組み立て作業のさらなる容易化と、品質の安定ィ匕を図ることができる。 図面の簡単な説明
[0022] [図 1]本発明の一実施形態における光照射装置を示す全体斜視図。
[図 2]同実施形態における光照射装置を示す側面図。
[図 3]同実施形態における光照射装置の内部構造を示す縦断面図。
圆 4]同実施形態における光照射装置の分解斜視図。
[図 5]同実施形態における光照射装置のライトガイドを示す側面図。
[図 6]同実施形態における LED及び基板を示す側面図。
[図 7]同実施形態における光学ユニットを示す側面図。
符号の説明
[0023] 1 · · ·光照射装置、 2· · ·第 1筐体要素、 22· · ·鍔部、 3 · · ·第 2筐体要素、 31 · · ·側周 壁、 32· · '底壁、 3a · · '小径室、 3b, · ·大径室、 32a- · 'ケーブル連通路、 4· · '光学 ユニット、 5 · · -LED, 7· · '支持部材、 8 · · ·レンズ、 10 · · '突出部材、 S ' · '熱伝導部 材 (スぺーサ)、 D · · ·開口、 R · · ·脱落防止部材 (スナップリング)、 CS · · ·ケーシング 、 CN' · 'コネクタ、 CA' · 'ケープノレ。
発明を実施するための最良の形態
[0024] 以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
[0025] 本実施形態にかかる光照射装置 1は、図 1〜図 4に示すように、前方に光を射出す る単体の LED5と、その LED5に前側からスライド接近させることで軸線を一致させて 係合する光学ユニット 4と、その光学ユニット 4のさらに前方に配置される柱状ライトガ イド 9と、そのライトガイド 9のさらに前方に配置されるレンズ 8と、これら LED5、光学ュ ニット 4、ライトガイド 9及びレンズ 8を保持するケーシング CSとを備えて 、る。
[0026] なお、以下の説明では、便宜上、光の進行方向を前方向、逆を後方向としているが 、この方向は、光照射装置 1の設置姿勢によって変動するのは言うまでもない。
[0027] 各部を説明すると、 LED5は、図 6に詳細に示すように、金属製 (例えば銅製)の良 好な熱伝導体であるベース 51と、そのベース 51上にダイボンディング等により固定さ れた LED素子 52と、前記ベース 51に外嵌してこれを支持する榭脂フレーム 56と、 L ED素子 52の力ソード側電極及びアノード側電極に接続される 2本のリード線 53a、 5 3bと、 LED素子 52等を密封保護するための透明性を有する材料 (エポキシゃシリコ ーン等のプラスチック、エラストマ一、あるいはガラス等)でなる榭脂モールド部 54とか らなるパッケージ化されたもので、連続して 200〜300mA以上の電流を流すことが 可能な 、わゆるパワー LEDと称されるものである。
[0028] そして中心孔 6aの開いた円環状をなすプリント配線基板 6に、この LED5を、ベー ス 51の裏面が中心孔 6aから露出するように取り付けている。
[0029] 光学ユニット 4は、図 7に詳細を示すように、基端力も先端に向かうに連れ、徐々に 断面積が拡がるように形成した回転体形状をなす中実透明のボディ 41と、そのボデ ィ 41の先端部外周縁に設けた鍔部 46とを一体成型した透明榭脂製のものである。
[0030] このボディ 41の基端面には、凹部 42を開口させている。この凹部 42は、前記モー ルド部 54の外周にがたなく外嵌して、この光学ユニット 4と LED5との軸線を合致させ る。また、この凹部 42の底面 42aは、基端側に向力つて膨らませた凸レンズ形状にし てある。一方、前記ボディ 41の先端面には、その中央部を膨出させることにより中央 凸レンズ部 43が形成してあり、この中央凸レンズ部 43の周囲には、それとは異なる 曲率のリング状凸レンズ部 44が形成してある。さらに前記ボディ 41の側面には、断面 輪郭が放物線をなすように形成した反射要素である湾曲膨出面 45が設けてある。
[0031] そして同図(この図では LEDは省略してある)に示すように、前記 LED5から射出さ れた光のうち、凹部 42の側面 42bを通過した略全ての光力 前記湾曲膨出面 45に 到達し、そこで全反射されて前記リング状凸レンズ部 44を介し、軸線に向かって互い に相寄る向きの光として外部に放射されるようにしてある。また一方で、前記 LED5か ら射出された光のうち、凹部 42の底面 42aを屈折して通過した略全ての光力 前記 中央凸レンズ部 43を介し、やはり軸線に向力つて互いに相寄る向きの光として外部 に放射されるように構成してある。なお、これら各凸レンズ部 43、 44から出る光の集 光位置は、略同一位置となるようにしてある。
[0032] 第 2光学ユニットとも言うべき柱状ライトガイド 9は、図 5に示すように、先端側 (前側) に設けた一定径の円柱部 91とその円柱部 91の基端力も徐々に径を大きくして拡が る部分円錐状をなす拡開部 92とを有するもので、拡開部 92の端面 9aは凹面形状に 湾曲させてある。このライトガイド 9は、その軸線を光学ユニット 4の軸線と合致させ、 なおかつその端面 9aを光学ユニット 4力もでた光の集光位置にほぼ合致させるように 配置される。そして光学ユニット 4力もでた光のほぼ全てを、基端面 9aから内部に導 入する。内部に導入された光は、直進したり側周面で内向きに全反射したりしながら 混合して先端面 9bの全面力 ムラのない光として前方に射出される。また、この端面 9a (光導入面 9a)の中央部には拡散処理が施してあるため、光学ユニット 4の屈折要 素 42a、 43を通過した結像性を有する光のみを効果的に拡散して光量ロスを最小限
にしつつ光量ムラをさらに減じることができる。
[0033] 第 3光学ユニットとも言うべきレンズ 8は、集光レンズであって凸レンズでもよいが、こ の実施形態では、図 3等に示すように、軽量コンパクトィ匕を図る意味で、フレネルレン ズを用いている。このフレネルレンズ 8も、その軸線を前記軸線 Cに合致させて配置さ れ、ライトガイド 9から射出された光を内向き (軸線向き)に屈折させて外部にスポット 光として射出する。
[0034] これら LED5及び光学系部材 4、 8、 9は、ケーシング CSに支持されて一体構造を なす。
[0035] しかして、本実施形態におけるケーシング CSは、図 3に示すように、概略円筒状を なす第 1筐体要素 2と、その第 1筐体要素 2にガタなく外嵌する第 2筐体要素 3を結合 してなるものである。
[0036] 第 1筐体要素 2は、図 3、図 4に示すように、中心を軸線方向に貫通する貫通孔を有 するもので、その貫通孔は、基端部 (後端部)に形成した大径部 21aと、その大径部 2 laの先端力 段差をもって形成した中間径部 21bと、その中間孔部 21bの先端から 形成した小径部 21cとからなる。
[0037] 大径部 21aは、光学ユニット 4、 LED5等を収容する空間であり、その内径を、前記 光学ユニット 4の鍔部 46の外周径と略同一径に設定して、光学ユニット 4を径方向に ほぼがたなく嵌入させ得るように構成している。また、この大径部 21aの内側周面に おける基端部には、周回する溝 Mが設けてあって、基端 (後端)開口 Dから光学ュ- ット 4、 LED5等を順に挿入した後、この溝 Mに脱落防止部材であるスナップリング R( Cリングや Eリング等)を嵌め込むことにより、光学ユニット 4、 LED5等を、若干軸線方 向に移動可能ではあるものの、抜脱不能にこの大径部 21aに保持させるようにしてい る。
[0038] なお、このとき同時に大径部 21aに収容されてスナップリング Rにより保持されるもの としては、光学ユニット鍔部 41aの前面と大径部 21aの先端後向き面との間に介在す る Oリング Oや、 LED5の裏面に密接させる窒化アルミニウム等の高熱伝導性部材を 用いた絶縁スぺーサ3、中央に前記絶縁スぺーサ Sをがたなく嵌め込むための凹陥 部 7aを有した円環状の支持部材 7がある。この支持部材 7は、大径部 21aに径方向
にガタなく嵌り込む。また、この大径部 21aを形成する側周壁には、 LED5に接続す べきケーブル CAを揷通させるための切り欠き 23が設けてある。
[0039] 小径部 21cは、前記ライトガイド 9の円柱部 91と同一径であり、この円柱部 91を、わ ずかな空気層を介在させて径方向にガタ無く収容する。なお固定は径方向から挿入 した止めねじ Bにより行っている。テーパ部 92は、小径部 21cから後方に突出して中 間径部 21b内に位置する。
[0040] 第 2筐体要素 3は、図 3等に示すように、放熱用のフィン Fを複数形成した側周壁 31 と、その側周壁 31の後端面を閉塞する底壁 32とからなるものであり、側周壁 31及び 底壁 32に囲まれた内部空間は、基端側 (後側)に設定した小径室 3aと、その前方に 軸線を一致させて連続形成した大径室 3bとからなる。
[0041] 小径室 3aは、その内径が、前記第 1筐体要素 2の外径とほぼ同一であり、この小径 室 3aに、第 1筐体要素 2が前方力も軸線方向にスライド嵌入されてがたなく保持され る。第 1筐体要素 2の先端部には鍔部 22が設けてあって、この第 1筐体要素 2を小径 室 3aに挿入していくと、所定位置で、鍔部 22が小径室 3aと大径室 3bと間の段部に 接触してそれ以上の挿入を抑止し、第 1筐体要素 2の挿入深さを常に均一に維持す る。この第 1筐体要素 2は、鍔部 22を前記段部にねじ止めされることで抜脱不能に固 定される。
[0042] 大径室 3bは、前記レンズ 8の外径とほぼ同一径をなすもので、その先端部(前端部 に)は、当該レンズ 8がリングねじ 81によって固定される。
[0043] 一方、この第 2筐体要素 3の底壁 32には、前記小径室 3aに連通するケーブル連通 孔 32aが設けてあり、この連通孔 32aの後端面を閉塞するように、 LED5への電力供 給用のコネクタ CNが取り付けられる。そして、コネクタ CNの裏面力も延びる配線ケー ブル CAを、 LED5を搭載する配線基板 6に接続できるようにして 、る。
[0044] さらにこの第 2筐体要素 3の底壁 32中央からは、小径室 3aに向力つて軸線方向に 円柱状の突出部材 10を一体に突出させている。
[0045] この突出部材 10は、第 1筐体要素 2を小径室 3aに所定位置までスライド嵌入するこ とによって、その先端面が、前記絶縁スぺーサ Sを介して LED5の裏面に密着してこ れを押圧し、 Oリング Oをある程度弾性変形させる長さに設定してある。このことにより
LED5と光学ユニット 4とがしつ力り嵌合し、軸心を合致させた状態で、狭圧固定され る。
[0046] 次に、かかる光照射装置 1の組み立て方法について説明する。
[0047] まず、第 1筐体要素 2に、 LED5や光学系部品等を^ &み込む。すなわち、図 4に示 すように、第 1筐体要素 2の後端開口 Dから、ライトガイド 9、 Oリング 0、光学ユニット 4 、基板 6に搭載した LED5、スぺーサ3、支持部材 7の順で、大径部 21aに挿入する。 なお、このとき基板 6には配線ケーブル CA (同図では省略)を予め接続しておき、そ の配線ケーブル CAの先端は、前記切り欠き 23を通して外に出しておく。また、ライト ガイド 9は、止めねじ Bにより固定しておく。
[0048] そしてスナップリング Rを大径部 21aの基端に嵌め込み、挿入した各部材が抜け落 ちないように仮保持させる。
[0049] この状態で、第 1筐体要素 2に収容されているライドガイド 9を除く前記各部材は、軸 線方向には若干動く余地を残してはいるものの、径方向には各々の軸線を第 1筐体 要素 2の軸線に合致させた状態で移動不能である。
[0050] すなわち光学ユニット 4は、第 1筐体要素 2に径方向にがたなく嵌合しており、 LED 5も、光学ユニット 4の凹部 42に嵌り込んでいることから、径方向にはほとんど移動で きない。また、支持部材 7が、第 1筐体要素 2に径方向にがたなく嵌合していることか ら、その凹陥部 7aに嵌め込まれて 、るスぺーサ 7も径方向には移動できな 、。
[0051] 次に、このようにして、各部材が組み込まれた第 1筐体要素 2を、第 2筐体要素 3の 小径室 3aに、前方からスライド嵌合させる。そして第 1筐体要素 2の鍔部 22が、第 2 筐体要素 3の段部に接触する所定位置となるように、ねじ止めする。
[0052] その過程で、前記突出部材 10が、第 1筐体要素 2の後端開口 Dから内部に進入し 、支持部材 7の中心孔を通って、スぺーサ Sに密接し、これを介して LED5の裏面を 押圧する。
[0053] このことにより、 LED5は光学ユニット 4にガタなく嵌合し、これを押圧すると共に、光 学ユニット鍔部 46の前面と、小径部 21c及び中間径部 21b間の段部後向き面との間 で Oリング Oが挟み込まれ、所定量軸線方向に変形する。そして、この Oリング Oの弹 性反発力と突出部材 10からの押圧力とで光学ユニット 4及び LED5は前後から狭圧
され、その狭圧過程での嵌合により、それらが第 1筐体要素 2と軸線を一致させて固 定される。
[0054] 一方、コネクタ CNは、底壁 22から外してあって、前述したように筐体要素 2、 3同士 を結合させ、内部の LED5等を固定した後、前記ケーブル連通孔 32aから外側に延 ばしたケーブル CAに、外したコネクタ CNを接続する。そして、余剰ケーブルをケー シング CS内部に挿入しつつ、このコネクタ CNを底壁 22に取り付ける。
[0055] そして最後に第 2筐体要素 3の前端部に、フレネルレンズ 8をリングねじ 81で固定 する。
[0056] したがって、このようなものであれば、第 1筐体要素 2に、光学ユニット 4を挿入した 後に、小さな部品で位置精度の必要な LED5及びスぺーサ Sを入れることになるため 、組み立てやすぐまた LED5に対してスぺーサ Sが正しく設置されているかどうかを 、筐体要素 2、 3同士の結合直前まで確認しながら作業することができる。また、 LED 5及びスぺーサ Sは、軸線方向には若干動けるものの、径方向の位置は確定しており 、筐体要素 2、 3同士の結合時に LED5とスぺーサ Sとが不測にずれることもない。
[0057] このように、組み立て作業にお!、て、容易かつ確実に LED5の裏面にスぺーサ Sを ずれることなく位置づけられ、当該 LED5を突出部材 10を介してケーシング CSに熱 接続することができる。
[0058] また脱落防止部材であるスナップリング Rがあるために、第 1筐体要素 2と第 2筐体 要素 3との結合時などにおける部品の不測の脱落がなぐこの点でも組み立てを容易 化できる。
[0059] さらに、鍔部 22により、第 2筐体要素 3と第 1筐体要素 2との位置関係が、組み立て 者によらず、常に一定になるため、装置 1ごとに Oリング Oの変形度合いに違いのな い、安定した品質の光照射装置 1を提供できる。
[0060] また、第 1筐体要素 2と第 2筐体要素 3とを螺合結合ではなぐスライド結合させてい るため、ケーブル CAのねじれ等を考慮せずともよぐ配線関連作業の容易化をも図 れる。
[0061] さらに、光学ユニット 4の大きさ、基板 6に搭載した LED5の大きさ(特に、榭脂モー ルド部 54の高さ)および各部の加工精度などは誤差範囲内ではあるが、実際の製造
過程に影響を及ぼす場合がある。 LED5や光学ユニット 4などを積み上げるようにし た本発明の光照射装置 1では、各部材の累積誤差が生じに《(大きくなりに《;)、各 光照射装置間相互で押圧力が相違するおそれがない。そのため、各光照射装置 1 間での押圧力のバラつきがなぐ品質の安定した光照射装置 1を提供することができ る。
[0062] なお、本発明は前記実施形態に限られるものではな 、。ケーシングの形状や、 LE D、光学ユニットの形状、機能等はその他に種々変形が可能であり、ライトガイドゃフ レネルレンズ等の光学系に関しても、前記実施形態に限られな 、のは言うまでもな ヽ 産業上の利用可能性
[0063] 以上のように、本発明に係る光照射装置は、第 1筐体要素及び第 2筐体要素を結 合する際に同時に、内部に収容した LED及び光学系の位置決めもしてしまう構造の 光照射装置において、組み立て作業のさらなる容易化と、品質の安定化を図るのに 好適に用いられる。