画素処理装置
技術分野
[0001] 本発明は、画素処理装置に関し、より詳細には、電気的な画像データに含まれる画 素データを処理することで画像 (該画素データによって構成される。)を見やすくする 画素処理装置に関する。
色覚異常を有する人々(所謂、色弱や色盲と呼ばれる人。以下、「色覚異常者」とい う。)が、画像に含まれる色彩を認識しやすくするように画素データを処理するために も、本発明の画素処理装置は好適に用いられることができる。
背景技術
[0002] 現代人は、様々なものを目視することで、多くの情報を取得したり(例えば、地下鉄 路線図、標識、インターネット通信網上に存する種々のホームページ等を見ることで 役立つ多くの情報を取得したり、トマトの色を見てそれが熟れて 、ることを知ったり、 焼き肉で肉の焼け具合を知ることができる。)、心を和ませる(例えば、美しい花が咲 いた風景や紅葉した山等を見ることで、その変化によって心が和む。)ことが多い。 このような目視は、言うまでもなく視覚により種々のものを認識することであるが、目 視による認識においてはそのもの(輪郭)が見えるかどうか (通常、視力が充分力どう かによる。以下、「形状識別性」という。)のみならず色の違いを見分けることができる 力どうか (通常、色覚が充分力どうかによる。以下、「色識別性」という。)も重要である 。例えば、前述の例では、地下鉄路線図にはそれぞれの路線を区別するために各路 線ごとに色分けされているものが多いが、示される路線数が増加すると (例えば、東 京周辺の地下鉄路線図がよ 、例である。 )色分けをうまく区別できず路線の状況把握 が困難なことが多い。この地下鉄路線図の例では、形状識別性よりも色識別性が重 要である。そして、トマトの色を見て熟し具合を把握することや、焼き肉の色を見て焼 け具合を知ることも、形状識別性よりも色識別性が重要である。力 tlえて、葉や枝が密 集した生け垣の中に鮮やかな色の花が咲 、たような場合に該花を見つけるときや紅 葉を見るとき等も、形状識別性よりも色識別性が重要である。
[0003] このような色識別性が重要である中で、色覚異常者は、色覚異常を有さない者 (以 下、「色覚正常者」という。)よりも色識別性が低いことから、何らかの対策をとらなけれ ば、前述したような色識別性を要する場合には目視による認識をうまく行うことができ ない。色覚異常は、網膜の視細胞である錐体の異常により生じ、長波長側に感度の ピークを持つ L錐体系に異常のある第 1 (赤)色覚異常と、中波長領域にピークを持 つ M錐体系に異常のある第 2 (緑)色覚異常と、を赤緑色覚異常と分類し、短波長側 にピークのある S錐体系に異常のある第 3色覚異常を青黄色覚異常と分類する。これ ら 3種類の錐体が全て欠けて ヽる場合は全色盲となる力 この全色盲のケースは非 常に少なぐ大部分の色覚異常は赤緑色覚異常で、 日本人の場合男性の約 5%、女 性の約 0. 2%に相当すると言われている。このような色覚異常者の色識別性を高め るための対応として、色覚障害者用自動車運転用フィルタや色覚異常者用眼鏡レン ズ等といった器具等も開発されているが (例えば、特許文献 1、特許文献 2参照。)、 濃 、着色や特殊な反射膜を用いたフィルタやレンズを用いることに抵抗感を覚える 色覚異常者も多ぐあまり普及していない。
また、最近では、コンピュータを用いた画像処理技術も検討されている。例えば、画 像処理等の方法で識別しにくい色を識別しやすい色に変換したり、境界に線を入れ たりする方法も検討されているが、あくまで 2色が異なることが認識できるのみである ので、例えば、赤緑色覚異常の人が、トマトを収穫する場合、画像処理等によって赤 い熟れたトマトと緑のトマトとが識別できたとしても、どちらが赤い熟れたトマトかは分 からず、様々な場面で利用できるものではな 、。
[0004] 特許文献 1 :特開 2004— 34750号公報 (請求項 1、第 3図)
特許文献 2:特開 2002— 303830号公報 (請求項 1)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] そこで、本発明においては、様々なものを見る際に色識別性を向上させることがで きるコンピュータによる画像処理技術を用いた画素処理装置を提供することを目的と する。特に、色覚異常者が、画像に含まれる色彩を認識しやすくするように画素デー タを処理するのにも好適に用いられる装置を提供する。
課題を解決するための手段
[0006] 本発明の画素処理装置(以下、「本装置」 t ヽぅ。 )は、輝度を表す輝度軸と、クロマ テイクネス指数を示す 2の軸である第 1軸及び第 2軸と、の 3の直交座標軸系によって 示される均等色空間における位置データとして示された画素データが含む輝度軸方 向の成分、第 1軸方向の成分及び第 2軸方向の成分のうち、第 1軸及び第 2軸とのい ずれか一方の軸である選択軸方向の成分に応じて輝度軸方向の成分を変化させる 処理である色覚変換処理を行う色覚変換処理手段を、備えるものである、画素処理 装置である。
[0007] 均等色空間とは、等しい大きさに知覚される色差が、空間内の等しい距離にほぼ対 応するように意図した色空間をいい、幾つかのものが知られている。例えば、コンビュ ータなどのディスプレイの発色特性 (分光分布)の測定値と 3種類の錐体の分光吸収 特性から各錐体の刺激値を求めたもの(LMS Color Space,以下「LMS」という。)や、 さらに錐体から脳に信号が伝達される過程で行われる演算を考慮して、 LMS値から 脳が知覚する色感覚を求めたもの(Opponent Color Space,以下「OCS」という。)や 、 CIE L*u*v*色空間(以下、「Luv色空間」という。)や、 CIE L*a*b*色空間(以下、「 Lab色空間」という。)等が例示できる。
これらの均等色空間のうち、今回は OCS、 Luv色空間及び Lab色空間等のように、 輝度を表す輝度軸と、クロマテイクネス指数を示す 2の軸である第 1軸及び第 2軸と、 の 3の直交座標軸系によって示される均等色空間を用いる。
なお、クロマテイクネス指数を示す 2の軸である第 1軸及び第 2軸とは、均等色空間 力 SLuv色空間であれば u軸 (正方向が赤色を、負方向が緑色を示す。)及び V軸 (正 方向が黄色を、負方向が青色を示す。)であり、均等色空間が Lab色空間であれば a 軸 (正方向が赤色を、負方向が緑色を示す。)及び b軸 (正方向が黄色を、負方向が 青色を示す。)である。
そして、これら第 1軸及び第 2軸とのいずれか一方の軸を選択軸とする。
[0008] このような均等色空間における位置データとして示された画素データは、輝度軸方 向の成分、第 1軸方向の成分及び第 2軸方向の成分を含み、これら 3の成分により該 画素データの均等色空間における位置が特定される。
本装置の色覚変換処理手段は、画素データが含む選択軸 (第 1軸及び第 2軸との V、ずれか一方の軸)方向の成分に応じて輝度軸方向の成分を変化させる処理である 色覚変換処理を行う。なお、ここに「選択軸方向の成分に応じて輝度軸方向の成分 を変化させる」とは、輝度軸方向の成分の変化量が、選択軸方向の成分の絶対値に 対して単調増加であることを!、う。
こうすることで均等色空間における位置データとして示された画素データは、該画 素データの選択軸方向の成分に応じて、該画素データの輝度軸方向の成分が変化 されるので、選択軸方向の成分を輝度軸方向の成分として観察することができる。即 ち、選択軸方向の成分の差による色の違い (例えば、 Luv色空間の u軸方向の成分 の差による色の違い。この場合、実際は赤緑間の色の違いになる。)を輝度軸方向の 成分の差 (即ち、輝度の差)として観察できるので、第 1軸及び第 2軸とのうちその成 分の差による色の違 、を認識しにくい方の軸を選択軸にすれば (即ち、選択軸方向 の成分差による色識別性が低い)、選択軸方向の成分差を輝度軸方向の成分 (輝度 差)として色の違 、を認識することができる。
[0009] 選択軸方向の成分が第 1所定値よりも大きい場合と、選択軸方向の成分が該第 1 所定値よりも小さい場合と、のいずれか一方の場合には輝度軸方向の成分を減少さ せると共に、 V、ずれか他方の場合には輝度軸方向の成分を増カロさせるように色覚変 換処理を行うもの(以下、「増減両処理装置」という。)であってもよい。
こうすることで選択軸方向の成分が第 1所定値を境に、一方では輝度軸方向の成 分を減少させると共に、他方では輝度軸方向の成分を増加させるので、第 1所定値 を境として一方側と他方側とで選択軸方向の成分差を輝度軸方向の成分差として一 層はっきりと認識することができる。
なお、第 1所定値は、第 1軸を選択軸とする場合と、第 2軸を選択軸とする場合と、 で異なっても同一でも 、ずれでもよ!/、。
また、選択軸方向の成分が第 1所定値に等しいときは、輝度軸方向の成分を変化さ せないようにすればよい。
[0010] 増減両処理装置の場合、前記選択軸が、正方向に赤成分を示し負方向に緑成分 を示す軸であり、前記選択軸方向の成分が、前記第 1所定値よりも赤成分が大きい
場合には輝度軸方向の成分を増力!]させ、前記第 1所定値よりも赤成分が小さい場合 には輝度軸方向の成分を減少させるように色覚変換処理を行うものであってもよい。 こうすることで赤緑色覚異常の色覚異常者が、より赤い色の画素データは輝度軸方 向の成分がより増加して高輝度になり、より緑色の画素データは輝度軸方向の成分 力 り減少して低輝度になることから、赤緑間の色の違いを輝度軸方向の成分差とし て一層はっきりと認識することができる。
なお、ここで選択軸たる正方向に赤成分を示し負方向に緑成分を示す軸としては、 均等色空間が Luv色空間であれば u軸であり、均等色空間が Lab色空間であれば a 軸である。
[0011] 増減両処理装置の場合、前記選択軸が、正方向に黄成分を示し負方向に青成分 を示す軸であり、前記選択軸方向の成分が、前記第 1所定値よりも黄成分が大きい 場合には輝度軸方向の成分を減少させ、前記第 1所定値よりも黄成分が小さい場合 には輝度軸方向の成分を増力 tlさせるように色覚変換処理を行うものであってもよ 、。 こうすることで青黄色覚異常の色覚異常者が、より青色の画素データは輝度軸方向 の成分がより増力!]して高輝度になり、より黄色の画素データは輝度軸方向の成分が より減少して低輝度になることから、青黄間の色の違いを輝度軸方向の成分差として 一層はっきりと認識することができる。
なお、ここで選択軸たる正方向に黄成分を示し負方向に青成分を示す軸としては、 均等色空間が Luv色空間であれば V軸であり、均等色空間が Lab色空間であれば b 軸である。
[0012] 前記色覚変換処理後の選択軸方向の成分が、前記色覚変換処理前の選択軸方 向の成分の絶対値に対して前記色覚変換処理後の選択軸方向の成分の絶対値を 単調増加させる単調増加関数によって前記色覚変換処理前の選択軸方向の成分を 変換することで決定されるもの(以下、「選択軸成分残留装置」という。)であってもよ い。
ここに「色覚変換処理前の選択軸方向の成分の絶対値に対して前記色覚変換処 理後の選択軸方向の成分の絶対値を単調増カロさせる単調増加関数」とは、色覚変 換処理前の選択軸方向の成分の任意の絶対値 a、 b (ただし、 aより bが大きい)を考え
ると、 aに係る画素データを色覚変換処理した後の選択軸方向の成分の絶対値 Aと、 bに係る画素データを色覚変換処理した後の選択軸方向の成分の絶対値 Bと、が B の方力 S Aよりも大きい関係を満たすことを 、う。
こうすることで色覚変換処理後の選択軸方向の成分の大小が、色覚変換処理前の 選択軸方向の成分の大小の順番と同じ順番になることから、元の画素の色合いを残 したまま特定の種類の色を明るく又は暗くするように色覚変換処理するので、色覚変 換処理後の画素の色合 、から色覚変換処理前の元の画素の色合 、を認識すること ができる。
選択軸成分残留装置の場合、画素データが含む輝度軸方向の成分と選択軸方向 の成分とのデータ組である選択データ組のうち、選択軸方向の成分が第 2所定値より 大きい選択データ組と、選択軸方向の成分が該第 2所定値より小さい選択データ組 と、のいずれか一方の選択データ組を、選択軸と輝度軸とを含む選択面にて選択軸 を横軸にとり輝度軸を縦軸にとったときに該選択面に存する凸関数と凹関数とのいず れか一方の関数を満足させるように変換すると共に、いずれか他方の選択データ組 をいずれか他方の関数を満足させるように変換するもの(以下、「凹凸関数変換装置 」という。)であってもよい。
「選択軸を横軸にとり輝度軸を縦軸にとったときに選択面に存する凸関数」とは、選 択軸と輝度軸とを含む選択面を考え、選択面上に選択軸を横軸にとり輝度軸を縦軸 にとつたとき、上に凹の曲線 (無論、選択面上に存する。 )により示される関数をいう。 同様に、「選択軸を横軸にとり輝度軸を縦軸にとったときに選択面に存する凹関数」と は、選択軸と輝度軸とを含む選択面を考え、選択面上に選択軸を横軸にとり輝度軸 を縦軸にとったとき、上に凸の曲線 (無論、選択面上に存する。 )により示される関数 をいう。
このような選択データ組 (画素データが含む輝度軸方向の成分及び選択軸方向の 成分の両成分により構成される。)のうち、選択軸方向の成分が第 2所定値より大きい 選択データ組と、選択軸方向の成分が該第 2所定値より小さい選択データ組と、のい ずれか一方の選択データ組を、凸関数と凹関数とのいずれか一方の関数を満足さ せるように変換すると共に、 V、ずれか他方の選択データ組を 、ずれか他方の関数を
満足させるように色覚変換処理にて変換するので、凸関数と凹関数とによって元の画 素の色合いをどの程度、色覚変換処理後の画素の色合いに反映させるかを決めるこ とがでさる。
[0014] 凹凸関数変換装置の場合、輝度軸方向の成分が同じ場合、選択軸方向の成分が 前記第 2所定値を示す直線上に中心が存する第 1の楕円の楕円周の一部により形 成される前記第 2所定値より大きい範囲に存する第 1楕円周と、選択軸方向の成分が 前記第 2所定値を示す直線上に中心が存する第 2の楕円の楕円周の一部により形 成される前記第 2所定値未満に存する第 2楕円周と、によって前記凸関数と前記凹 関数とが形成され、該第 1楕円周の一端と該第 2楕円周の一端とが前記第 2所定値 にて連結されて 、るものであってもよ 、。
第 1の楕円と第 2の楕円とはいずれも、選択軸方向の成分が前記第 2所定値を示す 直線上に中心が存する。そして、第 1楕円周は、第 1の楕円の楕円周のうち前記第 2 所定値より大きい範囲に存する楕円周の部分によって構成される。第 2楕円周は、第 2の楕円の楕円周のうち前記第 2所定値より小さい範囲に存する楕円周の部分によ つて構成される。これら第 1楕円周の一端と第 2楕円周の一端とが前記第 2所定値に て連結されており、これら第 1楕円周と第 2楕円周との一方が前記凸関数と前記凹関 数とのいずれか一方を形成し、第 1楕円周と第 2楕円周との他方が前記凸関数と前 記凹関数とのいずれか他方を形成する。
このような第 1楕円周と第 2楕円周とにより前記凸関数と前記凹関数とを構成するこ とで、色覚変換処理後の画素の色合 、から色覚変換処理前の元の画素の色合 、を うまく認識することができる。
[0015] 前記色覚変換処理において選択軸方向の成分に応じて輝度軸方向の成分を変化 させる変化量が、選択軸に係る成分に関する基準値である選択軸基準値に対する 画素データの選択軸に係る成分の割合に応じて決定されるもの(以下、「選択軸基準 値使用装置」という。)であってもよい。
ここに該変化量が該割合に応じて決定されるとは、該変化量が該割合に対して単 調増加であることをいい、例えば、任意の該割合である rl、 (ただし、 rlより r2が大 きい)を考えると、 r2における該変化量 Rr2が、 rlにおける該変化量 Rrlよりも大きい
関係を満たす。
こうすることで所定の選択軸基準値に対する画素データの選択軸に係る成分の割 合により成分の大きさの程度を評価することができ、その大きさの程度に応じて該変 化量を決定するので、選択軸方向の成分の大きさの程度を輝度軸方向の成分変化 としてうまく認識することができる。
[0016] 選択軸基準値使用装置の場合、色覚変換処理される前の輝度軸方向の成分の少 なくとも一部の範囲においては、前記選択軸基準値が、前記選択軸に係る成分の表 示可能な限界値であってもよ 、。
このように選択軸に係る成分の表示可能な限界値を選択軸基準値とすることで表 示可能な限界値に対する成分の割合により成分の大きさの程度を評価するので、成 分の大きさを限界に対してある程度標準化して評価することができ、選択軸方向の成 分の大きさの程度を輝度軸方向の成分変化としてうまく認識することができる。
なお、選択軸に係る成分の表示可能な限界値は、いかなるものであってもよいが、 輝度軸方向の成分値により変化することがあるので、輝度軸方向の成分値によって 決定されてもよい。
[0017] 選択軸基準値使用装置の場合、色覚変換処理される前の輝度軸方向の成分の少 なくとも一部の範囲においては、前記選択軸基準値が一定値であってもよい。
このように一定値の選択軸基準値とすることで、成分の大きさの程度をうまく評価す ることができるよう該一定値を定めれば、選択軸方向の成分の大きさの程度を輝度軸 方向の成分変化としてうまく認識することができる。
[0018] 選択軸基準値使用装置の場合、前記輝度軸方向の成分の変化量が、輝度軸に係 る成分に関する基準値である輝度軸基準値と色覚変換処理される前の輝度軸方向 の成分との差に前記割合を乗じた値に応じて決定されるもの(以下、「輝度軸基準値 使用装置」という。)であってもよい。
前記輝度軸方向の成分の変化量が、該乗じた値に応じて決定されるとは、該変化 量が該乗じた値に対して単調増加であることをいい、例えば、任意の該乗じた値であ 5x1、 x2 (ただし、 xlより x2が大きい)を考えると、 x2における該変化量 Xx2が、 xl における該変化量 Xxlよりも大きい関係を満たす。なお、該乗じた値は、輝度軸に係
る成分に関する基準値である輝度軸基準値 ylと色覚変換処理される前の輝度軸方 向の成分 Liとの差 (yl— Li)に前記割合 (例えば、(uiZum) )を乗じた値 (即ち、 (yl — Li; X (uiz um) )である。
こうすることで所定の輝度軸基準値 ylと色覚変換処理される前の輝度軸方向の成 分 Liとの差 (yl— Li)により、色覚変換処理される前の輝度軸方向の成分 Uから所定 の輝度軸基準値 ylまでの輝度軸方向の距離を評価し、その距離に比例する該乗じ た値に応じて前記輝度軸方向の成分の変化量が決定されるので、輝度軸基準値 yl に対する色覚変換処理される前の輝度軸方向の成分 Liの差により前記輝度軸方向 の成分の変化量をうまく決定することができる。
[0019] 輝度軸基準値使用装置及び凹凸関数変換装置の場合、凹凸関数変換装置にお ける前記凸関数又は前記凹関数と、選択軸と輝度軸とを含む選択面における表示可 能な範囲の境界線と、の交点の輝度軸に係る成分を前記輝度軸基準値とするもので あってもよい。
選択軸と輝度軸とを含む選択面における表示可能な範囲の境界線とは、選択面に おける表示可能な範囲を選択面に示したとき、表示可能な範囲と表示不可能な範囲 との境を示す境界線 (通常、表示可能な範囲の外縁を示す線)を!ヽぅ。
こうすることで変換後の選択データ組が満足する前記凸関数又は前記凹関数と、 該表示可能な範囲の境界線と、の交点の輝度軸に係る成分を前記輝度軸基準値と すれば、前記輝度軸基準値を表示可能な限界値とすることができるので、表示可能 な限界値と色覚変換処理される前の輝度軸方向の成分との差は、色覚変換処理さ れる前の輝度軸方向の成分 Uから輝度軸方向に移動可能な量を示す。従って、該 輝度軸方向に移動可能な量に応じて前記輝度軸方向の成分の変化量をうまく決定 することができる。
[0020] 前記画素データのうち、前記第 1軸及び前記第 2軸とのうち選択軸以外の軸である 非選択軸方向の成分の絶対値を減少させる処理である非選択軸処理を、前記色覚 変換処理手段がさらに行うもの(以下、「非選択軸処理装置」という。)であってもよい 非選択軸は、第 1軸及び第 2軸とのうち選択軸ではない方の軸であり、例えば、第 1
軸が選択軸であれば第 2軸が非選択軸であり、第 2軸が選択軸であれば第 1軸が非 選択軸である。
このように非選択軸方向の成分の絶対値を減少させる処理である非選択軸処理を 行うことで、本装置により処理される前の画素データと、該画素データが本装置により 処理された後の画素データと、の間で色相が大きく変化しないようにすることができる
[0021] 非選択軸処理装置の場合、選択軸方向の成分に応じて輝度軸方向の成分を変化 させる変化量に応じて、非選択軸方向の成分の絶対値を減少させるものであっても よい。
「選択軸方向の成分に応じて輝度軸方向の成分を変化させる変化量に応じて、非 選択軸方向の成分の絶対値を減少させる」とは、非選択軸方向の成分の絶対値の 減少量 zが、該輝度軸方向の成分の変化量 wに対して単調増加であることをいい、例 えば、任意の該変化量 wl、 w2 (ただし、 wlより w2が大きい)を考えると、 w2におけ る該減少量 Zz2が、 wlにおける該減少量 Zzlよりも大きい関係を満たす。
こうすることで輝度軸方向の成分変化量 wに応じて非選択軸方向の成分の絶対値 を減少させるので、本装置により処理される前の画素データと、該画素データが本装 置により処理された後の画素データと、の間で色相の変化を一層うまく抑えることがで きる。
[0022] 非選択軸処理装置の場合、画素データの非選択軸の成分が、非選択軸処理前と 非選択軸処理後とで正負が異なる場合には、非選択軸処理後の非選択軸の成分を
0とするものであってもよ!/、。
画素データの非選択軸の成分が、非選択軸処理前と非選択軸処理後とで正負が 異なる場合は、非選択軸処理前と非選択軸処理後とで画素データの色が全く異なつ た色 (色が反転する)になるため、これを防止するには、非選択軸処理後の非選択軸 の成分を 0としてもよい。
[0023] 非選択軸処理装置の場合、非選択軸処理後の画素データが表示可能な範囲か否 か判断し、表示可能でないと判断した場合には、非選択軸の成分を表示可能限界値 に修正するものであってもよ 、。
非選択軸処理により非選択軸処理後の画素データが表示可能な範囲を外れてし まうとその画素データは表示されなくなるので、表示可能な範囲を外れてしまう場合 には、非選択軸の成分を表示可能限界値に修正するようにしてもよい。
[0024] 均等色空間が、 Luv色空間又は Lab色空間であってもよい。
前述のように、均等色空間とは、等しい大きさに知覚される色差が、空間内の等し い距離にほぼ対応するように意図した色空間をいい、例えば、 OCS、 Luv色空間及 び Lab色空間等が知られている。このような均等色空間を用いることで、人間が知覚 する色感覚に近い状態で変換処理することができるので、より人間の色感覚に沿つ た変換をすることができる。
これら OCS、 Luv色空間及び Lab色空間のうち、 Luv色空間及び Lab色空間は、 輝度を表す輝度軸と、クロマテイクネス指数を示す 2の軸である第 1軸及び第 2軸と、 の 3次元で構成されており、ディスプレイ等に多く用いられている RGBカラ一'モデル 値や CIE XYZ値との間のデータ変換方法も規格化されていることから、非常に取扱 が容易である。また、 Luv色空間及び Lab色空間のうちとりわけ Luv色空間を用いる と、色覚異常者が色の違いを輝度軸方向の成分差として一層はっきりと認識すること ができる。
[0025] RGBカラー ·モデルにより示された元画素データを均等色空間における位置デー タに変換する均等色空間変換手段を、さらに備えてなるものであってもよい。
撮像や画像処理等にぉ 、て多用されて ヽる RGBカラー ·モデルにより示された画 素データが多く存在しており、このように多く存在する RGBカラー'モデルにより示さ れた画素データを本装置にて処理することが多く求められる。このため RGBカラー · モデルにより示された元画素データを均等色空間における位置データに変換する均 等色空間変換手段を本装置がさらに備えるようにしてもよぐこうすることで多く存在 する RGBカラー'モデルにより示された元画素データを本装置にて円滑に処理する ことができる。
また、 RGBカラー ·モデル力 均等色空間へのデータ変換方法は、前述のように規 格ィ匕されており公知であるのでここでは説明を省略する。
[0026] 色覚変換処理手段により処理された均等色空間における画素データを RGBカラー
•モデルに変換した後、出力する均等色空間逆変換手段を、さらに備えてなるもので あってもよい。
前述のように RGBカラ一'モデルは画像処理等にお!、て多用されて 、るので、この ように多用されて 、る RGBカラー ·モデルにより画素データを出力することが本装置 に求められることがある。このため色覚変換処理手段により処理された均等色空間に おける画素データを RGBカラー ·モデルに変換した後、出力する均等色空間逆変換 手段を本装置がさらに備えるようにしてもよぐこうすることで多用される RGBカラー' モデルにより示された画素データを本装置力も円滑に出力することができる。
なお、均等色空間から RGBカラー ·モデルへのデータ変換方法は、前述のように規 格ィ匕されており公知であるのでここでは説明を省略する。
[0027] 本装置は、所定のプログラムをコンピュータに実行させることで実現させることがで き、さらに、力かるプログラムはコンピュータ読みとり可能な記憶媒体に記録することが できる。
図面の簡単な説明
[0028] [図 1]一実施形態の本発明の画素処理装置 (本装置)のハードウェア構成を示す概 略ブロック図である。
[図 2]本装置の大まカゝな基本構成を示す概略機能ブロック図である。
[図 3]データ処理部の詳細を示す詳細機能ブロック図である。
[図 4]対象画素データの例を示す図である。
[図 5]対象画素データに含まれる L値及び u値がどのように変換されるかを示す uL平 面のグラフである。
[図 6]対象画素データに含まれる L値及び u値がどのように変換されるかを示す uL平 面のグラフである。
[図 7]対象画素データがどのように変換されるかを示したグラフである。
[図 8]RGBカラ一 ·モデルにより示される 16777216通りの各点を Lu平面へ正投影し たときにこれらの点が存する範囲を示すグラフである。
[図 9]RGBカラ一.モデルにより示される 16777216通りの各点を Lv平面へ正投影し たときにこれらの点が存する範囲を示すグラフである。
[図 10]図 8及び図 9において示した各線 ul〜u5、 vl〜v6についての基準軸、変化 軸、基準軸範囲、境界線の意味についてまとめた図である。
[図 11]図 8及び図 9において示した各線 ul〜u5、 vl〜v6についての近似式を示す 図である。
[図 12]対象画素データの例を示す図である。
[図 13]対象画素データに含まれる L値及び u値がどのように変換されるかを示す uL 平面のグラフである。
[図 14]対象画素データに含まれる L値及び u値がどのように変換されるかを示す uL 平面のグラフである。
[図 15]対象画素データがどのように変換されるかを示したグラフである。
[図 16]対象画素データの例を示す図である。
[図 17]対象画素データに含まれる L値及び V値がどのように変換されるかを示す vL平 面のグラフである。
[図 18]対象画素データに含まれる L値及び V値がどのように変換されるかを示す vL平 面のグラフである。
[図 19]対象画素データがどのように変換されるかを示したグラフである。
[図 20]対象画素データの例を示す図である。
[図 21]対象画素データに含まれる L値及び V値がどのように変換されるかを示す vL平 面のグラフである。
[図 22]対象画素データに含まれる L値及び V値がどのように変換されるかを示す vL平 面のグラフである。
[図 23]対象画素データがどのように変換されるかを示したグラフである。
圆 24]本装置の動作を説明するフローチャートである。
圆 25]sl07の動作のうち、 sl06にて第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)が指定され ていると判断した場合の動作を説明するフローチャートである。
[図 26]s205の「uが正の場合の処理」の動作を説明するフローチャートである。
[図 27]s205の「uが正の場合の処理」の動作のうち s313以降の動作を説明するフロ 一チャートである。
[図 28]s205の「uが正の場合の処理」の動作のうち s351以降の動作を説明するフロ 一チャートである。
[図 29]s207の「uが負の場合の処理」の動作を説明するフローチャートである。
[図 30]s2O7の「uが負の場合の処理」の動作のうち s413以降の動作を説明するフロ 一チャートである。
[図 31]s207の「uが負の場合の処理」の動作のうち s451以降の動作を説明するフロ 一チャートである。
[図 32]s208の「uが 0の場合の処理」の動作を説明するフローチャートである。
圆 33]sl07の動作のうち、 sl06にて第 3変換 (第 3色覚異常用)が指定されていると 判断した場合の動作を説明するフローチャートである。
[図 34]s605の「vが正の場合の処理」の動作を説明するフローチャートである。
[図 35]s605の「vが正の場合の処理」の動作のうち s713以降の動作を説明するフロ 一チャートである。
[図 36]s605の「vが正の場合の処理」の動作のうち s751以降の動作を説明するフロ 一チャートである。
[図 37]s607の「vが負の場合の処理」の動作を説明するフローチャートである。
[図 38]s607の「vが負の場合の処理」の動作のうち s813以降の動作を説明するフロ 一チャートである。
[図 39]s607の「vが負の場合の処理」の動作のうち s851以降の動作を説明するフロ 一チャートである。
[図 40]s6O8の「vが 0の場合の処理」の動作を説明するフローチャートである。
符号の説明
11
11a CPU
l ib RAM
11c ROM
l id インターフェイス
13 デジタルカメラ部
21 受付部
31 色空間変換部
41 データ処理部
42 データ記憶部
43 対象画像データ抽出部
44 変換部
45 変換種別記憶部
46 パラメータ記憶部
47 数式記憶部
48 読出部
51 色空間逆変換部
61 出力部
発明を実施するための最良の形態
[0030] 以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。し力しながら、これらによつ て本発明は何ら制限されるものではない。
[0031] 図 1は、一実施形態の本発明の画素処理装置 (本装置) 11のハードウェア構成を 示す概略ブロック図である。図 1を参照して、一実施形態の本装置 11のハードウェア 構成について説明する。本装置 11は、携帯電話(図示せず)の一部に組み込まれて いるものであり、該携帯電話に取り付けられたデジタルカメラ部 13と、該携帯電話に 取り付けられた表示部 15と、が接続されている。なお、ここでは説明及び理解を容易 にするため、該携帯電話のうち本装置 11に関係する部分のみを示しているが、該携 帯電話を用いた通話、電子メールの送受信、デジタルカメラ部 13を用いた画像撮影 は通常の携帯電話と同様に行うことができる。
[0032] 本実施形態では、本装置 11は、プログラムを内蔵させたコンピュータによって構成 されており、前述の通り、本装置 11にはデジタルカメラ部 13と表示部 15とが接続され ている。
本装置 11は、演算処理を行う CPUl la、 CPU1 laの作業領域等となる RAMI lb
、制御プログラム等を記録する ROMl lc、デジタルカメラ部 13及び表示部 15と情報 のやり取りを行うためのインターフェイス l idと、を有する。なお、ここでは制御プログ ラム等は ROMl lcに記憶されている力 それ以外の記憶装置 (例えば、ハードデイス ク等)に記憶するようにしてょ 、ことは言うまでもな!/、。
[0033] 図 2に、図 1のハードウェアと主として ROMl lcに記録されるプログラムにより実現 される本装置 11の大まカゝな基本構成を示す概略機能ブロック図を示す。図 2を参照 して、本装置 11の基本構成について説明する。
本装置 11は、機能的には、受付部 21と色空間変換部 31とデータ処理部 41と色空 間逆変換部 51と出力部 61とを備えている。
そして、デジタルカメラ部 13は、撮影を命令する撮影命令信号 (撮影命令信号をデ ジタルカメラ部 13に向けて発する部分は図示していない。)を受け取ると、 RGBカラ 一 ·モデルによる画像を撮像してその撮像した画像データを受付部 21に送信する。 受付部 21は、デジタルカメラ部 13からの画像データを受信するため常時待機してお り、デジタルカメラ部 13から画像データを受信すると、該受信した画像データを色空 間変換部 31に送信する。
[0034] 受付部 21から RGBカラー ·モデルによる画像データ(以下、「RGB画像データ」と いう。)を受信した色空間変換部 31は、 RGB画像データを Luv色空間におけるデー タ((L, u, V) = (Li, ui, vi)を含む。以下、「Luv画像データ」という。 )に変換する。 なお、 RGB画像データ力 Luv画像データへの変換は、 RGB画像データに含まれ る全ての画素データを Luv画像データへ変換することによって行う。かかる変換の方 法は、既知であるのでここでは説明を省略する。
色空間変換部 31により変換された Luv画像データは、色空間変換部 31からデータ 処理部 41へ送信される。色空間変換部 31からデータ処理部 41へ送信される Luv画 像データの例を模式的に表 1に示す。表 1中では、画素番号(1、 2、 3、 4· · ·η (正の 整数))と、 (L, u, V)データ((Li, ui, vi) )と、を含んでいる(なお、各画素データが、 画像のどの位置に存するものかは、画素データが並んでいる順番によって決される。 )。また、(L, u, V)のデータとして(LI, ul, vl)や(L2, u2, v2)のように記載してい るが、これら Lのデータ(Ll、 L2、 L3' . ')、 uのデータ(ul、 u2、 ιι3 · · ·)及び vのデ
ータ (vl、 v2、 v3…)は実際には数字が入って!/、る。このように画素番号 iに係る画 素(該画素の Luvデータ(L, u, V) = (Li, ui, vi) )の集合(即ち、 iが 1力 n)によって 画像が形成される。
なお、(L, u, V)を構成する L軸が輝度軸であり(Liが輝度を示し)、 u軸 (正方向が 赤色を、負方向が緑色を示す。)及び V軸 (正方向が黄色を、負方向が青色を示す。 )がクロマテイクネス指数を示す 2の軸である第 1軸及び第 2軸である。
[0035] (表 1) Luv画像データの例
画素番号 (L, u, V)
1 (LI, ul, vl)
2 (L2, u2, v2)
3 (L3, u3, v3)
4 (L4, u4, v4)
n (Ln, un, vn)
[0036] 図 3は、データ処理部 41の詳細を示す詳細機能ブロック図である。図 3を参照して 、データ処理部 41の詳細について説明する。
データ処理部 41は、機能的には、データ記憶部 42と対象画像データ抽出部 43と 変換部 44と変換種別記憶部 45とパラメータ記憶部 46と数式記憶部 47と読出部 48と を有してなる。
色空間変換部 31から送信された Luv画像データ (表 1に示すようなデータ)は、デ ータ処理部 41のデータ記憶部 42によって受信される。 Luv画像データを受信したデ ータ記憶部 42は、該受信した Luv画像データを記憶すると共に、該受信した Luv画 像データを変換部 44へ送信する。
Luv画像データを受信した変換部 44は、変換種別記憶部 45にアクセスし変換種 別記憶部 45が記憶している変換種別を読み出すことで、第 1変換 (第 1及び第 2色覚 異常用)又は第 3変換 (第 3色覚異常用)のいずれの変換が指定されているかを判断 し、第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)が指定されていると判断した場合は以下述
ベる「第 1変換」を行い、第 3変換 (第 3色覚異常用)が指定されていると判断した場合 は以下述べる「第 3変換」を行う。なお、本装置 11に接続されたキーボードやタツチパ ネル等 ( 、ずれも図示せず)を通じて本装置 11の使用者が所望する処理種別 (具体 的には、第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)又は第 3変換 (第 3色覚異常用)の別) が変換種別記憶部 45に入力され、変換種別記憶部 45に予め記憶されて 、る。 そして、以下述べるように、 Luv画像データに含まれる全ての画素に関するデータ( 表 1においては同じ画素番号に係る画素番号、 (L, u, V)がーつの画素に関するデ ータである。従って、例えば、表 1において全ての画素に関するデータとは、画素番 号 1から画素番号 nまでの n個のデータ全部である。 )について第 1変換 (第 1及び第 2 色覚異常用)又は第 3変換 (第 3色覚異常用)を行う (即ち、 Luv画像データに含まれ る全ての画素データについて該指定された変換 (第 1又は第 3変換のいずれか)が完 了するまで、 Luv画像データに含まれる個々の画素データについて該指定された変 換 (第 1又は第 3変換のいずれか)を続ける。 )0
(第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用))
第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)が指定されていると判断した変換部 44は、デ ータ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる画素データのうち未だ読み 出されて 、な 、ものを 1つ読み出して変換部 44へ送信する命令信号 (以下、「読み 出し命令信号」という。)を対象画像データ抽出部 43に送信する。変換部 44からの読 み出し命令信号を受信した対象画像データ抽出部 43は、データ記憶部 42にァクセ スし、データ記憶部 42が記憶して 、る Luv画像データに含まれる画素データのうち 未だ読み出されていないものを 1つ(即ち、画素番号 iに係る画素データとして、画素 番号 i及び Luvデータ(L, u, V) = (Li, ui, vi) (ただし iは正の整数)の情報を 1単位 とする。)読み出し取得する。そして、対象画像データ抽出部 43は、データ記憶部 42 カも該読み出し取得した 1の画素データを変換部 44へ送信する。ここで変換部 44か ら読み出し命令信号を受信した対象画像データ抽出部 43が、データ記憶部 42が記 憶して!/ヽる Luv画像データに含まれる画素データのうち未だ読み出されて 、な ヽもの が存しない(即ち、全ての画素データが読み出され、読み出されていない画素データ がなくなった)と判断した場合には、読出部 48へ起動信号を送信する。なお、対象画
像データ抽出部 43から変換部 44へ送信されこれから処理される画素データを「対象 画素データ」という。
対象画素データを対象画像データ抽出部 43から受信した変換部 44は、まず、対 象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, V) = (Li, ui, vi) )に含まれる Luvデー タの u値 (ui)が 0より大きいか否力判断し、大きいと判断した場合、次の「uが正の場 合の処理」を行う。なお、 u値 (ui)が 0より大きいと判断しない場合、 Luvデータの u値 (ui)が 0より小さいか否力判断し、小さいと判断した場合、次の「uが負の場合の処理 」を行い、 0より小さいと判断しない場合 (即ち、この場合は u値 (ui)が 0である。)、後 述のように何らの変換も行わな 、。
また、ここでは理解を容易にするため、対象画素データの具体例として、図 4に示す ように u値が 0より大きい対象画素データ(画素番号 5、 Luvデータ(L, u, V) = (L5, u5, v5)、ただし、前述のように u5は 0より大きい。また、図 4中、該対象画素データの 位置を点 p5により示す。)を用いる。
(uが正の場合の処理)
u値 (ui)力^より大きいと判断した変換部 44は、 Luv画像データの Luvデータ(L, u , V) = (Li, ui, vi)に含まれる Lの数値 Liを用いて uと Lとの 2軸直交軸における次の 楕円の式(1)を作成する。この式(1)により示される楕円は、 uL平面(図 4にて示した ように互いに直交する 3軸である L軸、 u軸及び V軸のうち、 u軸と L軸との 2軸を含む 平面をいう。)上に存し、中心 (u, L) = (0, 100)であり、長径 (L軸方向の径)が(10 0— Li)であり、そして短径 (u軸方向の径)が(Pumax X (100— Li) ZlOO)である。 後述するように、対象画素データの u値と L値とが、この式(1)によって示される楕円 の円周上 (楕円周上)に存する点の座標となるように対象画素データの u値と L値とを 変換する。
式 (1)
uV (Pumax X (100— Li) /100) 2+ (L— 100) 2/ (100— Li) 2= l
なお、式(1)中、 Pumaxはパラメータである。本装置 11に接続されたキーボードや タツチパネル等( 、ずれも図示せず)を通じて本装置 11の使用者が Pumaxの値を予 めパラメータ記憶部 46に入力し、パラメータ記憶部 46が Pumaxの値を記憶している
。このため変換部 44が式(1)を作成する際には、変換部 44がパラメータ記憶部 46に アクセスしてパラメータ記憶部 46から Pumaxの値を読み出し取得する。
そして、式(1)を変形すると、 Lは 0より大きく 100より小さいので、式(1. 1)が得られ る。なお、 L (Li)力^)又は 100になるのは、 u (ui) =v(vi) =0のときであり、この場合 は後述する uが 0の場合の処理又は Vが 0の場合の処理が行われることから、ここでは Lは 0より大きく 100より/ Jヽさ!ヽ。
式 (1. 1)
L= 100—(100— Li) X (l-uV(Pumax X (100— Li) /100) 2) 0' 5 [0039] 図 4にて示した対象画素データの具体例(画素番号 5、 Luvデータ(L, u, v) = (L5 , u5, v5)、ただし、 u5は 0より大きい。図 4中、点 p5)に関して式(1)を作成すれば、 次の式(1. 2)になる。
式(1. 2)
uV(Pumax X (100— L5) /100) 2+ (L— 100) 2/ (100— L5) 2= l この式(1. 2)にて示される楕円を図 5に示した。また、図 5には、ディスプレイが表 示し得る範囲を点線によって囲って示した。なお、ディスプレイが表示し得る範囲の 求め方については、後述するディスプレイ色範囲の算出手順、境界線上の色座標値 の算出手順及び境界線の近似式の導出手順によって行われる。そして、図 5中、実 線 F1により式(1. 2)にて示される該楕円を示した力 該楕円のうち、ディスプレイが 表示し得る範囲内の部分 (即ち、図 5中、点線により囲まれた範囲内の部分)がここの 処理に関係するため該範囲内に存し、かっここでは uが正の場合を扱うため uが正の 部分のみを示している。
[0040] 次!、で、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, u i, vi) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)が 53. 3以上である力否力判断し、 L値 (Li) 力 3. 3以上であると判断した場合はその L値 (Li)においてディスプレイが表示し得 る u値の最大値を第 1基準値 umとする。かかる u値の最大値 (ここでは第 1基準値 um とされる。 )は、次の式(2)中の L値に対象画素データの L値 (Li)を代入して求められ る uの値とする。また、力かる式(2)の導出方法については、後述するディスプレイ色 範囲の算出手順、境界線上の色座標値の算出手順及び境界線の近似式の導出手
順によつて行われ、導出された式(2)は予め数式記憶部 47に入力され記憶されてい る。このため変換部 44が、 L値 (Li)が 53. 3以上であると判断した場合には数式記憶 部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(2)を読み出し取得する。
式 (2)
u=—0. 00038119 X L3+0. 121971 X L2— 15. 5168 X L + 713. 514
[0041] 一方、変換部 44力 対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui, vi) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)力 3. 3以上である力否か判断し、 L値 (Li)が 53. 3以上であると判断しない場合 (即ち、 L値 (Li)が 53. 3未満)は、第 1基準値 um は 175. 0213とする。
[0042] 図 4にて示した対象画素データの具体例(画素番号 5、 Luvデータ(L, u, v) = (L5 , u5, v5)、ただし、 u5 >0)を考えれば、 L値 (L5)が 53. 3以上であると変換部 44が 判断した場合には、第 1基準値 um5は次の式(2. 1)にて算出される。このようにして 算出した第 1基準値 um5を図 5に示した。
式(2. 1)
um5 =— 0. 00038119 X L53+0. 121971 X L52— 15. 5168 X L5 + 713. 51
4
一方、 L値 (L5)が 53. 3以上であると変換部 44が判断しない場合 (即ち、 L値 (L5) 力 3. 3未満)は、第 1基準値 um5は 175. 0213とされる。このように L値(L5)が 53 . 3以上であると判断しない場合に第 1基準値 um5とされる 175. 0213も図 5に示し た。
[0043] そして、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui , vi) )に含まれる Luvデータの u値 ui力 上記のようにして決定された第 1基準値 um に対する割合 Sc ( =uiZum)を求める。
例えば、図 4にて示した対象画素データの具体例(画素番号 5、 Luvデータ (L, u, V) = (L5, u5, v5)、ただし、 u5 >0)を例に挙げれば、 Luvデータの u値 u5力 決定 された第 1基準値 um5に対する割合 Sc5=u5Zum5を求める。
[0044] 続いて、変換部 44は、式(1. 1)によって示される楕円の楕円周上の点のうちデイス プレイが表示し得る範囲内に存するもので L値が最大の点を (Lm, uem)とし、この u
emを求める。例えば、図 4にて示した対象画素データの具体例(画素番号 5、 Luvデ ータ(L, u, V) = (L5, u5, v5)、ただし、 u5 >0)を例に挙げれば、図 5に点 M5 (Lm 5, uem5)として示した。図 5から理解されるように、点 M5 (Lm5, uem5)は、図 5に 示された式(1. 1)によって示される楕円(実線 F1)の楕円周上の点のうち、図 5に示 されたディスプレイが表示し得る範囲(点線にて囲まれた範囲)内に存するもので L値 が最大の点である。以下、 uemの算出方法を説明する。
[0045] (uemの算出方法)
第 1に、式 (3)を考える。
式 (3)
uV (Pumax) 2 + (L— 100) 2/ ( 100) 2 = 1
この式(3)にて示される楕円(以下、「楕円 3」という。)を図 6に示した。また、図 6に は、図 5と同様、ディスプレイが表示し得る範囲を点線によって囲って示し、式(1)に よって示される楕円(以下、「楕円 1」という。)も同様に示した。
[0046] 第 2に、この式(3)によって示される楕円の楕円周上の点のうちディスプレイが表示 し得る範囲内に存するもので L値が最大の点を (LmO, uemO)とするとこの uemOを 次の式 (4)を用いて変換部 44が求める。なお、該最大の点(LmO, uemO)を、図 6 中、点 MO (LmO, uemO)として示した。式 (4)の導出方法については、以下述べる 通りである力 導出された式 (4)は予め数式記憶部 47に入力され記憶されている。こ のため変換部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式 (4)を読み 出し取得した後、 uemOを算出する。
式 (4)は、式(3)と式(2) (uが正におけるディスプレイが表示し得る u値の最大値を 与える。)との uが正における交点の u座標 uemOを GNU Octave (Free Softwar e Foundation (団体名)から GNUプロジェクトにて管理及び配布されているソフトゥ エアの名称。以下、同様。)を用いて求めることで得た。具体的には、 GNU Octave を使って、式(3)の Pumaxを 10から 100まで 0. 2間隔で変化させ、それぞれの場合 について式(3)と式(2)との交点(L, u)を求める。その結果、 (Pumax, L, u)の 3つ の値の組が 451個得られる。続いて、 GNU Octaveを使って、この中の 2つの値(P umax, u)の関係式 (近似式)である式 (4)を得た。
式 (4)
uemO =— 0. 000675336 X (Pumax) 2+ 1. 02361 X (Pumax)— 0. 252138 [0047] 第 3に、変換部 44は、第 2において求められた uemOを次の式(5)に代入して uem を求める。式(5)の導出方法については、以下述べる通りであるが、導出された式(5 )は予め数式記憶部 47に入力され記憶されている。このため変換部 44が、数式記憶 部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(5)を読み出し取得した後、 uemを算出す る。
ここに式(5)は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, V) = (Li, ui, vi) ) に含まれる Luvデータの L値 (Li)力 より大きく 100より小さ!/、際に uemOを用いて ue mを近似する近似式である(なお、式(5)中の Liは、対象画素データに含まれる Luv データの L値 (Li)である。また、前述したように、 L (Li)が 0又は 100になるのは、 u(u i) =v (vi) =0のときであるので、この場合は uが 0の場合の処理又は Vが 0の場合の 処理が行われることから、ここでは Lは 0より大きく 100より小さい。 ) o uL平面におい てディスプレイが表示し得る uが正における Lの最大値を示す境界線 (即ち、式(2)に より近似される線)は、(L, u) = (100, 0)を通過する直線 (即ち、 L = a X u+ 100、 但し aは定数)によりほぼ近似することができ、該直線の式: L = a X u+ 100を用いて 式(3)の Lを消去すると uemOが得られ、そして該直線の式を用いて式(1)の Lを消 去すると uemが得られ、それら力 式(5)が得られる。なお、式(5)は、小さな誤差に より極めてうまく近似することができる。
式 (5)
uem=uemO X (100—Li) /100
例えば、図 4にて示した対象画素データの具体例(画素番号 5、 Luvデータ (L, u, V) = (L5, u5, v5)、ただし、 u5 >0)を例に挙げれば、この具体例に関する uemで ある uem5は次の式(5. 1)により算出される。
式(5. 1)
uem5=uemO X (100—L5) /100
[0048] その後、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ (L, u, v) = (Li, u i, vi) )を第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)した後の Luvデータの L値 (Lt)を求め
る。力かる変換後の L値 (Lt)の算出方法は、ディスプレイが表示可能な色範囲内で、 ある輝度における赤さの度合に応じて輝度を増加させるように行われるものであり、 ( Lm-Li)に対する、変換によって L値が増加する量 (変換後の L値 Ltと変換前の L値 Liとの差、即ち(Lt Li) )の割合 (即ち、(Lt— Li) Z (Lm— Li) )が、上記した Sc ( = ui/um)に等しくなるように L値 (Lt)を定める。なお、(Lm—Li)は、 L=Liである全 ての色の中で、本変換処理で最も高輝度に変換される色の変換後の L値 Lmと、変 換前の L値 Liと、の差を示している。
具体的には、 Ltは式(6)にて示される。
式 (6)
(Lt— Li) / Lm— =Sc、 = uiz umノ
式 (6)を変形すると、式 (6. 1)が得られる。
式(6. 1)
Lt=Sc X (Lm-Li) +Li
[0049] なお、式(6. 1)中の Lmは、上述したように式(1. 1)によって示される楕円の楕円 周上の点のうちディスプレイが表示し得る範囲内に存するもので L値が最大の点(L m, uem)の L値である。ここに点(Lm, uem)は式(1. 1)によって示される楕円の楕 円周上の点であるから、次の式 (7)を満たす。
式 (7)
Lm= 100—(100— Li) X (l -uemV (Pumax X (100— Li) Zl00) 2) °' 5 そして、式 (5)を式 (7)に代入すると式 (8)が得られる。
式 (8)
Lm= 100—(100— Li) X ( 1 - uemO VPumax2) α 5
この式 (8)を式 (6. 1)に代入すると式(9)が得られる。
式 (9)
Lt = Sc X (Lm-Li) +Li
=Li+ (100— Li) X Sc X (l—(1— uemOVPumax2)。· 5)
[0050] この式(9)を用いて変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ (L, u, v) = (Li, ui, vi) )を第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)した後の Luvデータの 1直(
Lt)を求める。なお式(9)は予め数式記憶部 47に入力され記憶されているので、変 換部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(9)を読み出し取得 した後、 Ltを算出する(また、変換部 44がパラメータ記憶部 46にアクセスしてパラメ ータ記憶部 46から Pumaxの値を読み出し取得する。 )。
引き続き、変換部 44は、該対象画素データを第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用) した後の Luvデータの u値(ut)を求める。変換後の Luvデータの L値(Lt)と u値 (ut) とは、式(1. 1)により示される楕円の楕円周上の点であるから、 u値 (ut)は上述のよ うに求められた L値 (Lt)を用い、式(1. 1)を変形した次の式(10) (なお、 utは 0より 大)から計算される。なお式(10)も予め数式記憶部 47に入力され記憶されているの で、変換部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(10)を読み出 し取得した後、 utを算出する(また、変換部 44がパラメータ記憶部 46にアクセスして ノ ラメータ記憶部 46から Pumaxの値を読み出し取得する。 )。
式(10)
ut = Pumax/ 100 X ( ( 1— Li) 2—(Lt— 100) 2)。· 5
[0051] 図 4にて示した対象画素データの具体例(画素番号 5、 Luvデータ(L, u, v) = (L5 , u5, v5)、ただし、 u5 >0)に含まれる L値及び u値がどのように変換されるかを (そ れぞれ Lt5及び ut5)図 6中に示した。図 6中の点 po (L, u) = (L5, u5)は、該対象 画素データの具体例(画素番号 5、 Luvデータ(L, u, V) = (L5, u5, v5) )の点を uL 平面 (u軸と L軸とを含む平面)上に投影した点である。
かかる点 po (L, u) = (L5, u5)は、図 6に示すように uL平面上において、(Lm5— L5)に対する、変換によって L値が増加する量 (変換後の L値 Lt5と変換前の L値 L5 との差、即ち(Lt5— L5) )の割合(即ち、(Lt5— L5)Z(Lm5— L5) )が、上記の Sc 5 (=u5/um5)に等しくなるように L値 (Lt5)が定められ、該定めれた L値 (Lt5)に 応じた楕円 1の楕円周上の点 pt (L, u) = (Lt5, ut5)に変換される。このように対象 画素データの Luvデータ(L5, u5, v5)の L値及び u値がそれぞれ Lt5及び ut5に変 換されることで、より赤い色が高輝度に変換 (即ち、 u値が大きいものほど L値が増加 する。)される。
[0052] 次いで、変換部 44は、対象画素データの Luv画像データ(L, u, v) = (Li, ui, vi)
の v値 viが正力 0以下かを判断し、 viが正(>0)であれば、式(11)にて変換後の Luv データの V値 (vt)の値を求める。そして変換部 44は、求めた V値 (vt)の値が負(vtく 0)か否力判断し負であると判断した場合は vt = 0とする(こうすることで V vtへ変 換することによって色相が反転することを防止する。 ) o
一方、変換部 44力 対象画素データの Luv画像データ(L, u, V) = (Li, ui, vi)の v値 viが 0以下(0又はく 0)であれば、式(12)にて vtの値を求める。そして変換部 44 は、求めた V値 (vt)の値が正 (vt>0)力否力判断し正であると判断した場合は vt=0 とする(こうすることで viから vtへ変換することによって色相が反転することを防止する 。)。
式 (11)
vt=vi— (Lt-Li)
式(12)
vt=vi+ (Lt-Li)
なお式(11)及び式( 12)の 、ずれも予め数式記憶部 47に入力され記憶されて 、る ので、変換部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(11)及び式 ( 12)の 、ずれかを読み出し取得した後、 vtを算出する。
その後、このように決定した vt (式(11)及び式(12)のいずれかによつて計算された 値力 又は 0)の値が、ディスプレイが表示し得る範囲内に存する力否かを変換部 44 はチェックをし、該範囲内に存しないと判断した場合は vt値を次のように補正する。 該補正の基本的な考え方は、変換後の Ltの値と、後述する図 10の v2、 v5の基準軸 範囲、および後述の図 11の vl〜v6の近似式により、 L=Ltにおける Vの最小値、最 大値が決まる。なお、これら図 10及び図 11に示すデータは、予め数式記憶部 47に 入力され記憶されているので、変換部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶 部 47から自由に読み出し取得することができる。該決定した vtの値力この最小値か ら最大値までの範囲から外れる場合、ディスプレイが表示し得る範囲内に存しないと 変換部 44は判断し、 vt値を、変換後の Ltの値における最小値または最大値 (変換 後の vtが近い方)に置き換えることで補正する。具体的に述べれば、(l)vt>0の場 合、 Ltが 0以上かつ 87. 8未満(0≤Ltく 87.8)の時には図 11の vlの式を用い、 Ltが
87. 8以上かつ 97. 0未満(87.8≤Ltく 97.0)の時には図 11の v2の式を用い、 Ltが 9 7. 0以上かつ 100以下(97.0≤Lt≤100)の時には図 11の v3の式を用いて Vの最大 値を求め、 vtがそれより大きい時は、その最大値を vtの値とする。(2)vtが 0以下 (vt ≤0)の場合、 Ltが 60. 4より大きくかつ 100以下(60.4く Lt≤100)の時には図 11の V 4の式を用い、 Ltが 32. 4より大きく 60. 4以下(32.4く Lt≤60.4)の時には図 11の v5 の式を用い、 Ltが 0以上 32. 4以下(0≤Lt≤32.4)の時には図 11の v6の式を用いて Vの最小値を求め、 vtがそれより小さい時は、その最小値^ vtの値とする。
[0054] 以上のようにして、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui, vi ) )に含まれる Luvデータ (Li, ui, vi)は、変換後のデータ (Lt, ut, vt) (以下、「変換 後データ」という。)に変換される。
その後、変換部 44は、この変換後データ (Lt, ut, vt)をデータ記憶部 42に送信し データ記憶部 42に記憶させる。なお、変換後データ (Lt, ut, vt)をデータ記憶部 42 に記憶させる順番は、データ記憶部 42が記憶して 、る Luv画像データに含まれる画 素データの順番と同じ順番である(即ち、データ記憶部 42が記憶している Luv画像 データに含まれる元の画素データの順番通りに、変換後データ (Lt, ut, vt)はデー タ記憶部 42に記憶される。なお、変換後データ (Lt, ut, vt)がデータ記憶部 42に記 憶される記憶領域は、 Luv画像データに含まれる元の画素データの記憶領域とは異 なる。 ) oさらに、変換部 44は、データ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含 まれる画素データのうち未だ読み出されていないものを 1つ読み出し送信するよう命 令する読み出し命令信号を対象画像データ抽出部 43に送信する(これによりデータ 記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる次の画素データが対象画素デ ータとなり、処理される。)。
[0055] 以上説明したような変換によって、図 4にて示した対象画素データの具体例(画素 番号 5、 Luvデータ(L, u, V) = (L5, u5, v5)、た^し、 u5 >0)力 どのように変換さ れるかを図 7に示した。なお、 u値 L値がどのように変換される力 (点 po (L5, u5)から 点 pt (Lt5, ut5)への変換)は、既に詳しく図 6を用いて説明したのでそれに関しては 図 6及びその説明を参照された 、。
ここに図 7中には、 v5が正(>0)である場合の変換後の位置を点 p5a (Lt5, ut5, v
t5)として示し、 v5が 0以下(0又はく 0)である場合の変換後の位置を点 p5b (Lt5, u t5, vt5)として示した。ただし、点 p5aの vt5 =v5—(Lt5— L5)であり、点 p5bの vt5 =v5+ (Lt5— L5)である。
このように変換後の V座標を式(11)又は式(12)にて算出することで、変換前と変換 後で、色相が大きく変化するのを抑止できる (変換の前後で色合いが大きく変わった と感じさせない。 ) o
[0056] なお、上記の処理に用いる式(2)等(上述したように図 10及び図 11に示すデータ や数式等を含む。)は、本装置 11の動作とは関係なく導出等され、予め数式記憶部 47に入力され記憶される。この数式記憶部 47に入力されるものは、次のようなデイス プレイ色範囲の算出手順、境界線上の色座標値の算出手順、境界線の近似式の導 出手順を経て導出される。
[0057] (ディスプレイ色範囲の算出手順)
RGBカラ一.モデルにおける R値、 G値、 B値それぞれがとりうる値は 0から 255の整 数であるので、 RGBカラ一'モデルによる 1の画素データの場合は 256 X 256 X 256 = 16777216通り力ある。これら全ての場合について Luv色空間におけるデータに 変換する。
このように 16777216通り全てについて変換した Luv色空間におけるデータの L値 、 u値、 V値それぞれの最大値と最小値とを抽出する。このようにして L値に関しては 最小値 0及び最大値 100が求められ、 u値に関しては最小値一 83. 0667及び最大 値 175. 0213が求められ、 V値に関しては最小値一 134. 0896及び最大値 107. 4 177が求められる。
[0058] (境界線上の色座標値の算出手順)
次 、で、通常のコンピュータ等のディスプレイにおける表示信号として用いられて ヽ る RGBカラ一.モデルによって示され得る Luv色空間の範囲を求める。上記したディ スプレイ色範囲の算出手順にぉ 、て示したように、 RGBカラー ·モデルにより示され る 16777216通りのそれぞれの場合を Luv色空間(L軸、 u軸及び v軸の直交 3軸空 間)にプロットする。次いで、これらプロットされた 16777216個の各点を、 Lu平面(互 いに直交する 3軸である L軸、 u軸及び V軸のうち、 u軸と L軸とを含む平面をいう。)及
び Lv平面(互いに直交する 3軸である L軸、 u軸及び V軸のうち、 V軸と L軸とを含む平 面をいう。 )に投影する。この Lu平面への投影を図 8に示し、 Lv平面への投影を図 9 に示す。これら図 8及び図 9において、斜線を付した領域が 16777216個の各点が 投影される領域 (以下、 Lu平面へ投影される領域を「Lu投影領域」といい、 Lv平面 へ投影される領域を「Lv投影領域」という。)である。
Lu投影領域及び Lv投影領域につ ヽて、その領域の境界線を示す近似式を求める 。この境界線 ίま、図 8及び図 9に示したように複数の線 (線 ul、 u2、 u3、 u4、 u5、 vl ゝ v2、 v3、 v4、 v5、 v6)によって構成する。
[0059] この近似式を求める方法を、図 8に示した線 ulを例にとって説明する。
第 1に、求める線 (以下、「対象線」という。ここでは線 ul。)が示す 2軸 (線 ulにおい ては、 u軸と L軸)のうち一方 (線 ulにお ヽては u軸)に対する他方 (線 ulにお ヽては L軸)の変化が該他方に対する該一方の変化よりも小さいものの該一方を基準軸 (線 ulにおいては u軸)とし、該他方を変化軸 (線 ulにおいては L軸)とする。また、該 2 軸に対して垂直な軸を任意軸 (線 ulにお 、ては V軸)とする。
第 2に、対象線 (ここでは線 ul)上の変化軸 (線 ulにおいては L軸)における値が、 対象とする領域 (ここでは Lu投影領域)の最大値か最小値の 、ずれを示すか判断す る(境界線の意味)。線 ulを例にとれば、線 ul上の変化軸 (L軸)における値は Lu投 影領域の最小値を示している(線 ulは Lu投影領域の下端である。 )0
[0060] 第 3に、基準軸 (線 ulにお 、ては u軸)の値を、対象とする領域 (ここでは Lu投影領 域)の最小値力も最大値 (基準軸力 L軸であれば最小値 0から最大値 100、 u軸で あれば最 /Jヽ値ー 83. 0667力ら最大値 175. 0213、 v軸であれば最 /Jヽ値ー 134. 08 96から最大値 107. 4177)まで 0. 1ずつ増加させ (以下、「基準軸仮定値」という。) 、それぞれの場合において以下の (ィ)についてチェックする。
(ィ)第 2における判断が最小値と判断されれば、変化軸 (線 ulにお 、ては L軸)の 値を「ディスプレイ色範囲の算出手順」において求められた最小値 (変化軸力 軸で あれば最小値 0、 u軸であれば最小値一 83. 0667及び V軸であれば最小値一 134. 0896)から 0. 1ずつ増加させて、以下の(口)に従って対象とする領域 (ここでは Lu 投影領域)に最初に含まれる値を求める。逆に、第 2における判断が最大値と判断さ
れれば、変化軸 (線 ulにお 、ては L軸)の値を「ディスプレイ色範囲の算出手順」に ぉ 、て求められた最大値 (変化軸力 軸であれば最大値 100、 u軸であれば最大値 175. 0213及び V軸であれば最大値 107. 4177)力も 0. 1ずつ減少させて、以下の (口)に従って対象とする領域 (ここでは Lu投影領域)に最初に含まれる値を求める。 このようにして求められる対象とする領域 (ここでは Lu投影領域)に最初に含まれる値 (変化軸の値)と、該最初に含まれる値 (変化軸の値)における基準軸の値 (該最初に 含まれる値 (変化軸の値)を計算したときの基準軸仮定値)と、が境界線上の座標と する。
[0061] (口)上記の基準軸仮定値と変化軸 (線 ulにおいては L軸)の値とにおいて、任意軸
(線 ulにおいては V軸)の値を「ディスプレイ色範囲の算出手順」にて求めた最小値 から最大値 (基準軸が、 L軸であれば最小値 0から最大値 100、 u軸であれば最小値 一 83. 0667力ら最大値 175. 0213、 v軸であれば最 /Jヽ値ー 134. 0896力ら最大値 107. 4177)まで 0. 1ずつ増加させ、それぞれの値(L, u, v)を RGBカラ一'モデル に変換する。 RGBカラ一'モデルに変換されたときの R値、 G値、 B値のいずれもが 0 以上 255以下となるような任意軸 (線 ulにおいては V軸)の値が 1つでも存在する場 合には、そのときの基準軸仮定値と変化軸 (線 ulにおいては L軸)の値との組合せは 、対象とする領域 (ここでは Lu投影領域)に最初に含まれる値とする。
なお、図 8及び図 9において示した各線 ul〜u5、 vl〜v6についての基準軸、変化 軸、基準軸範囲、境界線の意味について図 10にまとめて示す。
[0062] (境界線の近似式の導出手順)
上記した「境界線上の色座標値の算出手順」に従って求められた境界線上の座標 を使用して、 Lu投影領域及び Lv投影領域の境界線を構成する複数の線 (具体的に は、線 ul〜u5、 vl〜v6)を示す近似式を求める。
この複数の線 (線 ul〜u5、 vl〜v6)を示す近似式は、種々の方法により導出され てよいが、ここでは前述の GNU Octaveを用いた。
このようにして求めた、複数の線 (線 ul〜u5、 vl〜v6)を示す近似式を図 11にまと めて示す。
前述の式(2)は、具体的には、前述した図 11の u2に関する式を用いた。
このようにして図 10及び図 11に示すデータや数式等は、本装置 11の動作とは関 係なく予め導出等され、予め数式記憶部 47に入力され記憶される。
(uが負の場合の処理)
u値 (ui)が 0より大きいと判断しな力つた変換部 44は、さらに u値 (ui)が 0より小さい か否か判断し、 u値 (ui)が 0より小さいと判断した場合、以下説明する「uが負の場合 の処理」を行う。
u値 (ui)力^より小さいと判断した変換部 44は、 Luv画像データの Luvデータ(L, u , V) = (Li, ui, vi)に含まれる Lの数値 Liを用いて uと Lとの 2軸直交軸における次の 楕円の式( 13)を作成する。この式( 13)により示される楕円は、 uL平面(図 12にて示 すように互いに直交する 3軸である L軸、 u軸及び V軸のうち、 u軸と L軸との 2軸を含 む平面をいう。)上に存し、中心 (u, L) = (0, 0)であり、長径 (L軸方向の径)が Liで あり、そして短径 (u軸方向の径)が(PuminX LiZlOO)である。後述するように、対 象画素データの u値と L値とが、この式(13)によって示される楕円の円周上 (楕円周 上)に存する点の座標となるように対象画素データの u値と L値とを変換する。
式(13)
uV (Pumin X Li/ 100) 2 + L2/Li2 = 1
なお、式(13)中、 Puminはパラメータである。前述の Pumaxと同様、本装置 11に 接続されたキーボードゃタツチパネル等 ( 、ずれも図示せず)を通じて本装置 11の使 用者が Puminの値を予めパラメータ記憶部 46に入力し、パラメータ記憶部 46が Pu minの値を記憶している。このため変換部 44が式(13)を作成する際には、変換部 4 4がパラメータ記憶部 46にアクセスしてパラメータ記憶部 46から Puminの値を読み 出し取得する。
そして、式(13)を変形すると、 Lは 0より大きく 100より小さい値であるので、式(13. 1)が得られる。なお、 L (Li)カ^)又は 100になるのは、 u (ui) =v(vi) =0のときである ので、この場合は uが 0の場合の処理又は Vが 0の場合の処理が行われることから、こ こでは Lは 0より大きく 100より小さ!/ヽ。
式(13. 1)
L=Li X ( 1—u2/ (Pumin X Li/100) 2) 0 5
[0064] また、ここでは理解を容易にするため、対象画素データの具体例として、図 12に示 すように u値が 0より小さい対象画素データ(画素番号 7、 Luvデータ(L, u, V) = (L7 , u7, v7)、ただし、前述のように u7は 0より小さい。また、図 12中、該対象画素デー タの位置を点 p7により示す。)を用いる。
図 12にて示した対象画素データの具体例(画素番号 7、 Luvデータ (L, u, V) = (L 7, u7, v7)、ただし、前述のように u7は 0より小さい。)に関して式(13)を作成すれば 、次の式(13. 2)になる。
式(13. 2)
uV (Pumin X L7/ 100) 2 + L2/L72 = 1
この式(13. 2)にて示される楕円を図 13に示した。また、図 13には、ディスプレイが 表示し得る範囲を点線によって囲って示した。なお、ディスプレイが表示し得る範囲 の求め方については、前述したディスプレイ色範囲の算出手順、境界線上の色座標 値の算出手順及び境界線の近似式の導出手順によって行われる。そして、図 13中、 実線 F2により式(13. 2)にて示される該楕円を示したが、該楕円のうち、ディスプレイ が表示し得る範囲内の部分 (即ち、図 13中、点線により囲まれた範囲内の部分)がこ この処理に関係するため該範囲内に近い部分であって、かっここでは uが負の場合 を扱うため uが負の部分のみを示して 、る。
[0065] 次!、で、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, u i, vi) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)力 8未満であるか否か判断し、 L値 (Li) 力 8未満であると判断した場合はその L値 (Li)においてディスプレイが表示し得 る u値の最小値を第 1基準値 umとする。力かる u値の最小値 (ここでは第 1基準値 um とされる。)は、次の式(14)中の L値に対象画素データの L値 (Li)を代入して求めら れる uの値とするが、カゝかる式(14)の導出方法については、既に説明したディスプレ ィ色範囲の算出手順、境界線上の色座標値の算出手順及び境界線の近似式の導 出手順によって行われ、導出された式(14)は予め数式記憶部 47に入力され記憶さ れている(具体的には、式(14)は、図 11中の線 u5の式)。このため変換部 44力 L 値 (Li)が 87. 8未満であると判断した場合には数式記憶部 47にアクセスして数式記 憶部 47から式(14)を読み出し取得する。
式 (14)
u=— 0. 945026 X L— 0. 0931042
[0066] 一方、変換部 44力 対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui, vi) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)力 8未満である力否か判断し、 L値 (Li)が 87. 8未満であると判断しない場合 (即ち、 L値 (Li)が 87. 8以上)は、第 1基準値 um は一 83. 0667 (ディスプレイが表示し得る u値の最小値)とされる。
[0067] 図 12にて示した対象画素データの具体例(画素番号 7、 Luvデータ (L, u, v) = (L 7, u7, v7)、ただし、 u7く 0)を考えれば、 L値 (L7)が 87. 8未満であると変換部 44 が判断した場合には、第 1基準値 um7は次の式(14. 1)にて算出される。このように して算出した第 1基準値 um7を図 13に示した。
式(14. 1)
um7 =— 0. 945026 X L7—0. 0931042
一方、 L値 (L7)が 87. 8以上であると変換部 44が判断した場合 (L値 (L7)が 87. 8 未満であると変換部 44が判断しない場合)は、第 1基準値 um7は一 83. 0667とされ る。このように L値 (L7)が 87. 8以上であると判断した場合 (L値 (L7)が 87. 8未満で あると変換部 44が判断しない場合)に第 1基準値 um7とされる一 83. 0667も図 13に 示した。
[0068] そして、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui , vi) )に含まれる Luvデータの u値 ui力 上記のようにして決定された第 1基準値 um に対する割合 Sc ( =uiZum)を求める。
例えば、図 12にて示した対象画素データの具体例(画素番号 7、 Luvデータ (L, u , V) = (L7, u7, v7)、ただし、 u7く 0)を例に挙げれば、 Luvデータの u値 u7が、決 定された第 1基準値 um7に対する割合 Sc7=u7Zum7を求める。
[0069] 続いて、変換部 44は、式(13. 1)によって示される楕円の楕円周上の点のうちディ スプレイが表示し得る範囲内に存するもので L値が最小の点を (Lm, uem)とし、この uemを求める。例えば、図 12にて示した対象画素データの具体例(画素番号 7、 Lu Vデータ(L, u, V) = (L7, u7, v7)、ただし、 u7< 0)を例に挙げれば、図 13に点 M 7 (Lm7, uem7)として示した。図 13から理解されるように、点 M7 (Lm7, uem7)は
、図 13に示された式(13. 1)によって示される楕円の楕円周(実線 F2)上の点のうち 、図 13に示されたディスプレイが表示し得る範囲(点線にて囲まれた範囲)内に存す るもので L値が最小の点である。以下、 uemの算出方法を説明する。
[0070] (uemの算出方法)
第 1に、式(15)を考える。
式(15)
uV (Pumin) 2 + L2/ ( 100) 2 = 1
この式(15)にて示される楕円(以下、「楕円 15」という。)を図 14に示した。また、図 14〖こは、図 13と同様、ディスプレイが表示し得る範囲を点線によって囲って示し、式 (13)によって示される楕円(以下、「楕円 13」という。)も同様に示した。
[0071] 第 2に、この式(15)によって示される楕円の楕円周上の点のうちディスプレイが表 示し得る範囲内に存するもので L値が最小の点を(LmO, uemO)とするとこの uemO を次の式(16)にて求める。なお、該最小の点(LmO, uemO)を、図 14中、点 MO (L mO, uemO)として示した。式(16)の導出方法については、以下述べる通りであるが 、導出された式(16)は予め数式記憶部 47に入力され記憶されている。このため変 換部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(16)を読み出し取得 した後、 uemOを算出する。
式(16)は、式(15)と式(14) (uが負におけるディスプレイが表示し得る u値の最小 値を与える。)との uが負における交点の u座標 uemOを GNU Octaveを用いて求め ることで得た。具体的には、 GNU Octaveを使って、式(15)の Puminを一 80から 一 10まで 0. 2間隔で変化させ、それぞれの場合について式(15)と式(14)との交点 (L, u)を求める。その結果、 (Pumin, L, u)の 3つの値の組が 351個得られる。続い て、 GNU Octaveを使って、この中の 2つの値(Pumin, u)の関係式(近似式)であ る式(16)を得た。
式(16)
uemO = 0. 00422958 X (Pumin) 2+ 1. 11416 X (Pumin) +0. 962955 [0072] 第 3に、変換部 44は、第 2において求められた uemOを次の式(17)に代入して ue mを求める。式(17)の導出方法については、以下述べる通りであるが、導出された
式(17)は予め数式記憶部 47に入力され記憶されている。このため変換部 44が、数 式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(17)を読み出し取得した後、 uem を算出する。
ここに式(17)は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, V) = (Li, ui, vi ) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)力 より大きく 100より小さ!/、際に uemOを用いて uemを近似する近似式である(なお、式(17)中の Liは、対象画素データに含まれる Luvデータの L値(Li)である。また、 L (Li)力O又は 100になるのは、 u (ui) =v (vi) =0のときであるので、この場合は uが 0の場合の処理又は Vが 0の場合の処理が行わ れることから、ここでは Lは 0より大きく 100より小さい。)。 uL平面においてディスプレ ィが表示し得る uが負における Lの最小値を示す境界線 (即ち、式(14)により近似さ れる線)は、 (L, u) = (0, 0)を通過する直線 (即ち、 L = a X u、但し aは定数)により ほぼ近似することができ、該直線の式: L = a X uを用 、て式( 15)の Lを消去すると ue m0が得られ、そして該直線の式を用いて式(13)の Lを消去すると uemが得られ、そ れらから式(17)が得られる。なお、式(17)は、小さな誤差により極めてうまく近似す ることがでさる。
式 (17)
uem = uemO X Li/ 100
図 12にて示した対象画素データの具体例(画素番号 7、 Luvデータ (L, u, V) = (L 7, u7, v7)、ただし、 u7く 0)を例に挙げれば、この具体例に関する uemである uem 7は次の式(17. 1)により算出される。
式(17. 1)
uem7 = uemO X L7/100
その後、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ (L, u, v) = (Li, u i, vi) )を第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)した後の Luvデータの L値 (Lt)を求め る。力かる変換後の L値 (Lt)の算出方法は、ディスプレイが表示可能な色範囲内で、 ある輝度における緑色の度合に応じて輝度を減少させるように行われるものであり、 ( Lm-Li)に対する、変換によって L値が減少する量 (変換後の L値 Ltと変換前の L値 Liとの差、即ち(Lt Li) )の割合 (即ち、(Lt— Li)Z(Lm— Li) )が、上記した Sc ( =
ui/um)に等しくなるように L値 (Lt)を定める。なお、(Lm—Li)は、 L=Liである全 ての色の中で、本変換処理で最も低輝度に変換される色の変換後の L値 Lmと、変 換前の L値 Liと、の差である。
具体的には、 Ltは式(18)にて示される。
式(18)
(Lt— Li) / (Lm— =Sc、 = uiz umノ
式(18)を変形すると、式(18. 1)が得られる。
式(18. 1)
Lt=Sc X (Lm-Li) +Li
[0074] なお、式(18. 1)中の Lmは、上述したように式(13. 1)によって示される楕円の楕 円周上の点のうちディスプレイが表示し得る範囲内に存するもので L値が最小の点( Lm, uem)の L値である。ここに点(Lm, uem)は式(13. 1)によって示される楕円の 楕円周上の点であるから、次の式(19)を満たす。
式(19)
Lm = Li X ( 1— uem (Pumin X Li/ 100) 2) · 5
そして、式(19)の uemに式(17)を代入し、それによつて得られる式をさらに式(18 . 1)に代入すると式(20)が得られる。
式(20)
Lt = Sc X (Lm-Li) +Li
=Li X (1 -Sc X ( 1 - ( 1 - uemO (Pumin) 2) °' 5) )
[0075] この式(20)を用いて変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ (L, u , ν) = (Li, ui, vi) )を第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)した後の Luvデータの L値 (Lt)を求める。なお式(20)は予め数式記憶部 47に入力され記憶されているので、 変換部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(20)を読み出し取 得した後、 Ltを算出する(また、変換部 44がパラメータ記憶部 46にアクセスしてパラ メータ記憶部 46から Puminの値を読み出し取得する。 )。
引き続き、変換部 44は、該対象画素データを第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用) した後の Luvデータの u値(ut)を求める。変換後の Luvデータの L値(Lt)と u値 (ut)
とは、式(13. 1)により示される楕円の楕円周上の点であるから、 u値 (ut)は上述の ように求められた L値 (Lt)を用い、式(13. 1)を変形した次の式(21) (なお、 utは 0よ り小)から計算される。なお式(21)も予め数式記憶部 47に入力され記憶されている ので、変換部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(21)を読み 出し取得した後、 utを算出する(また、変換部 44がパラメータ記憶部 46にアクセスし てパラメータ記憶部 46から Puminの値を読み出し取得する。 )。
式(21)
ut=Pumin/100 X (Li2— Lt2) 0 5
[0076] 図 12にて示した対象画素データの具体例(画素番号 7、 Luvデータ (L, u, v) = (L 7, u7, v7)、ただし、 u7く 0)に含まれる L値及び u値がどのように変換されるかを (そ れぞれ Lt7及び ut7)図 14中に示した。図 14中の点 po (L, u) = (L7, u7)は、該対 象画素データの具体例(画素番号 7、 Luvデータ(L, u, V) = (L7, u7, v7)、ただし 、 u7< 0)の点を uL平面 (u軸と L軸とを含む平面)上に投影した点である。
かかる点 po (L, u) = (L7, u7)は、図 14に示すように uL平面上において、(Lm7 -L7)に対する、変換によって L値が減少する量 (変換後の L値 Lt7と変換前の L値 L 7との差、即ち(Lt7— L7) )の割合 (即ち、(Lt7— L7)Z(Lm7— L7) )が、上記の S c7 (=u7/um7)に等しくなるように L値 (Lt7)が定められ、該定めれた L値 (Lt7)に 応じた楕円 13の楕円周上の点 pt (L, u) = (Lt7, ut7)に変換される。このように対 象画素データの Luvデータ(L7, u7, v7)の L値及び u値がそれぞれ Lt7及び ut7に 変換されることで、より緑色が低輝度に変換 (即ち、 u値が小さいものほど L値が減少 する。)される。
[0077] 次いで、変換部 44は、対象画素データの Luv画像データ(L, u, v) = (Li, ui, vi) の v値 viが正力 0以下かを判断し、 viが正(>0)であれば、式(22)にて変換後の Luv データの V値 (vt)の値を求める。そして変換部 44は、求めた V値 (vt)の値が負(vtく 0)か否力判断し負であると判断した場合は vt = 0とする(こうすることで V vtへ変 換することによって色相が反転することを防止する。 ) o
一方、変換部 44力 対象画素データの Luv画像データ(L, u, V) = (Li, ui, vi)の v値 viが 0以下(0又はく 0)であれば、式(23)にて vtの値を求める。そして変換部 44
は、求めた v値 (vt)の値が正 (vt>0)力否力判断し正であると判断した場合は vt = 0 とする(こうすることで viから vtへ変換することによって色相が反転することを防止する
。)。
式(22)
vt=vi— (Li-Lt)
式(23)
vt=vi+ (Li-Lt)
なお式(22)及び式(23)の!、ずれも予め数式記憶部 47に入力され記憶されて!、る ので、変換部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(22)及び式 (23)のいずれかを読み出し取得した後、 vtを算出する。
その後、このように決定した vt (式(22)及び式(23)のいずれかによつて計算された 値力 又は 0)の値が、ディスプレイが表示し得る範囲内に存する力否かを変換部 44 はチェックをし、該範囲内に存しないと判断した場合は vt値を次のように補正する。 該補正の基本的な考え方は、変換後の Ltの値と、図 10の v2、 v5の基準軸範囲、お よび図 11の vl〜v6の近似式により、 L=Ltにおける Vの最小値、最大値が決まる。 なお、これら図 10及び図 11に示すデータは、予め数式記憶部 47に入力され記憶さ れているので、変換部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から自由 に読み出し取得することができる。該決定した vtの値がこの最小値力 最大値までの 範囲から外れる場合、ディスプレイが表示し得る範囲内に存しないと変換部 44は判 断し、 vt値を、変換後の Ltの値における最小値または最大値 (変換後の vtが近い方 )に置き換えることで補正する。具体的に述べれば、(l)vt>0の場合、 Ltが 0以上か つ 87. 8未満(0≤Ltく 87.8)の時には図 11の vlの式を用い、 Ltが 87. 8以上かつ 9 7. 0未満(87.8≤Ltく 97.0)の時には図 11の v2の式を用い、 Ltが 97. 0以上かつ 10 0以下(97.0≤Lt≤100)の時には図 11の v3の式を用いて Vの最大値を求め、 vtがそ れより大きい時は、その最大値を vtの値とする。(2)vtが 0以下 (vt≤0)の場合、 Ltが 60. 4より大きくかつ 100以下(60.4く Lt≤100)の時には図 11の v4の式を用い、 Lt 力 4より大きく 60. 4以下(32.4く Lt≤60.4)の時には図 11の v5の式を用い、 Lt 力 SO以上 32. 4以下(0≤Lt≤32.4)の時には図 11の v6の式を用いて Vの最小値を求
め、 vtがそれより小さい時は、その最小値を vtの値とする。
[0079] 以上のようにして、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui, vi ) )に含まれる Luvデータ (Li, ui, vi)は、変換後のデータ (Lt, ut, vt) (以下、変換 後データという。 )に変換される。
その後、変換部 44は、この変換後データ (Lt, ut, vt)をデータ記憶部 42に送信し データ記憶部 42に記憶させる。なお、変換後データ (Lt, ut, vt)をデータ記憶部 42 に記憶させる順番は、データ記憶部 42が記憶して 、る Luv画像データに含まれる画 素データの順番と同じ順番である(即ち、データ記憶部 42が記憶している Luv画像 データに含まれる元の画素データの順番通りに、変換後データ (Lt, ut, vt)はデー タ記憶部 42に記憶される。なお、変換後データ (Lt, ut, vt)がデータ記憶部 42に記 憶される記憶領域は、 Luv画像データに含まれる元の画素データの記憶領域とは異 なる。 ) oさらに、変換部 44は、データ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含 まれる画素データのうち未だ読み出されていないものを 1つ読み出し送信するよう命 令する読み出し命令信号を対象画像データ抽出部 43に送信する(これによりデータ 記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる次の画素データが対象画素デ ータとなり、処理される。)。
[0080] 以上説明したような変換によって、図 12にて示した対象画素データの具体例(画素 番号 7、 Luvデータ(L, u, V) = (L7, u7, v7)、た し、 u7< 0)力 どのように変換さ れるかを図 15に示した。なお、 u値 L値がどのように変換される力 (点 po (L7, u7)か ら点 pt (Lt7, ut7)への変換)は、既に詳しく図 14を用いて説明したのでそれに関し ては図 14及びその説明を参照されたい。
ここに図 15中には、 v7が正(>0)である場合の変換後の位置を点 p7a (Lt7, ut7 , vt7)として示し、 v7が 0以下(0又はく 0)である場合の変換後の位置を点 p7b (Lt7 , ut7, vt7)として示した。ただし、点 p7aの vt7=v7—(L7— Lt7)であり、点 p7bの v t7=v7+ (L7— Lt7)である。
このように変換後の V座標を式 (22)又は式 (23)にて算出することで、変換前と変換 後で、色相が大きく変化するのを抑止できる (変換の前後で色合いが大きく変わった と感じさせない。 )。
[0081] (uが 0の場合)
u値 (ui)が 0より大きいと判断しな力つた変換部 44は、さらに u値 (ui)が 0より小さい か否か判断し、 u値 (ui)が 0より小さいと判断しない場合 (即ち、 ui力 SOである。)、対象 画素データに係る Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui, vi)をそのまま変換後のデータ(L t, ut, vt)としてデータ記憶部 42に送信しデータ記憶部 42に記憶させる(即ち、 uiが 0の場合、 Luvデータ (Li, ui, vi)は変更されない。 )0なお、この変換後データ (Lt, ut, vt)をデータ記憶部 42に記憶させる順番は、データ記憶部 42が記憶している Lu V画像データに含まれる画素データの順番と同じ順番である(即ち、データ記憶部 42 が記憶して 、る Luv画像データに含まれる元の画素データの順番通りに、変換後デ ータ(Lt, ut, vt)はデータ記憶部 42に記憶される。なお、変換後データ(Lt, ut, vt )がデータ記憶部 42に記憶される記憶領域は、 Luv画像データに含まれる元の画素 データの記憶領域とは異なる。 ) o
その後、変換部 44は、データ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる 画素データのうち未だ読み出されていないものを 1つ読み出し送信するよう命令する 読み出し命令信号を対象画像データ抽出部 43に送信する(これによりデータ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる次の画素データが対象画素データとな り、処理される。 ) o
[0082] 前述したように、データ記憶部 42が記憶して 、る Luv画像データに含まれる画素デ ータのうち未だ読み出されていないものを 1つ読み出し送信するよう命令する読み出 し命令信号を変換部 44から受信すると、対象画像データ抽出部 43はデータ記憶部 42にアクセスし、データ記憶部 42が記憶して 、る Luv画像データに含まれる画素デ ータのうち未だ読み出されていないものを 1つずつ読み出し取得した後、該読み出し 取得した 1の画素データを変換部 44へ送信する。これにより、変換部 44へ送信され た画素データは対象画素データとして処理されるので、データ記憶部 42が記憶して いる Luv画像データに含まれる画素データは 1つずつ処理を受ける。
読み出し命令信号を変換部 44から受信した対象画像データ抽出部 43が、データ 記憶部 42にアクセスし、データ記憶部 42が記憶して 、る Luv画像データに含まれる 画素データのうち未だ読み出されて 、な 、ものが存しな ヽ(即ち、全ての画素データ
が読み出され、読み出されていない画素データがなくなった)と判断した場合には、 読出部 48へ起動信号を送信する。
該起動信号を対象画像データ抽出部 43から受信した読出部 48は、データ記憶部 42にアクセスし、データ記憶部 42が記憶している変換後のデータ (Lt, ut, vt)全て (n個)を読み出し取得し、該読み出し取得した変換後のデータ (Lt, ut, vt)全て (n 個)を色空間逆変換部 51へ送信する。その後、読出部 48は、データ記憶部 42にァ クセスし、データ記憶部 42の記憶を消去する。
[0083] 変換後のデータ (Lt, ut, vt)全て (n個)を読出部 48 (データ処理部 41)から受信し た色空間逆変換部 51は、 Luv色空間におけるデータとして示された変換後データ( Lt, ut, vt)全て (n個)を RGB画像データに変換する。なお、 Luv色空間におけるデ ータ(Lt, ut, vt)から RGB画像データへの変換は、変換後のデータ(Lt, ut, vt)全 て (n個)の画素データを RGB画像データへ変換することによって行う(n個ある画素 データそれぞれ変換する。 ) oかかる変換の方法は、既知であるのでここでは説明を 省略する。
n個の変換後データ (Lt, ut, vt)全てを RGB画像データへ変換した色空間逆変換 部 51は、該変換した n個の RGB画像データを出力部 61へ送信する。
該変換した n個の RGB画像データを色空間逆変換部 51から受信した出力部 61は 、該 RGB画像データに基づ ヽて表示部 15に画像を表示する。
[0084] (第 3変換 (第 3色覚異常用))
第 3変換 (第 3色覚異常用)が指定されていると判断した変換部 44は、データ記憶 部 42が記憶している Luv画像データに含まれる画素データのうち未だ読み出されて V、な 、ものを 1つ読み出して変換部 44へ送信する読み出し命令信号を対象画像デ ータ抽出部 43に送信する。変換部 44からの読み出し命令信号を受信した対象画像 データ抽出部 43は、データ記憶部 42にアクセスし、データ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる画素データのうち未だ読み出されていないものを 1つ(即 ち、画素番号 iに係る画素データとして、画素番号 i及び Luvデータ(L, u, V) = (Li, ui, vi) (ただし iは正の整数)の情報を 1単位とする。)読み出し取得する。そして、対 象画像データ抽出部 43は、データ記憶部 42から該読み出し取得した 1の画素デー
タを変換部 44へ送信する。ここで変換部 44から読み出し命令信号を受信した対象 画像データ抽出部 43が、データ記憶部 42が記憶して 、る Luv画像データに含まれ る画素データのうち未だ読み出されていないものが存しない (即ち、全ての画素デー タが読み出され、読み出されていない画素データがなくなった)と判断した場合には 、読出部 48へ起動信号を送信する。なお、上記の第 1変換と同様、対象画像データ 抽出部 43から変換部 44へ送信されこれから処理される画素データを「対象画素デ ータ」という。
対象画素データを対象画像データ抽出部 43から受信した変換部 44は、まず、対 象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, V) = (Li, ui, vi) )に含まれる Luvデー タの v値 (vi)が 0より大きいか否か判断し、大きいと判断した場合、次の「vが正の場合 の処理」を行う。なお、 V値 (vi)が 0より大きいと判断しない場合、 Luvデータの V値 (vi )が 0より小さいか否力判断し、小さいと判断した場合、次の「vが負の場合の処理」を 行い、 0より小さいと判断しない場合 (即ち、この場合は V値 (vi)が 0である。)、後述の ように何らの変換も行わな!/、。
また、ここでは理解を容易にするため、対象画素データの具体例として、図 16に示 すように V値が 0より大きい対象画素データ(画素番号 6、 Luvデータ(L, u, V) = (L6 , u6, v6)、ただし、前述のように v6は 0より大きい。また、図 16中、該対象画素デー タの位置を点 p6により示す。)を用いる。
(Vが正の場合の処理)
V値 (vi)が 0より大きいと判断した変換部 44は、 Luv画像データの Luvデータ(L, u , V) = (Li, ui, vi)に含まれる Lの数値 Liを用いて vと Lとの 2軸直交軸における次の 楕円の式(24)を作成する。この式(24)により示される楕円は、 vL平面(図 16にて示 したように互いに直交する 3軸である L軸、 u軸及び V軸のうち、 V軸と L軸との 2軸を含 む平面をいう。)上に存し、中心 (V, L) = (0, 0)であり、長径 (L軸方向の径)が Liで あり、そして短径 (V軸方向の径)が(Pvmax X LiZlOO)である。後述するように、対 象画素データの V値と L値とが、この式(24)によって示される楕円の円周上 (楕円周 上)に存する点の座標となるように対象画素データの V値と L値とを変換する。
式(24)
vV (Pvmax X Li/ 100) 2 + L2/Li2 = 1
なお、式(24)中、 Pvmaxはパラメータである。本装置 11に接続されたキーボード ゃタツチパネル等( 、ずれも図示せず)を通じて本装置 11の使用者が Pvmaxの値を 予めパラメータ記憶部 46に入力し、パラメータ記憶部 46が Pvmaxの値を記憶してい る。このため変換部 44が式(24)を作成する際には、変換部 44がパラメータ記憶部 4 6にアクセスしてパラメータ記憶部 46から Pvmaxの値を読み出し取得する。
そして、式(24)を変形すると、 Lは 0より大きく 100より小さいので式(24. 1)が得ら れる。なお、 L (Li)力 ^又は 100になるのは、 u(ui) =v (vi) =0のときであり、この場 合は uが 0の場合の処理又は Vが 0の場合の処理が行われることから、ここでは Lは 0 より大きく 100より/ J、さい。 式(24. 1)
L=Li X (1— V2/ (Pvmax X Li/ 100) 2)。· 5
[0086] 図 16にて示した対象画素データの具体例(画素番号 6、 Luvデータ(L, u, v) = (L 6, u6, v6)、た し、 ν6ίま 0より大き!/ヽ。図 16中、 p6)【こ関して式(24)を作成すれ ば、次の式(24. 2)になる。
式(24. 2)
vV (Pvmax X L6/ 100) 2 + L2/L62 = 1
この式(24. 2)にて示される楕円を図 17に示した。また、図 17には、ディスプレイが 表示し得る範囲を点線によって囲って示した。なお、ディスプレイが表示し得る範囲 の求め方については、前記したディスプレイ色範囲の算出手順、境界線上の色座標 値の算出手順及び境界線の近似式の導出手順によって行われる。そして、図 17中、 実線 F3により式(24. 2)にて示される該楕円を示したが、該楕円のうち、ディスプレイ が表示し得る範囲内の部分 (即ち、図 17中、点線により囲まれた範囲内の部分)がこ この処理に関係するため該範囲内に存し、かっここでは Vが正の場合を扱うため Vが 正の部分を示している。
[0087] 次!、で、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, u i, vi) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)力 8未満であるか否か判断し、 L値 (Li) 力 8未満であると判断した場合はその L値 (Li)においてディスプレイが表示し得 る V値の最大値を第 1基準値 vmとする。かかる V値の最大値 (ここでは第 1基準値 vm
とされる。 )は、次の式(25)中の L値に対象画素データの L値 (Li)を代入して求めら れる Vの値とする力 力かる式(25)の導出方法については、既に説明したディスプレ ィ色範囲の算出手順、境界線上の色座標値の算出手順及び境界線の近似式の導 出手順によって行われ、導出された式(25)は予め数式記憶部 47に入力され記憶さ れている(具体的には、式(25)は、図 11中の線 vlの式)。このため変換部 44力 L 値 (Li)が 87. 8未満であると判断した場合には数式記憶部 47にアクセスして数式記 憶部 47から式(25)を読み出し取得する。
式(25)
v= l. 22208 X L + 0. 124972
[0088] 一方、変換部 44力 対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui, vi) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)力 8未満である力否か判断し、 L値 (Li)が 87. 8未満であると判断しない場合 (即ち、 L値 (Li)が 87. 8以上)は、第 1基準値 vm は 107. 4177 (ディスプレイが表示し得る V値の最大値)とされる。
[0089] 図 16にて示した対象画素データの具体例(画素番号 6、 Luvデータ(L, u, v) = (L 6, u6, v6)、ただし、 v6 >0)を考えれば、 L値 (L6)が 87. 8未満であると変換部 44 が判断した場合には、第 1基準値 vm6は次の式(25. 1)にて算出される。このように して算出した第 1基準値 vm6を図 17に示した。
式(25. 1)
vm6 = l. 22208 X L6 + 0. 124972
一方、 L値 (L6)が 87. 8以上であると変換部 44が判断した場合 (L値 (L6)が 87. 8 未満であると変換部 44が判断しない場合)は、第 1基準値 vm6は 107. 4177とされ る。このように L値 (L6)が 87. 8以上であると判断した場合 (L値 (L6)が 87. 8未満で あると変換部 44が判断しない場合)に第 1基準値 vm6とされる 107. 4177も図 17に 示した。
[0090] そして、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui , vi) )に含まれる Luvデータの v値 vi力 上記のようにして決定された第 1基準値 vm に対する割合 Sc (=vi/vm)を求める。
例えば、図 16にて示した対象画素データの具体例(画素番号 6、 Luvデータ (L, u
, v) = (L6, u6, v6)、ただし、 v6 >0)を例に挙げれば、 Luvデータの v値 v6力 決 定された第 1基準値 vm6に対する割合 Sc6=v6Zvm6を求める。
[0091] 続いて、変換部 44は、式(24. 1)によって示される楕円の楕円周上の点のうちディ スプレイが表示し得る範囲内に存するもので L値が最小の点を (Lm, vem)とし、この vemを求める。例えば、図 16にて示した対象画素データの具体例(画素番号 6、 Luv データ(L, u, V) = (L6, u6, v6)、ただし、 v6 >0)を例に挙げれば、図 17に点 M6 ( Lm6, vem6)として示した。図 17から理解されるように、点 M6 (Lm6, vem6)は、図 17に示された式(24. 1)によって示される楕円(実線 F3)の楕円周上の点のうち、図 17に示されたディスプレイが表示し得る範囲(点線にて囲まれた範囲)内に存するも ので L値が最小の点である。以下、 vemの算出方法を説明する。
[0092] (vemの算出方法)
第 1に、式(26)を考える。
式(26)
vV (Pvmax) 2 + L2/ ( 100) 2 = 1
この式(26)にて示される楕円(以下、「楕円 26」という。)を図 18に示した。また、図 18〖こは、図 17と同様、ディスプレイが表示し得る範囲を点線によって囲って示し、式 (24)によって示される楕円(以下、「楕円 24」という。)も同様に示した。
[0093] 第 2に、この式(26)によって示される楕円の楕円周上の点のうちディスプレイが表 示し得る範囲内に存するもので L値が最小の点を(LmO, vemO)とするとこの vemO を次の式(27)にて求める。なお、該最小の点(LmO, vemO)を、図 18中、点 MO (L mO, vemO)として示した。式(27)の導出方法については、以下述べる通りであるが 、導出された式(27)は予め数式記憶部 47に入力され記憶されている。このため変 換部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(27)を読み出し取得 した後、 vemOを算出する。
式(27)は、式(26)と式(25) (Vが正におけるディスプレイが表示し得る V値の最大 値を与える。)との Vが正における交点の V座標 vemOを GNU Octaveを用いて求め ることで得た。具体的には、 GNU Octaveを使って、式(26)の Pvmaxを 10から 10 0まで 0. 2間隔で変化させ、それぞれの場合について式(26)と式(25)との交点(L,
v)を求める。その結果、 (Pvmax, L, v)の 3つの値の組力 51個得られる。続いて、 GNU Octaveを使って、この中の 2つの値(Pvmax, v)の関係式(近似式)である 式(27)を得た。
式(27)
vemO =— 0. 00323344 X (Pvmax) 2+ 1. 10944 X (Pvmax)— 1. 11198 第 3に、変換部 44は、第 2において求められた vemOを次の式(28)に代入して ve mを求める。式(28)の導出方法については、以下述べる通りであるが、導出された 式(28)は予め数式記憶部 47に入力され記憶されている。このため変換部 44が、数 式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(28)を読み出し取得した後、 vem を算出する。
ここに式(28)は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, V) = (Li, ui, vi ) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)力 より大きく 100より小さ!/、際に vemOを用いて vemを近似する近似式である(なお、式(28)中の Liは、対象画素データに含まれる Luvデータの L値(Li)である。また、 L (Li)力O又は 100になるのは、 u (ui) =v (vi) =0のときであり、この場合は uが 0の場合の処理又は Vが 0の場合の処理が行われる こと力 、ここでは Lは 0より大きく 100より小さい。 ) o vL平面においてディスプレイが 表示し得る Vが正における Lの最小値を示す境界線 (即ち、式(25)により近似される 線)は、 (L, v) = (0, 0)を通過する直線 (即ち、 L = a X v、但し aは定数)によりほぼ 近似することができ、該直線の式: L = a X Vを用いて式(26)の Lを消去すると vemO が得られ、そして該直線の式を用いて式(24)の Lを消去すると vemが得られ、それら 力 式(28)が得られる。なお、式(28)は、小さな誤差により極めてうまく近似すること ができる。
式(28)
vem = vemO X Li/ 100
図 16にて示した対象画素データの具体例(画素番号 6、 Luvデータ (L, u, V) = (L 6, u6, v6)、ただし、 v6 >0)を例に挙げれば、この具体例に関する vemである vem 6は次の式(28. 1)により算出される。
式(28. 1)
vem6=vemO X L6/100
[0095] その後、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ (L, u, v) = (Li, u i, vi) )を第 3変換 (第 3色覚異常用)した後の Luvデータの L値 (Lt)を求める。かかる 変換後の L値 (Lt)の算出方法は、ディスプレイが表示可能な色範囲内で、ある輝度 における黄色の度合に応じて輝度を減少させるように行われるものであり、(Lm— Li )に対する、変換によって L値が減少する量 (変換後の L値 Ltと変換前の L値 Liとの 差、即ち(Lt— Li) )の割合 (即ち、(Lt— Li) Z (Lm— Li) )が、上記した Sc ( =viZv m)に等しくなるように L値 (Lt)を定める。なお、(Lm— Li)は、 L = Liである全ての色 の中で、本変換処理で最も低輝度に変換される色の変換後の L値 Lmと、変換前の L 値 Liと、の差である。
具体的には、 Ltは式(29)にて示される。
式(29)
(Lt-Li) / (Lm-Li) =Sc (=vi/vm)
式(29)を変形すると、式(29. 1)が得られる。
式(29. 1)
Lt=Sc X (Lm-Li) +Li
[0096] なお、式(29. 1)中の Lmは、上述したように式(24. 1)によって示される楕円の楕 円周上の点のうちディスプレイが表示し得る範囲内に存するもので L値が最小の点( Lm, vem)の L値である。ここに点(Lm, vem)は式(24. 1)によって示される楕円の 楕円周上の点であるから、次の式(30)を満たす。
式(30)
Lm = Li X ( 1— vem2/ (Pvmax X Li/ 100) 2)。· 5
そして、式(30)の vemに式(28)を代入し、それによつて得られる式をさらに式(29 . 1)に代入すると式(31)が得られる。
式(31)
Lt = Sc X (Lm-Li) +Li
= Li X (1 -Sc X ( 1 - ( 1 - vemO (Pvmax) 2) °' 5) )
[0097] この式(31)を用いて変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ (L, u
, v) = (Li, ui, vi) )を第 3変換 (第 3色覚異常用)した後の Luvデータの L値 (Lt)を 求める。なお式(31)は予め数式記憶部 47に入力され記憶されているので、変換部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(31)を読み出し取得した 後、 Ltを算出する(また、変換部 44がパラメータ記憶部 46にアクセスしてパラメータ 記憶部 46から Pvmaxの値を読み出し取得する。 )。
引き続き、変換部 44は、該対象画素データを第 3変換 (第 3色覚異常用)した後の Luvデータの V値 (vt)を求める。変換後の Luvデータの L値(Lt)と v値 (vt)とは、式( 24. 1)により示される楕円の楕円周上の点であるから、 V値 (vt)は上述のように求め られた L値 (Lt)を用い、式(24. 1)を変形した次の式(32) (なお、 vtは 0より大)から 計算される。なお式(32)も予め数式記憶部 47に入力され記憶されているので、変換 部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(32)を読み出し取得し た後、 vtを算出する(また、変換部 44がパラメータ記憶部 46にアクセスしてパラメータ 記憶部 46から Pvmaxの値を読み出し取得する。 )。
式(32)
vt = Pvmax/ 100 X (Li2— Lt2) 0 5
図 16にて示した対象画素データの具体例(画素番号 6、 Luvデータ(L, u, v) = (L 6, u6, v6)、ただし、 v6 >0)に含まれる L値及び v値がどのように変換されるかを (そ れぞれ Lt及び vt)図 18中に示した。図 18中の点 po (L, V) = (L6, v6)は、該対象 画素データの具体例(画素番号 6、 Luvデータ(L, u, V) = (L6, u6, v6)、ただし、 v 6 >0)の点を vL平面 (V軸と L軸とを含む平面)上に投影した点である。
力^^る, po (L, u) = (L6, u6) iま、図 18に示すように vL平面上にお!ヽて、 (Lm6 -L6)に対する、変換によって L値が減少する量 (変換後の L値 Lt6と変換前の L値 L 6との差、即ち(Lt6— L6) )の割合(即ち、(Lt6— L6)Z(Lm6— L6) )が、上記の S c6 (=v6/vm6)に等しくなるように L値 (Lt6)が定められ、該定めれた L値 (Lt6)に 応じた楕円 24の楕円周上の点 pt (L, V) = (Lt7, vt7)に変換される。このように対象 画素データの Luvデータ(L6, u6, v6)の L値及び V値がそれぞれ Lt6及び vt6に変 換されることで、より黄色が低輝度に変換 (即ち、 V値が大きいものほど L値が減少す る。)される。
[0099] 次いで、変換部 44は、対象画素データの Luv画像データ(L, u, v) = (Li, ui, vi) の u値 uiが正力 0以下かを判断し、 uiが正(>0)であれば、式(33)にて変換後の Lu Vデータの u値 (ut)の値を求める。そして変換部 44は、求めた u値 (ut)の値が負(ut く 0)か否力判断し負であると判断した場合は ut=0とする(こうすることで u utへ 変換することによって色相が反転することを防止する。 ) o
一方、変換部 44力 対象画素データの Luv画像データ(L, u, V) = (Li, ui, vi)の u値 uiが 0以下(0又はく 0)であれば、式(34)にて utの値を求める。そして変換部 44 は、求めた u値 (ut)の値が正 (ut>0)力否か判断し正であると判断した場合は ut= 0とする(こうすることで u utへ変換することによって色相が反転することを防止す る。)。
式(33)
ut=ui ~~ (Li— Lt)
式(34)
ut=ui+ (Li-Lt)
なお式(33)及び式(34)の 、ずれも予め数式記憶部 47に入力され記憶されて 、る ので、変換部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(33)及び式 (34)のいずれかを読み出し取得した後、 utを算出する。
[0100] その後、このように決定した ut (式(33)及び式(34)のいずれかによつて計算された 値力 又は 0)の値が、ディスプレイが表示し得る範囲内に存する力否かを変換部 44 はチェックをし、該範囲内に存しないと判断した場合は ut値を次のように補正する。 該補正の基本的な考え方は、変換後の Ltの値と、図 10の u2、 u4の変化軸範囲(た だし、図 10では基準軸範囲しか示していないが、領域の範囲は全 RGB値を Luv値 に変換することにより求めているので、変化軸範囲も同時に求めている。変化軸しの 範囲は、 u2は 53. 3〜: LOO. 0、 u4は 87. 8〜91. 2である。;)、および図 11の ul〜u 5の近似式により、 L=Ltにおける uの最小値、最大値が決まる。なお、これら図 10及 び図 11に示すデータは、予め数式記憶部 47に入力され記憶されているので、変換 部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から自由に読み出し取得する ことができる。該決定した utの値力この最小値力 最大値までの範囲力 外れる場合
、ディスプレイが表示し得る範囲内に存しないと変換部 44は判断し、 ut値を、変換後 の Ltの値における最小値または最大値 (変換後の utが近 、方)に置き換えることで 補正する。具体的に述べれば、(l) ut>0の場合、 Ltが 0以上かつ 53. 3未満(0≤L t< 53.3)の時には図 11の ulの式を用い、 Ltが 53. 3以上かつ 100. 0以下(53.3≤L t≤ 100)の時には図 11の u2の式を用いて uの最大値を求め、 utがそれより大き!/、時 は、その最大値を utの値とする。(2) utが 0以下の場合、 Ltが 91. 2以上かつ 100以 下(91.2≤Lt≤100)の時には図 11の u3の式を用い、 Ltが 87. 8以上かつ 91. 2未 満(87.8≤Ltく 91.2)の時には図 11の u4の式を用い、 Ltが 0以上かつ 87. 8未満(0 ≤ Ltく 87.8)の時には図 11の u5の式を用いて uの最小値を求め、 utがそれより小さ い時は、その最小値を utの値とする。
[0101] 以上のようにして、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, V) = (Li, ui, vi ) )に含まれる Luvデータ (Li, ui, vi)は、変換後のデータ (Lt, ut, vt) (以下、変換 後データという。 )に変換される。
その後、変換部 44は、この変換後データ (Lt, ut, vt)をデータ記憶部 42に送信し データ記憶部 42に記憶させる。なお、変換後データ (Lt, ut, vt)をデータ記憶部 42 に記憶させる順番は、データ記憶部 42が記憶して 、る Luv画像データに含まれる画 素データの順番と同じ順番である(即ち、データ記憶部 42が記憶している Luv画像 データに含まれる元の画素データの順番通りに、変換後データ (Lt, ut, vt)はデー タ記憶部 42に記憶される。なお、変換後データ (Lt, ut, vt)がデータ記憶部 42に記 憶される記憶領域は、 Luv画像データに含まれる元の画素データの記憶領域とは異 なる。 ) oさらに、変換部 44は、データ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含 まれる画素データのうち未だ読み出されていないものを 1つ読み出し送信するよう命 令する読み出し命令信号を対象画像データ抽出部 43に送信する(これによりデータ 記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる次の画素データが対象画素デ ータとなり、処理される。)。
[0102] 以上説明したような変換によって、図 16にて示した対象画素データの具体例(画素 番号 6、 Luvデータ(L, u, V) = (L6, u6, v6)、ただし、 v6 >0)力 どのように変換さ れるかを図 19に示した。なお、 V値 L値がどのように変換される力 (点 po (L6, v6)から
点 pt (Lt6, vt6)への変換)は、既に詳しく図 18を用いて説明したのでそれに関して は図 18及びその説明を参照された 、。
ここに図 19中には、 u6が正(>0)である場合の変換後の位置を点 p6a (Lt6, ut6 , vt6)として示し、 u6が 0以下(0又はく 0)である場合の変換後の位置を点 p6b (Lt6 , ut6, vt6)として示した。ただし、点 p6aの ut6=u6—(L6— Lt6)であり、点 p6bの ut6=u6+ (L6— Lt6)である。
このように変換後の u座標を式 (33)又は式 (34)にて算出することで、変換前と変 換後で、色相が大きく変化するのを抑止できる (変換の前後で色合いが大きく変わつ たと感じさせない。)。
(Vが負の場合の処理)
V値 (vi)が 0より大きいと判断しな力つた変換部 44は、さらに V値 (vi)が 0より小さい か否か判断し、 V値 (vi)が 0より小さいと判断した場合、以下説明する「vが負の場合 の処理」を行う。
V値 (vi)が 0より小さいと判断した変換部 44は、 Luv画像データの Luvデータ(L, u , V) = (Li, ui, vi)に含まれる Lの数値 Liを用いて vと Lとの 2軸直交軸における次の 楕円の式(35)を作成する。この式(35)により示される楕円は、 vL平面(図 20にて示 したように互いに直交する 3軸である L軸、 u軸及び V軸のうち、 V軸と L軸との 2軸を含 む平面をいう。)上に存し、中心 (V, L) = (0, 100)であり、長径 (L軸方向の径)が(1 00— Li)であり、そして短径 (V軸方向の径)が(Pvmin X (100— Li) ZlOO)である。 後述するように、対象画素データの V値と L値とが、この式(35)によって示される楕円 の円周上 (楕円周上)に存する点の座標となるように対象画素データの V値と L値とを 変換する。
式(35)
Vソ (Pvmin X (100—Li) /100) 2+ (L— 100) 2/ (100—Li) 2= 1
なお、式(35)中、 Pvminはパラメータである。本装置 11に接続されたキーボードや タツチパネル等( 、ずれも図示せず)を通じて本装置 11の使用者が Pvminの値を予 めパラメータ記憶部 46に入力し、パラメータ記憶部 46が Pvminの値を記憶して 、る 。このため変換部 44が式(35)を作成する際には、変換部 44がパラメータ記憶部 46
にアクセスしてパラメータ記憶部 46から Pvminの値を読み出し取得する。
そして、式(35)を変形すると、 Lは 0より大きく 100より小さいので、式(35. 1)が得 られる。なお、 L (Li)力 O又は 100になるのは、 u(ui) =v(vi) =0のときであり、この場 合は uが 0の場合の処理又は Vが 0の場合の処理が行われることから、ここでは Lは 0 より大きく 100より/ Jヽさい。
式(35. 1)
L= 100—(100— Li) X (l-vV(PvminX (100—Π) /100) 2) °· 5
[0104] 図 20にて示した対象画素データの具体例(画素番号 9、 Luvデータ(L, u, v) = (L 9, u9, v9)、ただし、 v9は 0より小さい。図 20中、点 p9)に関して式(35)を作成すれ ば、次の式(35. 2)になる。
式(35. 2)
vV(Pvmin X (100— L9) /100) 2+ (L— 100) 2/ (100— L9) 2= l この式(35. 2)にて示される楕円を図 21に示した。また、図 21には、ディスプレイが 表示し得る範囲を点線によって囲って示した。なお、ディスプレイが表示し得る範囲 の求め方については、前記したディスプレイ色範囲の算出手順、境界線上の色座標 値の算出手順及び境界線の近似式の導出手順によって行われる。そして、図 21中、 実線 F4により式(35. 2)にて示される該楕円を示したが、該楕円のうち、ディスプレイ が表示し得る範囲内の部分 (即ち、図 21中、点線により囲まれた範囲内の部分)がこ この処理に関係するため該範囲内に存し、かっここでは Vが負の場合を扱うため Vが 負の部分を示している。
[0105] 次!、で、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, u i, vi) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)が 60. 4より大きいか否力判断し、 L値 (Li) 力 4より大きいと判断した場合はその L値 (Li)においてディスプレイが表示し得る V値の最小値を第 1基準値 vmとする。力かる V値の最小値 (ここでは第 1基準値 vmと される。 )は、次の式(36)中の L値に対象画素データの L値 (Li)を代入して求められ る Vの値とする力 カゝかる式(36)の導出方法については、既に説明したディスプレイ 色範囲の算出手順、境界線上の色座標値の算出手順及び境界線の近似式の導出 手順によって行われ、導出された式(36)は予め数式記憶部 47に入力され記憶され
ている(具体的には、式(36)は、図 11中の線 v4の式)。このため変換部 44力 L値( Li)が 60. 4より大きいと判断した場合には数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(36)を読み出し取得する。
式(36)
v= 2. 78401 X L— 278. 237
[0106] そして、変換部 44力 対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui , vi) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)が 60. 4より大きいと判断しない場合 (即ち、 L値 (Li)が 60. 4以下)は、さらに L値 (Li)が 39. 0より大きいか否か判断し、 39. 0よ り大きいと判断した場合は、その L値 (Li)においてディスプレイが表示し得る V値の最 小値を第 1基準値 vmとする。力かる V値の最小値 (ここでは第 1基準値 vmとされる。) は、次の式(37)中の L値に対象画素データの L値 (Li)を代入して求められる Vの値 とするが、力かる式(37)の導出方法については、既に説明したディスプレイ色範囲 の算出手順、境界線上の色座標値の算出手順及び境界線の近似式の導出手順に よって行われ、導出された式(37)は予め数式記憶部 47に入力され記憶されている( 具体的には、式(37)は、図 11中の線 v5の式)。このため変換部 44力 L値 (Li)が 6 0. 4より大きいと判断せずかつ 39. 0より大きいと判断した場合には数式記憶部 47に アクセスして数式記憶部 47から式(37)を読み出し取得する。
式(37)
v=—0. 000944111 X L3+0. 186393 X L2— 10. 2379 X L + 37. 5197
[0107] さらに、変換部 44が、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui , vi) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)が 60. 4より大きいと判断しない場合 (即ち、 L値 (Li)が 60. 4以下)は、さらに L値 (Li)が 39. 0より大きいか否か判断し、 39. 0よ り大きいと判断しない場合 (即ち、 L値 (Li)が 39. 0以下)は、第 1基準値 vmは一 134 . 0896 (ディスプレイが表示し得る V値の最小値)とされる。
[0108] 図 20にて示した対象画素データの具体例(画素番号 9、 Luvデータ(L, u, v) = (L 9, u9, v9)、ただし、 v9く 0)を考えれば、 L値 (L9)力 ½0. 4より大きいと変換部 44 が判断した場合には、第 1基準値 vm9は次の式(36. 1)にて算出される。このように して算出した第 1基準値 vm9を図 21に示した。
式(36. 1)
vm9 = 2. 78401 X L9— 278. 237
一方、 L値 (L9)が 60. 4より大きいと判断せずかつ 39. 0より大きいと変換部 44が 判断した場合には、第 1基準値 vm9は次の式(37. 1)にて算出される。このようにし て算出した第 1基準値 vm9を図 21に示した。
式(37. 1)
vm9 =— 0. 000944111 X L93 + 0. 186393 X L92— 10. 2379 X L9 + 37. 51 97
そして、 L値 (L9)が 60. 4より大きいと判断せず、さらに 39. 0より大きいと判断しな い場合 (即ち、 L値 (Li)が 39. 0以下)には、第 1基準値 vm6は一 134. 0896とされ る。このように L値 (L9)が 39. 0以下であると判断した場合に第 1基準値 vm9とされる 一 134. 0896も図 21に示した。
[0109] そして、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui , vi) )に含まれる Luvデータの v値 vi力 上記のようにして決定された第 1基準値 vm に対する割合 Sc (=vi/vm)を求める。
例えば、図 20にて示した対象画素データの具体例(画素番号 9、 Luvデータ (L, u , V) = (L9, u9, v9)、ただし、 v9く 0)を例に挙げれば、 Luvデータの v値 v9力 決 定された第 1基準値 vm9に対する割合 Sc9=v9Zvm9を求める。
[0110] 続いて、変換部 44は、式(35. 1)によって示される楕円の楕円周上の点のうちディ スプレイが表示し得る範囲内に存するもので L値が最大の点を (Lm, vem)とし、この vemを求める。例えば、図 20にて示した対象画素データの具体例(画素番号 9、 Luv データ(L, u, V) = (L9, u9, v9)、ただし、 v9< 0)を例に挙げれば、図 21に点 M9 ( Lm9, vem9)として示した。図 21から理解されるように、点 M9 (Lm9, vem9)は、図 21に示された式(35. 1)によって示される楕円(実線 F4)の楕円周上の点のうち、図 21に示されたディスプレイが表示し得る範囲(点線にて囲まれた範囲)内に存するも ので L値が最大の点である。以下、 vemの算出方法を説明する。
[0111] (vemの算出方法)
第 1に、式(38)を考える。
式(38)
vV (Pvmin) 2+ (L— 100) 2/ (100) 2= 1
この式(38)にて示される楕円(以下、「楕円 38」という。)を図 22に示した。また、図 22には、図 21と同様、ディスプレイが表示し得る範囲を点線によって囲って示し、式 (35)によって示される楕円(以下、「楕円 35」という。)も同様に示した。
[0112] 第 2に、この式(38)によって示される楕円の楕円周上の点のうちディスプレイが表 示し得る範囲内に存するもので L値が最大の点を (LmO, vemO)とするとこの vemO を次の式(39)にて求める。なお、該最大の点(LmO, vemO)を、図 22中、点 MO (L mO, vemO)として示した。式(39)の導出方法については、以下述べる通りであるが 、導出された式(39)は予め数式記憶部 47に入力され記憶されている。このため変 換部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(39)を読み出し取得 した後、 vemOを算出する。
式(39)は、式(38)と式(36) (Vが負におけるディスプレイが表示し得る V値の最小 値を与える。)との Vが負における交点の V座標 vemOを GNU Octaveを用いて求め ることで得た。具体的には、 GNU Octaveを使って、式(38)の Pvminを一 100から 一 10まで 0. 2間隔で変化させ、それぞれの場合について式(38)と式(36)との交点 (L, V)を求める。その結果、 (Pvmin, L, v)の 3つの値の組力 51個得られる。続い て、 GNU Octaveを使って、この中の 2つの値(Pvmin, v)の関係式(近似式)であ る式(39)を得た。
式(39)
vemO = 0. 000945382 X (Pvmin) 2+ 1. 04221 X (Pvmin) +0. 515752 [0113] 第 3に、変換部 44は、第 2において求められた vemOを次の式 (40)に代入して ve mを求める。式 (40)の導出方法については、以下述べる通りであるが、導出された 式 (40)は予め数式記憶部 47に入力され記憶されている。このため変換部 44が、数 式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式 (40)を読み出し取得した後、 vem を算出する。
ここに式(40)は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, V) = (Li, ui, vi ) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)力 より大きく 100より小さ!/、際に vemOを用いて
vemを近似する近似式である(なお、式 (40)中の Liは、対象画素データに含まれる Luvデータの L値(Li)である。また、 L (Li)力O又は 100になるのは、 u (ui) =v (vi) =0のときであり、この場合は uが 0の場合の処理又は Vが 0の場合の処理が行われる こと力 、ここでは Lは 0より大きく 100より小さい。 ) o vL平面においてディスプレイが 表示し得る Vが負における Lの最大値を示す境界線 (即ち、式(36)により近似される 線)は、 (L, u) = (100, 0)を通過する直線 (即ち、 L = a Xv+ 100、但し aは定数)に よりほぼ近似することができ、該直線の式: L = a Xv+ 100を用いて式(38)の Lを消 去すると vemOが得られ、そして該直線の式を用いて式(35)の Lを消去すると vemが 得られ、それらから式 (40)が得られる。なお、式 (40)は、小さな誤差により極めてうま く近似することがでさる。
式 (40)
vem=vemO X (100-Li) /100
図 20にて示した対象画素データの具体例(画素番号 9、 Luvデータ (L, u, V) = (L 9, u9, v9)、ただし、 v9く 0)を例に挙げれば、この具体例に関する vemである vem 9は次の式 (40. 1)により算出される。
式(40. 1)
vem9=vemO X (100-L9) /100
その後、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ (L, u, v) = (Li, u i, vi) )を第 3変換 (第 3色覚異常用)した後の Luvデータの L値 (Lt)を求める。かかる 変換後の L値 (Lt)の算出方法は、ディスプレイが表示可能な色範囲内で、ある輝度 における青色の度合に応じて輝度を増加させるように行われるものであり、(Lm— Li )に対する、変換によって L値が増加する量 (変換後の L値 Ltと変換前の L値 Liとの 差、即ち(Lt— Li) )の割合 (即ち、(Lt— Li) Z (Lm— Li) )が、上記した Sc ( =viZv m)に等しくなるように L値 (Lt)を定める。なお、(Lm— Li)は、 L = Liである全ての色 の中で、本変換処理で最も高輝度に変換される色の変換後の L値 Lmと、変換前の L 値 Liと、の差を示す。
具体的には、 Ltは式 (41)にて示される。
式 (41)
(Lt-Li) / (Lm-Li) =Sc (=vi/vm)
式 (41)を変形すると、式 (41. 1)が得られる。
式 (41. 1)
Lt=Sc X (Lm-Li) +Li
[0115] なお、式 (41. 1)中の Lmは、上述したように式(35. 1)によって示される楕円の楕 円周上の点のうちディスプレイが表示し得る範囲内に存するもので L値が最大の点( Lm, vem)の L値である。ここに点(Lm, vem)は式(35. 1)によって示される楕円の 楕円周上の点であるから、次の式 (42)を満たす。
式 (42)
Lm= 100—(100— Li) X (l -vemV (Pvmin X (100— Li) Zl00) 2) °' 5 そして、式 (42)の vemに式 (40)を代入し、それによつて得られる式をさらに式 (41 . 1)に代入すると式 (43)が得られる。
式 (43)
Lt = Sc X (Lm-Li) +Li
=Li+ (100— Li) X Sc X ( 1 - ( 1 - vemO (Pvmin) 2) °' 5)
[0116] この式 (43)を用いて変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ (L, u , ν) = (Li, ui, vi) )を第 3変換 (第 3色覚異常用)した後の Luvデータの L値 (Lt)を 求める。なお式 (43)は予め数式記憶部 47に入力され記憶されているので、変換部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式 (43)を読み出し取得した 後、 Ltを算出する(また、変換部 44がパラメータ記憶部 46にアクセスしてパラメータ 記憶部 46から Pvminの値を読み出し取得する。 )。
引き続き、変換部 44は、該対象画素データを第 3変換 (第 3色覚異常用)した後の Luvデータの V値 (vt)を求める。変換後の Luvデータの L値(Lt)と v値 (vt)とは、式( 35. 1)により示される楕円の楕円周上の点であるから、 V値 (vt)は上述のように求め られた L値 (Lt)を用い、式(35. 1)を変形した次の式 (44) (なお、 vtは 0より小)から 計算される。なお式 (44)も予め数式記憶部 47に入力され記憶されているので、変換 部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式 (44)を読み出し取得し た後、 vtを算出する(また、変換部 44がパラメータ記憶部 46にアクセスしてパラメータ
記憶部 46から Pvminの値を読み出し取得する。 )。
式 (44)
vt = Pvmin/ 100 X ( ( 1— Li) 2—(Lt 100) 2)。· 5
[0117] 図 20にて示した対象画素データの具体例(画素番号 9、 Luvデータ (L, u, v) = (L 9, u9, v9)、ただし、 v9く 0)に含まれる L値及び v値がどのように変換されるかを (そ れぞれ Lt及び vt)図 22中に示した。図 22中の点 po (L, v) = (L9, v9)は、該対象 画素データの具体例(画素番号 9、 Luvデータ(L, u, V) = (L9, u9, v9)、ただし、 v 9< 0)の点を vL平面 (V軸と L軸とを含む平面)上に投影した点である。
力力る, po (L, u) = (L9, u9) iま、図 22に示すように vL平面上にお!/、て、 (Lm9 -L9)に対する、変換によって L値が増加する量 (変換後の L値 Lt9と変換前の L値 L 9との差、即ち(Lt9一 L9) )の割合(即ち、(Lt9 L9)Z(Lm9— L9) )が、上記の S c9 (=v9/vm9)に等しくなるように L値 (Lt9)が定められ、該定めれた L値 (Lt9)に 応じた楕円 35の楕円周上の点 pt (L, V) = (Lt9, vt9)に変換される。このように対象 画素データの Luvデータ(L9, u9, v9)の L値及び V値がそれぞれ Lt9及び vt9に変 換されることで、より青い色が高輝度に変換 (即ち、 V値が小さいものほど L値が増加 する。)される。
[0118] 次いで、変換部 44は、対象画素データの Luv画像データ(L, u, v) = (Li, ui, vi) の u値 uiが正力 0以下かを判断し、 uiが正(>0)であれば、式 (45)にて変換後の Lu Vデータの u値 (ut)の値を求める。そして変換部 44は、求めた u値 (ut)の値が負(ut く 0)か否力判断し負であると判断した場合は ut=0とする(こうすることで u utへ 変換することによって色相が反転することを防止する。 ) o
一方、変換部 44力 対象画素データの Luv画像データ(L, u, V) = (Li, ui, vi)の u値 uiが 0以下(0又はく 0)であれば、式 (46)にて utの値を求める。そして変換部 44 は、求めた u値 (ut)の値が正 (ut>0)力否か判断し正であると判断した場合は ut= 0とする(こうすることで u utへ変換することによって色相が反転することを防止す る。)。
式 (45)
ut = ui ~~ (Lt Li;
式 (46)
ut=ui+ (Lt-Li)
なお式 (45)及び式 (46)の 、ずれも予め数式記憶部 47に入力され記憶されて 、る ので、変換部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式 (45)及び式 (46)のいずれかを読み出し取得した後、 utを算出する。
[0119] その後、このように決定した ut (式 (45)及び式 (46)のいずれかによつて計算された 値力 又は 0)の値が、ディスプレイが表示し得る範囲内に存する力否かを変換部 44 はチェックをし、該範囲内に存しないと判断した場合は ut値を次のように補正する。 該補正の基本的な考え方は、変換後の Ltの値と、図 10の u2、 u4の変化軸範囲(た だし、図 10では基準軸範囲しか示していないが、領域の範囲は全 RGB値を Luv値 に変換することにより求めているので、変化軸範囲も同時に求めている。変化軸しの 範囲は、 u2は 53. 3〜: LOO. 0、 u4は 87. 8〜91. 2である。;)、および図 11の ul〜u 5の近似式により、 L=Ltにおける uの最小値、最大値が決まる。なお、これら図 10及 び図 11に示すデータは、予め数式記憶部 47に入力され記憶されているので、変換 部 44が、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から自由に読み出し取得する ことができる。該決定した utの値力この最小値力 最大値までの範囲力 外れる場合 、ディスプレイが表示し得る範囲内に存しないと変換部 44は判断し、 ut値を、変換後 の Ltの値における最小値または最大値 (変換後の utが近 、方)に置き換えることで 補正する。具体的に述べれば、(l) ut>0の場合、 Ltが 0以上かつ 53. 3未満(0≤L t< 53.3)の時には図 11の ulの式を用い、 Ltが 53. 3以上かつ 100. 0以下(53.3≤L t≤ 100)の時には図 11の u2の式を用いて uの最大値を求め、 utがそれより大き!/、時 は、その最大値を utの値とする。(2) utが 0以下の場合、 Ltが 91. 2以上かつ 100以 下(91.2≤Lt≤100)の時には図 11の u3の式を用い、 Ltが 87. 8以上かつ 91. 2未 満(87.8≤Ltく 91.2)の時には図 11の u4の式を用い、 Ltが 0以上かつ 87. 8未満(0 ≤ Ltく 87.8)の時には図 11の u5の式を用いて uの最小値を求め、 utがそれより小さ い時は、その最小値を utの値とする。
[0120] 以上のようにして、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui, vi ) )に含まれる Luvデータ (Li, ui, vi)は、変換後のデータ (Lt, ut, vt) (以下、変換
後データという。 )に変換される。
その後、変換部 44は、この変換後データ (Lt, ut, vt)をデータ記憶部 42に送信し データ記憶部 42に記憶させる。なお、変換後データ (Lt, ut, vt)をデータ記憶部 42 に記憶させる順番は、データ記憶部 42が記憶して 、る Luv画像データに含まれる画 素データの順番と同じ順番である(即ち、データ記憶部 42が記憶している Luv画像 データに含まれる元の画素データの順番通りに、変換後データ (Lt, ut, vt)はデー タ記憶部 42に記憶される。なお、変換後データ (Lt, ut, vt)がデータ記憶部 42に記 憶される記憶領域は、 Luv画像データに含まれる元の画素データの記憶領域とは異 なる。 ) oさらに、変換部 44は、データ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含 まれる画素データのうち未だ読み出されていないものを 1つ読み出し送信するよう命 令する読み出し命令信号を対象画像データ抽出部 43に送信する(これによりデータ 記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる次の画素データが対象画素デ ータとなり、処理される。)。
[0121] 以上説明したような変換によって、図 20にて示した対象画素データの具体例(画素 番号 9、 Luvデータ(L, u, V) = (L9, u9, v9)、ただし、 v9< 0)が、どのように変換さ れるかを図 23に示した。なお、 V値 L値がどのように変換される力 (点 po (L9, v9)から 点 pt (Lt9, vt9)への変換)は、既に詳しく図 22を用いて説明したのでそれに関して は図 22及びその説明を参照された 、。
ここに図 23中には、 u9が正(>0)である場合の変換後の位置を点 p9a (Lt9, ut9 , vt9)として示し、 u9が 0以下(0又はく 0)である場合の変換後の位置を点 p9b (Lt9 , ut9, vt9)として示した。ただし、点 p9aの ut9=u9—(Lt9— L9)であり、点 p9bの ut9=u9+ (Lt9— L9)である。
このように変換後の u座標を式 (45)又は式 (46)にて算出することで、変換前と変 換後で、色相が大きく変化するのを抑止できる (変換の前後で色合いが大きく変わつ たと感じさせない。)。
[0122] (Vが 0の場合)
V値 (vi)が 0より大きいと判断しな力つた変換部 44は、さらに V値 (vi)が 0より小さい か否か判断し、 V値 (vi)が 0より小さいと判断しない場合 (即ち、 viが 0である。)、対象
画素データに係る Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui, vi)をそのまま変換後のデータ(L t, ut, vt)としてデータ記憶部 42に送信しデータ記憶部 42に記憶させる(即ち、 viが 0の場合、 Luvデータ (Li, ui, vi)は変更されない。 )0なお、この変換後データ (Lt, ut, vt)をデータ記憶部 42に記憶させる順番は、データ記憶部 42が記憶している Lu V画像データに含まれる画素データの順番と同じ順番である(即ち、データ記憶部 42 が記憶して 、る Luv画像データに含まれる元の画素データの順番通りに、変換後デ ータ(Lt, ut, vt)はデータ記憶部 42に記憶される。なお、変換後データ(Lt, ut, vt )がデータ記憶部 42に記憶される記憶領域は、 Luv画像データに含まれる元の画素 データの記憶領域とは異なる。 ) o
その後、変換部 44は、データ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる 画素データのうち未だ読み出されていないものを 1つ読み出し送信するよう命令する 読み出し命令信号を対象画像データ抽出部 43に送信する(これによりデータ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる次の画素データが対象画素データとな り、処理される。 ) o
前述したように、データ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる画素デ ータのうち未だ読み出されていないものを 1つ読み出し送信するよう命令する読み出 し命令信号を変換部 44から受信すると、対象画像データ抽出部 43はデータ記憶部 42にアクセスし、データ記憶部 42が記憶して 、る Luv画像データに含まれる画素デ ータのうち未だ読み出されていないものを 1つずつ読み出し取得した後、該読み出し 取得した 1の画素データを変換部 44へ送信する。これにより、変換部 44へ送信され た画素データは対象画素データとして処理されるので、データ記憶部 42が記憶して いる Luv画像データに含まれる画素データは 1つずつ処理を受ける。
読み出し命令信号を変換部 44から受信した対象画像データ抽出部 43が、データ 記憶部 42にアクセスし、データ記憶部 42が記憶して 、る Luv画像データに含まれる 画素データのうち未だ読み出されて 、な 、ものが存しな ヽ(即ち、全ての画素データ が読み出され、読み出されていない画素データがなくなった)と判断した場合には、 読出部 48へ起動信号を送信する。
該起動信号を対象画像データ抽出部 43から受信した読出部 48は、データ記憶部
42にアクセスし、データ記憶部 42が記憶している変換後のデータ (Lt, ut, vt)全て (n個)を読み出し取得し、該読み出し取得した変換後のデータ (Lt, ut, vt)全て (n 個)を色空間逆変換部 51へ送信する。その後、読出部 48は、データ記憶部 42にァ クセスし、データ記憶部 42の記憶を消去する。
[0124] 変換後のデータ (Lt, ut, vt)全て (n個)を読出部 48 (データ処理部 41)から受信し た色空間逆変換部 51は、 Luv色空間におけるデータとして示された変換後データ( Lt, ut, vt)全て (n個)を RGB画像データに変換する。なお、 Luv色空間におけるデ ータ(Lt, ut, vt)から RGB画像データへの変換は、変換後のデータ(Lt, ut, vt)全 て (n個)の画素データを RGB画像データへ変換することによって行う(n個ある画素 データそれぞれ変換する。 ) oかかる変換の方法は、既知であるのでここでは説明を 省略する。
n個の変換後データ (Lt, ut, vt)全てを RGB画像データへ変換した色空間逆変換 部 51は、該変換した n個の RGB画像データを出力部 61へ送信する。
該変換した n個の RGB画像データを色空間逆変換部 51から受信した出力部 61は 、該 RGB画像データに基づ ヽて表示部 15に画像を表示する。
[0125] 続いて、本装置 11の動作について説明する。
図 24は、本装置 11の動作を説明するフローチャートである。図 24を参照して、本 装置 11の動作について説明する。
まず、受付部 21は、デジタルカメラ部 13からの画像データを受信した力否力判断し (slOl)、画像データを受信したと判断した場合 (YES)には該受信した画像データ を色空間変換部 31に送信する(sl02)。受付部 21が、 slOlにて画像データを受信 したと判断しない場合 (NO)には、再び slOlへ戻る。
sl02にて受付部 21から送信された RGB画像データを受信した色空間変換部 31 は、 RGB画像データを Luv画像データに変換した後、該変換した Luv画像データを データ処理部 41へ送信する(sl03)。
[0126] sl03にて色空間変換部 31から送信された Luv画像データを、データ処理部 41の データ記憶部 42は受信し、 Luv画像データを受信したデータ記憶部 42は、該受信 した Luv画像データを記憶する(sl04)。 sl04の後、データ記憶部 42は、該受信し
た Luv画像データを変換部 44へ送信する(sl05)。
sl05にてデータ記憶部 42から送信された Luv画像データを受信した変換部 44は 、変換種別記憶部 45にアクセスし変換種別記憶部 45が記憶している変換種別を読 み出し (sl06)、第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)又は第 3変換 (第 3色覚異常用) の 、ずれの変換が指定されて!、るかを判断した後、該指定されて!、ると判断した変 換 (具体的には、第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)又は第 3変換 (第 3色覚異常用 )のいずれか)を行う(sl07)。なお、 sl07の変換 (第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常 用)、第 3変換 (第 3色覚異常用))についての動作は、後で詳しく述べる。
[0127] sl07にて変換 (第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)、第 3変換 (第 3色覚異常用)) された変換後のデータ (Lt, ut, vt)全て (n個)は、データ処理部 41の読出部 48から 色空間逆変換部 51へ送信され、該変換後のデータ (Lt, ut, vt)全て (n個)を受信し た色空間逆変換部 51は、 Luv色空間におけるデータとして示された変換後データ( Lt, ut, vt)全て(n個)を RGB画像データに変換した後、該変換した n個の RGB画 像データを出力部 61へ送信する(s 108)。
sl08にて色空間逆変換部 51から送信された該変換した n個の RGB画像データを 受信した出力部 61は、該 RGB画像データに基づ ヽて表示部 15に画像を表示させ る(sl09)。
sl09の後、作業終了力否力判断し (sl lO)、作業終了であると判断すれば (YES) 作業を終了し (END)、作業終了であると判断しなければ (NO)再び slOlへ戻る。
[0128] 図 25は、上記した sl07の動作のうち、 sl06にて第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常 用)が指定されていると判断した場合の動作を説明するフローチャートである。図 25 を参照して、第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)に係る sl07の本装置 11 (特に、デ ータ処理部 41)の動作について説明する。
第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)が指定されていると判断した変換部 44は、デ ータ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる画素データのうち未だ読み 出されていないものを 1つ読み出して変換部 44へ送信する読み出し命令信号を対 象画像データ抽出部 43に送信する(s201)。
[0129] s201にて変換部 44から送信された読み出し命令信号を受信した対象画像データ
抽出部 43は、データ記憶部 42にアクセスし、データ記憶部 42が記憶している Luv画 像データに含まれる画素データのうち未だ読み出されていないものが存するか否か 判断する(s202)。 s202にて対象画像データ抽出部 43が未だ読み出されていない ものが存すると判断した場合 (YES)、対象画像データ抽出部 43は、データ記憶部 4 2が記憶している Luv画像データに含まれる画素データのうち未だ読み出されていな いものを 1つ読み出し取得し、そして、対象画像データ抽出部 43は、データ記憶部 4 2から該読み出し取得した 1の画素データを変換部 44へ送信する(s203。なお、対 象画像データ抽出部 43から変換部 44へ送信されこれから処理される画素データを「 対象画素データ」という。 )0一方、 s202にて対象画像データ抽出部 43が未だ読み 出されていないものが存すると判断しない場合 (NO)、対象画像データ抽出部 43は 読出部 48へ起動信号を送信する(s209)。
[0130] s203にて対象画像データ抽出部 43から送信された対象画素データを受信した変 換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ (L, u, v) = (Li, ui, vi) )に含 まれる Luvデータの u値 (ui)が 0より大き 、か否か判断し(s204)、大き 、と判断した 場合 (YES)、「uが正の場合の処理」(s205)を行う。なお、 s205の「uが正の場合の 処理」についての動作は、後で詳述する。
s204にて変換部 44力 対象画素データに含まれる Luvデータの u値 (ui)が 0より 大き 、と判断しな 、場合 (NO)、 Luvデータの u値 (ui)が 0より小さ 、か否か判断し(s 206)、小さいと判断した場合 (YES)、「uが負の場合の処理」(s207)を行う。なお、 s 207の「uが負の場合の処理」についての動作は、後で詳述する。
s206にて変換部 44力 対象画素データに含まれる Luvデータの u値 (ui)が 0より 小さいと判断しない場合 (NO。即ち、この場合は u値 (ui)が 0である。)、「uが 0の場 合の処理」(s208)を行う。なお、 s208の「u力^の場合の処理」についての動作は、 後で詳述する。
[0131] 前述したように、 s202にて対象画像データ抽出部 43が未だ読み出されていないも のが存すると判断しない場合 (NO)には、 s209にて対象画像データ抽出部 43が読 出部 48へ起動信号を送信するが、 s209にて発せられた該起動信号を受信した読出 部 48は、データ記憶部 42にアクセスし、データ記憶部 42が記憶している変換後の
データ (Lt, ut, vt)全て (n個)を読み出し取得し、該読み出し取得した変換後のデ ータ(Lt, ut, vt)全て (n個)を色空間逆変換部 51へ送信する(s210)。 s210の後、 読出部 48は、データ記憶部 42にアクセスし、データ記憶部 42の記憶を消去する(s2 11)。 s211の後、 sl08へ行く。
[0132] 図 26は、上記した s205の「uが正の場合の処理」の動作を説明するフローチャート である。図 26を参照して、 s205の「uが正の場合の処理」の動作について説明する。 s204にて対象画素データに含まれる Luvデータの u値 (ui)力 SOより大き!/ヽと判断( YES)した変換部 44は、対象画素データの Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui, vi)に含 まれる Lの数値 Liを用 ヽて uと Lとの 2軸直交軸における楕円の式 (具体的には、前述 の式(1)及び式(1. 1) )を作成する(s301)。なお、変換部 44が楕円の式を作成す る際には、変換部 44がパラメータ記憶部 46にアクセスしてパラメータ記憶部 46から P umaxの値を適宜読み出し取得する。
[0133] 次!、で、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, u i, vi) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)力 3. 3以上であるか否か判断し(s302)、 L値 (Li)が 53. 3以上であると判断した場合 (YES)は変換部 44が数式記憶部 47に アクセスして数式記憶部 47から前述の式(2)を読み出し取得する(s303)。そして、 変換部 44は、 s303にて取得した式(2)中の L値に対象画素データの L値 (Li)を代 入して uの値を算出し(s304)、該算出した uの値 (L値 (Li)においてディスプレイが 表示し得る u値の最大値)を第 1基準値 umと記憶する。
一方、 s302において変換部 44力 対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u , ν) = (Li, ui, vi) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)が 53. 3以上であると判断しな い場合 (NO)は、変換部 44は、第 1基準値 umとして 175. 0213を記憶する(s305)
[0134] s304又は s305の後、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, V) = (Li, ui, vi) )に含まれる Luvデータの u値 uiが、 s304又は s305にて決定さ れた第 1基準値 umに対する割合 Sc ( =uiZum)を求める(s306)。
s306の後、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式 (4) を読み出し取得し (s307)、さらに変換部 44がパラメータ記憶部 46から Pumaxの値
を読み出し取得した後、 uemOを算出する(s308)。なお、 uemOは、前述の通り、上 記式(3)によって示される楕円の楕円周上の点のうちディスプレイが表示し得る範囲 内に存するもので L値が最大の点(LmO, uemO)の u座標である。
s308の後、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(5) を読み出し取得した後(s309)、 s309にて取得した式(5)に、 s308にて算出した ue mOと、対象画素データに含まれる Luvデータの L値 (Li)と、を代入して uemを算出 する(s310)。
[0135] s310の後、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(9) を読み出し取得し (s311)、さらに変換部 44がパラメータ記憶部 46から Pumaxの値 を読み出し取得した後、 s311にて取得した式(9)に、対象画素データに含まれる Lu Vデータの L値(Li)と、 s306にて算出した Scと、 s308にて算出した uemOと、を代入 して対象画素データを第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)した後の Luvデータの L 値(Lt)を求める(s312)。
[0136] 図 27は、上記した s205の「uが正の場合の処理」の動作のうち s313以降の動作を 説明するフローチャートである。図 27を参照して、 s313以降の「uが正の場合の処理 」の動作について説明する。
s312にて L値 (Lt)を算出した後、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式 記憶部 47から前述の式(10)を読み出し取得し (s313)、さらに変換部 44がパラメ一 タ記憶部 46から Pumaxの値を読み出し取得した後、 s312にて算出された L値 (Lt) と、対象画素データに含まれる Luvデータの L値 (Li)と、を式(10)に代入して対象 画素データを第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)した後の Luvデータの u値 (ut)を 求める(s314)。
[0137] s314の後、変換部 44は、対象画素データの Luv画像データ(L, u, v) = (Li, ui, vi)の v値 viが正か否かを判断し(s315)、 viが正 ( >0)であれば (YES)、変換部 44 は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から前述の式(11)を読み出し取得 し(s316)、対象画素データの Luv画像データ(Li, ui, vi)の v値 vi及び L値 Liと、 s3 12にて算出した Ltと、を式(11)に代入して vtの値を求める(s317)。その後、変換 部 44は、 s317にて算出した V値 (vt)の値が負(vtく 0)力否か判断し(s318)、負で
あると判断した場合 (YES)は vt=0とする(s319)。なお、 s318にて変換部 44力 s 317にて算出した V値 (vt)の値が負(vtく 0)であると判断しない場合 (NO)は、 s31 7にて算出した V値 (vt)の値のままにする (V値 (vt)変更せず)。
[0138] 一方、変換部 44力 s315にて対象画素データの Luv画像データ(L, u, v) = (Li , ui, vi)の ν値 viが正(>0)であると判断しない場合 (ΝΟ。即ち、 viが 0以下(0又は く 0) )、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から前述の式(1 2)を読み出し取得し(s320)、対象画素データの Luv画像データ(Li, ui, vi)の v値 v i及び L値 Liと、 s312にて算出した Ltと、を式(12)に代入して vtの値を求める(s321 )。その後、変換部 44は、 s321にて算出した V値 (vt)の値が正 (vt>0)力否か判断 し(s322)、正であると判断した場合 (YES)は vt=0とする(s323)。なお、 s322にて 変換部 44力 s321にて算出した V値 (vt)の値が正 (vt>0)であると判断しな 、場合 (NO)は、 s321にて算出した V値 (vt)の値のままにする(V値 (vt)変更せず)。
[0139] 図 28は、上記した s205の「uが正の場合の処理」の動作のうち s351以降の動作を 説明するフローチャートである。図 28を参照して、 s351以降の「uが正の場合の処理 」の動作について説明する。
上記のようにして V値 (vt)を求めた後(s319、 s318にて V値 (vt)の値が負(vtく 0) であると判断しなかった場合 (NO)、 s323、 s322にて v値 (vt)の値が正 (vt>0)で あると判断しなかった場合 (NO)、のいずれかの後)、変換部 44は、 vt >0か否力判 断し (s351)、 vt>0であると判断した場合 (YES)、変換部 44は、数式記憶部 47に アクセスして数式記憶部 47から L=Ltにおける Vの最大値を求める式を読み出し取 得する(s352)。具体的には、 Ltが 0以上かつ 87. 8未満(0≤Lt< 87.8)の時には図 11の vlの式を、 Ltが 87. 8以上かつ 97. 0未満(87.8≤Ltく 97.0)の時には図 11の v2の式を、そして Ltが 97. 0以上かつ 100以下(97.0≤Lt≤100)の時には図 11の V 3の式を s352において読み出し取得する。 s352において読み出し取得した式を用 い、該式の Lに Ltを代入して Vの最大値を求める(s353)。その後、 s353にて算出し た Vの最大値よりも vtが大きいか否力判断し (s354)、 Vの最大値よりも vtが大きいと判 断した場合 (YES)には、 s353にて求めた Vの最大値^ vtとする(s355)。 s354にて Vの最大値よりも vtが大きいと判断しない場合 (NO)には、 vtを変更しない。
一方、 s351にて vt>0であると判断しない場合 (NO)、変換部 44は、数式記憶部 4 7にアクセスして数式記憶部 47から L=Ltにおける Vの最小値を求める式を読み出し 取得する(s356)。具体的には、 Ltが 60. 4より大きくかつ 100以下(60.4< Lt≤100) の時には図 11の v4の式を、 Ltが 32. 4より大きく 60. 4以下(32.4く Lt≤60.4)の時 には図 11の v5の式を、そして Ltが 0以上 32. 4以下(0≤Lt≤32.4)の時には図 11の v6の式を s356において読み出し取得する。 s356において読み出し取得した式を用 い、該式の Lに Ltを代入して Vの最小値を求める(s357)。その後、 s357にて算出し た Vの最小値よりも vtが小さいか否力判断し (s358)、 Vの最小値よりも vtが小さいと判 断した場合 (YES)には、 s357にて求めた Vの最小値^ vtとする(s359)。 s358にて Vの最小値よりも vtが小さいと判断しない場合 (NO)には、 vtを変更しない。
[0140] 以上のようにして、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui, vi ) )に含まれる Luvデータ (Li, ui, vi)は、変換後データ (Lt, ut, vt)に変換される。 その後、変換部 44は、この変換後データ (Lt, ut, vt)をデータ記憶部 42に送信し データ記憶部 42に記憶させる(s360)。
以上のようにして 1の対象画素データに関する s205の「uが正の場合の処理」の動 作が終了する。
s360の後、 s201へ戻り、変換部 44は、データ記憶部 42が記憶している Luv画像 データに含まれる画素データのうち未だ読み出されていないものを 1つ読み出し送信 するよう命令する読み出し命令信号を対象画像データ抽出部 43に送信する(これに よりデータ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる次の画素データが対 象画素データとなり、処理される。 ) o
[0141] 図 29は、上記した s207の「uが負の場合の処理」の動作を説明するフローチャート である。図 29を参照して、 s207の「uが負の場合の処理」の動作について説明する。 s206にて対象画素データに含まれる Luvデータの u値 (ui)力Oより小さいと判断 (Y ES)した変換部 44は、対象画素データの Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui, vi)に含ま れる Lの数値 Liを用 ヽて uと との 2軸直交軸における楕円の式 (具体的には、前述 の式(13)及び式(13. 1) )を作成する(s401)。なお、変換部 44が楕円の式を作成 する際には、変換部 44がパラメータ記憶部 46にアクセスしてパラメータ記憶部 46か
ら Puminの値を適宜読み出し取得する。
[0142] 次!、で、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, u i, vi) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)力 8未満であるか否か判断し(s402)、 L値 (Li)が 87. 8未満であると判断した場合 (YES)は変換部 44が数式記憶部 47に アクセスして数式記憶部 47から前述の式(14)を読み出し取得する(s403)。そして、 変換部 44は、 s403にて取得した式(14)中の L値に対象画素データの L値 (Li)を代 入して uの値を算出し(s404)、該算出した uの値 (L値 (Li)においてディスプレイが 表示し得る u値の最小値)を第 1基準値 umと記憶する。
一方、 s402において変換部 44力 対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u , ν) = (Li, ui, vi) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)力 ¾ 7. 8未満であると判断しな い場合 (NO)は、変換部 44は、第 1基準値 umとして一 83. 0667 (ディスプレイが表 示し得る u値の最小値)を記憶する(s405)。
[0143] s404又は s405の後、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, V) = (Li, ui, vi) )に含まれる Luvデータの u値 uiが、 s404又は s405にて決定さ れた第 1基準値 umに対する割合 Sc ( =uiZum)を求める(s406)。
s406の後、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から前述の 式(16)を読み出し取得し (s407)、さらに変換部 44がパラメータ記憶部 46から Pumi nの値を読み出し取得した後、 uemOを算出する(s408)。なお、 uemOは、前述の通 り、上記の式(15)によって示される楕円の楕円周上の点のうちディスプレイが表示し 得る範囲内に存するもので L値が最小の点(LmO, uemO)の u座標である。
s408の後、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式(17) を読み出し取得した後(s409)、 s409にて取得した式(17)に、 s408にて算出した u emOと、対象画素データに含まれる Luvデータの L値 (Li)と、を代入して uemを算出 する(s410)。
[0144] s410の後、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から前記の 式(20)を読み出し取得し (s411)、さらに変換部 44がパラメータ記憶部 46から Pumi nの値を読み出し取得した後、 s411にて取得した式(20)に、対象画素データに含ま れる Luvデータの L値(Li)と、 s406にて算出した Scと、 s408にて算出した uemOと、
を代入して対象画素データを第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)した後の Luvデー タの L値(Lt)を求める(s412)。
[0145] 図 30は、上記した s207の「uが負の場合の処理」の動作のうち s413以降の動作を 説明するフローチャートである。図 30を参照して、 s413以降の「uが負の場合の処理 」の動作について説明する。
s412にて L値 (Lt)を算出した後、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式 記憶部 47から前述の式(21)を読み出し取得し (s413)、さらに変換部 44がパラメ一 タ記憶部 46から Puminの値を読み出し取得した後、 s412にて算出された L値 (Lt) と、対象画素データに含まれる Luvデータの L値 (Li)と、を式(21)に代入して対象 画素データを第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)した後の Luvデータの u値 (ut)を 求める(s414)。
[0146] s414の後、変換部 44は、対象画素データの Luv画像データ(L, u, v) = (Li, ui, vi)の v値 viが正か否かを判断し(s415)、 viが正 ( >0)であれば (YES)、変換部 44 は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から前述の式(22)を読み出し取得 し(s416)、対象画素データの Luv画像データ(Li, ui, vi)の v値 vi及び L値 Liと、 s4 12にて算出した Ltと、を式(22)に代入して vtの値を求める(s417)。その後、変換 部 44は、 s417にて算出した V値 (vt)の値が負(vtく 0)力否か判断し(s418)、負で あると判断した場合 (YES)は vt=0とする(s419)。なお、 s418にて変換部 44が、 s 417にて算出した V値 (vt)の値が負(vtく 0)であると判断しない場合 (NO)は、 s41 7にて算出した V値 (vt)の値のままにする (V値 (vt)変更せず)。
[0147] 一方、変換部 44力 s415にて対象画素データの Luv画像データ(L, u, v) = (Li , ui, vi)の ν値 viが正(>0)であると判断しない場合 (ΝΟ。即ち、 viが 0以下(0又は く 0) )、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から前述の式(2 3)を読み出し取得し(s420)、対象画素データの Luv画像データ(Li, ui, vi)の v値 v i及び L値 Liと、 s412にて算出した Ltと、を式(23)に代入して vtの値を求める(s421 )。その後、変換部 44は、 s421にて算出した V値 (vt)の値が正 (vt>0)力否か判断 し(s422)、正であると判断した場合 (YES)は vt=0とする(s423)。なお、 s422にて 変換部 44力 s421にて算出した V値 (vt)の値が正 (vt>0)であると判断しな 、場合
(NO)は、 s421にて算出した v値 (vt)の値のままにする(V値 (vt)変更せず)。
[0148] 図 31は、上記した s207の「uが負の場合の処理」の動作のうち s451以降の動作を 説明するフローチャートである。図 31を参照して、 s451以降の「uが負の場合の処理 」の動作について説明する。
上記のようにして V値 (vt)を求めた後(s419、 5418にて 値 (vt)の値が負(vtく 0) であると判断しなかった場合 (NO)、 s423、 s422にて v値 (vt)の値が正 (vt>0)で あると判断しなかった場合 (NO)、のいずれかの後)、変換部 44は、 vt >0か否力判 断し (s451)、 vt>0であると判断した場合 (YES)、変換部 44は、数式記憶部 47に アクセスして数式記憶部 47から L=Ltにおける Vの最大値を求める式を読み出し取 得する(s452)。具体的には、 Ltが 0以上かつ 87. 8未満(0≤Lt< 87.8)の時には図 11の vlの式を、 Ltが 87. 8以上かつ 97. 0未満(87.8≤Ltく 97.0)の時には図 11の v2の式を、そして Ltが 97. 0以上かつ 100以下(97.0≤Lt≤100)の時には図 11の V 3の式を s452において読み出し取得する。 s452において読み出し取得した式を用 い、該式の Lに Ltを代入して Vの最大値を求める(s453)。その後、 s453にて算出し た Vの最大値よりも vtが大きいか否力判断し (s454)、 Vの最大値よりも vtが大きいと判 断した場合 (YES)には、 s453にて求めた Vの最大値^ vtとする(s455)。 s454にて Vの最大値よりも vtが大きいと判断しない場合 (NO)には、 vtを変更しない。
一方、 s451にて vt>0であると判断しない場合 (NO)、変換部 44は、数式記憶部 4 7にアクセスして数式記憶部 47から L=Ltにおける Vの最小値を求める式を読み出し 取得する(s456)。具体的には、 Ltが 60. 4より大きくかつ 100以下(60.4< Lt≤100) の時には図 11の v4の式を、 Ltが 32. 4より大きく 60. 4以下(32.4く Lt≤60.4)の時 には図 11の v5の式を、そして Ltが 0以上 32. 4以下(0≤Lt≤32.4)の時には図 11の v6の式を s456において読み出し取得する。 s456において読み出し取得した式を用 い、該式の Lに Ltを代入して Vの最小値を求める(s457)。その後、 s457にて算出し た Vの最小値よりも vtが小さ 、か否か判断し (s458)、 Vの最小値よりも vtが小さ 、と判 断した場合 (YES)には、 s457にて求めた Vの最小値^ vtとする(s459)。 s458にて Vの最小値よりも vtが小さいと判断しない場合 (NO)には、 vtを変更しない。
[0149] 以上のようにして、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui, vi
) )に含まれる Luvデータ (Li, ui, vi)は、変換後データ (Lt, ut, vt)に変換される。 その後、変換部 44は、この変換後データ (Lt, ut, vt)をデータ記憶部 42に送信し データ記憶部 42に記憶させる(s460)。
以上のようにして 1の対象画素データに関する s207の「uが負の場合の処理」の動 作が終了する。
s460の後、 s201へ戻り、変換部 44は、データ記憶部 42が記憶している Luv画像 データに含まれる画素データのうち未だ読み出されていないものを 1つ読み出し送信 するよう命令する読み出し命令信号を対象画像データ抽出部 43に送信する(これに よりデータ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる次の画素データが対 象画素データとなり、処理される。 ) o
[0150] 図 32は、上記した s208の「uが 0の場合の処理」の動作を説明するフローチャート である。図 32を参照して、 s208の「uが 0の場合の処理」の動作について説明する。 s206にて変換部 44力 対象画素データに含まれる Luvデータの u値 (ui)が 0より 小さいと判断しない場合 (NO。即ち、この場合は u値 (ui)が 0である。)、変換部 44は 、対象画素データに係る Luvデータ (L, u, V) = (Li, ui, vi)をそのまま変換後のデ ータ (Lt, ut, vt)としてデータ記憶部 42に送信しデータ記憶部 42に記憶させる(s5 01)。即ち、 u値 (ui)が 0である場合には、対象画素データの Luvデータ(Li, ui, vi) がそのまま変換後のデータ (Lt, ut, vt)としてデータ記憶部 42に記憶される。
これにより 1の対象画素データに関する s208の「uが 0の場合の処理」の動作が終 了する。
s501の後、 s201へ戻り、変換部 44は、データ記憶部 42が記憶している Luv画像 データに含まれる画素データのうち未だ読み出されていないものを 1つ読み出し送信 するよう命令する読み出し命令信号を対象画像データ抽出部 43に送信する(これに よりデータ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる次の画素データが対 象画素データとなり、処理される。 ) o
[0151] 図 33は、上記した sl07の動作のうち、 sl06にて第 3変換 (第 3色覚異常用)が指 定されていると判断した場合の動作を説明するフローチャートである。図 33を参照し て、第 3変換 (第 3色覚異常用)に係る sl07の本装置 11 (特に、データ処理部 41)の
動作について説明する。
第 3変換 (第 3色覚異常用)が指定されていると判断した変換部 44は、データ記憶 部 42が記憶している Luv画像データに含まれる画素データのうち未だ読み出されて V、な 、ものを 1つ読み出して変換部 44へ送信する読み出し命令信号を対象画像デ ータ抽出部 43に送信する(s601)。
[0152] s601にて変換部 44から送信された読み出し命令信号を受信した対象画像データ 抽出部 43は、データ記憶部 42にアクセスし、データ記憶部 42が記憶している Luv画 像データに含まれる画素データのうち未だ読み出されていないものが存するか否か 判断する(s602)。 s602にて対象画像データ抽出部 43が未だ読み出されていない ものが存すると判断した場合 (YES)、対象画像データ抽出部 43は、データ記憶部 4 2が記憶している Luv画像データに含まれる画素データのうち未だ読み出されていな いものを 1つ読み出し取得し、そして、対象画像データ抽出部 43は、データ記憶部 4 2から該読み出し取得した 1の画素データを変換部 44へ送信する(s603。なお、対 象画像データ抽出部 43から変換部 44へ送信されこれから処理される画素データを「 対象画素データ」という。 )0一方、 s602にて対象画像データ抽出部 43が未だ読み 出されていないものが存すると判断しない場合 (NO)、対象画像データ抽出部 43は 読出部 48へ起動信号を送信する(s609)。
[0153] s603にて対象画像データ抽出部 43から送信された対象画素データを受信した変 換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ (L, u, v) = (Li, ui, vi) )に含 まれる Luvデータの v値 (vi)が 0より大き 、か否か判断し(s604)、大き 、と判断した 場合 (YES)、「vが正の場合の処理」(s605)を行う。なお、 s605の「vが正の場合の 処理」についての動作は、後で詳述する。
s604にて変換部 44力 対象画素データに含まれる Luvデータの V値 (vi)が 0より 大き 、と判断しな 、場合 (NO)、 Luvデータの V値 (vi)が 0より小さ 、か否か判断し(s 606)、小さいと判断した場合 (YES)、「vが負の場合の処理」(s607)を行う。なお、 s 607の「vが負の場合の処理」についての動作は、後で詳述する。
s606にて変換部 44力 対象画素データに含まれる Luvデータの V値 (vi)が 0より 小さいと判断しない場合 (NO。即ち、この場合は V値 (vi)が 0である。)、「vが 0の場
合の処理」(s608)を行う。なお、 s608の「v力^の場合の処理」についての動作は、 後で詳述する。
[0154] 前述したように、 s602にて対象画像データ抽出部 43が未だ読み出されていないも のが存すると判断しない場合 (NO)には、 s609にて対象画像データ抽出部 43が読 出部 48へ起動信号を送信するが、 s609にて発せられた該起動信号を受信した読出 部 48は、データ記憶部 42にアクセスし、データ記憶部 42が記憶している変換後の データ (Lt, ut, vt)全て (n個)を読み出し取得し、該読み出し取得した変換後のデ ータ(Lt, ut, vt)全て (n個)を色空間逆変換部 51へ送信する(s610)。 s610の後、 読出部 48は、データ記憶部 42にアクセスし、データ記憶部 42の記憶を消去する(s6 11)。 s611の後、 sl08へ行く。
[0155] 図 34は、上記した s605の「vが正の場合の処理」の動作を説明するフローチャート である。図 34を参照して、 s605の「vが正の場合の処理」の動作について説明する。 s604にて対象画素データに含まれる Luvデータの V値 (vi)力 SOより大き!/、と判断 ( Y ES)した変換部 44は、対象画素データの Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui, vi)に含ま れる Lの数値 Liを用いて vと Lとの 2軸直交軸における楕円の式 (具体的には、前述の 式(24)及び式(24. 1) )を作成する(s701)。なお、変換部 44が楕円の式を作成す る際には、変換部 44がパラメータ記憶部 46にアクセスしてパラメータ記憶部 46から P vmaxの値を適宜読み出し取得する。
[0156] 次!、で、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, u i, vi) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)力 8未満であるか否か判断し(s702)、 L値 (Li)が 87. 8未満であると判断した場合 (YES)は変換部 44が数式記憶部 47に アクセスして数式記憶部 47から前述の式(25)を読み出し取得する(s703)。そして、 変換部 44は、 s703にて取得した式(25)中の L値に対象画素データの L値 (Li)を代 入して Vの値を算出し(s704)、該算出した Vの値 (L値 (Li)においてディスプレイが表 示し得る V値の最大値)を第 1基準値 vmと記憶する。
一方、 s702において変換部 44力 対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u , ν) = (Li, ui, vi) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)力 ¾ 7. 8未満であると判断しな い場合 (NO)は、変換部 44は、第 1基準値 vmとして 107. 4177を記憶する(s705)
[0157] s704又は s705の後、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, V) = (Li, ui, vi) )に含まれる Luvデータの v値 viが、 s704又は s705にて決定さ れた第 1基準値 vmに対する割合 Sc ( =viZvm)を求める(s706)。
s706の後、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から前述の 式(27)を読み出し取得し (s707)、さらに変換部 44がパラメータ記憶部 46から Pvm axの値を読み出し取得した後、 vemOを算出する(s708)。なお、 vemOは、前述の 通り、上記式(26)によって示される楕円の楕円周上の点のうちディスプレイが表示し 得る範囲内に存するもので L値が最小の点(LmO, vemO)の v座標である。
s708の後、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から前述の 式(28)を読み出し取得した後(s709)、 s709にて取得した式(28)に、 s708にて算 出した vemOと、対象画素データに含まれる Luvデータの L値 (Li)と、を代入して ve mを算出する(s710)。
[0158] s710の後、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から前記の 式(31)を読み出し取得し (s711)、さらに変換部 44がパラメータ記憶部 46から Pvm axの値を読み出し取得した後、 s711にて取得した式(31)に、対象画素データに含 まれる Luvデータの L値(Li)と、 s706にて算出した Scと、 s708にて算出した vemOと 、を代入して対象画素データを第 3変換 (第 3色覚異常用)した後の Luvデータの L値 (Lt)を求める(s712)。
[0159] 図 35は、上記した s605の「vが正の場合の処理」の動作のうち s713以降の動作を 説明するフローチャートである。図 35を参照して、 s713以降の「vが正の場合の処理 」の動作について説明する。
s712にて L値 (Lt)を算出した後、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式 記憶部 47から前述の式(32)を読み出し取得し (s713)、さらに変換部 44がパラメ一 タ記憶部 46から Pvmaxの値を読み出し取得した後、 s712にて算出された L値 (Lt) と、対象画素データに含まれる Luvデータの L値 (Li)と、を式(32)に代入して対象 画素データを第 3変換 (第 3色覚異常用)した後の Luvデータの V値 (vt)を求める(s7 14)。
[0160] s714の後、変換部 44は、対象画素データの Luv画像データ(L, u, v) = (Li, ui, vi)の u値 uiが正か否かを判断し(s715)、 u値 uiが正( >0)であれば (YES)、変換 部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から前述の式(33)を読み出し 取得し(s716)、対象画素データの Luv画像データ(Li, ui, vi)の u値 ui及び L値 Li と、 s712にて算出した Ltと、を式(33)に代入して utの値を求める(s717)。その後、 変換部 44は、 s717にて算出した u値 (ut)の値が負(utく 0)力否力判断し( s 718)、 負であると判断した場合 (YES)は ut=0とする(s719)。なお、 s718にて変換部 44 力 s717にて算出した u値 (ut)の値が負(utく 0)であると判断しない場合 (NO)は、 s717にて算出した u値 (ut)の値のままにする(u値 (ut)変更せず)。
[0161] 一方、変換部 44力 s715にて対象画素データの Luv画像データ(L, u, v) = (Li , ui, vi)の u値 uiが正(>0)であると判断しない場合 (ΝΟ。即ち、 u値 uiが 0以下(0 又はく 0) )、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から前述の 式(34)を読み出し取得し(s720)、対象画素データの Luv画像データ (Li, ui, vi) の u値 ui及び L値 Liと、 s712にて算出した Ltと、を式(34)に代入して utの値を求め る(s721)。その後、変換部 44は、 s721にて算出した u値 (ut)の値が正 (vt>0)力 否か判断し(s722)、正であると判断した場合 (YES)は ut=0とする(s723)。なお、 s722にて変換部 44が、 s721にて算出した u値 (ut)の値が正 (vt>0)であると判断 しない場合 (NO)は、 s721にて算出した u値 (ut)の値のままにする (u値 (ut)変更せ ず)。
[0162] 図 36は、上記した s605の「vが正の場合の処理」の動作のうち s751以降の動作を 説明するフローチャートである。図 36を参照して、 s751以降の「vが正の場合の処理 」の動作について説明する。
上記のようにして u値 (ut)を求めた後(s719、 s718にて u値 (ut)の値が負(utく 0) であると判断しなかった場合 (NO)、 s723、 s722にて u値 (ut)の値が正(ut>0)で あると判断しなかった場合 (NO)、のいずれかの後)、変換部 44は、 ut>0か否か判 断し (s751)、 ut>0であると判断した場合 (YES)、変換部 44は、数式記憶部 47に アクセスして数式記憶部 47から L=Ltにおける uの最大値を求める式を読み出し取 得する(s752)。具体的には、 Ltが 0以上かつ 53. 3未満(0≤Lt< 53.3)の時には図
11の ulの式を、 Ltが 53. 3以上かつ 100. 0以下(53.3≤Lt≤100)の時には図 11の u2の式を s752において読み出し取得する。 s752において読み出し取得した式を用 い、該式の Lに Ltを代入して uの最大値を求める(s753)。その後、 s753にて算出し た uの最大値よりも utが大きいか否力判断し (s754)、 uの最大値よりも気が大きいと 判断した場合 (YES)には、 s753にて求めた uの最大値を utとする(s755)。 s754に て uの最大値よりも utが大きいと判断しない場合 (NO)には、 utを変更しない。
一方、 s751にて ut>0であると判断しない場合 (NO)、変換部 44は、数式記憶部 4 7にアクセスして数式記憶部 47から L=Ltにおける uの最小値を求める式を読み出し 取得する(s756)。具体的には、 Ltが 91. 2以上かつ 100以下(91.2≤Lt≤100)の時 には図 11の u3の式を、 Ltが 87. 8以上かつ 91. 2未満(87.8≤Ltく 91.2)の時には 図 11の u4の式を、 Ltが 0以上かつ 87. 8未満(0≤Lt< 87.8)の時には図 11の u5の 式を s756にお!/、て読み出し取得する。 s756にお!/、て読み出し取得した式を用い、 該式の Lに Ltを代入して uの最小値を求める(s757)。その後、 s757にて算出した u の最小値よりも utが小さ 、か否か判断し (s758)、 uの最小値よりも utが小さ 、と判断 した場合 (YES)には、 s757にて求めた uの最小値を utとする(s759)。 s758にて u の最小値よりも utが小さいと判断しない場合 (NO)には、 utを変更しない。
[0163] 以上のようにして、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui, vi ) )に含まれる Luvデータ (Li, ui, vi)は、変換後データ (Lt, ut, vt)に変換される。 その後、変換部 44は、この変換後データ (Lt, ut, vt)をデータ記憶部 42に送信し データ記憶部 42に記憶させる(s760)。
以上のようにして 1の対象画素データに関する s605の「vが正の場合の処理」の動 作が終了する。
s760の後、 s601へ戻り、変換部 44は、データ記憶部 42が記憶している Luv画像 データに含まれる画素データのうち未だ読み出されていないものを 1つ読み出し送信 するよう命令する読み出し命令信号を対象画像データ抽出部 43に送信する(これに よりデータ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる次の画素データが対 象画素データとなり、処理される。 ) o
[0164] 図 37は、上記した s607の「vが負の場合の処理」の動作を説明するフローチャート
である。図 37を参照して、 s607の「vが負の場合の処理」の動作について説明する。 s606にて対象画素データに含まれる Luvデータの V値 (vi)が 0より小さいと判断 (Y ES)した変換部 44は、対象画素データの Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui, vi)に含ま れる Lの数値 Liを用いて vと Lとの 2軸直交軸における楕円の式 (具体的には、前述の 式(35)及び式(35. 1) )を作成する(s801)。なお、変換部 44が楕円の式を作成す る際には、変換部 44がパラメータ記憶部 46にアクセスしてパラメータ記憶部 46から P vminの値を適宜読み出し取得する。
[0165] 次!、で、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, u i, vi) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)が 60. 4より大きいか否か判断し(s802)、 L 値 (Li)が 60. 4より大き 、と判断した場合 (YES)は変換部 44が数式記憶部 47にァ クセスして数式記憶部 47から前述の式(36)を読み出し取得する(s803)。そして、 変換部 44は、 s803にて取得した式(36)中の L値に対象画素データの L値 (Li)を代 入して Vの値を算出し(s804)、該算出した Vの値 (L値 (Li)においてディスプレイが表 示し得る V値の最小値)を第 1基準値 vmと記憶する。
一方、 s802において変換部 44力 対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u , ν) = (Li, ui, vi) )に含まれる Luvデータの L値 (Li)が 60. 4より大きいと判断しな い場合 (NO)は、 L値 (Li)力 39. 0より大きい力否力判断し(s881)、 39. 0より大きい と判断した場合 (YES)は、変換部 44が数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47 力も前述の式(37)を読み出し取得する(s882)。そして、変換部 44は、 s882にて取 得した式(37)中の L値に対象画素データの L値 (Li)を代入して Vの値を算出し (s88 3)、該算出した Vの値 (L値 (Li)にお 、てディスプレイが表示し得る V値の最小値)を 第 1基準値 vmと記憶する。
s881にて L値 (Li)が 39. 0より大きいと判断しない場合 (NO)は、変換部 44は、第 1基準値 vmとして一 134. 0896 (ディスプレイが表示し得る v値の最小値)を記憶す る(s884)。
[0166] s804、 s883又は s884の後、変換部 44は、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデー タ(L, u, V) = (Li, ui, vi) )に含まれる Luvデータの v値 viが、 s804、 s883又は s88 4にて決定された第 1基準値 vmに対する割合 Sc ( =viZvm)を求める(s806)。
s806の後、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から前述の 式(39)を読み出し取得し (s807)、さらに変換部 44がパラメータ記憶部 46から Pvmi nの値を読み出し取得した後、 vemOを算出する(s808)。なお、 vemOは、前述の通 り、上述の式(38)によって示される楕円の楕円周上の点のうちディスプレイが表示し 得る範囲内に存するもので L値が最大の点(LmO, vemO)の v座標である。
s808の後、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から式 (40) を読み出し取得した後(s809)、 s809にて取得した式 (40)に、 s808にて算出した v emOと、対象画素データに含まれる Luvデータの L値 (Li)と、を代入して vemを算出 する(s810)。
[0167] s810の後、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から前記の 式 (43)を読み出し取得し (s811)、さらに変換部 44がパラメータ記憶部 46から Pvmi nの値を読み出し取得した後、 s811にて取得した式 (43)に、対象画素データに含ま れる Luvデータの L値(Li)と、 s806にて算出した Scと、 s808にて算出した vemOと、 を代入して対象画素データを第 3変換 (第 3色覚異常用)した後の Luvデータの 1直( Lt)を求める(s812)。
[0168] 図 38は、上記した s607の「vが負の場合の処理」の動作のうち s813以降の動作を 説明するフローチャートである。図 38を参照して、 s813以降の「vが負の場合の処理 」の動作について説明する。
s812にて L値 (Lt)を算出した後、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式 記憶部 47から前述の式 (44)を読み出し取得し (s813)、さらに変換部 44がパラメ一 タ記憶部 46から Pvminの値を読み出し取得した後、 s812にて算出された L値 (Lt) と、対象画素データに含まれる Luvデータの L値 (Li)と、を式 (44)に代入して対象 画素データを第 3変換 (第 3色覚異常用)した後の Luvデータの V値 (vt)を求める(s8 14)。
[0169] s814の後、変換部 44は、対象画素データの Luv画像データ(L, u, v) = (Li, ui, vi)の u値 uiが正か否かを判断し(s815)、 u値 uiが正( >0)であれば (YES)、変換 部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から前述の式 (45)を読み出し 取得し(s816)、対象画素データの Luv画像データ(Li, ui, vi)の u値 ui及び L値 Li
と、 s812にて算出した Ltと、を式 (45)に代入して utの値を求める(s817)。その後、 変換部 44は、 s817にて算出した u値 (ut)の値が負(utく 0)力否力判断し(s818)、 負であると判断した場合 (YES)は ut=0とする(s819)。なお、 s818にて変換部 44 力 s817にて算出した u値 (ut)の値が負(utく 0)であると判断しない場合 (NO)は、 s817にて算出した u値 (ut)の値のままにする(u値 (ut)変更せず)。
[0170] 一方、変換部 44力 s815にて対象画素データの Luv画像データ(L, u, v) = (Li , ui, vi)の u値 uiが正(>0)であると判断しない場合 (ΝΟ。即ち、 u値 uiが 0以下(0 又はく 0) )、変換部 44は、数式記憶部 47にアクセスして数式記憶部 47から前述の 式 (46)を読み出し取得し(s820)、対象画素データの Luv画像データ (Li, ui, vi) の u値 ui及び L値 Liと、 s812にて算出した Ltと、を式(46)に代入して utの値を求め る(s821)。その後、変換部 44は、 s821にて算出した u値 (ut)の値が正 (ut>0)力 否か判断し(s822)、正であると判断した場合 (YES)は ut=0とする(s823)。なお、 s822にて変換部 44力 s821にて算出した u値 (ut)の値が正 (ut>0)であると判断 しない場合 (NO)は、 s821にて算出した u値 (ut)の値のままにする(u値 (ut)変更せ ず)。
[0171] 図 39は、上記した s607の「vが負の場合の処理」の動作のうち s851以降の動作を 説明するフローチャートである。図 39を参照して、 s851以降の「vが負の場合の処理 」の動作について説明する。
上記のようにして u値 (ut)を求めた後(s819、 s818にて u値 (ut)の値が負(utく 0) であると判断しなかった場合 (NO)、 s823、 s822にて u値 (ut)の値が正(ut>0)で あると判断しなかった場合 (NO)、のいずれかの後)、変換部 44は、 ut>0か否か判 断し (s851)、 ut>0であると判断した場合 (YES)、変換部 44は、数式記憶部 47に アクセスして数式記憶部 47から L=Ltにおける uの最大値を求める式を読み出し取 得する(s852)。具体的には、 Ltが 0以上かつ 53. 3未満(0≤Lt< 53.3)の時には図 11の ulの式を、 Ltが 53. 3以上かつ 100. 0以下(53.3≤Lt≤100)の時には図 11の u2の式を s852において読み出し取得する。 s852において読み出し取得した式を用 い、該式の Lに Ltを代入して uの最大値を求める(s853)。その後、 s853にて算出し た uの最大値よりも utが大きいか否力判断し (s854)、 uの最大値よりも気が大きいと
判断した場合 (YES)には、 s853にて求めた uの最大値を utとする(s855)。 s854に て uの最大値よりも utが大きいと判断しない場合 (NO)には、 utを変更しない。
一方、 s851にて ut>0であると判断しない場合 (NO)、変換部 44は、数式記憶部 4 7にアクセスして数式記憶部 47から L=Ltにおける uの最小値を求める式を読み出し 取得する(s856)。具体的には、 Ltが 91. 2以上かつ 100以下(91.2≤Lt≤100)の時 には図 11の u3の式を、 Ltが 87. 8以上かつ 91. 2未満(87.8≤Ltく 91.2)の時には 図 11の u4の式を、 Ltが 0以上かつ 87. 8未満(0≤Lt< 87.8)の時には図 11の u5の 式を s856にお!/、て読み出し取得する。 s856にお!/、て読み出し取得した式を用い、 該式の Lに Ltを代入して uの最小値を求める(s857)。その後、 s857にて算出した u の最小値よりも utが小さ 、か否か判断し (s858)、 uの最小値よりも utが小さ 、と判断 した場合 (YES)には、 s857にて求めた uの最小値を utとする(s859)。 s858にて u の最小値よりも utが小さいと判断しない場合 (NO)には、 utを変更しない。
[0172] 以上のようにして、対象画素データ(画素番号 i、 Luvデータ(L, u, v) = (Li, ui, vi ) )に含まれる Luvデータ (Li, ui, vi)は、変換後データ (Lt, ut, vt)に変換される。 その後、変換部 44は、この変換後データ (Lt, ut, vt)をデータ記憶部 42に送信し データ記憶部 42に記憶させる(s860)。
以上のようにして 1の対象画素データに関する s607の「vが負の場合の処理」の動 作が終了する。
s860の後、 s601へ戻り、変換部 44は、データ記憶部 42が記憶している Luv画像 データに含まれる画素データのうち未だ読み出されていないものを 1つ読み出し送信 するよう命令する読み出し命令信号を対象画像データ抽出部 43に送信する(これに よりデータ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる次の画素データが対 象画素データとなり、処理される。 ) o
[0173] 図 40は、上記した s608の「vが 0の場合の処理」の動作を説明するフローチャート である。図 40を参照して、 s608の「vが 0の場合の処理」の動作について説明する。 s606にて変換部 44力 対象画素データに含まれる Luvデータの V値 (vi)が 0より 小さいと判断しない場合 (NO。即ち、この場合は V値 (vi)が 0である。)、変換部 44は 、対象画素データに係る Luvデータ (L, u, V) = (Li, ui, vi)をそのまま変換後のデ
ータ (Lt, ut, vt)としてデータ記憶部 42に送信しデータ記憶部 42に記憶させる(s9 01)。即ち、 V値 (vi)が 0である場合には、対象画素データの Luvデータ(Li, ui, vi) がそのまま変換後のデータ (Lt, ut, vt)としてデータ記憶部 42に記憶される。
これにより 1の対象画素データに関する s608の「vが 0の場合の処理」の動作が終 了する。
s901の後、 s601へ戻り、変換部 44は、データ記憶部 42が記憶している Luv画像 データに含まれる画素データのうち未だ読み出されていないものを 1つ読み出し送信 するよう命令する読み出し命令信号を対象画像データ抽出部 43に送信する(これに よりデータ記憶部 42が記憶している Luv画像データに含まれる次の画素データが対 象画素データとなり、処理される。 ) o
[0174] 以上説明したように、本装置 11は、輝度を表す輝度軸 (L軸)と、クロマテイクネス指 数を示す 2の軸である第 1軸 (u軸)及び第 2軸 (V軸)と、の 3の直交座標軸系によって 示される均等色空間たる Luv色空間における位置データとして示された画素データ が含む輝度軸方向の成分 Li、第 1軸方向の成分 ui及び第 2軸方向の成分 viのうち、 第 1軸 (u軸)及び第 2軸 (V軸)との 、ずれか一方の軸である選択軸方向の成分に応 じて輝度軸方向の成分を変化させる処理 (Ltへと変化させる。)である色覚変換処理 を行う色覚変換処理手段たるデータ処理部 41を、備えるものである、画素処理装置 である。
なお、第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)を行う際には第 1軸 (u軸)を選択軸とし、 第 3変換 (第 3色覚異常用)を行う際には第 2軸 (V軸)を選択軸とする。
[0175] そして、第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)を行う際には、選択軸 (第 1軸 (u軸)) 方向の成分が第 1所定値たる 0よりも大きい場合と、選択軸 (第 1軸 (u軸))方向の成 分が該第 1所定値たる 0よりも小さい場合と、のいずれか一方の場合 (ここでは該第 1 所定値たる 0よりも小さい場合)には輝度軸 (L軸)方向の成分を減少させると共に、い ずれ力他方の場合 (ここでは該第 1所定値たる 0よりも大きい場合)には輝度軸 (L軸) 方向の成分を増力 tlさせるように色覚変換処理を行う。
第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)を行う際には、選択軸 (第 1軸 (u軸))が、正方 向に赤成分を示し負方向に緑成分を示す軸であり、選択軸 (第 1軸 (u軸))方向の成
分が、前記第 1所定値たる 0よりも赤成分が大きい場合には輝度軸 (L軸)方向の成 分を増加させ、前記第 1所定値たる 0よりも赤成分が小さ 、場合には輝度軸 (L軸)方 向の成分を減少させるように色覚変換処理を行う。
[0176] また、第 3変換 (第 3色覚異常用)を行う際には、選択軸 (第 2軸 (V軸))方向の成分 が第 1所定値たる 0よりも大き 、場合と、選択軸 (第 2軸 (V軸))方向の成分が該第 1所 定値たる 0よりも小さ 、場合と、の 、ずれか一方の場合 (ここでは該第 1所定値たる 0 よりも大きい場合)には輝度軸 (L軸)方向の成分を減少させると共に、いずれか他方 の場合 (ここでは該第 1所定値たる 0よりも小さい場合)には輝度軸 (L軸)方向の成分 を増加させるように色覚変換処理を行う。
第 3変換 (第 3色覚異常用)を行う際には、選択軸 (第 2軸 (V軸))が、正方向に黄成 分を示し負方向に青成分を示す軸であり、選択軸 (第 2軸 (V軸))方向の成分が、前 記第 1所定値たる 0よりも黄成分が大き ヽ場合には輝度軸 (L軸)方向の成分を減少 させ、前記第 1所定値たる 0よりも黄成分が小さい場合には輝度軸 (L軸)方向の成分 を増加させるように色覚変換処理を行う。
[0177] 前記色覚変換処理後の選択軸方向の成分が、前記色覚変換処理前の選択軸方 向の成分の絶対値に対して前記色覚変換処理後の選択軸方向の成分の絶対値を 単調増加させる単調増加関数によって前記色覚変換処理前の選択軸方向の成分を 変換することで決定される。これに関し、それぞれの場合について以下説明する。
[0178] 第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)において u>0の場合には、色覚変換処理後 の選択軸 (第 1軸 (u軸))方向の成分 utが、色覚変換処理前の選択軸 (第 1軸 (u軸) )方向の成分 uiを用いて次のように決定される。 Sc=uiZumであるから、上述のよう に um>0のときには、 uiに Scは正比例して増加する。このとき色覚変換処理後の輝 度軸 (L軸)方向の成分 Ltは、 Lt = Sc X (Lm— Li) +Liにて決定されるので、色覚 変換処理前の輝度軸 (L軸)方向の成分 Liが一定であれば、 Lmも一定である(Lmは 、式(1. 1)によって示される楕円の楕円周上の点のうちディスプレイが表示し得る範 囲内に存するもので L値が最大の点(Lm, uem)の L座標であるので、 Liが一定であ れば Lmも一定である。 )0そして、第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)において u>0 の場合には、(Lm—Li) >0であるので、 uiが増カロ(正で絶対値が増加する)すると S
c力 S増カロし、それにより Ltも増加する。そして、 utは、 ut = Pumax/100 X ( (1— Li) 2—(Lt— 100) 2) · 5にて決定されるので、 Liが一定であれば Ltの増加により utが増 加する(Pumax>0、 0く Ltく 100)。即ち、第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)に ぉ 、て u>0の場合には、色覚変換処理後の選択軸 (第 1軸 (u軸))方向の成分 が 、色覚変換処理前の選択軸 (第 1軸 (u軸))方向の成分 uiの絶対値に対して色覚変 換処理後の選択軸 (第 1軸 (u軸))方向の成分 utの絶対値を単調増加させる単調増 加関数によって色覚変換処理前の選択軸 (第 1軸 (u軸))方向の成分 uiを変換するこ とで決定されている。
[0179] 第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)において u< 0の場合には、色覚変換処理後 の選択軸 (第 1軸 (u軸))方向の成分 utが、色覚変換処理前の選択軸 (第 1軸 (u軸) )方向の成分 uiを用いて次のように決定される。 Sc=uiZumであるから、上述のよう に umく 0のときには、 uiが小さくなる(負で絶対値が増加する)につれて Scは正比例 して増加する。このとき色覚変換処理後の輝度軸 (L軸)方向の成分 Ltは、 Lt= Sc X (Lm-Li) +Liにて決定されるので、色覚変換処理前の輝度軸 (L軸)方向の成分 Li が一定であれば、 Lmも一定である(Lmは、式(13. 1)によって示される楕円の楕円 周上の点のうちディスプレイが表示し得る範囲内に存するもので L値が最小の点(L m, uem)の L座標であるので、 Liが一定であれば Lmも一定である。 )0そして、第 1 変換 (第 1及び第 2色覚異常用)において u< 0の場合には、(Lm— Li) < 0であるの で、 uiが小さくなる (負で絶対値が増加する)につれて Scが増加し、それにより Ltも減 少する。そして、 utは、 ut=PuminZlOO X (Li2— Lt2) 5にて決定されるので、 Li が一定であれば Ltの減少により utが減少 (負で絶対値が増加する)する(Puminく 0 、 0く Ltく 100)。即ち、第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)において uく 0の場合に は、色覚変換処理後の選択軸 (第 1軸 (u軸))方向の成分 utが、色覚変換処理前の 選択軸 (第 1軸 (u軸))方向の成分 uiの絶対値に対して色覚変換処理後の選択軸( 第 1軸 (u軸))方向の成分 utの絶対値を単調増力!]させる単調増加関数によって色覚 変換処理前の選択軸 (第 1軸 (u軸))方向の成分 uiを変換することで決定されて 、る
[0180] 第 3変換 (第 3色覚異常用)において v>0の場合には、色覚変換処理後の選択軸 (
第 2軸 (v軸))方向の成分 vtが、色覚変換処理前の選択軸 (第 2軸 (V軸))方向の成 分 viを用いて次のように決定される。 Sc=viZvmであるから、上述のように vm>0の ときには、 viに Scは正比例して増加する。このとき色覚変換処理後の輝度軸 (L軸) 方向の成分 Ltは、 Lt = Sc X (Lm-Li) +Liにて決定されるので、色覚変換処理前 の輝度軸 (L軸)方向の成分 Liが一定であれば、 Lmも一定である(Lmは、式(24. 1 )によって示される楕円の楕円周上の点のうちディスプレイが表示し得る範囲内に存 するもので L値が最小の点(Lm, vem)の L座標であるので、 Liが一定であれば Lm も一定である。 ) oそして、第 3変換 (第 3色覚異常用)において v>0の場合には、 (L m— Li)く 0であるので、 viが増カロ(正で絶対値が増加する)すると Scが増加し、それ により Ltは減少する。そして、 vtは、 vt = Pvmax/100 X (Li2— Lt2) ' 5にて決定さ れるので、 Liが一定であれば Ltの減少により vtが増加する(Pvmax>0、 0<Lt< 1 00)。即ち、第 3変換 (第 3色覚異常用)において v>0の場合には、色覚変換処理後 の選択軸 (第 2軸 (V軸))方向の成分 vtが、色覚変換処理前の選択軸 (第 2軸 (V軸) ) 方向の成分 viの絶対値に対して色覚変換処理後の選択軸 (第 2軸 (V軸))方向の成 分 vtの絶対値を単調増加させる単調増加関数によって色覚変換処理前の選択軸( 第 2軸 (V軸))方向の成分 viを変換することで決定されて ヽる。
第 3変換 (第 3色覚異常用)において v< 0の場合には、色覚変換処理後の選択軸 ( 第 2軸 (V軸))方向の成分 vtが、色覚変換処理前の選択軸 (第 2軸 (V軸))方向の成 分 viを用いて次のように決定される。 Sc=viZvmであるから、上述のように vmく 0の ときには、 viが小さくなる (負で絶対値が増加する)につれて Scは正比例して増加す る。このとき色覚変換処理後の輝度軸 (L軸)方向の成分 Ltは、 Lt = Sc X (Lm-Li) + Liにて決定されるので、色覚変換処理前の輝度軸 (L軸)方向の成分 Liが一定で あれば、 Lmも一定である(Lmは、式(35. 1)によって示される楕円の楕円周上の点 のうちディスプレイが表示し得る範囲内に存するもので L値が最大の点(Lm, vem) の L座標であるので、 Liが一定であれば Lmも一定である。 )0そして、第 3変換 (第 3 色覚異常用)において v< 0の場合には、(Lm—Li) >0であるので、 viが小さくなる( 負で絶対値が増加する)につれて Scが増加し、それにより Ltは増加する。そして、 vt は、 vt=Pvmin/100 X ( (1— Li) 2—(Lt— 100) 2)。· 5にて決定されるので、 Liがー
定であれば Ltの増加により vtが減少 (負で絶対値が増加する)する(Pvmin< 0、 0 <Lt< 100) o即ち、第 3変換 (第 3色覚異常用)において Vく 0の場合には、色覚変 換処理後の選択軸 (第 2軸 (V軸))方向の成分 vtが、色覚変換処理前の選択軸 (第 2 軸 (V軸))方向の成分 viの絶対値に対して色覚変換処理後の選択軸 (第 2軸 (V軸) ) 方向の成分 vtの絶対値を単調増加させる単調増加関数によって色覚変換処理前の 選択軸 (第 2軸 (V軸))方向の成分 viを変換することで決定されて 、る。
[0182] 第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)においては、画素データが含む輝度軸 (L軸) 方向の成分 Liと選択軸 (第 1軸 (u軸))方向の成分 uiとのデータ組である選択データ 組 (Li, ui)のうち、選択軸 (第 1軸 (u軸))方向の成分が第 2所定値たる 0より大きい選 択データ組と、選択軸 (第 1軸 (u軸))方向の成分が該第 2所定値たる 0より小さ 、選 択データ組と、のいずれか一方の選択データ組 (ここでは該第 2所定値たる 0より大き V、選択データ組)を、選択軸 (第 1軸 (u軸))と輝度軸 (L軸)とを含む選択面 (uL平面 )にて選択軸 (第 1軸 (u軸))を横軸にとり輝度軸 (L軸)を縦軸にとったときに該選択 面 (uL平面)に存する凸関数 (図 5中、実線 F1により式(1)にて示される楕円)と凹関 数(図 13中、実線 F2により式(13)にて示される楕円)とのいずれか一方の関数 (ここ では該凸関数)を満足させるように変換すると共に、 V、ずれか他方の選択データ組( ここでは該第 2所定値たる 0より小さ 、選択データ組)を!、ずれか他方の関数 (ここで は該凹関数)を満足させるように変換する。
そして、輝度軸 (L軸)方向の成分 Liが同じ場合、選択軸 (第 1軸 (u軸))方向の成 分が前記第 2所定値たる 0を示す直線 (ここでは L軸)上に中心が存する第 1の楕円( 式(1)にて示される楕円)の楕円周の一部により形成される前記第 2所定値たる 0より 大きい範囲に存する第 1楕円周(図 5中、実線 F1)と、選択軸 (第 1軸 (u軸))方向の 成分が前記第 2所定値たる 0を示す直線 (ここでは L軸)上に中心が存する第 2の楕 円(式(13)にて示される楕円)の楕円周の一部により形成される前記第 2所定値たる 0未満に存する第 2楕円周(図 13中、実線 F2)と、によって前記凸関数と前記凹関数 とが形成され、該第 1楕円周(図 5中、実線 F1)の一端と該第 2楕円周(図 13中、実線 F2)の一端とが前記第 2所定値たる 0 (u=0)にて連結されている。
[0183] 第 3変換 (第 3色覚異常用)においては、画素データが含む輝度軸 (L軸)方向の成
分 Liと選択軸 (第 2軸 (V軸))方向の成分 viとのデータ組である選択データ組 (Li, vi) のうち、選択軸 (第 2軸 (V軸))方向の成分が第 2所定値たる 0より大き 、選択データ 組と、選択軸 (第 2軸 (V軸))方向の成分が該第 2所定値たる 0より小さ 、選択データ 組と、の 、ずれか一方の選択データ組 (ここでは該第 2所定値たる 0より大き 、選択デ ータ組)を、選択軸 (第 2軸 (V軸) )と輝度軸 (L軸)とを含む選択面 (vL平面)にて選 択軸 (第 2軸 (V軸))を横軸にとり輝度軸 (L軸)を縦軸にとったときに該選択面 (vL平 面)に存する凸関数 (図 21中、実線 F4により式 (35)にて示される楕円)と凹関数 (図 17中、実線 F3により式 (24)にて示される楕円)との!/、ずれか一方の関数 (ここでは 該凹関数)を満足させるように変換すると共に、いずれか他方の選択データ組 (ここで は該第 2所定値たる 0より小さ 、選択データ組)を!、ずれか他方の関数 (ここでは該凸 関数)を満足させるように変換する。
そして、輝度軸 (L軸)方向の成分 Liが同じ場合、選択軸 (第 2軸 (V軸))方向の成 分が前記第 2所定値たる 0を示す直線 (ここでは L軸)上に中心が存する第 1の楕円( 式(24)にて示される楕円)の楕円周の一部により形成される前記第 2所定値たる 0よ り大きい範囲に存する第 1楕円周(図 17中、実線 F3)と、選択軸 (第 2軸 (V軸))方向 の成分が前記第 2所定値たる 0を示す直線 (ここでは L軸)上に中心が存する第 2の 楕円(式 (35)にて示される楕円)の楕円周の一部により形成される前記第 2所定値た る 0未満に存する第 2楕円周(図 21中、実線 F4)と、によって前記凸関数と前記凹関 数とが形成され、該第 1楕円周(図 17中、実線 F3)の一端と該第 2楕円周(図 21中、 実線 F4)の一端とが前記第 2所定値たる 0 (v=0)にて連結されている。
第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)においては、前記色覚変換処理において選択 軸 (第 1軸 (u軸))方向の成分に応じて輝度軸 (L軸)方向の成分を変化させる変化量 (Lt-Li)が、選択軸 (第 1軸 (u軸))に係る成分に関する基準値である選択軸基準 値 umに対する画素データの選択軸 (第 1軸 (u軸) )に係る成分 uiの割合 Sc ( =uiZ um)に応じて決定される。具体的には、(1^— ) 7 (し111— )
で あるので、該変化量 (Lt Li)は割合 Sc ( =uiZum)に(Lm— Li)を乗じて決定され る。
また、第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)においては、前記輝度軸 (L軸)方向の
成分の変化量 (Lt Li)が、輝度軸 (L軸)〖こ係る成分に関する基準値である輝度軸 基準値 Lmと色覚変換処理される前の輝度軸 (L軸)方向の成分 Liとの差 (Lm— Li) に前記割合 Sc ( =uiZum)を乗じた値に応じて決定される。そして、第 1変換 (第 1及 び第 2色覚異常用)においては、輝度軸基準値 Lmは、前記凸関数(図 5中、実線 F1 により式(1)にて示される楕円)又は前記凹関数(図 13中、実線 F2により式(13)に て示される楕円)と、選択軸 (第 1軸 (u軸) )と輝度軸 (L軸)とを含む選択面 (uL平面) における表示可能な範囲の境界線(図 5及び図 13中、点線にて示す。)と、の交点( 図 5中の M5、図 13中の M7)の輝度軸(L軸)に係る成分である。
[0185] そして、第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)において u>0の場合、色覚変換処理 される前の輝度軸 (L軸)方向の成分の少なくとも一部の範囲(ここでは L値 (Li)が 53 . 3以上)においては、前記選択軸基準値 umが、前記選択軸 (第 1軸 (u軸))に係る 成分の表示可能な限界値 (その L値 (Li)にお 、てディスプレイが表示し得る u値の最 大値)である。第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)において u>0の場合、色覚変換 処理される前の輝度軸 (L軸)方向の成分の少なくとも一部の範囲(ここでは L値 (Li) 力 3. 3未満)においては、前記選択軸基準値 umが一定値 175. 0213である。 また、第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)において uく 0の場合、色覚変換処理さ れる前の輝度軸 (L軸)方向の成分の少なくとも一部の範囲(ここでは L値 (Li)が 87. 8未満)においては、前記選択軸基準値 umが、前記選択軸 (第 1軸 (u軸))に係る成 分の表示可能な限界値 (その L値 (Li)にお 、てディスプレイが表示し得る u値の最小 値)である。第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)において u< 0の場合、色覚変換処 理される前の輝度軸 (L軸)方向の成分の少なくとも一部の範囲(ここでは L値 (Li)が 87. 8以上)においては、前記選択軸基準値 umが一定値一 83. 0667である。
[0186] 第 3変換 (第 3色覚異常用)においては、前記色覚変換処理において選択軸 (第 2 軸 (V軸))方向の成分に応じて輝度軸 (L軸)方向の成分を変化させる変化量 (Lt L i)が、選択軸 (第 2軸 (V軸) )〖こ係る成分に関する基準値である選択軸基準値 vmに 対する画素データの選択軸 (第 2軸 (V軸) )に係る成分 viの割合 Sc ( = viZvm)に応 じて決定される。具体的には、(Lt—Li) Z (Lm—Li) =Sc ( =viZvm)でぁるので、 該変化量 (Lt— Li)は割合 Sc ( =viZvm)に (Lm— Li)を乗じて決定される。
第 3変換 (第 3色覚異常用)においては、前記輝度軸 (L軸)方向の成分の変化量( Lt-Li)が、輝度軸 (L軸)に係る成分に関する基準値である輝度軸基準値 Lmと色 覚変換処理される前の輝度軸 (L軸)方向の成分 Liとの差 (Lm— Li)に前記割合 Sc ( =viZvm)を乗じた値に応じて決定される。そして、第 3変換 (第 3色覚異常用)にお いては、輝度軸基準値 Lmは、前記凸関数(図 21中、実線 F4により式(35)にて示さ れる楕円)又は前記凹関数(図 17中、実線 F3により式 (24)にて示される楕円)と、選 択軸 (第 2軸 (V軸))と輝度軸 (L軸)とを含む選択面 (vL平面)における表示可能な範 囲の境界線(図 17及び図 21中、点線にて示す。)と、の交点(図 17中の M6、図 21 中の M9)の輝度軸 (L軸)に係る成分である。
[0187] そして、第 3変換 (第 3色覚異常用)において v>0の場合、色覚変換処理される前 の輝度軸 (L軸)方向の成分の少なくとも一部の範囲(ここでは L値 (Li)が 87. 8未満 )においては、前記選択軸基準値 vmが、前記選択軸 (第 2軸 (V軸))に係る成分の表 示可能な限界値 (その L値 (Li)にお 、てディスプレイが表示し得る V値の最大値)で ある。第 3変換 (第 3色覚異常用)において v>0の場合、色覚変換処理される前の輝 度軸 (L軸)方向の成分の少なくとも一部の範囲(ここでは L値 (Li)が 87. 8以上)に おいては、前記選択軸基準値 vmが一定値 107. 4177である。
また、第 3変換 (第 3色覚異常用)において v< 0の場合、色覚変換処理される前の 輝度軸 (L軸)方向の成分の少なくとも一部の範囲(ここでは L値 (Li)が 39. 0より大き い)においては、前記選択軸基準値 vmが、前記選択軸 (第 2軸 (V軸))に係る成分の 表示可能な限界値 (その L値 (Li)にお ヽてディスプレイが表示し得る V値の最小値。 なお、ここでは L値 (Li)が 60. 4より大きいか否かで該最小値を算出するための式が 異なる。)である。第 3変換 (第 3色覚異常用)において Vく 0の場合、色覚変換処理さ れる前の輝度軸 (L軸)方向の成分の少なくとも一部の範囲(ここでは L値 (Li)が 39. 0以下)においては、前記選択軸基準値 vmが一定値一 134. 0896である。
[0188] 第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)において、画素データのうち、第 1軸 (u軸)及 び第 2軸 (V軸)とのうち選択軸 (第 1軸 (u軸) )以外の軸である非選択軸 (V軸)方向の 成分の絶対値を減少させる処理である非選択軸処理を、前記色覚変換処理手段た るデータ処理部 41がさらに行う。
具体的には、非選択軸処理は次のように行う。
(l) uが正の場合
viが正 ( >0)であれば vt=vi— (Lt-Li)にて非選択軸 (V軸)方向の成分 vtを算出 する。第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)において uiが正であれば (Lt Li) >0で あるから、 viの絶対値よりも vtの絶対値が小さくなる。即ち、選択軸 (第 1軸 (u軸))方 向の成分に応じて輝度軸 (L軸)方向の成分を変化させる変化量 (Lt Li)に応じて、 非選択軸 (V軸)方向の成分の絶対値を減少させる。そして、求めた V値 (vt)の値が 負(vt< 0)力否力判断し負であると判断した場合は vt = 0とすることで、画素データ の非選択軸 (V軸)の成分が、非選択軸処理前 viと非選択軸処理後 vtとで正負が異 なる場合には、非選択軸処理後の非選択軸の成分 vtを 0として 、る。
viが 0以下(0又は < 0)であれば vt=vi+ (Lt-Li)にて非選択軸 (v軸)方向の成 分 vtを算出する。第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)において uiが正であれば (Lt -Li) >0であるから、 viの絶対値よりも vtの絶対値が小さくなる。即ち、選択軸 (第 1 軸 (u軸))方向の成分に応じて輝度軸 (L軸)方向の成分を変化させる変化量 (Lt Li)に応じて、非選択軸 (V軸)方向の成分の絶対値を減少させる。そして、求めた V値 (vt)の値が正 (vt>0)力否力判断し正であると判断した場合は vt = 0とすることで、 画素データの非選択軸 (V軸)の成分が、非選択軸処理前 viと非選択軸処理後 vtと で正負が異なる場合には、非選択軸処理後の非選択軸の成分 vtを 0として 、る。
viが正(>0)と viが 0以下(0又は < 0)のいずれも、最後に、このように決定した vtの 値力 ディスプレイが表示し得る範囲内に存するか否かを変換部 44はチェックをし、 該範囲内に存しないと判断した場合は vt値を、変換後の Ltの値におけるディスプレ ィが表示し得る範囲の最小値または最大値 (変換後の vtが近 、方)に置き換えること で補正する。これにより非選択軸処理後の画素データが表示可能な範囲か否力判 断し、表示可能でないと判断した場合には、非選択軸の成分を表示可能限界値 (変 換後の Ltの値におけるディスプレイが表示し得る範囲の最小値または最大値)に修 正している。
(2) uが負の場合
viが正 ( >0)であれば vt=vi—(Li Lt)にて非選択軸 (V軸)方向の成分 vtを算出
する。第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)において uiが負であれば (Li Lt) >0で あるから、 viの絶対値よりも vtの絶対値が小さくなる。即ち、選択軸 (第 1軸 (u軸))方 向の成分に応じて輝度軸 (L軸)方向の成分を変化させる変化量 (Li Lt)に応じて、 非選択軸 (V軸)方向の成分の絶対値を減少させる。そして、求めた V値 (vt)の値が 負(vt< 0)力否力判断し負であると判断した場合は vt = 0とすることで、画素データ の非選択軸 (V軸)の成分が、非選択軸処理前 viと非選択軸処理後 vtとで正負が異 なる場合には、非選択軸処理後の非選択軸の成分 vtを 0として 、る。
viが 0以下(0又は < 0)であれば vt=vi+ (Li— Lt)にて非選択軸 (v軸)方向の成 分 vtを算出する。第 1変換 (第 1及び第 2色覚異常用)において uiが負であれば (Li — Lt) >0であるから、 viの絶対値よりも vtの絶対値が小さくなる。即ち、選択軸 (第 1 軸 (u軸))方向の成分に応じて輝度軸 (L軸)方向の成分を変化させる変化量 (Li L t)に応じて、非選択軸 (V軸)方向の成分の絶対値を減少させる。そして、求めた 直( vt)の値が正 (vt>0)力否力判断し正であると判断した場合は vt = 0とすることで、画 素データの非選択軸 (V軸)の成分が、非選択軸処理前 viと非選択軸処理後 vtとで 正負が異なる場合には、非選択軸処理後の非選択軸の成分 vtを 0としている。
viが正(>0)と viが 0以下(0又は < 0)のいずれも、最後に、このように決定した vtの 値力 ディスプレイが表示し得る範囲内に存するか否かを変換部 44はチェックをし、 該範囲内に存しないと判断した場合は vt値を、変換後の Ltの値におけるディスプレ ィが表示し得る範囲の最小値または最大値 (変換後の vtが近 、方)に置き換えること で補正する。これにより非選択軸処理後の画素データが表示可能な範囲か否力判 断し、表示可能でないと判断した場合には、非選択軸の成分を表示可能限界値 (変 換後の Ltの値におけるディスプレイが表示し得る範囲の最小値または最大値)に修 正している。
第 3変換 (第 3色覚異常用)において、画素データのうち、第 1軸 (u軸)及び第 2軸( V軸)とのうち選択軸 (第 2軸 (V軸) )以外の軸である非選択軸 (u軸)方向の成分の絶 対値を減少させる処理である非選択軸処理を、前記色覚変換処理手段たるデータ 処理部 41がさらに行う。
具体的には、非選択軸処理は次のように行う。
(l) vが正の場合
uiが正 ( >0)であれば ut=ui— (Li-Lt)にて非選択軸(u軸)方向の成分 utを算 出する。第 3変換 (第 3色覚異常用)において viが正であれば (Li Lt) >0であるか ら、 uiの絶対値よりも utの絶対値が小さくなる。即ち、選択軸 (第 2軸 (V軸))方向の成 分に応じて輝度軸 (L軸)方向の成分を変化させる変化量 (Li Lt)に応じて、非選 択軸 (u軸)方向の成分の絶対値を減少させる。そして、求めた u値 (ut)の値が負(ut く 0)か否力判断し負であると判断した場合は ut=0とすることで、画素データの非選 択軸 (u軸)の成分が、非選択軸処理前 uiと非選択軸処理後 utとで正負が異なる場 合には、非選択軸処理後の非選択軸の成分 utを 0として 、る。
uiが 0以下(0又はく 0)であれば ut=ui+ (Li-Lt)にて非選択軸(u軸)方向の成 分 utを算出する。第 3変換 (第 3色覚異常用)において viが正であれば (Li Lt) >0 であるから、 uiの絶対値よりも utの絶対値が小さくなる。即ち、選択軸 (第 2軸 (V軸)) 方向の成分に応じて輝度軸 (L軸)方向の成分を変化させる変化量 (Li Lt)に応じ て、非選択軸 (u軸)方向の成分の絶対値を減少させる。そして、求めた u値 (ut)の値 が正 (ut>0)力否力判断し正であると判断した場合は ut = 0とするとすることで、画素 データの非選択軸 (u軸)の成分が、非選択軸処理前 uiと非選択軸処理後 utとで正 負が異なる場合には、非選択軸処理後の非選択軸の成分 utを 0としている。
uiが正(>0)と uiが 0以下(0又はく 0)のいずれも、最後に、このように決定した ut の値が、ディスプレイが表示し得る範囲内に存する力否かを変換部 44はチェックをし 、該範囲内に存しないと判断した場合は ut値を、変換後の Ltの値におけるディスプ レイが表示し得る範囲の最小値または最大値 (変換後の utが近 、方)に置き換えるこ とで補正する。これにより非選択軸処理後の画素データが表示可能な範囲か否力判 断し、表示可能でないと判断した場合には、非選択軸の成分を表示可能限界値 (変 換後の Ltの値におけるディスプレイが表示し得る範囲の最小値または最大値)に修 正している。
(2) vが負の場合
uiが正 ( >0)であれば ut=ui—(Lt Li)にて非選択軸(u軸)方向の成分 utを算 出する。第 3変換 (第 3色覚異常用)において viが負であれば (Lt Li) >0であるか
ら、 uiの絶対値よりも utの絶対値が小さくなる。即ち、選択軸 (第 2軸 (V軸))方向の成 分に応じて輝度軸 (L軸)方向の成分を変化させる変化量 (Lt Li)に応じて、非選 択軸 (u軸)方向の成分の絶対値を減少させる。そして、求めた u値 (ut)の値が負(ut く 0)か否力判断し負であると判断した場合は ut=0とすることで、画素データの非選 択軸 (u軸)の成分が、非選択軸処理前 uiと非選択軸処理後 utとで正負が異なる場 合には、非選択軸処理後の非選択軸の成分 utを 0として 、る。
uiが 0以下(0又はく 0)であれば ut=ui+ (Lt— Li)にて非選択軸(u軸)方向の成 分 utを算出する。第 3変換 (第 3色覚異常用)において viが負であれば (Lt Li) >0 であるから、 uiの絶対値よりも utの絶対値が小さくなる。即ち、選択軸 (第 2軸 (V軸)) 方向の成分に応じて輝度軸 (L軸)方向の成分を変化させる変化量 (Lt Li)に応じ て、非選択軸 (u軸)方向の成分の絶対値を減少させる。そして、求めた u値 (ut)の値 が正 (ut>0)力否力判断し正であると判断した場合は ut = 0とするとすることで、画素 データの非選択軸 (u軸)の成分が、非選択軸処理前 uiと非選択軸処理後 utとで正 負が異なる場合には、非選択軸処理後の非選択軸の成分 utを 0としている。
uiが正(>0)と uiが 0以下(0又はく 0)のいずれも、最後に、このように決定した ut の値が、ディスプレイが表示し得る範囲内に存する力否かを変換部 44はチェックをし 、該範囲内に存しないと判断した場合は ut値を、変換後の Ltの値におけるディスプ レイが表示し得る範囲の最小値または最大値 (変換後の utが近 、方)に置き換えるこ とで補正する。これにより非選択軸処理後の画素データが表示可能な範囲か否力判 断し、表示可能でないと判断した場合には、非選択軸の成分を表示可能限界値 (変 換後の Ltの値におけるディスプレイが表示し得る範囲の最小値または最大値)に修 正している。
そして、本装置 11は、 RGBカラー ·モデルにより示された元画素データを均等色空 間たる Luv色空間における位置データに変換する均等色空間変換手段たる色空間 変換部 31を、さらに備えてなる。
さらに、本装置 11は、色覚変換処理手段たるデータ処理部 41により処理された均 等色空間における画素データ (Lt, ut, vt)を RGBカラー ·モデルに変換した後、出 力する均等色空間逆変換手段 (ここでは色空間逆変換部 51と出力部 61とにより構
成される。)を、さらに備えてなる。
さらに、本装置 11は、所定のプログラムをコンピュータに実行させることで構成され るものであり(図 1を参照されたい。)、さらに、力かるプログラムはコンピュータに読み とり可能な記憶媒体に記録することができる。
以上のような本装置 11を発明した過程において、考慮した事項を参考のため以下 記述しておく。
画像データを構成する各画素の色にっ ヽて、元の画像の色合 、を残したまま特定 の種類の色を明るぐまたは暗くするような色変換は、人間が知覚する色感覚に近い 色空間の中で行う必要がある。
そのような色空間の例として、コンピュータなどのディスプレイの発色特性 (分光分 布)の測定値と 3種類の錐体の分光吸収特性力ゝら各錐体の刺激値を求めたもの (LM b Color bpace 力める。
また、さらに錐体から脳に信号が伝達される過程で行われる演算を考慮して、 LMS 値力 脳が知覚する色感覚を求めたもの(Opponent Color Space)などがある。
このような色空間を使用することにより、コンピュータによる色覚異常の人々の色の 見え方をシミュレートすることも可能になっている。
しかし、これら色空間を使うためには、使用するディスプレイ毎に発色特性を測定し 、色変換のためのパラメータ値を計算する必要がある。
また、仮にこれら色空間を使ったとしても、色覚異常の人々が元の色を推測すること を補助するような色変換を考える場合、色覚異常の程度が様々であったり、軽度の色 覚異常の原因が L錐体と M錐体のうちの一方がそれらの中間的な特性を示すことで あったりするため、全ての人々にとつて目的を果たすような色変換は困難である。 これらを考慮し、本色変換は CIE L*u*v*色空間(以降、 Luv色空間)で行うことにし た。
Luv色空間は Opponent Color Spaceと同様に輝度軸、赤緑軸、黄青軸の 3次元で 構成されており、ディスプレイが sRGBに従っているという前提であれば RGB値と CIE XYZ値の相互変換方法は規格ィ匕されている(CIE XYZと Luv空間の変換方法も規格 化されている。)。
Luv色空間と類似した CIE L*a*b*色空間も使用できる力 前記のシミュレーション 結果を 2つの色空間に変換してみた結果、 Luv色空間の方がより 2次元平面に近い 結果を示した (知覚できる色の範囲が三色型色覚の人々とほぼ同じ軸と、知覚できる 色の範囲が極めて少ない軸が、より明確であった。 ) o
この結果より、色覚異常の人々を考慮した色変換を行うためには、 Luv色空間の方 が使いやすいと判断した。