WO2006054655A1

WO2006054655A1 - 電池パック

Info

Publication number: WO2006054655A1
Application number: PCT/JP2005/021141
Authority: WO
Inventors: Takashi Sumida; Hiroshi Maruyama; Masanori Yamakata
Original assignee: Hitachi Maxell, Ltd.
Priority date: 2004-11-19
Filing date: 2005-11-17
Publication date: 2006-05-26
Also published as: JP3973166B2; CN101010815A; CN100517805C; CN101510595B; JP2006147329A; JP3973165B2; CN101510595A; US20080102368A1; JP2006147328A; KR20070039596A; KR100812306B1

Abstract

　回路基板（１０）の前面には、複数の外部出力端子（３、５）が配置され、前側カバー（１６）には、各外部出力端子（３、５）にそれぞれ対応する複数の開口部（１９、２０）が貫通口として設けられ、少なくとも前側カバー（１６）の後面側であって隣り合う開口部（１９、２０）の間には、樹脂モールド（２）が充填された溝（２９）が形成され、リード線（１３）がＵ字状に湾曲し、リード線（１３）の湾曲部（１３ａ）が回路基板（１０）の左右方向の一端よりも外側に飛び出しており、前側カバー（１６）には、左右方向の一端部（１６ａ）に規制部（３１）が設けられ、規制部（３１）は、前側カバー（１６）の一端部（１６ａ）から後方へ延出し、リード線（１３）の湾曲部（１３ａ）の左右方向の外側への飛び出しを規制している電池パックを形成する。

Description

明細書

電池パック

技術分野

[0001] 本発明は、回路基板と素電池とを榭脂モールドにより一体ィ匕した電池パックに関する。

背景技術

[0002] 最近、ポータブル機器の電源として、前面に複数の外部出力端子を並べて配した回路基板を、素電池の前側に配置して、榭脂モールドで素電池に一体化した電池パックが使用されている。例えば、特開 2004— 221026号公報には、回路基板上の電子部品などを保護するために、回路基板を榭脂モールドで被覆して素電池に一体ィ匕すると共に、外部機器の接触端子に接続するための外部出力端子を電池パックの前面に露出させたものが開示されている。

[0003] 力かる電池パックでは、素電池の前面に負極端子が配されており、この負極端子と回路基板の左右方向の一端とが帯板状のリード線で接続されている。なお、この素電池では、電極体と電解液とを収容する外装缶が正極端子を兼ねて!/ヽる。

[0004] また、上記電池パックでは、外部機器に装着する際の位置決め用の凸部を前面に設けることがあるが、上記榭脂モールド用の樹脂では凸部の強度を十分に得ることができない。このため、上記凸部を前面に設けた高強度榭脂製のカバーを別に製作し、このカバーを回路基板の前面に配置して榭脂モールドで回路基板と共に素電池に一体化することが考えられる。

[0005] 上記電池パックにあっては、誤使用などによって素電池内から電解液が漏れ出すこと力 Sある。これに対して従来、特開 2002— 216721号公報、特開 2000— 311667 号公報などに漏液対策構造が提案されている。

[0006] ここで、上記漏液が外部出力端子間にわたって付着すると、外部出力端子どうしが短絡することになる。特に、カバーを回路基板の前面に配した場合には、カバーと回路基板との間における毛管現象によって、漏液がカバーと回路基板との間で広がり易くなり、外部出力端子どうしが短絡し易いという問題がある。 [0007] また、上記電池パックにあっては、リード線の両端に負極端子と回路基板の一端とをそれぞれ接合した後に、リード線を U字状に湾曲させて回路基板を素電池の前側に配置している。このため、リード線の湾曲部が回路基板よりも左右方向の外側に飛び出すことになる。そのため、製造誤差などによって上記リード線の湾曲部が外側へ飛び出し過ぎると、榭脂モールドの成形前の中間組立品を金型に装着した際に、リード線の湾曲部が金型の内面に接触することがある。この場合、金型を介して負極端子力正極である外装缶と短絡し、これによつて素電池の内圧の異常上昇などを招くおそれがあるという問題がある。

発明の開示

[0008] 本発明の第 1の電池パックは、接続端子を前面に備えた扁平角箱状の素電池と、前記素電池の前側に配置された回路基板と、前記接続端子と前記回路基板の左右方向の一端とを接続する帯板状のリード線と、前記回路基板の前側に配置される力バーと、前記素電池に前記回路基板および前記カバーを一体化する榭脂モールドとを含む電池パックであって、前記回路基板の前面には、複数の外部出力端子が配置され、前記カバーには、前記各外部出力端子にそれぞれ対応する複数の開口部が貫通口として設けられ、少なくとも前記カバーの後面側であって隣り合う前記開口部の間には、前記榭脂モールドが充填された溝が形成されている。

[0009] また、本発明の第 2の電池パックは、接続端子を前面に備えた扁平角箱状の素電池と、前記素電池の前側に配置された回路基板と、前記接続端子と前記回路基板の左右方向の一端とを接続する帯板状のリード線と、前記回路基板の前側に配置されるカバーと、前記素電池に前記回路基板および前記カバーを一体化する榭脂モールドとを含む電池パックであって、前記リード線が U字状に湾曲し、前記リード線の湾曲部が前記回路基板の左右方向の一端よりも外側に飛び出しており、前記カバーには、左右方向の一端部に規制部が設けられ、前記規制部は、前記カバーの前記一端部から後方へ延出し、前記リード線の湾曲部の左右方向の外側への飛び出しを規制している。

[0010] また、本発明の第 3の電池パックは、接続端子を前面に備えた扁平角箱状の素電池と、前記素電池の前側に配置された回路基板と、前記接続端子と前記回路基板の左右方向の一端とを接続する帯板状のリード線と、前記回路基板の前側に配置されるカバーと、前記素電池に前記回路基板および前記カバーを一体化する榭脂モールドとを含む電池パックであって、前記回路基板の前面には、複数の外部出力端子が配置され、前記カバーには、前記各外部出力端子にそれぞれ対応する複数の開口部が貫通口として設けられ、少なくとも前記カバーの後面側であって隣り合う前記開口部の間には、前記榭脂モールドが充填された溝が形成され、前記リード線が U 字状に湾曲し、前記リード線の湾曲部が前記回路基板の左右方向の一端よりも外側に飛び出しており、前記カバーには、左右方向の一端部に規制部が設けられ、前記規制部は、前記カバーの前記一端部から後方へ延出し、前記リード線の湾曲部の左右方向の外側への飛び出しを規制している。

図面の簡単な説明

[0011] [図 1]図 1は、本発明の電池パックの斜視図である。

[図 2]図 2は、図 1の A— A線の断面図である。

[図 3]図 3は、榭脂モールドを成形する前の本発明の電池パックの分解斜視図である

[図 4]図 4は、前側カバーを前面側力見た斜視図である。

[図 5]図 5は、前側カバーを後面側力見た斜視図である。

[図 6]図 6は、中間組立品を金型内に装着した状態を示す断面図である。

[図 7]図 7は、中間糸且立品の平面図である。

[図 8]図 8は、図 6の B— B線の断面図である。

[図 9]図 9は、図 7の C C線の断面図である。

発明を実施するための最良の形態

[0012] 図 1〜図 9に基づき本発明の実施の形態を説明する。図 1〜図 9において、同一の部分には同一の符号を付した。即ち、図 1〜図 9において、 1は素電池、 2は榭脂モ一ルド、 3および 5は外部出力端子、 6は外装缶、 7は封口板、 9は負極端子、 10は回路基板、 11は温度ヒューズ、 12および 13はリード線、 13aは湾曲部、 14および 18 は補助リード線、 15は中間組立品、 16は前面カバー、 16aは一端部、 17は後側力バー、 19および 20は開口部、 19aおよび 20aは縁部、 21は上側係止部、 22は下側係止部、 23は突片、 25は突起、 26および 27は凹部、 29は溝、 30は切り欠き、 31は規制部、 31aは前端部、 32および 33は凸部、 35はリブ、 36、 37および 39は両面テープ、 40はテープ、 41は第 1下金型、 43はスライドコア、 45は凹部、 Pは電池パックをそれぞれ示す。

[0013] また、本明細書において、左右、前後、上下とは原則として以下のとおりとする。即ち、左側とは図 1における XI— X2線の XI側をいい、右側とは X2側をいう。また、前側とは図 1における Yl— Y2線の Y1側をいい、後側とは Y2側をいう。また、上側とは図 1における Z1— Z2線の Z1側を、、、下側とは Z2側を、う。

[0014] 本発明の電池パックの一例は、図 1〜図 5に示すように、接続端子 9を前面に備えた扁平角箱状の素電池 1と、素電池 1の前側に配置された回路基板 10と、接続端子 9と回路基板 10の左右方向の一端とを接続する帯板状のリード線 13と、回路基板 10 の前側に配置される前側カバー 16と、素電池 1に回路基板 10および前側カバー 16 を一体ィ匕する榭脂モールド 2とを備えて、る。

[0015] 回路基板 10の前面には、複数の外部出力端子 3、 5が配置され、前側カバー 16には、各外部出力端子 3、 5にそれぞれ対応する複数の開口部 19、 20が貫通口として設けられている。また、少なくとも前側カバー 16の後面側であって隣り合う開口部 19 、 20の間には、榭脂モールド 2の成形時に溶融榭脂を流し込むための溝 29が形成され、溝 29には榭脂モールド 2が充填されている。

[0016] 上記構成によれば、榭脂モールド 2の成形の際において、隣り合う開口部 19、 20 の間の溝 29内に、榭脂モールド 2の成形用の接着性に優れた溶融樹脂が流れ込むので、この溶融樹脂が固化したときには、溝 29内の樹脂が回路基板 10の前面および前側カバー 16の溝 29の内面にしっかりと密着して、それらの間で隙間が生じることが抑えられる。したがって、水滴や素電池 1内から漏れ出した漏液などの液体がいずれかの外部出力端子 3、 5に付着しても、その液体が、前側カバー 16と回路基板 1 0の前面との隙間を通って、隣の外部出力端子に流れ着くことが防止され、漏液などで外部出力端子 3、 5どうしが短絡することが防止される。

[0017] また、溝 29は、各開口部 19、 20を囲むように形成されている。これにより、前側力バー 16と回路基板 10との間に漏れ出した液体など力外部出力端子 3、 5に流れ込むことが防止される。溝 29は、各開口部 19、 20の周囲を完全に囲んでもよいが、図 5に示すごとく各開口部 19、 20の周囲を部分的に囲むものでもよ!/、。

[0018] また、榭脂モールド 2の成形用の溶融榭脂は、回路基板 10および前側カバー 16との接着性に優れたポリアミド系榭脂であることが好まし、。ポリアミド系榭脂としては、ナイロン 6などが該当する。

[0019] さらに、リード線 13は U字状に湾曲し、リード線 13の湾曲部 13aは回路基板 10の左右方向の一端よりも外側に飛び出しており、前側カバー 16には、左右方向の一端部 16aに規制部 31が設けられている。また、規制部 31は、前側カバー 16の一端部 1 6aから後方へ延出し、リード線 13の湾曲部 13aの左右方向の外側への飛び出しを規制している。

[0020] 上記構成によれば、前側カバー 16の規制部 31によって、リード線 13の湾曲部 13a が回路基板 10よりも左右方向の外側へ飛び出し過ぎることを規制できるので、榭脂モールド 2の成形前の後述する中間組立品 15 (図 7参照）を榭脂モールド 2の成形用の後述する第 1下金型 41 (図 6参照）に装着したときに、リード線 13の湾曲部 13aが第 1下金型 41の内面に接触することが防止され、上記成形時に第 1下金型 41を介して素電池 1の正負極が短絡することが確実に防止される。

[0021] また、前側カバー 16の一端部 16aは、後ろ側に凹む段差状に形成されており、規制部 31の前端部 31aは、前後方向に傾斜した状態に形成されており、榭脂モールド 2は、前側カバー 16の一端部 16aおよび規制部 31の前端部 31aを覆っている。

[0022] これにより、榭脂モールド 2の前側の左右の角を取って円弧状に形成しても、規制部 31の前端部 31aが前後方向に傾斜していると、規制部 31の前端部 31aと、榭脂モ一ルド 2の前側の角の外面との間の榭脂モールド 2の肉厚を確実に確保できる。かかる肉厚があるうえに、前側カバー 16の一端部 16aが後ろ側へ凹んでいると、榭脂モ一ルド 2が規制部 31で分断されることがなぐ規制部 31の前端部 31aから前側カバ一 16の一端部 16aの前側にわたって榭脂モールド 2を連続形成することができ、前側カバー 16の前側を榭脂モールド 2でしつ力りと保持して、前側カバー 16が電池パック Pの前面力も脱落することを確実に防止できる。

[0023] また、前側カバー 16を回路基板 10の前側に仮止めするために、図 5に示すように、前側カバー 16の上下端部には、回路基板 10の後面側に係止可能な左右横長の係止部 21、 22がそれぞれ設けられている。これにより、両面テープなどで前側カバー 1 6を回路基板 10の前側に仮止めする場合よりも、両面テープなどが省略できる分だけ部品点数が減らせると共に、両面テープなどの装着の手間が軽減できる。

[0024] また、上下の係止部 21、 22の少なくとも一方には、榭脂モールド 2の成形時において溝 29内に溶融榭脂を流し込むための切り欠き 30が形成されている。これにより、係止部 21、 22があっても溝 29内に溶融榭脂を確実に流し込むことができる。

[0025] なお、上記回路基板 10は、外部出力端子 3、 5のみを備えたものや、外部出力端子 3、 5の他に保護回路などを備えたものが該当する。

[0026] 以下、さらに図 1〜図 9に基づき本発明の実施の形態を説明する。

[0027] 図 1に示すごとぐ電池パック Pは、扁平角箱状の素電池 1と、素電池 1の外周側面に配される電装品と、素電池 1に電装品を一体ィ匕する榭脂モールド 2とからなる。電装品には、外部に臨む外部出力端子 3、 5を含む。

[0028] 図 1において、素電池 1は、上下面が実質的に平坦面に形成されており、前後幅寸法および左右幅寸法に比べて上下厚み寸法が小さい長方形の扁平角箱状に仕上力ている。榭脂モールド 2は、上記電装品と、素電池 1の前後左右の外周側面と、素電池 1の上下面の一部とを覆っており、ポリアミド系榭脂で成形される。榭脂モールド 2は、電装品を外部から絶縁するとともに電装品や素電池 1を保護する。

[0029] 図 3おいて、素電池 1は、外装缶 6の内部に電極体と電解液とが封入された、充放電が可能な二次電池、具体的にはリチウムイオン電池力なる。素電池 1は、外装缶 6の前面を塞ぐ封口板 7の中央に負極端子 9を備えている。外装缶 6は、アルミニウムまたはその合金カゝらなる板材を深絞り加工して形成してある。封口板 7は、アルミ-ゥム合金などの板材をプレスカ卩ェして形成されている。上記電極体は、 LiCoOを活物

2 質とする正極シートと、黒鉛を活物質とする負極シートとを合成樹脂製のセパレータを挟んで渦巻状に卷回してなり、全体が扁平状に押し潰して形成されている。

[0030] 上記電装品は、素電池 1の前面側に配される左右横長の回路基板 10と、素電池 1 の後面側に配される温度ヒューズ 11と、回路基板 10と温度ヒューズ 11との間に配置される帯板状の長いリード線 12と、負極端子 9と回路基板 10とを接続する帯板状の短いリード線 13と、回路基板 10とリード線 12とを接続する補助リード線 14と、温度ヒユーズ 11とリード線 12とを接続する補助リード線 18とを含む。短いリード線 13は、左方向に U字状に湾曲した状態で回路基板 10の左端部に接合され、長いリード線 12 は、回路基板 10の右端部に、補助リード線 14を介して接合される。

[0031] 回路基板 10は、素電池 1の充放電電流を制限する保護回路などを備えている。回路基板 10の前面側のやや右側寄りに外部出力端子 3、 5が左右に並べて配されている。外部出力端子 3、 5は、携帯電話や充電器などの外部機器の接触端子に接触接続されることで、素電池 1への充放電電流の入出力を行なう。

[0032] 温度ヒューズ 11は、素電池 1の温度が設定値を越える場合に素電池 1の充放電電流を遮断するために設けてあり、その一端が外装缶 6の後面に接続されている。回路基板 10および温度ヒューズ 11の上下幅寸法は、素電池 1の上下厚み寸法よりわず力に小さい。リード線 12、 13および補助リード線 14、 18は、アルミニウムなどの導電性金属の薄シートを帯状に切断して形成されており、リード線 12、 13および補助リード線 14、 18の上下幅寸法は、回路基板 10の上下幅寸法より小さい。素電池 1の外周側面に上記電装品を仮組みすることにより、図 7に示した中間組立品 15を得る。後述するように、この中間組立品 15に榭脂モールド 2が成形される。

[0033] 上記電装品は、図 3に示すごとく回路基板 10を前後から挟んで覆う前側カバー 16 および後側カバー 17を備えている。前後のカバー 16、 17は、それぞれ左右方向に長くなつており、機械的強度および絶縁性に優れたポリカーボネート榭脂でそれぞれ成形されている。後側カバー 17は、回路基板 10と素電池 1との間に介在して、回路基板 10を封口板 7や負極端子 9から絶縁する。

[0034] 前側カバー 16には、図 4および図 5に示すごとぐ前述の外部出力端子 3、 5 (図 3 参照）に対応する左右一対の開口部 19、 20が貫通口として設けられている。前側力バー 16の上下端には、前側カバー 16を回路基板 10の前側に仮止めするための上下一対の係止部 21、 22が後方に向けて突設されている。

[0035] 上下の係止部 21、 22は、前側カバー 16の左右端間にわたって配されており、上側係止部 21の左右両側の後端には、突片 23、 23がそれぞれ下向きに突出している。下側係止部 22の左右方向の中央部の後端には、突起 25が上向きに突出している。そして、図 9に示すごとぐ各突片 23が、後側カバー 17の上面の左右両側に設けた各凹部 26にそれぞれ嵌まり込んで回路基板 10の後面側に係止され、突起 25が、後側カバー 17の下面に設けた凹部 27に嵌まり込んで回路基板 10の後面側に係止される。

[0036] 前側カバー 16の後面側であって、隣り合う左右の開口部 19、 20間、左側の開口部 19の左側、および右側の開口部 20の右側には、図 5に示すごとぐ榭脂モールド 2 の成形時に溶融榭脂を流し込むための溝 29が、前側カバー 16の後面の上下端間にわたつてそれぞれ形成されている。各溝 29は、前側カバー 16の後面において、左右の開口部 19、 20の上側まで囲むように形成されている。なお、左右の開口部 19、 20の下端は、図 4に示すごとぐ下側係止部 22の前端部まで食い込んでいる。また、左右の開口咅 19、 20の縁咅 19a、 20aによって、左右の開口咅 19、 20と各溝 29とは隔離されている。

[0037] 上側係止部 21には、各溝 29の上端にそれぞれ臨む 3つの切り欠き 30が形成してあり、各切り欠き 30は、各溝 29の上端力も上側係止部 21の後端にわたって切り欠いてある。榭脂モールド 2の成形時には、各切り欠き 30を通って各溝 29内に溶融榭脂が流れ込む。

[0038] 図 4および図 5に示すごとぐ前側カバー 16において前述のリード線 13の湾曲部 1 3aに臨む一端部 16a (図 2参照）には、その一端部 16aから後方へ延出する板状の規制部 31が配されている。規制部 31は、図 2に示すごとぐ短いリード線 13の湾曲部 13aの左外側への飛び出しを規制して、前述の中間組立品 15を、後述する榭脂モールド 2の成形用の第 1下金型 41に装着したときに、短いリード線 13の湾曲部 13 aが第 1下金型 41の内面に接触することを防いでいる（図 6参照)。

[0039] 図 2において、規制部 31の前端部 31aは、前後方向に傾斜した状態に形成されており、これによつて榭脂モールド 2は、規制部 31の前端部 31aと、榭脂モールド 2の左前側（図 2では右側）の円弧状の角の外面との間に所定厚さの肉壁を形成する。前側カバー 16の一端部 16aは、僅かに後ろ側に凹む段差状に形成されており、前側力バー 16の一端部 16aの前側が榭脂モールド 2で覆われる。榭脂モールド 2は、規制部 31の左側にも所定厚さの肉壁を形成する。即ち、規制部 31および前側カバー 16 の一端部 16aは、図 2に示すごとく榭脂モールド 2で覆われている。

[0040] 図 4に示すごとぐ電池パック Pを外部機器に装着する際の位置決めなどのために、前側カバー 16の前面であって、その左右両端部には、左右一対の四角柱形状の凸部 32、 32が前向きにそれぞれ突設されており、また開口部 19、 20間には、平面視で I字状の凸部 33が前向きに突設されている。前側カバー 16の隣り合う 3つの切り欠き 30、 30間の肉壁の裏面には、図 5に示すごとぐリブ 35、 35がそれぞれ設けられている。リブ 35、 35は、前側カバー 16を回路基板 10に仮止めする際に、回路基板 10 を前側カバー 16の下側係止部 22側に押し付けて、上記溶融樹脂が、回路基板 10と前側カバー 16の下側係止部 22との隙間を通って外部出力端子 3、 5の前側に回り込むことを防いでいる。

[0041] 次に、中間組立品 15の組み立て要領を説明する。先ず、回路基板 10の右端部に補助リード線 14を、その左端部に短いリード線 13をそれぞれ接合する。次に、図 3に示す絶縁性の両面テープ 36を素電池 1の封口板 7の前側に貼り付け、絶縁性の両面テープ 37を素電池 1の右横側面に貼り付け、素電池 1の左横側面に両面テープ 3 9を貼り付ける。続いて、短いリード線 13を負極端子 9に接合した後に、短いリード線 13を湾曲させて（図 7参照）、前側の両面テープ 36に回路基板 10を後側カバー 17と共に貼り付ける。

[0042] 次いで、補助リード線 18を接続した温度ヒューズ 11を素電池 1の後側面に接合して、温度ヒューズ 11の後面に断熱用のテープ 40を貼り付ける。その後、補助リード線 18を両面テープ 37に貼り付ける。さらに、回路基板 10に接続されている補助リード線 14を両面テープ 37に貼り付ける。最後に、両面テープ 37に長いリード線 12を貼り付けて、補助リード線 14、 18間を接続する。なお、上記左横側面の両面テープ 39によって、榭脂モールド 2と素電池 1の左横側面との接着が補強される。

[0043] この後、回路基板 10の外部出力端子 3、 5が前側カバー 16の開口部 19、 20に臨むようにして、前側カバー 16の各突片 23と突起 25とを回路基板 10の後面側に係止する（図 9参照)。これによつて前側カバー 16が回路基板 10の前側に仮止めされ、図 7に示す中間組立品 15が形成される。

[0044] 中間組立品 15は、次の 1次成形工程および 2次成形工程を経て榭脂モールド 2が成形される。

[0045] (1次成形工程）

図 6において、 1次成形工程では、第 1上金型（図示せず。）と第 1下金型 41とで榭脂モールド 2の 1次成形部分を形成する。即ち、第 1下金型 41の内部には、中間組立品 15の下半部分が装着される空間を有しており、第 1上金型の内部には、中間組立品 15の上半部分が嵌り込む空間と 1次成形部分を形成する空間とを有する。第 1 下金型 41の空間に臨む前面側には、前後方向にスライド操作可能なスライドコア 43 が備えられている。第 1下金型 41の後壁側には、第 1下金型 41の空間内に設置した中間組立品 15を前方に向けて押圧するプッシヤー（図示せず。 )を備えている。

[0046] そして、第 1下金型 41内に中間組立品 15を左右方向の位置決めを図ると共に、前後方向にはズレ動き可能に装着する。この状態でスライドコア 43を後方に進出させ、かつ、プッシヤーで中間組立品 15の全体を前方に押すことにより、前側カバー 16の前側面をスライドコア 43の内側面に密着させる（図 6の状態)。これで第 1下金型 41 に中間組立品 15が前後方向の位置決めをも図って固定される。スライドコァ 43には、前側カバー 16の凸部 32、 33に嵌合する凹部 45が設けられている。

[0047] 次いで、第 1下金型 41に第 1上金型を接合して固定する。ここで、第 1下金型 41と第 1上金型とを型締めしたときには、中間組立品 15の上下面は、第 1下金型 41と第 1 上金型とで挟み保持されて位置決めが図られる。第 1上金型の空間内に溶融榭脂を注入し、主に第 1上金型の空間に露出する中間組立品 15の前後左右の外周側面および電装品の周囲に、榭脂モールド 2の 1次成形部分を形成する。即ち、 1次成形では、主に中間組立品 15の片側半分に榭脂モールド 2が成形される。

[0048] この際、前側カバー 16の各切り欠き 30を通って各溝 29内に溶融樹脂が入り込む（図 8の状態)。左右の開口部 19、 20の縁部 19a、 20aは、図 6に示すごとく回路基板 10の前面に密着しており、溶融樹脂が各溝 29から左右の開口部 19、 20内に入り込むことがない。

[0049] 尤も、 1次成形部分は、第 1下金型 41側において回路基板 10および前側カバー 1 6の左右側面および前側面の左右端部分にも上下間にわたって形成される。前記溶融榭脂が固化した後、第 1下金型 41と第 1上金型とを分離して 1次成形後の中間組立品 15を取り出す。

[0050] (2次成形工程）

2次成形工程では、第 2上金型と第 2下金型 (共に図示せず。）とで榭脂モールド 2 の 2次成形部分を形成する。即ち、 1次成形後の中間組立品 15の 1次成形部分を第 2下金型に装填し、第 2下金型の空間を構成する内壁部で中間組立品 15の前後左右方向の位置決めを図り、第 2下金型に中間組立品 15を固定する。次に、第 2上金型を第 2下金型に接合して固定する。この際、第 2上金型の前面に設けたスライドコァを後方に進出操作させて、スライドコアの内側面を前側カバー 16の前面に密着させる。このスライドコアにも前側カバー 16の凸部 32、 33に嵌合する凹部を設けてある

[0051] 第 2上金型の空間内に溶融榭脂を注入し、主に第 2上金型の空間に露出する中間組立品 15の前後左右の周側面および電装品の周囲に溶融榭脂を充填し、榭脂モ一ルド 2の 2次成形部分を形成する。即ち、 2次成形では、主に中間組立品 15のもう一方の片側半分（1次成形で榭脂モールド 2が成形されな力つた部分）に榭脂モールド 2が成形される。これにより、素電池 1の前後左右の外周側面および電装品を覆う榭脂モールド 2がー体に形成される。溶融樹脂が固化したのち、第 2上金型を第 2下金型から分離し、第 2下金型力 2次成形後の電池を取り出す。これにより、電池パック Pの製品が仕上がる。なお、電池パック Pの上下面は、シールが貼り付けられるなどによって絶縁される。

[0052] 1次成形の際に前側カバー 16の各溝 29内には、図 8に示すごとぐ回路基板 10との接着性に優れたポリアミド系榭脂の溶融樹脂が流れ込むので、この溶融樹脂が固化したときには、各溝 29内のポリアミド系榭脂が、回路基板 10の前面に密着していると共に各溝 29の内面に密着していて、これらの間に隙間が生じ難い。したがって、素電池 1内から漏れ出した電解液など力前側カバー 16における開口部 19、 20の間の肉壁と、回路基板 10の前面との間に浸入することが防止され、回路基板 10の外部出力端子 3、 5どうしが短絡することがない。

[0053] また、各溝 29が左右の開口部 19、 20を囲むように形成されているので、漏液など力開口部 19、 20の周辺力も前側カバー 16と回路基板 10の前面との間を通って外部出力端子 3、 5に流れ込むことがない。

[0054] 本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、上記以外の形態としても実施が可能である。本出願に開示された実施形態は一例であって、これらに限定はされない。本発明の範囲は、上述の明細書の記載よりも、添付されている請求の範囲の記載を優先して解釈され、請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更は、請求の範囲に含まれるものである。

産業上の利用可能性

[0055] 以上のように、本発明の電池パックでは、漏液などが回路基板とカバーとの間を通らないようにして、隣り合う外部出力端子どうしの短絡を防ぐとともに、リード線の湾曲部が榭脂モールドの成形用の金型の内面に接触することを防いで、金型を介して素電池の負極と正極との短絡を防ぐことできる。

Claims

請求の範囲

[1] 接続端子を前面に備えた扁平角箱状の素電池と、前記素電池の前側に配置された回路基板と、前記接続端子と前記回路基板の左右方向の一端とを接続する帯板状のリード線と、前記回路基板の前側に配置されるカバーと、前記素電池に前記回路基板および前記カバーを一体化する榭脂モールドとを含む電池パックであって、前記回路基板の前面には、複数の外部出力端子が配置され、

前記カバーには、前記各外部出力端子にそれぞれ対応する複数の開口部が貫通口として設けられ、

少なくとも前記カバーの後面側であって隣り合う前記開口部の間には、前記榭脂モ一ルドが充填された溝が形成されている電池パック。

[2] 前記溝が、前記各開口部を囲むように形成されて!、る請求項 1に記載の電池パック

[3] 前記カバーの上下端部には、前記回路基板の後面側に係止可能な左右横長の係止部がそれぞれ設けられて!/、る請求項 1に記載の電池パック。

[4] 前記上下の係止部の少なくとも一方には、前記榭脂モールドの成形時において前記溝内に溶融榭脂を流し込むための切り欠きが形成されている請求項 3に記載の電池パック。

[5] 前記榭脂モールドが、ポリアミド系榭脂から形成されて、る請求項 1に記載の電池ノック。

[6] 接続端子を前面に備えた扁平角箱状の素電池と、前記素電池の前側に配置された回路基板と、前記接続端子と前記回路基板の左右方向の一端とを接続する帯板状のリード線と、前記回路基板の前側に配置されるカバーと、前記素電池に前記回路基板および前記カバーを一体化する榭脂モールドとを含む電池パックであって、前記リード線が U字状に湾曲し、前記リード線の湾曲部が前記回路基板の左右方向の一端よりも外側に飛び出しており、

前記カバーには、左右方向の一端部に規制部が設けられ、

前記規制部は、前記カバーの前記一端部から後方へ延出し、前記リード線の湾曲部の左右方向の外側への飛び出しを規制している電池パック。

[7] 前記カバーの前記一端部が、後ろ側に凹む段差状に形成されており、前記規制部の前端部が、前後方向に傾斜した状態に形成されており、前記榭脂モールドが、前記カバーの前記一端部および前記規制部の前記前端部を覆う請求項 6に記載の電池パック。

[8] 前記カバーの上下端部には、前記回路基板の後面側に係止可能な左右横長の係止部がそれぞれ設けられている請求項 6に記載の電池パック。

[9] 前記上下の係止部の少なくとも一方には、前記榭脂モールドの成形時において前記溝内に溶融榭脂を流し込むための切り欠きが形成されている請求項 8に記載の電池パック。

[10] 接続端子を前面に備えた扁平角箱状の素電池と、前記素電池の前側に配置された回路基板と、前記接続端子と前記回路基板の左右方向の一端とを接続する帯板状のリード線と、前記回路基板の前側に配置されるカバーと、前記素電池に前記回路基板および前記カバーを一体化する榭脂モールドとを含む電池パックであって、前記回路基板の前面には、複数の外部出力端子が配置され、

少なくとも前記カバーの後面側であって隣り合う前記開口部の間には、前記榭脂モ一ルドが充填された溝が形成され、

前記リード線が U字状に湾曲し、前記リード線の湾曲部が前記回路基板の左右方向の一端よりも外側に飛び出しており、

前記カバーには、左右方向の一端部に規制部が設けられ、

[11] 前記溝が、前記各開口部を囲むように形成されている請求項 10に記載の電池パック。

[12] 前記カバーの上下端部には、前記回路基板の後面側に係止可能な左右横長の係止部がそれぞれ設けられている請求項 10に記載の電池パック。

[13] 前記上下の係止部の少なくとも一方には、前記榭脂モールドの成形時において前記溝内に溶融榭脂を流し込むための切り欠きが形成されている請求項 12に記載の電池パック。

前記榭脂モールドが、ポリアミド系榭脂から形成されて、る請求項 10に記載の電池ノック。

前記カバーの前記一端部が、後ろ側に凹む段差状に形成されており、前記規制部の前端部が、前後方向に傾斜した状態に形成されており、前記榭脂モールドが、前記カバーの前記一端部および前記規制部の前記前端部を覆う請求項 10に記載の電池パック。