N- (1 _メチルベンゾイミダゾール一 2 _ィル)メチル _N, _ 2_ [ (カル ボスチリル _ 7 _ィル)ォキシ]ェチルホモピぺラジンの製造方法
技術分野
[0001] 本発明は、アレルギー性疾患の予防治療剤、特に喘息予防治療剤、アレルギー性 結膜炎治療剤として有用な N— (1—メチルベンゾイミダゾールー 2—ィル)メチルー N, 2 [(カルボスチリルー 7 ィル)ォキシ]ェチルホモピぺラジン又はその塩の 製造方法に関する。
背景技術
[0002] 喘息などのアレルギー疾患においては、主にヒスタミンなどが関与する気管支収縮 、浮腫形成などの即時相と、ロイコトリェンなどが関与する細胞浸潤、粘液分泌、粘膜 肥厚などによる気道狭窄の遅発相が病態形成に重要とされており、抗ヒスタミン作用 と抗ロイコトリェン作用の両作用を有する化合物の研究が進められて 、る。
[0003] 本発明者らは、ヒスタミン H受容体及び LTD受容体の両受容体に対して拮抗作
1 4
用を有する化合物について研究を進めた結果、式(7):
[0004] [化 1]
[0005] で表される N— (1—メチルベンゾイミダゾールー 2—ィル)メチル—N,—2 [ (カル ボスチリルー 7—ィル)ォキシ]ェチルホモピぺラジン又はその塩に代表される化合物 力 前記要件を満たすィ匕合物であることを見出し、先に国際出願した (特許文献 1)。
[0006] 上記文献に示したように、化合物(7)は、 N—メチルーオルトフエ-レンジァミンから 2工程で得られる化合物(5)の大過剰 (4当量)を 7—(2 クロ口エトキシ)カルボスチ リルと溶融条件下で反応させることにより製造できる。尚、 7— (2—クロ口エトキシ)力
ルボスチリルは、 7 -ヒドロキシカルボスチリルと 2 ブロモクロロェタンとの反応により 得られ、 7 ヒドロキシカルボスチリルは、公知(非特許文献 1)の方法で得られる。
[化 2]
し力しながら、上記製造法には以下の問題点が存在する。
ィ)出発原料の N—メチル—オルトフエ-レンジァミンが高価である。 N—メチル— オルトフエ-レンジァミンの製造法として、オルトフエ-レンジァミンとヨウ化メタンとを 反応させる方法 (非特許文献 2)、 2— -トロクロ口ベンゼンとメチルァミン一塩酸塩と を塩基存在下で反応させ 2— -トロー N—メチルァ-リンとした後、ニトロ基を還元す る方法 (非特許文献 3)、 1 メチルベンゾイミダゾールをアルカリ性条件下で開裂さ せる方法 (非特許文献 4)等が知られて 、るが、 、ずれも製造コストが高!、。
口)化合物(5)の原料である 2 クロロメチルー N—メチルベンゾイミダゾールは刺 激'性が強い。
ハ)粘度の高い化合物(5)を溶融条件下で大過剰に使用する当該反応は、大量ス ケールでは収率の再現性に乏しぐ製造コストも高い。
二) 7 ヒドロキシカルボスチリルが複数の反応点を有するため、 2 ブロモクロロェ タンを用 、た反応では 7—(2 クロ口エトキシ)カルボスチリルの収率が低!、。
特許文献 1:国際公開第 99Z02520号パンフレット
非特許文献 1 : Tetrahedron Lett. , 40, 1999, 4505
非特許文献 2 :J. C. S. , 2296 (1959)
非特許文献 3 : C. S. , Perkin Trans. 1. , 2387 (1980)
非特許文献 4: A. C. S. 76, 1891 (1954)
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0009] 本発明は、アレルギー性疾患の予防治療剤、特に喘息予防治療剤、アレルギー性 結膜炎治療剤として有用な Ν— (1—メチルベンゾイミダゾールー 2—ィル)メチル—2 [Ν,一(カルボスチリルー 7—ィル)ォキシ]ェチルホモピぺラジン又はその塩のェ 業的に有用な製造法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0010] 本発明者らは、力かる実情に鑑み、鋭意検討を行った結果、下記式に示すように、 ホモピぺラジン誘導体(1)とべンゾイミダゾール誘導体(2)とを反応させて化合物(3) とし、次いでべンゾイミダゾール環上の窒素原子をメチルイ匕して化合物 (4)とした後、 脱保護して得られる化合物(5)と、別途合成した 7—置換カルボスチリル誘導体 (6) とをほぼ等量反応させることにより、高価な出発原料である Ν メチル オルトフエ- レンジアミンを使用せず、また刺激性が強い中間体である 2—クロロメチル一 Ν—メチ ルベンゾイミダゾールを経由せず、大量スケールでも、 目的とする Ν—(1 メチルベ ンゾイミダゾールー 2 ィル)メチルー 2— [Ν,一(カルボスチリルー 7 ィル)ォキシ] ェチルホモピぺラジン又はその塩(7)が高収率で得られることを見出し、本発明を完 成した。
[0011] すなわち本発明は、
式 (5) :
[0012] [化 3]
[0015] 〔式中、 Rはハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキルスルホ -ルォキシ基 又は低級アルキル基で置換されて 、てもよ 、フエ-ルスルホ-ルォキシ基を示す。〕 で表される化合物と反応させることを特徴とする、式 (7):
[0016] [化 5]
( 7 )
[0017] で表される化合物又はその薬学的に許容される塩の製造方法を提供する。
発明の効果
[0018] 本発明の製造方法によれば、 N—(1 メチルベンゾイミダゾールー 2—ィル)メチル ホモピぺラジンを過剰に使用することなぐ喘息予防治療剤、アレルギー性結膜炎治 療剤として有用な N— (1—メチルベンゾイミダゾールー 2—ィル)メチル—2— [N, - (カルボスチリルー 7—ィル)ォキシ]ェチルホモピぺラジン又はその塩を、低コスト、 高収率かつ簡便に製造できる。従って、本発明の製造方法は、当該化合物又はその 塩の大量スケール合成に対応でき、工業的に有用である。
発明を実施するための最良の形態
[0019] 以下に、本発明の製造方法について述べる。
[0020] [化 6]
[0021] (上記式中、 Rはハロゲン原子で置換されて!、てもよ!/、低級アルキルスルホ二ルォキ シ基又は低級アルキル基で置換されて 、てもよ 、フエ-ルスルホ-ルォキシ基を示 す。)
[0022] 化合物(7)は、塩基存在下又は非存在下で、化合物(5)と化合物(6)とを反応させ ることにより得られる。化合物(5)の使用量は、化合物(6)に対して、 0. 8〜1. 0当量 であり、好ましくは等量である。
[0023] 塩基としては、例えば、水酸ィ匕カリウム、水酸ィ匕ナトリウム等の水酸ィ匕アルカリ金属 類、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸アルカリ金属類、炭酸水素カリウム、炭酸 水素ナトリウム等の炭酸水素アルカリ金属類等の無機塩基;ピリジン、トリェチルァミン 、 N, N ジイソプロピルェチルァミン、 N—メチルモルホリン、 N, N ジメチルァニリ ン等の有機塩基を使用することができる。これらのうちで、炭酸カリウムが好ましい。塩 基の使用量は、化合物(5)に対して 1. 0〜3. 0当量であり、好ましくは 2. 0〜2. 5当 量である。
[0024] 反応溶媒は特に制限されないが、テトラヒドロフラン、 N, N ジメチルホルムアミド、 ジメチルスルホキシド、エチレングリコールジメチルエーテル、ァセトニトリル等を単独 で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。これらのうちで、 N, N ジメ チルホルムアミドが好まし 、。
[0025] 反応は室温〜 150°C、好ましくは 75°Cで、 30分力も数日、好ましくは 2日間である。
また、必要に応じて、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム 等の触媒を添加してもよい。
[0026] 次に、化合物(5)及び (6)の製造方法にっ 、て述べる。
[0027] <化合物(5) >
化合物(5)は、例えば、文献(国際公開第 99Z02520号パンフレット)記載の方法 によって製造できる力 高価な N—メチルーオルトフヱ-レンジアミンを出発原料とせ ず、催涙性'皮膚刺激性が強 ヽ 2—クロロメチルー 1 メチルベンゾイミダゾールを経 由しな 、点から、下記の方法で製造することが望ま U、。
(4) (5)
[0029] (上記式中、 Xはハロゲン原子を示し、 Yは低級アルキル基又はベンジル基を示す。) [0030] 工程ー1
ホモピぺラジン誘導体(1)とべンゾイミダゾール誘導体(2)との反応は、塩基存在下 又は非存在下、 0〜: L00°Cで 30分〜 48時間反応させればよい。化合物(1)及び(2) は、市販品として容易に入手できる。
[0031] ここで、化合物(1) (3)及び (4)にお ヽて保護基として Yで示される低級アルキル 基とは、炭素数 1 6のアルキル基を意味し、例えば、メチル基、ェチル基、 n—プロ ピル基、イソプロピル基、 n—ブチル基、イソブチル基、 sec—ブチル基、 tert—ブチ ル基、 n—ペンチル基、 n キシル基等が挙げられる。 Yとしては、 tert—ブチル基 が好ましい。化合物(2)の Xで示されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、 ヨウ素原子が挙げられ、塩素原子が好ましい。
[0032] 塩基としては、トリェチルァミン、ジイソプロピルァミン、ピリジン、 4—ジメチルアミノビ リジン、ピぺリジン、ピロリジン、 N—メチルモルホリン、 N, N—ジイソプロピルェチル ァミン等の有機塩基;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナト リウム等の無機塩基が挙げられ、トリェチルァミンが好まし 、。
[0033] 反応溶媒としては、テトラヒドロフラン、 N, N—ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ キシド、エチレングリコールジメチルエーテル、ァセトニトリル、酢酸ェチル、ジェチル エーテル、クロ口ホルム等を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる 。これらのうちで、クロ口ホルムを単独で用いることが好ましい。
[0034] 化合物(3)は結晶性に優れ、再結晶により容易に精製ができる。また、本反応は、 大量スケールで実施しても少量スケールの反応が再現でき、高収率かつ高純度で化
合物(3)を得ることができる。
[0035] 工程 2
化合物(3)のべンゾイミダゾール環上の窒素原子をメチルイ匕するには、塩基存在下 、化合物(3)とハロゲン化メタンとを 0°C〜室温で反応させればよい。
[0036] ハロゲンィ匕メタンとしては、臭ィ匕メタン、ヨウ化メタンが挙げられ、ヨウ化メタンが好ま しい。また、当該メチル化は、ホルムアルデヒドと水素化ホウ素ナトリウムを用いた還元 的ァミノ化反応によっても実施できる。
[0037] 塩基としては、前記と同様なものが使用できる力 1, 1, 1, 3, 3, 3 へキサメチル ジシラザンナトリウム塩が好ましい。反応溶媒としては、上記と同様なものが挙げられ る力 テトラヒドロフランと N, N ジメチルホルムアミドの混合溶媒が好ましい。
[0038] 工程 3
化合物 (4)の脱保護は、化合物 (4)に酸又はアルカリを加え、 0〜10°Cで反応させ ればよい。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、テトラヒド 口フラン、 N, N—ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールジ メチルエーテル、ァセトニトリル、ジェチルエーテル、ベンゼン、トルエン又はこれらの 含水溶媒を用いればよい。酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、酢酸、トリフルォロ酢 酸などの有機酸が使用でき、アルカリとしては、水酸化リチウム、水酸ィ匕カリウム、水 酸ィ匕ナトリウム等の水酸ィ匕アルカリ金属が使用できる。また、接触還元による場合に は、水素雰囲気下にパラジウム炭素などのパラジウム触媒を使用すればよい。尚、化 合物 (4)は、上記脱保護の条件下で脱保護されると同時に、又は脱保護の後に酸処 理されることにより脱炭酸される。
[0039] <化合物(6) >
化合物(6)は、例えば下記の方法で製造することができる。当該方法は、副生成物 の生成がなぐカラムクロマトグラフィーでの精製が不要なため、収率が高ぐ化合物( 6)の製造法として好ましい。
[0041] (上記式中、 R、
1 R及び
2 Rは前記定義のとおりである。 )
3
[0042] 工程— 4
化合物(8)の水酸基をヒドロキシエトキシ基に変換する方法としては、化合物(8)と ヒドロキシェチル化剤を塩基存在下又は非存在下に反応させればょ ヽ。塩基を存在 させることが好ましい。
[0043] 化合物(8)は、例えば、文献 (Tetrahedron Lett. , 40, 1999, 4505)記載の 方法又は類似の方法により、 3—メトキシァ-リンカも容易に製造できる。すなわち、 3 ーメトキシァニリンにシンナモイルク口ライドをショッテン バウマン(Schotten—Bau mann)法で反応させてアミドを形成させ、次いでクロ口ベンゼン中、塩化アルミニウム の存在下、フリーデルクラフト環化反応を行えばよい。
[0044] ヒドロキシェチル化剤としては、エチレンカーボネート、エチレンオキサイド、ェチレ ンハロヒドリン、エチレンスルファイト、エチレンスルフェートなどが挙げられ、エチレン カーボネート又はエチレンスルファイトが好まし 、。
[0045] 塩基としては、トリェチルァミン、ジイソプロピルァミン、ピリジン、 4—ジメチルアミノビ リジン、ピぺリジン、ピロリジン、 N メチルモルホリン、 N, N ジイソプロピルェチル ァミン等の有機塩基;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナト リウム、水素化リチウム、水素化カリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基が挙げられ、 これらの中で、無機塩基が好ましぐ特に炭酸カリウム又は水素化リチウムが好ましい
[0046] 反応に用いる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、 N, N ジメチルホルムアミ ド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールジメチルエーテル、ァセトニトリル等を単 独で又は二種以上を組み合わせて用いることができ、 N, N ジメチルホルムアミドを
単独で用いることが好ま 、。
[0047] 反応温度は、 0〜135°Cであり、好ましくは室温〜 135°Cである。反応時間は、 2時 間〜約 1日程度である。
[0048] 化合物(11)は結晶性がよぐ再結晶により容易に精製ができる。また、本反応は、 大量スケールで実施しても少量スケールの反応が再現でき、高収率かつ高純度で化 合物(11)を得ることができる。
[0049] 工程 5
化合物(8)と酢酸エステル誘導体(9)とを反応させた後、エステル体(10)を還元す ることによつても、化合物(8)の水酸基をヒドロキシエトキシ基に変換することができる 。化合物(8)から化合物(10)を製造するには、塩基存在下、化合物(8)に酢酸エス テル誘導体(9)を室温〜 140°Cで反応させればよ!ヽ。
[0050] 酢酸エステル誘導体(9)の Rで示される脱離基としては、前記と同様のハロゲン原
2
子が好ましぐ特に臭素原子が好ましい。保護基 Rとしては、前記と同様の低級アル
3
キル基又はべンジル基が挙げられ、前記と同様の低級アルキル基が好ましぐ特に ェチル基が好ましい。化合物(9)としては、ブロモ酢酸ェチル、ブロモ酢酸メチル、ブ ロモ酢酸べンジノレ、クロ口酢酸ェチノレ、クロ口酢酸メチノレ、クロ口酢酸べンジノレ、ョード 酢酸ェチル等が挙げられ、ブロモ酢酸ェチルが好まし 、。
[0051] 塩基としては、トリェチルァミン、ジイソプロピルァミン、ピリジン、 4—メチルアミノビリ ジン、ピぺリジン、ピロリジン、 N メチルモルホリン、 N, N ジイソプロピルェチルァ ミン等の有機塩基;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリ ゥム等の無機塩基が挙げられ、炭酸カリウムが好ま U、。
[0052] 反応溶媒としては、テトラヒドロフラン、 N, N—ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ キシド、エチレングリコールジメチルエーテル、ァセトニトリル、クロ口ホルム、塩化メチ レン、酢酸ェチル、ベンゼン、トルエン等を単独で又は二種以上を組み合わせて用 V、ることができ、塩化メチレンを単独で用いることが好まし 、。
[0053] 工程 6
化合物(11)は、エステル体(10)を 0°C〜室温にて還元剤で処理すれば得られる。 還元剤としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素リチウム、ジボラン、水素
化ホウ素ナトリウムと塩ィ匕アルミニウムとの組み合わせ等が挙げられ、水素化ホウ素リ チウムが好ましい。反応溶媒としては、無水エーテル、無水テトラヒドロフラン、無水ェ チレングリコールジメチルエーテル等を用いることができ、無水エーテルが好まし 、。
[0054] 工程 7
化合物(6)は、塩基存在下、化合物(11)をスルホン酸ハロゲン化物又はスルホン 酸無水物と反応させることにより得られる。
[0055] ここで、化合物(6)の Rで示される「ノヽロゲン原子で置換されて 、てもよ 、低級アル キルスルホ-ルォキシ基」とは、無置換の低級アルキルスルホ -ルォキシ基又はハロ ゲン原子で置換された低級アルキルスルホ二ルォキシ基を意味する。低級アルキル スルホ-ルォキシ基の低級アルキル基とは、炭素数 1〜6の直鎖又は分岐鎖のアル キル基をいい、例えば、メチル基、ェチル基、 n プロピル基、イソプロピル基、 n—ブ チル基、イソブチル基、 sec ブチル基、 tert ブチル基、 n ペンチル基、 n—へキ シル基等が挙げられる。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子が挙げられる。
[0056] ハロゲン原子で置換されて!、てもよ!/、低級アルキルスルホ-ルォキシ基としては、 例えば、メタンスルホ-ルォキシ基、エタンスルホ-ルォキシ基、プロパンスルホ-ル ォキシ基、トリフルォロメタンスルホ-ルォキシ基、クロロメタンスルホ-ルォキシ基が 挙げられる。
[0057] 「低級アルキル基で置換されて!、てもよ!/、フエ-ルスルホ-ルォキシ基」とは、 1〜3 個の上記低級アルキル基で置換されることもあるフエ-ルスルホ-ルォキシ基を意味 する。フエニル基上の低級アルキル基の置換位置は特に制限されないが、 p—位が 好まし 、。低級アルキル基で置換されて 、てもよ 、フヱ-ルスルホ-ルォキシ基とし ては、例えば、 p トルエンスルホ -ルォキシ基等が挙げられる。
[0058] これら Rのうちで、低級アルキルスルホニルォキシ基が好ましぐ特にメタンスルホ -ルォキシ基が好ましい。
[0059] スルホン酸ハロゲン化物としては、メタンスルホ-ルクロライド、トリフルォロメタンス ルホ-ルクロリド、 p トルエンスルホ-ルクロライド等が挙げられ、メタンスルホ -ルク 口ライドが好ましい。スルホン酸無水物としては、メタンスルホン酸無水物、トリフルォ ロメタンスルホン酸無水物、 p トルエンスルホン酸無水物等が挙げられる。
[0060] 反応溶媒は特に制限されないが、例えば、無水エーテル、テトラヒドロフラン、 N, N ージメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコールジメチルエーテル 、ァセトニトリル等を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができ、 N, N ージメチルホルムアミドを単独で用いることが好まし!/、。反応温度は 0°C〜室温である
[0061] 塩基としては、水酸ィ匕カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属類、炭酸 カリウム、炭酸ナトリウム等の炭酸アルカリ金属類、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリ ゥム等の炭酸水素アルカリ金属類等の無機塩基;ピリジン、トリェチルァミン、 N, N- ジイソプロピルェチルァミン、 N—メチルモルホリン、 N, N—ジメチルァ-リン等の有 機塩基を使用することができ、 N, N—ジイソプロピルェチルァミンが好ましい。
[0062] 本反応は、大量スケールで実施しても少量スケールの反応が再現でき、高収率か つ高純度で化合物(6)が得られる。
[0063] 本発明の製造方法では、化合物(5)及び (6)として、収率、簡便性及びコストの点 から、前記方法によって合成されるものを使用することが望まし 、。
[0064] 本発明の製造方法によって得られる化合物(6)は、遊離体のままでもよ!/ヽが、付カロ 塩としてもよい。付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水 素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩類;メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、 p— トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩類、酢酸塩、トリフルォロ酢酸塩、クェン酸塩 、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、シユウ酸塩等のカルボン酸塩類などの有機酸 塩類を挙げることができる。また、化合物 (6)の遊離体又は付加塩は、製造時、精製 時に用いた溶媒、例えば水、アルコール等が付加した水和物又は溶媒和物として存 在することちある。
実施例
[0065] 以下、参考例及び実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら に限定されるものではない。
[0066] 参考例 1 7—(2—ヒドロキシエトキシ)カルボスチリル(11)の製造
7—ヒドロキシカルボスチリル(2. 9Kg)、水素化リチウム(18. 6g)を窒素気流下、 無水ジメチルホルムアミド(DMF)に懸濁させ、 120°Cに昇温した。次いでエチレン力
ーボネート(1.9Kg)の無水 DMF(2.9L)溶液を 1時間かけて滴下し、次いで 5時間 攪拌した。反応後 DMFを留去し、残渣にメタノール(24.8L)を加え、 14時間放置 後結晶をろ取し、メタノール 5Lで洗い、 70°Cで 3日間減圧乾燥し、標題化合物 2.42 Kg (収率 65.5%)を得た。
[0067] 融点: 238°C
— NMR(CDC1 , 400MHz) 6ppm:3.91 (2H, t, J=4.5Hz), 4.13 (2H, t
3
, J=4.5Hz), 6.43(1H, d, J = 9.3Hz), 6.86(1H, d, J = 2. OHz), 6.91(1 H, dd, J = 8.8, 2. OHz), 7.57(1H, d, 8.8Hz), 7.88(1H, d, J = 9.3Hz) . 元素分析: C H NOとして
11 11 3
計算値: C, 64.38;H, 5.40;N, 6.83.
実測値: C, 64.12;H, 5.32;N, 6.83.
[0068] 参考例 2 7—(2—メタンスルホ-ルォキシエトキシ)カルボスチリル(6)の製造
窒素気流下、 7- (2—ヒドロキシエトキシ)カルボスチリル(2.42Kg)、 N, N—ジィ ソプロピルェチルァミン(4.76Kg)、 DMF(48.4L)の混合溶液を 0°Cに冷却し、メ タンスルホユルク口ライド(1.35Kg)を滴下し、そのまま 1時間撹拌した。反応を完結 するため、更にメタンスルホユルク口ライド (0.54Kg)を滴下し、そのまま 1時間撹拌 した。反応液に水(145.2L)を加え、 10°Cで 3時間撹拌した。析出した結晶を濾取 し、アセトン(133.2L)で洗浄後、 40°Cで 70時間減圧乾燥し、標題ィ匕合物 2.5Kg( 収率 74.8%)を得た。
[0069] 白色粉末
'H-NMRCCDCl , 400MHz) 6ppm:3.14 (3H, s), 4.34 (2H, t, J=4.4Hz
3
), 4.63 (2H, t, J=4.4Hz), 6.52(1H, d, J = 9.5Hz), 6.80(1H, d, J = 2. 2Hz), 6.86(1H, dd, J = 8.5, 2.4Hz), 7.51 (1H, d, 8.8Hz), 7.77(1H, d, J = 9.3Hz).
[0070] 実施例 1 N—(ベンゾイミダゾールー 2—ィル)メチルー N,一 tert—ブトキシカルボ -ルホモピぺラジン(3)の製造
N— tert—ブトキシカルボ-ルホモピペラジン(5.50Kg)、 2—クロロメチルベンゾ イミダゾール(4.58Kg)、トリエチルァミン(3.34Kg)、クロ口ホルム(23.1L)の混合
溶液を、窒素気流下 4時間還流撹拌した。冷却後、クロ口ホルム(11L)及び水(5.5 L)を加え抽出し、有機層を減圧濃縮した後、減圧乾燥し、標題化合物 7.78Kg (収 率 86%)を黄褐色粉末として得た。
[0071] — NMR(CDC1 , 400MHz) 6ppm:l.39 (9H, d, J=l.9Hz), 1.76 (2H,
3
m), 2.60-2.75 (4H) , 7. 12(2H, br d, J = 3.5Hz), 7.50 (2H, br d) . FT-IR(KBr) v cm"1 :1686, 1425, 755.
FAB MSm/z : 331 (M+ + H)
[0072] 実施例 2 N—(l メチルベンゾイミダゾールー 2 ィル)メチルー N,一 tert—ブトキ シカルボ-ルホモピペラジン(4)の製造
N— (ベンゾイミダゾールー 2—ィル)メチルー N,一 tert ブトキシカルボ-ルホモ ピぺラジン(4.64Kg)、THF(34.8L)、無水 DMF(8.2L)の混合溶液に、 5〜15 °Cで、 1, 1, 1, 3, 3, 3 へキサメチルジシラザン ナトリウム塩の 40%テトラヒドロフ ラン (THF)溶液(7.34L)を滴下し、 40分間撹拌した。容器内温度が 10〜20°Cに 保たれるよう注意しながら、ヨウ化メタン(2.65Kg)を滴下した後、 10°Cで 2時間撹拌 した。反応液に 2.5wZw%の飽和塩化アンモニゥム水溶液(11.5L)をカ卩え、さら に 2.5時間攪拌した後、溶媒を留去した。残渣にトルエン(24.4L)及び水 (40.6L )を加え抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後溶 媒を留去し、標題ィ匕合物 4.39Kg (収率 90.8%)を赤褐色粘性液体として得た。
[0073] — NMR(CDC1 , 400MHz) 6ppm:l.40 (9H, d, J=l.9Hz), 1.69— 1.7
3
9(1H, m), 1.80—1.86(1H, m), 2.65— 2.71 (3H, m), 2.73— 2.80(1H , m), 3.89 (3H, s), 3.93 (2H, s), 7.21— 7.38 (3H, m), 7.71 (2H, br d)
FT-IR(KBr) v cm"1: 1698, 1700.
LC/MSm/z: 344 (M+ +H)
[0074] 実施例 3 N—(1 メチルベンゾイミダゾールー 2 ィル)メチルホモピぺラジン(5) の製造
N—( 1 メチルベンゾイミダゾール 2—ィル)メチル N,一 tert ブトキシカルボ -ルホモピぺラジン (4.39Kg)、メタノール(7.9L)の混合溶液に、氷冷下、 35%塩
酸水溶液 (6.24Kg)を滴下した後、 50°Cに昇温し 1時間攪拌した。冷却後、反応液 を減圧濃縮しクロ口ホルム(31.6L)と水(15.1L)を加えて分液し、次いで有機層に 飽和食塩水を加え分液後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、標題化合物 2.59Kg( 収率 83%)を得た。
[0075] — NMR(CDC1 , 400MHz) 6ppm:l.73(1H, br s), 1.77 (2H, m), 2.7
3
2-2.76 (2H, m), 2.79 (2H, t, J = 7. OHz), 2.87— 2.91 (2H, m), 2.96 ( 2H, t, J = 7. OHz), 3.91 (3H, s), 3.96 (2H, s), 7.26— 7.33 (3H, m), 7. 73 (1H, d, J = 7. OHz).
[0076] 実施例 4 N—( 1 メチルベンゾイミダゾール 2 ィル)メチル N,一 2 [ (カルボ スチリルー 7—ィル)ォキシ]ェチルホモピぺラジン(7)の製造
N—(l メチルベンゾイミダゾールー 2 ィル)メチルホモピぺラジン(2.15Kg, 8 .80mol)、 7— (2—メタンスルホ -ルォキシ)エトキシカルボスチリル(2.49Kg, 8. 79mol)、トリエチノレアミン(2.05Kg, 20.3mol)、無水 DMF(8.28Kg)の混合溶 液を、窒素気流下 60°Cで 1日間反応させた。反応液を冷却後、 10wZw%炭酸カリ ゥム水溶液(25Kg)を加え、 4時間放置し、析出した結晶をろ取し、水洗した後 50°C で 2日減圧乾燥し、標題ィ匕合物 3.06Kg (収率 80.7%)を得た。
[0077] — NMR(DMSO d , 400MHz) 6ppm:l.66— 1.76 (2Η, m), 2.63— 2
6
.82 (8H, m), 2.90 (2H, br t), 3.84 (3H, s), 3.88 (2H, s), 4.08 (2H, br t), 6.31 (1H, d, J = 9.3Hz), 6.73— 6.81 (2H, m), 7.12— 7.28 (2H, m
), 7.48-7.60 (3H, m), 7.8(1H, d, J = 9.3Hz) .
FT-IR(KBr) v cm"1: 1675.
LC/MSm/z: 431 (M+)
[0078] 実施例 5 N—( 1 メチルベンゾイミダゾール 2 ィル)メチル N,一 2 [ (カルボ スチリル 7—ィル)ォキシ]ェチルホモピぺラジン ·ニシュゥ酸塩の製造
N— (1—メチルベンゾイミダゾールー 2—ィル)メチル—N,—2— [(カルボスチリル
—7—ィル)ォキシ]ェチルホモピぺラジン(3.06Kg)のメタノール(15.3L)溶液に シユウ酸(1.28Kg)のメタノール(2.56L)溶液を滴下し、室温にて 3時間撹拌した。 析出した結晶をメタノール (6. 1L)で洗い 40°Cで 1日乾燥し、標題ィ匕合物 3.3Kg(
収率 76%)を得た。