明 細 書
コレステロール代謝制御剤、それを含有する飲食品、食品添加物及び医 技術分野
[0001] 本発明は、リンゴまたはホップ苞より得られるコレステロール代謝制御剤、それを含 有する飲食品、食品添加物及び医薬に関する。
背景技術
[0002] 食生活の向上および食文化の欧米化に伴い、脂肪エネルギー比率が逐年増加し 、今後も増加する傾向にある。平成 13年国民栄養調査結果によると、総コレステロ一 ル値が 200 mg/dL以上の割合は男性で 48%、女性で 55%にのぼる。脂肪の過剰摂 取はたんに体脂肪の増
加のみならず、各種の 、わゆる生活習慣病の発症のリスクを高めることが指摘されて きた。現在、動脈硬化性疾患は日本人の死因統計で癌と並んで大きな位置を占め、 またその多くは働き盛りに突然発症して、社会的にも家庭的にも極めて大きな損失を 与えることから、その効果的な予防及び治療対策の確立は必須の課題である。動脈 硬化は多様な要因の重なりによって発症 ·進展することが知られている力 それらの 中で、最も大きな要因と考えられているのは、高脂血症、とくに高コレステロール血症 であるため、これまでその対策に最も重点を置かれてきた。
[0003] 近年にぉ 、て、コレステロール代謝制御作用に優れた薬物治療が普及し、それに よる冠動脈疾患の予防効果が欧米において示されるようになった。わが国でも最近 になり介入試験を含め多人数での試験が行われるようになり、参考となる資料が得ら れるようになってきた。しかし、薬物治療の普及は安易に薬剤に依存し、ライフスタイ ルの改善が十分おこなわれな 、恐れもある。
[0004] 今日、高コレステロール血症に対しては一律な治療をおこなうのではなぐ動脈硬 化を予防する上でより効率的な治療をおこなうべき時代である (非特許文献 1)。
[0005] 例えば、動物界に広く存在する脂質成分の一種であるコレステロールは、細胞や組 織の生体膜の構成成分や、胆汁、性ホルモン、副腎皮質ホルモン、ビタミン D等の前
駆体となる有用物質であるが、卵ゃ畜肉に特に多く含有され、近年の食生活の変化 力 過剰に摂取される傾向にある。
[0006] コレステロールは、血中においては、特異的なタンパク質と結合したリポタンパク質 の形で末梢組織に運搬されるが、特に、悪玉コレステロールと呼ばれる LDL (低密度 リポタンパク質) -コレステロールの増加は、高コレステロール血症等の脂質代謝異常 の原因となることが知られており、動脈硬化発症の原因となることが報告されている。
[0007] 一方、善玉コレステロールと呼ばれる HDL (高密度リポタンパク質) -コレステロール は、 LDL-コレステロールとは拮抗的に作用する。即ち、動脈壁や抹消組織中に余分 に蓄積された遊離コレステロールを除去し、生体のコレステロールプールを減少させ る作用、即ち、脂質の排泄促進作用を有することが知られている。
[0008] 従来、このような脂質代謝制御剤としては、医薬品にあってはプラバスタチンナトリ ゥム、ベザフイブラート、食品由来成分にあっては食物繊維、ポリフエノール等が知ら れている。
[0009] 植物界に広く存在するポリフエノールは、最近の研究によって様々な生理機能性を 有することが確認されており、特許文献 1には、バラ科果実若しくは未熟果実由来の 果実ポリフ ノールを有効成分とする生体内脂質代謝制御について報告されている
。し力しながら、当該発明によると、酸化コレステロール摂取による生体内脂質の酸ィ匕 抑制及び HDL-コレステロール Z総コレステロール比の改善について示したのみであ り、ヒトあるいは動物にぉ 、て普通食の吸収 ·代謝後の血清ある ヽは肝臓中のコレス テロール濃度を調節することに関して全く言及しておらず、何ら実施例も設定されて いない。
[0010] また、特許文献 2には、柿タンニンについてコレステロール代謝改善剤が報告され ている。し力しながら、高分子量の縮合型ポリフエノールイ匕合物によるコレステロール 代謝制御作用につ 、て記載されて 、るのみであり、低分子量の縮合型ポリフエノー ルイ匕合物のコレステロール代謝制御作用に関しては一切言及されて 、な 、。
特許文献 1:特開平 10-330278号公報
特許文献 2:特開 2003-231684号公報
非特許文献 1 :動脈硬化性疾患診療ガイドライン、日本動脈硬化学会編、 2002
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0011] 前述の通り、薬物治療の普及は安易に薬剤に依存し、ライフスタイルの改善が十分 おこなわれない恐れもある。今日、高コレステロール血症に対しては一律な治療をお こなうのではなぐ動脈硬化を予防する上でより効率的な治療をおこなうべきである。
[0012] し力しながら、現状では、天然物由来であって、総合的脂質代謝に対する幅広い機 能性を有し、かつ、副作用の可能性が極めて小さいという点において、十分満足でき るものは見出されておらず、これらの性質を満足するコレステロール代謝制御剤が切 望されている。
[0013] 本発明が解決しょうとする課題は、コレステロール吸収を低減する効果があり、普通 食を摂取し、食事制限がなぐ天然物質由来で安全性が高ぐコレステロール低減作 用を有する飲食品、食品添加物または医薬を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0014] 上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、本発明者らはリンゴ抽出物また はホップ苞抽出物が、コレステロール代謝制御作用を有することを見出し、本発明を 完成するに至った。
また、ホップ苞抽出物またはホップ苞に含有されるポリフエノール様物質で、ゲル型 合成樹脂に吸着し、分画分子量が 1, 000以上の限外ろ過膜により処理した際に膜 を通過しな 、物質、すなわちホップ苞を水または水と混和する有機溶媒の水溶液で 抽出し、ゲル型合成樹脂または限外ろ過膜により処理して、それぞれ各処理工程を 経て得られる画分が、コレステロール制御作用を有することを見出した。
[0015] すなわち、本発明は以下の内容を要旨とするものである。
(1) リンゴ抽出物またはホップ苞抽出物を有効成分として含有してなることを特徴と するコレステロール代謝制御剤。
(2) ホップ苞抽出物であり、かつポリフエノール様物質を吸着する吸着樹脂に吸着 する物質であるコレステロール代謝制御剤。
(3) ホップ苞抽出物であり、かつ分画分子量 1, 000以上の限外ろ過膜により処理 した際に膜を透過しない物質であるコレステロール代謝制御剤。
(4) ホップ苞に含有されるポリフエノール様物質であり、かつ分画分子量が 1, 000 以上の限外ろ過膜により処理した際に膜を透過しない物質であるコレステロール代 謝制御剤。
(5) (1)ないし (4)のいずれか 1項に記載のコレステロール代謝制御剤を含有する 飲^;ロロ。
(6) (1)ないし (4)のいずれか 1項に記載のコレステロール代謝制御剤を含有する 食品添加物。
(7) (1)ないし (4)のいずれか 1項に記載のコレステロール代謝制御剤を含有する 医薬。
発明の効果
[0016] 本発明のリンゴ抽出物またはホップ苞抽出物を有効成分とするコレステロール代謝 制御剤は、副作用が極めて少なくコレステロールの代謝を制御することができる。
[0017] また、上記のコレステロール代謝制御剤を有効成分として含有する飲食品、食品添 加物及び医薬は、副作用が極めて少なくコレステロールの代謝を制御することができ る。
図面の簡単な説明
[0018] [図 1]リンゴ由来のポリフエノールを摂食させたラットの血清及び肝臓コレステロール 濃度を示すグラフである。
[図 2]ホップ苞由来のポリフエノールを摂食させたラットの血清コレステロール濃度を 示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態
[0019] 本発明のコレステロール代謝制御剤におけるリンゴ抽出物は、リンゴ由来ポリフエノ ールを有効成分として含有するものである。
[0020] 本発明のリンゴ抽出物を有効成分として含有するコレステロール代謝制御剤は、体 内に吸収される 2〜3量体の低分子プロシア-ジンが肝臓中のコレステロール代謝遺 伝子の発現を抑制及び促進し、なおかつ、それ以上の高分子プロシア二ジン類がコ レステロールと胆汁酸の吸収阻害及び排泄促進をする相乗効果によりコレステロ一 ル代謝制御を行うものと推測される。
[0021] 本発明のリンゴ抽出物中のプロシア-ジン類とは、具体的には、カテキンが縮重合 したプロシア-ジン Bl、プロシア-ジン B2、プロシア-ジン C1等を合せての総称であ る。
[0022] 本発明で使用するリンゴポリフエノールを含有するリンゴ抽出物は、バラ科リンゴ属 植物の果実、例えば、フジ、陸奥、津軽、スターキング ·デリシャス等の栽培品種及び 原種リンゴ等より抽出して得られる。
[0023] 果実としては成熟果実、未熟果実ともに用いることができるが、より多くのポリフヱノ ール化合物を含有すること、及び広範な生理作用を有する各種活性成分を多量に 含むことから、未熟果実が特に好ましい。
[0024] 本発明のリンゴ抽出物中に含有されるリンゴポリフエノールは、リンゴ果実、若しくは 未熟果実の搾汁果汁、抽出液より精製されたポリフ ノール画分力 なるものである 力 当該ポリフエノール画分の精製は、搾汁果汁、抽出液を吸着剤で処理することに より行なわれ、吸着剤に吸着する画分 (以下、吸着画分という)にポリフ ノールは含 有されている。
[0025] 前記吸着画分を、例えばエタノール等の含水アルコールで溶出させることにより、 ポリフエノール画分が精製される。当該ポリフエノール画分は、次いで濃縮処理するこ とにより液体製剤を得ることができ、さら〖こ、当該液体製剤を噴霧乾燥もしくは凍結乾 燥処理することにより粉末製剤を得ることもできる。
[0026] リンゴ果汁中においては、プロシア-ジン類は大部分が 2量体及び 3量体として存 在している力 高分子プロシア-ジン類は、加熱やアルカリ等の処理で変性や酸ィ匕 分解されやすい。
[0027] 一方、低分子プロシア-ジン類は体内に吸収される力 高分子プロシア-ジン類は 容易には体内に吸収されず、多くは排泄されると考えられている。
[0028] し力しながら、分子量の違いよる機能性の違いについては、検討はほとんどされて いない。
[0029] リンゴ抽出物の抽出方法としては、洗浄した原料を pH3. 2〜4. 6、好ましくは pH3.
5〜4. 3で破砕し、得られた果汁にぺクチナーゼを 5〜75°C、好ましくは 30〜60°C で 10〜: LOOppm、好ましくは 20〜30ppmで清澄化を行い、遠心分離後、 5〜75°C
、好ましくは 15〜25°Cで珪藻土 (商品名「シリカ 300S」、中央シリカ社製)濾過により さらに清澄化を行い、清澄果汁を得る。或いはへキサン、クロ口ホルム等の有機溶媒 による分配及び濾過を行い、清澄抽出液を得る。清澄果汁を 0〜40°C、好ましくは 1 5〜25°C、pHl. 5〜4. 2、好ましくは pH3. 0〜4. 0で吸着カラム(商品名「セパビー ズ SP— 850」、三菱化学社製)に通液し、ポリフエノール類を吸着させる。続いて純水 を通液し、カラム中の非吸着物質 (糖類、有機酸類等)を除去した後、 10〜90%、好 ましくは 30〜80%のエタノールで溶出する。得られた画分からエタノールを 25〜 10 0°C、好ましくは 35〜90°Cで減圧濃縮し、濃縮液をそのまま或いはデキストリン等の 粉末助剤を添加し、噴霧乾燥又は凍結乾燥を行い、抽出粉末品を得る。
[0030] 製剤中で総ポリフエノール中のプロシア-ジン類の含有率としては、好ましくは 20〜 100重量%、より好ましくは 30〜90重量%、特に好ましくは 40〜65重量%である。更に 、プロシア-ジンに占める 2量体及び 3量体の割合は、好ましくは 20〜80重量%、より 好ましくは 25〜70重量%、特に 30〜70重量%が好ましい。この範囲であると血清及 び/あるいは肝臓総コレステロール低減、 LDL-コレステロール低減、 HDL-コレステ ロール上昇、肝臓コレステロール制御遺伝子の発現を促進する等の効果が明瞭に 発現される。
[0031] また、プロシア-ジン類の含有量の 10〜80重量%、好ましくは 15〜70重量%が、 2 量体及び Z又は 3量体力 選ばれたものであると、製剤としての呈味が更に優れ、無 理なく連用できるため、好ましい。
[0032] 本発明のコレステロール代謝制御剤により、血清及び Zあるいは肝臓総コレステロ ール低減、 LDL-コレステロール低減、 HDL-コレステロール上昇、肝臓コレステロ一 ル制御遺伝子の発現を促進する効果を得るための成人 1日あたりの投与量は、プロ シァ-ジン類として、 100〜2500
mgであるが、好ましくは 150〜1500 mg、更に好ましくは 150〜1000 mg、特に 150〜75 0 mgであるのが好ましい。
[0033] 本発明のコレステロール代謝制御剤を利用する場合、プロシア-ジン類の吸収の 点から、 1日あたりのリンゴ抽出物量を少ない回数で摂取する方がプロシア-ジン類 の血中濃度が高くなり、プロシア-ジン類の作用を発現しやす!/、。
[0034] 本発明のコレステロール代謝制御剤におけるホップ苞抽出物は、ホップ苞由来ポリ フエノールを有効成分として含有するものである。
[0035] 本発明で使用するホップ苞ポリフエノールを含有するホップ苞抽出物は、ホップ毬 果よりルブリン部分を除いて得られるものであり、一般に、ホップ毬果を粉砕後、篩い 分けによってルブリン部分を除くことによってホップ苞を得る。しかし、最近のビール 醸造において、ホップ苞を篩い分けして除去する手間を省くために、ビール醸造に 有用でないホップ苞を取り除かずにホップ毬果をそのままペレット状に成形し、ホップ ペレットとして、ビール醸造に利用する傾向にある。したがって、本発明の原料として は、ホップ苞を含むものであれば特に限定せず、ホップ苞を含むホップ毬果やホップ ペレットを原料としてもなんら問題な 、。
[0036] ホップ苞抽出物の抽出方法としては、特に限定されるものではないが、例えば原料 であるホップ苞またはホップ苞を含むホップ毬果やホップペレットなどを、 4〜95°C、 好ましくは 30〜60°Cで 0〜50%、好ましくは 10〜40%のエタノールと混和し、抽出 する。原料と抽出溶媒の割合は、 1 : 20〜100 (重量比)、好ましくは1 : 30〜90 (重量 比)であり、攪拌下、 20〜60分、好ましくは 30〜50分で行う。 5〜75°C、好ましくは 1 5〜25°Cで珪藻土 (商品名「シリカ 300S」、中央シリカ社製)濾過によりさらに清澄ィ匕 を行う。ホップ苞抽出物はコレステロール代謝制御作用を有するため、コレステロ一 ル代謝制御剤として有用である。
[0037] ホップ苞抽出物に含まれるポリフエノール様物質がコレステロール代謝制御作用を 有するため、コレステロール代謝制御剤として有用である。
[0038] ホップ苞抽出物力 ポリフエノール様物質を得るには、例えば、ホップ苞抽出物をポ リフエノール様物質を吸着する吸着樹脂で吸着処理して、ホップ苞抽出液力 ホップ 苞由来ポリフエノール様物質を分離精製すればよい。吸着処理方法は特に限定され ないが、例えばホップ苞抽出液を 0〜40°C、好ましくは 15〜25°Cで吸着樹脂に吸着 させればよい。
[0039] 吸着榭脂は、ポリフ ノール様物質を吸着するものであれば特に限定されないが、 例えば親水性ビュルポリマー榭脂(東ソ一社製「トヨパール HW40」)、スチレンージビ -ルベンゼン榭脂 (三菱ィ匕学社製「セパビーズ SP— 825」)、ゲル型合成樹脂 (三菱
化学社製「ダイヤイオン HP-20」)を挙げることができる。これらの吸着榭脂を充填した 吸着カラムにホップ苞抽出物を通液し、ポリフエノール様物質を吸着させる。続いて 純水を通液し、カラム中の非吸着物質 (糖類、有機酸類等)を除去した後、 10〜90 %、好ましくは 30〜80%のエタノールでポリフエノール様物質を溶出させればよい。
[0040] ホップ苞抽出物またはホップ苞に含有されるポリフエノール様物質のうち、分画分子 量 1, 000以上の限外ろ過膜で処理した際に膜を透過しない物質が小腸内でコレス テロールのミセル可溶ィ匕を阻害して生体への侵入を制御する点で好ましい。
[0041] 次に、限外ろ過膜を用いる方法について述べる。上記の抽出工程または吸着工程 で得られたホップ苞抽出物またはホップ苞由来ポリフエノール様物質を含む処理液 を、分画分子量が 1, 000以上、好ましくは 10, 000-50, 000の限外ろ過膜で処理 する。その際必要があれば、ホップ苞由来ポリフエノール様物質を含む処理液を減圧 濃縮し、エタノール濃度を下げておくこともできる。また処理は、抽出溶媒の有機溶媒 濃度や抽出溶媒とホップまたはホップ苞の割合にもよるが、およそ上残り液の量が処 理開始時の iZio〜iZioo、好ましくは 1Z20〜1Z100になるまで行う。その際 の圧力は 9. 8kPa〜981kPa、好ましくは 98kPa〜686kPaである。このまま液体状態 で利用することも可能であるが、下記記述のとおり、乾燥させることもできる。得られた 画分力もエタノールを 25〜100°C、好ましくは 35〜90°Cで減圧濃縮し、濃縮液をそ のまま或いはデキストリン等の粉末助剤を添加し、噴霧乾燥又は凍結乾燥を行 、、 抽出粉末品を得る。
[0042] なお、ホップ苞由来ポリフエノール様物質であって、分画分子量 1, 000以上の限 外ろ過膜により処理した際に膜を通過しない物質を得る方法は、上記方法に限定さ れるものではなぐホップ苞由来抽出物を分画分子量 1, 000以上の限外ろ過膜で処 理した後、限外ろ過膜を透過しない処理液を、ゲル状高分子で吸着処理をしてもよ い。
[0043] 本発明のコレステロール代謝制御剤においてホップ苞抽出物により、血清総コレス テロール低減、 LDL-コレステロール低減、 HDL-コレステロール上昇効果を得るため の成人 1日あたりのホップ苞抽出物投与量は、 200〜5000 mgであるが、好ましくは 30 0〜3000
mg、更に好ましくは 300〜2000 mg、特に 300〜1500 mgであるのが好ましい。
[0044] 本発明のコレステロール代謝制御剤は食品添加物として、飲料を含む、広く食品一 般に添加して用いることができ、例えばスープ類、飲料 (ジュース、酒、ミネラルウォー ター、コーヒー、茶等)、菓子類 (ガム、キャンディー、チョコレート、スナック、ゼリー等 )、麵類 (そば、うどん、ラーメン等)に好適に用いられる。
[0045] 本発明のリンゴ抽出物によるコレステロール代謝制御剤を含む飲料の場合は、飲 料中のリンゴ抽出物中に含まれるプロシア-ジン類の含有量は 0.05〜1.25重量0 /0、 好ましくは 0.15〜0.75重量%、特に 0.3〜0.5重量%が好ましい。この量であるとプロシ ァ-ジン類の多量の摂取が容易でありながら、苦味を生じなく好ましい。また 0.05重 量%以上であると、飲用時にコクを持った味となり好ましい。
[0046] 本発明のホップ苞抽出物によるコレステロール代謝制御剤を含む飲料の場合は、 飲料中のホップ苞由来抽出物の含有量は 0.1〜2.5重量%、好ましくは 0.3〜1.5重量 %、特に 0.6〜1重量%が好ましい。この量であるとホップ苞抽出物の多量の摂取が 容易でありながら
、苦味を生じなく好ましい。また 0.1重量%以上であると、飲用時にコクを持った味とな り好ましい。
[0047] 本発明のコレステロール代謝制御剤を含む食品の場合は、食品の一部としてコレス テロールを含有する食品に用いることができる。力かるコレステロール含有食品として は、例えば特定の機能を発揮して健康増進を図る健康食品が挙げられる。具体的に は、力かるコレステロールを含有したマヨネーズ類、レバーペースト類、カスタードクリ ーム類、ケーキ類等が挙げられる。
[0048] リンゴ抽出物を含むコレステロール代謝制御剤の製剤としては、製剤中、プロシア 二ジン類が、 0.05〜1.25重量0 /0、好ましくは 0.15〜0.75重量0 /0、更に 0.3〜0.5重量0 /0 含有するのが好ましい。この量であるとプロシア-ジン類の苦味がなぐ多量の摂取 が容易であり、投与回数、効果の点で好ましい。
[0049] ホップ苞抽出物を含むコレステロール代謝制御剤の製剤としては、製剤中、ホップ 苞抽出物が、 0.1〜2.5重量%、好ましくは 0.3〜1.5重量%、更に 0.6〜1重量%含有 するのが好ましい。この量であるとホップ苞抽出物の苦味がなぐ多量の摂取が容易
であり、投与回数、効果の点で好ましい。
[0050] 本発明のコレステロール代謝制御剤を含む医薬品の剤形は特に限定されないが、 例えば錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤等の固形製剤、水剤、懸濁 剤、シロップ剤、乳剤等の液剤等の経口投与剤が挙げられる。この経口投与剤は、 形態に応じて当分野において通常用いられる賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界 面活性剤、アルコール類、水、水溶性高分子、甘味料、矯味剤、酸味料、薬剤用担 体等を添加して通常使用されている方法によって製造することができる。プロシア- ジン類は、経口投与用医薬品中に、医薬品の用途及び形態によっても異なるが、一 般に 0.1〜100重量%、特に 1〜80重量%含有するのが好ましい。また、ホップ苞抽出 物は、経口投与用医薬品中に、医薬品の用途及び形態によっても異なる力 一般に 0.2〜100重量%、特に 2〜80重量%含有するのが好ましい。
[0051] 実施例
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施 例に限定されるものではない。
[0052] (試験例 1)プロシア二ジン類の測定
フィルター(0.8 μ m)で濾過した液体のリンゴ抽出物を、高速液体クロマトグラフ(日 立社製、型式 L7000)を用い、逆相液体クロマトグラフ用パックドカラム ODS
C18 (4.6mm X 250mm, GLサイエンス社製)に装着し、カラム温度 35°Cでグラジェン ト法により行つ
た。移動相 A液はリン酸カリウム 10mmol/L含有の 10%メタノール水溶液、 B液はリン酸 カリウムを 10mmol/L含有の 10%メタノール水溶液とし、試料注入量は 20 L、 UV検 出器波長は 280
nmの条件で行った。
[0053] (試験例 2)リンゴ由来ポリフエノールのコレステロール代謝制御作用(ラット)
まず、動物試験により、リンゴ由来ポリフエノールの血清コレステロールの代謝制御 作用を検討した。
[0054] SD系ラット(日本チヤ一ルスリバ一)の雄を各 8匹に分け、リンゴ由来ポリフエノール
を 0.01%、 0.1 %及び 0.5%量、混餌自由摂取にて 4週間投与を行った。ネガティブコン トロール群を設定した。各試料間での体重増加及び摂餌量に差は認められな力つた 。リンゴ由来ポリフエノール摂取群は有意に血清総コレステロールが低下し、血清 HD L-コレステロールが増加した。さらに、肝臓総コレステロールも有意に低下した。その 結果を図 1に示した。図中、「AP」は「リンゴ由来ポリフエノール」の略称である。
[0055] 実験時の一般状態、体重に異常は見られず、実験終了後の一般血液検査及び解 剖所見も異常が見られな力Oつた。
[0056] 飼料組成:(重量%)
コーンスターチ 36.4986 (リンゴポリフエノールを含む)
カゼイン 20
α -コーンスターチ 13.2
ショ糖 10
セルロース 5
サフラワー油 10
t一水酸化ブチルキノン 0.0014
ミネラル混合物 3.5
ビタミン混合物 1
L-シスチン 0.3
重酒石酸コリン 0.25
コレステロール 0.25
[0057] 使用したリンゴポリフエノール:
プロシア二ジン類 63. 8%
成分 2量体 11. 1
41 〔体 8. 7°/
5M 〔体 5. 9°/
6M 〔体 4. 9°/
7量体以上 20. 9%
総ポジフエノーノレ類 93. 5%
[0058] (試験例 3)ラット肝臓中のコレステロール代謝遺伝子発現の抑制及び促進作用
使用動物: 3週令、 Crj:CD (SD)雄ラット(日本チヤ一ルス ·リバ一 (株)製)に AIN93純 化食 (オリエンタル酵母工業株式会社製)を与え 1週間の予備飼育を行った後、次の 飼料を与えて 9週間飼育した。
[0059] 飼料: コントロール群 リンゴポリフエノール摂取群
コーンスターチ 34.8重量% 34.8重量%
カゼイン 23.6重量% 23.6重量%
α化コーンスターチ 13.2重量% 12.2重量%
ショ糖 10重量% 10重量%
大豆油 7重量% 7重量%
セノレロース 6.4重量% 6.4重量%
ミネラル 1) 3.5重量% 3.5重量%
ビタミン 2) 1重量%
1重量%
L-システィン 0.3重量% 0.3重量%
重酒石酸コリン 0.2重量% 0.2重量%
リンゴポリフエノール 0重量%
1重量%
注 1) Mineral Mixture AIN93 (オリエンタル酵母工業株式会社製)
注 2) Vitamin Mixture AIN93 (オリエンタル酵母工業株式会社製)
[0060] 血液、肝臓の採取及び遺伝子解析用飼料の採取
13週令のラットを 12時間絶食させエーテル麻酔下で直ちに開腹し、腹部大動脈より 採血を行い、さらに肝臓を採取した。遺伝子解析用の肝臓組織は、採取後 RNAlater (タカラバイオ (株)製)中に浸漬し、翌日— 80°Cで保存した。
[0061] RNAの抽出と肝臓コレステロール代謝関連酵素の mRNA発現量の測定
総 RNAは RNeasy ( (株)キアゲン製)を用い精製した。得られた総 RNAから、 ABI PRISM High Capacity cDNA Archive Kit (アプライドバイオシステムズジャパン(株)
製)を用いて cDNA合成を行った。得られた cDNAを SYBR
GREEN PCR Master MIX (アプライドバイオシステムズジャパン (株)製)を用いて增 幅を行い、 ABI PRISM 7700 Sequence
Detector (アプライドバイォシステムズジャパン (株)製)にて検出し各々の発現量とし た。
[0062] コレステロール合成酵素である 7- dehydrocholesterol
reductase (DHCR7) mRNA及びコレステロール分解酵素である cytochrome P450, fam lly 7, subfamily a,
polypeptide 1 (CYP7Al) mRNAの発現量を表 1に示す。
[0063] リンゴポリフエノールを摂取することにより、肝臓のコレステロール合成酵素発現は 抑制され、またコレステロール分解酵素発現は促進された。
[0065] (比較例 1)錠剤
ラタトース 140gとコーンスターチ 17gとを混合し、この混合物をあら力じめコーンスタ ーチ 70gから調整したペーストとともに顆粒ィ匕した。得られた顆粒にステアリン酸マグ ネシゥム lgを加えてよく混合し、この混合物を打錠機にて打錠して錠剤 1000個を製 し 7こ。
[0066] (実施例 1)錠剤
リンゴ由来ポリフエノール 33gとラタトース 90gとコーンスターチ 17gとを混合し、この 混合物をあら力 めコーンスターチ 70gから調整したペーストとともに顆粒ィ匕した。得 られた顆粒にステアリン酸マグネシウム lgを加えてよく混合し、この混合物を打錠機 にて打錠して錠剤 1000個を製造した。
使用したリンゴポリフエノール:
プロシア二ジン類 52. 0%
成分 2量体 13. 5%
31 体 15. 1%
41 体 5. 0%
51 体 3. 4%
61 体 2. 8%
71 体以上 12. 1(
総ポジフエノーノレ類 91. 2%
[0067] (実施例 2)錠剤
リンゴ由来ポリフエノール 67gとラタトース 90gとコーンスターチ 17gとを混合し、この 混合物をあら力じめコーンスターチ 70gから調整したペーストとともに顆粒ィ匕した。得 られた顆粒にステアリン酸マグネシウム lgを加えてよく混合し、この混合物を打錠機 にて打錠して錠剤 1000個を製造した。
[0068] (実施例 3)錠剤
リンゴ由来ポリフヱノール 167gとラタトース 90gとコーンスターチ 17gとを混合し、こ の混合物をあら力じめコーンスターチ 70gから調整したペーストとともに顆粒ィ匕した。 得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム lgを加えてよく混合し、この混合物を打錠 機にて打錠して錠剤 1000個を製造した。
[0069] (試験例 4)リンゴ由来ポリフ ノールのコレステロール代謝制御作用(ヒト) 次に、臨 床試験により、リンゴ由来ポリフエノールの血清コレステロールの代謝制御作用を検
B、Jした。
[0070] 血清総コレステロールが 200〜260 mg/dLである境界領域の試験対象者 48名(20〜 65歳の男女)に試験食である錠剤 (対照群 (比較例 1、リンゴ由来ポリフエノール 0 mg: 12名)、低用量群(実施例、リンゴ由来ポリフエノール 300 mg: 12名)、中用量群 (実施例
2、リンゴ由来ポリフエノール 600 mg: 12名)、高用量群(実施例 3、リンゴ由来ポリフエ ノール
1500 mg: 12名))を 1日 3回 3錠 4週間摂取させた。投与群では用量依存的に総コレス テロールが低下し、さらに LDL-コレステロールも低下した (表 2)。また、各種血 液検査、尿検査力も異常は認められな力つた。摂取期間中、問題となるような訴えは
全く見られな力つた。
[表 2] 総コレステロール
注 * : p<0. 05
* *: pく 0. 01 (試験例 5)リンゴ由来ポリフエノールの安全性試験
{ 14日間反復投与毒性試験 }
SD系ラット(日本チヤ一ルスリバ一)の雌雄を各 3匹に分け、リンゴ由来のポリフエノ ールを 2000、 3000
mg/kg量、胃ゾンデにて 14曰間投与を行った。実験時の一般状態、体重に異常は見 られず、実験終了後の一般血液検査及び解剖所見も異常が見られなカゝつた。
{ 90日間反復投与毒性試験 }
SD系ラット(曰本チヤ一ルスリバ一)の雌雄を各 10匹に分け、リンゴ由来のポリフエノ ールを 500、 1000、 2000
mg/kg量、胃ゾンデにて 90曰間投与を行った。実験時の一般状態、体重に異常は見 られず、実験終了後の一般血液検査及び解剖所見も異常が見られな力つた。
{変異原性試験 }
SD系ラット(日本チヤ一ルスリバ一)の雄性を 5匹に分け、リンゴ由来のポリフエノー ルを 500、 1000、 2000
mg/kg量、胃ゾンデにて投与を行った。一般状態、体重に異常は見られず、小核をも
つ多染性赤血球及び多染性赤血球の出現頻度において、陰性対照群と比較して有 意な差はなぐ小核誘発性は陰性であった。
[0073] 製造例 1
(ゲル型合成樹脂によるホップ毬花力 の調製)
ホップ毬花 20gを乳鉢で粉砕し、 2Lの水で攪拌下、 90°C、 40分間抽出した。ろ 過後、放冷し、抽出液を親水性ビュルポリマー榭脂 (東ソ一社製トヨパール HW40) 8 OmLを充填したカラムに 2時間かけて通液し(SV=12. 5)、ついで 400mLの 5%エタ ノール水溶液で洗浄した。さらに同カラムに 80%エタノール水溶液 400mLを通液し 、同溶出液を回収し、凍結乾燥して無臭のかすかに苦味を呈した淡黄色の粉末 0. 8 gを得た。ホップ毬花カもの収率は 4%であった。
[0074] 製造例 2
(ゲル型合成樹脂によるホップ苞カ の調製)
ホップ苞 20gを 600mLの 50%エタノール水溶液で攪拌下、 80°C、 40分間抽出し た。ろ過後、容積が 300mLになるまで減圧濃縮し、その濃縮液をスチレン—ジビ- ルベンゼン榭脂(三菱ィ匕学社製セパビーズ SP— 825) 80mLを充填したカラムに 1時 間かけて通液し(SV=3. 75)、ついで 400mLの水で洗浄した。さらに同カラムに 80 %エタノール水溶液 400mLを通液し、同溶出液を回収し、凍結乾燥して無臭のかす かに苦味を呈した淡黄色の粉末 1. 6gを得た。ホップ苞からの収率は 8%であった。
[0075] 製造例 3
(限外ろ過膜によるホップ毬花力 の調製)
ホップ毬花 20gを乳鉢で粉砕し、 2Lの水で攪拌下、 95°C、 40分間抽出した。ろ過 後、放冷し、抽出液を分画分子量が 50, 000の限外ろ過膜 (アミコン社製 XM50)に より、 98kPa、室温下、 20mLになるまで処理した。得られた上残り液を減圧乾固し、 無臭のかすかに苦味を呈した淡黄色の粉末 0. 2gを得た。ホップ毬花からの収率は 1%であった。
[0076] 製造例 4 (限外ろ過膜によるホップ苞からの調製)
ホップ苞 20gを 600mLの 50%エタノール水溶液で攪拌下、 80°C、 40分間抽出し た。ろ過後、抽出液を分画分子量が 10, 000の限外ろ過膜 (アミコン社製 YM10)に
より、 294kPa、室温下、 60mLになるまで処理した。得られた上残り液を凍結乾燥し て無臭のかすかに苦味を呈した淡黄色の粉末 0. 8gを得た。ホップ苞からの収率は 4 %であった。
[0077] 製造例 5
(ゲル型合成樹脂によるホップ苞カゝらの調製品のさらなる精製)
製造例 2 (ゲル型合成樹脂によるホップ苞カもの調製)で得たゲル型合成樹脂によ るホップ苞からの調製品 0. 8gを、 500mLの 10%エタノール水溶液に溶解し、分画 分子量が 10, 000の限外ろ過膜 (アミコン社製 YM 10)により、 98kPa、室温下、 20m Lになるまで処理した。得られた上残り液を凍結乾燥して無臭のかすかに苦味を呈し た淡黄色の粉末 0. 4gを得た。
[0078] (試験例 6)ホップ苞由来ポリフエノールの測定
フィルター(0.8 μ m)で濾過した液体のホップ苞抽出物を、高速液体クロマトグラフ( 日立社製、型式 L7000)を用い、逆相液体クロマトグラフ用パックドカラム ODS C18 (4.6mm X 250mm, GLサイエンス社製)に装着し、カラム温度 35°Cでグラジェン ト法により行った。移動相 A液はリン酸カリウム 10mmol/L含有の 10%メタノール水溶 液、 B液はリン酸カリウムを 10mmol/L含有の 10%メタノール水溶液とし、試料注入量 mO μ UV検出器波長は 280
nmの条件で行った。
[0079] (試験例 7)ホップ苞抽出物のコレステロール代謝制御作用(ラット)
まず、動物試験により、ホップ苞抽出物の血清コレステロールの代謝制御作用を検
B、Jした。
[0080] SD系ラット(日本チヤ一ルスリバ一)の雄を各 6匹に分け、製造例 2で調製したホップ 苞抽出物を 0.2%及び 1%量、混餌自由摂取にて 9週間投与を行った。コントロール群 を設定した。各試料間での体重増加及び摂餌量に差は認められな力つた。ホップ苞 抽出物摂取群は有意に血清総コレステロールが低下し、血清 HDL-コレステロール/ 総コレステロール比が増加した。その結果を図 2に示した。図中、「HP」は「ホップ苞 抽出物」の略称である。
[0081] 実験時の一般状態、体重に異常は見られず、実験終了後の一般血液検査及び解
剖所見も異常が見られな力つた。
[0082] 飼料組成:(重量%)
カゼイン 23.6
α -コーンスターチ 8.4 (ホップ苞抽出物を含む)
ショ糖 28.8
セルロース 6.4
大豆油 7
ラード 20.8
ミネラル混合物 (ΑΙΝ93) 3.5
ビタミン混合物 (ΑΙΝ93) 1
L-シスチン 0.3
重酒石酸コリン 0.2
[0083] (比較例 2)
洗浄した柿 (Diospyros kaki)の果皮を含む成熟果実 10kgを破砕し、 50%エタノー ル 20Lを加えて 25°Cで 3日間浸漬した。その浸漬液をろ過した後、そのろ液をゲル 型合成樹脂 (ダイヤイオン HP、三菱化成工業株式会社製)に吸着した。続いて純水 を通液し、カラム中の非吸着物質を除去した後、 50%エタノールで溶出した。抽出液 を減圧濃縮し、濃縮液を凍結乾燥を行い、抽出粉末品を得た。
[0084] (試験例 8)小腸吸収モデルによるホップ苞抽出物のコレステロール吸収抑制作用 in vitro小腸吸収モデル実験系でホップ苞抽出物のコレステロール吸収に及ぼす 影響を調べる為に、タウロコール酸ナトリウム、ホスファチジルコリンおよびコレステロ ール混合物から構成される人エミセルを超音波処理で作成した。このミセルに製造 例 1で調製したホップ苞抽出物あるいは比較例 2で調製した柿抽出物をカ卩えてコレス テロールとタウロコール酸ナトリウムのミセル可溶化の変化をカ卩えなかった場合と比較 した。その結果、表 3に示した通り、ミセル内のコレステロール濃度は柿抽出物と比べ てホップ苞抽出物によって減少した。以上のことからホップ苞抽出物を摂取した場合 、小腸内で胆汁酸と結合し、コレステロールのミセル可溶ィ匕を阻害して生体内への侵 入を制御して 、ることが示された。
[0085] [表 3]
平均土標準偏差 (η = 3 )
[0086] (比較例 3)錠剤
ラタトース 140gとコーンスターチ 17gとを混合し、この混合物をあらかじめコーンスタ ーチ 70gから調整したペーストとともに顆粒ィ匕した。得られた顆粒にステアリン酸マグ ネシゥム lgを加えてよく混合し、この混合物を打錠機にて打錠して錠剤 1000個を製 し 7こ。
[0087] (実施例 4)錠剤
製造例 2で調製したホップ苞抽出物 33gとラタトース 90gとコーンスターチ 17gとを 混合し、この混合物をあら力じめコーンスターチ 70gから調整したペーストとともに顆 粒化した。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム lgを加えてよく混合し、この混合 物を打錠機にて打錠して錠剤 1000個を製造した。
[0088] (実施例 5)錠剤
製造例 2で調製したホップ苞抽出物 67gとラタトース 90gとコーンスターチ 17gとを 混合し、この混合物をあら力じめコーンスターチ 70gから調整したペーストとともに顆 粒化した。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム lgを加えてよく混合し、この混合 物を打錠機にて打錠して錠剤 1000個を製造した。
[0089] (実施例 6)錠剤
製造例 2で調製したホップ苞抽出物 167gとラタトース 90gとコーンスターチ 17gとを 混合し、この混合物をあら力じめコーンスターチ 70gから調整したペーストとともに顆 粒化した。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム lgを加えてよく混合し、この混合 物を打錠機にて打錠して錠剤 1000個を製造した。
[0090] (試験例 9)ホップ苞抽出物のコレステロール代謝制御作用(ヒト)
次に、臨床試験により、ホップ苞抽出物の血清コレステロールの代謝制御作用を検
B、Jした。
[0091] 血清総コレステロールが 200 260 mg/dLである境界領域の試験対象者 56名(20 69歳の男女)に試験食である錠剤 (対照群 (比較例 3、製造例 2で調製したホップ苞 抽出物
0 mg: 14名)、低用量群(実施例 4、製造例 2で調製したホップ苞抽出物 300 mg: 14 名)、中用量群 (実施例 5、ホップ苞抽出物 600 mg: 14名)、高用量群 (実施例 6、製 造例 2で調製したホップ苞抽出物
1500 mg: 14名))を 1日 2回 4週間摂取させた。対照群では総コレステロール及び LDL -コレステロールともに上昇したのに大使、全投与群では値が低下した。さらに、中用 量群では摂取前後で有意に総コレステロールが低下し、さらに LDL-コレステロール も有意に低下した (表 4)。また、各種血液検査、尿検査から異常は認められなかった 。摂取期間中、問題となるような訴えは全く見られなかった。
[0092] [表 4]
総コレステロール
注 * : p<0. 05
[0093] (試験例 5)ホップ苞抽出物の安全件試験
{ 14日間反復投与毒性試験 } SD系ラット(日本チヤ一ルスリバ一)の雌雄を各 2匹に 分け、製造例 4で調製したホッ
プ苞抽出物を 2000 3000 mg/kg量、胃ゾンデにて 14日間投与を行った。実験時の一 般状態、体重に異常は見られず、実験終了後の一般血液検査及び解剖所見も異常 が見られなカゝつた。
[0094] {28日間反復投与毒性試験)
SD系ラット(日本チヤ一ルスリバ一)の雌雄を各 6匹に分け、製造例 4で調製したホッ プ苞抽出物を 500、 1000、 2000
mg/kg量、胃ゾンデにて 28日間投与を行った。実験時の一般状態、体重に異常は見 られず、実験終了後の一般血液検査及び解剖所見も異常が見られなカゝつた。
[0095] {変異原性試験)
ICR系マウス(日本チヤ一ルスリバ一)の雄性を 6匹に分け、製造例 4で調製したホッ プ苞抽出物を 500、 1000、 2000
mg/kg量、胃ゾンデにて投与を行った。一般状態、体重に異常は見られず、小核をも つ多染性赤血球及び多染性赤血球の出現頻度において、陰性対照群と比較して有 意な差はなぐ小核誘発性は陰性であった。
産業上の利用可能性
[0096] リンゴ抽出物またはホップ苞抽出物を有効成分とするコレステロール代謝制御剤は 、副作用が極めて少なくコレステロールの代謝を制御することができるので、本発明 は有用である。
[0097] また、上記のコレステロール代謝制御剤を有効成分として含有する飲食品、食品添 加物及び医薬は、副作用が極めて少なくコレステロールの代謝を制御することができ るので、本発明は有用である。