JP2006089457A - コレステロール代謝制御剤、それを含有する飲食品、食品添加物及び医薬 - Google Patents

コレステロール代謝制御剤、それを含有する飲食品、食品添加物及び医薬 Download PDF

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Abstract

【課題】 天然物由来であって、コレステロールに対する代謝制御作用を有し、かつ、副作用の可能性が極めて小さいコレステロール代謝制御剤を提供する。
【解決手段】 リンゴ抽出物であって、リンゴ由来のポリフェノールを有効成分として含有してなるコレステロール代謝制御剤である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、リンゴより得られるコレステロール代謝制御剤、それを含有する飲食品、食品添加物及び医薬に関する。
食生活の向上および食文化の欧米化に伴い、脂肪エネルギー比率が逐年増加し、今後も増加する傾向にある。平成13年国民栄養調査結果によると、総コレステロール値が200 mg/dL以上の割合は男性で48%、女性で55%にのぼる。脂肪の過剰摂取はたんに体脂肪の増加のみならず、各種のいわゆる生活習慣病の発症のリスクを高めることが指摘されてきた。現在、動脈硬化性疾患は日本人の死因統計で癌と並んで大きな位置を占め、またその多くは働き盛りに突然発症して、社会的にも家庭的にも極めて大きな損失を与えることから、その効果的な予防及び治療対策の確立は必須の課題である。動脈硬化は多様な要因の重なりによって発症・進展することが知られているが、それらの中で、最も大きな要因と考えられているのは、高脂血症、とくに高コレステロール血症であるため、これまでその対策に最も重点を置かれてきた。
近年において、コレステロール代謝制御作用に優れた薬物治療が普及し、それによる冠動脈疾患の予防効果が欧米において示されるようになった。わが国でも最近になり介入試験を含め多人数での試験が行われるようになり、参考となる資料が得られるようになってきた。しかし、薬物治療の普及は安易に薬剤に依存し、ライフスタイルの改善が十分おこなわれない恐れもある。
今日、高コレステロール血症に対しては一律な治療をおこなうのではなく、動脈硬化を予防する上でより効率的な治療をおこなうべき時代である(非特許文献1)。
例えば、動物界に広く存在する脂質成分の一種であるコレステロールは、細胞や組織の生体膜の構成成分や、胆汁、性ホルモン、副腎皮質ホルモン、ビタミンD等の前駆体となる有用物質であるが、卵や畜肉に特に多く含有され、近年の食生活の変化から過剰に摂取される傾向にある。
コレステロールは、血中においては、特異的なタンパク質と結合したリポタンパク質の形で末梢組織に運搬されるが、特に、悪玉コレステロールと呼ばれる LDL(低密度リポタンパク質)-コレステロールの増加は、高コレステロール血症等の脂質代謝異常の原因と
なることが知られており、動脈硬化発症の原因となることが報告されている。
一方、善玉コレステロールと呼ばれる HDL(高密度リポタンパク質)-コレステロールは、LDL-コレステロールとは拮抗的に作用する。即ち、動脈壁や抹消組織中に余分に蓄積された遊離コレステロールを除去し、生体のコレステロールプールを減少させる作用、即ち、脂質の排泄促進作用を有することが知られている。
従来、このような脂質代謝制御剤としては、医薬品にあってはプラバスタチンナトリウム、ベザフィブラート、食品由来成分にあっては食物繊維、ポリフェノール等が知られている。
植物界に広く存在するポリフェノールは、最近の研究によって様々な生理機能性を有することが確認されており、特許文献1には、バラ科果実若しくは未熟果実由来の果実ポリフェノールを有効成分とする生体内脂質代謝制御について報告されている。しかしながら、当該発明によると、酸化コレステロール摂取による生体内脂質の酸化抑制及びHDL-コレステロール/総コレステロール比の改善について示したのみであり、ヒトあるいは動物において普通食の吸収・代謝後の血清あるいは肝臓中のコレステロール濃度を調節することに関して全く言及しておらず、何ら実施例も設定されていない。
また、特許文献2には、柿タンニンについてコレステロール代謝改善剤が報告されている。しかしながら、高分子量の縮合型ポリフェノール化合物によるコレステロール代謝制御作用について記載されているのみであり、低分子量の縮合型ポリフェノール化合物のコレステロール代謝制御作用に関しては一切言及されていない。
特開平10-330278号公報 特開2003-231684号公報 動脈硬化性疾患診療ガイドライン、日本動脈硬化学会編、2002
前述の通り、薬物治療の普及は安易に薬剤に依存し、ライフスタイルの改善が十分おこなわれない恐れもある。今日、高コレステロール血症に対しては一律な治療をおこなうのではなく、動脈硬化を予防する上でより効率的な治療をおこなうべきである。
しかしながら、現状では、天然物由来であって、総合的脂質代謝に対する幅広い機能性を有し、かつ、副作用の可能性が極めて小さいという点において、十分満足できるものは見出されておらず、これらの性質を満足するコレステロール代謝制御剤が切望されている。
本発明が解決しようとする課題は、コレステロール吸収を低減する効果があり、普通食を摂取し、食事制限がなく、天然物質由来で安全性が高く、コレステロール低減作用を有する飲食品、食品添加物または医薬を提供することにある。
上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、本発明者らはリンゴ抽出物が、コレステロール代謝制御作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を要旨とするものである。
(1) リンゴ抽出物を有効成分として含有してなることを特徴とするコレステロール代謝制御剤。
(2) (1)に記載のコレステロール代謝制御剤を含有する飲食品。
(3) (1)に記載のコレステロール代謝制御剤を含有する食品添加物。
(4) (1)に記載のコレステロール代謝制御剤を含有する医薬。
本発明のリンゴ抽出物を有効成分とするコレステロール代謝制御剤は、副作用が極めて少なくコレステロールの代謝を制御することができる。
また、上記のコレステロール代謝制御剤を有効成分として含有する飲食品、食品添加物及び医薬は、副作用が極めて少なくコレステロールの代謝を制御することができる。
本発明のコレステロール代謝制御剤は、体内に吸収される2〜3量体の低分子プロシアニジンが肝臓中のコレステロール代謝遺伝子の発現を抑制及び促進し、なおかつ、それ以上の高分子プロシアニジン類がコレステロールと胆汁酸の吸収阻害及び排泄促進をする相乗効果によりコレステロール代謝制御を行うものである。
本発明におけるリンゴ抽出物は、リンゴ由来ポリフェノールを有効成分として含有するものである。
本発明のリンゴ抽出物を有効成分として含有するコレステロール代謝制御剤は、体内に吸収される2〜3量体の低分子プロシアニジンが肝臓中のコレステロール代謝遺伝子の発現を抑制及び促進し、なおかつ、それ以上の高分子プロシアニジン類がコレステロールと胆汁酸の吸収阻害及び排泄促進をする相乗効果によりコレステロール代謝制御を行うものと推測される。
本発明のリンゴ抽出物中のプロシアニジン類とは、具体的には、カテキンが縮重合したプロシアニジンB1、プロシアニジンB2、プロシアニジンC1等を合せての総称である。
本発明で使用するリンゴポリフェノールを含有するリンゴ抽出物は、バラ科リンゴ属植物の果実、例えば、フジ、陸奥、津軽、スターキング・デリシャス等の栽培品種及び原種リンゴ等より抽出して得られる。
果実としては成熟果実、未熟果実ともに用いることができるが、より多くのポリフェノール化合物を含有すること、及び広範な生理作用を有する各種活性成分を多量に含むことから、未熟果実が特に好ましい。
本発明のリンゴ抽出物中に含有されるリンゴポリフェノールは、リンゴ果実、若しくは未熟果実の搾汁果汁、抽出液より精製されたポリフェノール画分からなるものであるが、当該ポリフェノール画分の精製は、搾汁果汁、抽出液を吸着剤で処理することにより行なわれ、吸着剤に吸着する画分(以下、吸着画分という)にポリフェノールは含有されている。
前記吸着画分を、例えばエタノール等の含水アルコールで溶出させることにより、ポリフェノール画分が精製される。当該ポリフェノール画分は、次いで濃縮処理することにより液体製剤を得ることができ、さらに、当該液体製剤を噴霧乾燥もしくは凍結乾燥処理することにより粉末製剤を得ることもできる。
リンゴ果汁中においては、プロシアニジン類は大部分が2量体及び3量体として存在しているが、高分子プロシアニジン類は、加熱やアルカリ等の処理で変性や酸化分解されやすい。
一方、低分子プロシアニジン類は体内に吸収されるが、高分子プロシアニジン類は容易には体内に吸収されず、多くは排泄されると考えられている。
しかしながら、分子量の違いよる機能性の違いについては、検討はほとんどされていない。
リンゴ抽出物の抽出方法としては、洗浄した原料をpH3.2〜4.6、好ましくはpH3.5〜4.3で破砕し、得られた果汁にペクチナーゼを5〜75℃、好ましくは30〜60℃で10〜100ppm、好ましくは20〜30ppmで清澄化を行い、遠心分離後、5〜75℃、好ましくは15〜25℃で珪藻土(商品名「シリカ300S」、中央シリカ社製)濾過によりさらに清澄化を行い、清澄果汁を得る。或いはヘキサン、クロロホルム等の有機溶媒による分配及び濾過を行い、清澄抽出液を得る。清澄果汁を0〜40℃、好ましくは15〜25℃、pH1.5〜4.2、好ましくはpH3.0〜4.0で吸着カラム(商品名「セパビーズSP−850」、三菱化学社製)に通液し、ポリフェノール類を吸着させる。続いて純水を通液し、カラム中の非吸着物質(糖類、有機酸類等)を除去した後、10〜90%、好ましくは30〜80%のエタノールで溶出する。得られた画分からエタノールを25〜100℃、好ましくは35〜90℃で減圧濃縮し、濃縮液をそのまま或いはデキストリン等の粉末助剤を添加し、噴霧乾燥又は凍結乾燥を行い、抽出粉末品を得る。
製剤中で総ポリフェノール中のプロシアニジン類の含有率としては、好ましくは20〜100重量%、より好ましくは30〜90重量%、特に好ましくは40〜65重量%である。更に、プロシアニジンに占める2量体及び3量体の割合は、好ましくは20〜80重量%、より好ましくは25〜70重量%、特に30〜70重量%が好ましい。この範囲であると血清及び/あるいは肝臓総コレステロール低減、LDL-コレステロール低減、HDL-コレステロール上昇、肝臓コレステロール制御遺伝子の発現を促進する等の効果が明瞭に発現される。
また、プロシアニジン類の含有量の10〜80重量%、好ましくは15〜70重量%が、2量体及び/又は3量体から選ばれたものであると、製剤としての呈味が更に優れ、無理なく連用できるため、好ましい。
本発明のコレステロール代謝制御剤により、血清及び/あるいは肝臓総コレステロール低減、LDL-コレステロール低減、HDL-コレステロール上昇、肝臓コレステロール制御遺伝子の発現を促進する効果を得るための成人1日あたりの投与量は、プロシアニジン類として、100〜2500 mgであるが、好ましくは150〜1500 mg、更に好ましくは150〜1000 mg、特に150〜750 mgであるのが好ましい。
本発明のコレステロール代謝制御剤を利用する場合、プロシアニジン類の吸収の点から、1日あたりのリンゴ抽出物量を少ない回数で摂取する方がプロシアニジン類の血中濃度が高くなり、プロシアニジン類の作用を発現しやすい。
本発明のコレステロール代謝制御剤は食品添加物として、飲料を含む、広く食品一般に添加して用いることができ、例えばスープ類、飲料(ジュース、酒、ミネラルウォーター、コーヒー、茶等)、菓子類(ガム、キャンディー、チョコレート、スナック、ゼリー等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)に好適に用いられる。
本発明のコレステロール代謝制御剤を含む飲料の場合は、飲料中のリンゴ抽出物中に含まれるプロシアニジン類の含有量は0.05〜1.25重量%、好ましくは0.15〜0.75重量%、特に0.3〜0.5重量%が好ましい。この量であるとプロシアニジン類の多量の摂取が容易でありながら、苦味を生じなく好ましい。また0.05重量%以上であると、飲用時にコクを持った味となり好ましい。
本発明のコレステロール代謝制御剤を含む食品の場合は、食品の一部としてコレステロールを含有する食品に用いることができる。かかるコレステロール含有食品としては、例えば特定の機能を発揮して健康増進を図る健康食品が挙げられる。具体的には、かかるコレステロールを含有したマヨネーズ類、レバーペースト類、カスタードクリーム類、ケーキ類等が挙げられる。
製剤としては、製剤中、プロシアニジン類が、0.05〜1.25重量%、好ましくは0.15〜0.75重量%、更に0.3〜0.5重量%含有するのが好ましい。この量であるとプロシアニジン類の苦味がなく、多量の摂取が容易であり、投与回数、効果の点で好ましい。
本発明のコレステロール代謝制御剤を含む医薬品の剤形は特に限定されないが、例えば錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤等の固形製剤、水剤、懸濁剤、シロップ剤、乳剤等の液剤等の経口投与剤が挙げられる。この経口投与剤は、形態に応じて当分野において通常用いられる賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、アルコール類、水、水溶性高分子、甘味料、矯味剤、酸味料、薬剤用担体等を添加して通常使用されている方法によって製造することができる。プロシアニジン類は、経口投与用医薬品中に、医薬品の用途及び形態によっても異なるが、一般に0.1〜100重量%、特に1〜80重量%含有するのが好ましい。
実施例
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(試験例1)プロシアニジン類の測定
フィルター(0.8μm)で濾過した液体のリンゴ抽出物を、高速液体クロマトグラフ(日立社製、型式L7000)を用い、逆相液体クロマトグラフ用パックドカラムODS C18(4.6mmφ×250mm、GLサイエンス社製)に装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により行った。移動相A液はリン酸カリウム10mmol/L含有の10%メタノール水溶液、B液はリン酸カリウムを10mmol/L含有の10%メタノール水溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280 nmの条件で行った。
(試験例2)リンゴ由来ポリフェノールのコレステロール代謝制御作用(ラット)
まず、動物試験により、リンゴ由来ポリフェノールの血清コレステロールの代謝制御作用を検討した。
SD系ラット(日本チャールスリバー)の雄を各8匹に分け、リンゴ由来ポリフェノール
を0.01%、0.1%及び0.5%量、混餌自由摂取にて4週間投与を行った。ネガティブコントロール群を設定した。各試料間での体重増加及び摂餌量に差は認められなかった。リンゴ由来ポリフェノール摂取群は有意に血清総コレステロールが低下し、血清HDL-コレステロールが増加した。さらに、肝臓総コレステロールも有意に低下した。その結果を図1に示した。
実験時の一般状態、体重に異常は見られず、実験終了後の一般血液検査及び解剖所見も異常が見られなかった。
飼料組成:(重量%)
コーンスターチ 36.4986 (リンゴポリフェノールを含む)
カゼイン 20
α‐コーンスターチ 13.2
ショ糖 10
セルロース 5
サフラワー油 10
t−水酸化ブチルキノン 0.0014
ミネラル混合物 3.5
ビタミン混合物 1
L-シスチン 0.3
重酒石酸コリン 0.25
コレステロール 0.25
使用したリンゴポリフェノール:
プロシアニジン類 63.8%
成分 2量体 11.1%
3量体 12.3%
4量体 8.7%
5量体 5.9%
6量体 4.9%
7量体以上 20.9%
総ポリフェノール類 93.5%
(試験例3)ラット肝臓中のコレステロール代謝遺伝子発現の抑制及び促進作用
使用動物:3週令、Crj:CD(SD)雄ラット(日本チャールス・リバー(株)製)にAIN93純化食(オリエンタル酵母工業株式会社製)を与え1週間の予備飼育を行った後、次の飼料を与えて9週間飼育した。
飼料: コントロール群 リンゴポリフェノール摂取群
コーンスターチ 34.8重量% 34.8重量%
カゼイン 23.6重量% 23.6重量%
α化コーンスターチ 13.2重量% 12.2重量%
ショ糖 10重量% 10重量%
大豆油 7重量% 7重量%
セルロース 6.4重量% 6.4重量%
ミネラル 1) 3.5重量% 3.5重量%
ビタミン 2) 1重量% 1重量%
L-システイン 0.3重量% 0.3重量%
重酒石酸コリン 0.2重量% 0.2重量%
リンゴポリフェノール 0重量% 1重量%
注1) Mineral Mixture AIN93(オリエンタル酵母工業株式会社製)
注2) Vitamin Mixture AIN93(オリエンタル酵母工業株式会社製)
血液、肝臓の採取及び遺伝子解析用飼料の採取
13週令のラットを12時間絶食させエーテル麻酔下で直ちに開腹し、腹部大動脈より採血を行い、さらに肝臓を採取した。遺伝子解析用の肝臓組織は、採取後RNAlater(タカラバイオ(株)製)中に浸漬し、翌日−80℃で保存した。
RNAの抽出と肝臓コレステロール代謝関連酵素のmRNA発現量の測定
総RNAはRNeasy((株)キアゲン製)を用い精製した。得られた総RNAから、ABI PRISM High Capacity cDNA Archive Kit (アプライドバイオシステムズジャパン(株)製)を用いてcDNA合成を行った。得られたcDNAをSYBR GREEN PCR Master MIX(アプライドバイオシステムズジャパン(株)製) を用いて増幅を行い、ABI PRISM 7700 Sequence Detector(アプライドバイオシステムズジャパン(株)製)にて検出し各々の発現量とした。
コレステロール合成酵素である7-dehydrocholesterol reductase(DHCR7)mRNA及びコレステロール分解酵素であるcytochrome P450, family 7, subfamily a, polypeptide 1(CYP7A1)mRNAの発現量を表1に示す。
リンゴポリフェノールを摂取することにより、肝臓のコレステロール合成酵素発現は抑制され、またコレステロール分解酵素発現は促進された。
Figure 2006089457
(比較例1)錠剤
ラクトース140gとコーンスターチ17gとを混合し、この混合物をあらかじめコーンスターチ70gから調整したペーストとともに顆粒化した。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム1gを加えてよく混合し、この混合物を打錠機にて打錠して錠剤1000個を製造した。
(実施例1)錠剤
リンゴ由来ポリフェノール33gとラクトース90gとコーンスターチ17gとを混合し、この混合物をあらかじめコーンスターチ70gから調整したペーストとともに顆粒化した。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム1gを加えてよく混合し、この混合物を打錠機にて打錠して錠剤1000個を製造した。
使用したリンゴポリフェノール:
プロシアニジン類 52.0%
成分 2量体 13.5%
3量体 15.1%
4量体 5.0%
5量体 3.4%
6量体 2.8%
7量体以上 12.1%
総ポリフェノール類 91.2%
(実施例2)錠剤
リンゴ由来ポリフェノール67gとラクトース90gとコーンスターチ17gとを混合し、この混合物をあらかじめコーンスターチ70gから調整したペーストとともに顆粒化した。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム1gを加えてよく混合し、この混合物を打錠機にて打錠して錠剤1000個を製造した。
(実施例3)錠剤
リンゴ由来ポリフェノール167gとラクトース90gとコーンスターチ17gとを混合し、この混合物をあらかじめコーンスターチ70gから調整したペーストとともに顆粒化した。得られた顆粒にステアリン酸マグネシウム1gを加えてよく混合し、この混合物を打錠機にて打錠して錠剤1000個を製造した。
(試験例4)リンゴ由来ポリフェノールのコレステロール代謝制御作用(ヒト)
次に、臨床試験により、リンゴ由来ポリフェノールの血清コレステロールの代謝制御作用を検討した。
血清総コレステロールが200〜260 mg/dLである境界領域の試験対象者48名(20〜65歳の男女)に試験食である錠剤(対照群(比較例1、リンゴ由来ポリフェノール 0 mg:12名)、低用量群(実施例、リンゴ由来ポリフェノール 300 mg:12名)、中用量群(実施例2、リンゴ由来ポリフェノール 600 mg:12名)、高用量群(実施例3、リンゴ由来ポリフェノール 1500 mg:12名))を1日3回3錠4週間摂取させた。投与群では用量依存的に総コレステロールが低下し、さらにLDL-コレステロールも低下した(表2)。また、各種血液検査、尿検査から異常は認められなかった。摂取期間中、問題となるような訴えは全く見られなかった。
Figure 2006089457
(試験例5)リンゴ由来ポリフェノールの安全性試験
{14日間反復投与毒性試験}
SD系ラット(日本チャールスリバー)の雌雄を各3匹に分け、リンゴ由来のポリフェノ
ールを2000、3000 mg/kg量、胃ゾンデにて14日間投与を行った。実験時の一般状態、体重に異常は見られず、実験終了後の一般血液検査及び解剖所見も異常が見られなかった。
{90日間反復投与毒性試験}
SD系ラット(日本チャールスリバー)の雌雄を各10匹に分け、リンゴ由来のポリフェノールを500、1000、2000 mg/kg量、胃ゾンデにて90日間投与を行った。実験時の一般状態
、体重に異常は見られず、実験終了後の一般血液検査及び解剖所見も異常が見られなかった。
{変異原性試験}
SD系ラット(日本チャールスリバー)の雄性を5匹に分け、リンゴ由来のポリフェノ
ールを500、1000、2000 mg/kg量、胃ゾンデにて投与を行った。一般状態、体重に異常は見られず、小核をもつ多染性赤血球及び多染性赤血球の出現頻度において、陰性対照群と比較して有意な差はなく、小核誘発性は陰性であった。
リンゴ抽出物を有効成分とするコレステロール代謝制御剤は、副作用が極めて少なくコレステロールの代謝を制御することができるので、本発明は有用である。
また、上記のコレステロール代謝制御剤を有効成分として含有する飲食品、食品添加物及び医薬は、副作用が極めて少なくコレステロールの代謝を制御することができるので、本発明は有用である。
リンゴ由来のポリフェノールを摂食させたラットの血清及び肝臓コレステロール濃度を示すグラフである。

Claims (4)

  1. リンゴ抽出物を有効成分として含有してなることを特徴とするコレステロール代謝制御剤。
  2. 請求項1に記載のコレステロール代謝制御剤を含有する飲食品。
  3. 請求項1に記載のコレステロール代謝制御剤を含有する食品添加物。
  4. 請求項1に記載のコレステロール代謝制御剤を含有する医薬。
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