蛍光体及びプラズマディスプレイパネル
技術分野
[0001] 本発明は、蛍光体及び蛍光体を用いて製造されるプラズマディスプレイパネルに関 し、特に付活剤及び共付活剤を用いた蛍光体及び蛍光体を用いて製造されるプラズ マディスプレイパネルに関する。
背景技術
[0002] 近年、プラズマディスプレイパネルは、画面の大型化及び薄型化が可能なことから 陰極線管(CRT)に代わり得るフラットパネルディスプレイとして注目されて 、る。
[0003] プラズマディスプレイパネルは、電極を備えた 2枚のガラス基板と、基板間に設けら れた隔壁によって形成される多数の微小放電空間(以下、セルという。)とを備えてい る。このセルの内壁には、赤 (R) ,緑 (G) ,青 (B)の各色を発光する蛍光体層が設け られ、 Xe等を主成分とする放電ガスが封入されている。電極間に電圧を印加して基 板上に規則正しく配置されたセルを選択的に放電させると、放電ガスに起因する紫 外線が発生し、これにより蛍光体が励起されて各色の可視光を発光する仕組みとな つている。
[0004] このようなプラズマディスプレイパネルでは、輝度向上や滑らかな動画表示等が求 められており、輝度を向上させるために、従来から、蛍光体の母体原料に発光中心と なる金属を含む付活剤を分散させる技術が知られて!/ヽる。
[0005] また、さらに輝度を向上させるために蛍光体の母体原料に付活剤の他に共付活剤 を分散させる技術が特許文献 1に開示されている。特許文献 1では、マンガンを付活 剤に用いた珪酸亜鉛力 なる蛍光体母体原料にカルシウム、ストロンチウム等の共付 活剤を添加している。
[0006] また、蛍光体粒子の付活剤濃度の濃度分布を規定し、蛍光体粒子表面の付活剤 濃度を蛍光体粒子内部の濃度より小さくすることで真空紫外線あるいはイオンスパッ タによる劣化耐性を改善する技術が特許文献 2に開示されている。
[0007] 一方、さらに高性能なプラズマディスプレイパネルを得るために、本発明者は経時
的な輝度劣化を防止する技術を課題として捉えてきた。経時的な輝度劣化の原因と しては、(1)真空紫外線照射あるいはプラズマ発生時のイオンスパッタにより蛍光体 表面を損傷させること、 (2)内部吸着ガスが時間の経過とともに飛散することにより駆 動を不安定にさせること、 (3)パネル形成時の蛍光体ペースト塗布後の焼成時にお けるガス吸着、酸ィ匕等により熱劣化を生じさせることが挙げられており、これらの原因 を改善することができる手段が望まれて 、た。
[0008] しかし、特許文献 1では、輝度を向上させている力 経時的な輝度劣化を防止する ことは十分であるとは言えない。また、特許文献 2では、真空紫外線ゃィオンスパッタ による劣化耐性を改善させているが、経時的な輝度劣化の防止はまだ十分であると は言えない。
[0009] このように、特許文献 1及び特許文献 2を含め、経時的な輝度劣化を防止すること ができる改善手段としては完全に十分とは 、えず、高性能なプラズマディスプレイパ ネルを得るためには、経時的な輝度劣化を防止する蛍光体を得ることが不可欠であ る。
特許文献 1:特開 2002— 249767号公報
特許文献 2:特開 2004 - 91622号公報
発明の開示
[0010] 本発明の目的は、経時的な輝度劣化を防止することができる蛍光体及びそのような 蛍光体を用いて製造されるプラズマディスプレイパネルを提供することにある。
[0011] 上記目的を達成するための本発明の態様の 1つは、蛍光体母体に付活剤及び共 付活剤を分散させたものであり、蛍光体粒子の表面の共付活剤の濃度は前記蛍光 体粒子の内部の共付活剤の濃度より低いことを特徴とする蛍光体にある。
図面の簡単な説明
[0012] [図 1]図 1は本発明で使用したダブルジェット反応装置の概略構成図である。
[図 2]図 2は本発明に係るプラズマディスプレイパネル一例を示した斜視図である。
[図 3]図 3は実施例 1における本発明及び比較例の蛍光体に存在する付活剤濃度を 示す図である。
[図 4]図 4は実施例 1における本発明及び比較例の蛍光体に存在する共付活剤濃度
を示す図である。
[図 5]図 5は実施例 2における本発明及び比較例の蛍光体に存在する付活剤濃度を 示す図である。
[図 6]図 6は実施例 2における本発明及び比較例の蛍光体に存在する共付活剤濃度 を示す図である。
[図 7]図 7は実施例 3における本発明及び比較例の蛍光体に存在する付活剤濃度を 示す図である。
[図 8]図 8は実施例 3における本発明及び比較例の蛍光体に存在する共付活剤濃度 を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の上記目的は以下の態様により達成される。
(1) 蛍光体母体に付活剤及び共付活剤を分散させたものであり、蛍光体粒子の表 面の共付活剤の濃度は前記蛍光体粒子の内部の共付活剤の濃度より低いことを特 徴とする蛍光体。
(2) 前記共付活剤の濃度は前記蛍光体の最表面力 内部に向力つて徐々に増カロ していくことを特徴とする前記(1)に記載の蛍光体。
(3) 前記蛍光体粒子の最表面から lOOnm以内の前記共付活剤の平均濃度が、前 記蛍光体粒子の最表面から lOOnmの位置より内側の 、ずれの位置における前記共 付活剤の濃度よりも 20%以上低いことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の蛍光 体。
(4) 蛍光体母体に付活剤及び共付活剤を分散させたものであり、蛍光体粒子の表 面の共付活剤の濃度は前記蛍光体粒子の内部の共付活剤の濃度よりも低いことを 特徴とする蛍光体。
(5) 前記付活剤及び前記共付活剤の濃度は前記蛍光体表面から内部に向かって 徐々に増加していくことを特徴とする前記 (4)に記載の蛍光体。
(6) 前記蛍光体粒子の最表面から深さ lOOnm以内の前記付活剤の平均濃度が、 前記蛍光体粒子の最表面から lOOnmより深い前記蛍光体粒子内部のいずれの位 置における前記付活剤の濃度よりも 20%以上低ぐかつ、前記蛍光体粒子の最表面
から深さ lOOnm以内の前記共付活剤の平均濃度が、前記蛍光体粒子の最表面か ら lOOnmより深 、前記蛍光体粒子内部の!/、ずれの位置における前記共付活剤の濃 度よりも 20%以上低 、ことを特徴とする前記 (4)又は(5)に記載の蛍光体。
(7) 前記蛍光体粒子の最表面から 10nm以内は前記蛍光体母体のみからなること を特徴とする前記(1)〜(6)の ヽずれか一項に記載の蛍光体。
(8) 前記蛍光体母体の原料が BaMgAl Oであり、付活剤が Eu、共付活剤が Be、
10 7
Mg、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類元素カゝら選ばれる少なくとも一種であるこ とを特徴とする前記(1)〜(7)の 、ずれか一項に記載の蛍光体。
(9) 前記蛍光体母体の原料は、 Zn SiOであり、付活剤が Mn、共付活剤が Mlで あることを特徴とする前記(1)〜(7)の 、ずれか一項に記載の蛍光体。
[0014] 但し、 Mlは希土類元素又はアルカリ土類金属、 Be、 Mgから選ばれる少なくとも一 種であり、 1. 4≤x< 2. 0、 0<y≤0. 3、 0< z≤0. 2である。
(10) 前記蛍光体母体の原料は、(Y Gd ) BOであり、付活剤が Eu、共付活剤が
1 3
Be、 Mg、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類元素カゝら選ばれる少なくとも一種で あることを特徴とする前記(1)〜(7)の 、ずれか一項に記載の蛍光体。
(11) 前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の前記蛍光体を放電セルに備えて いることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
[0015] 前記(1)に記載の態様によれば、蛍光体母体に付活剤及び共付活剤を分散させ たものであり、蛍光体粒子の表面の共付活剤の濃度は前記蛍光体粒子の内部の共 付活剤の濃度より低いので、真空紫外線が主に吸収される蛍光体粒子の表面にお いて共付活剤がさらに少なぐ結晶欠陥を少なくさせることができる。
[0016] 前記(2)に記載の態様によれば、前記共付活剤の濃度は前記蛍光体の最表面か ら内部に向力つて徐々に増加していくので、ィオンスパッタにより、エッチングされた 際に、極端に濃度成分の異なる部位が露出されるような結晶となるのを防ぐことがで きる。
[0017] 前記(3)に記載の態様によれば、前記蛍光体粒子の最表面から深さ lOOnm以内 の前記共付活剤の平均濃度が、前記蛍光体粒子の最表面から lOOnmより深い前記 蛍光体粒子内部のいずれの位置における前記共付活剤の濃度よりも 20%以上低い
ので、蛍光体表面のうち、特にこのような範囲において共付活剤の濃度を制御するこ とでさらに結晶欠陥を少なくさせることができる。
[0018] 前記 (4)に記載の態様によれば、蛍光体母体に付活剤及び共付活剤を分散させ たものであり、蛍光体粒子の表面の付活剤及び共付活剤の濃度は前記蛍光体粒子 の内部の付活剤及び共付活剤の濃度よりも低いので、共付活剤の濃度のみを制御 する前記(1)に比べ、付活剤の濃度も同時に制御しているため、さらに結晶性を高め ることができ、真空紫外線及びイオンスパッタ並びプラズマディスプレイ形成における 焼成工程時の劣化を防ぐことができる。
[0019] 前記(5)に記載の態様によれば、前記付活剤及び共付活剤の濃度は前記蛍光体 表面から内部に向かって徐々に増加していくので、共付活剤の濃度のみを制御する 前記(2)に比べ、付活剤の濃度も同時に制御しているため、さらにィオンスパッタによ り、エッチングされた際に、極端に濃度成分の異なる部位が露出されるような結晶とな るのを防ぐことができる。
[0020] 前記(6)に記載の態様によれば、前記蛍光体粒子の最表面から lOOnm以内の前 記付活剤及び共付活剤のそれぞれの平均濃度が、前記蛍光体粒子の最表面から 1 OOnmの位置より内側の 、ずれの位置における前記付活剤及び共付活剤の濃度よ りも、それぞれ、 20%以上低いので、共付活剤の濃度のみを制御する前記(3)に比 ベ、付活剤の濃度も同時に制御しているため、さらに結晶欠陥を少なくさせることが できる。
[0021] 前記(7)に記載の態様によれば、前記蛍光体粒子表面から lOnm以内は前記蛍 光体母体のみ力 なるので、真空紫外線により劣化しやすい範囲において結晶の歪 みを生じるような付活剤及び共付活剤が存在しないため、より真空紫外線による劣化 を防ぐことができる。
[0022] 前記(8)に記載の態様によれば、前記蛍光体母体の原料が BaMgAl O であり、
10 17 付活剤が Eu、共付活剤が Be、 Mg、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類元素から 選ばれる少なくとも一種であるので、特にこのような母体原料及び付活剤並びに共付 活剤から製造される青色蛍光体において、前記(1)〜(7)と同様の作用が得られる。
[0023] 前記(9)に記載の態様によれば、前記蛍光体母体の原料は、 Zn SiOであり、付活
4
剤が Mn、共付活剤が Mlであるので、特にこのような母体原料及び付活剤並びに 共付活剤から製造される緑色蛍光体にお!ヽて、前記(1)〜(7)と同様の作用が得ら れる。
[0024] 前記(10)に記載の態様によれば、前記蛍光体母体の原料は、 (Y Gd ) BOであ
1 3 り、付活剤が Eu、共付活剤が Be、 Mg、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類元素 カゝら選ばれる少なくとも一種であるので、特にこのような母体原料及び付活剤並びに 共付活剤から製造される赤色蛍光体にぉ 、て、前記(1)〜(7)と同様の作用が得ら れる。
[0025] 前記(11)に記載の態様によれば、前記(1)〜( 10)のいずれか一項に記載の前記 蛍光体を放電セルに備えて 、るので、結晶欠陥の少な 、蛍光体を備えたプラズマデ イスプレイパネルとすることができる。
[0026] 前記(1)に記載の態様によれば、真空紫外線が主に吸収される蛍光体粒子の表面 において共付活剤がさらに少なぐ結晶欠陥を少なくさせることができるので、結晶性 を向上させることができる。そのため、真空紫外線のみならずィオンスパッタ及びブラ ズマディスプレイ形成における焼成工程時の劣化に対して強くさせることができる。特 に、これらの効果は、従来の蛍光体で単に母体原料に付活剤又は共不活剤を入れ ただけで濃度に関して特に規定しな!ヽ場合や、母体原料に入れる付活剤の濃度に 関してのみ規定し、特に共付活剤の濃度に関して規定しない場合に比べ、より結晶 性を高めることができるので、一層これらの効果を発揮することができる。
[0027] したがって、本発明に係る蛍光体はこれらによる劣化を防止することができ、輝度を 向上させるとともに、経時的な劣化を防ぐことができる。
[0028] 前記(2)に記載の態様によれば、ィオンスパッタにより、エッチングされた際に、極 端に濃度成分の異なる部位が露出されるような結晶となるのを防ぐことができるので、 エッチングされた部位とそうでな 、部位にぉ 、て輝度にあまり差をつけず、ィオンス ノッタによる劣化を低減させることができる。
[0029] 前記(3)に記載の態様によれば、蛍光体表面のうち、特にこのような範囲において 共付活剤の濃度を制御することでさらに結晶欠陥を少なくさせることができるので、結 晶性を向上させることができ、前記(1)と同様に、真空紫外線のみならずイオンスパッ
タ及びプラズマディスプレイ形成における焼成工程時の劣化に対して強くさせること ができる。
[0030] 前記 (4)に記載の態様によれば、前記(1)に比べ、一層効果的に真空紫外線及び ィオンスパッタ並びプラズマディスプレイ形成における焼成工程時の劣化を防ぐこと ができるので、輝度を向上させるとともに、経時的な劣化を防ぐことができる。
[0031] 前記(5)に記載の態様によれば、前記(3)に比べ、ィオンスパッタにより、エツチン グされた際に、極端に濃度成分の異なる部位が露出されるような結晶となるのを防ぐ ことができるので、ィオンスパッタによる劣化を低減させることができる。
[0032] 前記(6)に記載の態様によれば、前記(5)に比べ、さらに結晶欠陥を少なくさせる ことができるので、真空紫外線のみならずィオンスパッタ及びプラズマディスプレイ形 成における焼成工程時の劣化に対してさらに強くさせることができる。
[0033] 前記(7)に記載の態様によれば、真空紫外線により劣化しやすい範囲において結 晶の歪みを生じるような付活剤及び共付活剤が存在しないため、より真空紫外線によ る劣化を防ぐことができるので、輝度を向上させ、経時的な劣化を防ぐことができる。
[0034] 前記(8)〜(10)に記載の態様によれば、特に前記した組成からなる母体原料及び 付活剤並びに共付活剤から製造される青、緑、赤色の各色蛍光体において、前記( 1)〜(7)と同様の作用効果が得られ、真空紫外線及びィオンスパッタ並びプラズマ ディスプレイ形成における焼成工程時の劣化を防ぐことができ、輝度を向上させるとと もに、経時的な劣化を防ぐことができる。
[0035] 前記(11)に記載の態様によれば、結晶欠陥の少な!、蛍光体を備えたプラズマディ スプレイパネルとすることができるので、前記(1)と同様に真空紫外線及びイオンスパ ッタ並びにプラズマディスプレイ形成における焼成工程時の劣化に対して強くさせる ことができる。
[0036] 以下、本発明の実施の形態を説明する。まず、本発明に係る蛍光体について説明 する。本発明者らは、経時的な輝度劣化の原因として真空紫外線の照射、イオンス ノッタ、焼成工程による劣化について注目し、共不活剤及び付活剤の蛍光体粒子の 内部分布にっ ヽて検討した結果、共付活剤又は付活剤を含む蛍光体にお!ヽて粒子 表面の共付活剤の濃度、又は付活剤及び共不活剤を粒子内部より小さくすること〖こ
より前述したような課題を大幅に改善することができ、更には、残光時間を短縮するこ とをも可能にさせた。
[0037] 前述したような本発明の効果は具体的には以下の構成 '作用に基づくものである。
[0038] 本発明の真空紫外線励起蛍光体は、蛍光体母体に付活剤及び共付活剤を分散さ せたものであり、蛍光体粒子の表面の共付活剤の濃度は蛍光体粒子の内部の共付 活剤の濃度よりも低ぐ好ましくは蛍光体粒子の表面の付活剤及び共付活剤の濃度 は蛍光体粒子の内部の付活剤及び共付活剤の濃度より低いものである。
[0039] また、共付活剤の濃度は蛍光体粒子表面から内部に向かって徐々に増加していく ものであり、好ましくは付活剤及び共付活剤の濃度は蛍光体粒子表面力 内部に向 かって徐々に増加していくものである。
[0040] ここで、蛍光体粒子の表面とは、蛍光体粒子の最表面から lOOnm以内の範囲を指 しており、蛍光体粒子の内部とは、蛍光体粒子の表面を除いた部分の蛍光体を指し ている。本発明の蛍光体は、蛍光体粒子の表面の共付活剤の濃度が、蛍光体粒子 の内部の共付活剤の濃度に対して 20%以上低いことが好ましぐさらに好ましくは蛍 光体粒子の表面の付活剤及び共付活剤の濃度が、蛍光体粒子の内部の付活剤及 び共付活剤の濃度に対して 20%以上低いことであり、特に蛍光体粒子の最表面か ら lOnm以内は母体のみ力 なる蛍光体粒子であることが好まし 、。
[0041] このような蛍光体を構成する蛍光体の母体原料及び付活剤並びに共不活剤として は以下のものを用いるのが好まし 、。
[0042] 青色蛍光体としての蛍光体の母体原料は、 BaMgAl O であり、付活剤が Eu、共
10 17
付活剤が Be、 Mg、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類元素カゝら選ばれる少なくと も一種である。
[0043] 緑色蛍光体としての蛍光体の母体原料は、 Zn SiOであり、付活剤が Mn、共付活
4
剤が Mlである。但し、 Mlは希土類元素又はアルカリ土類金属、 Be、 Mgから選ば れる少なくとも一種であり、 1. 4≤x< 2. 0、 0<y≤0. 3、 0< z≤0. 2を満たすもの である。
[0044] 赤色蛍光体としての蛍光体の母体原料は、 (Y Gd ) BOであり、付活剤が Eu、共
1 3
付活剤が Be、 Mg、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類元素カゝら選ばれる少なくと
も一種である。
[0045] 以下に、本発明の蛍光体の製造方法について説明する。本発明に係る蛍光体は、 蛍光体の前駆体を形成する前駆体形成工程と、前駆体形成工程により得られた前 駆体を焼成する焼成工程とを含む製造方法により得られる。
[0046] まず、前駆体形成工程にっ 、て説明する。
[0047] 前駆体形成工程では、下記に示す方法で蛍光体母体に共付活剤又は付活剤 ·共 付活剤を分散させて前駆体のコア粒子を形成するコア粒子形成工程の後、コア粒子 形成工程にお!ヽて使用した共付活剤又は付活剤 ·共付活剤の濃度を徐々に減少さ せてコア粒子の周囲にコア粒子よりも共付活剤又は付活剤 ·共付活剤の濃度が低!ヽ シェルを形成させた前駆体を形成する。例えば、コア粒子形成工程の後に、母体原 料の濃度を保ったまま、共付活剤又は付活剤 ·共付活剤の濃度をコア粒子より減少 させた成分の原料溶液を供給して前駆体を形成し、蛍光体粒子表面の共付活剤又 は付活剤 ·共付活剤の濃度を蛍光体粒子内部より小さくすることができる。
[0048] この際に、用いられる方法としては、固相法、液相法、気相法により前駆体を形成 することができる。し力しながら、本発明の効果をより高めるものとして液相法により前 駆体を形成することが好まし ヽ。
[0049] 液相法とは、液体の存在下又は液中で蛍光体前駆体を作製することにより蛍光体 を得る方法である。液相法では、蛍光体原料を液相中で反応させるので、高い精度 で付活剤及び共付活剤の濃度をコントロールできることに加え、蛍光体母体原料に 対して付活剤及び共付活剤の成分を均一にすることができる。
[0050] また、液相反応は蛍光体を構成する元素イオン間で行われ、化学量論的に高純度 な蛍光体が得やすいことや、固相間反応と粉砕工程とを繰り返し行いながら蛍光体 を製造する固相法と比して、粉砕工程を行わずとも微少な粒径の粒子を得ることがで き、粉砕時にかかる応力による結晶中の格子欠陥を防ぎ、発光効率の低下を防止す ることがでさる。
[0051] 本発明における液相法としては、特に限定もなぐ蛍光体の種類や用途に応じて従 来公知の共沈法を用いてもよぐゾルゲル法、反応晶析法を用いることも可能である 力 特に共沈法及び反応晶析法を用いることが好ましい。
[0052] 反応晶析法とは、晶析現象を利用して、蛍光体の原料となる元素を含む溶液を混 合することにより蛍光体前駆体を合成する方法をいう。晶析現象とは、冷却、蒸発、 p H調節、濃縮等による物理的又は化学的な環境の変化、或いは化学反応によって混 合系の状態に変化を生じる場合等に液相中から固相が析出する現象を指す。本発 明における反応晶析法による蛍光体前駆体の製造方法は、前記の様な晶析現象発 生の誘因となりえる物理的、化学的操作による製造方法を意味する。
[0053] 反応晶析法を適用する際の溶媒は反応原料が溶解すれば何を用いてもよいが、 過飽和度制御のしゃすさの観点力 水が好まし 、。複数の反応原料を用いる場合は 、原料の添加順序は同時でも異なっていてもよぐ活性によって適切な順序を適宜組 み立てることができる。
[0054] 共沈法とは、共沈現象を利用して、蛍光体の原料となる元素を含む溶液を混合し、 さらに沈殿剤を添加することによって、蛍光体前駆体の母核の周囲に付活剤となる 金属元素等が析出させた状態で、蛍光体前駆体を合成する方法を言う。共沈現象と は、溶液から沈殿を生じさせたとき、その状況では十分な溶解度があり、沈殿しない はずのイオンが沈殿に伴われる現象をいう。蛍光体の製造においては、蛍光体前駆 体の母核の周囲に、付活剤を構成する金属元素などが析出する現象を指す。前記し たように、ケィ酸塩蛍光体力もなる緑色蛍光体を得る際には、この共沈法を利用する と好ましい。その場合には、蛍光体前駆体の母核としてシリカ等のケィ素化合物を用 い、これに、 Zn、 Mn等の緑色蛍光体を構成し得る金属元素を含む溶液とを混合し、 さらに沈殿剤を含む溶液を加えることにより、ケィ素化合物表面に金属、含む溶液を 反応させると好ましい。
[0055] シリカとしては、気相法シリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカ等を好ましく使用するこ とができ、下記溶媒に実質的に不溶であることが好ましい。
[0056] 共沈法の際に適用する溶媒としては、水またはアルコール類またはそれらの混合 物を用いることができる。シリカ等のケィ素化合物を用いる場合には、ケィ素化合物 が分散可能な、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール 等が挙げられる。これらのうち、比較的ケィ素化合物が分散しやすいエタノールが好 ましい。
[0057] 沈殿剤としては、有機酸または水酸ィ匕アルカリが好ましい。
[0058] 有機酸としては、 COOH基を有する有機酸が好ましぐ例えば、シユウ酸、蟻酸、 酢酸、酒石酸等が挙げられる。特に、シユウ酸を用いた場合、 Zn、 Mn等の陽イオン と反応しやすぐ Zn、 Mn等の陽イオンがシユウ酸塩として析出しやすいため、より好 ましい。また、沈殿剤として、加水分解等によりシユウ酸を生ずるもの、例えばシユウ酸 ジメチル等を使用してもよい。水酸ィ匕アルカリとしては、 OH基を有するもの、あるい は水と反応して OH基を生じたり、加水分解により OH基を生じたりするものであ ればいかなるものでもよぐ例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、 尿素等が挙げられる力 好ましくはアルカリ金属を含まないアンモニアがよい。
[0059] 前記の反応晶析法及び共沈法を含めて、液相合成法で前駆体を合成する場合に は、蛍光体の種類により、反応温度、添加速度や添加位置、攪拌条件、 pH等、諸物 性値を調整すると好ましい。また、蛍光体前駆体の母核を溶液中に分散させるときや 反応中に超音波を照射してもよ!、。平均粒径制御のために保護コロイドや界面活性 剤などを添加することも好まし 、。原料を添加し終ったら必要に応じて液を濃縮及び Zまたは熟成することも好まし 、態様の 1つである。
[0060] 添加する保護コロイドの量や超音波照射時間、攪拌条件等を制御し、溶液中の蛍 光体前駆体の母核の分散状態を好ましい状態とすることにより、蛍光体前駆体粒子 の粒径や凝集状態を制御し、焼成後の蛍光体粒子の平均粒径を所望の大きさにす ることがでさる。
[0061] このようにして得られた蛍光体前駆体は、本発明の蛍光体の中間生成物であり、こ の蛍光体前駆体を後述するような所定の温度に従って焼成することにより蛍光体を 得ることが好ましい。
[0062] 前述したように前駆体を合成した後、必要に応じてろ過、蒸発乾固、遠心分離等の 方法で回収した後に好ましくは洗浄、脱塩処理工程を行う。
[0063] 脱塩処理工程は蛍光体前駆体から副塩などの不純物を取り除くための工程であり
、各種膜分離法、凝集沈降法、電気透析法、イオン交換榭脂を用いた方法、ヌーデ ル水洗法などを適用することができる。
[0064] 本発明においては、蛍光体前駆体の生産性向上、且つ、副塩や不純物を十分に
除去し、粒子の粗大化や粒子径分布の拡大を防止する観点から、前駆体脱塩後の 電気伝導度が 0. 01mSZcm〜20mSZcmの範囲であることが好ましぐさらに好ま しくは 0. 01〜: LOmSZcmであり、特に好ましくは 0. 01mSZcm〜5mSZcmであ る。
[0065] 前述したような電気伝導度になるように調整することにより、最終的に得られる蛍光 体の発光輝度の向上にも効果がある。なお、電気伝導度の測定方法はどのような方 法を用いることも可能である力 市販の電気伝導度測定器を使用すればょ 、。
[0066] 脱塩処理工程終了後、さらに乾燥工程を行ってもよい。
[0067] 次に、焼成工程について説明する。
[0068] 焼成工程では、前駆体形成工程により得た蛍光体前駆体を焼成処理することによ り蛍光体を形成させる。
[0069] 蛍光体前駆体を焼成する際には、 V、かなる方法を用いてもよぐ焼成温度や時間 は最も性能が高くなるように調整すればよい。例えば、大気中で 600°C〜1800°Cの 間で適当な時間焼成することにより、目的の組成の蛍光体を得ることができる。
[0070] また、さらに蛍光体粒子の表面と内部にぉ ヽて共付活剤又は付活剤 ·共付活剤の 濃度に大きく差をつける場合等、共付活剤又は付活剤 ·共付活剤の濃度分布を制御 するために、焼成処理を条件を変えて複数回行う方法も有効である。この場合にお いて、少なくとも最後の焼成処理時の焼成温度を下げ、焼成時間を短くすることで蛍 光体粒子表面のこれらの濃度を下げることができる。また、この方法は特に固相法で 前駆体を形成する場合に有効である。
[0071] なお、焼成装置 (焼成容器)は現在知られているあらゆる装置を使用することができ る。例えば箱型炉、坩堝炉、円柱管型、ボート型、ロータリーキルン等が好ましく用い られる。雰囲気も前駆体組成に合わせて酸ィヒ性、還元性、不活性ガス等を用いること ができ、適宜選択することができる。さらに、必要に応じて焼成の後に還元処理また は酸化処理等を施しても良 ヽ。
[0072] また、焼成時に必要に応じて焼結防止剤を添加してもよ!/、。焼結防止剤を添加す る場合は、蛍光体前駆体形成時にスラリーとして添加することができる。また、粉状の ものを乾燥済前駆体と混合して焼成してもよ 、。
[0073] 焼結防止剤は特に限定されるものではなぐ蛍光体の種類、焼成条件によって適 宜選択される。例えば、蛍光体の焼成温度域によって 800°C以下での焼成には TiO 等の金属酸化物が、 1000°C以下での焼成には SiO ί 1700°C以下での焼成に
2 2
は Al O 1S それぞれ好ましく使用される。
2 3
[0074] なお、蛍光体の組成や反応条件等によっては、例えば乾燥工程等にお!、て結晶 化が進み、焼成を行う必要が無い場合がある。その場合は焼成処理を省いても構わ ない。
[0075] このように焼成工程行 ヽ蛍光体を形成した後、冷却処理、分散処理等の諸工程を 施してちょく、分級してちょい。
[0076] 冷却処理工程では、焼成処理で得られた焼成物を冷却する処理を行う。冷却処理 は特に限定されないが、公知の冷却方法より適宜選択することができ、例えば、該焼 成物を前記焼成装置に充填したまま冷却することができる。また、放置により温度低 下させてもよいし、冷却機を用いて温度制御しながら強制的に温度低下させてもよい
[0077] 分散処理工程では、焼成処理工程で得られた焼成物を分散する処理を行う。分散 処理方法としては、例えば、図 1に示すようなダブルジェット式反応装置 1や、高速攪 拌型のインペラ一型の分散機、コロイドミル、ローラーミル、ボールミル、振動ボールミ ル、アトライタミル、遊星ボールミル、サンドミル等の媒体メディアを装置内で運動させ てその衝突及び剪断力の両方により微粒化するもの、カッターミル、ハンマーミル、ジ エツトミル等の乾式型の分散機、超音波分散機、高圧ホモジナイザー等が挙げられる 。なお、図 1に示すダブルジェット式反応装置 1では、 2種類以上の液体を同時に等 速添加し、分散することができるものであり、液体を混合させる反応容器 2と、反応容 器 2の内部を攪拌する攪拌翼 3とが備えられており、この反応容器 2の底部には、反 応容器 2の内部と連通可能な 2本のパイプ 4, 5が取設されている。各パイプ 4, 5には 、ノズル 6, 7が設けられているとともに、各パイプ 4, 5の他端は図示しないタンクに接 続されており、各タンクに、図示しないポンプが接続されて反応容器 2の内部に液体 の同時等速流入を可能にさせて!/、る。
[0078] その後、前述したように調整した蛍光体ペーストを放電セル 31に塗布又は充填す
る。なお、蛍光体ペーストを放電セル 31に塗布又は充填する際には、スクリーン印刷 法、フォトレジストフィルム法、インクジェット法など種々の方法で行うことができる。特 に、インクジェット法は、隔壁 30のピッチが狭ぐ放電セル 31が微細に形成されてい る場合であっても、隔壁 30間に低コストで容易に精度良く均一に蛍光体ペーストを塗 布又は充填できるので好まし 、。
[0079] 次に、図 2を参照して、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの実施形態につ いて説明する。なお、プラズマディスプレイパネルには、電極の構造及び動作モード から大別すると、直流電圧を印加する DC型と、交流電圧を印加する AC型のものと があるが、図 2には、 AC型プラズマディスプレイパネルの構成概略の一例を示した。
[0080] 図 2に示すプラズマディスプレイパネル 8は、表示側に配置される基板である前面 板 10と前面板 10に対向する背面板 20とを備えている。
[0081] まず、前面板 10について説明する。前面板 10は、可視光を透過し、基板上に各種 の情報表示を行うもので、プラズマディスプレイパネル 8の表示画面として機能するも のであり、前面板 10には、表示電極 11、誘電体層 12、保護層 13等が設けられてい る。
[0082] 前面板 10として、ソーダライムガラス (青板ガラス)等の可視光を透過する材料を好 ましく使用できる。前面板 10の厚さとしては、 l〜8mmの範囲が好ましぐより好ましく は 2mmである。
[0083] 表示電極 11は、前面板 10の背面板 20と対向する面に複数設けられ、規則正しく 配置されている。表示電極 11は、透明電極 11aとバス電極 l ibとを備え、幅広の帯 状に形成された透明電極 11a上に、同じく帯状に形成されたバス電極 l ibが積層さ れた構造となっている。なお、バス電極 l ibの幅は、透明電極 11aよりも狭く形成され ている。なお、表示電極 11は所定の放電ギャップをあけて対向配置された 2つの表 示電極 11で一組となって 、る。
[0084] 透明電極 11aとしては、ネサ膜等の透明電極を使用することができ、そのシート抵 抗は、 100 Ω /sq以下であることが好ましい。透明電極 11aの幅としては、 10〜200 mの範囲が好ましい。
[0085] バス電極 1 lbは、抵抗を下げるためのものであり、 CrZCuZCrのスパッタリング等
により形成することができる。バス電極 l ibの幅としては、 5〜50 mの範囲が好まし い。
[0086] 誘電体層 12は、前面板 10の表示電極 11が配された表面全体を覆っている。誘電 体層 12は、低融点ガラス等の誘電物質力も形成することができる。誘電体層 12の厚 さとしては、 20〜30 mの範囲が好ましい。誘電体層 12の表面は保護層 13により 全体的に覆われる。保護層 13は、 MgO膜を使用することができる。保護層 13の厚さ としては、 0. 5〜50 mの範囲が好ましい。
[0087] 次に、背面板 20について説明する。
[0088] 背面板 20には、アドレス電極 21、誘電体層 22、隔壁 30、蛍光体層 35R、 35G、 3
5B等が設けられている。
[0089] 背面板 20は、前面板 10と同様に、ソーダライムガラス等が使用できる。背面板 20 の厚さとしては、 l〜8mmの範囲が好ましぐより好ましくは 2mm程度である。
[0090] アドレス電極 21は、背面板 20の、前面板 20と対向する面に複数設けられている。
アドレス電極 21も、透明電極 11aやバス電極 l ibと同様に帯状に形成されている。ァ ドレス電極 21は、平面視において、表示電極 11と直交するように、所定間隔毎に複 数設けられている。
[0091] アドレス電極 21は、 Ag厚膜電極等の金属電極を使用することができる。アドレス電 極 21の幅 ίま、 100〜200 111の範囲カ好まし1ヽ。
[0092] 誘電体層 22は、背面板 20のアドレス電極 21が配された表面全体を覆っている。こ の誘電体層 22は、低融点ガラス等の誘電物質力も形成することができる。誘電体層
22の厚さとしては、 20〜30 mの範囲が好ましい。
[0093] 誘電体層 22上のアドレス電極 21の両側方には、長尺に形成された隔壁 30が背面 板 20側力も前面板 10側に立設されており、平面視において隔壁 30は表示電極 11 と直交している。また、隔壁 30は、背面板 20と前面板 10との間をストライプ状に区画 した複数の微少放電空間(以下、放電セルという) 31を形成しており、各放電セル 31 の内側には、希ガスを主体とする放電ガスが封入されている。
[0094] なお、隔壁 30は、低融点ガラス等の誘電物質力も形成することができる。隔壁 30の 幅は、 10〜500 mの範囲が好ましぐ 100 m程度がより好ましい。隔壁 30の高さ
(厚み)としては、通常、 10〜: LOO μ mの範囲であり、 50 μ m程度が好ましい。
[0095] 放電セル 31には、赤 (R)、緑 (G)、青(B)のいずれかに発光する本発明の蛍光体 から構成された蛍光体層 35R、 35G、 35Bのいずれかが規則正しい順序で設けられ ている。一つの放電セル 31内には、平面視において表示電極 11とアドレス電極 21 が交差する点が多数存在するようになっており、これら一つ一つの交点を最小の発 光単位として、左右方向に連続する R、 G、 Bの 3つの発光単位により 1画素を構成し ている。各蛍光体層 35R、 35G、 35Bの厚さは特に限定されるものではないが、 5〜 50 mの範囲が好ましい。
[0096] なお、蛍光体層 35R、 35G、 35Bの形成に当たっては、前述した方法で製造され た本発明の蛍光体をバインダ、溶剤、分散剤などの混合物に分散し、適度な粘度に 調整された蛍光体ペーストを放電セル 31に塗布又は充填し、その後乾燥又は焼成 することにより隔壁側面 30a及び底面 30aに本発明の蛍光体が付着した蛍光体層 35 R、 35G、 35Bを形成させるものとする。なお、蛍光体ペーストの調整は従来公知の 方法により行うことができる。また、蛍光体ペースト中の蛍光体の含有量としては 30質 量%〜60質量%の範囲にするのが好ましい。
[0097] 蛍光体ペーストを放電セル 31R、 31G、 31Bに塗布又は充填する際には、スクリー ン印刷法、フォトレジストフィルム法、インクジェット法など種々の方法で行うことができ る。
[0098] このようにプラズマディスプレイパネルを構成させることにより、表示の際には、アド レス電極 21と一組の表示電極 11、 11のうちいずれか一方の表示電極との間で選択 的にトリガー放電を行わせることにより、表示を行う放電セルを選択させる。その後、 選択された放電セル内にぉ 、て一組の表示電極 11、 11間でサスティン放電を行わ せることにより放電ガスに起因する紫外線を生じさせ、蛍光体層 35R、 35G、 35Bか ら可視光を生じさせることを可能にする。
[0099] 以上のことから、本発明では、蛍光体前駆体を形成する際に始めにコア粒子を形 成させた後に、コア粒子を形成させたときの共付活剤又は付活剤 ·共付活剤の濃度 を減少させてコア粒子の周囲にコア粒子よりも共付活剤又は付活剤 '共付活剤の濃 度が低いシェルを形成させた前駆体を形成することにより、蛍光体粒子表面の共付
活剤又は付活剤 ·共付活剤の濃度を蛍光体粒子内部より小さくすることができる。
[0100] これにより、単に母体原料に付活剤又は共不活剤を入れただけで濃度に関して特 に規定しない場合や、母体原料に入れる付活剤の濃度に関してのみ規定し特に共 付活剤の濃度に関して規定しない場合に比べ、真空紫外線が主に吸収される蛍光 体表面にぉ ヽて共付活剤又は付活剤 ·共付活剤がさらに少なくさせることができ、母 体原料に付活剤及び共付活剤をドープした際に生じる、不活剤及び共付活剤周辺 での結晶構造の歪みを少なくさせることができる。つまり、本発明の蛍光体では、結 晶欠陥を少なくさせており、結晶性を向上させることができる。その結果、本発明の蛍 光体では、真空紫外線のみならずィオンスパッタ及びプラズマディスプレイ形成にお ける焼成工程時の衝撃に対して一層強くさせることができると考えられる。
[0101] したがって、本発明に係る蛍光体はこれらによる劣化を防止することができ、輝度を 向上させるとともに、経時的な劣化を防ぐことができる。
[0102] また、これらの効果は、蛍光体粒子の最表面から lOOnm以内の共付活剤及び付 活剤 ·共付活剤の濃度が、蛍光体粒子の最表面から lOOnmの位置より内側の共付 活剤及び付活剤 ·共付活剤の濃度に対して 20%以上低 ヽ場合に、より効果が発揮 される。特に、蛍光体粒子の最表面から lOnm以内は蛍光体母体のみから構成され る場合では、真空紫外線により劣化しやすい範囲において結晶の歪みを生じるような 付活剤及び共付活剤を存在させないため、より真空紫外線による劣化を防いで前述 した効果をより発揮させることができる。
[0103] また、共付活剤及び付活剤 ·共付活剤の濃度は蛍光体の最表面カゝら内部に向かつ て徐々に増加していくので、ィオンスパッタにより、エッチングされた際に、極単に濃 度成分の異なる部位が露出されるような結晶となるのを防ぐことができる。その結果、 エッチングされた部位とそうでな 、部位にぉ 、て輝度にあまり差をつけず、ィオンス ノッタによる劣化を低減させることができる。
[0104] さらに、本発明に係る蛍光体の製造方法により製造された蛍光体をプラズマデイス プレイに用いることにより、蛍光体粒子の結晶の歪みを抑えて、結晶性を向上させる ことができるので、前述したような経時的な輝度劣化を防ぐことができるプラズマディ スプレイパネル 8とすることができる。
[0105] なお、前述した効果を評価するにあたって、以下の項目を検討した。
[0106] 真空紫外線の照射による劣化を評価するにあたって、蛍光体層に 146nmの真空 紫外線 (エキシマランプ (ゥシォ電機社製) )を 200時間照射して、真空紫外線の照射 前後の蛍光体の輝度を測定し、真空紫外線の長時間照射で輝度が低下する程度( 輝度維持率)を評価した。
[0107] また、ィオンスパッタによる劣化を評価するにあたって、プラズマディスプレイパネル を想定したセルに蛍光体を充填し、 Arィオンスパッタ装置 (サンユー電子社製)内に 入れて Arイオンを 3分間照射して、 Arイオンの照射前後の蛍光体の輝度を測定し、 イオンスパッタで輝度が低下する程度 (輝度維持率)を評価した。
[0108] また、焼成時の劣化を測定するにあたって、後述する方法で製造された蛍光体を 焼成させたときに焼成前後の蛍光体の輝度を測定し、焼成で輝度が低下する程度( 輝度維持率)を評価した。
[0109] また、共不活剤及び付活剤の蛍光体粒子の内部分布を測定するにあたって、蛍光 体を X線光電子分光分析装置 (XPS (日東電工株式会社製) )を用いてエッチングを 行いながら、蛍光体の最表面力 特定の深さの範囲までに存在する付活剤 (Mn)、 共付活剤 (Mg)の分析を行!ヽ、付活剤及び共付活剤の濃度分布を原子比 (At%)で 評価した。
[0110] また、残光時間を測定するにあたって、蛍光体の残光時間を蛍光体寿命測定器 (P hoton technology international社製)を用いて孭 U定した。
実施例
[0111] 以下、本発明に係る実施例 1から実施例 3を説明するが、本発明はこれに限定され るものではない。
〔実施例 1〕
本実施例 1では、緑色蛍光体として Zn SiO: Mn: Mg (母体原料力 n SiOであり
2 4 2 4
、付活剤が Mn、共付活剤が Mg)カゝらなる本発明の蛍光体 No. 1,蛍光体 No. 2及 び比較例の蛍光体 No. 3を作製し、得られた蛍光体中の付活剤及び共付活剤の濃 度分布を測定するとともに、ペースト焼成劣化試験及び真空紫外線劣化試験、ィォ ンスパッタ劣化試験を行 ヽ、各処理にぉ ヽて劣化の前後の相対発光輝度を評価した
。また、蛍光体の残光時間を測定し、残光評価を行った。まず、蛍光体 No. 1〜蛍光 体 No. 3の合成について説明する。
1.蛍光体の作製(1)液相法による蛍光体 No. 1の作製
水 1000mlを A液とした。水 500mlに Siのイオン濃度力 0. 50mol/lになるように N a SiOを溶解し、これを B液とした。水 500mlに Znのイオン濃度が 0. 95mol/l、付
3 3
活剤(Mn)のイオン濃度が 0. 06molZl、共不活剤(Mg)のイオン濃度が 0. 02mol /1になるように ZnClと MnCl ·4Η 0、 MgClを溶解し、これを C液とした。
2 2 2 2
[0112] まず、図 1に示す蛍光体の製造装置であるダブルジェット式反応装置 1の反応容器 2に溶液 Aを入れ、 40°Cに保ち、攪拌翼 3を用いて攪拌を行った。その状態で、 40 °Cに保った溶液 B, Cを反応容器 1の下部にある各ノズル 6, 7からポンプを用いて 10 OmlZminの速度で等速添加を行った。添加後 10分間熟成を行い、蛍光体の前駆 体を得た。
[0113] その後、前駆体を限外濾過装置(日東電工製 限外濾過膜 NTU— 3150)により 電気伝導度が 30msZcmになるまで洗浄した。洗浄後の前駆体を水 1000mlに添 加し、これを再び図 1の反応容器 1に入れ、 40°Cに保ちながら攪拌翼 3を用いて均一 に分散するまで攪拌を行 ヽ分散液を得た。
[0114] この状態で、 40°Cに保たれた、水 500mlに Siのイオン濃度が下記表 1に記載の濃 度となるように Na SiOを溶解した 夜と、水 500mlに Zn及び付活剤(Mn)並びに
3 3
共付活剤(Mg)の各イオンのイオン濃度が表 1に記載の濃度になるように ZnCl、 M
2 nCl ·4Η 0、 MgClを溶解した 液とを分散液の入った反応容器 1の下部にある各
2 2 2
ノズル 6, 7からポンプを用いて 50mlZminの速度で等速添カ卩を行った。添加後 10 分間熟成を行い、その後、濾過乾燥して乾燥前駆体を得た。これを 1250°Cで弱還 元雰囲気下 (N中)で 3時間焼成し、蛍光体 No. 1— 1〜蛍光体 No. 1— 6を得た。
2
[0116] (2)固相法による蛍光体 No. 2の作製
母体原料として、 ZnOと SiOをモル比 2 : 1となるように配合する。次にこの混合物に
2
対して、所定量の Mn O , MgOを SiOを添カ卩する。この際に、 SiOを 1とした場合
2 3 2 2 2
に Mn Oと MgOがそれぞれ 0· 15, 0. 05の量比となるように添カ卩し、ボールミルで
2 3 2
混合後、 1250°Cで、弱還元雰囲気下 (N中)で 2時間焼成した。
2
[0117] 合成された蛍光体にさらに母体原料である ZnO、 SiOをさらに混合した後、下記表
2
2に記載した量比となるように Mn O , MgOを添カ卩し、ボールミルで混合後、再度 1
2 3 2
150°Cで 1. 5時間大気中で焼成し、蛍光体 No. 2—1〜蛍光体 No. 2— 6を得た。
[0118] [表 2]
[0119] (3)比較例の固相法による蛍光体 No. 3の作製
母体原料として、 ZnOと Si02をモル比 2 : 1となるように配合する。次にこの混合物 に対して、所定量の Mn O , MgOを添加し、ボールミルで混合後、 1250°Cで、弱
2 3 2
還元雰囲気下 (N中)で 3時間焼成し、蛍光体 No. 3を得た。
2
2.蛍光体の評価(1)蛍光体中の付活剤及び共付活剤の濃度分布の測定
前述した方法で得られた蛍光体 No. 1〜蛍光体 No. 3について蛍光体中の付活 剤及び共付活剤の濃度分布の測定を行った。
[0120] 蛍光体中の付活剤及び共付活剤の濃度分布の測定は、蛍光体 1〜3を X線光電 子分光分析装置 (XPS (日東電工株式会社製) )を用いて Arイオンでエッチングを行
いながら、蛍光体の最表面から図 3に示す深さまでに存在する付活剤(Mn)、共付 活剤 (Mg)の分析を行!ヽ、付活剤及び共付活剤の濃度分布を原子比 (At%)で表し た。
[0121] なお、蛍光体 No. 1— 1〜蛍光体 No. 1 - 6,蛍光体 No. 3についての付活剤及 び共付活剤の濃度分布の結果をそれぞれ図 3 (a) ,図 4 (a)に示し、蛍光体 No. 2— 1〜蛍光体 No. 2- 6,蛍光体 No. 3についての付活剤及び共付活剤の濃度分布の 結果をそれぞれ図 3 (b) ,図 4 (b)に示す。
(2)ペースト焼成劣化試験
前述した方法で得られた蛍光体 No. 1〜蛍光体 No. 3からペーストを作製し、これ を焼成させたときに焼成の前後で輝度が低下する程度 (輝度維持率)を測定した。
[0122] まず、蛍光体 No. 1〜蛍光体 No. 3が 35%の比率となるようにェチルセルロース榭 脂及び溶剤からなるペーストを従来公知の方法で作製した。この際、ペーストをブラ ズマディスプレイパネル用のガラス基板に塗布できるように溶剤により適切な粘度とな るように調整した。
[0123] このペーストを用いてスクリーン印刷法により前記のガラス基板上に厚膜印刷を行 い、 500°Cで 30分間大気中で焼成して層状の蛍光体膜を得た。なお、この蛍光体膜 はプラズマディスプレイパネルを想定したものである。
[0124] この蛍光体膜に対して、ペースト焼成を行う前の粉体の状態で測定した輝度を 100 %としたときの焼成後の蛍光体膜の輝度を測定し、ペースト焼成の前後における輝 度維持率(%)を下記表 3に示した。なお、蛍光体 No. 1及び No. 2から形成される 蛍光体層の輝度維持率は焼成前の蛍光体 No. 3から形成される蛍光体層の初期輝 度 100%としたときの相対値で示している。
[0125] また、輝度の測定には、光源として 146nmのエキシマランプ (ゥシォ電機社製)を 使用し、真空チャンバ一内に各蛍光体カゝら作製された蛍光体膜が形成されたガラス 基板を設置して、真空度 0. ltorrにて一定距離から光線を照射し励起発光をした際 の輝度計で測定した結果を下記表 3に示した。
(3)真空紫外線劣化試験
前述した方法でペースト焼成して得られた蛍光体膜に 146nmの真空紫外線 (ェキ
シマランプ (ゥシォ電機社製) )を 200時間照射する前後の輝度を測定し、真空紫外 線の長時間照射の前後で輝度が低下する程度 (輝度維持率)を下記表 3に示した。 なお、真空紫外線劣化試験による輝度維持率は下記の式(1)から求めた。輝度維持 率 (%) = (200時間後の輝度) / (焼成後の輝度) X 100· · · (1)
(4)ィオンスパッタ劣化試験
直径 25mm、深さ 5mmの円柱状の窪みをもったセルにペーストを充填し焼成して 蛍光体膜を形成した後、 Arィオンスパッタ装置 (サン 電子社製)内に入れて 10w のエネルギーの Arイオンを 3分間照射して、照射前に対する照射後の輝度維持率を 測定し、下記表 3に示した。
(5)残光評価
前述した方法で得られたペースト焼成前の粉体状態の蛍光体の残光時間を蛍光 体寿命測定器(Photon technology international社製)を用いて測定した。残 光時間は励起光を遮断した後の発光輝度が遮断直前の発光輝度の 1Z10になるま での時間とし、蛍光体 3を 100としたときの相対時間を下記表 3に示した。
[0126] [表 3]
[0127] その結果、図 3及び図 4若しくは表 3からわ力るように、共付活剤の濃度が蛍光体の 最表面から内部に向かって増加する本発明の蛍光体では、ペースト焼成による劣化 、真空紫外線による劣化、ィオンスパッタによる劣化が大幅に改善され、残光時間も 短縮されることが判明した。
[0128] また、付活剤の濃度及び共付活剤の濃度を蛍光体内部に向力つて増カロさせること によっても同様の効果がみられ、特にイオンスパッタによる劣化で顕著に効果がみら れ、残光時間もより短縮されることがわ力る。
[0129] さらに、最表面から lOnmの深さまで母体原料のみで共付活剤が内部に向かって 増加する蛍光体 No. 1 - 3,蛍光体 No. 1 -6,蛍光体 No. 2- 3,蛍光体 No. 2— 6では、ィオンスパッタによる劣化がさらに改善されることがわかる。
〔実施例 2〕
実施例 2では、赤色蛍光体として (Y Gd ) BO: Eu: In (母体原料が (Y Gd ) BO x 1-x 3 x 1-x であり、付活剤が Eu、共付活剤が In)からなる本発明の蛍光体 4, 5及び比較例の
3
蛍光体 6を作製し、得られた蛍光体 4〜6に対し、実施例 1と同様に、得られた蛍光体 中の付活剤及び共付活剤の濃度分布を測定するとともに、ペースト焼成劣化試験及 び真空紫外線劣化試験、ィオンスパッタ劣化試験を行い、各処理において劣化の前 後の相対発光輝度を評価した。また、蛍光体の残光時間を測定し、残光評価を行つ た。まず、蛍光体 No. 4〜蛍光体 No. 6の合成について説明する。
1.蛍光体の作製(1)液相法による蛍光体 No. 4の作製
水 1000mlを D液とした。水 500mlに Yのイオン濃度が 0. 4659mol/l, Gdのィォ ン濃度が 0. 2716molZl、付活剤 (Eu)のイオン濃度が、 0. 0388molZl共付活剤 (In)のイオン濃度が 0. 012molZlとなるように Υ(ΝΟ ) · 6Η O, Gd (NO ) , Eu(
3 3 2 3 3
NO ) · 6Η 0, In (NO ) - 3H Oを溶解し、これを E液とした。水 500mlに Bのイオン
3 3 2 3 3 2
濃度が 0. 7763molZlとなるように H BOを溶解し、これを F液とした。
3 3
[0130] その後、実施例 1で使用した図 1に示す蛍光体の製造装置であるダブルジェット式 反応装置 1の反応容器 2に溶液 Dを入れ、 40°Cに保ち、攪拌翼 3を用いて攪拌を行 つた。その状態で、 40°Cに保った溶液 E, Fを溶液 Dの入った反応容器 1の下部にあ る各ノズル 6, 7からポンプを用いて lOOmlZminの速度で等速添カ卩を行った。添カロ 後 10分間熟成を行い、蛍光体の前駆体を得た。
[0131] その後、前駆体を限外濾過装置(日東電工製 限外濾過膜 NTU— 3150)により 電気伝導度が 30msZcmになるまで洗浄した。洗浄後の前駆体 Bを水 1000mlに添 加し、これを再び図 1の反応容器 2に入れ、 40°Cに保ちながら攪拌翼 3を用いて均一
に分散するまで攪拌を行 ヽ分散液を得た。
[0132] この状態で、 60°C〖こ保たれた、水 500ml〖こ Yのイオン濃度、 Gdのイオン濃度、 Eu のイオン濃度、 Inのイオン濃度が下記表 4に記載の濃度になるように Y (NO ) · 6Η
3 3 2
0 Gd (NO ) In (NO ) · 3Η Oを溶解した ΕΠ夜と、水 500mlに Βのイオン濃度が
3 3 3 3 2
表 4に記載した濃度になるように Η ΒΟを溶解した: Τ液を分散液 Βの入った反応容
3 3
器 2の下部にある各ノズル 6, 7力もポンプを用いて 50mlZminの速度で等速添カロを 行った。添加後 10分間熟成を行い、その後、濾過乾燥して乾燥前駆体を得た。その 後、これを 1400°Cで酸ィ匕雰囲気下(大気中)で 2時間焼成し、蛍光体 No. 4— 1 蛍光体 No. 4— 6を得た。
[0133] [表 4]
[0134] (2)固相法による蛍光体 No. 5の作製
母体原料として、 γ Oと Gd Oと Eu Oと H BOと In Oとをモル比 0. 6 : 0. 3 : 0. 1
2 3 2 3 2 3 3 3 2 3
: 1. 0 : 0. 02となるように配合する。次にこの混合物に対して、適量のフラックスを添 カロしてボールミルで混合し、 1400°Cで、酸ィ匕雰囲気下(大気中)で 3時間焼成した。
[0135] 合成された蛍光体にさらに母体原料である Y Oと Gd Oと H BOを混合した後、下
2 3 2 3 3 3
記表 5に記載した量比となるように Eu Oと In Oを添カ卩し、ボールミルで混合後、 13
2 3 2 3
00°Cで 1. 5時間大気中で焼成し、蛍光体 No. 5— 1〜蛍光体 No. 5— 6を得た。
[0136] [表 5]
(3)比較例の固相法による蛍光体 No. 6の作製
母体原料として、 γ Oと Gd Oと Eu Oと H BOと In Oとをモル比 0. 6 : 0. 3 : 0. 1
2 3 2 3 2 3 3 3 2 3
: 1. 0 : 0. 02となるように配合する。次にこの混合物に対して、適量のフラックスを添 カロしてボールミルで混合し、 1400°Cで、酸ィ匕雰囲気下(大気中)で 2時間焼成し、蛍 光体 No. 6を得た。
2.蛍光体の評価(1)蛍光体中の付活剤及び共付活剤の濃度分布の測定
前述した方法で得られた蛍光体 No. 4〜蛍光体 No. 6について、実施例 1と同様 に、付活剤 (Eu)及び共付活剤 (In)の濃度分布を測定した。なお、蛍光体 No. 4- 1 〜蛍光体 No. 4-6,蛍光体 No. 6についての付活剤及び共付活剤の濃度分布の 結果をそれぞれ図 5 (a) ,図 6 (a)に示し、蛍光体 No. 5— 1〜蛍光体 No. 5-6,蛍 光体 No. 6についての付活剤及び共付活剤の濃度分布の結果をそれぞれ図 5 (b) , 図 6 (b)に示す。
(2)ペースト焼成劣化試験
前述した方法で得られた蛍光体 No. 4〜蛍光体 No. 6からペーストを実施例 1と同 様に作製し、これを実施例 1と同様に焼成させたときに焼成の前後で輝度が低下す る程度 (輝度維持率)を測定し、その結果を下記表 6に示す。
(3)真空紫外線劣化試験
前述した方法で得られた蛍光体 No. 4〜蛍光体 No. 6に対し、実施例 1と同様に ペースト作製及びペースト焼成を行い、得られた蛍光体層に対し、実施例 1と同様に 真空紫外線を長時間照射させた前後で輝度が低下する程度 (輝度維持率)を下記 表 6に不した。
(4)ィオンスパッタ劣化試験
前述した方法で得られた蛍光体 No. 4〜蛍光体 No. 6に対し、実施例 1と同様に ペースト作製及びペースト焼成を行い、得られた蛍光体層に対し、 Arイオンの照射を 行い、イオン照射の前後で輝度が低下する程度 (輝度維持率)を下記表 6に示した。
(5)残光評価
前述した方法で得られた蛍光体 No. 4〜蛍光体 No. 6に対し、実施例 1と同様に、 ペーストを作製し、ペーストを焼成する前の粉体状態の蛍光体の残光時間を測定し、
結果を下記表 6に示した。
[0138] [表 6]
[0139] 図 5,図 6若しくは表 6からわ力るように、共付活剤の濃度が蛍光体内部に向力つて 増加する本発明の蛍光体では、ペースト焼成による劣化、真空紫外線による劣化、ィ オンスパッタによる劣化が大幅に改善され、残光時間も短縮されることが判明した。
[0140] また、付活剤の濃度及び共付活剤の濃度を蛍光体内部に向力つて増カロさせること によっても同様の効果がみられ、特にイオンスパッタによる劣化で顕著に効果がみら れ、残光時間もより短縮されることがわ力る。
[0141] さらに、最表面から lOnmの深さまで母体原料のみで共付活剤が内部に向かって 増加する蛍光体 No. 4- 3,蛍光体 No. 4-6,蛍光体 No. 5— 3,蛍光体 No. 5— 6では、ィオンスパッタによる劣化がさらに改善されることがわかる。
〔実施例 3〕
本実施例 3では、青色蛍光体として BaMgAl O : Eu: Sc (母体原料が BaMgAl
10 17 10
O であり、付活剤が Eu、共付活剤が Sc)からなる本発明の蛍光体 No. 7,蛍光体 N
17
o. 8及び比較例の蛍光体 No. 9を作製し、得られた蛍光体中の付活剤及び共付活 剤の濃度分布を測定するとともに、ペースト焼成劣化試験及び真空紫外線劣化試験 、ィオンスパッタ劣化試験を行い、各処理において劣化の前後の相対発光輝度を評 価した。また、蛍光体の残光時間を測定し、残光評価を行った。まず、蛍光体 No. 7 〜蛍光体 No. 9の合成について説明する。
1.蛍光体の作製(1)液相法による蛍光体 No. 8の作製
水 1000mlを G液とした。水 500mlに Baのイオン濃度が 0. 0900mol/l, Mgのィ オン濃度が 0. lOOOmol/1,付活剤 (Eu)のイオン濃度が 0. Olmol/1,共付活剤( Sc)のイオン濃度が 0. 003molZlとなるように BaCl · 2Η O, MgCl · 6Η O, EuCl
2 2 2 2 3
•6H 0, ScCl - 6H Oを溶解し、これを H液とした。水 500mlに A1のイオン濃度が 10
2 3 2
00mol/lとなるように A1C1 - 6H Oを溶解し、これを I液とした。
3 2
[0142] その後、実施例 1, 2で使用した図 1に示す蛍光体の製造装置であるダブルジェット 式反応装置 1の反応容器 2に溶液 Gを入れ、 40°Cに保ち、攪拌翼 3を用いて攪拌を 行った。その状態で、同じく 40°Cに保った溶液 H, Iを溶液 Gの入った反応容器 1の 下部にある各ノズル 6, 7からポンプを用いて lOOmlZminの速度で等速添カ卩を行つ た。添加後 10分間熟成を行い、蛍光体の前駆体を得た。
[0143] その後、前駆体を限外濾過装置(日東電工製 限外濾過膜 NTU— 3150)により 電気伝導度が 30msZcmになるまで洗浄した。洗浄後の前駆体を水 1000mlに添 加し、これを再び図 1の反応容器 2に入れ、 40°Cに保ちながら攪拌翼 3を用いて均一 に分散するまで攪拌を行 ヽ分散液を得た。
[0144] この状態で、同じく 40°C〖こ保たれた、水 500ml〖こ Ba, Mg, Eu, Scの各イオンのィ オン濃度が下記表 7に記載の濃度になるように BaCl · 2Η O, MgCl · 6Η O, EuCl
2 2 2 2
•6H 0, ScCl · 6Η Oを溶解した IT液と、水 500mlに Alのイオン濃度が表 7に記載
3 2 3 2
した濃度になるように A1C1を溶解した Γ液を分散液の入った反応容器 2の下部にあ
3
る各ノズル 6, 7力もポンプを用いて 50mlZminの速度で等速添カ卩を行った。添加後 10分間熟成を行い、その後、濾過乾燥して乾燥前駆体を得た。その後、これを 160 0°Cで還元雰囲気下 (H中)で 2時間焼成し、蛍光体 No. 7—1〜蛍光体 No. 7— 6
2
を得た。
[0146] (2)固相法による蛍光体 No. 8の作製
母体原料として、 BaCOと MgCOと α— Al Oとをモル比 1: 1: 5となるように配合
3 3 2 3
する。次にこの混合物に対して、所定量の Eu O、 Sc Oを添加する。この際に、 Ba
2 3 2 3
COを 1とした場合に Eu Oと Sc O I 0. 1, 0. 03となるように添カロする。そして適
3 2 3 2 3
量のフラックス (A1F, BaCl )と共にボールミルで混合し、 1600°Cで、還元雰囲気下
2 2
(H中)で 3時間焼成した。
2
[0147] 合成された蛍光体にさらに母体原料である BaCOと MgCOとひ Al Oを混合し
3 3 2 3 た後、下記表 8に記載した量比となるように Eu Oと Sc Oを添カ卩し、ボールミルで混
2 3 2 3
合後、 1600°Cで 1. 5時間大気中で焼成し、蛍光体 No. 8— 1〜蛍光体 No. 8— 6を 得た。
[0148] [表 8]
(3)比較例の固相法による蛍光体 No. 9の作製
母体原料として、 BaCOと MgCOと α— Al Oとをモル比 1: 1: 5となるように配合
3 3 2 3
する。次にこの混合物に対して、所定量の Eu O、 Sc Oを添加する。この際に、 Ba
2 3 2 3
COを 1とした場合に Eu Oと Sc O力 0. 1 : 0. 03となるように添加する。適量のフ
3 2 3 2 3
ラックス (A1F, BaCl )を添カ卩してボールミルで混合し、 1600°Cで、還元雰囲気下(
2 2
H中)で 2時間焼成し、蛍光体 No. 9を得た。
2
2.蛍光体の評価(1)蛍光体中の付活剤及び共付活剤の濃度分布の測定
前述した方法で得られた蛍光体 No. 7〜蛍光体 No. 9について、実施例 1, 2と同 様に、付活剤 (Eu)及び共付活剤 (Sc)の濃度分布を測定した。なお、蛍光体 No. 7 1〜蛍光体 No. 7- 6,蛍光体 No. 9についての付活剤及び共付活剤の濃度分 布の結果をそれぞれ図 7 (a) ,図 8 (a)に示し、蛍光体 No. 8—1〜蛍光体 No. 8— 6 ,蛍光体 No. 9についての付活剤及び共付活剤の濃度分布の結果をそれぞれ図 7 ( b) ,図 8 (b)に示す。
(2)ペースト焼成劣化試験
前述した方法で得られた蛍光体 No. 7〜蛍光体 No. 9からペーストを実施例 1, 2と 同様に作製し、これを実施例 1と同様に焼成させたときに焼成の前後で輝度が低下 する程度 (輝度維持率)を測定し、その結果を下記表 9に示す。
(3)真空紫外線劣化試験
前述した方法で得られた蛍光体 No. 7〜蛍光体 No. 9に対し、実施例 1, 2と同様 にペースト作製及びペースト焼成を行い、得られた蛍光体膜に対し、実施例 1, 2と同 様に真空紫外線を長時間照射させた前後で輝度が低下する程度 (輝度維持率)を 下記表 9に示した。
(4)ィオンスパッタ劣化試験
前述した方法で得られた蛍光体 No. 7〜蛍光体 No. 9に対し、実施例 1, 2と同様 にペースト作製及びペースト焼成を行い、得られた蛍光体層に対し、 Arイオンの照 射を行い、イオン照射の前後で輝度が低下する程度 (輝度維持率)を下記表 9に示し た。
(5)残光評価
前述した方法で得られた蛍光体 No. 7〜蛍光体 No. 9に対し、実施例 1と同様に、 ペーストを作製し、ペーストを焼成する前の粉体状態の蛍光体の残光時間を測定し、 結果を下記表 9に示した。
[表 9]
-スト焼成輝度 真空紫外線照射 イオンスハ。ッタ 輝 相対残光時間 蛍光体 No. 初期輝度
維持率 (%) 輝度維持率 (%) 度維持率 (%) 備考
(%)
7-1 108 97 86 87 70 本発明
7— 2 108 98 88 92 75 本発明
7-3 105 99 90 97 65 本発明 フー 4 106 95 82 83 80 本発明 フー 5 108 96 84 84 76 本発明
7-6 105 96 84 90 68 本発明
8-1 104 92 76 78 80 本発明
8-2 104 93 78 83 85 本発明
8-3 102 94 80 88 75 本発明
8-4 103 90 72 73 90 本発明
8-5 102 91 74 74 86 本発明
8-6 101 92 76 79 78 本発明
9 100 80 55 58 100 比較例
[0151] 図 7,図 8若しくは表 9からわ力るように、共付活剤の濃度が蛍光体内部に向力つて 増加する本発明の蛍光体では、ペースト焼成による劣化、真空紫外線による劣化、ィ オンスパッタによる劣化が大幅に改善され、残光時間も短縮されることが判明した。
[0152] また、付活剤の濃度及び共付活剤の濃度を蛍光体内部に向力つて増カロさせること によっても同様の効果がみられ、特にイオンスパッタによる劣化で顕著に効果がみら れ、残光時間もより短縮されることがわ力る。
[0153] さらに、最表面から lOnmの深さまで母体原料のみで共付活剤が内部に向力つて 増加する蛍光体 No.7-3,蛍光体 No.7-6,蛍光体 No.8— 3,蛍光体 No.8— 6では、ィオンスパッタによる劣化がさらに改善されることがわかる。