明 細 書
π電子共役系有機シラン化合物、機能性有機薄膜及びそれらの製造方 法
技術分野
[0001] 本発明は π電子共役系有機シラン化合物、特に、電気材料として有用な π電子共 役系有機シラン化合物、該有機シラン化合物を用いた機能性有機薄膜及びそれら の製造方法に関する。詳しくは、本発明は、膜中の分子配列を分子化学構造により 制御し、その結果導電特性を制御可能な π電子共役系有機シラン化合物、該有機 シランィ匕合物を用いた機能性有機薄膜及びそれらの製造方法に関する。
背景技術
[0002] 近年、無機材料を用いた半導体に対し、製造が簡単で加工しやすぐデバイスの大 型化にも対応でき、かつ量産によるコスト低下が見込め、無機材料よりも多様な機能 を有した有機化合物を合成できることから、有機化合物を用いた半導体 (有機半導 体)の研究開発が行われ、その成果が報告されている。
[0003] なかでも、 π電子共役系分子を含有する有機化合物を利用することにより、大きな 移動度を有する TFT (有機薄膜トランジスタ)を作製できることが知られている。この 有機化合物としては、代表例としてペンタセンが報告されている (例えば、非特許文 献 1)。ここでは、ペンタセンを用いて有機半導体層を作製し、この有機半導体層で Τ FTを形成すると、電界効果移動度が 1. 5cm2ZVsとなり、アモルファスシリコンよりも 大きな移動度を有する TFTを構築することが可能であるとの報告がなされて 、る。し かし、上記に示すような有機半導体層を作製する場合、抵抗加熱蒸着法や分子線蒸 着法などの真空プロセスを必要とするため、製造工程が煩雑となるとともに、ある特定 の条件下でしか結晶性を有する膜が得られない。また、基板上への有機化合物膜の 吸着が物理吸着であるため、膜の基板への吸着強度が低ぐ容易に剥がれるという 問題がある。更に、膜中での有機化合物の分子の配向をある程度制御するために、 通常、膜を形成する基板に予めラビング処理等による配向制御が行われているが、 物理吸着による成膜では、物理吸着した有機化合物と基板との界面での化合物の
分子の整合性や配向性を制御できるとの報告は未だなされて 、な 、。
[0004] 一方、 TFTの特性の代表的な指針となる電界効果移動度に大きな影響を及ぼす 膜の規則性 (すなわち結晶性)については、近年、その製造が簡便なことから、有機 化合物を用いた自己組織ィ匕膜が着目され、その膜を利用する研究がなされている。 自己組織化膜とは、有機化合物の一部を、基板表面の官能基と結合させたものであ り、きわめて欠陥が少なぐ高い秩序性 (結晶性)を有した膜である。この自己組織ィ匕 膜は、製造方法がきわめて簡便であるため、基板への成膜を容易に行うことができる 。通常、自己組織化膜として、金基板上に形成されたチオール膜や、親水化処理に より表面に水酸基を突出可能な基板 (例えば、シリコン基板)上に形成されたケィ素 系化合物膜が知られている。なかでも、耐久性が高い点で、ケィ素系化合物膜が注 目されている。ケィ素系化合物膜は、従来力 撥水コーティングとして使用されており 、撥水効果の高いアルキル基や、フルォロアルキル基を有機官能基として有するシラ ンカップリング剤が用いて成膜されて 、た。
[0005] しかし、自己組織ィ匕膜の導電性は、膜に含まれるケィ素系化合物中の有機官能基 によって決定されるが、市販のシランカップリング剤には、有機官能基に π電子共役 系分子が含まれる化合物はなぐそのため自己組織ィ匕膜に導電性を付与することが 困難である。したがって、 TFTのようなデバイスに適した、 π電子共役系分子が有機 官能基として含まれるケィ素系化合物が求められている。
[0006] そのようなケィ素系化合物として、分子の末端に官能基としてチォフェン環を 1つ有 し、チオフ ン環が直鎖炭化水素基を介して Siと結合したィ匕合物が提案されている( 例えば、特許文献 1)。更に、ポリアセチレン膜として、化学吸着法により、基板上に — Si— O—ネットワークを形成して、アセチレン基の部分を重合させるものが提案さ れている(例えば、特許文献 2)。また更に、有機材料として、チォフェン環の 2、 5位 に直鎖炭化水素基がそれぞれ結合し、直鎖炭化水素の末端とシラノール基とが結合 したケィ素化合物を用い、これを基板上に自己組織化させ、更に電界重合等により 分子同士を重合させて導電性薄膜を形成し、この導電性薄膜を半導体層として使用 した有機デバイスが提案されている(例えば、特許文献 3)。更にまた、ポリチォフェン に含まれるチォフェン環にシラノール基を有するケィ素化合物を主成分とした半導体
薄膜を利用した電界効果トランジスタが提案されている (例えば、特許文献 4)。
[0007] し力しながら、上記に提案されている化合物は、基板との化学吸着可能な自己組 織ィ匕膜は作製可能であるが、 TFTなどの電子デバイスに使用できる高 ヽ秩序性 (結 晶性)および電気伝導特性を有する膜を必ずしも作製できなかった。更に、上記に提 案されている化合物を有機 TFTの半導体層に使用した場合、オフ電流が大きくなる 問題点を有していた。これは、提案されている化合物力 いずれも分子に垂直な方 向に結合を有するためであると考えられる。
[0008] 高 、秩序性 (結晶性)を得るためには、分子間に高い引力相互作用が働く必要が ある。分子間力とは、引力項と反発項により構成されており、前者は分子間距離の 6 乗に、後者は分子間距離の 12乗に反比例する。したがって、引力項と反発項を足し 合わせた分子間力は図 7に示す関係を有する。ここで、図 7での極小点(図中の矢印 部分)が、引力項と反発項との兼ね合いから最も分子間に高い引力が作用するとき の分子間距離である。すなわち、より高い結晶性を得るためには、分子間距離を極 小点にできる限り近づけることが重要である。したがって、本来、抵抗加熱蒸着法や 分子線蒸着法等の真空プロセスにおいては、ある特定の条件下においてのみ、 π電 子共役系分子同士の分子間相互作用をうまく制御することで、高い秩序性 (結晶性) が得られている。このように分子間相互作用により構築される結晶性でのみ、高い電 気伝導特性を発現することが可能となる。
[0009] 一方、上記化合物は、 Si Ο Siの 2次元ネットワークを形成することで基板と化学 吸着し、かつ、特定の長鎖アルキル同士の分子間相互作用による秩序性が得られる 可能性はある力 例えば、官能基である 1つのチォフェン分子が π電子共役系に寄 与するのみであるため、分子間の相互作用が弱ぐまた電気伝導性に不可欠な π電 子共役系の広がりが非常に小さいという問題があった。仮に、上記官能基であるチォ フェン分子の分子数を増やすことができたとしても、膜の秩序性を形成する因子が、 長鎖アルキル部とチォフェン部との間で、分子間相互作用を整合一致させることは困 難である。
[0010] 更に、電気伝導特性としては、官能基である 1つのチォフェン分子では、 HOMO
LUMOエネルギーギャップが大きぐ有機半導体層として TFT等に使用しても、
十分なキャリア移動度が得られな 、と 、う課題が存在して ヽた。
[0011] π電子共役系ユニットの分子間相互作用を増大させて、かつ十分なキャリア移動 度を得る手法として、 π電子共役系ユニットの共役長を増大させることが挙げられる。 前述のペンタセン、環数の多いオリゴチォフェン等の構造である。しかしながら、これ らの π電子共役系ユニットを有する化合物は溶媒に対する溶解性が乏しぐ特定の 条件下でのみでしか高い秩序性 (結晶性)を有する膜を得ることができない。また、真 空プロセスでは、プロセスとして煩雑及び高コストとなるという欠点がある。
[0012] 有機分子の配列を制御し、かつ成膜するプロセスとして、スピンコート法及び化学 吸着を利用する溶液プロセスがある。溶液プロセスでは装置の小型化、低コストが実 現できる。し力しながら、溶液プロセスを用いて成膜可能な材料とするためには、材 料に対して溶解性が求められる。今日、有機デバイス材料として研究 '開発に用いら れている材料は、 π電子共役系化合物、たとえばオリゴチォフェン系、ペンタセン等 の、単環及び複素環の芳香族および複素環系等が挙げられるが、これらの材料は溶 媒に対する溶解性及び溶媒の選択性が非常に乏しい。
[0013] これらの性質を改善するために、単環及び複素環の芳香族および複素環系化合 物に、ハロゲン原子による置換または無置換のアルキル基等の直鎖状炭化水素基を 直接的に導入した系が多く合成されている。疎水性の置換基または末端基を導入す ることで溶媒に対する溶解性を向上させることが可能となる。
非特許文献 1 : IEEE Electron Device Lett., 18,606-608 (1997)
特許文献 1:特許第 2889768号公報
特許文献 2:特公平 6 - 27140号公報
特許文献 3:特許第 2507153号公報
特許文献 4:特許第 2725587号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0014] しかしながら、上記炭化水素基を化合物に直接的に導入した場合、当該炭化水素 基部分の配列が電気特性を支配する π電子共役系部分の配列や隣接分子間距離 に影響を及ぼす。
例えば、炭素数が約 15以下の炭化水素基を導入した場合には、当該炭化水素基 部分が凝集を起こしたり、または比較的ランダムに配列して、アモルファス性を示すよ うになる。炭化水素基部分がアモルファス構造をとると、当該炭化水素基部分の分子 運動性が高くなり、並進、回転、振動等を起こすため、炭化水素基部分が直接結合 している π電子共役系部分の秩序性を低下させる。その結果、隣接分子間距離が比 較的大きくなり、得られる膜の電気伝導特性が低下する。
[0015] また例えば、炭素数が約 16以上の炭化水素基を導入した場合には、当該炭化水 素基部分および π電子共役系部分の秩序性はある程度改善されるが、 π電子共役 系部分は炭化水素基部分の秩序性に影響を受け、当該炭化水素基部分の秩序性 に対応した秩序性しか有さない。特に、炭化水素基の鎖長が長くなると、炭化水素基 部分同士が並び易くなり、炭化水素基部分の配列 (結晶化)速度が π電子共役系部 分の配列速度よりも大きくなるため、 π電子共役部分の秩序性は一層、炭化水素基 部分に依存する。その結果、やはり隣接分子間距離が比較的大きくなり、得られる膜 の電気伝導特性が低下する。
[0016] このように π電子共役系部分を、電気伝導に適した構造、すなわち秩序性 (結晶性 )がより高ぐかつ隣接分子間距離がより小さい構造とするためには、導入された置換 基によって π電子共役系部分の構造が乱されな 、ことが要求される。
[0017] 本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、溶液プロセスを用いた簡便な製造 方法により容易に結晶化させて薄膜を形成できるとともに、得られた薄膜を基板表面 に強固に吸着させて、物理的な剥がれを防止し、かつ、高い秩序性 (結晶性)、高密 パッキング特性、および優れた電気伝導特性を有する薄膜を作製するための π電子 共役系有機シラン化合物およびその製造方法を提供することを目的とする。
[0018] 本発明はまた、 TFTのような半導体電子デバイスに用いた場合に、十分なキャリア 移動度を確保できる新規な π電子共役系有機シラン化合物及びその製造方法を提 供することを目的とする。
[0019] 本発明はまた、溶液プロセスを用いた簡便な製造方法により容易に形成できるとと もに、基板表面に強固に吸着させて、物理的な剥がれを防止でき、かつ、高い秩序 性 (結晶性)および高密パッキング特性を有する機能性有機薄膜およびその製造方
法を提供することを目的とする。
[0020] 本発明はまた、 TFTのような半導体電子デバイスに用いた場合に、十分なキャリア 移動度を確保できる機能性有機薄膜及びその製造方法を提供することを目的とする
[0021] 本明細書中、高密パッキング特性とは、膜形成時において隣接分子間距離、特に π電子共役系部分間の距離をより小さくすることができ、結果として化合物分子が比 較的高密度で配列し得る特性を 、う。
課題を解決するための手段
[0022] 本発明は、一般式 (I) ;
A-B-C-Six x3 (I)
(式中、 Aは水素原子がハロゲン原子によって置換されていてもよい炭素数 1〜30の 1価脂肪族炭化水素基である; Bは酸素原子または硫黄原子である; Cは π電子共役 を示す 2価の有機基である; 〜 3は加水分解により水酸基を与える基である)で表 される π電子共役系有機シラン化合物に関する。
[0023] 本発明はまた、一般式 (III);
H-C-H (III)
(式中、 ま π電子共役を示す 2価の有機基である)で表される π電子共役性骨格含 有分子に対して、ウィリアムソン反応によりエーテル結合またはチォエーテル結合を 介して 1価脂肪族炭化水素基 Αを導入した後、一般式 (IV);
X4 - SiX x3 (IV)
(式中、 〜 3は加水分解により水酸基を与える基である; X4は水素原子、ハロゲン 原子又は低級アルコキシ基である)で表される化合物との反応によりシリル基を導入 することを特徴とする上記 π電子共役系有機シラン化合物の製造方法に関する。
[0024] 本発明はまた、前記一般式 (I)で表される π電子共役系有機シランィ匕合物を用い て形成された単分子膜を有する機能性有機薄膜に関する。
本発明はまた、前記一般式 (I)で表される π電子共役系有機シラン化合物におけ るシリル基を加水分解して基板表面と反応させ、基板に直接吸着した単分子膜を形 成した後、該単分子膜上の未反応の有機シランィ匕合物を非水系有機溶剤を用いて
洗浄除去する機能性有機薄膜の製造方法に関する。
発明の効果
[0025] 本発明の π電子共役系有機シラン化合物は、脂肪族炭化水素基をエーテル結合 またはチォエーテル結合を介して π電子共役系分子に結合させることで、結合の配 向方向を広げることができる。そのため、膜中において、脂肪族炭化水素基の導入 によって、 π電子共役系部分の安定な結晶構造が破壊されることがなぐキャリア移 動に最適な π電子共役系部分の秩序性 (結晶性)および高密パッキング特性を確保 できる。
[0026] 本発明の有機シラン化合物は、当該化合物分子間で形成されるシリル基由来の Si
O Siの 2次元ネットワーク化により、基板に化学吸着すると共に、膜の高結晶化 および高密パッキングィ匕に必要な分子間相互作用(分子を近距離化させる力)が、 効率的に働くため、非常に高い安定性を有し、且つ、高度な結晶化および高密なパ ッキング化がなされた薄膜を構成できる。そのため、化合物分子間での良好なホッピ ング伝導により、キャリアの移動がスムーズに行われる。また、分子軸方向へも高い導 電性が得られる。よって、導電性材料として、有機薄膜トランジスタ材料のみならず、 太陽電池、燃料電池、センサー等のデバイスに広く応用することが可能となる。さらに 、基板に物理吸着により作製した膜と比較して、膜を強固に基板表面に吸着させて、 物理的な剥がれを防止できる。
[0027] 本発明の有機シラン化合物は、疎水基として脂肪族炭化水素基を有しているため、 非水系溶媒に比較的高い溶解性をもつ。従って、例えば薄膜を形成する場合に、比 較的簡便な手法である溶液プロセスを適用できる。し力も、本発明の有機シランィ匕合 物は簡便に製造することが可能である。
図面の簡単な説明
[0028] [図 1] (A)は本発明の π電子共役系有機シラン化合物 (Β =酸素原子)を用いて得ら れた薄膜における当該化合物分子の配向を示す模式図であり、 (Β)は従来の π電 子共役系有機シランィ匕合物 (Β =酸素原子)を用いて得られた薄膜における当該化 合物分子の配向を示す模式図である。
[図 2]合成例 1で得られたテルフエ-ル誘導体 1 Αおよび比較合成例 1で得られたテ
ルフエニル誘導体 IBの表面圧一分子占有面積曲線を示す。
[図 3]合成例 2で得られたクォーターチォフェン誘導体 2Aおよび比較合成例 3で得ら れたクォーターチォフェン誘導体 2Bの表面圧 分子占有面積曲線を示す。
[図 4]実施例で作製した有機薄膜トランジスタの概略構成図である。
[図 5]合成例 3で得られたクォーターチォフェン誘導体 3Aを用いた有機薄膜トランジ スタの特'性図である。
[図 6]比較合成例 5で得られたクオ一ターチオフ ン誘導体 3Bを用いた有機薄膜トラ ンジスタの特 '性図である。
[図 7]分子間距離—ポテンシャルエネルギーの相関図である。
符号の説明
[0029] 10 :シリコン基板、 12 :有機半導体層、 13 :ソース電極、 14 :ドレイン電極、 15 :ゲー ト電極、 16 :絶縁膜。
発明を実施するための最良の形態
[0030] (有機シラン化合物)
本発明の π電子共役系有機シラン化合物は一般式 (I);
A-B-C-Six x3 (I)
で表されるものである。以下、当該化合物を有機シラン化合物 (I)という。
[0031] 式 (I)中、 Aは炭素数 1〜30の 1価脂肪族炭化水素基である。
脂肪族炭化水素基 Aは直鎖状または分枝鎖状であってよぐ膜の秩序性および高 密パッキング性の観点力 好ましくは直鎖状である。
また脂肪族炭化水素基 Aは水素原子がハロゲン原子、例えば、フッ素原子、塩素 原子、臭素原子、ヨウ素原子、好ましくはフッ素原子によって置換されていてもよい。 また脂肪族炭化水素基 Aは不飽和または飽和であってよぐ好ましくは飽和脂肪族 炭化水素基である。
[0032] 好ま 、脂肪族炭化水素基 Aは上記炭素数を有するアルキル基である。好ま 、 具体例として、例えば、メチル基、ェチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へ キシル基、ヘプチル基、ォクチル基、ノニル基、デシル基、ゥンデシル基、ドデシル基 、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、へキサデシル基、ヘプタデシル基
、ォクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコ シル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、へキサコシル基、ヘプタコシル基、ォクタコ シル基、ノナコシル基およびトリアコンチル基、ならびにそれらの基の 1またはそれ以 上の水素原子がハロゲン原子によって置換されたものが挙げられる。
[0033] 式 (I)中、 Bは酸素原子または硫黄原子である。本発明の有機シラン化合物 (I) (B
=酸素原子)を用いて得られた薄膜における当該化合物分子の配向を示す模式図( 図 1 (A) )に示されるように、 B基 (酸素原子 (エーテル結合)または硫黄原子 (チォェ 一テル結合) )を介して上記炭化水素基 Aを導入することで、炭化水素基 Aに対する 有機基 C ( π電子共役系部分)の結合角( (X )を大きくできる。すなわち、 C-O-C 結合または C— S— C結合の方が C— C— C結合よりも結合角が大きい。よって、有機 基 Cの配列が炭化水素基 Αの配列によって比較的影響を受け難い。
そのため、例えば、炭化水素基 Aの炭素数が 16以上 (炭化水素基 Aがハロゲン原 子によって置換されている場合には 13以上)の場合には、炭化水素基 Aの秩序性が 有機基 Cの秩序性に悪影響を与えるのを回避でき、有機基 Cの配列構造における隣 接分子間距離をより小さくすることができるので、ノ^キング性が向上し、当該構造に おける乱れを抑制できる。また例えば、炭化水素基 Aの炭素数が 1〜15 (炭化水素 基 Aがハロゲン原子によって置換されている場合には 1〜12)の場合には、たとえ炭 化水素基 Aが凝集したり、ランダムに配列しても、有機基 Cの配列構造における隣接 分子間距離をより小さくすることができるので、高密パッキング性が向上し、当該構造 における乱れを抑制できる。
一方、 B基を介することなぐ炭化水素基 Aを直接的に有機基 Cに導入すると、図 1 ( B)に示すように、炭化水素基 Aに対する有機基 Cの結合角( β )が比較的小さいの で、有機基 Cの配列が炭化水素基 Αの配列によって影響を受けやすい。その結果、 有機基 Cの配列構造における隣接分子間距離が比較的大きくなるので、高密パツキ ング性が低下し、当該構造における乱れが生じやすいと考えられる。
[0034] 式 (I)中、 Cは π電子共役を示す 2価の有機基であれば特に制限されず、すなわち π電子共役を示す骨格( π電子共役性骨格)を含有する分子から 2個の水素原子を 除いた残基である。 π電子共役とは、 1つの σ結合及び 1つの π結合により形成され
た結合を有し、 π結合をつかさどる π電子が非局在化することを意味する。 π電子が 非局在化する分子が大きくなることは π電子の移動距離が増大することとなるので、 得られる薄膜の電気伝導特性が向上し、 TFTのような半導体電子デバイスに用いた 場合にキャリア移動度が向上する。
[0035] そのような有機基 Cは、単環系芳香族環ユニット、縮合系芳香族環ユニット、単環系 芳香族複素環ユニット、縮合系芳香族複素環ユニット、および不飽和脂肪族ユニット 力もなる群力も選択される 1またはそれ以上のユニットより構成され、直鎖状または分 枝鎖状であってょ 、。膜の秩序性および高密ノ ッキング性の観点力も好ましくは有機 基 Cは直鎖状である。
[0036] 上記各ユニットの具体例について、以下、説明する力 各ユニットの結合位置、す なわち他のユニット、前記 Β基またはシリル基(一 Si x^3)に対する結合位置は特 に制限されるものではない。例えば、ユニットが単環系芳香族複素 5員環ユニットであ る場合には、 2, 5—位、 3, 4—位、 2, 3—位、 2, 4—位等のいずれでもよぐなかで も膜の秩序性および高密ノ ッキング性のさらなる向上の観点からは 2, 5—位が好ま しい。また例えば、ユニットが単環系芳香族環ユニットまたは単環系芳香族複素環ュ ニットであって 6員環の場合には、 1, 4—位、 1, 2—位、 1, 3—位等のいずれでもよ ぐなかでも膜の秩序性および高密ノ ッキング性のさらなる向上の観点からは 1, 4 位が好ましい。なお、結合位置を示す上記値は、環が 1個のへテロ原子を有する場 合は当該へテロ原子を基準に、環が 2個以上のへテロ原子を有する場合は分子量が 最も大きいヘテロ原子を基準に、環がヘテロ原子を有しない場合は任意の炭素原子 を基準にした値である。また例えば、ユニットが縮合系芳香族環ユニットまたは縮合 系芳香族複素環ユニットであって点対称性を有する場合には、 2つの結合位置を結 んだ線が点対称性の基準となる中心点を通るような結合位置であることが好ま 、。 また例えば、ユニットが縮合系芳香族環ユニットまたは縮合系芳香族複素環ユニット であって線対称性を有する場合には、 2つの結合位置を結んだ線が線対称性の基 準となる中心線の中点を通るような結合位置であることが好ましい。なお、上記ではュ ニットが結合位置を 2つ有する場合について記載している力、ユニットが 3つ以上の 結合位置を有する場合においても、そのうちの 2つの結合位置は上記と同様の結合
位置が好ましぐこの場合残りの 1つの以上の結合位置は特に制限されるものではな い。
[0037] 単環系芳香族環ユニットの具体例として、例えば、ベンゼンが挙げられる。
[0038] 縮合系芳香族環ユニットの具体例として、例えば、一般式 (Π);
(式中、 mは 0〜 10の整数である)で表されるァセン系列化合物類、フェン系列化合 物類、ペリ縮環化合物類、ァズレン、フルオレン、アントラキノン、ァセナフチレン等が 挙げられる。ァセン系列化合物類として、ナフタレン、アントラセン、ナフタセン、ピレ ン、ペンタセン等が挙げられる。フェン系列化合物類として、フエナントレン、ベンゾ [a ]アントラセン、等が挙げられる。ペリ縮環化合物類として、ペリレン等が挙げられる。 好ましい縮合系芳香族環ユニットはァセン系列化合物類、である。
[0039] 単環系芳香族複素環ユニットの具体例として、例えば、以下のユニットが挙げられ る。
[化 2]
.T8Cl0/S00Zdf/X3d £8 O/900Z OAV
[0041] 上記具体例中、 Yは共通して 4A族および 4B族元素で表されるヘテロ原子であり、
I
例えば、 Si、 Ge、 Sn、 Tほたは Zrである。
Yは共通して 5Β族元素で表されるヘテロ原子であり、例えば、 Ν、 Ρである。
II
Υ は共通して 6Β族元素で表されるヘテロ原子であり、例えば、 0、 S、 Seまたは Te
III
である。
Y、Y
I IIおよび Υ
IIIのうちの 1種の Υ基が 1のユニットに 2個以上含まれる場合、それら の Υ基はそれぞれ独立して上記範囲内で選択されればよい。
[0042] 単環系芳香族複素環ユニットの好まし 、具体例として、例えば、チォフェン、フラン
、ピロール、ォキサゾール、イミダゾール、シロール、セレノフェン、ピリジン、ピリミジン 等が挙げられる。特に好ま ヽ単環系芳香族複素環ユニットはチォフェンである。
[0043] 縮合系芳香族複素環ユニットは、上記単環系芳香族複素環ユニット同士の縮合系 化合物、および上記単環系芳香族複素環ユニットと上記単環系芳香族ユニットとの 縮合系化合物である。縮合系芳香族複素環ユニットの具体例として、例えば、ベンゾ チォフェン、ベンゾォキサジン等が挙げられる。
[0044] 不飽和脂肪族ユニットとして、アルケン類、アルカジエン類、及びアルカトリェン類 が挙げられる。アルケン類は炭素数 2〜4のものが好ましぐ例えば、エチレン、プロピ レン、ブテン等が挙げられる。アルカジエン類は炭素数 4〜6のものが好ましぐ例え ば、ブタジエン、ペンタジェン、へキサジェン等が挙げられる。アルカトリェン類は炭 素数 6〜8のものが好ましぐ例えば、へキサトリェン、ヘプタトリエン、オタタトリエン等 が挙げられる。
[0045] 上記各ユニットは、有機基 Cが直鎖状である場合には 2個の水素原子を除かれた 2 価の基となって直鎖状に結合されて有機基 Cを構成するが、有機基 Cが分枝鎖状で あって当該ユニットが分枝鎖状有機基 Cの分岐点となる場合には 3個以上の水素原 子を除かれた 3価以上の基となって有機基 Cを構成する。
[0046] 有機基 Cは有機基 C自体の相互作用性の観点から単環系芳香族環ユニット、縮合 系芳香族環ユニットおよび単環系芳香族複素環ユニットからなる群から選択される 1 またはそれ以上のユニットより構成されることが好ましい。
[0047] 有機基 Cは本発明の有効性の観点力 縮合系芳香族環ユニット、単環系芳香族複 素 5員環ユニットまたは縮合系芳香族複素環ユニットを含むことが好まし 、。それらの ユニットは 5員環または縮合環であって分子の対称性が崩れ易 、ので、従来のように 炭化水素基 Aを直接的に有機基 Cに導入すると、薄膜における有機基 Cの配列構造 にお 、て高密ノ ッキング性の低下や配列の乱れがより一層生じやすくなるが、本発 明にお ヽては有機基 Cがそのようなユニットを含んでもエーテル結合またはチォエー テル結合の導入によって高密パッキング性の低下や配列の乱れを有効に防止できる ためである。
[0048] 有機基 Cを構成するユニット数は特に制限されるものではないが、収率の観点から
1〜30個、特に 1〜: LO個が好ましい。経済性および量産化の観点からは 1〜8個が 好ましい。
[0049] 有機基 Cを構成するユニット数が 2以上のとき、全てのユニットが同一であってもよ
V、し、または一部または全部のユニットが異なって 、てもよ 、。
[0050] 有機基 Cが複数種類のユニットからなる場合、複数種類のユニットは規則的な繰り 返し単位で配列されて結合して 、てもよ 、し、またはランダムに配列されて結合して いてもよい。
[0051] 有機基 Cは、得られる膜の秩序性 (結晶性)および高密パッキング特性が阻害され ない範囲内であれば、置換基を有していてもよい。そのような置換基として、ヒドロキ シル基、アルキル基、アルケニル基、ァラルキル基、又は、カルボキシル基等が挙げ られる。これらの置換基はフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等のハ ロゲン原子によって置換されて 、てもよ 、。
[0052] アルキル基は炭素数 1〜3のものが好ましぐ例えば、メチル基、ェチル基、プロピ ル基等が挙げられる。
ァルケ-ル基は炭素数 2〜3のものが好ましぐ例えば、ビニル基、ァリル基等が挙 げられる。
ァラルキル基は炭素数 7〜8のものが好ましぐ例えば、ベンジル基、フエネチル基 等が挙げられる。
[0053] 式 (I)中、 〜 3は加水分解により水酸基を与える基である。加水分解により水酸 基を与える基としては、特に限定されるものではなぐ例えば、ハロゲン原子又は低級 アルコキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素原 子が挙げられる。低級アルコキシ基としては、炭素数 1〜4のアルコキシ基が挙げられ る。例えば、メトキシ基、エトキシ基、 n—プロポキシ基、 2—プロポキシ基、 n—ブトキ シ基、 sec—ブトキシ基、 tert—ブトキシ基等が挙げられ、その一部が更に別の官能 基(トリアルキルシリル基、他のアルコキシ基等)で置換されたものでもよい。 X1、 X2及 び X3は同一であっても、または一部または全部が異なっていてもよいが、全てが同一 であることが好ましい。
[0054] 有機シランィ匕合物 (I)は、高密パッキング性の向上効果の観点から、下記一般式 (I
a)で表される有機シランィ匕合物 (la)と、下記一般式 (lb)で表される有機シランィ匕合 物 (lb)とに区別することができる。
[0055] A^B-C-Six x3 (la)
(式 (la)中、 Aaは水素原子がハロゲン原子によって置換されていてもよい 1価脂肪族 炭化水素基であって、ハロゲン原子によって置換されていない場合は炭素数 1〜15 、好ましくは 1〜: L0の基であり、ハロゲン原子によって置換されている場合は炭素数 1 〜12の基である;詳しくは Aaはハロゲン原子の有無によって炭素数が上記範囲内の 値となること以外、一般式 (I)における Aと同様である; B、 Cおよび Xi X3は一般式( I)においてと同様である)。
[0056] Ab— B— C— SixYx3 (lb)
(式 (lb)中、 Abは水素原子がハロゲン原子によって置換されていてもよい 1価脂肪族 炭化水素基であって、ハロゲン原子によって置換されていない場合は炭素数 16〜3 0、好ましくは 16〜24の基であり、ハロゲン原子によって置換されている場合は炭素 数 13〜25、好ましくは 13〜20の基である;詳しくは Abはハロゲン原子の有無によつ て炭素数が上記範囲内の値となること以外、一般式 (I)における Aと同様である; B、 Cおよび ェ〜 3は一般式 (I)にお 、てと同様である)。
[0057] 以上のような有機シランィ匕合物 (I)の具体例として、例えば、以下の一般式(1)〜( 14)で表される化合物が挙げられる。
[0058] [化 4]
剛 [6S00]
[9^] [0900]
[0061] 一般式(1)〜(14)において以下に示す共通する番号の基および記号は同様の意 味内容を有するものとする。
A、 Bおよび Xi X3はそれぞれ式 (I)においてと同様である。
Rは水素原子、ヒドロキシル基、炭素数 1〜3のアルキル基、炭素数 2〜3のァルケ -ル基、炭素数 7〜8のァラルキル基、又は、カルボキシル基であり、好ましくは水素 原子、炭素数 1〜3のアルキル基である。各一般式において複数の Rがある場合、そ れらの Rはそれぞれ独立して上記範囲内力も選択されればよい。
[0062] 他の基および記号については以下、各式において個別に説明する。
一般式(1)中、 Y1は N, O, S, Si, Ge, Se, Te, P, Sn, Tほたは Zrであり、好まし くは Sである。詳しくは Y1が Si, Ge, Sn, Ti, Zrのときは一 Y1 (R1) ―、 Υ1が Ν, Ρの
2
ときは— Y^R1)—であり、 Y1が O, S, Se、 Teのときは— Y1—である。ただし、 R1は 水素原子、メチル基、ェチル基、 n プロピル基、 2—プロピル基、 n ブチル基、 sec ブチル基、 tert ブチル基、フエ-ル基であり、好ましくは水素原子、メチル基であ る。 nlは 1〜30、好ましくは 1〜8の整数である。
[0063] 一般式(2)中、 Y2は O, S, Seまたは Teであり、好ましくは Sである。詳しくは Y2が O , S, Se、Teのときは— Y1—である。 nlは 1〜30、好ましくは 1〜8の整数である。
[0064] 一般式(3)中、 Y3は C, N, Si, Ge, P, Sn, Tほたは Zrであり、好ましくは Cである 。詳しくは Y3が C, Si, Ge, Sn, Ti, Zrのときは一 Υ3 (Ι^) =、 Y3が N, Ρのときは一 Υ 3 =である。ただし、 R1は式(1)においてと同様であり、好ましくは水素原子、メチル基 である。
nlは 1〜30、好ましくは 1〜8の整数である。
[0065] 一般式 (4)中、 Y4および Y5はそれぞれ独立して C, Si, Ge, Sn, Tほたは Zrであり
、好ましくは Si、 Geである(ただし、 Y4および Y5が同時に Cである場合を除く)。 nlは
1〜30、好ましくは 1〜8の整数である。
[0066] 一般式(5)中、 Y6〜Y8はそれぞれ独立して S, Ν, Ο, Si, Ge, Se, Te, P, Sn, Ti または Zrである(但し、 Y6〜Y8が同じ原子である場合を除く)。詳しくは Y6が C, Si, G e, Sn, Ti, Zrのときは一 Υ6 (Ι^) ―、 Υ6が Ν, Ρのときは一 Υ6 (Ι^)—であり、 Υ6が S
2
、 0、 Se、 Teのときは— Y6—である。ただし、 R1は式(1)においてと同様であり、好ま しくは水素原子、メチル基である。詳しい Y7および Y8は上記詳しい Y6に準じるものと する。
n2+n3+n4は 3〜30の整数である。但し、 n2は 1以上、 n3は 1以上、 n4は 1以上 である。
[0067] 一般式(6)中、 Y1C>は N, O, S, Si, Ge, Se, Te, P, Sn, Tiまたは Zrである。詳し くは Y10が Si, Ge, Sn, Ti, Zrのときは一 Y10 ^1) ―、 Y10が N, Pのときは一 Y^R1
2
)—であり、 Y1Gが O, S, Se、 Teのときは— Y1G—である。ただし、 R1は式(1)におい てと同様であり、好ましくは水素原子、メチル基である。
Y9および Y11はそれぞれ独立して N, C, Si, Ge, P, Sn, Tほたは Zrである。詳しく は Y9が C, Si, Ge, Sn, Ti, Zrのときは一 Υ9 (Ι^) =、 Υ9が Ν、 Ρのときは一 Υ9=であ る。ただし、 R1は式(1)においてと同様であり、好ましくは水素原子、メチル基である。 詳 、 1は上記詳 、Y9に準じるものとする。
η2+η3+η4は 3〜30の整数である。但し、 η2は 1以上、 η3は 1以上、 η4は 1以上 である。
[0068] 一般式(7)中、 Y12〜Y13はそれぞれ独立して S, Ν, Ο, Si, Ge, Se, Te, P, Sn, Tほたは Zrである。詳しくは Y12が Si, Ge, Sn, Ti, Zrのときは— Υ12 (Ι^) ―、 Υ12が
2
Ν, Ρのときは— Υ12 (Ι^)—であり、 Υ12が S、 0、 Se、 Teのときは— Y12—である。ただ し、 R1は式(1)においてと同様であり、好ましくは水素原子、メチル基である。詳しい Υ13は上記詳 、Υ12に準じるものとする。
η5+η6は 2〜30、好ましくは 2〜8の整数である。但し、 η5は 1以上、 η6は 1以上 である。
[0069] 一般式(8)中、 Υ14は S, Ν, Ο, Si, Ge, Se, Te, P, Sn, Tiまたは Zrである。詳し くは Y14が Si, Ge, Sn, Ti, Zrのときは一 Y^R1) ―、 Y"が N, Pのときは一 Υ14 (Ι^
2
)—であり、 Υ14が S, O, Se、 Teのときは— Y14—である。ただし、 R1は式(1)におい てと同様であり、好ましくは水素原子、メチル基である。
Y15は N, C, Si, Ge, P, Sn, Tiまたは Zrである。詳しくは Y15が C, Si, Ge, Sn, Ti , Zrのときは— Υ15 (Ι^) =、 Y15が N、 Pのときは— Y15 =である。ただし、 R1は式(1) においてと同様であり、好ましくは水素原子、メチル基である。
n5+n6は 2〜30、好ましくは 2〜8の整数である。但し、 n5は 1以上、 n6は 1以上 である。
[0070] 一般式(9)中、 Y16は S, N, O, Si, Ge, Se, Te, P, Sn, Tiまたは Zrである。詳し くは Y16力 i, Ge, Sn, Ti, Zrのときは一 Υ16 (Ι^) —、 Y16が N, Pのときは一 Υ16 (Ι^
2
)—であり、 Υ16が S, O, Se、 Teのときは— Y16—である。ただし、 R1は式(1)におい てと同様であり、好ましくは水素原子、メチル基である。
Y17は N, C, Si, Ge, P, Sn, Tiまたは Zrである。詳しくは Y17が C, Si, Ge, Sn, Ti , Zrのときは— Υ17 (Ι^) =、 Y17が N、 Pのときは— Y17 =である。ただし、 R1は式(1) においてと同様であり、好ましくは水素原子、メチル基である。
n5+n6は 2〜30、好ましくは 2〜8の整数である。但し、 n5は 1以上、 n6は 1以上 である。
[0071] 一般式(10)中、 Y18〜Y19はそれぞれ独立して S, Ν, Ο, Si, Ge, Se, Te, P, Sn , Tほたは Zrである。詳しくは Y18が Si, Ge, Sn, Ti, Zrのときは— Υ18 (Ι^) ―、 Y18
2 が Ν, Ρのときは一 Υ18 (Ι^)—であり、 Υ18が S、 0、 Se、 Teのときは一 Y18—である。た
だし、 R1は式(1)においてと同様であり、好ましくは水素原子、メチル基である。詳し V、Y19は上記詳 U、Υ18に準じるものとする。
η5 +η6は 2〜30、好ましくは 2〜8の整数である。但し、 η5は 1以上、 η6は 1以上 である。
[0072] 一般式(11)中、 Υ20は S, Ν, Ο, Si, Ge, Se, Te, P, Sn, Tiまたは Zrである。詳 しくは Y20が Si, Ge, Sn, Ti, Zrのときは一 Y^R1) —、 Y20が N, Pのときは一 Y20 (
2
R1)—であり、 Υ∞が S, O, Se、 Teのときは— Υ∞ である。ただし、 R1は式(1)にお いてと同様であり、好ましくは水素原子、メチル基である。
Y21は N, C, Si, Ge, P, Sn, Tiまたは Zrである。詳しくは Y21が C, Si, Ge, Sn, Ti , Zrのときは— Υ21 (Ι^) =、 Y21が N、 Pのときは— Y21 =である。ただし、 R1は式(1) においてと同様であり、好ましくは水素原子、メチル基である。
n5 +n6は 2〜30、好ましくは 2〜8の整数である。但し、 n5は 1以上、 n6は 1以上 である。
[0073] 一般式(12)中、 n7は 1〜28、好ましくは 1〜8の整数である。
[0074] (合成方法)
以下、本発明の有機シラン化合物 (I)の合成方法を後述の具体例 (合成ルート 1〜 3)を参照しながら説明する
まず、一般式 (ΠΙ) ; Η— C H (III)
(式中、 Cは前記式 (I)の有機基 Cと同義である)で表される π電子共役性骨格含有 分子に対して、ウィリアムソン反応によりエーテル結合(一 Ο ))またはチォエーテル 結合(一 S )を介して 1価脂肪族炭化水素基 Αを導入する。
[0075] ウィリアムソン反応では、予め、 π電子共役性骨格含有分子の所定部位にヒドロキ シル基を導入しておき、該ヒドロキシル化合物を、水酸化ナトリウム、純水等の存在下 で、所定の 1価脂肪族炭化水素基 Αを含有するモノハロゲンィ匕アルカンまたはスルホ ン酸アルキルエステルと反応させることで、結果として π電子共役性骨格含有分子に 1価脂肪族炭化水素基 Αをエーテル結合を介して導入する(例えば、合成ルート 1; 第 1〜第 3反応式、合成ルート 3 ;第 1〜第 2反応式参照)。例えば、 n—クロロサクシン イミド、クロ口ホルム、酢酸溶液中に π電子共役性骨格含有分子を溶解させて反応さ
せることで末端水素のクロ口化を行い、窒素雰囲気下、フラスコ中に入れた溶液を攪 拌して、 π電子共役性骨格含有分子のクロ口化合物を得る。該クロロ化合物を、炭酸 ナトリウム、水酸化ナトリウム、テトラヒドロフラン (THF)中に溶解させ、過剰の純水と 混合させる。この溶液を 100〜110°Cで反応させることで、クロ口化した末端をヒドロキ シル化する。該ヒドロキシル化合物を n—アルキルブロミド、水酸化ナトリウム、 THF、 純水中に混合し反応させることで、ヒドロキシル基をウィリアムソン合成法によりエーテ ル化する。
[0076] チォエーテルィ匕は、前述のエーテルィ匕反応と同様の方法で行うことができる。アル キルチオールを水酸化ナトリウムのような水酸化物イオンの塩基共存下でアルキル化 することにより合成される。塩基によって、アルカンチオラートイオンが発生して、これ がハロアルカンと反応する。本発明においては、例えば、 n—クロロサクシンイミド、ク ロロホルム、酢酸溶液中に π電子共役性骨格含有分子を溶解させて反応させること で末端水素のクロ口化を行い、窒素雰囲気下、フラスコ中に入れた溶液を攪拌して、 π電子共役性骨格含有分子のクロ口化合物を得る。該クロロ化合物を、アルカンチォ ール、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、テトラヒドロフラン (THF)中に溶解させる。こ の溶液を 110°Cで反応させることで、クロ口化した末端をチォエーテルィ匕することがで きる。
[0077] 次いで、一般式(IV) —
(IV)
(式中、 X1、 X2および X3は前記式 (I)においてと同義である; X4は水素原子、ハロゲ ン原子 (例えば、フッ素、塩素、ヨウ素または臭素原子)又は低級アルコキシ基 (例え ば、メトキシ基、エトキシ基、 n—プロポキシ基、 2—プロポキシ基、 n—ブトキシ基、 sec —ブトキシ基、 tert—ブトキシ基等)である)で表されるシランィ匕合物との反応によりシ リル基を導入する。
[0078] この反応では、上記反応で得られたエーテルィ匕物の所定部位を予めハロゲンィ匕し ておき、該ハロゲンィ匕物を、 n— BuLiの存在下で、所定のシラン化合物と反応させる ことでシリル基を導入し、結果として有機シラン化合物 (I)を得る(例えば、合成ルート 1 ;第 4〜第 5反応式、合成ルート 2 ;第 3〜第 4反応式、合成ルート 3 ;第 3〜第 4反応 式参照)。
[0079] 本発明の有機シラン化合物 (I)の合成方法の具体例を以下に示す。なお、以下で は特定の π電子共役性骨格含有分子を用いた場合の合成ルートが示されて!/、るが 、他の π電子共役性骨格含有分子を用いる場合もまた以下の合成ルートに準じて 1 価脂肪族炭化水素基 Αのエーテル結合またはチォエーテル結合を介した導入およ びシリル基の導入が可能であることは明らかである。
[0080] [化 7]
合成ルー卜 1
1 A
[0081] [ィ匕 8]
合成ル一ト 2
2A ィ匕 9]
合成ルート 3
[0083] 以上のようにして得られる有機シランィ匕合物 (I)は、公知の手段、例えば転溶、濃縮 、溶媒抽出、分留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等により反応溶液力 単離、 精製することができる。
[0084] 本発明の有機シラン化合物 (I)の合成で使用される前記一般式 (III)の π電子共役 性骨格含有分子は市販品として入手されてもよいし、または以下に示すような公知の 方法によって合成されてもょ ヽ。
[0085] 'ァセン骨格含有分子
ァセン骨格含有分子の合成方法としては、例えば方法(1);原料化合物の所定位 置の 2つの炭素原子に結合する水素原子をェチニル基で置換した後に、ェチュル基 同士を閉環反応させ工程を繰り返す方法、方法 (2);原料化合物の所定位置の炭素 原子に結合する水素原子をトリフラート基で置換し、フラン又はその誘導体と反応さ せ、続いて酸化させる工程を繰り返す方法等が挙げられる。これらの方法を用いたァ セン骨格の合成法の一例を以下に示す。
[0086] [化 10] 方法 (
[0087] [化 11]
方法 (2 )
n= 1 -7
[0088] また、上記方法(2)では、ァセン骨格のベンゼン環を一つずつ増やす方法であるた め、例えば原料ィ匕合物の所定部分に反応性の小さな官能基あるいは保護基が含ま れていても同様にァセン骨格を合成できる。この場合の例を以下に示す。
[0089] [化 12]
n-Bu4NF CH2CI2
[0090] なお、 Ra Rbは、炭化水素基やエーテル基等の反応性の小さな官能基あるいは 保護基であることが好まし 、。
また、上記方法(2)の反応式中、 2つのァセトニトリル基及びトリメチルシリル基を有
する出発化合物を、これら基が全てトリメチルシリル基である化合物に変更してもよ 、 。また、上記反応式中、フラン誘導体を使用した反応後、反応物をヨウ化リチウム及 び DBU (1, 8-diazabicyclo[5. 4. 0]undec— 7— ene)下で、還流させることで、 出発化合物よりベンゼン環数が 1つ多ぐかつヒドロキシル基が 2つ置換したィ匕合物を 得ることができる。
[0091] ·ァセナフテン骨格含有分子及びペリレン骨格含有分子
ァセナフテン骨格含有分子及びペリレン骨格含有分子も、上記ァセン骨格の製法 の方法(1)に準じて合成できる (方法 (3) )。製法の一例を下記する。
[0092] [化 13]
[0093] '一般式 (ί) (Y^S. O. N)の有機シラン化合物 合成する^:に使用される π雷 ^共 #格含 >^·
以下では、チォフェン骨格含有分子の合成例を示す。ただし、チォフェン骨格含有 分子と同様の方法を用いれば、 0、 Νを含む複素環骨格含有分子についても合成で きる。
チォフェン骨格含有分子の合成方法としては、まず、チォフェンの反応部位をハロ ゲンィ匕させた後に、グリニャール反応を利用する方法が有効である。この方法を使用 すれば、チオフ ン環の数を制御できる。また、グリニャール試薬を適用する方法以 外にも、適当な金属触媒 (Cu、 Al、 Zn、 Zr、 Sn等)を利用したカップリングによっても 合成することができる。
[0094] 更に、チォフェン骨格含有分子については、グリニャール試薬を利用する方法以 外に、下記合成方法を利用することができる。
すなわち、まず、チォフェンの 2,位あるいは 5,位をハロゲン化(例えば、クロ口化)さ せる。ハロゲン化させる方法としては、例えば、 1当量の N—クロロスクシンイミド (N- C hlorosuccinimide : NCS)処理や、ォキシ塩ィ匕燐(phosphorus oxvchloride: POC1 )処
3 理が挙げられる。このときの溶媒としては、例えばクロ口ホルム'酢酸 (AcOH)混合液 や DMFが使用できる。また、ハロゲン化したチォフェン同士を、 DMF溶媒中でトリス (トリフエ-ルホスフィン)ニッケル(tris(triphenylphosphine)Nickel : (PPh ) Ni)を触媒
3 3 として反応させることによって、結果的にハロゲンィ匕させた部分でチォフェン同士を直 接結合できる。
[0095] 更に、ハロゲン化したチォフェンに対して、ジビニルスルホンを加え、カップリングさ せることにより 1, 4—ジケトン体を形成させる。続いて、乾燥トルエン溶液中で、ローゥ エツソン剤(Lawesson Regent : LR)あるいは P S を加え、前者の場合ー晚、後者の
4 10
場合 3時間程度還流させることによって、閉環反応を起こさせる。その結果、カツプリ ングしたチォフェンの合計数よりもひとつチォフェンの数が多いチォフェン骨格含有 分子を合成できる。
チォフェンの上記反応を利用して、チォフェン環の数を増加させることができる。
[0096] 一例として、チォフェン骨格含有分子の合成方法を以下に示す。なお、下記合成 例では、チォフェンの 2量体から 4量体への反応、およびチォフェンの 3量体から 6あ るいは 7量体への反応のみを示した。しかし、ユニット数の異なるチォフェンと反応さ せれば、前記 4, 6あるいは 7量体以外のチォフェン骨格含有分子を形成できる。例 えば、 2—クロロチォフェンをカツプリングした後に NCSによりクロロイ匕させた 2—クロ口 ビチォフェンに、チォフェン 3量体の 2—クロ口体を反応させることによって、チォフエ ン 5量体を形成できる。更には、チォフェン 4量体を NCSによりクロ口化させれば更に チォフェン 8あるいは 9量体も形成することができる。
[0097] [化 14]
[0098] '一般式(1) (Y^Si. Ge. Se. Te. P. Sn. Ti. Zr)の有機シラン化合物を合成す る に使用される π 早共役件骨格含有分早
以下では、セレノフェン骨格含有分子およびシロール骨格含有分子の合成例を示 す。ただし、これらの分子と同様の方法を用いれば、 Ge, Te, P, Sn, Tほたは Zrを 含む複素環骨格含有分子についても合成できる。
[0099] セレノフェン骨格含有分子の合成方法としては、「Polymer (2003,44,5597-5603)」で 報告がなされており、本発明においても、前記報告での方法に基づいて合成可能で ある。
また、シロール骨格含有分子の合成方法としては、「Journal of Organometallic Che mistry(2002, 653,223— 228)」、「Journal of Organometallic Chemistry (1998,559,73—80 )」、 rcoordination Chemistry Reviews (2003,244,1- 44)」の報告がなされており、本発 明にお 、ても、前記報告での方法に基づ!/、て合成である。
[0100] これらの方法にぉ 、て、特に、単環式複素環(セレノフェン環、シロール環)ユニット
の数は、出発原料として予め用意した当該複素環ユニットを含有する化合物の所定 部位をハロゲンィ匕し、得られたハロゲンィ匕物と該ユニット含有グリニャール試薬を用 いてグリニャール反応を行う操作を繰り返すことによって制御可能である。
[化 15]
[0102] 上記方法では、セレノフェンの 1量体から 2あるいは 3量体を合成する反応が示され ている。この手法によりセレノフェン環の数を一つずつ増やすことが可能であるため、 4量体以上のセレノフェン骨格含有分子についても同様の反応を繰り返すことによつ て合成可能である。
[0103] [化 16]
Mg , l2 , Ni (dppp) Cl2
[0104] 上記方法では、シロールの 1量体から 2あるいは 4〜6量体を合成する反応が示さ れている。この手法においても、シロール環の数を一つずつ増やすことが可能である ため、 3量体あるいは 7量体以上の前駆体についても同様の反応を繰り返すことによ つて合成可能である。なお、当該方法においてはブロモ化反応を省略している。プロ モ化は前記セレノフェン骨格含有分子の合成方法におけるブロモ化と同様の方法に よって達成可能である。
[0105] また、セレノフェン骨格含有分子およびシロール骨格含有分子は、上記のようにダリ 二ヤール試薬を適用する方法以外にも、適当な金属触媒 (Cu、 Al、 Zn、 Zr、 Sn等) を利用したカップリングによっても単環式複素環ユニットの数を制御しつつ合成でき
る。
[0106] '一般式(3) (Ya=C. N. Si. Ge. P. Sn. Tほたは Zr)の有機シラン化合物を合成 する に使用される π 共役件骨格含有分子
以下では、ベンゼン骨格含有分子の合成例を示す。ただし、ベンゼン骨格含有分 子と同様の方法を用いれば、 N, Si, Ge, P, Sn, Tiまたは Zrを含む複素環骨格含 有分子についても合成できる。
ベンゼン骨格含有分子の合成方法としては、まず、ベンゼンの反応部位をハロゲン 化させた後に、グリニャール反応を利用する方法が有効である。この方法を使用す れば、ベンゼン環の数を制御できる。また、グリニャール試薬を適用する方法以外に も、適当な金属触媒 (Cu、 Al、 Zn、 Zr、 Sn等)を利用したカップリングによっても合成 することができる。
[0107] 一例として、ベンゼン骨格含有分子の合成方法を以下に示す。なお、下記合成例 では、ベンゼンの 3量体から(3 +m)量体への反応のみを示した。し力し、ユニット数 の異なる出発原料を反応させれば、前記 4〜7量体以外のベンゼン骨格含有分子を 形成できる。
[0108] [化 17]
[0109] •一般式(5) (Y≤=Yz=Ya=S. N. O. Si. Ge. Se. Te. P. Sn. Ti. Zr)の有機シ ラン化合物を合成する に使用される π 共役件骨格含有分子
前記一般式 (5)の有機シラン化合物を誘導し得るブロック型 π電子共役性骨格含 有分子 (前記一般式 (5)の化合物にお 、てシリル基および Α— B—基が Hに置換さ れたもの)は、各ブロックユニットを含有する化合物を合成し、それらを結合させること により合成可能である。その結合方法としては、例えば、 Suzukiカップリングを使用 する方法、あるいはグリニャール反応を使用する方法がある。
[0110] 例えば、シロール環を有する化合物の両末端に、チォフェン由来のユニットをそれ ぞれ結合させる方法としては、まず、シロール環を有する化合物に n— BuLi、 B (0— iPr) を付与することによって脱ブロモ化及びホウ素化させる。このときの溶媒は、ェ
3
一テルが好ましい。また、ホウ素化させる場合の反応は、 2段階であり、初期は反応を 安定ィ匕させるために 1段階目は— 78°Cで行い、 2段階目は— 78°Cから室温に徐々 に温度を上昇させることが好ましい。続いて、末端にハロゲン基 (例えば、ブロモ基) を有する単純チオフ ン系化合物と上記のホウ素化された化合物を、例えばトルエン 溶媒中に展開させ、 Pd(PPh )、 Na COの存在下、 85°Cの反応温度にて、反応を
3 4 2 3
完全に進行させれば、カップリングを起こさせることが可能である。なお、シロール環 を有する化合物を用いる場合について説明した力 ヘテロ原子として S, N, O, Ge, Se, Te, P, Sn, Ti, Zrを含有する単環式複素環化合物についても、 2, 5—位の反 応性はシロールと同様である。したがって、上記と同様の合成方法により、 S, N, O, Ge, Se, Te, P, Sn, Ti, Zrをへテロ原子として含有する単環式複素環化合物の両 末端に、チォフェン由来のユニットをそれぞれ結合させることができる。また、上記で はチォフェン由来のユニットを結合させる場合について説明した力 チォフェン由来 のユニット部分が、前記 N, O, Si、 Ge, Se, Te, P, Sn, Ti, Zrをへテロ原子として 含む単環式複素 5員環化合物に由来するユニットであっても力まわない。
[0111] [化 18]
[0112] .一般式(6) (Y-=N. O. S. Si. Ge. Se. Te. P. Sn. Ti. Zr、 Ya=Y~=N. C.
Si. Ge. P. Sn. Ti. Zr)の有機シラン化合物を合成する に使用される π雷 共 #格含
前記一般式 (6)の有機シラン化合物を誘導し得るブロック型 π電子共役性骨格含 有分子 (前記一般式 (6)の化合物にお 、てシリル基および Α— B—基が Hに置換さ れたもの)は、上記一般式 (5)の有機シランィ匕合物を誘導し得るブロック型 π電子共 役性骨格含有分子と同様の方法により合成可能である。
[0113] すなわち、シロール環を有する化合物の両末端に、ベンゼン由来のユニットをそれ ぞれ結合させる方法としては、まず、シロール環を有する化合物に η— BuLi、 B (0— iPr) を付与することによって脱ブロモ化及びホウ素化させる。このときの溶媒は、ェ
3
一テルが好ましい。また、ホウ素化させる場合の反応は、 2段階であり、初期は反応を 安定ィ匕させるために 1段階目は— 78°Cで行い、 2段階目は— 78°Cから室温に徐々 に温度を上昇させることが好ましい。続いて、末端にハロゲン基 (例えば、ブロモ基) を有する単純ベンゼン系化合物と上記のホウ素化された化合物を、例えばトルエン 溶媒中に展開させ、 Pd(PPh )、 Na COの存在下、 85°Cの反応温度にて、反応を
完全に進行させれば、カップリングを起こさせることが可能である。なお、シロール環 を有する化合物を用いる場合について説明した力 ヘテロ原子として S, N, O, Ge, Se, Te, P, Sn, Ti, Zrを含有する単環式複素環化合物についても、 2, 5—位の反 応性はシロールと同様である。したがって、上記と同様の合成方法により、 S, N, O, Ge, Se, Te, P, Sn, Ti, Zrをへテロ原子として含有する単環式複素環化合物の両 末端に、ベンゼン由来のユニットをそれぞれ結合させることができる。また、上記では ベンゼン由来のユニットを結合させる場合について説明した力 ベンゼン由来のュ- ット部分力 前記 N, Si、 Ge, P, Sn, Ti, Zrをへテロ原子として含む単環式複素 6員 環化合物に由来するユニットであってもかまわな 、。
[0114] [化 19]
[0115] (有機薄膜およびその形成方法)
本発明の有機薄膜は、有機シラン化合物 (I)を用いて形成された単分子膜を有す るものであり、好ましくは当該単分子膜を基板上に有してなっている。
[0116] 有機シランィ匕合物 (I)はエーテル結合またはチォエーテル結合を介して炭化水素 基 Aを有し、シリル基によって化学結合 (特にシラノール結合(一 Si— O— ) )を介して 基板と吸着 (結合)可能である。そのため、当該有機シランィ匕合物 (I)力もなる単分子 膜中、該有機シラン化合物 (I)分子は、例えば図 1 (A)に示すように、有機基 Cの配 列が炭化水素基 Aの配列によってあまり影響を受けることがなぐかつ、基板側にシリ ル基、膜表面側に炭化水素 A基が位置するように配列する。その結果、そのような単 分子膜は、当該化合物分子の高密パッキング特性および高 、秩序性 (結晶性)なら びに優れた耐剥離性を有し、溶液プロセスによる簡便な方法での形成が可能となる。 しかも有機シラン化合物 (I)は π電子共役を示す有機基 Cを含有するので、得られる
単分子膜は、有機薄膜トランジスタ、有機光電変換素子、および有機エレクトロルミネ ッセンス素子等の有機デバイスにおける有機層(薄膜)として用いた場合におけるキ ャリア移動特性などのような電気的特性が優れている。本発明において、そのような 電気的特性は、単分子膜が有機基 Cの π電子共役性だけでなぐ分子の高密パツキ ング特性および高い秩序性 (結晶性)も有することに起因して、顕著に向上する。
[0117] 基板は、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、ガリウムヒ素、亜鉛化セ レン等の化合物半導体材料、石英ガラス、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、 ポリテトラフルォロエチレン等の高分子材料が使用可能である。また基板は半導体デ バイスの電極として使用される無機物質力 なっていてもよぐさらにその表面に有機 物質からなる膜が形成されて ヽてもよ ヽ。本発明にお ヽて基板表面には水酸基や力 ルポキシル基等の親水基、特に水酸基を有し、有しない場合には、基板に親水化処 理を施すことによって、親水基を基板表面に付与すればよい。基板の親水化処理は 、過酸化水素水 硫酸混合溶液への浸漬、紫外光の照射等により行うことができる。
[0118] 以下、有機シランィ匕合物 (I)を用いた有機薄膜の形成方法を説明する。
有機薄膜の形成に際しては、まず、有機シランィ匕合物 (I)のシリル基を加水分解し て基板表面と反応させ、基板に直接吸着 (結合)した単分子膜を形成する。具体的に は、例えば、いわゆる LB法(Langmuir Blodget法)法、デイツビング法、コート法等の 方法を採用できる。
[0119] 詳しくは、例えば、 LB法では、有機シランィ匕合物 (I)を非水系有機溶剤に溶解し、 得られた溶液を pHが調整された水面上に滴下し、水面上に薄膜を形成する。このと き、有機シランィ匕合物 (I)のシリル基における 〜 3基が加水分解によって水酸基 に変換される。次いで、その状態で水面上に圧力を加え、親水基 (特に水酸基)を表 面に有する基板を引き上げることによって、有機シランィ匕合物 (I)におけるシリル基と 基板とが反応して化学結合 (特にシラノール結合)が形成され、図 1 (A)に示すような 単分子膜が得られる。溶液が滴下される水の pHは 〜 3基が加水分解されるよう に適宜調整されればよい。
[0120] また例えば、デイツビング法、コート法では、有機シラン化合物 (I)を非水系有機溶 剤に溶解し、得られた溶液中に、親水基 (特に水酸基)を表面に有する基板を浸漬し
て、引き上げる。あるいは、得られた溶液を基体表面にコートする。このとき、非水系 有機溶剤中の微量の水によって、有機シランィ匕合物 (I)のシリル基における x3 基が加水分解され、水酸基に変換される。次いで、所定時間、保持することによって
、有機シランィ匕合物 (I)におけるシリル基と基板とが反応して化学結合 (特にシラノー ル結合)が形成され、図 1 (A)に示すような単分子膜が得られる。 〜 3基が加水分 解されない場合は、溶液中に、 pHが調整された水を少量混合すればよい。
[0121] 非水系有機溶剤は、水と相溶せず、かつ有機シランィ匕合物 (I)を溶解可能な限り特 に制限されず、例えば、へキサン、クロ口ホルム、四塩化炭素等が使用可能である。
[0122] 単分子膜を形成した後は、通常、非水系有機溶剤を用いて単分子膜から未反応の 有機シラン化合物を洗浄除去する。さらには水洗し、放置するか加熱することにより 乾燥する。
[0123] 本発明の単分子膜において前記一般式 (I)の A基は、該 A基以外の分子部分を保 護する保護膜として機能し得る。すなわち当該単分子膜において最上層(すなわち 式 (I)中、 Aで示される脂肪族炭化水素基が配列されてなる層状部分)は、当該層の 下の部分の酸ィ匕および光劣化を防止する保護膜として機能し得る。
A基は、それぞれの分子間相互作用性によって結晶化することができるので、気体 透過性の面でアモルファス材料よりも優れて 、る。
[0124] 得られた有機薄膜は、直接電気材料として用いてもよいし、更に電解重合等の処 理を施して用いてもよい。有機薄膜は、本発明の有機シラン化合物 (I)を用いること で、図 1 (A)に示すように Si-O— Siネットワーク化が起こるとともに、隣接分子間距 離が小さくなり、かつ高度に秩序化 (結晶化)される。
以下、本発明の有機シラン化合物、機能性有機薄膜及びそれらの製造方法を実施 例によりさらに具体的に説明する。
実施例
[0125] (実験例 1)
'
mffP,-^ (3) (Α=η—ォクチル 、 B = i ま原早、 Ya= ま原早、 R = 7k^ 子、 nl = 3、 丄ニ ^ニ 3:エトキシ某)で表されるテルフエ-ル誘導体(以下、テル
フエニル誘導体 1A (合成ルート 1参照) いう)の合成
市販のテルフエニルを出発物質として用い前記合成ルート 1に従った。
テルフエ-ル(cas No : 92— 94—4 ;東京化成社製)を n—クロロサクシンイミド、ク ロロホルム、酢酸溶液中に溶解させ、末端水素のクロ口化を行った。窒素雰囲気下、 フラスコ中に入れた溶液を攪拌して、 4—クロ口一テルフエ-ルを得た。 4—クロ口一テ ルフエ-ルを、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、テトラヒドロフラン (THF)中に溶解さ せ、過剰の純水と混合させた。この溶液を 100°Cで反応させることで、クロロイ匕した末 端をヒドロキシル化した。 4—ヒドロキシル一テルフエ-ルを n—ォクチルブロミド(111 — 25— 1)、水酸ィ匕ナトリウム、 THF、純水中に混合し反応させることで、ヒドロキシル 基をウィリアムソン合成法によりエーテルィ匕した。
4—オタトキシ一テルフエニルを前記反応と同様にしてクロ口化を行った。生成物を グリニャール反応を用いて末端トリエトキシシリルイ匕した。トリエトキシシリルイ匕した目 的とする生成物をクロ口ホルム抽出する。硫酸マグネシウムで乾燥させて溶媒を除去 した後、メタノール溶媒で再結晶化した。さらにシリカゲルでクロ口ホルム溶媒下精製 した。
生成物の確認を行うために、 ¾— NMR測定を行った。以下にその結果を示す。
7. 5〜7. 3 (10H、 m、フエ-レン)、 6. 8 (2H、 m、フエ-レン)、 3. 9 (2H、 m、ォ クチル基)、 3. 8 (6H、 m、ェ卜キシ基)、 1. 7〜1. 3 (12H、 m、ォクチル基)、 1. 2 (9 H、 m、エトキシ基)、 1. 0 (3H、 m、ォクチル基)
また、生成物の確認を行うために、 IR測定を行った。以下にその結果を示す。 Si— C結合(690cm_1)、 CO結合(1110cm—1)
これより、生成物は標題ィ匕合物であることが判明した。
ti- ^ l
一般式 ( 1B)で表されるテルフエニル誘導体 (以下、テルフエニル誘導体 IB ヽぅ) の合成
[化 20]
[0127] 比較のためにォクチル基がエーテル結合を介して 、な 、テルフエ-ル誘導体 1Bを 合成した。
合成方法は、ウィリアムソン合成法を省き、グリニャール反応を用いること以外、合 成例 1の方法と同様である。
[0128] 実施例 1
分子軌道法によりテルフエ-ル誘導体 1Aおよび 1Bの一分子シユミレーシヨンを行 つたところ、テルフエ-ル骨格とォクチル基の結合の配向角はそれぞれ 161度及び 1 40度であった。エーテル結合を介することで、上記結合の配向角を大きくすることが 可能であり、これにより膜状態でのォクチル基の配向方向を拡大させることが可能で あることを確認した。
[0129] ¾細12
テルフエ-ル誘導体 1Aおよび 1Bを用いて、それぞれの単分子膜をラングミュア一 · プロジェット (LB)法により成膜した。基板として親水化処理を行った Siウェハーを用 いた。図 2は、下層水の pHは 2で行ったときの表面圧一分子占有面積の測定結果で ある。傾き力も概算される分子占有面積は、テルフエ-ル誘導体 1 Aは 0. 34nm2-m οΓ1であったのに対し、テルフエ-ル誘導体 1Bは 0. 47111112 ' 11101_ 1とテルフエ-ル 誘導体 1 Αと比べて 0. lSnm^ mor1程度大きい値をとつた。エーテル結合を介した ことで、分子体積が減少した。これによりエーテル結合を介してォクチル基を結合さ せたものは、単分子膜中の隣接分子間距離が近づけることができることがわ力る。
[0130] 実施例 3
調製したそれぞれの単分子膜の X線回折測定を対称反射法を用いて行った。測定 結果として、テルフ -ル誘導体 1Aの単分子膜では面間隔 0. 454nm、 0. 386nm 、 0. 309nmの明瞭な回折が観測されたのに対し、テルフエ-ル誘導体 1Bの単分子 膜では 0. 457nm、 0. 386nmのブロードな回折が観測された。回折強度は、対応 する面間隔の存在する割合に依存することから、テルフエニル誘導体 1Aの単分子膜 では、周期構造が規則的に形成されていることがわかる。
以上より、エーテル結合を介してォクチル基が導入することで、密にパッキングした 配向性の高い結晶構造を有する膜を調製可能であることが判明した。
[0131] i ^ m
一般式 ( ic)で表されるテルフエニル誘導体 (以下、テルフエュル誘導体 ic ヽぅ) の合成
[0132] 比較のためにォクチル基及びエーテル基を有して!/、な!/、テルフエ-ル誘導体 1Cを 合成した。
合成方法は、合成例 1のグリニャール反応を用いた。
[0133] ¾細14
テルフエニル誘導体 1A及び 1Cの単分子膜の構造安定性を、電気測定から評価し た。テルフ ニル誘導体 1Cの膜調整は、実施例 2と同様の方法で行った。測定は光 導電率測定を行った。それぞれ金 Zクロムを 30及び 20nmスパッタして作製した 200 μ m幅の櫛歯型電極上に単分子膜を実施例 2と同様に調製した。 500Wの Xeランプ を照射(明)及び未照射(暗)のときの電圧一電流特性を評価し、 50V印可したときの 電流値を測定した。膜を調製した直後に測定した明電流及び暗電流は、テルフ 二 ル誘導体 1A及び 1Cでともに 24nA (明電流)、 140pA (暗電流)であった。調製した 膜を、大気中で 30日間保管した後に再び測定したところ、テルフエ-ル誘導体 1Aで は 21nA (明電流)、 320pA (暗電流)であった力 テルフ ニル誘導体 1Cでは InA (明電流)、 340pA (暗電流)であった。これらの明電流の大きさの違いは、大気中で のテルフエ-ル骨格の酸ィ匕の影響を受けたためと考えられる。保護基としてオタチル 基を有して 、るテルフエ-ル誘導体 1Aは特性の劣化の影響を受けにく 、と 、える。
[0134] シリル基による基板との膜の密着性を評価するために、以下に示す異なる製膜方 法での膜調製を行った。実施例 2と同様の方法で調製したテルフエニル誘導体 1Aの 単分子膜及び蒸着法で膜厚約 lOnmで調製したテルフエニル誘導体 1Cの膜につい て密着性を評価した。膜をクロスカツタで 10 m角の格子状に切削し、次に市販の力 プトンテープを貼り付けて、はがした後に、膜の形状を AFMにより評価した。テルフ ェニル誘導体 1A膜の形状はカプトンテープ処理前と変わらず、ドメイン形成が確認
されたが、テルフエニル誘導体 1C蒸着膜では、カプトン処理後は処理前に観察され たドメインが観察されな力つた。これはカプトン処理により膜が剥がれたためと考えら れる。これにより、テルフエニル誘導体 1 A膜は密着強度が向上しているといえる。テ ルフエニル誘導体 1 Aは溶液形態で使用されて、トリエトキシシリル基の加水分解反 応が進行することにより、基板表面のヒドロキシル基との反応が進行することで膜が形 成されるので、シリル基と基板との間でより有効にシラノール結合が形成されるためと 考えられる。
[0135] (実験例 2)
' 12
mffP-^ (l) (A=n へキシル某、 1¾=硫 原早、 Υλ=^ ^^ R = TK素原 子、 nl =4. Χ^Χ^Χ^ 泰原子)で表されるクォーターチォフェン謙導体 (以下 、クォーターチォフェン誘導体 2Α (合成ルート 2参照) h 、う)の合成
市販の 2, 2'—ビチォフェンを出発物質として用いた。
2, 2,—ビチオフ ン (492— 97— 7 ;東京化成社製)をクロ口化させるために、 N— クロロサクシンイミド (NCS)処理を、溶媒として DMFを用いて行った。得られたクロ口 ビチォフェン同士を、 DMF溶媒中でトリス(トリフエ-ルホスフィン)ニッケル (tris (trip henylphosphine) Nickel: (PPh ) Ni)を触媒として反応させることによって、クロ口
3 3
化させた部分でビチォフェン同士を直接結合させて、クォーターチォフェンを合成し た。
[0136] 以下、前記合成ルート 2に従った。
クォーターチォフェンを n-クロロサクシンイミド、クロ口ホルム、酢酸溶液中に溶解さ せ、末端水素のクロ口化を行った。窒素雰囲気下、フラスコ中に入れた溶液を攪拌し て、 2—クロロークオーターチォフェンを得た。得られた 2—クロロークオーターチオフ ェンを、 n—ブチルリチウム(109— 72— 8)、チォキサントン(492— 22— 8)、 n キシルブロミド、 THFに溶解させて、フラスコ中、 78°Cで反応させることで、 2 へ キシルチオ クォーターチォフェンを調製した。
2 へキシルチオ クォーターチォフェンを合成例 1で示した反応と同様にしてクロ 口化を行った。生成物をグリニャール反応により末端トリクロロシリルイ匕した。トリクロ口
シリルイ匕した目的とする生成物をクロ口ホルムで抽出する。硫酸マグネシウムで乾燥さ せて溶媒を除去した後、メタノール溶媒で再結晶化した。さらにシリカゲルでクロロホ ルム溶媒下精製した。
生成物の確認を行うために、 — NMR測定を行った。以下にその結果を示す。
7. 0 (6H、 m、チォフェン環)、 6、 9 (1H、 m、チォフェン環)、 6、 8 (1H、 m、チオフ ェン環)、 2. 9 (2H、 m、へキシル基)、 1. 6 (2H、 m、へキシル基)、 1. 3 (6H、 m、 へキシル基)、 1. 0 (3H、 m、へキシル基)
また、生成物の確認を行うために、 IR測定を行った。以下にその結果を示す。 Si— C結合(690cm_1)、 CO結合(1110cm—1)
これより、生成物は標題ィ匕合物であることが判明した。
一般式 (2B)で表されるクォーターチォフェン謙導体 (以下、クォーターチォフェン 誘導体 2B いう)の合成
[0138] 比較のためにへキシル基がチォエーテル結合を介して!/、な!/、クォーターチォフエ ン誘導体 2Bを合成した。
合成方法は、へキシルチオィ匕を省略して、グリニャール試薬を用いたへキシル基の カップリング反応を行うこと以外、合成例 2の方法と同様である。
[0139] 実飾 15
分子軌道法によりクォーターチォフェン誘導体 2Aおよび 2Bの一分子シユミレーショ ンを行った。その結果、クォーターチォフェン骨格とへキシル基の結合の配向角はそ れぞれ 177度及び 138度であった。チォエーテル結合を介することで、上記結合の 配向角を大きくすることが可能であり、これにより膜状態でのへキシル基の配向方向 を拡大させることが可能であることを確認した。
[0140] 実施例 6
クォーターチォフェン誘導体 2Aおよび 2Bを用いて、それぞれの単分子膜を実施
例 2と同様の方法により成膜した。図 3は、下層水の pHは 2で行ったときの表面圧— 分子占有面積の測定結果である。傾きから概算される分子占有面積は、クォーター チォフェン誘導体 2Aは、クォーターチォフェン誘導体 2Bの 0. 28111112'11101_1よりも 0 . Οδηπ^ ' πιοΓ1小さい、 0. 22111112'11101_1であった。チォエーテル結合を介してへ キシル基を結合させたものは、膜面内の分子占有面積を小さくすることができた。
[0141] 実施例 7
電子線回折 (ED)測定を行うために、クオ一ターチオフ ン誘導体 2Αおよび 2Βの 単分子膜の成膜を行った。基板は、銅メッシュシートにホルムバール支持膜を固定ィ匕 して、その上に SiOを蒸着させて親水化処理したものを用いた。調製した基板を用
2
いて、表面圧 25mN ' m_ 1で成膜を行った。成膜後の膜を透過電子顕微鏡により ED 測定を行った。結果、クオ一ターチオフ ン誘導体 2A単分子膜では、 0. 44nm、 0. 37nm及び 0. 31nmの面間隔に対応する回折スポットが得られた。一方、クォーター チォフェン誘導体 2B単分子膜の ED像では、 0. 45nm、 0. 38nm及び 0. 32nmの 面間隔に対応する回折リングが得られた。回折現象力 Sスポットまたはリングで観測さ れた違いから、面内方向の配向秩序性カ^オ一ターチオフ ン誘導体 2A単分子膜 の方がクォーターチォフェン誘導体 2B単分子膜よりも高いことがわかる。これは、チ ォエーテル結合による効果である。
以上から、分子シュミレーシヨン及び結晶構造解析からのアプローチにより、チォェ 一テル結合を導入することで脂肪族炭化水素基 Aと有機基 C ( π電子共役系ユニット 部分)との結合の角度が広がり、結果、膜構造は π電子共役系に最適な構造を形成 することが確認できた。
[0142] 比 合成例 4
一般式( 2C)で表されるクォーターチォフェン誘導体 (以下、クォーターチォフェン 誘導体 2C いう)の合成
[化 23]
[0143] 比較のためにォクチル基及びエーテル基を有して!/、な!/、クォーターチォフェン誘
導体 2Cを合成した。
合成方法は、合成例 2のグリニャール反応を用いた。
[0144] 実施例 8
クォーターチォフェン誘導体 2A及び 2C単分子膜の構造安定性を、電気測定から 評価した。クォーターチォフェン誘導体 2C単分子膜の調整は、実施例 2と同様の方 法で行った。測定は光導電率測定を行った。それぞれ金 Zクロムを 30及び 20nmス ノッタして作製した 200 μ m幅の櫛歯型電極上に単分子膜を実施例 2と同様に調製 した。 500Wの Xeランプを照射(明)及び未照射(暗)のときの電圧一電流特性を評 価し、 50V印可したときの電流値を測定した。膜を調製した直後に測定した明電流及 び暗電流は、クォーターチォフェン誘導体 2A及び 2Cでともに 48nA (明電流)、 330 pA (暗電流)であった。調製した膜を、大気中で 45日間保管した後に再び測定した ところ、クォーターチォフェン誘導体 2Aでは 44nA (明電流)、 380pA (暗電流)であ つたが、クオ一ターチオフ ン誘導体 2Cでは ΙΟηΑ (明電流)、 490pA (暗電流)であ つた。これらの明電流の大きさの違いは、大気中でのクォーターチォフェン骨格の酸 化の影響を受けたためと考えられる。保護基としてへキシル基を有しているクォータ ーチォフェン誘導体 2Aは特性の劣化の影響を受けにく 、と 、える。
[0145] 実施例 2と同様の方法で調製したクォーターチォフェン誘導体 2Aの単分子膜及び 蒸着法で膜厚約 lOnmで調製したクォーターチォフェン 2Cの膜について密着性を 評価した。膜をクロスカツタで 10 m角の格子状に切削し、次に市販のカプトンテー プを貼り付けて、はがした後に、膜の形状を AFMにより評価した。クオ一ターチオフ ェン誘導体 2A膜の形状はカプトンテープ処理前と変わらず、数十/ z m φのドメイン が形成していることが確認されたが、クォーターチォフェン 2C蒸着膜では、カプトン 処理後は処理前に観察されたドメインが観察されな力つた。これはカプトン処理により 膜が剥がれたためと考えられる。これにより、クォーターチォフェン誘導体 2A膜は密 着強度が向上しているといえる。クォーターチォフェン誘導体 2Aは溶液形態で使用 されて、トリエトキシシリル基の加水分解反応が進行することにより、基板表面のヒドロ キシル基との反応が進行し膜が形成されるので、シリル基と基板との間でより有効に シラノール結合が形成されるためと考えられる。
[0146] (実験例 3)
'
前記一般式 (1) (A=n—ォクタデシル某、 B=^ 原子、 Y1:硫昔原子、 R= 7k 素原子、 nl =4、 1= 2= 3=メトキシ某)で表されるクォーターチォフェン誘導体( 以下、クォーターチォフェン誘導体 3A (合成ルート 3参照) h 、う)の合成
合成例 2で合成したクォーターチォフェンを出発物質として用い、前記合成ルート 3 に従つに。
クォーターチォフェンを n-クロロサクシンイミド、クロ口ホルム、酢酸溶液中に溶解さ せ、末端水素のクロ口化を行った。窒素雰囲気下、フラスコ中に入れた溶液を攪拌し て、 2—クロ口一クォーターチォフェンを得た。 2—クロ口一クォーターチォフェンを、炭 酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、テトラヒドロフラン (THF)中に溶解させ、過剰の純水 と混合させた。この溶液を 110°Cで反応させることで、クロロイ匕した末端をヒドロキシル ィ匕した。 2 -ヒドロキシル -クォーターチォフェンを n -ォクタデシルブロミド( 111 8 3— 1)、水酸ィ匕ナトリウム、 THF、純水中に混合し反応させることで、ヒドロキシル基を ウィリアムソン合成法によりエーテルィ匕した。 2—ォクタデシロキシークオーターチオフ ェンを合成例 1で示した反応と同様にしてクロ口化を行った。生成物をグリニャール反 応により末端トリメトキシシリルイ匕し、トリメトキシシリルイ匕した目的とする生成物をクロ口 ホルムで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥させて溶媒を除去した後、メタノール溶 媒で再結晶化した。さらにシリカゲルでクロ口ホルム溶媒下精製した。
生成物の確認を行うために、 — NMR測定を行った。以下にその結果を示す。 7. 0 (6H、 m、チォフェン環)、 6、 5 (1H、 m、チォフェン環)、 6、 0 (1H、 m、チオフ ェン環)、 3. 9 (2H、 m、ォクタデシル基)、 3. 6 (9H、 m、メトキシ基)、 1. 7 (2H、 m、 ォクタデシル基)、 1. 3 (30H、 m、ォクタデシル基)、 1. 0 (3H、 m、ォクタデシル基) また、生成物の確認を行うために、 IR測定を行った。以下にその結果を示す。
Si— C結合(690cm_1)、 CO結合(1110cm—1)
これより、生成物は標題ィ匕合物であることが判明した。
一般式( 3B)で表されるクォーターチォフェン誘導体 (以下、クォーターチォフェン
誘導体 3Bという)の合成
[化 24] (〇Me)3
[0148] 比較のためにォクタデシル基がエーテル結合を介して 、な 、クォーターチォフェン 誘導体 3Bを合成した。
合成方法は、エーテルィ匕反応を省略して、グリニャール試薬を用いたォクタデシル 基のカップリング反応を行うこと以外、合成例 3の方法と同様である。
[0149] 実飾 19
分子軌道法によりクォーターチォフェン誘導体 3Aおよび 3Bの一分子シユミレーショ ンを行った。その結果、クォーターチォフェン骨格とォクタデシル基の結合の配向角 はそれぞれ 173度及び 130度であった。この結果、エーテル結合を介することで、上 記結合の配向角を大きくすることが可能であり、これにより膜状態でのォクタデシル基 の配向方向を拡大させることが可能であることを確認した。
[0150] 実施例 10
クォーターチォフェン誘導体 3Aおよび 3Bを用いて、それぞれの単分子膜を基板の 溶液浸漬法により成膜した。溶媒はクロ口ホルムを用いて、クォーターチォフェン誘導 体の 0. 2mM溶液とした。濃硫酸と過酸ィ匕水素水の 7 : 3vol%の溶液に基板として用 V、る Siウェハーを浸漬することで表面親水化処理を施した。調整した溶液に親水化 処理をした Siウェハーを、室温で 24時間浸漬させた。溶液力も取り出した基板は、ク ロロホルム、エタノール溶媒中で超音波洗浄を行い、残存する化合物を取り除いた。 調整したクォーターチォフェン誘導体 3Aおよび 3B膜の表面形状を原子間力顕微鏡 観察により評価したところ、それぞれドメイン形状が観察され、膜が吸着していること が判った。純水の接触角測定においても接触角の値力 いずれも吸着前の 10度か ら 130度まで大きくなつたことから、アルキル基を空気界面側に配向させて基板に吸 着していることが判った。
[0151] 実施例 11
上記実施例で調製した単分子膜を用いて、 X線回折測定を行った。いずれの膜も
ォクタデシル基の六方晶型結晶構造に起因する面間隔 0. 41nmの回折ピークが観 測された。また、さらにクォーターチォフェン骨格に由来する回折ピークが観測され、 それぞれの回折ピークから求めた面間隔は、クォーターチォフェン誘導体 3A膜では 0. 448、 0. 378、 0. 311nm、クォーターチォフェン誘導体 3B膜では 0. 460、 0. 3 97、 0. 325nmであった。これより、いずれの膜においてもォクタデシル基及びクオ 一ターチォフェン骨格は結晶化しており、ォクタデシル基のパッキング状態に違いは みられな!/、が、クォーターチォフェン骨格はクォーターチォフェン誘導体 3A膜の方 がクォーターチォフェン誘導体 3B膜よりもより密にパッキングしていることが判明した
[0152] 実施例 12
図 4に示す有機薄膜トランジスタを作製するために、まず、シリコン基板 10上にクロ ムを蒸着し、ゲート電極 15を形成した。次に、プラズマ CVD法によりチッ化シリコン膜 による絶縁膜 16を堆積した後、クロム、金の順に蒸着を行い、通常のリソグラフィー技 術によりソース電極 13及びドレイン電極 14を形成した。作製した素子の構造は、チヤ ネル幅 200 μ m、長さ 1000mm、絶縁層の厚さは 300nmであった。続いて、得られ た基板上に、実施例 10で示した方法を用いてクォーターチォフェン誘導体 3Aの有 機半導体層 12を形成した。
クォーターチォフェン誘導体 3Bを用いたこと以外、上記と同様の方法により有機薄 膜トランジスタを作製した。
[0153] 得られたクォーターチォフェン誘導体 3Aおよび 3Bの有機薄膜トランジスタは、それ ぞれ電界効果移動度が 1 X 10—1及び 9 X 10"2cmVVs,オン Zオフ比が約 5及び 4 桁であり、クォーターチォフェン誘導体 3Aを用いた有機薄膜トランジスタの方が、クオ 一ターチォフェン誘導体 3Bを用いたものよりも良好な性能が得られた。これは、作製 した有機薄膜トランジスタにおいて、外部より電圧を印加したときにクオ一ターチオフ ェン骨格部分の分子間距離が比較的小さいクォーターチォフェン誘導体 3Aの方が キャリアのホッピング伝導が起こりやすくなるため、オン電流を大きくすることが可能と なる。つまり、オン時には、誘起双極子間の相互作用により隣接分子間が小さいため 、ホッピング伝導の起こりやすい環境になり、オン電流を高めることができる。また、 Si
O— Siの二次元ネットワークに含まれる Siと結合した π電子共役系骨格間(隣接 する分子間)において、直接的に共有結合を有していないために、オフ時の漏れ電 流を軽減することが可能である。
以上のことから、本発明による新規物質によって、分子軸方向及び分子平面と垂直 な方向に異方性のある導電性を有するとともに、且つ、高い結晶性を有した有機薄 膜を提供することが可能になる。
[0154] (実験例 4)
例 4
前記一般式 (3) (Α=パーフルオロー η—ォクチル某、 Β =酸素原子、 Ya=炭素原 子、 R=水素原子、 nl = 3、 X =X2=Xa=エトキシ某)で表されるテルフエ-ル誘導 体 (以下、テルフエニル誘導体 4A いう)の合成
n—ォクチルブロミドの代わりにパーフルオロー n—ォクチルブロミドを用いたこと、ヒ ドロキシル基をウィリアムソン合成法によりエーテルィ匕するに際して THFの代わりに四 塩ィ匕炭素を用いたこと以外、合成例 1と同様の方法により、テルフエ-ル誘導体 4Aを 得た。
生成物の確認を行うために、 ¾— NMR測定を行った。以下にその結果を示す。
7. 5〜7. 3 (10H、 m、フエ-レン)、 6. 8 (2H、 m、フエ-レン)、 3. 8 (6H、 m、ェ卜 キシ基)、 1. 2 (9H、 m、エトキシ基)
また、生成物の確認を行うために、 IR測定を行った。以下にその結果を示す。 Si— C結合(690cm_1)、 CO結合(1110cm—1)
これより、生成物は標題ィ匕合物であることが判明した。
[0155] 比較合成例 6
一般式 (4B)で表されるテルフエニル誘導体 (以下、テルフエニル誘導体 4B ヽぅ) の合成
[0156] 比較のためにパーフルォロォクチル基がエーテル結合を介して!/、な!/、テルフエ-
ル誘導体 4Bを合成した。
合成方法は、ウィリアムソン合成法を省き、グリニャール反応を用いること以外、合 成例 4の方法と同様である。
[0157] 実施例 13
分子軌道法によりテルフエニル誘導体 4Aおよび 4Bの一分子シユミレーシヨンを行 つたところ、テルフエ-ル骨格とパーフルォロォクチル基の結合の配向角はそれぞれ 168度及び 133度であった。エーテル結合を介することで、上記結合の配向角を大 きくすることが可能であり、これにより膜状態でのパーフルォロォクチル基の配向方向 を拡大させることが可能であることを確認した。
[0158] 実施例 14
テルフエ-ル誘導体 4Aおよび 4Bを用いたこと以外、実施例 2と同様の方法で分子 占有面積を求めた。分子占有面積は、テルフエニル誘導体 4Aは 0. 41ηπι
2·πιοΓ
1 であったのに対し、テルフエ-ル誘導体 4Bは 0. 5311111
2 ' 11101
_ 1とテルフエ-ル誘導 体 4Aと比べて 0.
エーテル結合を介したこと で、分子体積が減少した。これによりエーテル結合を介してパーフルォロォクチル基 を結合させたものは、単分子膜中の隣接分子間距離が近づけることができることがわ かる。
[0159] 実施例 15
調製したそれぞれの単分子膜の X線回折測定を対称反射法を用いて行った。測定 結果として、テルフ -ル誘導体 4Aの単分子膜では面間隔 0. 472nm、 0. 381nm 、 0. 315nmの明瞭な回折が観測されたのに対し、テルフエ-ル誘導体 4Bの単分子 膜では 0. 451nm、 0. 371nmのブロードな回折が観測された。回折強度は、対応 する面間隔の存在する割合に依存することから、テルフエニル誘導体 4Aの単分子膜 では、周期構造が規則的に形成されていることがわかる。
以上より、エーテル結合を介してパーフルォロォクチル基を導入することで、密にパ ッキングした配向性の高い結晶構造を有する膜を調製可能であることが判明した。 産業上の利用可能性
[0160] 本発明の有機シラン化合物 (I)および該化合物を用いた有機薄膜は TFT、太陽電
池、燃料電池、センサー等の半導体電子デバイスの製造に有用である。