明 細 書
内燃機関における空燃比制御装置及び空燃比制御方法
技術分野
[0001] 本発明は、内燃機関から排出された排気ガス中の酸素濃度の測定結果に基づい てエンジンに供給される空気量に対する燃料の含有比率を制御するようにした空燃 比制御に関する。
背景技術
[0002] 地球温暖化防止等の近年における地球環境を保護する必要性から、二輪車を含 む自動車等の内燃機関(以下、適宜「エンジン」 、う)における最重要課題として、 エンジンの燃焼効率 (燃費)の向上と排気ガス中の有害成分の低減が挙げられる。
[0003] エンジンの燃焼効率 (燃費)を向上させるためには、燃料を完全燃焼させる必要が ある。一方、排気ガスに含まれる CO (—酸ィ匕炭素)、 HC (炭化水素)、 NOx (窒素酸 化物)等の各種有害成分をバランスよく低減させるためには、燃料に関与する空気流 量と燃料流量の比(以下、「空燃比」という)を最適化する必要がある。特に、エンジン への燃料噴射を電子制御する電子式燃料噴射制御方式にお!ヽては、車両の運転 状況に応じてエンジンへの燃料噴射量を精緻に自動制御できることから、空燃比の 最適化制御が可能になったのである。
[0004] 一方、エンジン力 排出される排気ガスを浄ィ匕するためには、多くの場合触媒装置 が使用される。排気ガス浄ィ匕のための触媒としては、排気ガス中の CO (—酸化炭素) 、 HC (炭化水素)及び NOx (窒素酸化物)を同時に高!ヽ浄ィヒ率で浄ィヒすることが可 能な三元触媒が使用されている。
[0005] 三元触媒の効果を最大限に発揮させるためには、空燃比を所定値 (理論空燃比) に維持する必要があることから、エンジンに供給する燃料ガスの正確な空燃比制御 が必要となる。
[0006] 一般に、燃料ガス中の酸素濃度が低い時、即ち燃料が濃く酸素が不足している状 態 (リッチ状態)の時には、排気ガス中に一酸ィ匕炭素 (CO)や炭化水素 (HC)が増加 して燃費の低下と大気汚染の原因となる。これとは逆に、混合燃料ガス中の酸素濃
度が高い時、即ち燃料が薄くて酸素が過剰の状態 (リーン状態)の時には、余分な酸 素によって窒素酸化物 (NOx)が増加し、やはり大気汚染の原因となる。
[0007] このため、従来から、排気ガス中の酸素濃度を検知し、排気ガス中の酸素濃度が最 適になるように、すなわち、エンジンの吸気側では燃料ガスが理論空燃比になるよう に、燃料ガスの空燃比を制御することが行われてきた。
[0008] 排気ガス中の酸素濃度は、排気経路に設置された酸素センサを用いて検知するこ とになるが、この酸素センサは、燃焼ガス中の空燃比が適正値であった力否かを検 知することになることから空燃比センサとも呼ばれている。
[0009] 空燃比センサとして使用する酸素センサの多くは、上記した理論空燃比において その出力信号の電圧値が急激に変化する特性を有するように設計されている。この 特性を利用して、エンジンの燃料噴射制御や点火時期制御等を司る ECU (Electric Control Unit)は、酸素センサの出力信号に基づいて燃料ガスが理論空燃比よりも濃 いか薄いかを判定し、濃い場合は燃料に対する供給空気量を増加させ、薄い場合は 燃料に対する供給空気量を減少させるフィードバック補正制御 (以下、 ΓΟフィードバ
2 ック制御」という)をしている。
[0010] 尚、 4サイクルエンジンは、吸気行程、圧縮行程、爆発行程 (燃焼行程)及び排気行 程の 4つの行程を有し、エンジンの排気ガス経路を流れる排気ガス中の圧力と酸素 濃度は常に変動していることから、 ECUは排気行程において排気ガス力排気ガス経 路内に設置された酸素センサの設置箇所を通過するタイミングで酸素センサの出力 をサンプリングして上記した空燃比制御を行うようにして 、る。
[0011] ところで、二輪車や四輪車等の車両は、頻繁に加速又は減速を繰り返して運転さ れる。このような車両の急激な加速又は減速が生じその加速状態や減速状態が続 ヽ た場合にはエンジンへの燃料供給量と吸気量の変動時間が継続する。このような時 に、 Oフィードバック制御でエンジンへの燃料供給量を一定の補正量だけ増大又は
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減少させても、酸素線センサの出力がリッチ状態からリーン状態へ又はリーン状態か らリッチ状態へ変転せずに、同一の空燃比状態のエンジンサイクルが長く続くこととな る。その結果、この間は三元触媒装置による排気ガス中の有害ガスの浄化機能が低 下することとなる。
[0012] このため、第 1の従来技術は、空燃比を理論空燃比に制御する理論空燃比制御と 、空燃比を理論空燃比より希薄側に制御するリーン制御とをエンジンの運転状態に おいて切り換えると共に、理論空燃比を境に反転した信号と理論空燃比より希薄域 で排気ガス中の残留酸素濃度に比例した信号とを運転状態に応じて切り換えて出力 させ、この出力信号に基づいて空燃比をフィードバック制御するための補正係数を定 め、この補正係数を用いたフィードバック制御とこの補正係数を用いな 、オープンル ープ制御とを運転状態に応じて切り換えるようにした空燃比制御を行って ヽる (特許 文献 1)。
[0013] また、第 2の従来技術は、エンジンの冷却水温度を検知し、予め設定した基本燃料 噴射量と実負荷燃料噴射量の差と冷却水温度とに基づ ヽて目標空燃比を定めこの 目標空燃比に基づ ヽて空燃比制御を行うようにして ヽる (特許文献 2)。
特許文献 1:特公平 6— 58080号公報
特許文献 2:特公平 8 - 23326号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0014] しかし、上記第 1の従来技術の空燃比制御においては、予め用意されている複数 の空燃比制御のパターンをエンジンの運転状態に応じて切り換えて使用するもので あり、エンジンの運転状況に応じてその性能を最大限に発揮させるためのものであり
、排気ガス中の有害ガスを低下させる観点において劣る。また、ここで使用する酸素 センサは、酸素濃度に応じてその出力値がアナログ値を示す比例出力タイプのもの であることから、複数の空燃比制御パターンの切り替えと相俟って、その制御が複雑 となり高コストとならざるを得ない。
[0015] また、上記第 2の従来技術に係る空燃比制御装置は、空燃比の制御に酸素センサ の出力信号のみならず冷却水の温度に基づいて空燃比制御をするものであり、ェン ジンの温度変動に拘らず燃焼安定ィ匕には寄与するものの、空燃比制御が複雑であり 高コストとなる。
[0016] 本発明は、斯カゝる従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、空燃比制御を複 雑ィ匕させることなぐ車両の急激な加速又は減速時におけるエンジンへの燃料供給
量と吸気量が大きく変動した際に生じる同一の空燃比状態が継続した場合に、素早 く空燃比がリッチ状態からリーン状態へ又はリーン状態からリッチ状態へ変転させるこ とにより、三元触媒装置による排気ガスの浄ィ匕能力を最大限に維持させるようにした 空燃比制御を実現することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0017] このため、本発明は、排気ガス浄ィ匕のための触媒装置を備えた内燃機関において 、燃料に関与する空気流量と燃料流量の比 (以下、「空燃比」という)を制御する空燃 比制御装置であって、排気ガス中に含まれる酸素濃度が所定の閾値を越える力否か を示す二値信号を出力する酸素センサと、前記酸素センサから出力された前記二値 信号に基づいて、前記空燃比を所定の補正量だけ累積的に増大又は減少させる積 分制御を行うことにより前記空燃比がリッチ状態とリーン状態との間を往復するように 制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記空燃比制御において前記酸 素センサの二値信号が所定のエンジンサイクル数を超えてリッチ状態又はリーン状 態が連続した場合には前記所定の補正量を増大させることを特徴とする空燃比制御 装置を提供するものである。
[0018] ここで、前記制御装置は、前記空燃比制御にぉ 、て、前記二値信号が変化した時 に当該変化後の空燃比の状態を変転させるために空燃比制御量を大きくする比例 制御を含むのである。
[0019] そして、前記所定のエンジンサイクル数は、少なくとも 3以上に設定される。また、前 記所定の補正量の増大は、当該リッチ状態又はリーン状態が連続している時に 1回 のみ行われる。
[0020] ところで、前記所定の補正量の増大は、最大で前記補正量の通常値の 150%に設 定する。また、前記空燃比の制御は、燃料噴射量を増減することにより行われるので ある。
[0021] 本発明は、さら〖こ、排気ガス浄ィ匕のための触媒装置を備えた内燃機関において、 燃料に関与する空気流量と燃料流量の比 (以下、「空燃比」 ヽぅ)を制御する空燃 比制御方法であって、排気ガス中に含まれる酸素濃度が所定の閾値を越える力否か を示す二値信号に基づいて前記空燃比を所定の補正量だけ累積的に増大又は減
少させることにより、前記空燃比がリッチ状態とリーン状態との間を往復するように制 御する空燃比制御行程において、前記二値信号の状態を監視して、前記二値信号 がリッチ状態からリーン状態に又はリーン状態力もリッチ状態にその空燃比状態が変 化したときにカウンタをスタートさせる行程と、前記変化した空燃比状態が次のェンジ ンサイクルにおいても当該空燃比状態を維持した場合に前記カウンタをインクリメント する行程と、前記インクリメントされたカウンタの計数値が予め設定されたサイクル数 に達した否カゝを監視する行程と、前記カウンタの計数値が予め設定されたサイクル数 に達した場合には、当該空燃比の状態を他方の状態に変転させるために前記所定 の補正量を増大させる行程との各行程を含むことにより、前記空燃比が一方の状態 力 他方の状態に変転するまでのエンジンサイクル数を縮減することを特徴とする空 燃比制御方法を提供するものである。
発明の効果
[0022] これにより、本発明は、車両の急激な加速又は減速時におけるエンジンへの燃料 供給量と吸気量が大きく変動した際に生じる同一の空燃比状態が継続した場合に、 素早く空燃比がリッチ状態からリーン状態へ又はリーン状態からリッチ状態へ変転さ せることにより、三元触媒装置による排気ガスの浄ィ匕能力を最大限に維持させるよう にした空燃比制御を実現したのである。
[0023] また、本発明においては、制御をことさらに複雑ィ匕させることないので、空燃比制御 の長期安定ィ匕を実現すると共に、制御の低コストィ匕を実現したのである。
発明を実施するための最良の形態
[0024] 以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[0025] 図 1は、本発明の実施形態に係る内燃機関における空燃比制御装置を含む単気 筒 4サイクルエンジンの全体構成の例を示す。
図 1に示す全体構成の例において、本発明の実施形態に係る空燃比制御装置及 び排気ガス浄ィ匕装置は、エンジン 1に供給される燃料ガスの空燃比を最適化するた めの空燃比制御手段を含む制御装置 (ECU) 2と、エンジン 1から排出される排気ガ スをマフラー 4に導く排気管 3と、排気管 3内において排気ガス中の酸素濃度を測定 する酸素センサ 5と、マフラー 4内に設置されて外気に放出される前に排気ガスを浄
化するため触媒装置 (以下、適宜「触媒」という) 6とにより構成され、エンジン 1に燃料 を供給する燃料タンク 7と、エンジン 1に供給する空気量を調節する吸気スロットル 8 及びアイドル 'スピード 'コントロール装置(以下、「ISC」という) 19と、エンジン 1のクラ ンク軸の回転角を検知するクランク回転角センサ 15とに関連する。
[0026] 図 1に示すように、酸素センサ 5は、マフラー 4内の触媒 6の入口近傍に設置するが 、マフラーに接続される排気管 3に設置するようにしても良 、。
[0027] 以下、図 1に示すエンジンの全体構成図の例を簡単に説明する。
最初に、エンジンの吸気行程において、エンジン 1の燃焼室(シリンダ又は気筒) 10 には、エアフィルタ 9により濾過されて塵や埃が除去された空気 (外気中の空気)が、 燃焼室 10内のピストンの下降動作によって生じる負圧により供給される。このとき、吸 気弁 17は開かれている。そして、吸引される空気供給量は、 ISC19によって制御さ れる。これによつて決められた空気量に見合う推定燃料量を噴射する燃料噴射制御 が行われるのである。
[0028] 一方、エンジン 1の燃焼室への空気の供給と同時に、インジェクタ 13の注入口から 燃料が注入される。これによつて、燃焼室 10内に引き込まれる空気中に燃料が噴射 された燃料ガスとなる。燃料は、燃料を貯蔵する貯蔵燃料タンク 7から燃料供給パイ プ 16を経由してインジェクタ 13に供給される。インジェクタ 13から供給される燃料噴 射量は、制御装置 (ECU) 2からの燃料供給指示パルス信号のパルス幅に応じて噴 射動作するインジェクタ 13の燃料噴射時間により調節される。このようにして、供給空 気量に対する燃料の含有比率である空燃比が制御される。エンジンの加速時にお!ヽ ては、空燃比を小さく(リッチ状態)なるように制御し、エンジンの定常走行時において は空燃比を大きく(リーン状態)なるように制御する。
[0029] 次に、エンジンの圧縮行程において、燃焼室 10内に供給される空気と燃料との混 合体である燃料ガスは、ピストンの上昇動作により圧縮される。この際、吸気弁 17と排 気弁 18は、閉じられている。
[0030] 次に、燃焼 (爆発)行程にぉ 、て、上記の圧縮行程にお!、て圧縮された燃焼ガスは 、制御装置 2からの所定のタイミングで点火指令を受けたイダ-ッシヨンコイル 12が高 電圧を発生させ、当該高電圧をスパークプラグ 11に印加させることによりスパークプ
ラグ 11を点火して圧縮された燃料ガスを爆発させ、その爆発力によってピストンを急 激に押し下げるのである。
[0031] ところで、ピストンの上下運動に伴って回転するクランク軸の回転角は、クランク回 転角センサ 15によって検知され、制御装置 2に送出される。また、このクランク軸は、 4サイクルエンジンの場合、上記した 4つの行程からなる一つのエンジンサイクルにお いて 2回転することとなる力 ECU2は、エンジンが如何なる行程にあるかを常に把握 しているので、クランク軸の回転角を検出するクランク回転角センサ 15の出力により 如何なる行程においてどの程度クランク軸が回転したかを検知することができるので ある。
[0032] 次に、エンジンの排気行程にぉ 、ては、燃焼行程にお!、て燃焼されたガスは、排 気ガスとして外気中に放出される。燃焼室 10からの排気ガスの放出は、排気弁 18を 開 、た状態で、爆発行程にぉ 、て押し下げられたピストンが上昇することにより行わ れる。排気ガスは、排気管 3を経由して、マフラー 4内へと導かれて、爆発音や排気 音等のノイズを低下させた後に外気に放出されるのである。
[0033] 尚、図 1に示すように、吸気スロットル 8の周辺には、スロットル開度を検出するため の開度センサ、吸気の温度を測定する温度センサ、吸気圧を測定するための圧力セ ンサ等の各種センサが設置されて、制御装置 (ECU) 2に接続されている。さらに、こ の外にも、エンジンの温度を測定する温度センサ、外気圧を測定する圧力センサ等 の各種センサやスィッチが配置され、制御装置 (ECU) 2に接続されている。制御装 置 2は、これらのセンサやスィッチからのデータに基づいて、エンジンの最適制御を 行うのである。
[0034] 図 2は、本発明の実施形態に係る内燃機関における空燃比制御装置における制御 構成図の例を示す。
制御装置 (ECU) 2は、マイクロプロセッサ手段、プログラムや固定データを格納す る ROMや一時的なデータや演算結果を格納する RAM等のメモリ手段、各種センサ やスィッチ等力 入力信号を受け付けるための入力インターフェース、及びエンジン を動作される各種能動手段への出力インターフェース、水晶振動子を備える発振回 路等、力も構成される。本発明で用いられるカウンタは、 RAMにより構成される。
[0035] これにより、制御装置 (ECU) 2は、エンジンの燃料噴射制御、吸気量制御、点火( 時期)制御、アイドル回転制御等の各種制御を集中的に司る。そして、燃料噴射量と 吸気量との比を制御することによって、本発明に係る空燃比制御が行われるのである
[0036] 上記のように、制御装置(ECU) 2には、酸素センサ 5、エンジン温度センサ 14、クラ ンク回転角センサ 15の他、スロットル開度センサ、吸気温度センサ、吸気圧力センサ や外気圧センサ等の各種センサの他、アクセルセンサや各種スィッチ類等力 の入 力信号に基づいて、燃料噴射を行うインジェクタ 13、吸気スロットル 8の開弁角度 (ス ロットル開度)、 ISC 19及びイダ-ッシヨンコイル 12等の各種能動手段の動作制御が 行われるのである。
[0037] 制御装置 2 (図 1)は、排気経路の所定箇所に設置された酸素センサ 5の出力を受 信し、当該設置箇所において酸素センサ 5の出力信号 (酸素濃度)が、理論空燃比 を越える値を示した場合には、インジェクタ 13 (図 1)カゝら噴射される燃料の量を予め 設定された所定量だけ低減させる。しかし、酸素センサ 5の出力信号が、酸素濃度が 理論空燃比よりも低い値を示した場合には、インジェクタ 13 (図 1)から噴射される燃 料の量を予め設定された所定量だけ増カロさせる。
[0038] 制御装置 2 (図 1)は、このような酸素センサ 5からの二値信号 (リーン状態かリッチ状 態かを示す信号)に基づく Oフィードバック制御を繰り返すことにより、排気ガス中に
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含まれる酸素濃度を、理論空燃比を挟んで上下動させることにより空燃比をリッチ状 態とリーン状態との間に往復振動させるのである。
[0039] そして、本発明に係る Oフィードバック制御は、図 6において後述するように、酸素
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センサ 5から出力された二値信号に基づいて、空燃比を所定の補正量だけ累積的に 増大又は減少させる積分制御と、酸素センサ 5の二値信号が変化した時にその変化 後の空燃比の状態を変転させるために空燃比制御量を大きくする比例制御を含む のである。
[0040] 触媒装置 6は、排気ガスが理論空燃比に合致したままの状態が継続するとその浄 化能力を低下させ、理論空燃比を挟んで常に上下動させることによりその浄ィ匕能力 が活性化される特性を有している。ここで使用する触媒装置 6は、排気ガス中の CO、
HC及び NOxの 3成分を浄化する三元触媒である。
[0041] 図 3は、ある単気筒 4サイクルエンジンにおける、クランク軸の回転角(ピストンの動 作位置に同期)と排気ガスの流量との関係を示すグラフであり、横軸にクランクの回 転角を示し、縦軸に排気管 3を流れる排気ガスの単位時間毎の流量〔kgZs〕を示す 。また、符号 A、 Cはピストンの気筒内における上死点を示し、符号 B、 Dはピストンの 気筒内における下死点を示す。
[0042] 図 3に示すように、単気筒エンジンの場合は、排気ガスの単位時間当たりの流量が エンジンサイクルの中で大きく変化する。また、図 3に示した排気ガス流量の変化は エンジンの仕様によっても異なるが、単気筒エンジンの場合一般的に、排気弁の開 期間 (EVO)の始時点カゝら排気ガスの流量は急激に増大するが、ピーク値を示した 後は脈動的に漸次減衰するようになる。また、排気弁の開期間 (EVO)が終時点では 、吸気行程に入って気筒内のピストンが降下し始めることから、排気ガスは一時的に 負圧によってマイナスの流量を示す (すなわち逆流方向に流れる)、その後再び脈動 することとる。
[0043] このため、本空燃比制御においては、酸素センサ 5のサンプリングは、エンジン 1の 排気弁 18 (図 1)力も排出された排気ガスが酸素センサ 5の設置位置に至るまでの時 間、及び後述する(図 8)酸素センサ 5の応答時間の遅れに鑑みて設定されるのであ る。
[0044] ところで、二輪車や四輪車等の車両は、頻繁に加速又は減速を繰り返して運転さ れる。このような車両の急激な加速又は減速が生じその加速状態や減速状態が続 ヽ た場合にはエンジンへの燃料供給量と吸気量の変動時間が継続する。このような時 に、 Oフィードバック制御でエンジンへの燃料供給量を一定の補正量だけ増大又は
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減少させても、酸素線センサの出力がリッチ状態からリーン状態へ又はリーン状態か らリッチ状態へ変転せずに、同一の空燃比状態のエンジンサイクルが長く続くこととな る。その結果、この間は三元触媒装置による排気ガス中の有害ガスの除去が低下す ることとなる。
[0045] このため、本発明に係る Oフィードバック制御は、酸素センサ 5から出力された二値
2
信号に基づいて、空燃比を所定の補正量だけ累積的に増大又は減少させる積分制
御にお 、て、前記空燃比制御にお 、て前記酸素センサの二値信号が所定のェンジ ンサイクル数を超えてリッチ状態又はリーン状態が連続した場合には状態を変化させ るための所定の補正量を増大させるのである。
[0046] 図 4は、本発明の空燃比制御の内容を説明するフローチャートの例を示す。
本空燃比制御(S11)は、排気ガス中に含まれる酸素濃度が所定の閾値を越えるか 否かを示す酸素センサ 5の二値信号に基づ 、て、空燃比を所定の補正量だけ累積 的に増大又は減少させる積分制御について行われるものであるが、二値信号が変化 した時に当該変化後の空燃比の状態を変転させるために空燃比制御量を大きくする 比例制御を含む。
[0047] ここで、 ECU2は、エンジンサイクルが進む毎に(S12)、酸素センサ 5の出力 (リッチ 状態 Zリーン状態の別を示す二値信号)を検知する(S13)。ここで、当該エンジンサ イタルに先行するエンジンサイクル時における二値信号を比較して、状態変化があつ た力否かを検知する(S 14)。
[0048] リッチ状態からリーン状態又はリーン状態からリッチ状態への状態変化があった場 合は、カウンタ (状態継続カウンタ)をタリヤー (0にセット)する(S15)。状態変化が無く 同一の状態が «続していた場合は、カウンタのインクリメント (「 + 1」の加算演算)を行 う(S16)。
[0049] 続いて、カウンタの内容が読み取られ、予め設定された値 (後述する図 5の例では「 3」)と比較し、当該設定値に満たない場合は、通常の空燃比制御(S11)を続行する 。ここで、もしも、カウンタ値が設定値を上回った場合は、当該継続状態において、既 に燃料噴射量を補正量の増大が行われて 、な力つた場合は (S 19)、燃料供給量を 「基本補正量 +追加補正量」だけ増大させるのである(S20)。そして、カウンタ値が 設定値を上回った場合でも、当該継続状態において、既に燃料噴射量を補正量の 増大が行われて 、た場合は、更なる燃料供給量の増大は行わな 、ようにして 、る (S 19→S11)。
[0050] 次に、このような Oフィードバック制御がディセーブル状態にならない限り(S21)、
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上記の空燃比制御が継続されるのである。
[0051] 図 5は、図 4で説明した本空燃比制御が実施された場合のタイムチャートの例を示
す。
図 5に示した例においては、理解し易いように、排気ガス中の酸素濃度が所定の閾 値よりも低 、 (即ち燃料が濃 、)リッチ状態が、後続のエンジンサイクルを跨って続 ヽ た場合のサイクル数をカウントする「リッチ継続カウンタ」と、排気ガス中の酸素濃度が 所定の閾値よりも高 ヽ (即ち燃料が薄 、)リーン状態が、後続するエンジンサイクルを 跨って続 、た場合のサイクル数をカウントする「リーン継続カウンタ」の 2つのカウンタ を記載している力 ECUは、常に何れの常態かを把握しているので一つの状態継続 カウンタとすることが可能である。
[0052] 図 5において、エンジンサイクルが「n」の時、内燃機関の排気経路に設置されてい る酸素センサ (Oセンサ) 5が、先行するエンジンサイクル力も継続してリッチ状態を
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示していたとすると、「リッチ継続カウンタ」は「1」を示す。このため、 ECU2は、空燃比 の積分制御において、空燃比をリーン状態に変転させるベく燃料供給量を所定の補 正量 (基本補正量)だけ減少させて ヽるのである。
[0053] 次に、エンジンサイクルが「n+ l」になると、直前のエンジンサイクル「n」において燃 料供給量が基本補正量だけ減少された結果、酸素センサ 5は、リーン状態に変転し たことを示している。このため、「リッチ継続カウンタ」がタリヤーされると共に、 ECU2 は、空燃比を今度はリッチ状態に変転させるベく燃料供給量を予め設定された基本 補正量だけ増大させる。
[0054] 同様に、エンジンサイクル「n+ 2」においては、直前のエンジンサイクル「n+ l」に て燃料供給量が基本補正量だけ増大された結果、酸素センサ 5は、リッチ状態を示し ている。このため、 ECU2は、空燃比を今度はリーン状態に変転させるベく燃料供給 量を基本補正量だけ減少させる。
[0055] エンジンサイクル「n+ 3」においては、直前のエンジンサイクル「n+ 2」にて燃料供 給量が基本補正量だけ減少されたにも拘らず、酸素センサ 5は、リッチ状態を継続し ている。このため、 ECU2は、空燃比をリーン状態に変転させるベく燃料供給量を基 本補正量だけさらに減少させる。このとき、「リッチ継続カウンタ」はインクリメントされ「 1」を示す。
[0056] エンジンサイクル「n+4」においては、直前のエンジンサイクル「n+ 3」にて燃料供
給量が基本補正量だけ減少されたにも拘らず、酸素センサ 5は、さらにリッチ状態を 継続している。このため、 ECU2は、空燃比をリーン状態に変転させるベく燃料供給 量を基本補正量だけさらに減少させる。このとき、「リッチ継続カウンタ」はインクリメン トされ「2」を示す。
[0057] 次に、エンジンサイクルが「n+ 5」になると、直前のエンジンサイクル「n+ 4」におい て燃料供給量が基本補正量だけ減少された結果、酸素センサ 5は、リーン状態に変 転したことを示している。このため、「リッチ継続カウンタ」がタリヤーされると共に、 EC U2は、空燃比を今度はリッチ状態に変転させるベく燃料供給量を予め設定された基 本補正量だけ増大させる。
[0058] エンジンサイクルが「n+ 6」になると、直前のエンジンサイクル「n+ 5」にて燃料供給 量が基本補正量だけ増大されたにも拘らず、酸素センサ 5は、リーン状態を継続して いる。このため、 ECU2は、リッチ状態に変転させるベく燃料供給量をさらに基本補 正量だけ増大させると共に、「リーン継続カウンタ」をインクリメントし、「1」を示す。
[0059] 同様に、エンジンサイクルが「n+ 7」になると、直前のエンジンサイクル「n+ 6」にて 燃料供給量が基本補正量だけ増大されたにも拘らず、酸素センサ 5は、リーン状態を 継続している。このため、 ECU2は、リッチ状態に変転させるベく燃料供給量をさらに 基本補正量だけ増大させると共に、「リーン継続カウンタ」をインクリメントし、「2」を示 す。
[0060] さらに、エンジンサイクルが「n+ 8」になると、直前のエンジンサイクル「n+ 7」にて 燃料供給量が基本補正量だけ増大されたにも拘らず、酸素センサ 5は、相変わらずリ ーン状態を継続している。このため、 ECUは、「リーン継続カウンタ」は「3」を示すこと となる。
[0061] 本空燃比制御の例においては、同一の状態がエンジンサイクル数で 4回連続した 場合 (即ち、状態継続カウンタが「3」を示した時)には、「基本補正量」に「追加補正 量」を加えた補正量を用いて空燃比の状態変化を速めることとしている。従って、 EC U2は、エンジンサイクル「n+ 8」において、リーン状態からリッチ状態に変転させるベ く、燃料供給量の補正量を「基本補正量 +追加補正量」だけ増大させるのである。
[0062] このような補正量の増大の結果、エンジンサイクル「n+ 9」にお!/、て、酸素センサ 5
は、リッチ状態を示すこととなる。 ECUは、今度は空燃比をリーン状他にするベぐ燃 料供給量を基本補正量だけ減少させると共に、「リーン継続カウンタ」をタリヤーする のである。
[0063] 尚、本発明においては、上記の「追加補正量」は、「基本補正量」の 50%を超えな いようにしている。また、「追加補正量」をカ卩えることによる補正量の増大は、空燃比が リッチ状態又はリーン状態を継続して時に 1回に限って行うこととしている。
[0064] 図 6は、図 4に示した空燃比制御において、エンジンサイクルが進展するに伴って 変化する酸素センサ出力とエンジンへの燃料供給量の関係を示す。但し、図 6では、 図 5に示した同一の状態が連続した場合に、「基本補正量」に「追加補正量」を加える 補正量の増大を行うに必要なエンジンサイクル数の設定等は相違させて 、る。
[0065] 図 6に示した本空燃比制御においては、エンジンサイクル「1」において、酸素セン サ 5がリーン状態を示したので、 ECU2は、後続するエンジンサイクル「2乃至 6」の間 に、燃料供給量を各エンジンサイクル毎に所定量 (基本補正量)だけ増加し続ける積 分制御(I制御: Integration Control)を行っている。この結果、エンジンサイクル「6」に 至って、酸素センサ 5がリーン状態に変転することとなり、 ECU2は、当該変転後のリ ツチ状態を再びリーン状態になるべく速く変転させるために、エンジンサイクル「7」に ぉ 、て燃料供給量を大きく減少させる比例制御(P制御: Proportional
Control)を行っている。
[0066] しかし、その後エンジンサイクル「10」に至るまで、酸素センサ 5は、リッチ状態を継 続していたので、 ECU2は、積分制御に基づいてこの間燃料供給量を基本補正量 だけ連続して減少させ続け、その結果、エンジンサイクル「11」において酸素センサ 5 はリーン状態を示すに至る。
[0067] ここで、 ECU2は、当該変転後のリーン状態を再びリッチ状態に変転させるために、 エンジンサイクル「 12」にお 、て燃料供給量を大きく増カロさせる比例制御(P制御: Pr oportional control) ίτつ一し Vヽる。
[0068] し力し、その後エンジンサイクル「15」に至るまで、酸素センサ 5は、リーンを継続し、 このリーン状態が予め設定されたエンジンサイクル数を越えた (即ち、「状態継続カウ ンタ値」が「設定値」に至った)ことから、 ECU2は、リーン状態力もリッチ状態になるベ
く速く変転させるベぐエンジンサイクル「16において」、太い破線でしめす制御曲線 で示すとおり、燃料供給量の補正量を「基本補正量 +追加補正量」だけ増大させた のである。この結果、本発明に係る空燃比制御においては、エンジンサイクル「21」 において、空燃比カ^ーン状態からリッチ状態に変転したのである。
[0069] 一方、本発明に係る空燃比制御を行わない場合は、細い実線で示すとおり、空燃 比がリーン状態力 リッチ状態に変転するのはエンジンサイクル「23」となり、この間 触媒装置による排気ガス中の有害ガスの浄ィ匕作用は低下することとなるのである。
[0070] 尚、図中、 A点と C点は、積分制御で所定量だけ燃料供給量を増カロしてきたが、当 該点でリッチ状態からリーン状態に切り替わる点を示し、 B点と D点は、積分制御で所 定量だけ燃料供給量を減少させてきたが、当該点でリーン状態力 リッチ状態に切り 替わる点を示す。図 6に示すように、現実の空燃比制御においては燃料供給量の補 正から酸素センサ 5が排気ガス中の酸素濃度を検出するまで、エンジンサイクル数で 数サイクルのタイムラグが生じている。これは、エンジンの排気弁 18(図 1)から排出さ れた排気ガス力 酸素センサの設置位置に至るまでに時間遅れが生じること、及び 図 8で説明するように酸素センサ 5に応答時間に遅れが生じるからである。このため に、酸素センサ 5の出力が、リーンからリッチへ、又はリッチからリーンへその出力が 変化した時 (A、 B、 C及び D点)には、上記した比例制御により、一度大きく燃料供給 量を増加又は減少させて 、るのである。
[0071] 本燃料噴射制御装置において使用される触媒装置は、排気ガス中の CO、 HC及 び NOxの 3成分を浄化する三元触媒である。そして、この触媒装置はマフラー内に 設置され、前記酸素センサは前記触媒装置の入口近傍に設置される。そして、この 酸素センサ 5としては、ジルコユア素子又はチタ-ァ磁器を利用したタイプのものが 利用可能である。ジルコユア素子を用いた酸素センサ 5は、ジルコユアを試験管状に 焼結した素子の内面外面の両面に多孔質の白金電極をコ一ティングした構造とし、 素子外面を排気ガスに接触させ、酸素濃度に応じてジルコユアの固体電池作用によ り電圧を発生する特性を利用している。また、チタ-ァ磁器を用いた酸素センサ 5は、 チタ-ァ (TiO )が11型半導体であることから、その抵抗値がガス中の酸素分圧に依
2
存する性質を利用している。
[0072] 図 7は、酸素センサの出力電圧値〔mV〕と空燃比との関係をグラフで示す。
図 7に示すように、酸素センサ 5の出力(電圧値)は、空燃比が、理論空燃比を挟む 許容幅力 変位する時に、この変位を実質的に二値的な信号として示すものであり、 この酸素センサ 5の出力を実質的に二値的な信号として制御装置 2に送出することに よって、空燃比の標準的な幅を、「理論空燃比 ±0. 3」の幅に制御することが可能と なる。
[0073] 図 8は、酸素センサの応答時間を示し、図 8 (a)は、実際の空燃比がリーンからリツ チになった時に酸素センサ 5の出力が変化するまでの時間の例を示し、図 8 (b)は、 実際の空燃比がリッチ力 リーンになった時に酸素センサ 5の出力が変化するまでの 時間の例を示す。従って、酸素線センサ 5のサンプリングのタイミングは、この応答時 間をも考慮して設定されるのである。
[0074] 図 9は、空燃比と触媒の浄化効率との関係を示すグラフである。
図 9において、横軸 (X軸)は空燃比を示し、縦軸 (Y軸)は触媒 6の浄化効率〔%〕を 示す。図示のように、中心の理論空燃比 14. 60 (±0. 3)の幅で示される領域 (制御 の許容幅)よりも空燃比が小さ!、左側の領域は酸素量が不足するリッチの領域を示 す。このリッチの領域では燃料に比べて酸素が不足するので、窒素酸化物 (NOx)の 発生は抑えられるが、 HC (炭化水素)と CO (—酸化炭素)の発生量が増加する。
[0075] また、中心の理論空燃比 14. 60 (±0. 3)の幅で示される領域 (制御の許容幅)より も空燃比が大きい右側の領域はリーンの領域を示す。このリーンの領域では十分な 酸素量によって HC (炭化水素)と CO (—酸化炭素)の発生は抑えられるが、余分な 酸素によって窒素酸化物 (NOx)の発生量が増加する。
[0076] なお、エンジン排気ガス中に HC (炭化水素)、 CO (—酸ィ匕炭素)、及び窒素酸ィ匕 物 (NOx)が発生する理由を以下で説明する。
[0077] エンジン内で、燃料が完全燃焼する時の反応は、
CxHy + O +N → CO +H O + N (但し、平衡反応を示すものではない)で
2 2 2 2 2
示される。
[0078] これに対し、燃料が不完全燃焼する時の反応は、
CxHy + O +N → CO +H O + N +CO + HC + O /H (但し、空燃比に
依存し、また、平衡反応を示すものではない)で示される。
[0079] 図 10は、過剰率と各種の排気ガス濃度との関係を示すグラフである。図 10のグラフ において、横軸 (X軸)は、空気過剰率え(実測空燃比 Z理論空燃比)を示し、縦軸( Y軸)は排気ガスの窒素酸化物 (NOx)、 CO (一酸化炭素)、及び HC (炭化水素)の 濃度を示す。
[0080] 図 10に示すように、 CO (—酸化炭素)は、空気過剰率えが増大するに従って低下 する(但し、えが 1. 0を少し越えたところで低下率は大幅に低下)ものの、窒素酸ィ匕 物 (NOx)は、空気過剰率えが、 1. 0を少し超えたところで最大となり、 HC (炭化水 素)は、空気過剰率えが 1. 2近辺で最小になる。
産業上の利用可能性
[0081] 本発明は、内燃機関から排出された排気ガス中の酸素濃度を測定して内燃機関に 供給される空気量に対する燃料の含有比率を制御する空燃比制御において、同一 の空燃比状態が継続した場合に、素早く空燃比がリッチ状態からリーン状態へ又はリ ーン状態からリッチ状態へ変転させることにより触媒装置による排気ガスの浄ィ匕能力 を最大限に維持させるものであり、産業上の利用可能性を有する。
図面の簡単な説明
[0082] [図 1]本発明に係る内燃機関における空燃比制御装置を含むエンジンの全体構成の 例を示す。
[図 2]本発明に係る内燃機関における空燃比制御装置における制御構成図の例を 示す。
[図 3]単気筒 4サイクルエンジンのクランク回転角と排気ガスの単位時間毎の流量との 関係を示すグラフの例を示す。
[図 4]本発明の空燃比制御の内容を説明するフローチャートを示す。
[図 5]本空燃比制御が実施された場合のタイムチャートの例を示す。
[図 6]空燃比制御において、エンジンサイクルが進展するに伴って変化する酸素セン サ出力とエンジンへの燃料供給量の関係を示す。
[図 7]酸素センサの出力電圧値〔mV〕と空燃比との関係をグラフで示す。
[図 8]酸素センサの応答時間を示し、(a)部は、実際の空燃比がリーンからリッチにな
つた時に酸素センサ 5の出力が変化するまでの時間の例を示し、(b)部は、実際の空 燃比がリッチからリーンになった時に酸素センサ 5の出力が変化するまでの時間の例 を示す。
圆 9]空燃比と触媒の浄ィ匕効率との関係を示すグラフである。
圆 10]空気過剰率と各種の排気ガス濃度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 :内燃機関(単気筒 4サイクルエンジン)
2 :制御装置 (ECU)
3 :排気管
4 :マフラー
5 :酸素センサ
6 :触媒装置 (三元触媒)
7 :燃料タンク (ポンプ)
8 :吸気スロットル
9 :エアフィルタ
10: :燃焼室 (シリンダ、気筒)
11: :スパークプラグ
12: :ィグニッシヨンコィノレ
13: :インジ工クタ
14: :エンジン温度センサ
15: :クランク回転角センサ
16: :燃料管 (燃料供給パイプ)
17: :吸気弁
18: :排気弁
19: :ISC (アイドル 'スピード 'コントロール)