明細書 サービビン(Survivin)プロモータ一を含む増殖型べクタ一を 有効成分とする医薬 技術分野
本発明は、 サービビン(Survivin)プロモーターを含み、 サービビン (Survivi n) の発現に依存して増殖することにより悪性腫瘍などを治療する増殖型べクタ 一を有効成分とする医薬に関する。 背景技術
悪性腫瘍である癌は日本人の死因の第 1位を占め、 未だに癌を根治できる決定 的な治療法はない。 癌を特異的に標的とする新しい治療法は、 高い治療効果とい う観点だけでなく、 副作用軽減の観点からも期待されているものであり、 癌特異 的標的化を目指した遺伝子治療法の開発が特に期待されている。 腫瘍、 癌を特異 標的化するには様々な方法があるが、 癌や腫瘍細胞でのみ高いレベルで発現する 分子を何らかの形で利用する場合が多い。 このような癌細胞に特異的に発現する 腫瘍特異的分子は、 腫瘍マーカーなどが数多く報告されているが、 その目的のた めの理想的な分子とは、 癌細胞でできるだけ強く発現し、 正常細胞ではほとんど 発現していない分子である。
現在、 癌遺伝子治療において使用されている遺伝子を導入するベクターの大部 分は、 安全性を確保するため、 ウィルスの感染後は治療遺伝子を導入するだけで ウィルスが増殖しないように遺伝子工学的に改変された非増殖型ベクターである 。 ベクター自体の元来の能力としては高い遺伝子導入効率を示すものであっても 、 実際の臨床における in vivoでの投与の場合を考えた場合、 ベクターが非増殖 型である限りにおいて、 ウィルス液が物理的に到達出来ない部位には当然遺伝子 が導入できないという問題がある。 非増殖型のベクターを用いて癌の遺伝子治療
を行う場合、 in vitroの実験系でどれほど遺伝子導入効率の良いベクターを用 いても、 体内の癌細胞全てに遺伝子を導入することは不可能ということになる。 つまり非増殖型ベクターを用いた現在の遺伝子治療法は、 遺伝子が導入されな い細胞にもある程度影響を及ぼすような治療遺伝子を用いらざるを得ないという 大きな制約があり、 その場合でも全ての癌細胞を、 しかも癌細胞のみを標的化し て殺すことは不可能で、 その治療効果は極めて限定的なものである。 このような 遺伝子が導入されない癌細胞からの再発という極めて大きな問題が克服されない 限り、 遺伝子治療により癌の根治を得ることは困難である。
そのため、 これを克服するベクターとして、 癌でのみ増殖するウィルスベクタ 一が報告されている。 その一つとして、 癌細胞でウィルスが増殖し、 正常細胞で 増殖しないように制御するために、 ウィルスベクターの増殖に必要なウィルス遺 伝子を癌特異的な分子のプロモーターで発現させる試みがある (Rodruguez,R. , et, Cancer Res, 57, 2559-2563, 1997) 。 しかし、 癌のみを標的化するという 点での特異性、 またそのプロモーター活性ともに不十分なものであり、 未だ決定 的に有効な増殖型ベクターの開発は成功していない。
このような状況下、 1997年に inhibitor of apoptosis (IAP) gene fami lyの 一員の新規蛋白としてサービビン(Survivin)の報告がある。 サービビン(Surviv in)の大きな特徴は、 癌特異的に発現し、 分化した正常組織での発現はみられな いことである (Ambrosini G et al ;Nat Med. 3, 917 - 921, 1997) 。 また、 細胞 の有糸分裂期である G2/M期に最大発現しており、 分裂していない静止期の細胞 では発現が抑制される (Li F et al !Nature. 396, 580-584, 1998) 。 サービビ ン(Survivin)遺伝子の発現を調節するサービビン(Survivin)プロモーターは、 癌特異的に遺伝子を発現する活性を持ち (Bao R et al ; J Natl Cancer Instl. 9 4, 522-528, 2002) 、 正常細胞ではほとんど遺伝子発現の活性を持たないという 特性を持つ。 したがって、 このサービビン (Survivin) 遺伝子のプロモーター を利用して、 種々の癌治療遺伝子を^細胞特異的に発現させれば、 癌細胞を特異 標的化して死滅させる医薬の開発が可能になると期待されるが、 従来、 サービビ
ン(Survivin)プロモーターを含む増殖型ベクターを有効成分とする医薬につい ての提案はない。 発明の開示
本発明は、 サービビン(Survivin)の発現に依存して増殖するサービビン (Survivin)プロモーターを含む増殖型ベクターを有効成分とする医薬を要 旨とする。 この医薬は、 腫瘍に対する冶療を目的として用いることができ る。 アデノウイルスをベクターとして用いることができる。 アデノウィル スは、 E1A領域の内因 '性プロモーターをサービビン(Survivin)プロモータ —で置換でき、 E1A領域を Rb蛋白結合配列を欠失させても良い。 アデノウイ ルスは、 E1B領域の内因性プロモーターをサービビン(Survivin)プロモータ 一で置換できる。 アデノウイルスは、 E1B領域の蛋白質コーディング領域 を 19KDa蛋白質コーディング領域及び/又は 55KDa蛋白質コーディング領域 としても良い。
本発明は、 サービビン(Survivin)の発現に依存して増殖するサービビン (Survivin)プロモーターを含む増殖型ベクターを有効成分とする医薬を用 いるサービビン(Survivin)が高度に発現する疾患の治療方法を要旨とする 。 この治療方法は、 遺伝子治療として行える。 この治療方法において、 サ ービビン(Survivin)が高度に発現する疾患は悪性腫瘍、 良性腫瘍あるいは 関節リゥマチである。 上記に記載の医薬のいずれかを用いる悪性腫瘍又は 良性腫瘍の治療方法を要旨とする。
本発明は、 サービビン(Survivin)の発現に依存して増殖するサービビン (Survivin)プロモーターを含む増殖型ベクターに治療遺伝子を導入したも のを用いるサービビン(Survivin)が高度に発現する疾患の治療方法を要旨 とする。 この治療法において、 治療遺伝子を自殺遺伝子又はアポトーシス 誘導遺伝子としても良い。
サービビン(Survivin)プロモーターは、 必ずしもヒ トサービビン(Survivin)
プロモーターに限定されるものではなく、 サル、 マウス、 ラットなど他の種のサ ービビン(Survivin)プロモーターを用いても良い。
サービビン(Survivin)プロモータ一を含む増殖型ベクターは、 以下に示すよ うなウィルスの増殖に必要な遺伝子をサービビン(Surv i V i n)プロモーターの制 御下に発現するベクターとできる。 例えば、 E1A領域の内因性プロモーター又は E1B領域の内因性プロモーターをサービビン(Survivin)プロモーターで置換した アデノウイルス、 Rep78と Rep68の內因性プロモーター (p5プロモーター) 又は R ep52と Rep40の内因性プロモーター (ρ19プロモーター) をサービビン(Survivin )プロモーターで置換したアデノ随伴ウィルス、 ICP0、 4、 22、 27蛋白などの初 期発現遺伝子又はチミジンキナーゼ遺伝子の内因性プロモーターをサービビン( Survivin)プロモーターで置換した単純ヘルプスウィルス、 LTR内の内因性 プロモーターをサービビン(Survivin)プロモーターで置換したレトロウィル ス、 レンチナウィルスなどが挙げられるが、 種々のウィルスの増殖に関連 する遺伝子をサービビン(Survivin)プロモータ一依存性に発現させるウィルス ベクターであれば、 ここに挙げたものに限定されるものではない。 アデノウィ ルスの場合、 ヒ トアデノウィルス 5型、 ヒ トアデノウイルス 2型、 その他 の型のヒ トアデノウィルスをはじめ、 他の動物種のアデノウィルスなどを 用いることもできる。
上記のサービビン(Survivin)プロモーターを含む増殖型べクタ一の作製は、 以 下の文献を参照して行うことができる。 アデノウイルスの一般的な取り扱いに関 し飞は、 「Frank L. Graham著、 Manipulation of adenovirus vectors, Chapt er 11, pl09-128j および 「Ε· J. Murray編、 Methods in Molecular Biology, Vol. 7 : Gene Transfer and Expression Protocols (1991)」 、 ァァノウィル スの作製に関しては、 「Chen, S-H. et al. , Combination gene therapy for l iver metastases of colon carcinoma in vivo. Proc. Natl. Acad. Sci. U SA. (1995) 92, 2477-2581.」 に記載の方法に準じて行うことができる。 また、 特願 2003- 283427 (該出願後、 W0 2005/012536、 特開 2005- 46101) に記載の方
法に基づき作製することもできる。 アデノ随伴ウィルスの作製法に関しては、 Lu Y., Stem Cells Dev. 13 (1): 133—45, 2004、 Grimm D., Methods. 28 (2): 146 - 57, 200 2に準じて行うことができる。 ヘルぺスウィルスの作製に関しては、 Burton EA, · et al, DNA Cell Biol. 21 (12) : 915- 36, 2002、 Burton EA, et al, Curr Opin Bi otechnol. 13 (5): 424-8, 2002 に準じて行うことができる。 レトロウイルスの作 製に関しては、 Kosai KI, et al, Hum Gene Ther. 9 (9) : 1293- 301, 1998、 Kay MA , et al, Hum Gene Ther. 3 (6) : 641- 7, 1992に準じて行うことができる。 レンチウ ィルスの作製に関しては、 Naldini L. , Curr Opin Biotechnol. 9 (5) : 457-63, 199 8に準じて行うことができる。 また、 プラスミ ド、 DNA、 各種酵素、 大腸菌、 培 養細胞などを取り扱う遺伝子工学技術は、 「Current Protocols in Molecular Biology, F. Ausubelら編、 (1994) , John Wi ley & Sons, In 」 および 「Cu lture of Animal Cells ; A manual of Basic Technique, R. Freshney編、 第 2 版(1987) , Wiley- Lissj に記載の方法に準じて行うことができる。
本発明の医薬は、 有効成分の増殖型ベクターと薬学的に許容される賦形 剤、 担体、 溶剤などの助剤とを混合し、 注射剤などの種々の製剤形態で用 いることができる。 また、 本発明の医薬の投与態様は特に限定されず、 例 えば注射、 カテーテル、 バルーンカテーテルなどにより投与できる。
本発明の医薬の投与量は、 投与を受ける者の病態、 年齢、 体重などを考 慮して適宜増減できるが、 ウィルス感染力価 pfu (plaque forming unit ) で I X 101D Pfuの増殖型アデノウィルスの投与がヒ トにおける臨床試験にお いて安全十生が確認されている (Nemunaiti s J., et al, Cancer Res. 2000 60 : 6359-6366) ので、 同量が投与量の目安になる。 ただし、 疾患やウイ ルスベクターの種類によっては I X liTpfu以下又は以上でも安全かつ有効 に使用できる。
本発明の医薬は、 遺伝子治療に用いられ、 サービビン(Survivin)が高度 に発現する疾患、 病態、 例えば腫瘍 (悪性腫瘍、 良性腫瘍) 、 関節リウマ チ (関節滑膜細胞の抑制) 、 ウィルス性肝炎 (ウィルス感染細胞の抑制)
、 血管 ·肝臓の損傷後に出てくる不良組織 (線維組織、 肉芽組織など) の 抑制など異常細胞で特異的に増殖してこれを死滅させ、 正常細胞では増殖 しないので、 副作用を抑制してこれらの疾患、 病態を冶療できる。 また、 本発明の医薬は、 増殖ベクターにこれらの疾患の治療遺伝子を組み込むこ とにより冶療効果を高めることもできる。 図面の簡単な説明
第 1図は、 プラスミ ド ρ Δ Ρ E1A- CMV. 19Kの作製に用いた PCRプライマー及び PCR反応の条件を示す。 第 2図は、 プラスミ ド p APr. ElA- CMV. 19Kの作製に用い た PCRプライマー及び PCR反応の条件を示す。 第 3図は、 各種癌細胞および正常細 胞におけるサービビン (Survivin) 遺伝子の発現を示すァガロース電気泳動の 写真像である。 ost:骨芽細胞、 Neg. :ネガティブコントロール、 HPRT:インタ ーナルコントロールである。 第 4図は、 各種癌細胞および正常細胞における TER T遺伝子の発現を示すァガロース電気泳動の写真像である。 Osteo- blast:骨芽 細胞、 Neg. :ネガティブコントロール、 HPRT: インターナルコントロールであ る。 第 5図は、 各種癌細胞および正常細胞におけるマウスサービビン (Survivi n) プロモーターの活性を RSV、 CMVプロモーターと比較した結果である。 RSVプ 口モーターは、 非特異的な (すべての細胞で活性を持つ) プロモーターである。 第 6図は、 各種癌細胞おょぴ正常細胞における増殖型アデノウィルスベクター の増殖を指標として EGFP陽性率をモニタリングしたグラフである。 感染後の日 数を横軸、 M0Iを縦軸にとり、 それぞれ EGFP100°/。となったポイントをプロットし たものである。 第 7図は、 各種癌細胞及び正常細胞における増殖型アデノウィル スベクターの増殖を指標として CPEの出現をモニタリングしたグラフである。 感 染後の日数を横軸、 M0Iを縦軸にとり、 それぞれ CPEが出現したポイントをプロ ットしたものである。 第 8図は、 各種細胞に Ad. Surv-EIA (増殖型ベクター) 、 Ad. Surv-EIA Δ 24 (増殖型ベクター) 及び Ad. Δ Ε1 (非増殖型ベクター) をそれぞれ感染させ、 フローサイ トメータ一で解析した EGFP陽性率を示す
グラフである。 第 9図は、 各種細胞に Ad. Surv- E1A、 (1. 751^-£1 及ぴ (1. 厶 Elをそれぞれ感染させ、 フローサイ トメ一ターで解析した EGFP陽性率を 示すグラフである。 *Pく 0. 05で、 #は感染細胞が CPEとなり、 培養皿から剥 がれて測定不能であったことを示す。 第 1 0図は、 Ad. Surv-ElA、 Ad.厶 El を各々腫瘍內注入後の腫瘍体積の変化を示すグラフである。 第 1 1図は、 Ad. Su rv-ΕΙΑ, Ad. TERT- E1A、 Ad. Δ Ε1を各々腫瘍内注入後の腫瘍体積の変化を示す グラフである。 *Pく 0. 05、 * *Pく 0. 005は Ad. Δ Ε1に対するものである。 第 1 2 図は、 サービビン(Survivin)プロモーター、 RSV (Rous Sarcoma Virus)プロモ 一ター及ぴ TERT (Telomerase Reverse Transcriptase)プロモーターの活个生を比 較したグラフである。 第 1 3図は、 各種細胞でのサービビン (Survivin) プ 口モーターと TERTプロモーターの活性を CMVプロモーター活性に対する相 対比として計算しプロッ トしたグラフで、 縦軸はプロモーターの比活性を 示す。 第 1 4図は、 TERTプロモーターを含む増殖型アデノウイルスとサー ビビン(Survivin)プロモーターを含む増殖型アデノウイルスの増殖能の比 較を示すグラフである。 第 1 5図は、 各種細胞に Ad. Surv- E1A、 Ad. Surv-E 1A厶 24及び Ad. Δ Ε1を感染させ、 それらの細胞死誘導能の解析したグラフ で、 縦軸は各種細胞の生存率を示す。 *Pく 0. 05、 * *Pく 0. 001は非感染群に対 するものである。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明をベクターとしてアデノウィルスを用いた実施例を挙げ説明する 力 本発明はこれらに限定される.ものではない。 なお、 実施例中のプラスミ ド、 DNA、 各種酵素、 大腸菌、 培養細胞などを取り扱う遺伝子工学技術は、 特に断ら ない限り、 既述の文献に記載の方法に準じて行った。 また、 特に断りがない限り 、 アデノウイルスの一般的な取り扱い及ぴアデノウイルスの作製については、 既 述の文献に記載の方法に準じて行った。 また、 有意差の検定は、 t検定で行った
〔実施例 1〕 (サービビン(Survivin)プロモーターを含む増殖型アデノウィル スベクターの作製)
BALB/Cマウスより肝臓の一部を採取し、 セパジーン (三光純薬社) を用いて 、 染色体 DNAを採取した。 このマウス染色体 DNAを鎳型として、 マウスサービビ ン(Survivin)プロモーターに特異的なプライマーセットを用いた genomic PCRに より、 マウスサービビン(Survivin)プロモーターをクローニングした。 センス プライマー (5 ' -AGATGGGCGTGGGGCGGGAC-3 ' 、 配列番号 1) とアンチセンスプラ イマ一 (5, -TCCGCCAAGACGACTCAAAC-3 ' 、 配列番号 2) は、 北海道システム .サ ィエンス社に依頼して合成したものを用いた。 これを電気泳動、 精製後、 サービ ビン(Survivin)プロモーターとして Tベクターの PGEM-T- Easy (PR0MEGA社) に T4 DNAライゲース (宝酒造社) でライゲーシヨンして揷入し、 pGEM- T- Easy/mSurv. pを得た。 クローニングしたサービビン(Survivin)プロモーターは、 DNAシーケ ンサ一にて正しい塩基配列であることを確認した。 pGEM- T- Easy/mSurv. pを制限 酵素 Spelで消化後、 T4DNAポリメラーゼにて平滑末端化した。 これを Notlにより 消化し、 サービビン(Survivin)プロモーターを切り出した。
上記で得たマウスサービビン(Surv i V i n)プロモーターを含む増殖型アデノウ ィルスベクター Ad. Surv- E1A- CMV- 19K/CMV-EGFP (以下、 「Ad. Surv - E1A」 とい うことがある) を以下に示すように特願 2003- 283427 (該出願後、 W0 2005/0125 36、 特開 2005- 46101) に記載の方法で作製した。 すなわち、 E1A遺伝子の発現が サービビン(Survivin)プロモーターにより制御され、 E1B19K遺伝子の発現が CMV プロモーターにより制御されるプラスミド pSurv. E1A- CMV. 19Kを作製し、 次いで このプラスミ ドに標識 (マーカー) 遺伝子として EGFP (enhanced green fluores cent protein) が組み込まれたプラスミド pSurv. E1A- CMV. 19K/CMV- EGFPを作製 した。 これを 293細胞にトランスフエクシヨンして Ad. Surv- E1A- CMV- 19K/CMV - EG FPを作製した。 以下、 詳細に説明する。
まず、 ρ Δ Ρι·. E1A-CMV. 19Kを以下のように作製した。 アデノウイルスベクター の構築プラスミドベクターとして ρΗΜ5を用いた。 ρΗΜ5は、 Sphl、 Pstl、 Hindi, X
bal、 BamHI、 Kpnl、 Sacl、 EcoRIの制限酵素認識配列を有するクローユングべクタ 一で、 Dr. Mark A Kay (Stanford University)から供与をうけた (詳細は、 Human Gene Therapy, 10 : 2013-2017, 1999に記載)。 ヒト 5型アデノウイルスゲノム 5, 側配列を含むプラスミド pXClは Microbix (Tronto, Canada)より購入した。 アデノ ウィルスゲノムの E1A蛋白のコーディング領域からポリアデニレーションシグナル までを含み、 内因性のプロモーターは含まない領域 (474〜: 1658 bp) 、 ElB19KDa 蛋白のコーディング領域 (1684〜2285 bp) のみでその内因性のプロモーター及び ポリアデニレーシヨンシグナルは含まない領域は、 それぞれ pXClを铸型として、 Siた Bovine growtn hormone polyadenylation signal sequence (BGHp:牛成; ¾因 子ポリアデ二レーションシグナル配列)は pRc/RSV(Invitrogen、 カタ口グ番号 A - 15 0307) を铸型として、 第 1図に示したプライマーセットにより K0D DNAポリメラー ゼ (東洋紡、 カタログ番号 K0D-101) を用いた PCR法にて増幅し、 クローニングし た。 なお、 ここで用いた E1Aのセンスプライマー(S- E1A、 配列番号 3)には Sphl、 No tl、 SnaBI、 Mlul各制限酵素の認識配列、 同アンチセンスプライマー(AS- E1A、 配 列番号 4)には Sall、 Avrllの認識配列、 ElB19KDaのセンスプライマー(S- E1B19K、 配列番号 5)には Avrll 、 Sail, Ndel、 EcoRV、 Mf el各制限酵素の認識配列、 同アン チセンスプライマー(AS- E1B19K、 配列番号 6)には BamHIの認識配列、 BGHpA用のセ ンスプライマー(S_BGHpA、 配列番号 7)には BamHIの認識配列、 同アンチセンスプラ イマ一(AS- BGHpA、 配列番号 8)には 34bpの LoxH配列と EcoRI認識配列がそれぞれ付 加されている (各プライマーのシークェンスと各 PCRの条件は第 1図を参照) 。 次に、 上記で得た E1Aのコーディング領域の PCR産物と pHM5を制限酵素 Sphl (宝 酒造、 カタログ番号 1180A) と Sail (東洋紡、 カタログ番号 SAL-111) にて消化し 、 T4 DNAライゲース(宝酒造、 カタログ番号 6022) にてライゲーシヨンを行ない、 pHM5に E1Aのコーディング領域が組み込まれたプラスミ ド p APr. E1Aを作製した。 また、 上記で得た E1B19Kのコーディング領域を含む PCR産物と ρ ΔΡΓ. ΕΙΑを、 Sal I、 BamHI (東洋紡、 カタログ番号 BAH- 111) で消化し、 T4 DNAライゲースでライゲ ーシヨンを行ない、 プラスミ ド ρ ΔΡι·. Ε1Α- Δ Pr. 19Κ ΔρΑを作製した。 さらに、 上
記で得た PCR産物の BGHpAと p APr. ElA - ΔΡι·19Κ ΔρΑを共に BaraHI、 EcoRI (東洋紡、 カタログ番号 ER0271) で消化し、 ライゲーシヨンを行ない、 p APr. ElA- APr. 19K- BGHpA (以下、 BGHpAは省略し、 p APr. E1A - A Pr. 19Kと表す) を作製した。 クロー ユングに PCR法を用いたために起こり得る塩基配列の変異の可能性を除去するため 、 p APr. ElA- APr. 19Kの DNA配列は、 DNAシーケンサー(Applied Biosystems社、 AB I PRISM 310 Genetic Analyzer)にて正しい配列であること、 また目的の DNA構築 が作製できていることを確認した。 以降も、 PCR法を用いてクローユングした DNA は、 必ず同様に DNAシークェンサ一を用いて確認した。
このようにして作製した p APr. ElA- APr. 19Kは、 pHM5のバックグラウンドを持 つプラスミドで、 その中に上流より、 マルチクローニングサイトとして Sphl、 Not I、 SnaBI、 Mlulの各制限酵素の認識配列、 E1A蛋白のコーディング領域、 マルチク ローニングサイトとして Sall、 Ndel、 EcoRV、 Mfelの各制限酵素の認識配列、 E1B1 9KDa蛋白のコーディング領域、 BGHpA、 LoxH配列を含み、 E1Aと ElB19KDaの上流の マルチクローユングサイトを用いて、 上流にプロモーターを自由に揷入すること ができる。 また、 この E1Aと ElB19KDaの上流のマルチクローニングサイトには SnaB Iと EcoRVという平滑断端となる制限酵素サイトをそれぞれ一つは用いているため 、 如何なる制限酵素で切り出してきたプロモーター配列でも、 それを平滑断端処 理した後にライゲーシヨンすれば Ρ Δ ΡΓ. ΕΙΑ- Δ ΡΓ. 19Kに簡単に確実に組み込むこ とができる。
Ρ Δ ΡΓ. ΕΙΑ- Δ ΡΓ. 19Kに恒常的強発現プロモーターである CMV (Cymomegalovirus) プロモーター (Boshart, M., et al, Cell, 41, 521—530, 1985, Nelson, JA., et al, Mol. Cell. Biol., 7, 4125-4129, 1987) を E1B19Kの上流に揷入したプラス ミドを作製した。 CMVプロモーターは、 プラスミド pRc/CMV (Invitrogen, カタ口 グ番号 A- 150307) を铸型として、 Sail認識サイトをつけたセンスプライマー (S-C MVp、 配列番号 9) と Mfel認識サイトをつけたアンチセンスプライマー (AS- CMVp、 配列番号 10) で PCRを行なつた(各プライマーの配列と PCRの条件は第 2図に記載) 。 この PCR産物 (pRc/CMVの 231〜893) と、 p APr. E1A - APr. 19Kを Sail (東洋紡、
カタログ番号 SAL- 111) 、 Mfel (New England Biolabs、 カタログ番号 R0589S) で 消化し、 T4 DNAライゲースを用いてライゲーシヨンを行ない、 E1B19Kの上流に CMV プロモータ^ "を挿入し、 p A Pr. E1A-CMV-19Kを作製した。
p A Pr. E1A-CMV. 19Kを Mlulにて消化、 T4DNAポリメラーゼにて平滑末端化した 後、 Notlで消化した。 さらに自己ライゲーシヨン防止のために Calf intestine alkal inphosphatase (CIP:牛小腸アル力リホスファターゼ、 宝酒造社)で脱リ ン酸化した後、 上記で得たサービビン(Survivin)プロモーターを T4 DNAライゲ ースでライゲーションして揷入し pSurv. E1A- CMV. 19Kを得た。
次いで、 EGFP ^enhanced green fluorescent protein) を糸且み: ん 7こ pSurv. El A- CMV. 19K/CMV- EGFPを以下のように作製した。
pSurv. E1A-CMV. 19Kに Creリコンビネーション反応を利用して自由に揷入できる プラスミドを作製した。 まず、 LoxP配列を持ち、 EGFPおよびそのプロモーターを 組み込めるプラスミドを以下のようにして作製した。 pUni/V5- HisC (Invitrogen 、 Carlsbad, CA, 製品番号 ET003- 11) の Kn (カナマイシン) 耐性遺伝子を Bglll (東洋紡、 カタログ番号 BGL- 211) と Smal (東洋紡、 カタログ番号 SMA - 111) で切 り出し、 T4 DNAポリメラーゼにて平滑末端化し、 自己ライゲーシヨンを防ぐため に CIP処理した。 pBR322 (東洋紡、 カタログ番号 DNA- 003) より Tc (テトラサイク リン) 耐性遺伝子を Sspl (東洋紡、 カタログ番号 SSP- 101) と Styl (New England Biolabs、 Beverly, MA、 カタログ番号 R0050S) にて消化した後、 T4 DNAポリメラ —ゼにより平滑末端化した。 これを、 上記のように Kn耐性遺伝子が除かれて平滑 末端化されている pUni/V5-HisCに T4 DNAリガーゼを用いてライゲーションして揷 入し、 Kn耐性遺伝子を Tc耐性遺伝子に入れ替えたプラスミド pUni/V5- HisC- Tcを作 製した。 さらに、 この pUni/V5- HisC- Tcを Xholで消化し、 T4 DNAポリメラーゼによ る平滑末端化、 CIPにて処理した。 一方、 先に記したように、 プラスミド pRc/CMV を铸型として Sailサイトをつけたセンスプライマー (S - CMVp、 配列番号 9) と Mfel サイトをつけたアンチセンスプライマー (AS- CMVp、 配列番号 10) で PCRすること により得た CMVプロモーターを Sall、 Mfel酵素で切り出し、 T4 DNAポリメラーゼで
平滑末端化したものと、 上記の平滑末端化された pUni/V5-HisC - Tcとを T4 DNAリガ ーゼでライゲーシヨン反応を行ない、 pUni/V5- HisC- Tc- CMVを作製した。 pUni/V5 - HisC- Tc- CMVは、 pUni/V5- HisC- Tcに CMVプロモーターを揷入したプラスミドであり 、 CMVプロモーターの下流に、 発現させたい目的の遺伝子をマルチクローニングサ ィトの Agel、 Apal、 Stulのいずれかを用いて、 挿入することができる。 そして、 C MVプロモーターと、 その下流に挿入された遺伝子は Cre発現により、 前項に記載し た E1Aを制御する pSurv. E1A-CMV. 19Kに挿入することができる。
次いで、 pEGFP- CI (CL0NETECH, カタログ番号 6084-1) を Bcir消化し、 T4 DNAポ リメラーゼにて平滑末端化した後、 Agel消化にて EGFPの cDNAを切り出した。 一方 、 pUni/V5-HisC- Tc-CMVを Apal消化し、 T4 DNAポリメラーゼにて平滑末端化した後 、 Agelで消化して、 これに上記の切り出した EGFPの cDNA断片を T4 DNAリガーゼで ライゲーシヨンして挿入し、 pUni/V5- HisC- Tc- CMV- EGFPを得た。 pUni/V5- HisC - Tc - CMV - EGFPは、 CMVプロモーターから EGFPが発現できる発現ベクターであると共に 、 E1Aをサービビン(Survivin)で制御する pSurv. E1A- CMV. 19Kに Creリコンビネー ション反応により CMV- EGFP遺伝子が挿入できるものである。
pSurv. E1A-CMV. 19Kと pUni/V5- HisC-Tc-CMV- EGFPとは、 Creリコンビナーゼで容 易にリコンビネーション (LoxP、 LoxH配列を認識して 2つのプラスミ ドカ S1つに繋 がる反応) することができる。 pSurv. E1A-CMV-19Kと pUni/V5- Hi sC - Tc-CMV - EGFP をそれぞれ lOOngずつ Creリコンビナーゼと反応 (37°C、 20分間) させる。 次いで 、 65°C、 5分間処理して Creを不活化し、 反応を停止した。 この反応液をコンビテ ント細胞 DH5 a (東洋紡、 カタ口グ番号 DNA- 903) に形質転換し、 テトラサイクリ ン (7· 5 μ β/ηι1, 和光純薬、 カタログ番号 205-08S91) を含む LB (Luria-Bertani, nacalai tesque, カタログ番号 20066- 95) ァガロースプレート上で培養する。 pS urv. E1A- CMV. 19Kは、 Kn耐性遺伝子のためコロニーを形成できず、 pUni/V5- HisC - Tc-CMV- EGFPも R6K Vという特殊な Ori (大腸菌複製開始点) をもっため DH5 aでは コロユーを形成できない。 これに対して、 pSurv. E1A- CMV. 19Kと pUni/V5- HisC - Tc -CMV- EGFPとがリコンビネーシヨンして作製されたプラスミドは pUC Or iと Tcrの両
者を持っため、 コ口-一を形成することができる。 Creリコンビナーゼは、 Cre遺 伝子を発現するアデノウィルスベクター AxCANCre (理化学研究所 DNAバンクより供 与)を用いて抽出を行った。 すなわち、 アデノウイルスによる遺伝子導入効率の高 ぃヒト肝癌細胞である HepG2細胞 (東北大学加齢医学研究所附属医用細胞資源セン ターより供与) 10cm径培養皿 1枚に 30 M0I (多重感染度、 1 M0I = 1 plaque formin g unit/cell) で AxCANCreを感染させ、 3日後にトリプシン (nacalai tesque、 力 タログ番号 35555- 54) 処理にて細胞を剥がし、 PBSにて洗浄後、 Lysisバッファー (20mM Tris pH 7. 5, 150mM NaCl, lOmM MgCb, 10%glycerol, 1 %protease inh ibitorcocktail (SIGMA, カタログ番号 P2714) ) 200 μ 1にて溶解し、 凍結と融解を 3回繰り返して Creリコンビナーゼを得た。 この Creリコンビナーゼを用いて反応さ せたところコロニーが得られ、 しかも出現したコロニーはすべて陽性クローンで あった。 この反応によってプラスミド pSurv. ElA- CMV. 19K/CMV- EGFPを得た。
上記で得た pSurv. E1A-CMV. 19K/CMV - EGFPをアデノウィルスゲノムを含む 30. 3kbのプラスミ ド pAdHM4 (Dr. Mark A. Kay , Stanford Universityから供与) に 組み込み、 pAd. Surv- E1A-CMV-19K/CMV- EGFPを得た。 この pAd. Surv- E1A- CMV- 19 K/CMV- EGFPを制限酵素 Paclにて消化、 293細胞にトランスフエクシヨンするとァ デノウィルスのプラークが出現した。 これを採取して 293細胞に感染させて増幅 し、 塩化セシウムの濃度勾配超遠心法にて濃縮、 脱塩カラム (Biolad社) にて 精製し、 増殖型アデノウィルスベクター Ad. Surv- E1A- CMV-19K/CMV - EGFPを得た
〔実施例 2〕 (種々の癌細胞、 正常細胞におけるサービビン(Survivin)遺伝子 の発現)
各種癌細胞におけるサービビン(Surv i v in).の発現を確認するために、 RT- PCR を行った。 まず、 種々の癌細胞 (醒- 1、 MKN-28, MKN - 45、 HCT- 15、 LoVo、 Colo -205、 Hep- G2、 Hep- 3B、 Hela、 H0S- MNNG、 KH0S- NP、 SaOs- 2) をトリプシン (N acalai Tesque社) 処理により回収した後、 セパゾール RNA I Super (Nacalai Tesque社 カタログ番号 304- 86) 1mlを加えてホモジナイズし、 クロ口ホルム
により水相とフエノール相に分離し、 水相をィソプロパノールにて沈殿させた。 遠心後、 70%エタノールにて懸濁、 再度遠心して RNAを抽出した。 l ^ gのトー タル RNAを SuperScriptll逆転写酵素 (Invitrogen社) を用いて逆転写し、 相補 的 DNA (cDNA)を得た。 また、 正常細胞の WI-38、 ヒ ト初代培養骨芽細胞 (三光純 薬) の 0ST、 陽性のコントロールとして 293細胞についても同様に行った。
サービビン(Survivin)のセンスプライマー (5, - GCATGGGTGCCCCGACGTTG-3, 、 配列番号 11) とアンチセンスプライマー (5 ' -GCTCCGGCCAGAGGCCTCAA-3 ' 、 配列番号 12) (Kaj iwara Y, et al,: Cancer, 97, 1077-1083, 2003) は北海道シ ステム ·サイエンス社に依頼して合成したものを用いた。 インターナルコント口 —ルにヒポキサンチンフォスホリボシルトランスフェラーゼ (HPRT) を用いた 。 PCR法は、 Promega Taq (Promegaカタログ番号 M1865) を使用し、 熱変性 94°C 、 30秒、 アニーリング 56°C、 1分、 伸長反応 72°C、 1分、 40サイクルで行った。 H PRTはアニーリング温度を 57°Cとして、 35サイクルで同様に行った。 PCRサーマ ルサイクラ一は、 Biometraの T3 Thermocyclerを使用した。 結果は、 第 3図に示 した通り、 肝細胞癌 (Hep- G2、 Hep- 3B) で発現が強く、 大腸癌 (HCT- 15、 Lovo 、 Colo- 205) で発現が弱いなど、 癌細胞種間で発現の強弱に差がみられたが、 全体的に癌細胞に広く発現を認めた。 正常細胞の WII- 38、 ヒ ト初代培養骨芽細 胞 (三光純薬) の 0STでも若干の発現を認めた。
〔実施例 3〕 (種々の癌細胞、 正常細胞における TERT遺伝子の発現) 各種癌細胞における TERTの発現を確認するために、 RT- PCRを行った。 ま ず種々の癌細胞 (MKN- 1、 MKN- 28、 MKN- 45、 HCT- 15、 LoVo、 Colo-205、 Hep - G2、 Hep- 3B、 Hela、 H0S- MNNG、 KH0S- NP、 SaOs-2) をトリプシン (Nacala i Tesque社) 処理により回収した後、 セパゾール RNA I Super (Nacalai Tesque社 カタログ番号 304-86) 1mlを加えてホモジナイズし、 クロロホ ルムにより水相とフエノール相に分離し、 水相をィソプロパノールにて沈 殿させた。 遠心後、 70%エタノールにて懸濁、 再度遠心して RNAを抽出 した。 1 μ gのトータル RNAを SuperScriptll逆転写酵素 (Invitrogen社) を
用いて逆転写し、 相捕的 DNA (cDNA)を得た。 また、 正常細胞の WI- 38、 ヒ ト 初代培養骨芽細胞 (三光純薬) の Osteo- blastについても同様に行った。
TERTのセンスプライマー (5, - TTCCTGCACTGGCTGATGAGTGT - 3, 、 酉己歹幡 号 13) とアンチセンスプライマー (5, -CGCTCGGCCCTCTTTTCTCTG-3 ' 、 配 列番号 14) (Yan P , et al,: Cancer Res, 59, 3166- 3170, 1999) は北海道 システム · サイエンス社に依頼して合成したものを用いた。 ィンターナル コン ト口一ノレにヒポキサンチンフォスホリボシノレトランスフェラーゼ (HP RT) を用いた。 PCR法は、 Promega Taq (Promegaカタログ番号 M1865) を 使用し、 熱変性 94°C、 30秒、 アニーリ ング 59°C、 1分、 伸長反応 72°C、 1分 、 35サイクルで行った。 HPRTはアニーリング温度を 57°Cとして、 35サイク ルで同様に行った。 PCRサーマノレサイクラ一は、 Biometraの T3 Thermocy clerを使用した。 結果は第 4図に示した通り、 癌細胞種間で発現の強弱に 差がみられたが、 全体的に癌細胞に広く発現を認めた。 また、 正常細胞の WII-38S ヒ ト初代培養骨芽細胞 (三光純薬) では発現を認めなかった。 〔実施例 4〕 (サービビン(Survivin)プロモーターの活性)
上記でクローユングしたマウスサービビン(Survivin)プロモータ一を組み込 んだ Ad. Surv- LacZを作製 '精製した。 対照として Ad. CMV- LacZ、 Ad. RSV-LacZ を用いた。 各種癌細胞を 6 well plateに 5 X 105/wellで培養し、 翌日に Ad. CMV - cZ、 Ad. RSV-LacZ, Ad. Surv-LacZをそれぞれ丽 (multipl icity of infect ion、 多重感染度: 1 M0I = 1 plaque forming unit/cel l) 30で感染させた。 翌日、 蛋白回収し、 lC^ gの蛋白量で ]3 - galactosidase assayを行った。 結果 は第 5図に示した。 全体的にみて、 サービビン(Survivin)プロモーターの活性 は CMV、 RSVと比べて強いことが分かった。 個々を見ていくと、 サービビン(Surv ivin)が強く発現している Hep- G2、 Hep- 3Bは強いプロモーター活性を示している 。 しかし、 RT-PCRによるサービビン(Survivin)遺伝子の発現とプロモーター活 性の強さは必ずしも相関するものではなかった。 なお、 Ad. CMV-LacZは、 Dr. Z ong Sheng Guo, Department of Surgery and Cancer Institute, University
of Pittsburg より供与を受けた (Gene Ther, 1996 ; 3 (9) : 802- 810に記載の方 法と同様に作製したもの) 。 また、 Ad. RSV-LacZは以下のように作製した。 プ フス KpMV-LacZ (Dr. Gretchen Darlington, Baylor College of Medineより 供与)を制限酵素 Notlで消化して LacZコーディング領域を切り出し、 制限酵素 No tlで消化したプラスミ ド pAdL. 2/RSV/hPAH (Dr. Zong Shebg Guoより供与)にラ ィゲーシヨンして pAd. RSV- LacZを得た。 更に、 Ad. Surv- LacZは、 以下のよう に作製した。 プラスミ ド pHM- CMV6 (Dr. Mark A Kayより供与)から CMVプロモータ 一を制限酵素 Munl/Nhelで切り出して除いた平滑末端化した pHM- A Pr. 6に、 pGE M-T- Easyより制限酵素 EoRIで切り出したサービビン(Survivin)プロモーターを 滑末端化してライゲーシヨンし、 pHM- Surv. pを得た。 これに PAd. RSV- LacZより 制限酵素 Not Iで切り出した LacZ遺伝子をライゲーシヨンして pHM- Surv-LacZを 得た。 この pHM- Surv- LacZを I- Ceu/PI- Seelで消化して、 同様に I- Ceu/PI- Seel で消化した pAd. HM4にライゲーションして pAd. HM4- Surv- LacZを得た。 これを 29 3細胞にトランスフエクシヨンして Ad. Surv - LacZを得た。
〔実施例 5〕 (種々の癌細胞におけるサービビン(Survivin)プロモーターを含 む増殖型アデノウィルスベクターの増殖能の解析)
各種癌細胞を 24wel l plateに 8 X 104個/ wellで培養し、 翌日、 増殖型べクタ 一の Ad. Surv- E1A - CMV- 19K/CMV-EGFP (Ad. Surv- E1A) 、 対照として El欠失の非 増殖型 ADVである Ad. ΔΕΙ-GFP (以下、 Ad. ΔΕ1ともいう) をそれぞれ M0I 0、 0. 0 1、 0. 1、 1、 10、 100で感染させた。 翌日より蛍光顕微鏡下で EGFP陽性率を観察 しながら、 細胞傷害 (CPE) の出現にて、 経時的に増殖型アデノウイルスの増殖 能をモニタリングした。 結果は第 6図、 第 7図に示した。 すべての癌細胞で、 A d. A E1に比べ Ad. Surv- E1Aの増殖が著明であった。 Ad. Surv - E1Aを感染させた群 は、 感染後 3日で、 MOI100ではすベての癌細胞が EGFP陽性率 100%、 ΜΟΠ0でも KH0 S- NP、 SaOs- 2を除く他のすべての癌細胞では EGFP陽性率 100%であった。 同じく 感染後 3日で MOI100では KH0S- NP、 SaOs- 2を除く他のすべての癌細胞で CPEが出現 しており、 両者の関係はよく相関していた。 時間の経過と共に程度の差はあるが
EGFPの陽性率、 CPE共に増強していつた。 EGFPというマーカー遺伝子で観察され る増殖型アデノウィルスの増殖と、 細胞の傷害を表す CPEが相関して出現したこ とから、 Ad. Surv - E1Aがサービビン(survivin)発現細胞で増殖し、 その毒性によ り細胞を死滅させることができることが証明された。 なお、 Ad. ΔΕ1 - GFPは以下 のように作製した。 プラスミ ド pHM- CMV6 (Dr. Mark A Kayより供与)を制限酵素 X balで消化、 平滑末端化し、 続いて制限酵素 Nhelで消化した。 これに pEGFP- Cl ( CL0NTECH、 Palo Alto, CA)より制限酵素 Bellで消化、 平滑末端化し、 続いて制 限酵素 Nhelで消化して切り出した EGFPをライゲーシヨンし、 pHM- CMV- EGFPを得 た。 この pHM- CMV- EGFPを I- Ceu/PI- Seelで消化して、 同様に I- Ceu/PI- Seelで消 化した pAd- HM4にライゲーシヨンして pAd. HM4- CMV- EGFPを得た。 これを 293細胞 にトランスフエクションして Ad. Δ El- GFPを得た。
また、 EGFP陽性細胞の割合を定量的に評価するためにフローサイ トメ一 ターによる解析を行った。 すなわち、 Hep- G2、 H0S-MNNG, 訂- 38を 10cm径 培養皿に培養し、 翌日 Ad. Surv-EIA (増殖型ベクター) 、 Ad. Surv-EIA Δ 24 (増殖型ベクター) 、 Ad. A El (非増殖型ベクター) をそれぞれ M0I 0. 1 (H ep - G2)、 M0I 1 (HOS- M蘭 G、 WI- 38)で感染させた。 感染 24時間後に各細胞を 回収し、 4%パラホルムアルデヒ ドで固定し、 フローサイ トメーター (Beet on Dickinson社、 FACSCal ibur, CELLQuest software) で EGFP陽性率を測 定した。 図 8に示すように、 各種細胞で Ad. Δ Ε1感染群はほぼ同等の EGFP 陽性率となっている (つまり、 ほぼ同等の導入効率の条件で行っている) 力 S、 Ad. Surv-EIA, Ad. Surv-ΕΙΑ Δ 24感染群では癌細胞の Hep- G2、 H0S - MNNG は 90%以上の EGFP陽性率を示す一方、 正常細胞の WI- 38での EGFP陽性率は著 しく抑えられていた。 このように、 Ad. Surv- E1A、 Ad. Surv- E1A Δ 24は、 高 い腫瘍特異性を示した。 なお、 Ad. Surv - E1Aと Ad. Surv - Ε1Α Δ 24とでは腫瘍 特異性に有意な差が認められなかった。 また、 Rb蛋白結合配列を欠損した Ad . Surv- Ε1Α Δ 24は、 後記のように特願 2003- 283427 (該出願後、 TO 2005/0125 36、 特開 2005- 46101) に記載の方法で作製した。
更に、 上記の EGFP陽性細胞の割合を定量的に評価するためのフローサイ トメ一ターによる解析を、 上記と同じ細胞に Ad. Surv - E1A、 Ad. TERT - EIA及 ぴ Ad. Δ Ε1を感染させ行った。 M0Iは Hep- G2が 0. 03、 HOS-MNNG, WI-38が 0. 1 で、 感染後 1、 3、 5、 7 日に細胞を回収し上記と同様に測定した。 図 9に 示すように、 時間の経過を通じて癌細胞の Hep- G2、 HOS- M丽 Gは、 Ad. Surv- EIAの方が Ad. TERT- EIAより効率よく増殖しており、 正常細胞の WI- 38では A d. Surv- EIAの方が増殖が抑えられており、 Ad. Surv- El Aは高い腫瘍特異性 を示している。 なお、 Ad. TERT- E1Aの作製方法は後述する。
〔実施例 6〕 (in vivoにおけるサービビン(Suvivin)プロモーターを含む増殖 型アデノウィルスベクターの抗腫瘍効果)
in vivoにおける増殖型アデノウイルスの抗腫瘍効果を確認するため、 ヌード マウスを用いた動物実験を行った。 まず、 5週齢ヌードマウスにヒ ト骨肉腫細胞 株の HOS- MNNG を 5 X 106個、 背部に皮下注入し、 腫瘍径が 7〜8mmとなった時点で 、 l X 108pfuの Ad. Surv- EIA (n=8)を腫瘍内に一回のみ、 Ad. Δ ΕΙ (n=9)を腫瘍内 に一回のみそれぞれ注入した。 翌日より定期的に腫瘍径を計測し、 ウィルス注入 後の腫瘍体積 (腫瘍体積は長径 X短径 X短径 Z2で計算) の変化を各群で比較検 討した。 結果は第 1 0図に示した。 ウィルス注入後 11日〜 18日および 28日〜 38 日で、 Ad. Surv- E1A投与群はコントロールの Ad. Δ Ε1投与群よりも有意に (ウイ ルス注入後 38日で pく 0. 005) 腫瘍増殖が抑制されていた。 これらの結果は、 サー ビビン (Survivin) プロモータを含む増殖型アデノウイルスベクターの癌遺伝 子治療における有用性を示すものである。
また、 上記と同様の実験を Ad. Surv - E1Aと Ad. TERT - E1Aとをそれぞれ感染 させ行った。 nは Ad. Surv— ElA (n=8)、 Ad. TERT— EIA (n=9)、 Ad. Δ El (n=ll)と した。 第 1 1図に示すように、 Ad. Surv- E1A、 Ad. TERT- EIAはいずれも Ad. Δ Elに比べ、 有意に腫瘍増殖を抑制していた。 Ad. Surv - El Aと Ad. TERT - El A の間に有意な差は認められなかったが、 コントロールの Ad. Δ Ε1に対する P 値は Ad. Surv - E1Aの方が小さく、 Ad. TERT- E1Aに比べて、 Ad. Surv - EIAの治
療効果の高さを示している。 なお、 Ad. TERT- E1Aの作製方法は、 後述する
〔実施例 7〕 (サービビン(Survivin)プロモーター、 RSV (Rous Sarcoma Virus )プロモーター及び TERT (Telomerase Reverse T scriptase)プロモーターの活 性比較)
Hela (ヒ ト子宮頸癌)細胞を 5 X 105個ずつ培養し、 24時間後に Ad. RSV- Lac Z Ad- TERT-LacZ Ad. Survivin - LacZをそれぞれ M0I30で感染させた。 感染 後 24時間で細胞を回収し、 細胞抽出液と X- gal基質(PR0MEGA社、 Madison, WI) を 30分間反応させて、 420nmにおける吸光度を測定し、 β -ガラク トシ ダーゼ活性、 すなわち、 プロモーター活性を得た。 結果は、 第 1 2図に示 した。 3つのプロモーターの中で、 サービビン(Survivin)プロモーターが 最も強い値を示した。 これは、 サービビン(Survivin)プロモーターが既に 報告されている腫瘍特異的な TERTプロモーター(Takakura M et al, Cane er 3.,59 (3) : 551-7. 1999)と比較しても、 腫瘍特異性だけでなく、 プロ モーター強度においても優れていることを示すものである。 なお、 Ad. TER T- LacZは、 以下のように作製した。 プラスミ ド pHM- CMV6 (Dr. Mark A Kay より供与)から CMVプロモーターを制限酵素 Munl/Nhelで切り出して除いた 平滑末端化した pHM- A Pr. 6に、 TERTプロモーターを含むプラスミ ド PGL3- 1 81 (金沢大学産婦人科、 京 哲 氏より供与)を制限酵素 Mlul Bglllで消化 して切り出した TERTプロモーターを平滑末端化して、 ライゲーシヨンし、 pHM- TERT. pを得た。 これに、 pAd. RSV- LacZより制限酵素 Notlで切り出した LacZ遺伝子をライゲーションして pHM- TERT- lacZを得た。 この pHM- TERT- la cZを I - CeuI/PI- Seelで消化して、 同様に I- CeuI/PI- Seelで消化した pAd. HM 4にライゲーションして pAd. HM4- TERT- LacZを得た。 これを 293細胞にトラ ンスフエクションして Ad. TERT - LacZを得た。
また、 上記の Hela (ヒ ト子宮頸癌)細胞と同様の方法で、 細胞として Hep- G2 H0S - M腦、 WI - 38にそれぞれ Ad. Survivin-LacZ Ad. TERT - LacZ Ad. CM
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V - LacZを感染させ、 各プロモーター活性を比較した。 第 1 3図は、 各細胞 でのサービビン (Survivin) プロモーターと TERTプロモーターの活性を、 CMVプロモーター活性に対する相対比として計算し比較した。
その結果、 正常細胞の WI- 38ではサービビン (Survivin) プロモーター 5 と TERTプロモーターがいずれも活性を持たない一方、 癌細胞の Hep- G2、 HO S- MNNGではいずれもサービビン (Survivin) プロモータ の方が、 強い活 性を示した。 つまり、 サービビン (Survivin) プロモーターは腫瘍特異性 およびプロモーター強度の両面で、 TERTプロモーターを凌いでいることが 明かとなった。
10 〔実施例 8〕 (TERTプロモーターを含む増殖型アデノウイルスとサービビ ン(Survivin)プロモーターを含む增殖型アデノウィルスの增殖能の比較)
MKN-28 (ヒ ト胃癌細胞) 、 HePG2 (ヒ ト肝癌細胞) 、 H0S - MNNG (ヒ ト骨 肉腫細胞) に、 Ad. TERT- E1A- CMV- 19K/CMV-EGFP (以下、 Ad. TERT - E1A、 TERT 依存性増殖型アデノウィルス)と Ad. Surv- E1Aを種々の濃度で感染させ、 ゥ
15ィルスの増殖により誘導される細胞死を観察した。 結果は、 第 1 4図に示 した。 同じ増殖型ベクターでも、 Ad. Surv- E1Aの方が早くて高いウィルス 増殖能 (細胞死誘導能) を有することが示された。 これは、 現在報告され ている腫瘍特異的プロモーターの一つである TERTプロモーターにより制御 された増殖型ウィルスベクター (Huang TG, etal, Gene Ther. 10 (15) : 1
20 241-7. 2003, Wirth T , et al, Cancer Res. 63 (12) : 318ト 8. 2003)よりも サービビン(Survivin)プロモーターにより制御された増殖型べクターの方 が優れていることを示すものである。 なお、 Ad. TERT- E1Aは、 Ad. Surv- E1A の作製とほとんど同様に作製できる。 すなわち、 p APr. ElA-CMV - 19Kを制限 酵素 Mlulで消化し、 T4DNAポリメラーゼで平滑末端化した。 TERTプロモーターを含
25むプラスミド pGL3- 181 (金沢大学産婦人科、 京哲氏より供与)を制限酵素 Mlul、 Bg IIIで消化して切り出した TERTプロモーターを平滑末端ィヒし、 p APr. ElA - CMV-19K にライゲーシヨンして pTERT- E1A- CMV-19Kを得た。 以下、 Ad. Surv-EIA- CMV-19K/CM
V-EGFP (Ad. Surv-EIA) と同様の方法で作製した。
また、 E1A内部の Rb蛋白結合配列 (923〜947 bp、 24bp) を欠失した変異型アデ ノウィルスは、 腫瘍特異的にウィルス増殖を行なうという報告がある (Heise, C. et al, Nat Med. 2000; 6 (10) : 1134-9) ので、 上記のサービビン(Survivin)を 含む増殖型アデノウイルスの E1A領域の Rb蛋白結合配列を欠失させても良い。 Rb蛋 白結合配列を欠失した Ε1Α Δ 24 (例えば、 上記の実施例 5の Ad. Surv- Ε1Α Δ 24) は、 上記の E1A領域をアデノウイルスの少なくとも 5'側のゲノムを含むプラスミド を鎵型として Rb蛋白結合配列から設計したプライマーを用い、 PCR法を利用する変 異 入法 (Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc. , 8. 5. 7〜8. 5. 9, 1999) で得ることができる。 上記のプラスミ ド p APr. ElA- ΔΡ r. 19kを制限酵素で消化した後、 Ε1ΑΔ 24をライゲーションして Rb蛋白結合配列を 欠失したベクタープラスミ ド ρ ΔΡι·. Ε1ΑΔ 24- APr. 19Kを得ることができる。 増殖型アデノウイルスは、 E1B領域の内因性プロモーター、 例えば、 19K Da及び/又は 55KDaの蛋白質コーディング領域のプ口モーターをサービビ ン(Survivin)プロモーターで置換しても良い。 サービビン(Survivin)プロ モーターを含む増殖型アデノウィルスは、 Ad. Surv- E1A-CMV-19Kのように、 治療遺伝子を発現しないものでも、 ウィルス蛋白自体の毒性により、 感染した 細胞に細胞死を誘導できる。 また、 上記の実施例で示した増殖型アデノウ ィルスにおける EGFPは、 実験でのウィルスの増殖を観察し易いようにする 目的のために導入されたものであり、 実際にはサービビン(Survivin)が強 度に発現する疾患を治療する冶療遺伝子、 例えば自殺遺伝子 (ヘルぺスゥ ィルスチミジンキナーゼ遺伝子など) 、 アポトーシス誘導遺伝子 (P53遺 伝子など) を導入することにより高い治療効果を期待できる。
〔実施例 9〕 (種々の癌細胞、 正常細胞におけるサービビン (Survivin) プロモーターを含む増殖型アデノウィルスベクターの細胞死誘導能の解析 )
各種癌細胞 (HepG2、 Hep3B、 H0S- M蘭 G (M0I1)、 H0S- M醫 G (M0I 10) ) 、 正
常細胞(訂- 38)をそれぞれ 96wel l plateに培養し、 翌日、 Ad. Surv- E1A、 Ad . Surv - E1A厶 24、 Ad. Δ Ε1を丽 0. l (Hep - G2、 Hep - 3B)、 MOI 1 (HOS - M腦、 W I - 38)、 MOI 10 (HOS- MNNG)で感染させた。 感染後、 3 日目、 5 日目に、 WST - 8 (Nacalai Tesque社、 カタログ番号 07553- 44) で、 細胞生存率 (cell vi ability) を評価した。 非感染群を 100として相対比で示した。 第 1 5図で 示すように、 増殖型べクターの Ad. Surv-EIAと Ad. Surv- E1A Δ 24のいずれも 、 癌細胞で時間、 濃度依存的に効率よく細胞死を誘導する一方、 正常細胞 のへの傷害は最小限に抑えられていた。 本発明は、 発明の実質的範囲に包含される限り、 上記の実施例に限定さ れるものではない。