JP5574284B2 - サービビン(Survivin)プロモーターを含む増殖型アデノウイルスベクターを有効成分とする癌治療薬 - Google Patents

サービビン(Survivin)プロモーターを含む増殖型アデノウイルスベクターを有効成分とする癌治療薬 Download PDF

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Description

本発明は、サービビン(Survivin)プロモーターを含み、サービビン(Survivin)の発現に依存して増殖することにより悪性腫瘍などを治療する増殖型アデノウイルスベクターを有効成分とする癌治療薬に関する。
悪性腫瘍である癌は日本人の死因の第1位を占め、未だに癌を根治できる決定的な治療法はない。癌を特異的に標的とする新しい治療法は、高い治療効果という観点だけでなく、副作用軽減の観点からも期待されているものであり、癌特異的標的化を目指した遺伝子治療法の開発が特に期待されている。腫瘍、癌を特異標的化するには様々な方法があるが、癌や腫瘍細胞でのみ高いレベルで発現する分子を何らかの形で利用する場合が多い。このような癌細胞に特異的に発現する腫瘍特異的分子は、腫瘍マーカーなどが数多く報告されているが、その目的のための理想的な分子とは、癌細胞でできるだけ強く発現し、正常細胞ではほとんど発現していない分子である。
現在、癌遺伝子治療において使用されている遺伝子を導入するベクターの大部分は、安全性を確保するため、ウイルスの感染後は治療遺伝子を導入するだけでウイルスが増殖しないように遺伝子工学的に改変された非増殖型ベクターである。ベクター自体の元来の能力としては高い遺伝子導入効率を示すものであっても、実際の臨床におけるin vivoでの投与の場合を考えた場合、ベクターが非増殖型である限りにおいて、ウイルス液が物理的に到達出来ない部位には当然遺伝子が導入できないという問題がある。非増殖型のベクターを用いて癌の遺伝子治療を行う場合、in vitroの実験系でどれほど遺伝子導入効率の良いベクターを用いても、体内の癌細胞全てに遺伝子を導入することは不可能ということになる。つまり非増殖型ベクターを用いた現在の遺伝子治療法は、遺伝子が導入されない細胞にもある程度影響を及ぼすような治療遺伝子を用いらざるを得ないという大きな制約があり、その場合でも全ての癌細胞を、しかも癌細胞のみを標的化して殺すことは不可能で、その治療効果は極めて限定的なものである。このような遺伝子が導入されない癌細胞からの再発という極めて大きな問題が克服されない限り、遺伝子治療により癌の根治を得ることは困難である。
そのため、これを克服するベクターとして、癌でのみ増殖するウイルスベクターが報告されている。その一つとして、癌細胞でウイルスが増殖し、正常細胞で増殖しないように制御するために、ウイルスベクターの増殖に必要なウイルス遺伝子を癌特異的な分子のプロモーターで発現させる試みがある(非特許文献1)。しかし、癌のみを標的化するという点での特異性、またそのプロモーター活性ともに不十分なものであり、未だ決定的に有効な増殖型ベクターの開発は成功していない。
このような状況下、1997年にinhibitor of apoptosis(IAP) gene familyの一員の新規蛋白としてサービビン(Survivin)の報告がある。サービビン(Survivin)の大きな特徴は、癌特異的に発現し、分化した正常組織での発現はみられないことである(非特許文献2)。また、細胞の有糸分裂期であるG2/M期に最大発現しており、分裂していない静止期の細胞では発現が抑制される(非特許文献3)。サービビン(Survivin)遺伝子の発現を調節するサービビン(Survivin)プロモーターは、癌特異的に遺伝子を発現する活性を持ち(非特許文献4)、正常細胞ではほとんど遺伝子発現の活性を持たないという特性を持つ。
Rodruguez,R.,et,Cancer Res,57,2559-2563,1997 Ambrosini G et al;Nat Med. 3,917-921,1997 Li F et al;Nature. 396,580-584,1998 Bao R et al;J Natl Cancer Instl.94,522-528, 2002
したがって、このサービビン(Survivin)遺伝子のプロモーターを利用して、種々の癌治療遺伝子を癌細胞特異的に発現させれば、癌細胞を特異標的化して死滅させる癌治療薬の開発が可能になると期待されるが、従来、サービビン(Survivin)プロモーターを含む増殖型ベクターを有効成分とする癌治療薬についての提案はない。
本発明は、サービビン(Survivin)の発現に依存して増殖する、E1A領域の内因性プロモーターをサービビン(Survivin)プロモーターで置換した増殖型アデノウイルスベクターを有効成分とする癌治療薬を要旨とする。
上記の発明において、E1A領域がRb蛋白結合配列を欠失しているものでもよい。
本発明の癌治療薬は、遺伝子冶療に用いられ、サービビン(Survivin)が高度に発現する腫瘍(悪性腫瘍)で特異的に増殖してこれを死滅させ、正常細胞では増殖しないので、副作用を抑制して腫瘍(悪性腫瘍)を冶療できる
プラスミドpΔPr.E1A-CMV.19Kの作製に用いたPCRプライマー及びPCR反応の条件を示す。 プラスミドpΔPr.E1A-CMV.19Kの作製に用いたPCRプライマー及びPCR反応の条件を示す。 各種癌細胞および正常細胞におけるサービビン(Survivin)遺伝子の発現を示すアガロース電気泳動の写真像である。ost:骨芽細胞、Neg.:ネガティブコントロール、HPRT:インターナルコントロールである。 各種癌細胞および正常細胞におけるTERT遺伝子の発現を示すアガロース電気泳動の写真像である。Osteo-blast:骨芽細胞、Neg.:ネガティブコントロール、HPRT:インターナルコントロールである。 各種癌細胞および正常細胞におけるマウスサービビン(Survivin)プロモーターの活性をRSV、CMVプロモーターと比較した結果である。RSVプロモーターは、非特異的な(すべての細胞で活性を持つ)プロモーターである。 各種癌細胞および正常細胞における増殖型アデノウイルスベクターの増殖を指標としてEGFP陽性率をモニタリングしたグラフである。感染後の日数を横軸、MOIを縦軸にとり、それぞれEGFP100%となったポイントをプロットしたものである。 各種癌細胞及び正常細胞における増殖型アデノウイルスベクターの増殖を指標としてCPEの出現をモニタリングしたグラフである。感染後の日数を横軸、MOIを縦軸にとり、それぞれCPEが出現したポイントをプロットしたものである。 各種細胞にAd.Surv-E1A(増殖型ベクター)、Ad.Surv-E1AΔ24(増殖型ベクター)及びAd.ΔE1(非増殖型ベクター)をそれぞれ感染させ、フローサイトメーターで解析したEGFP陽性率を示すグラフである。 各種細胞にAd.Surv-E1A、Ad.TERT-E1A及びAd.ΔE1をそれぞれ感染させ、フローサイトメーターで解析したEGFP陽性率を示すグラフである。P<0.05で、#は感染細胞がCPEとなり、培養皿から剥がれて測定不能であったことを示す。 Ad.Surv-E1A、Ad.ΔE1を各々腫瘍内注入後の腫瘍体積の変化を示すグラフである。 Ad.Surv-E1A、Ad.TERT-E1A、Ad.ΔE1を各々腫瘍内注入後の腫瘍体積の変化を示すグラフである。P<0.05、**P<0.005はAd.ΔE1に対するものである。 サービビン(Survivin)プロモーター、RSV(Rous Sarcoma Virus)プロモーター及びTERT(Telomerase Reverse Transcriptase)プロモーターの活性を比較したグラフである。 各種細胞でのサービビン(Survivin)プロモーターとTERTプロモーターの活性をCMVプロモーター活性に対する相対比として計算しプロットしたグラフで、縦軸はプロモーターの比活性を示す。 TERTプロモーターを含む増殖型アデノウイルスとサービビン(Survivin)プロモーターを含む増殖型アデノウイルスの増殖能の比較を示すグラフである。 各種細胞にAd.Surv-E1A、Ad.Surv-E1AΔ24及びAd.ΔE1を感染させ、それらの細胞死誘導能の解析したグラフで、縦軸は各種細胞の生存率を示す。P<0.05、**P<0.001は非感染群に対するものである。
サービビン(Survivin)プロモーターは、必ずしもヒトサービビン(Survivin)プロモーターに限定されるものではなく、サル、マウス、ラットなど他の種のサービビン(Survivin)プロモーターを用いても良い。
サービビン(Survivin)プロモーターを含む増殖型ベクターは、以下に示すようなウイルスの増殖に必要な遺伝子をサービビン(Survivin)プロモーターの制御下に発現するベクターとできる。例えば、E1A領域の内因性プロモーター又はE1B領域の内因性プロモーターをサービビン(Survivin)プロモーターで置換したアデノウイルス、Rep78とRep68の内因性プロモーター(p5プロモーター)又はRep52とRep40の内因性プロモーター(p19プロモーター)をサービビン(Survivin)プロモーターで置換したアデノ随伴ウイルス、ICP0、4、22、27蛋白などの初期発現遺伝子又はチミジンキナーゼ遺伝子の内因性プロモーターをサービビン(Survivin)プロモーターで置換した単純ヘルプスウイルス、LTR内の内因性プロモーターをサービビン(Survivin)プロモーターで置換したレトロウイルス、レンチナウイルスなどが挙げられるが、種々のウイルスの増殖に関連する遺伝子をサービビン(Survivin)プロモーター依存性に発現させるウイルスベクターであれば、ここに挙げたものに限定されるものではない。アデノウイルスの場合、ヒトアデノウイルス5型、ヒトアデノウイルス2型、その他の型のヒトアデノウイルスをはじめ、他の動物種のアデノウイルスなどを用いることもできる。
上記のサービビン(Survivin)プロモーターを含む増殖型ベクターの作製は、以下の文献を参照して行うことができる。アデノウイルスの一般的な取り扱いに関しては、「Frank L. Graham著、Manipulation of adenovirus vectors, Chapter 11, p109-128」および「E. J. Murray編、Methods in Molecular Biology, Vol. 7: Gene Transfer and Expression Protocols (1991)」、アデノウイルスの作製に関しては、「Chen, S-H. et al., Combination gene therapy for liver metastases of colon carcinoma in vivo. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. (1995) 92, 2477-2581.」に記載の方法に準じて行うことができる。また、特願2003-283427(該出願後、WO 2005/012536、特開2005-46101)に記載の方法に基づき作製することもできる。アデノ随伴ウイルスの作製法に関しては、Lu Y.,Stem Cells Dev.13(1):133-45,2004、Grimm D.,Methods.28(2):146-57,2002に準じて行うことができる。ヘルペスウイルスの作製に関しては、Burton EA,et al, DNA Cell Biol.21(12):915-36,2002、Burton EA, et al, Curr Opin Biotechnol.13(5):424-8,2002 に準じて行うことができる。レトロウイルスの作製に関しては、Kosai KI, et al, Hum Gene Ther.9(9):1293-301,1998、Kay MA, et al,Hum Gene Ther.3(6):641-7,1992に準じて行うことができる。レンチウイルスの作製に関しては、Naldini L.,Curr Opin Biotechnol.9(5):457-63,1998に準じて行うことができる。また、プラスミド、DNA、各種酵素、大腸菌、培養細胞などを取り扱う遺伝子工学技術は、「Current Protocols in Molecular Biology, F. Ausubelら編、(1994), John Wiley & Sons, Inc.」および「Culture of Animal Cells; A manual of Basic Technique, R. Freshney編、第2版(1987),Wiley-Liss」に記載の方法に準じて行うことができる。
本発明の癌治療薬は、有効成分の増殖型ベクターと薬学的に許容される賦形剤、担体、溶剤などの助剤とを混合し、注射剤などの種々の製剤形態で用いることができる。また、本発明の癌治療薬の投与態様は特に限定されず、例えば注射、カテーテル、バルーンカテーテルなどにより投与できる。
本発明の癌治療薬の投与量は、投与を受ける者の病態、年齢、体重などを考慮して適宜増減できるが、ウイルス感染力価pfu(plaque forming unit )で1×1010pfuの増殖型アデノウイルスの投与がヒトにおける臨床試験において安全性が確認されている(Nemunaitis J., et al, Cancer Res. 2000 60:6359-6366)ので、同量が投与量の目安になる。ただし、疾患やウイルスベクターの種類によっては1×1010pfu以下又は以上でも安全かつ有効に使用できる。
以下、本発明をベクターとしてアデノウイルスを用いた実施例を挙げ説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中のプラスミド、DNA、各種酵素、大腸菌、培養細胞などを取り扱う遺伝子工学技術は、特に断らない限り、既述の文献に記載の方法に準じて行った。また、特に断りがない限り、アデノウイルスの一般的な取り扱い及びアデノウイルスの作製については、既述の文献に記載の方法に準じて行った。また、有意差の検定は、t検定で行った。
〔実施例1〕(サービビン(Survivin)プロモーターを含む増殖型アデノウイルスベクターの作製)
BALB/Cマウスより肝臓の一部を採取し、セパジーン(三光純薬社)を用いて、染色体DNAを採取した。このマウス染色体DNAを鋳型として、マウスサービビン(Survivin)プロモーターに特異的なプライマーセットを用いたgenomic PCRにより、マウスサービビン(Survivin)プロモーターをクローニングした。センスプライマー(5’-AGATGGGCGTGGGGCGGGAC-3’、配列番号1)とアンチセンスプライマー(5’-TCCGCCAAGACGACTCAAAC-3’、配列番号2)は、北海道システム・サイエンス社に依頼して合成したものを用いた。これを電気泳動、精製後、サービビン(Survivin)プロモーターとしてTベクターのpGEM-T-Easy(PROMEGA社)にT4DNAライゲース(宝酒造社)でライゲーションして挿入し、pGEM-T-Easy/mSurv.pを得た。クローニングしたサービビン(Survivin)プロモーターは、DNAシーケンサーにて正しい塩基配列であることを確認した。pGEM-T-Easy/mSurv.pを制限酵素SpeIで消化後、T4DNAポリメラーゼにて平滑末端化した。これをNotIにより消化し、サービビン(Survivin)プロモーターを切り出した。
上記で得たマウスサービビン(Survivin)プロモーターを含む増殖型アデノウイルスベクターAd.Surv-E1A-CMV-19K/CMV-EGFP(以下、「Ad.Surv-E1A」ということがある)を以下に示すように特願2003-283427(該出願後、WO 2005/012536、特開2005-46101)に記載の方法で作製した。すなわち、E1A遺伝子の発現がサービビン(Survivin)プロモーターにより制御され、E1B19K遺伝子の発現がCMVプロモーターにより制御されるプラスミドpSurv.E1A-CMV.19Kを作製し、次いでこのプラスミドに標識(マーカー)遺伝子としてEGFP(enhanced green fluorescent protein)が組み込まれたプラスミドpSurv.E1A-CMV.19K/CMV-EGFPを作製した。これを293細胞にトランスフェクションしてAd.Surv-E1A-CMV-19K/CMV-EGFPを作製した。以下、詳細に説明する。
まず、pΔPr.E1A-CMV.19Kを以下のように作製した。アデノウイルスベクターの構築プラスミドベクターとしてpHM5を用いた。pHM5は、SphI、PstI、HincII、XbaI、BamHI、KpnI、SacI、EcoRIの制限酵素認識配列を有するクローニングベクターで、Dr. Mark A Kay (Stanford University)から供与をうけた (詳細は、Human Gene Therapy, 10: 2013-2017, 1999に記載)。ヒト5型アデノウイルスゲノム5’側配列を含むプラスミドpXC1はMicrobix (Tronto, Canada)より購入した。アデノウイルスゲノムのE1A蛋白のコーディング領域からポリアデニレーションシグナルまでを含み、内因性のプロモーターは含まない領域(474〜1658 bp)、E1B19KDa蛋白のコーディング領域(1684〜2285 bp)のみでその内因性のプロモーター及びポリアデニレーションシグナルは含まない領域は、それぞれpXC1を鋳型として、またBovine growth hormone polyadenylation signal sequence (BGHp:牛成長因子ポリアデニレーションシグナル配列)はpRc/RSV(Invitrogen、カタログ番号A-150307)を鋳型として、第1図に示したプライマーセットによりKOD DNAポリメラーゼ(東洋紡、カタログ番号KOD-101)を用いたPCR法にて増幅し、クローニングした。なお、ここで用いたE1Aのセンスプライマー(S-E1A、配列番号3)にはSphI、NotI、SnaBI、MluI各制限酵素の認識配列、同アンチセンスプライマー(AS-E1A、配列番号4)にはSalI、AvrIIの認識配列、E1B19KDaのセンスプライマー(S-E1B19K、配列番号5)にはAvrII 、SalI、NdeI、EcoRV、MfeI各制限酵素の認識配列、同アンチセンスプライマー(AS-E1B19K、配列番号6)にはBamHIの認識配列、BGHpA用のセンスプライマー(S-BGHpA、配列番号7)にはBamHIの認識配列、同アンチセンスプライマー(AS-BGHpA、配列番号8)には34bpのLoxH配列とEcoRI認識配列がそれぞれ付加されている(各プライマーのシークエンスと各PCRの条件は第1図を参照)。
次に、上記で得たE1Aのコーディング領域のPCR産物とpHM5を制限酵素SphI(宝酒造、カタログ番号1180A)とSalI(東洋紡、カタログ番号SAL-111)にて消化し、T4 DNAライゲース(宝酒造、カタログ番号6022)にてライゲーションを行ない、pHM5にE1Aのコーディング領域が組み込まれたプラスミドpΔPr.E1Aを作製した。また、上記で得たE1B19Kのコーディング領域を含むPCR産物とpΔPr.E1Aを、SalI、BamHI(東洋紡、カタログ番号BAH-111)で消化し、T4 DNAライゲースでライゲーションを行ない、プラスミドpΔPr.E1A-ΔPr.19KΔpAを作製した。さらに、上記で得たPCR産物のBGHpAとpΔPr.E1A-ΔPr19KΔpAを共にBamHI、EcoRI(東洋紡、カタログ番号ER0271)で消化し、ライゲーションを行ない、pΔPr.E1A-ΔPr.19K-BGHpA(以下、BGHpAは省略し、pΔPr.E1A-ΔPr.19Kと表す)を作製した。クローニングにPCR法を用いたために起こり得る塩基配列の変異の可能性を除去するため、pΔPr.E1A-ΔPr.19KのDNA配列は、DNAシーケンサー(Applied Biosystems社、ABI PRISM 310 Genetic Analyzer)にて正しい配列であること、また目的のDNA構築が作製できていることを確認した。以降も、PCR法を用いてクローニングしたDNAは、必ず同様にDNAシークエンサーを用いて確認した。
このようにして作製したpΔPr.E1A-ΔPr.19Kは、pHM5のバックグラウンドを持つプラスミドで、その中に上流より、マルチクローニングサイトとしてSphI、NotI、SnaBI、MluIの各制限酵素の認識配列、E1A蛋白のコーディング領域、マルチクローニングサイトとしてSalI、NdeI、EcoRV、MfeIの各制限酵素の認識配列、E1B19KDa蛋白のコーディング領域、BGHpA、LoxH配列を含み、E1AとE1B19KDaの上流のマルチクローニングサイトを用いて、上流にプロモーターを自由に挿入することができる。また、このE1AとE1B19KDaの上流のマルチクローニングサイトにはSnaBIとEcoRVという平滑断端となる制限酵素サイトをそれぞれ一つは用いているため、如何なる制限酵素で切り出してきたプロモーター配列でも、それを平滑断端処理した後にライゲーションすればpΔPr.E1A-ΔPr.19Kに簡単に確実に組み込むことができる。
pΔPr.E1A-ΔPr.19Kに恒常的強発現プロモーターであるCMV(Cymomegalovirus)プロモーター(Boshart, M., et al, Cell, 41,521-530, 1985, Nelson, JA., et al, Mol. Cell. Biol., 7, 4125-4129, 1987)をE1B19Kの上流に挿入したプラスミドを作製した。CMVプロモーターは、プラスミドpRc/CMV(Invitrogen、カタログ番号A-150307)を鋳型として、SalI認識サイトをつけたセンスプライマー(S-CMVp、配列番号9)とMfeI認識サイトをつけたアンチセンスプライマー(AS-CMVp、配列番号10)でPCRを行なった(各プライマーの配列とPCRの条件は第2図に記載)。このPCR産物(pRc/CMVの231〜893)と、pΔPr.E1A-ΔPr.19KをSalI(東洋紡、カタログ番号SAL-111)、MfeI(New England Biolabs、カタログ番号R0589S)で消化し、T4 DNAライゲースを用いてライゲーションを行ない、E1B19Kの上流にCMVプロモーターを挿入し、pΔPr.E1A-CMV-19Kを作製した。
pΔPr.E1A-CMV.19KをMluIにて消化、T4DNAポリメラーゼにて平滑末端化した後、NotIで消化した。さらに自己ライゲーション防止のためにCalf intestine alkalinphosphatase (CIP:牛小腸アルカリホスファターゼ、宝酒造社)で脱リン酸化した後、上記で得たサービビン(Survivin)プロモーターをT4 DNAライゲースでライゲーションして挿入しpSurv.E1A-CMV.19Kを得た。
次いで、EGFP(enhanced green fluorescent protein)を組み込んだpSurv.E1A-CMV.19K/CMV-EGFPを以下のように作製した。
pSurv.E1A-CMV.19KにCreリコンビネーション反応を利用して自由に挿入できるプラスミドを作製した。まず、LoxP配列を持ち、EGFPおよびそのプロモーターを組み込めるプラスミドを以下のようにして作製した。pUni/V5-HisC(Invitrogen、Carlsbad, CA, 製品番号 ET003-11)のKn(カナマイシン)耐性遺伝子をBglII(東洋紡、カタログ番号BGL-211)とSmaI(東洋紡、カタログ番号SMA-111)で切り出し、T4 DNAポリメラーゼにて平滑末端化し、自己ライゲーションを防ぐためにCIP処理した。pBR322(東洋紡、カタログ番号DNA-003)よりTc(テトラサイクリン)耐性遺伝子をSspI(東洋紡、カタログ番号SSP-101)とStyI(New England Biolabs、Beverly、MA、カタログ番号R0050S)にて消化した後、T4 DNAポリメラーゼにより平滑末端化した。これを、上記のようにKn耐性遺伝子が除かれて平滑末端化されているpUni/V5-HisCにT4 DNAリガーゼを用いてライゲーションして挿入し、Kn耐性遺伝子をTc耐性遺伝子に入れ替えたプラスミドpUni/V5-HisC-Tcを作製した。
さらに、このpUni/V5-HisC-TcをXhoIで消化し、T4 DNAポリメラーゼによる平滑末端化、CIPにて処理した。一方、先に記したように、プラスミドpRc/CMVを鋳型としてSalIサイトをつけたセンスプライマー(S-CMVp、配列番号9)とMfeIサイトをつけたアンチセンスプライマー(AS-CMVp、配列番号10)でPCRすることにより得たCMVプロモーターをSalI、MfeI酵素で切り出し、T4 DNAポリメラーゼで平滑末端化したものと、上記の平滑末端化されたpUni/V5-HisC-TcとをT4 DNAリガーゼでライゲーション反応を行ない、pUni/V5-HisC-Tc-CMVを作製した。pUni/V5-HisC-Tc-CMVは、pUni/V5-HisC-TcにCMVプロモーターを挿入したプラスミドであり、CMVプロモーターの下流に、発現させたい目的の遺伝子をマルチクローニングサイトのAgeI、ApaI、StuIのいずれかを用いて、挿入することができる。そして、CMVプロモーターと、その下流に挿入された遺伝子はCre発現により、前項に記載したE1Aを制御するpSurv.E1A-CMV.19Kに挿入することができる。
次いで、pEGFP-C1(CLONETECH、カタログ番号6084-1)をBclI消化し、T4 DNAポリメラーゼにて平滑末端化した後、AgeI消化にてEGFPのcDNAを切り出した。一方、pUni/V5-HisC-Tc-CMVをApaI消化し、T4 DNAポリメラーゼにて平滑末端化した後、AgeIで消化して、これに上記の切り出したEGFPのcDNA断片をT4 DNAリガーゼでライゲーションして挿入し、pUni/V5-HisC-Tc-CMV-EGFPを得た。pUni/V5-HisC-Tc-CMV-EGFPは、CMVプロモーターからEGFPが発現できる発現ベクターであると共に、E1Aをサービビン(Survivin)で制御するpSurv.E1A-CMV.19KにCreリコンビネーション反応によりCMV-EGFP遺伝子が挿入できるものである。
pSurv.E1A-CMV.19KとpUni/V5-HisC-Tc-CMV-EGFPとは、Creリコンビナーゼで容易にリコンビネーション(LoxP、LoxH配列を認識して2つのプラスミドが1つに繋がる反応)することができる。pSurv.E1A-CMV-19KとpUni/V5-HisC-Tc-CMV-EGFPをそれぞれ100ngずつCreリコンビナーゼと反応(37℃、20分間)させる。次いで、65℃、5分間処理してCreを不活化し、反応を停止した。この反応液をコンピテント細胞DH5α(東洋紡、カタログ番号DNA-903)に形質転換し、テトラサイクリン(7.5μg/ml, 和光純薬、カタログ番号205-08591)を含むLB(Luria-Bertani, nacalai tesque, カタログ番号20066-95)アガロースプレート上で培養する。pSurv.E1A-CMV.19Kは、Kn耐性遺伝子のためコロニーを形成できず、pUni/V5-HisC-Tc-CMV-EGFPもR6Kγという特殊なOri(大腸菌複製開始点)をもつためDH5αではコロニーを形成できない。これに対して、pSurv.E1A-CMV.19KとpUni/V5-HisC-Tc-CMV-EGFPとがリコンビネーションして作製されたプラスミドはpUC OriとTcrの両者を持つため、コロニーを形成することができる。Creリコンビナーゼは、Cre遺伝子を発現するアデノウイルスベクターAxCANCre(理化学研究所DNAバンクより供与)を用いて抽出を行った。すなわち、アデノウイルスによる遺伝子導入効率の高いヒト肝癌細胞であるHepG2細胞(東北大学加齢医学研究所附属医用細胞資源センターより供与)10cm径培養皿1枚に30 MOI(多重感染度、1 MOI=1 plaque forming unit/cell)でAxCANCreを感染させ、3日後にトリプシン(nacalai tesque、カタログ番号35555-54)処理にて細胞を剥がし、PBSにて洗浄後、Lysisバッファー(20mM Tris pH 7.5, 150mM NaCl, 10mM MgCl2, 10%glycerol, 1%protease inhibitorcocktail (SIGMA、カタログ番号P2714))200μlにて溶解し、凍結と融解を3回繰り返してCreリコンビナーゼを得た。このCreリコンビナーゼを用いて反応させたところコロニーが得られ、しかも出現したコロニーはすべて陽性クローンであった。この反応によってプラスミドpSurv.E1A-CMV.19K/CMV-EGFPを得た。
上記で得たpSurv.E1A-CMV.19K/CMV-EGFPをアデノウイルスゲノムを含む30.3kbのプラスミドpAdHM4(Dr. Mark A. Kay ,Stanford Universityから供与)に組み込み、pAd.Surv-E1A-CMV-19K/CMV-EGFPを得た。このpAd.Surv-E1A-CMV-19K/CMV-EGFPを制限酵素PacIにて消化、293細胞にトランスフェクションするとアデノウイルスのプラークが出現した。これを採取して293細胞に感染させて増幅し、塩化セシウムの濃度勾配超遠心法にて濃縮、脱塩カラム(Biolad社)にて精製し、増殖型アデノウイルスベクターAd.Surv-E1A-CMV-19K/CMV-EGFPを得た。
〔実施例2〕(種々の癌細胞、正常細胞におけるサービビン(Survivin)遺伝子の発現)
各種癌細胞におけるサービビン(Survivin)の発現を確認するために、RT-PCRを行った。まず、種々の癌細胞(MKN-1、MKN-28、MKN-45、HCT-15、LoVo、Colo-205、Hep-G2、Hep-3B、Hela、HOS-MNNG、KHOS-NP、SaOs-2)をトリプシン(Nacalai Tesque社)処理により回収した後、セパゾールRNA I Super (Nacalai Tesque社 カタログ番号304-86)1mlを加えてホモジナイズし、クロロホルムにより水相とフェノール相に分離し、水相をイソプロパノールにて沈殿させた。遠心後、70%エタノールにて懸濁、再度遠心してRNAを抽出した。1μgのトータルRNAをSuperScriptII逆転写酵素(Invitrogen社)を用いて逆転写し、相補的DNA(cDNA)を得た。また、正常細胞のWI-38、ヒト初代培養骨芽細胞(三光純薬)のOST、陽性のコントロールとして293細胞についても同様に行った。
サービビン(Survivin)のセンスプライマー(5’-GCATGGGTGCCCCGACGTTG-3’、配列番号11)とアンチセンスプライマー(5’-GCTCCGGCCAGAGGCCTCAA-3’、配列番号12)(Kajiwara Y,et al,: Cancer,97,1077-1083,2003)は北海道システム・サイエンス社に依頼して合成したものを用いた。インターナルコントロールにヒポキサンチンフォスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)を用いた。PCR法は、Promega Taq(Promegaカタログ番号 M1865)を使用し、熱変性94℃、30秒、アニーリング56℃、1分、伸長反応72℃、1分、40サイクルで行った。HPRTはアニーリング温度を57℃として、35サイクルで同様に行った。PCRサーマルサイクラーは、BiometraのT3 Thermocyclerを使用した。結果は、第3図に示した通り、肝細胞癌(Hep-G2、Hep-3B)で発現が強く、大腸癌(HCT-15、Lovo、Colo-205)で発現が弱いなど、癌細胞種間で発現の強弱に差がみられたが、全体的に癌細胞に広く発現を認めた。正常細胞のWII-38、ヒト初代培養骨芽細胞(三光純薬)のOSTでも若干の発現を認めた。
〔実施例3〕(種々の癌細胞、正常細胞におけるTERT遺伝子の発現)
各種癌細胞におけるTERTの発現を確認するために、RT-PCRを行った。まず種々の癌細胞(MKN-1、MKN-28、MKN-45、HCT-15、LoVo、Colo-205、Hep-G2、Hep-3B、Hela、HOS-MNNG、KHOS-NP、SaOs-2)をトリプシン(Nacalai Tesque社)処理により回収した後、セパゾールRNA I Super (Nacalai Tesque社 カタログ番号304-86)1mlを加えてホモジナイズし、クロロホルムにより水相とフェノール相に分離し、水相をイソプロパノールにて沈殿させた。 遠心後、70%エタノールにて懸濁、再度遠心してRNAを抽出した。1μgのトータルRNAをSuperScriptII逆転写酵素(Invitrogen社)を用いて逆転写し、相補的DNA(cDNA)を得た。また、正常細胞のWI-38、ヒト初代培養骨芽細胞(三光純薬)のOsteo-blastについても同様に行った。
TERTのセンスプライマー(5’-TTCCTGCACTGGCTGATGAGTGT-3’、配列番号13)とアンチセンスプライマー(5’-CGCTCGGCCCTCTTTTCTCTG-3’、配列番号14)(Yan P ,et al,: Cancer Res,59,3166-3170,1999)は北海道システム・サイエンス社に依頼して合成したものを用いた。インターナルコントロールにヒポキサンチンフォスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)を用いた。PCR法は、Promega Taq(Promegaカタログ番号 M1865)を使用し、熱変性94℃、30秒、アニーリング59℃、1分、伸長反応72℃、1分、35サイクルで行った。HPRTはアニーリング温度を57℃として、35サイクルで同様に行った。PCRサーマルサイクラーは、BiometraのT3 Thermocyclerを使用した。結果は第4図に示した通り、癌細胞種間で発現の強弱に差がみられたが、全体的に癌細胞に広く発現を認めた。また、正常細胞のWII-38、ヒト初代培養骨芽細胞(三光純薬)では発現を認めなかった。
〔実施例4〕(サービビン(Survivin)プロモーターの活性)
上記でクローニングしたマウスサービビン(Survivin)プロモーターを組み込んだAd. Surv-LacZを作製・精製した。対照としてAd.CMV-LacZ、Ad. RSV-LacZを用いた。各種癌細胞を6 well plateに5×105/wellで培養し、翌日にAd. CMV-LacZ、Ad. RSV-LacZ、Ad. Surv-LacZをそれぞれMOI (multiplicity of infection、多重感染度:1MOI=1 plaque forming unit/cell) 30で感染させた。翌日、蛋白回収し、10μgの蛋白量でβ-galactosidase assayを行った。結果は第5図に示した。全体的にみて、サービビン(Survivin)プロモーターの活性はCMV、RSVと比べて強いことが分かった。個々を見ていくと、サービビン(Survivin)が強く発現しているHep-G2、Hep-3Bは強いプロモーター活性を示している。しかし、RT-PCRによるサービビン(Survivin)遺伝子の発現とプロモーター活性の強さは必ずしも相関するものではなかった。なお、Ad. CMV-LacZは、Dr. Zong Sheng Guo, Department of Surgery and Cancer Institute, University of Pittsburg より供与を受けた(Gene Ther, 1996;3(9):802-810に記載の方法と同様に作製したもの)。また、Ad. RSV-LacZは以下のように作製した。
プラスミドpMV-LacZ(Dr.Gretchen Darlington, Baylor College of Medineより供与)を制限酵素NotIで消化してLacZコーディング領域を切り出し、制限酵素NotIで消化したプラスミドpAdL.2/RSV/hPAH(Dr. Zong Shebg Guoより供与)にライゲーションしてpAd.RSV-LacZを得た。更に、Ad. Surv-LacZは、以下のように作製した。
プラスミドpHM-CMV6(Dr.Mark A Kayより供与)からCMVプロモーターを制限酵素MunI/NheIで切り出して除いた平滑末端化したpHM-ΔPr.6に、pGEM-T-Easyより制限酵素EoRIで切り出したサービビン(Survivin)プロモーターを滑末端化してライゲーションし、pHM-Surv.pを得た。これにpAd.RSV-LacZより制限酵素NotIで切り出したLacZ遺伝子をライゲーションしてpHM-Surv-LacZを得た。このpHM-Surv-LacZをI-Ceu/PI-SceIで消化して、同様にI-Ceu/PI-SceIで消化したpAd.HM4にライゲーションしてpAd.HM4-Surv-LacZを得た。これを293細胞にトランスフェクションしてAd.Surv-LacZを得た。
〔実施例5〕(種々の癌細胞におけるサービビン(Survivin)プロモーターを含む増殖型アデノウイルスベクターの増殖能の解析)
各種癌細胞を24well plateに8×104個/wellで培養し、翌日、増殖型ベクターのAd.Surv-E1A-CMV-19K/CMV-EGFP(Ad.Surv-E1A)、対照としてE1欠失の非増殖型ADVであるAd.ΔE1-GFP(以下、Ad.ΔE1ともいう)をそれぞれMOI 0、0.01、0.1、1、10、100で感染させた。翌日より蛍光顕微鏡下でEGFP陽性率を観察しながら、細胞傷害(CPE)の出現にて、経時的に増殖型アデノウイルスの増殖能をモニタリングした。結果は第6図、第7図に示した。
すべての癌細胞で、Ad.ΔE1に比べAd.Surv-E1Aの増殖が著明であった。Ad.Surv-E1Aを感染させた群は、感染後3日で、MOI100ではすべての癌細胞がEGFP陽性率100%、MOI10でもKHOS-NP、SaOs-2を除く他のすべての癌細胞ではEGFP陽性率100%であった。同じく感染後3日でMOI100ではKHOS-NP、SaOs-2を除く他のすべての癌細胞でCPEが出現しており、両者の関係はよく相関していた。時間の経過と共に程度の差はあるがEGFPの陽性率、CPE共に増強していった。EGFPというマーカー遺伝子で観察される増殖型アデノウイルスの増殖と、細胞の傷害を表すCPEが相関して出現したことから、Ad.Surv-E1Aがサービビン(survivin)発現細胞で増殖し、その毒性により細胞を死滅させることができることが証明された。なお、Ad.ΔE1-GFPは以下のように作製した。プラスミドpHM-CMV6(Dr.Mark A Kayより供与)を制限酵素XbaIで消化、平滑末端化し、続いて制限酵素NheIで消化した。これにpEGFP-C1(CLONTECH、Palo Alto,CA)より制限酵素BclIで消化、平滑末端化し、続いて制限酵素NheIで消化して切り出したEGFPをライゲーションし、pHM-CMV-EGFPを得た。このpHM-CMV-EGFPをI-Ceu/PI-SceIで消化して、同様にI-Ceu/PI-SceIで消化したpAd-HM4にライゲーションしてpAd.HM4-CMV-EGFPを得た。これを293細胞にトランスフェクションしてAd.ΔE1-GFPを得た。
また、EGFP陽性細胞の割合を定量的に評価するためにフローサイトメーターによる解析を行った。すなわち、Hep-G2、HOS-MNNG、WI-38を10cm径培養皿に培養し、翌日Ad.Surv-E1A(増殖型ベクター)、Ad.Surv-E1AΔ24(増殖型ベクター)、Ad.ΔE1(非増殖型ベクター)をそれぞれMOI 0.1(Hep-G2)、MOI 1(HOS-MNNG、WI-38)で感染させた。感染24時間後に各細胞を回収し、4%パラホルムアルデヒドで固定し、フローサイトメーター(Becton Dickinson社、FACSCalibur, CELLQuest software)でEGFP陽性率を測定した。図8に示すように、各種細胞でAd.ΔE1感染群はほぼ同等のEGFP陽性率となっている(つまり、ほぼ同等の導入効率の条件で行っている)が、Ad.Surv-E1A、Ad.Surv-E1AΔ24感染群では癌細胞のHep-G2、HOS-MNNGは90%以上のEGFP陽性率を示す一方、正常細胞のWI-38でのEGFP陽性率は著しく抑えられていた。このように、Ad.Surv-E1A、Ad.Surv-E1AΔ24は、高い腫瘍特異性を示した。なお、Ad.Surv-E1AとAd.Surv-E1AΔ24とでは腫瘍特異性に有意な差が認められなかった。また、Rb蛋白結合配列を欠損したAd.Surv-E1AΔ24は、後記のように特願2003-283427(該出願後、WO 2005/012536、特開2005-46101)に記載の方法で作製した。
更に、上記のEGFP陽性細胞の割合を定量的に評価するためのフローサイトメーターによる解析を、上記と同じ細胞にAd.Surv-E1A、Ad.TERT-E1A及びAd.ΔE1を感染させ行った。MOIはHep-G2が0.03、HOS-MNNG、WI-38が0.1で、感染後1、3、5、7日に細胞を回収し上記と同様に測定した。図9に示すように、時間の経過を通じて癌細胞のHep-G2、HOS-MNNGは、Ad.Surv-E1Aの方がAd.TERT-E1Aより効率よく増殖しており、正常細胞のWI-38ではAd.Surv-E1Aの方が増殖が抑えられており、Ad.Surv-E1Aは高い腫瘍特異性を示している。なお、Ad.TERT-E1Aの作製方法は後述する。
〔実施例6〕(in vivoにおけるサービビン(Suvivin)プロモーターを含む増殖型アデノウイルスベクターの抗腫瘍効果)
in vivoにおける増殖型アデノウイルスの抗腫瘍効果を確認するため、ヌードマウスを用いた動物実験を行った。まず、5週齢ヌードマウスにヒト骨肉腫細胞株のHOS-MNNG を5×106個、背部に皮下注入し、腫瘍径が7〜8mmとなった時点で、1×108pfuのAd.Surv-E1A (n=8)を腫瘍内に一回のみ、Ad.ΔE1 (n=9)を腫瘍内に一回のみそれぞれ注入した。
翌日より定期的に腫瘍径を計測し、ウイルス注入後の腫瘍体積(腫瘍体積は長径×短径×短径/2で計算)の変化を各群で比較検討した。結果は第10図に示した。ウイルス注入後11日〜18日および28日〜38日で、Ad.Surv-E1A投与群はコントロールのAd.ΔE1投与群よりも有意に(ウイルス注入後38日でp<0.005)腫瘍増殖が抑制されていた。これらの結果は、サービビン(Survivin)プロモータを含む増殖型アデノウイルスベクターの癌遺伝子治療における有用性を示すものである。
また、上記と同様の実験をAd.Surv-E1AとAd.TERT-E1Aとをそれぞれ感染させ行った。nはAd.Surv-E1A(n=8)、Ad.TERT-E1A(n=9)、Ad.ΔE1(n=11)とした。第11図に示すように、Ad.Surv-E1A、Ad.TERT-E1AはいずれもAd.ΔE1に比べ、有意に腫瘍増殖を抑制していた。Ad.Surv-E1AとAd.TERT-E1Aの間に有意な差は認められなかったが、コントロールのAd.ΔE1に対するP値はAd.Surv-E1Aの方が小さく、Ad.TERT-E1Aに比べて、Ad.Surv-E1Aの治療効果の高さを示している。なお、Ad.TERT-E1Aの作製方法は、後述する。
〔実施例7〕(サービビン(Survivin)プロモーター、RSV(Rous Sarcoma Virus)プロモーター及びTERT(Telomerase Reverse Transcriptase)プロモーターの活性比較)
Hela(ヒト子宮頸癌)細胞を5×105個ずつ培養し、24時間後にAd.RSV-LacZ、Ad-TERT-LacZ、Ad.Survivin-LacZをそれぞれMOI30で感染させた。感染後24時間で細胞を回収し、細胞抽出液とX-gal基質(PROMEGA社、Madison, WI)を30分間反応させて、420nmにおける吸光度を測定し、β-ガラクトシダーゼ活性、すなわち、プロモーター活性を得た。結果は、第12図に示した。3つのプロモーターの中で、サービビン(Survivin)プロモーターが最も強い値を示した。これは、サービビン(Survivin)プロモーターが既に報告されている腫瘍特異的なTERTプロモーター(Takakura M, et al, Cancer Res.,59(3):551-7.1999)と比較しても、腫瘍特異性だけでなく、プロモーター強度においても優れていることを示すものである。なお、Ad.TERT-LacZは、以下のように作製した。
プラスミドpHM-CMV6(Dr. Mark A Kayより供与)からCMVプロモーターを制限酵素MunI/NheIで切り出して除いた平滑末端化したpHM-ΔPr.6に、TERTプロモーターを含むプラスミドpGL3-181(金沢大学産婦人科、京 哲 氏より供与)を制限酵素MluI、BglIIで消化して切り出したTERTプロモーターを平滑末端化して、ライゲーションし、pHM-TERT.pを得た。これに、pAd.RSV-LacZより制限酵素NotIで切り出したLacZ遺伝子をライゲーションしてpHM-TERT-lacZを得た。このpHM-TERT-lacZをI-CeuI/PI-SceIで消化して、同様にI-CeuI/PI-SceIで消化したpAd.HM4にライゲーションしてpAd.HM4-TERT-LacZを得た。これを293細胞にトランスフェクションしてAd.TERT-LacZを得た。
また、上記のHela(ヒト子宮頸癌)細胞と同様の方法で、細胞としてHep-G2、HOS-MNNG、WI-38にそれぞれAd.Survivin-LacZ、Ad.TERT-LacZ、Ad.CMV-LacZを感染させ、各プロモーター活性を比較した。第13図は、各細胞でのサービビン(Survivin)プロモーターとTERTプロモーターの活性を、CMVプロモーター活性に対する相対比として計算し比較した。
その結果、正常細胞のWI-38ではサービビン(Survivin)プロモーターとTERTプロモーターがいずれも活性を持たない一方、癌細胞のHep-G2、HOS-MNNGではいずれもサービビン(Survivin)プロモーターの方が、強い活性を示した。つまり、サービビン(Survivin)プロモーターは腫瘍特異性およびプロモーター強度の両面で、TERTプロモーターを凌いでいることが明かとなった。
〔実施例8〕(TERTプロモーターを含む増殖型アデノウイルスとサービビン(Survivin)プロモーターを含む増殖型アデノウイルスの増殖能の比較)
MKN-28(ヒト胃癌細胞)、HepG2(ヒト肝癌細胞)、HOS-MNNG(ヒト骨肉腫細胞)に、Ad.TERT-E1A-CMV-19K/CMV-EGFP(以下、Ad.TERT-E1A、TERT依存性増殖型アデノウイルス)とAd.Surv-E1Aを種々の濃度で感染させ、ウイルスの増殖により誘導される細胞死を観察した。結果は、第14図に示した。同じ増殖型ベクターでも、Ad.Surv-E1Aの方が早くて高いウイルス増殖能(細胞死誘導能)を有することが示された。これは、現在報告されている腫瘍特異的プロモーターの一つであるTERTプロモーターにより制御された増殖型ウイルスベクター(Huang TG, etal, Gene Ther. 10(15):1241-7.2003、Wirth T , et al, Cancer Res.63(12):3181-8.2003)よりもサービビン(Survivin)プロモーターにより制御された増殖型ベクターの方が優れていることを示すものである。なお、Ad.TERT-E1Aは、Ad.Surv-E1Aの作製とほとんど同様に作製できる。すなわち、pΔPr.E1A-CMV-19Kを制限酵素MluIで消化し、T4DNAポリメラーゼで平滑末端化した。TERTプロモーターを含むプラスミドpGL3-181(金沢大学産婦人科、京 哲氏より供与)を制限酵素MluI、BglIIで消化して切り出したTERTプロモーターを平滑末端化し、pΔPr.E1A-CMV-19KにライゲーションしてpTERT-E1A-CMV-19Kを得た。以下、Ad.Surv-E1A-CMV-19K/CMV-EGFP(Ad.Surv-E1A)と同様の方法で作製した。
また、E1A内部のRb蛋白結合配列(923〜947 bp、24bp)を欠失した変異型アデノウイルスは、腫瘍特異的にウイルス増殖を行なうという報告がある(Heise, C. et al, Nat Med. 2000; 6(10):1134-9)ので、上記のサービビン(Survivin)を含む増殖型アデノウイルスのE1A領域のRb蛋白結合配列を欠失させても良い。Rb蛋白結合配列を欠失したE1AΔ24(例えば、上記の実施例5のAd.Surv-E1AΔ24)は、上記のE1A領域をアデノウイルスの少なくとも5'側のゲノムを含むプラスミドを鋳型としてRb蛋白結合配列から設計したプライマーを用い、PCR法を利用する変異導入法(Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc., 8.5.7〜8.5.9, 1999)で得ることができる。上記のプラスミドpΔPr.E1A-ΔPr.19kを制限酵素で消化した後、E1AΔ24をライゲーションしてRb蛋白結合配列を欠失したベクタープラスミドpΔPr.E1AΔ24-ΔPr.19Kを得ることができる。
増殖型アデノウイルスは、E1B領域の内因性プロモーター、例えば、19KDa及び/又は55KDaの蛋白質コーディング領域のプロモーターをサービビン(Survivin)プロモーターで置換しても良い。サービビン(Survivin)プロモーターを含む増殖型アデノウイルスは、Ad.Surv-E1A-CMV-19Kのように、治療遺伝子を発現しないものでも、ウイルス蛋白自体の毒性により、感染した細胞に細胞死を誘導できる。また、上記の実施例で示した増殖型アデノウイルスにおけるEGFPは、実験でのウイルスの増殖を観察し易いようにする目的のために導入されたものであり、実際にはサービビン(Survivin)が強度に発現する疾患を冶療する冶療遺伝子、例えば自殺遺伝子(ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子など)、アポトーシス誘導遺伝子(p53遺伝子など)を導入することにより高い治療効果を期待できる。
〔実施例9〕(種々の癌細胞、正常細胞におけるサービビン(Survivin)プロモーターを含む増殖型アデノウイルスベクターの細胞死誘導能の解析)
各種癌細胞(HepG2、Hep3B、HOS-MNNG(MOI1)、HOS-MNNG(MOI10))、正常細胞(WI-38)をそれぞれ96well plateに培養し、翌日、Ad.Surv-E1A、Ad.Surv-E1AΔ24、Ad.ΔE1をMOI 0.1(Hep-G2、Hep-3B)、MOI 1(HOS-MNNG、WI-38)、MOI 10(HOS-MNNG)で感染させた。感染後、3日目、5日目に、WST-8(Nacalai Tesque社、カタログ番号07553-44)で、細胞生存率(cell viability)を評価した。非感染群を100として相対比で示した。第15図で示すように、増殖型ベクターのAd.Surv-E1AとAd.Surv-E1AΔ24のいずれも、癌細胞で時間、濃度依存的に効率よく細胞死を誘導する一方、正常細胞のへの傷害は最小限に抑えられていた。
本発明は、発明の実質的範囲に包含される限り、上記の実施例に限定されるものではない。

Claims (2)

  1. サービビン(Survivin)の発現に依存して増殖する、E1A領域の内因性プロモーターをサービビン(Survivin)プロモーターで置換した増殖型アデノウイルスベクターを有効成分とする癌治療薬。
  2. E1A領域がRb蛋白結合配列を欠失しているものである請求項1に記載の癌治療薬。
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