WO2005111159A1

WO2005111159A1 - インクセット並びにこれを用いたインクジェット記録方法及び記録物

Info

Publication number: WO2005111159A1
Application number: PCT/JP2005/008860
Authority: WO
Inventors: Takeshi Tanoue; Tsuyoshi Sano; Shuichi Koganehira
Original assignee: Seiko Epson Corporation
Priority date: 2004-05-14
Filing date: 2005-05-16
Publication date: 2005-11-24
Also published as: CN1954041A; US20080047463A1; EP1746138A4; EP1746138A1; JPWO2005111159A1

Abstract

　低明度部から高明度部まで広い色再現性を有するインクセット並びにこれを用いたインクジェット記録方法及び記録物を提供することを課題とする。　当該課題は、マゼンタインク組成物と、該マゼンタインク組成物の顔料濃度よりも低い顔料濃度からなるライトマゼンタインク組成物と、を少なくとも備えるインクセットであって、前記マゼンタインク組成物に用いられる顔料がＣ．Ｉ．ピグメントレッド１２２であり、前記ライトマゼンタインク組成物に用いられる顔料がＣ．Ｉ．ピグメントバイオレット１９であるインクセットにより解決する。

Description

インクセット並びにこれを用いたインクジェット記録方法及び記録物技術分野

[0001] 本発明は、インクセット並びにこれを用いたインクジェット記録方法及び記録物に関し、詳しくは、低明度部から高明度部まで広い色再現性を有するインクセット並びにこれを用 Vヽたインクジット記録方法及び記録物に関する。

背景技術

[0002] インクジェット記録方法は、インク組成物の小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。この方法は、比較的安価な装置で高解像度、高品位な画像を高速で印刷可能であるという特徴を有する。

[0003] 近年、このようなインクジェット記録方法にぉ、て、複数のカラーインク組成物力なるインクセットを構成してカラー画像を形成することが行われている。一般に、カラー画像の形成は、イェローインク組成物 ·マゼンタインク組成物 ·シアンインク組成物の三色を含むインクセットや、これにブラックインク糸且成物をカ卩えた四色を含むインクセット、又は二次色として前記四色以外の色を含むインクセット、更に同一色でありながら色の濃淡 (着色剤の濃度）により彩色の種類を分類したインク (濃淡インク)組成物を含むインクセット等を用いて行われて、る。

[0004] 二次色として前記四色以外の色を含むインクセットとしては、例えば、特開 2001— 354886号公報（特許文献 1)に、イェローインク組成物、マゼンタインク組成物、シァンインク組成物及びブラックインク組成物の四色のほ力、グリーンインク組成物及びレッドインク組成物を備え、高い色再現性、色彩度及び光沢性を有するインクジェット用水性顔料インクセットが開示されて、る。

[0005] 濃淡インク組成物を含むインクセットとしては、例えば、特開 2003— 238857号公報 (特許文献 2)に、顔料濃度が異なる 2つのブラックインク組成物を備え、低明度部の粒状性を損なわずに色再現性を向上させたインクセットが開示されている。

特許文献 1：特開 2001— 354886号公報

特許文献 2：特開 2003 - 238857号公報発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] し力しながら従来のインクセットにおいては、低明度部から高明度部まで広い色再現範囲を実現することが困難であり、未だ十分な品質の画像が得られていないのが実状である。従って、本発明の目的は、低明度部力も高明度部まで広い色再現性を有するインクセット並びにこれを用いたインクジェット記録方法及び記録物を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007] 本発明者らは鋭意検討した結果、濃淡インク組成物を含むインクセットにおいて、当該濃淡インク組成物に用いられる着色剤として、それぞれ異なる特定の顔料とすることにより、優れた色再現性を有するインクセットを得ることができることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたものであり、マゼンタインク糸且成物と、該マゼンタインク組成物の顔料濃度よりも低、顔料濃度力なるライトマゼンタインク組成物と、を少なくとも備えるインクセットであって、前記マゼンタインク組成物に用いられる顔料が C. I.ビグメントレッド 122であり、前記ライトマゼンタインク組成物に用いられる顔料が C. I.ビグメントバイオレット 19であるインクセットを提供するものである。これにより、低明度部力も高明度部まで広い色再現性を有するインクセットを得ることができる。

[0008] ここで、「低明度部」とは、本発明に係るインクセットを使用して得られた記録物において、 CIEで規定する L *の値が 30以下である画像領域をいう。また、「高明度部」とは、本発明に係るインクセットを使用して得られた記録物において、 CIEで規定する L *の値が 70以上である画像領域を!、う。

[0009] 前記マゼンタインク糸且成物に用いられる前記 C. I.ビグメントレッド 122の濃度と前記ライトマゼンタインク組成物に用いられる前記 C. I.ビグメントバイオレット 19の濃度の比が4 : 3〜14 : 1でぁることが好ましぃ。かかる範囲内とすることで、低明度部から高明度部まで広い色再現範囲を得ることができる。

[0010] また、本発明は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、上記のインクセットを用いることを特徴とするインクジェット記録方法を提供するものである。これにより、低明度部から高明度部まで広い色再現範囲を実現した記録物を得ることができる。

[0011] 更に、本発明は、上記のインクセットを用いて、又は上記のインクジェット記録方法によって、記録されたことを特徴とする記録物を提供するものである。これにより、低明度部から高明度部まで広い色再現範囲を実現した記録物を得ることができる。発明を実施するための最良の形態

[0012] 本発明のインクセットは、既述のように、マゼンタインク組成物と、該マゼンタインク組成物の顔料濃度よりも低!、顔料濃度カゝらなるライトマゼンタインク組成物と、を少なくとも備えるインクセットであって、マゼンタインク組成物に用いられる顔料が C. I.ピグメントレッド 122であり、ライトマゼンタインク組成物に用いられる顔料が C. I.ピグメントバイオレット 19である。

[0013] 顔料の添カ卩量は、前記マゼンタインク組成物中には、好ましくは 1. 5〜10重量％、更に好ましくは 2〜7重量％である。目詰まり性等、インクの信頼性向上の観点からは顔料の添加量は低い方が好ましぐ色再現性の観点からは顔料の添加量は高い方が好ましい。そのため、顔料の添力卩量は 5〜6重量％であることがより好ましい。

[0014] また、前記ライトマゼンタインク組成物中の顔料の添カ卩量は、好ましくは 0. 01〜2 重量％、更に好ましくは 0. 5〜2. 0重量％である。前記ライトマゼンタインク組成物中の顔料の添加量が 2重量％を超えるとインクの粒状性が低下する。そのため、前記ライトマゼンタインク組成物中の顔料の添カ卩量は、 1. 2〜2重量％であることがより好ましい。

[0015] これらマゼンタインク糸且成物中の C. I.ビグメントレッド 122の濃度とライトマゼンタインク糸且成物中の C. I.ビグメントバイオレット 19の濃度の比は 4 : 3〜14 : 1であることが好ましぐより優れた色再現性を実現する観点からは、 3 : 1〜5 : 1であることがより好ましい。

[0016] 本発明に用いられるインク組成物においては、これらの顔料は、分散剤としての榭脂または界面活性剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインクに添加することが好ましい。分散剤としての榭脂としては、顔料分散液を調製するのに慣用されている榭脂、例えば高分子榭脂を使用することができる。また、顔料分散液とせずに、これら分散剤をインク組成物中に添加することもできる。 [0017] 前記高分子榭脂としては、（メタ)アクリル系榭脂、酢酸ビニル系榭脂、スチレン—ブタジェン系榭脂、塩ィ匕ビュル系榭脂、（メタ）アクリルスチレン系榭脂、ブタジエン系榭脂、スチレン系榭脂、架橋 (メタ)アクリル榭脂、架橋スチレン榭脂、ベンゾグァナミン榭脂、フエノール榭脂、シリコーン榭脂、エポキシ榭脂等が挙げられ、これらのうち、特に (メタ)アクリル—スチレン系榭脂が好ま、。

[0018] 前記 (メタ）アクリル—スチレン系榭脂は、更に、水溶性であることが好ましぐその分子量力 S1, 000〜15, 000、特に 3, 000〜10, 000であること力 S好ましく、その酸価力 50〜200、特に 70〜 150であること力子まし!/、。

[0019] 榭脂の添加量（固形分換算）は、前記顔料に対する重量比が、マゼンタインク組成物における重量比の方がライトマゼンタインク組成物における重量比よりも低くなる範囲内の量であり、この範囲内であれば特に制限されない。尚、通常、榭脂は、前記マゼンタインク組成物の場合には、顔料 100重量部に対して、 10〜： LOO重量部、特に 20〜80重量部添加され、前記ライトマゼンタインク組成物場合には、顔料 100重量部に対して、 10〜： LOO重量部、特に 20〜： L00重量部添加される。

[0020] また、分散剤としての前記界面活性剤としては、ァニオン性界面活性剤 (例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモ-ゥム塩等）、非イオン性界面活性剤（例えば、ポリォキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフエ-ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルァミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等）が挙げられる。また、アセチレングリコール類（オルフイン Y、 STG並びにサーフィノール 82、 104 、 440、 465及び 485 (何れも Air Products and Chemicals Inc.製）等を用いることも可能である。これらは単独又は二種以上を混合して用いることができる。

[0021] 界面活性剤の添加量は、前記マゼンタインク及びライトマゼンタインクの各インク組成物中、好ましくは 0. 05〜5重量％であり、更に好ましくは 0. 1〜1. 5重量％である

[0022] 本発明にお、ては、前記マゼンタインク及びライトマゼンタインク組成物は、前述した分散剤としての榭脂を分散相として用い、水を連続相として用いた榭脂ェマルジョンを含むことができる。前記榭脂は、親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体を用いることもできる。また、これらの榭脂の粒子径はェマルジヨンを形成する限り特に制限されないが、 150nm以下が好ましぐ更に好ましくは 5〜： LOOnmである。

[0023] これらの榭脂ェマルジヨンは、榭脂モノマーを、場合によって界面活性剤とともに水中で分散重合することによって得ることができる。例えば、（メタ)アクリル系榭脂又はスチレン—（メタ）アクリル系榭脂のェマルジヨンは、（メタ）アクリル酸エステル、又は（メタ)アクリル酸エステル及びスチレンを、界面活性剤とともに水中で分散重合させること〖こよって得ることができる。榭脂成分と界面活性剤との混合の割合 (重量比）は、 1 0 : 1〜5： 1とするのが好ましい。界面活性剤の使用量が前記範囲にあることでより良好なインク組成物の耐水性、浸透性が得られる。界面活性剤は特に制限されないが、好ま、例としては前記の界面活性剤が挙げられる。

[0024] また、分散相成分としての榭脂と連続相成分としての水との割合は、榭脂 100重量部に対して、水が好ましくは 60〜400重量部、更に好ましくは 100〜200重量部である。

[0025] このような榭脂ェマルジヨンとして、公知の榭脂ェマルジヨンを用いることも可能であり、例えば特公昭 62— 1426号公報、特開平 3— 56573号公報、特開平 3— 79678 号公報、特開平 3— 160068号公報、特開平 4— 18462号公報等に記載の榭脂ェマルジヨンをそのまま用いることができる。

[0026] また、巿販の榭脂ェマルジヨンを使用することも可能であり、例えば、マイクロジェル E— 1002、 E— 5002 (スチレンアクリル系榭脂ェマルジヨン、日本ペイント株式会社製）、ボンコート 4001 (アクリル系榭脂ェマルジヨン、大日本インキ化学工業株式会社製）、ボンコート 5454 (スチレン—アクリル系榭脂ェマルジヨン、大日本インキ化学工業株式会社製）、 SAE— 1014 (スチレン—アクリル系榭脂ェマルジヨン、日本ゼォン株式会社製）、サイピノール SK— 200 (アクリル系榭脂ェマルジヨン、サイデン化学株式会社製)等が挙げられる。

[0027] 前記マゼンタインク及びライトマゼンタインク組成物は、榭脂ェマルジヨンを、その榭脂成分力 Sインク糸且成物の 0. 1〜40重量％、特に 1〜25重量％となるよう含有するのが好ましい。榭脂ェマルジヨンは、着色剤としての顔料の浸透を抑制し、記録媒体への定着を促進する効果を有する。また、榭脂ェマルジヨンの種類によっては記録媒体上でインク像表面に皮膜を形成し、印字物の耐擦性を向上させることができる。

[0028] 前記マゼンタインク及びライトマゼンタインク組成物は、榭脂ェマルジヨン形態の熱可塑性榭脂を含むことが好ましい。ここで、熱可塑性榭脂とは、軟化温度が通常 50 〜250°C、好ましくは 60〜200°Cのものである。ここで、軟化温度という語は、熱可塑性榭脂のガラス転移点、融点、粘性率が 1011〜： L012ポアズになる温度、流動点、榭脂ェマルジヨンの形態にある場合にその最低造膜温度 (MFT)のうち最も低！ヽ温度を含むものとする。本発明のインクセットを用いて印字画像を記録する方法の加熱工程では、記録媒体を熱可塑性榭脂の軟化温度以上の温度で加熱する。また、これらの榭脂は、軟化又は溶融温度以上に加熱され、冷却された際に、強固な耐水性、耐擦性のある膜を形成するものが好ま、。

[0029] また、本発明のインクセットに使用されるインク組成物には、上述した顔料および分散剤の代わりに、分散ポリマーを用いず、顔料粒子表面に直接分散性付与基を化学的に導入することにより、分散剤なしに水に分散および Zまたは溶解を可能とした、いわゆる自己分散顔料を用いることもできる。

[0030] 前記水性媒体としては、水並びに水溶性有機溶媒や各種添加剤が含有される。前記水性媒体として水を用いる場合、水は、前記マゼンタインク及びライトマゼンタインクの各インク組成物中に各成分の残量として添加される。水溶性有機溶媒や各種添加剤としては、浸透促進剤、湿潤剤、 pH調整剤等を挙げることができる。

[0031] 浸透促進剤は、記録媒体への濡れ性を高めて有機顔料の浸透性を高めるため好ましい。浸透促進剤としては、例えば、カチオン性界面活性剤、ァ-オン性界面活性剤、ノ-オン性界面活性剤等の各種界面活性剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類；エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコーノレモノェチノレエーテノレ、ジエチレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、トリェチレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、プロレングリコーノレモノブチノレエーテノレ等の多価アルコールの低級アルキルエーテル； 1, 2—ペンタンジオール、 1, 2—へキサンジオール等のジオールが挙げられ、これらの 1種又は 2種以上が用いられる。特に、 1 , 2 -へキサンジオール等のジオールを用、ることが好まし!/、。 [0032] 前記浸透促進剤は、インク組成物中、 0. 1〜20重量％程度が好ましぐより好ましくは 3〜 15重量％程度である。

[0033] 浸透促進剤の好ましい例としては、 1, 2—アルカンジオール及び Z又はシリコン系界面活性剤が挙げられる。

[0034] 前記シリコン系界面活性剤としては、下記一般式（1)に示すポリエーテル変性オルガノシロキサン系化合物を挙げることができる。

[0035] [化 1]

〇—— [(E〇)p-(P〇)q]——H

[0036] (式中、尺¹〜!^は、それぞれ独立して、 C アルキル基であり、 j、 k及び gは、それぞ

1 -6

れ独立して、 1以上の整数であり、 EOはエチレンォキシ基であり、 POはプロピレンォキシ基であり、 p及び qは 0以上の整数である力但し p + qは 1以上の整数であり、 E O及び POは、 [ ]内においてその順序は問わず、ランダムであってもブロックであつてもよい）

[0037] 1, 2—アルカンジオールとしては、炭素数力〜6のもの、例えば、 1, 2—ブタンジオール、 1, 2—ペンタンジオール、または 1, 2—へキサンジオールが挙げられ、好ましくは、 1, 2—ペンタンジオール、 1, 2—へキサンジオールであり、さらに好ましくは、 1, 2—へキサンジオールである。これらは一種または二種以上の組み合わせで用いることちでさる。

[0038] 1, 2—アルカンジオールの添カ卩量は、インク組成物に対して 0. 1〜20重量％程度の範囲が好ましぐより好ましくは 3〜15重量％程度、更に好ましくは 5〜： L0重量％程度である。 [0039] また、上記一般式（1)で表されるポリエーテル変性オルガノシロキサン系化合物としては、好ましくは、 I^〜R⁷が独立して炭素数 1〜6のアルキル基、好ましくはメチル基である。 j、 k及び gは、独立して、 1以上の整数である力より好ましくは 1〜2である。また、 p及び qは 0以上の整数である力但し p + qは 1以上の整数である。

[0040] 上記一般式（1)で表されるポリエーテル変性オルガノシロキサン系化合物としては、より好ましくは、例えば、 j =k+ lを満足する化合物、！^〜が全てメチル基であり、 jが 2であり、 kが 1であり、 gが 1であり、 pが 1以上の整数であり、 qが 0である化合物等が挙げられる。

[0041] 上記一般式（1)で表される化合物は市販されており、それらを利用することが可能である。例えば、ビッグケミー'ジャパン株式会社より市販されているシリコン系界面活性剤 BYK— 345、 BYK— 346、 BYK— 347、又は BYK— 348が利用可能である。

[0042] ポリエーテル変性オルガノシロキサン系化合物の添力卩量は適宜決定されてよ、が、インク組成物に対して 0. 01〜： L 0重量％程度の範囲が好ましぐより好ましくは 0. 3

〜0. 8重量％程度である。

[0043] 浸透促進剤のその他の好ましい例としては、多価アルコール低級アルキルエーテル (グリコールエーテル)類及び Z又は下記の一般式（2)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤を挙げることができる。

[0044] 上記多価アルコール低級アルキルエーテル（グリコールエーテル）としては、ジェチレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、トリエチレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、プロピレングリコーノレモノブチノレエーテル、ジプロピレングリコーノレモノブチノレエーテノレを用いることができる。中でも特に、トリエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。 [0045] [化 2]

[0046] (式中、 0≤m+n≤30であり、 R〜R^Uは、それぞれ独立して C アルキル基である

1 -6

)

[0047] 上記一般式（2)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤として市販品を利用することも可能であり、その具体例としてサーフィノール 104、 82、 465、 485又は TG (いずれも Air Product and Chemicals. Inc.より入手可能）、オルフイン STG、オルフィン E1010 (以上、日信化学社製 (商品名））を挙げることができる。

[0048] 多価アルコール低級アルキルエーテルの添加量は 1〜30重量％であるのが好ましぐより好ましくは 5〜20重量％である。

[0049] アセチレングリコール系界面活性剤の添力卩量は適宜決定されてよいが、インク組成物に対して 0. 01〜5重量％であるのが好ましぐより好ましくは 0. 1〜1重量％の範囲である。

[0050] 湿潤剤は、インクジェットプリンタのノズルの目詰まりを防止するため好ま、。湿潤剤としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリェチレングリコール、テトラエチレンダリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、分子量 2000以下のポリエチレングリコール、 1, 3— プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレンダリコール、 1, 4ーブタンジオール、 1, 3—ブタンジオール、 1, 5—ペンタンジオール、 1, 6—へキサンジォール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等の多価アルコールが挙げられ、好ましくはグリセリンである。

[0051] 湿潤剤の添力卩量は適宜決定されてよいが、インク組成物に対して 0. 1〜30重量％程度が好ましぐより好ましくは 0. 5〜25重量％程度である。

[0052] pH調整剤としては、水酸ィ匕カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン等を挙げることができる。 pH調整剤の添加量は目的とする pHに応じて決定される。

[0053] 本実施形態に係るインクセットに用いられるインク組成物には、必要に応じて、水溶性ロジン類等の定着剤、安息香酸ナトリウム等の防黴剤.防腐剤、アロハネート類等の酸ィ匕防止剤 ·紫外線吸収剤、キレート剤等の添加剤を含有させることができる。

[0054] 本発明のインクセットには、前記マゼンタインク及びライトマゼンタインク糸且成物以外に、通常のインク組成物を含有することができる。そのようなインク組成物としては、ィエローインク組成物及びシアンインク組成物が好まし、。これらのインク組成物に使用される成分としては、通常インク組成物に使用される着色剤、分散剤等を特に制限なく用いることができる。

[0055] 前記イェローインク組成物、前記シアンインク組成物の着色剤としては、それぞれィエロー顔料、シアン顔料が好適に用いられる。前記イェロー顔料としては、 C. I.ビグメントイエロー 74、 93、 109、 110、 128、 138、 150、 151、 154、 155、 180、 185 等が挙げられ、前記シアン顔料としては、 C. I.ビグメントブルー 1、 2、 3、 15 : 3、 15 : 4、 15 : 34、 16、 22、 60及び C. I. ノッ卜ブノレ一 4、 60等力 ^挙げゝられる。

[0056] 更に、本発明のインクセットは、シアンインク組成物の顔料濃度よりも低い顔料濃度力もなるライトシアンインク組成物を含むことができる。特に、前記マゼンタインク組成物、ライトマゼンタインク組成物とともに、イェローインク組成物、シアンインク組成物及びライトシアンインク組成物とを組み合わせることが、広、色再現範囲を実現した記録物を得る観点力も好ましい。その他、必要に応じて、カーボンブラック等を含むブラックインク組成物等を含むことができる

[0057] 本発明のインクセットは、各種の印字方式に適用することができる力特にインクジエツト記録方式に好ましく用いることができる。 [0058] また、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うィンクジェット記録方法で、前述した本発明のインクセットを用いる方法によれば、低明度部から高明度部まで広い色再現範囲を実現した記録物を得ることができる。

実施例

[0059] 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。まず、以下の表に記載した組成及び配合量でカラーインク組成物 (インク No. 1〜13)を調製した。なお、表中、 PV19は C. I.ビグメントバイオレット 19を意味し、 PR122は C. I.ビグメントレッド 12 2を意味し、 PY74は C. I.ビグメントイエロー 74を意味し、 PB15 : 3«C. I.ビグメントブルー 15 : 3を意味する。また、 BYK— 348はビッグケミ一.ジャパン株式会社より巿販されて!/、るシリコン系界面活性剤 BYK— 348を意味する。

[0060] [表 1]

し ight

Yel l ow ysii Magenta Li ght Magenta Black

Cyan

インク N o . 1 2 3 4 5 6 7 8 9 1 0 1 1 1 2 1 3

PV19 (重量％) 6. 00 1. 00 1. 50 1. 20 1. 80 2. 00

PR122 (重量％) 6. 00 5. 50 1. 00

PY74 (重量％) 5. 00

PB15 : 3 (重量％) 4. 00 1. 00

カーホ" 'ラック (重量％) 2. 00 分散剤（重量％) 1. 50 1. 20 0. 30 1. 80 1. 80 1. 60 0. 30 0. 30 0. 50 0, 40 0. 60 0. 70 0. 60 グリセリン（重量％) 16, 00 13. 00 22. 00 1 1. 0 11. 00 23. 00 22. 00 23. 00 20. 00 19. 00 18. 00 15. 00

1 , 2-へキサンジォー

5. 00 5. 00 5. 00 5. 00 5. 00 5. 00 5. 00 5. 00 5. 00 5. 00 5. 00 5. 00 5. 00 (重量％)

BYK-348 (重量％) 0. 50 0. 50 0. 50 0. 50 0. 50 0. 50 0. 50 0. 50 0. 50 0. 50 0. 50 0. 50 0. 50 トリエタノールァミン

0. 90 0, 90 0. 90 0. 90 0. 90 0. 90 0. 90 0. 90 0. 90 0. 90 0. 90 0. 90 0. 90 (重量％)

純水残量残量残量残量残量残量残量残量残量残暈残量残量残量合計（％) 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100

[0061] 上記のインク糸且成物 (インク No. 1〜： 13)を用いて、以下の表に示す組み合わせでインクセット (A〜K)を構成した。なお、表中の使用インク No.は表 1のインク No.に対応するものである。

[0062] [表 2]

[0063] インクセット A (実施例 1)及びインクセット B (実施例 2)は、マゼンタインク組成物の顔料に C. I.ビグメントレッド 122 (PR122) 6重量⁰ /₀を用い、ライトマゼンタインク組成物の顔料に C. I.ビグメントバイオレット 19 (PV19) 1重量％を用いた。

[0064] インクセット C (実施例 3)は、マゼンタインク組成物の顔料に C. I.ビグメントレッド 12 2 (PR122) 5. 5重量％を用い、ライトマゼンタインク組成物の顔料に C. I.ビグメントバイオレット 19 (PV19) 1. 5重量⁰ /₀を用いた。

[0065] インクセット D (実施例 4)は、マゼンタインク組成物の顔料に C. I.ビグメントレッド 1 22 (PR122) 6重量％を用い、ライトマゼンタインク組成物の顔料に C. I.ピグメントバィォレット 19 (PV19) 1. 5重量⁰ /₀を用いた。

[0066] インクセット E (実施例 5)は、マゼンタインク組成物の顔料に C. I.ビグメントレッド 12 2 1^122) 6重量％を用ぃ、ライトマゼンタインク組成物の顔料に C. I.ピグメントバィォレット 19 (PV19) 1. 2重量⁰ /₀を用いた。

[0067] インクセット F (実施例 6)は、マゼンタインク組成物の顔料に C. I.ビグメントレッド 12

2 1^122) 6重量％を用ぃ、ライトマゼンタインク組成物の顔料に C. I.ピグメントバィォレット 19 (PV19) 1. 8重量⁰ /₀を用いた。

[0068] インクセット G (実施例 7)は、マゼンタインク組成物の顔料に C. I.ビグメントレッド 1

22 (PR122) 6重量⁰ /₀を用い、ライトマゼンタインク組成物の顔料に C. I.ピグメントバィォレット 19 (PV19) 2. 0重量⁰ /₀を用いた。

[0069] インクセット H (比較例 1)は、マゼンタインク組成物の顔料に C. I.ビグメントレッド 1

22 (PR122) 6重量⁰ /₀を用い、ライトマゼンタインク組成物の顔料に C. I.ビグメントレッド 122 (PR122) 1重量％を用いた。

[0070] インクセット I (比較例 2)は、マゼンタインク組成物の顔料に C. I.ビグメントバイオレット 19 (PV19) 6. 0重量⁰ /₀を用い、ライトマゼンタインク組成物の顔料に C. I.ピグメントバイオレット 19 (PV19) 1重量⁰ /₀を用いた。

[0071] インクセット J (比較例 3)は、マゼンタインク組成物の顔料に C. I.ビグメントレッド 12

2 1^122) 6重量％を用ぃた。なお、ライトマゼンタインク糸且成物は用いな力つた。

[0072] インクセット K (比較例 4)は、マゼンタインク組成物の顔料に C. I.ビグメントバイオレット 19 (PV19) 6重量％を用いた。なお、ライトマゼンタインク糸且成物は用いなかつた。

[0073] [試験例 1]全ガマット体積の評価 (色再現性 1)

実施例及び比較例の各インクセット A〜Kを用い、以下の要領で全ガマット体積 (すなわち色再現性）の評価を行った。インクジェットプリンタ PM— 4000PX (セイコーェプソン社製)を使用して、インクジェット専用記録紙 (セイコーエプソン社製、 PM写真用紙）に対して解像度 1440 X 720にて印刷を行い、記録物を得た。この際印刷は、単色の 01^ 100%を1311^/^1。11²とし、混合色の Dutyl20%を 16mg/inch²とした。これらの各 Dutyを最高 Dutyとし、各単色インクの Dutyを 0〜 100%の範囲内で 3%毎に変化させ、且つ、インクセットに備えた各インクの総組み合せを行うことによつて、そのインクセットで再現可能な全ての色を印刷した。 [0074] 得られた各記録物の各色を、測色機 (ダレタグ社製ダレタグマクベス SPM50)を用

Vヽて測定 (視野角 2度、 D50光源）し、 CIEで規定する L * a * b *を得た。

[0075] 得られた L * a * b *値から、 CIEで規定する L * a * b *値が全て 1であるときをガマット体積 1として、各記録物の全ガマット体積を求め、その結果に基づき以下の基準で評価した。なお、評価の結果をマゼンタインク組成物（Magenta)及びライトマゼンタインク組成物（Light Magenta)の顔料種と併せて表 3に示す。

[0076] AA:全ガマット体積が 750000以上

A ：全ガマツ卜体積力 740000以上 750000未満

B ：全ガマツ卜体積力 720000以上 740000未満

C ：全ガマット体積が 720000未満

[0077] [試験例 2]全ガマット体積の評価 (色再現性 2)

インクジェット専用記録紙 (セイコーエプソン社製、 PM写真用紙）に対して解像度 7 20 X 720で印刷を行ったこと以外は試験例 1と同様の要領で全ガマット体積 (色再現性)の評価を行った。評価基準を以下に示す。なお、評価の結果をマゼンタインク組成物（Magenta)及びライトマゼンタインク組成物（Light Magenta)の顔料種と併せて表 3に示す。

[0078] A：全ガマット体積が 680000以上

B：全ガマツ M本積力 ^s650000以上 680000未満

C：全ガマット体積が 650000未満

[0079] [試験例 3]高明度部と低明度部の色再現性評価 (色再現性 3)

実施例及び比較例の各インクセット A〜Kを用い、以下の要領で高明度部と低明度部のガマット体積の評価を行った。インクジェットプリンタ PM—4000PX (セイコーェプソン社製)を使用して、各インクセット A〜K毎にインクジェット専用記録紙 (セイコーエプソン社製、 PM写真用紙）に対して印刷し、所定の L *値に統一された種々の色相を含むパッチパターンを得た。得られた各インクセットのパッチパターンの色を、測色機 (ダレタグ社製ダレタグマクベス SPM50)を用いて測定した。

[0080] 上記の測定結果から、高明度部 (L *値 = 70)及び低明度部 (L *値 = 10)の各々について、高明度部はインクセット H、低明度部はインクセット Iの色再現面積を基準（ 100%)としたときの値（％)を求め、得られた値（％)に基づき、下記の基準によりインクセットの色再現性を評価した。評価の結果を、マゼンタインク組成物（Magenta)及びライトマゼンタインク組成物（Light Magenta)の顔料種と併せて表 3に示す。

[0081] A : 105%を超える

B: 100%を超えて、かつ、 105%以下

C : 100%

[0082] [試験例 4]普通紙における発色性の評価

実施例及び比較例の各インクセット A〜Kを用い、以下の要領で普通紙における発色性の評価を行った。普通紙としては、ゼロックス社製の 4024紙を用いた。そして、インクセット A〜Kを装着したインクジェットプリンタ PM - 4000PX (セィコ一エプソン社製)でそれぞれ印刷し、記録物を得た。印刷は、 720 X 720の解像度にて、混合色の 100%dutyで行った。

[0083] 得られた各記録物を測色機 (ダレタグ社製ダレタグマクベス SPM50)を用いて測定

(視野角 2度、 D50光源）し、混合色のうちマゼンタ成分の濃度 (OD値)を測定した。評価基準は以下の通りである。なお、評価の結果をマゼンタインク組成物 (Magenta) 及びライトマゼンタインク組成物（Light Magenta)の顔料種と併せて表 3に示す。

[0084] A : 1. 20以上

B: l. 00以上 1. 20未満

C : l. 00未満

[0085] [表 3] 色再現性 1 色再現性 2 色再現性 3

インクセット Magenta Light Magenta 発色性普通紙

(全力"マット体積） (全力"マット体積）

高明度部低明度部

A (実施例 1) PR 1 22 P V 1 9 A B A A A

B (実施例 2) PR 122 P V 1 9 A B A A A

C (実施例 3) PR 1 22 P V 1 9 AA A AA A A

D (実施例 4) P 122 P V 1 9 AA A AA A A

E (実施例 5) PR 1 22 P V 1 9 AA A AA A A

F (実施例 6) PR 1 22 P V 1 9 AA A AA A A

G (実施例 7) P 1 22 P V 1 9 AA A AA A A

H (比較例 1) PR 1 22 P R 1 22 C B C A A

I (比較例 2) P V 1 9 P V 1 9 B A A C B

J (比較例 3) PR 1 22 ― B B B A A

K (比較例 4) P V 1 9 ― B A B C B

[0086] 表 3に示すように、実施例 1〜7のインクセット（A〜G)は比較例 1〜4のインクセット (H〜K)と比較して、優れた色再現性を示すことが判明した。特に、解像度 1440 X 7 20で印刷を行った場合における色再現性 (色再現性 1)、高明度部における色再現性 (色再現性 3)は、比較例との違いが顕著に現れた。

[0087] 以上説明したように、本発明は、低明度部から高明度部まで広い色再現性を有するインクセット並びにこれを用いたインクジェット記録方法及び記録物を提供することができる。

Claims

請求の範囲

[I] マゼンタインク組成物と、該マゼンタインク組成物の顔料濃度よりも低い顔料濃度からなるライトマゼンタインク組成物と、を少なくとも備えるインクセットであって、前記マゼンタインク組成物に用いられる顔料が C. I.ビグメントレッド 122であり、前記ライトマゼンタインク組成物に用いられる顔料が C. I.ビグメントバイオレット 19であるインクセット。

[2] 前記マゼンタインク組成物に用いられる前記 C. I.ビグメントレッド 122の濃度と前記ライトマゼンタインク組成物に用いられる前記 C. I.ビグメントバイオレット 19の濃度の比が 4： 3〜14： 1である請求項 1記載のインクセット。

[3] 前記マゼンタインク組成物及び前記ライトマゼンタインク組成物は、顔料を分散するための分散剤を含む請求項 1又は 2記載のインクセット。

[4] 前記分散剤が、榭脂又は界面活性剤である請求項 3記載のインクセット。

[5] 前記マゼンタインク組成物及び前記ライトマゼンタインク組成物は、記録媒体への顔料の浸透性を高める浸透促進剤を含む請求項 1〜4のいずれか 1項記載のインクセット。

[6] 前記浸透促進剤が、 1, 2—アルカンジオール及び Z又はシリコン系界面活性剤である請求項 5記載のインクセット。

[7] 前記マゼンタインク組成物及び前記ライトマゼンタインク組成物は、湿潤剤を含む請求項 1〜6のいずれ力 1項記載のインクセット。

[8] 前記湿潤剤が、多価アルコールである請求項 7記載のインクセット。

[9] 更に、イェローインク組成物、シアンインク組成物及びライトシアンインク組成物を備える請求項 1〜8のいずれか 1項記載のインクセット。

[10] インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うインクジエツト記録方法であって、

請求項 1〜9のいずれか 1項記載のインクセットを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。

[II] 請求項 1〜9のいずれか 1項記載のインクセットを用いて、又は請求項 10記載のィンクジェット記録方法によって、記録されたことを特徴とする記録物。