明 細 書
電磁波吸収体
技術分野
[0001] 本発明は、電磁波吸収体に関する。さらに詳細には、効率よく電磁波を吸収し得る
、特定の炭化ホウ素粉末を用いてなる電磁波吸収体に関する。
背景技術
[0002] 近年、半導体或!、はエレクトロニクスの分野にぉ 、て、コンピューターや民生用電 子機器、さらには通信機器等のいわゆる情報家電に使用される電磁波の高周波化 が顕著に進展し、 1秒間に 10億回以上振動するギガへルツ (GHz)帯域の電磁波も 頻繁に使用されるようになってきた。また、道路交通の利便性や安全性を増進するた めの高度道路交通システム (ITS)の分野では、専用狭域通信 (DSRC)と呼ばれる 通信方式を用いた、路側機 (路側に設置された無線装置)と車載器 (車両に搭載され た無線装置)との間で無線通信を行う安全運転支援システムが開発されており、現在 では、高速道路における自動料金収受システム (ETC)が実用化されている。
[0003] 今後さらにガソリンスタンド、カーフェリー或いはサービスエリアにおける電子決済や 、運行管理、物流管理、各種の情報提供等に応用が期待されている。これらの用途 で用いられる電磁波は、高周波であるために、高出力、高密度の信号搬送を可能に する反面、ノイズとして他の機器に取り込まれると、情報漏洩、誤動作その他各種の 電波障害を引き起こす懸念がある。
[0004] この対策として、電子機器や通信機器が外部から侵入する電磁波に干渉されない ように、或いはこれらの機器が発生する電磁波を過剰に外部に漏洩させな 、ように、 電磁波シールド材ゃ、電磁波吸収体が用いられる。とりわけ電磁波吸収体は、入射 してきた電磁波を熱エネルギーに変換して、透過或いは反射する電磁波の強度を大 幅に減衰するものである。
[0005] 電磁波吸収体は、従来、主にフェライトやカーボンを使用し、それらの粉末を榭脂、 ゴム或いは塗料等のマトリックス材料中に分散、複合化して作製されており、該電磁 波吸収体を電磁波を吸収した 、部位に貼付または塗布する形で用いられることが多
い。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0006] し力しながら、フェライトは比重が大きいため、マトリックス中に分散する際に、マトリ ッタスとの比重差によって沈降が生じやすぐ均一な複合材料の成形性に難がある上 に、作製された複合材料は重いため、該複合材料が移動を伴うノート型パーソナルコ ンピュータ、民生用電子機器、通信機器や、自動車に多量に使用された場合には、 本体が重くなり、機動性に問題が生じる。
[0007] 一方、カーボンについては、比重が比較的小さいためフェライトに見られるような前 記の問題は生じないが、粉末が嵩高いために、マトリックスへの充填量を増大させる ことが困難となり、得られる複合材料の電磁波吸収特性が不充分になってしまう欠点 がある。これを避けるために、カーボンとしては、充填性が比較的良好な結晶質のグ ラフアイトが使用されることがあるものの、グラフアイト粒子は異方性が大きい上にマトリ ックス内で配向しやす 、ため、やはり複合材料の電磁波吸収性能が損なわれてしまう
[0008] 更に、フェライトやカーボンを含む電磁波吸収体は、 MHz帯域や 1〜数 GHz帯域 の電磁波を吸収するには適するが、特に、 ETCや車載レーダーで適用が検討され ている 5. 8〜76GHz等の高周波帯域、更に高周波帯域の電磁波については、充分 吸収できな ヽと ヽぅ問題を有して 、る。
[0009] また、前記以外の材料として炭化珪素(SiC)や炭化ホウ素 (B C)が電磁波吸収特
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性を有することが知られており、この性質を利用した SiCや B Cのマイクロ波発熱体も
4
提案されて!ヽる(特開平 8 - 106980公報参照)。
[0010] SiCや B Cは、フェライトと比較すると比重が小さぐ粉末もカーボンほど嵩高くない
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ために、充填性も良好であり、し力も異方性が小さいので、フェライトやカーボンに見 られる前記の問題は有しない。しかし、 DSRCのように周波数が種々異なる電磁波を 利用する場合についてみると、車載器等の移動体通信機用電磁波吸収体は種々の 周波数の不要電磁波を網羅的に吸収する特性を満足する必要がある。また、高度道 路交通システム (ITS)のように、電磁波の発信又は受信が自動車等の移動体でなさ
れる場合においては、電磁波吸収体に入射する不要電磁波の入射角度が一定では ないために、種々の入射角度の電磁波を網羅的に吸収する性能、すなわち良好な 斜入射特性が要求される。さらに、 ITS等においては特定の周波数の電磁波が用い られることが多いので、この特定周波数の電磁波を、入射角度に関わらず良好に吸 収する性能も要求される。このような電磁波吸収体は SiCや B Cを用いても未だに作
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製できて 、な 、のが現状である。
[0011] 本発明の目的は、従来の電磁波吸収体が有する前記の諸問題を解決し、優れた 電磁波吸収特性を有する新規な電磁波吸収体を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0012] 本発明者は、前記従来技術の現状に鑑みて、種々の炭化ホウ素粉末とそれを用い た電磁波吸収体について検討し、特定の炭化ホウ素粉末が電磁波吸収性能に優れ 、これを用いて電磁波吸収体を得るときに、前記本発明の目的を達成することができ るという知見を得て、本発明に至ったものである。
[0013] 本発明は、下記の要旨を有するものある。
(1)炭化ホウ素粉末のホウ素 (B)含有量が 80質量%以上 96質量%以下であり、該 炭化ホウ素粉末が 5〜70体積%充填されてなることを特徴とする電磁波吸収体。
(2)ホウ素 (B)含有量が 80質量%以上 96質量%以下である炭化ホウ素粉末を 5〜 70体積%含み、残部がマトリックス材料である前記(1)に記載の電磁波吸収体。
(3)マトリックス材料が熱可塑性榭脂である前記(2)に記載の電磁波吸収体。
(4)自由空間法で測定した周波数 5〜110GHzにおける複素比誘電率の実数部 力 ¾以上、虚数部が 1以上及び誘電正接が 0. 1以上 0. 5以下である前記(1)〜(3) の!、ずれか 1項に記載の電磁波吸収体。
(5)電気伝導度が 5 X 10"6 (S/cm)以上である炭化ホウ素粉末と、 DBP (フタル 酸ジブチル)吸収量が 50〜300 (cmVlOOg)でありかつ電気伝導度が 5 (S/cm) 以上のカーボン粉末とを含んでなることを特徴とする電磁波吸収体。
(6)相対密度が 10〜70%である前記(5)に記載の電磁波吸収体。
(7)炭化ホウ素粉末とカーボン粉末とを合計量で 10〜70体積%含み、残部がマト リックス材料力もなる電磁波吸収体であって、該電磁波吸収体中に、前記炭化ホウ素
粉末を 5〜60体積%、前記カーボン粉末を 1〜20体積%含んでなる前記(5)又は( 6)に記載の電磁波吸収体。
(8)マトリックス材料が熱可塑性榭脂である前記(7)に記載の電磁波吸収体。
(9)周波数 1〜: L lOGHzの電磁波を入射角度 0° 〜55° の範囲で入射した場合 において、自由空間法で測定した反射減衰率の最大値が 15デシベル以上であり、 しかも反射減衰率が最大となる周波数 (整合周波数)の入射角度に対する変動が平 均値に対して ± 5%以内である前記(5)〜(8)のいずれか 1項に記載の電磁波吸収 体。
(10)周波数 1〜: L lOGHzの直線偏波からなる電磁波を、電界の方向が電磁波吸 収体に含まれる炭化ホウ素粉末粒子の列理方向に一致するように入射した場合と、 直交するように入射した場合において、自由空間法で測定した反射減衰率の最大値 (デシベル値)の差が平均値に対して ± 10%以下であり、かつ反射減衰率が最大と なる周波数 (整合周波数)の差が平均値に対して士 5%以下である前記(5)〜(8)の いずれか 1項に記載の電磁波吸収体。
(11)電気伝導度が 5 X 10_6SZcm以上である炭化ホウ素粉末と、保磁力が 0. 1 〜1000AZmの軟磁性材料粉末とからなる混合粉末を 10〜70体積%含有し、残 部がマトリックス材料力もなる電磁波吸収体であって、該電磁波吸収体中に、炭化ホ ゥ素粉末を 5〜60体積%、軟磁性材料粉末を 2〜40体積%含んでなることを特徴と する電磁波吸収体。
(12)マトリックス材料が熱可塑性榭脂である請求項 11に記載の電磁波吸収体。
(13)ホウ素 (B)含有量が 80質量%以上 96質量%以下であることを特徴とする電 磁波吸収体用の炭化ホウ素粉末。
(14)前記(1)〜(12)のいずれか 1項に記載の電磁波吸収体を含んでなる専用狭 域通信 (DSRC)用の電磁波吸収体。
(15)前記(1)〜(12)の ヽずれか 1項に記載の電磁波吸収体を含んでなる自動料 金収受システム (ETC)用の電磁波吸収体。
(16)前記(1)〜(12)のいずれか 1項に記載の電磁波吸収体を含んでなる車載レ ーダー装置用の電磁波吸収体。
(17)前記(1)〜(12)の 、ずれか 1項に記載の電磁波吸収体を含んでなる情報家 電用の電磁波吸収体。
(18)前記(1)〜(12)のいずれか 1項に記載の電磁波吸収体力 なる広帯域移動 アクセスシステム用の電磁波吸収体。
発明の効果
[0014] 本発明による電磁波吸収体は、 5〜: L lOGHzにおける電磁波吸収特性に優れ、該 周波数帯域における複素比誘電率の実数部が 8以上、虚数部が 1以上及び誘電正 接が 0. 1以上 0. 5以下という電磁波吸収特性を達成し得る。
[0015] 上記の特性を有する炭化ホウ素粉末をマトリックス材料中に配合してなる電磁波吸 収は、該マトリックス材料を適宜選定することでいろいろな用途に応じた、前記特性を 有する電磁波吸収体を容易に提供できる。特に、前記マトリックス材料として、熱可塑 性榭脂を選定するとき、熱可塑性榭脂に適用できる従来公知の射出成形、押出成形 、ロール成形、プレス成形法、テープ成形法等のいろいろな成形、加工方法をそのま まに適用することができ、いろいろな用途に適用可能な形状を容易に付す事ができ る。
[0016] 本発明による電磁波吸収体は、特に 1〜: LOOGHzの周波数帯域の電磁波吸収特 性に優れ、また、前記電磁波吸収体を空間的に特定な充填率となるように特定して いるので、表面に対して垂直に入射した電磁波だけでなぐ斜めに入射した電磁波も 安定して吸収することが可能であり、し力も電磁波の種類が直線偏波、円偏波の別を 問わず吸収できるし、炭化ホウ素粉末粒子の長軸方向が特定方向に配列する列理 現象が生じてもカーボン粉末の効果によって、その影響が電磁波吸収特性に及ばな いので、安定した性能が得られる。
[0017] 本発明の好ましい実施態様に於いては、周波数 1〜: L lOGHzの電磁波を入射角 度 0° 〜55° の範囲で入射した場合において、自由空間法で測定した反射減衰率 の最大値が 15デシベル以上であり、しかも反射減衰率が最大となる周波数 (整合周 波数)の入射角度に対する変動が平均値に対して ± 5%以内であるという特性を有 する。
[0018] また、本発明の別の好ましい実施態様に於いては、周波数 l〜110GHzの直線偏
波からなる電磁波を、電界の方向が電磁波吸収体に含まれる炭化ホウ素粉末粒子 の列理方向に一致するように入射した場合と、直交するように入射した場合にぉ ヽて 、自由空間法で測定した反射減衰率の最大値 (デシベル値)の差が平均値に対して
± 10%以下であり、かつ反射減衰率が最大となる周波数 (整合周波数)の差が平均 値に対して ± 5%以下であると 、う特性を有する。
[0019] また、前記特性の電磁波吸収体を、マトリックス材料と複合ィ匕してなる電磁波吸収 体は、安定して前記電磁波特性を達成出来るし、用途に応じた形態として提供できる 。特に、マトリックス材料として、熱可塑性榭脂を選択するとき、前記同様に熱可塑性 榭脂の成形、加工方法をそのまま適用することができるので、品質の安定した電磁波 吸収体を大量に、従って安価に産業規模で提供出来る特徴がある。
[0020] 本発明による電磁波吸収体は、特に l〜110GHzの周波数であって、帯域に幅を 持つ電磁波の吸収特性に優れる特徴がある。ここで、帯域の幅に関しては、従来の 電磁波吸収体においては、反射減衰率が最大値の 80%以上になる周波数帯域幅 の、整合周波数値 (GHz)に対する割合は、高々 2%以下であつたのに対し、本発明 の電磁波吸収体にぉ 、ては 3%以上、好ま 、実施態様に於!、ては 5%以上の割合 を示す特徴がある。
[0021] また、前記特性の炭化ホウ素粉末と軟磁性材料粉末とを、マトリックス材料に特定 量配合し、複合ィ匕しているので、安定して前記電磁波特性を発揮出来るし、マトリック ス材料の形態に応じて 、ろ 、ろな形態として提供することができ、 V、ろ 、ろな用途に 容易に適用し得る特徴がある。特に、マトリックス材料として、熱可塑性榭脂を選択す るときには、前記同様に熱可塑性榭脂の成形、加工方法をそのまま適用することがで きるので、安定した品質の電磁波吸収体を大量に、従って安価に産業規模で提供出 来る。
[0022] 本発明による電磁波吸収体用の炭化ホウ素粉末は、ホウ素 (B)含有量が 80質量 %以上 96質量%以下という特定範囲の組成を有するもので、 5〜: L lOGHzにおける 電磁波吸収特性に優れる。
[0023] 本発明による電磁波吸収体は、前記した優れた特性を有する電磁波吸収体であり 、専用狭域通信 (DSRC)用、自動料金収受システム (ETC)用、車載レーダー装置
用、情報家電用及び広帯域移動アクセスシステム用の電磁波吸収体として好適に供 することができる。
[0024] 特に、特定の炭化ホウ素粉末が含まれる本発明の電磁波吸収体は、従来の磁性 材料粉末を単独で使用した場合に比べて、軽量であるため、ノート型パーソナルコン ピュータゃ広帯域移動アクセスシステムに使用される通信機器を初めとする移動用 電子機器に用いられる電磁波吸収体として好適である。
発明を実施するための最良の形態
[0025] 本発明の電磁波吸収体の 1つは、後述する本発明の電磁波吸収体用の炭化ホウ 素粉末であって、ホウ素(B)含有量が 80質量%以上 96質量%以下の炭化ホウ素粉 末を、プラスチックや無機質の容器中に単に充填して用いたり、複数の榭脂性シート の間隙に充填して作製したり、或いは、後述する他の材料と複合化して作製すること ができる。上記炭化ホウ素粉末の空間での充填率が 5〜70体積%とすることが 5〜1 10GHzの周波数帯域での電磁波特性が優れることから、好ましく選択される。含有 量が 5体積%よりも少ないと、充分な電磁波吸収性能が得られないことがあるし、 70 体積%を超えると成形、或いは保形が困難になる。前記炭化ホウ素粉末の空間に於 ける充填率について、さらに好ましくは 20〜60体積%である。
[0026] また、前記炭化ホウ素粉末を、例えば榭脂、ゴム或いは塗料等のマトリックス材料中 に、 5〜70体積%配合した複合材料が挙げられる。該複合材料に於いて、前記炭化 ホウ素粉末の配合割合は、前記と同じ理由で、 20〜60体積%が好ましい。
[0027] マトリックスとして使用可能な材料は、アクリル榭脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、 ビスフエノール型エポキシ榭脂、フエノールノボラック型エポキシ榭脂、脂環型ェポキ シ榭脂、複素環型エポキシ榭脂、グリシジルエステル型エポキシ榭脂、グリシジルアミ ン型エポキシ榭脂、ハロゲンィ匕エポキシ榭脂などのエポキシ榭脂、ポリべンズイミダゾ ール、ポリべンズォキサゾール、ポリべンズチアゾール、ポリオキサジァゾール、ポリピ ラゾール、ポリキノキサリン、ポリキナゾリンジオン、ポリべンズォキサジノン、ポリインド ロン、ポリキナゾロン、ポリインドキシノレ、シリコン榭脂、シリコン エポキシ榭 S旨、フエノ ール榭脂、メラミン榭脂、ユリア榭脂、不飽和ポリエステル、ポリアミノビスマレイミド、 ジァリルフタレート榭脂、フッ素榭脂、 TPX榭脂 (メチルペンテンポリマー「三井石油
化学社製商品名」)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、 66—ナイロンお よび MXD ナイロン、アモルファスナイロン等のポリアミド、ポリブチレンテレフタレー トおよびポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフエ-レンスルフイド、変性 ポリフエ-レンエーテル、ポリアリレート、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポ リマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、マレ イミド変性樹脂、 ABS榭脂、 AAS (アクリロニトリル 'アクリルゴム'スチレン)榭脂、 AE S (アクリロニトリル エチレン.プロピレン ·ジェンゴム一スチレン)榭脂等の榭脂類、 ブチルゴム、アクリルゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、ポリエステルエラ ストマー、ポリブタジエン、クロ口プレン、天然ゴム、ポリイソプレン等のエラストマ一類 、又はこれらに必要に応じ、硬化剤、硬化促進剤、触媒、加硫剤、滑剤 ·離型剤、安 定剤、光安定剤、着色剤、難燃剤、カップリング剤等を添加したものである。これら以 外にソーダガラス、 Eガラス、ホウケィ酸ガラス、石英ガラス等のガラス類や、蛙目粘土 、木節粘土等の粘土類、セメント、アルミナセメント、モルタル、石膏等の無機材料も 使用可能である。
[0028] これらのマトリックス材料の中でも、取扱いが簡便であること、及びドクターブレード 等の成膜方法、ロール成形、押出成形、射出成形、プレス成形など従来公知の成形 方法や加工方法を、また、必要に応じて複数の方法を組み合わせて、適用できること 等を考慮して、使用するに好ましい材料が選択される。加工性が良好なことから、ァク リル榭脂等の熱可塑性榭脂が好適に用いられる。
[0029] 前記マトリックス材料に対して、本発明の電磁波吸収体用の炭化ホウ素粉末を所定 量配合し、混合し、用途に応じて、膜や板等の成形品、或いは液状のままで塗料、充 填材等の多用な形態の複合材料として使用される。
[0030] 前記液状の複合材料を作製する場合、混合は少量の場合には手混合も可能であ る力 プラネタリーミキサー、ハイブリッドミキサー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミ キサ一、ニーダー、ボールミル、ミキシングロール等の一般的な混合機を用いることが できる。
[0031] 本発明の前記電磁波吸収体は、その好ましい実施態様に於いて、自由空間法で 測定した周波数 5〜110GHzにおける複素比誘電率の実数部が 8以上、虚数部が 1
以上及び誘電正接が 0. 1以上 0. 5以下の電磁波吸収特性を有している。
[0032] 本発明のように、絶縁性の空間またはマトリックス材料に、炭化ホウ素のような電気 伝導性を有する粉末が分散した形態をとる材料は、誘電性電磁波吸収体と呼ばれ、 材料全体の誘電的性質が電磁波吸収特性に関与する。
[0033] 誘電的性質は、具体的には複素比誘電率( s r= s r' -j s r" [jは虚数単位] )の実 部( ε r' )、虚部( ε r")及び実部と虚部の比力もなる誘電正接 (tan δ = ε r"/ ε r,) である。
[0034] ε r'は、電磁波吸収体の波長圧縮効果に対応する。 ε r'が大き 、ほど、通過する 電磁波の波長圧縮効果が大きくなる。波長圧縮効果が大きければ、電磁波吸収効 果が最大 (すなわち反射減衰率が最大)になる周波数 (整合周波数)における電磁波 吸収体の厚さを小さくすることができる。
[0035] ε r"は、誘電損失に対応する。 ε r"が大きいほど、誘電分極にともなう損失が大き くなる。損失は電磁波の吸収に対応するため、 ε r"が大きいほど電磁波を良く吸収 することができる。
[0036] 上記より、 ε r'及び ε r"が大きければ大きいほど、良好な電磁波吸収体が得られる かに見えるが、実際に電磁波が吸収されるためには、電磁波が吸収体の内部に入ら なければならない。電磁波が吸収体内部に入るためには、複素比誘電率( ε r)、電 磁波の波長( λ )及び電磁波吸収体の厚さ(d)が、無反射条件と呼ばれる一定の条 件に近づかなければならない。従って、 ε rの要素である ε r'及び ε r"も、一定の関 係を満たさねばならない。
[0037] 無反射条件は、例えば垂直入射の場合は下式で表される。
l = ( s r) "1/2 X tanh (j X (2 π d/ λ ) X ( ε r) 1/2)
[0038] ε r'及び ε r"が無反射条件に近づくために満たす一定の関係は、誘電正接 (tan
δ = ε r"/ ε r' )で表すことができる。本発明の炭化ホウ素粉末を含んでなる電磁波 吸収体は、 ε r'は波長圧縮効果が得られる値 (8以上)であり、かつ ε r"は充分な誘 電損失(=電磁波吸収)が生じる値(1以上)であり、し力も tan S = ε r"/ ε r'無反 射条件に近い値 (0. 1以上 0. 5以下)であることに特徴がある。
[0039] 本発明の電磁波吸収体は、 5〜: L lOGHzの広い周波数領域において、これら三つ
の要件を同時に満たすものであり、従来見出されていな力つたものである。
[0040] なお、材料の有して ヽる誘電的性質を利用する電磁波吸収体に於!ヽては、電磁波 吸収体の形状や炭化ホウ素粉末の充填量を変えることにより、電磁波吸収量 (すな わち電磁波の反射減衰量)が最大値を示す周波数 (整合周波数)を変化させることが できる。
[0041] 即ち、電磁波吸収体を設ける位置に置いて、例えば当該電磁波吸収体の炭化ホウ 素粉末配合量を異なるものや、厚み (特に電波の進む方向に関する奥行き)の異な る電磁波吸収体を重ねて使用するといつた工夫をすることで、周波数 5〜110GHz の帯域において、複数の整合周波数を有し、多種類の不要電磁波の吸収、除去に 適した電磁波吸収体或いは電磁波吸収体の複合体を作製することが可能になる。
[0042] 本発明者は、前記した特定の炭化ホウ素粉末を用いた電磁波吸収体について更 に検討する中で、特定の炭化ホウ素粉末と特定のカーボン粉末とを適宜組み合わせ ることにより、周波数 l〜110GHzのような高周波帯域で優れる電磁波吸収体が得ら れることを見出すに至った。
[0043] 即ち、本発明における別の電磁波吸収体は、電気伝導度が 5 X 10_6 (SZcm)以 上の炭化ホウ素粉末と、 DBP吸収量が 50〜300 (cm3ZlOOg)であり、電気伝導度 力 (S/cm)以上のカーボン粉末とを含んでなる電磁波吸収体である。本発明品が 優れた電磁波吸収特性を発揮できることの原因については、明らかではないが、本 発明者は以下のように推定して 、る。
[0044] 電磁波吸収特性には、材料の有する電気伝導性、誘電的性質或いは磁気的性質 が関与するとされているが、電気伝導度が 5 X 10_6 (SZcm)以上の炭化ホウ素粉末 と DBP吸収量が 50〜300 (cmVlOOg)であり、電気伝導度が 5 (S/cm)以上の力 一ボン粉末とが複合された場合、前記の特定範囲の電気伝導度と、これらの材料同 士が混合された際に生じる誘電的性質とが相俟って、電磁波吸収に好適な性質が 発現すると考えられる。
[0045] また、炭化ホウ素粉末を単独で用いて、これを成形した際には、炭化ホウ素粉末粒 子の長軸方向が成形物の特定方向に揃う、いわゆる列理現象が生じてしまい、これ が成形体の電磁波吸収特性に及ぼすという現象があるが、炭化ホウ素粉末にカーボ
ン粉末を混合することによって、炭化ホウ素粉末粒子同士の間に特定のカーボン粒 子が介在することにより、前記現象の発生するのを防止でき、その結果、斜入射特性 の変動等も少なくて安定な電磁波吸収特性が得られる。
[0046] 本発明の前記電磁波吸収体に用いる炭化ホウ素粉末は、電気伝導度が 5 X 10_6 ( SZcm)以上である。電気伝導度が 5 X 10_6 (SZcm)未満の炭化ホウ素粉末粉末 を用いた場合には、電磁波吸収特性が不充分で、斜入射特性が変動しやすくなるの で、本発明の目的を達成出来ないからである。
[0047] また、前記電磁波吸収体に用いる炭化ホウ素粉末は、炭化ホウ素塊を合成した後 これを粉砕、篩い分けすることによって製造することができる。炭化ホウ素塊を合成す る具体的な方法としては、例えば、ホウ酸等のホウ素分と石油コータス等の炭素分と を混合した原料を、アーク炉、抵抗加熱炉、高周波加熱炉等を用いて 2200°C程度 の高温まで加熱して、下記の反応を生じさせる方法が代表的である。
4H BO + 7C → B C + 6CO + 6H O
3 3 4 2
[0048] 更に、前記以外の方法として、三塩ィ匕ホウ素(BC1 )を炭素の存在下、水素 (H )で
3 2 還元する方法や、 BC1とメタン (CH )等の炭化水素を H存在下で反応させるなどの
3 4 2
方法が公知であるが、 、ずれの製法によるものであっても構わな 、。
[0049] また、炭化ホウ素粉末に関して、ホウ素の炭素に対するモル比については、 4、 6. 5 、 8、 10又は 25が公知である、本発明に於いては、前記特定の電気伝導性を有する 限り、いずれモル比のものであっても構わない。
[0050] カロえて、炭化ホウ素粉末を構成する粒子の粒度につ!、ては、 0. 1 m以上 250 μ m以下、好ましくは 0. 1 m以上 45 m以下である。
[0051] なお、炭化ホウ素粉末の電気伝導度については、以下の方法で測定したものであ る。即ち、直径 16mm、厚さ 3mmのステンレス製円板を、内径 16mm、外径 24mm の榭脂(ポリアセタール)製円筒にはめ込み、その上に炭化ホウ素粉末 1. 0〜1. 5g と、もう 1枚の直径 16mm、厚さ 3mmのステンレス製円板を載せる。上下のステンレス 円板の外側に銅箔を敷いた後、油圧プレスを用いて 14. 7MPaの圧力を加えて炭化 ホウ素粉末を圧縮する。加圧したままデジタルマルチメーターで上下の銅箔間の抵 抗値を計測し、加圧開始 1分後の抵抗値と、加圧時の炭化ホウ素粉末の充填高さ及
び榭脂円筒内径寸法から、炭化ホウ素粉末の比抵抗(Ω 'cm)を算出し、逆数を電 気伝導度 (SZcm)とする。
[0052] 次に、本発明の前記電磁波吸収体に用いるカーボン粉末は、電気伝導度が 5 (S Zcm)以上である。本発明者の検討結果に拠れば、電気伝導度が 5 (SZcm)未満 のカーボン粉末を用いた場合には、電磁波吸収特性が不充分で、斜入射特性が変 動しやすくなり、本発明の目的を達成出来ないからである。
[0053] なお、前記のカーボン粉末は、市販のカーボンブラック等の中で本発明所定の電 気伝導度と DBP吸収量を満足するものを用いてもよいし、文献に開示された方法で 製造して用いてもよい(特開 2000— 281933号公報参照)。
[0054] 前記カーボン粉末の電気伝導度については、 JIS
K 1469 : 2003の、電気抵抗率測定方法に基づく。即ち、絶縁性の円筒容器に所定 量のカーボン粉末を充填し、ばね式フォースゲージにて所定の荷重を充填層に加え た際の、充填層の断面積、充填高さ及び抵抗値から、電気抵抗率(Ω 'cm)を算出し 、逆数を電気伝導度 (SZcm)とする。
[0055] 一方、本発明の前記電磁波吸収体に用いるカーボン粉末は、 DBP (フタル酸ジブ チル)吸収量が 50〜300 (cmVlOOg)である。 DBP吸収量が 50未満又は 300を 超える場合は、何れも電磁波吸収特性が不充分で、斜入射特性が変動しやすくなり 、本発明の目的を達成出来なくなる。
[0056] ここで、カーボン粉末の DBP吸収量とは、所定条件において一定量(lOOg)の力 一ボン粉末が、有機溶媒であるフタル酸ジブチル (DBP)を吸収する量を体積 (cm3) で表した数値であり、カーボン粉末のストラクチャーに対応した特性値である。
[0057] ストラクチャーとは、カーボンの基本粒子同士が融着し、連鎖状ないしは不規則な 鎖状に枝分かれした一次凝集形態のことを示す。ストラクチャー発達程度の大小が、 カーボンを他材料に配合した際の、導電性、補強性、成形性、粘度或いは分散性等 に大きな影響を与える。 DBP吸収量はストラクチャー発達程度と正の相関を有し、 D BP吸収量が多い程、ストラクチャーの発達程度が高い。 DBP吸収量は、 JIS
K 6217— 4 : 2001の方法によって測定される。
[0058] 本発明の前記電磁波吸収体は、上記炭化ホウ素粉末に上記カーボン粉末を混合
することで得られる混合粉末のままに実用に供することもできるが、実使用への便宜 を考慮して、圧粉体もしくは仮焼体等の単独の成形物、又は榭脂、ゴム或いは塗料 等のマトリックス材料中に分散、複合ィ匕した複合材料として用いることができる。
[0059] この場合、上記混合粉末、圧粉体もしくは仮焼体等の単独の成形物においては相 対密度が 10〜70%、榭脂、ゴム或いは塗料等のマトリックス材料中に分散、複合ィ匕 した複合材料にぉ 、ては 10〜70体積%とすることが好ま 、。 10体積%未満では、 電磁波吸収特性が不十分となって実用面で制限されることが多いからであり、 70体 積%を越える場合には成形体、複合材料を容易に、多量に、安定して得ることが容 易でなくなるからである。なお、前記相対密度とは、混合粉末、圧粉体もしくは仮焼体 等のかさ密度を、混合粉末を用いて気孔を有しな!/ヽ緻密成形体を形成した場合の密 度 (すなわち理論密度)によって除した値である。
[0060] マトリックス材料としては、前述のホウ素(B)含有量が 80質量%以上 96質量%以下 の炭化ホウ素粉末とマトリックス材料力 なる電磁波吸収体にぉ 、て、マトリックス材 料として使用可能な、並びに好適な材料として挙げられて 、る材料が同様に使用可 能である。
[0061] マトリックス材料に対して前記の炭化ホウ素粉末を添加、混合し、用途に応じ膜、板 等の成形品や、液状のままで塗料、充填材等の多用な形態の複合材料として使用さ れる。
[0062] 前記液状の複合材料を作製する場合、混合は少量の場合手混合も可能であるが、 プラネタリーミキサー、ハイブリッドミキサー、ヘンシェルミキサー、バンバリ一ミキサー 、ニーダー、ボールミル、ミキシングロール等の一般的な混合機が用いられる。
[0063] マトリックス材料と複合ィ匕する際、炭化ホウ素粉末の含有量は、 5〜60体積%、カー ボン粉末の含有量は 1〜20体積%であることが好ま 、。前記配合割合以外では、 充分な電磁波吸収特性が得られなくなることがあるからである。
[0064] また、本発明の前記電磁波吸収体は、先に示した通りに、その好ましい実施態様に おいて、周波数 l〜110GHzの電磁波を入射角度 0° 〜55° の範囲で入射した場 合において、自由空間法で測定した反射減衰率の最大値が 15デシベル以上であり 、しかも反射減衰率が最大となる周波数 (整合周波数)の入射角度に対する変動が
平均値に対して ± 5%以内であると 、う特性を有する。他の好ま 、実施態様にお!ヽ ては、周波数 l〜110GHzの直線偏波力もなる電磁波を、電界の方向が電磁波吸収 体に含まれる炭化ホウ素粉末粒子の列理方向に一致するように入射した場合と、直 交するように入射した場合において、自由空間法で測定した反射減衰率の最大値( デシベル値)の差が平均値に対して ± 10%以下であり、かつ反射減衰率が最大とな る周波数 (整合周波数)の差が平均値に対して ±5%以下であるという特性を有する
[0065] 本発明者は、前記した炭化ホウ素粉末を用いた電磁波吸収体について更に検討 する中で、特定の炭化ホウ素粉末と、特定の軟磁性材料粉末とを特定配合して混合 粉末とし、該混合粉末を空間的に所定の密度となるように配置することにより、周波数 1〜: L lOGHzのような高周波帯域で優れた新たな電磁波吸収体が得られることを見 出すに至った。
[0066] 即ち、本発明における更にもう 1つの電磁波吸収体は、電気伝導度が 5 X 10_6SZ cm以上の炭化ホウ素粉末と、保磁力が 0. 1〜: LOOOAZmの軟磁性材料粉末とから なる混合粉末を 10〜70体積%含有し、残部がマトリックス材料力もなる電磁波吸収 体であって、当該電磁波吸収体中に、炭化ホウ素粉末が 5〜60体積%、軟磁性材 料粉末が 2〜40体積%含有して!/、ることを特徴とする電磁波吸収体である。本発明 の該電磁波吸収体が優れた電磁波吸収特性を発揮できることの原因について、本 発明者は次のように推定して ヽる。
[0067] 電磁波吸収特性には、材料の有する電気伝導性、誘電的性質或いは磁気的性質 が関与するとされているが、電気伝導度が 5 X 10_6SZcm以上の炭化ホウ素粉末と 、保磁力が 0. 1〜: LOOOAZmの軟磁性材料粉末とが複合された場合であって、更 に、空間的に所定の密度で配置された場合に、前記の特定範囲の電気伝導度と、こ れらの材料同士が混合された際に生じる誘電的性質及び磁気的性質とが相俟って、 電磁波吸収に好適な性質が発現すると考えられる。
[0068] 電磁波は、電磁波吸収体に入射した際に生じる、電気抵抗による損失、誘電損失 及び Z又は磁気損失によって、電磁波の有するエネルギーが熱に変換されて吸収さ れる。従って誘電損失に対応する吸収体の複素比誘電率( ε r= ε r'— j ε r")の虚
部( ε r")又は磁気損失に対応する吸収体の複素比透磁率 r= /z r'— j /z r")の 虚部 r")が、大きな値を有さなければならない。ここで、 jは虚数単位を示す。
[0069] 一方、広帯域移動アクセスシステム又は ITSにおける不要電磁波吸収の場合に見 られるように、波源からの距離が遠い位置すなわち遠方界における電磁波吸収にお いて、電磁波が電磁波吸収体に入射するためには、空間と電磁波吸収体のインピー ダンスが整合しなければならない。インピーダンスが整合するためには、電磁波の波 長(え)、吸収体の厚さ (d)、吸収体の複素比誘電率及び複素比透磁率の関係が、 無反射条件と呼ばれる下式に示す一定の条件に近づかなければならない。
1 = { μ τ/ ε r) 1/2 X tanh(j X (2 π ά/ λ ) X ( ε r ^ r) 1/2)
ここで、 ε r及び μ rは複素数でありそれぞれ実部( ε r'、 r' )及び虚部 ( ε τ,,、 μ r" )からなるので、それぞれの実部及び虚部も相互に特定の関係を有さなければならな い。
[0070] 本発明の前記電磁波吸収体が周波数 l〜110GHzの電磁波を吸収する理由は、 l〜1 10GHzにおいて、該電磁波吸収体の構成要素となっている、炭化ホウ素粉末 と軟磁性材料粉末との混合粉末が比較的大きな誘電損失( ε r"値)を有すること、更 に空間的に所定の密度で配置されることに基づくと推定される。
[0071] また、本発明の前記電磁波吸収体が周波数 1〜: L lOGHzの帯域に幅を持つ電磁 波を吸収するのは、 l〜110GHzにおいて、前記混合粉末の複素比透磁率の実部( μ τ' )及び虚部( μ r")が、無反射条件に近い関係を有するため空間と電磁波吸収 体のインピーダンスが整合しやす 、ことに基づくと推定される。この理由は明らかでは ないが、 1〜: L lOGHzの周波数において、特に保磁力 0. l〜1000AZmの軟磁性 材料の複素比透磁率の実部及び虚部が周波数の増大と共に低下する現象が顕著 であることから、磁性材料の複素比透磁率が実部、虚部共に一定値以上になり得ず し力も周波数の増大と共に低下する現象 (Snoekの限界と呼ばれる)に関係すると推 測される。
[0072] 以上のように、本発明の前記電磁波吸収体は、特定の炭化ホウ素粉末の有する優 れた電磁波吸収性能と、特定の軟磁性材料の有する優れたインピーダンス整合性能 と、両者を組み合わせることで、更に空間的に適度に充填することにより、優れた電
磁波吸収特性が発揮されて ヽる。
[0073] 電磁波吸収体に用いる炭化ホウ素粉末は、電気伝導度が 5 X 10_6SZcm以上の ものであれば良ぐ炭化ホウ素粉末の製造方法としては、前述の方法等があるが、そ の製造履歴は問わない。
[0074] また、用いる炭化ホウ素粉末におけるホウ素の炭素に対するモル比についても、前 記特定の電気伝導性を有する限り、 V、ずれモル比のものであっても構わな 、。
[0075] 炭化ホウ素粉末を構成する粒子の粒度につ!、ては、 0. 1 m以上 250 μ m以下、 好ましくは 0. 1 m以上 45 m以下である。
[0076] なお、上記炭化ホウ素粉末の電気伝導度については、前述の、本発明の 1つであ る炭化ホウ素粉末とカーボン粉末力 なる電磁波吸収体の作製において使用する該 炭化ホウ素粉末の電気伝導度測定方法と同様に、炭化ホウ素粉末の比抵抗( Ω cm )を算出し、逆数を電気伝導度 (SZcm)とする。この測定法による電気伝導度が 5 X 10_6SZcm未満の炭化ホウ素粉末は、得られる電磁波吸収体の電磁波吸収性能 が不充分な場合がある。
[0077] 次に、本発明の前記電磁波吸収体に用いる軟磁性材料粉末については、保磁力 が 0. 1〜: LOOOAZmの軟磁性材料力もなる粉末であれば、何れであってもよい。例 えば、鉄(Fe)の他、ケィ素鋼(Fe Si)、パーマロイ(Ni Fe)、パーメンジュール(F e Co)、センダスト(Fe Si— A1)、電磁ステンレス鋼、アモルファス鉄基合金(Fe — B— C系、 Fe Co系)等の鉄を含む合金や、マンガン 亜鉛(Mn— Zn)フェライト 、ニッケル—亜鉛 (Ni— Zn)フェライト等力もなる粉末である。力かる粉末を構成する 粒子の粒度【ま、 0. 1 m以上 250 μ m以下、好ましく ίま 0. 1 μ m以上 45 μ m以下で ある。
[0078] 前記軟磁性材料粉末の保磁力は、当該粉末をリング状に圧粉、成形してコア材を 形成し、これに一次側及び二次側のコイルをそれぞれ巻き付けて、一次側コイルに 交流 50Hz又は交流 60Hzの電圧を印加しながら、一次側コイル力 コア材に加わる 磁場 (H)を、二次側コイル力もコア材に生じる磁束密度 (B)をそれぞれ検出してオシ ロスコープに磁気ヒステリシス曲線 (B— H曲線)を表示させるオシロスコープ直視法 によって、求めることができる。
[0079] 前記の測定法による保磁力が 0. lAZm未満のものは磁気的性質が弱過ぎるため に、また lOOOAZmを超えるものは 1〜: LlOGHzで常用される電磁波では殆ど磁ィ匕 しな 、ために、何れも得られる電磁波吸収体の電磁波吸収特性が向上しな 、。
[0080] 本発明の前記電磁波吸収体は、前記炭化ホウ素粉末に前記軟磁性材料粉末を混 合することで得られる混合粉末を、榭脂、ゴム或いは塗料等のマトリックス材料中に分 散、複合化した複合材料として用いることができる。
[0081] この場合、前記混合粉末は、榭脂、ゴム、塗料或いは無機材料等のマトリックス材 料中に分散、複合化した複合材料において、混合粉末が 10〜70体積%を占有する ように選択される。 10体積%未満では、得られる電磁吸収体の電磁波吸収特性が不 十分となって実用面で制限されることが多いからであり、 70体積%を越える場合には 複合材料を、多量に、安定して得ることが容易でなくなる力もである。
[0082] マトリックス材料としては、前記混合粉末の電磁波吸収特性を阻害しない材料であ ればどのようなものであっても構わないが、前述のホウ素(B)含有量が 80質量%以 上 96質量%以下の炭化ホウ素粉末とマトリックス材料力 なる電磁波吸収体におい て、マトリックス材料として使用可能な、並びに好適な材料として挙げられている材料 が同様に使用可能である。
[0083] マトリックス材料に対して、前記混合粉末を添加、混合し、用途に応じ膜、板等の成 形品や、液状のままで塗料、充填材等の多用な形態の複合材料として使用される。 なお、本発明の電磁波吸収体の製造に当たり、混合粉末を経由することなぐマトリツ タス材料に炭化ホウ素粉末と軟磁性材料粉末とを所定量配合し、複合化することで 得ることちでさる。
[0084] 複合材料が液状の場合、混合は、少量のときは手混合でもよ!、が、多量のときには プラネタリーミキサー、ハイブリッドミキサー、ヘンシェルミキサー、バンバリ一ミキサー 、ニーダー、ボールミル、ミキシングロール等の一般的な混合機が用いられる。
[0085] マトリックス材料と複合ィ匕する際、炭化ホウ素粉末の含有量は、 5〜60体積%、軟 磁性材料粉末の含有量は 2〜40体積%であることが好ま 、。前記配合割合以外で は、充分な電磁波吸収特性が得られなくなることがあるからである。
[0086] 前記本発明の電磁波吸収体の 1つである、ホウ素(B)含有量が 80質量%以上 96
質量%以下である炭化ホウ素粉末を用いた電磁波吸収体は、本発明者等が炭化ホ ゥ素を用いた電磁波吸収体について、種々検討してきた中で、炭化ホウ素粉末の組 成が当該組成である場合に、周波数 5〜: L 10GHzにおける電磁波吸収特性に優れ ていることを見い出したことによるものであり、この原因については必ずしも明らかで はないが、以下のように推定される。
[0087] 電磁波吸収特性には、材料の有する電気伝導性、誘電的性質並びに磁気的性質 が関与するとされている力 ホウ素(B)を 80質量%以上含む炭化ホウ素粉末は、ホウ 素を多く含むことによって、電気伝導性や誘電的性質が、炭化ホウ素として一般的で ある B Cとは異なったものとなり、両方の特性の変化の結果として、電磁波吸収に好
4
適な性質が発現すると考えられる。
[0088] 炭化ホウ素として一般的である B Cは、ホウ素(B)を 78. 3質量%含んで 、る。結晶
4
構造は菱面体であり、 12個の B原子が頂点に位置する 8個の正 20面体が、単位格 子の頂点に配置し、格子中央の長軸上に 3個の炭素 (C)原子が配置した構造を有 する。そして、前記 B C単位格子中の 3個の C原子について中央の 1個が B原子に置
4
換し B Cが得られる等、いろいろな組成の炭化ホウ素が存在することが明らかにさ
13 2
れている。
[0089] 本発明の前記電磁波吸収体用の炭化ホウ素粉末は、ホウ素 (B)含有量が 80質量 %以上 96質量%以下、即ち、一部の C原子が適当量の B原子で置換されれば足りる ものである。更に、前記組成範囲の下限値に関しては、 B Cよりも Bが多い組成す
4. 5
なわち BZC (モル比)≥4. 5であることが好ましい。
[0090] 一方、組成範囲の上限値に関しては、炭化ホウ素には B C
8 、 B C或いは B Cが知 10 25 られている力 これらのいずれもが本発明にて用いることができることから、 B Cに相
25 当するホウ素(B)含有量 96質量%以下であることが好ま U、。
[0091] 炭化ホウ素粉末を合成する一般的な方法は、前述のホウ酸等のホウ素分と石油コ 一タス等の炭素分とを混合した原料を、 2200°C程度の高温まで加熱する代表的な 方法があるが、この方法で生成する炭化ホウ素の大部分が B Cであるため、一般的
4
な炭化ホウ素は B Cということになる。
4
[0092] 上記の方法に対して、例えば金属ホウ素を直接炭化する方法 (直接炭化法)や、金
属マグネシウム等の強還元性物質によって、酸ィ匕ホウ素を急激に還元、炭化する方 法 (テルミット反応法)で製造する方法は、 B含有量を 80質量%以上 96質量%以下 に制御し易 、ことから、好まし 、製造方法である。
[0093] これらの方法では、原料に含まれる B原子と C原子の比率を、 Bが 80質量%以上 9 6質量%以下になるように予め調製しておけば足りる。これに対し、前述のホウ酸と炭 素を反応させる一般的な方法は、炭素が還元剤も兼ねるため、また、反応自体が高 い温度条件下で行われる必要から、炭素やホウ素の成分が揮発され、炭化ホウ素の 組成をコントロールすることが困難である欠点がある。
[0094] なお、直接炭化法やテルミット反応法で得た炭化ホウ素粉末は、必要に応じ、(酸 処理)、粉砕、篩い分けすることによって製造することができる。
[0095] 本発明の電磁波吸収体である、ホウ素 (B)含有量が特定範囲の炭化ホウ素粉末を 含む電磁波吸収体、特定の電気伝導度を有する炭化ホウ素粉末と、特定の DBP吸 収量と電気伝導度を有するカーボン粉末とを含む電磁波吸収体、及び、特定の電気 伝導度を有する炭化ホウ素粉末と、特定の保磁力を有する軟磁性材料粉末とマトリツ タス材料カゝらなる電磁波吸収体は、前記の通りに優れた電磁波吸収特性を有して ヽ るので、専用狭域通信 (DSRC)用、自動料金収受システム (ETC)用、車載レーダ 一装置用、情報家電用の電磁波吸収体として、更には、軽量である特徴を有すること 力ゝら広帯域移動アクセスシステム用の電磁波吸収体として好適に使用出来る。
[0096] 実施例 1 1
ホウ素粉末 (Starck社製、グレード I)と炭素粉末 (ライオン製ケッチェン EC)を、モ ル比で 13: 2になるように混合した後、抵抗加熱炉を用いアルゴン雰囲気中 1400°C で 2時間加熱した。得られた塊状物を乳鉢で解砕後、目開き 160 mの篩網を通し て粉末を得た。この粉末は B Cであることを粉末 X線回折法で確認した。また元素
13 2
分析の結果、 85質量%のホウ素(B)を含んで ヽた。
[0097] 前記炭化ホウ素粉末を、榭脂分に対して 40体積%になるように、アクリルェマルジ ヨン (高圧ガス工業製 FX— 851、榭脂分 55%) 100質量部、分散剤 (サンノプコ製 S Nデイスパーサント 2060) 2質量部及び消泡剤(サンノプコ製 SNデフォーマー 314) 0. 2質量部力もなる液状マトリックスに添加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス
製 HM— 500)を用いて混合し、スラリーを作製した。次いでこのスラリーを lmm厚さ のシート形状に成形した後、 70°Cで 3時間加熱して固化させて、炭化ホウ素粉末とァ クリル樹脂の複合体を得た。
[0098] 複合体の複素比誘電率( ε r'— j ε r' ' )を、ネットワークアナライザーを用いて自由 空間法で測定した結果、 5〜: L lOGHz帯域における複素比誘電率は、 ε r' = 9〜2
5、 ,,= 2〜5、誘電正接 &!1 3 )は0. 1〜0. 5であった。
[0099] 実施例 1 2
酸化マグネシウム (MgO)粉末及びホウ酸 (H BO )粉末を、モル比 3 : 2の割合で
3 3
混合した後、大気中 850°Cで 2時間加熱した。得られた塊状物を乳鉢で粉砕後、目 開き 160 mの篩網を通して粉末を得た。この粉末はホウ酸マグネシウム(3MgO 'B O )であることを粉末 X線回折法で確認した。この粉末と、金属マグネシウム (Mg)粉
2 3
末及び実施例 1と同じ炭素(C)粉末を、モル比で 3MgOB O : Mg : C = 2 : 6 : lに
2 3
なるように混合し、アルゴン雰囲気中 1400°Cで 2時間加熱した。得られた塊状物を 乳鉢で粉砕後、目開き 160 μ mの篩網を通して粉末を得た。この粉末は酸ィ匕マグネ シゥム(MgO)、ホウ酸マグネシウム(3MgO'B O )及び炭化ホウ素(B C又は B C
2 3 4 13 2
)の混合物であることを粉末 X線回折法で確認した。
[0100] 更に、前記粉末を塩酸 (HC1)で処理し、 MgO及び 3MgO 'B Oを除去した後、再
2 3
度粉末 X線回折測定を行った結果、生成物の格子定数は 0. 5612nmであり、 B C (
4 格子定数 0. 5600nm)と B C (格子定数 0. 5633nm)の中間的な結晶格子力もな
13 2
る炭化ホウ素粉末であることを確認した。更にこれを元素分析した結果、 81質量%の ホウ素を含んでいた。
[0101] この粉末をゴム (エラストマ一)分に対して 50体積0 /0になるように、トルエンに溶解さ せたシリコーンゴムに 1質量%の難燃剤、 0. 5質量%のシランカップリング剤及び 0. 5質量%の加硫剤を添加して調製したマトリックスに分散させてスラリーを得た。
[0102] 前記スラリーをドクターブレード成膜機を用いて厚さ lmmのシート状に成形した後 、 80°Cで 1時間加熱してトルエンを揮発させ、温度 170°C、圧力 9. 8MPaで 10分間 プレス加硫を行い、さらに大気圧下 200°Cで 5時間二次加硫を行い、炭化ホウ素粉 末とシリコーンゴムの複合体を得た。複合体の 5〜110GHzにおける誘電特性を、実
施例 1—1と同様にして測定したところ、複素比誘電率は、 ε r' = 12〜30、 ε r" = 3〜8、誘電正接(tan S )は 0. 2〜0. 5であった。
[0103] 実施例 1 3
( 1)実施例 1 1の炭化ホウ素粉末とアクリル榭脂の複合体、(2)厚さを 0. 5mmと した他は実施例 1 1と同様にして得た複合体、及び (3)炭化ホウ素粉末の充填量を 30体積%とした他は実施例 1と同様にして得た複合体を、表側から(2)、 (3)、 (1)の 順に、層間に実施例 1のアクリルェマルジヨンを塗布後積層し、全面に lOgZcm2の 荷重を印カロしながら再び 70°Cで 3時間加熱して層間を接着 ·一体化させて複合体を 得た。複合体の 5〜1 10GHzにおける誘電特性を、実施例 1—1と同様にして測定し たところ、複素比誘電率は、 ' = 10〜28、 ' ' = 3〜6、誘電正接 &!1 3 )は0. 2〜0. 4であった。
[0104] この複合体の 5〜: L lOGHzにおける電磁波吸収特性 (反射減衰率)を自由空間法 で測定したところ、 15デシベル以上の顕著な反射減衰率を示す整合周波数が、 18 GHz、 40GHz及び 65GHzの 3個所にお!、て確認された。
[0105] 実施例 1 4
専用狭域通信 (DSRC)の一種である高速道路における自動料金収受システム (E TC)を模して、舗装路面上 4メートルの位置に、マイクロ波発信用パラボラアンテナを 設置し、このアンテナに接続したネットワークアナライザーから 5. 8GHzの右旋回円 偏波からなるマイクロ波を発信して 45° の角度で舗装路面に入射させ、反射波を舗 装路面上 1メートルの位置に設置したパラボラアンテナにて受信した。
[0106] 次いで、厚さを 2. 5mmとした以外は実施例 1—1と同様にして作製したシート形状 複合体を、一辺が 0. 5mの正方形に裁断して上記舗装路面のマイクロ波入射位置 に配置し、上記同様にマイクロ波の発信及び受信を行った。舗装路面からの反射波 の強度を P
0、複合体からの反射波の強度を P
1として、強度比を、 - 201og (P ZP
10 1 0
)で求めた結果 25デシベルであり、この複合体が、 ETCにおける不用電波の多重反 射防止用電磁波吸収体として、適用可能な性能を有することが解った。
[0107] 比較例 1 1
ホウ酸粉末と石油コータス粉末を混合した後、高周波式抵抗加熱炉を用 ゝ 2200°C
で 5時間加熱した。得られた塊状物を鉄製ボールのボールミルで粉砕し、篩網を用い て粒径 45 m以下に篩分け、更に硝酸水溶液で洗浄して鉄分を除去後、濾過、乾 燥して炭化ホウ素粉末を得た。この炭化ホウ素粉末は B Cであることを粉末 X線回折
4
法で確認した。また元素分析の結果、 78質量%のホウ素を含んでいた。
[0108] 次いで前記 B C粉末を、実施例 1—1と同様にして 40体積%になるようにアクリルェ
4
マルジヨン等と混合し、スラリーを作製し、さらに lmm厚さのシート形状に成形、固化 させて、 B C粉末とアクリル榭脂の複合体を得た。
4
[0109] 複合体の複素比誘電率( ε r'— j ε r' ' )を、ネットワークアナライザーを用いて自由 空間法で測定した結果、 5〜: L lOGHz帯域における複素比誘電率は、 ε r' =8〜3 0、 ε r" = 2〜9、誘電正接(tan δ )は 0. 01〜0. 8であった。
[0110] 実施例 2—1
比較例 1—1の方法で得た炭化ホウ素粉末 1. lgを、内径 16mm、外径 24mmの 榭脂(ポリアセタール)製円筒にはめ込んだ直径 16mm、厚さ 3mmのステンレス製円 板上に載せ、さらにもう 1枚同寸法のステンレス製円板を載せて上下のステンレス円 板の外側に銅箔を敷いた後、油圧プレスを用いて 14. 7MPaの圧力を加えて圧縮し 、加圧したままデジタルマルチメーターで上下の銅箔間の抵抗値を計測し、加圧開 始 1分後の抵抗値と、加圧時の炭化ホウ素粉末の充填高さ及び榭脂円筒内径寸法 から、比抵抗(Ω 'cm)を算出し、その逆数力も求めた炭化ホウ素粉末の電気伝導度 は、 8 X 10—6 (S/cm)であった。
[0111] 特開 2000— 281933号公報に開示された方法によって、 1質量%の固溶ホウ素( B)を含むカーボン粉末を製造し、電気伝導度を JIS K1469 : 2003の方法で測定し たところ、 12. 5 (SZcm)であった。また DBP吸収量を JIS K6217— 4 : 2001の方 法で測定したところ、 170 (cmVlOOg)であった。
[0112] 前記の炭化ホウ素粉末及びカーボン粉末を、榭脂分に対してそれぞれ 35体積% 及び 5体積0 /0になるように、アクリルェマルジヨン(高圧ガス工業製 FX— 851、榭脂分 55%) 100質量部、分散剤(サンノプコ製 SNデイスパーサント 2060) 2質量部及び 消泡剤(サンノプコ製 SNデフォーマー 314) 0. 2質量部力もなる液状マトリックスに添 加した後、ハイブリッドミキサー(キーエンス製 HM— 500)を用いて混合し、スラリー
を作製した。次いでこのスラリーを lmm厚さのシート形状に成形した後、 70°Cで 3時 間加熱して固化させて、炭化ホウ素粉末、カーボン粉末及びアクリル榭脂の複合材 料を得た。この場合、炭化ホウ素粉末、カーボン粉末及びアクリル榭脂の真比重はそ れぞれ 2. 51、 2. 24及び 1. 1なので、それぞれの体積%を VB、 VC及び VAとする と、質量%はそれぞれ、 2. 51 XVB X 100/W, 2. 24 X VC X lOOZW及び 1. 1 XVAX 100/W (ここで W= 2. 51 XVB + 2. 24 XVC+ 1. 1 XVAである。)にな る。従って、本実施例では、炭化ホウ素粉末 53質量%、カーボン粉末 7質量%及び アクリル榭脂 40質量%である。
前記の複合材料を用いて、 1〜: L 10GHzの直線偏波 (TE波)入射時における電磁 波吸収特性を、ネットワークアナライザーを用い自由空間法で測定した結果、反射減 衰率が最大となる整合周波数は 16. 2GHzであり、この時の反射減衰率は 25. 3デ シベルであった。
[0113] 実施例 2— 2〜実施例 2— 5
炭化ホウ素粉末とカーボン粉末の種類、更に前記粉末のアクリル榭脂への配合割 合を変化させたこと以外は実施例 1と同じ操作で複合材料を作製して 1〜: L lOGHz における電磁波吸収特性を、ネットワークアナライザーを用い自由空間法で測定し、 結果を表 2—1にまとめて示した。なお、カーボン粉末として、巿販のカーボンブラック (三菱ィ匕学製 # 30、電気伝導度 6 (SZcm)、 DBP吸収量 115 (cm3ZlOOg) )を用 いた。
[0114] 比較例 2— 1〜比較例 2— 6
実施例 2— 1の炭化ホウ素粉末及びカーボン粉末を、充填量を変化させて用いたこ と、或いは実施例 2— 1の炭化ホウ素粉末及びカーボン粉末とは別に、市販の炭化ホ ゥ素粉末 (Starck製グレード名 HS、電気伝導度 4 X 10_6S/cm)、市販のカーボン ブラック (旭カーボン製サーマル、 DBP吸収量 30 (cmVlOOg)で電気伝導度 9 (S Zcm)、三菱化学製 MA—100、 DBP吸収量 90 (cm3ZlOOg)で電気伝導度 2 (S Zcm)、又はライオン製ケッチェン 600JD、 DBP吸収量 390 (cm3ZlOOg)で電気 伝導度 6 (S/cm) )を用いたこと、それ以外は実施例 2— 1と同じ操作で炭化ホウ素 粉末と、カーボン粉末とアクリル榭脂とからなる複合材料を作製して、 1〜: L lOGHzに
おける電磁波吸収特性を、ネットワークアナライザーを用い自由空間法で測定し、結 果を表 2— 1にまとめて示した。
[表 1]
表 2 — 1
J34し fei、木 カーボンブラック粉 5|
電気伝 2*度 アクリル樹脂への 電気伝導度 DBP吸収量 アクリル樹脂への 複合材料の電磁波吸収特性
(S/cm) 充填量 (S/cm) (cmVlOOg) 充填量 整合周波数 整合周波数にお
(体積%) (体積%) (GHz) ける反射減衰率
(デシベル) 実施例 1 8X 10一6 35 12. 5 170 5 16. 2
実施例 2 8X 10— 6 57 6 115 3 5. 8 35.4 実施例 3 8X 10— 6 46 12. 5 170 4 30. 7 実施例 4 8X 10一 e 20 6 115 5
実施例 5 8X 10— 6 10 12. 5 170 15 18. 6 比較例 1 4X 10— 6 35 6 115 5 27. 1
比較例 2 8X 10— 6 35 9 30 5
比較例 3 8X10— 6 35 2 90 5
比較例 4 8X 10一
6 35 6 390 5
9. 6 比較例 5 8X 10— 6 69 6 115 3 成^体が壌れやすく、測定不可。 比較例 6 8 X 10—
6 4 6 115 0. 8 整合周波数が確認できず。
O C
t寸
M C
〇
O C 0
[0116] 実施例 2— 6〜実施例 2— 10及び比較例 2— 7〜比較例 2— 10
実施例 2— 1〜実施例 2— 5、比較例 2— 1〜比較例 2— 3の複合材料を用い、電磁 波の入射角度を 0° (垂直入射)から 55° まで変化させた場合における、 1〜: L 10G Hzの TE波及び円偏波の吸収特性 (斜入射特性)を、自由空間法で測定した結果を 、表 2— 2にまとめて示した。
[0117] [表 2]
表 2 — 2
磁波の入射角度(° ) 整合周波数
0 20 40 50 55 平均値 平均値 電磁波 整合周波数 fe ' 整合周波数 整合周波数 整合周波数 整合周波数 (GHz) からの の種類 周波数 における 周波数 における 周波数 における 周波数 における 周波数 における 最大偏差 (GHz) 反射減衰率 (GHz) 反射減衰率 (GHz) 反射減衰率 (GHz) 反射減衰率 (GHz) 反射減衰率 (%) (デシベル) (デシベル) (デシベル) (デシベル) (デシベル)
実施例 6 TE波 16. 2 25. 3 16. 4 26. 4 16. 6 30. 1 17. 2 26. 1 17. 3 24. 5 16. 7 4 円偏波 18. 2 22. 2 18. 6 23. 2 19. 1 32. 5 19. 2 26. 4 19. 3 25. 3 18. 9 4 実施例 7 TE波 5. 8 35. 4 6. 0 36. 1 6. 1 39. 2 6. 2 37. 1 6. 2 34. 3 6. 1 4 円偏波 5. 9 30. 6 6. 0 30. 9 6. 1 41. 3 6. 3 33. 2 6. 3 31. 3 6. 1 4 実施例 8 TE波 12. 9 30. 7 13. 2 32. 6 13. 4 37. 4 13. 5 33. 1 13. 6 31. 8 13. 3 3 円偏波 13. 6 27. 3 13. 8 28. 6 14. 1 38. 9 14. 4 29. 8 14. 5 26. 9 14. 1 3 実施例 9 TE波 25. 6 20. 9 26. 0 23. 4 26. 2 28. 8 26. 4 24. 2 26. 5 22. 6 26. 1 2 円偏波 26. 3 18. 3 26. 9 22. 1 27. 3 27. 8 27. 7 24. 3 27. 8 20. 7 27. 2 3 実施例 10 TE波 34. 9 18. 6 35. 6 19. 9 35. 9 27. 4 36. 3 18. 6 36. 5 15. 8 35. 8 3 円偏波 「 36. 8 「 15. 7 37. 6 18. 9 38. 3 28. 9 38. 8 19. 3 39. 0 15. 4 38. 1 3 比較例 6 TE波 27. 1 12. 8 27. 6 13. 1 28. 4 18. 7 29. 4 13. 6 30. 2 12. 3 28. 5 6 円偏波 28. 7 10. 9 29. 4 12. 8 29. 9 18. 9 32. 1 11. 9 32. 4 10. 2 30. 5 6 比較例 7 TE波 25. 4 10. 3 1 26. 1 10. 8 27. 4 16. 4 27. 8 10. 9 27. 9 9. 7 26. 9 1 6 円偏波 27. 6 10. 2 29. 7 10. 8 30. 1 18. 1 31. 4 10. 3 31. 9 8. 9 30. 1 8 比較例 8 TE波 31. 8 8. 9 31. 9 10. 1 32. 0 16. 5 34. 4 10. 5 34. 9 9. 2 33. 0 6 円偏波 34. 6 8. 4 34. 9 10. 3 35. 0 17. 6 Γ 38. 6 10. 5 39. 0 8. 1 36. 4 7 比較例 9 TE波 28. 6 9. 6 29. 5 11. 5 30. 4 14. 7 32. 8 11. 5 33. 2 9. 5 30. 9 7 円偏波 29. 8 9. 3 30. 7 11. 3 30. 9 16. 6 33. 4 10. 9 33. 6 8. 7 31. 7 6
[0118] 実施例 2—11
実施例 2—1と同様にして炭化ホウ素塊を合成、粉砕し、粒径 45 m以下に篩分け を行い、洗浄、濾過及び乾燥を行わなカゝつた炭化ホウ素粉末 1. Ogを用い、電気伝 導度を実施例 2— 1と同じ方法で測定したところ 2 X 10"4 (S/cm)であった。
前記炭化ホウ素粉末とともに、カーボン粉末として市販のカーボンブラック (三菱ィ匕学 製、 # 30)を、シリコーンゴム (エラストマ一)分に対して炭化ホウ素粉末及びカーボン 粉末が、それぞれ 25体積%及び 5体積%になるように、トルエンに溶解させたシリコ ーンゴムに 1質量%の難燃剤、 0. 5質量%のシランカップリング剤及び 0. 5質量0 /0の 加硫剤を添加して調製したマトリックスに分散させてスラリーを得た。
[0119] 前記のスラリーをドクターブレード成膜機を用いて厚さ 0. 25mmのシート状に成形 した後、 80°Cで 1時間加熱してトルエンを揮発させ、温度 170°C、圧力 9. 8MPaで 1 0分間プレス加硫を行 、、さらに大気圧下 200°Cで 5時間二次加硫を行 、炭化ホウ 素粉末、カーボン粉末及びシリコーンゴムの複合材料を得た。
[0120] 得られた複合材料の表面に、 CFガスを用いたプラズマエッチングを行 ヽ、走査型
4
電子顕微鏡観察を行った結果、ドクターブレード成膜機の塗工方向に炭化ホウ素粒 子の長軸方向が揃う列理現象が認められた。
[0121] そこで、塗工方向すなわち列理方向が TE波の電界方向に一致するように複合材 料を配置した場合 (「列理 ZZ電界」と表記する)、並びに直交するように配置した場 合(「列理丄電界」と表記する)のそれぞれにお 、て、 1〜: L 10GHzにおける電磁波( TE波)吸収特性を、ネットワークアナライザーを用い自由空間法で測定し、結果を表 2— 3にまとめて示した。
[0122] 比較例 2— 11
シリコーンゴム (エラストマ一)分に対して、カーボン粉末は用いず炭化ホウ素粉末 だけ 50体積%を分散させた他は、実施例 2— 11と同様にして炭化ホウ素粉末及び シリコーンゴムの複合材料を得た。この複合材料には実施例 2— 11と同様の列理現 象が認められた。
[0123] 次いで、実施例 2— 11と同様に「列理 ZZ電界」及び「列理丄電界」の二通りの配 置における、 1〜: L lOGHzにおける電磁波 (TE波)吸収特性を、ネットワークアナライ
ザ一を用い自由空間法で測定し、結果を表 2— 3にまとめて示した。
[表 3]
実施例 3— 1
ホウ酸粉末と石油 タス粉末を混合した後、高周波式抵抗加熱炉を用い 2200°C
で 5時間加熱した。得られた塊状物を鉄製ボールのボールミルで粉砕し、篩網を用い て粒径 45 m以下に篩分け、更に硝酸水溶液で洗浄して鉄分を除去後、濾過、乾 燥して炭化ホウ素粉末を得た。
前述の方法で前記炭化ホウ素粉末の電気伝導度を測定したところ、 8 X 10"6S/c mであった。
[0126] 軟磁性材料粉末として、市販のセンダスト粉末(日本アトマイズ力卩工製 SFR— FeSi Al、平均粒径 8. 9 m)を用いた。この粉末を金型成形後さらに CIP (冷間静水圧) 成形して外径 13mm、内径 10mm、厚さ 6mmのリング状成形体を作製し、これに一 次コイル及び二次コイルを何れも卷数 14回卷付けた後、一次側コイルに交流 50Hz の電圧を印加しながらオシロスコープ直視法によって保磁力を測定したところ、 105 AZmであった。
[0127] 次に、アクリルェマルジヨン (高圧ガス工業製 FX— 851、榭脂分 55%) 100質量部 、分散剤(サンノプコ製 SNデイスパーサント 2060) 2質量部及び消泡剤(サンノプコ 製 SNデフォーマー 314) 0. 2質量部力もなる液状マトリックスを用意した。
[0128] 前記液状マトリックスに、前記液状マトリックス中の榭脂分と炭化ホウ素粉末と軟磁 性材料粉末との合計に対して、炭化ホウ素粉末が 45体積%、軟磁性材料粉末が 15 体積%となるように配合し、添加し、ハイブリッドミキサー(キーエンス製 HM— 500)を 用いて混合してスラリーを作製した。
[0129] 前記スラリーを 0. 3mm厚さのシート形状に成形した後、 70°Cで 3時間加熱して固 化させて、炭化ホウ素粉末、軟磁性材料粉末及びアクリル榭脂を含有する電磁波吸 収体を得た。
[0130] 前記電磁波吸収体について、 1〜: L lOGHzの電磁波入射時における電磁波吸収 特性を、ネットワークアナライザーを用い、自由空間法で測定した結果、反射減衰率 が最大となる整合周波数は 25. 1GHzであり、この時の反射減衰率は 28. 8デシべ ルであった。また、反射減衰率が最大値の 80% (23. 0デシベル)以上になる周波数 帯域は、 24. 3-25. 8GHzであり、またこの帯域幅の整合周波数値 (GHz)に対す る割合は、 6. 0%であり、広帯域移動アクセスシステムに用いられる 24. 75GHz〜2 5. 25GHz帯域の電磁波吸収体として使用可能であることを確認した。
[0131] 実施例 3— 2〜実施例 3— 4
実施例 3— 1において、軟磁性材料粉末の種類を変えたこと、炭化ホウ素粉末と軟 磁性材料の配合割合を変えたこと、電磁波吸収体の厚さを変化させたこと以外は実 施例 3— 1と同じ操作で電磁波吸収体を作製して、 1〜: L lOGHzにおける電磁波吸 収特性を測定し、整合周波数、整合周波数における最大反射減衰率及び反射減衰 率が最大値の 80%以上になる周波数帯域を求めた。結果を表 3—1に示した。
[0132] なお、軟磁性材料粉末は、鉄粉 (平均粒径 10 μ m)、 Mn— Znフェライト粉 (ハイデ コ製 HC— 04500C、平均粒径 1. 5 m)及び Ni— Znフェライト粉 (戸田工業製 BS N 355B、平均粒径 5. 5 /z m)であり、その保磁力は、実施例 3— 1と同じ方法で測 定したところ、それぞれ 80、 8. 7、及び 750AZmであった。
[0133] 比較例 3— 1
実施例 3—1において、軟磁性材料粉末は用いずに、炭化ホウ素粉末だけを 45体 積%になるように配合しこと以外は、実施例 3—1と同様にして 0. 3mm厚さのシート 形状に成形して電磁波吸収体を得て、実施例 3—1と同じ評価を行った。結果を表 3 1に示した。
[0134] 比較例 3— 2
磁性材料であるマグへマイト(γ—Fe O )粉末を、「マグネトセラミックス (技報堂出
2 3
版)、 230〜236ページ」に記載された方法で作製したところ、粒子長径 1〜3 μ m、 短径 0. 1〜0. 2 111程度の針状ないし葉脈状粒子力 なる粉末であり、実施例 3— 1と同じ方法で測定した保磁力は 2700AZmであった。
これを軟磁性材料粉末の代わりに用いた以外は、実施例 3—1と同様にして 0. 3m m厚さのシート形状に成形して電磁波吸収体、炭化ホウ素粉末及びアクリル榭脂の 複合材料を作製して 1〜: L lOGHzにおける電磁波吸収特性を得て、実施例 3— 1と 同じ評価を行った。結果を表 3 - 1に示した。
[0135] 実施例 3— 5
実施例 3—1の電磁波吸収体を、床面積約 10m2、壁面高さ 2. 4mの方形の部屋の 内壁全面に貼付し、部屋の中心で、広帯域移動アクセスシステムの一種である住宅 内 LAN用無線を想定した周波数帯 24. 75-25. 25GHzの電磁波をネットワークァ
ナライザを用いて発信させて、部屋の外で、壁面直近の床面から高さ 1. 2mの位置 で受信した。この時受信した電磁波の強度 (N)と、部屋の内壁に電磁波吸収体を貼 付していない時における受信強度(S)との比をデシベル値(一 201og[NZS])に変 換したところ 22〜28デシベルであり、実施例 3— 1の電磁波吸収体が広帯域移動ァ クセスシステム用として使用可能であることを確認した。
[表 4]
表 3 — 1 炭化ホウ素 磁性材料粉末 複合材料の特性値
粉末充填量 材質 保磁力 充填量 厚さ 整合 整合周波数に 反射減衰率が最大 左記周波数帯域幅 周波数 おける最大反 値(左欄)の 80%以 の、整合周波数値 射減衰率 上になる周波数帯域に対する割合
(A/m) (mm; (GHz) (デシベル) (GHz) (%) 実施例 1 45 センダスト 105 15 0. 3 25. 1 28. 8 6. 0 実施例 2 40 鉄 80 20 0. 3 27. 1 26. 1
8. 5 実施例 3 20 Mn— Znフェライ卜 8. 7 10 0. 2 75. 5 24. 7 72. 7- 78. 4 7. 5 実施例 4 60 Ni— Znフェライト 750 5 0. 9 5. 8 36. 6 5. 5〜6. 1 10. 3 比較例 1 45 ― ― ― 0. 3 27. 2 21. 6
1. 5 比較例 2 45 y— Fe
20
3 2700 15 0. 3 25. 0 24. 8— 25. 2 1. 6
_ 、 '
o 、
寸
O C
;M c Cv
寸0 0
産業上の利用可能性
[0137] 特定範囲のホウ素 (B)を含有する炭化ホウ素粉末、又は特定範囲の電気伝導度を 有する炭化ホウ素粉末と特定範囲の電気伝導度及び DBP吸収量を有するカーボン 粉末、或!、は特定範囲の電気伝導度を有する炭化ホウ素粉末と特定範囲の保磁力 を有する軟磁性材料粉末からなる本発明の電磁波吸収体は、優れた電磁波吸収特 性を有し、更に、その実施態様として、熱可塑性榭脂を始めとするいろいろなマトリツ タス材料と複合化することで、軽量で、電磁波吸収特性に優れた電磁波吸収体が提 供される。
[0138] これらの電磁波吸収体は、複素比誘電率の極めて優れた電磁波吸収特性、炭化 ホウ素粉末の列理方向と入射電磁波の電界方向の差異に影響されない安定した吸 収特性、並びに帯域に幅を持つ電磁波に対する安定した吸収特性等を有するので 、広帯域移動アクセスシステム用の不要電磁波の吸収材料、自動車料金収受システ ム、車載レーダー、情報家電、無線 LAN、超高帯域無線 (UWB)、携帯電話基地局 或いはテレビ受信時におけるゴースト発生防止用等の不要電磁波の吸収材料として 、家屋の外装材、壁材或いはカーテン等への広範な産業上の利用可能性を有して いる。 なお、本出願の優先権主張の基礎となる日本特許願 2004— 126243号(2004年 4月 22日に日本特許庁に出願)、日本特許願 2004— 135216号(2004年 4月 30 日に日本特許庁に出願)及び日本特許願 2004— 161696号(2004年 5月 31日に 日本特許庁に出願)の明細書、特許請求の範囲及び要約書の全内容をここに引用 し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。