明 細 書
情報表示装置の駆動方法
技術分野
[0001] 本発明は、少なくとも一方が透明な対向する 2枚の基板間に、第 1の色と第 2の色と の少なくとも 2種類の表示媒体を封入し、電極から表示媒体に電界を与えて、表示媒 体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示装置の駆動方法に関するもので ある (第 1発明〜第 2発明)。
また、本発明は、少なくとも一方が透明な対向する 2枚の基板間に、表示媒体を封 入し、電極から表示媒体に電界を与えて、表示媒体を移動させて画像等の情報を表 示する情報表示装置の駆動方法に関するものである (第 3発明)。
背景技術
[0002] 従来より、液晶(LCD)に代わる情報表示装置として、電気泳動方式、エレクト口クロ ミック方式、サーマル方式、 2色粒子回転方式等の技術を用いた情報表示装置が提 案されている。
[0003] これら従来技術は、 LCDと比較すると、通常の印刷物に近い広い視野角が得られ る、消費電力が小さい、メモリー機能を有している等のメリットがあることから、次世代 の安価な情報表示装置に使用可能な技術として考えられており、携帯端末用情報表 示、電子ペーパー等への展開が期待されている。特に最近では、分散粒子と着色溶 液力 成る分散液をマイクロカプセルィ匕し、これを対向する基板間に配置して成る電 気泳動方式が提案され、期待が寄せられている。
[0004] し力しながら、電気泳動方式では、液中を粒子が泳動するために液の粘性抵抗に より応答速度が遅くなるという問題がある。さらに、低比重の溶液中に酸ィ匕チタン等の 高比重の粒子を分散させているため沈降しやすくなつており、分散状態の安定性維 持が難しぐ情報繰り返し安定性に欠けるという問題を抱えている。また、マイクロカブ セルィ匕にしても、セルサイズをマイクロカプセルレベルにして、見力け上、上述した欠 点が現れに《して 、るだけであって、本質的な問題は何ら解決されて 、な 、。
[0005] 一方、溶液中での挙動を利用する電気泳動方式に対し、溶液を使わず、導電性粒
子と電荷輸送層とを基板の一部に組み入れる方式も提案され始めて 、る(例えば、 趙 国来、外 3名、 "新しいトナーディスプレイデバイス (1) "、 1999年 7月 21日、日本 画像学会年次大会(通算 83回)" Japan Hardcopy' 99"論文集、 p.249-252参照)。し かし、電荷輸送層、さらには電荷発生層を配置するために構造が複雑化するとともに 、導電性粒子に電荷を一定に注入することは難しいため、安定性に欠けるという問題 もめる。
[0006] 上述した種々の問題を解決するための一方法として、前面電極を有する前面基板 及び背面電極を有する背面基板の間に、表示媒体 (粒子群ある!ヽは粉流体)を封入 し、表示媒体に電界を与え、クーロン力等により表示媒体を移動させて画像等の情 報を表示する情報表示用パネルを備える情報表示装置が知られている。
[0007] (第 1発明の課題)
上述した表示媒体を使用する情報表示装置にお!ヽて、一方の基板側で行方向に 延びる複数本の電極からなる行電極、及び、他方の基板側で列方向に延びる複数 本の電極カゝらなる列電極、に対し、行電極の一端力ゝら他端にスキャンして電圧を印加 することで 1画面の画像等の情報を表示するにあたり、マトリクス表示するよう駆動さ せる場合や、セグメントをダイナミック駆動させる場合に、クロストークが発生する問題 かあつた。
[0008] クロストーク (漏話)とは元々電話で他の回線の信号が混じり合う現象を言うが、この 場合のクロストークとは、列電極が非選択にもかかわらず、他の行の影響を受けて実 際とは違う画像が表示されてしまう現象である。上述した表示媒体を使用する情報表 示装置のパッシブマトリクス駆動による表示では、列電極の非選択行には表示を保 持するための電圧が印加される。この保持電圧が列電極の行数だけ印加される影響 で、コントラストが低下し、又、表示パターンによっては画像表示に濃淡が発生しムラ になる。
[0009] (第 2発明の課題)
上述した表示媒体を使用する情報表示装置にお!ヽて、一方の基板側で行方向に 延びる複数本の電極からなる行電極、及び、他方の基板側で列方向に延びる複数 本の電極カゝらなる列電極、に対し、行電極の一端力ゝら他端にスキャンして電圧を印加
することで 1画面の画像等の情報を表示するにあたり、マトリックス表示するよう駆動さ せる場合や、セグメントをダイナミック駆動させる場合に、クロストークが発生する問題 かあつた。
[0010] クロストーク (漏話)とは元々電話で他の回線の信号が混じり合う現象を言うが、この 場合のクロストークとは、列電極が非選択にもかかわらず、他の行の影響を受けて実 際とは違う画像が表示されてしまう現象である。上述した表示媒体を使用する情報表 示装置のパッシブマトリックス駆動による表示では、列電極の非選択行には表示を保 持するための電圧が印加される。この保持電圧が列電極の行数だけ印加される影響 で、画像表示に濃淡が発生しムラになる。
[0011] 図 25は従来の情報表示装置におけるクロストークに起因する濃淡のムラを説明す るための図である。図 25に示す例では、簡単のため、下側の行電極 51— 1〜51— 6 と上側の列電極 52— 1〜52— 8と力も構成される 8 X 6の画像を示す。そして、行電 極と列電極との間に、互いに帯電特性が異なる白色及び黒色の表示媒体が充填さ れ、行電極51—1〜51—6と列電極52—1〜52— 8との間に印加される電圧に応じ て、白黒の表示を行っている。駆動方式は、 1行毎に消去と書込を繰り返すライン消 去方式とし、行電極 51— 1〜51—6をその順にスキャンして画像表示を行っている。 スキャンの際、行電極 51— 1〜51—6の選択行の消去は電圧 100を書込は電圧 0を 印加することで行うとともに、非選択行は消去の際は電圧 0を、書込の際は電圧 50を 印加することで行う。同時に、列電極 52— 1〜52— 8は、消去時は電圧 0を、書込時 は書込列に電圧 100を印加し、書込列以外の列には電圧 0を印加する。
[0012] 図 25に示す例では、行電極 51—1からスキャンを開始して、最後の行電極 51— 6 において書込を終了した例を示す。図 25において、第 1行の行電極 51— 1と第 2行 の行電極 52— 2のうち、本来は白表示であるべき部分力クロストークにより白っぽい グレイに表示され、黒表示であるべき部分がクロストークにより黒っぽいグレイに表示 され、画像表示に濃淡が発生しムラになっている。
[0013] (第 3発明の課題)
上述した表示媒体を用いる情報表示装置にお!ヽて、単純マトリックス駆動やダイナ ミック駆動(セグメントパネル)などで駆動する場合、非書換え画素に印加されるクロス
トーク電圧によるコントラスト低下が問題であった。
[0014] クロストーク (漏話)とは元々電話で他の回線の信号が混じり合う現象を言うが、この 場合のクロストークとは、列電極が非選択にもかかわらず、他の行の影響を受けて実 際とは違う画像が表示されてしまう現象である。上述した表示媒体を使用する情報表 示装置のパッシブマトリクス駆動による表示では、列電極の非選択行には表示を保 持するための電圧が印加される。この保持電圧が列電極の行数だけ印加される影響 で、情報表示に濃淡が発生しムラになる。
発明の開示
[0015] (第 1発明)
本発明の第 1発明の目的は上述した問題点を解消して、クロストークに起因する濃 淡のムラを無くすことのできる情報表示装置の駆動方法を提供しょうとするものである
[0016] 本発明の第 1発明に係る情報表示装置の駆動方法は、少なくとも一方が透明な対 向する 2枚の基板間に、第 1の色と第 2の色を有する少なくとも 2種類の表示媒体を封 入し、各基板に設けた電極から表示媒体に電界を与えて、表示媒体を移動させて画 像等の情報を表示する情報表示装置の駆動方法にぉ 、て、一方の基板側で行方向 に延びる複数本の電極からなる行電極、及び、他方の基板側で列方向に延びる複 数本の電極からなる列電極、に対し、行電極の一端力ゝら他端にスキャンして電圧を印 加することで 1画面の画像等の情報を表示するにあたり、 1画面の表示が終了した後 、第 1の色にクロストークを発生させる電圧と第 2の色にクロストークを発生させる電圧 とを表示部のセル全てに各 1回以上印加することを特徴とするものである。
[0017] 本発明の第 1発明に係る情報表示装置の駆動方法の好適例としては、上記を実現 する最も簡単方法として、スキャンの最後に 2行以上行を付け足し、 1スキャンが終了 した後、第 1の色の表示と第 2の色の表示を各 1回以上表示する駆動を行うこと、及び 、画像表示に先立つ画像の消去方法が、行毎に消去してから行毎に画像を書き込 むライン消去方法、または、全面一斉に消去してから画像を行毎に書き込む全消去 方法であることがある。
[0018] 本発明の第 1発明に係る情報表示装置の駆動方法によれば、 1画面の表示が終了
した後、第 1の色にクロストークを発生させる電圧と第 2の色にクロストークを発生させ る電圧とを表示部のセル全てに各 1回以上印加すること、好ましくは、スキャンの最後 に 2行以上行を付け足し、 1スキャンが終了した後、第 1の色の表示と第 2の色の表示 を各 1回以上表示させることにより、例えば白黒表示の場合に、白色を若干黒く淡い グレイに表示するとともに黒色を若干白く濃いグレイに表示することができ、情報表示 にあたりクロストークに起因する濃淡のムラを無くすことができる。
[0019] (第 2発明)
本発明の第 2発明の目的は上述した問題点を解消して、クロストークに起因するコ ントラストの低下及び濃淡のムラを無くすことのできる情報表示装置の駆動方法を提 供しょうとするものである。
[0020] 本発明の第 2発明に係る情報表示装置の駆動方法は、少なくとも一方が透明な対 向する 2枚の基板間に、第 1の色と第 2の色との少なくとも 2種類の表示媒体を封入し 、電極から表示媒体に電界を与えて、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示す る情報表示装置の駆動方法にお!、て、電界を発生させるため電極に印加する駆動 電圧として、オン状態である駆動電圧とオフ状態である表示媒体が移動を開始するし きい値以下の電圧との複数の電圧から成るパルス状の電圧を印加することを特徴と するものである。ここで、駆動電圧 Vはしきい値電圧 Vより大きい(V>V >V: Vは
1 1 0 0 しきい値以下の電圧)。
[0021] 本発明の第 2発明に係る情報表示装置の駆動方法の好適例としては、パルス状の 電圧のデューティー比(=パルス幅 Z (パルス幅 +オフ状態の時間))が 0. 9以下で あること、オフ状態の時間が 0. 1msec以上であること、がある。
[0022] 本発明の第 2発明に係る情報表示装置の駆動方法によれば、電界を発生させるた め電極に印加する駆動電圧として、オン状態である駆動電圧とオフ状態である表示 媒体が移動を開始するしきい値以下の電圧との複数の電圧から成るパルス状の電圧 を印加することで、クロストークに起因するコントラストの低下及び濃淡のムラを無くす ことができる。
[0023] (第 3発明)
本発明の第 3発明の目的は上述した問題点を解消して、クロストーク電圧に起因す
るコントラスト低下を解消することができる情報表示装置の駆動方法を提供しょうとす るものである。
[0024] 本発明の第 3発明に係る情報表示装置の駆動方法は、少なくとも一方が透明な対 向する 2枚の基板間に、表示媒体を封入し、電極から表示媒体に電界を与えて、表 示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示装置の駆動方法において、 1回の画素書換えに際し複数回パルスを印加するとともに、 1回の画素書換えの間、 非書換え画素に印加されるクロストーク電圧の極性が変化しないように駆動波形を調 整したことを特徴とするものである。
[0025] 本発明の第 3発明に係る情報表示装置の駆動方法の好適例としては、 1回の画素 書換えに際し複数回パルスを印加する間、書換え画素に印加されるパルス電圧にお けるピークとピークとの間隔を広くすること、および、ロウ(走査)駆動電圧およびカラ ム駆動電圧をそれぞれ同一周期および同一デューティーのパルス列で構成し、ロウ 側の列選択に際し、ロウ駆動電圧とカラム駆動電圧のそれぞれのパルス列の位相を 反転すること、がある。
[0026] 本発明の第 3発明に係る情報表示装置の駆動方法によれば、 1回の画素書換えに 際し複数回パルスを印加するとともに、 1回の画素書換えの間、非書換え画素に印加 されるクロストーク電圧の極性が変化しな ヽように駆動波形を調整することで、クロスト ーク電圧に起因するコントラスト低下を解消することができる。
図面の簡単な説明
[0027] [図 l] (a)、 (b)はそれぞれ本発明の情報表示装置が備える情報表示用パネルの一 例を示す図である。
[図 2] (a)、 (b)はそれぞれ本発明の情報表示装置が備える情報表示用パネルの他 の例を示す図である。
[図 3] (a)、 (b)はそれぞれ本発明の情報表示装置が備える情報表示用パネルのさら に他の例を示す図である。
[図 4] (a)、 (b)はそれぞれ本発明の第 1発明に係る情報表示装置の駆動方式を図 2
5に示した従来例に対し付加した一例を説明するための図である。
[図 5] (a)、 (b)はそれぞれ本発明の第 1発明に係る情報表示装置の駆動方式を図 2
5に示した従来例に対し付加した他の例を説明するための図である。
圆 6] (a)、 (b)はそれぞれ本発明の第 1発明に係る情報表示装置の駆動方法の他の 例を説明するための図である。
圆 7]本発明の第 1発明に係る情報表示装置の駆動方法の効果を説明するための図 である。
圆 8] (a)、 (b)はそれぞれ本発明の第 1発明に係る情報表示装置の駆動方法の効果 を説明するための図である。
圆 9] (a)、 (b)はそれぞれ本発明の第 1発明に係る情報表示装置の駆動方法の効果 を説明するための図である。
圆 10]本発明の第 2発明に係る情報表示装置の駆動方法に用いるパルス電圧の一 例を示す図である。
[図 11] (a)、 (b)はそれぞれ 2行 2列の単純マトリックスにおけるロウ 1選択時とロウ 2選 択時の状態を示す図である (第 3発明)。
圆 12]本発明の情報表示装置における隔壁の形状の一例を示す図である。
[図 13]パッシブマトリックス駆動により表示するテストパターンの一例を示す図である( 第 2発明)。
圆 14]テストパターンを実際に表示したときの表示画面及び測定領域を示す図であ る (第 2発明)。
圆 15]図 14に示す各領域で測定した印加電圧と反射率との関係を示すグラフである (第 2発明)。
[図 16]ノ ルス状の駆動電圧におけるデューティー比とコントラストとの関係を示すダラ フである (第 2発明)。
[図 17]ノ ルス状の駆動電圧におけるデューティー比とマージンとの関係を示すグラフ である (第 2発明)。
[図 18]ノ ルス状の駆動電圧におけるオフ時間とマージンとの関係を示すグラフである (第 2発明)。
[図 19]ロウ電極とカラム電極とから構成される単純マトリックスパネルの一例を説明す るための図である(第 3発明)。
[図 20]比較例 1の駆動方法を説明するための図である(第 3発明)。
[図 21]実施例 1の駆動方法を説明するための図である (第 3発明)。
[図 22]実施例 2の駆動方法を説明するための図である(第 3発明)。
[図 23]実施例 3の駆動方法を説明するための図である(第 3発明)。
[図 24] (a)、 (b)はそれぞれテストパターン及びテストパターン上の測定位置を説明す るための図である(第 3発明)。
[図 25]従来の情報表示装置におけるクロストークに起因する濃淡のムラを説明するた めの図である。
発明を実施するための最良の形態
[0028] まず、粒子群を利用する本発明の情報表示装置が備える情報表示用パネルの基 本的な構成について説明する。本発明で用いる情報表示用パネルでは、対向する 2 枚の基板間に封入した粒子群に電界が付与される。付与された電界方向にそって、 高電位側に向力つては低電位に帯電した粒子群がクーロン力などによって引き寄せ られ、また、低電位側に向力つては高電位に帯電した粒子群がクーロン力などによつ て引き寄せられ、それら粒子群が電位の切替による電界方向の変化によって移動方 向が切り換わることにより、情報表示がなされる。従って、粒子群が、均一に移動し、 かつ、表示書き換えを繰り返して行う時あるいは継続表示すなわち表示をそのまま保 存しておく時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある 。ここで、粒子に力かる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電 極や基板との電気影像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
[0029] 本発明の対象となる情報表示用パネルの例を、図 1 (a)、 (b)〜図 3 (a)、 (b)に基 づき説明する。
[0030] 図 1 (a)、 (b)に示す例では、それぞれが少なくとも 1種以上の粒子力も構成される 光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも 2種以上の表示媒体 3 (ここでは粒 子群からなる白色表示媒体 3Wと粒子群からなる黒色表示媒体 3Bを示す)を、基板 1 、 2の外部に配置した電極(図示せず)からカ卩えられる電界に応じて、基板 1、 2と垂直 に移動させ、黒色表示媒体 3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは 、白色表示媒体 3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図 1 (b)
に示す例では、図 1 (a)に示す例に加えて、基板 2との間に例えば格子状に隔壁 4を設けセルを形成している。また、図 1 (b)において、手前にある隔壁は省略してい る。
[0031] 図 2 (a)、 (b)に示す例では、それぞれが少なくとも 1種以上の粒子力も構成される 光学的反射率および帯電特性の異なる少なくとも 2種以上の表示媒体 3 (ここでは粒 子群からなる白色表示媒体 3Wと粒子群からなる黒色表示媒体 3Bを示す)を、基板 1 に設けた電極 5と基板 2に設けた電極 6との間に電圧を印加することにより発生する 電界に応じて、基板 2と垂直に移動させ、黒色表示媒体 3Bを観察者に視認させ て黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体 3Wを観察者に視認させて白色の 表示を行っている。なお、図 2 (b)に示す例では、図 2 (a)に示す例に加えて、基板 1 、 2との間に例えば格子状に隔壁 4を設けセルを形成している。また、図 2 (b)におい て、手前にある隔壁は省略している。
[0032] 図 3 (a)、 (b)に示す例では、少なくとも 1種以上の粒子力も構成される光学的反射 率および帯電性を有する 1種の表示媒体 3 (ここでは粒子群力 なる白色表示媒体 3 Wを示す)を、基板 1に設けた電極 5と電極 6との間に電圧を印加することにより発生 する電界に応じて、基板 2と平行方向に移動させ、白色表示媒体 3Wを観察者に 視認させて白色の表示を行うか、あるいは、電極 6または基板 1の色を観察者に視認 させて電極 6または基板 1の色の表示を行っている。なお、図 3 (b)に示す例では、図 3 (a)に示す例に加えて、基板 2との間に例えば格子状の隔壁 4を設けセルを形 成している。また、図 3 (b)において、手前にある隔壁は省略している。
[0033] 以上の説明は、粒子群からなる白色表示媒体 3Wを粉流体からなる白色表示媒体 に、粒子群力もなる黒色表示媒体 3Bを粉流体力もなる黒色表示媒体に、それぞれ 置き換えた場合も同様に適用することが出来る。
[0034] (第 1発明の説明)
本発明の第 1発明に係る情報表示装置の駆動方法の特徴は、一方の基板側で行 方向に延びる複数本の電極からなる行電極、及び、他方の基板側で列方向に延び る複数本の電極力 なる列電極、に対し、行電極の一端力 他端にスキャンして電圧 を印加することで 1画面の画像等の情報を表示するにあたり、 1画面の表示が終了し
た後、第 1の色にクロストークを発生させる電圧 =クロストーク電圧 1と、第 2の色にクロ ストークを発生させる電圧 =クロストーク電圧 2と、を表示部のセル全てに各 1回以上 印加する点にある。ここで、クロストーク電圧 1、 2とは、第 1の色として白色を第 2の色 として黒色を表示するために電圧 100、電圧— 100を印加する例において、クロスト ーク電圧 1として電圧 50を印加し、クロストーク電圧 2として電圧一 50を印加する。具 体的には、スキャンの最後に 2行以上行を付け足し、 1スキャンが終了した後、第 1の 色の表示と第 2の色の表示を各 1回以上表示させることがある。
[0035] 図 4 (a)、(b)及び図 5 (a)、(b)はそれぞれ本発明の駆動方式を図 25に示した従来 例に対し付加した一例を説明するための図である。図 4 (a)、(b)及び図 5 (a)、(b)に 示す例では、図 25に示す従来例のように、行電極11 1〜11 6と列電極12—1 〜12— 8を設ける他に、予め最後の 2行として行電極 11— 7、 11— 8を追カ卩して設け ている。
[0036] 図 4 (a)、 (b)に示す例においては、画像表示部分のスキャンが終了した後、ここで は、行電極 11— 6までスキャンして 8 X 6画素の 1画面の画像等の情報を表示した後 、最後の 2行の 1行目である行電極 11— 7に対し、図 4 (a)に示すように消去を行った 後、図 4 (b)に示すように白色の書き込みを行う。次に、最後の 2行の 2行目である電 極 11 8に対し、図 5 (a)に示すように消去を行った後、図 5 (b)に示すように黒色の 書き込みを行う。その結果、図 5 (b)に示すように、白色は淡いグレイに統一され、黒 色は濃いグレイに統一され、それぞれ 100%の白色または黒色とはならないが、白色 に表示した 、部分はすべて淡 、グレイで表示され、黒色に表示した 、部分はすべて 濃、グレイで表示されるため、クロストークに起因する濃淡のムラを完全に無くすこと ができる。
[0037] 図 4 (a)、(b)及び図 5 (a)、 (b)に示す例では、ライン毎に消去した力も書き込むラ イン消去方法を例にとって説明したが、全面一斉に消して力 ライン毎書き込む全消 去方法でも、同様に濃淡のムラを無くすことができる。また、消去の際の白色消去の 例を示したが、黒色消去でも同様に濃淡のムラを無くすことができる。さらに、図 4 (a) 、(b)、図 5 (a)、(b)に示す例では、行電極 11 7、 11 8を追加し表示媒体を充填 して実際に白黒の表示を行ったが、電極は設けなくても、駆動する行を 2行以上追加
し追加した行に白色の表示を行う電圧と黒色の表示を行う電圧を印加することでも、 同様に濃淡のムラを無くすことができる。
[0038] 上述したように、本発明の第 1発明に係る情報表示装置の駆動方法では、クロスト ークが発生することは前提として、発生するクロストークに起因してグレイになった画 素の色に第 1の色 (例えば白色)または第 2の色 (例えば黒色)をあわせて、第 1の色 を淡いグレイとする力 または、第 2の色を濃いグレイとすることで、濃淡を無くす点に 最大の特徴がある。
[0039] 図 6 (a)、(b)はそれぞれ本発明の第 1発明に係る情報表示装置の駆動方法の他 の例を説明するための図である。図 6 (a)または (b)のように、最後の 2行である行電 極 11 7、 11— 8にチェッカーパターンの表示を行うことで、図 4 (a)、(b)及び図 5 (a ) , (b)に示す例と同様に、濃淡のムラを無くしている。ここで、チェッカーパターンの 表示をすることで、最後の 2行で各列に対し第 1の色の表示と第 2の色の表示を行う にあたり、最後の 2行で各列毎に第 1の色の表示と第 2の色の表示を行うにあたり、各 列において第 1の色の表示と第 2の色の表示の順が互いに異なるジグザグの表示を 行うこと、または、新たに設けた行電極と各列電極の延長部分との間に、第 1の色の 表示を行う電圧と第 2の色の表示を行う電圧を印加するにあたり、各列において第 1 の色の表示と第 2の色の表示の順が互いに異なるジグザグの表示を行うよう電圧を印 加することを達成することができる。
[0040] 次に、実際に本発明の第 1発明に係る情報表示装置の駆動方法を適用した例に ついて説明する。図 7、図 8 (a)、(b)、図 9 (a)、(b)はそれぞれ本発明の情報表示装 置の駆動方法の効果を説明するための図である。まず、本例では図 7に示すパター ン画像を表示させるものとする。そして、ライン消去において従来の駆動方法でバタ ーン画像を表示した例を図 8 (a)に示し、同じくライン消去において最後の 2行に白色 と黒色とを書き込んだ本発明の駆動方法でパターン画像を表示した例を図 8 (b)に 示す。また、全消去において従来の駆動方法でパターン画像を表示した例を図 9 (a) に示し、同じく全消去において最後の 2行に白色と黒色とを書き込んだ本発明の駆 動方法でパターン画像を表示した例を図 9 (b)に示す。図 8 (a)と図 8 (b)、及び、図 9 (a)と図 9 (b)を比較すると、ライン消去方法でも全消去方法でも、従来例ではクロスト
ークに起因する濃淡のムラが顕著なのに対し、本発明例ではクロストークに起因する 濃淡のムラが無 、ことがわかる。
[0041] なお、上述した例では、画素の消去や書込時に印加する電圧 100について触れな 力つたが、情報表示装置の構造に応じて電圧 Vの値により画像の濃淡が大きく異な る。一般に、電圧 Vが低いと黒色の表示が出来ず、一方、電圧 100が高いとクロスト ークに起因するグレイの部分と黒色の部分との差がなくなる。そのため、情報表示装 置の構造に応じて最適な電圧を選択する必要があり、一例として 80V〜110V程度 の電圧を使用する。
[0042] (第 2発明の説明)
本発明の第 2発明に係る情報表示装置の駆動方法の特徴は、上述した構成の情 報表示装置にぉ 、て、従来は画像表示にあたってオン状態である駆動電圧 Vを連 続して印カロして 、たのに対し、オン状態である駆動電圧 Vとオフ状態である表示媒体 が移動を開始するしき ヽ値以下の電圧 V パルス
0との間を往復する 状の電圧を印加 する点にある。言い換えると、しきい値以下の電圧 Vを印加するオフ状態の時間(=
0
オフ時間)という新しい概念を用い、オフ時間を制御することでクロストークを低減して いる。この際、 V、 Vは複数の値と取る事ができ、又、徐々に変化させてもよい。
0
[0043] 図 10は本発明の第 2発明に係る情報表示装置の駆動方法に用いるパルス電圧の 一例を示す図である。図 10に示す例において、本発明で用いるノ ルス電圧は、オン 状態である駆動電圧とオフ状態である表示媒体が移動を開始するしき!、値 (V )以 下の電圧とを用いたパルスとして示される。そして、本発明の好適例としては、パルス 電圧のデューティー比(=パルス幅 Z (パルス幅 +オフ状態の時間))が 0. 9以下で あること、及び、オフ状態の時間が 0. 1msec以上であること、がある。いずれの例も、 後述する実施例で詳細に説明する。
[0044] (第 3発明の説明)
本発明の第 3発明に係る情報表示装置の駆動方法の特徴は、上述した構成の情 報表示装置において、様々な駆動方法を適用した場合のクロストーク電圧波形をさら に詳細に検討し、最適な方法を選択することにより、コントラストを向上させた点にある 。具体的には、 1回の画素書換えに際し複数回パルスを印加する間、非書換え画素
に印加されているクロストーク電圧の極性が変化しないよう、すなわち、非書換え画素 におけるロウ(走査)駆動電圧とカラム駆動電圧との差分として与えられるクロストーク 電圧のパルスが正と負の両極性の領域にまたがって存在しないよう、言い換えると、 正の場合は正の領域のみに存在し、負の場合は負の領域のみに存在するよう、駆動 電圧のパルス波形を調整した点にある。
[0045] 図 11 (a)、(b)はそれぞれ 2行 2列の単純マトリックスにおけるロウ 1選択時とロウ 2選 択時の状態を示す図である。図 l l (a)、(b)に示す例において、書換えしたい画素( 図中斜線部)に書換え電圧を印加すると、図示したクロストーク 1〜3の 3種類のクロス トーク電圧がかかる。行列数が増えても上記 2種類の電圧のみが存在する(ロウに選 択 '非選択の 2種、カラムに書換え'非書換えの 2種で、 2 X 2の 2種である。もっと複 雑な駆動ロジックを用いればさらに多種類の電圧が存在する)。クロストーク電圧が 0 Vでない場合、非書換え画素がたとえば黒なら白みが力つた黒 (グレー)に、たとえば 白なら黒みが力つた白(グレー)になって画質を劣化させる(白黒表示の場合)。画像 メモリー性のある情報表示装置の場合は印加電圧の極性を反転して書込み(消去と 同意の場合もある)を行う必要がある。
[0046] また、本発明の第 3発明に係る情報表示装置の駆動方法の好適例として、上述し たコントラストの向上に加えて、 1回の画素書換えに際し複数回パルスを印加する間 、書換え画素に印加されるノ ルス電圧におけるピークとピークとの間隔を広くすること で、書換え画素の表示色を濃くすることができ、その結果、コントラストをさらに向上さ せることができる。具体的には、ロウ(走査)駆動電圧およびカラム駆動電圧をそれぞ れ同一周期および同一デューティーのノ ルス列で構成し、ロウ側の列選択に際し、口 ゥ駆動電圧とカラム駆動電圧のそれぞれのパルス列の位相を反転することで、書換 え画素におけるロウ(走査)駆動電圧とカラム駆動電圧との差分として与えられるクロ ストーク電圧において、ピーク 'トウ'ピークの差を大きくして、書換え画素の色を濃く することができる。いずれの例も、後述する実施例で詳細に説明する。
[0047] 以下、本発明の対象となる情報表示用パネルを構成する各部材について説明する
[0048] 基板については、少なくとも一方の基板は情報表示用パネル外側力 表示媒体の
色が確認できる透明な前面基板 2であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い 材料が好適である。背面基板 1は透明でも不透明でもカゝまわない。基板材料を例示 すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカー ボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあ るもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。基板の 厚みは、 2〜5000 μ m力好ましく、さらに 5〜2000 μ 111カ 子適であり、薄すぎると、 強度、基板間の間隔均一性を保ちに《なり、 5000 /z mより厚いと、薄型の情報表示 用パネルとする場合に不都合がある。
[0049] 情報表示用パネルに電極を設ける場合の電極形成材料としては、アルミニウム、銀 、ニッケル、銅、金等の金属類や ITO、酸化インジウム、導電性酸化錫、導電性酸ィ匕 亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリア-リン、ポリピロール、ポリチォフェンなどの導電 性高分子類が例示され、適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記 例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、 CVD (化学蒸着)法、塗布法等で薄膜 状に形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布したりす る方法が用いられる。視認側(表示面側)基板に設ける電極は透明である必要がある 力 背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形 成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは 、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良ぐ 3〜: LOOOnm、好ましくは 5〜 400nmが好適である。背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示 面側基板に設ける電極と同様である力 透明である必要はない。なお、この場合の外 部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
[0050] 必要に応じて設ける隔壁 4については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種 類により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は 2〜: ίΟΟ /ζ πι、好 ましくは 3〜50 μ mに、隔壁の高さは 10〜500 μ m、好ましくは 10〜200 μ mに調 整される。また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板の各々にリブを形成した 後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。 本発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
[0051] これらのリブ力 なる隔壁により形成されるセルは、図 12に示すごとぐ基板平面方
向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格 子状ゃハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相 当する部分 (セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良ぐ表示状態の鮮明 さが増す。ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サ ンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。このうち、レジストフイルム を用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
[0052] 次に、本発明の対象となる情報表示用パネルで表示媒体として用いる粒子群につ いて説明する。粒子群を構成する粒子は、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、 従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、 榭脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
[0053] 榭脂の例としては、ウレタン榭脂、ウレァ榭脂、アクリル榭脂、ポリエステル榭脂、ァ クリルウレタン榭脂、アクリルウレタンシリコーン榭脂、アクリルウレタンフッ素榭脂、ァ クリルフッ素榭脂、シリコーン榭脂、アクリルシリコーン榭脂、エポキシ榭脂、ポリスチレ ン榭脂、スチレンアクリル榭脂、ポリオレフイン榭脂、プチラール榭脂、塩化ビニリデン 榭脂、メラミン榭脂、フエノール榭脂、フッ素榭脂、ポリカーボネート榭脂、ポリスルフォ ン榭脂、ポリエーテル榭脂、ポリアミド榭脂等が挙げられ、 2種以上混合することもで きる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン榭脂、アクリルシリ コーン榭脂、アクリルフッ素榭脂、アクリルウレタンシリコーン榭脂、アクリルウレタンフ ッ素榭脂、フッ素榭脂、シリコーン榭脂が好適である。
[0054] 荷電制御剤としては、特に制限はな 、が、負荷電制御剤としては例えば、サリチル 酸金属錯体、含金属ァゾ染料、含金属 (金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染 料、 4級アンモ-ゥム塩系化合物、力リックスアレンィ匕合物、含ホウ素化合物(ベンジ ル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては 例えば、ニグ口シン染料、トリフエ-ルメタン系化合物、 4級アンモ-ゥム塩系化合物、 ポリアミン榭脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微 粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合 物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ榭脂等も荷 電制御剤として用いることもできる。
[0055] 着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染 料が使用可能である。
[0056] 黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸ィ匕マンガン、ァ-リンブラック 、活性炭等がある。
青色着色剤としては、 C. I.ビグメントブルー 15 : 3、 C. I.ビグメントブルー 15、紺 青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシア-ン ブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファー ストスカイブルー、インダンスレンブルー BC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パー マネントレッド 4R、リノールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩 、レーキレッド D、ブリリアントカーミン 6B、ェォシンレーキ、ローダミンレーキ B、ァリザ リンレーキ、ブリリアントカーミン 3B、 C. I.ビグメントレッド 2等がある。
[0057] 黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイェロー、黄色酸化鉄、ミネラルファ 一ストイェロー、ニッケノレチタンイェロー、ネーブノレイエロー、ナフトーノレイェロー S、 ノヽンザイェロー G、ハンザイェロー 10G、ベンジジンイェロー G、ベンジジンイェロー GR、キノリンイェローレーキ、パーマネントイェロー NCG、タートラジンレーキ、 C. I. ビグメントイエロー 12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸ィ匕クロム、ビグメントグリーン B、 C. I.ピグメ ントグリーン 7、マラカイトグリーンレーキ、フアイナノレイェローグリーン G等がある。 橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジ GTR、 ピラゾロン才レンジ、ノ ノレカン才レンジ、インダンスレンブリリアント才レンジ RK:、ベン ジジン才レンジ G、インダンスレンブリリアント才レンジ GK、 C. I.ピグメント才レンジ 3 1等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレット B、メチルバイオレットレー キ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫ィ匕亜鉛等がある。
[0058] 体質顔料としては、ノ ライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タル ク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料と
して、ニグ口シン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイェロー、ウルトラマリン ブルー等がある。
[0059] 無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭 酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケィ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムィ エロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイェロー、紺青、群青、コバルトブ ルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフ エライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。 これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いるこ とができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラック力 白色顔料として酸化チ タンが好ましい。
[0060] また、本発明で用いる粒子は平均粒子径 d (0. 5)力 0. 1〜20 μ mの範囲であり、 均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径 d (0. 5)がこの範囲より大きいと表示 上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるため に粒子の移動に支障をきたすようになる。
[0061] 更に本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布 Spanを 5未満、好ましくは 3未満とする。
Span= (d(0.9)-d(0.1)) /d(0.5)
(但し、 d(0.5)は粒子の 50%がこれより大きぐ 50%がこれより小さいという粒子径を mで表した数値、 d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が 10%である粒子径を/ z mで表し た数値、 d(0.9)はこれ以下の粒子が 90%である粒子径を/ z mで表した数値である。 ) Spanを 5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な粒子移動 が可能となる。
[0062] さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子の d(0.5)に対する最小径を有する粒子の d(0.5)の比を 50以下、好ましくは 10以下とする ことが肝要である。たとえ粒子径分布 Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異 なる粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近ぐ互いの粒子が当 量ずつ反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それ力この範囲とな る。
[0063] なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折 Z散乱法などから求める ことができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折 Z散乱 光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があるこ とから、粒子径ぉよび粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られた ものである。具体的には、 Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用い て、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト (Mie理論を用いた体積基準分布 を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
[0064] 粒子の帯電量は当然その測定条件に依存するが、情報表示用パネルにおける粒 子の帯電量はほぼ、初期帯電量、隔壁との接触、基板との接触、経過時間に伴う電 荷減衰に依存し、特に粒子の帯電挙動の飽和値が支配因子となっているということ が分かった。
[0065] 本発明者らは鋭意検討の結果、ブローオフ法において同一のキャリア粒子を用い て、それぞれの粒子の帯電量測定を行うことにより、用いる粒子の適正な帯電特性値 の範囲を評価できることを見出した。
[0066] 次に、本発明の対象となる情報表示用パネルで表示媒体として用いる粉流体につ いて説明する。なお、本発明の情報表示装置で用いる粉流体の名称については、本 出願人が「電子粉流体 (登録商標):登録番号 4636931」の権利を得て 、る。
[0067] 本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、 流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液 体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異 方性 (光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は 、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を 受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流 動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に 対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流 動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じぐ流体により流動化させた状 態を液固流動体と呼ぶとされて 、る(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体
や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このよう な気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り 出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
[0068] すなわち、本発明における粉流体は、液晶(液体と固体の中間相)の定義と同様に 、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である 重力の影響を極めて受け難ぐ高流動性を示す特異な状態を示す物質である。この ような物質はエアロゾル状態、すなわち気体中に固体状もしくは液体状の物質が分 散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の情報表示用パネルで 固体状物質を分散質とするものである。
[0069] 本発明の対象となる情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な、対向する基板 間に、気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動 性を示す粉流体を封入するものであり、このような粉流体は、低電圧の印加でクーロ ンカなどにより容易に安定して移動させることができる。
本発明に用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、 自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。 この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルで は、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で用いられ る。
[0070] エアロゾル状態の範囲は、粉流体の最大浮遊時の見かけ体積が未浮遊時の 2倍 以上であることが好ましぐ更に好ましくは 2. 5倍以上、特に好ましくは 3倍以上であ る。上限は特に限定されないが、 12倍以下であることが好ましい。
粉流体の最大浮遊時の見かけ体積が未浮遊時の 2倍より小さいと表示上の制御が 難しくなり、また、 12倍より大きいと粉流体を装置内に封入する際に舞い過ぎてしまう などの取扱い上の不便さが生じる。なお、最大浮遊時の見かけ体積は次のようにして 測定される。すなわち、粉流体が透過して見える密閉容器に粉流体を入れ、容器自 体を振動或いは落下させて、最大浮遊状態を作り、その時の見かけ体積を容器外側 力も測定する。具体的には、平均粒子径 d (0. 5) (内径) 6cm、高さ 10cmのポリプロ ピレン製の蓋付き容器 (商品名アイボーイ:ァズワン (株)製)に、未浮遊時の粉流体と
して 1Z5の体積相当の粉流体を入れ、振とう機に容器をセットし、 6cmの距離を 3往 復 Zsecで 3時間振とうさせる。振とう停止直後の見かけ体積を最大浮遊時の見かけ 体積とする。
[0071] また、本発明では、粉流体の見かけ体積の時間変化が次式を満たすものが好まし い。
V /V >0. 8
10 5
ここで、 Vは最大浮遊時から 5分後の見かけ体積 (cm3)、 V は最大浮遊時から 10
5 10
分後の見かけ体積 (cm3)を示す。なお、本発明の情報表示装置は、粉流体の見か け体積の時間変化 V /Vが 0. 85よりも大きいものが好ましぐ 0. 9よりも大きいも
10 5
のが特に好ましい。 V /Vが 0. 8以下の場合は、通常のいわゆる粒子を用いた場
10 5
合と同様となり、本発明のような高速応答、耐久性の効果が確保できなくなる。
[0072] また、粉流体を構成する粒子物質の平均粒子径 d (0. 5) (d (0. 5) )は、好ましくは 0. 1〜20 111、更に好ましく【ま0. 5〜15 111、特に好ましく【ま0. 9〜8 mである。 0. 1 mより小さいと表示上の制御が難しくなり、 20 mより大きいと、表示上の鮮明 さに欠けるようになる。なお、粉流体を構成する粒子物質の平均粒子径 d (0. 5) (d (0 . 5) )は、次の粒子径分布 Spanにおける d (0. 5)と同様である。
[0073] 粉流体を構成する粒子物質は、下記式に示される粒子径分布 Spanが 5未満である ことが好ましぐ更に好ましくは 3未満である。
粒子径分布 Span= (d (0. 9)— d (0. l) ) /d (0. 5)
ここで、 d (0. 5)は粉流体を構成する粒子物質の 50%がこれより大きぐ 50%がこれ より小さいという粒子径を/ z mで表した数値、 d (0. 1)はこれ以下の粉流体を構成す る粒子物質の比率が 10%である粒子径を μ mで表した数値、 d (0. 9)はこれ以下の 粉流体を構成する粒子物質が 90%である粒子径を/ z mで表した数値である。粉流 体を構成する粒子物質の粒子径分布 Spanを 5以下とすることにより、サイズが揃い、 均一な粉流体移動が可能となる。
[0074] なお、以上の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折 Z散乱法などから求める ことができる。測定対象となる粉流体にレーザー光を照射すると空間的に回折 Z散 乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係がある
ことから、粒子径および粒子径分布が測定できる。この粒子径および粒子径分布は、 体積基準分布から得られる。具体的には、 Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粉流体を投入し、付属の解析ソフト (Mie理論を 用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、測定を行うことができる。
[0075] 粉流体の作製は、必要な榭脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を混練り粉砕 しても、モノマー力 重合しても、既存の粒子を榭脂、荷電制御剤、着色剤、その他 添加剤でコーティングしても良い。以下、粉流体を構成する榭脂、荷電制御剤、着色 剤、その他添加剤を例示する。
[0076] 榭脂の例としては、ウレタン榭脂、アクリル榭脂、ポリエステル榭脂、ウレタン変'性ァ クリル樹脂、シリコーン榭脂、ナイロン榭脂、エポキシ榭脂、スチレン榭脂、プチラー ル榭脂、塩ィ匕ビユリデン榭脂、メラミン榭脂、フエノール榭脂、フッ素榭脂などが挙げ られ、 2種以上混合することもでき、特に、基板との付着力を制御する上から、アクリル ウレタン榭脂、アクリルウレタンシリコーン榭脂、アクリルウレタンフッ素榭脂、ウレタン 榭脂、フッ素榭脂が好適である。
[0077] 荷電制御剤の例としては、正電荷付与の場合には、 4級アンモ-ゥム塩系化合物、 ニグ口シン染料、トリフエ-ルメタン系化合物、イミダゾール誘導体などが挙げられ、負 電荷付与の場合には、含金属ァゾ染料、サリチル酸金属錯体、ニトロイミダゾール誘 導体などが挙げられる。
[0078] 着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染 料が使用可能である。
[0079] 黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸ィ匕マンガン、ァ-リンブラック 、活性炭等がある。
青色着色剤としては、 C. I.ビグメントブルー 15 : 3、 C. I.ビグメントブルー 15、紺 青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシア-ン ブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファー ストスカイブルー、インダンスレンブルー BC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パー マネントレッド 4R、リノールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩
、レーキレッド D、ブリリアントカーミン 6B、ェォシンレーキ、ローダミンレーキ B、ァリザ リンレーキ、ブリリアントカーミン 3B、 C. I.ビグメントレッド 2等がある。
[0080] 黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイェロー、黄色酸化鉄、ミネラルファ 一ストイェロー、ニッケノレチタンイェロー、ネーブノレイエロー、ナフトーノレイェロー S、 ノヽンザイェロー G、ハンザイェロー 10G、ベンジジンイェロー G、ベンジジンイェロー GR、キノリンイェローレーキ、パーマネントイェロー NCG、タートラジンレーキ、 C. I. ビグメントイエロー 12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸ィ匕クロム、ビグメントグリーン B、 C. I.ピグメ ントグリーン 7、マラカイトグリーンレーキ、フアイナノレイェローグリーン G等がある。 橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジ GTR、 ピラゾロン才レンジ、ノ ノレカン才レンジ、インダンスレンブリリアント才レンジ RK:、ベン ジジン才レンジ G、インダンスレンブリリアント才レンジ GK、 C. I.ピグメント才レンジ 3 1等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレット B、メチルバイオレットレー キ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫ィ匕亜鉛等がある。
[0081] 体質顔料としては、ノ ライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タル ク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料と して、ニグ口シン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイェロー、ウルトラマリン ブルー等がある。
[0082] 無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭 酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケィ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムィ エロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイェロー、紺青、群青、コバルトブ ルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフ エライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。 これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いるこ とができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラック力 白色顔料として酸化チ タンが好ましい。
[0083] し力しながら、このような材料を工夫無く混練り、コーティングなどを施しても、エア口 ゾル状態を示す粉流体を作製することはできな!ヽ。エアロゾル状態を示す粉流体の 決まった製法は定かではな 、が、例示すると次のようになる。
まず、粉流体を構成する粒子物質の表面に、平均粒子径が 20〜: LOOnm、好ましく は 20〜80nmの無機微粒子を固着させることが適当である。更に、その無機微粒子 がシリコーンオイルで処理されていることが適当である。ここで、無機微粒子としては、 二酸ィ匕珪素(シリカ)、酸ィ匕亜鉛、酸ィ匕アルミニウム、酸化マグネシウム、酸ィ匕セリウム 、酸化鉄、酸化銅等が挙げられる。この無機微粒子を固着させる方法が重要であり、 例えば、ハイブリダィザー (奈良機械製作所 (株)製)ゃメカノフュージョン (ホソカワミク ロン (株)製)などを用いて、ある限定された条件下 (例えば処理時間)で、エアロゾル 状態を示す粉流体を作製することができる。
[0084] 更に、本発明においては基板間の粒子群あるいは粉流体を取り巻く空隙部分の気 体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体 の湿度について、 25°Cにおける相対湿度を 60%RH以下、好ましくは 50%RH以下、 更に好ましくは 35%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、図 l (a)、(b)〜図 3 (a)、(b)において、対向する基板 1、基板 2 に挟まれる部分から、電極 5、 6 (電極と基板内側に設けた場合)、表示媒体 3の占有 部分、隔壁 4の占有部分 (隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分を 除 、た、 V、わゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥 空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥へリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが 好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入する ことが必要であり、例えば、粒子群あるいは粉流体の充填、情報表示用パネルの組 み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外力 の湿度侵入を防ぐシール材 、シール方法を施すことが肝要である。
[0085] 本発明の対象となる情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体 が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500 111、好ましくは 10 〜200 μ mに調整される。
対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は 5〜70%が好ましぐさ らに好ましくは 5〜60%である。 70%を超える場合には表示媒体の移動の支障をき たし、 5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
実施例
[0086] 以下、本発明の第 2発明〜第 3発明に係る実施例を示して、本発明をさらに具体的 に説明するが、本発明は下記に限定されるものではない。
[0087] (第 2発明の実施例)
くコントラストと駆動電圧のマージンにつ 、て >
本発明の第 2発明に係る情報表示装置の駆動方法を評価する指標となる、コントラ ストと駆動電圧のマージンを、以下のような実験を行うことで定義した。
[0088] 1.実験方法
クロストークの影響を測定するために最も単純なテストパターンをさまざまな駆動に より表示させる方法において、電圧を変えて表示させた場合の表示状態の反射率を 測定することとした。
1. 1.テストパターン
ノッシブマトリクス駆動により表示するテストパターンを図 13に示す。図 13中、(a) は黒ベタ領域、 (b)は白ベタ領域、(c)〜 (f)はクロストークにより影響を受ける領域で ある。詳細は次の項で述べる。
[0089] 1. 2.典型的な反射率 印加電圧特性の説明
図 14にテストパターンを表示したときの表示画面、図 15に測定した典型的な反射 率—印加電圧特性を示す。図 14のように 5 X 5の測定ポイントを割り付けて、書込み 電圧を OV力 徐々に印加してテストパターンを表示させたときの各点の反射率を測 定した。このうち四角で囲んだ部分をそれぞれ平均化した値を各領域の反射率とし、 図 15では、横軸印加電圧、縦軸反射率の特性曲線を描いている。以下、図 15に示 すそれぞれのラインについて説明する。尚、本実験のマトリクス駆動は以下の表 1の 様に行った。又、以下の説明では、列側の電極にカゝかる電位を +として電位差を表 記している。例えば、列に OV、行に 50V電圧がかかればその電極の電位差は 50 Vになる。
[0090] [表 1]
[0091] (1)領域 21— 1
ラインの選択時には O (V)の電圧が加わり、非選択時にはスキャンの前半では— V /2 後半では VZ2のクロストーク電圧が加わる。この領域はスキャンの前半にライン 選択されるが、印加電圧が大きくなるとスキャン後半のクロストークの影響を大きく受 け、白表示にもかかわらず黒色へと移行する。
[0092] (2)領域 21— 5
ラインの選択時には Vの電圧が加わり、非選択時にはスキャンの前半では VZ2 、後半では VZ2のクロストーク電圧が加わる。スキャンの後半に選択されるこの領域 はほとんどクロストークの影響を受けないので、領域 5とほぼ同じ傾向を示す。
[0093] (3)領域 22— 1
ラインの選択時には Vの電圧が加わり、非選択時にはスキャンの前半では VZ2、 後半では一 VZ2のクロストーク電圧が加わる。スキャンの前半にライン選択されるこ の領域は、印加電圧が大きくなるとスキャン後半のクロストークの影響を大きく受け、 黒表示にもかかわらず白色へと移行する。
[0094] (4)領域 22— 5
ラインの選択時には 0 (V)の電圧が加わり、非選択時にはスキャンの前半では VZ 2、後半では—VZ2のクロストーク電圧が加わる。この領域はスキャンの後半にライン 選択されるが、領域 1—5と異なり、 O (V)で選択されるので、前半に受けたクロストー クの影響が残ってしまう。このため、印加電圧が高くなると白表示にもかかわらずやや 黒色に移行する。
[0095] (5)領域 24
ラインの選択時には O (V)の電圧が加わり、非選択時には常に— VZ2の電圧が加 わるこの領域は白表示のままであり、これが各表示法の白の基準となる。
[0096] (6)領域 25
ラインの選択時には Vの電圧が加わり、非選択時には常に VZ2の電圧が加わるこ の領域は黒表示のままであり、これが各表示法の黒の基準となる。
[0097] 2.評価方法
中間調表示をする上で重要な評価項目としてコントラストがある。各領域の中でもつ とも重要な領域は領域 22—1である。どんなに黒の最低反射率が低くても、領域 22 — 1がクロストークの影響で白側へシフトしているため、コントラストがこの領域の反射 率に制限されてしまう。領域 21— 1もクロストークの影響を大きく受けてはいる力 この クロストークによる変化は領域 22— 1に比べて高電圧側で起こっている。消費電力低 減のために、より低電圧で良好な表示を得ることを目的としているので、領域 21— 1 のクロストークは無視できる。
ここで本実験での評価方法を以下のように定義する。
[0098] (1)コントラスト(図 15の両矢印縦ライン)
通常のコントラストは白色の最大反射率と黒色の最小反射率との比で表されるが、 本実験では上に述べた事項を考慮して、以下のように定義した。すなわち、コントラス トを、ライン 22— 1の最低 (最高:黒消し白書きの場合)レベルの反射率とその時の白 (黒:黒消し白書きの場合)表示の反射率の比として定義した。ここで 、う「黒消し白書 き」とは、表示状態が黒になるように消してから、白に表示したい部分が白になるよう にして書き換える「消去—書換え方法」のことである。これとは逆に、表示状態が白に なるように消してから、黒に表示した 、部分が黒になるように書き換える「消去一書換 え方法」のことを「白消し黒書き」と呼ぶ。なお、コントラストはより高い方が良い。
[0099] (2)駆動電圧のマージン(図 15の両矢印横ライン)
駆動電圧のマージンは、ライン 22— 1の最低 (最高:黒消し白書きの場合)レベルの 反射率とその時の白(黒:黒消し白書きの場合)表示の反射率の差の 10%上がった( 下がった:黒消し白書きの場合)ところでの、ライン 22— 1の幅として定義した。なお、 駆動電圧のマージンは広 、方が良 、。
[0100] <パルス状の駆動電圧について >
以上のように定義したコントラストと駆動電圧のマージンを指標として、パルス状の
駆動電圧について調べた。本実験ではしきい値以下の電圧 V = o(v)とした。
0
[0101] (1)デューティー比について
まず、駆動電圧として、パルス幅 0. 2msecで 4パルス、パルス幅 0. 08msecで 8パ ルス、パルス幅 0. 2msecで 8パルスの 3種類のパルス状の電圧を用い、各パルス状 電圧のデューティー比を種々変化させたときのコントラストを測定した。結果を図 16に 示す。なお、図 16において、横軸のデューティー比は対数として記載している。図 16 の結果から、デューティー比が 0. 9を超えるとコントラストが低下していることがわかり 、デューティー比を 0. 9以下とすることが好ましいことがわかる。
[0102] 次に、駆動電圧として、ノ ルス幅 0. 2msecで 4パルス、パルス幅 0. 08msecで 8パ ルス、パルス幅 0. 2msecで 8パルスの 3種類のパルス状の電圧を用い、各パルス状 電圧のデューティー比を種々変化させたときのマージンを測定した。結果を図 17に 示す。図 17の結果から、マージンはデューティー比が小さいほど大きいので、デュー ティー比は小さければ小さいほど好ましいことがわかる。
[0103] (2)オフ時間について
上述したデューティー比とコントラストまたはマージンとの関係について得られたデ ータに基づき、オフ時間とマージンとの関係について調べた。結果を図 18に示す。 図 18の結果から、オフ時間が 0. 1msec未満であるとマージンが小さくなることがわ かり、オフ時間を 0. 1msec以上とすることが好ましいことがわかる。
[0104] (第 3発明の実施例)
まず、図19に示すょぅにロゥ電極31—1〜31—11とカラム電極32—1〜32—111から 構成される単純マトリックスパネルを作製した。単純マトリックスパネルでは、ロウ電極 31— 1〜31— nまで 1列ずつ選択して 1画面を書き換える。そして、図 20に比較例 1 の駆動方法を示すとともに、図 21〜図 23に実施例 1〜3の駆動方法を示す。図 20 〜図 23の駆動方法では、説明を簡単にするために、図 11 (a)、 (b)に示した例と同じ 2行 2列の単純マトリックスパネルを例にとって説明し、 1回の書換えに際し 2回のパル ス電圧を印加(ON- OFF-ON- OFF)して駆動した例を示す。そして、 1番目のロウ書 換え時 (選択時)及び 2番目のロウ書換え時 (選択時)の、ロウ、カラム及びそれぞれ の電極に印加される電圧波形と各画素に印加される電圧波形を示している。
[0105] <比較例 1 >
図 20に示す比較例 1の駆動方法では、カラムの書換え電圧をパルス状に 2回印加 させる一方、ロウの選択電圧は従来と同様とした。本例では、非書換え画素に印加さ れるクロストーク 2及び 4におけるパルス状の電圧力 一方のピークが + VIで他方の ピークが一 VIと極性が変化しており、また、ピーク'トウ'ピークの大きさが大きい。ど ちらも表示媒体が移動し易くなる方向であり、クロストークの影響をより強く受け、コン トラストが劣化した。
[0106] <実施例 1 >
図 21に示す実施例 1の駆動方法では、ロウの選択電圧をパルス状に 2回印加させ る一方、カラムの書換え電圧は従来と同様とした。本例では、非書換え画素に印加さ れるクロストーク 1〜3及び 4〜6におけるパルス状の電圧のいずれもが極性が一定、 すなわち、クロストーク 1と 6では一方のピークが 0Vで他方のピークが VIと極性が 一定であり、クロストーク 2と 4では + VIと極性が一定であり、クロストーク 3と 5では VIと極性が一定である。ただ、画素に印加される書換え電圧のピーク 'トウ'ピークが 書換え電圧の半分 (V2— VI)である。そのため、コントラストは良好であった力 1回 から複数回にパルス電圧の印加を分割する目的に対して効果が低減した。
[0107] <実施例 2>
図 22示す実施例 2の駆動方法では、ロウ Zカラムを同期させたパルス列とし、ロウ を選択する特にはパルスを取り除く。ノィァス電圧が駆動電圧の 1Z2でない場合は パルスを取り除いたときの印加電圧は 0Vでない場合もある。本例では、非書換え画 素に印加されるクロストーク 1〜3及び 4〜6におけるいずれもが極性が一定、すなわ ち、クロストーク 1と 6では 0Vと極'性が一定であり、クロストーク 2と 4では一方のピーク が +Vで他方のピークが 0Vと極性が一定であり、クロストーク 3と 5では一方のピーク が 0Vで他方のピークが一 VIと極性が一定である。実施例 2では、クロストークの影響 は実施例 1の改善効果をそのままに、書換え電圧のピーク 'トウ'ピークの大きさを実 施例 1より 2倍も大きくしている。これにより、書換え画素の書換えを効果的に行うこと ができ、且つ、非書換え画素がクロストークの影響で変化してしまうことを防ぐことがで
[0108] <実施例 3 >
図 23に示す実施例 3の駆動方法では、ロウ(走査)駆動電圧およびカラム駆動電圧 をそれぞれ同一周期および同一デューティーのパルス列で構成し、ロウ側の列選択 に際し、ロウ駆動電圧とカラム駆動電圧のそれぞれのパルス列の位相を反転する。 本例では、非書換え画素に印加されるクロストーク 1〜3及び 4〜6におけるいずれも が極性が一定、すなわち、クロストーク 1と 6では一方のピークが 0Vで他方のピークが —VIと極性が一定であり、クロストーク 2と 4では一方のピークが +Vで他方のピーク 力 S0Vと極性が一定であり、クロストーク 3と 5では一方のピークが 0Vで他方のピーク が— VIと極性が一定である。実施例 3では、クロストークの影響は実施例 1、 2の改善 効果をそのままに、書換え電圧のピーク 'トウ'ピークの大きさを実施例 1より 3倍も大き くしている。これにより、書換え画素の書換えをより効果的に行うことができ、且つ、非 書換え画素がクロストークの影響で変化してしまうことをより良好に防ぐことができた。
[0109] なお、上述した実施例 1〜3及び比較例 1では、 0Vを基準に印加する電圧の正負 を定めた力 本発明の情報表示装置では駆動するために基準が 0Vである必要はな い。その場合は、 0Vを基準とした正負ではなぐ基準となる電圧に対し、正側に一定 か負側に一定かを規定すれば良い。また、非選択ロウに印加するバイアス電圧を VI (= (V2) /2)とカラムに印加する書換え電圧 V2の半分としたが、これに限定される ものではなぐ例えば、バイアス電圧 VIを((V2) Z3)とすることもできる。
[0110] <効果の確認 >
上述した実施例 1〜3及び比較例 1に示す駆動方法で駆動する、ロウ(走査)側 32 0ライン、カラム側 320ラインの図 24 (a)に示す単純マトリックスパネルにテストパター ンを表示し、図 24 (b)に示す書換え (クロストークなし)エリアとクロストークエリア(上記 クロストーク 4〜6)の反射率を、光学濃度計 (ダレタマクベス社製 RD— 1)によって測 定した。駆動条件は以下の通りであった。すなわち、 1画素に対する書換え電圧印加 回数 =8、コントラストが最大で且つクロストーク 4の影響が最も少なくなる駆動電圧で 駆動し、非選択カラム Zロウは駆動電圧の 1Z2でバイアスした。結果を以下の表 2に 示す。
[0111] [表 2]
測定箇所 比較例 1 実施例 1 実施例 2 実施例 3 クロストーク 5 1 % 1 % 2 . 5 % 2 . 5 % (書換えとの差)
クロス トーク 4 7 % 1 % 3 % 3 % (非書換えとの差)
クロストーク 6 0 . 5 % 0 . 5 % 0 % 0 . 5 % (非書換えとの差)
書換え後の表示状態 コン卜ラス コントラス コン卜ラス コン卜ラス トは良好で 卜はやや低 トも良好で 卜も良好で あるがクロ 下したがク クロストー クロス卜一 ストークが ロス トーク クも目立た クも目立た 目立った。 は目立たな なかった。 なかった。
かった。
[0112] 表 2の結果から、非書換え画素に印加されるクロストーク 1〜3及び 4〜6におけるパ ルス状の電圧のいずれも極性が一定の実施例 1〜3は、非書換え画素に印加される クロストーク 2及び 4にお!/、てパルス状の電圧の極性が一定でな 、比較例 1と比べて 、濃度変化が少なくクロストークが目立たないことがわかる。また、実施例 1〜3を比較 してみると、書換え電圧のピーク 'トウ'ピークの大きさが大きいほど、濃度変化が少な くクロストークが目立たないことがわかる。 産業上の利用可能性
[0113] 本発明の駆動方法の対象となる情報表示用パネル、情報表示装置は、ノートバソコ ン、 PDA、携帯電話、ハンディターミナル等のモパイル機器の表示部、電子ブック、 電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、 自動車用品等の表示部、ポイントカード、 ICカード等のカード表示部、電子広告、電 子 POP、電子値札、電子棚札、電子楽譜、 RF— ID機器の表示部などに好適に用 いられる。