JP2004037496A - 電気光学装置及びその駆動方法並びに電子機器 - Google Patents

電気光学装置及びその駆動方法並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】電気光学装置において、画像表示領域の際で表示される画像又は文字等が周辺領域に重なるような場合であっても、これらを容易に認識しえるようにするとともに、周辺領域と画像表示領域の濃度差の発生を極力抑えることによって見栄えのよい画像を表示する。
【解決手段】互いに交差する方向に延在するデータ電極及び走査電極、これらの交差領域に対応して設けられる画素部とからなる画像表示領域を備えた電気光学装置であって、データ電極に沿っては、Y方向ダミー電極が備えられている。これらのうち走査電極に印加される選択電圧、データ電極に印加されるデータ電圧、Y方向ダミー電極に印加される第1電圧は、極性反転信号と図に示すような関係にあり、特に、前記第1電圧の極性反転タイミングと前記データ電圧の極性反転タイミングとが、所定の期間INTだけ隔てられている。
【選択図】   図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置及びその駆動方法並びに電子機器の技術分野に属し、特に、ストライプ状の電極を列設した基板を液晶等の電気光学物質を介して二枚重ね合わせることで、画像を表示することの可能な液晶装置等の電気光学装置及びその駆動方法、並びに、そのような電気光学装置を具備してなる電子機器の技術分野に属する。
【0002】
【背景技術】
近年、液晶等の電気光学物質の電気光学的変化を利用して、画像を表示することの可能な電気光学装置が、各種の電子機器やテレビなどに広く用いられている。これによれば、従来の陰極線管(CRT)を用いたテレビ等では達成し得なかった、薄型化、小型化、低消費電力化等といった数多くの特徴を享受することができる。
【0003】
このような電気光学装置には、既に数多くの形態となるものが提案されているが、その多くは適当な基準により分類することができる。例えば、駆動方式等による分類が一般的になされ、具体的には、スイッチング素子により画素を駆動するアクティブ・マトリクス型と、スイッチング素子を用いないで画素を駆動するパッシブ・マトリクス型とに大別することができる。このうち、後者のパッシブ・マトリクス型の電気光学装置は、一の方向に沿って延在するセグメント電極としての複数のデータ電極、これに交差する他の方向に沿って延在するコモン電極としての走査電極、並びに該データ電極及び該走査電極間に挟持された液晶等の電気光学物質(以下、「液晶」に代表させる。)を備えている。これにより、例えば、液晶を誘電体とし、データ電極及び走査電極を一対の電極とする、コンデンサ、すなわち液晶容量が構成されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来における電気光学装置においては次のような問題があった。すなわち、上述の電気光学装置では、前記走査電極及びデータ電極等が構成されている部位をもって、画像表示領域が規定されるが、この画像表示領域の際(きわ)において、何らかの画像又は文字等を表示すると、これらを画像として認識しにくい、又は、文字として読みにくいという事態が発生していたのである。これは、画像表示領域の外に位置する何ら表示に寄与することのない周辺領域と、前記画像又は文字等とが同じような階調で重なり合うことによる。
【0005】
より具体的には、ノーマリブラックモードでは、前記周辺領域は通常黒色となっているため、前記画像又は文字等を、黒色、あるいはこれに近い階調で表現した場合には、当該画像又は文字等の端が前記周辺領域にかかることによって、それらの認識が困難となるということになる。逆に、ノーマリホワイトモードであって、前記画像又は文字等を白色、あるいはこれに近い階調で表現する場合においても、同様な問題が生じる。
【0006】
このような問題に対処するため、前記周辺領域に対応させてダミーの電極を設け、該周辺領域を、画像表示領域に表示される画像又は文字等の階調とは異なる階調で表示するということが考えられる。例えば、ノーマリブラックモードでは、画像表示領域に表示される画像又は文字等は黒色で表現されることが一般的であるから、その周辺領域は白色にするなどということである。このようにすれば、画像表示領域の際に表示される画像又は文字等と周辺領域との境界をはっきりさせることができ、該画像又は文字等の認識を確実になすことができる。
【0007】
しかしながら、このような措置をとるのみでは、周辺領域と画像表示領域との間で濃度差が発生することがあり、これが画像全体の見栄えを損なわせるおそれがあった。これは、以下のような事情による。なお、ここでは、上述のパッシブ・マトリクス駆動の電気光学装置を例として、これがノーマリブラックモード、かつ、適当な極性反転を受けながら駆動されている場合を想定して説明することとする。
【0008】
まず、周辺領域を白色表示させるためには、前記のダミー電極には、常に、白色表示させるべき波形の電圧が印加されることになる。これに対して、画像表示領域におけるデータ電極には、時々刻々と表示内容を変える画像又は文字等を表示させるべき波形の電圧が印加される。ここで、白色表示させるべき波形の電圧とは、通常、切り替え数の少ない(すなわち、極性反転数の少ない)波形の電圧ということになる(画像表示領域で白色の階調を表示させるべき場合と同様と考えることができる。)。一方、時々刻々と表示内容を変える画像又は文字等を表示させるべき波形の電圧とは、通常、切り替え数の多い(すなわち、極性反転数の多い)波形の電圧ということになる。
【0009】
ここで更に、電圧の切り替え時点、すなわち波形の立ち上がり時点及び立ち下がり時点においては、通常、電圧値がある値から別の値に完全に急峻に切り替わるのではなく、一定の時間の経過をまって、そのような切り替わりが行われる。つまり、当該時点においては、いわゆる「波形鈍り」が生じるのである。このような波形鈍りを考慮すると、前述の説明から明らかなように、画像表示領域の方が周辺領域よりも、該波形鈍りの影響をより大きく受けることとなる。つまり、周辺領域では、ダミー電極に印加される電圧の切り替わり数が少ないため、波形鈍り成分による影響の少ない電圧が印加されるのに対し、画像表示領域ではちょうどその逆となり、その結果、両者間で濃度差が生じてしまうことになるのである。より具体的には、周辺領域は、画像表示領域よりも、より明るく表示されることとなる。
【0010】
以上のように、周辺領域と画像表示領域との間には濃度差が生じることになり、これが画像全体の見栄えを損なわせることになる。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、画像表示領域の際で画像又は文字等を表示する場合であっても、その認識を容易になしえるとともに、周辺領域と画像表示領域の濃度差の発生を極力抑えることによって見栄えのよい画像を表示することの可能な電気光学装置及びその駆動方法並びに電子機器を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学装置は、上記課題を解決するため、一方の方向に延在するデータ用導電部と、該一方の方向に交差する方向に延在する走査用導電部と、該データ用導電部及び該走査用導電部の交差領域に対応して設けられる画素部とからなる画像表示領域を備えた電気光学装置であって、前記データ用導電部及び前記走査用導電部それぞれに対して印加されるデータ電圧及び選択電圧の極性を規定する極性反転信号を生成する制御回路と、前記画像表示領域外の周辺領域に、前記データ用導電部に沿って設けられる第1表示領域外導電部と、前記周辺領域に、前記走査用導電部に沿って設けられる第2表示領域外導電部とを備えてなり、前記第1表示領域外導電部には、該第1表示領域外導電部の表示状態を常にオン状態とするような電圧であって、かつ、前記極性反転信号に応じてその極性が反転する第1電圧が印加され、前記第2表示領域外導電部には、所定波形の第2電圧が印加され、前記第1電圧の極性反転タイミングと前記データ電圧の極性反転タイミングとが、所定の期間隔てられている。
【0013】
本発明の電気光学装置によれば、データ用導電部及び走査用導電部の交差領域に対応して設けられる画素部を駆動することによって、画像を表示することが可能となる。ここで、データ用導電部及び走査用導電部とは、例えばいわゆるデータ電極(セグメント電極)及び走査電極(コモン電極)等を想定することができ、画素部とは、例えば、データ電極及び走査電極の各一部と、これらの間に挟持された液晶等からなるものを想定することが可能である。これによれば、走査電極及びデータ電極に対して、選択電圧及びデータ電圧を供給することで、これを所定の電位とすることによって、液晶に所定の電界を印加することが可能となる。そして、その結果、液晶分子の配向状態等が変化することで、画素毎の光の透過率が変化することになり、画像を表示することが可能となる。
【0014】
また、本発明では、データ用導電部及び走査用導電部に対して印加する電圧の極性を規定する極性反転信号を生成する制御回路が備えられている。ここに、「極性」とは、一般に、適当な電圧Vm(「Vm=0」を勿論含む。)を基準に、(Vm+V)ボルト(以下、「プラス極性」ともいう。)及び(Vm−V)ボルト(以下、「マイナス極性」ともいう。)なる二つの電位を指示する用語である。したがって、「極性反転」とは、このうちの前者から後者へ、又は、後者から前者へという電位の切り替えのことをいう。このような極性の反転を、データ用導電部及び走査用導電部において適当に実行すれば、クロストークを減少させたり、液晶に常に一方向の直流電圧がかかるという事態を回避することが可能となることで、液晶の劣化を防止することができる。
【0015】
ここで本発明では特に、前記データ用導電部に沿って第1表示領域外導電部が設けられており、かつ、該第1表示領域外導電部には、その表示状態を常にオン状態とするような電圧であって、かつ、前記極性反転信号に応じてその極性が反転する第1電圧が印加される。
【0016】
すなわち、まず、第1表示領域外導電部は、前記データ用導電部に沿って設けられている。これは、第1表示領域外導電部が、走査用導電部と交差するように配列されていることを意味する。そして、この第1表示領域外導電部には、その表示状態を常にオン状態とするような第1電圧がかけられている。ここで「オン状態」というのは、前記極性反転信号に応じて、前述のプラス極性及びマイナス極性いずれかの電圧の印加がなされることを意味している。このように、第1表示領域外導電部の表示状態が常にオン状態とされていれば、第1表示領域外導電部と交差する如何なる走査用導電部が選択されたとしても、この第1表示領域外導電部に対応する画素部の表示状態は常にオン状態とされることになる。つまり、当該画素部では、常に、白色表示又は黒色表示をなすことが可能となるのである。
【0017】
他方、第2表示領域外導電部は、走査用導電部の配列に沿って設けられている。これは、第2表示領域外導電部が、データ用導電部と交差するように配列されていることを意味する。そして、この第2表示領域外導電部には、所定波形の第2電圧が印加される。ここに「所定波形の第2電圧」とは、例えば後述するように、一水平走査期間の中間点でその極性を反転する電圧などが該当する。このようにすれば、第2表示領域外導電部に対応する画素部の表示状態もまた、常にオン状態とされることになり、当該画素部では常時の白色表示又は黒色表示がなされることになる。なお、このようなことが実現される理由については、後述の「所定波形の第2電圧」の具体的態様に関する説明、及び、本発明の実施の形態において詳細に触れることとする。
【0018】
以上の結果、要するに、本発明によれば、周辺領域内の第1表示領域外導電部及び第2表示領域外導電部が形成されている部分においては、常に、白色表示又は黒色表示が行われることになる。したがって、画像表示領域に表示される画像又は文字等が黒色又は白色等で表示されても、これらと周辺領域との境界が定かではなく、該画像又は文字等が認識しにくいという事態を回避することが可能であり、より高品質な画像を表示することが可能となる。
【0019】
そして、本発明では更に、前記第1電圧の極性反転タイミングと前記データ電圧の極性反転タイミングとが、所定の期間隔てられている。
【0020】
ここで、「所定の期間隔てられている」とは、第1電圧の極性反転タイミングからみて、データ電圧のそれが、所定の期間経過した時点である、又は、所定の期間遡った時点である、という、いずれの場合をも意味する。なお、走査用導電部に印加される選択電圧もまた、前記極性反転信号に応じてその極性を反転するが、その極性反転タイミングは前記データ電圧の極性反転タイミングと同時である。
【0021】
すなわち、前者(所定の期間の経過)の場合では、まず、極性反転信号の指示に応じて、第1電圧の極性反転タイミングが訪れ、その所定の期間の経過後、データ電圧の極性反転タイミングが訪れるということになる。つまり、データ電圧の極性反転が未だ訪れていないのに、第1電圧の極性が反転していることになる。例えば、マイナス極性からプラス極性への反転に際し、第1電圧は、一足先にプラス極性に対応したものとして、第1表示領域外導電部に印加されることになるのである。したがって、この場合においては、データ電圧と第1電圧とが全く同時に極性反転した場合に表示されるべきであった階調よりも、より濃い階調(ノーマリブラックモードの場合)又はより淡い階調(ノーマリホワイトモードの場合)が表示されることになる。なお、選択電圧は、データ電圧の反転時点と同時に反転されているから、本来表示すべき階調の画像は、本来の階調で表示されることになる。
【0022】
より具体的には、本発明に係る電気光学装置が液晶装置であって、かつ、ノーマリブラックモードで駆動される場合においては、周辺領域は白色表示されることになるから、上記したような第1電圧及びデータ電圧の極性反転タイミングの調整によると、第1表示領域外導電部に基づく画像の階調(すなわち、周辺領域における階調)は、上述のような措置を施さない場合に表示されるべきであった階調よりも濃くなるということになる。つまり、波形鈍りの影響を大きく受けて、より濃く表示されている画像表示領域に合わせるように、周辺領域が濃くなることになるから、両者間の濃度差を極力小さくすることが可能となるのである。
【0023】
このようなことは、前述における後者の場合、すなわち第1電圧の極性反転タイミングからみて、データ電圧等の極性反転タイミングが所定の期間遡った時点であるという場合でも、全く同様にいえる。
【0024】
このように、本発明によれば、周辺領域と画像表示領域との間における濃度差を有効に解消することが可能となるから、画像全体の見栄えを損なうことのない、より高品質な画像を表示することが可能となるのである。
【0025】
ちなみに、本発明にいう「極性反転タイミング」は、基本的に、どのように設定されてもよい。例えば、走査用導電部の1本又は数本ずつ毎に極性反転が行われるという場合や、1フレームごとに極性反転を行う場合、すなわち、走査用導電部のすべてについて一の極性による選択を行った後、再び最初から走査用導電部の選択を行う場合におけるその時点において極性反転を行う場合等が考えられる。
【0026】
そして、本発明によれば、このように極性反転タイミングが任意に設定される場合であっても、これに起因する周辺領域と画像表示領域との濃度差を、いわば自動的に解消することが可能となる。これは、極性反転タイミングがどのように設定されようとも、第1電圧の極性反転タイミングとデータ電圧の極性反転タイミングとの間には、所定の期間が設けられることから、極性反転時における波形鈍りにより印加電圧差は、当該期間の経過によって自動的に補正されるからである。
【0027】
なお、本発明にいう「データ用導電部」及び「走査用導電部」とは、上記の例示に限定されるものではない。例えば、データ用導電部及び走査用導電部が、いわゆる走査線及びデータ線であって、かつ、いずれか一方には、スイッチング素子としての薄膜ダイオード(TFD)を介して画素電極が接続された形態としてもよいし、また、前記スイッチング素子として、薄膜トランジスタ(TFT)を備えた形態としてもよい。これらによれば、いわゆるアクティブマトリクス駆動が可能となるのは周知である。
【0028】
また、本発明は、前記画素部に液晶を備えるもののみに限定されるものではない。例えば、適当なバインダ内に分散された粉末EL(エレクトロ・ルミネッセンス)、あるいは無機又は有機EL等を挙げることもできる。この場合においては、データ用導電部及び走査用導電部に対する通電と、前記TFT等のスイッチング素子によるスイッチング動作とを併せ実行することによって、該ELに対して所定の電界を印加することが可能となる。これにより、該ELはそれ自身が発光することで、画像が表示されるというメカニズムとなる。
【0029】
本発明の電気光学装置の一態様では、前記所定の期間は、前記データ電圧の立ち上がり時及び立ち下がり時の少なくとも一方における波形鈍りが生じる期間に基づいて規定される。
【0030】
この態様によれば、周辺領域と画像表示領域の濃度差解消をより有効に実現することができる。というのも、上述のように、第1電圧は、極性反転信号に応じてその極性が反転するのみであって、基本的に、その極性反転数は多くはないのに対して、データ電圧は画像信号、すなわち表示すべき画像又は文字等に応じた信号であるため、その極性反転数は、第1電圧に比べて多くなる。したがって、データ電圧の方が、第1電圧よりも、波形鈍りの影響を受けやすく、本来表示すべき階調よりも、実際に表示される階調はそれよりも濃い等ということが起こり得る。これは、周辺領域と画像表示領域との濃度差を生じさせる主要な原因となる。
【0031】
しかるに、本態様においては、前記所定の期間が、データ電圧の立ち上がり時及び立ち下がり時の少なくとも一方の波形鈍りが生じる期間に基づいて規定されるから、上述のような不具合をより有効に解消することが可能となる。これは、上述したような波形鈍りに起因して発生する画像上の濃度の変移を解消するように、周辺領域の濃度が決定されることになるからである。
【0032】
なお、本態様の最も好ましい形態の一つとしては、例えば、波形鈍りが生じる期間を、「所定の期間」に一致させるようにすればよい。これは、最も簡単な「所定の期間」の決定方法の一つでもある。
【0033】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記第1電圧又は前記データ電圧の極性反転のタイミングを遅延させる遅延回路を更に備え、前記所定の期間は、前記遅延回路により規定される。
【0034】
この態様によれば、第1電圧の極性反転タイミングに対するデータ電圧の極性反転タイミングの「所定の期間」にわたる遅延、又はその逆に係る遅延を、より容易に実現することが可能となる。なお、この場合における遅延回路は、例えば、前記制御回路と、第1表示領域外導電部との間、より具体的には、該第1表示領域外導電部に供給される第1電圧を生成する回路との間の適当な位置に置くようにすればよい。
【0035】
更に具体的には、相互に極性が反転した第1電圧を供給するアナログスイッチと、該アナログスイッチによる電圧供給を制御するフリップフロップとの間の適当な位置、あるいは前記フリップフロップの動作を制御するクロック信号の供給線上の適当な位置等に置くようにすればよい。また、遅延回路としては、具体的には例えば、一般的なRC回路等をあてるとよい。
【0036】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記所定の期間は、パルス信号の立ち上がり時点と立ち下がり時点との間の期間として規定される。
【0037】
この態様によれば、電気光学装置を駆動するために、必要となる各種のパルス信号を利用することにより、第1電圧の極性反転タイミングに対するデータ電圧の極性反転タイミングの「所定の期間」にわたる遅延、又は、その逆に係る遅延を、より容易に実現することが可能となる。
【0038】
なお、この場合における「パルス信号」としては、例えば、一水平走査期間を規定するクロック信号のパルスなどを用いるのが好ましい。
【0039】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記所定波形の第2電圧は、一水平走査期間の中間点でその極性が反転する電圧を含む。
【0040】
この態様によれば、該第2表示領域外導電部と交差するデータ電極にどのような電圧が印加されたとしても、第2表示領域外導電部に対応する画素部の表示状態は常にオン状態とされていることになる。なお、ここに「一水平走査期間」とは、前記走査電極の1本又は数本が同時に、選択されている期間を意味する。また、「極性が反転する」とは、既に述べとおりの意義である。
【0041】
例えば、この第2表示領域外導電部は、前記の第1表示領域外導電部とも交差しているが、この第1表示領域外導電部の表示状態は上述したように常にオン状態とされている。いま、この「オン状態」というのがプラス極性たるVm+Vsであるとすれば、例えば、一水平走査期間の前半では、この(Vm+Vs)と走査用導電部に印加される電圧(Vm−Vc)との差(Vs+Vc)が液晶にかかることとなり、その後半では、(Vm+Vs)と(Vm+Vc)との差(Vs−Vc)が液晶にかかることになる。ここで更に、Vs=Vcと仮定すれば、後半部分では、液晶には全く電圧がかからなくなるが、前半部分ではVs+Vc=2Vs=2Vcなる電圧がかかることになる。したがって、Vs又はVcを適当に設定すれば、当該液晶にかかる実効電圧値を十分に稼ぐことが可能となり、当該画素部において、白色表示又は黒色表示を行うことが可能となる。
【0042】
そして、このような事象は、第1表示領域外導電部と同様に配列されているデータ用導電部についても全く同様に生じる。この場合、データ用導電部には、被選択の走査用導電部に向けて所定のデータ電圧を印加するために、時々刻々と種々のレベルの電圧が印加されることになるが、上述したように第2表示領域外導電部に一水平走査期間の前半と後半とで極性が反転する電圧が印加されることで、必ず、当該一水平走査期間内の実効電圧値を所定値以上、すなわち白色又は黒色表示可能な以上の実効電圧値を液晶に与えることが可能となるのである。
【0043】
その結果、本態様によれば、第2表示領域外導電部に対応する周辺領域(すなわち、走査用導電部に平行な周辺領域)において、より好適に白色表示又は黒色表示を実現することが可能となる。
【0044】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記所定波形の第2電圧は、一水平走査期間の中間点でその極性が反転する電圧であって、前記一水平走査期間の開始時から第2の所定の期間及び前記一水平走査期間の終了時から遡る第2の所定の期間の少なくとも一方において、前記極性が反転する電圧の中間の電圧となる電圧を含む。
【0045】
この態様によれば、第2表示領域外導電部には、前述と同様に、一水平走査期間の中間点でその極性が反転する電圧がかかることは同様である。したがって、この点に関する上述した作用効果は略同様に奏されることとなる。
【0046】
ここで本態様では特に、一水平走査期間の開始時から第2の所定の期間及び一水平走査期間の終了時から遡る第2の所定の期間の少なくとも一方において、前記極性が反転する電圧の中間の電圧が印加される。すなわち、本態様によれば、この第2の所定の期間の長さ如何によって、液晶にかかる実効電圧値の調整を行うことが可能となるのである。例えば、上述したような第2電圧を用いるのでは、液晶に余りに過剰な実効電圧がかかるという場合には、前記第2の所定の期間をできるだけ長期化するなどの措置をとればよい。
【0047】
また、本態様によれば、周辺領域を白色表示又は黒色表示にするのではなくて、これらの間の中間調の表示を行うことが可能となる。例えば、濃い灰色表示としたり、淡い灰色表示としたりする等ということである。これも、液晶にかかる実効電圧値を調整可能であることによるに他ならない。これにより、本態様に係る電気光学装置の使用環境等に応じて、最も好適な周辺領域における表示を行うことも可能となる。
【0048】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記所定波形の第2電圧は、二水平走査期間以上の期間にわたって印加が続行される電圧を含む。
【0049】
この態様によれば、第2表示領域外導電部には、二水平走査期間以上の長期にわたって電圧が印加される。すなわち、この場合においては、液晶に対する電圧印加時間を長くとることによって、それにかかる実効電圧値を稼ぐことが可能となる。
【0050】
したがって、このような場合においても、周辺領域において白色表示又は黒色表示を行うことが可能となる。
【0051】
なお、本態様では、三水平走査期間、あるいは四水平走査期間というように、三つ以上の水平走査期間にわたって第2電圧を印加する形態としてもよいが、あまりに長期にわたって液晶に電圧を印加することは適当でないので、最も好ましくは、二水平走査期間程度とするのがよい。
【0052】
本発明の電気光学装置の他の態様では、前記データ用導電部は、第1基板上にストライプ状に形成されたデータ電極を含み、前記走査用導電部は、第2基板上にストライプ状に形成された走査電極を含み、前記画素部は、前記データ電極及び前記走査電極間に挟持された液晶を含む。
【0053】
この態様によれば、いわゆるパッシブ・マトリクス駆動が可能となる。すなわち、走査電極及びデータ電極を、それぞれ所定の電位とすることによって、これらの間に挟持された液晶に適当な電界を印加することが可能となり、液晶分子の配向状態等を変化させ、光の透過率を変化させることによって、画像を表示することが可能となるのである。
【0054】
そして、本発明に係る構成は、本態様に係るパッシブ・マトリクス駆動が可能な構成を採る電気光学装置に対して、最も好適に適用することが可能である。
【0055】
この態様では特に、当該電気光学装置はノーマリブラックモードで駆動され、前記周辺領域は白色表示されるようにするとよい。
【0056】
このような構成によれば、ノーマリブラックモードで駆動される電気光学装置においては、その画像表示領域において表示される文字又は画像等は、通常、黒色で表示されることからして、本発明に係る作用効果を最大限に享受しうる一態様であるということができる。
【0057】
本発明の電気光学装置の駆動方法は、上記課題を解決するため、一方の方向に延在するデータ用導電部と、該一方の方向に交差する方向に延在する走査用導電部と、該データ用導電部及び該走査用導電部の交差領域に対応して設けられる画素部とからなる画像表示領域を備えた電気光学装置の駆動方法であって、前記データ用導電部及び前記走査用導電部それぞれに対して印加されるデータ電圧及び選択電圧の極性を規定する極性反転信号を生成するステップと、前記画像表示領域外の周辺領域に前記データ用導電部に沿って設けられた第1表示領域外導電部の表示状態を常にオン状態とするような電圧であって、かつ、前記極性反転信号に応じてその極性が反転する第1電圧の極性を反転するステップと、該第1電圧の極性を反転するステップの完了から所定の期間経過した時点又は所定の期間遡った時点において、前記データ電圧の極性を反転するステップとを含む。
【0058】
本発明の電気光学装置の駆動方法によれば、上述した本発明の電気光学装置を好適に運用することが可能であるとともに、該電気光学装置により奏された作用効果と同様な作用効果を享受することが可能となる。すなわち、本発明に係る駆動方法によれば、第1電圧の極性を反転するステップよりも、所定の期間経過した時点又は所定の期間遡った時点で、データ電圧及び選択電圧の極性を反転するステップが実行されることにより、例えば、データ電圧がマイナス極性(又はプラス極性)時においてプラス極性(又はマイナス極性)に対応した第1電圧が、前記所定の期間中、印加されるということが実現されることから、周辺領域と画像表示領域との間の濃度差を有効に解消することが可能となり、画像全体としての見栄えを向上させることができる。
【0059】
本発明の電気光学装置の駆動方法の一態様では、前記所定の期間は、前記データ電圧の立ち上がり時及び立ち下がり時における波形鈍りが生じる期間に基づいて規定される。
【0060】
この態様によれば、所定の期間を好適に設定することが可能となる。特に、本態様では、上述のように、画像表示領域では波形鈍りの影響をより大きく受けることに着目すると、画像表示領域におけるデータ用導電部の影響をより有効に解消することが可能となる。
【0061】
本発明の電気光学装置の駆動方法の他の態様では、前記第1電圧の極性を反転するステップは、パルス信号の立ち上がり時及び立ち下がり時の一方の際に実行され、前記データ電圧の極性を反転するステップは、前記パルス信号の立ち上がり時及び立ち下がり時の他方の際に実行される。
【0062】
この態様によれば、電気光学装置を駆動するために、必要となる各種のパルス信号を利用することにより、第1電圧の極性反転タイミングに対するデータ電圧の極性反転タイミングの「所定の期間」にわたる遅延、又は、その逆に係る遅延を、より容易に実現することが可能となる。
【0063】
なお、この場合における「パルス信号」としては、例えば、一水平走査期間を規定するクロック信号のパルスなどを用いるのが好ましい。
【0064】
本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様を含む。)を具備してなる。
【0065】
本発明の電子機器によれば、上述の本発明の電気光学装置を具備してなるから、周辺領域において、画像表示領域に表示される画像又は文字等の階調とは異なる階調の表示、あるいは白色表示又は黒色表示が行われることにより、該画像又は文字等が周辺領域と重なり合ることによって、これらが認識しにくいという事態を招くことがなく、しかも、この周辺領域における濃度は、画像表示領域における濃度との間で差が生じることを極力避けることが可能となり、見栄えのよい画像を表示することが可能な、投射型表示装置、液晶テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。
【0066】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0067】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。以下の実施形態は、本発明の電気光学装置を液晶装置に適用したものである。
【0068】
(第1実施形態)
最初に、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の概要について、図1乃至図4を参照しながら説明する。なお、以下では、第1実施形態に係る電気光学装置の概要を、その電気的構成及び機械的構成に分けた上で説明する。
【0069】
<電気的構成>
まず、第1実施形態に係る電気光学装置の電気的構成について、図1を参照しながら説明する。ここに図1は、第1実施形態に係る電気光学装置の電気的構成を示す説明図である。
【0070】
図1において、電気光学装置は、複数のデータ電極212(セグメント電極)212が列(Y)方向に延在して形成される一方、複数の走査電極312(コモン電極)312が行(X)方向に延在して形成されている。これらデータ電極212及び走査電極312間には電気光学物質の一例たる液晶が挟持されており、データ電極212及び走査電極312を一対の電極、前記液晶を誘電体とする画素部116が構成されている。なお、第1実施形態においては、走査電極312の数及びデータ電極212の数を、それぞれ一般に、m本及びn本あるものとする。
【0071】
そして第1実施形態においては特に、図1に示すように、走査電極312が配列されてなるX方向に沿い、かつ、1行目及びm行目の走査電極312のそれぞれ外側(図1でいえば、図中上側及び下側)に位置するように、X方向ダミー電極(第2表示領域外導電部)390が2本ずつ設けられている。また、データ電極212が配列されてなるY方向に沿い、かつ、1列目及びn列目のデータ電極290のそれぞれ外側(図1でいえば、図中左側及び右側)に位置するように、Y方向ダミー電極(第1表示領域外導電部)490が2本ずつ設けられている。これにより、第1実施形態では、X方向ダミー電極390と、データ電極212及びY方向ダミー電極290との交差領域、並びに、Y方向ダミー電極290と、走査電極312及びX方向ダミー電極390との交差領域には、それぞれ、液晶118Dが挟持され、画素部116Dが構成されることになる。
【0072】
なお、ここで「ダミー」というのは、これらダミー電極290及び390は、画像表示には直接には寄与しないということの意である。つまり、第1実施形態において、画像表示に寄与することとなるのは、1〜m行目までの走査電極312、及び、1〜n列目までのデータ電極212である。また、これにより、第1実施形態に係る「画像表示領域」は、これら1〜m行目の走査電極312及び1〜n列目のデータ電極212並びにこれらの交差に対応する液晶118を含む画素部116によって規定される(図1中符号DAR参照)。一方、「周辺領域」とは、このように規定された画像表示領域DAR外の領域を指すことになる。なお、この定義より明らかなように、X方向ダミー電極390及びY方向ダミー電極290、並びに、これらにより挟持される液晶118Dあるいは画素部116Dは、それぞれ、周辺領域に形成されていることになる。
【0073】
さて、前記走査電極312には、走査電極駆動回路350が接続されており、これにより走査電極312の各々に対しては、走査信号が供給される。より具体的には、走査電極駆動回路250は、複数の走査電極312一本一本を、後述するような順序で「選択」する作用を担い、選択された走査電極312に対しては選択電圧が、そうでない走査電極312に対しては非選択電圧が、それぞれ供給されることになる。また、前記データ電極212には、データ電極駆動回路250が接続されており、これによりデータ電極212の各々に対しては、データ信号が供給される。
【0074】
ここで、前述したX方向ダミー電極390及びY方向ダミー電極290は、これら走査電極駆動回路250及びデータ電極駆動回路350には接続されておらず、通常の走査電極312及びデータ電極212とは、別の信号供給を受けるようになっている。
【0075】
より具体的には、X方向ダミー電極390及びY方向ダミー電極290には、図1に示すように、ダミー電極駆動回路900が接続されている。そして、このダミー電極駆動回路900は、図2に示すような構成を備えている。この図2において、ダミー電極駆動回路900は、フリップフロップDFF1及びDFF2、カウンタCT及びアナログスイッチAS1及びAS2から構成されている。フリップフロップDFF1には、入力Dとして極性反転信号FRが供給され、入力CKとしてクロック信号HCKが供給されている(これらの信号FR及びHCKは後述する制御回路400から出力される。)。一方、出力Qは、アナログスイッチAS1に供給されている。アナログスイッチAS1では、この出力Qの値に応じ、出力電圧+V1及び−V1のいずれか一方を、Y方向ダミー電極290に対して供給する。
【0076】
なお、ここで「+V1」及び「−V1」というのは、それぞれ、「プラス極性」及び「マイナス極性」を表しており、上述した記述方法に合わせれば、+V1=Vm+V及び−V1=Vm−Vで、Vm=0、V=V1ということである。このように、第1実施形態では、全体的に(すなわち、後述するデータ電圧等についても)、基準となる中間電圧を0〔V〕としているが、本発明は、このような形態に限定されるわけではなく、一般に、Vm≠0なる場合における極性反転を行うようにしてよい。
【0077】
他方、カウンタCTには、クロック信号HCKとクロック信号SCKとが供給されている(この信号SCKは後述する制御回路400から出力される。)。このカウンタCTは、クロック信号HCKを起点としてクロック信号SCKを所定数カウントし、そのカウント結果に応じてカウント信号CK1を出力する。そして、このカウンタ信号CK1は、フリップフロップDFF2の入力CKとして供給されている。また、フリップフロップDFF2では、その入力Dとしては、自身の出力/Qが供給されるようになっている(すなわち、このフリップフロップDFF2は、T−フリップフロップとして機能する。)。そして、その出力Qは、アナログスイッチAS2に供給されている。アナログスイッチAS2では、この出力Qの値に応じて、出力電圧+V1及び−V1のいずれか一方を、X方向ダミー電極390に対して供給する。
【0078】
一方、図1に戻り、制御回路400は、階調データや各種制御信号、前述の極性反転信号FR、クロック信号HCK及びSCKなどを供給して、前記データ電極駆動回路250及び走査電極駆動回路350並びにダミー電極駆動回路900等を制御するものである。ちなみに、第1実施形態において特に関係のある信号は、既に触れたクロック信号HCK及びSCK、並びに極性反転信号FRである。ここに、クロック信号HCKは、走査電極312の1本ずつ又は数本ずつの選択を制御するための信号であって、一水平走査期間(1H)を規定する。また、クロック信号SCKは、一水平走査期間内における、データ電極212の1本ずつに対するデータ信号の転送を制御するための信号である。また、極性反転信号FRは、走査電極312を選択するための選択電圧の極性をプラス及びマイナスのいずれにするか、あるいはデータ電極212に印加するデータ信号の極性をプラス及びマイナスのいずれにするかを決める信号である。これらの信号のより具体的な使われ方については、後に改めて触れる。
【0079】
また、駆動電圧形成回路500は、電圧+V1、−V1、+V2及び−V2を生成する。このうち電圧+V1及び−V1は、第1実施形態において、上述したように、X方向ダミー電極390及びY方向ダミー電極290に供給される電圧として使用される他、データ電極212に対して供給されるデータ電圧としても使用される。また、電圧+V2及び−V2は、走査電極312に対して供給される走査信号としての選択電圧として使用される。
【0080】
<機械的構成>
次に、第1実施形態に係る電気光学装置の機械的な構成について、図3及び図4を参照しながら説明する。ここに図3は、電気光学装置の全体構成を示す斜視図であり、図4は、この電気光学装置をX方向に沿って破断した場合の構成を示す部分断面図である。
【0081】
これらの図に示されるように、電気光学装置は、観察者側に位置する第1基板300と、その背面側に位置する第2基板200とが、スペーサを兼ねる導電性粒子(導通材)114の混入されたシール材110によって、一定の間隔を保って貼り合わせられるとともに、この間隙に例えば(Twisted Nematic)型、STN(Super Twisted Nematic)型等の液晶118が封入された構成となっている。なお、シール材110は、図3及び図4に示すように、第1基板300の内周縁に沿って枠状に形成されるが、その一部には、液晶118を封入するための開口部112が形成されている。この開口部112は、液晶118の封入後には、封止材によって封止される。また、図3及び図4からわかるように、第2基板200の外形形状は、第1基板300のそれよりも若干大きめに形成されており、両者が貼り合わされた状態では、前者が後者より、いわば「張り出す」ような形となる。
【0082】
第1基板300の、液晶118に対向する側の面(以下、「対向面」という。)には、行方向に延在して形成される走査電極312及びX方向ダミー電極390のほか、所定の方向にラビング処理が施された配向膜308が形成されている。ここで、第1基板300に形成された走査電極312及びX方向ダミー電極390は、図4に示すように、第2基板200に形成された配線342の一端に、シール材110に分散された導電性粒子114を介して接続されている。すなわち、第1基板300に形成された走査電極312は、導電性粒子114及び配線342を介して、第2基板200側に引き出された構成となっている。一方、第1基板300の外側(観察側)には、偏光子131が貼り付けられて、その吸収軸が、配向膜308へのラビング処理の方向に対応して設定されている。
【0083】
また、第2基板200の対向面には、Y方向に延在して形成されるデータ電極212及びY方向ダミー電極290のほか、所定の方向にラビング処理が施された配向膜208が形成されている。一方、第2基板200の外側(観察側の反対側)には偏光子121が貼り付けられて(図3では省略)、その吸収軸が、配向膜208へのラビング処理の方向に対応して設定されている。このほかに、第2基板200の外側には、均一に光を照射するバックライトユニットが設けられるが、本件とは直接には関係しないので、図示を省略している。
【0084】
なお、第1実施形態においては、上述の偏光子121及び131の配置関係の如何等に応じ、いわゆる「ノーマリブラックモード」で駆動されるようになっている。ここでノーマリブラックモードとは、液晶118に電界がかけられていないとき、第1基板300から第2基板200へと光が透過しないように、偏光子121及び131の配置態様の設定等がされた場合に実現されるモードである。より具体的には、液晶118がTN型液晶からなる場合においては、偏光子121により規定される偏光方向と偏光子131により規定されるそれとを平行な関係にする、等とすればよい。この場合、一般には、液晶118にかけられる電圧が大きければ大きいほど、また、その印加時間が長ければ長いほど、画像表示領域は白色表示されることになる。なお、「ノーマリブラックモード」を実現するためには、上述した構成の他、液晶118がSTN形液晶からなる場合や、DSTN(Double STN)形液晶からなる場合等に応じて、偏光子121及び131間で適当な角度差を設定し、あるいは位相差板(Retardation Film)等の構成を別途設けること等が必要な場合がある。例えば、液晶118がSTN形である場合等においては、図4においては図示されていないが、当該液晶118を通過した楕円偏光の主軸を一定方向に回転させること(すなわち、色を消去すること)等を目的として、射出光側に位相差板が設けられることがある。
【0085】
続いて、画像表示領域外について説明すると、図3に示すように、第1基板300から張り出した第2基板200上の二辺には、データ電極212を駆動するためのデータ電極駆動回路250、及び、走査電極312を駆動するための走査電極駆動回路350が、それぞれCOG(Chip On Glass)技術により実装されている。これにより、データ電極駆動回路250は、データ電極212にデータ信号を直接的に供給する一方、走査電極駆動回路350は、配線342及び導電性粒子114を介して、走査電極312に走査信号を間接的に供給する構成となっている。
【0086】
また、データ電極駆動回路250が実装される領域の外側近傍には、FPC(Flexible Printed Circuit)基板が接合されて、制御回路などによる各種信号や電圧信号などが、走査電極駆動回路250及びデータ電極駆動回路350に供給される。
【0087】
ここで第1実施形態においては、第2基板200上に、X方向ダミー電極390及びY方向ダミー電極290を駆動するためのダミー電極駆動回路900が、上述のデータ電極駆動回路250及び走査電極駆動回路350と同様に、COG技術により実装されている。ただし、第1実施形態におけるダミー電極駆動回路900は、図2に示したように、比較的簡易な構成からなるから、場合によっては、第2基板200上に直接に作りこむような形態としてもよい。
【0088】
なお、図1におけるデータ電極駆動回路250及び走査電極駆動回路350は、図3とは異なり、それぞれ電気光学装置の左側及び上側にそれぞれ位置しているが、これは、電気的な構成を説明するための便宜上の措置に過ぎない。また、データ電極駆動回路350及び走査電極駆動回路250並びにダミー電極駆動回路900を、それぞれ第2基板200上にCOG実装する代わりに、例えば、TAB(Tape Carrier Package)技術を用いて、各駆動回路が実装されたTCPを異方性導電膜により電気的に接続する構成としてもよい。
【0089】
<駆動方法>
以下では、上述のように構成された電気光学装置ないし画素部116の駆動方法、並びに、X方向ダミー電極390及びY方向ダミー電極290の駆動方法について説明する。なお、以下ではまず、走査電極312及びデータ電極212の最も基本的な動作を説明した後、X方向ダミー電極390及びY方向ダミー電極290の動作について、より詳しく説明を行うこととする。
【0090】
まず、第1実施形態における走査電極312及びデータ電極212については、前述の走査電極駆動回路350及びデータ電極駆動回路250によって、図5に示すような駆動が実施される。図5において、走査電極312は、1行目(図1参照)から1本ずつ順次に選択されている。すなわち、第一に、1行目の走査電極312に走査信号としての選択電圧+V2を印加した後、第二に、2行目の走査電極312に選択電圧+V2を印加するとともに1行目の走査電極312には非選択電圧Vcを印加する、ということが、m行目の走査電極312まで続く。この選択は、前述のクロック信号HCKの立ち下がりのタイミングに同期するように行われる。
【0091】
また、第1実施形態においては、図5に示すように、1行目から3行目までの走査電極312を選択する場合においては、選択電圧+V2が印加され、4行目以降の走査電極312を選択する場合においては、選択電圧−V2が印加されるというように、一垂直走査期間(1F)内において、選択電圧の極性反転が行われている。すなわち、図示されている以降は、7行目以後の走査電極312には再び選択電圧+V2が印加され、10行目以後の走査電極312においては再び選択電圧−V2が印加される、というように、走査電極312三本ごとに印加される選択電圧の極性が反転されていくようになっている。これは、前述の極性反転信号FRのレベルに応じて行われる(なお、以下では、このような極性反転を「ライン反転」といい、該ライン反転の単位となる走査電極数(上の例では3本)を「ライン反転数」ということがある。)。このような反転駆動を実施すれば、走査電極312に印加された電圧とデータ電極212に印加された電圧との合成波形(すなわち、画素部116における電圧波形)が、高周波成分を含むこととなり、クロストークの低減等を実現することができる。なお、何本の走査電極312ごとに極性を反転させるべきかは、走査電極312の総数mの具体値等によって適宜設定し得ることは言うまでもない。例えば、走査電極312の総本数が160(m=160)である場合においては13本ごとに極性反転を行う、等とすると好ましい。また、一垂直走査期間毎に、極性反転すべき位置を変更していく形態とするとより好ましい。より具体的には例えば、ある垂直走査期間では、3行目から4行目の走査電極312に移行する場合に極性反転のタイミングを迎えるが、別の垂直走査期間では、当該部分では極性反転をせずに、4行目から5行目の走査電極312に移行する場合に極性反転する、等という形態とすると好ましい。
【0092】
さらに、m行目までの走査電極312までの選択が完了し、再び1行目の走査電極312を選択する際には、これに対しては、走査信号としての選択電圧−V2を印加するようになっている(図5では、1行目の走査電極312についてのみ示した。)。つまり、一垂直走査期間毎についても、極性が反転するような駆動が実施される。そして、これもまた、前述の極性反転信号FRのレベルに応じて行われる。このような反転駆動を実施すれば、液晶118に直流成分が連続的にかかるという事態を回避することができ、その劣化を未然に防止することが可能となる。
【0093】
他方、データ電極212に対しては、選択された走査電極312、かつ、各データ電極212に対応する階調データに基づいて生成されたデータ信号が供給されるようになっている。第1実施形態では、各データ電極212に対するデータ信号の転送は、該データ電極212の1本1本に対応するデータ信号を前述のクロック信号SCKのタイミングに従って順次ラッチした後、これらを一斉に全データ電極212に供給することにより行われる。また、第1実施形態では、データ信号としては、図5に示すように、オン電圧として、電圧+V1・−V1がそれぞれ印加される(なお、これらの場合、オフ電圧はそれぞれ−V1・+V1となる。)。ここで、+V1か−V1かの選択は、表示データと極性反転信号FRに応じる。このうち特に、極性反転信号FRに応じた、+V1又は−V1の選択は、すなわちデータ電圧に関する極性反転であって、これは、データ電極駆動回路250に設けられたラッチ回路(不図示)において極性反転信号FRをラッチすることにより行われる。第1実施形態においては特に、前記ラッチ回路が、クロック信号HCKの立ち下がりのタイミングに同期して、極性反転信号FRをラッチするようになっている。
【0094】
以上が、走査電極312及びデータ電極212の最も基本的な動作である。
【0095】
そして、第1実施形態では特に、この動作と並行して、ダミー電極290及び390の駆動が以下のように行われる。以下では、これを図6を参照しながら説明する。ここに図6は、第1実施形態に係るダミー電極290及び390の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【0096】
まず、Y方向ダミー電極290については、その表示状態が常にオン状態となるようなデータ信号が供給されている。すなわち、該Y方向ダミー電極290には、+V1又は‐V1が常に供給され続けることになる。より具体的には、既に参照した図2に示すように、フリップフロップDFF1は、クロック信号HCKに従って、極性反転信号FRの値を出力QとしてアナログスイッチAS1に供給する。アナログスイッチAS1では、例えば、極性反転信号FRがHレベルにあるときは電圧+V1を出力し、Lレベルにあるときは電圧−V1を出力する。したがって、Y方向ダミー電極290には、極性反転信号FRに応じたオン信号(=+V1又は−V1)が供給されることになる(図6参照)。なお、第1実施形態では特に、フリップフロップDFF1は、クロック信号HCKの立ち上がりに応じて、極性反転信号FRの値を出力するようになっている。したがって、Y方向ダミー電極290は、クロック信号HCKの立ち上がりに応じるように、その極性を反転する。
【0097】
一方、X方向ダミー電極390については、一水平走査期間(1H)の中間点において、その極性が反転する信号が供給されている。より具体的には、図6に示すように、まず、カウンタCTが、クロック信号HCKを起点として、クロック信号SCKの立ち上がりを所定数だけカウントする。ここでは、上述したようにデータ電極212一本ずつに順次にデータ信号がラッチされるようになっているから、該データ電極212の総数n本の半分、すなわちn/2だけカウントするようになっている。つまり、このカウントに要する時間は、一水平走査期間(1H)の中間点に達するまでの時間に一致する。そして、このn/2をカウントすると、カウンタCTは、図2に示したように、カウンタ信号CK1をフリップフロップDFF2の入力CKとして供給する。ここで、フリップフロップDFF2は、入力Dとして、自身の出力/Qが供給されるようになっているから、これはT−フリップフロップとして機能し、前記カウンタ信号CK1に従って、反転した出力QをアナログスイッチAS2に供給する。アナログスイッチAS2では、例えば、出力QがLレベルであるときは電圧+V1を出力し、出力QがHレベルであるときは電圧−V1を出力する。このように、X方向ダミー電極390には、一水平走査期間(1H)の中間点において、その極性が反転する信号が供給されることになる。
【0098】
このような駆動が、ダミー電極290及び390について実施されることによって、周辺領域では以下のような表示が行われることになる。すなわちまず、Y方向ダミー電極290の表示状態が、常にオン状態とされていることにより、これと交差する走査電極312のいずれが選択されようとも、そこは必ず白色表示されることになる。つまり、図1中、1列目のデータ電極212の左側に位置する周辺領域及びn列目のデータ電極212の右側に位置する周辺領域では、常に、白色表示が実現されることになる。
【0099】
一方、X方向ダミー電極390では、一水平走査期間(1H)の中間点において、その極性が反転される信号が供給されていることにより、これと交差するデータ電極212にどのような信号が供給されようとも、該X方向ダミー電極390に対応する画素部116Dの表示状態は常にオン状態とされていることになる。
【0100】
以下では、このことを、X方向ダミー電極390に交差する上述のY方向ダミー電極290との関係に着目して、図7を参照しながら説明することとする。ここに図7は、Y方向ダミー電極290に印加される電圧の波形例(図7(a))、X方向ダミー電極390に印加される電圧の波形例(図7(b))、及びこれらダミー電極290及び390の交差領域に対応する液晶118Dに印加される電圧の波形例(図7(c))、をそれぞれ示す図である。
【0101】
この図7において、Y方向ダミー電極290及びX方向ダミー電極390は、既に述べたような駆動が実施されている。すなわち、Y方向ダミー電極290は、極性反転信号FRに応じて、電圧+V1又は−V1が印加されている(図7(a)及び図6参照)。一方、X方向ダミー電極390は、一水平走査期間(1H)の中間点において、その極性が反転する電圧が印加されており、より具体的には、一水平走査期間(1H)の前半部分では電圧−V1が印加され、その後半部分では電圧+V1が印加されている(図7(b)参照)。
【0102】
したがって、これらY方向ダミー電極290及びX方向ダミー電極390の交差領域における液晶118Dには、図7(c)に示されるように、Y方向ダミー電極290に印加される電圧とX方向ダミー電極390に印加される電圧との差に対応する電圧が印加されることになる。例えば、図中最初の水平走査期間(1H)の前半部分では、Y方向ダミー電極290には+V1が印加され、X方向ダミー電極390には−V1が印加される結果、当該液晶には、電圧+2V1が印加されることになる。また、その後半部分では、Y方向ダミー電極290にはそのまま+V1が印加され、X方向ダミー電極390には当該水平走査期間(1H)の中間点で切り替わった電圧+V1が印加される結果、当該液晶118Dには、0ボルトの電圧が印加されることになる(すなわち、両者間の電圧差はなくなることになる。)。以降、続く水平走査期間(1H)においても同様であり、液晶118Dには、結果的に図7(c)に示されているような電圧が印加されることになる。ここで、V1の値を適当に設定すれば、当該液晶118Dにかかる実効電圧値を所定値以上とすること、すなわち該液晶118Dに対して白色表示可能な電圧以上の実効電圧値を印加することが可能となる。
【0103】
例えば、液晶容量118Dの表示状態がオン状態となる実効電圧値が1.96〔V〕であり、オフ状態となるそれが1.79〔V〕であって、一水平走査期間(1H)の長さが、70〔μs〕である場合においては、いま仮に、第1実施形態における中間電圧Vmが0〔V〕であるという仮定を捨て、+V1=3.0〔V〕、−V1=0〔V〕という場合を仮定すると、図7(c)に示すような場合において、液晶に印加される実効電圧値は、約2.12〔V〕となり、十分に駆動電圧を越えさせることが可能となる。
【0104】
そして、重要なのは、X方向ダミー電極390における電圧印加の態様を、上述のように一水平走査期間(1H)の中間点においてその極性を反転させることとすれば、データ電極212に対してどのような電圧波形が印加されようとも、必ず、液晶118Dにかけられる電圧値は、その表示状態がオン状態となるのに必要な実効電圧値を超えることにある。例えば、図8に示すように、走査電極312が順次、選択されている場合において、或るデータ電極212に、図8(a)に示すようなデータ信号が印加されたとしても、それに交差するX方向ダミー電極390には、図8(b)に示す波形の電圧が印加されることになるから、それらの合成波形は、図8(c)に示すようなものとなる。なお、図8(b)は、図7(b)に全く同じであることは言うまでもない。
【0105】
要するに、図1中、1行目の走査電極312の上側に位置する周辺領域及びm行目の走査電極312の下側に位置する周辺領域では、常に、白色表示が実現されることになるのである。
【0106】
以上述べたように、第1実施形態に係る電気光学装置及びその駆動方法によれば、X方向ダミー電極390及びY方向ダミー電極290が設けられるとともに、これらダミー電極390及び290が上述のように駆動されることによって、周辺領域における常時の白色表示が行われることになる。そして、これによって、画像表示領域DARの際(きわ)において、画像又は文字等を表示する場合にあって、該画像又は文字等の縁が、周辺領域にかかったとしても、これらの認識が困難になるという事態を有効に解消することができる。
【0107】
そして更に、第1実施形態では特に、上述のY方向ダミー電極290に対する電圧の印加(図6参照)と、通常のデータ電極212に対する電圧の印加(図5参照)との間には、図9に示すような特有の関係がある。ここに図9は、Y方向ダミー電極290に印加される電圧の波形例及びデータ電極212のある一列に印加される電圧の波形例の関係、並びに、その関係を説明するための信号等の波形例を併せて示すタイミングチャートである。
【0108】
まず、図9(a)に示すように、極性反転信号FRが、一定の周期をもってプラス極性かマイナス極成かの指示を与えている。第1実施形態では、上述したように、走査電極312三本ごとに極性反転が行われるようになっているから、前記一定の周期とは、図9(a)に示す一水平走査期間を規定するクロック信号HCK三つ分に対応する期間がそれに該当する。また、図9(c)には、Y方向ダミー電極290に印加される電圧の波形例が示されており、これも上述したように、極性反転信号FRに応じてその極性を反転し、かつ、反転タイミングは、クロック信号HCKの立ち上がりに対応している。以上は、図6にも示したとおりのところでもある。
【0109】
そして、第1実施形態では特に、図9(d)に示すように、データ電極212に印加される電圧の極性反転のタイミングは、図9(c)のY方向ダミー電極290に印加される電圧の極性反転タイミングよりも、期間INTだけ遅延している。より具体的には、上述したように、データ電極駆動回路250中におけるラッチ回路が、クロック信号HCKの立ち下がりのタイミングに同期して極性反転信号FRをラッチするようになっているため、データ電圧の極性反転タイミングは、当該立ち下がりのタイミングで訪れるのに対し、図9(b)のY方向ダミー電極290における極性反転タイミングは、クロック信号HCKの立ち上がりのタイミングに同期して訪れることから、後者は前者に比べて、クロック信号HCKがHレベルにある期間INTだけ遅延することとなるのである。なお、ある走査電極312に印加される選択電圧は、図9(e)に示すように、Y方向ダミー電極に印加される電圧の極性反転タイミングよりも、期間INTだけ遅延して、印加されるようになっている。
【0110】
このような、図9(c)と図9(d)及び(e)との間の期間INTについて見ると、該期間INTに入った直後、Y方向ダミー電極290に電圧+V1が印加されはじめた状況下では、データ電極212の極性反転は未だ行われず、また、走査電極312には非選択電圧+V2が印加されているという状態になり、以後、当該期間INT中はその状態が維持される。したがって、当該期間INT中、Y方向ダミー電極290による周辺領域における階調表示は、データ電極212による画像表示領域における階調表示よりも、より濃くなることになるのである。ちなみに、図9中の期間INTは、Y方向ダミー電極290に印加される電圧の極性が、マイナス極性からプラス極性に遷移する場合のものであるが、その逆の極性反転においても同様なことがいえる。
【0111】
このように、第1実施形態では、データ電極212に対して印加されるデータ電圧の極性反転タイミングが、Y方向ダミー電極290に対して印加される電圧のそれよりも、所定の期間INT経った時点で訪れることにより、Y方向ダミー電極290に対応する画素部116Dの階調表示、すなわち周辺領域における階調表示は、従前よりも濃くなる。一方で、データ電極212に対応する画素部116の階調表示、すなわち画像表示領域における階調表示は、従前どおりの濃度の階調表示が行われる。
【0112】
したがって、第1実施形態によれば、画像表示領域DARと周辺領域との間の濃度差を有効に解消することが可能となるのである。これを図示すれば、例えば図10のようになる。ここに図10は、電気光学装置による画像の表示例を示す図であって、(a)は第1実施形態に係る電気光学装置による画像の表示例、(b)は図9に示した遅延期間INTを設けない場合の電気光学装置による画像の表示例をそれぞれ示している。
【0113】
まず、図10(a)及び(b)のいずれにおいても、画像表示領域DARの際に表示されている文字列「ABCD」のうちの「A」という文字は、図中上下方向に延びる、Y方向ダミー電極290が設けられている周辺領域PARにその端がかかっているものの、その認識が困難とはなっていない。これは、図10と同趣旨の従来例たる図11に示すように、従来の電気光学装置においては、周辺領域PARが黒色表示されていたため、文字「A」の端が周辺領域PARにかかると、その認識が困難となっていたことと対照的である。すなわち、第1実施形態では、まず、画像表示領域DARの際に画像又は文字等を表示する場合であっても、それが周辺領域PARにかかることによって、該画像又は文字等の認識が困難になるということがないのである。
【0114】
しかしながら、図10(b)においては、画像表示領域DARが、やや濃い目の灰色で表示されているのに対して、周辺領域PARはより白色に近い表示がなされているため、画像表示領域DAR及び周辺領域PAR間の濃度差が画像上の見栄えを悪化させている。これは、背景技術の項で述べたように、画像表示領域DAR中のデータ電極212に対しては、画像表示のため極性の切り替えが比較的多いデータ電圧が供給されるため、波形鈍りの影響をより大きく受けていることによる。
【0115】
しかるに、第1実施形態における電気光学装置では、図9を参照して説明したように、Y方向ダミー電極290に対する電圧の極性反転タイミングに対して、データ電圧の極性反転タイミングを、所定の期間INTだけ遅らせることで、周辺領域PARにおける階調表示をより濃くすることにより、図10(a)に示すように、画像表示領域DAR及び周辺領域PAR間の濃度差を有効に解消することが可能となっているのである。しかも、最初に述べたように、この場合においても、文字「A」の認識が困難となるようなことはない。
【0116】
以上述べたように、第1実施形態によれば、画像表示領域DARの際で画像又は文字等を表示する場合であっても、その認識を容易になしえるとともに、周辺領域PARと画像表示領域DARの濃度差の発生を極力抑えることによって、見栄えのよい画像を表示することができる。
【0117】
また、第1実施形態によれば、上述のような作用効果を、図5を参照して説明したライン反転数の如何に関わらず享受することが可能である。すなわち、たとえライン反転数が変わったとしても、その反転のタイミングに応じて、図9に示したような期間INTが設けられることに変わりはなく、極性反転時における波形鈍りによる印加電圧差は、当該期間INTの経過によって自動的に補正されるので、ライン反転数に応じた、自動的な濃度差解消が行われることになるのである。
【0118】
なお、図9における期間INTの具体的な長さは、画像表示領域DAR及び周辺領域PAR間の濃度差の発生が、データ電圧の極性反転に伴う波形鈍りに大きく依存していることから、これを、該データ電圧の立ち上がり時及び立ち下がり時における波形鈍りの生じる期間に基づいて規定するとよい。例えば、図12に示すように、波形鈍りDが、図12(d)の最左方に示されるように観察されるならば、期間INTの長さは、図12(c)に示すように、該波形鈍りDが生じる期間に一致させるようにとるとよい。なお、図12(c)及び(d)は、図9のうち(c)及び(d)についてのみ、すなわちY方向ダミー電極290に印加する電圧波形とデータ電極212に印加する電圧波形のみについて抜き出して描いた図である。また、図12においては、波形鈍りDが、図中最左方に示される立ち上がり時においてのみ観察されるような図示をしているが、実際には、各波形の立ち上がり時及び立ち下がり時において、同様な波形鈍りが観察されることになる。
【0119】
また、上記の実施形態では、Y方向ダミー電極290における極性反転タイミングが、クロック信号HCKの立ち上がりに応じ、データ電極212における極性反転タイミングが、クロック信号HCKの立ち下がりに応じていたが、本発明においては、これらの対応を逆にしてもよい。この場合、データ電極212の極性反転タイミングから期間INTだけ遅れて、Y方向ダミー電極290の極性反転タイミングが訪れることになるが、このような場合においても、上述と同様な作用効果が得られることは明白である(なお、Y方向ダミー電極290の極性反転タイミングの方が遅れることについては、後記第2実施形態、あるいは図14参照。)。
【0120】
(第2実施形態)
以下では、本発明の第2実施形態について、図13及び図14を参照しながら説明する。ここに、図13は、図2と同趣旨の図であって、第2実施形態に係る電気光学装置に設置されるダミー電極駆動回路のブロック図であり、図14は、図9と同趣旨の図であって、第2実施形態に係る電気光学装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。なお、第2実施形態では、電気光学装置の構成並びに走査電極312及びデータ電極212の基本的な駆動方法等については、上述の第1実施形態と概ね同様であるので、その点に関する説明については適宜省略ないし簡略化することとし、第2実施形態における特徴的な部分について主に説明を加えることとする。
【0121】
第2実施形態ではまず、図13に示すように、ダミー電極駆動回路900´において、フリップフロップDFF1の入力CKとして供給されるクロック信号HCKの供給線に、遅延回路901が設けられている。より具体的には、この遅延回路901は、よく知られている抵抗及びコンデンサからなるRC回路等で構成すればよい。これにより、フリップフロップDFF1に供給されるクロック信号HCKは、時定数RC(ただし、Rは抵抗の抵抗値、Cはコンデンサの容量値)の寄与分だけ遅延することとなる。
【0122】
このようなダミー電極駆動回路900´を備えた電気光学装置においては、図14に示すような駆動が行われることになる。まず、この図14(c)及び(d)において、データ電極212に対して印加される電圧の波形及びその極性反転タイミング、並びに、ある走査電極312に対して印加される選択電圧の波形について示されているが、この点については、図9(c)及び(d)と全く同様である。すなわち、データ電極212に印加される電圧の極性反転タイミングは、クロック信号HCKの立ち下がりのタイミングに同期し(図14(c))、走査電極312に対する選択電圧の印加タイミングもまた、クロック信号HCKの立ち下がりのタイミングに同期している(図14(d))。
【0123】
ここで第2実施形態においては特に、図14(b)に破線で示すように、ダミー電極駆動回路900´のフリップフロップDFF1に到達するクロック信号HCKが、遅延なきクロック信号HCKの立ち下がりに対して、期間INTaだけ遅延されている。これは、図13に示した遅延回路901の作用による。そして、このようなことから、図14(c)と図9(c)とを対比するとわかるように、本来であれば、図14(b)中最左方に実線で示される遅延なきクロック信号HCKの立ち上がりに応じて、Y方向ダミー電極290に印加される電圧の極性反転が行われるはずのところ、図14(c)においては、その右隣に破線で示された遅延あるクロック信号HCKの立ち上がりに応じて極性反転が行われている。その結果、図14においては、Y方向ダミー電極290に対して印加される電圧の極性反転タイミングが、データ電極212に印加される電圧の極性反転タイミングよりも、期間INTa分だけ遅延することとなっている。
【0124】
このような、図14(c)と図14(d)及び(e)との間の期間INTaについて見ると、該期間INTaに入った直後、Y方向ダミー電極290における極性反転タイミングが未だ訪れていない状況下で、データ電極212における極性反転は既に行われており、また、走査電極312には選択電圧−V2が印加されているという状態になり、以後、当該期間INTa中はその状態が維持される。
【0125】
このように、第2実施形態においても、上記第1実施形態と類似の状況が作り出されることがわかる。すなわち、上記第1実施形態とはちょうど逆転した関係になるが、データ電極212に対して印加されるデータ電圧の極性反転タイミングが、Y方向ダミー電極に対して印加される電圧のそれよりも、所定の期間INTaだけ遡った時点に訪れることにより、Y方向ダミー電極290に対応する画素部116Dの階調表示とデータ電極212に対応する画素部116の階調表示との濃度差の解消が行われることになるのである。したがって、第2実施形態によっても、既に参照した図10(a)と略同様な作用効果を得ることが可能となる。
【0126】
なお、上記第2実施形態では、遅延回路901は、RC回路として説明したが、同等な遅延時間を実現する場合に、反転回路によってクロック信号HCKを反転した後に、RC回路に入力する構成とすることによって、クロック信号HCKのHigh期間だけ遅延時間を短く設定することが可能である。このことにより、RC回路の抵抗Rや、コンデンサCの値を小さく設定することが可能となり、より小さな遅延回路901を実現することができる。
【0127】
また、上記第2実施形態では、遅延回路901が、フリップフロップDFF1の入力CKとして供給されるクロック信号HCKの供給線に設けられていたが、これに代えて又は場合により加えて、図15に示すように、フリップフロップDFF1の出力QとアナログスイッチAS1との間に、遅延回路901´を設けてもよい。このような形態でも、上述と略同様な作用効果が奏されることは変わりない。
【0128】
なお、上記各実施形態においては、周辺領域において、基本的には、白色表示を行う形態について説明したが、本発明は、このような形態に限定されるものではない。例えば、ダミー電極290及び390それぞれに適当な波形の電圧を印加することで、当該液晶118Dに適当な合成波形が印加されるようにし、周辺領域において、そもそもの当初から、中間調表示を行うような形態としてもよい。
【0129】
より具体的には、X方向ダミー電極390に対し、図16に示すように、一水平走査期間(1H)の中間点でその極性が反転する信号であって、該水平走査期間の開始時から所定の期間INT1及び該期間の終了時から遡る所定の期間INT2の少なくとも一方において中間電圧値が印加される信号などとすることが可能である。このような場合では、図7(b)あるいは図8(b)に示すような波形例に比べて、液晶118Dにかかる実効電圧値を小さくすることが可能となる。また、これらの所定の期間INT1及びINT2の長さを調整することによって、液晶118Dに対して印加される電圧値を調整することも可能である。したがって、このような形態によれば、例えば、図7(b)あるいは図8(b)に示したような波形によると液晶118Dに対して過剰な電圧がかかるという場合において有効であることがわかる。なお、図16においては、所定の期間INT1及びINT2を一水平走査期間の開始時及び終了時のいずれについても設けているが、本発明は、このような形態に限定されるものではない。例えば、期間INT1のみ、又は期間INT2のみを設けるような形態としてよいことは勿論である。
【0130】
また、この図16に示すような形態では、液晶118Dにかかる電圧値が小さくなることにより、周辺領域PARで、中間調表示を行うことが可能となる。したがって、本形態によれば、周辺領域PARを単に白色表示にするというのではなくて、当該電気光学装置の使用環境等に応じ、よりきめ細かな対応を行うことが可能である。なお、このような場合であっても、画像表示領域DAR内に表示される画像又は文字等の階調によっては、該画像又は文字等と周辺領域PARとの区別を容易になし得る場合を想定することは容易にできるから、本発明の課題解決が妨げられるということはない。
【0131】
要するに、本発明においては、最低限、周辺領域PARにおいて、画像表示領域DAR内に表示される画像の階調とは異なる階調の表示がなされるようにすればよい。そのようであれば、本発明に係る課題を、ある程度解決することができるのである。
【0132】
ちなみに、上記ではノーマリブラックモードを前提とした説明を行ったが、ノーマリホワイトモードであっても本発明の適用が可能なことは言うまでもない。この場合、ダミー電極290及び390によって、周辺領域PARが白色表示されるのではなく、黒色表示されることになるに過ぎず、本質的な差異は何もない。
【0133】
(電子機器)
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置を電子機器に用いた例について説明する。
【0134】
<モバイル型コンピュータ>
まず、上述し電気光学装置を、パーソナルコンピュータの表示部に適用した例について説明する。図17は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。この図において、コンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部として用いられる表示装置100とを備えている。なお、表示装置100として透過型液晶表示装置を用いる場合には、暗所での視認性を確保するため、背面にバックライト(図示略)が設けられる。
【0135】
<携帯電話>
次に、上述した電気光学装置を、携帯電話の表示部に適用した例について説明する。図18は、この携帯電話の構成を示す斜視図である。この図において、携帯電話1200は、複数の操作ボタン1202のほか、受話口1204、送話口1206とともに、上述した電気光学装置を表示装置100として備えるものである。なお、表示装置100として、液晶装置を用いる場合には、暗所での視認性を確保するため、透過型や半透過半反射型であればバックライトが、反射型であればフロントライト(いずれも図示省略)がそれぞれ設けられる。
【0136】
<デジタルスチルカメラ>
次に、上述した電気光学装置を、ファインダに用いたデジタルスチルカメラについて説明する。図19は、このデジタルスチルカメラの背面を示す斜視図である。通常の銀塩カメラは、被写体の光像によってフィルムを感光させるのに対し、デジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCDなどの撮像素子により光電変換して撮像信号を生成するものである。ここでデジタルスチルカメラにおけるケース1302の背面には、上述した電気光学装置が表示装置100として設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて、表示を行うようになっている。このため、表示装置100は、被写体を表示するファインダとして機能することになる。また、ケース1302の前面側(図においては裏面側)には、光学レンズやCCDなどを含んで受光ユニット1304が設けられている。
【0137】
ここで撮影者が、表示装置100に表示された被写像を確認して、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、回路基板1308のメモリに転送・格納される。
【0138】
また、デジタルスチルカメラ1300にあっては、ケース1302の側面に外部表示を行うために、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入力端子1314とが設けられている。
【0139】
なお、電子機器としては、これらの他、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーションシステム、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。
【0140】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及びその駆動方法並びに電子機器もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】ダミー電極駆動回路の電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】同電気光学装置の構成を示す斜視図である。
【図4】同電気光学装置をX方向で破断した場合の構成を示す部分断面図である。
【図5】本実施形態に係る電気光学装置の走査電極及びデータ電極の駆動方法を示す説明図である。
【図6】本実施形態に係るダミー電極の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図7】X方向ダミー電極に印加される電圧波形によって白色表示がなされることを示す説明図であって、(a)はY方向ダミー電極に印加される電圧の波形例、(b)はX方向ダミー電極に印加される電圧の波形例、(c)はこれらの電極の交差領域に対応する液晶に印加される電圧の波形例、をそれぞれ示している。
【図8】X方向ダミー電極に印加される電圧波形によって白色表示がなされることを示す説明図であって、(a)は一般のデータ電極に印加される電圧の波形例、(b)はX方向ダミー電極に印加される電圧の波形例、(c)はこれらの電極の交差領域に対応する液晶容量に印加される電圧の波形例、をそれぞれ示している。
【図9】Y方向ダミー電極290に印加される電圧の波形例及びデータ電極212のある一列に印加される電圧の波形例の関係、並びに、その関係を説明するための信号等の波形例を併せて示すタイミングチャートである。
【図10】電気光学装置の画像の表示例を示す図であって、(a)は本実施形態に係る電気光学装置の画像の表示例、(b)は図9に示す期間INTを設けない場合の画像の表示例、をそれぞれ示している。
【図11】従来の電気光学装置の画像の表示例を示す図である。
【図12】図9における(c)及び(d)と同趣旨の図であって、遅延させる期間INTの決定を、データ電圧にみられる波形鈍りに基づいて行う方法の一例を示す説明図である。
【図13】図2と同趣旨の図であって、第2実施形態に係る電気光学装置に設置されるダミー電極駆動回路のブロック図である。
【図14】図9と同趣旨の図であって、第2実施形態に係る電気光学装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【図15】図13とは別形態となる、ダミー電極駆動回路のブロック図である。
【図16】図7及び図8と同趣旨の図であって、X方向ダミー電極に印加される電圧波形の変形例を示す図である。
【図17】実施形態に係る電気光学装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図18】同電気光学装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
【図19】同電気光学装置を適用した電子機器の一例たるディジタルスチルカメラの背面構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
116……画素部
118……液晶
200……第2基板
212……データ電極
250……データ電極駆動回路
290……Y方向ダミー電極(第1表示領域外導電部)
300……第1基板
312……走査電極
350……走査電極駆動回路
390……X方向ダミー電極(第2表示領域外導電部)
900、900´……ダミー電極駆動回路
1100……パーソナルコンピュータ
1200……携帯電話
1300……ディジタルスチルカメラ

Claims (13)

  1. 一方の方向に延在するデータ用導電部と、該一方の方向に交差する方向に延在する走査用導電部と、該データ用導電部及び該走査用導電部の交差領域に対応して設けられる画素部とからなる画像表示領域を備えた電気光学装置であって、
    前記データ用導電部及び前記走査用導電部それぞれに対して印加されるデータ電圧及び選択電圧の極性を規定する極性反転信号を生成する制御回路と、
    前記画像表示領域外の周辺領域に、前記データ用導電部に沿って設けられる第1表示領域外導電部と、
    前記周辺領域に、前記走査用導電部に沿って設けられる第2表示領域外導電部とを備えてなり、
    前記第1表示領域外導電部には、該第1表示領域外導電部の表示状態を常にオン状態とするような電圧であって、かつ、前記極性反転信号に応じてその極性が反転する第1電圧が印加され、
    前記第2表示領域外導電部には、所定波形の第2電圧が印加され、
    前記第1電圧の極性反転タイミングと前記データ電圧の極性反転タイミングとが、所定の期間隔てられていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記所定の期間は、前記データ電圧の立ち上がり時及び立ち下がり時の少なくとも一方における波形鈍りが生じる期間に基づいて規定されることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記第1電圧又は前記データ電圧の極性反転のタイミングを遅延させる遅延回路を更に備え、
    前記所定の期間は、前記遅延回路により規定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
  4. 前記所定の期間は、パルス信号の立ち上がり時点と立ち下がり時点との間の期間として規定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 前記所定波形の第2電圧は、
    一水平走査期間の中間点でその極性が反転する電圧を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記所定波形の第2電圧は、
    一水平走査期間の中間点でその極性が反転する電圧であって、
    前記一水平走査期間の開始時から第2の所定の期間及び前記一水平走査期間の終了時から遡る第2の所定の期間の少なくとも一方において、前記極性が反転する電圧の中間の電圧となる電圧を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  7. 前記所定波形の第2電圧は、
    二水平走査期間以上の期間にわたって印加が続行される電圧を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 前記データ用導電部は、第1基板上にストライプ状に形成されたデータ電極を含み、
    前記走査用導電部は、第2基板上にストライプ状に形成された走査電極を含み、
    前記画素部は、前記データ電極及び前記走査電極間に挟持された液晶を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  9. 当該電気光学装置は、ノーマリブラックモードで駆動され、
    前記周辺領域は、白色表示されることを特徴とする請求項8に記載の電気光学装置。
  10. 一方の方向に延在するデータ用導電部と、該一方の方向に交差する方向に延在する走査用電部と、該データ用導電部及び該走査用導電部の交差領域に対応して設けられる画素部とからなる画像表示領域を備えた電気光学装置の駆動方法であって、
    前記データ用導電部及び前記走査用導電部それぞれに対して印加されるデータ電圧及び選択電圧の極性を規定する極性反転信号を生成するステップと、
    前記画像表示領域外の周辺領域に前記データ用導電部に沿って設けられた第1表示領域外導電部の表示状態を常にオン状態とするような電圧であって、かつ、前記極性反転信号に応じてその極性が反転する第1電圧の極性を反転するステップと、
    該第1電圧の極性を反転するステップの完了から所定の期間経過した時点又は所定の期間遡った時点において、前記データ電圧の極性を反転するステップと
    を含むことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  11. 前記所定の期間は、前記データ電圧の立ち上がり時及び立ち下がり時における波形鈍りが生じる期間に基づいて規定されることを特徴とする請求項10に記載の電気光学装置の駆動方法。
  12. 前記第1電圧の極性を反転するステップは、パルス信号の立ち上がり時及び立ち下がり時のうちの一方の際に実行され、
    前記データ電圧の極性を反転するステップは、前記パルス信号の立ち上がり時及び立ち下がり時のうちの他方の際に実行されることを特徴とする請求項10又は11に記載の電気光学装置の駆動方法。
  13. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
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