JP5129932B2 - 情報表示用パネルの駆動方法および情報表示用パネル - Google Patents

情報表示用パネルの駆動方法および情報表示用パネル Download PDF

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本発明は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、基板内に発生させた電界により表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルの駆動方法およびその駆動方法を用いた情報表示用パネルに関するものである。
少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、基板内に発生させた電界により表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルは種々の構成のものが知られている。このような情報表示用パネルの一例として、ドットマトリックスパネルやセグメントパネルが知られている。ドットマトリクスパネルにおけるパッシブ駆動やセグメントパネルにおけるダイナミック駆動などでは、3電位もしくは4電位を用いて所望の画像を形成することが一般的である。しかし、3ないし4電位出力できる半導体は高価であるため、2電位のみ出力できる安価な半導体で3ないし4電位駆動できる方法が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開WO2005/104077A1号パンフレット
しかしながら、特許文献1に記載の技術でも、特殊で高価なトリプルウエル構造の半導体や、フローティング回路などの付加回路によるコストアップが避けられない問題があった。
本発明の目的は上述した問題点を解消して、特殊で高価なトリプルウエル構造の半導体や、フローティング回路などの付加回路によるコストアップなしに、3電位駆動同等の表示品質を2電位のみの駆動で実現することができる情報表示用パネルの駆動方法および情報表示用パネルを提供しようとするものである。
本発明の情報表示用パネルの駆動方法は、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、一方の基板に設けたロウ電極と他方の基板に設けたカラム電極とが対向する対電極に電圧を印加することにより、基板内に発生させた電界により表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルの駆動方法であって、継続印加の場合前記表示媒体の移動が開始するしきい値以上の電圧VHとし、前記表示媒体の移動が完了しない範囲の連続印加時間内でしきい値以下の電圧VLとし、前記VHを選択電圧として用いるロウ電極側において、前記VHを選択電圧として用いない電極を非選択電極とし、前記VLを選択電圧として用いるカラム電極側において、前記VLを選択電圧として用いない電極を非選択電極とし、前記非選択電極に対し、前記電圧VHが前記電圧VLに遷移し、さらに前記電圧VHに遷移する電圧波形を印加することを特徴とするものである。
また、本発明の情報表示用パネルの駆動方法の好適例としては、前記ロウ電極、前記カラム電極うち、前記VHを選択電圧として用いる側の非選択電極の印加電圧のVH:VL連続印加時間比を約1:1とし、VLを選択電圧として用いる側の非選択電極の印加電圧のVH:VL連続印加時間比を約1:1とすること、印加電圧の種類が前記VHとVLの2種類のみであること、前記ロウ電極、前記カラム電極うち、前記VHを選択電圧として用いる側の非選択電極の印加電圧のVH:VL連続印加時間比を約1:2とし、VLを選択電圧として用いる側の非選択電極の印加電圧のVH:VL連続印加時間比を約2:1とすること、複数の出力を一斉に前記VHもしくはVLにすることができる制御入力を有するドライバICを使用したこと、各画素におけるロウ電極およびカラム画素の間の静電容量と、ロウ電極に接続され、外部電極との接続に用いられる、ロウ電極よりも幅の狭い引き回し電極の電気抵抗R1、および、カラム電極に接続され、外部電極との接続に用いられる、カラム電極よりも幅の狭い引き回し電極の電気抵抗R2と、による時定数τ(τ=C(R1+R2))より短いVH印加時間および/またはVL印加時間を有する印加電圧波形を用いたこと、継続印加の場合前記表示媒体の移動が開始するしきい値以上の電圧VHを、前記表示媒体の移動が完了しない範囲の連続印加時間内でしきい値以下の電圧VLに遷移させるような電圧波形を印加する電極に関する電圧印加を、前記以外の電圧波形を印加する電極に対する電圧印加開始より先行して行うこと、がある。
本発明の情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、基板内に発生させた電界により表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルであって、電圧を印加することによって電界を発生させる対電極を基板に設け、上述した情報表示用パネルの駆動方法に従って駆動することを特徴とするものである。
本発明によれば、表示状態を積極的に変化させない画素に対応する非選択電極に対し、継続印加の場合前記表示媒体の移動が開始するしきい値以上の電圧VHを、前記表示媒体の移動が完了しない範囲の連続印加時間内でしきい値以下の電圧VLに遷移させるような電圧波形を印加することで、特殊で高価なトリプルウエル構造の半導体や、フローティング回路などの付加回路によるコストアップなしに、3電位駆動同等の表示品質を2電位のみの駆動で実現することができる情報表示用パネルの駆動方法および情報表示用パネルを得ることができる。
まず、本発明の情報表示用パネルの基本的な構成について説明する。本発明の対象となる情報表示用パネルでは、対向する2枚の基板間に封入した表示媒体に電界が付与される。付与された電界方向にそって、帯電した表示媒体が電界による力やクーロン力などによって引き寄せられ、表示媒体が電位の切替による電界方向の変化によって移動方向を変えることにより、画像等の情報表示がなされる。従って、表示媒体が、均一に移動し、かつ、繰り返し表示を書き換える時あるいは表示情報を継続して表示する時の安定性を維持できるように、情報表示用パネルを設計する必要がある。ここで、表示媒体を構成する粒子にかかる力は、粒子同士のクーロン力により引き付けあう力の他に、電極や基板との電気鏡像力、分子間力、液架橋力、重力などが考えられる。
本発明の対象となる情報表示用パネルの例を、図1に基づき説明する。
図1(a)、(b)に示す例では、少なくとも1種以上の粒子から構成される光学的反射率と帯電性を有する少なくとも2種以上の表示媒体3(ここでは白色表示媒体用粒子3Waの粒子群からなる白色表示媒体3Wと黒色表示媒体用粒子3Baの粒子群からなる黒色表示媒体3Bを示す)を、基板1の内側に設けた電極5と基板2の内側に設けた電極6との間に電圧を印加することにより発生する電界に応じて、基板1、2と垂直方向に移動させ、基板1、2と垂直に移動させ、黒色表示媒体3Bを観察者に視認させて黒色の表示を行うか、あるいは、白色表示媒体3Wを観察者に視認させて白色の表示を行っている。なお、図1(b)に示す例では、基板1、2との間に例えば格子状に隔壁4を設けセルを形成している。また、図1(b)において、手前にある隔壁は省略している。
なお、上述した例では、基板1の内側に電極5を、基板2の内側に電極6を、それぞれ設けたが、電極5、6の配置については、(1)基板1の外側に電極5を設け、基板2の外側に電極6を設ける配置、(2)基板1の外側に電極5を設け、基板2の内側に電極6を設ける配置、(3)基板1の内側に電極5を設け、基板2の外側に電極6を設ける配置、(4)基板1の内部に埋め込むように電極5を設け、および/または、基板2の内部に埋め込むように電極6を設ける配置、のいずれでも良い。
以上の説明は、粒子群からなる白色表示媒体3Wを粉流体からなる白色媒体に、粒子群からなる黒色表示媒体3Bを粉流体からなる黒色表示媒体に、それぞれ置き換えた場合も同様に適用することが出来る。粉流体については後述する。
上述した構成の情報表示用パネルにおいて、本発明の特徴は、表示状態を積極的に変化させない画素に対応する非選択電極に対し、継続印加の場合前記表示媒体の移動が開始するしきい値以上の電圧VHを、前記表示媒体の移動が完了しない範囲の連続印加時間内でしきい値以下の電圧VLに遷移させるような電圧波形を印加することで、情報表示用パネルの駆動を行う点にある。以下、具体的な例について、従来の例との比較で、上記本発明の特徴を説明する。
<3電位駆動と同等な駆動方法について>
図2は従来の情報表示用パネルにおける3電位駆動の一例を説明するための図であり、図3は本発明の情報表示用パネルにおける3電位駆動と同等な駆動方法の一例を説明するための図である。
図2に示す従来例では、そのグラフに示すように、基準電圧VLと、VLに対し表示媒体が必要量移動する電圧VHと、VHとVLのほぼ中間でありかつ表示媒体の移動が完了しない電圧VM(≒(VH−VL)/2+VL)と、の3電位を用いる。本例では、説明を簡単にするために、ロウ方向のライン電極1、2およびカラム方向のライン電極3、4のマトリックス電極から構成される、4画素A、B、C、Dの情報表示用パネルを駆動する例を説明する。図2に示すように、従来の3電位駆動では、電圧印加(書込み)期間において、電極1に電位VHを、電極2に電位VMを、電極3に電位VLを、電極4に電位VMを、それぞれ有する電圧であって、それぞれ図示のように全画面印加期間において同一の電位の電圧を印加する。これにより、画素Aは(電極1−電極3)のVHの電位となり表示媒体の反転が生じ書込みが終了する一方、画素Bは(電極1−電極4)のVMの電位、画素Cは(電極2−電極3)のVMの電位、画素Dは(電極2−電極4)のVLの電位、となり表示媒体の反転が生じない。その結果、一例として、図2に示すように、画素Aのみ黒色で、画素B、C、Dは白色の駆動をすることができる。
これに対し、図3に示す本発明例では、基準電圧VLと、VLに対し表示媒体が必要量移動する電圧VHと、の2電位のみ使用し、電圧VHとVLとの間の印加期間のデューティー比を変えることで、図2に示す従来例の3電位駆動と同様な駆動を行っている。具体的には、スキャン側のロウ電極1、2およびデータ側のカラム電極3、4のうち、VHを選択電圧として用いる側(ここではロウ側の電極)の非選択電極(ここでは電極2)における印加電圧のVH:VL連続印加時間比(デューティー比)を約1:1とし、VLを選択電圧として用いる側(ここではカラム側の電極)の非選択電極(ここでは電極4)における印加電圧のVH:VL連続印加時間比(デューティー比)を約1:1とする。これにより、画素AはVHの電位となり、表示媒体の反転が生じ書込みが終了する一方、画素Bおよび画素CはVH:VLのデューティー比が約1:1となり、画素DはVLの電位となり、表示媒体の反転が生じない。その結果、図2の従来例で示す例と同等の、画素Aのみ黒色で、画素B、C、Dは白色の駆動をすることができる。
図3に示す例において、グラフに示すデューティー比による表示媒体の反転状態は、VHの高低(すなわち、しきい値に遠いか近いか)等の条件によって変化するため、VH等の条件に応じて最適のデューティー比が存在しそのデューティー比を選択すべきであり、上述した例にあるようにデューティー比1:1に限定されるものではない。また、ロウ電極2およびカラム電極4には、表示媒体が反転を開始する電圧VHが瞬間的に何度も印加される。そのため、VHを印加する1パルスの時間を、表示媒体の移動が完了しない範囲の連続印加時間内とする必要がある。この時間間隔も、上記種々の条件により変化するため、それらの条件に応じて最適に選択する必要がある。一例として、この時間間隔は200μsである。
また、図3に示す例において、ロウ方向の電極1と電極2とを比べると、斜線で示した部分が両者ともVHの電位となり、カラム方向の電極3と電極4とを比べると、斜線で示した部分が両者ともVLの電位となっていることがわかる。そのため、複数の出力を一斉にVHとすることのできる制御入力を有するドライバICをロウ側の電極1、2に対し使用することで、電極1および電極2の両者ともVHの電位となる部分の全体に対し一度に駆動電圧VHを印加することができ、同様にして、複数の出力を一斉にVLとすることのできる制御入力を有するドライバICをカラム側の電極に対し使用することで、電極3および電極4の両者ともVLの電位となる部分の全体に対し一度に駆動電圧VLを印加することができる。これは、通常、ロウ側およびカラム側にそれぞれ数百本のライン電極が必要な実際の情報表示用パネルにおいて、数百本のライン電極1本1本に準じ駆動電圧を印加する場合と比較して、駆動時間を大幅に短縮することができる。
<4電位駆動と同等な駆動方法について>
図4は従来の情報表示用パネルにおける4電位駆動の一例を説明するための図であり、図5は本発明の情報表示用パネルにおける4電位駆動と同等な駆動方法の一例を説明するための図である。
図4に示す従来例では、そのグラフに示すように、基準電圧VLと、VLに対し表示媒体が必要量移動する電圧VHと、VHのほぼ1/3であるVM(≒(VH−VL)/3+VL)と、VHのほぼ2/3である2VM(≒2(VH−VL)/3+VL)と、の4電位を用いる。本例では、説明を簡単にするために、ロウ方向のライン電極1、2およびカラム方向のライン電極3、4のマトリックス電極から構成される、4画素A、B、C、Dの情報表示用パネルを駆動する例を説明する。図4に示すように、従来の4電位駆動では、電圧印加(書込み)期間において、電極1に電位VHを、電極2に電位VMを、電極3に電位VLを、電極4に電位2VMを、それぞれ有する電圧であって、それぞれ図示のように全画面印加期間において同一の電位の電圧を印加する。これにより、画素Aは(電極1−電極3)のVHの電位となり表示媒体の反転が生じ書込みが終了する一方、画素Bは(電極1−電極4)のVMの電位、画素Cは(電極2−電極3)のVMの電位、画素Dは(電極2−電極4)の−VMの電位、となり表示媒体の反転が生じない。その結果、一例として、図4に示すように、画素Aのみ黒色で、画素B、C、Dは白色の駆動をすることができる。
これに対し、図5に示す本発明では、基準電圧VLと、VLに対し表示媒体が必要量移動する電圧VHと、の2電位のみ使用し、電圧VHとVLとの間の印加期間のデューティー比を変えることで、図4に示す従来例の4電位駆動と同様な駆動を行っている。具体的には、スキャン側のロウ電極1、2およびデータ側のカラム電極3、4のうち、VHを選択電圧として用いる側(ここではロウ側の電極)の非選択電極(ここでは電極2)における印加電圧のVH:VL連続印加時間比(デューティー比)を約1:2とし、VLを選択電圧として用いる側(ここではカラム側の電極)の非選択電極(ここでは電極4)における印加電圧のVH:VL連続印加時間比(デューティー比)を約2:1とする。これにより、画素AはVHの電位となり、表示媒体の反転が生じ書込みが終了する一方、画素Bおよび画素CはVH:VLのデューティー比が約1:2となり、画素DはVLの電位となり、表示媒体の反転が生じない。その結果、図4の従来例で示す例と同等の、画素Aのみ黒色で、画素B、C、Dは白色の駆動をすることができる。
図5に示す例においても、グラフに示すデューティー比による表示媒体の反転状態は、VHの高低(すなわち、しきい値に遠いか近いか)等の条件によって変化するため、VH等の条件に応じて最適のデューティー比が存在しそのデューティー比を選択すべきであり、上述した例にあるようにデューティー比がそれぞれ1:2、2:1に限定されるものではない。また、ロウ電極2およびカラム電極4には、表示媒体が反転を開始する電圧VHが瞬間的に何度も印加される。そのため、VHを印加する1パルスの時間を、表示媒体の移動が完了しない範囲の連続印加時間内とする必要がある。この時間間隔も、上記種々の条件により変化するため、それらの条件に応じて最適に選択する必要がある。一例として、この時間間隔は200μsである。
また、図5に示す例において、ロウ方向の電極1と電極2とを比べると、斜線で示した部分が両者ともVHの電位となり、カラム方向の電極3と電極4とを比べると、斜線で示した部分が両者ともVLの電位となっていることがわかる。そのため、複数の出力を一斉にVHとすることのできる制御入力を有するドライバICをロウ側の電極1、2に対し使用することで、電極1および電極2の両者ともVHの電位となる部分の全体に対し一度に駆動電圧VHを印加することができ、同様にして、複数の出力を一斉にVLとすることのできる制御入力を有するドライバICをカラム側の電極に対し使用することで、電極3および電極4の両者ともVLの電位となる部分の全体に対し一度に駆動電圧VLを印加することができる。これは、通常、ロウ側およびカラム側にそれぞれ数百本のライン電極が必要な実際の情報表示用パネルにおいて、数百本のライン電極1本1本に準じ駆動電圧を印加する場合と比較して、駆動時間を大幅に短縮することができる。
<印加電圧の実効値に基づく駆動について>
図6は本発明の情報表示用パネルの駆動方法のさらに他の例を説明するための図である。図6に示す例において、本発明の情報表示用パネルを構成する、上側の画素電極11と下側の画素電極12、および、上側の画素電極11に接続され、外部電源との接続に用いられる、画素電極11よりも幅の狭い引き回し電極13と、下側の画素電極12に接続され、外部電源との接続に用いられる、画素電極12よりも幅の狭い引き回し電極14と、を考える。図6に示す例の等価回路を考えると、引き回し電極13の部分は抵抗R1、引き回し電極14の部分は抵抗R2、各画素における画素電極11と画素電極12との間はキャパシタC、と置き換えられる。そのため、実際の情報表示用パネルの駆動方法を考える場合に、本例では、τ=C(R1+R2)が生じることがわかる。
図7は上述した時定数τを考慮した駆動方法を説明するための図である。図7に示す例では、一例として、図3に示す例における電極1、電極4および画素Bの状態を示すが、他の電極および他の画素の状態も同様に考えることができる。図7に示す例において、図3の電極4の状態と同様にVHのパルスを等間隔でオンオフした場合、パルスの幅Tを上述した時定数τに対しτ>Tと設定することで、実際に電極4に印加される電圧は、パルス印加開始時から徐々に上昇してほぼVM(=VH/2)の電位で一定値となる。この電圧VMが画素Bに印加されるが、VMでは表示媒体が移動を開始しないため、本発明の駆動を行うことができる。なお、画素Bにはパルス印加の立ち上がり時において、電圧VHが瞬間的に印加されることとなるが、上述した例と同様に、この電圧VHの印加時間が表示媒体を完全に移動するのに必要な時間(例えば200μs)より短く設定することで、表示媒体が反転する問題は生じない。
図8は図7に示す駆動方法を改良した例を説明するための図である。図8に示す例では、図7で説明したパルス印加時の立ち上がりに発生するVHの問題をさらに良好に解消する。具体的には、継続印加の場合前記表示媒体の移動が開始するしきい値以上の電圧VHを、表示媒体の移動が完了しない範囲の連続印加時間内でしきい値以下の電圧VLに遷移させるような電圧波形を印加する電極に関する電圧印加を、前記以外の電圧波形を印加する電極に対する電圧印加開始より先行して行う。本例では、電極1に対しVH印加の際は、電極4は一定の安定した電圧VMとなるため、上述したパルス印加立ち上がり時のVH発生の問題を好適に解消することができる。
以下、本発明の対象となる情報表示用パネルを構成する各部材について説明する。
基板については、少なくとも一方の基板はパネル外側から表示媒体3の色が確認できる透明な基板2であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が好適である。基板1は透明でも不透明でもかまわない。基板材料を例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、アクリルなどのポリマーシートや、金属シートのように可とう性のあるもの、および、ガラス、石英などの可とう性のない無機シートが挙げられる。基板の厚みは、2〜5000μmが好ましく、さらに5〜2000μmが好適であり、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにくくなり、5000μmより厚いと、薄型情報表示用パネルとする場合に不都合がある。
基板に設ける電極の電極形成材料としては、アルミニウム、銀、ニッケル、銅、金等の金属類や酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、導電性酸化錫、アンチモン錫酸化物(ATO)、導電性酸化亜鉛等の導電金属酸化物類、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が例示され、適宜選択して用いられる。電極の形成方法としては、上記例示の材料をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD(化学蒸着)法、塗布法等で薄膜状にパターニング形成する方法や、導電剤を溶媒や合成樹脂バインダーに混合して塗布してパターニング形成する方法が用いられる。視認側(表示面側)基板に設ける電極は透明である必要があるが、背面側基板に設ける電極は透明である必要がない。いずれの場合もパターン形成可能である導電性である上記材料を好適に用いることができる。なお、電極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障がなければ良く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好適である。背面側基板に設ける電極の材質や厚みなどは上述した表示面側基板に設ける電極と同様であるが、透明である必要はない。なお、この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交流を重畳しても良い。
必要に応じて基板に設ける隔壁4については、その形状は表示にかかわる表示媒体の種類や、配置する電極の形状、配置により適宜最適設定され、一概には限定されないが、隔壁の幅は2〜100μm、好ましくは3〜50μmに、隔壁の高さは10〜100μm、好ましくは10〜50μmに調整される。
また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、図9に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示の鮮明さが増す。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
次に、本発明の情報表示用パネルで表示媒体として例えば用いる粉流体について説明する。なお、本発明の情報表示用パネルで用いる粉流体の名称については、本出願人が「電子粉流体(登録商標):登録番号4636931」の権利を得ている。
本発明における「粉流体」は、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。例えば、液晶は液体と固体の中間的な相と定義され、液体の特徴である流動性と固体の特徴である異方性(光学的性質)を有するものである(平凡社:大百科事典)。一方、粒子の定義は、無視できるほどの大きさであっても有限の質量をもった物体であり、重力の影響を受けるとされている(丸善:物理学事典)。ここで、粒子でも、気固流動層体、液固流動体という特殊状態があり、粒子に底板から気体を流すと、粒子には気体の速度に対応して上向きの力が作用し、この力が重力とつりあう際に、流体のように容易に流動できる状態になるものを気固流動層体と呼び、同じく、流体により流動化させた状態を液固流動体と呼ぶとされている(平凡社:大百科事典)。このように気固流動層体や液固流動体は、気体や液体の流れを利用した状態である。本発明では、このような気体の力も、液体の力も借りずに、自ら流動性を示す状態の物質を、特異的に作り出せることが判明し、これを粉流体と定義した。
すなわち、本発明における粉流体は、液晶(液体と固体の中間相)の定義と同様に、粒子と液体の両特性を兼ね備えた中間的な状態で、先に述べた粒子の特徴である重力の影響を極めて受け難く、高流動性を示す特異な状態を示す物質である。このような物質はエアロゾル状態、すなわち気体中に固体状もしくは液体状の物質が分散質として安定に浮遊する分散系で得ることができ、本発明の情報表示用パネルで固体状物質を分散質とするものである。
本発明の情報表示用パネルは、少なくとも一方が透明な、対向する基板間に、例えば気体中に固体粒子が分散質として安定に浮遊するエアロゾル状態で高流動性を示す粉流体を封入するものであり、このような粉流体は、電極間に与える電圧が低くてもクーロン力などにより容易に安定して移動させることができる。
本発明に表示媒体として例えば用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で表示媒体として用いられる。
次に、本発明の情報表示用パネルにおいて表示媒体を構成する表示媒体用粒子(以下、粒子ともいう)について説明する。表示媒体用粒子は、そのまま該表示媒体用粒子だけで構成して表示媒体としたり、その他の粒子と合わせて構成して表示媒体としたり、粉流体となるように調整、構成して表示媒体としたりして用いられる。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
樹脂の例としては、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、アクリルフッ素樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられ、2種以上混合することもできる。特に、基板との付着力を制御する観点から、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルフッ素樹脂、アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフッ素樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂が好適である。
荷電制御剤としては、特に制限はないが、負荷電制御剤としては例えば、サリチル酸金属錯体、含金属アゾ染料、含金属(金属イオンや金属原子を含む)の油溶性染料、4級アンモニウム塩系化合物、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物(ベンジル酸ホウ素錯体)、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。その他、超微粒子シリカ、超微粒子酸化チタン、超微粒子アルミナ等の金属酸化物、ピリジン等の含窒素環状化合物及びその誘導体や塩、各種有機顔料、フッ素、塩素、窒素等を含んだ樹脂等も荷電制御剤として用いることもできる。
着色剤としては、以下に例示するような、有機または無機の各種、各色の顔料、染料が使用可能である。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等がある。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
黄色着色剤としては、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファーストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー12等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等がある。また、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料として、ニグロシン、メチレンブルー、ローズベンガル、キノリンイエロー、ウルトラマリンブルー等がある。
無機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレンジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コバルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カーボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げられる。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
上記着色剤を配合して所望の色の表示媒体用粒子を作製できる。
また、本発明の表示媒体用粒子(以下、粒子ともいう)は平均粒子径d(0.5)が、1〜20μmの範囲であり、均一で揃っていることが好ましい。平均粒子径d(0.5)がこの範囲より大きいと表示上の鮮明さに欠け、この範囲より小さいと粒子同士の凝集力が大きくなりすぎるために表示媒体としての移動に支障をきたすようになる。
更に本発明では、各粒子の粒子径分布に関して、下記式に示される粒子径分布Spanを5未満、好ましくは3未満とする。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
さらにまた、各粒子の相関について、使用した粒子の内、最大径を有する粒子のd(0.5)に対する最小径を有する粒子のd(0.5)の比を50以下、好ましくは10以下とすることが肝要である。たとえ粒子径分布Spanを小さくしたとしても、互いに帯電特性の異なる粒子が互いに反対方向に動くので、互いの粒子サイズが近く、互いの粒子が当量ずつ反対方向に容易に移動できるようにするのが好適であり、それがこの範囲となる。
なお、上記の粒子径分布および粒子径は、レーザー回折/散乱法などから求めることができる。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子径および粒子径分布が測定できる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
表示媒体用粒子の帯電量は当然その測定条件に依存するが、情報表示用パネルにおける表示媒体用粒子の帯電量はほぼ、初期帯電量、隔壁との接触、基板との接触、経過時間に伴う電荷減衰に依存し、特に表示媒体用粒子の帯電挙動の飽和値が支配因子となっているということが分かった。
本発明者らは鋭意検討の結果、ブローオフ法において同一のキャリア粒子を用いて、表示媒体に用いる粒子の帯電量測定を行うことにより、表示媒体用粒子の適正な帯電特性値の範囲を評価できることを見出した。
更に、表示媒体用粒子で構成する粒子群や粉流体等の表示媒体を乾式の情報表示用パネルに適用する場合には、基板間の表示媒体を取り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度について、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ましくは50%RH以下とすることが重要である。
この空隙部分とは、図1(a)、(b)において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3の占有部分、隔壁4の占有部分(隔壁を設けた場合)、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
本発明の対象となる情報表示用パネルにおける基板と基板との間隔は、表示媒体が移動できて、コントラストを維持できればよいが、通常10〜500μm、好ましくは10〜200μmに調整される。
対向する基板間の空間における表示媒体の体積占有率は5〜70%が好ましく、さらに好ましくは5〜60%である。70%を超える場合には表示媒体の移動に支障をきたし、5%未満の場合にはコントラストが不明確となり易い。
本発明の対象となる情報表示用パネルは、ノートパソコン、PDA、携帯電話、ハンディターミナル等のモバイル機器の表示部、電子ブック、電子新聞等の電子ペーパー、看板、ポスター、黒板等の掲示板、電卓、家電製品、自動車用品等の表示部、ポイントカード、ICカード等のカード表示部、電子広告、情報ボード、電子POP(Point Of Presence, Point Of Purchase advertising)、電子値札、電子棚札、電子楽譜、RF−ID機器の表示部などに好適に用いられる。
(a)、(b)はそれぞれ本発明の対象となる情報表示用パネルの一例を示す図である。 従来の情報表示用パネルにおける3電位駆動の一例を説明するための図である。 本発明の情報表示用パネルにおける3電位駆動と同等な駆動方法の一例を説明するための図である。 従来の情報表示用パネルにおける4電位駆動の一例を説明するための図である。 本発明の情報表示用パネルにおける4電位駆動と同等な駆動方法の一例を説明するための図である。 本発明の情報表示用パネルの駆動方法のさらに他の例を説明するための図である。 時定数τを考慮した駆動方法を説明するための図である。 図7に示す駆動方法を改良した例を説明するための図である。 本発明の対象となる情報表示用パネルにおける隔壁の形状の一例を示す図である。
符号の説明
1、2 基板
3 表示媒体
3W 白色表示媒体
3Wa 白色表示媒体用粒子
3B 黒色表示媒体
3Ba 黒色表示媒体用粒子
4 隔壁
5、6 電極
11、12 画素電極
13、14 引き回し電極

Claims (7)

  1. 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、一方の基板に設けたロウ電極と他方の基板に設けたカラム電極とが対向する対電極に電圧を印加することにより、基板内に発生させた電界により表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルの駆動方法であって、継続印加の場合前記表示媒体の移動が開始するしきい値以上の電圧VHとし、前記表示媒体の移動が完了しない範囲の連続印加時間内でしきい値以下の電圧VLとし、前記VHを選択電圧として用いるロウ電極側において、前記VHを選択電圧として用いない電極を非選択電極とし、前記VLを選択電圧として用いるカラム電極側において、前記VLを選択電圧として用いない電極を非選択電極とし、前記非選択電極に対し、前記電圧VHが前記電圧VLに遷移し、さらに前記電圧VHに遷移する電圧波形を印加することを特徴とする情報表示用パネルの駆動方法。
  2. 印加電圧の種類が前記VHとVLの2種類のみであるとともに、前記ロウ電極、前記カラム電極のうち、前記VHを選択電圧として用いる側の非選択電極の印加電圧のVH:VL連続印加時間比を約1:1とし、VLを選択電圧として用いる側の非選択電極の印加電圧のVH:VL連続印加時間比を約1:1とすることを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの駆動方法。
  3. 印加電圧の種類が前記VHとVLの2種類のみであるとともに、前記ロウ電極、前記カラム電極のうち、前記VHを選択電圧として用いる側の非選択電極の印加電圧のVH:VL連続印加時間比を約1:2とし、VLを選択電圧として用いる側の非選択電極の印加電圧のVH:VL連続印加時間比を約2:1とすることを特徴とする請求項1に記載の情報表示用パネルの駆動方法。
  4. 複数の出力を一斉に前記VHもしくはVLにすることができる制御入力を有するドライバICを使用したことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の情報表示用パネルの駆動方法。
  5. 各画素におけるロウ電極およびカラム画素との間の静電容量Cと、ロウ電極に接続され、外部電極との接続に用いられる、ロウ電極よりも幅の狭い引き回し電極の電気抵抗R1、および、カラム電極に接続され、外部電極との接続に用いられる、カラム電極よりも幅の狭い引き回し電極の電気抵抗R2と、による時定数τ(τ=C(R1+R2))より短いVH印加時間および/またはVL印加時間を有する印加電圧波形を用いたことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の情報表示用パネルの駆動方法。
  6. 継続印加の場合前記表示媒体の移動が開始するしきい値以上の電圧VHを、前記表示媒体の移動が完了しない範囲の連続印加時間内でしきい値以下の電圧VLに遷移させるような電圧波形を印加する電極に関する電圧印加を、前記以外の電圧波形を印加する電極に対する電圧印加開始より先行して行うことを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の情報表示用パネルの駆動方法。
  7. 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板間に、少なくとも1種以上の粒子から構成される少なくとも1種類以上の表示媒体を封入し、基板内に発生させた電界により表示媒体を移動させて情報を表示する情報表示用パネルであって、電圧を印加することによって電界を発生させる対電極を基板に設け、請求項1〜のいずれか1項に記載の情報表示用パネルの駆動方法に従って駆動することを特徴とする情報表示用パネル。
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