明 細 書
タイヤとリムとの組立体およびこの組立体の内側に配置する中空粒子 技術分野
[0001] 本発明は、外傷を受けた後のパンク状態力 タイヤ修理を行うことが出来る場所ま での最低限の移動を、安全かつ確実に実現するタイヤとリムとの組立体に関する。特 に、汎用のタイヤと汎用のリムとの組み合わせにて実現でき、タイヤ受傷前の常用走 行における耐久性、乗り心地性、省燃費性および汎用性に優れ、かつ生産性を犠牲 にせずに低コストでパンク時の走行安全性を提供できる、タイヤとリムとの組立体に関 するものである。
背景技術
[0002] 空気入りタイヤ、例えば乗用車用タイヤにおいては、タイヤ気室内部にゲージ圧で 150kPaから 250kPa程度の圧力下に空気を封じ込めて、タイヤのカーカスおよびべ ルト等のタイヤ骨格部に張力を発生させ、この張力によって、タイヤへの入力に対し てタイヤの変形並びにその復元を可能としている。すなわち、タイヤ気室の内圧が所 定の範囲に保持されることによって、タイヤの骨格に一定の張力を発生させて、荷重 支持機能を付与するとともに、剛性を高めて、駆動、制動および旋回性能などの、車 両の走行に必要な基本性能を付与して 、る。
[0003] ところで、この所定の内圧に保持されたタイヤが外傷を受けると、この外傷を介して 高圧の空気が外部に漏れ出してタイヤ内圧が大気圧まで減少する、いわゆるパンク 状態となるため、タイヤ骨格部に発生させていた張力はほとんど失われることになる。 すると、タイヤに所定の内圧が付与されることによって得られる、荷重支持機能や、駆 動、制動および旋回性能も失われる結果、そのタイヤを装着した車両は走行不能に 陥るのである。
[0004] そこで、パンク状態においても走行を可能とする、いわゆる安全タイヤについて多く の提案がなされている。例えば、自動車用の空気入り安全タイヤ及びリム組立体とし ては、二重壁構造を有するもの、タイヤ内に荷重支持装置を配設したもの、タイヤサ イド部を補強したものなど種々のタイプのものが提案されている。これらの提案の内、
実際に使用されて 、る技術としては、タイヤのサイドウォール部を中心にショルダー 部からビード部にかけての内面に比較的硬質のゴム力 なる三日月状のサイド補強 層を設けたタイヤがあり、この手法は主にへん平比が 60%以下の、いわゆる『ランフ ラットタイヤ』に適用されている。
[0005] しかし、サイド補強層を追加する手法は、タイヤ重量を 30%から 40%も増カロさせ、 またタイヤのヒステリシスロスも増加するため、転がり抵抗の大幅な悪ィ匕による省燃費 性の悪ィ匕を避けられない。さらに、上記タイヤ重量の増加は車両のパネ下重量増加 につながり、タイヤのパネ定数増力!]と相まって通常走行時の乗り心地性低下をまねく 不利がある。また、タイヤのパネ定数増加によりサスペンションに入る走行入力が増 加するため、車両の足回りの耐久性を向上させる設計変更が必要となる。従って、該 タイヤを既存車両に補修用として装着すると、足回りの耐久性が不足しているために 故障を招く危険がある。また、パンク後にランフラット走行するとサイド補強層の自己 発熱により熱老化してしまうため、パンク受傷部の修理による再利用は基本的に対応 できず廃棄せざるを得ないため、経済性および環境負荷の面からも、未だ汎用性に 乏しい技術である。
[0006] 一方、タイヤ断面高さの高い、へん平比が 60%以上の空気入りタイヤにおいては、 比較的高速かつ長距離の走行によるサイドウォール部の発熱を避けるために、リムに 中子などの内部支持体を固定してパンク時の荷重を支持する構造とした、ランフラッ トタイヤが提案されている。
[0007] しかし、パンク後のランフラット時にタイヤと内部支持体との間で発生する、局所的 な繰り返し入力にタイヤが耐えることができずに、結果としてパンク後の走行距離は 1 00〜200km程度に限定されている。またパンク後のランフラット走行により、タイヤお よび内部支持体は大きなダメージを受けるために、再利用性が低く経済性および環 境負荷の面力 の不利は否めない。
カロえて、内部支持体をタイヤ内部に配置して力 タイヤをリムに組み付ける作業は、 煩雑で長時間を要することも問題である。この点、リムの幅方向一端側と他端側とのリ ム径に差を設けて、内部支持体を挿入し易くした工夫も提案されているが、特殊な専 用リム組み機を必要とするためインフラの再整備、組み付け作業者の特別教育など
が必須なため、いまだ汎用性に乏しぐサービスを提供していくには課題が多い。ま た従来のタイヤとリムの組立体に比して、内部支持体が追加されることにより、トータ ル重量が 30〜40%も増加してしまうため、上述のサイド補強タイプと同様の不利が ある。
[0008] なお、サイド補強タイプや内部支持体をそなえるタイプのパンク後走行距離を延ば すには、骨格材を追加してタイヤ構造をより重厚にすることが考えられるが、骨格材を 追加した分、通常使用時の転がり抵抗や乗り心地性がさらに悪ィ匕するため、この手法 を採用することは現実的ではない。
[0009] その一方で、タイヤ受傷による内圧低下に対する対応力や、パンク後の走行能力 が充分でな 、ものの、前述のサイド補強タイプや内部支持体タイプほど通常走行で の性能を悪化させな 、手段がある。
[0010] その 1つ目は、シーラントタイヤである。タイヤ内面に粘着性の高い層を配置させ、 タイヤに刺さった異物が抜ける時に受傷部を粘着層にて封止するものである。しかし このタイプは、あくまで受傷タイヤの内圧低下を遅延させるものであり、駐車中にタイ ャ内圧がゼロになった場合などではその後の走行 (いわゆるランフラット走行)は出来 ない。よってその後の走行のためには、スペアタイヤが必須であり、その場での交換 作業が必要となる。また、異物近傍の粘着層が熱老化による硬化を起こすことがあり 封止能力の信頼性に欠けるため、実用性は充分ではない。更に、長距離走行により タイヤ温度が上昇した状態で長時間停車すると、粘着層の流動性が増しているため に、重力によって粘着層が流動してしまい、タイヤ内面での偏在化が起こる事がある 。この場合、タイヤのウェイトバランスが崩れ、不快な振動発生の原因となるば力りで なぐ操縦安定性を損なうため、いまだ実用性に乏しい技術である。
[0011] 2つ目は、パンク修理剤である。粘着性のシール液と圧縮した空気を送り込む電動 ポンプにより構成され、受傷後のタイヤを応急的に修理するものである。このものは、 あくまで駐車中にタイヤ気室の圧力がゼロになった場合、かつその事実に気がつい た場合に、上述の修理によりその後の走行が可能となる。しかし、修理するためには 安全な場所を選ばねばならず、特に冬季の氷雪路面上や治安の悪!、市街地内では 、命の危険にさらされる状況がありうるため、パンク修理のための路上駐車は出来る
だけ避けるべきであり、安全な駐車場内などでのパンクトラブル時に限定的に用いら れる手段といえる。
一方で走行中に受傷部からタイヤ気室の圧力が徐々に抜けていく場合には、その 異常にドライバーが気付かない限り、いつタイヤ気室の圧力がゼロとなり走行不能に 陥る力判らない中で走行することとなるため、実際にはきわめて危険な走行状況が続 くこととなり、安全面力 充分な技術とはいえない。
[0012] また、タイヤとこれに組付けるリムとの組立体の内部空洞へ独立気泡を有する発泡 体を充填したタイヤ力 例えば特開平 6— 127207号公報、特開平 6— 183226号公 報、特開平 7— 186610号公報および特開平 8— 332805号公報などに記載されて いる。これらに提案されたタイヤは、主に農耕用タイヤ、ラリー用タイヤ、二輪車用タイ ャおよび自転車用タイヤなど特殊な、または小型のタイヤに限定されるものである。 従って、乗用車用タイヤやトラックおよびバス用タイヤなどのように、走行速度が高ぐ 長期間の使用に耐え、とりわけ転がり抵抗や乗り心地性を重視するタイヤへの適用は 未知数であった。そしていずれの発泡体も発泡倍率が低いために、気泡を有する発 泡体のわりには重量が大きぐ振動乗り心地性や燃費の悪ィ匕を避けられない上、そ の独立気泡内部は大気圧であるため、従来タイヤの高圧空気の代替とするには機能 的に不十分であった。
[0013] さらに、特許第 2987076号公報には、発泡体充填材を内周部に挿入したパンクレ スタイヤが開示されている力 気泡内圧が大気圧に極めて近いことによる不利にカロえ 、発泡体がウレタン系材料であるために、ウレタン基の分子間水素結合に起因するェ ネルギーロスが大きぐ自己発熱性が高い。よって、ウレタン発泡体をタイヤ内に充填 した場合、タイヤ転動時のくり返し変形により、発泡体が発熱し大幅に耐久性が低下 する。また、気泡を独立して形成するのが難しい素材を用いているため、気泡が連通 しゃすく気体を保持することが難しいため、所望の荷重支持能力を得られない不利 がある。
[0014] さらにまた、特開昭 48— 47002号公報には、独立気泡を主体とする多気泡体の外 周をゴムや合成樹脂等の厚さ 0. 5〜3mmの外包皮膜で一体的に包被密封した膨 張圧力気泡体の多数をタイヤ内に充填し、該タイヤを規定内圧に保持した、パンクレ
スタイヤが提案されている。この技術は、発泡体の気泡内気圧を常圧より高くするた めに、膨張圧力気泡体となる独立気泡体形成配合原料中の発泡剤配合量をタイヤ 内容積に対して、少なくとも同等以上の発生ガスが発生する発泡剤配合量に設定し ており、これによつて通常の少なくとも空気入りタイヤと同様の性能を目指している。
[0015] 上記技術では、膨張圧力気泡体中の気泡内ガスの散逸を防ぐために、外包皮膜で 一体的に包被密封している力 この外包皮膜の材料として例示されているものは、自 動車用チューブまたは該チューブ形成用配合物のような材料のみである。つまり、タ ィャチューブ等に用いられる、窒素ガス透過性の低 、プチルラバーを主体とした軟 質弾性外包皮膜にて包被密封を施し、これらの多数をタイヤ内に充填している。製 法としては、軟質弾性外包皮膜として未加硫のタイヤチューブを、膨張圧力気泡体と して未加硫の独立気泡体形成配合原料を用い、これらの多数をタイヤとリムの組立 体内部に配置後、加熱により発泡させ、発泡体充填タイヤを得ている。発泡体の膨 張によるタイヤ内部の常圧空気は、リムに開けられた排気小孔力 自然排気される。
[0016] ここで、乗用車用タイヤの内圧は、一般的に常温における 150〜250kPa程度に設 定されるため、上記の発泡体充填タイヤを製造するには、その加硫成形の加熱時(1 40°C程度)の状態において、絶対圧で上記内圧の約 1. 5倍程度になっているものと 、気体の状態方程式から推定される。ところが、この程度の圧力レベルでは、加硫圧 力不足をまねいてブローンが発生するのを避けることは出来ない。このブローン現象 を回避するためには、加硫時の圧力を増やすために発泡剤配合量を大幅に増量す るか、加熱温度を高めて架橋反応を促進させる必要がある。
[0017] し力しながら、発泡剤配合量を増加する手法は、発泡剤配合量の増加により常温 時の内圧が 300kPaを大きく超えてしまうため、従来の空気入りタイヤの代替品とする のは困難であった。また、加熱温度を高める手法は、熱老化によるタイヤのダメージ が大きくなつてタイヤの耐久性を大幅に悪ィ匕させるため、長期使用における耐久性に 問題が生じる。一方、タイヤとリムの組立体の内部には、軟質弾性外包皮膜に包まれ た膨張圧力気泡体が多数配置されて!、るが、上記ブローンが発生した軟質弾性外 包皮膜同士の摩擦、タイヤ内面およびリム内面との摩擦等、耐久性面での問題が大 きい。以上から上記の問題は、膨張圧力気泡体の形状が一体的なドーナツ形状をと
るのとは異なり、分割された多数の膨張圧力気泡体を配置することに起因する、大き な欠点とも言える。また、リムに開けられた排気小孔は、膨張圧力気泡体の膨張によ るタイヤ内部の常圧空気を自然排気するためには有効であるものの、膨張圧力気泡 体中の気泡内ガスの散逸経路となってしまう。よって膨張圧力気泡体中の圧力が長 期間保持できず、長期間の使用に耐えうるものではない。
[0018] さらに、軟質弾性外包皮膜として、タイヤチューブ等の、窒素ガス透過性が小さい ブチルラバーを主体とした配合組成物を用いて ヽるが、ブチルラバーは加硫反応速 度が極めて遅いために、反応を完結させるためには、 140°C程度の温度では多大な る加熱時間を必要とする。このことは、軟質弾性外包皮膜の架橋密度不足を意味し、 軟質弾性外包皮膜の剥離発生の一要因になることはいうまでもない。また、加熱時 間の延長は、前述した熱老化によるタイヤのダメージを更に大きくするため、耐久性 の低下を避けられず、得策とはいえない。
[0019] また、特開昭 51— 126604号公報には、ガスを包蔵した中空小球をタイヤ内に配 置し、パンク受傷部を封止して内圧の漏洩を遅らせる発明がある。この発明では膨張 材として液ィ匕ガスを用いた膨張性榭脂粒子を加熱膨張させて得られた中空粒子の多 数をタイヤ内に配置している。しかし、加熱膨張後の中空部圧力は環境温度とガスの 蒸気圧によって決定されるため、タイヤ内に配置して所定の内圧まで空気を充填す ると、中空部圧力が低いために中空粒子は球形状を保つことが出来ず、つぶれたラ グビーボール的な形でタイヤ内に存在することとなる。このようにつぶれた形状では パンク時の受傷部を封止するに際し好ましくない。タイヤ内圧が 50kPa程度の低い内 圧下にてタイヤを受傷させると、該中空粒子が略球形状を保てているため、 2. 5mm Φ程度の釘による受傷部であれば封止出来る。しかし、常用走行に必要な 200kpa 程度の高い内圧下にてタイヤを受傷させると、 2. 5mm φの釘による受傷部が封止 できず、中空粒子が噴出してしまう。また、現在の巿場でのパンク実態調査から、タイ ャに刺さる異物の平均直径は 3. 5mm φ程度であるため、上記技術では不十分であ る。さらに、タイヤ内圧を 200kPaとし 1000kmの常用走行後に中空粒子を取り出した ところ、ほとんどの粒子は破壊してしまっており、略球形状であるものはほとんど見ら れなかった。さらに上記 1000km走行後のタイヤに、 200kPa下にて 2. 5mm φの釘
刺し受傷を与えたが、受傷部を封止することが出来ず、中空粒子の破砕物が噴出し た。以上から、中空粒子をタイヤ内に配置するだけでは、受傷部を的確に封止するこ とが出来ず、また常用走行にて破壊してしまうため、十分な技術とはいえない。
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0020] そこで、本発明は、タイヤに外傷を受けた後のパンク状態から、例えばタイヤ修理を 行うことが出来る場所までの、最低限の移動を安全かつ確実に実現するタイヤとリム との糸且立体にっ ヽて提供することを目的とする。
[0021] また、本発明の別の目的は、タイヤ受傷前の常用走行における耐久性および乗り 心地性、省燃費性、汎用性に優れ、かつ生産性を犠牲にせず低コストでパンク時の 走行安全性を保証する、上記のタイヤとリムとの組立体の内側に配置するに適した中 空粒子を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0022] 発明者らは、上記の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、外傷によってタイヤ気 室内の気体が漏れ出た際に、その後の走行に必要な最低限のタイヤ気室の圧力を 適正に与えることによって失った圧力を回復させること、そして通常走行下におけるタ ィャ内温度を抑制することの両立が必要かつ有効であることを見出し、本発明を完成 するに至った。
[0023] すなわち、本発明の要旨構成は、次のとおりである。
(1)タイヤをリムに装着し、該タイヤとリムとで区画されたタイヤ気室に、熱膨張が可能 な榭脂による連続相と独立気泡とからなる略球形状の中空粒子の多数を配置し、さら に該タイヤ気室に大気圧を超える高圧気体を充填したタイヤとリムとの組立体であつ て、タイヤ気室の圧力が大気圧まで低下した状態力もの走行において、該タイヤ気 室の圧力を、少なくともタイヤのサイド部が接地しなくなる圧力まで回復する機能を有 することを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
[0024] (2)上記(1)において、下記式 (I)に従う中空粒子の充填率が 5vol%以上 80vol% 以下であることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
記
中空粒子の充填率 = (粒子体積値 zタイヤ気室容積値) X 100 一- (I) ここで、
粒子体積値:タイヤ気室に配置した全中空粒子の大気圧下での合計体積と 粒子周囲の空隙体積との合計量 (cm3)
タイヤ気室容積値:タイヤとリムとの組立体に空気のみを充填して使用内 圧 (kPa)に調整した後、充填空気を内圧が大気圧になるまで排出した際の 充填空気排出量 (cm3)を用いて、次式 (II)力 求めた値 (cm3)
タイヤ気室容積値 = (充填空気排出量) / (使用内圧 Z大気圧)
— (II)
なお、式 (II)において使用内圧はゲージ圧値 (kPa)を、大気圧値は 気圧計による絶対値 (kPa)を用いる。
[0025] (3)上記(1)または(2)において、中空粒子の中空部内の圧力が、常用走行使用時 の車両指定タイヤ内圧の 70%以上であることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
[0026] (4)上記(1)、 (2)または(3)において、中空粒子の中空部内の圧力力 常用走行使 用時の車両指定タイヤ内圧の 80%以上であることを特徴とするタイヤとリムとの組立 体。
[0027] (5)上記(1)ないし (4)のいずれかにおいて、中空粒子の中空部内の圧力力 常用 走行使用時の車両指定タイヤ内圧の 90%以上であることを特徴とするタイヤとリムと の糸且立体。
[0028] (6)上記(1)ないし(5)のいずれかにおいて、中空粒子の中空部内の圧力が、常用 走行使用時の車両指定タイヤ内圧の 100%以上であることを特徴とするタイヤとリム との組立体。
[0029] (7)上記(2)な!、し (6)の!、ずれかにお 、て、中空粒子の充填率が 70vol%以下で あることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
[0030] (8)上記(2)な!、し (7)の!、ずれかにお 、て、中空粒子の充填率が 60vol%以下で あることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
[0031] (9)上記(2)ないし(8)のいずれかにおいて、中空粒子の充填率が 50vol%以下で あることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
[0032] (10)上記(1)ないし(9)のいずれかにおいて、タイヤ気室に配置した中空粒子群の 平均粒径力 0 μ m以上 200 μ m以下の範囲にあり、かつ該中空粒子群の平均真比 重が 0. 01g/cm3以上 0. 06g/cm3以下の範囲にあることを特徴とするタイヤとリム との組立体。
[0033] (11)上記(1)ないし(10)のいずれかにおいて、中空粒子の中空部内の気体力 窒 素、空気、炭素数 2から 8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルォ 口化物、炭素数 2から 8の脂環式炭化水素およびそのフルォロ化物、そして次の一般 式(ΠΙ):
R'-O-R2 —— (III)
(式中の R1および R2は、それぞれ独立に炭素数が 1から 5の一価の炭化水素基であ り、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表される エーテルィ匕合物、からなる群の中力 選ばれた少なくとも 1種の気体を有することを 特徴とするタイヤとリムとの組立体。
[0034] ( 12)上記(1)ないし(11)のいずれかにおいて、中空粒子の連続相である樹脂が、 ポリビュルアルコール榭脂、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および塩ィ匕 ビ-リデン系重合体のいずれか少なくとも 1種力も成ることを特徴とするタイヤとリムと の糸且立体。
[0035] (13)上記(1)ないし(12)のいずれかにおいて、中空粒子の連続相がアタリ口-トリ ル系重合体から成り、該アクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリル重合体、アタリ口 二トリル Zメタアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル Zメチルメタタリレート共重合 体およびアクリロニトリル Zメタアクリロニトリル Zメチルメタタリレート 3元共重合体から 選ばれた少なくとも 1種であるであることを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
[0036] (14)上記(1)ないし(13)のいずれかにおいて、さらにアンチロックブレーキシステム の車輪速度センサーによる車輪速度検知に基づくタイヤ気室圧力低下警報機能お よび、圧力センサーによるタイヤ気室圧力の直接測定方式に基づくタイヤ気室圧力 低下警報機能のいずれか一方または両方をそなえることを特徴とするタイヤとリムと の糸且立体。
[0037] (15)上記(1)ないし(14)のいずれかにおいて、タイヤ気室内に、さらに大気圧下で
の平均嵩比重が該中空粒子の平均真比重よりも大きい発泡体の多数を該中空粒子 群に混在して配置したことを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
[0038] (16)上記(15)において、前記発泡体は、直径が lmm以上 15mm以下の略球体形 状または一辺が lmm以上 15mm以下の立方体形状であり、平均嵩比重が 0. 06g Zee以上 0. 3gZcc以下であり、独立気泡または連通気泡を有するものであることを 特徴とするタイヤとリムとの組立体。
[0039] (17)上記(1)ないし(16)のいずれかにおいて、前記中空粒子は、常用走行使用時 の車両指定タイヤ内圧の 70%以上の中空部圧力を持ち、かつ加熱したときの膨張 開始温度 Ts2が 90°C以上 200°C以下の範囲であることを特徴とするタイヤとリムとの 組立体。
[0040] (18)上記(1)ないし(17)のいずれかにおいて、中空粒子の膨張開始温度 Ts2が 1
10°C以上であるタイヤとリムとの組立体。
[0041] (19)上記(1)ないし(18)のいずれかにおいて、中空粒子の膨張開始温度 Ts2が 1
30°C以上であるタイヤとリムとの組立体。
[0042] (20)上記(1)ないし(19)のいずれかにおいて、中空粒子の膨張開始温度 Ts2が 1
60°C以上であるタイヤとリムとの組立体。
[0043] (21)上記(1)ないし(20)のいずれかにおいて、タイヤ内に配置する前の中空粒子 内部の気体が、タイヤ気室内に充填する気体と異なる気体であることを特徴とするタ ィャとリムとの組立体。
[0044] (22) 上記(21)において、タイヤ内に配置する前の中空粒子内部の気体が不燃性 ガスであり、内圧を与えた後のタイヤとリムとの組立体内における中空粒子内部の気 体が、該不燃性ガスとタイヤ気室に充填した気体との混合物であることを特徴とする タイヤとリムとの組立体。
[0045] (23) 上記(1)ないし (22)のいずれかにおいて、中空粒子の殻部を構成する榭脂 による連続相力、アクリロニトリル系榭脂であることを特徴とするタイヤとリムとの組立 体。
[0046] (24) 上記(23)にお 、て、アクリロニトリル系榭脂が、アクリロニトリル、メタアタリ口- トリルおよびメチルメタタリレートからなる三元共重合体からなる三元共重合体である
ことを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
[0047] (25) 上記(23)にお 、て、アクリロニトリル系榭脂が、アクリロニトリル、メタアタリ口- トリルおよびメタクリル酸力もなる三元共重合体であることを特徴とするタイヤとリムとの 組立体。
[0048] (26) 上記(1)ないし(25)のいずれかにおいて、前記中空粒子の表面の少なくとも 部分に、該表面に熱を介して定着された被覆剤を有することを特徴とするタイヤとリム との組立体。
[0049] (27) 上記(1)ないし(26)のいずれかにおいて、前記中空粒子の全表面に被覆剤 を有することを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
[0050] (28) 上記(1)ないし (27)のいずれかにおいて、中空粒子の被覆に使用した被覆 剤量および下記処理に従って得られる沈殿物量に基づ!/、て、次式
定着率 ={ (使用被覆剤量) (沈殿物量) }Z (使用被覆剤量) X 100
にて求められる被覆剤の定着率が 90mass%以上であることを特徴とするタイヤとリム との組立体。
記
分液ロート内に、 n キサン、イソプロピルアルコール、エタノールおよびメタノー ルカも選ばれた少なくとも 1種の溶媒 300ccと、 2 3gの範囲で秤量した被覆剤を有 する中空粒子とを添加し、常温下で 1分間攪拌した後 10分間静置し、沈殿物をロート 力も排出そして採取した後、再度上記溶媒を追加し分液ロート内溶媒を 300ccに調 整した上で、上記攪拌、静置および排出そして採取を、さらに 4回繰り返し、合計 5回 分の沈殿成分を、定法により溶媒を除去後に沈殿物量として秤量し、元の中空粒子 量に対する質量百分率を算出して沈殿物量とする。
[0051] (29) 上記(28)において、前記定着率が 95mass%以上であることを特徴とするタイ ャとリムとの組立体。
[0052] (30) 請求項 28または 29において、前記定着率が 99mass%以上であることを特徴 とするタイヤとリムとの組立体。
[0053] (31) 上記(28)ないし(30)のいずれかにおいて、前記中空粒子の中空部内の圧 力が大気圧以上の高圧であり、該中空粒子を加熱したときの膨張開始温度 Ts2が 9
0°C以上 200°C以下の範囲であり、前記被覆剤の融点 Tmが中空粒子の膨張開始 温度 Ts2より高いことを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
[0054] (32) 上記(31)にお 、て、被覆剤の融点 Tmが、ガス成分を液体状態の発泡剤とし て榭脂に封じ込めた膨張性榭脂粒子の膨張開始温度 Tslに関して、下記の関係を 満たすことを特徴とするタイヤとリムとの組立体。
記
Tsl < Tm < Tsl + 150°C
[0055] (33) 上記 (32)において、中空粒子は、被覆剤が付着された膨張性榭脂粒子を、 被覆剤の融点 Tm以上の温度で膨張させて得たものであることを特徴とするタイヤとリ ムとの,袓立体。
[0056] (34)上記(28)な 、し (33)の 、ずれかにお 、て、被覆剤が有機酸金属塩であること を特徴とするタイヤとリムとの組立体。
[0057] (35)タイヤをリムに装着したタイヤとリムとの組立体における該タイヤとリムとで区画さ れたタイヤ気室内に、大気圧を超える高圧気体とともに配置する、熱膨張が可能な榭 脂による連続相と独立気泡とからなる中空粒子であって、下記の榭脂 (A)と、下記の 熱分解性発泡剤 (B)および下記の発泡剤 (C)の ヽずれか一方または両方とを含有 する膨張性組成物を加熱膨張させて得られ、かつ中空粒子の中空部内の圧力が、 該中空粒子群が配置されるタイヤ気室内の高圧気体の圧力に対して 70%以上であ ることを特徴とする中空粒子。
記
(A)ポリビニルアルコール榭脂、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体および 塩ィ匕ビユリデン系重合体力 選ばれた少なくとも 1種
(B)ジ-トロソペンタメチレンテトラミン、ァゾジカルボンアミド、パラトルエンスルフォ- ルヒドラジンおよびその誘導体、そしてォキシビスベンゼンスルフォ-ルヒドラジンから 選ばれた少なくとも 1種
(C)炭素数 2から 8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルォロ化物 、炭素数 2から 8の脂環式炭化水素およびそのフルォロ化物、そして次の一般式 (III)
R'-O-R2—— (III)
(式中の R1および R2は、それぞれ独立に炭素数が 1から 5の一価の炭化水素基であ り、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表される エーテルィ匕合物カゝら選ばれた少なくとも 1種
[0058] (36)タイヤをリムに装着したタイヤとリムとの組立体における該タイヤとリムとで区画さ れたタイヤ気室内に、大気圧を超える高圧気体とともに配置する、熱膨張が可能な榭 脂による連続相と独立気泡とからなる中空粒子であって、その中空部内の圧力が大 気圧以上であり、かつ表面の少なくとも部分に、該表面に熱を介して定着された被覆 剤を有することを特徴とする中空粒子。
[0059] (37)上記(36)において、中空部内の圧力が、常用走行使用時の車両指定タイヤ内 圧の 70%以上であることを特徴とする中空粒子。
[0060] (38)上記(36)または(37)において、全表面に被覆剤を有することを特徴とする中 空粒子。
[0061] (39)上記(36)ないし(38)のいずれかにおいて、中空粒子の被覆に使用した被覆 剤量および下記処理に従って得られる沈殿物量に基づ!/、て、次式
定着率 ={ (使用被覆剤量) (沈殿物量) }Z (使用被覆剤量) X 100
にて求められる被覆剤の定着率が 90mass%以上であることを特徴とする中空粒子。
記
分液ロート内に、 n キサン、イソプロピルアルコール、エタノールおよびメタノー ルカも選ばれた少なくとも 1種の溶媒 300ccと、 2 3gの範囲で秤量した被覆剤を有 する中空粒子とを添加し、常温下で 1分間攪拌した後 10分間静置し、沈殿物をロート 力も排出そして採取した後、再度上記溶媒を追加し分液ロート内溶媒を 300ccに調 整した上で、上記攪拌、静置および排出そして採取を、さらに 4回繰り返し、合計 5回 分の沈殿成分を、定法により溶媒を除去後に沈殿物量として秤量し、元の中空粒子 量に対する質量百分率を算出して沈殿物量とする。
[0062] (40)上記(39)において、前記定着率が 95mass%以上であることを特徴とする中空 粒子。
[0063] (41)上記(39)または(40)において、前記定着率が 99mass%以上であることを特
徴とする中空粒子。
[0064] ここで、本文中で記載するタイヤ気室の圧力とは、特に記載しな 、場合はゲージ圧
(ゲージに示される圧力)を指す。
発明の効果
[0065] 本発明によれば、タイヤ受傷後のタイヤ気室圧力低下時にあっても必要とされる距 離を安定して走行し得る機能を発現し、通常走行下にお 、て低速力も高速のあらゆ る走行条件下においても、上記機能を確実に保持するタイヤとリムとの組立体を提供 することができる。
[0066] 以上の効果は、タイヤ気室内に本発明により規定される充填率の下に本発明により 限定された中空粒子を配置することにより得られるから、タイヤ構造自体を規制する 必要はなぐ汎用のタイヤそして汎用のリムを活用して新たに安全タイヤとリムとの組 立体を提供できる。
[0067] 特に、上記課題解決手段(26)ないし(34)の記載に従って中空粒子の表面に被覆 剤を適用すれば、該被覆剤の中空粒子表面での均一分布および同表面に対する強 固な被覆が実現されるため、中空粒子同士の融着が確実に防止され、また中空粒子 の耐久性を向上することができる。従って、タイヤが受傷するまでの期間にわたり、中 空粒子本来の機能が維持される結果、上記したタイヤとリムとの組立体の高機能を長 期にわたり保証できる。
図面の簡単な説明
[0068] [図 1]本発明に従うタイヤとリムとの組立体を示すタイヤ幅方向断面図である。
[図 2]タイヤ気室圧力低下警報装置を搭載した本発明に従うタイヤとリムとの組立体 の一例を示すタイヤ幅方向断面図である。
[図 3]本発明に従うタイヤとリムとの組立体に搭載する、中空粒子および気体の充填 に併用する『フィルターを備えたタイヤ用バルブ』の例を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
[0069] 以下に、本発明に従うタイヤとリムとの組立体について、その幅方向断面を示す図 1に基づいて説明する。
すなわち、図示のタイヤとリムとの組立体は、タイヤ 1をリム 2に装着し、該タイヤ 1とリ
ム 2とで区画されたタイヤ気室 3内に、榭脂よりなる連続相と独立気泡とからなる熱膨 張可能な中空粒子 4の多数を、加圧下で充填配置してなる。
なお、タイヤ 1は、規格に従う各種自動車用タイヤ、たとえば、トラックやバス用タイ ャ、乗用車用タイヤ等であれば、特に構造を限定する必要はない。すなわち、本発 明はタイヤとリムとの組立体になるすべての安全タイヤに適用できる技術であり、図示 のタイヤは、 1対のビードコア 5間でトロイド状に延びるカーカス 6のクラウン部に、その 半径方向外側へ順にベルト 7およびトレッド 8を配設してなる一般的な自動車用タイ ャである。
図において、符号 9は、タイヤ気室 3に対して気体を給排するバルブを、 10はイン ナーライナ一層をそれぞれ示し、 11はサイド部を、そして 12は、中空粒子 4の周囲の 空隙をそれぞれ示す。
[0070] 上記中空粒子 4は、略球形状の榭脂による連続相で囲まれた独立気泡を有する、 たとえば粒径が 10 μ m〜500 μ m程度の範囲で粒径分布を持った中空体、あるい は、独立気泡による小部屋の多数を含む海綿状構造体である。すなわち、該中空粒 子 4は、外部と連通せずに密閉された独立気泡を内包する粒子であり、該独立気泡 の数は単数であってもよいし、複数であってもよい。この明細書では、この『中空粒子 群の独立気泡内部』を総称して『中空部』と表現する。
また、この粒子が独立気泡を有することは、該粒子が独立気泡を密閉状態で内包 するための『榭脂製の殻』を有することを指し、さらに、榭脂による連続相とは、この『 榭脂製の殻を構成する成分組成上の連続相』を指す。なお、この榭脂製の殻の組成 は後述のとおりである。
[0071] この中空粒子 4の多数個である中空粒子群は、高圧気体とともにタイヤ気室 3の内 側に充填配置することによって、通常の使用条件下ではタイヤの『使用内圧』を部分 的に担うと共に、タイヤ 1の受傷時には、タイヤ気室 3内の失った圧力を復活させる機 能を発現する源となる。この『内圧復活機能』については後述する。
ここで、『使用内圧』とは、『自動車メーカーが各車両毎に指定した、装着位置ごとの タイヤ気室圧力値 (ゲージ圧力値)』を指す。
[0072] さて、従来の空気入りタイヤは、タイヤ気室圧力が大気圧まで低下した状態で走行
すると、荷重によりタイヤが大きく橈み、そのサイド部が路面に接地してしまうため、路 面との摩擦と繰り返し屈曲変形とによる発熱によって骨格のカーカス材が疲労し、サ イド部の磨耗傷が最終的にタイヤ気室内まで貫通することで破壊に到る。
[0073] そこで、本発明では、外傷によってタイヤ気室内の気体が漏れ出た際に、その後の 走行に必要な最低限のタイヤ気室圧力を適正に与え、失った圧力を回復させること を主目的としている。よって本発明では、タイヤとリムの組立体を圧力容器と捕らえて いる。すなわち、パンクにより傷ついてしまった圧力容器の傷口を、タイヤ気室内に配 置した中空粒子群により暫定的に封止した上で、中空粒子を機能させて失った圧力 を回復することによって、この目的を達成しょうとするものである。従って、前述した従 来の空気入りタイヤのように、パンク後の走行自体がタイヤ、すなわち圧力容器を故 障破壊に導くような事があってはならない。
[0074] すなわち、タイヤ気室圧力が大気圧にまで低下したとしても、早期に上述の機能を 発揮させること〖こよって、前述のタイヤ破壊に至ることを回避し、圧力容器として機能 させることが重要であり、そのために、タイヤ気室内の圧力を『少なくともタイヤのサイ ド部が接地しなくなる圧力』まで復活させることが肝要である。
[0075] より具体的には、タイヤ気室に配置する中空粒子について、下記式 (I)に従う中空 粒子の充填率を 5vol%以上 80vol%以下とすることが好ましい。
記
中空粒子の充填率 = (粒子体積値 Zタイヤ気室容積値) X 100 一- (I) [0076] ここで、粒子体積値は、タイヤ気室に配置した全中空粒子の大気圧下での合計体 積と粒子周囲の空隙体積との合計量 (cm3)であり、以下の方法で算出できる。 まず、該粒子の大気圧下での平均嵩比重を求める。その方法は、例えば大気圧下 にて既知体積であるものの重量を測定することにより算出する。最初に、大気圧下で メスシリンダーに粒子を量りとり、超音波水浴中にて振動を与え、粒子間のパッキング が安定した状態にて、粒子の総体積 (粒子周囲の空隙体積を含む)と粒子の総重量 とを測定することによって、上記大気圧下での平均嵩比重を算出する。すなわち、粒 子の大気圧下での平均嵩比重は、
粒子の大気圧下での平均嵩比重 = (粒子の総重量) / (粒子の総体積)
である。
次に、タイヤ気室内に配置した粒子の総重量を測定し、前記にて算出した該粒子 の大気圧下での平均嵩比重で割ることによって、タイヤ内部に配置した『粒子体積』 を算出することができる。すなわち、
粒子体積 = (タイヤに充填した粒子の総重量) Z (粒子の大気圧下での平均嵩比 重)
である。
なお、容積が既知の容器に粒子を量り取りながらタイヤ気室内に配置する方法でも 所望の粒子体積の粒子をタイヤ内に配置することが出来る。
[0077] また、タイヤ気室容積値は、タイヤとリムとの組立体に空気のみを充填して使用内圧
(kPa)に調整した後、充填空気を内圧が大気圧になるまで排出した際の充填空気排 出量 (cm3)を用いて、次式 (II)力も求めた値 (cm3)である。
タイヤ気室容積値 = (充填空気排出量) / (使用内圧 Z大気圧)― (Π) なお、式 (II)において使用内圧はゲージ圧値 (kPa)を、大気圧値は気圧計による絶 対値 (kPa)を用いる。すなわち大気圧は、ゲージ圧では 0[kPa]で表される力 大気圧 値自体は日々刻々と変動するものであるため、その時点での気圧計力 観測される 絶対値を用いる。よって例えばある時の大気圧が 1013hPaであった場合は、大気圧 絶対値として 101. 3kPaを式 (II)に用いる。
[0078] 以下に、上記した中空粒子の充填率を 5vol%以上 80vol%以下とする理由につい て、常用使用からパンク状態となった場合の態様へと順に説明する。
まず、タイヤ気室に中空粒子の多数を配置し、さらに該タイヤ気室に高圧気体を充 填して、タイヤ気室圧力を使用内圧とする場合から説明する。
本発明では、中空粒子 4をタイヤ気室 3に配置した後、該粒子 4周囲の空隙部 10、 言い換えればタイヤ気室の圧力が、装着車両指定内圧等の所望の使用内圧となる ように、空気や窒素等の高圧気体を充填することが肝要である。
タイヤ気室 3に中空粒子 4を配置し、さらに気体を充填してタイヤ気室 3の圧力を所 望の圧力に設定すると、当初、中空粒子の中空部内の圧力(独立気泡内の圧力)が タイヤ気室の圧力より小さいために、粒子は体積減少する。この時点での中空粒子
の形状は略球形状ではなぐ球形状力 扁平ィ匕して歪んだ形状となっている。この粒 子形状が扁平ィヒして歪んだ状態のままタイヤ走行を開始すると、中空粒子は、球形 状の場合と比べて粒子同士の衝突やタイヤおよびリム内面との衝突により、破壊しや すくなる。すなわち、中空粒子が扁平ィ匕して歪んだ形状では、衝突による入力を均一 に分散させることができず、耐久性面で大きな不利をもたらすことになる。
[0079] 一方、扁平ィ匕して歪んだ中空粒子は、その中空部内の圧力とタイヤ気室の圧力と の差により体積減少した状態であるわけだが、一定期間にわたりタイヤ気室 (粒子周 囲の空隙部)の圧力を保ち続けることによって、中空粒子の中空部内の圧力、言い 換えれば該粒子内の独立気泡内の圧力を、タイヤ気室の圧力程度に高めることがで きる。すなわち、扁平ィ匕した中空粒子は変形させられているため、その殻の部分には 元の略球形状に戻ろうとする力が働いている。また、扁平化した中空粒子の中空部 内の圧力は、タイヤ気室の圧力よりも低いことから、その圧力差を解消するために、タ ィャ気室の気体の分子が榭脂による連続相の殻を通過して粒子の中空部内に浸透 する。さらに、中空粒子の中空部は独立気泡であり、その中の気体は発泡剤に起因 するガスで満たされているため、タイヤ気室 (粒子周囲の空隙部)の気体とは異なる 場合がある。この場合は、上述の単なる圧力差だけではなく気体の分圧差に従いな がら、その分圧差を解消するまでタイヤ気室内の高圧気体が粒子中空部内へ浸透し ていく。このように、タイヤ気室内の高圧気体は、時間と共に中空粒子の中空部内へ 浸透していくため、この中空部内に浸透した分だけ、タイヤ気室の圧力が低下するこ ととなる。よって、中空粒子の中空部内に浸透した分を補うために、高圧気体を充填 した上で所望の圧力をかけ続けることにより、所望の使用内圧に調整した、本発明の タイヤを早期に得ることができる。
[0080] かように、中空粒子の中空部内の圧力は、タイヤ気室 (粒子周囲の空隙部)の圧力 に近づきながら、一旦減少した粒子体積を回復していき、粒子形状は扁平化されて 歪んだ形状から元の略球形状へと回復して!/、く。この形状を回復して 、く過程の中で 、中空粒子中空部内の圧力がタイヤ気室の圧力に対して少なくとも 70%にまで増加 することにより、粒子形状は扁平化した状態から略球形へ回復することが出来、これ によって上述した粒子の耐久性を保証することが出来る。
[0081] 上記の手法によれば、中空粒子のまわりに高圧気体が介在することになり、通常走 行時に中空粒子が負担する荷重を無視できるほど軽減できるのはもちろんのこと、上 述の粒子体積を回復した中空粒子にぉ 、ては、粒子形状が略球形に回復するため 、タイヤ転動時の繰り返し変形に伴って粒子に加わる疲労や破壊も大幅に低減でき る結果、粒子の耐久性が損なわれることはない。中空粒子の耐久性が損われない範 囲は、タイヤ気室内の圧力が、装着する車両指定内圧等の所望する高圧下環境の なかで粒子が体積を回復しながら粒子中空部の圧力が増加する過程において、中 空粒子の中空部の圧力が所望のタイヤ気室内の圧力に対して少なくとも 70%である ことが好ましい。さらには、 80%以上、 90%以上、そして 100%以上と高く設定するこ とが推奨される。
[0082] ここで、中空粒子の中空部内の圧力を所望のタイヤ気室内の圧力に対して少なくと も 70%とするタイヤとリムとの組立体を得るには、中空粒子周囲の空隙気体の圧力を 、少なくとも装着する車両指定内圧等の所望するタイヤ気室内の圧力に対して 70% 以上まで高めた状態に保持し、この圧力をかけ続けたまま適切な時間を経過させれ ばよい。あるいは、中空粒子をタイヤとは別の圧力容器内に配置し、粒子周囲の空 隙圧力を少なくとも所望のタイヤ気室内の圧力に対して 70%以上まで高めた状態に 保持し、この圧力をかけ続けたまま該圧力容器内にて適切な時間保管したうえで、中 空粒子の中空部内の圧力が増加した状態の粒子をその周囲の雰囲気と共にタイヤ 気室内に配置することによつても、所望のタイヤとリムとの組立体を得ることができる。
[0083] なお、上述の適切な保持時間は、中空粒子の殻の部分、すなわち粒子の連続相に 対する空隙気体の透過性と、粒子中空部内の気体と空隙気体との分圧差とを考慮し て、設定すればよい。
[0084] 以上の機構と粒子の形状、体積の変化過程に則り、タイヤ気室 (粒子周囲の空隙部) に充填する気体の種類と圧力とを適宜に選択、そして調節することによって、中空粒 子の中空部内の圧力を所望の範囲に設定できる。
[0085] 以上述べてきたように、中空粒子の中空部内の圧力を所望のタイヤ気室内の圧力 に対して少なくとも 70%とした粒子を、タイヤ気室内に配置することにより、該タイヤ 気室の圧力が大気圧となった状態力 走行した時に、少なくとも該タイヤのサイド部
が接地しなくなるタイヤ気室圧力まで、該タイヤ気室の圧力を回復させることを実現 する必要がある。
以下に、そのタイヤ内圧の復活機構を説明する。
[0086] さて、上述した中空粒子群をタイヤ気室内に配置したタイヤとリムとの組立体にあつ ては、該タイヤが受傷すると、中空粒子 4相互間の空隙 10に存在するタイヤ気室内 の高圧気体がタイヤの外側に漏れ出る結果、タイヤ気室の圧力は大気圧と同程度の 圧力にまで低下する。そして、このタイヤ気室圧力低下の過程において、以下の事が タイヤ気室内で起こって 、る。
[0087] まず、タイヤが受傷しタイヤ気室の圧力が低下し始めると、中空粒子の多数が受傷 部を封止し、急激な気室圧力の低下を抑制する。その一方、気室圧力の低下に伴い タイヤの橈み量は増加し、タイヤ気室容積が減少する。さらに、気室圧力が低下する とタイヤが大きく橈み、タイヤ気室内に配置した中空粒子は、タイヤ内面とリム内面と の間に挟まれながら、圧縮とせん断の入力を受けることとなる。
[0088] 一方、上述の使用内圧下で存在していた中空粒子の中空部内の圧力(独立気泡 中の気泡内圧力)は、受傷後も上記使用内圧に準じた高い圧力を保ったまま、言い 換えれば、受傷前の粒子体積と中空部圧力を保持したままタイヤ気室内に存在する 事となる。よって、さらにタイヤが転動する事により、中空粒子そのものが直接的に荷 重を負担しつつ中空粒子同士が摩擦を引き起こし自己発熱するために、タイヤ気室 内の中空粒子の温度が急上昇する。そして、該温度が、中空粒子の殻部である連続 相を形成する榭脂の熱膨張開始温度 (該榭脂のガラス転移温度に相当する)を超え ると、該粒子の殻は軟ィ匕し始める。このとき、中空粒子の中空部内の圧力が使用内 圧に準じた高い圧力であるのに加え、中空粒子温度の急上昇によりさらに中空部内 圧力が上昇しているために、中空粒子が一気に体積膨張し粒子周囲の空隙気体を 圧縮する事になるため、タイヤ気室の圧力を少なくともタイヤのサイド部が接地しなく なるタイヤ気室圧力まで回復させる事ができるのである。
[0089] 上記の機構によって中空粒子の中空部内の圧力を大気圧以上の高い圧力に設定 すれば、内圧復活機能を発現させることができる。
[0090] すなわち、前述のサイド部が接地しないタイヤ内圧までタイヤ気室の圧力を復活さ
せるには、前述の中空部内の圧力が使用内圧の少なくとも 70%である中空粒子を、 5vol%以上 80vol%以下の充填率の下にタイヤ気室内に配置しておくことが肝要で ある。その理由を、以下に示す。
中空粒子の充填率が 5vol%未満であると、受傷部の封止は問題なく行えるが、該 中空粒子の絶対量が不足して 、るために、サイド部が接地しな 、圧力レベルまでの 充分な復活内圧を得る事が難しくなる。一方、中空粒子の充填率が 80vol%を超え ると、タイヤによっては常用時の高速走行での粒子摩擦による発熱のために、前述し た中空粒子の膨張開始温度を超えて膨張してしまい、本発明の主たる機能である内 圧復活機能が失われる可能性が有る。この常用時の高速走行での粒子の発熱に関 しては後述する。
[0091] また、前述した内圧復活機能を確実に発現させるためには、該内圧復活機能が発 現する前に、受傷部を確実に封止する事が肝要である。すなわち、受傷部の封止が 不完全であると、復活したはずの圧力が受傷部から漏洩してしまう結果、内圧復活機 能により得られた圧力がその後の走行能力に一時的にしか貢献できないために、受 傷後の走行性能を保証できなくなる恐れがある力 である。該中空粒子は、中空構 造による低比重かつ弾力性に富んだ粒子であるために、タイヤが受傷し受傷部から 中空粒子周囲の空隙気体が漏洩し始めると、空隙気体の漏洩による流れに乗って即 座に受傷部に密集し、受傷部の傷口を瞬時に封止する。以上述べたように、中空粒 子による受傷部の封止機能は、本発明の内圧復活機能を支える必須機能である。
[0092] 以上述べたように、本発明に従う粒子を充填したタイヤとリムとの組立体では、パン ク後の内圧低下に伴うタイヤ気室容積の減少とタイヤの橈み量の増大により、中空粒 子間の摩擦を引き起こすことで粒子の急激な温度上昇とともに粒子の膨張による内 圧復活を果たし、パンク後の安全走行を実現できる。
[0093] ところで、タイヤとリムとの組立体における中空粒子間の摩擦は、通常走行下にお いても、微小ではあるが発生している。しかし、走行速度が lOOkmZh以下の領域で は、発生した摩擦熱自体が小さぐ走行による外気への放熱によって、その収支が保 たれている。
[0094] しかしながら、 150kmZhを超える高速度領域において、さらには外気の温度環境
が著しく高い酷暑環境下においては、発生する摩擦熱が増加するわりに外気への放 熱が不足する状態となり、中空粒子の温度環境が著しく悪ィ匕することがある。こういつ た状況が長時間続くと、中空粒子の温度がその膨張開始温度を上回ることによって 該粒子が膨張してしまい、その結果、前述したパンク時の内圧復活機能を損失する ことがある。
[0095] 発明者らは、この問題を解決すべく鋭意検討したところ、タイヤ内に充填した中空 粒子群の高速走行下での粒子間摩擦発熱を抑制することを可能とする手段を見出 すに到った。
[0096] すなわち、タイヤは高速で回転することにより、速度に応じた遠心力を発生している 。タイヤの気室内に配置した中空粒子群も同様の遠心力を受けている。この遠心力 は、粒子の重量に比例かつ速度の 2乗に比例し、タイヤの半径に反比例する。さらに 、タイヤに荷重を負担させることにより一定の橈みを生じており、接地している領域は 、路面と平行な面の状態となっているため、この接地領域は曲率を持たずに、遠心力 がほぼゼロとなる。よって、荷重を負担しつつ回転するタイヤとリムとの組立体内にお ける中空粒子は、非接地領域では上述のように遠心力を受けつつ、その一方で接地 領域に入った瞬間に遠心力が抜けるといった『遠心力の繰り返し変動入力下』に置 かれるのである。
[0097] 従って、タイヤの気室内に配置する中空粒子群としては、粒子重量を極力抑えるこ とが好ましい。すなわち、中空粒子の平均真比重としては、出来るだけ小さいものを 選択することが好ましぐまたタイヤ気室容積に対する中空粒子の充填率は、前述の 『サイド部が接地しない圧力レベルまでの充分な内圧復活機能を発現する充填率』 の範囲の中で、出来るだけ少な ヽ充填率を選定する事が好ま ヽ。
中空粒子の充填率が 5vol%未満であると、タイヤによってはサイド部が接地しな ヽ 圧力レベルまでの充分な復活内圧を得る事が難しくなる。一方、中空粒子の充填率 力 S80vol%を超えると、タイヤによっては常用時の高速走行での粒子摩擦による発熱 のために、前述した中空粒子の膨張開始温度を超えて膨張してしまい、本発明の主 たる機能である内圧復活機能が失われる可能性が有るため好ましくない。よって、中 空粒子充填率の好ましい範囲は、 5vol%以上 80vol%以下であり、さらには、 70vol
%以下、 60vol%以下、そして 50vol%以下である。
[0098] また、中空粒子の平均真比重は、 0. 01〜0. 06gZccの範囲が好ましい。すなわ ち、 0. OlgZcc未満であると、常用走行下での中空粒子の耐久性が低下し、常用使 用中に前述の『内圧復活機能』が失われる事がある。一方、 0. 06gZccを超えると、 前述の常用高速走行における遠心力変動入力が大きくなつて、発熱量が大きくなる ため好ましくない。
[0099] ここで、タイヤ気室内に配置する中空粒子群は真比重に分布を持っており、中空粒 子一粒一粒が同一の真比重値を持つわけではない。その理由として、加熱膨張時の 熱履歴の不均一性と、発泡剤に起因する膨張気体の保持性とが挙げられる。中空粒 子の原料である『膨張性榭脂粒子』一粒一粒が加熱により膨張して中空粒子となる 過程において、加熱時の熱履歴が不均一であると、十分に熱履歴を受け膨張した中 空粒子と、受けた熱履歴が少な 、ために膨張を途中で停止してしまった中空粒子が 共存することになる。また、『膨張性榭脂粒子』において、粒径の小さいものは相対的 に粒子の殻 (発泡剤を包んで 、る表皮を指す)である連続相の厚さも薄く、粒径の大 きいものは殻の厚さも厚い。加熱時の熱履歴が同等であったとしても、加熱により発 生した膨張気体の中空粒子内での保持性は、殻の絶対厚さに依存する。よって、膨 張前の粒径が小さ!/ヽ『膨張性榭脂粒子』は、殻が薄!ヽために膨張気体の保持性が低 く膨張率の低い中空粒子となり、真比重が大きい。その逆に粒径が大きい『膨張性榭 脂粒子』は、殻が厚いために膨張気体の保持性が高く膨張率の高い中空粒子となり 、より大きい粒径まで成長できるために、真比重が小さくなる。すなわち、一般的に、 マイクロカプセル等の膨張性組成物の膨張によって得られる中空粒子は、膨張後の 状態にお 、て粒径に分布を持っており、その中で粒径の小さい中空粒子であるほど 真比重が大きぐ粒径が大きい中空粒子であるほど真比重が小さいという、関係にあ る。
[0100] よって、十分に膨張した中空粒子は真比重が小さぐその逆に膨張を途中で停止し た中空粒子は真比重が大きい成分となる。このような真比重分布を持った粒子群をタ ィャ気内に配置した場合、通常内圧の走行下では速度に応じた遠心力を受けること となる。このとき、真比重の大きい粒子は、真比重の小さい粒子に比して、タイヤ気室
内でより大きい遠心力を受ける。よって、タイヤとリムとの組立体内のホイール内面側 近傍には、真比重の小さい粒子群が存在し、回転中心力 離れるに従って、徐々に 真比重の大きい中空粒子群が存在することとなる。そして、トレッド下のインナーラィ ナ一面側には、もっとも真比重の大きい粒子群が存在することとなり、粒子群はホイ ール内面側からトレッド下のインナーライナ一面側に向かって(タイヤ回転半径方向 外側に向力つて)真比重的に傾斜を持つに到る。
[0101] ここで、タイヤが前述の『繰り返し変動入力下』に置かれているなかで、真比重の小 さい中空粒子群に対して真比重の大きい中空粒子群は、接地領域での変動入力下 で大きな慣性力を発生する。よって大きな真比重を有する中空粒子群は、共存する" より小さい真比重を有する中空粒子群"を搔き分けるように動き回るため、小真比重 粒子と大真比重粒子との相対的な慣性力の差に起因する運動エネルギーの差が、 余分な粒子間摩擦熱を発生させる結果、粒子全体の発熱性を悪化させることとなる。 すなわち、中空粒子の発熱要因は、大真比重粒子群の小真比重粒子に対する相対 的な慣性力差とその運動による摩擦発熱とにあるのである。
[0102] 従って、その摩擦発熱抑制のために、第 1に、上述の相対的な慣性力差を小さくす る手段として、中空粒子の持つ真比重分布幅を狭くすることがあげられる。例えば、 ある平均真比重を持つ中空粒子に対し、大真比重側 (小粒径側)と小真比重側 (大 粒径側)力も同体積率だけ除去することで、平均真比重は変わらずとも真比重分布 幅を狭くすることができるため、上述の相対的な慣性力の差を抑制することが可能と なり、中空粒子群全体の発熱を抑制することができる。
[0103] 第 2に、発熱源である大比重粒子群 (小粒径側)だけを直接除去することで真比重 分布を狭くしながら、平均真比重をも小さくすることで、相対的な慣性力の差だけで はなぐ慣性力のレベル自体を抑制することにより、さらに中空粒子群全体の発熱を 抑帘 Uすることができる。
[0104] ここに、中空粒子の平均粒径について、好ましい範囲は 40 μ m力ら 200 μ mの範 囲である。該中空粒子の平均粒径が 40 mを下回ると、前述の真比重分布が広がり 大真比重粒子群の小真比重粒子群に対する相対的な慣性力差とその運動による摩 擦発熱により発熱性が悪化するため、好ましくない。一方、該中空粒子の平均粒径
力 S 200 mを上回ると、常用走行下での粒子同士が衝突している状況や、ノンクによ りタイヤ気室の圧力が大気圧となったときの走行にて中空粒子群が直接的に荷重を 支える状況において、大粒径側の粒子力 選択的に破壊してしまい、所望するパン ク後の走行性能を得られなくなる不利が生ずるおそれがあるため好ましくない。
[0105] 以上のように、上記した上限値および下限値に従う充填率の下に中空粒子を配置 することにより、内圧復活機能を確実に発現させることができ、これをもって、タイヤ受 傷後の一定距離を安全に走行することが達成される。
[0106] 前述のように、常用時の高速度走行や酷暑環境下にて懸念される中空粒子の発熱 の問題に対しては、粒子重量、中空粒子の平均真比重および中空粒子の真比重分 布幅に着眼した改良手段を挙げた。これらの手段により一定の効果を得ることが出来 たが、近年の車両の高性能化や高速ィ匕の実態を鑑みたとき、中空粒子の更なる耐熱 耐久性が求められている。
そこで、発明者らは中空粒子の発熱の実態について鋭意検討し、中空粒子の更な る耐熱耐久性の向上を達成した。さて、中空粒子はその原料である『膨張性榭脂粒 子』を加熱膨張することにより得られ、この膨張性榭脂粒子には膨張開始温度 Tslが 存在する。更に、加熱膨張によって得られた中空粒子を再度加熱すると、中空粒子 は更なる膨張を開始し、ここに中空粒子の膨張開始温度 Ts2が存在する。発明者ら は、これまで多くの膨張性榭脂粒子カゝら中空粒子を製造し検討を重ねてきた結果、 T siを耐熱耐久性の指標としてきた力 耐熱耐久性の指標としては Ts2が適切である ことを見出すに到った。
[0107] まず、膨張性榭脂粒子を加熱膨張させる場合における膨張挙動を観察した。膨張 性榭脂粒子は膨張する前の段階にあるため、中空粒子の状態に比して粒径が極端 に小さぐ榭脂製の殻部の厚さが極端に厚い。よって、マイクロカプセルとしての剛性 が高い状態にある。したがって、加熱膨張の過程で榭脂製の殻部の連続相がガラス 転移点を越えても、更なる加熱により殻部がある程度柔ら力べなるまでは、内部ガスの 拡張力が殻部の剛性にうち勝つことが出来ない。よって、 Tslは実際の殻部のガラス 点移転よりも高い値を示す。
一方で、中空粒子を再度加熱膨張させる場合では、中空粒子の殻部の厚さが極端
に薄ぐ中空体としての剛性が低い状態にある。したがって、加熱膨張の過程で殻部 の連続相がガラス転移点を越えると同時に膨張を開始するため、 Ts2は Tslより低い 位置づけとなる。
[0108] 本発明では、膨張性榭脂粒子の膨張特性を活用するのではなぐいったん膨張さ せた中空粒子の更なる膨張特性を活用するものであるため、耐熱耐久性を議論する には、従来の Tslではなく Ts2を指標とすべきである。
また、中空粒子の Ts2が 90°C以上 200°C以下であることが肝要である。なぜなら、 中空粒子の Ts2が 90°C未満では、選択したタイヤサイズによっては、そのタイヤの保 証速度に到達する以前に、中空粒子が再膨張を開始する場合があるからである。 一方 200°Cを超えると、パンク受傷後のランフラット走行において、中空粒子の摩擦 発熱に起因する急激な温度上昇が起こっても、膨張開始温度 Ts2に達することが出 来ない場合があり、よって目的とする『内圧復活機能』を十分に発現させることが出来 なくなる場合がある。
[0109] よって、 Ts2の範囲は 90°C以上 200°C以下であり、好ましくは 130°C以上、更に好 ましくは 150°C以上であり、もっとも好ましくは 160°C以上の範囲である。
[0110] 以上のように、上記した上限値および下限値に従う膨張開始温度 Ts2を有する中 空粒子を配置することにより、内圧復活機能を確実に発現させることはもとより、高速 度走行での耐熱耐久性を向上させる事によって、常用走行時の『内圧復活機能保持 』が達成される。
[0111] 次に、中空粒子の中空部 (独立気泡)を構成する気体としては、窒素、空気、炭素 数 2から 8の直鎖状及び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルォロ化物、炭素数 2から 8の脂環式炭化水素およびそのフルォロ化物、そして次の一般式 (III):
R' -O-R2—— (III)
(式中の R1および R2は、それぞれ独立に炭素数が 1から 5の一価の炭化水素基であ り、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表される エーテル化合物、力もなる群の中から選ばれた少なくとも 1種が挙げられる。また、タ ィャ気室内に充填する気体は空気でも良いが、上記粒子中の気体力 Sフルォロ化物 でない場合には、安全性の面力も酸素を含まない気体、たとえば窒素や不活性ガス
等が好ましい。
[0112] 尚、独立気泡を有する中空粒子を得る方法は特に限定されないが、発泡剤を用い て『膨張性榭脂粒子』を得、これを加熱膨張させる方法が一般的である。この発泡剤 としては、高圧圧縮ガス及び液化ガスなどの蒸気圧を活用する手法、熱分解によつ て気体を発生する熱分解性発泡剤を活用する手法などを挙げることができる。特に、 熱分解性発泡剤には窒素を発生させる特徴のあるものが多ぐこれらによる発泡によ つて得られる膨張性榭脂粒子の反応を適宜制御することによって得た粒子は気泡内 に主に窒素を有するものとなる。この熱分解性発泡剤としては特に限定されないがジ ニトロソペンタメチレンテトラミン、ァゾジカルボンアミド、パラトルエンスルフォ二ルヒド ラジンおよびその誘導体、そしてォキシビスベンゼンスルフォ-ルヒドラジンを好適に 挙げることができる。
[0113] 以下に高圧圧縮ガス及び液ィ匕ガスなどの蒸気圧を活用して中空粒子となる『膨張 性榭脂粒子』を得る手法を説明する。
粒子を形成する前記榭脂による連続相を重合する際、炭素数 2から 8の直鎖状及 び分岐状の脂肪族炭化水素およびそのフルォロ化物、炭素数 2から 8の脂環式炭化 水素およびそのフルォロ化物、そして次の一般式(III):
R'-O-R2—— (III)
(式中の R1および R2は、それぞれ独立に炭素数が 1から 5の一価の炭化水素基で あり、該炭化水素基の水素原子の一部をフッ素原子に置き換えても良い)にて表され るエーテルィ匕合物、力 なる群の中から選ばれた少なくとも 1種を発泡剤として高圧 下で液化させ、反応溶媒中に分散させつつ、乳化重合させる手法である。これにより 上記に示されるガス成分を液体状態の発泡剤として前述の榭脂連続相にて封じ込め た『膨張性榭脂粒子』を得ることができ、これを加熱膨張させる事によって、所望の中 空粒子を得る事が出来る。
[0114] また、前記『膨張性榭脂粒子』の表面に、シリカ粒子等のアンチブロッキング剤、力 一ボンブラック微粉、帯電防止剤、界面活性剤、油剤等をコーティングした上で加熱 膨張させることにより、目的の中空粒子を得ることができる。
[0115] また、前記『膨張性榭脂粒子』の表面に、シリカ粒子等のアンチブロッキング剤、力
一ボンブラック微粉、帯電防止剤、界面活性剤、油剤等をコーティングした上で加熱 膨張させることにより、 目的の中空粒子を得ることができる。
[0116] また、受傷によりタイヤ気室圧力が低下した状態において、該中空粒子によって必 要最低限の内圧を付与するには、粒子の中空部内に所定圧力で封入された気体が 、粒子外部へ漏れ出ないこと、換言すると、中空粒子の殻の部分に相当する榭脂に よる連続相が気体を透過し難い性質を有することが肝要である。すなわち、連続相を 構成する榭脂はガス透過性の低い材質によること、具体的には、アクリロニトリル系共 重合体、アクリル系共重合体、塩化ビ-リデン系共重合体、ポリビュルアルコール榭 脂、アクリロニトリル Zスチレン榭脂 (AS)、ポリエチレン榭脂(PE)、ポリプロピレン榭 脂(PP)、ポリエステル榭脂(PET)およびポリスチレン Zポリエチレン共重合体 (PS ZPE)のいずれ力少なくとも 1種力も成ることが肝要である。これらの材料は、タイヤ 変形による入力に対して中空粒子としての柔軟性を有するため、本発明に特に有効 である。
[0117] とりわけ、中空粒子の連続相には、アクリロニトリル系重合体、アクリル系重合体およ び塩ィ匕ビユリデン系重合体、ポリビニルアルコール榭脂の 、ずれかを適用することが 好ましい。さらに、アクリロニトリル系重合体としては、アクリロニトリル重合体、アタリ口 二トリル Zメタアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル Zメチルメタタリレート共重合 体、アクリロニトリル Zメタアクリロニトリル Zメチルメタタリレート 3元共重合体およびァ クリロ-トリル Zメタアクリロニトリル Zメタクリル酸 3元共重合体力 選ばれた少なくとも 1種、アクリル系重合体としては、メチルメタタリレート榭脂(MMA)、メチルメタクリレ ート Zアクリロニトリル共重合体(MMAZ AN)、メチルメタタリレート Zメタアタリ口-ト リル共重合体(MMAZMAN)およびメチルメタタリレート Zアクリロニトリル Zメタァク リロ-トリル 3元共重合体(MMAZANZMAN)から選ばれた少なくとも 1種、そして 塩ィ匕ビユリデン系重合体としては、塩ィ匕ビユリデン Zアクリロニトリル共重合体、塩ィ匕 ビ-リデン zメチルメタタリレート共重合体、塩ィ匕ビユリデン zメタアクリロニトリル共重 合体、塩ィ匕ビユリデン Zアクリロニトリル Zメタアクリロニトリル共重合体、塩ィ匕ビ -リデ ン zアクリロニトリル Zメチルメタタリレート共重合体、塩ィ匕ビユリデン Zメタアタリ口-ト リル Zメチルメタタリレート共重合体、塩ィ匕ビユリデン Zアクリロニトリル Zメタアタリ口-
トリル Zメチルメタタリレート共重合体カゝら選ばれた少なくとも l種がそれぞれ有利に 適合する。これらの材料は、いずれもガス透過係数が小さくて気体が透過し難いため に、中空粒子の中空部内の気体が外部に漏れ難ぐ中空部内の圧力を保持すること ができる。
[0118] 中でも、重合体を構成するモノマー力 アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、メチル メタタリレート、メタクリル酸、塩化ビ-リデンから選択される重合体であり、好ましくは アクリロニトリル Zメタアクリロニトリル Zメチルメタタリレート 3元共重合体、アタリ口-ト リル Zメタアクリロニトリル Zメタクリル酸 3元共重合体力 選ばれた少なくとも 1種が推 奨される。
[0119] さらに、中空粒子の連続相は、 30°Cにおけるガス透過係数が 300X 10— 12(cc'cm /cm 's'cmHg)以下、好ましくは 30°Cにおけるガス透過係数が 20X 10— 12(cc'c m/cm2's'cmHg)以下、さらに好ましくは 30°Cにおけるガス透過係数が 2 X 10— 12 ( cc'cmZcm2's'cmHg)以下であることが推奨される。なぜなら、通常の空気入りタ ィャにおけるインナーライナ一層のガス透過係数は 300 X 10— 12 (cc · cm/cm2 · s · c mHg)以下のレベルにあって十分な内圧保持機能を有している実績を鑑み、粒子の 連続相についても、 30°Cにおけるガス透過係数を 300X10— 12(cc'cmZcm2 -s-c mHg)以下とした。ただし、このガス透過係数のレベルでは、 3〜6力月に 1度程度の 内圧補充が必要であるから、そのメンテナンス性の点力もも、 20X10— 12 (cc-cm/c m2 's'cmHg)以下、さらに好ましくは 2X 10— 12(cc'cm/cm2's'cmHg)以下とする ことが推奨される。
[0120] ここで、本発明に従ってタイヤ気室に中空粒子を配置するに当り、タイヤが損傷した 際のタイヤ受傷部の封止機能を高めるために、平均嵩比重が該中空粒子の平均真 比重よりも大きい発泡体の多数を該中空粒子群に混在させる手段が有効である。具 体的には、直径が 1〜 15mmの略球体形状または一辺が 1〜 15mmの立方体形状 であり独立または連通気泡を有し、平均嵩比重が 0.06〜0. 3gZccでありかつ粒子 の平均真比重よりも大きいかさ比重値である発泡体の多数を加えることにより、該内 圧復活機能の発現期間を延ばし、タイヤ受傷後の走行能力を増大させることが可能 である。
[0121] すなわち、中空粒子は略球形状であるために流動性が高ぐよってタイヤバルブ等 の内径の小さい導入ロカもタイヤ気室内部に、容易に配置することができる。その一 方、タイヤが受傷したとき、該受傷部力もタイヤの外側へ中空粒子がタイヤ気室の高 圧気体と共に吹き出ようとして受傷部内面に集まることになる。しかしながら、受傷部 内面力もタイヤ外周面までの受傷経路は直線ではなく複雑に入り組んだ形状を呈す るため、タイヤ内面傷口力も入り込んだ該粒子は、該経路の途上行く手を阻まれる結 果、多数の中空粒子が受傷部内面に圧縮状態で集合することになり、受傷部が暫定 的に封止される。ここで、暫定的に封止とは、中空粒子そのものの漏洩はないが、該 粒子周囲の空隙気体が徐々に漏洩する状態を指す。
[0122] その際、受傷部の傷の形や大きさによっては、粒子のみによる暫定的封止が不完 全な場合がある。このような場合において、上述した発泡体の多数をカ卩えておくこと により、次のように封止のレベルを向上させることができる。
[0123] すなわち、転動中のタイヤ気室内においては、速度に応じた遠心力が発生しており 、その遠心力下において嵩比重の大きい該発泡体はタイヤのインナーライナ一側へ 、そして真比重の小さい該中空粒子は該発泡体よりは回転中心に近い側へ夫々偏 在する。この状態においては、もし該粒子のみでは封止できない程の大きさの傷を受 けたとしても、タイヤ内面のインナーライナ一面近傍に、該発泡体が多数偏在してい るため、該発泡体がタイヤ外部へ吹き出ようとして、受傷部の傷口内面にいち早く密 着することによって受傷部を封止する事となり、極めて有効である。
[0124] 特に、該発泡体が連通気泡を持つ熱可塑性ウレタンによる発泡体の場合、圧縮性 が高ぐ傷口の形状に密着しやすい事と、結果的に大きな傷口を該発泡体により極 めて複雑かつ微細化できる事によって、その複雑'微細化された気体の散逸流路を 該中空粒子にて封止するに最も適した様態へ変化させることが出来るため、大変有 効な手段となる。
[0125] ちなみに、本発明のタイヤとリムとの組立体では、さらにアンチロックブレーキシステ ムの車輪速度センサーによる車輪速度検知に基づくタイヤ気室圧力低下警報機能 および、圧力センサーによるタイヤ気室圧力の直接測定方式に基づくタイヤ気室圧 力低下警報機能のいずれか一方または両方をそなえることが好ましい。なお、図 2に
、この種センサー 9Aのタイヤへの装着構造の一例を示す。
すなわち、本発明ではパンクによりタイヤ気室内の圧力が低下したまま走行すると、 前述の機構により内圧が復活するため、状況によっては運転者カ^イヤ受傷に気が 付かない場合がある。し力しタイヤ自身はパンクにより受傷しているため、そのまま走 行を続けるとタイヤが故障してしまう恐れがあり大変危険である。よって、上述のタイ ャ内圧低下警報機能を併用する事が好ましい。
[0126] さらに、中空粒子および気体の充填に併用するタイヤ用ノ レブを有することが好ま しい。このタイヤ用バルブは、中空粒子をタイヤ気室内に堰止め、かつ気体のみをタ ィャ気室外に通過可能としたフィルターを備えることを特徴とするものである。かような タイヤ用バルブを取り付けることによって、本発明によるパンクしたタイヤを修理する 際、 1つのバルブのみにて中空粒子をタイヤ気室内に配置する事が可能となるため、 1つのバルブ穴し力持たない汎用リムをそのまま使用することが出来る。加えて、修理 後の走行におけるタイヤ気室圧力の自然低下に対し、『気体補充作業における中空 粒子の漏洩』を防ぐ事が出来、簡便にタイヤ気室圧力をメンテナンスする事を実現で きる。
力ようなタイヤ用バルブとしては、図 3に例示するように、リム 2のバルブ取付口 14に 装着した給排気ノ レブ 9について、たとえば不織布とすることができるフィルタ 13を 具える構造のものとする。
[0127] ところで、中空粒子をタイヤ気室内に配置するに当り、例えば特開 2003— 30600 6号公報に記載したように、該中空粒子周囲に付着防止剤を配置することが好ましい 。この付着防止剤は、パンク後の中空粒子による内圧復活機能の発現後において、 発熱により膨張した中空粒子同士が融着し融着体を形成することを防ぐことを目的と して、中空粒子表面を改質するためのものである。
[0128] この付着防止剤は、中空粒子表面上に主に物理的吸着力または摩擦力をもって 付着しているため、中空粒子表面上の分布が不均一になり易い。また上記物理的吸 着力または摩擦力による付着のために、中空粒子表面から付着防止剤が剥離するこ ともあり、融着防止効果が十分に得られない場合がある。特に、転動中のタイヤの内 部では、大きな遠心力変動入力が発生しているため、付着防止剤を添加することで
は、中空粒子と付着防止剤との大きな比重差によって、タイヤ内にて両者が分離する 結果、所期した効果が得られない場合がある。
[0129] また、車輛指定内圧での常用高速走行においては、上述の遠心力変動入力に伴 つて中空粒子同士が衝突を繰り返すことから、この入力に対する耐久性を向上するこ と力 タイヤ気室内に中空粒子を配置したタイヤとリムとの組立体における重要な課 題である。そのためには、中空粒子表面を改質することが望まれている力 上述の理 由力 上記付着防止剤による粒子同士の摩擦低減効果は充分ではなぐこの付着 防止剤による中空粒子表面の改質を期待するのは難しぐ常用走行下での中空粒 子耐久性の面力 の改善も必要になる。
[0130] ここに、タイヤ気室内に中空粒子を充填したタイヤとリムとの組立体において、中空 粒子の表面改質並びに中空粒子同士の融着防止を目的として、中空粒子の表面に 被覆剤を適用するに際しては、該被覆剤の中空粒子表面での均一分布および同表 面に対する強固な付着を実現する必要がある。
そのためには、上記した課題解決手段(36)ないし (41)に記載した中空粒子を用
V、て同手段(26)な 、し (34)に記載のタイヤとリムとの組立体とすることが好ま 、。
[0131] すなわち、近年の車両の高性能化や高速ィ匕の実態を鑑みたとき、タイヤ気室内に 配置した中空粒子が所期した機能を発揮することが肝要であり、そのためには、中空 粒子の耐久性をさらに向上することが求められている。
そこで、発明者らは中空粒子の耐久性、具体的には耐熱性に関して、中空粒子の 発熱の実態にっ 、て鋭意検討し、中空粒子の更なる耐久性 (耐熱性)の向上を達成 した。
まず、中空粒子はその原料である膨張性榭脂粒子には膨張開始温度 Tslが存在 し、この加熱膨張によって得られた中空粒子を室温から再度加熱すると、中空粒子 は更なる膨張を開始し、ここに中空粒子の膨張開始温度 Ts2が存在し、耐熱性の指 標としては Ts2が適切であることは上述の通りである。
[0132] 更に、中空粒子の殻部自体の耐熱性に加えて、中空粒子間衝突に起因する中空 粒子の破壊に対する耐久性を向上する手段に関しても、鋭意検討した。その結果、 中空粒子の表面を被覆剤で覆って中空粒子の表面を改質するのが肝要であることを
見出した。
すなわち、中空粒子の表面に熱を介して被覆剤を定着させることによって、常用走 行時の遠心力変動入力に起因した中空粒子同士の衝突における衝撃および摩擦 発熱を緩和できることを知見した。
[0133] ここで、被覆剤には、常温にて微粒子であり、中空粒子の原料である膨張性榭脂粒 子の表面に衝突させることによって固着させることができるものを用いる。被覆剤は、 例えばサイクロンやジェットミルなどの高速気流の中に、膨張性榭脂粒子とともに混 入して両者を衝突させることによって、被覆剤を表面に固着させた膨張性榭脂粒子 を得ることができる。次いで、この膨張性榭脂粒子を Tsl以上の温度に加熱して膨張 させれば、熱を介して被覆剤を定着させた所望の中空粒子を得ることができる。
[0134] かように、被覆剤を表面に固着させた膨張性榭脂粒子を加熱膨張させれば、その 過程において膨張性榭脂粒子の殻部榭脂が溶融するため、被覆剤は中空粒子の表 面に結合される結果、強固な定着が可能となる。
[0135] 本発明で所期する中空粒子の表面に対する被覆剤の強固な定着とは、具体的に 言うと、使用した被覆剤量に対する中空粒子表面での定着量である『定着率』にて表 現する事ができる。
以下に、上記定着率の測定方法を示す。まず、選択された溶媒内に被覆剤による 表面被覆を施した中空粒子を、下記に従って処理したときに得られる『沈殿物量』を 求める事が肝要である。
記
分液ロート内に、 n キサン、イソプロピルアルコール、エタノールおよびメタノー ルカも選ばれた少なくとも 1種の溶媒 300ccと、 2 3gの範囲で秤量した被覆剤を有 する中空粒子とを添加し、常温下で 1分間攪拌した後 10分間静置し、沈殿物をロート 力も排出そして採取した後、再度上記溶媒を追加し分液ロート内溶媒を 300ccに調 整した上で、上記攪拌、静置および排出そして採取を、さらに 4回繰り返し、合計 5回 分の沈殿成分を、定法により溶媒を除去後に沈殿物量として秤量し、元の中空粒子 量に対する質量百分率を算出して『沈殿物量』とする。
[0136] 次いで、上記沈殿物量、さらに実際に被覆のために使用した被覆剤量から、次式
に従って『定着率』を求めることができる。
定着率 ={ (使用被覆剤量) (沈殿物量) }Z (使用被覆剤量) X loo
ここに、上記に従って求められる定着率が 90mass%以上であることが好ましい。す なわち、上記『沈殿物量』は、遊離状態の被覆剤成分量を指し、言い換えれば中空 粒子表面に定着できなかった被覆剤の量を意味する。
そして、この沈殿物量が使用被覆剤量の 90maSS%未満では、遊離状態の被覆剤 粒子が中空粒子に比して高比重であるがゆえに、タイヤ内の遠心力変動入力に対 する中空粒子の発熱を悪ィ匕させるため好ましくない。より好ましい定着率の範囲は、 9 5mass%以上、そして 99mass%以上である。
[0137] ここで、中空粒子の表面に熱を介して被覆剤を定着させるに当り、中空粒子の全表 面を被覆剤で覆うことが特に表面改質の観点からは有利であるが、中空粒子の表面 に部分的に定着させても有効である。その場合は、上記の定着率の下で被覆剤が中 空粒子の表面に均一に分散していることが好ましい。そのためには、例えば、中空粒 子の原料である熱膨張性粒子の状態で、ジェットミルやサイクロンに代表される高速 気流下にて熱膨張性粒子と被覆剤とを混合すると、両者が高速度で衝突すること〖こ より、熱膨張性榭脂粒子表面に被覆剤を均一に付着させる事ができる。これをもって 所望の温度環境下にて熱膨張性榭脂粒子を加熱膨張させれば、該被覆剤が均一に 分散定着した中空粒子を得る事ができる。
[0138] また、被覆剤の使用量は、中空粒子量の 3〜20mass%の範囲が好ましぐ更に好 ましくは 3〜: LOmass%の範囲である。なぜなら、被覆剤の使用量が中空粒子量の 3 masS%未満では、被覆剤を用いた上述の効果が得られ難ぐ一方 20maSS%を超え ると、中空粒子表面の被覆に対して余剰となった被覆剤の微粒子が、中空粒子表面 に付着することによる過剰な比重増や、前述同様に遊離状態の余剰な被覆剤粒子 1S 中空粒子に比して高比重であるがゆえのタイヤ内遠心力変動入力に対する中空 粒子の発熱悪化を誘発するため好ましくな ヽ。
[0139] ここに、被覆剤としては、有機酸金属塩、とりわけ炭素数が 14以上の金属酸塩が好 ましぐ具体的にはステアリン酸リチウムおよびステアリン酸マグネシウムが好適に用 いられる。すなわち、ステアリン酸リチウムゃステアリン酸マグネシウムなどの有機酸
金属塩は、固体潤滑剤として代表的な化合物であり、該被覆剤の融点以下の温度範 囲にお 1ヽて、良好な摩擦係数低減効果を得る事ができる。
[0140] また、力べして得られた中空粒子をタイヤ気室内に配置するに際し、被覆剤の融点 Tmが中空粒子の膨張開始温度 Ts2より低いと、以下の不具合が発生する恐れがあ る。すなわち、被覆剤の融点 Tmが Ts2より低いと、常用走行中に、中空粒子が膨張 開始温度 Ts2に達していないにもかかわらず、被覆剤の一部が Tmに達することによ つて溶融してしまい、中空粒子の流動性が低下したり、中空粒子同士の融着を引き 起こすことになる。すると、本来中空粒子の持つ Ts2に基づいていた発熱限界速度 が大幅に引き下げられてしまうことになり、上記した内圧復活機能を発揮する上での 障害となるため好ましくない。従って、被覆剤の融点は少なくとも Ts2以上であること が肝要である。
[0141] 更に、被覆剤の融点 Tmが Tsl以上であり且つ前記膨張性榭脂粒子の膨張過程で の加熱温度が Tmより高 ヽ場合には、膨張性榭脂粒子の殻部榭脂の溶融と共に被 覆剤の溶融が起こるため、両者間のより密接かつ強固な定着が可能となり、被覆剤 による中空粒子表面の部分的または全面的な被覆が可能となる。これを満たすには 、被覆剤の融点 Tmの上限力Tsl + 150°C以下の範囲が好ましい。被覆剤の融点 T m力Tsl + 150°Cを超えると、被覆剤を溶融させつつ膨張させるためには更に高い 温度まで加熱する必要があり、この場合には膨張の程度を調整することが難しくなり、 所望の粒径や比重の中空粒子が得られなくなる、おそれがあるため好ましくない。
[0142] [実施例 1]
図 1に示した一般的構造を満たす表 1および表 2に示すサイズのタイヤに、表 1およ び表 2に示すサイズのリムを組み込み、乗用車用タイヤとリムとの組立体を準備した。 次に、タイヤサイズ毎に対象となる車両を選定し 4名乗車相当の荷重を搭載した上で 、高圧の空気を充填しタイヤ気室の圧力を 200kPaに調整した。それぞれのタイヤと リムとの組立体を前軸左側に装着した。ここで、荷重が負荷された状態を保ちながら タイヤ気室圧力を徐々に抜いていき、タイヤのサイド部が路面に接地するタイヤ気室 圧力値をもとめた。
[0143] 次に、荷重が負荷されて 、な 、状態下で各タイヤの気室圧力を使用内圧である 20
OkPaに調整し、気室内の高圧空気を排出させることで気体の排出量を求め、各タイ ャの気室容積を算出した。その算出結果を、表 1および表 2に示した。
ここで、タイヤとリムによる組立体の気室容積の測定は、以下に示す手順によって行 つ 7こ。
〔タイヤ気室容積の測定方法〕
手順 1:タイヤとリムの組立体に荷重が力からない状態を保持したまま、常温の空気 を充填し、所定内圧 (使用内圧) Pに調整する。このとき、 P下における目的のタイヤ
2 2
気室容積を Vとする。
2
手順 2 :タイヤバルブを開放し、タイヤ気室内の空気を大気圧 Pに放出させつつ積
1
算流量計に流し、充填空気排出量 Vを測定する。なお積算流量計には、 品川精機 (株)製 DC DRYガスメーター DC— 2C、
インテリジェントカウンター SSF を用いた。
以上の各測定値を用いて、
タイヤ気室容積値 = (充填空気排出量) / (使用内圧 Z大気圧)― (Π) に従って、使用内圧 P時のタイヤ気室容積 Vを求めることができる。
2 2
なお、式 (II)において使用内圧はゲージ圧値 (kPa)を、大気圧値は気圧計による絶 対値 (kPa)を用いた。
また、表 1および表 2に示したタイヤ気室に配置した中空粒子の中空部内の圧力は 、次のように測定した。
〔中空部内の圧力レベル確認方法〕
タイヤ気室内に中空粒子を配置し所望の使用内圧 Pに一定期間保った、 目的のタ
2
ィャを準備する。バルブにはフィルターを配置することで、ノ レブを開放した時、中空 粒子がタイヤ気室内に留まり、高圧の気体だけが排出される状態を得られる。次に、 ー且タイヤ気室の圧力を大気圧とし、再度気体を充填したうえで Pの 50%に相当す
2
る圧力 P に調整し、タイヤバルブを開放してタイヤ気室内の空気を大気圧 Pに放
50% 1 出させつつ積算流量計に流し、空気排出量 V を測定する。そして、次式
50%
P 下における粒子周囲空隙容積値 V(cm3) =
50%
〔空気排出量値 V (cm3)〕 /〔内圧値 P (kPa) /大気圧 P (kPa ) ]
により、圧力 P における粒子周囲空隙容積値 Vを求める。同様に、 P P P
50% 30%、 70%、 80
P 等の各圧力水準における粒子周囲空隙容積を算出する。もし、中空部内圧
%、 90%
力がタイヤ気室内の圧力に満たない場合は、中空粒子体積が減少するためその分 粒子周囲空隙容積が増カロした状態となる。よって、充分に低い圧力水準から上記測 定を開始し、粒子周囲空隙容積が増力 tlし始めた水準の圧力をもって、中空粒子の中 空部内の圧力レベルとした。
[0145] さらに、上記のタイヤとリムとの組立体のタイヤ気室に、種々の仕様の中空粒子を表 1および表 2に示すように適用し、表 1および表 2に示すタイヤおよびリムとの組立体 を得た。ここで、タイヤ 1は、当該タイヤ種およびサイズの一般的構造に従うものであ る。
[0146] なお、表 1および表 2における、粒子の連続相を構成する組成物の種類は表 3に示 すとおりである。この表 3に示す膨張性榭脂粒子を加熱して発泡させることによって中 空粒子とし、得られた粒子群の平均粒径、平均真比重を測定した結果は表 4に示し た。表 4に示した中空粒子を表 1および表 2に示す充填率の下で、各タイヤ気室に配 し 7こ。
[0147] なお、中空粒子の平均真比重の計測法は、次に示す通りである。
[平均真比重の計測法]
粒子の平均真比重値は、イソプロパノールを用いた、常法である液置換法 (アルキ メデス法)により測定するのが一般的であり、本発明においても、この常法に従うことと した。
[0148] また、中空粒子の平均粒径および粒径分布の計測法は、次に示す通りである。
機器: Sympatec Gmbh 社製 レーザ回折式粒度分布測定装置
HELOS &RODOSシステム
測定条件: 2S— lOOms/DRY
分散圧: 2. OObar、送り: 50. 00%、回転: 60. 00%
形状係数: 1. 00
上記の条件にて測定し、以下の測定値を採用する。
すなわち、体積基準平均粒径を、本発明の平均粒径値 (D50値)とする。
[0149] さらに、各中空粒子が持つ膨張開始温度 Ts2の測定法は、以下に示す通りである
〔粒子の膨張開始温度測定法〕
表 2における膨張開始温度は、以下に示す条件にて膨張変位量を測定し、その変 位量の立ち上がり時の温度とした。
機器: PERKIN— ELMER 7Series
1 hernial Analysis system
測定条件:昇温速度 10°CZmin、測定開始温度 25°C、測定終了温度 200°C、 測定物理量:加熱による膨張変位量を測定。
[0150] 次に、前記乗用車タイヤとリムとの組立体に、空気または窒素を充填し使用内圧で ある 200kPaに調整した。そして、あら力じめ以下に示す調査法に基づき粒子体積回 復挙動を調査の上、目的の中空部内圧力となるに相当する保持時間を割り出し、室 温にてタイヤ気室圧力を保つことで、中空粒子の中空部圧力を増カロさせることで粒 子体積を回復させながら、評価するタイヤとリムとの組立体の調製を行った。
[0151] ここで、中空粒子の中空部内圧力を増力!]させるための適切な保持時間を見出す方 法は、次のとおりである。
まず、内容積が 1000cm3程度の内断面直径が一定で透明なアクリル榭脂製の円 筒型耐圧容器を準備し、該容器に超音波水浴等で振動を与えながら、本発明の中 空粒子を容器内が一杯になるまで充填した。次にこの容器にタイヤ気室に充填する 気体を、車両指定内圧等の所望する使用圧力になるまで充填した。圧力が高まるに つれて容器内の粒子は体積減少するため、中空粒子で満たされた部分の容器内側 の高さ(以下、中空粒子高さとする)は低下する。容器内圧が目標圧力に達したら、 超音波水浴等で容器に 5分間の振動を与えた後、 5分間静置した。そして、容器内 の中空粒子高さが安定したところで中空粒子高さを測定し、『加圧開始時の中空粒 子高さ: Hl』とした。更に上記使用圧力を力 4ナ続け、『一定期間経過した状態での中 空粒子高さ: Hx』を計測した。
[0152] 次に、上記の圧力を付与したまま一定時間ごとに上記の中空粒子高さを測りながら 経時変化を記録していき、中空粒子高さが変化しなくなるまで測定を継続し、最終的
な『安定した中空粒子高さ: H2』を計測した。以上力 次式により、粒子体積回復率 を算出した。
すなわち、
粒子体積回復率 (%) =〔〔: Hx— H1〕Z〔H2— Hl〕〕 X 100
以上の測定結果を基に、目標とする体積回復率となるまでの時間を割り出し、中空 粒子を配置したタイヤとリムとの組立体に所望する圧力の気体を充填した上で、上記 にて割り出した保持時間に従って粒子総体積の回復処置を施すことにより、中空粒 子の中空部内圧力を増カロさせた。
[0153] まず、得られたタイヤとリムとの組立体を用いて、高速発熱ドラム試験を実施した。
すなわち、試験環境温度 38°Cに設定したドラム試験機に、内圧 200kpaに調整し た上記評価組立体を取り付け、表 1に示した負荷荷重を与えながら速度 50kmZhに て走行を開始し、 5分ごとに速度を lOkmZhずつ上昇させ、 180kmZhに到達した 時点からは速度を保ったまま走行させることで、タイヤ気室内の粒子温度およびタイ ャ気室圧力の変化を計測した。なお、評価を行うリムの内面には、タイヤ気室圧力を モニターする圧力センサーを、インナーライナ一内面のタイヤ幅方向中央部には中 空粒子の温度を計測する熱電対を配置し、測定した圧力データおよび温度データの 信号を、一般に使用されているテレメータを用いて電波伝送し、試験室内に設置した 受信機にて受信しながらタイヤ気室圧力および中空粒子温度の変化を計測した。本 試験では、上述の 180kmZh—定速度走行になった状態での粒子温度をもとめた。 粒子温度は低ければ低 、ほど、粒子の摩擦発熱が抑制できて 、ることを示しており、 上述の粒子温度が膨張開始温度より低い場合を合格と判断した。
[0154] また、別の各評価タイヤとリムとの組立体の気室圧力を 200kpaに調整し、表 1およ び表 2に示した負荷荷重を与えながら速度 90kmZhで距離 50000kmにわたるドラ ム走行を実施し、走行による履歴をカ卩えた。
その後、各サイズのタイヤに相当するクラスの乗用車を 4名乗車相当の積載量に設 定後、評価タイヤを左前輪に装着し、この車両の左前輪での軸重量を測定した。次 に、直径 5. Omm、長さ 50mmの釘 4本を該組立体のトレッド表面からタイヤ内部に 向けて踏み抜き、タイヤ気室圧力が大気圧にまで低下するのを確認した後、 90km
Zhの速度でテストコースの周回路をランフラット走行させ、タイヤ気室内の粒子温度 と気室圧力とを連続的に計測し、内圧復活機能の発現状況を調査した。
なお、評価を行うタイヤとリムとの組立体のリム内面には、タイヤ気室圧力をモニタ 一する圧力センサーを組み込み、測定した圧力データの信号を一般に使用されてい るテレメータを用いて電波伝送し、試験車両内部に設置した受信機にて受信すること で圧力の変化を計測しながら、最大 100kmの走行を実施した。前述の『タイヤのサイ ド部が路面に接地するタイヤ気室圧力値』に対して、ランフラット走行下での内圧復 活機能発現によるタイヤ気室内の圧力値が優った場合を合格と判断した。
これらの調査結果を表 1および表 2に併記する。
発明例 1-フ 比較例 1-3 発明例 1 - 8 発明例 1 - 9 発明例 1-10 比較例 1 - 4
<タイヤとリムの組立体 >
タイヤサイズ 195/45ZR16 195/45ZR16 145/80R12 165/50R15 165/50R15 165/50R15 タイヤの速度記号または速度カテゴリ一 Z ZR S V V V
リムサイズ 7JJ-16 7JJ-16 4.5J-12 5J-15 5J-15 5J-15 選択車両の前軸左輪荷重 (kN) 3.75 3.75 3.04 3.04 3.04 3.04 サイド部が接地するタイヤ気室圧力(kPa) 40 40 60 30 30 30
タイヤ気室に充填した気体 窒素 窒素 窒素 穿素 望素 皇素
タイヤ気室容積 (cm3) 19920 19920 16620 13790 13790 13790 タイヤ気室圧力(kPa) 200 200 200 200 200 200 く中空粒子 >
種類 2 2 4 3 3 3
¾iナ体積、 cm3) 9960 16932 6648 1379 690 414
充填率 (%) 50 85 40 10 5 3 タイヤ気室内の高圧下保持圧力(kPa) 200 200 200 200 200 200 タイヤ気室内での高圧下保持時間(day) 7.0 - 7.0 7.0 7.0 7.0 7.0
中空部圧力レベル(kPa) 200 200 200 200 200 200 タイヤ気室圧力に対する中空部圧力の比率 (%)' 100 100 100 100 100 100
中空粒子の膨張開始温度 Ts2 (°C) 105 105 118 158 158 158
<高達' 爇 ラ 戮 n>
負荷蓿重(kN) 3J5 3.75 3.04 3.04 3.04 3.04 速度 1 80 (kmZh)走行時の粒子温度(°C) 93 122 98 87 86 82
判定 合格 芣合 '格 合搽 合格 合格 合格 ぐランフラッ卜走 試験 >
タイヤ気室圧力値 (kPa) 47 76 66 43 35 26
走行距離 (km) 100 100 100 100 100 45
判定 合格 合格 合格 合格 合格 不合格
膦 ¾ ¾ ¾雜嗨 ( 1132
膨張性樹脂粒子の種類 商標 製造元 連続相組成物の種類 発泡剤の種類
A 試作品 一 AN重合体 メチル A°—フルォロイソプチルェー亍ル
B F77D 松本油脂製薬 (株) ANZMAN共重合体 イソブタン/イソ才クタン
C ― MMA ANZMAN3元共重合体 ェチル /ぐ一フル才 Πイソプチルェ" ル
D EXPANCEL 092 ァクゾ一ノーベル社 MMA/ANZMAN3元共重合体イソペンタン
E M430 大日精化工業 (株) MMA ANノ MAN3元共重合体 イソペンタン
F H750 大日精化工業 (株) MMA AN/MAN3元共重合体イソペンタン/イソ才クタン
※^!:アクリロニトリルを AN、メタアクリロニトリルを MAN、メチルメタクリレートを MMAと表示する
「1
表 4
中空粒子の内容
「01 sl
[0160] [実施例 2]
図 1に示した一般的構造を満たす表 5に示すサイズのタイヤに、表 5に示すサイズ のリムを組み込み、乗用車用タイヤとリムとの組立体を準備した。次に、タイヤサイズ 毎に対象となる車両を選定し 4名乗車相当の荷重を搭載した上で、高圧の空気を充 填しタイヤ気室の圧力を 200kPaに調整し、それぞれのタイヤとリムとの組立体を前 軸左側に装着した。ここで、荷重が負荷された状態を保ちながらタイヤ気室圧力を徐 々に抜いていき、タイヤのサイド部が路面に接地する力、インナーライナ一内面同士 が接触するタイヤ気室圧力値をもとめた。このタイヤ気室圧力値を『RF走行限界内 圧値』と定義した。
[0161] 次に、荷重が負荷されて 、な 、状態下で各タイヤの気室圧力を使用内圧である 20 OkPaに調整し、気室内の高圧空気を排出させることで気体の排出量を求め、各タイ ャの気室容積を算出した。その算出結果を、表 5に示した。
ここで、タイヤとリムによる組立体の気室容積の測定は、実施例 1の場合と同様であ る。また、表 5に示したタイヤ気室に配置した中空粒子の中空部内圧力の測定も、実 施例 1の場合と同様である。
[0162] さらに、上記のタイヤとリムとの組立体のタイヤ気室に、種々の仕様の中空粒子を表 5に示すように適用し、表 5に示すタイヤおよびリムとの組立体を得た。ここで、タイヤ 1は、当該タイヤ種およびサイズの一般的構造に従うものである。
[0163] なお、表 5における、中空粒子の連続相を構成する組成物の種類は表 6に示すとお りである。この表 6に示す膨張性榭脂粒子を加熱して膨張させることによって中空粒 子とし、得られた粒子群の平均粒径、平均真比重を測定した結果は表 7に示した。表 7に示した中空粒子を表 5に示す充填率の下で、各タイヤ気室に配置した。
[0164] なお、中空粒子の平均真比重の計測法、中空粒子の平均粒径および粒径分布の 計測法、並びに各膨張性榭脂粒子の膨張開始温度 Tsl及び各中空粒子の膨張開 始温度 Ts2の測定法は、実施例 1の場合と同様である。
[0165] 次に、前記乗用車タイヤとリムとの組立体に、空気または窒素を充填し使用内圧で ある 200kPaに調整した。そして、あら力じめ以下に示す調査法に基づき粒子体積回 復挙動を調査の上、 目的の中空部内圧力となるに相当する保持時間を割り出し、室
温または 45°Cに保たれた加温室にてタイヤ気室圧力を保つことで、中空粒子の中空 部圧力を増加させ粒子体積を回復させながら、評価するタイヤとリムとの組立体の調 製を行った。
ここで、中空粒子の中空部内圧力を増力!]させるための適切な保持時間を見出す方 法についても、実施例 1の場合と同様である。
[0166] まず、得られたタイヤとリムとの組立体を用いて、高速発熱ドラム試験を実施した。
すなわち、試験環境温度 38°Cに設定したドラム試験機に、各内圧値に調整した上 記評価組立体を取り付け、表 5に示した負荷荷重を与えながら速度 lOOkmZhにて 走行を開始し、 5分ごとに速度を lOkmZhずつ上昇させ、タイヤ気室内の粒子温度 およびタイヤ気室圧力の変化を計測した。なお、評価を行うリムの内面には、タイヤ気 室圧力をモニターする圧力センサーを、インナーライナ一内面のタイヤ幅方向中央 部には中空粒子の温度を計測する熱電対を配置し、測定した圧力データおよび温 度データの信号を、一般に使用されているテレメータを用いて電波伝送し、試験室内 に設置した受信機にて受信しながらタイヤ気室圧力および中空粒子温度の変化を計 測した。
[0167] 本試験では、各タイヤの速度記号に準じた保証速度に lOkmZhをカ卩えた速度を『 上限速度』として評価した。すなわち、上述の上限速度に達する前に中空粒子の温 度が中空粒子の膨張開始温度である Ts2に到達した場合は、その時点の速度まで で走行を停止した。また、上限速度下においても中空粒子の温度が中空粒子の膨張 開始温度である Ts2に到達しな 、場合は、その上限速度までにて走行を停止した。 そして走行停止を判断した時点の速度が、各タイヤの速度記号に準じた保証速度と 同等以上である場合を合格と判定した。
[0168] また、別の各評価タイヤとリムとの組立体の気室圧力を各内圧値に調整し、表 5に 示した負荷荷重を与えながら速度 90kmZhで距離 50000kmにわたるドラム走行を 実施し、走行による履歴を加えた。
その後、各サイズのタイヤに相当するクラスの乗用車を 4名乗車相当の積載量に設 定後、評価タイヤを左前輪に装着し、この車両の左前輪での軸重量を測定した。次 に、直径 5. Omm、長さ 50mmの釘 4本を該組立体のトレッド表面からタイヤ内部に
向けて踏み抜き、タイヤ気室圧力が大気圧にまで低下するのを確認した後、 90km Zhの速度でテストコースの周回路をランフラット走行させ、タイヤ気室内の粒子温度 と気室圧力とを連続的に計測し、内圧復活機能の発現状況を調査した。
なお、評価を行うタイヤとリムとの組立体のリム内面には、タイヤ気室圧力をモニタ 一する圧力センサーを組み込み、測定した圧力データの信号を一般に使用されてい るテレメータを用いて電波伝送し、試験車両内部に設置した受信機にて受信すること で圧力の変化を計測しながら、最大 100kmの走行を実施した。前述の『タイヤのサイ ド部が路面に接地するか、またはインナーライナ一内面同士が接触するタイヤ気室 圧力値』である『RF走行限界内圧値』に対して、ランフラット走行下での内圧復活機 能発現によるタイヤ気室内の圧力値が優った場合を合格と判断した。
これらの調査結果を表 5に併記する。
瞵 ¾繫 S1
表!
評価タイヤの内容と評価結果
<タイヤとリムの組立体 >
タイヤサイズ 235/35R19 235/35R19 245/45R18 165/50 15 195/45R16 275/70R16 275/70R16 175/70R13 195/60R15 195/60R 5 タイヤの速度記号 Y Y W V V Η Η S Q Q リムサイズ 8JJ-19 8JJ-19 7.5J-18 5J- 5 7J-16 7J-16 7J-16 5.5J- 3 6.5J-15 6.5J-15 選択車両の前軸左輪荷重(kN) 5.13 5.13 5.13 3.04 3.75 8.79 8.79 3.96 4.12 4.12 選択車両 旨定タイヤ気室圧力(kPa) 200 200 220 220 200 200 200 200 200 200
RF走行限界内圧値 (kPa) 35 35 35 30 40 30 30 70 60 60 や気'璧 Ϊこ茺¾匚テニ気俅 窒素 窒素 空気 空気 空気 wm 窒素 [ '靈蓁 タイヤ気室容積 (cm3) 22750 22750 34980 13790 19920 70130 70130 23640 27600 27600 ぐ中空粒子 >
種類 1 5 4 4 3 1 2 6 1 4 中空粒子の膨張開始温度 Ts2(°C) 83 160 136 136 112 83 90 195 83 136
粒子体積 (cm3) 6825 6825 10494 1379 7968 24545 24545 16548 13800 13800 充填率 (vol%) 30 30 30 10 40 35 35 70 50 50 タイヤ気室内の高圧下保持圧力(kPa) 200 200 220 220 200 200 200 200 200 200 タイヤ気室内での高圧下保持時間(day)' 7 7 7 7 7 7 7 7 7 7
高圧下保持璟境温度 (°c) 25 25 25 25 45 45 45 45 45 45 中空部圧力レベル (kPa) 200 140 175 175 200 200 200 200 200 200 タイヤ気室圧力に対する中空部圧力の比率(%) 100以上 70 79.5 79.5 100以上 100以上 100以上 100以上 100以上 100以上
<高速発熱ドラム試験 >
タイヤ気室圧力(kPa) 200 200 220 220 200 200 200 200 200 200 負荷荷重 (kN) 5.13 5.13 5.13 3.04 3.75 8.79 8.79 3.96 4.12 4.12 タイヤの速度記号にて規定される最高速度 (kmZh) 300 300 270 240 240 210 210 180 160 160
走行停止時の速度 (kmZh). 210 310 270 250 240 180 210 190 150 170
判定 不合格 合搭' 合菘 合格 合格 不合格 合格 合格 不合格 合格 くランフラット走行試験 >
タイヤ気室圧力値 (kPa) 52 38 43 33 48 44 46 72 66 68 走行距離 (km) 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 判定 合格 合格 合格 合格 合格 合格 合格 合格 合格 合格
表 6
膨張性樹脂粒子の内容
※ AN:アクリロニトリル、 MAN:メタァクリロ二トリノレ、 MMA:メチルメタクリレート、 MA:メタクリル酸
※? メチル / —フル才ロプロピルエーテル、メチル / —フルォロブチルエーテル、 Iチルハ-ーフルォロプチルェ—テルは、それぞれノルマル構造、イソ構造の両者混合物である
表 7
中空粒子の内容
中空粒子の種類 平均粒径( m) 平均真比重 (gZcc) 原料とした膨張性樹脂粒子 膨張開始温度 Ts2 (°C)
1 95 0.031 A 83
2 89 0.03 B 90
3 121 0.033 C 112
4 103 0.032 D 136
5 112 0.031 E 160
6 110 0.029 F 195
[0173] [実施例 3]
表 8に示すサイズのタイヤに、表 8に示すサイズのリムを組み込み、乗用車用タイヤ とリムとの組立体を準備した。ここで、タイヤ 1は、当該タイヤ種およびサイズの一般的 構造に従うものである。次に、タイヤサイズに対象となる車両を選定し 4名乗車相当の 荷重を搭載した上で、高圧の空気を充填しタイヤ気室の圧力を 200kPaに調整し、 それぞれのタイヤとリムとの組立体を前軸左側に装着した。ここで、荷重が負荷され た状態を保ちながらタイヤ気室圧力を徐々に抜いていき、タイヤのサイド部が路面に 接地するか、インナーライナ一内面同士が接触するタイヤ気室圧力値を求めた。この タイヤ気室圧力値を『RF走行限界内圧値』と定義した。
[0174] 次いで、荷重が負荷されていない状態下で各タイヤの気室圧力を使用内圧に調整 し、気室内の高圧空気を排出させることで気体の排出量を求め、各タイヤの気室容 積を算出した。その算出結果を、表 8に示した。
ここで、タイヤとリムによる組立体の気室容積の測定は、実施例 1の場合と同様であ る。また、表 8に示したタイヤ気室に配置した中空粒子の中空部内圧力の測定も、実 施例 1の場合と同様である。
[0175] さらに、上記のタイヤとリムとの組立体のタイヤ気室に、種々の仕様の中空粒子を表 8に示すように適用し、表 8に示すタイヤおよびリムとの組立体を得た。
ここで、比較例 3— 1以外の比較例および発明例については、表 9および表 10に示 す手順にて、中空粒子または膨張性榭脂粒子の表面に、表 9および表 10に示す種 々の被覆剤を表 9および表 10に示す手法並びに条件で付着または定着させた上で 中空粒子を得て、タイヤ気室に適用した。なお、表 8における被覆剤付き中空粒子に おける沈殿物量の測定は上述の通りである。
[0176] 次に、上記タイヤとリムとの組立体に窒素を充填し、使用内圧に調整した。そして、 あらかじめ以下に示す調査法に基づき粒子体積回復挙動を調査の上、 目的の中空 部内圧力となるに相当する保持時間を割り出し、室温または 45°Cに保たれた加温室 にてタイヤ気室圧力を保つことで、中空粒子の中空部圧力を増加させ粒子体積を回 復させながら、評価するタイヤとリムとの組立体の調製を行った。
[0177] ここで、中空粒子の中空部内圧力を増力!]させるための適切な保持時間を割り出す
方法は、実施例 1の場合と同様である。また、表 8に示したタイヤ気室に配置した中空 粒子の中空部内圧力の測定も、実施例 1の場合と同様である。
[0178] なお、表 8における、中空粒子の連続相を構成する組成物の種類は表 9に示すとお りである。この表 9に示す膨張性榭脂粒子を加熱して膨張させることによって中空粒 子とした。その際、発明例では膨張性榭脂粒子に被覆剤を付着させてから、加熱、 膨張させた。力べして得られた粒子群の平均粒径、平均真比重を測定した結果は表 10に示した。表 10に示した中空粒子を表 8に示す充填率の下で、各タイヤ気室に配 し 7こ。
[0179] なお、中空粒子の平均真比重の計測法、中空粒子の平均粒径および粒径分布の 計測法、並びに各膨張性榭脂粒子の膨張開始温度 Tsl及び各中空粒子の膨張開 始温度 Ts2の測定法は、実施例 1の場合と同様である。
[0180] まず、得られたタイヤとリムとの組立体を用いて、高速発熱ドラム試験を実施した。
すなわち、試験環境温度 38°Cに設定したドラム試験機に、表 8に示した内圧値に 調整した上記タイヤとリムとの組立体を取り付け、表 8に示した負荷荷重を与えながら 速度 300kmZhにて 1時間走行させた。走行後のタイヤを室温まで放置冷却した後 、タイヤ気室圧力を使用内圧に調整し、前述の方法によって走行後の粒子周囲空隙 容積値を計測した。更に、タイヤ気室内から中空粒子を完全に抜き取った上で、再 度タイヤ気室圧力を使用内圧に調整し、前述同様の方法によって走行後のタイヤ気 室容積値を計測した。そして、上述の走行後タイヤ気室容積と走行後粒子周囲空隙 容積値との差分を求めることによって、使用内圧下におけるタイヤ気室内の走行後中 空粒子体積とした。
最後に、下式力も中空粒子の耐久性指標となる『中空粒子体積保持率』を算出した 。『中空粒子体積保持率』は 100%に近いほど優れており、 95%以上を合格とした。 『中空粒子体積保持率』 =
(走行後の中空粒子体積 Z走行前の中空粒子体積) X 100
[0181] また、別の各評価用タイヤとリムとの組立体の気室圧力を使用内圧値に調整し、表 8に示した負荷荷重を与えながら速度 90kmZhで距離 50000kmにわたるドラム走 行を実施し、走行による履歴を加えた。
その後、各サイズのタイヤに相当するクラスの乗用車を 4名乗車相当の積載量に設 定後、評価タイヤを左前輪に装着し、この車両の左前輪での軸重量を測定した。次 に、直径 5. Omm、長さ 50mmの釘 4本を該組立体のトレッド表面からタイヤ内部に 向けて踏み抜き、タイヤ気室圧力が大気圧にまで低下するのを確認した後、 90km Zhの速度でテストコースの周回路をランフラット走行させ、タイヤ気室内の粒子温度 と気室圧力とを連続的に計測し、内圧復活機能の発現状況を調査した。
[0182] なお、評価を行うタイヤとリムとの組立体のリム内面には、タイヤ気室圧力をモニタ 一する圧力センサーを組み込み、測定した圧力データの信号を一般に使用されてい るテレメータを用いて電波伝送し、試験車両内部に設置した受信機にて受信すること で圧力の変化を計測しながら、最大 100kmの走行を実施した。前述の『タイヤのサイ ド部が路面に接地するか、またはインナーライナ一内面同士が接触するタイヤ気室 圧力値』である『RF走行限界内圧値』に対して、ランフラット走行下での内圧復活機 能発現によるタイヤ気室内の圧力値が優った場合を合格と判断した。
これらの調査結果を表 8に併記する。
[0183] 表 8において、比較例 3— 1は、被覆剤を使用していない例であり、 10vol%以上の 中空粒子体積減少が見られる。
また、比較例 3— 2は、中空粒子に直接ステアリン酸 Liを添加した例であり、中空粒 子表面への定着性が悪ぐそのため沈殿物量も多い。よって、中空粒子表面にて充 分に被覆剤が機能しておらず中空粒子の体積保持率が低い結果になった。
[0184] 一方、発明例 3—1および 3— 2は、被覆剤を膨張性榭脂粒子表面に固着させてか ら、被覆剤の融点 Tm以上の温度にて膨張させ中空粒子を得た例である。基本性能 は十分であるが、 Tmが Ts2より低ぐ走行中の中空粒子温度上昇と共に一部が溶融 し中空粒子の流動性が損なわれたせ ヽか、若干の体積減少が見られる。
[0185] 発明例 3— 3および 3—4は、 Ts2より高い Tmをもつ被覆剤を膨張性榭脂粒子表面 に固着させ、 Tm以上の温度にて膨張させて中空粒子を得た例であり、良好な耐久 性を示し、中空粒子の体積保持率も高い。
[0186] 発明例 3— 5は、 Ts2より高い Tmをもつ被覆剤を膨張性榭脂粒子表面に固着させ 、 Tmより低い温度にて膨張させ中空粒子を得た例であり、十分な性能を有するが、
沈殿物が若干発生しており、僅かだが中空粒子の体積減少が見られる。
[0187] 発明例 3— 6は、 Ts2より高い Tmをもつ被覆剤を膨張性榭脂粒子表面に固着させ 、Tmより高い温度にて膨張させ中空粒子を得た例であり、良好な耐久性を示し、中 空粒子の体積保持率も高 、。
[0188] 発明例 3— 7は、 Ts2より高い Tmをもつ被覆剤を膨張性榭脂粒子表面に固着させ 、 Tmより低い温度にて膨張させ中空粒子を得た例であり、発明例 3— 5に比して耐 久向上剤の使用量を増やしている。しかし、被覆剤の定着性が発明例 3— 5よりは低 くなり、その分沈殿物が発生しており、僅かだが中空粒子の体積減少が見られる。
評^面タイヤの内容と評価結果
比較例 3-1 比較例 3- 2 発明例 3-1 発明例 3- 2 発明例 3- 3 発明例 3-4 発明例 3-5 発明例 3-6 発明例 3-7
<タイヤとリムの組立体 >
タイヤサイ 235/35R19 235/35R 9 235/35R19 235/35 19 235/35R19 235/35R19 235/35R19 235/35R19 235/35R19 タイヤの速度記号 Y Υ Y Y Y Y Y Y Y リムサイ X 8JJ-19 8JJ-19 8JJ-19 8JJ-19 8JJ-19 8JJ-19 8JJ-19 8JJ-19 8JJ-19 選択車両の前軸左輪荷重 (kN) 5.13 5.13 5.13 5.13 5.13 5.13 5.13 5.13 5.13 選択車両の指 タイヤ気室圧力(kPa) 230 230 230 230 230 230 230 . 230 230
RF走行限界内圧値 (kPa) 35 35 35 35 35 35 35 35 35' タイヤ気室に充瘼した気体 窒素 IS 窒素 窒素 11 窒素 靈 窒素 窒素 タイヤ気室容積(cm3) 22750 22750 22750 22750 22750 22750 22750 22750 22750
<中空粒子 > g-j ™ -..
中空 子の種類 •―" AT ··—· iT c ― ~™ -.. 膨張性樹脂粒子の膨張開始温度 Tsl (°C) 155 155 155 155 155 155 155 155 155 中空粒子の膨張開始温度 Ts2 (°C) 150 150 150 150 150 150 150 150 150
被覆剤の種類 なし ステアリン酸 Li ス亍アリン酸 Zn ス亍アリン酸 Ca ス亍アリン酸 Li ス亍アリン酸し' ステアリン酸 Ma ステアリン酸 ステアリン酸 Na 被覆剤の使用量 (maSS«½) 0 10 - 10 10 10 5 10 10 20 被 ¾剤の融点 Tm(°C) ― 220 128 147 220 220 280 280 280 被覆剤の添加方法 一 中空粒子に直接添加 膨張性樹脂粒子に固着後加熱 同左 同左 同左 同左 同左 同左 膨張性樹脂粒子の膨張環境温度 (°C) 260 260 260 j 260 260 260 260 300 260
¾覆剤の定着率 (maSS%) 0 1 98 99 99 98 62 Θ9 44 被覆剤付き中空 fe子からの沈殿物量 (maSS。/o) 0.0 9.9 0.2 0.1 0.1 0.1 3.8 0.1 11.2 粒子体積値 (粒子周囲空隙含む) (cm3) 6825 6825 6825 6825 6825 6825 6825 6825 6825
充填率 (vol%) 30 30 30 30 30 30 30 30 30 タイヤ気室内の高圧下保持圧力 (kPa) 230 230 230 230 230 230 230 230 230 タイヤ気室内での高圧下保持時間 (day) 7 7 7 7 7 7 7 7 7
高圧下保持璟璦温度 C) 45 45 45 45 45 45 45 45 45 イヤ気室圧力に対する中空部圧力の比率 (%) 100以上 100以上 100以上 100以上 100以上 100以上 100以上 100以上 100以上
<高速発熱ドラム試験 >
タイヤ気室圧力(kPa) 200 200 220 220 200 200 200 200 200 負荷 ¾重 (kN) 5.13 5.13 5.13 3.04 3.75 3.75 8.79 8.79 3.96 走行前の中空粒子体積 (cm3) 4230 4240 4230 4230 4240 4230 4230 4230 4240 是行後の中空粒子体積 (cm3) 3760 3830 4020 4030 4240 4230 4090 4220 4060 中空粒子俅積保持率 (%) 88.9 90.3 95.0 95.3 100.0 100.0 96.7 99.8 95.8
判定 不合格 不合格 合格 合格 合菘 合格 合格 合格 合格 ぐランフラット走行試験 >
タイヤ気室圧力値 (kPa) 58 61 63 65 65 65 65 61 63 走行距離 (km) 100 100 100 100 100 100 100 100 100 判定 合格 合 合格 合格 合格 合格 合格 合格 合格
〔〕0189
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1 AN:アクリロニトリル、 MAN:メタアクリロニトリル、 ΜΑ:メタクリル酸
※ メチルハ '一フルォ 0プ (3ビルエ-テルは、ノルマル構造、イソ構造の両者混合物である
※3 被覆剤を含んだ中空粒子重量に対する被覆剤重量割合を示す