WO2005097212A1

WO2005097212A1 - 殺菌装置

Info

Publication number: WO2005097212A1
Application number: PCT/JP2005/005192
Authority: WO
Inventors: Fumio Kato
Original assignee: Tsukasa Industry Co., Ltd.
Priority date: 2004-03-31
Filing date: 2005-03-23
Publication date: 2005-10-20
Also published as: KR20070040330A; JPWO2005097212A1; US20070140894A1; EP1752165A1; EP1752165A4

Abstract

　粉粒体等が充填されるホッパー２と、このホッパー２の下方に配置された第１のロータリーバルブ３と、この第１のロータリーバルブ３の下方に形成された第２のロータリーバルブ４と、を備えてなるとともに、上記第１のロータリーバルブ３と第２のロータリーバルブ４との間には粉粒体等が移動する気密空間５が形成され、この気密空間５は該気密空間５内に飽和蒸気を噴射する飽和蒸気噴射管２３と連通してなる。

Description

明細書

殺菌装置

技術分野

[0001] 本発明は、例えば、食品、医薬品、化粧品、飼料、肥料等の原料となる粉粒体や、茶葉や乾燥野菜等の所謂キザミ原料 (以下、粉粒体等という。）を殺菌する際に使用される殺菌装置に関するものである。

背景技術

[0002] 粉粒体等に付着する菌は、必ずしも有害ではないが、病原菌や食中毒菌に汚染されている可能性を示唆するものであり、特に、食品として使用される粉粒体等の安全性を確保するためにも殺菌処理は必要不可欠となる。そして、こうした殺菌処理には、これまで非加熱殺菌法として、エチレンオキサイド，プロピレンオキサイド等の薬剤を使用した薬剤殺菌法がある。しかし、これらの薬剤は広範囲の微生物に対して殺菌カを有している反面、殺菌条件を最適化しても、長時間の殺菌時間を要するとともに薬剤の残留や発がん性の恐れ、或いは、品質の劣化等の問題力実用化されている例は少ない。また、オゾンを利用して殺菌する方法もあるが、病原菌，大腸菌等のグラム陰性菌以外には効果が薄ぐまた、粉粒体等の酸化に伴う品質の劣化が大きい。また、非加熱殺菌法として、放射線殺菌法や紫外線殺菌法があるが、前者では、食品を殺菌する方法としては、馬鈴薯の発芽防止以外には認められておらず、また、後者では、殺菌力が弱ぐ粉粒体等への透過性も期待できない。こうしたこと力らすれば、加熱殺菌法、特に、湿熱殺菌法は、適用範囲も広いとともに殺菌時間も短くて済み、従来力も広く採用されている。

[0003] そこで、従来、こうした湿熱殺菌法を採用した殺菌装置として、被殺菌対象をコンペァベルト上に載置するとともに、この被殺菌対象に対して水蒸気を噴射させる殺菌方法が提案されてレ、る（特許文献 1参照)。

特許文献 1：特開平 10 - 56987号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題 [0004] し力しながら、上記従来の殺菌装置では、コンベアベルト上に被殺菌対象を載置するものであることから、水平方向に場所を取るば力りではなぐ高い圧力を安定した状態で付与することかできないため、高い温度で水蒸気を噴射させることができず、被殺菌対象を均一に殺菌処理することができない。

[0005] そこで、本発明は、上述した従来の殺菌装置が有する課題を解決するために提案されたものであって、狭い場所にも設置することができるとともに、安定的に圧力を付与することができ、均質に殺菌することができる新たな殺菌装置を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

[0006] 上述した目的を達成するため、第 1の発明（請求項 1記載の発明）は、粉粒体等が充填されるホッパーと、このホッパーの下方に配置された第 1のロータリーバルブと、この第 1のロータリーバルブの下方に形成された第 2のロータリーバルブと、を備えてなるとともに、上記第 1のロータリーバルブと第 2のロータリーバルブとの間には粉粒体等が移動する気密空間が形成され、この気密空間は該気密空間内に飽和蒸気を噴射する飽和蒸気噴射管と連通してなることを特徴とするものである。

[0007] なお、上記粉粒体等とは、食品、医薬品、化粧品、飼料、肥料等の原料となる粉粒体や、茶葉や乾燥野菜等の所謂キザミ原料も含まれる。また、この第 1の発明では、第 1のロータリーバルブと第 2のロータリーバルブとは、互いに上下方向に位置している必要が有る。なお、これら第 1及び第 2のロータリーバルブは、何れも、気密性を有している必要があり、それぞれのロータリーバルブの下方から該ロータリーバルブの上方に、或いは、該ロータリーバルブの上方から下方に、気体が通過するものであつてはならない。また、上記第 1のロータリーバルブと第 2のロータリーバルブとの間に形成された気密空間は、第 1のロータリーバルブから排出された粉粒体等が通過する部位であることから、その容積は特に制限されるものではない。また、上記飽和蒸気噴射管から、上記気密空間内に噴出する飽和蒸気は、例えば、 0. 2MPaの圧力下において摂氏 133度以上 (摂氏 133度から 180度近傍）の温度となされたものであり、こうした条件の飽和蒸気とすることにより、乾熱と湿との特徴を両方併せ持つたものとなり、粉粒体等を濡らすことがないとともに湿熱による殺菌効果の両方が発揮される。

[0008] また、第 2の発明（請求項 2記載の発明）は、上記第 1の発明において、前記第 1及び第 2のロータリーバルブは、回転速度が調節可能とされてなるとともに、それぞれ回転方向は逆方向であることを特徴とするものである。

[0009] また、第 3の発明（請求項 3記載の発明）は、上記第 1又は第 2の発明の何れかにおいて、前記第 2のロータリーバルブの下方には、乾燥装置が配置されており、この乾燥装置は、一方向に傾斜した一方の傾斜板と、この一方の傾斜板から落下した粉粒体等を支持するとともに他方向に傾斜した他方の傾斜板とが交互に配置されてなる傾斜板群と、これらの傾斜板群に形成された多数の微細孔と、上記傾斜板群の下方から上方に加熱エアーを供給する加熱エアー供給手段と、を備えてなることを特徴とするものである。

[0010] この第 3の発明では、第 2のロータリーバルブから排出された粉粒体等は、各傾斜板 (傾斜板群）に形成された微細孔力上方に噴出した加熱エアーにより吹き上げられながら、最も上方に配置された一方の傾斜板から他方の傾斜板へ、また、この他方の傾斜板から上記一方の傾斜板の下方に配置された一方の傾斜板へ順次移動する。

[0011] また、第 4の発明（請求項 4記載の発明）は、上記第 3の発明において、前記傾斜板群は、それぞれ傾斜角度が調節可能とされてなることを特徴とするものである。

[0012] また、第 5の発明（請求項 5記載の発明）は、上記第 3又は第 4の発明の何れかにおいて、前記傾斜板群の側方には、第 2の乾燥装置が配置され、この第 2の乾燥装置は、一方向に傾斜した一方の傾斜板と、この一方の傾斜板から落下した粉粒体等を支持するとともに他方向に傾斜した他方の傾斜板とが交互に配置されてなる傾斜板群と、これらの傾斜板群に形成された多数の微細孔と、上記傾斜板群の下方から上方に冷却エアーを供給する冷却エアー供給手段と、を備えてなることを特徴とするものである。

発明の効果

[0013] 上記第 1の発明（請求項 1記載の発明）では、第 1のロータリーバルブと第 2のロータリーバルブとの間には、粉粒体等が移動する気密空間が形成され、この気密空間は該気密空間内に飽和蒸気を噴射する飽和蒸気噴射管と連通してなることから、気密空間内を安定的な圧力とすることができ、高い殺菌効果を発揮することができ、多量の粉粒体等を均質に殺菌することが可能となる。

[0014] また、第 2の発明（請求項 2記載の発明）では、第 1及び第 2のロータリーバルブは、回転速度が調節可能とされてなることから、殺菌処理速度を任意に設定することができる。すなわち、上記気密空間内の圧力，温度や、或いは殺菌処理する粉粒体の種類，粒径等により、気密空間内における滞留時間を調節することができるので、より汎用性が増し、使い勝手の良レ、ものとすることができる。さらに、この第 2の発明では、第 1及び第 2のロータリーバルブは、それぞれ回転方向は逆方向であることから、気密空間内に粉粒体等が留まり第 2のロータリーバルブ内に移動しないという事態を有効に防止することができる。

[0015] また、第 3の発明（請求項 3記載の発明）では、第 2のロータリーバルブの下方には、乾燥装置が配置されてレ、ることから、飽和蒸気により殺菌された粉粒体等の表面に水分が付着し、この水分により粉粒体等が団塊状となり、殺菌処理後の輸送に支障が生ずることを有効に防止することができる。特に、この第 3の発明を構成する乾燥装置は、一方向に傾斜した一方の傾斜板と、この一方の傾斜板から落下した粉粒体等を支持するとともに他方向に傾斜した他方の傾斜板とが交互に配置されてなる傾斜板群と、これら一方及び他方の傾斜板に形成された多数の微細孔と、上記傾斜板群の下方から上方に加熱エアーを供給する加熱エアー供給手段と、を備えてレ、ること力、自重により上記傾斜板群から落下することにより、たとえ第 2のロータリーバルブ力排出された粉粒体等の表面に付着した水分により団塊状となった場合であっても効果的に解砕される。しかも、この乾燥装置では、各傾斜板に微細孔が形成され、この微細孔から加熱エアーが上方に噴出されることから、より一層乾燥効率が高められ、第 2のロータリーバルブ力排出された粉粒体等が団塊状となることを防止できるとともに、団塊状となった場合であっても粉粒体等を解砕することができる。

[0016] また、第 4の発明（請求項 4記載の発明）では、傾斜板群は、それぞれ傾斜角度が調節可能とされてなることから、殺菌処理する粉粒体の種類，粒径等に応じて乾燥時間を調節することが可能となる。 [0017] また、第 5の発明（請求項 5記載の発明）では、傾斜板群の側方には、冷却装置が配置され、この冷却装置は、一方向に傾斜した一方の傾斜板と、この一方の傾斜板から落下した粉粒体等を支持するとともに他方向に傾斜した他方の傾斜板とが交互に配置されてなる傾斜板群と、これら一方及び他方の傾斜板に形成された多数の微細孔と、上記傾斜板群の下方から上方に冷却エアーを供給する冷却エアー供給手段と、を備えてなることから、粉粒体等が冷却される際に団塊状となることを防止すること力 Sできる。

図面の簡単な説明

[0018] [図 1]第 1の実施の形態に係る殺菌装置を示す正面図である。

[図 2]第 1の実施の形態に係る殺菌装置の平断面図である。

[図 3]図 1に示す殺菌装置の正断面図である。

[図 4]第 2の実施の形態に係る殺菌装置を示す正断面図である。

[図 5]第 2の実施の形態に係る殺菌装置の右側面図である。

[図 6]第 2の実施の形態に係る平面図である。

符号の説明

1 殺菌装置

2 ホッパー

3 第 1のロータリー -バルブ

4 第 2のロータリー 'バルブ

5 気密空間

31 殺菌装置

32 第 1のホッパー

33 第 2のホッパー

38 第 1のロータリ、一バルブ

39 第 2のロータリ、一バルブ

40 気密空間

53 乾燥容器

56 加熱エアー供給ダクト 57 ヒーター

58 中間ダクト

59 第 1のファン

63 · ••67 第 1乃至第 5の傾斜板

71 冷却ダクト

75 · ••79 第 6乃至第 10の傾斜板

82 冷却装置

83 第 2のファン

発明を実施するための最良の形態

[0020] 以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。先ず、第 1の実施の形態に係る殺菌装置について説明する。

[0021] この殺菌装置 1は、図 1に示すように、粉粒体等が投入されるホッパー 2と、このホッパー 2の下方に配置された第 1のロータリーバルブ 3と、このロータリーバルブ 3の下方に配置された第 2のロータリーバルブ 4と、上記第 1のロータリーバルブ 3と第 2の口一タリーバルブ 4との間に形成された気密空間 5とを備えている。上記ホッパー 2は、図 1に示すように、平面形状が正方形状に成形されてなるとともに、下方にかけて細く徐々に細く成形されてなるものである。また、上記第 1のロータリーバルブ 3は、図 3に示すように、筐体 6と、この筐体 6内に収容されたバルブ本体 7と、このバルブ本体 7を回転駆動する第 1の駆動モータ 8とを備えている。上記筐体 6には、上記バルブ本体 7を回転可能に収容する収容空間（符号は省略する。）が形成されている。また、上記バルブ本体 7は、外周に多数の凹部 7aが形成され、該凹部 7aと凹部 7aとの間には、仕切り部 7bが形成されている。なお、上記バルブ本体 7の外径寸法と、上記収容空間の内径寸法とは略同一の寸法となされ、該バルブ本体 7の外周面と収容空間の内周面との間から気体が漏れることがなレ、。また、上記筐体 6の上面には、略すり鉢状の流入用開口 6aが形成され、下面には、上記流入用開口 6aと線対称に成形された排出用開口 6bが形成されている。また、上記バルブ本体 7の中心には、水平方向に回転軸 9が固定されている。この回転軸 9は、図 1に示す減速機 10を構成する部品である。すなわち、上記第 1の駆動モータ 8は、上記減速機 10を介して上記バルブ本体 7に接続されている。したがって、上記流入用開口 6aを通過し上記凹部 7a内に収容された粉粒体等は、上記第 1の駆動モータ 8の駆動に従い回転し、上記排出用開口 6bを通過して自重により、後述する気密空間 5内移動する。

[0022] また、上記第 2のロータリーバルブ 4は、上記第 1のロータリーバルブ 3と基本的には同一であり、筐体 1 1と、この筐体 11内に回転可能に収容され外周には多数の凹部 1 2aが形成されたバルブ本体 12と、このバルブ本体 12を回転駆動させる第 2の駆動モータ 13及び減速機 14とから構成されている。但し、この第 2のロータリーバルブ 4 においては、上記バルブ本体 12に形成された各凹部 12aは、前記第 1のロータリーバルブ 3のそれよりもバルブ本体 12の中心側に深いものとされている。また、上記第 1のロータリーバルブ 3を構成するバルブ本体 7では、 12個の凹部 7aが形成されているのに対し、この第 2のロータリーバルブ 4では、 8個の凹部 12aが形成されているとともに、互いにバルブ本体 7， 12の回転方向は逆方向とされている。また、上記筐体 1 1の上面には、気密空間 5を通過して粉粒体等が流入する流入用開口 11aが形成され、下面には該粉粒体等が排出される排出用開口 l ibが形成されている。なお、上記第 1のロータリーバルブ 3及び第 2のロータリーバルブ 4の回転速度はそれぞれ別個に調節可能とされている。

[0023] そして、上記第 1のロータリーバルブ 3と第 2のロータリーバルブ 4との間は離間してレ、るとともに、四方はそれぞれ固定板 15が固定されて、内側には、上記気密空間 5 が形成されている。すなわち、この気密空間 5の上方には、上記第 1のロータリーバルブ 3に形成された排出用開口 6bが位置し、下方には上記第 2のロータリーバルブ 4 に形成された流入用開口 11aが位置している。また、この実施の形態に係る殺菌装置 1では、上記第 1のロータリーバルブ 3の上端側から第 2のロータリーバルブ 4の下端側に亘つて長さを有する正面側加熱部材 16と背面側加熱部材 17とが固定されている。上記正面側加熱部材 16は、図 2に示すように、この殺菌装置 1の正面に固定されてなるものであり、内部には、蒸気流入空間（符号は省略する。）が形成されている。また、上記背面側加熱部材 17は、この殺菌装置 1の背面側に固定されてなるものであり、内部には蒸気流入空間（符号は省略する。）が形成されている。なお、上記正面側加熱部材 16の正面側及び左右両側は断熱材 18により被覆され、また、上記背面側加熱部材 17の背面側及び左右両側も断熱材 19により被覆されてレ、る。

[0024] そして、この殺菌装置 1では、図 1に示すように、飽和蒸気を該殺菌装置 1内に供給する供給管 20を備えている。この供給管 20は、上流側が図示しないボイラに接続されてなるものであり、中途部には第 1の手動バルブ 21を備え、この第 1の手動バルブ 21の下流側には、上記正面側加熱部材 16と背面側加熱部材 17の内部に連通した第 1の分岐管 22と、上記気密空間 5内に飽和蒸気を供給する第 2の分岐管 23とに接続されている。なお、この第 2の分岐管 23は、本発明を構成する飽和蒸気噴射管である。また、この第 2の分岐管 23の上方には圧力計 24が設けられており、上記気密空間 5内に供給される飽和蒸気の圧力を作業者が確認できるようにされている。また、上記正面側加熱部材 16と背面側加熱部材 17とのそれぞれ下端側中途部には、部該正面側加熱材 16及び背面側加熱部材 17内に流入した飽和蒸気を排出する排出側分岐管 25が配管され、この排出側分岐管 25には、排出管 26が接続されており、この排出管 26の中途部には、第 2の手動バルブ 27が設けられている。

[0025] また、上記第 2の分岐管 23が接続された上記気密空間 5内には、該気密空間 5内に供給された飽和蒸気を外部に排出する排出管 29の一端が挿入されており、この排出管 29の他端には、防音部材 30が固定されている。なお、この殺菌装置 1は、図 1及び図 3に示すように、移動台 32上に載置固定されており、この移動台 32の下方には、上記殺菌装置 1により殺菌処理された粉粒体等が収容される収容ボックス 33 が設置されている。

[0026] したがって、上述した第 1の実施の形態に係る殺菌装置 1では、上記ホッパー 2に投入された粉粒体等は、該ホッパー 2から上記第 1のロータリーバルブ 3を構成するバルブ本体 7に形成された凹部 7a内に収容され、上記回転軸 9の回転により少量ずつ上記気密空間 5内に供給される。そして、この気密空間 5内に供給された粉粒体等は、上記第 2の分岐管 23を介して供給された飽和蒸気により、約摂氏 133度以上で加熱殺菌され、その後に、上記第 2のロータリーバルブ 4を構成するとともに、上記バルブ本体 7とは反対方向に回転駆動する上記バルブ本体 12に形成された凹部 12a 内に収容され、筐体 11を通過して上記排出用開口 l ibから排出され、上記収容ボッタス 33内に収容される。 [0027] したがって、上記粉粒体等は、上方に配置された第 1のロータリーバルブ 3から、該第 1のロータリーバルブ 3の下方に配置された第 2のロータリーバルブ 4に至る途中で殺菌処理されることから、広き空間が必要とならず、狭い場所でも設置することができる。特に、この殺菌装置 1では、上記気密空間 5は、該気密空間 5が気密性を有するばかりではなぐ上下に配置された第 1及び第 2のロータリーバルブ 3, 4も気密性を有した状態で気密空間 5内に粉粒体等を供給し、また、排出することから、安定した気密状態を維持することができ、殺菌処理にばらつきが発生することがない。さらに、この殺菌装置 1では、上記第 1のロータリーバルブ 3と第 2ロータリーバルブ 4との間に形成された上記気密空間 5内で、粉粒体等が加熱殺菌されるば力、りではなぐ上記正面側加熱部材 16及び背面側加熱部材 17内に供給される飽和蒸気により、第 1及び第 2のロータリーバルブ 3， 4全体も加熱されることから、加熱ロスを極めて効果的に減少させることができ、省エネ効果も十分期待することができる。

[0028] また、この殺菌装置 1では、第 1のロータリーバルブ 3と第 2のロータリーバルブ 4の回転速度を任意に設定調節することができるので、上記気密空間 5内における粉粒体等の滞留時間を、該粉粒体等の種類や粒径等に応じて適宜設定することができる

。また、上記第 1のロータリーバルブ 3と第 2のロータリーバルブ 4との回転方向は互いに逆方向とされていることから、上記気密空間 5内において粉粒体等が滞留し続け、第 2のロータリーバルブ 4内に供給されない事態を有効に防止することができる。

[0029] 次に、本発明の第 2の実施の形態に係る殺菌装置 31に付いて詳細に説明する。

[0030] この殺菌装置 31は、図 4に示すように、粉粒体等が投入される第 1のホッパー 32と、この第 1のホッパー 32の近傍に配置された第 2のホッパー 33と、上記第 1のホッパ一 32内に投入された粉粒体等を第 2のホッパー 33内に移送する移送装置 34 (図 5 参照）とを備えている。上記移送装置 34は、図 5に示すように、上記第 1のホッパー 3 2の下方に配置されスクリュー 35が内蔵された移送管（符号は省略する。）と、このスクリュー 35を回転駆動する第 1の駆動モータ 36とから構成され、上記移送管の先端は、上記第 2のホッパー 33上に位置している。また、上記第 2のホッパー 33の下方には、図 4及び図 5に示すように、第 1のロータリーバルブ 38が配置され、この第 1の口一タリーバルブ 38の下方には、第 2のロータリーバルブ 39が配置され、上記第 1の口一タリーバルブ 38と第 2のロータリーバルブ 39との間には、本発明を構成する気密空間 40が形成されている。上記第 1のロータリーバルブ 38及び第 2のロータリーバルブ 39は、この実施の形態においては互いに同一の構成からなるものであり、それぞれ筐体 41 , 42と、この筐体 41 , 42内に回転可能に収容されてなるとともに外周には、多数の凹部（符号は省略する。）が周回り方向に形成されてなるバルブ本体 43， 44 と、このバルブ本体 43， 44を回転させる第 2及び第 3の駆動モータ 45， 46 (図 5参照 )と、上記第 2又は第 3の駆動モータ 45， 46とバノレブ本体 43, 44との間に配置された減速機 47, 48とから構成されている。また、上記気密空間 40は、四方が気密を維持した状態で固定板 50により囲まれてなるものであり、図 5に示すように、飽和蒸気供給管 51に接続されている。この飽和蒸気供給管 51は、上流側が図示しないボイラに接続されてなり、他端側は上記気密空間 40と連通している。

そして、上記第 2のロータリーバルブ 39は、図 4に示すように、乾燥容器 53上に載置されている。この乾燥容器 53は、上記第 2のロータリーバルブ 39の下面に形成された排出用開口（符号は省略する。）と連通してなる乾燥空間 54が内部に形成された乾燥ダクト 55と、この乾燥ダクト 55と連通してなる加熱エアー供給ダクト 56と、この加熱エアー供給ダクト 56に接続されたヒーター 57と、このヒーター 57に中間ダクト 58 を介して接続された第 1のファン 59とを備えている。なお、上記加熱エアー供給ダクト 56,ヒーター 57, 中間ダクト 58及び第 1のファン 59は、本発明を構成する加熱エア一供給手段である。また、上記乾燥ダクト 55は鉛直方向に長さを有するものであり、上記第 2のロータリーバルブ 39の側方には、第 1の排気ダクト 60の下端が固定されている。なお、この第 1の排気ダクト 60の上端は、上記第 1のホッパー 32の上端よりも上方に位置している。また、上記乾燥ダクト 55内には、第 1乃至第 5の傾斜板 63 · · · 67が配置されている。これら第 1乃至第 5の傾斜板 63 · · · 67は、本発明を構成する傾斜板群である。第 1の傾斜板 63は、中途部が上記第 2のロータリーバルブ 39の下側に位置するとともに、先端側にかけて徐々に下方に傾斜してなるものである。また、上記第 2の傾斜板 64は、上記第 1の傾斜板 63から落下した粉粒体等を受けるものであって、基端側から先端側にかけて徐々に下方に傾斜してなるものである。また、上記第 3の傾斜板 65は、上記第 1の傾斜板 63の下方に配置されてなるものであり、上記第 2の傾斜板 64から落下した粉粒体等を受けるものであり、基端側から先端側に力 4ナて徐々に下方に傾斜してなるものである。また、上記第 4の傾斜板 66は、上記第 2の傾斜板 64の下方に配置されてなるものであり、上記第 3の傾斜板 65から落下した粉粒体等を受けるものであるとともに、基端側から先端側にかけて徐々に下方に傾斜してなるものである。また、上記第 5の傾斜板 67は、上記第 3の傾斜板 65の下方に配置されてなるものであり、上記第 4の傾斜板 66から落下した粉粒体等を受けるものであり、基端側から先端側にかけて徐々に下方に傾斜してなるものである。そして、上記第 1乃至第 5の傾斜板 63 · · · 67には、後述するように、加熱エアーが下方から上方に通過する図示しない多数の微細孔が形成されている。また、上記第 5の傾斜板 67の側方であって、上記第 4の傾斜板 66の下方には、傾斜板部 68が設けられている。この傾斜板部 68には、図示しない多数の微細孔が形成されている。また、上記第 1乃至第 5の傾斜板 63 · · · 67は、図 4中二点鎖線で示すように、それぞれ傾斜角度を調節できるように構成されている。なお、上記第 1の傾斜板 63，第 3の傾斜板 65 及び第 5の傾斜板 67は、それぞれ本発明を構成する一方の傾斜板であり、上記第 2 の傾斜板 64，第 3の傾斜板 66は、本発明を構成する他方の傾斜板である。

[0032] また、上記乾燥ダクト 55と上記加熱エアー供給ダクト 56とは、該乾燥ダクト 55に形成された傾斜板部 68の下方位置にて接続されている。また、上記第 5の傾斜板 67の下方には、第 3のロータリーバルブ 70が配置されている。したがって、上記第 2のロータリーバルブ 39から排出された粉粒体等は、第 1の傾斜板 63，第 2の傾斜板 64，第 3の傾斜板 65，第 4の傾斜板 66，第 5の傾斜板 67という順序で徐々に落下し、最後に上記傾斜板部 68上から第 3のロータリーバルブ 70に至る。こうした粉粒体等の移動中において、上記粉粒体等は、上記第 2乃至第 5の傾斜板 64 · · · 67に形成された多数の微細孔を通過して上方に移動する加熱エアーにより加熱乾燥される。

[0033] また、上記乾燥ダクト 55の隣には、該乾燥ダクト 55と同じ高さとなされた冷却ダクト 7 1が配置され、この冷却ダクト 71上には、第 4のロータリーバルブ 72が載置固定されている。すなわち、上記乾燥容器 53の隣には、冷却装置 (符号は省略する。）が配置されている。そして、この第 4のロータリーバルブ 72の上方には、第 3のホッパー 73が配置されている。そして、この第 3のホッパー 73は、図 6に示すように、中継管 74を介して、上記第 3のロータリーバルブ 70に接続されている。そして、上記冷却ダクト 71 内には、上記乾燥ダクト 55と同じように、第 6乃至第 10の傾斜板 75 · · · 79が配置されている。なお、これら第 6乃至第 10の傾斜板 75 · · · 79は、上記第 1乃至第 5の傾斜板 63 · · · 67と同じように、多数の微細孔が形成されているとともに、それぞれ傾斜角度を調節できるようにされている。また、この第 10の傾斜板 78の斜め下方には、傾斜板部 80が形成され、この傾斜板部 80には、図示しない多数の微細孔が形成されている。また、上記冷却ダクト 71には、該冷却ダクト 71内に供給された冷却エアーを排出する第 2の排気ダクト 84の基端が固定されている。この第 2の排気ダクト 84は、上記第 4のロータリーバルブ 72の側方に配置されてなるものであり、前記第 1の排気ダクト 60と同じ高さとされている。

[0034] そして、上記冷却ダクト 71の下端側には、冷却エアー供給ダクト 81が接続され、この冷却エアー供給ダクト 81の基端には、冷却装置 (チラ一） 82と一体化された第 2のファン 83が接続されている。したがって、この第 2のファン 83及び冷却装置 82の駆動により、冷却された冷却エアー力上記冷却エアー供給ダクト 81を通って、上記冷却ダクト 71を構成する上記傾斜板部 80の下側に供給され、さらに、この傾斜板部 80に形成された多数の微細孔を通って冷却ダクト 71内に流入し、さらに、上記第 6乃至第 10の傾斜板 75 · · · 79にそれぞれ形成された微細孔を通って上記第 2の排気ダクト 8 4を通って大気に放出される。

[0035] したがって、上記第 2の実施の形態に係る殺菌装置 31によれば、前記第 1の実施の形態に係る殺菌装置 1と同じ作用効果に加えて、飽和蒸気により殺菌された粉粒体等が結露し、団塊状となることを有効に防止することができるば力りではなぐたとえ団塊状となった場合であっても、上記乾燥ダクト 55内を通過することにより、その団塊状となった粉粒体等を解砕することができる。し力、も、この殺菌装置 31では、上記乾燥ダクト 55を通過した粉粒体等は、さらに冷却ダクト 71を通過することから、より一層団塊状とされたままで他所に移送されることを防止することができる。また、上記乾燥ダクト 55と冷却ダクト 71内には、上述した多数の傾斜板（符号は省略する。）上を落下しながら下方に移動する方式を採用するとともに、各傾斜板には多数の微細孔が形成され、これらの微細孔から加熱エアーや冷却エアーが上方に噴出される構成を採用していることから、広い設置面積が必要とならないとともに、乾燥又は冷却効率を効果的に上げることが可能となる。

Claims

請求の範囲

[1] 粉粒体等が充填されるホッパーと、このホッパーの下方に配置された第 1のロータリ一バルブと、この第 1のロータリーバルブの下方に形成された第 2のロータリーバルブと、を備えてなるとともに、上記第 1のロータリーバルブと第 2のロータリーバルブとの間には粉粒体等が移動する気密空間が形成され、この気密空間は該気密空間内に飽和蒸気を噴射する飽和蒸気噴射管と連通してなることを特徴とする殺菌装置。

[2] 前記第 1及び第 2のロータリーバルブは、回転速度が調節可能とされてなるとともに、それぞれ回転方向は逆方向であることを特徴とする請求項 1記載の殺菌装置。

[3] 前記第 2のロータリーバルブの下方には、乾燥装置が配置されており、この乾燥装置は、一方向に傾斜した一方の傾斜板と、この一方の傾斜板から落下した粉粒体等を支持するとともに他方向に傾斜した他方の傾斜板とが交互に配置されてなる傾斜板群と、これらの傾斜板群に形成された多数の微細孔と、上記傾斜板群の下方から上方に加熱エアーを供給する加熱エアー供給手段と、を備えてなることを特徴とする請求項 1又は 2記載の何れかの殺菌装置。

[4] 前記傾斜板群は、それぞれ傾斜角度が調節可能とされてなることを特徴とする請求項 3記載の殺菌装置。

[5] 前記傾斜板群の側方には、冷却装置が配置され、この冷却装置は、一方向に傾斜した一方の傾斜板と、この一方の傾斜板から落下した粉粒体等を支持するとともに他方向に傾斜した他方の傾斜板とが交互に配置されてなる傾斜板群と、これらの傾斜板群に形成された多数の微細孔と、上記傾斜板群の下方から上方に冷却エアーを供給する冷却エアー供給手段と、を備えてなることを特徴とする請求項 3又は 4記載の何れかの殺菌装置。