明 細 書
陰イオン界面活性剤およびそれを含む組成物
技術分野
[0001] 本発明は、特定の化学構造の陰イオン界面活性剤、カゝかる陰イオン界面活性剤を 含む組成物に関し、詳細には分子構造中に含まれるポリアルキレンエーテル鎖長の 平均値が 1. 5-2. 5である第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩型の陰イオン界 面活性剤およびカゝかる陰イオン界面活性剤を含む組成物に関する。
背景技術
[0002] 家庭用および工業用の洗浄剤、および乳化剤の分野において、各種界面活性剤 がそれぞれの使用状況に合わせて使用されている。界面活性剤はそのイオン性から 、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性 剤の 4種類に大別される。これらのうち、主に衣料用あるいは台所用洗剤の主成分と して使用されるのは、陰イオン界面活性剤である。
[0003] 陰イオン界面活性剤には、アルキルァリルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩 、アルキルエーテル硫酸エステル塩などがある。このうち、アルキルァリルスルホン酸 塩、特にアルキルベンゼンスルホン酸塩は、その昔、世界で最も多く生産、消費され ていたが、生分解性に乏しく環境に悪影響を与える懸念力 全世界的に使用が規制 される方向にある。また、アルキルァリルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩など は、元来水溶性に乏しい上、使用する水の硬度が高いと界面活性能が低下すること が知られている。
[0004] アルキルエーテル硫酸エステル塩型の陰イオン界面活性剤には、第 1級アルキル エーテル硫酸エステル塩と第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩型の構造を有す る陰イオン界面活性剤が含まれる。ここで、第 1級アルキルとは、ォキシアルキレン基 の酸素と結合する炭素原子の置換基 (アルキル基など)がーつの場合を第 1級アル キル、置換基が二つの場合を第 2級アルキルという。
[0005] 第 1級アルキルエーテル硫酸エステル塩は、水溶液としての粘度が高ぐまた、ゲ ルイ匕し易いなどの取扱い操作性に問題がある。また、表面張力、浸透力などの界面
活性能も、不十分であり、洗浄力、乳化力には改善の余地がある。
[0006] 他方、第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩型は、配合した水溶液の粘度が低 ぐゲルィ匕しにくいなどの取扱い性操作性に優れている。また、表面張力や浸透力も 、良好であり、さらに、洗浄力、乳化力に優れ、力る泡切れもよい有用な活性剤である (JP-A-59-175463, JP—A— 10— 251216)。
[0007] JP— A— 10— 251216では、高級第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩の製造方 法として、長鎖ォレフイン(OL)の 2重結合に、モノエチレングリコール(MEG)を付カロ する際に、触媒として結晶性アルミノシリケートを用いることによって得られた高級第 2 級アルコールアルコキシレート、または、さらにエチレンオキサイド(EO)を付カ卩して得 られた高級第 2級アルコールアルコキシレートを硫酸ィ匕する方法が提案されている。
[0008] かかる製造方法では、 OLに MEGを付カ卩したものおよびその後 EOを付カ卩したもの の両者を硫酸化しており、 95%以上がモノエトキシレート構造体であるアルキルエー テル硫酸塩を含む組成物 A、およびポリアルキルエーテル鎖長の範囲が広く分布し た形のアルキルエーテル硫酸塩を含む組成物 Bが提供されている。
[0009] また、陰イオン界面活性剤として、第 2級アルキル基を有する特定の陰イオン界面 活性剤が知られて 、る (JP-A-10-45703)。
発明の開示
[0010] しかしながら、 JP-A-10— 251216に記載の発明では、組成物 Aは、組成物 Bに比 して、濯ぎ性は高いものの、洗浄力が低い。他方、組成物 Bは、組成物 Aに比して、 E O付加モル数が増加し親水性が増すことで洗浄力は高まるものの、濯ぎ性が低い。 そのため、濯ぎ性と洗浄力との特性のバランスがよ!/、ものは提供できて!/、な!/、のが現 状である。
[0011] そこで、本発明者らは、上記目的を達成すベぐ鋭意検討した結果、ポリアルキレン エーテル鎖長の平均値が所定の範囲にあるもの、またはポリアルキレンエーテル鎖 長が 2であるアルキルエーテル硫酸塩を一定割合以上含有するものが、濯ぎ性と洗 浄力との特性のノ ランスに優れた働きを発現し得ることを見出した。
[0012] また、 JP— A— 10— 45703には、特定の陰イオン界面活性剤は、洗浄力、乳化力の 界面活性能が優れているとの記載はあるものの、洗浄力と濯ぎ性のバランスのとれた
液体洗浄剤組成物に関する開示はな ヽ。
[0013] さらに、価格以外の性能、品質において、界面活性剤に消費者が要求するのは主 に以下の項目と考えられる。
[0014] 1.油汚れに対する洗浄力
洗浄対象となる汚れ成分は泥汚れやタンパク汚れなど様々な成分があるが、主たる 対象は油汚れである。当然ながら、親油性ィ匕合物に対する親和性が高い方が、油汚 れに対する洗浄力および落とした汚れの分散力に優れると考えられる。
2.洗浄後の濯ぎ性
洗浄後に落とした汚れや余分な界面活性剤自体を、簡単にすばやく基材から除去 することが望まれる。仮に、親油性化合物に対する親和性が高ぐ落とした汚れの分 散力が高めでも、界面活性剤自体が基材力 十分に除去できなければ大きな欠点と なる。
[0015] 3.取扱い操作性
界面活性剤は主として水溶液の姿で配合組成分の一つとして使用されるが、配合 上の制約が少ないことが望まれる。化学構造上、配合液の粘度が高く流動性が低い 、あるいは液の流動性が失われてゲル状となってしまう濃度の範囲が狭 、界面活性 剤が望まれている。
[0016] 4.取扱い安全性
実際に使用している消費者に対し、あるいは使用後に排出される環境に対して 2つ の見方がある。前者では直接消費者の手肌に触れる際の刺激性や使用時に感じる 臭気などがないこと、後者では排出後自然界に堆積することなく十分に生分解するこ とが望まれる。これらの代表される複数の要求に対し、総合的なバランスに優れた界 面活性剤の上巿が待たれて 、る。
[0017] このように、界面活性剤に求められる消費者の要求に応えるには、さらに分子設計 の最適化を図る必要がある。すなわち、油汚れ洗浄力、洗浄後の濯ぎ性、取扱い操 作性、取扱い安全性の各要求をバランスよく満たす界面活性剤を提供することが、本 発明の課題である。
[0018] そこで、本発明の目的は、油汚れ洗浄力、濯ぎ性、取扱い操作性、取扱い安全性
のバランスに優れた第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩型の構造の陰イオン界 面活性剤を提供することにある。
[0019] また、本発明の目的は、濯ぎ性と洗浄力との特性のバランスに優れたアルコキシレ ートの硫酸塩である第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩を含む組成物、及びこ れを用いた界面活性剤、該界面活性剤を用いてなる洗浄剤を提供することにある。
[0020] さらに、本発明の目的は、衣料用、食器洗いなどに有用な液体洗浄組成物を提供 することにある。
[0021] 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の界面活 性剤が、油汚れ洗浄力、濯ぎ性、取扱い操作性、取扱い安全性のバランスに優れる ことを見出し、本発明を完成するに至った。
[0022] すなわち、本発明は、ポリアルキレンエーテル鎖長の平均値が 1. 5-2. 5である化 学式 1で表される第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩の陰イオン界面活性剤:
[0023] [化 1]
[0024] ただし、式中、 R , Rはそれぞれ独立して炭素数 1
1 2 一 18の直鎖もしくは分岐アルキ ル基でそれぞれ合成炭素数が 7— 29であり、 Aは炭素数が 2以上、好ましくは 2— 8 のアルキレン基であり、 nはォキシアルキレン基の繰返し単位数を示し、その平均値 が 1. 5-2. 5の範囲にあり、 Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモ-ゥム基、 または水素原子置換アンモ-ゥム基であり、 mは Mの価数を表す、に関する。
[0025] また、本発明は、化学式 2
[0026] [化 2]
[0027] ただし、式中、 R , Rはそれぞれ独立して炭素数 1
1 2 一 18の直鎖もしくは分岐アルキ ル基でそれぞれ合成炭素数が 7— 29、好ましくは 7— 19であり、 Aは炭素数が 2以上 のアルキレン基であり、 Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモ-ゥム基、また は水素原子置換アンモ-ゥム基であり、 mは Mの価数を表す、
で表される第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩(「第 2級アルコールアルコキシレ ート硫酸ィ匕物塩」ともいう)を含む組成物であって、化学式 2で表される成分が陰ィォ ン界面活性剤中 40質量%以上である第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩組成 物、に関する。
[0028] さらに、本発明は、化学式 3
[0029] [化 3]
[0030] ただし、式中、 R , Rはそれぞれ独立して炭素数 1
1 2 一 18の直鎖もしくは分岐アルキ ル基でそれぞれ合成炭素数が 7— 29、好ましくは 7— 19であり、 Aは炭素数が 2以上 のアルキレン基である、
で表される原料第 2級アルコールアルコキシレートを、硫酸化反応させた後、塩基 性物質により中和して得られる化学式 2で表される第 2級アルキルエーテル硫酸エス テル塩含有組成物の製造方法、に関する。
[0031] 本発明は、また、化学式 2
[0032] [化 4]
[0033] ただし、式中、 R , Rはそれぞれ独立して炭素数 1
1 2 一 18の直鎖もしくは分岐アルキ ル基でそれぞれ合成炭素数が 7— 29、好ましくは 7— 19であり、 Aは炭素数が 2以上 のアルキレン基であり、 Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモ-ゥム基、また は水素原子置換アンモ-ゥム基であり、 mは Mの価数を表す、
で表される第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩、に関する。
[0034] 本発明は、さらに、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤及び水を含有する液 体洗浄剤組成物であって、該陰イオン界面活性剤として化学式 4
[0035] [化 5]
( 4 )
[0036] ただし、式中、 R , Rはそれぞれ独立して炭素数 1
1 2 一 18の直鎖もしくは分岐アルキ ル基またはァルケ-ル基でそれぞれの合計炭素数が 7— 29、好ましくは 8— 17であ り、 Aは炭素数が 2以上のアルキレン基であり、 nはォキシアルキレン基の繰返し単位 数であって 0— 10の値、ただし、 nが 2以上の場合には、 AOで表されるォキシルアル キレン基の種類は 1種類または 2種類以上であってもよぐ該ォキシアルキレン基が 2 種類以上の場合には、各種ォキシアルキレン基が全体で平均 n個であることを表し、 Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモ-ゥム基、または水素原子置換アンモ -ゥム基であり、 mは Mの価数を表す、
で表される第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩を、洗浄剤組成物全量に対し、 5— 50質量%、該非イオン界面活性剤を 1一 30質量%及び水を残量含む液体洗浄 剤組成物、に関する。
[0037] 本発明の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 1)陰イオン界面活性剤 によれば、油汚れの洗浄力、濯ぎ性、取扱い操作性、および取扱い安全性に優れる という効果を奏する。
[0038] 本発明の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 2)含有組成物は、ポリ アルキレンエーテル鎖長が 2であるアルキルエーテル硫酸塩を、組成物中の陰ィォ ン界面活性剤に対し、 40質量%以上含むため、濯ぎ性と洗浄力との特性のバランス に優れた特性を示す。
[0039] 本発明の液体洗浄剤組成物は、安全性が高ぐ刺激性が少なぐ耐硬水性に優れ 、かつ、油汚れに対する洗浄力、洗浄後の濯ぎ性の両性能にバランスよく優れる。 発明を実施するための最良の形態
[0040] (I.第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩型の陰イオン界面活性剤)
本発明による第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩型の陰イオン界面活性剤は
、化学式 1で表される化学構造を有する。
[0041] 化学式 1において、 R , Rは、それぞれ独立して炭素数 1一 18の直鎖もしくは分岐
1 2
アルキル基でそれぞれ合成炭素数が 7— 29であり、好ましくは、 7— 19である。合計 値が 7未満であると油汚れに対する洗浄力が低くなる。逆に、 29を超えると、洗浄後 の濯ぎ性が悪ぐ洗浄基材へのべトツキ感が残り易い。
Rまたは Rの具体例としては、メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
1 2
チル基、イソブチル基、 sec—ブチル基、 tert—ブチル基、ペンチル基、イソペンチル 基、ネオペンチル基、へキシル基、 2—ェチルブチル基、ヘプチル基、ォクチル基、 2 —ェチルへキシル基、ノニル基、 3, 5, 5—トリメチルへキシル基、デシル基、ゥンデシ ル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、へキサデシル基 、ヘプタデシル基、ォクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などが挙げられる。
[0042] 第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 1)は、第 1級アルキルエーテル硫 酸エステル塩のものに比べて、高い浸透性に由来する油汚れへの高い洗浄性を示 すだけでなぐ配合した水溶液は低粘度かつゲルィ匕範囲が低いなど取扱い操作性 に優れるという利点がある。
[0043] また、 R力メチル基であり、 Rが炭素数 2以上のアルキル基である成分力 陰ィォ
ン界面活性剤の全体に対し、 30— 70質量%の範囲にあることが好ましい。すなわち 、親油基中の端から 2番目の炭素力 ポリアルキレンエーテル鎖長が延びた構造を 持つ成分の割合が 30— 70%を占めることをいう。残りの成分については、 R , Rとも
1 2 に任意であり、炭素数が 1一 18であるアルキル基であって、合成炭素数が 7— 29の 成分が含まれる。
[0044] ィ匕学式 1の AOは、炭素数 2以上、好ましくは 2— 8のォキシアルキレン基を表す。具 体的には、ォキシエチレン基、ォキシプロピレン基、ォキシブチレン基、ォキシペンチ レン基、ォキシへキシレン基、ォキシぺプチレン基、ォキシオタチレン基、およびォキ シフエ-レン基が挙げられる。仕上がり品に期待する性状に合わせてこれらを任意に 選択できるが、原料入手の容易さから親水性基としての働きを期待する上で、ォキシ エチレン基、ォキシプロピレン基が好ましい。また、 AOは、 1種類のみで構成されて もよいが、 2種類以上で構成されていてもよい。 AOが 2種類以上で構成される場合に は、ランダムに、またはブロックで配置されていてもよい。例えば、ポリオキシエチレン 長鎖の一部が、ォキシプロピレン基に置き換わった構造でもよ!/、。
[0045] 化学式 1の nは、ポリアルキレンエーテル鎖長の平均値または AOの繰返し単位数 を表し、その平均付加モル数 nAveは、 1. 5-2. 5モル、好ましくは 1. 7-2. 3であ る。 1. 5未満の場合には、油汚れに対する洗浄力は高いが、洗浄後の濯ぎ性が悪く なる。一方、 2. 5を超える場合には、濯ぎ性は良好ながら、洗浄力は低くなる。
[0046] この繰返し単位が、油汚れ洗浄力と濯ぎ性とをバランスよく発揮させる指標であり、 繰返し単位自体あるいはその平均値を特定することにより、効果的に機能する陰ィォ ン界面活性剤を調製することができる。具体的には、 AOの繰返し単位数である、ポリ アルキレンエーテルの鎖長が 1または 2である成分の割合力 全体の 60%以上であ ることが好ましい。
[0047] ポリアルキレンエーテル鎖長の平均値は、アルキルエーテル硫酸エステル塩の H1
NMR分析により求められる。しかしながら、より簡易的な方法として、硫酸化前のァ ルキルエーテルを GC法 (ガスクロマトグラフィー)により分析することにより、推算する ことができる。この場合、ポリアルキレンエーテル鎖長の平均値は、異なる鎖長を有す るポリアルキレンエーテルの平均値であり、各鎖長に各々の割合を掛け合わせた積
の総和である。仮に、ポリアルキレンエーテル鎖を持たないアルコール成分が含まれ る場合には、この含量も、ポリアルキレンエーテル鎖長 =0に相当するものとして、計 算に加えるものとする。例として、ポリアルキレンエーテル鎖長 =0, 1, 2, 3, 4の成 分力 それぞれ 30%、 20%、 15%、 10%、 5%ある場合には、その平均鎖長は、 1. 0 (0 X 0. 3 + 1 X 0. 2 + 2 X 0. 15 + 3 X 0. 1 +4 X 0. 05)と求められる。 GC法につ いては、実施例の欄に記載する。分析の際、前処理としてエーテル鎖末端をシリル 化しておけば、対象化合物の沸点を下げることができるので、低温での GC分析が可 會 になる。
[0048] 化学式 1の Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモ-ゥム基、水素原子置換 アンモ-ゥム基のいずれかである。これらは、硫酸化後の中和に使用する塩基性ィ匕 合物により決定される力 化合物入手の容易さからナトリウム、カリウムなどのアルカリ 金属、あるいはアンモ-ゥム基であることが好ましい。
[0049] すなわち、本発明の化学式 1で表される第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩は 、 R、 R、 A、 Mが一定の場合に、ポリアルキレンエーテル鎖長の異なる化合物を含
1 2
む混合物であって、そのポリアルキレンエーテル鎖長の平均値が nであることを意味 する。
[0050] (第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩型の陰イオン界面活性剤の製造方法) 本発明の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 1)型の陰イオン界面活 性剤は、次の方法で製造することができる。すなわち、第 2級アルコールを出発原料 とし、アルキレンォキシドを付加、硫酸化、中和すること〖こよって得られる。
[0051] また、 JP— A— 10— 251216に記載の方法に基づいて製造することもできる。すなわ ち、結晶性アルミノシリケートを触媒とし、長鎖ォレフインの二重結合にアルキレンダリ コールを付カ卩して第 2級アルコールアルコキシレートを調製し、または、これにアルキ レンォキシドを付カ卩して、付カ卩モル数の多!、第 2級アルコールアルコキシレートを調 製し、その後、これを硫酸化、中和する製法である。
[0052] 後者の製法によれば、次の利点がある:
(1)ォレフィンへのアルキレングリコール付カ卩において、未反応のォレフィンがほと んど残らないため、次のアルキレンォキシド付加後においても、アルケニル硫酸エス
テルがほとんど生成しな!、。
[0053] (2)後者の製法では、未反応ォレフィンがほとんど残らないため、アルキル硫酸ェ ステルがほとんど発生しない。それに対し、通常のアルコールへのアルキレンォキシ ド付加では、未反応のアルコールが残存するため、硫酸後に皮膚刺激性をもたらす アルキル硫酸エステルが発生する。
[0054] (3)アルキレンォキシドの付加は、第 2級アルコールではなぐアルコールへのアル キレンォキシド 1モル付カ卩品と構造が同じである、アルキレングリコールモノ第 2級ァ ルキルエーテルを対象とすることから、得られたアルキレンォキシド付カ卩品の付加モ ル数の分布は、比較的狭い範囲に収まる。
[0055] (4)後者の製法では、汎用的なアルカリ触媒を使用しても、付加モル数の分布が狭 いアルキルエーテルを調製することができる。それに対し、通常、アルキレンォキシド 付カ卩品の付加モル数の分布が狭 、アルキルエーテルを得るためには、 V、わゆるナロ 一レンジ触媒と呼ばれる特殊な触媒を必要とする。もちろん、アルキレンォキシドの付 加モル数が多くなればなるほどその付加モル数の分布は広めとなる力 アルキレンォ キシドの付加モル数が比較的少な!/、範囲にぉ 、てはその分布は極めて狭!、。
[0056] (第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩型の陰イオン界面活性剤を含む液体洗 浄剤組成物)
本発明による第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 1)型の陰イオン界 面活性剤は、単独で洗浄剤として用いることもできるが、公知の洗浄剤用界面活性 剤を併用してもよい。
[0057] このような併用可能な界面活性剤としては、例えば、アルキルフエノールアルコキシ レート、高級第 1級アルコールアルコキシレート、高級第 2級アルコールアルコキシレ ート、脂肪酸アルコキシレートなどの非イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、第 4級 アンモ-ゥム塩などの陽イオン界面活性剤、アルキルべタインなどの両性イオン界面 活性剤などが挙げられる。さらに、従来の陰イオン界面活性剤、例えば、アルキルァ リルスルホン酸塩、高級第 1級アルコール硫酸エステル塩、高級第 1級アルキルエー テル硫酸エステル塩などにっ 、ても、本発明の界面活性剤の性能を損なわな 、範囲 であって、なおかつ、各界面活性剤の持つ作用効果を発現し得る範囲内で適量を配
合する形で併用することも可能である。
[0058] さらに、本発明の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (ィ匕学式 1)型の陰イオン 界面活性剤を配合した洗浄剤には、通常の洗浄剤に使用されている種々の添加剤 をカロ免ることができる。
[0059] 例えば、洗浄剤用途の場合の添加剤としては、例えば、アルカリ剤、香料、蛍光増 白剤、着色剤、起泡剤、泡安定剤、つや出し剤、殺菌剤、漂白剤、酵素、防腐剤、染 料、溶剤などが挙げられる。但し、これらの添加剤は、本発明の界面活性剤中に適 量配合させてもよいほか、本発明の界面活性剤とは別に、後述する洗浄剤成分とし て添カ卩してもよい。
[0060] (II.ポリアルキレンエーテル鎖長(平均値) = 2の第 2級アルキルエーテル硫酸エス テル塩型の陰イオン界面活性剤)
(化学式 2で表される第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩)
化学式 2中、 R , Rは、それぞれ独立して炭素数 1一 18の直鎖もしくは分岐アルキ
1 2
ル基で、それぞれ合成炭素数が 7— 29、好ましくは 7— 19、より好ましくは 7— 15で ある。合計炭素数が 7未満の場合には、親油性が出なくなり、界面活性能が低下し、 本発明の作用効果を発現するのが困難となる。合計炭素数が 29を超える場合には、 第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩が固形物になって溶けなくなるほか、親水 性が出なくなり、界面活性能が低下し、本発明の作用効果を発現するのが困難とな る。
[0061] 化学式 2中、 AO中の炭素数は 2以上、好ましくは 2— 10、より好ましくは 2— 4の整 数を表す。
[0062] 化学式 2の Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモ-ゥム基、または水素原 子置換アンモ-ゥム基を表す。好ましくは、硫酸ィ匕プロセス後の中和しやすさの観点 から、アルカリ金属イオンである。これらは、後述するように第 2級アルコールアルコキ シレートを硫酸ィ匕したものを、中和する際に用いる中和物質の陽イオン種であればよ い。なお、 nは Mの価数を表す。
[0063] (第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩含有組成物)
本発明の組成物中には、化学式 2で表される成分が、組成物中の陰イオン界面活
性剤に対し、 40質量%以上、好ましくは 65質量%以上、より好ましくは 70質量%以 上含有されている。化学式 2で表される成分が、組成物中の陰イオン界面活性剤に 対し、 40質量%以上含有されることで、濯ぎ性と洗浄力との特性のバランスが特段に 優れるものとなる。化学式 2で表される成分力 40質量%未満の場合には、濯ぎ性と 洗浄力との特性のノランスが悪ぐいずれか一方の特性が向上する反面、他方の特 性が低ぐ満足のいく効果を発揮することできない。
[0064] 該組成物中の陰イオン界面活性剤において、化学式 2で表される第 2級アルキル エーテル硫酸エステル塩成分以外の成分としては、主にポリアルキレンエーテル鎖 長が 2以外の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩が含まれる。ポリアルキレンェ 一テル鎖長は、 1あるいは 3— 20であることが好ましい。例えば、 JP— A— 59— 17546 3に記載の製造法により得られた高級第 2級アルコールアルコキシサルフェート塩や J P— A— 10— 251216の製造法により得られた高級第 2級アルキルエーテル硫酸エス テル塩、第一級アルコール硫酸塩、第一級アルコールアルコキシレート、アルキル硫 酸エステル塩、 ひ一才レフインスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩などの 陰イオン界面活性剤;アルコールアルコキシレート、脂肪酸アル力ノールアミド、ソル ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンァシルエステル、アルキルポリグリコシド、 脂肪酸グリコシドエステル、脂肪酸メチルダリコシドエステル、アルキルメチルダルカミ ドなどの非イオン界面活性剤;アルキルべタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、 アルキルアミドべタイン、イミドゾリ-ゥムベタイン、 N—アルキルアミノ酸、アミンォキシ ドなどの両性界面活性剤などの公知の界面活性能を有する化合物ないし組成物が 挙げられる。
[0065] また、本発明の組成物は、上記したような成分以外に、水を含んでいてもよい。かか る水は、第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (ィ匕学式 2)の製造過程で生成する ため、使用用途によっては水を含んだままの組成物を使用、販売などすることも可能 である。
[0066] よって、本発明の組成物中の水の含有量は、特に制限されるものではなぐ製造方 法によっても異なる力 通常、組成物に対し、 20— 80質量%、好ましくは 30— 50質
[0067] また、本発明の組成物では、水に代えて、或いは水と共に本発明の作用効果に影 響を及ぼさないような溶媒を配合することも可能である。なお、本発明の組成物では 、こうした溶媒量の加減によって、化学式 2で表される成分の割合が変動しないように 、該組成物中の陰イオン界面活性剤を基準に規定している。即ち、本発明の組成物 では、該組成物中の陰イオン界面活性剤に含まれる化学式 2で表される成分が、 40 質量%以上、好ましくは 65質量%以上、より好ましくは 70質量%以上含有されてい る。該溶媒としては、例えば、エタノールやプロピレングリコールなどが挙げられる。
[0068] 本発明の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 2)含有組成物は、ポリ アルキレンエーテル鎖長が 2のアルキルエーテルの硫酸塩を、組成物中の陰イオン 界面活性剤に対する割合として 40質量%以上含むため、従来達成できて!/、なかつ た濯ぎ性と洗浄力との特性のバランスに優れたアルキルエーテルの硫酸塩を含む組 成物を提供することができる。
[0069] そのため、本発明の組成物を界面活性剤、特に該界面活性剤を洗浄剤、とりわけ 食器洗いなどに有用な液体洗浄組成物に用いることで、野菜、果物のほか、特に食 器、調理用器具などのひっこ ヽ油汚れや頑固なこびりつきなどに対して優れた洗浄 力を発揮することができる。
[0070] また、濯ぎ性が高いため、洗浄後に簡単な水洗い、例えば、流水や溜め水での水 洗 、で素早く汚れと洗浄剤を洗 、落とすことができる。
[0071] 本発明の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩含有組成物、及びこれを用いた 界面活性剤、該界面活性剤を用いた洗浄剤、特に食器洗いなどに有用な液体洗浄 組成物にぉ 、ても、既存の高級第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩と同様に、 既存の高級第 1級アルコール硫酸エステル塩や高級第 1級アルキルエーテル硫酸 エステル塩に対して、低粘度でゲル化し難いので、取り扱いし易ぐ表面張力、浸透 力も良好で、泡切れ性も良ぐ洗浄力、乳化力に優れるという点で優位性を持つこと に変わりは無ぐこの点でも有用である。
[0072] なお、上記濯ぎ性は、皿などの食器や調理用器具などの被洗浄物からの活性剤の 除去され易さをいう。泡切れ性は、活性剤は残存しているが泡がなくなった状態への なり易さをいう。但し、活性剤は残存しているので洗浄力は残っている。よって、濯ぎ
性と泡切れ性とは異なる特性を意味する技術用語であり、明確に区別されるものであ る。
[0073] (第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩含有組成物の製造方法)
次に、本発明の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 2)含有組成物の 製造方法について説明する。
[0074] 本発明の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 2)含有組成物は、次の 方法で製造することができる:
[0075] [化 6] 化学式 3
H
R― C R
| ( 3 )
0 ( AO ) H
[0076] ただし式中、 R , Rは、それぞれ独立して炭素数 1 18の直鎖もしくは分岐アルキ
1 2
ル基で、それぞれ合成炭素数が 7— 29、好ましくは 7— 19であり、 Aは炭素数が 2以 上のアルキレン基である、
で表される原料第 2級アルコールアルコキシレートを、硫酸化反応させた後、塩基性 物質により中和することにより、
[0077] [化 7] 化学式 2
[0078] ただし式中、 R , Rは、それぞれ独立して炭素数 1 18の直鎖もしくは分岐アルキ
1 2
ル基で、それぞれ合成炭素数が 7— 29、好ましくは 7— 19であり、 Aは炭素数が 2以 上のアルキレン基であり、 Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモ-ゥム基、ま たは水素原子置換アンモ-ゥム基であり、 mは Mの価数を表す、
で表される第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩を含む組成物であって、化学式
2で表される成分が、組成物中の陰イオン界面活性剤に対し、 40質量%以上含有さ れてなる第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩含有組成物が得られる。
[0079] 上記製造方法で用いられる原料第 2級アルコールアルコキシレートは、炭素数 8— 30の直鎖ォレフインにジアルキレングリコールを付加させて製造したものであることが 望ましい。このようにして得られた原料を硫酸ィ匕した場合、一部分解反応で生じるァ ルコールが混入する力 存在量は極めて少ない。したがって、 JP— A— 59— 175463 で記載されている余分な蒸留による精製プロセスが不要であることから、生産コストを 抑え、低コストの製品を提供することができ、実用性が高ぐ経済的にも有利である。 さらに、製造原料のアルコールが組成物中に残存することが極めて少ないため、皮 膚刺激性及び耐塩性 (結晶化する)の問題もな 、点でも有利である。
[0080] また、化学式 3で表される第 2級アルコールアルコキシレートとして、上記方法により 得られたアルコキシレートを原料に用いることで、化学式 2で表されるポリアルキレン エーテル鎖長が 2のアルキルエーテル硫酸塩の成分を 、わば選択的な 、し優先的 に高純度(高含有率)で得られる点で有利である。
[0081] たとえば、後述する実施例 2と実施例 1において、硫酸ィ匕前のポリアルキレンエーテ ル鎖長(平均値)でみると、 2. 0と 2. 1でほとんど同じである。し力しながら、実施例 2 では、化学式 3で表される第 2級アルコールアルコキシレートを上記方法により製造し て原料に用いることで、化学式 2で表される成分が 93質量%と高含有率で得られる。 これに対し、実施例 1に記載の方法により得られた原料を用いた場合、ポリアルキレ ンエーテル鎖長の範囲が広く分布した形のアルキルエーテルの硫酸塩を含む組成 物が得られる。そのため、化学式 2で表される成分は 31質量%程度である。その結 果、実施例 2の場合、化学式 2で表される成分含有量が高ぐ濯ぎ性と洗浄力とのバ ランスに優れたものを得ることができる(表 1参照のこと)。
[0082] 以下、これらの製造方法を例にとり説明する。
[0083] (第 2級アルコールアルコキシレートの合成)
まず、化学式 3で表される第 2級アルコールアルコキシレートは、炭素数 8— 30の直 鎖ォレフインにジアルキレングリコールを付加させて製造する。
[0084] 詳しくは、炭素数 8— 30の直鎖ォレフインにジアルキレングリコールを、必要に応じ
て適宜適当なモル比に調整し、更に必要に応じて酸触媒の存在下で付加させ、得ら れた生成物を蒸留、抽出、その他の方法により分離することにより得られる。
[0085] 該炭素数 8— 30の直鎖ォレフインとしては、エチレン系不飽和結合を有する炭素数 8— 30、好ましくは 10— 18、より好ましくは 12— 16の炭化水素が挙げられる。具体 的には、オタテン、デセン、ドデセン、テトラデセン、へキサデセン、ォクタデセン、ェ ィコセンなどである。これらは単独で用いてもよぐ 2種以上の混合物でもよい。
[0086] また、これら直鎖ォレフインは、その不飽和結合の位置が、 α位であるものでも、ィ ンナ一位であるものでも、あるいは α位およびインナ一位の両方であるものでも、特 に制限なく用いることができる。もちろん、不飽和結合の位置を異にするこれらの直 鎖ォレフインの 2種以上を併用することもできる。
[0087] 第 2級アルコールアルコキシレートを得るために用いられるジアルキレングリコール としては、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどである。これらは単独で 用いてもよぐ 2種以上の混合物でもよい。
[0088] 第 2級アルコールアルコキシレートを得るための上記直鎖ォレフインと上記ジアルキ レンダリコールとのモル比は、特に限定されないが、通常、 0. 05— 20、好ましくは 0. 1一 10である。上記直鎖ォレフインと上記ジアルキレングリコールとのモル比を上記 範囲内に調整することによって、未反応原料を再循環する量が低減できるため、反 応器を小型化できる点や、再循環に要するエネルギーコストを低減できる点にぉ 、て 有利である。
[0089] また、上記直鎖ォレフインの不飽和結合に、上記ジアルキレングリコールを付加さ せる反応条件としては、反応温度が、通常、 50— 250°C、好ましくは 100— 200°Cで ある。反応圧力は、減圧、常圧または加圧のいずれでもよいが、モル数が減少する付 加反応のため平衡的に有利になることから、常圧一 0. 2MPaの範囲とするのが望ま しい。上記反応温度が 50°C未満の場合には、反応速度が遅くなりすぎ、他方、 250 °Cを超える場合には、直鎖ォレフインの重合、ジアルキレングリコールの分解、縮重 合などが起こり、選択率が低下するなど好ましくな 、。
[0090] また、上記直鎖ォレフインと上記ジアルキレングリコールの反応に用いる酸触媒の 例としては、強酸性イオン交換榭脂、結晶性アルミノシリケート、ドデシルベンゼンス
ルホン酸、硫酸、ヘテロポリ酸などが挙げられる。反応性、反応後の分離性の点から 、好ましくは、結晶性アルミノシリケート(例えば、 BEA型ゼオライト、 MFI型ゼオライト 、 MEL型ゼオライト、 MWW型ゼオライトなど)であり、特に、 BEA型ゼオライトが望ま しい。
[0091] また、上記酸触媒の量としては、上記直鎖ォレフインに対し、通常、 0. 1— 100質 量%、好ましくは 0. 5— 50質量%の範囲にある。該触媒量が 0. 1質量%未満の場 合には、十分に付加反応が促進できず、他方、 100質量%を超える場合には、ォレ フィンの重合、アルキレングリコールの縮合などの副反応が多く発生するほか、さらな る添加量に見合うだけの効果が得られず不経済となり好ましくない。
[0092] 以上述べたように、化学式 3で表される第 2級アルコールアルコキシレートを得ること ができる。なお、化学式 3中の R , R , Aの説明及び好適な範囲などについては、化
1 2
学式 2中の R , R , Aの説明及び好適な範囲などと同様である。
1 2
[0093] 本発明の製造方法では、化学式 3で表される第 2級アルコールアルコキシレート(単 に、原料第 2級アルコールアルコキシレートとも略記する)を反応させた後、硫酸化、 塩基性物質により中和することにより、化学式 2で表される第 2級アルキルエーテル硫 酸エステル塩を含む組成物であって、化学式 2で表される成分力 組成物中の陰ィ オン界面活性剤に対する割合として 40質量%以上含有されてなる第 2級アルキルェ 一テル硫酸エステル塩含有組成物を得られる。
[0094] (硫酸化)
力かる硫酸化には、例えば、硫酸、クロルスルホン酸、無水硫酸、スルファミン酸な どを用いることができる。工業的な使用に際しては、主に経済性の観点から、クロルス ルホン酸な 、し無水硫酸を用いて硫酸ィ匕することが好まし!/、。
[0095] よって、(i)クロルスルホン酸を用いて硫酸ィ匕する場合と、(ii)無水硫酸を用いて硫 酸化する場合について説明する。
[0096] (i)クロルスルホン酸を用いる場合、第 2級アルコールアルコキシレート中に、クロル スルホン酸を公知の方法、例えば、直接もしくは空気、不活性ガスなどを同伴させて 滴下し、または、 JP— B— 1 36823に記載の方法により、ラインミキサー付外部循環 が備えられた硫酸ィ匕装置などを利用し、混合することによって、バッチ式で硫酸化を
行う。
[0097] クロルスルホン酸を用いる場合、その滴下時間は 1一 2時間が適している。反応の 進行に伴って循環液の粘度が上昇し、し力も原料濃度が低下していくため、硫酸ィ匕 物の分解による収率および品質の低下は反応後半に生じやすい。したがって、クロ ルスルホン酸の供給速度は、反応進行に伴い徐々に低下させていくのが好ましい。 反応温度は、特に限定されないが、通常、 20°C以下、好ましくは 15°C以下が適して いる。反応温度が 20°Cを超える場合、生成物の分解が起こりやすぐその結果、硫酸 化物の収率および品質が低下する。
[0098] (ii)無水硫酸を用いる場合、公知の方法、例えば、 JP— B— 51—17538に記載され ているように、並流薄膜反応器を用い、第 2級アルコールアルコキシレートを薄膜状 に流下し、不活性ガスにより希釈した無水硫酸ガスを並流させ気液接触させること〖こ より、連続式で硫酸化を行う。
[0099] 無水硫酸を用いる場合、不活性ガスの速度は毎秒 15— 90mが好ましい。毎秒 15 m未満では、薄膜の攪拌が悪いことから、局部的な反応が進行し、生成物の分解が 起こりやすくなる。逆に、毎秒 90mを超える場合には、薄膜がミストイ匕してしまい、滞 留時間の制御が不可能となり、長持間の滞留により分解反応が起こる。ガス中の無 水硫酸濃度は、 0. 3-1. 6容量%が好ましい。 0. 3容量%未満では、反応性が低 下し未反応の原料が多くなる。 1. 6容量%を超える場合には、収率は向上するもの の色調の低下が著しくなる。第 2級アルコールアルコキシレートに対する無水硫酸の モル比は、 0. 9— 1. 2が好ましい。 0. 9未満では、反応性が低下し未反応の原料が 多くなる。 1. 2を超える場合には、生成物の分解反応が著しくなる。反応温度は、通 常、 20— 80°C、より好ましくは 20— 60°Cである。この反応は発熱反応であることか ら、反応温度を制御するため、ジャケット付き反応器などの反応器壁面力 除熱でき る構造であることが好まし ヽ。
[0100] 本発明では、硫酸ィ匕工程において、溶媒を用いることによって、さらに「高収率で高 品質の化学式 2で表される第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩」を含む第 2級ァ ルキルエーテル硫酸エステル塩含有組成物を製造することも可能である。
[0101] 使用する溶媒の種類としては、クロ口ホルム、四塩化炭素、塩化工チル、塩化ェチ
レン、 1, 1, 1—トリクロ口エタン、 1, 1, 1, 2—テトラクロロェタンなどの塩素系溶媒、 n— ペンタン、 n—へキサン、 n—ヘプタン、シクロへキサンなどの炭化水素系溶媒、ジェチ ルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル系溶媒などが挙げられる。溶媒濃 度は、通常、反応溶液中の 10— 90質量%が望ましい。溶媒濃度が 10質量%未満 では、原料濃度が高いため粘度低下などの溶媒使用の効果が得られず、逆に、 90 質量%を超えると、原料濃度が希薄になりすぎ、反応効率が悪く収率の低下を招くの で好ましくない。
[0102] (中和)
硫酸化後、得られた反応液を塩基性物質で中和し、溶媒を使用した場合にはその 溶媒を除去して、 目的の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩含有組成物を得る
[0103] 中和工程に適した塩基性物質は、アルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリ ゥム、水酸ィ匕カリウムおよび水酸化リチウム;アルカリ土類金属の酸ィ匕物および水酸 化物、好ましくは酸ィ匕マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび水 酸化カルシウム;アンモニア、アルカノールァミン、好ましくはモノー、ジーおよびトリエ タノールァミン、並びに 1アルキル基について 1一 4の炭素原子を含む第一、第二お よび第三アルキルァミンである。これらの陽イオン種力 化学式 2における Mとして、 第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩を構成する。
[0104] 上述した本発明の製造方法により得られた本発明に係る第 2級アルキルエーテル 硫酸エステル塩 (化学式 2)含有組成物は、そのまま界面活性剤などの製品として使 用、販売などすることができる。また、上記中和工程後に、必要により、中和工程で副 生した水分量を増減してもよい。さらに、必要により、他の界面活性能を有する化合 物や組成物、更には各種添加剤などを適宜配合してもよ ヽ。
[0105] 下記に示す装置を用いることにより、硫酸ィ匕工程で使用する水を除去し、約 25%の 水溶液から高純度の硫酸塩とすることができる。
1.蒸発器:一般的な蒸発器を用いることができるが、熱による硫酸塩の分解を抑える ため減圧下での操作が好ましぐ例えばロータリー式薄膜式の蒸発器を用いて水分 を除去することが好ましい。
2.蒸留器:一般的な蒸留塔を用いることができるが、水分に除去率を高めるため多 段蒸留塔で水を溜去することが好ましい。水分の除去後に目的物が塔底に残ること 力 バッチ処理がより好まし 、。
[0106] 一般的な多段式蒸留塔としては、例えば棚段塔式や充填塔式などが用いられる。
棚段塔式の棚段の例としては、泡鐘トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイなどが用いら れる。充填塔の充填物の例としては、ラシヒリング、レッシングリング、ディクソンパツキ ング、スルザ一パッキング、マクマホンパッキング、ポールリング、ベルルサドル、イン タロックサドル、ヘリパック、メラパックなどが用いられる。
[0107] また、下記に示す装置を用いることにより、不純物として含まれる原料の第 2級アル コールアルコキシレートを溶媒抽出や蒸留で除去することでほぼ 100%の製品を得 ることがでさる。
1.溶媒抽出:一般的な抽出装置を用いることができ、石油エーテルなどの疎水溶媒 を用いて、原料のアルコールアルコキシレートを相分離して除去できる。
[0108] 抽出装置としては、例えばミキサーセトラー抽出機や向流操作のスプレー塔、充填 塔、棚段抽出塔の非攪拌式の多孔板抽出塔、バッフル塔、攪拌式のシャイベル塔、 回転円板抽出塔などが用いられる。
2.蒸留塔:一般的な蒸留塔を用いることができる力 アルコールアルコキシレートの 除去率を高めるため多段蒸留塔で溜去することが好まし 、。アルコールアルコキシレ ートの除去後に目的物が塔底に残ることからバッチ処理がより好ましい。
[0109] 一般的な多段蒸留塔としては、例えば多段塔式や充填塔式などが用いられる。棚 段塔式の棚段および充填塔の充填物の例としては、前記水を除去する場合に記載 したものを参照。
[0110] また、第 2級アルコールアルコキシレートの製造方法としても、上記製造方法に制限 されるものではなぐ例えば、 JP— A— 2— 295941、 JP—B— 61— 51570などに記載の 方法などによっても製造することができる。
[0111] (界面活性剤)
本発明の界面活性剤は、本発明に係る第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 ( 化学式 2)含有組成物を陰イオン界面活性剤として含むことを特徴とする。
[0112] 本発明の界面活性剤としては、例えば、上述した本発明の製造方法により得られた 第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 2)含有組成物をそのまま、ある!/ヽ は必要に応じて水分量を調整することで陰イオン界面活性剤として使用できる。すな わち、本発明の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 2)含有組成物は、 陰イオン界面活性剤として単独で用いることができる。
[0113] また、使用用途に応じて公知の界面活性剤、例えば、洗浄剤用途であれば、洗浄 剤用界面活性剤、好ましくは液体洗浄剤用界面活性剤、より好ましくは台所液体洗 浄剤用界面活性剤を併用してもよい。ただし、本発明の界面活性剤は、これらの用 途への使用に制限されるものではなぐ他の用途への利用も可能であり、こうした場 合には、その用途に従来カゝら用いられている各種界面活性剤を本発明の界面活性 剤の性能を損なわない範囲であって、なおかつ、各界面活性剤の持つ作用効果を 発現し得る範囲内で適量配合する形で併用することができる。
[0114] このような併用可能な界面活性剤の具体例としては、上記 (第 2級アルキルエーテ ル硫酸エステル塩型の陰イオン界面活性剤を含む液体洗浄剤組成物)の併用可能 な界面活性剤を参照。
[0115] さらに、本発明の界面活性剤には、用途ごとに通常使用されている各種界面活性 剤 (界面活性能を有する化合物ないし組成物)以外にも、用途ごとに通常使用されて いる各種の添加剤を、本発明の作用効果に影響を及ぼさない範囲内であって、なお かつ、添加剤の持つ作用効果を発現し得る範囲内で適量加えることができる。
[0116] このような添加剤の具体例としては、上記 (第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 型の陰イオン界面活性剤を含む液体洗浄剤組成物)の添加剤を参照。
[0117] (洗净剤)
本発明の洗浄剤は、本発明に係る陰イオン界面活性剤 (ィ匕学式 2)を用いることを 特徴とする。
[0118] さらに、本発明の洗浄剤には、通常の洗浄剤に使用されている種々の添加剤を本 発明の作用効果に影響を及ぼさない範囲内であって、尚且つ添加剤の持つ作用効 果を発現し得る範囲内で適量カ卩えることができる。
[0119] このような添加剤の具体例としては、上記 (第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩
型の陰イオン界面活性剤を含む液体洗浄剤組成物)の添加剤を参照。
[0120] 本発明の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 2)含有組成物が、陰ィ オン界面活性剤として含有されることで、食器洗いなどに有用な液体洗浄組成物に 強く求められている濯ぎ性と、洗浄力との特性をバランスよく発現できる。すなわち、 食器洗いなどに有用な液体洗浄組成物として用いた場合には、野菜、果物のほか、 特に食器、調理用器具などの食器、調理用器具などのしっこい油汚れや頑固なこび りつきなどに対して高い洗浄力を発揮する。また、濯ぎ性が高いため、洗浄後に簡単 な水洗い、例えば、流水や溜め水での水洗いで素早く汚れと洗剤を洗い落とすこと ができる。
[0121] さらに、本発明の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 2)含有組成物 力 陰イオン界面活性剤として含有されていることで、該陰イオン界面活性剤の原料 アルコールが製品中に残存することがな 、ため、皮膚刺激性及び耐塩性 (結晶化す る)の問題がない。そのため、製造段階で該アルコールを除去するための複雑なェ 程を経る必要がなぐ製品を安価に提供することができる。
[0122] また、低刺激性のため手肌の荒れを抑制することができ、手に付いた洗剤も素早く 水洗いで落とせるため、より一層、手肌の荒れを防ぐことができる。
[0123] さらに、日本では、生活用水の 80%力 80ppm以下の軟水である力 地域によつ ては硬水を生活用水にして ヽるところもあり、こうした硬水を用 Vヽた場合でも耐塩性に より、結晶化せずに、洗浄力と濯ぎ性との特性をバランスよく発現し、更に低刺激性も 有効に発現させることができる。
[0124] (乳化剤)
本発明の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 2)含有組成物は、乳化 剤として単独に用いてもよ!ヽが、必要に応じて他の公知の乳化剤を含有してもよ ヽ。 例えば、乳化剤として一般に使用されている非イオン界面活性剤、陽イオン界面活 性剤あるいは両性イオン界面活性剤を併用することができる。
[0125] 本発明の乳化剤に用いる油性物質については、特に制限はなぐ鉱物油、動植物 油、合成油などを使用することができる。これらは、単独でも、あるいは 2種以上混合 して使用することもできる。鉱物油の例として、例えば、スピンドル油、マシン油、流動
ノ ラフィン油などを挙げることができる。動植物油の例としては、牛脂、豚脂、魚油、 鯨油、ナタネ油、ゴマ油、ヤシ油、大豆油、パーム油、ツバキ油、ヒマシ油などを挙げ ることがでさる。
[0126] 本発明の乳化剤は、農薬、金属加工油、塗料および乳化重合用乳化剤などに用 いることがでさる。
[0127] (第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩)
本発明の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩は、化学式 2で表されるものであ る。これに関しては、本発明の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (ィ匕学式 2)含 有組成物で説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。即ち、第 2級アルキ ルエーテル硫酸エステル塩含有組成物中の水を除去し、化学式 2で表される成分が 、組成物中の陰イオン界面活性剤に対する割合として 100質量%となるようにしたも のであり、本発明の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 2)含有組成物 の 1例ともいえる。これは、化学式 3で表される第 2級アルコールアルコキシレートの製 造条件及び該原料の硫酸化反応条件や塩基性物質による中和条件などを適宜調 整することで、化学式 2で表される第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩を得ること ができる。これを上記したように界面活性剤や洗浄剤に用いれば、本発明の第 2級ァ ルキルエーテル硫酸エステル塩含有組成物を用いたものと同様の効果が得られる。
[0128] (III.液体洗浄剤組成物)
本発明の液体洗浄剤組成物は、化学式 4で表される第 2級アルキルエーテル硫酸 エステル塩と、非イオン界面活性剤と、水とが所定量含まれる。
[0129] 化学式 4で表される第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩は、陰イオン界面活性 剤としての特性を示す。
[0130] 化学式 4で表される第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩において、 R , Rはそ
1 2 れぞれ独立して炭素数 1一 18の直鎖もしくは分岐アルキル基またはアルケニル基で 、それぞれの合計炭素数が 7— 29、好ましくは 8— 17である。アルキル基の例として は、ォクチル基、ノニル基、デシル基、ゥンデシル基、ドデシル基、ラウリル基、 2—ェ チルへキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、へキサデシル基、 ヘプタデシル基、ォクタデシル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基など;ァルケ
-ル基の例としては、ビニル基、ァリル基、プロべ-ル基、ブテュル基、ペンテ-ル基 、へキセニル基、ヘプテニル基、オタテニル基、ノネニル基、デセニル基、ゥンデセニ ル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、へキサ デセニル基、ヘプタデセニル基、ォクタデセニル基、ォレイル基などが挙げられる。 合計炭素数が 7未満であると、油汚れに対する洗浄力、起泡力が低下し、逆に、合計 炭素数が 29を超えると、洗浄後の濯ぎ性が不十分となり、洗浄後の食品などの基材 に界面活性剤が残留し、ベトツキ感が残りやすい。
[0131] 化学式 4において、 AOで表されるォキシアルキレン基の炭素数は、 2以上のアルキ レン基であり、好ましくは 2— 8、さらに好ましくは炭素数 2— 3のアルキレン基を表し、 例としては、ォキシエチレン基、ォキシプロピレン基、ォキシブチレン基、ォキシペン チレン基、ォキシへキシレン基、ォキシヘプチレン基、ォキシオタチレン基、およびォ キシフエ-ルエチレン基などが挙げられる。仕上がり品に期待する性状に合わせてこ れらを任意に選択できるが、原料入手の容易さや親水性基としての働きを期待する 上で、ォキシエチレン基、ォキシプロピレン基が好ましい。
[0132] また、化学式 4において、ォキシアルキレン基 (AO)は、通常、 1種類で構成される 1S 2種類以上で構成されてもよい。ォキシアルキレン基が 2種類以上で構成される 場合には、ォキシアルキレン基が、それぞれランダムに、またはブロックで配置されて もよい。例えば、ポリオキシエチレン長鎖の一部がォキシプロピレン基に置き換わった 構造である。
[0133] 化学式 4の「一 (AO) n—」の構造部分は、ォキシアルキレン基の繰返し部分を表し、 一般的にアルコールエトキシレートは、付カ卩したアルキレンォキシド(モル数)の分布 を持つ混合物として得られるため、 nはォキシアルキレン基の繰返し単位の平均数を 表し、平均数 nは、「一 (AO) n—」の n=0の構造も含めて平均を求める(例えば、「一( AO) -」の構造化合物が 1モルと、 「- (AO) -」の構造化合物の 1モルの混合物の
0 1
場合には、平均数 n=0. 5となる)。
[0134] 平均数 nの値については、下限値が 0であり、好ましくは 0. 2、より好ましくは 0. 5、 最も好ましくは 1. 5であり、上限値は 10であり、好ましくは 5、より好ましくは 2. 5であ る。前記範囲内であれば、洗浄力と濯ぎ性のバランスが優れる。 nが大きくなると、濯
ぎ性が高まるが洗浄力が低下する傾向がある。
[0135] 化学式 4の Mは、水素原子基または、カチオン性対イオンである。カチオン性対ィ オンとしては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;カルシウム、マグネシウムなど のアルカリ土類金属;アンモ-ゥム、モノエタノールァミン、ジエタノールァミン、トリエ タノールァミンなどのアルカノールァミンが挙げられる。置換基 Mは、硫酸化後の中 和に使用する塩基性化合物により決定されるが、化合物の入手の容易さ、油汚れに 対す洗浄力の観点からナトリウム、カリウム、マグネシウム、あるいはアンモ-ゥム基が 好ましい。
[0136] 第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 4)の製造方法としては、後述する 方法で得られた第 2級アルコールアルコキシレート (化学式 5)を硫酸ィ匕することが好 ましい。
[0137] 硫酸化する製法は、特に制限はなぐ公知の方法を用いて製造することができる。
例えば、第 2級アルコールアルコキシレート(化学式 5)を、クロルスルホン酸または、 無水硫酸を用いて硫酸化する方法がある。前記 (硫酸化)を参照。
[0138] 本発明に用いることができる第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 4)の 含有量は、洗浄剤組成物の全量に対し、通常、下限値が 5質量%以上、好ましくは 1 0質量%以上である。下限値が 5質量%未満では、起泡力、洗浄力の持続性が不十 分となる。また、通常、上限値は 50質量%以下、好ましくは 40質量%以下である。上 限値が 50質量%を超すと、濯ぎ性が不十分となる上に、低温溶解性が低下する恐 れがある力 である。
[0139] 該第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 4)としては、前記第 2級アルキ ルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 1)型の陰イオン界面活性剤、または前記第 2級 アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 2)含有組成物が好ま Uヽ。
[0140] 本発明にお 、て、化学式 4以外の陰イオン界面活性剤として、アルキル硫酸エステ ル塩、 a一才レフインスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸塩を併用してもよ!、。 化学式 4以外の陰イオン界面活性剤を用いることにより、洗浄力がさらに向上するか らである。化学式 4以外の陰イオン界面活性剤は、陰イオン界面活性剤の総量に対 し、通常、 30質量%以下、好ましくは 25質量%以下、より好ましくは 20質量%以下の
範囲である。前記範囲内であれば、洗浄力と濯ぎ感のバランスを制御しやすいからで ある。
[0141] 本発明に用いる非イオン界面活性剤としては、特に制限はなぐ例えば、アルコー ルアルコキシレート、脂肪酸アル力ノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ シェチェレンァシルエステル、アルキルポリグリコシド、脂肪酸グリコシドエステル、脂 肪酸メチルダリコシドエステル、アルキルメチルダリコシド、脂肪酸メチルダリコシドエ ステル、アルキルメチルダルカミドなどが挙げられる。なかでも、油汚れに対する洗浄 力、洗浄後の濯ぎ感のバランスを保つ上からアルコールアルコキシレートが好ましぐ 特に化学式 5で表される第 2級アルコールアルコキシレートがより好ましい。
[0142] 化学式 5で表される第 2級アルコールアルコキシレートは、化学式 4で表される第 2 級アルキルエーテル硫酸エステル塩の「SO M」を「H」で置換した化合物であり、 R
3 1
, R、 AO、 nについては同じである。
2
[0144] 第 2級アルコールアルコキシレート(化学式 5)の製造方法としては、公知の方法で 製造することができる。例えば、飽和脂肪族炭化水素をメタホウ酸とともに反応器に 入れ、通常、 100— 250°C、より好ましくは、 150— 200°Cの温度条件下で酸素ガス を吹込み、酸化反応を行い、加水分解、ケン化、蒸留により精製することで得られる 第 2級アルコールに、アルキレンオキサイドを付加することにより、 目的とする第 2級ァ ルコールアルコキシレート(化学式 5)を得る。
[0145] このアルキレンオキサイドの付加方法としては、特に限定されず、例えば、上記の第 2級アルコールを、反応温度 50— 200°C、反応圧力を常圧一 20kgZcm2の範囲の 条件下で、アルキレンオキサイドと反応させることにより、 目的の第 2級アルコールァ ルコキシレートを得る。また、上記第 2級アルコールにアルキレンオキサイドを付加す る際に、 BFなどの酸触媒、 NaOH、 KOHなどのアルカリ触媒を用いてもよい。この
酸触媒、アルカリ触媒は、粉末でも、顆粒状でも、さらには水溶液として添加してもよ い。第 2級アルコールアルコキシレートとしては、例えば、炭素数 12— 14の第 2級ァ ルコールエトキシレート(日本触媒製、ソフタノール (登録商標)シリーズ)が好適に使 用できる。
[0146] また、その他の製造方法としては、前記(第 2級アルコールアルコキシレートの合成 )を参照。
[0147] 本発明に用いる非イオン界面活性剤の含有量は、洗浄剤組成物全量に対し、通常 、下限値が 1質量%以上、好ましくは 3質量%以上である。下限値が 1質量%未満で は、濯ぎ感効果が発揮されなくなり、洗浄力の持続性が不十分となる。また、上限値 は、通常、 30質量%以下、好ましくは 20質量%以下である。上限値が 30質量%を 超すと、洗浄力が不十分となるうえに、起泡力が損なわれる恐れがあり、好ましくない 力 である。
[0148] 本発明の液体洗浄剤組成物は、洗浄力、濯ぎ感のバランスを損なわな!/ヽ範囲で本 発明の化学式 4で表される第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩とその他の界面 活性剤とを組み合わせてもよい。好ましい組合せとしては、例えば、化学式 4の第 2級 アルキルエーテル硫酸エステル塩を、洗浄剤組成物全量に対し、通常、下限値が 7 . 0質量%以上、上限値が 20. 0質量%以下、その他の界面活性剤として、アルキル 硫酸エステル塩(陰イオン界面活性剤)を 1. 0-7. 0質量%、第 1級アルコールアル コキシレート(非イオン界面活性剤)を 5. 0— 13. 0質量%で組み合わせることにより 、さらに、本発明に油汚れに対する洗浄力、洗浄後の濯ぎ感のバランスを保つ上で 好まし!/ヽ液体洗浄剤組成物となる。
[0149] 本発明の液体組成物中の水の含有量は、第 2級アルキルエーテル硫酸エステル 塩 (化学式 4)と、非イオン界面活性剤との残分であり、洗浄剤組成物全量に対し、通 常、下限値が 40質量%以上、好ましくは 45質量%以上、より好ましくは 50質量%以 上である。下限値が 40質量%未満では、液体組成物の粘性が上がり、取扱いが困 難になるうえ、濯ぎ感の効果が発揮されなくなるからである。また、上限値は 94質量 %以下、好ましくは 85質量%以下、より好ましくは 80質量%以下である。上限値が 9 4質量%を超すと、活性剤性能が低下し、洗浄力が不十分となるからである。
[0150] 本発明で用いる第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩 (化学式 4)若しくは、第 2 級アルコールアルコキシレート (化学式 5)が良好な性能を発揮する理由は、第 2級ァ ルキル基を有する方が、水への溶解性が高いため、耐硬水性、低温溶解性に優れ、 さらに、配合した水溶液の粘度が低くてゲル化しにく 、などの取扱 、操作性に優れる うえに、表面張力や浸透性も良好で濯ぎ性に非常に優れることに起因すると考えられ る。
[0151] 本発明による第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩組成物、これを用いた界面 活性剤及び液体洗浄剤組成物には、従来から使用されてきた他の任意成分を本発 明の液体洗浄剤組成物に洗浄力、濯ぎ感の性能を損なわな 、範囲で組み合わせて 配合してもよい。任意成分としては、前記陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤 以外に、アミンォキシドや、アルキルべタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、ァ ルキルアミドべタイン、イミダゾリ-ゥムベタイン、 N—アルキルアミノ酸などの両性界面 活性剤、グリコール酸、クェン酸、 EDTAなどの金属キレート剤、マグネシウム塩や力 ルシゥム塩などの無機塩、エタノールやプロピレングリコールなどの液体溶剤、 BHT 、ァスコルビン酸などの酸ィ匕防止剤、安息香酸 (塩)などの防腐剤、天然多糖類や水 溶性高分子物質などの増粘剤、香料、色素などを添加することができる。
[0152] (産業上の利用の可能性)
本発明による第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩型の陰イオン界面活性剤お よび第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩型の陰イオン界面活性剤を含む液体 洗浄剤組成物、第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩組成物、これを用いた界面 活性剤、洗浄剤及び液体洗浄剤組成物は、衣類、繊維製品、食器、容器、雑貨器具 、食品、ビルメンテナンス製品、住居、家具、自動車、航空機、金属製品などの洗浄 剤、シャンプー、ボディシャンプー、ハンドソープなどとして有効に用いることができる 。特に油汚れを洗浄対象とし、ユーザーの皮膚への接触が想定される衣料用洗剤、 または台所用洗剤としての使用に最適である。
[0153] (評価方法)
衣料用洗剤としての洗浄力につ 、ては、 JISK3362で推奨されて 、る方法で評価 する。具体的には、動物性油や植物性油に油性色素を混合して得られた人工汚れ
液を木綿の布に染み込ませて調製した人工汚染布を、かき混ぜ式洗浄力試験機で 洗浄し、洗浄前後における光の反射率を測定して洗浄率を求める。
[0154] 台所洗剤用洗浄力については、 JISK3362で推奨されているリーナッツ試験により 評価できるが、より消費者の使用状況を想定した評価試験で行う。具体的には、動物 性油や植物性油に油性色素を混合して得られた人工汚れ液を食器皿に塗り、乾燥 して溶媒を除去した人工汚染皿を数枚調整しておき、これらにっ ヽて活性剤を含ま せたスポンジで連続的にこすり洗 ヽしてきれいに洗浄できたと目視で判断される皿の 枚数を数え、洗浄力を評価する。
[0155] 台所洗剤用濯ぎ性については、表面に所定量の界面活性剤を滴下した食器皿を 静水中に所定時間浸漬後、表面のベトツキ感を蝕感で判断する。
[0156] 皮膚刺激性については、ゥサギなどの動物を用いた投与試験、あるいは人体での 貼付式開放試験などにおける患部のモニタリングにより評価する。
[0157] (実施例)
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定 されるものではない。
[0158] (ガスクロマトグラフィー(GC)法)
ポリアルキレンエーテル鎖長は、 GCを使用して以下の条件で求める。
[0159] カラム: SUSO. 5m、 3mm直径
充填剤:液相 DEXSIL 300GC, 2wt%
担体 CHROMOSORB W AWDMCS, 80/100
MESH
キャリアガス: 窒素ガス(例えば 80mlZmin)
検出器: FID
GC分析前の試料の前処理として、例えば、以下の条件でシリル化しておくこともで きる。
[0160] シリル化剤: BSTFA:TMSC = 99 : 1
ここで、 BSTFA:ビストリメチルフルォロアセトアミド
TMSC:トリメチルクロロシランである。
[0161] シリル化剤添加量: 試料の 10倍量
反応温度: 70°C
反応時間: 1時間。
[0162] GC法で求めた各クロマトピークの面積比をポリアルキレンエーテル鎖長の異なる各 成分の割合とみなして計算して ヽるが、硫酸ィ匕後のアルキルエーテル硫酸塩にっ ヽ ての H1 NMR分析結果との整合性は確認済みである。例えば、実施例 1に記載し た第 2級ドデシルエーテル硫酸エステル塩の分析結果では、 H1 NMR分析結果も GC分析結果も、ともにポリアルキレンエーテル鎖長 = 2. 1で一致した。
[0163] 洗浄力の評価は次の方法で行う。
[0164] 1.衣料用洗浄力
(評価方法) JISK-3362に準拠し、カゝき混ぜ式洗浄力試験機 (Terg-O-tomete r:ターゴトメーター)を用いて下記の条件で試験を実施した。
[0165] (汚染布) 5 X 5cm
(油汚れ液組成(%) ) ォレイン酸 28. 3、トリオレイン 15. 6、コレステロールォレー 卜 12. 2、流動ノ ラフィン 2. 5、スクワレン 1. 6、コレステロール 7. 0、ゼラチン 29. 8、 カーボンブラック 0. 5
(使用水) 上水
(温度) 25°C
(時間) 洗浄 5分間 Zすすぎ 5分間
(浴比) 3枚 Zlpot (lL)
(活性剤濃度) 0. 03%
(洗浄力評価) 反射率計を用い、汚染前の原布、人工汚染布および洗浄後の洗 浄布の反射率を各試験片の布 1枚につき 3ケ所測定し、その平均値から下記数式より 洗浄力(%)を算出した。
[0166] 洗浄力(%) = 100 (Rw-Rs) / (Ro-Rs)
ただし、式中、 Ro :原布の反射率、 Rs :人工汚染布の反射率、 Rw:洗浄布の反射 率を示す。
[0167] 2.台所用洗浄力
(手順) 食器皿に油汚れ液を注いで乾燥し、多数の油汚れ皿を調整する。合成し た界面活性剤を所定濃度の水溶液としてスポンジに含ませ、油汚れ皿を連続的に洗 浄して濯いだ後、目視により油汚れが落ちずに残っていると目視で判断されるまでに 洗浄した皿の枚数を数える。
[0168] (食器皿) セラミック製、直径 20cm
(油汚れ液組成 (%》 牛脂 10. 0、大豆油 10. 0、モノォレイン 0. 25、オイルレッド 0 . 1、 n—へキサン 80. 0.
(乾燥) 温度 25°C X時間 30分
(合成品水溶液) 濃度 0. 02%、スポンジへの滴下量 20g
(スポンジ) 台所一般洗浄用の市販品 W7. 5cm X Ll l. Ocm
(濯ぎ水) 水道水
3.濯ぎ性
(評価方法) 活性剤を塗った食器皿を静水中に所定時間浸潰し、引き上げ後に表 面を感触で評価してベトツキ感が残って 、な 、と判断されるまでに要した浸漬時間を 計測する。
[0169] (食器皿) セラミック製、直径 20cm
(温度) 室温
(活性剤水溶液濃度) 0. 5%
(添加量) 3. Og
(使用水) 純水
(温度) 室温
4.皮膚刺激性
(試験方法) 24時間貼付開放式
(被験者数) 20名
(試料濃度) 1. 0%
(判定) かぶれなどの皮膚刺激を自覚した被験者の割合
5.汚垢洗浄力試験
牛脂 0. 200g、大豆油 0. 200g、モノォレイル 0. 005g、オイルレッド 0. 002gを直
径 20cmのセラミック試験皿に塗布し、モデル汚垢試験皿とした。実施例、比較例の 液体洗剤組成物を市販のスポンジに 0. 5g及び水 19. 5gを添カ卩し、上記の汚垢試 験皿を通常の家庭で行われるのと同様に、連続的に洗浄した。水道水で軽く濯いだ 後、汚垢を塗布した試験皿の表面を目視および手の感触により、汚垢が落ちずに残 存していると判断されるまで洗浄した試験皿の枚数を数えた。
[0170] 6.起泡性試験
上記の汚垢洗浄力試験時に、スポンジから出でくる泡を目視で確認し、下記の評 価基準に基づいて評価する。
[0171] 〇:汚垢が試験皿に残存するまで泡が持つ。
[0172] X:汚垢が試験皿に残存するよりはやく泡が切れる。
[0173] なお、表において、特に断りがない限り、配合単位は「質量%」であり、全量は 100 質量%である。
[0174] (第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩型の陰イオン界面活性剤)
下記に示される方法で陰イオン界面活性剤を合成した。
[0175] (実施例 1)
<合成 > 第 2級ドデシルエーテル硫酸エステル塩 (ポリアルキレンエーテル鎖長( 平均値) = 2. 1)の合成
(アルキルエーテルの合成)
1—ドデセンを PQ社製 BEA型ゼオライト(商品名: VALFOR CP811 BL— 25) 5 質量%で 150°C、 10時間処理することによって得られたドデセン異性体混合物(1 - ドデセン 25mol%、インナードデセン 75mol%力らなる) 810g (4. 82mol)、モノ エチレングリコール 900g (14. 52mol)、および触媒として PQ社製 B20EA型ゼオラ イト(supra) lOOgを、攪拌翼および還流冷却器を備えた 3000mlのガラス製反応器 に仕込んだ。該反応器の気相部を窒素で置換した後、常圧で窒素雰囲気に保持し た。ついで、回転数を 600rpmとして攪拌しながら 150°Cまで昇温し、同温度で 3時 間反応させた後、反応液を室温まで冷却し、上層のドデセン相を分離して蒸留した。 未反応のドデセンを留出した後、減圧度 2mmHgで 129— 131°Cの沸点範囲で第 2 級ドデカノールモノエトキシレート 155g (0. 67mol)を得た。
[0176] この中間品および触媒とする水酸ィ匕ナトリウム 0. 2gをステンレス製オートクレープ に仕込んだ。その内部を窒素置換後、反応器内の圧力を窒素にて 1. 0kgZcm2Gと して 150°Cに昇温後、酸化エチレン 29. 5g (0. 68mol)を 3時間でオートクレーブに 導入した。導入後、さら〖こ 1時間、 150°Cに保持した後、室温まで冷却し、内部の圧 力をパージすることによって、ポリアルキレンエーテル鎖長が平均 2. 1 (GC法)の第 2 級ドデカノールエトキシレートを得た。
[0177] (硫酸化)
得られた第 2級ドデカノールモノエトキシレートを内径 5mm、長さ 100cmの円筒状 の反応帯域を形成する反応管を用い、その上部の液溜を経て反応管上部に設けた 堰より反応管の内壁に沿って、毎分 16. 2gの速度で薄膜状に流下させた。同時に反 応管上部に設けたノズルより、窒素ガスで希釈した無水硫酸を流入させた。流入させ た全窒素ガスの反応管における流速を毎秒 30mとし、流入させた全混合ガス中の無 水硫酸の濃度を 4容量%とした。また、硫化させた無水硫酸と硫化させた第 2級ドデ 力ノールエトキシレートとのモル比を 1. 1とした。エトキシレートと無水硫酸の反応で 発生した反応熱は、反応管の外側を流れる冷媒により除去し、 15°Cに保った。反応 管を出た流体は、サイクロンによって窒素ガスと反応生成物に分離した。反応生成物 は、直ちに水酸ィ匕ナトリウム水溶液で中和し、所望の第 2級ドデシルエーテル硫酸ェ ステル塩の約 25%水溶液を得た。
[0178] 合成した界面活性剤について、衣料用洗浄力などの評価を行い、その結果を表 1 に示す。
[0179] (実施例 2)
<合成 > 第 2級ドデシルエーテル硫酸エステル塩 (ポリアルキレンエーテル鎖長( 平均値) = 2. 0)の合成
(アルキルエーテル (ィ匕学式 3 (式中、 R +R = 11、 Aの炭素数 = 2)で表される第
1 2
2級ドデカノールジェトキシレート)の合成)
1—ドデセン 168. 3g (l. Omol)、ジエチレングリコール 318. 4g (3. Omol)および 触媒として PQ社製 BEA型ゼオライト(商品名: VALFOR CP811 BL— 25) 35. 4 gを、攪拌翼および還流冷却器を備えた 1000mlのガラス製反応器に仕込み、気相
部を窒素で置換した後、常圧で窒素雰囲気に保持した。ついで、回転数を 300rpm として攪拌しながら 150°Cまで昇温後、同温度で 20時間反応させた後、反応液を室 温まで冷却し、上層のドデセン相を分離して蒸留した。未反応のドデセン、ジェチレ ングリコールを留出した後、減圧度 3mmHgで 167— 171°Cの沸点範囲で第 2級ジ エチレングリコールモノドデシルエーテル(第 2級ドデシルエーテル(ポリアルキレンェ 一テル鎖長 = 2. 0)、ポリアルキレンエーテル鎖長 2の割合が 93. 5%、残る 6. 5% はポリアルキレンエーテル鎖長 2以外の第 2級ドデシルエーテルで構成されて 、た( ガスクロマトグラフ(GC)面積比)) 67. 4g (0. 25mol)を得た。
[0180] (硫酸化)
得られた第 2級ドデカノールジェトキシレートを第 2級ドデカノールエトキシレートの 代わりに用いる以外は、実施例 1と同様にし、第 2級ドデシルエーテル硫酸エステル 塩の約 25%水溶液を得た。
[0181] (比較例 1)
<合成 > 第 2級ドデシルエーテル硫酸エステル塩 (ポリアルキレンエーテル鎖長( 平均値) = 3. 1)の合成
(アルキルエーテルの合成)
第 2級ドデシルエーテル硫酸エステル塩 1ードデセンを PQ社製 BEA型ゼォライト( 商品名: VALFOR CP811 BL— 25) 5質量%にて、 150°Cで 10時間処理すること により得られた、ドデセン異性体混合物(1ードデセン 25mol%、インナードデセン 75 mol%) 810g (4, 82mol)、モノエチレングリコール 900g (14. 52mol)、および触媒 として PQ社製 BEA型ゼオライト(商品名: VALFOR CP811 BL— 25) 100gを、 攪拌翼および還流冷却器を備えた 3000mlのガラス製反応器に仕込み、気相部を 窒素で置換した後、常圧で窒素雰囲気に保持した。ついで、回転数を 600rpmとし て攪拌しながら、 150°Cまで昇温後、同温度で 3時間反応させた後、反応液を室温ま で冷却し、上層のドデセン相を分離し、蒸留した。未反応のドデセンを留出した後、 減圧度 2mmHgで 129°C— 131°Cの沸点範囲で第 2級ドデカノールモノエトキシレ ート 155gを得た。
[0182] 第 2級ドデカノールモノエトキシレート 155g (0. 67mol)および触媒として水酸化ナ
トリウム 0. 2をステンレス製オートクレープに仕込み、窒素置換後、反応器内の圧力 を窒素にて 1. 0kgZcm2Gとし、 150°Cに昇温後、酸化エチレン 62g (l. 41mol)を 3時間でオートクレープに導入した。導入後、さらに 1時間、 150°Cに保持した後、室 温まで冷却し、内部の圧力をパージした後、ポリアルキレンエーテル鎖長が平均 3. 1 の第 2級ドデカノールエトキシレートを得た。
[0183] (硫酸化)
得られた第 2級ドデカノールエトキシレートを第 2級ドデカノールエトキシレートの代 わりに用いる以外は、実施例 1と同様にし、第 1級ドデシルエーテル硫酸エステル塩 の約 25%水溶液を得た。
[0184] (比較例 2)
<合成 > 第 2級ドデシルエーテル硫酸エステル塩 (ポリアルキレンエーテル鎖長( 平均値) = 1. 0)の合成
(アルキルエーテルの合成)
第 2級ドデシルエーテル硫酸エステル塩 1ードデセンを PQ社製 BEA型ゼォライト( 商品名: VALFOR CP811 BL— 25) 5質量%にて、 150°Cで 10時間処理すること により得られた、ドデセン異性体混合物(1ードデセン 25mol%、インナードデセン 75 mol%) 810g (4, 82mol)、モノエチレングリコール 900g (14. 52mol)、および触媒 として PQ社製 BEA型ゼオライト(商品名: VALFOR CP811 BL— 25) 100gを、 攪拌翼および還流冷却器を備えた 3000mlのガラス製反応器に仕込み、気相部を 窒素で置換した後、常圧で窒素雰囲気に保持した。ついで、回転数を 600rpmとし て攪拌しながら、 150°Cまで昇温後、同温度で 3時間反応させた後、反応液を室温ま で冷却し、上層のドデセン相を分離し、蒸留した。未反応のドデセンを留出した後、 減圧度 2mmHgで 129°C— 131°Cの沸点範囲で第 2級ドデカノールモノエトキシレ ート 155gを得た。
[0185] (硫酸化)
得られた第 2級ドデカノールモノエトキシレートを第 2級ドデカノールエトキシレート の代わりに用いる以外は、実施例 1と同様にし、第 2級ドデシルエーテル硫酸エステ ル塩の約 25%水溶液を得た。
[0186] 実施例 1 , 2、比較例 1 , 2で得られた界面活性剤につ 、て、評価試験を行!、、その 結果を表 1に示す。
[0187] [表 1] 表 1
[0188] (III.液体洗浄剤組成物)
<合成例>
(第 2級アルキル基を有する陰イオン界面活性剤の合成例 (Α - 1) )
平均分子量 184、炭素数 12— 14が主成分の飽和脂肪族炭化水素の混合物 100 Ogとメタホウ酸 25gを容量 3Lの円筒形反応器に入れ、酸素濃度 3. 5vol%、窒素濃 度 96. 5%のガスを 1時間当り 430Lの割合で吹込み、常圧下 170°Cで 2時間酸ィ匕反 応を行った。この酸ィ匕反応混合液の 50%を多量の熱水(95°C)で加水分解し、生成 したアルコールを含む油層を分離した。
[0189] この油層に残りの酸ィ匕反応液 50%を混合することにより、オルトホウ酸エステル当
量として 1. 04当量のホウ酸エステル形成化合物が存在するように調整した。これを 2 OOhPa、 170°Cにてアルコールをオルトホウ酸エステル化した。このオルトホウ酸エス テルを含む混合物を 7hPaでフラッシュ蒸留し、残留液の温度が 170°Cになるまで未 反応飽和脂肪族炭化水素を除去した。ついで、残留液を多量の 95°Cに熱水で加水 分解し、ホウ酸を水相に除去した。
[0190] 得られた油層を、ケン化および水洗を行って有機酸および有機酸エステルを除去 した。この油層を 7hPaで分留し、第 2級アルコール(商品名 ソフタノール A(SOF T-A)日本触媒製)を得ることができる。この第 2級アルコールを、攪拌装置、温度計 、 EO導入管付きのステンレス製 3Lオートクレープに lkg仕込み、窒素置換した。そ の後、 BF— Et触媒(BF濃度 46— 49%) 1. 68gを仕込み、初期窒素圧 0. 05MPa
3 3
、 55± 5°Cにて EO 660gをフィードして付カ卩した。その後、 NaOH液をカ卩えて 90°C で反応液を洗い、さらに pHが 7以下になるまで水洗した。次いで、油相を 3Lのガラス 製三口フラスコに仕込み、蒸留塔 (充填物 ディクソンパッキン理論段数 3段、内径 4 Omm、長さ 200mm)を取り付け、蒸留することによりポリアルキレンエーテル鎖長が 平均 3. 0である第 2級アルコールエトキシレート(商品名 ソフタノール 30 (商標名) 株式会社日本触媒製)を得た。この第 2級アルコールエトキシレート 250. Ogおよび 溶媒としてジェチルエーテル 167. 5gを 1. 0Lフラスコに仕込み、 10°Cに冷却した後 、クロルスルホン硫酸 90. Ogを約 1. 0時間力けて滴下した。滴下中、液温は 5— 15 °Cに維持した。クロルスルホン酸滴下後、反応液に窒素ガスを流し、副生する塩化水 素ガスを除去し、次いで、 20°C以下に温度を維持しながら、反応液を 7. 7質量%の 水酸化ナトリウム水溶液 809. 6gに滴下して中和し、反応させた。このようにして得ら れた硫酸化物を 7. 7質量%の水酸ィ匕ナトリウム水溶液 809. 6g中に滴下して中和し 、所望の第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩の約 25%水溶液 (A - 1)を得た。
[0191] (第 2級アルキル基を有する陰イオン界面活性剤の合成例 (A— 2) )
1—ドデセンを PQ社製 BEA型ゼオライト(商品名: VALFOR CP811 BL— 25) 5 質量%にて 150°Cで 10時間処理することにより得られたドデセン異性体混合物(1— ドデセン 25mol%、インナードデセン 75mol%力もなる) 810g、モノエチレングリ コール 900gおよび触媒として PQ社製の BEA型ゼオライト(supra) 100gを攪拌翼
および還流冷却器を備えた 3000mlのガラス製反応器に仕込み、気相部を窒素置 換した後、常圧で窒素雰囲気に保持した。
[0192] ついで、回転数を 600rpmとして攪拌しながら 150°Cまで昇温した後、同温度で 3 時間反応させた。反応後、反応液を室温まで冷却し、上層のドデセン層を分離して 蒸留した。未反応のドデセンを留出した後、減圧度 2mmHgで 129— 131°Cの沸点 範囲で第 2級ドデカノールモノエトキシレート 155g (0. 67mol)を得た。
[0193] 得られた第 2級ドデカノールモノエトキシレートを内径 5mm、長さ 100cmの円管状 の反応帯域を形成する反応管を用い、その上部の液溜を経て反応管上部に設けた 堰より反応管の内壁に沿って、毎分 16. 2gの速度で薄膜状に流下させた。同時に反 応管上部に設けたノズルより、窒素ガスで希釈した無水硫酸を流入させた。流入させ た全窒素ガスの反応管における流速を毎秒 30mとし、流入させた全混合ガス中の無 水硫酸の濃度を 4容量%とした。また、流下させた無水硫酸と流下させた第 2級ドデ 力ノールエトキシレートとのモル比を 1. 1とした。エトキシレートと無水硫酸の反応で 発生した反応熱は、反応管の外側を流れる冷媒により除去し、 15°Cに保った。反応 管を出た流体は、サイクロンにより窒素ガスと反応生成物に分離した。
[0194] 反応生成物は直ちに水酸ィ匕ナトリウム水溶液により中和し、所望の第 2級ドデシル エーテル硫酸エステル塩の約 25%水溶液 (A-2)を得た。
[0195] <第 2級アルキル基を有する陰イオン界面活性剤の合成例 (A— 3) >
A— 2の中間品である第 2級ドデカノールモノエトキシレートおよび触媒とする水酸ィ匕 ナトリウム 0. 2gをステンレス製オートクレープに仕込んで窒素置換後、反応器内の圧 力を窒素にて 1. 0kg/cm2Gとして 150°Cに昇温後、酸ィ匕エチレン 29. Og (0. 67m ol)を 3時間でオートクレープに導入した。導入後、さら〖こ 1時間、 150°Cに保持した 後室温まで冷却し、内部の圧力をパージすることにより、ポリアルキレンエーテル鎖 長が平均 2. 0である第 2級ドデカノールエトキシレートを得た。
[0196] これを A— 2と同様に硫酸化、中和することにより、 A— 2とはエトキシレート鎖長が異 なる第 2級ドデシルエーテル硫酸エステル塩の約 25%水溶液 (A-3)を得た。
[0197] <第 2級アルキル基を有する陰イオン界面活性剤の合成例 (A— 4一 10) >
原料となるォレフィンの種類、および第 2級アルコールモノエトキシレートと酸化ェチ
レンとの反応モル比とを表 ΠΙ— 1のように変える以外は A— 3と同じ要領で、 A— 3とはァ ルキル基の炭素数及びポリアルキレンエーテル鎖長の異なる第 2級ドデシルエーテ ル硫酸エステル塩、第 2級テトラデシルエーテル硫酸エステル塩、第 2級へキサデシ ルエーテル硫酸エステル塩各々の約 25%水溶液を得た。
[0198] [表 2]
表 I I I 1
[0199] 表 III 2— 9に実施例と比較例を示す。各表において、略号で記載されている界面 活性剤について説明する。
AES— 1 :合成例 (A— 1)
第 2級アルキルエーテル硫酸ナトリウム:炭素数: 12— 14 EOZn= 3、商品名:ソフ タノール 30S (日本触媒製)
AES— 2 :合成例 (Α— 2)
第 2級ドデシルエーテル硫酸ナトリウム:炭素数: 12
AES— 3 :合成例 (Α— 3)
第 2級ドデシルエーテル硫酸ナトリウム:炭素数: 12 EO/n= 2
AES— 4 :合成例 (A— 4)
第 2級ドデシルエーテル硫酸ナトリウム:炭素数: 12 EO/n= 3
AES— 5 :合成例 (A— 5)
第 2級テトラデシルエーテル硫酸ナトリウム:炭素数: 14、 EO/n= l
AES— 6 :合成例 (A— 6)
第 2級テトラデシルエーテル硫酸ナトリウム:炭素数: 14、 EO/n= 2
AES— 7 :合成例 (A— 7)
第 2級テトラデシルエーテル硫酸ナトリウム:炭素数: 14、 EO/n= 3
AES— 8 :合成例 (A— 8)
第 2級へキサデシルエーテル硫酸ナトリウム:炭素数: 16、 EO/n= l
AES— 9 :合成例 (A— 9)
第 2級へキサデシルエーテル硫酸ナトリウム:炭素数: 16、 EO/n= 2
AES— 10 :合成例 (A— 10)
第 2級へキサデシルエーテル硫酸ナトリウム:炭素数: 16、 EO/n= 3
AES— 11 :
第 1級ドデシルエーテル硫酸ナトリウム:炭素数: 12、 EO/n= 2
AS— 1:ドデシル硫酸ナトリウム
AS— 2:直鎖ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム
AE—1 :第 2級アルキルエトキシレート:炭素数: 12— 14、 EOZn= 7、商品名:ソフタ ノール 70Η (日本触媒製)
ΑΕ-2:第 1級ドデシルェトキシレート
(実施例 III— 1一 23)
表 ΠΙ - 2に示す各種液体洗浄剤組成物を調製し、台所用洗浄力、泡立ち、すすぎ 感について評価した。その結果を表 ΠΙ— 2に示す。
(比較例 ΠΙ— 1一 23)
表 ΠΙ - 3に示す各種液体洗浄剤組成物を調製し、台所用洗浄力、泡立ち、すすぎ 感について評価した。その結果を表 III 3に示す。なお、比較例は、本発明の陰ィォ ン界面活性剤 (化学式 4)の代わりに他の陰イオン界面活性剤を配合した例、本発明 の陰イオン界面活性剤 (化学式 4)を洗浄剤組成物全量に対して 5%を超えな 、範囲 または 50質量%を超える範囲で配合した例、及び非イオン界面活性剤を洗浄剤組
成物全量に対して 30%を超える範囲で配合した例である。
[0201] (実施例 III 24— 39)
表 ΠΙ - 4に示す各種液体洗浄剤組成物を調製し、台所用洗浄力、泡立ち、すすぎ 感について評価した。その結果を表 III 4に示す。なお、実施例は、洗浄力効果を上 げるために本発明の陰イオン界面活性剤 (化学式 4)以外に他の陰イオン界面活性 剤を陰イオン界面活性剤全量に対して 30質量%以下の範囲で配合した例である。
[0202] (比較例 ΠΙ— 24— 39)
表 ΠΙ - 5に示す各種液体洗浄剤組成物を調製し、台所用洗浄力、泡立ち、すすぎ 感について評価した。その結果を表 III 5に示す。なお、比較例は、本発明の陰ィォ ン界面活性剤 (化学式 4)以外の陰イオン界面活性剤を陰イオン界面活性剤全量〖こ 対して 30質量%を超える範囲で配合した例である。
[0203] [表 3]
比 «例 ― 液
体
洗
浄
剤
組
成
物
田 tefiS
タノ
エタ 珪験ナトリウム
水 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残 S6 残部 残部 残部 残部 残部 残部 ,残部 , 残部 残部 残部 残部 洗净カ 枚数)
起泡性試驗 (枚数) O o o O o O O O O O o O O o o Ο Ο ο ο Ο すすぎ « (杪)
(実施例 III 40— 62)
表 ΠΙ— 6に示す各種液体洗浄剤組成物を調製し、衣料用洗浄力、すすぎ性につい て評価した。その結果を表 III 6に示す。なお、実施例は、発明中の陰イオン界面活
性剤 (ィ匕学式 4)を本発明における範囲内で配合した例である。
[0208] (比較例 ΠΙ— 40— 62)
表 ΠΙ— 7に示す各種液体洗浄剤組成物を調製し、衣料用洗浄力、すすぎ性につい て評価した。その結果を表 ΠΙ— 7に示す。なお、比較例は、発明中の陰イオン界面活 性剤 (化学式 4)の代わりに他の陰イオン界面活性剤を配合した例、本発明の陰ィォ ン界面活性剤 (化学式 4)を洗浄剤組成物全量に対して 5%を超えな ヽ範囲または 5 0質量%を超える範囲で配合した例、及び非イオン界面活性剤を洗浄剤組成物全量 に対して 30%を超える範囲で配合した例である。
[0209] (実施例 III 63— 78)
表 ΠΙ— 8に示す各種液体洗浄剤組成物を調製し、衣料用洗浄力、すすぎ性につい て評価した。その結果を表 III 8に示す。なお、実施例は、洗浄力効果を上げるため に本発明の陰イオン界面活性剤 (化学式 4)以外に他の陰イオン界面活性剤を陰ィ オン界面活性剤全量に対して 30質量%以下の範囲で配合した例である。
[0210] (比較例 III 63— 78)
表 ΠΙ— 9に示す各種液体洗浄剤組成物を調製し、衣料用洗浄力、すすぎ性につい て評価した。その結果を表 III 9に示す。なお、比較例は、本発明の陰イオン界面活 性剤 (化学式 4)以外の陰イオン界面活性剤を陰イオン界面活性剤全量に対して 30 質量%を超える範囲で配合した例である。
[0211] <すすぎ性試験 >
表 III 6— 9に示される衣料洗浄力試験において、すすぎ水の泡立ち度合いにつ V、て以下の基準で目視評価した。
〇:泡立ちは見られない
△:多少泡立ちあり
X:泡立ちあり
[0212] [表 7]
〔〕 sffl
比較例 一 液
体
洗 組
成
ホ 'リア 」
すリア リル酸ナトリウム フ ル
ΐ'リエ T
カル木"キシメ子ル
残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 残部 洗浄カ轼
すすぎ性 o o ο O O O O O O o O O o o
〔〕S1
〔〕
汚れに対する洗浄力に対する洗浄力に優れ、かつ、すすぎ性に優れたバランスの良 、液体洗浄剤性能を示して 、る。
[0217] (IV.第 2級アルキルエーテル硫酸エステル塩型の陰イオン界面活性剤を含む液 体洗净剤組成物)
(衣料用液体洗剤組成物)
(実施例 IV— 3— 18)
実施例 1で得られた化合物を含む所定に化合物を配合した下記洗浄組成物につ いて、衣料用洗浄試験を行った。その結果を表 IV— 1に示す。
[0218] (比較例 IV— 3— 18)
比較例 1で得られた化合物を含む所定の化合物を配合した下記洗浄組成物につ いて、衣料用洗浄試験を行った。その結果を表 IV— 2に示す。
[0219] [表 11]
〔〕〔〕0220
表 I V— 1 例 I V— 3 4 5 6 7 8 9 10 1 1 12 13 14 15 16 17 18 実施例 1の化合物 20 15 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20 化合物 a 5
化合物 10 10 5 5 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 10 化合物 c 10 5
化合物 d 5
化合物 e 3 3
化合物 f 3 3
組 化仓物 g 3
化合物 h 3
成
化合物 i 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 化合物」 2
分
化合物 k 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 化合物 1 2
%
化合物 m 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 化合物 n 2
化合物 0 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 化合物 P 2 化合物 q 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 化合物 r 2 化合物 s 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 化合物 t 1 化合物 u B B B B B B B B B B B B B B B B 衣料用試験 洗浄力 88 84 91 84 86 88 88 88 88 88 87 88 88 88 85 87
(¾)
表 I V— 2
比較例 I V— 3 4 5 6 7 8 9 1 0 1 1 1 2 1 3 1 4 1 5 1 6 1 7 1 8 比較例 1の化合物 2 0 1 5 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 化合物 a 5
化合物 b 1 0 1 0 5 5 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 化合物 c 1 0 5
化合物 d 5
化合物 e 3 3
化合物 g 3
成 化合物 h 3
化合物 i 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 分 化合物 j 2
化合物 k 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2
% 化合物 1 2
化合物 m 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 化合物 n 2
化合物 0 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 化合物 P 2
化合物 q 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 化合物 r 2 化合物 s 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 化合物 t 1 化合物 u B B B B B B B B B B B B B B B B 衣料用試耪 洗浄力 (%) 8 3 8 0 8 4 7 9 8 2 8 4 8 4 8 3 8 3 8 3 8 3 8 3 8 3 8 3 8 1 8 3
化合物 a:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム (親油基:炭素数 12、第 1級 ポリアルキレンエーテル平均鎖長:3) 化合物 b:ポリオキシエチレンアルキルエーテル
(親油基:炭素数 12、第 1級 ポリアルキレンエーテル平均鎖長:3) 化合物 c:ポリオキシエチレンアルキルエーテル
(親油基:炭素数 12— 14、第 2級 ポリアルキレンエーテル平均鎖長:3) 化合物 d:アルキルポリダルコシド
(親油基:炭素数 9一 14、第 1級 ポリダルコシド平均鎖長:1. 3) 化合物 e:ラウリルトリメチルアンモ -ゥムクロライド
化合物 f:ヤシ油ラウリルジメチルアミンォキシド
化合物 g:ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド
化合物 h:石鹼
化合物 i:炭酸ナトリウム
化合物〗:ケィ酸ナトリウム
化合物 k:モノエタノールァミン
化合物 1:ジエタノールァミン
ィ匕合物 m:エタノール
化合物 n:プロピレングリコール
化合物 o:ポリアクリル酸ナトリウム
化合物 P:クェン酸ナトリウム
化合物 q:ポリエチレングリコール
ィ匕合物 r:カルボキシメチルセルロース
化合物 s:プロテアーゼ
化合物 t:リパーゼ
化合物 u:水
B:全体を 100とするためのバランス量
(台所用液体洗剤組成物)
(実施例 IV - 19一 34)
実施例 1で得られた化合物を含む所定に化合物を配合した下記洗浄組成物につ いて、台所用洗浄試験を行った。その結果を表 IV— 3に示す。
[0222] (比較例 IV— 18— 33)
実施例 1で得られた化合物を含む所定に化合物を配合した下記洗浄組成物につ いて、台所用洗浄試験を行った。その結果を表 IV— 4に示す。
[0223] [表 13]
表 I V _ 3 実施例 I V— 1 9 2 0 2 1 2 2 2 3 2 4 2 5 2 6 2 7 2 8 2 9 3 0 3 1 3 2 3 3 3 4 実施例 1の化合物 2 0 1 5 1 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 化合物 a 5 1 0
化合物 b 1 0 1 0 1 0 5 5 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 化合物 c 1 0 5 5
化合物 d 5 5
化合物 e 3
組
化合物 f 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 成 化合物 g 3
化合物 h 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 分
化合物 i 3
化合物 j 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 化合物 2
化合物 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 化合物 m 2
化合物 n 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 化合物 0 2 2 2 化合物 P 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 化合物 q 2
化合物 r 1 化合物 s 1 化合物 t B B B B B B B B B B B B B B B B 台所用試験洗浄枚数 (枚) 1 5 1 3 1 2 1 4 1 3 1 5 1 5 1 5 1 5 1 5 1 5 1 5 1 5 1 5 1 5 1 5 濯ぎ性試^浸水時間 (秒〉 1 2 1 4 1 4 1 0 1 0 1 2 1 1 1 3 1 3 1 2 1 2 1 2 1 3 1 2 1 3 1 2
表 I V— 4
比較例 I V— 1 8 1 9 2 0 2 1 2 2 2 3 2 4 2 5 2 6 2 7 2 8 2 9 3 0 3 1 3 2 3 3 比較例 1の化合物 2 0 1 5 1 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 2 0 化合物 a 5 1 0
化合物 b 1 0 1 0 1 0 5 5 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 1 0 化合物 c 1 0 5 5
化合物 d 5 5
化合物 e 3
組
化合物 f 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3
成 化合物 g 3
化合物 h 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 3 分 化合物 i 3
化合物 j 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2
% 化合物 k 2
化合物 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 化合物 m 2
化合物 n 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 化合物 o 2 2 2 化合物 P 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 化合物 q 2
化合物 r 1 化合物 s 1 化合物 t B B B B B B B B B B B B B B B B 台所用試験洗浄枚数 (枚) 1 2 1 2 1 2 1 2 1 0 1 2 9 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 濯ぎ性試験浸水時間 (秒) 1 1 4 1 4 1 0 1 0 1 1 1 1 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 L 2 1 2 1 2
化合物 a:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム (親油基:炭素数 12、第 1級 ポリアルキレンエーテル平均鎖長:3) 化合物 b:ポリオキシエチレンアルキルエーテル
(親油基:炭素数 12、第 1級 ポリアルキレンエーテル平均鎖長:3) 化合物 c:ポリオキシエチレンアルキルエーテル
(親油基:炭素数 12 14、第 2級 ポリアルキレンエーテル平均鎖長:3) 化合物 d:アルキルポリダルコシド
(親油基:炭素数 9一 14、第 1級 ポリダルコシド平均鎖長:1. 3) 化合物 e:ラウリルトリメチルアンモニゥムクロライド
化合物 f:ヤシ油ラウリルジメチルアミンォキシド
化合物 g:ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルァミノ酢酸べタイン 化合物 h:ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド
化合物 i:ラウリン酸ジエタノールアミド
化合物 炭酸ナトリウム
化合物 k:ケィ酸ナトリウム
化合物 1: モノエタノールァミン
化合物 m:ジエタノールァミン
化合物 n: エタノール
化合物 o: プロピレングリコール
化合物 P:ポリエチレングリコール
ィ匕合物 q:カルボキシメチルセルロース
化合物!::ポリアクリル酸ナトリウム
化合物 s:プロテアーゼ
化合物 t: 水
B:全体を 100とするためのバランス量