WO2005033395A1

WO2005033395A1 - 補強用不織基布

Info

Publication number: WO2005033395A1
Application number: PCT/JP2004/004165
Authority: WO
Inventors: Akira Kasuya; Wataru Horimoto; Kazuya Kusu; Yoshikazu Maegawa
Original assignee: Kurashiki Boseki Kabushiki Kaisha
Priority date: 2003-10-01
Filing date: 2004-03-25
Publication date: 2005-04-14
Also published as: JP3853774B2; CA2533179A1; US20060154020A1; EP1669486A4; CA2533179C; CN1761785A; KR100738754B1; EP1669486B1; JP2005105492A; KR20050114658A; CN100404744C; EP1669486A1

Abstract

　少なくとも、複数本の強化繊維糸を一定間隔もしくは密に一定方向に引き揃えた経糸糸条群と、それとは略垂直方向に引き揃えた複合繊維の熱融着マルチフィラメント糸の糸条群とを重ね合わせ、熱融着によって貼り合わせた、補強用不織基布、その製造方法および製造装置。

Description

明細書補強用不織基布技術分野

本発明は、コンクリート構造物の、外部からの補強 '補修に使用される補強用不織基布、および F R Pに使用する補強用不織基布に関する。

背景技術

F R Pやコンクリート構造物の補強や補修には、金属よりも比重が小さく、強度が金属以上のいわゆる、高強度シートを挿入または、貼り付けることが行われている。

高強度 βは、強度の必要な方向に、多数並べることで、強度を上げることが可能である。し力し、高強度^ 6の糸状では、扱いが困難であることと、使用時に糸 1本毎に並べる手間を省くため、高強度 ISMはシート状で使用されることが多い。

高強度^ ϋシートとしては、ガラス n t糸で保形されたシートが知られている

(例えば、特開平 8— 1 4 2 2 3 8号公報、図 2、特開 20 0 1— 1 5 9 04 7 号公報）。

ガラス,で保形する場合、一般的にガラス繊維を接着剤溶液に含浸させたものを使用して、高強度繊維、例えば炭素繊維糸状を接着することにより、シート形状が保たれる。ガラス繊維糸は一本の H ではなく、ガラス βの束であり、そのためどうしても miと^ Iとの間に空隙（ボイド）がある。それらのボイドは、ガラス »束を接着剤溶液へ含浸させることで埋めることはできない。また、接着剤によっては、含浸後の乾燥、接着工程において、繊維糸内部にボイドが生じる場合もある。したがって、補強用不織基布自身にボイドが多数存在する状態で F R Pやコンクリート構造物の補強に用いることなり、結果的に補強 F R Pや補強コンクリートの強度が低下することとなる。また高強度^ tと保形 urnとの接着に通常使用されるアクリル樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル等の接着剤は、製造中や保管中に吸湿し、 F R Pやコンクリート構造物のマトリッタスと接着性を低下させ、結果的に補強性能を低下させることになる。さらに、水分が気化して膨張し、マトリックス樹脂を変形、破壊することもある。なお、従来多用されるガラス^ tは、比重が 2 . 5程度と高く、全体の目付が上昇し、また柔軟性に欠けるため局面への追従性など取り扱、性に欠ける。

発明の開示

(発明が解決しようとする技術的課題）

本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、吸湿性、ボイド等の悪影響の心配が無く、柔軟性、軽量性に優れた補強用不織基布を提供することを目的とする。

(その解決方法）

本発明は、強化繊維糸を補助繊維材でシ一ト状に保形してなる補強用不織基布であって、補助 ,材が、融点差のある少なくとも 2以上のポリマーで構成されている複合条 t lを用いたマルチフイラメント糸からなることを特徴とする補強用不織基布に関する。

図面の簡単な説明

図 1は、熱融着メッシュ製造装置の概略構成図である。

図 2は、本発明の補強用不織基布製造装置の概略構成図である。

図 3は、ガラスメッシュ製造装置の概略構成図である

図 4は、実施例 1で得られた補強用不織基布断面の繊維形状の電子顕微鏡写真である。

図 5は、補強用不織基布製造装置の概略構成図である。

図 6は、比較例 1で得られた補強用不織基布断面の繊維形状の電子顕微鏡写真である。

図 7は、補助 «材としてのモノフィラメントの模式的断面図である。

図 8は、本発明の一補強用不織基布の模式的断面図である。

発明を実施するための最良の形態

本発明のシート状部材を構成する強化繊維糸は、炭素繊維、ガラス繊維、ポロン繊維、 rnm ァラミド mt、ビニロン等であり、無撚りで且つ扁平な形態のマルチフィラメントからなる。当該マルチフィラメントは、その厚さに対する幅の比率で定義される扁平度が 2以上であることが好ましく、 1 0以上がより好ましい。特に好ましい扁平度は 2 0 ~ 7 0 0である。なお、扁平度が 2 0〜 7 0 0であるマルチフィラメントは、無撚り且つ扁平な形態のマルチフィラメントを更に開繊処理することによって得ることができる。

ここで、開繊処理とは、複数のフィラメントの集合体である束を mi幅方向に解き分けることを言い、開繊処理を加えることによって H t束の幅をより広くすることができる。開繊処理により得られるものを、開繊糸という。本発明では、マルチフィラメントまたは積層マルチフィラメントは開繊処理によって元のマルチフイラメントに対して幅が 2〜 5倍、好ましくは 2〜 4倍に広げられたものを用いることができる。例えば、直径 7 /i mの炭素 βが 1 2 0 0 0本収束された幅約 6 mmの炭素条灘マルチフィラメントを開繊処理することによって 2 0 mmの扁平なマルチフィラメント（開繊糸）とすることができる。

本発明に使用する補助繊維材としては、融点差のある少なくとも 2以上のポリマーで構成されている複合^ 6を用いる。複合繊維とは、断面での各成分の配列力並列、芯鞘、木目、放射、モザイク、海島、星雲などとして存在するものである。好ましい構造としては、生産性、保形性及び熱融着性の観点から、 2成分 2層品であり、芯鞘構造のものである。好ましくは鞘部が芯部より低融点のポリマーで構成されている芯鞘構造からなる複合である。なお、融点差は、生産性を考慮すると 2 0 °C以上、好ましくは 3 0 °C以上ものが好ましい。単成分の繊維を用いれば、熱融着時に切れるおそれがあるが、融点差のあるポリマーを用いた繊維であることから、強化糸と補助 «材と低融点側の融着温度で熱融着させるときに、補助 β材が切れたり、変形するといつたことが無い。また、加熱圧着させることで、補助 »材は扁平化することから、厚さ方向の凹凸の度合いが低下し、平面性に優れている。

本発明に使用する補助繊維材は、複合 ϋϋ6を用いたマルチフィラメント糸より構成される。モノフィラメントを用いることは、柔軟性に欠けるため好ましくなレ、。また、単一条灘のマルチフィラメントを用いる場合、前記のとおり、単一繊維同士の隙間部分に由来するボイドを除去することが極めて困難であり、ボイドによる強度低下が見られ好ましくない。本発明において好ましくは、フイラメント本数が 3 0本以上を有するマルチフィラメントである。また、好ましいフイラメントの太さとしては、 1 0 0 d ~ l 0 0 0 dである。

マルチフィラメント糸の材質としては、低融点ポリマーおよび高融点ポリマー共にォレフィン系マルチフィラメントが好ましい。ォレフィンは比重が、他の熱可塑性樹脂や無機繊維よりも格段に軽量である。ォレフィンが比重 0 . 9 0〜0 . 9 8に対して、一般的な高分子材料は、 1 . 5程度であり、無機は 1 . 8〜 2 . 7程度と重い。更に、ォレフィンは疎水性なので吸湿性がない。また、フィラメント間に存在する吸湿した水分が存在するにしてもわずかであり、熱融着時に水分は蒸発する。特に好ましくは、高融点ポリマーとしてポリプロピレンポリマー、低融点ポリマーとして、ポリエチレンまたは低融点ポリプロピレンからなる組合せ、すなわち狭義のポリオレフインポリマーの組合せである。具体的に例示される、好ましい構造及び材質は、芯鞘構造でポリプロピレン (芯部) ζポリエチレン (鞘部)、ポリプロピレン (芯部) 低融点ポリプロピレン (鞘部)である。なお、高強度 «である、炭素,、ガラス繊維、ボロン、鋼繊維、ァラミド繊維、ビニロン繊維等に対して、本発明の補助 n l材に用いるポリオレフィン系マルチフィラメントは、接着性を有していない。従来のガラス等の補助材であれば、ナイロン、ポリエステル等の何らかの低融点バインダーを付着させ、高強度と補助 H i材とを接着させているが、本発明においては別途バインダ一を必要としない。すなわち、複合繊維における低融点部のォレフィン系ポリマ一が、熱融着より高強度繊維にくい込む、いわゆるアンカー効果によりシート状に保形し得るのである。本発明では、この本来接着性を有しない低融点ォレフィン系マルチフィラメントであっても、アンカー効果によるシート状保形が可能であることを見出したことも一つの特徴である。

本発明で用いる補助材は、強化 «糸を織物とは異なる構造、すなわち不織構造にて、シート状に保形するものであり、緯糸等として使用する方法、メッシュ構造として用いる方法等がある。

メッシュ構造とするには、縦方向に配列した複合^ tのマルチフィラメント糸と横方向に配列した複合繊維のマルチフィラメント糸を二層以上交互に積層してシート状に一体化し、積層体を高融点ポリマーの溶融温度より低い温度をかけて熱圧着することにより製造することができる。この熱圧着により複合繊維の低融点部分の熱融着樹脂が融合し、ボイド発生の少ない、形態の安定したメッシュ構造が得られる。また、該メッシュ構造は、交互に 2層以上積層する方法であるため、織物 ·編物構造のような経糸の屈曲のない、すなわち経糸に対する応力集中の問題が生じない。なお、本発明では、複合 H !のマルチフィラメント糸を縦方向及び横方向の両方に必ずしも使用する必要はないが、厚みを薄くできる点、メッシュ構造が安定して得られる点から、両方向共に複合^ iのマルチフィラメント糸を用いることが好ましい。

本発明において、強化繊維糸は、補助繊維材によりシート状に保形されて、補強用不織基布となる。

保形のシート状態は、複数本の強化繊維糸が一方向に引き揃えられてなる一軸強化繊維シート状であってもよい。また、保形のシート状態は、強化繊維糸を縦方向に引き揃えた経糸シートと、強化 «糸を横方向に引き揃えた緯糸シートとを積層してなる二軸強化繊維糸シート状であってもよい。さらに、保形のシート状態は、シートの長手方向を 0 ° として、 0 ° 方向に強化^ ϋ糸を引き揃えた糸シート、 + α ° および—α ° ( 0く αく 9 0 ) 方向に強化繊維糸を引き揃えた糸シート、およびさらに 0 ° 方向および /または、 9 0 ° 方向に強化 H t糸を引き揃えた糸シートを積層した多軸強化繊維糸シート状であってもよい。強化繊維糸を引き揃える態様は、一定間隔であってもよいし、密であってよい。保形が、一軸強化繊維シート状の場合、繊維糸が引き揃えられている方向（以下、「強化繊維糸方向」という）に対して略垂直方向に複数の補助繊維材を並列に並べて、補助 H t材とシート状部材とが熱融着により保形される、いわゆる緯糸のみの保形方法ができる。さらに、略垂直方向の補助 H !材に加え、強化^ ϋ 糸方向と略平行に複数本の補助材を並列に並べ、補助繊維材をメッシュ状態としてシート状部材と熱融着させて保形してもよい。また、補助 »材のメッシュ状態で保形する場合、補助 HI!材を予め熱融着等により所望のメッシュ形態に形成しておき、当該メッシュ状材をシ一ト状部材に重ね合わせ熱融着するようにしてもよレ、。

また、強化繊維糸を一軸強化繊維糸シート状に保形する場合、強化繊維糸（例えば経糸糸状群）と補助繊維材（例えば緯糸糸状群）とを少なくとも 2層以上重ねた構造により、経糸糸状群と緯糸糸状群との接触点（線）で、熱融着により保形するのが好ましい。特に好ましくは、図 8に示したように、一定間隔を有する経糸糸状群を上下 2層 8 2、 8 3とし、補助 H t材からなる緯糸糸状群をその中間に位置する中間層 8 1とする 3層構成において、上層糸状群の糸間に下層糸状群の糸が位置するよう、下層を 1 / 2ピツチずらすように積層する構成が好ましレ、。

保形が、二軸強化繊維シート状の場合、予め強化繊維糸が二軸に形成されたシートを使用して、そのシートの上面、中間面および/または下面に補助繊維材糸状群（複数本並列状またはメッシュ状）を熱融着させ保形してもよい。二軸強化 iS t糸を形成するときに同時に補助繊維材を挿入し、熱融着させ保形してもよい。そのとき、少なくとも補助！^材の方向と強化繊維糸の方向を略 9 0度になるように成形するとよい。また上記で得られた一軸強化シート状補強用不織基布を、強化繊維糸方向を略 9 0度ずらして重ね合わせ、再度熱融着するようにして補強用不織基布を得てもよい。また、上記熱融着前の一軸強化繊維シート状補強用不織基布を、強化 ,糸方向を略 9 0度ずらして重ね合わせ熱融着するようにしてもよレ、。

例えば、保形が、多軸強化繊維シート状の場合、二軸強化繊維シート状の場合に 9 0度ずらして一軸強化繊維シート状補強用不織基布を重ねた構造に代え、ひ度（0くひ < 9 0 ) ずらして、複数枚重ねる構造とすることにより、二軸強化繊維シート状補強用不織基布と同様にして、多軸強化^ tシート状補強用不織基布を得ることができる。 αの大きさは、目的とする積層数により適宜選定すればよレ、。

熱融着は、強化^ i糸と補助,材との積層体を加熱加圧しながら行えばよい。補助繊維材の使用本数、並列に並べる間隔は、シート状部材が保形できれば特に限定されるものではなく、補強用不織基布の使用目的、大きさ、方法、開繊糸等の種類、幅、製造方法を考慮して適宜選定すればよい。

以下に本発明の補強用不織布を連続的に製造する方法、装置を例示する。

( 1 ) 一軸強化繊維からなる補強用不織基布の製造方法および製造装置

(i) 左右両側で一対の耳糸を連続的に供給する装置と、複合のマルチフイラメント熱融着糸の緯糸を連続的に供給し、上記 1対の耳糸間に蛇行状に掛け渡して進行させる装置と、蛇行状の緯糸の上面および下面に多数本の強化 IS t糸の経糸を連続的に供給し整経して合わせる装置と、経糸と緯糸が積層された後に、加熱加圧することで緯糸の低融点部を溶融し、経糸と熱融着により、緯糸を貼り合わせ、貼り合わせた不織基布を巻き取る装置から少なくとも構成される補強用不織基布製造装置、および該製造装置が履行する製造方法。

(ii) 多数本の経糸を連続的に供給し整経して合わせる装置と、複合のマルチフィラメント熱融着糸によるメッシュ状のシートを送り出す装置と、経糸を整経し供給した直後に、上部もしくは下部から、もしくは上下両方から、複合繊維のマルチフィラメント熱融着糸によるメッシュ状のシートを挿入し、加熱加圧することでメッシュ状のシートを溶融し、経糸と熱融着により、複合繊維のマルチフィラメント熱融着糸によるメッシュ状のシートを、貼り合わせた不織基布を巻き取る装置から少なくとも構成される捕強用不織基布製造装置、および該製造装置が履行する製造方法。

(iii) 左右両側で一対の耳糸を連続的に供給する装置と、複合繊維のマルチフィラメント熱融着糸の緯糸を連続的に供給し、上記 1対の耳糸間に蛇行状に掛け渡して進行させる装置と、蛇行状の緯糸の上面および下面に、多数本の強化繊維糸の経糸を連続的に供給する装置と、複合^ tのマルチフイラメント熱融着糸を第 2の経糸として連続的に供給する装置と、上記の強化繊維糸の経糸の上部または下部のどちらかに、重なるように配置し、整経し供給して経糸と緯糸を積層した直後に、加熱加圧することで、経糸と緯糸に使用した熱融着糸同士を熱融着させると共に、経緯の複合^ ϋのマルチフィラメント熱融着糸と経糸の強化条灘糸とも熱融着させ、貼り合わせた不織基布を巻き取る装置から少なくとも構成される補強用不織基布製造装置、および該製造装置が履行する製造方法。

( 2 ) 二軸強化からなる補強用不織基布

(i) 左右両側で一対の耳糸を連続的に供給する装置と、複合繊維のマルチフイラメント熱融着糸と強化 IS S糸を交互に緯糸として連続的に供給し、上記 1対の耳糸間に蛇行状に掛け渡して進行させる装置と、蛇行状の緯糸の上面および下面に、多数本の強化,糸の経糸を連続的に供給する装置と、複合,のマルチフイラメント熱融着糸を第 2の経糸として連続的に供給する装置と、上記の強化 H t糸の経糸の上部または下部のどちらかに、重なるように配置し、整経し供給して経糸と緯糸を積層した直後に、加熱加圧することで、経糸と緯糸に使用した複合 »のマルチフィラメント熱融着糸同士を熱融着させると共に、経緯の複合 ■のマルチフイラメント熱融着糸と経緯の強化糸とも熱融着させ、貼り合わせた不織基布を巻き取る装置から少なくとも構成される補強用不織基布製造装置、および該製造装置が履行する製造方法。

(ii) 左右両側で一対の耳糸を連続的に供給する装置と、緯糸として、強化繊維糸を連続的に供給し、上記 1対の耳糸間に蛇行状に掛け渡して進行させる装置と、蛇行状の緯糸の上面および下面に多数本の強化繊維糸の経糸を連続的に供給し整経して合わせる装置と、上下に、複合 H tのマルチフィラメント熱融着糸による、一定間隔で引き揃えた経糸糸条群と緯糸糸条群を積層して形成した、メッシュ状のシートを送り出す装置と、経糸と緯糸が積層された直後に、上部もしくは下部から、もしくは上下両方から、複合 «のマルチフィラメント熱融着糸によるメッシュ状のシートを挿入し、加熱加圧することで複合 l tのマルチフイラメント熱融着糸によるメッシュ状のシートを溶融し、経糸と熱融着により、緯糸を貼り合わせた不織基布を巻き取る装置から少なくとも構成される補強用不織基布製造装置、および該製造装置が履行する製造方法。

(実施例 1 )

補助 «材として、ォレフィン系熱融着マルチフィラメント（三菱レイヨン社製；熱融着パイレン（登録商標） 6 8 0 d ) を用いた。この補助賺材は、芯鞘構造のマルチフィラメントで芯部が融点 1 6 5 °Cのポリプロピレン、鞘部が融点 9 8 °Cのポリエチレンであり、太さが 6 8 0デニールで 6 0フィラメント、比重 0 . 9 3を有する。

図 1に示した熱融着メッシュ製造装匱で下記するように熱融着メッシュを製造した。

上記補助繊維材を用い、縦方向の上糸を 2 c mピッチで引き揃えた糸条群 1と、下糸を上糸 1の糸間に糸が位置するように 2 c mピツチで引き揃えた糸条群 2と、その間に 1 c mピッチで横方向に同じ糸を引き揃えた糸条群 3を挟み込むようにメッシュ状に配置した。このメッシュ状体を、上下電熱ロールを用い、上ロールの温度を 100°C、下ロールの温度を 80°C、 -ップ圧力を 1. O k g/ cmにし、ライン速度 lmZ分で熱融着し、卷き取りロール 6に卷き取り、メッシュを得た。

得られたメッシュの厚さは、最薄部で 0. 1mm、交点の最厚部で 0. 12m mであり、糸の幅は、 1. 2 mmであった。

次に、図 2に示す補強用不織基布製造装置を用いて、補強用不織基布を製造した。

縦方向に強化 «として、カーボン^ i糸（三菱レイヨン社製「パイ口フィル (登録商標）」）を用いる。当該カーボン繊維糸を、 12Kで糸幅が約 6mmの糸を 5 mmピッチで縦方向に引き揃えて、隙間の無いようにシート状にしたカーボン^ *6糸シート 21を供給した。このカーボン^ §糸シートの下から、前記の熱融着のメッシュ 24をシート面に沿わせて挿入し、上下に配置した伝熱ロール 22、 23間を S字状に通し、ニップ条件： 1. 0 k _g/ c mロール温度： 10 0°C、ライン速度： lm/分で、本発明の補強用不織基布を得た。

得られた補強用不織基布の横方向の糸の断面を電子顕微鏡で観察した。その写真を図 4に示す。鞘部が融解して一体となり、芯部は形状を保っていた。補助繊維材間には気泡などの空隙がなかった。また、低融点の鞘部を構成するポリェチレンにより、カーボン β糸シートとアンカー効果で接着していた。

1方向強化カーボン繊維糸シートは、吸水特性のないォレフィンメッシュにより、アンカー効果により目止めされており、そのォレフィンメッシュ自体が、薄く、柔軟であることから、得られた補強用不織基布はしなやかでありながら、シ一ト状を保持したものであった。また目止めしているォレフィンメッシュ自体にも気泡を含まないので、 FRPなどに使用する場合に、その強度を損なうようなこともない。

また、熱融着メッシュに使用する繊維（フィラメント）の太さを、 340 dや 170 dと、細くしても目止めの効果に、変わりなく、補強用不織基布を形成できることがわかった。

これは、ォレフィン系マルチフィラメント熱融着 miであることから、比重がガラス繊維よりも小さい。よって、同じ繊度であっても、実際の糸の断面積は、ガラス «よりも大きくなる。

ネット状にした場合の構成される 1本の糸太さを下記に比較して示す。

ガラスメッシュ 0. 6 mm

熱融着メッシュ（680d) 1. 2 mm

熱融着メッシュ（340d) 1. Omm

熱融着メッシュ（170d) 0. 8mm

強化 «糸と接する面が目止め効果に作用するので、ガラスメッシュと同様の目止め効果を得るには、熱融着メッシュでは、 1 70 dでよい。

また各メッシュの lm²当たりの重さを比較して示す。

ガラスメッシュ 16 g/m²

熱融着メッシュ（680d) 15 g/m²

熱融着メッシュ（340d) 7. 5 g/m²

熱融着メッシュ（170d) 3. 8 g/m²

(比較例 1 )

図 3に示したガラスメッシュ製造装置で下記するようにガラスメッシュを製造した。

縦糸としてガラス^ 6糸（太さ： 300デニール、比重： 2. 54) を用い、縦方向の上糸を 1 cmピッチで引き揃えた糸条群 31と、下糸を上糸と重なるようにに 1 cmピッチで引き揃えた糸条群 32と、その間に 1 cmピッチで横方向にガラス繊維糸（太さ： 600デニール、比重： 2. 54) を引き揃えた糸条群

33を挟み込むようにメッシュ状に配置した。

得られたメッシュ状体を、熱可塑性ェマルジヨン樹脂（エチレン—酢酸ビュル共重合樹脂：固形分 30 %) を注入した樹脂槽 36中に含浸させた。続いてメッシュ状体を、上下に配置したゴムロール 34、 35 (直径： 100mm、幅：

40 cm) 間を通し余分な樹脂を絞り、乾燥ロールで 130°Cにて乾燥させ、ガラス条灘糸によるメッシュを得た。

得られたメッシュの厚さは、最薄部で 0. 12 mm、交点の最厚部で 0. 19 mmであり、糸の幅は、 0. 6 mmであった。次に、図 5に示す補強用不織基布製造装置を用いて、補強用不織基布を製造した。

縦方向に強化 miとして、カーボン β糸（三菱レイヨン社製「パイ口フィル

(登録商標）」）を用いる。当該カーボン繊維糸を、 12Kで糸幅が約 6mmの糸を 5mmピッチで縦方向に引き揃えて、隙間の無いようにシート状にしたカーボン «糸シート 51を供給した。このカーボン■糸シートの下から、前記のガラス糸よりなるメッシュ 54をシート面に沿わせて挿入し、上下に配置した加熱ロール 52、 53間を S字状に通し、ニップ条件： 30 k _g/ 40 cm、上下ロール温度： 150°C、ライン速度： lmZ分で、本発明の補強用不織基布を得た。

得られた補強用不織基布の横方向の糸の断面を電子顕微鏡で観察した。その写真を図 6に示す。空隙がメッシュを構成する糸の中に存在していることがわかつた。またメッシュとカーボン^ I糸シートとは、メッシュに含浸された熱可塑性樹脂が融解して、カーボン «と接着していることがわかった。

ガラス繊維糸に含浸させた接着剤は吸水特性があり、その接着剤により目止めされている。ガラスメッシュを構成する糸も、接着剤を含浸し乾燥していることから、丸く収束し、メッシュ自体の厚さもある。メッシュを構成する繊維がガラスであることから、補強用不織基布の柔軟性に欠け、 FRPなどに使用する場合、局面に追従させることが困難である。また、目止めしているメッシュ自体に空隙が存在し、 FRPなどに使用した場合、その強度を損なうことになる。

(実施例 2)

強化^6として、カーボン ΙΙϋ糸（三菱レイヨン社製「パイ口フィル（登録商標）」） 12 Kを糸幅が約 2 Ommに開繊した糸を用いた。この糸を用い、縦方向の上糸として 4 cmピッチで引き揃えた上層糸条群と、下糸を上糸の糸間に糸が位置するために 1/2ピッチずれて積層されるように、 4 cmピッチで引き揃えた下層糸条群を形成した。

補助材として、ォレフィン系熱融着マルチフィラメント（三菱レイヨン社製；熱融着パイレン（登録商標） 170 d) を用いた。この補助,材は、芯鞘構造のマルチフイラメントで芯部が融点 165 °Cのポリプロピレン、鞘部が融点 98°Cのポリエチレンであり、太さが 170デニールで 60フィラメント、比重 0. 93を有する。

上記カーボン繊維糸を上下 2層の経糸糸状群、芯鞘構造のォレフィン系熱融着マルチフイラメントの補助条雄材を緯糸として使用する。

上下 2層の経糸糸状間に 1 cmピッチで横方向に引き揃えた緯糸を揷入し配置した。次に、上ロールに外層がステンレスの電熱ロールを、下ロールに大きさが同一で、外層が耐熱シリコンゴムの電熱ロールを配置し、上ロールの温度を 10 0°C、下ロールの温度を 80°C、ニップ圧力を 1. Ok gZcmにし、ライン速度 lm/分で緯糸の熱融着糸で目止めした、 1方向強化繊維補強用不織基布を得た。得られた補強用不織基布の断面を観察すると、実施例 1で得られた補強用不織基布と同様に、鞘部が融解して一体となり、芯部は形状を保っていた。補助 HS 材間には気泡などの空隙が極めて少ない。また、低融点の鞘部を構成するポリエチレンにより、カーボン繊維糸シートとァンカ一効果で接着していた。

1方向強化カーボン繊維糸シートは、吸水特性のないォレフィン系マチフィラメント糸により、アンカー効果により目止めされており、そのォレフィン系マルチフィラメント糸自体が、柔軟であることから、得られた補強用不織基布はしなやかでありながら、シート状を保持したものであった。また目止めしているォレフィン系マルチフイラメント糸自体にも気泡を含まないので、 F R Ρなどに使用する場合に、その強度を損なうようなこともない。

更に、緯糸のみで目止めされていることから、補強用不織基布の lm²当たりの重量は、非常に軽量となる。また目止めとして使用する補助 «材の使用量が非常に少なくてすむ。このことから、 FRPにした場合に、補強 Htとなる強化 «糸以外の成分を極端に少なくすることが可能となる。

実施例 2のように、強化繊維糸として、カーボン繊維糸 12K 幅 20mm の開繊糸を 2 Omm間隔で並べたものへ、各目止め方法を適応した場合の、補強用不織基布の 1 m²当たりの重量を下記に示す。

実施例 2の補強用不織基布（よこ糸のみ） 42 gZm²

ガラスメッシュ使用（メッシュ使用） 57 g Zm² (比較例 1 ) 熱融着メッシュ（680d)使用（メッシュ使用） 56 g/m² (実施例 1 ) 熱融着メッシュ（340d)使用（メッシュ使用） 48 g/m² 熱融着メッシュ（170d)使用（メッシュ使用） 44 g/m²

Claims

1 . 強化繊維糸を補助繊維材でシ一ト状に保形してなる補強用不織基布であつて、補助^ t材が、融点差のある少なくとも 2以上のポリマーで構成されている複合«を用いたマルチフィラメント糸からなることを特徴とする補強用不織基布。

2 . 複合繊維が、鞘部が芯部より低融点のポリマーで構成されている芯鞘構造力なることを特徴とする請求項 1記載の補強用不織布

3 . 融点差のある少なくとも 2以求上のポリマーが、共にォレフィン系ポリマーで構成されていることを特徴とする、請 1 4求の項 1または請求項 2記載の補強用不織基布。窜

4 . 融点差のある少なくとも 2以上のポリマー囲において、高融点ポリマーがポリプロピレンポリマーであり、低融点ポリマーが、ポリエチレンまたは低融点ポリプロピレンポリマーから成る請求項 1〜 3いずれかに記載の補強用不織基布。

5 . 芯鞘構造からなる複合繊維における該芯鞘構造が、ポリプロピレン (芯部）

//ポリエチレン (鞘部）またはポリプロピレン (芯部) 低融点ポリプロピレン (鞘部)であることを特徴とする、請求項 2〜 4レ、ずれかに記載の補強用不織基布。

6 . 強化 ·糸を経糸糸条群とし、補助^ t材を緯糸糸状群として、 2層以上積層してなる請求項 1〜 5いずれかに記載の補強用不織基布。

7 . 一定間隔を有する経糸糸状群を上下 2層とし、緯糸糸状群をその上下間に位置させる 3層構成であって、上層糸状群の糸間に下層糸状群の糸が位置するよう、下層を 1 Z 2ピッチずらして積層することを特徴とする請求項 6記載の補強用不織基布。

8 . 補助^ 6材が、融点差のある少なくとも 2以上のポリマーで構成されている複合^ tを用いたマルチフィラメント糸を、少なくとも緯糸として用いたメッシュ構造に構成されていることを特徴とする、請求項 1〜 5いずれかに記載の補強用不織基布。

9 . シート状保形が熱融着で行われている、請求項 1〜 8いずれかに記載の補強用不織基布。

10. 強化繊維糸が開繊糸であることを特徴とする、請求項 1〜9いずれかに記載の補強用不織基布。

1 1. 強化繊維糸が複数本一方向に引き揃えられてなることを特徴とする、請求項 1〜 10いずれかに記載の補強用不織基布。

1 2. 強化繊維糸が、強化繊維糸を縦方向に引き揃えた経糸シートと、強化繊維糸を横方向に引き揃えた緯糸シートからなる 2軸強化,糸シートを形成していることを特徴とする、請求項 1〜1 0いずれかに記載の補強用不織基布。

1 3. . 強化繊維糸が、シートの長手方向を 0° として、 0° 方向に強化繊維糸を引き揃えた糸シート、 +α° および一 α° (0く αく 90) 方向に強化繊維糸を引き揃えた糸シート、およびさらに 0° 方向および Ζまたは、 90° 方向に強化繊維糸を引き揃えた糸シートからなる多軸強化繊維糸シートを形成していることを特徴とする、請求項 1〜10いずれかに記載の補強用不織基布。