明 細 書 カプセル投薬システム、 及び投薬方法 技術分野
本発明は、 生体内に投入されて消化器官等の表在疾患等の患部に投薬を行う力 プセル投薬システム、 及び投薬方法に関する。
本願は、 2 0 0 3年 1 0月 1日に出願された日本国特許出願第 2 0 0 3 - 3 4 3 1 9 9号について優先権を主張し、 その内容をここに援用する。 背景技術
現在、 患者に対して薬剤をより安全かつ効果的に投与する手段として、 薬剤送 達システム (D D S ; Drug Delivery System) が注目されている。 この薬剤送達シ ステムは、 医薬品の生物活性、 副作用、 患部への標的指向 (ターゲティング)、 薬 剤の放出制御 (コントロールドリリース)、 薬剤の吸収改善、 薬剤の化学的安定性 及び代謝活性等を調整して、 生体内の表在疾患に対して必要な量の薬剤を必要な 時間だけ作用させ、 薬剤をより効果的に使用するものである。 この薬剤送達シス テムは、 疾患種類に応じて利用される技術が異なるものであり、 例えば、 患部で ある表在疾患が悪性腫瘍の場合には、 夕ーゲティング、 コント口一ルドリリース 等の技術が求められる。
一方、 容易に患者の健康状態を検査するものとして、 生体内に経口投入される カプセル型医療装置が知られている。 この種のカプセル型医療装置は、 様々なも のが提供されており、 例えば、 生体内の各部を無作為的に撮影するものや、 生体 内からサンプル等を採取するものや、 薬剤を放出するもの等が知られている。 そ の 1つとして、 体内の所定位置 (大腸) で発泡剤を放出して生体内の管腔部分を 拡張した後、 撮像することができるカプセル内視鏡が知られている (例えば、 特 開 2 0 0 3— 3 8 4 2 4号公報の段落 [ 0 0 0 6 ] 〜 [ 0 0 4 9 ]、 および第 1〜 5図参照)。
上記カプセル内視鏡は、 一方の端面側に半球状の透明な部材を有し、 他方の端
面側に半球状のメッシュ部材を有するカプセル状の枠体を備えている。 透明部材 の内側には、 生体内に照明光を照射する L E D及び生体内を撮像する撮像光学系 が配設されている。 また、 カプセル枠体には、 外表面に露出するように p Hセン サが設けられている。 この p Hセンサによって検出された p H値は、 制御処理回 路に送られ、 P H値の変化から大腸に達したと判断されたときに、 送信アンテナ から体外に向けて送信される。 また、 上記撮像光学系によって撮像された画像デ 一夕も、 所定の処理をなされた後、 送信アンテナから体外に送信される。 更に、 メッシュ部材の内側には、 超音波が照射されることにより破壊される複数のマイ クロカプセルが内蔵されており、 このマイクロカプセル内には水と反応してガス を発生する発泡剤が内蔵されている。
このカプセル内視鏡を使用して検査を行う場合、 患者は、 まずカプセル内視鏡 を飲み込んで体内に投入する。 体内に投入されたカプセル内視鏡は、 p Hセンサ を使って体内の P H値を検出しながら消化器官を移動する。 カプセル内視鏡が大 腸に達すると、 制御処理回路は、 p Hセンサによって検出された p H値の変化に 基づいてカプセル内視鏡が大腸に達したと判断し、 送信アンテナから体外にその 旨を知らせる。 この送信された信号が、 体外において受信器等により受信される と、 医療スタッフは、 超音波発生器を用いて体内に向けて超音波を照射する。 超 音波が照射されるとマイクロカプセルが破壊され、 内部の発泡剤がメッシュ部材 を通じて大腸内に放出される。 大腸内に放出された発泡剤は、 大腸内の水分と反 応してガスを発生し、 大腸を拡張する。 大腸が拡張されることにより、 拡張され た大腸内を、 撮像光学系を使って広範囲にわたって撮像することが可能となる。 このように、 上記カプセル内視鏡は、 体内の所望の位置 (大腸) でマイクロ力 プセルから発泡剤を放出するという、 上述のようなターゲティング、 コント口一 ルドリリースの機能を有しているものである。 特に、 このようなカプセル型医療 装置は、 簡便に患者の体内に投入できるので、 上記薬剤送達システムの 1つの手 段として新たに注目されている。
ところで、 上記特許公報に記載されたカプセル内視鏡は、 生体内の所定位置で ある大腸に達したときに生体外にその旨の信号を送り、 該信号を受けて生体外か ら送られてきた超音波により発泡剤を大腸内に放出するので、 所定位置に達して
から発泡剤を放出するまでに時間を要する。 上記カプセル内視鏡の場合、 発泡剤 放出の対象となるのは生体内器官の中でも特に長い大腸であるため、 大腸に達し てから発泡剤を放出するまでに要する時間の影響を厳密に考慮しなくても良い。 しかしながら、 例えば、 生体内の表在疾患付近という限られた範囲内で作動させ たい場合には、 表在疾患を発見してから反応するまでに時間がかかると、 作動し たときにはカプセルが所望する範囲を通り過ぎてしまうという不都合があった。 そのため、 発泡剤の代わりに薬剤を採用したとしても、 生体内の表在疾患に対し て直接投薬を行うには困難であった。
この発明は、 このような事情を考慮してなされたもので、 その目的は、 生体内 の表在疾患等の患部に対して直接的に投薬することができるカプセル投薬システ ム、 及び投薬方法を提供することである。 発明の開示
本発明は、 カプセル投薬システムであって、 生体内に経口投入される体内マー キング用の第 1のカプセルと;同じく前記生体内に経口投入される投薬用の第 2 のカプセルと;前記生体内にマーキングを施すマーキング装置と;薬剤を保持す る薬剤保持部と;前記薬剤を放出する放出装置と;前記マーキングを検出する検 出装置と;前記検出装置により検出されたマーキングが特定のマ一キングである か否かを判断する判断装置と;前記判断装置により特定のマーキングであると判 断された場合に、 前記放出装置を作動させる放出制御装置と ;を備え、 前記第 1 のカプセルが、 前記マーキング装置を有し、 前記第 2のカプセルが、 前記薬剤保 持部と;前記放出装置と;を有するカプセル投薬システムを提供する。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記第 2のカプセルが、 前記検出 装置と;前記判断装置と;前記放出制御装置と; を有することが望ましい。 本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記第 1のカプセルが、 生体情報 を取得する取得装置と;前記取得装置により取得された生体情報に基づいて、 前 記生体情報に示される部位に対して投薬を行うか否かを決定する投薬決定装置 と;前記投薬決定装置の決定に基づいて、 前記生体内に施されたマーキングの中 から投薬を行う部位を示すマーキングを特定する特定装置と;を有し、 前記判断
装置は、 前記検出装置により検出されたマーキングが前記特定装置により特定さ れたマーキングであるか否かを判断することが望ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記第 1のカプセルが、 前記マー キングの位置と前記生体情報とを関連付けて記憶する第 1のメモリを有し、 前記 第 2のカプセルが、 前記特定装置により特定されたマーキングの情報を記憶する 第 2のメモリを有することが望ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記生体外に配される体外ュニッ トを備え、 前記第 1のカプセルが、 前記マーキングの位置と関連付けて生体情報 を取得する取得装置と ;前記取得装置により取得された生体情報を前記体外ュニ ッ卜に向けて送信する第 1カプセル送信装置と ; を有し、 前記体外ュニッ卜が、 前記第 1カプセル送信装置から送信された生体情報を受信する体外受信装置と ; 前記取得装置により取得された生体情報に基づいて、 前記生体情報に示される部 位に対して投薬を行うか否かを決定する投薬決定装置と ;前記投薬決定装置の決 定に基づいて、 前記生体内に施されたマーキングの中から投薬を行う部位を示す マーキングを特定する特定装置と ; を有することが望ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記生体外に配される体外ュニッ トを備え、 前記第 1のカプセルが、 前記マーキングの位置と関連付けて生体情報 を取得する取得装置を有し、 前記第 2のカプセルが、 前記検出装置と ;前記検出 装置により検出されたマーキングの情報を前記体外ュニッ卜に向けて送信する第 2カプセル送信装置と ;前記放出装置を作動させるための制御信号を受信する第 2カプセル受信装置と ;前記放出制御装置と ; を有し、 前記体外ュニッ卜が、 前 記第 2カプセル送信装置から送信されたマーキングの情報を受信する体外受信装 置と ;前記判断装置と ;前記判断装置により特定のマ一キングであると判断され た場合に、 前記第 2カプセル受信装置に向けて前記制御信号を送信する体外送信 装置と ; を有し、 前記判断装置は、 前記体外受信装置により受信されたマーキン グの情報が特定のマーキングであるか否かを判断し、 前記放出制御装置は、 前記 第 2カプセル受信装置により前記制御信号が受信された場合に、 前記放出装置を 作動させることが望ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記第 1のカプセルが、 前記取得
装置により取得された生体情報を前記体外ュニッ卜に向けて送信する第 1カプセ ル送信装置を有し、 前記体外ユニットが、 前記取得装置により取得された生体情 報に基づいて、 前記生体情報に示される部位に対して投薬を行うか否かを決定す る投薬決定装置と ;前記投薬決定装置の決定に基づいて、 前記生体内に施された マーキングの中から投薬を行う部位を示すマ一キングを特定する特定装置と ; を 有し、 前記体外受信装置は、 前記第 1カプセル送信装置から送信された生体情報 を受信することが望ましい。
本発明は、 カプセル投薬システムであって、 生体内に経口投入される体内マー キング用の第 1のカプセルと ;同じく前記生体内に経口投入される投薬用の第 2 のカプセルと ; 同じく前記生体内に経口投入される長時間マーキング用の第 3の カプセルと ;前記生体内にマーキングを施すマーキング装置と ;前記生体内に前 記マーキングよりも長時間維持可能な長時間マーキングを施す長時間マーキング 装置と ;薬剤を保持する薬剤保持部と ;前記薬剤を放出する放出装置と ;前記マ 一キングを検出する検出装置と ;前記検出装置により検出されたマ一キングが特 定のマーキングであるか否かを判断する判断装置と ;前記判断装置により特定の マーキングであると判断された場合に、 前記長時間マーキング装置を作動させる 長時間マ一キング制御装置と ;前記長時間マーキングを検出する長時間マーキン グ検出装置と ;前記長時間マーキング検出装置により前記長時間マ一キングが検 出された場合に、 前記放出装置を作動させる放出制御装置と ; を備え、 前記第 1 のカプセルが、 前記マーキング装置を有し、 前記第 2のカプセルが、 薬剤を保持 する薬剤保持部と ;前記薬剤を放出する放出装置と ; を有し、 前記第 3のカプセ ルが、 前記長時間マーキング装置を有するカプセル投薬システムを提供する。 本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記第 3のカプセルが、 前記検出 装置と ;前記判断装置と ;前記長時間マーキング制御装置と ; を有することが望 ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記第 2のカプセルが、 前記長時 間マーキング検出装置と ;前記放出制御装置と ; を有することが望ましい。 本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記第 1のカプセルが、 生体情報
を取得する取得装置と ;前記取得装置により取得された生体情報に基づいて、 前 記生体情報に示される部位に対して投薬を行うか否かを決定する投薬決定装置 と ;前記投薬決定装置の決定に基づいて、 前記生体内に施されたマーキングの中 から投薬を行う部位を示すマ一キングを特定する特定装置と ; を有することが望 ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記第 1のカプセルが、 前記マー キング位置と前記生体情報とを関連付けて記憶する第 1のメモリを有し、 前記投 薬決定装置は、 前記第 1のメモリに記憶された生体情報に基づいて、 前記生体情 報に示される部位に対して投薬を行うか否かを決定することが望ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記第 3のカプセルが、 前記特定 装置により特定されたマーキングを記憶する第 2のメモリを有し、 前記判断装置 は、 前記検出装置により検出されたマ一キングが前記第 2のメモリに記憶された 特定のマ一キングであるか否かを判断することが望ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記生体外に配される体外ュニッ トを備え、 前記第 1のカプセルが、 前記マ一キングの位置と関連付けて生体情報 を取得する取得装置と ;前記取得装置により取得された生体情報を前記体外ュニ ッ卜に向けて送信する第 1カプセル送信装置と ; を有し、 前記体外ユニットが、 前記第 1カプセル送信装置から送信された情報を受信する体外受信装置と;前記 取得装置により取得された生体情報に基づいて、 前記生体情報に示される部位に 対して投薬を行うか否かを決定する投薬決定装置と ;前記投薬決定装置の決定に 基づいて、 前記生体内に施されたマーキングの中から投薬を行う部位を示すマー キングを特定する特定装置と ; を有することが望ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記生体外に配される体外ュニッ トを備え、 前記第 1のカプセルが、 前記マーキングの位置と関連付けて生体情報 を取得する取得装置を有し、 前記第 3のカプセルが、 前記検出装置と ;前記検出 装置により検出されたマ一キングの情報を前記体外ュニッ卜に向けて送信する第 3カプセル送信装置と ;前記長時間マーキング装置を作動させるための制御信号 を受信する第 3カプセル受信装置と;前記長時間マ一キング制御装置と;を有し、 前記体外ュニッ 卜が、 前記第 3カプセル送信装置から送信されたマーキングの情
報を受信する体外受信装置と ;前記体外受信装置により受信されたマーキングの 情報が特定のマーキングであるか否かを判断する判断装置と ;前記判断装置によ り特定のマーキングであると判断された場合に、 前記制御信号を前記第 3カプセ ル受信装置に向けて送信する体外送信装置と ; を有し、 前記長時間マーキング制 御装置は、 前記第 3カプセル受信装置により前記制御信号が受信された場合に、 前記長時間マーキング装置を作動させることが望ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記第 2のカプセルが、 前記長時 間マーキング検出装置と ;前記放出制御装置と ; を有することが望ましい。 本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記生体外に配される体外ュニッ トを備え、 前記第 2のカプセルが、 前記長時間マーキング検出装置と ;前記長時 間マーキング検出装置により検出された長時間マーキングの情報を前記体外ュニ ッ卜に向けて送信する第 2カプセル送信装置と ;前記放出装置を作動させるため の制御信号を受信する第 2カプセル受信装置と ; を有し、 前記体外ュニッ卜が、 前記第 2カプセル送信装置から送信された長時間マ一キングの情報を受信する体 外受信装置と ;前記体外受信装置により前記長時間マーキングの情報が受信され た場合に、 前記制御信号を第 2カプセル受信装置に向けて送信する体外送信装置 と ; を有し、 前記放出制御装置は、 前記第 2カプセル受信装置により前記制御信 号が受信された場合に、 前記放出装置を作動させることが望ましい。
本発明は、 カプセル投薬システムであって、 生体内に経口投入される生体情報 取得用の第 1のカプセルと ; 同じく前記生体内に経口投入される投薬用の第 2の カプセルと ; 同じく前記生体内に経口投入される長時間マーキング用の第 3の力 プセルと ;前記生体外に配される体外ュニッ卜と ; を備え、 前記第 1のカプセル が、 生体内にマーキングを施すマーキング装置と ;前記マーキングの位置と関連 付けて生体情報を取得する取得装置と ; を有し、 前記第 3のカプセルが、 前記マ 一キングを検出する検出装置と ;前記検出装置により検出されたマーキングの情 報を前記体外ュニッ卜に向けて送信する第 3カプセル送信装置と ;前記生体内に マーキングよりも長時間維持可能な長時間マーキングを施す長時間マーキング装 置と ;前記長時間マーキング装置を作動させるための制御信号を受信する第 3力 プセル受信装置と ;前記第 3カプセル受信装置により前記制御信号が受信された
場合に、 前記長時間マーキング装置を作動させる長時間マーキング制御装置と ; を有し、 前記第 2のカプセルが、 薬剤を保持する薬剤保持部と ;前記薬剤を放出 する放出装置と ; 前記長時間マーキングを検出する長時間マーキング検出装置 と ;前記長時間マーキング検出装置により前記長時間マ一キングが検出された場 合に、前記放出装置を作動させる放出制御装置と;を有し、前記体外ュニッ卜が、 前記第 3カプセル送信装置から送信されたマーキングの情報を受信する体外受信 装置と ;前記取得装置により取得された生体情報に基づいて、 前記生体情報に示 される患部に対して投薬を行うか否かを決定する投薬決定装置と ;前記投薬決定 装置の決定に基づいて、 前記生体内に施されたマ一キングの中から投薬を行うベ き患部の位置を示すマーキングを特定する特定装置と ;前記特定装置により特定 されたマーキング、 及び前記体外受信装置により受信されたマ一キングの情報か ら、 前記検出装置により検出されたマーキングが特定のマーキングであるか否か を判断する判断装置と ;前記判断装置により特定のマーキングであると判断され た場合に、 前記制御信号を前記第 3カプセル受信装置に向けて送信する体外送信 装置と ; を有するカプセル投薬システムを提供する。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記長時間マーキング装置が、 生 体内に留置部材を留置する留置装置を備えることが望ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記長時間マーキング装置が、 生 体内に留置部材を留置する留置装置を備えることが望ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記第 1のカプセルが、 前記マ一 キングの位置と前記生体情報とを関連付けて記憶する第 1のメモリを備え、 前記 投薬決定装置が、前記第 1のメモリから前記生体情報を取得することが望ましい。 本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記判断装置は、 前記検出装置が 前記マ一キングを検出する度にその数をカウントし、 前記マーキングの数が特定 の数に達したときに、 前記検出装置が検出しているマーキングが前記特定のマー キングであると判断することが望ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記判断装置は、 前記検出装置が 前記マーキングを検出する度にその数をカウントし、 前記マ一キングの数が特定 の数に達したときに、 前記検出装置が検出しているマーキングが前記特定のマー
キングであると判断することが望ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記マ一キング装置が、 前記生体 内に液剤を放出する液剤放出装置を備えることが望ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記マーキング装置が、 前記生体 内に液剤を放出する液剤放出装置を備えることが望ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記取得装置が、 前記生体内を撮 像する撮像装置と生体内を照明する照明装置とを有する観察装置を備えることが 望ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記取得装置が、 前記生体内を撮 像する撮像装置と生体内を照明する照明装置とを有する観察装置を備えることが 望ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記取得装置が、 前記生体内の出 血を検出する血液センサを備えることが望ましい。
本発明のカプセル投薬システムにおいては、 前記取得装置が、 前記生体内の出 血を検出する血液センサを備えることが望ましい。
本発明は、 投薬方法であって、 生体の観察装置及びマーキング装置を有する第
1のカプセルを体腔内に配するステップと;前記観察装置により前記生体を観察 するステップと;前記マーキング装置により前記生体内にマーキングを施すステ ップと;投薬位置を決定するステップと;前記投薬位置を示す特定のマーキング を決定するステップと;投薬装置及びマーキング検出装置を有する第 2のカプセ ルを体腔内に配するステップと;前記マーキングを検出するステップと;検出さ れたマーキングが前記特定のマーキングであるか否かを判断するステップと;前 記特定のマ一キングであると判断された場合に、 前記投薬装置により薬剤を放出 するステップと ; を含む投薬方法を提供する。
本発明は、 投薬方法であって、 生体の観察装置及びマーキング装置を有する第 1のカプセルを体腔内に配するステップと ;前記観察装置により前記生体を観察 するステップと;前記マーキング装置により前記生体内にマーキングを施すステ ップと ;前記生体内における投薬位置を決定するステップと ;前記投薬位置を示 す特定のマーキングを決定するステップと;長時間マーキング装置を有する第 3
丄 υ のカプセルを体腔内に配するステップと ;前記マーキングを検出するステップ と ;検出されたマーキングが前記特定のマーキングであるか否かを判断するステ ップと;特定のマ一キングであると判断された場合に、 前記長時間マーキング装 置により長時間マーキングを施すステップと;投薬装置及び長時間マーキング検 出装置を有する第 2のカプセルを体腔内に配するステップと ;前記長時間マーキ ングを検出するステップと;検出された長時間マーキングが検出された場合に、 前記投薬装置により薬剤を放出するステップと; を含む投薬方法を提供する。 本発明の投薬方法においては、 前記マーキング装置により前記生体内にマ一キ ングを施すステツプを複数回繰り返すことが望ましい。
本発明の投薬方法においては、 前記生体内にマーキングを施すステップが、 等 しい時間間隔で複数回繰り返されることが望ましい。
本発明においては、 患者等の生体内に経口投入された第 1のカプセルが生体内 を移動する過程で、 マーキング装置が移動の経路に沿って生体内にマーキングを 施す。 その後、 第 1のカプセルに続いて経口投入された第 2のカプセルが生体内 を移動する過程で、 検出装置は、 マーキング装置によって施されたマーキングを 検出する。 検出装置がマーキングを検出すると、 判断装置は、 検出されたマーキ ングの情報と予め特定されているマ一キングの情報とを比較し、 検出されたマー キングが特定のマ一キングであるか否かを判断する。 判断装置が、 検出されたマ 一キングは特定のマーキングであると判断すると、 放出制御装置は、 その結果を 受けて放出装置を作動させ、 薬剤保持部に保持されている薬剤を放出する。 本発明によれば、 特定のマ一キングが患部の位置を示すようにすることで、 薬 剤を患部に対して直接的に作用させることができ、 患部に対して確実に投薬する ことができる。 また、 生体内に投入されたカプセルが直に患部を検出してから投 薬を行うのではなく、 事前に特定されたマーキングを検出して即座に投薬を行う ので、薬剤を放出するまでの間にカプセルが患部を通過することはない。さらに、 第 2のカプセル自身が、 検出装置によって検出されたマーキングが特定のマーキ ングであるか否かを判断して薬剤を放出するので、 判断のために別個の装置等を 必要としない。 従って、 マーキングの検出から薬剤の放出にかける時間が短くて 済み、 特定のマーキングが施された位置における薬剤の放出を高精度に行うこと
ができる。
本発明においては、 患者等の生体内に経口投入された第 1のカプセルが生体内 を移動する過程で、 取得装置が体内画像等の生体情報を取得すると共に、 マーキ ング装置が移動の経路に沿ってマーキングを施す。 投薬決定装置は、 取得装置に よって取得された生体情報に基づいて、 当該生体情報に示される患部に対して投 薬が必要であるか否かを決定する (例えば、 体内画像の赤色の量が閾値以上とな つたときに出血があると見なし、投薬が必要であると決定する)。生体情報に示さ れる患部に対して投薬が必要であるとの決定が下ると、 特定装置は、 この結果を 受けて投薬が必要な患部に施されたマーキングを特定する。
その後、 第 1のカプセルに続いて経口投入された第 2のカプセルが生体内を移 動する過程で、 検出装置は、 マーキング装置によって施されたマ一キングを検出 する。 検出装置がマーキングを検出すると、 判断装置は、 検出されたマーキング が特定装置によって特定されたマーキングであるか否かを判断する。判断装置が、 検出されたマーキングは特定装置によって特定されたマーキングである、 すなわ ち投薬が必要な患部に施されたマーキングであると判断すると、放出制御装置は、 その結果を受けて放出装置を作動させ、 薬剤保持部に保持されている薬剤を放出 する。
本発明によれば、 特定のマーキングは患部の位置を示すので、 薬剤を患部に対 して直接的に作用させることができ、患部に対して確実に投薬することができる。 また、 生体内に投入されたカプセルが直に患部を検出してから投薬を行うのでは なく、 事前に施された特定のマーキングを検出して即座に投薬を行うので、 薬剤 を放出するまでの間にカプセルが患部を通過することはない。 さらに、 第 2の力 プセル自身が、 検出装置によって検出されたマーキングが特定のマ一キングであ るか否かを判断して薬剤を放出するので、 判断のために別個の装置等を必要とし ない。 従って、 マーキングの検出から薬剤の放出にかける時間が短くて済み、 特 定のマーキングが施された位置における薬剤の放出を高精度に行うことができる。 本発明においては、 患者等の生体内に経口投入された第 1のカプセルが生体内 を移動する過程で、 取得装置が体内画像等の生体情報を取得すると共に、 マーキ ング装置が移動の経路に沿ってマーキングを施す。 取得装置によって取得された
生体情報は、マーキングの位置と関連付けられて第 1のメモリに逐次記憶される。 投薬決定装置は、 第 1のメモリに記憶されている生体情報に基づいて、 当該生体 情報に示される患部に対して投薬が必要であるか否かを決定する (例えば、 体内 画像の赤色の量が閾値以上となったときに出血があると見なし、 投薬が必要であ ると決定する)。生体情報に示される患部に対して投薬が必要であるとの決定が下 ると、 特定装置は、 生体情報と関連付けられて第 1のメモリに記憶されているマ 一キングの中から、 投薬が必要な患部に施されたマーキングを特定する。 特定さ れたマーキングは、 第 2のメモリに記憶される。
その後, 第 1のカプセルに続いて経口投入された第 2のカプセルが生体内を移 動する過程で、 検出装置は、 マ一キング装置によって施されたマーキングを検出 する。 検出装置がマ一キングを検出すると、 判断装置は、 検出されたマ一キング の情報と第 2のメモリに記憶されているマーキングの情報とを比較し、 検出され たマーキングが特定装置によって特定されたマ一キングであるか否かを判断する。 判断装置が、 検出されたマーキングは特定装置によつて特定されたマ一キングで ある、 すなわち投薬が必要な患部に施されたマ一キングであると判断すると、 放 出制御装置は、 その結果を受けて放出装置を作動させ、 薬剤保持部に保持されて いる薬剤を放出する。
本発明によれば、- 特定のマーキングは患部の位置を示すので、 薬剤を患部に対 して直接的に作用させることができ、患部に対して確実に投薬することができる。 また、 生体内に投入されたカプセルが直に患部を検出してから投薬を行うのでは なく、 事前に施された特定のマーキングを検出して即座に投薬を行うので、 薬剤 を放出するまでの間にカプセルが患部を通過することはない。 さらに、 第 2の力 プセル自身が、 検出装置によって検出されたマーキングが特定のマ一キングであ るか否かを判断して薬剤を放出するので、 判断のために別個の装置等を必要とし ない。 従って、 マーキングの検出から薬剤の放出にかける時間が短くて済み、 特 定のマ一キングが施された位置における薬剤の放出を高精度に行うことができる。 本発明においては、 患者等の生体内に経口投入された第 1のカプセルが生体内 を移動する過程で、 マーキング装置が移動の経路に沿ってマ一キングを施すと共 に、取得装置がマーキングの位置と関連付けて体内画像等の生体情報を取得する。
生体外に配された体外ユニットでは、 投薬決定装置が、 取得装置によって取得 された生体情報に基づいて、 当該生体情報に示される患部に対して投薬が必要で あるか否かを決定する。 なお、 その決定は、 例えば体内画像等の生体情報から得 られる数値を閾値等と比較することによって自動的に行うようにしても良いし、 医師等によって人的に行うようにしても良い。 生体情報に示される患部に対して 投薬が必要であるとの決定が下ると、 特定装置は、 生体情報と関連付けられたマ 一キングの中から、 投薬が必要な患部に施されたマ一キングを特定する。
その後、 第 1のカプセルに続いて経口投入された第 2のカプセルが生体内を移 動する過程で、 検出装置は、 マーキング装置によって施されたマーキングを検出 する。 検出装置がマーキングを検出すると、 第 2カプセル送信装置は、 そのマー キングの情報を体外ュニットに送信する。
体外ユニットでは、 体外受信装置が、 第 2のカプセルから送信された情報を受 信する。 体外受信装置がマーキングの情報を受信すると、 判断装置は、 体外受信 装置によって受信されたマーキングの情報と、 特定装置によって特定された患部 の位置を示すマーキングの情報とを比較し、 検出されたマーキングが特定装置に よって特定されたマーキングであるか否かを判断する。 判断装置が、 検出された マーキングは特定装置によって特定されたマーキングであると判断すると、 体外 送信装置は、 第 2のカプセルに制御信号を送信する。
第 2のカプセルでは、 第 2カプセル受信装置が、 体外ユニットから送信された 制御信号を受信する。 第 2カプセル受信装置が制御信号を受信すると、 放出制御 装置は、 この制御信号を受けて放出装置を作動させ、 薬剤保持部に保持されてい る薬剤を放出する。
本発明によれば、 薬剤を患部に対して直接的に作用させることができ、 患部に 対して確実に投薬することができる。 また、 体外ユニットが、 投薬が必要である か否かを決定する投薬決定装置、 マーキングを特定する特定装置、 およびマーキ ングを判断する判断装置を備えているので、 第 1のカプセル及び第 2のカプセル を簡易な構造にすることができ、 両カプセルの小型化を図ることができる。 本発明においては、 患者等の生体内に経口投入された第 1のカプセルが生体内 を移動する過程で、 取得装置が体内画像等の生体情報を取得すると共に、 マーキ
ング装置が移動の経路に沿ってマーキングを施す。 取得装置によって取得された 生体情報は、マーキングの位置と関連付けられて第 1のメモリに逐次記憶される。 投薬決定装置は、 第 1のメモリに記憶されている生体情報に基づいて、 当該生体 情報に示される患部に対して投薬が必要であるか否かを決定する (例えば、 体内 画像の赤色の量が閾値以上となったときに出血があると見なし、 投薬が必要であ ると決定する)。生体情報に示される患部に対して投薬が必要であるとの決定が下 ると、 特定装置は、 生体情報と関連付けられて第 1のメモリに記憶されているマ 一キングの中から、 投薬が必要な患部に施されたマーキングを特定する。 特定さ れたマーキングは、 第 2のメモリに記憶される。
その後、 第 1のカプセルに続いて経口投入された第 3のカプセルが生体内を移 動する過程で、 検出装置は、 マーキング装置によって施されたマーキングを検出 する。 検出装置がマーキングを検出すると、 判断装置は、 検出されたマーキング の情報と、 第 2のメモリに記憶されているマ一キングの情報とを比較し、 検出さ れたマーキングが特定装置によって特定されたマーキングであるか否かを判断す る。 判断装置が、 検出されたマーキングは特定装置によって特定されたマーキン グであると判断すると、 マーキング制御装置は、 その結果を受けて長時間マーキ ング装置を作動させ、 生体内に長時間マーキングを施す。 長時間マーキングは、 特定されたマーキング、 すなわち投薬が必要な患部に施されたマ一キングの近傍 に施され、 患部の位置を示す指標となる。
その後、 第 3のカプセルに続いて経口投入された第 2のカプセルが生体内を移 動する過程で、 長時間マーキング検出装置は、 長時間マーキング装置によって施 された長時間マーキングを検出する。 長時間マーキング検出装置が長時間マーキ ングを検出すると、 放出制御装置は、 その結果を受けて放出装置を作動させ、 薬 剤保持部に保持されている薬剤を放出する。
本発明によれば、 長時間マーキングが生体内により長く維持されることで、 長 時間マーキング検出装置による検出がより高精度になされる。 したがって、 患部 に対してより確実に投薬することができる。 また、 生体内に投入されたカプセル が直に患部を検出してから投薬を行うのではなく、 事前に施された長時間マーキ ングを検出して即座に投薬を行うので、 薬剤を放出するまでの間にカプセルが患
部を通過することはない。 さらに、 長時間マーキングが長く維持されることによ つて、 繰り返し治療が必要な場合でも、 第 2のカプセルだけを経口投入するだけ で患部に対し繰り返し投薬することが可能なので、 患者の負担を軽減することが できる。
加えて、 第 3のカプセル自身が、 検出装置によって検出されたマ一キングが特 定のマーキングであるか否かを判断して長時間マーキングを施すので、 特定のマ —キングの検出から長時間マ一キングの実施までにかかる時間が短くて済むと共 に、 特定のマーキングが施された位置における薬剤の放出を高精度に行うことが できる。
本発明においては、 患者等の生体内に経口投入された第 1のカプセルが生体内 を移動する過程で、 マーキング装置が移動の経路に沿ってマーキングを施すと共 に、取得装置がマーキングの位置と関連付けて体内画像等の生体情報を取得する。 その後、 第 1のカプセルに続いて経口投入された第 3のカプセルが生体内を移 動する過程で、 検出装置は、 マーキング装置によって施されたマ一キングを検出 する。 検出装置がマーキングを検出すると、 第 3カプセル送信装置は、 そのマ一 キングの情報を体外ュニッ卜に送信する。
体外ユニットでは、 体外受信装置が、 第 3のカプセルから送信された情報を受 信する。 体外受信装置がマーキングの情報を受信すると、 投薬決定装置は、 取得 装置によって取得された生体情報に基づいて、 当該生体情報に示される患部に対 して投薬が必要であるか否かを決定する。 なお、 その決定は、 体内画像等の生体 情報から得られる数値を閾値等と比較することによって自動的に行うようにして も良いし、 医師等によって人的に行うようにしても良い。 生体情報に示される患 部に対して投薬が必要であるとの決定が下ると、 特定装置は、 生体情報と関連付 けられたマーキングの中から、 投薬が必要な患部に施されたマーキングを特定す る。 特定装置が、 投薬が必要な患部に施されたマーキングを特定すると、 判断装 置は、 特定装置によって特定されたマーキング、 および体外受信装置に受信され たマ一キングの情報に基づいて、 検出されたマ一キングが特定されたマーキング であるか否かを判断する。 判断装置が、 検出されたマーキングは特定されたマー キングであると判断すると、 体外送信装置は、 第 3のカプセルに制御信号を送信
する。
第 3のカプセルでは、 第 3カプセル受信装置が、 体外ユニットから送信された 制御信号を受信する。 第 3カプセル受信装置が制御信号を受信すると、 マーキン グ制御装置は、 この制御信号を受けて長時間マーキング装置を作動させ、 生体内 に長時間マーキングを施す。 長時間マーキングは、 特定されたマーキング、 すな わち投薬が必要な患部に施されたマーキングの近傍に施され、 患部の位置を示す 指標となる。
その後、 第 3のカプセルに続いて経口投入された第 2のカプセルが生体内を移 動する過程で、 長時間マーキング検出装置は、 長時間マーキング装置によって施 された長時間マーキングを検出する。 長時間マ一キング検出装置が長時間マ一キ ングを検出すると、 放出制御装置は、 その結果を受けて放出装置を作動させ、 薬 剤保持部に保持されている薬剤を放出する。
本発明によれば、 長時間マーキングが生体内により長く維持されることで、 長 時間マーキング検出装置による検出がより高精度になされる。 したがって、 患部 に対してより確実に投薬することができる。 また、 生体内に投入されたカプセル が直に患部を検出してから投薬を行うのではなく、 事前に施された長時間マーキ ングを検出して即座に投薬を行うので、 薬剤を放出するまでの間にカプセルが患 部を通過することはない。 さらに、 長時間マーキングが長く維持されることによ つて、 繰り返し治療が必要な場合でも、 第 2のカプセルだけを経口投入するだけ で患部に対し繰り返し投薬することが可能なので、 患者の負担を軽減することが できる。
本発明によれば、 第 3のカプセル自身が、 検出装置によって検出されたマ一キ ングが特定のマーキングであるか否かを判断して長時間マーキングを施すので、 特定のマーキングの検出から長時間マ一キングの実施までにかかる時間が短くて 済むと共に、 特定のマーキングが施された位置における薬剤の放出を高精度に行 うことができる。
体外ユニットが、 投薬が必要であるか否かを決定する投薬決定装置、 マーキン グを特定する特定装置、およびマーキングを判断する判断装置を備えているので、 第 1のカプセル及び第 2のカプセルを簡易な構造にすることができ、 両カプセル
の小型化を図ることができる。
本発明においては、 長時間マーキングとしてステントゃリング等の留置部材を 生体内に留置することにより、 長時間マーキングを、 生体内に簡単に施すことが できる。
本発明においては、 第 1のカプセルが生体内を移動する過程で、 取得装置がマ 一キングの位置と関連付けられた生体情報を取得する。 取得された生体情報は、 マーキングの位置と関連付けられて第 3のメモリに逐次記憶される。 排泄によつ て生体外に排出された第 1のカプセルを回収し、 第 3のメモリから生体情報を入 手すれば、 投薬決定装置の決定を確実かつ正確に行うことができる。
本発明においては、 第 1のカプセルが生体内を移動する過程で、 取得装置がマ 一キングの位置と関連付けられた生体情報を取得する。 取得装置が生体情報を取 得すると、 送信装置が、 取得された生体情報を体外ユニットに無線送信する。 こ れにより、 投薬決定装置は生体情報をリアルタイムに取得することができ、 速や かな決定を行うことができる。
本発明においては、 判断装置が、 特定のマーキングを色や形状等の他と異なる 特徴で判断するのではなく、 単にカウントされたマーキングの数によって判断す るので、 複雑な判断回路等を備える必要がなく、 簡易な構造を採用することがで きる。 また、 検出ミスの低減が図れるので、 信頼性を向上することができる。 本発明においては、 液剤を放出することにより、 生体内に容易にマ一キングを 施すことができる。
本発明においては、 照明装置に照らされた生体を撮影することにより、 より明 確な画像を、 確実に取得することができる。 そして、 観察装置によって得られた 撮像画像を生体情報として利用することができる。
本発明においては、 血液センサにより取得された生体内の血液の有無、 量や成 分等の血液情報を生体情報として利用することができる。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 1実施形態を示す概念図であ る。
図 2は、 図 1に示すカプセル投薬システムで使用する観察用カプセルを示す断 面図である。
図 3は、 図 1に示すカプセル投薬システムで使用する投薬用カプセルを示す外 面図である。
図 4は、 図 3に示す投薬用カプセルの断面図である。
図 5は、 図 1に示すカプセル投薬システムで使用する体外ュニッ卜の構成図で ある。
図 6は、 観察用カプセルにより生体内にマ一キングを施している状態を示す図 である。
図 7は、 1 0番目のマーキングと 1 1番目のマ一キングとの間に患部が位置し ている状態を示す図である。
図 8は、 投薬用カプセルが、 1 0番目のマーキング (特定のマ一キング) を検 出し、 薬剤を放出している状態を示す図である。
図 9は、 カプセル投薬システムにより、 患部に対して投薬を行う場合のフロー チャートである。
図 1 0は、 図 9のフローチャートの続きを示すフローチャートである。
図 1 1は、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 2実施形態を示す概念図で ある。
図 1 2は、 図 1 1に示すカプセル投薬システムで使用する観察用カプセルを示 す断面図である。
図 1 3は、 図 1 1に示すカプセル投薬システムで使用する投薬用カプセルを示 す断面図である。
図 1 4は、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 3実施形態を示す概念図で ある。
図 1 5は、 図 1 4に示すカプセル投薬システムで使用する長時間マーキング用 カプセルを示す外面図である。
図 1 6は、 図 1 5に示す長時間マーキング用カプセルの断面図である。
図 1 7は、 図 1 4に示すカプセル投薬システムで使用する投薬用カプセルを示 す断面図である。
図 1 8は、 長時間マーキング用カプセルが 1 0番目のマ一キング (特定のマー キング) を検出し、 ステントを放出した状態を示す図である。
図 1 9は、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 4実施形態を示す概念図で ある。
図 2 0は、 図 1 9に示すカプセル投薬システムで使用する長時間マーキング用 カプセルを示す断面図である。
図 2 1は、 観察用カプセル内の液剤放出装置の別の構成を示す図である。
図 2 2は、 観察用カプセル内の液剤放出装置の更に別の構成を示す図であり、 小腸内に位置している状態を示す図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 1実施形態を、 図 1から図 1 0 を参照して説明する。
本実施形態のカプセル投薬システム 1は、図 1に示すように、患者 Pの体内(生 体内〉 に経口投入される生体情報取得用の観察用カプセル (第 1のカプセル) 1 0及び投薬用の投薬用カプセル (第 2のカプセル) 3 0と、 体外に配される体外 ユニット 5 0とを備えている。
観察用カプセル 1 0は、 図 2に示すようにカプセル状の筐体 1 1内に、 体内各 部を撮像することにより生体情報である撮像画像を取得する観察装置(取得装置) 1 2と、 生体内にマ一キング剤 (液剤) Wを放出してマーキング Mを施す液剤放 出装置 1 3 aを有するマーキング装置 1 3と、 マ一キング装置 1 3により施され たマーキング Mの位置と観察装置 1 2により取得された撮像画像とを記憶するメ モリ (第 1のメモリ) 1 4とを備えている。
筐体 1 1は、 プラスチック等で内部を密閉するように形成され、 一端側に透明 カバー 1 1 aが設けられている。 この透明カバー 1 1 aの内側には、 体内の各部 を撮像する対物レンズ 1 5が配されており、 対物レンズ 1 5の結像位置には、 例 えば、 C M O Sイメージャゃ C C D等の撮像素子 1 6が配されている。 これら対 物レンズ 1 5及び撮像素子 1 6は、 体内を撮像する撮像装置 1 2 aを構成してい る。 また、 対物レンズ 1 5の周囲には、 照明光を照射して対物レンズ 1 5の視野
範囲を照明する L E D (照明装置) 1 7が配されている。 即ち、 これら撮像装置 1 2 a及び L E D 1 7は、 観察装置 1 2を構成している。
また、 筐体 1 1の一部には、 微小な吐出口 1 8が形成されており、 吐出口 1 8 の内側には、 染料 (例えば、 米国 G I S u u p 1 y社製マ一キング剤 S P O T 等)、 蛍光体、 磁性体、 放射線体等のマーキング剤 Wを収納するリザ一バ 1 9が配 されている。 リザーバ 1 9の一部は、弾性変形可能とされており、弾性位置には、 ピエゾ素子 2 0が設けられている。 つまり、 ピエゾ素子 2 0に電圧等の信号を送 ることにより、 ピエゾ素子 2 0が伸張してリザーバ 1 9を押圧し、 マーキング剤 Wを吐出口 1 8から筐体 1 1の外部に向けて吐出できる。 こうすることで、 生体 内の消化器官等の管腔壁に点墨のようなマーキング Mを施すことができる。即ち、 これらリザーバ 1 9及びピエゾ素子 2 0は、液剤放出装置 1 3 aを構成しており、 液剤放出装置 1 3 a及び吐出口 1 8は、 マ一キング装置 1 3を構成している。 な お、 マーキング剤 Wは、 生体内にマーキング Mとして施されてから所定時間経過 すると自然に代謝されて消えてしまう。
また、 筐体 1 1内には、 観察装置 1 2及び液剤放出装置 1 3 aを制御すると共 に、 観察装置 1 2で取得した生体情報を所定処理してメモリ 1 4に送る制御処理 部 2 1と、 メモリ 1 4に記億されている生体情報等を体外ュニッ卜 5 0に向けて 無線送信する送信器及び送信アンテナからなる送信装置(第 1カプセル送信装置) 2 2及び上述した各構成品に電力を供給する電池 2 3が内蔵されている。
制御処理部 2 1は、 生体内に投入された後、 ピエゾ素子 2 0に信号を送り、 生 体内を移動している間に、 定期的、 例えば、 5分に 1回毎にマーキング Mを生体 内に施すように液剤放出装置 1 3 aを作動させる機能を有している。 また、 同時 に観察装置 1 2を制御して、 生体内を、 例えば、 1秒に 2回毎に無作為的に撮像 して、 生体情報を取得させる機能を有している。 更に、 制御処理部 2 1は、 観察 装置 1 2から送られてきた生体情報を所定処理すると共にその生体情報を、 ピエ ゾ素子 2 0の作動タイミングと関連付けてメモリ 1 4に逐次記憶する。 つまり、 生体内に施したマーキング Mの位置と生体情報とを関連付けて、 メモリ 1 4に記 憶する機能を有している。 また、 上述したように、 メモリ 1 4から送信装置 2 2 を介して体外ユニット 5 0に送信することも可能である。 更に、 メモリ 1 4を介
さずに取得した生体情報を順次直接体外ュニット 5 0に向けて送信することも可 能である。
投薬用カプセル 3 0は、 図 3及び図 4に示すように、 カプセル状の筐体 3 1内 に、 液状の薬剤 Aを保持するリザ一バ (薬剤保持部) 3 2と、 リザ一バ 3 2に保 持された薬剤 Aを放出する放出装置 3 3と、 体外ュニット 5 0から送信された制 御信号を受信する受信アンテナ (第 2カプセル受信装置) 3 4と、 受信アンテナ 3 4により制御信号が受信されたときに放出装置 3 3を作動させる制御部 (放出 制御装置) 3 5と、 生体内に施されたマーキング Mを検出するセンサ(検出装置) 3 6と、 センサ 3 6により検出されたマ一キング Mの情報を体外ュニット 5 0に 送信する送信アンテナ (第 2カプセル送信装置) 3 7と、 各構成品に電力を供給 する電池 3 8とを有している。
筐体 3 1は、 プラスチック等で内部を密閉するように形成されており、 一端側 の内部には、 壁部 3 2 aと筐体 3 1の内周面とで囲まれたリザ一バ 3 2が設けら れている。 リザ一バ 3 2の周囲であって筐体 3 1の外表面には、 複数の薬剤口 3 9が筐体 3 1の軸回りに形成されている。 薬剤口 3 9には、 薄膜が形成されてお り、 リザーバ 3 2内に保持された薬剤 Aが薬剤口 3 9から漏れない。 また、 リザ ーバ 3 2内には、 ヒ一夕 4 0が設けられている。 ヒ一夕 4 0は、 瞬間的な加熱に より気泡を発生させ、 その圧力で薬剤口 3 9の薄膜を破り、 薬剤 Aを薬剤口 3 9 から放出させる機能を有している。 即ち、 これら薬剤口 3 9及びヒータ 4 0は、 放出装置 3 3を構成している。
センサ 3 6は、 筐体 3 1の他端側の外表面であって、 筐体 3 1の軸回りに複数 形成されている。 センサ 3 6は、 生体内を移動中に観察用カプセル 1 0で施され たマーキング Mを検出して制御部 3 5に送る機能を有している。 また、 制御部 3 5は、 受信アンテナ 3 4により、 体外ユニット 5 0から送られた制御信号を受信 すると、 ヒー夕 4 0を制御して加熱させる。
また、 センサ 3 6は、 例えば、 マーキング剤 Wが、 特定の色の染料や蛍光体で あった場合、 その色の波長に対する感度を持った光学的センサ及び管腔内を照明 するための L E Dからなる。 L E Dは、 マ一キング剤 Wの特性に合わせて波長が 最適化されている。
体外ユニット 5 0は、 図 1及び図 5に示すように、 患者 Pの体外に装着可能な 本体 5 1に、 投薬用カプセル 3 0の送信アンテナ 3 7から送られてきたマーキン グ Mの情報を受信する受信アンテナ (体外受信装置) 5 2と、 観察用カプセル 1 0のメモリ 1 4に記憶された生体情報に基づいて当該生体情報に示される患部 X に対して投薬が必要であるか否かを決定する決定部 (投薬決定装置) 5 3と、 決 定部 5 3の決定に基づいて患部 Xの位置を示すマーキング Mを特定する特定部 (特定装置) 5 4と、 特定部 5 4により特定されたマーキング Mと受信アンテナ 5 2により受信されたマーキング Mの情報とから検出されたマーキング Mが特定 のマーキング Mであるか否かを判断する判断部 (判断装置) 5 5と、 判断部 5 5 により特定のマーキング Mであると判断したときに投薬用力プセル 3 0に向けて 制御信号を送信する送信アンテナ (体外送信装置) 5 6とを有している。
本体 5 1は、 患者 Pのベルト等に装着することによって体外に装着できる。 受 信アンテナ 5 2及び送信アンテナ 5 6は、 例えば、 本体 5 1から突出するように 設けられている。 また、 受信アンテナ 5 2は、 投薬用カプセル 3 0からのマ一キ ング Mの情報に加え、 観察用カプセル 1 0の送信装置 2 2から送られてくるマー キング Mに関連付けられた生体情報を受信すると共に、 受信した生体情報等を決 定部 5 3及び特定部 5 4に送る機能を有している。
決定部 5 3は、 受信アンテナ 5 2を介してメモリ 1 4から送られてきた生体情 報である撮像画像から、 例えば、 赤色を検出すると共にその検出量を予め設定さ れている閾値と比較し、 比較した結果、 閾値以上である場合には、 投薬が必要な 出血部位 (患部 X) であると決定する。
また、 特定部 5 4は、 決定部 5 3により決定された患部 Xを示す生体情報と、 受信アンテナ 5 2を介してメモリ 1 4から送られてきた生体情報に関連付けられ たマーキング Mの位置とから、 患部 Xの位置を示すマーキング Mを特定する。 こ の際、 特定のマ一キング Mは、 経口投入されてから、 例えば、 1 0番目のマ一キ ング Mというマーキング Mの順番 (数) で特定する。
更に、 受信アンテナ 5 2は、 投薬用カプセル 3 0から送られてきたマーキング Mの情報を受信すると、 判断部 5 5に送る。 判断部 5 5は、 送られてきたマ一キ ング Mの情報と、 特定部 5 4で特定された患部 Xの位置を示すマーキング Mとを
比較して、 投薬用カプセル 3 0により検出されたマーキング Mが特定のマーキン グ Mであるか否かを判断する。 この際、 判断部 5 5は、 投薬用カプセル 3 0から 送られてくるマーキング Mの数をカウントすることにより、 特定のマーキング M であるか否かを判断する。 そして、 投薬用カプセル 3 0により検出されたマーキ ング Mが、 特定のマーキング Mであると判断、 即ち、 投薬が必要と判断した場合 には、 送信アンテナ 5 6から制御信号を送る。
このように構成されたカプセル投薬システム 1により、 患者 Pの体内の患部 X に対して薬剤 Aを投薬する場合について、 図 6から図 1 0を参照して以下に説明 する。
まず、 患者 Pは、 病院等の医療機関等にて図 1に示すように、 体外ユニット 5 0を装着する。 装着後、 医師の指示のもと観察用カプセル 1 0を飲み込んで経口 投入する (S l )。 この際、 観察用カプセル 1 0は、 投入時に図示しないスィッチ が入るようになつており、 電池 2 3から電力供給された制御処理部 2 1が作動し 始める。 経口投入された観察用カプセル 1 0は、 図 6に示すように、 患者 Aの体 内を移動する間に、 制御処理部 2 1が液剤放出装置 1 3 aを作動させて、 体内の 消化器官の管腔壁に対して、例えば、 5分に 1回毎にマーキング Mを施す。即ち、 制御処理部 2 1は、 ピエゾ素子 2 0に作動信号等を送って伸張させる。 これによ り、 リザ一バ 1 9が押圧されて吐出口 1 8からマーキング剤 Wが吐出されてマー キング Mが施される。 また、 同時に制御処理部 2 1は、 観察装置 1 2を作動させ て、 体内各部を、 例えば、 1秒に 2回毎に撮像して生体情報を取得する (S 2 )。 更に、 制御処理部 2 1は、 観察装置 1 2で取得した生体情報とマーキング Mの位 置とを関連付けて、 メモリ 1 4に記憶すると共に、 送信装置 2 2から体外ュニッ ト 5 0に向けて無線送信する (S 3 )。 この送信された生体情報は、 体外ュニット 5 0の受信アンテナ 5 2で受信され、 決定部 5 3及び特定部 5 4に送られる。 一方、 体外ユニット 5 0の決定部 5 3は、 受信アンテナ 5 2を介して生体情報 である撮像画像を取得すると、 撮像画像に示される患部に対して投薬が必要であ るか否かを決定する。 例えば、 撮像画像から、 赤色のみを検出すると共にその検 出量を予め設定されている閾値と比較し、 比較した結果、 閾値以上である場合に は、 投薬が必要な出血部位、 即ち、 患部 Xであると決定する (S 4 )。
また、 決定がされると、 特定部 5 4が、 患部 Xの位置を示すマーキング Mの特 定を行う (S 5 )。 つまり、 特定部 5 4には、 受信アンテナ 5 2を介して生体情報 とマーキング Mの位置とが関連付けられて送られてくるので、 決定部 5 3により 決定された患部 Xの生体情報から生体情報に関連したマーキング Mの特定が行な える。 なお、 この際、 特定のマーキング Mは、 何番目のマーキング Mであるとい うようなマーキング Mの順番で特定する。
なお、 本実施形態においては、 図 7に示すように、 患部 Xの位置が、 1 0番目 のマーキング Mと 1 1番目のマ一キング Mとの間に位置しているものとし、 患部 Xの位置を示す特定のマ一キング Mを 1 0番目のマ一キングとしている。
一方、 患者 Pは、 観察用カプセル 1 0を経口投入してから所定時間の経過、 又 は観察用カプセル 1 0の排泄等により、 観察用カプセル 1 0による観察が終了し た後、決められた投薬時間に従って、投薬用カプセル 3 0を経口投入する(S 6 )。 なお、 患者 Pは、 医師等から投薬用カプセル 3 0を入手後、 医療機関等を離れて も構わない。
その後、 患者 Pにより経口投入された投薬用カプセル 3 0は、 体内を移動する 間に、 観察用カプセル 1 0によって施されたマーキング Mをセンサ 3 6が検出す る (S 7 )。 センサ 3 6がマ一キング Mを検出すると、 マーキング Mの情報を制御 部 3 5に送り、 制御部 3 5が送信アンテナ 3 7から体外ュニット 5 0に向けて無 線送信する (S 8 )。
送信されたマーキング Mの情報は、 体外アンテナ 5 0の受信アンテナ 5 2で受 信され、 判断部 5 5に送られる。 判断部 5 5は、 送られてくるマーキング Mの数 をカウントすることにより特定部 5 4で特定された患部 Xの位置を示すマーキン グ Mであるか否かを判断する (S 9 )。 つまり、 特定のマーキングが 1 0番目のマ —キング Mであるので、 最初に検出されたマーキング Mは、 特定のマ一キング M ではないと判断する。 また、 次に送られてくるマーキング Mは、 カウント数によ り 2番目のマ一キング Mであるので、 特定のマーキング Mではないと判断する。
ここで、 投薬用カプセル 3 0が、 1 0番目のマ一キング Mを検出したときに、 体外ュニット 5 0の判断部 5 5は、 カウント数により送られてきたマ一キング M が 1 0番目のマーキング M、 即ち、 投薬が必要な特定のマーキング Mであると判
断する (S 1 0 )。
投薬が必要であると判断すると、 判断部 5 5は、 送信アンテナ 5 6から制御信 号を投薬用カプセル 3 0に向けて無線送信する(S 1 1 )。送信された制御信号は、 投薬用カプセル 3 0の受信アンテナ 3 4で受信され、 制御部 3 5に送られる。 制 御部 3 5は、 制御信号を受けてヒー夕 4 0を作動させる (S 1 2 )。 これによりヒ —夕 4 0は、 瞬間的に加熱して気泡を発生させ、 気泡の圧力により薬剤口 3 9の 薄膜を破り (S 1 3 )、 図 8に示すように、 リザ一バ 3 2内の薬剤 Aを薬剤口 3 9 から筐体 1 1外部に放出する。 即ち、 特定のマ一キング Mは、 患部 Xの位置を示 しているので、 放出された薬剤は、 患部 Xに直接的に作用することになる。 これ により、 患部 Xに対して直接的に投薬を行うことができる (S 1 4 )。
上述したカプセル投薬システム 1によれば、 観察用カプセル 1 0によって、 体 内にマーキング Mを施しながら患者 Pの撮像画像である生体情報の取得が行なえ、 体外ユニット 5 0は、 観察用カプセル 1 0と無線通信することで、 メモリ 1 4に 記憶されているマーキング Mの位置に関連付けた生体情報を取得することができ る。 そして、 体外ユニット 5 0の決定部 5 3が、 生体情報に基づいて投薬が必要 な患部 Xを決定し、 その決定を受けて、 特定部 5 4が、 投薬が必要な患部 Xの位 置を示すマーキング Mの特定が行える。 即ち、 特定のマ一キング Mを患部 Xに位 置を示す指標とすることができる。
そして、 投薬用カプセル 3 0により、 体外ユニット 5 0の判断部 5 5の判断に 基づいて特定のマーキング Mの位置で薬剤 Aを放出することができる。 この際、 特定のマーキング Mは患部 Xの位置を示しているので、 薬剤 Aを患部 Xに対して 直接的に作用させることができる。 つまり、 確実に患部 Xに対して投薬すること ができる。 また、 患部 Xを検出してから投薬を行うのではなく、 患部 Xの位置を 示す特定のマ一キング Mを検出することにより投薬を行うので、 薬剤 Aを放出す るまでの間に患部 Xを通過することはない。
また、 投薬が必要であるか否かの判断を体外ュニット 5 0が行っているので、 観察用カプセル 1 0及び投薬用カプセル 3 0を容易な構成にすることができ、 小 型化を図ることができる。
また、 体外ユニット 5 0の判断部 5 5は、 マーキング Mの数をカウントするこ
とにより、 特定のマーキング Mであるか否かの判断を行っている。 つまり、 マー キング Mの色や形状等ではなく、 検出した数をカウントしているので、 検出ミス がなく、 容易且つ高精度に特定のマーキング Mを検出することができ、 より確実 に患部 Xに対して投薬を行うことができる。 また、 マーキング Mのカウント数に より、 特定のマ一キング Mに近づいていることが予想できることからも、 高精度 に特定のマーキング Mを検出することができる。
なお、 本実施形態においては、 体外ュニット 5 0が、 観察用カプセル 1 0と無 線通信することにより、 メモリ 1 4に記憶されているマーキング Mの位置に関連 付けた生体情報を取得したが、 これに限られず、 例えば、 排泄された観察用カブ セル 1 0を回収した後に、 メモリ 1 4から入手するようにしても構わない。 この 場合には、 送信装置 2 2等が不要であるので、 観察用カプセル 1 0をより容易に 構成でき、 小型化を図ることができる。
また、 体外ユニット 5 0の判断部 5 5は、 生体情報を閾値と比較することで、 投薬が必要な患部 Xを決定したが、 これに限られず、 例えば、 決定部 5 5をパー ソナルコンピュータ等に接続して、 医師の判断により決定を下しても構わない。 こうすることで、 より正確な決定をすることができる。
更に、 センサ 3 6は、 光学的センサであつたが、 投薬用カプセル 3 0に光学的 観察機能を搭載している場合には、 光学的観察機能と光学的センサを兼ねても良 い。 また、 マ一キング剤 Wが、 放射線体である場合には、 センサ 3 6は放射線検 出センサが適している。
また、 観察用カプセル 3 0に液剤放出装置 1 3 aを複数設け、 それぞれに異な るマーキング剤 Wを入れ、 交互にマーキング剤 Wを吐出するようにしても良い。 こうすることで、 投薬用カプセル 3 0では、 交互に異なるマーキング剤 Wを検出 するため、 例えば、 マーキング Mを一箇所検出し損なった場合には、 連続して同 じマ一キング Mが検出され、 検出漏れがあったことが判るので、 より高精度に投 薬位置を判断することができる。
次に、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 2実施形態について、 図 1 1か ら図 1 3を参照して説明する。 なお、 第 2実施形態において第 1実施形態と同一 の構成要素については、 同一の符号を付しその説明を省略する。
第 2実施形態と第 1実施形態との異なる点は、 第 1実施形態では、 観察用カブ セル 1 0、投薬用カプセル 3 0に加え、体外ュニット 5 0を備えていたのに対し、 第 2実施形態のカプセル投薬システム 8 0は、 図 1 1に示すように、 観察用カブ セル (第 1のカプセル) 9 0及び投薬用カプセル (第 2のカプセル) 1 0 0によ り構成される点である。
観察用カプセル 9 0は、 図 1 2に示すように、 筐体 1 1内に、 メモリ 1 4に記 憶された生体情報である撮像画像に基づいて撮像画像に表示される患部 Xに対し て投薬が必要であるか否かを決定する決定部 (投薬決定装置) 9 1と、 決定部 9 1の決定に基づいて投薬が必要な患部 Xの位置を示すマーキング Mを特定する特 定部 (特定装置) 9 2とを有している。
決定部 9 1は、 メモリ 1 4に記憶されている撮像画像から、 例えば、 赤色を検 出すると共にその検出量を予め設定されている閾値と比較し、 比較した結果、 閾 値以上である場合には投薬が必要な出血部位 (患部 X) であると決定する。 また、 特定部 9 2は、 決定部 9 1により決定された患部 Xを示す生体情報と、 メモリ 1 4に記憶されている生体情報に関連付けられたマーキング Mの位置とか ら、 患部 Xの位置を示すマ一キング Mを特定する。 この際、 特定のマ一キング M は、 経口投入されてから、 例えば、 1 0番目のマーキング Mというマーキング M の順番 (数) で特定する。
投薬用カプセル 1 0 0は、 図 1 3に示すように、 筐体 3 1内に、 観察用カプセ ル 9 0の特定部 9 2により特定されたマーキング Mの情報を記憶するマーキング 用メモリ (第 2のメモリ) 1 0 1と、 センサ 3 6により検出されたマーキング M がマーキング用メモリ 1 0 1に記憶されている特定のマ一キング Mであるか否か を判断する判断部 (判断装置) 1 0 2とを有している。
判断部 1 0 2は、 センサ 3 6から送られてくるマーキング Mの数をカウントし て、 マーキング用メモリ 1 0 1に記憶されているマーキング Mの順番 (数) と一 致したときに、 検出されたマーキング Mが特定のマーキングであると判断して制 御部 3 5に知らせる。 これを受けて制御部 3 5は、 放出装置 3 3を作動させる。 このように構成されたカプセル投薬システム 8 0により、 患者 Pの体内の患部 Xに対して薬剤 Aを投薬する場合について、 以下に説明する。
患者 Pに経口投入された観察用カプセル 9 0は、 体内を移動する際、 液剤放出 装置 1 3により体内にマーキング Mを施すと共に観察装置 1 2により撮像画像で ある生体情報の取得を行い、 また、 制御処理部 2 1によりこれら生体情報とマー キング Mの位置とを関連付けてメモリ 1 4に記憶する。 すると、 決定部 9 2が、 メモリ 1 4に記憶されている撮像画像から、 赤色のみを検出すると共にその検出 量を予め設定されている閾値と比較し、 閾値以上である場合には投薬が必要な出 血部位 (患部 X ) であると決定する。
決定後、特定部 9 2が、決定部 9 1により決定された患部 Xを示す生体情報と、 メモリ 1 4に記憶されている生体情報に関連付けられたマーキング Mの位置とか ら、 患部 Xの位置を示すマーキング Mの特定を行う。 なお、 本実施形態において も、 特定のマーキング Mを 1 0番目のマーキング Mとしている。
次いで、 患者 Pから排泄された観察用カプセル 9 0を回収すると共に、 特定部
9 2により特定されたマ一キング Mの情報を投薬用カプセル 1 0 0のマ一キング 用メモリ 1 0 1に記憶させる。 その後、 患者 Pに経口投入された投薬用カプセル
1 0 0は、 センサ 3 6によりマーキング Mを検出しながら体内の移動を行う。 セ ンサ 3 6は、マーキング Mを検出すると、判断部 1 0 2に送る。判断部 1 0 2は、 センサ 3 6から送られてくるマーキング Mの数をカウン卜して、 マーキング用メ モリ 1 0 1に記憶されているマ一キング Mの数と比較を行ない、 順番 (数) がー 致したときに、 現在検出されたマーキング Mが特定のマーキングであると判断す ると共に、 その旨を制御部 3 5に知らせる。 これを受けて制御部 3 5は、 ヒー夕 3 0を作動させて薬剤 Aを薬剤口 3 9から放出する。 これにより、 患部 Xに対し て直接的に投薬を行うことができる。
上述したカプセル投薬システム 8 0によれば、 投薬用カプセル 1 0 0自身が、 判断部 1 0 2により特定のマーキング Mであるか否かを判断して投薬を行うので、 投薬の判断のために別個の装置等を必要としない。 従って、 マーキング Mの検出 から薬剤 Aの放出にかかる時間をより短時間にでき、 高精度に特定のマーキング Mの位置で薬剤 Aを放出することができる。 また、 別個の装置等を装着する必要 がないので、 簡便である。
次に、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 3実施形態について、 図 1 4か
ら図 1 8を参照して説明する。 なお、 第 3実施形態において第 1実施形態と同一 の構成要素については、 同一の符号を付しその説明を省略する。
第 3実施形態と第 1実施形態との異なる点は、 第 1実施形態では、 観察用カブ セル 1 0の後に投薬用カプセル 3 0を経口投入することにより、 患部 Xに投薬し ていたのに対し、 第 3実施形態のカプセル投薬システム 1 1 0では、 観察用カブ セル 1 0の後に、 長時間マーキング用の長時間マーキング用カプセル (第 3の力 プセル) 1 2 0を経口投入して生体内に留置部材であるステント (長時間マーキ ング) Sを施し、 その後、 投薬用カプセル (第 2のカプセル) 1 3 0を経口投入 し、 ステント S位置で薬剤 Aを放出する点である。
即ち、 本実施形態のカプセル投薬システム 1 1 0は、 図 1 4に示すように、 患 者 Pの体内に経口投入される観察用カプセル 1 0、 長時間マーキング用カプセル 1 2 0及び投薬用カプセル 1 3 0と、 体外に配された体外ュニット 5 0とを備え ている。
長時間マーキング用カプセル 1 2 0は、 図 1 5及び図 1 6に示すように、 カブ セル状の筐体 1 2 1に、 体内に施されたマ一キング Mを検出するセンサ (検出装 置) 1 2 2と、 センサ 1 2 2で検出したマーキング Mの情報を体外ユニット 5 0 に送信する送信アンテナ (第 3カプセル送信装置) 1 2 3と、 体内にマーキング Mよりも長時間維持可能なステント Sとステント体内に留置させるステント放出 部 (留置装置) 1 2 4 aとを有する長時間マ一キング装置 1 2 4と、 体外ュニッ ト 5 0から送られてきた制御信号を受信する受信アンテナ (第 3カプセル受信装 置) 1 2 5と、 受信アンテナ 1 2 5により制御信号を受信したときにステント放 出部 1 2 4 aを作動させる制御部 (マーキング制御装置) 1 2 6と、 上記各構成 品に電力を供給する電池 1 2 7とを有している。
筐体 1 2 1は、 プラスチック等で内部を密閉するように形成されており、 中央 部は、 ステント Sを保持するために、 ステント Sの厚さ分だけ径が細い細径部 1 2 1 aとなっている。 細径部 1 2 1 aには、 ステント放出部 1 2 4 aが外部に向 けて突出するように複数設けられている。 また、 細径部 1 2 1 aの周囲には、 ス テント Sが卷回するように取り付けられていると共にステント放出部 1 2 4 aに よって保持されている。 この際、 上述したように細径部 1 2 1 aは、 ステント S
の厚さ分だけ径が細いので、 ステント Sを保持した状態で体内を移動するときに ステント Sが突出して体内の消化器官等に干渉することはない。
ステント Sは、 着磁 (磁化) された磁性体或いは磁石等からなり、 筒状で且つ 伸縮性を有するメッシュ状に形成されている。 また、 ステント Sは、 細径部 1 2 1 aに保持された状態からステン卜放出部 1 2 4 aの作動により放出されると、 径方向に拡がる機能を有している。 これにより、 ステント Sは、 消化器官の管腔 を内側から外側に押圧するようにして密着する。
センサ 1 2 2は、 筐体 1 2 1の一端側の外表面であって、 筐体 1 2 1の軸回り に複数形成されている。 センサ 1 2 2は、 生体内を移動中に観察用カプセル 1 0 で施されたマ一キング Mを検出して、 制御部 1 2 6に送る機能を有している。 制 御部 1 2 6は、 送られてきたマーキング Mの情報を、 送信アンテナ 1 2 3を介し て体外ュニッ 卜 5 0に送る。また、制御部 1 2 6は、受信アンテナ 1 2 5により、 体外ュニット 5 0から送られた制御信号を受信すると、 ステント放出部 1 2 4 a を作動させてステント Sを放出する。
投薬用カプセル 1 3 0は、 図 1 7に示すように、 カプセル状の筐体 3 1に、 リ ザーバ 3 2と、 放出装置 3 3と、 長時間マーキング用カプセル 1 2 0によって施 されたステント Sを検出する磁気センサ(長時間マーキング検出装置) 1 3 1と、 磁気センサ 1 3 1によりステント Sを検出したときに放出装置 3 3を作動させる 制御部 3 5と、 上記各構成品に電力を供給する電池 3 8とを有している。
磁気センサ 1 3 1は、 筐体 3 1の他端側 (薬剤口 3 9の反対側) の外表面であ つて、 筐体 3 1の軸回りに複数設けられており、 体内を移動している間にステン 卜 Sを検出したときに、 その旨を制御部 3 5に送る機能を有している。 これを受 けて制御部 3 5は、 ヒー夕 4 0を作動させて、 リザーバ 3 2内の薬剤 Aを薬剤口 3 9より放出する。
また、 本実施形態の体外ユニット 5 0の受信アンテナ 5 2は、 長時間マーキン グ用カプセル 1 2 0の送信アンテナ 1 2 3から送られてきたマーキング Mの情報 を受信すると共に、 送信アンテナ 5 6は、 長時間マーキング用カプセル 1 2 0に 向けて制御信号を送信する。
このように構成されたカプセル投薬システム 1 1 0により、 患者 Pの体内の患
部 Xに対して薬剤 Aを投薬する場合について、 以下に説明する。
患者 Pに経口投入された観察用カプセル 1 0は、 撮像画像である生体情報とマ 一キング Mの位置とを関連付けてメモリ 1 4に記憶すると共に、 送信アンテナ 2 2から体外ユニット 5 0に向けて送信する。 すると、 体外ユニット 5 0の決定部 5 3は、 受信アンテナ 5 2を介して撮像画像である生体情報を取得すると共に、 閾値と比較することにより撮像画像に示される患部 Xに対して投薬が必要な患部 Xを決定する。 また、 特定部 5 4が、 決定部 5 3により決定された患部 Xの生体 情報から生体情報に関連したマーキング Mの特定を行う。 なお、 本実施形態にお いても、 特定のマ一キング Mを 1 0番目のマーキング Mとしている。
また、 患者 Pは、 観察用カプセル 1 0を経口投入してから所定時間の経過、 又 は観察用カプセル 1 0の排泄等により、 観察用カプセル 1 0による観察が終了し た後、 決められた投薬時間に従って長時間マーキング用カプセル 1 2 0を経口投 入する。 なお、 患者 Pは、 長時間マーキング用カプセル 1 2 0及び投薬用カプセ ル 1 3 0を入手した後、 医療機関等を離れても構わない。
経口投入された長時間マーキング用カプセル 1 2 0は、 体内を移動する間に、 観察用カプセル 1 0によって施されたマ一キング Mをセンサ 1 2 2が検出する。 センサ 1 2 2がマーキング Mを検出すると、 マーキング Mの情報を制御部 1 2 6 に送り、 制御部 1 2 6が、 送信アンテナ 1 2 3から体外ユニット 5 0に向けて送 信する。
送信されたマーキングの情報は、 体外ュニット 5 0の受信アンテナ 5 2で受信 され、 判断部 5 5によって特定のマーキング Mであるか否かが判断される。 ここ で、 長時間マーキング用カプセル 1 2 0が、 1 0番目のマーキング Mを検出した 場合には、 判断部 5 5が、 カウント数により特定のマーキング Mであると判断す ると共に送信アンテナ 5 6から制御信号を長時間マーキング用カプセル 1 2 0に 向けて送信する。 送信された制御信号は、 長時間マーキング用カプセル 1 2 0の 受信アンテナ 1 2 5で受信され、 制御部 1 2 6に送られる。 制御部 1 2 6は、 制 御信号を受けてステント放出部 1 2 4 aを作動させる。 ステント放出部 1 2 4 a は、 図 1 8に示すように、 制御部 1 2 6からの信号を受けるとステント Sの保持 を解除してステント Sを放出する。 放出されたステント Sは、 径方向に拡がり消
化器官の管腔を押し広げるようにして密着固定される。 これにより、 ステント S は、 特定のマーキング Mの近傍に施され、 患部 Xの位置を示す指標とされる。 長時間マーキング用カプセル 1 2 0を経口投入してから所定時間の経過又は長 時間マーキング用カプセル 1 2 0の排泄等がされた後、 患者 Pは、 投薬用カプセ ル 1 3 0を経口投入する。 この際、 患者 Pは、 体外ユニット 5 0を外しても構わ ない。
経口投入された投薬用カプセル 1 3 0は、 磁気センサ 1 3 1により体内を観察 しながら移動する。 ここで、 投薬用カプセル 1 3 0がステント Sに到達すると、 磁気センサ 1 3 1が、 ステント Sに反応してステント S位置を検出すると共にそ の旨を制御部 3 5に送る。制御部 3 5は、磁気センサ 1 3 1からの信号を受けて、 ヒー夕 4 0を作動させる。 これによりヒー夕 4 0は、 瞬間的に加熱して気泡を発 生させ、 気泡の圧力により薬剤口 3 9の薄膜を破り、 リザーバ 3 2内の薬剤 Aを 薬剤口 3 9から筐体 3 1外部に放出する。 この際、 ステント Sは、 患部 Xの位置 を示す指標であるので、 放出された薬剤 Aは患部 Xに作用することになる、 従つ て、 患部 Xに対して直接的に投薬を行うことができる。
上述したカプセル投薬システム 1 1 0によれば、 特定のマ一キング Mの位置に ステント Sが施されるので、 観察用カプセル 1 0によって施されたマーキング M が代謝によって消えてしまった場合でも、 ステント Sを指標として患部 Xの位置 を特定することができる。
従って、 長期的に連続的な治療が必要な場合でも、 投薬用カプセル 1 3 0を経口 投入するだけで、 何度でも容易且つ確実に患部 Xに対して直接的に投薬すること ができる。 特に、 特定のマ一キングであるか否かの判断を体外ユニット 5 0が行 つているので、 長時間マーキング用カプセル 1 2 0を容易な構成にでき、 小型化 を図ることができる。
次に、 本発明に係るカプセル投薬システムの第 4実施形態について、 図 1 9及 び図 2 0を参照して説明する。 なお、 第 4実施形態において第 2実施形態と同一 の構成要素については、 同一の符号を付しその説明を省略する。
第 4実施形態と第 3実施形態との異なる点は、 第 3実施形態では、 観察用カブ セル 1 0、長時間マーキング用カプセル 1 2 0及び投薬用カプセル 1 3 0に加え、
体外ユニット 5 0を備えていたのに対し、 第 4実施形態のカプセル投薬システム 1 4 0では、 体外ユニット 5 0を有しない構成とされる点である。 なお、 本実施 形態の投薬用カプセルは、 第 2実施形態の投薬用カプセル 9 0と同一構成とされ ている。
即ち、 本実施形態のカプセル投薬システム 1 4 0は、 図 1 9に示すように、 体 内に経口投入される観察用カプセル 9 0と、 長時間マ一キング用カプセル (第 3 のカプセル) 1 5 0と、 投薬用カプセル 1 3 0とを備えている。
長時間マーキング用カプセル 1 5 0は、図 2 0に示すように、筐体 1 2 1内に、 観察用カプセル 9 0の特定部 9 2により特定されたマ一キング Mの情報を記憶す るマ一キング用メモリ 1 5 1と、 センサ 1 2 2により検出されたマーキング Mが マ一キング用メモリ 1 5 1に記憶されている特定のマーキング Mであるか否かを 判断する判断部 (判断装置) 1 5 2とを有している。 また、 判断部 1 5 2は、 セ ンサ 1 2 2から送られてくるマーキング Mの数をカウントして、 マ一キング用メ モリ 1 5 1に記憶されているマ一キング Mの順番 (数) と一致したときに、 検出 されたマーキング Mが特定のマーキング Mであると判断して、 制御部 1 2 6に知 らせる。 また、 これを受けて制御部 1 2 6は、 ステント放出部 1 2 4を作動させ る。
このように構成されたカプセル投薬システム 1 4 0によれば、 観察用カプセル 9 0の特定部 9 2によって特定されたマーキング Mの情報を、 長時間マーキング 用カプセル 1 5 0のマーキング用メモリ 1 5 1に記憶させた後、 長時間マーキン グ用カプセル 1 5 0を経口投入する。 経口投入された長時間マーキング用カプセ ル 1 5 0は、センサ 1 2 2がマーキング Mを検出すると共に判断部 1 5 2に送る。 判断部 1 5 2は、 センサ 1 2 2から送られてくるマーキング Mの数をカウントし て、マーキング用メモリ 1 5 1に記憶されているマーキング Mの数と比較を行い、 数が一致したときに、 現在検出されたマーキング Mが特定のマーキング Mである と判断すると共に、 その旨を制御部 1 2 6に知らせる。 これを受けて制御部 1 2 6は、 ステント放出部 1 2 4を作動させて体内にステント Sを施す。 この際、 長 時間マーキング用カプセル 1 5 0自身が、 特定のマ一キングであるか否かを判断 してステント Sを施すので、 検出から放出にかける時間を短くでき、 高精度に特
定のマーキング Mの位置、 即ち患部 Xの位置にステント Sを施すことができる。 その後、 投薬用カプセル 1 3 0を経口投入することで、 ステント S位置にて薬 剤 Aの放出が行なえる。 この際、 ステント Sは、 上述したように患部の位置を高 精度に示しているので、 薬剤 Aを患部 Xに対して精度良く直接的に作用させるこ とができ、 より確実に患部 Xに対して投薬することができる。 また、 別個の装置 等を装着する必要がないので、 簡便である。
なお、 本発明の技術分野は、 上記実施形態に限定されるものではなく、 本発明 の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、 上記各実施形態において、 判断部は、 観察用カプセル又は長時間マー キング用カプセルから送られてきたマーキングの数をカウントすることにより、 特定のマ一キングであるか否かを判断したが、 これに限られることはない。 例え ば、 生体内にマーキングを施す際に、 異なる形状、 大きさや色等のマ一キングを 施し、これら形状や色の違いに基づいて特定のマーキングを判断しても構わない。 更に、 決定部は、 撮像画像から赤色を検出して閾値と比較したが、 これに限ら れず、 有限要素法等の手法の活用や赤色以外の他の色 (青、 緑、 蛍光、 赤外線等) に注目すると共に、 これらの色の検出量を閾値と比較しても構わない。 更に、 画 像の色平均を計算し、 その色平均値を閾値と比較しても良い。 また、 色だけでは なく、 形態的な特徴を抽出し、 これに基づいて決定しても構わない。
また、 体外ユニットを、 インターネット等を介して医療機関と互いにデ一夕通 信できるようにしても構わない。 即ち、 取得した生体情報を医療機関にデ一夕送 信すると共に、 決定医療機関で特定された特定のマーキングの情報をデータ通信 により受信しても良い。 この場合には、 患者 Pは、 医療機関に何度も訪れる必要 がなく、 日常生活をしながら患部への投薬を行うことができるので、 患者の負担 の軽減化を図ることができる。 なお、 投薬決定装置及び特定装置は、 医療機関側 と共に構成するようにすれば良い。
また、 特定のマーキングを 1つとしたが、 これに限られず、 患部が数個所ある 場合には、 それぞれの患部の位置を示す特定のマーキングを検出したときに、 投 薬するようにしても構わない。 更に、 患部を挟んで前後のマーキングを特定のマ 一キングとし、 最初の特定のマーキングで投薬を開始し、 次のマーキングで投薬
を停止するよう設定しても構わない。 こうすることで、 薬剤を効率よく患部に対 して投与することができ、 複数の患部がある場合には有効である。
また、 投薬用カプセルに複数のリザーバを設け、 各リザーバに異なる種類の薬 剤を収納させ、 患部に応じた投薬を行っても構わない。
更に、 観察装置により撮像した体内の撮像画像を生体情報としたが、 撮像画像 に限られるものではない。 例えば、 体内の p H値を検出するセンサや、 出血を検 出する血液センサ等でも構わない。 この場合には、 体内での出血の有無、 量や血 液成分等の血液情報を生体情報とすることができる。 また、 血液センサと観察装 置とを組み合わせた取得装置にしても構わない。 こうすることで、 より正確な体 内の生体情報を取得することができる。
また、 各実施形態において、 観察用カプセルにより生体内にマーキングを施す 際に、 ピエゾ素子を利用した液剤放出装置によりマーキング剤を吐出させたが、 これに限られるものではない。 例えば、 図 2 2に示すように、 リザ一バ内にヒー 夕等の発熱体を設け、 発熱体の熱で気泡を発生させ、 その気泡の圧力でマーキン グ剤を吐出させるサーマル方式の液剤放出装置を採用しても構わない。 更には、 図 2 3に示すように、 リザーバにダイヤフラムを設け、 小腸等の管腔圧を検出す ると共に管腔圧によりリザーバ内のマーキング剤を吐出させる蠕動圧方式の液剤 放出装置を採用しても構わない。
更には、 投薬用カプセルに上述したような液剤放出装置を採用して、 マーキン グ剤を放出するように薬剤を放出しても構わない。 或いは、 投薬用カプセルと観 察用カプセルとを同じ構成のものとし、 用途に応じてリザーバに入れる薬剤を変 えても良い。 これにより、 カプセルがー種類で済む。
また、 第 3及び第 4実施形態において、 投薬用カプセルは、 磁気センサを利用 してステントを検出したが、 カプセル内に電磁石を設け、 電磁力を利用してステ ントに吸着して薬剤を放出し、 放出後、 電磁力を解くように構成しても良い。 こ うすることで、より確実にステント位置で薬剤を集中して放出することができる。 更に、 長時間マーキングは、 ステントに限られず、 同様に外側に拡張するリン グでも良いし、 クリップを止める構成のものでも良い。 或いは、 注射針等で、 粘 膜に磁性体や放射線体を注入するものでも良い。 この場合には、 長時間マーキン
グ検出装置は、 金属探知センサや放射線センサ等を採用すれば良い。
また、 上記各実施形態においては、 体内の各部を撮像した撮像画像を生体情報 としたが、 これに限られず、 ビデオ等のように体内を連続的に撮影するものでも 構わない。 この場合は、 ビデオ信号が記憶される。
更に、 ビデオ等により体内を撮影するものに限定されず、 患者の体内情報を検 出して体外装置にデータ送信可能なものであれば構わない。 例えば、 へモグロビ ンセンサを内蔵した出血検査用カプセルや、 p H値、 微生物量及び遺伝子異常等 の体内情報を断続的に長時間取得する体内情報検査用カプセルや、 超音波画像等 の断続的に取得する超音波カプセルでも適用可能である。
以上、 本発明の好ましい実施形態を説明したが、 本発明は上記の各実施形態に 限定されることはない。 本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、 構成の付加、 省略、 置換、 およびその他の変更が可能である。 本発明は前述した説明によって限定さ れることはなく、 添付のクレームの範囲によってのみ限定される。 産業上の利用の可能性
本発明は、 カプセル投薬システムであって、 生体内に経口投入される体内マー キング用の第 1のカプセルと ; 同じく前記生体内に経口投入される投薬用の第 2 のカプセルと ;前記生体内にマーキングを施すマーキング装置と ;薬剤を保持す る薬剤保持部と ;前記薬剤を放出する放出装置と ;前記マーキングを検出する検 出装置と ;前記検出装置により検出されたマーキングが特定のマーキングである か否かを判断する判断装置と ;前記判断装置により特定のマーキングであると判 断された場合に、 前記放出装置を作動させる放出制御装置と ; を備え、 前記第 1 のカプセルが、 前記マーキング装置を有し、 前記第 2のカプセルが、 前記薬剤保 持部と ;前記放出装置と ; を有するカプセル投薬システムに関する。
本発明によれば、 特定のマーキングが患部の位置を示すようにすることで、 薬 剤を患部に対して直接的に作用させることができ、 患部に対して確実に投薬する ことができる。 また、 生体内に投入されたカプセルが直に患部を検出してから投 薬を行うのではなく、 事前に特定されたマーキングを検出して即座に投薬を行う ので、薬剤を放出するまでの間にカプセルが患部を通過することはない。さらに、
第 2のカプセル自身が、 検出装置によって検出されたマーキングが特定のマーキ ングであるか否かを判断して薬剤を放出するので、 判断のために別個の装置等を 必要としない。 従って、 マーキングの検出から薬剤の放出にかける時間が短くて 済み、 特定のマーキングが施された位置における薬剤の放出を高精度に行うこと ができる。