JP5269348B2 - 位置検出システム及び位置検出システムの作動方法 - Google Patents
位置検出システム及び位置検出システムの作動方法 Download PDFInfo
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Description
また、外部からの位置検出用の磁界を作用させ、被検者の体内に投入されたカプセル型医療装置内に配置される磁気誘導コイルにおいて発生した誘導磁界の絶対値強度を検出することにより、カプセル型医療装置の位置および方向を検出するカプセル型医療装置の位置検出システムも知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
本発明は、外部からの電力供給により、所定の周波数だけ離れた一組の第1の位置算出用周波数を有する第1の交番磁界を発生する第1のマーカと、前記一組の第1の位置算出用周波数に挟まれた略中心の周波数を共振周波数とする磁気誘導コイルを搭載した第2のマーカと、前記第2のマーカの作動範囲の外部に配置され、前記第1の位置算出用周波数において磁界を検出する磁界検出部と、前記磁界検出部で検出された磁界から、前記一組の第1の位置算出用周波数を有する一組の第1の検出磁界成分の強度の加算値を抽出する抽出部と、抽出された前記加算値に基づいて前記第1のマーカの位置および方向の少なくとも一方を算出する位置方向解析部とを備える位置検出システムを提供する。
ここで、一組の第1の位置算出用周波数は、共振周波数の近傍の周波数であるため、磁気誘導コイルは、第1の交番磁界を受けると誘導磁界を発生する。また、第1の交番磁界に係る誘導磁界は、前記のとおり、一組の第1の位置算出用周波数において、第1の交番磁界に対する強度の大小関係が互いに異なる特性を有している。
一方、第2の交番磁界のみ発生している場合、磁気誘導コイルは、第2の交番磁界を受けて誘導磁界(以下、第2の交番磁界に係る誘導磁界とする)を発生する。このとき、第1の位置算出用周波数において検出される磁界は、第2の交番磁界、および第2の交番磁界に係る誘導磁界の情報を含む。
したがって、抽出部の作動により、一組の第1の検出磁界成分の強度の和が演算されると、第1の交番磁界に係る誘導磁界の情報が相殺されるので、磁界検出部で検出された磁界から第1の交番磁界の強度の情報のみを抽出できる。
よって、抽出部の作動により、一組の第1の検出磁界成分の強度の差分を演算すると、第1および第2の交番磁界に係る誘導磁界の情報のみを抽出できる。
このようにすることで、複数の第1のマーカを識別することができる。
また、上記発明においては、前記第1のマーカが、内視鏡の先端部に設けられていることとしてもよい。
また、上記発明においては、前記第2のマーカが、カプセル医療装置に設けられていることとしてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る位置検出システム1について、図1〜図6を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る位置検出システム1は、体腔内に挿入される挿入部2aを有する内視鏡装置2と、体腔内に投入されるカプセル医療装置3とを含むシステムであって、内視鏡装置2の挿入部2aの先端位置に備えられるマーカコイル(第1のマーカ)4と、カプセル医療装置3に備えられる磁気誘導コイル(第2のマーカ)5と、マーカコイル4の位置を検出する位置検出装置6と、これらを制御する制御部7と、位置検出装置6による検出結果を表示する表示装置8とを備えている。
前記マーカコイル4は、マーカ駆動回路9により駆動されることにより、後述する入力装置から入力された共振周波数f0を挟み、該共振周波数f0に対して略等しい周波数だけ離れた一組の第1の位置算出用周波数f1,f2を有する第1の交番磁界を発生するようになっている。
センスコイル13aは、空芯コイルであり、内視鏡装置2の挿入部2a先端およびカプセル医療装置3の作動空間に面して、9個1組が正方配列されている。
ここで、第1の位置算出用周波数f1,f2における磁界情報とは、第1の位置算出用周波数f1,f2における磁界の絶対値である。
本実施形態に係る位置検出システム1により内視鏡装置2の先端およびカプセル医療装置3の位置および方向を検出するには、内視鏡装置2の先端のマーカコイル4およびカプセル医療装置3内の磁気誘導コイル5の位置および方向を検出する。
ここで、B1、B2は、センスコイル13aの特性に合わせて設定され、センスコイル13aで周波数f1,f2の磁界成分を検出した際に同レベルの信号強度になるように設定されている。(センスコイル13aが理想的コイルであるならば、B1×f1=B2×f2となるように設定する。また、センスコイル13aの周波数特性をあらかじめ測定しておき、その特性に合わせてB1、B2を設定してもよい。)
制御回路28は、トリガ発生器31にマーカ駆動回路9へのトリガ信号の発生を指示し、トリガ発生器31がトリガ信号を発生する(ステップS13)。
Vm2 1=Vf1−1−Vf2−1
Vm2 2=Vf1−2−Vf2−2
・・・
Vm2 N=Vf1−N−Vf2−N
この場合において、Vm2 1からVm2 Nの計算式の第1項は、第1の位置算出用周波数f1における磁界情報(第1の検出磁界成分)に相当する。ここで、Vm2 1の計算式の第1項、すなわち周波数f1の1番目のセンスコイル13aによる検出信号には、マーカコイル4から出力された第1の交番磁界の周波数f1の信号とともに、磁気誘導コイル5がマーカコイル4からの第1の交番磁界を受けて発生した誘導磁界(第1の交番磁界に係る誘導磁界)の周波数f1の信号が含まれている。
また、Vm2 1からVm2 Nの計算式の第2項は、第1の位置算出用周波数f2における磁界情報(第1の検出磁界成分)に相当する。ここで、Vm2 1の計算式の第2項、すなわち周波数f2の2番目のセンスコイル13aによる検出信号には、マーカコイル4から出力された第1の交番磁界の周波数f2の信号とともに、磁気誘導コイル5がマーカコイル4からの第1の交番磁界を受けて発生した誘導磁界(第1の交番磁界に係る誘導磁界)の周波数f2の信号が含まれている。
このようにして、共振周波数f0を挟み、該共振周波数f0から略等しい周波数だけ離れた一組の第1の位置算出用周波数f1,f2における磁界強度の絶対値の差分を演算することにより、第1の交番磁界の信号を相殺することができる。その結果、第1の交番磁界により発生した誘導磁界の信号を容易に抽出することができる。
算出された磁気誘導コイル5の位置および方向のデータは制御回路28に送られ、表示装置8に表示される(ステップS23)。そして、算出された位置および方向データは第2のメモリ23に蓄えられる(ステップS24)。
Vm1 1=Vf1−1+Vf2−1、
Vm1 2=Vf1−2+Vf2−2、
・・・
Vm1 N=Vf1−N+Vf2−N
ここで、Vm1 Nは、N番目のセンスコイル13aにより検出した磁界強度の絶対値に基づき算出された、マーカコイル4の位置計算を行うための信号を示す。
また、Vm1 1からVm1 Nの計算式の第2項は、第1の位置算出用周波数f2における磁界情報(第1の検出磁界成分)に相当する。ここで、Vm1 1の計算式の第2項、すなわち周波数f2の2番目のセンスコイル13aによる検出信号には、マーカコイル4から出力された第1の交番磁界の周波数f2の信号とともに、磁気誘導コイル5がマーカコイル4からの第1の交番磁界を受けて発生した誘導磁界(第1の交番磁界に係る誘導磁界)の周波数f2の信号が含まれている。
このようにして、共振周波数f0を挟み、該共振周波数f0から略等しい周波数だけ離れた一組の第1の位置算出用周波数f1,f2における磁界強度の絶対値を加算することにより、第1の交番磁界に係る誘導磁界の信号を相殺することができる。その結果、第1の交番磁界の信号を容易に抽出することができる。
算出されたマーカコイル4の位置および方向のデータは制御回路28に送られ、表示装置8に表示される(ステップS27)。そして、算出された位置および方向データは第2のメモリ23に蓄えられる(ステップS28)。
次に、本発明の第2の実施形態に係る位置検出システム40について、図7〜図14を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る位置検出システム1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
磁界制御回路73には、後述する位置検出システム40からカプセル医療装置3の現在向いている方向(カプセル医療装置3の長手軸Rの方向)データが入力されるとともに、施術者が入力装置74から入力したカプセル医療装置3の進行方向指示が入力されるようになっている。そして、磁界制御回路73からは、ヘルムホルツコイルドライバ72X,72Y,72Zを制御する信号が出力されるとともに、表示装置8にカプセル医療装置3の回転位相データが出力され、また、各ヘルムホルツコイルドライバ72X,72Y,72Zに供給する電流データが出力されるようになっている。
なお、入力装置74は、上述のようにジョイスティック方式のものを用いてもよいし、進行方向のボタンを押すことにより進行方向を指示する入力装置など、他の方式の入力装置を用いてもよい。
磁気誘導装置70で発生させた回転する外部磁界を受け、永久磁石150が回転させられると、本体111とともに螺旋部114が長手軸R回りに回転させられる結果、螺旋部114により本体111の長手軸R回りの回転運動が長手軸Rに沿う方向の直線運動に変換され、管腔内でカプセル医療装置3を長手軸R方向に誘導することができるようになっている。
また、LED123は、基板120Aより先端部112側に配置された支持部材128に、長手軸Rを中心として周方向に間隔をあけて複数配置されている。
画像表示装置102は、カプセル医療装置3から送られてくる画像データを受信する画像受信回路81と、受信された画像データを表示する表示装置8とを備えている。
永久磁石150の後端部113側には、スイッチ部126が備えられている。スイッチ部126は赤外線センサ127を有し、信号処理部124および電池130と電気的に接続されている。
また、芯部材141はフェライトの他、磁性材料が適しており、鉄、ニッケル、パーマロイ、コバルトなどを使用することもできる。また、磁気誘導コイル5が磁性体コアを有しない空芯コイルで構成されていてもよい。
本実施形態に係る位置検出システム40により、内視鏡装置2の先端のマーカコイル4およびカプセル医療装置3内の磁気誘導コイル5の位置および方向を検出するには、発生する第1,第2の交番磁界の波形データを生成して波形データメモリ10,43に記憶し、カプセル医療装置3が作動範囲内に存在しない状態で、キャリブレーションを行う。
波形データ生成部27においては、送られてきた一組の第1の位置算出用周波数f1,f2に基づいてマーカコイル4から発生させる磁界波形が、下式(1)を用いて算出される。
Bm1=B1×sin(2πf1t)+B2×sin(2πf2t) (1)
BG=B3×sin(2πf1t)+B4×sin(2πf2t) (2)
なお、マーカコイル4および磁界発生装置41から発生する第1,第2の交番磁界は、磁気誘導コイル5の共振周波数f0を挟み、該共振周波数f0から略等しい周波数だけ離れた一組の第1の位置算出用周波数f1,f2に一致し、かつ同一の位相を有している。
具体的には、まず、全てのセンスコイル13aで検出された周波数f1の信号成分の和Σ(V0 f1―N)と、全てのセンスコイル13aで検出された周波数f2の信号成分の和Σ(V0 f2―N)を求める。次いで、信号成分の和の比Σ(V0 f1―N)/Σ(V0 f2―N)を補正係数として求める。
V0 f2―1を、V0 f2―1×Σ(V0 f1―N)/Σ(V0 f2―N)に置き換える。
V0 f2―2を、V0 f2―2×Σ(V0 f1―N)/Σ(V0 f2―N)に置き換える。
・・・
V0 f2―Nを、V0 f2―N×Σ(V0 f1―N)/Σ(V0 f2―N)に置き換える。
また、補正係数Σ(V0 f1―N)/Σ(V0 f2―N)も第3のメモリ25に保存しておく(ステップS38)。
制御回路28は、トリガ発生器31にマーカ駆動回路9および磁界発生装置駆動回路42へのトリガ信号の発生を指示し、トリガ発生器31がトリガ信号を発生する(ステップS43)。
また、磁界発生装置駆動回路42は、波形データメモリ43内に記憶されている波形データに基づいて、磁界発生駆動信号をクロック信号に同期しながら順次生成し、磁界発生装置41に出力する。磁界発生装置41は入力された磁界発生駆動信号により第2の交番磁界を発生させる(ステップS45)。
そして、周波数解析処理を行うのに必要なデータ数が第1のメモリ19内に蓄積されたか否かが判断され、蓄積された場合には、FFT処理回路20は第1のメモリ19から信号データを読み出して周波数解析処理を行う(ステップS48)。その後、この周波数解析処理が全てのセンスコイル13aからのデータに対して行われたか否かが判断され(ステップS49)、全てのセンスコイル13aからのデータが処理されていない場合にはステップS43〜S48が繰り返される。
Vm2 1=(Vf1−1−V0 f1―1)−(Vf2−1× Σ(V0 f1―N)/Σ(V0 f2―N)−V0 f2―1)
Vm2 2=(Vf1−2−V0 f1―2)−(Vf2−2× Σ(V0 f1―N)/Σ(V0 f2―N)−V0 f2―2)
・・・
Vm2 N=(Vf1−N−V0 f1―N)−(Vf2−N× Σ(V0 f1―N)/Σ(V0 f2―N)−V0 f2―N)
よって、これらの差分(Vf1−1−V0 f1―1)を算出することにより、第2の交番磁界の周波数f1の信号が相殺される。したがって、Vm2 1からVm2 Nの計算式の第1項(第1の検出磁界成分)には、第1の交番磁界の周波数f1の信号とともに、第1の交番磁界に係る誘導磁界および第2の交番磁界に係る誘導磁界の周波数f1の信号が含まれることになる。
よって、これらの差分(Vf2−1× Σ(V0 f1―N)/Σ(V0 f2―N)−V0 f2―1)を算出することにより、第2の交番磁界の周波数f2の信号が相殺される。したがって、Vm2 1からVm2 Nの計算式の第2項(第1の検出磁界成分)には、第1の交番磁界の周波数f2の信号とともに、第1の交番磁界に係る誘導磁界および第2の交番磁界に係る誘導磁界の周波数f2の信号が含まれることになる。
算出された磁気誘導コイル5の位置および方向は、制御回路28に送られて、表示装置8により表示されるとともに(ステップS54)、第2のメモリ23に記憶される(ステップS55)。
Vm1 1=(Vf1−1−V0 f1―1)+(Vf2−1× Σ(V0 f1―N)/Σ(V0 f2―N)−V0 f2―1)
Vm1 2=(Vf1−2−V0 f1―2)+(Vf2−2× Σ(V0 f1―N)/Σ(V0 f2―N)−V0 f2―2)
・・・
Vm1 N=(Vf1−N−V0 f1―N)+(Vf2−N× Σ(V0 f1―N)/Σ(V0 f2―N)−V0 f2―N)
算出されたマーカコイル4の位置および方向のデータは制御回路28に送られ、表示装置8に表示される(ステップS58)。そして、算出された位置および方向データは第2のメモリ23に蓄えられる(ステップS59)。
次に、本発明の第3の実施形態に係る位置検出システム50について、図15〜図19を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る位置検出システム40と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
波形データ生成部27においては、送られてきた一組の第1の位置算出用周波数f1,f2に基づいてマーカコイル4から発生させる磁界波形が、下式(1)を用いて算出される。
ここで、B1,B2は、センスコイル13aの特性に合わせて設定され、センスコイル13aで周波数f1,f2の磁界成分を検出した際に同レベルの信号強度になるように設定されている。(センスコイル13aが理想的コイルであるならば、B1×f1=B2×f2となるように設定する。また、センスコイル13aの周波数特性をあらかじめ測定しておき、その特性に合わせてB1,B2を設定してもよい。)
BG=B3×sin(2πf3t)+B4×sin(2πf4t) (2′)
具体的には、まず、全てのセンスコイル13aで検出された周波数f3の信号成分の和Σ(V0 f3―N)と、全てのセンスコイル13aで検出された周波数f4の信号成分の和Σ(V0 f4―N)を求める。次いで、信号成分の和の比Σ(V0 f3―N)/Σ(V0 f4―N)を補正係数として求める。
V0 f4―1を、V0 f4―1×Σ(V0 f3―N)/Σ(V0 f4―N)に置き換える。
V0 f4―2を、V0 f4―2×Σ(V0 f3―N)/Σ(V0 f4―N)に置き換える。
・・・
V0 f4―Nを、V0 f4―N×Σ(V0 f3―N)/Σ(V0 f4―N)に置き換える。
また、補正係数Σ(V0 f3―N)/Σ(V0 f4―N)も第3のメモリ25に保存しておく(ステップS78)。
制御回路28は、トリガ発生器31にマーカ駆動回路9および磁界発生装置駆動回路42へのトリガ信号の発生を指示し、トリガ発生器31がトリガ信号を発生する(ステップS83)。
また、磁界発生装置駆動回路42は、波形データメモリ43内に記憶されている波形データに基づいて、磁界発生駆動信号をクロック信号に同期しながら順次生成し、磁界発生装置41に出力する。磁界発生装置41は入力された磁界発生駆動信号により第2の交番磁界を発生させる(ステップS85)。
そして、周波数解析処理を行うのに必要なデータ数が第1のメモリ19内に蓄積されたか否かが判断され、蓄積された場合には、FFT処理回路20は第1のメモリ19から信号データを読み出して周波数解析処理を行う(ステップS88)。その後、この周波数解析処理が全てのセンスコイル13aからのデータに対して行われたか否かが判断され(ステップS89)、全てのセンスコイル13aからのデータが処理されていない場合にはステップS83〜S88が繰り返される。
Vm2 1=(Vf3−1−V0 f3―1)−(Vf4−1×Σ(V0 f3―N)/Σ(V0 f4―N)−V0 f4―1)
Vm2 2=(Vf3−2−V0 f3―2)−(Vf4−2×Σ(V0 f3―N)/Σ(V0 f4―N)−V0 f4―2)
・・・
Vm2 N=(Vf3−N−V0 f3―N)−(Vf4−N×Σ(V0 f3―N)/Σ(V0 f4―N)−V0 f4―N)
このようにして、共振周波数f0を挟み、該共振周波数f0から略等しい周波数だけ離れた一組の第2の位置算出用周波数f3,f4における磁界強度の絶対値の差分を算出することにより、第2の交番磁界の信号を相殺することができる。その結果、第2の交番磁界により発生した誘導磁界(第2の交番磁界に係る誘導磁界)の信号を容易に抽出することができる。
算出された磁気誘導コイル5の位置および方向は、制御回路28に送られて、表示装置8により表示されるとともに(ステップS94)、第2のメモリ23に記憶される(ステップS95)。
Vm1 1=Vf1−1+Vf2−1
Vm1 2=Vf1−2+Vf2―2
・・・
Vm1 N=Vf1−N+Vf2―N
また、Vm1 1からVm1 Nの計算式の第2項は、第1の位置算出用周波数f2における磁界情報(第1の検出磁界成分)に相当する。ここで、Vm1 1の計算式の第2項、すなわち周波数f2のセンスコイル13aによる検出信号には、マーカコイル4から出力された第1の交番磁界の周波数f2の信号とともに、磁気誘導コイル5が第1の交番磁界を受けて発生した誘導磁界(第1の交番磁界に係る誘導磁界)の周波数f2の信号が含まれている。
このようにして、共振周波数f0を挟み、該共振周波数f0から略等しい周波数だけ離れた一組の第1の位置算出用周波数f1における磁界強度の絶対値と、第1の位置算出用周波数f2における磁界強度の絶対値との加算値を算出することにより、第1の交番磁界に係る誘導磁界の信号を相殺することができる。その結果、第1の交番磁界の信号を容易に抽出することができる。
算出されたマーカコイル4の位置および方向のデータは制御回路28に送られ、表示装置8に表示される(ステップS98)。そして、算出された位置および方向データは第2のメモリ23に蓄えられる(ステップS99)。
第1のマーカコイル4:
Bm11=B11×sin(2πf11t)+B21×sin(2πf21t)
第2のマーカコイル4
Bm12=B12×sin(2πf12t)+B22×sin(2πf22t)
・・・
第nのマーカコイル4
Bm1n=B1n×sin(2πf1nt)+B22×sin(2πf2nt)
Vm11 1=Vf11−1+Vf21−1,Vm11 2=Vf11−2+Vf21−2,…,Vm11 N=Vf11−N+Vf21−N
Vm12 1=Vf12−1+Vf22−1,Vm12 2=Vf12−2+Vf22−2,…,Vm12 N=Vf12−N+Vf22−N
・・・
Vm1n 1=Vf1n−1+Vf2n−1,Vm1n 2=Vf1n−2+Vf2n−2,…,Vm1n N=Vf1n−N+Vf2n−N
また、単一の内視鏡装置2内に複数のマーカコイル4を備える場合に代えて、複数の内視鏡装置2内にそれぞれ異なる複数組の第1の位置算出用周波数を有するマーカコイル4が備えられる場合においても同様の処理を行うことで対応することができる。
次に、本発明の第4の実施形態に係る位置検出システム60について、図20〜図26を参照して以下に説明する。
本実施形態の説明において、上述した第2の実施形態に係る位置検出システム40と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
前記磁界発生装置41は、第2のカプセル医療装置3′内の磁気誘導コイル5の共振周波数f0を有する第2の交番磁界を発生するようになっている。
生成された磁界波形データは、第1のカプセル医療装置61内のマーカ駆動回路64および磁界発生装置駆動回路42の波形データメモリ10,43にそれぞれ転送される。
波形データ生成部27においては、送られてきた第1の位置算出用周波数f1,f2に基づいて、マーカコイル4から発生する磁界波形が計算される。発生させる磁界は、下式(1)により算出される(ステップS114)。
Bm1=B1×sin(2πf1t)+B2×sin(2πf2t) (1)
ここで、B1,B2は、センスコイル13aの特性に合わせて設定され、センスコイル13aで周波数f1,f2の磁界成分を検出した際に同レベルの信号強度になるように設定されている。(センスコイル13aが理想的コイルであるならば、B1×f1=B2×f2となるように設定する。また、センスコイル13aの周波数特性をあらかじめ測定しておき、その特性に合わせてB1,B2を設定してもよい。)
BG=B3×sin(2πf0t) (2″)
第1のカプセル医療装置61が体腔内に投入され、第2のカプセル医療装置3′が体腔内に投入されていない状態で、入力装置26から読み出しタイミングの設定の指示が入力されることにより開始される(ステップS121)。
トリガ信号を受けた磁界発生装置駆動回路42は、波形データメモリ43内に記憶されている磁界波形BGのデータに基づいて、磁界発生駆動信号をクロック29のクロック信号に同期して順次生成し、磁界発生装置41に出力する。磁界発生装置41は入力された磁界発生駆動信号により第2の交番磁界を発生する(ステップS123)。
以上により、読み出しタイミングの設定が完了する。これにより、周波数解析処理結果の虚数部には、磁界発生装置41からの磁界情報がない状態を実現できる。
制御回路28は、トリガ発生器31にマーカ駆動回路64、磁界発生装置駆動回路42および読出しタイミング生成器67へのトリガ信号の発生を指示し、トリガ発生器31がトリガ信号を発生する(ステップS133)。
また、周波数選択部24は、磁界発生装置41から発生させた第2の交番磁界の第2の位置算出用周波数f0における磁界情報のみを抽出し、第3のメモリ25に保存する(ステップS141)。この処理は全てのセンスコイル13aからの磁界信号に対して行われる(ステップS142)。
周波数解析結果の虚数部は、第2の交番磁界に対してπ/2だけずれた位相を有しているので、これを抽出することにより、第2の交番磁界により発生した誘導磁界の信号を抽出することができる。
算出された磁気誘導コイル5の位置および方向は、制御回路28に送られて、表示装置8により表示されるとともに(ステップS144)、第2のメモリ23に記憶される(ステップS145)。
Vm1 1=Vf1−1+Vf2−1
Vm1 2=Vf1−2+Vf2−2
・・・
Vm1 N=Vf1−N+Vf2−N
このようにして、共振周波数f0を挟み、該共振周波数f0から略等しい周波数だけ離れた一組の第1の位置算出用周波数f1,f2における磁界強度の絶対値を加算することにより、第1の交番磁界に係る誘導磁界の信号を相殺することができる。その結果、第1の交番磁界の信号を容易に抽出することができる。
算出されたマーカコイル4の位置および方向のデータは制御回路28に送られ、表示装置8に表示される(ステップS148)。そして、算出された位置および方向データは第2のメモリ23に蓄えられる(ステップS149)。
f1,f2 第1の位置算出用周波数
f3,f4 第2の位置算出用周波数
1,40,50,60 位置検出システム
2 内視鏡装置(内視鏡)
2a 挿入部
3 カプセル医療装置(第2のマーカ)
3′ 第2のカプセル医療装置(カプセル医療装置、第2のマーカ)
4,62 マーカコイル(第1のマーカ)
5 磁気誘導コイル
6 磁界検出部
24 周波数選択部(抽出部)
22 位置方向解析部
30 抽出計算部(抽出部)
41 磁界発生装置(磁界発生部)
61 第1のカプセル医療装置(カプセル医療装置)
71 3軸ヘルムホルツコイルユニット(推進用磁界発生部)
72 ヘルムホルツコイルドライバ(推進用磁界制御部)
100 医療装置誘導システム
150 永久磁石(磁界作用部)
Claims (16)
- 外部からの電力供給により、所定の周波数だけ離れた一組の第1の位置算出用周波数を有する第1の交番磁界を発生する第1のマーカと、
前記一組の第1の位置算出用周波数に挟まれた略中心の周波数を共振周波数とする磁気誘導コイルを搭載した第2のマーカと、
前記第2のマーカの作動範囲の外部に配置され、前記第1の位置算出用周波数において磁界を検出する磁界検出部と、
前記磁界検出部で検出された磁界から、前記一組の第1の位置算出用周波数を有する一組の第1の検出磁界成分の強度の加算値を抽出する抽出部と、
抽出された前記加算値に基づいて前記第1のマーカの位置および方向の少なくとも一方を算出する位置方向解析部とを備える位置検出システム。 - 前記一組の第1の位置算出用周波数が、さらに前記共振周波数の近傍の周波数であり、
前記抽出部が、さらに前記磁界検出部で検出された磁界から、前記一組の第1の検出磁界成分の強度の差分を抽出し、
前記位置方向解析部が、さらに前記差分の強度に基づいて前記第2のマーカの位置および方向の少なくとも一方を算出する請求項1に記載の位置検出システム。 - 前記第2のマーカの作動範囲の外部に配置され、前記一組の第1の位置算出用周波数を有する第2の交番磁界を発生する磁界発生部を備え、
前記一組の第1の検出磁界成分が、前記第1の交番磁界の発生時に検出された前記第1の位置算出用周波数を有する磁界と前記第1の交番磁界の発生前に検出された前記第1の位置算出用周波数を有する磁界との差分である請求項2に記載の位置検出システム。 - 前記第2のマーカの作動範囲の外部に配置され、前記共振周波数の近傍であって前記第1の位置算出用周波数と異なるとともに、前記共振周波数を挟み前記共振周波数に対して所定の周波数だけ離れた一組の第2の位置算出用周波数を有する第2の交番磁界を発生する磁界発生部を備え、
前記磁界検出部が、さらに前記第2の位置算出用周波数において磁界を検出し、
前記抽出部が、さらに前記磁界検出部で検出された磁界から、前記一組の第2の位置算出用周波数を有する一組の第2の検出磁界成分の強度の差分を抽出し、
前記位置方向解析部が、さらに前記差分の強度に基づいて前記第2のマーカの位置および方向の少なくとも一方を算出する請求項1に記載の位置検出システム。 - 前記第2のマーカの作動範囲の外部に配置され、前記共振周波数を有する第2の交番磁界を発生する磁界発生部を備え、
前記磁界検出部が、さらに前記共振周波数において磁界を検出し、
前記抽出部が、さらに前記磁界検出部で検出された磁界から、前記共振周波数を有するとともに前記第2の交番磁界の位相に対してπ/2ずれた位相を有する第2の検出磁界成分を抽出し、
前記位置方向解析部が、さらに前記第2の検出磁界成分の強度に基づいて前記第2のマーカの位置および方向の少なくとも一方を算出する請求項1に記載の位置検出システム。 - 前記第1のマーカが、複数設けられ、
複数の前記第1の位置算出用周波数が、互いに異なる周波数である請求項1から請求項6のいずれかに記載の位置検出システム。 - 前記第1のマーカが、内視鏡の先端部に設けられている請求項1から請求項6のいずれかに記載の位置検出システム。
- 前記複数の第1のマーカが、内視鏡の挿入部の長手方向に沿って設けられている請求項7に記載の位置検出システム。
- 前記第2のマーカが、カプセル医療装置に設けられている請求項1から請求項9のいずれかに記載の位置検出システム。
- 前記第2のマーカが、さらに磁界作用部を備え、
該磁界作用部に作用させる推進用磁界を発生させる推進用磁界発生部と、
前記位置方向解析部により算出された前記第2のマーカの位置および方向の少なくとも一方に基づいて、前記推進用磁界の強度および方向を制御する推進用磁界制御部とを備える請求項2から請求項10のいずれかに記載の位置検出システム。 - 外部からの電力供給により、第1のマーカが、所定の周波数だけ離れた一組の第1の位置算出用周波数を有する第1の交番磁界を発生する磁界発生ステップと、
磁気誘導コイルを搭載した第2のマーカが、前記第1の交番磁界を受けて誘導磁界を発生する誘導磁界発生ステップと、
磁界検出部が、前記第1の位置算出用周波数において磁界を検出する磁界検出ステップと、
抽出部が、検出された磁界から、前記一組の第1の位置算出用周波数を有する一組の第1の検出磁界成分の強度の加算値を抽出する抽出ステップと、
位置方向解析部が、抽出された前記加算値に基づいて前記第1のマーカの位置および方向の少なくとも一方を算出する位置方向解析ステップと、を有する位置検出システムの作動方法。 - 前記抽出ステップが、検出された磁界から、前記一組の第1の検出磁界成分の強度の差分を抽出するステップを含み、
前記位置方向解析ステップが、さらに抽出された前記差分の強度に基づいて前記第2のマーカの位置および方向の少なくとも一方を算出するステップを含む請求項12に記載の位置検出システムの作動方法。 - 前記磁界発生ステップが、前記一組の第1の位置算出用周波数を有する第2の交番磁界を発生するステップを含み、
前記誘導磁界発生ステップが、前記第2のマーカが前記第2の交番磁界を受けて誘導磁界を発生するステップを含み、
前記一組の検出磁界成分が、前記第1の交番磁界の発生時に検出された前記第1の位置算出用周波数を有する磁界と前記第1の交番磁界の発生前に検出された前記第1の位置算出用周波数を有する磁界との差分である請求項13に記載の位置検出システムの作動方法。 - 前記磁界発生ステップが、前記一組の第1の位置算出用周波数の近傍の一組の第2の位置算出用周波数を有する第2の交番磁界を発生するステップを含み、
前記磁界検出ステップが、さらに前記第2の位置算出用周波数において磁界を検出するステップを含み、
前記抽出ステップが、検出された磁界から、前記一組の第2の位置算出用周波数を有する一組の第2の検出磁界成分の強度の差分を抽出するステップを含み、
前記位置方向解析ステップが、さらに抽出された前記差分の強度に基づいて前記第2のマーカの位置および方向の少なくとも一方を算出するステップを含む請求項12に記載の位置検出システムの作動方法。 - 前記磁界発生ステップが、共振周波数を有する第2の交番磁界を発生するステップを含み、
前記磁界検出ステップが、さらに前記共振周波数において磁界を検出するステップを含み、
前記抽出ステップが、検出された磁界から、前記共振周波数を有するとともに前記第2の交番磁界の位相に対してπ/2ずれた位相を有する第2の検出磁界成分を抽出するステップを含み、
前記位置方向解析ステップが、さらに抽出された前記第2の検出磁界成分の強度に基づいて前記第2のマーカの位置および方向の少なくとも一方を算出する請求項12に記載の位置検出システムの作動方法。
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