明 細 書
抗真菌組成物
技術分野
[0001] 本発明は、ァリルアミン系、ベンジルァミン系およびモルホリン系抗真菌剤から選ば れる少なくとも 1つと、塩酸クロルへキシジン、イソプロピルメチルフエノールおよび第 4 級アンモニゥム塩から選ばれる少なくとも 1つとを有効成分として含む抗真菌組成物 に関し、特に白癬菌が皮膚に寄生して発病する表在性真菌症 (足白癬、体部白癬、 股部白癬など)に対し優れた治療効果を奏する組成物に関する。
背景技術
[0002] 表在性真菌症においては真菌は主として皮膚角質層に侵入して増殖するので、抗 真菌剤が表在性真菌症に対して優れた薬効を発揮するための条件としては、薬物自 体が強い抗真菌活性を有すること、感染部位への高い親和性を有することが必要で ある。近年、このような条件を満たすベぐ優れた抗真菌活性と角質親和性を合わせ 持つァリルアミン系、ペンジノレアミン系、モルホリン系抗真菌剤が実用化されている。 これら抗真菌剤としては、ァモロルフイン、テルビナフイン、ブテナフィンおよびそれら の塩などが知られており、これらはいずれも単独使用で優れた作用を示すものである 力 副作用の軽減、患者の Q〇L (クオリティ'ォブ 'ライフ)の改善、主薬原末コストの 低減などを目的として、より強力な活性を示す抗真菌組成物の開発が望まれている。
[0003] 従来、ァリルアミン系、ベンジルァミン系またはモルホリン系抗真菌剤を有効成分と して含む抗真菌組成物として、基剤に塩酸ブテナフィン、ビフォナゾール、塩酸ネチ コナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、塩酸テルビナフイン、塩酸ァモロルフィ ンおよびリラナフタートから選ばれる角質親和性の高い抗真菌剤に、サリチル酸メチ ル、サリチル酸グリコール、クロタミトン、ハツ力油および 1一メントールから選ばれる少 なくとも 1つを配合した角質貯留型抗真菌組成物 (特許文献 1参照)、および、ブテナ フィン、ァモロルフイン、テルビナフイン等の抗真菌剤に、抗ヒスタミン剤、テルペン類 化合物および尿素を配合した抗真菌組成物(特許文献 2参照)が知られている。
[0004] しかし、特許文献 1および 2の抗真菌組成物はいずれも抗真菌剤の皮膚浸透性を
向上させようというものであり、薬物自体の殺菌性を高めることを企図したものではな レ、。
[0005] また、ピロール二トリンと、ラノコナゾール、ブテナフィンまたはその塩およびァリルァ ミン系抗真菌剤から選ばれる少なくとも 1つとを含む抗真菌組成物が提案されている
(特許文献 3参照)。これは各単品に比べて強力な抗真菌効果を有し、白癬、渦状癬 、黄癬、深在性白癬などの皮膚糸状菌症、皮膚粘膜カンジダ症、深在性カンジダ症 などの真菌感染症の治療に有用であり、さらに副作用の軽減や患者のコンプライア ンスの改善などの点力 も有用であると述べられている。
[0006] しかし、この抗真菌組成物は上述した特定抗真菌剤どうしを組みあわせた場合に 殺菌活性が相乗的に向上するというものであり、汎用性が低ぐコスト低減効果も低 いという難点がある。
特許文献 1 :特許第 3081766号公報、特にその特許請求の範囲の欄
特許文献 2:特開 2002-284702号公報、特にその特許請求の範囲の欄 特許文献 3 :国際公開第 WO 00/62776号パンフレット、特にその特許請求の範 囲の欄、および、産業上の利用可能性の欄
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0007] 本発明は、上記の点に鑑み、薬物の抗真菌効力を高め、治療効果の高い製品を 提供することを課題とするものである。
課題を解決するための手段
[0008] 本発明者は、角質貯留性、角質親和性、殺菌力に優れた抗真菌剤であるァリルァ ミン系、ベンジルァミン系およびモルホリン系の抗真菌剤のうちの少なくとも 1つに、塩 酸クロルへキシジン、イソプロピルメチルフエノールおよび第 4級アンモニゥム塩のうち の少なくとも 1つを配合すると、上記薬物の抗真菌活性を格段に向上させることがで きることを見出し、その知見に基づいて本発明を完成した。
[0009] すなわち、本発明による抗真菌組成物は、ァリルアミン系抗真菌剤、ベンジルァミン 系抗真菌剤およびモルホリン系抗真菌剤からなる群より選ばれる少なくとも 1つ(以下 、「抗真菌成分」という)と、塩酸クロルへキシジン、イソプロピルメチルフエノールおよ
び第 4級アンモニゥム塩からなる群より選ばれる少なくとも 1つ(以下、「併用成分」とい う)とを含むものである。
[0010] 本発明で用いられるァリルアミン系抗真菌剤の代表例はテルビナフインまたはその 塩であり、ペンジノレアミン系抗真菌剤の代表例はブテナフィンまたはその塩であり、 モルホリン系抗真菌剤の代表例はァモロルフインまたはその塩である。塩は塩酸塩の ような、薬理上許容できる無機塩であることが好ましい。
[0011] 本発明による抗真菌組成物中の抗真菌成分の含有割合は、組成物全量中 0. 000 01— 5重量%、好ましくは 0. 0001— 2. 5重量%である。抗真菌成分の含有割合が 少な過ぎると、十分な抗真菌効果が発揮されず、多すぎると組成物の安全性が懸念 される。
[0012] 本発明において第 4級アンモニゥム塩とは、カチオン界面活性剤のうち第 4級アン モニゥム塩に属するものを言レ、、その好ましい例は塩化デカリニゥム、塩化ベンザノレ コニゥムおよび塩化べンゼトニゥムである。
[0013] 本発明による抗真菌組成物中の各併用成分の含有割合は、抗真菌剤 1重量部に 対し、塩酸クロノレへキシジンの場合、 0. 00001— 3000重量部、好ましくは 0. 0040 96— 2042. 484重量咅、さらに好ましくは 0. 03268— 255. 9378重量咅であり、 第 4級アンモニゥム塩、例えば塩化ベンザルコニゥムの場合、 0. 00001— 3000重 量部、好ましくは 0. 000164— 1633. 087重量部、さらに好ましくは 0. 00137— 20 4. 7502重量咅であり、イソプロピノレメチノレフエノーノレの場合、 0. 00001一 100000 重量部、好ましくは 0. 011466— 98039. 22重量部、さらに好ましくは 0. 091503 一 12285. 01重量部である。併用成分が少な過ぎると、併用による好適な効力が減 じ、多すぎるとコスト的に不利となる。ただし、併用成分の上記含有割合は、例示的な ものであって、本発明を限定するものではない。
[0014] 本発明による抗真菌組成物には、上記有効成分および併用成分のほかに、保存 剤、有機 ·無機粉末、防腐剤、滑沢剤、キレート剤、香料、溶剤、溶解補助剤、 PH調 整剤、酸化防止剤、保湿剤、保型剤など (以下、「添加成分」という)や、抗炎症剤、 鎮痒剤、清涼化剤、殺菌剤、収斂剤、血行促進剤、皮膚保護剤、組織修復剤など( 以下、「他の有効成分」という)を必要に応じて配合してもよい。
[0015] 抗炎症剤としては、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、アラントイン、マ レイン酸クロルフエ二ラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、 1_メントール、 dl_メントール、 dl_ カンフルが例示される。
[0016] 鎮痒剤としては、リドカイン、塩酸リドカイン、ジブ力イン、塩酸ジブ力イン、塩酸プロ 力イン、ァミノ安息香酸ェチル、ォキシポリェントキシドデカン、塩酸ジフエ二ルビラリ ン、塩酸ジフェンヒドラミン、ジフェンヒドラミン、クロタミトンが例示される。
[0017] 有機'無機粉末としては、タルク、酸化亜鉛、酸化チタン、ステアリン酸マグネシウム 、ステアリン酸亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、カラミン、メタケイ酸アルミ ン酸マグネシウム、無水ケィ酸、ケィ酸マグネシウム、カオリン、ァエロジル、マイ力、ト
[0018] 本発明による抗真菌組成物は、皮膚疾患の治療に用いられる通常の剤形で用いら れる。剤形の例としては、液剤、軟膏剤 (油脂性軟膏、乳剤性軟膏、水溶性軟膏)、リ 二メント剤、ローション剤、散剤、乳化'懸濁剤、チンキ剤、膣坐剤、エアゾール剤など が挙げられ、好ましくは外用剤である。
[0019] 本発明による抗真菌組成物は、適当な基剤を用いて慣用の方法により上記の剤形 に製剤化することができる。
[0020] 基剤の例としては、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ォクチル、ステアリン酸ブ チル、ォレイン酸ェチル、ォレイン酸ォレイル、アジピン酸ジイソプロピル、グリセリン 脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル 40, 45, 55、セバチン酸ジェチル、ソル ビタン脂肪酸エステル、パルミチン酸イソプロピル、モノォレイン酸グリセリン、モノォ レイン酸ソルビタン等の脂肪酸エステル、プロピレングリコール、 1 , 3—ブチレングリコ ール、マクロゴール等の界面活性剤、カルボキシビュルポリマー、ェチルセルロース
、メチノレセノレロース、ヒドロキシプロピノレセノレロース、カノレボキシメチノレセノレロースなど の高分子、メタノーノレ、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール、ベ ンジルアルコール、グリセリン、エチレングリコール等のアルコール系溶斉 lj、精製水な ど、液化可能な炭化水素、例えばプロパン、ブタン穎、ペンタン、イソペンタン、ネオ ペンタンなどやその混合物などの噴射剤やフエノール類などが例示され、 目的とする 剤形に応じて適宜選択される。
[0021] 製剤の代表的なものは下記のように調製される。
[0022] 液斉は、メタノーノレ、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、 グリセリン、エチレングリコーノレ、プロピレングリコーノレ、 1, 3—ブチレングリコーノレ等の アルコール系溶剤、精製水などの基剤に、抗真菌成分、併用成分、必要に応じて加 えられる添加成分、および他の有効成分を均一に混合してなる。
[0023] 軟膏剤は、ワセリン、白ロウ、パラフィン、植物油、プラスチベース、ポリエチレンダリ コール、マクロゴールなどの基剤に、抗真菌成分、併用成分、必要に応じて加えられ る添加成分、および他の有効成分を均一に混合してなる。
[0024] ゲル剤は、カルボキシビ二ルポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプ 口ピルメチルセルロース、ポリビュルアルコール、ポリビュルピロリドン、精製水、低級 アルコール、多価アルコール、ポリエチレングリコールなどの基剤に、抗真菌成分、 併用成分、必要に応じて加えられる添加成分、および他の有効成分を均一に混合し てなるゲル状物である。
[0025] エアゾール剤は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノー ル、ベンジルアルコール、グリセリン、エチレングリコール等のアルコール系溶斉 lj、精 製水などの基剤に抗真菌成分、併用成分、必要に応じて加えられる添加成分、およ び他の有効成分を均一に混合し、得られた混合物をバルブ、ァクチユエ一ターなど を備えた容器に液化可能な炭化水素、例えばプロパン、ブタン穎、ペンタン、イソべ ンタン、ネオペンタンなどやその混合物などの噴射剤とともに充填してなる。
[0026] 本発明による抗真菌組成物中の抗真菌成分の投与量は、剤形、有効成分と併用 成分の含有量比率、真菌の種類や症状の程度などに応じて選択されるが、 0. 01— 10mg/日、好ましくは 0. 05— 5mg/日の範囲である。投与回数は 1日に 1回でよ レ、。
発明の効果
[0027] 本発明によれば、薬物の抗真菌効力を高め、治療効果の高い製品を提供すること ができる。
発明を実施するための最良の形態
[0028] つぎに、実施例を挙げて本発明の組成物を具体的に説明する。
[0029] 製剤例 1 (油脂性軟膏剤)
塩酸ブテナフィン
イソプロピルメチルフエノール 3g
リドカイン 2. 5g
グリチルレチン酸
日局—マクロゴール軟膏
100g
[0030] 製剤例 2 (親水性軟膏剤)
塩酸ァモロルフイン 0. 5575g
塩酸クロル 0. Olg
2. 5g
グリチルレチン酸
カルボキシビュルポリマー 5g
エタノーノレ 40g
精製水
100g
[0031] 製剤例 3 (エアゾール剤)
塩酸テルビナフイン
塩化ベンザルコニゥム 0. 05g
リドカイン 2. 5g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノーノレ
全量 lOOg
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する [0032] 製剤例 4 (エアゾール剤)
塩酸テルビナフイン
塩化ベンザルコニゥム 0. Olg
塩酸ジフェンヒドラミン 2g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノーノレ
100g
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する c [0033] 製剤例 5 (エアゾール剤)
塩 fer,
イソプロピルメチルフエノール 3g
塩酸ジフェンヒドラミン 2g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノール
全量 100g
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する [0034] 製剤例 6 (エアゾール剤)
塩酸テルビナフイン lg
イソプロピルメチルフエノール 0. Olg
塩酸ジフェンヒドラミン 2g
グリチルレチン酸 lg
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノーノレ
全量 100g
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する [0035] 製剤例 7 (エアゾール剤)
塩酸テルビナフイン
イソプロピルメチルフエノール 3g
2. 5g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノーノレ
100g
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する c [0036] 製剤例 8 (エアゾール剤)
塩 6 ,
塩酸クロル
塩酸ジフェンヒドラミン 2g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノーノレ
全量 lOOg
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する [0037] 製剤例 9 (エアゾール剤)
塩酸テルビナフイン lg
塩酸クロル 0. Olg
塩酸ジフェンヒドラミン 2g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノーノレ
100g
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する c [0038] 製剤例 10 (エアゾール剤)
塩 BSC
塩酸クロル 0. Olg
2. 5g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノーノレ
全量 100g
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する c [0039] 製剤例 11 (エアゾール剤)
塩酸ブテナ:
塩酸クロル
リドカイン 2. 5g
グリチルレチン酸 lg
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノーノレ
全量 100g
[0040] 製剤例 12 (エアゾール剤)
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する。
塩酸ブテナフィン lg
塩酸クロル 0. Olg
塩酸ジフェンヒドラミン 2g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノール ― _
100g
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する。
[0041] 製剤例 13 (エアゾール剤)
塩酸ブテナフィン
イソプロピルメチルフエノール 3g
リドカイン 2. 5g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノール
全量 100g
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する。
[0042] 製剤例 14 (エアゾール剤)
塩酸ブテナフィン lg
イソプロピルメチルフエノール 0. Olg
塩酸ジフェンヒドラミン 2g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノーノレ
全量 lOOg
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する c [0043] 製剤例 15 (エアゾール剤)
塩 fe
塩化ベンザルコニゥム 0. 05g
2. 5g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノーノレ
全量 lOOg
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する [0044] 製剤例 16 (エアゾール剤)
塩酸ブテナ:
塩化ベンザルコニゥム 0. Olg
塩酸ジフェンヒドラミン 2g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノーノレ
全量 100g
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する。
[0045] 製剤例 17 (エアゾール剤)
塩酸ァモロルフイン 0. 5575g
塩酸クロル lg
2g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノール
100g
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する。
[0046] 製剤例 18 (エアゾール剤)
塩酸. 0. 5575g
塩酸クロ 0. Olg
塩酸ジフェンヒドラミン 2g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノーノレ
全量 lOOg
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する。
[0047] 製剤例 19 (エアゾール剤)
塩酸ァモロノレフィン 0. 5575g
,ヱノ1 ~ノレ 3g
2g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノーノレ
全量 100g
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する [0048] 製剤例 20 (エアゾール剤)
塩酸ァモロノレフィン 0. 5575g
イソプロピルメチルフエノール 0. Olg
塩酸ジフェンヒドラミン 2g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノーノレ
100g
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する [0049] 製剤例 21 (エアゾール剤)
塩酸ァモロルフイン 0. 5575g
塩化ベンザルコニゥム 0. Olg
塩酸ジフェンヒドラミン 2g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノーノレ
100g
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する c [0050] 製剤例 22 (エアゾール剤)
塩酸ァモロルフイン 0. 5575g
塩化ベンザルコニゥム 0. 05g
リドカイン 2. 5g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノーノレ
100g
原液と噴射剤(LPG)を適宜組み合わせ容器に充填し、エアゾール剤に製する c [0051] 製剤例 23 (液剤)
塩 6 ,
塩酸クロル
塩酸ジフェンヒドラミン 2g
グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g
タルク 20g
ミリスチン酸イソプロピル 20g
エタノーノレ
100g
[0052] 製剤例 24 (液剤)
塩酸テルビナフイン
塩化ベンザルコニゥム 0. 05g
リドカイン 2. 5g
グリチルレチン酸 lg
酸化亜鉛 10g
タルク 20g ミリスチン酸イソプロピル 20g エタノーノレ
100g
[0053] 製剤例 25 (液剤)
塩酸ブテナ:
塩酸クロル
塩酸ジフェンヒドラミン 2g グリチルレチン酸
酸化亜鉛 10g タルク 20g ミリスチン酸イソプロピル 20g エタノーノレ
100g
[0054] 製剤例 26 (液剤)
塩酸ァモロルフイン 0. 5575g 塩酸クロルへキシジン
塩酸ジフェンヒドラミン 2g グリチルレチン酸 lg 酸化亜鉛 10g タルク 20g ミリスチン酸イソプロピル 20g エタノーノレ
全量 lOOg [0055] 製剤例 27 (リニメント剤)
塩酸ブテナフィン lg イソプロピルメチルフエノール 3g 塩酸ジフェンヒドラミン 2g
グリチルレチン酸
日局 フエノール ·亜鉛華リニメント
全量 100g
上記成分を混和してリニメント剤を製する。
[0056] 製剤例 28 (散剤)
塩酸ァモロルフイン 0. 5g
塩酸クロルへキシジン lg
塩酸ジフェンヒドラミン 2g
グリチルレチン酸 lg
乾燥硫酸アルミニウムカリウム 60g
タノレク
100g
上記成分を混和し、粉末状に製する。
[0057] 性能試験
(1)試験薬剤溶液の調製
原溶液として、
1)塩酸テルビナフインの 4重量%エタノール溶液
2)塩酸ブテナフィンの 4重量%エタノール溶液
3)塩酸ァモロルフインの 0. 05575重量0 /0エタノール溶液
4)塩化ベンザルコニゥムの 0. 1重量%エタノール溶液
5)塩酸クロルへキシジンの 2重量%エタノール溶液
6)イソプロピルメチルフエノールの 6重量0 /0エタノール溶液
7)塩化べンゼトニゥムの 0. 1重量%エタノール溶液
8)トリメチルセチルアンモニゥムペンタクロロフヱネートの 4重量0 /0エタノール溶液
9)クロロブタノールの 4重量%エタノール溶液
をそれぞれ用意した。
[0058] 原溶液 1)一 9)の各 0. 1mlとジメチルスルホキサイド 1. 9mlとを蒸留水 8mlに加え た。こうして、各原溶液を 100倍に希釈した試験薬剤溶液 1)一 9)を調製した。
[0059] つぎに、原溶液 1)と原溶液 4)、原溶液 1)と原溶液 5)、原溶液 1)と原溶液 6)、原 溶液 1)と原溶液 7)、原溶液 2)と原溶液 4)、原溶液 2)と原溶液 5)、原溶液 2)と原溶 液 6)、原溶液 2)と原溶液 7)、原溶液 3)と原溶液 4)、原溶液 3)と原溶液 5)、原溶液 3)と原溶液 6)、原溶液 3)と原溶液 7)、原溶液 3)と原溶液 9)、原溶液 8)と原溶液 6) 、原溶液 8)と原溶液 9)の各混合物 0. 2ml (各混合物とも前者 0. lml +後者 0. lml )とジメチルスルホキサイド 1. 8mlとを蒸留水 8mlに加え、下記の試験薬剤溶液 i)一 XV)を調製した。
[0060] i) 塩酸テルビナフインと塩化ベンザルコニゥムを含む試験薬剤溶液 (最終薬物濃 度は前者 0. 04重量% +後者 0. 001重量%)
ii) 塩酸テルビナフインと塩酸クロルへキシジンを含む試験薬剤溶液 (最終薬物濃 度は前者 0. 04重量% +後者 0. 02重量%)
iii)塩酸テルビナフインとイソプロピルメチルフエノールを含む試験薬剤溶液 (最終 薬物濃度は前者 0. 04重量% +後者 0. 06重量%)
iv) 塩酸テルビナフインと塩化べンゼトニゥムを含む試験薬剤溶液 (最終薬物濃度 は前者 0. 04重量% +後者 0. 001重量%)
V) 塩酸ブテナフィンと塩化ベンザノレコニゥムを含む試験薬剤溶液 (最終薬物濃度 は.前者 0. 04重量% +後者 0· 001重量%)
vi) 塩酸ブテナフィンと塩酸クロルへキシジンを含む試験薬剤溶液 (最終薬物濃度 は前者 0. 04重量% +後者 0. 02重量%)
vii)塩酸ブテナフインとイソプロピルメチルフヱノールを含む試験薬剤溶液 (最終薬 物濃度は前者 0. 04重量% +後者 0. 06重量%)
viii)塩酸ブテナフィンと塩ィヒベンゼトニゥムを含む試験薬剤溶液 (最終薬物濃度は 前者 0. 04重量% +後者 0. 001重量%)
ix) 塩酸ァモロルフインと塩化ベンザノレコニゥムを含む試験薬剤溶液 (最終薬物濃 度は前者 0. 0005575重量% +後者 0. 001重量%)
X) 塩酸ァモロルフインと塩酸クロルへキシジンを含む試験薬剤溶液 (最終薬物濃 度は前者 0. 0005575重量% +後者 0. 02重量%)
xi) 塩酸ァモロルフインとイソプロピルメチルフエノールを含む試験薬剤溶液 (最終
薬物濃度は前者 0. 0005575重量% +後者 0. 06重量%)
xii)塩酸ァモロルフインと塩化べンゼトニゥムを含む試験薬剤溶液 (最終薬物濃度 は前者 0. 0005575重量0 /0 +後者 0. 001重量0 /0)
xiii)塩酸ァモロルフインとクロロブタノールを含む試験薬剤溶液 (最終薬物濃度は 前者 0. 0005575重量0 /0 +後者 0. 04重量0 /0)
xiv) トリメチルセチルアンモニゥムペンタクロロフエネートとイソプロピルメチルフエノ ールを含む試験薬剤溶液 (最終薬物濃度は前者 0. 04重量% +後者 0. 06重量%)
XV) トリメチルセチルアンモニゥムペンタクロロフエネートとクロロブタノールを含む 試験薬剤溶液 (最終薬物濃度は前者 0. 04重量% +後者 0. 04重量%)
[0061] (2)使用囷: Tncophyton mentagrophytes
[0062] (3)使用培地: Sabraud Liquid Broth Modified Antibiotic Medium 13
(BECTON DICKINSON社製)(溶解する精製水量を 1/2量にしたもの。 )
[0063] (4)菌液の調製:菌をサブロー寒天培地「ニッスィ」(日水製薬社製)上で 25°Cで 5— 10日間培養した後、 日本薬局方 滅菌生理食塩水 (大塚製薬社製)に Tween80 ( 片山化学社製)を 0. 05重量%配合した菌懸濁用液にて遊離させ、滅菌済みフィル ター(100 /i m、セルストレイナー: FALCON社製)で濾過して、菌の懸濁液(菌数 1 04— 105個/ / l)を作製した。
[0064] (5)試験方法:複数列に並ぶ 96個のゥエルを有するマイクロプレートの各ゥエルに変 法サブロード培地を 100 μ 1ずつ分注してぉレ、た。試験薬剤溶液 1)をマイクロプレー トの 1列目のウエノレに 100 μ 1ずつ分注し、よく懸濁させた。 1列目のゥヱル中の懸濁 液を 2列目のゥエルに移し、よく懸濁させた。この操作を 3列目、 4歹 IJ目…と、つぎの隣 接列の方向へ順次繰り返し、希釈系列を作製した。
[0065] 各ゥエルに菌の懸濁液を 5 a 1ずつ接種し、菌を温度 37°Cで 48時間培養し、さらに
25°Cで 1週間培養を続けた後、 目視で残存生菌の有無を判定した。
[0066] 試験薬剤溶液 2)— 9)および i)一 XV)につレ、ても上記と同様の操作を行った。
[0067] こうして液体希釈法により MIC (最小発育阻止濃度: μ g/ml)を測定した。
[0068] (6)抗真菌性の判定
得られた MICィ直に基づいて、下記式により FIC(fractional inhibitory concentration)
indexを算出した。
[0069] FIC index =a/aO + b/bO
aO =抗真菌成分単独使用の際の MIC
a =抗真菌成分と併用成分の組合わせ使用の際の抗真菌成分の MIC b〇=併用成分単独使用の際の MIC
b =抗真菌成分と併用成分の組合わせ使用の際の併用成分の MIC
[0070] 得られた MICを表 1一 4に示し、 FIC indexを表 5に示す。
[0071] [表 1] 表 1 (抗真菌成分単独使用の M I C)
[0072] [表 2]
表 2 (組合わせ使用時の抗真菌成分の MIC)
[0073] [表 3]
[0074] [表 4]
表 4 (組合わせ使用時の併用成分の MIC)
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ノ し ヽノ ソf ノしレ,"1 ――. ノ4 1、 J . J 西 、÷ +っ V v -1- +^ ¾fe Jしへ土 ' n \j . t; 塩酸ブテナフィン +イソプ□ピルメチルフェノ一ル 0· 125
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塩酸ァモロルフィン +塩化べンザルコ二ゥム 0, 5
½ι W. ノレ ノ ィ 卞 目 ¾ ノレ' 、ヤ ノ .0 塩酸ァモロルフィン +ィソブ口ピルメチルブェノ一ル 0. 5 塩酸ァモ口ルフィン +塩化べンゼト二ゥ厶 0. 25 塩酸ァ ΐ ΰルブイン +クロ口 タノ一ル 8 トリメチルセチルアンモニゥムペンタク□ プェネー卜 2. 002 +イソプロピルメチルフエノール
トリメチルセチルアンモニゥ厶ペンタク口口フエネ一ト 8 +クロロブタノール
[0076] 抗真菌性の判定基準は次の通りである;
FIC indexの数値 (Fi) > 2の場合、併用成分は抗真菌成分に対し拮抗的であり、 2≥Fi > lでは併用成分は抗真菌成分に対し相加作用を示し、 l≥Fiでは併用成分 は抗真菌成分に対し相乗作用を示す。
[0077] 表 1と表 2の比較、表 3と表 4の比較から、抗真菌成分として塩酸テルビナフイン、塩 酸ブテナフィンまたは塩酸ァモロルフインを用レ、、これに併用成分として塩化ベンザ ルコニゥム、塩酸クロルへキシジン、イソプロピルメチルフエノールまたは塩化べンゼト 二ゥムを配合してなる抗真菌組成物は、抗真菌成分および併用成分の単独使用に 比べ、強 組み合わせ成分が互いに阻害し合うことなぐ高い抗真菌効果を示すこ とが分かる。
[0078] また、表 5から、上記抗真菌成分に上記併用成分を配合してなる抗真菌組成物は、 高い相乗効果を示すことが認められる。
[0079] これに対し、抗真菌成分として塩酸ァモロルフインを用い、これに併用成分としてク
ロロブタノールを配合してなる抗真菌組成物、および、抗真菌成分としてトリメチルァ セチルアンモニゥムペンタクロロフエネートを用レ、、これに併用成分としてイソプロピル メチルフエノールまたはクロロブタノールを配合してなる抗真菌組成物では、該併用 成分が該抗真菌成分に対し拮抗的であることが分かる。