明細書 減速機の保護が可能なィンホイールモータ 技術分野
この発明は、 インホイールモータに関し、 特に、 ホイールへの外部入力や、 口 ータのロックおょぴギアの欠けによるシャフトロック等のモータの故障時におい ても減速機の保護が可能なインホイールモータに関するものである。 背景技術
従来のインホイールモータは、 モータと、 減速機と、 出力軸と、 ホイールハブ とを備える。 減速機は、 モータの内周側に配置される。 すなわち、 モータおよび 減速機は、 出力軸の方向において同じ位置に配置される。
減速機は、 モータのロータに連結される。 出力軸は、 一方端が減速機に連結さ れ、 他方端がホイールハブに連結される。
そして、 減速機は、 モータの出力を変速して出力軸へ出力する。 出力軸は、 減 速機の出力によりホイールハブを所定の回転数で回転する (たとえば特開平 5— 3 3 8 4 4 6号公報参照) 。
このように、 従来のインホイールモータにおいては、 モータ、 減速機およびホ ィールハブの順に動力が伝達される。
しかし、 従来のインホイールモータにおいては、 減速機と、 ホイ一ルハブとの 距離が短いため、 減速機への曲げ入力が緩和されにくいという問題がある。 また、 従来のインホイールモータにおいては、 減速機 (プラネタリギアュニッ ト) のキャリア、 出力軸およびホイールハブがー体であるため、 過大な力が出力 軸に印加されたとき、 遊星歯車の動きに支障を及ぼすという問題がある。
それゆえに、 この発明のある目的は、 ホイールが外力を受けて変形した場合で も、 減速機への外力の作用を緩和することにより、 ホイールの変形が減速機ゃモ ータに作用せず、 減速機およびモータを確実に保護できるインホイールモータを 提供することである。
この発明の他の目的は、 過大な力が出力軸に印加された場合でも、 減速機の保 護が可能なィンホイールモータを提供することである。 ' 発明の開示
この発明によれば、 インホイールモータは、 モータと、 減速機と、 ホイールと、 連結軸とを備える。 減速機は、 モータの出力を変速する。 ホイールは、 減速機の 出力により回転する。 連結軸は、 減速機をホイールに連結する。 そして、 減速機 は、 モータを中心にしてホイールと反対側に配置される。
好ましくは、 減速機は、 遊星歯車である。
好ましくは、 ホイールに所定以上の外力が作用した場合に、 減速機とホイール との動力伝達が遮断される。
好ましくは、 動力伝達の遮断は、 連結軸の破断により成される。
好ましくは、 減速機は、 遊星歯車である。
好ましくは、 連結軸は、 減速機と繋がるキャリア連結部と、 ホイールと繋がる ハブ連結部と、 キャリア連結部とハブ連結部との間に配された中間部とを含む。 好ましくは、 中間部は、 ハプ連結部の径よりも小径の易変形部を有する。
好ましくは、 易変形部は、 両端にテーパー形状からなる部分を有する。
また、 この発明によれば、 インホイールモータは、 モータと、 減速機と、 ホイ ールと、 連結軸とを備える。 減速機は、 モータの出力を減速する。 ホイ一レは、 減速機の出力により回転する。 連結軸は、 減速機とホイールを連結する。 そして、 連結軸は、 途中に易変形部を有する。
好ましくは、 易変形部は、 ホイールに所定以上の外力が作用した場合に変形が 発生する。
好ましくは、 易変形部は、 所定値よりも小径である。
好ましくは、 ホイールに所定以上の外力が作用した場合に、 減速機とホイール との動力伝達が遮断される。
好ましくは、 動力伝達の遮断は、 連結軸の破断により成される。
好ましくは、 減速機はモータに対してホイールの反対側に設けられる。
好ましくは、 減速機は、 遊星歯車である。
この発明のある局面によるインホイールモータにおいて 、 動力がモータ、 減 速機、 ホイールの順に伝達される。 そして、 減速機は、 モータを中心としてホイ ールと反対側に配置される。 その結果、 ホイールが外力を受けて変形した場合で も、 減速機への外力の作用を緩和することにより、 ホイ一ゾ の変形が減速機ゃモ —タに作用しない。
したがって、 この発明によれば、 減速機およびモータを確実に保護できる。 この発明の別の局面によるインホイールモータにおいて ( 、 動力がモータ、 減 速機、 ホイールノヽブの順に伝達される。 そして、 連結軸は、 過大な力が印加され ると破断する。 つまり、 減速機は、 ホイールハブと切り離され、 減速機とホイ一 ルとの動力伝達が遮断される。
したがって、 この発明によれば、 過大な力が連結軸に印力 [1されても、 減速機が 破断するのを防止できる。 また、 モータのロック等のモータ故障時にも、 インホ ィールモータを搭載した自動車の移動を確保できる。
また、 この発明によるインホイールモータにおいては、 減速機は、 モータに対 してホイールハブの反対側に設けられる。
したがって、 この発明によれば、 連結軸を長くでき、 連結軸を破断させる構造 の自由度を大きくできる。 図面の簡単な説明
図 1は、 この発明の実施の形態 1によるインホイールモータを備えた電動輪の 概略断面図である。
図 2は、 図 1に示すシャフトの拡大図である。
図 3は、 この発明の実施の形態 2によるインホイールモータを備えた電動輪の 概略断面図である。
図 4は、 図 3に示すシャフトの拡大図である。
図 5は、 この発明の実施の形態 2によるインホイールモータを備えた電動輪の 他の断面概略図である。 発明を実施するための最良の形態
本宪明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。 なお、 図中 同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さなレ、。
[実施の形態 1 ]
図 1は、 この発明の実施の形態 1によるインホイ一ノレモータを備えた電動輪の 概略断面図である。 図 1を参照して、 電動輪 1 0 0は、 ホイールディスク 1 0と、 ホイ一ノレハプ 2 0と、 ケース 3 0, 3 1と、 ブレーキロータ 4 0と、 ブレーキキ ャリパ 5 0と、 モータ 6 0と、 ベアリング 7 3〜7 6と、 プラネタリギア 8 0と、 オイルポンプ 9 0と、 シャフト 1 1 0と、 オイル通路 1 2 0と、 タイヤ 1 4 0と を備える。
なお、 電動輪 1 0 0は、 アッパーアームおよびロアアーム (図示せず) によつ て自動車本体のフレームに懸架される。
ホイ一ルディスク 1 0は、 略力ップ型形状を有し、 ディスク部 1 0 Aとリム部 1 0 Bとからなる。 そして、 ホイールディスク 1 0は、 ホイ一ノレハブ 2 0、 ケー ス 3 0 , 3 1、 ブレーキロータ 4 0、 ブレーキキヤリノヽ0 5 0、 モータ 6 0、 ベア リング 7 3〜7 6、 プラネタリギア 8 0、 オイルポンプ 9 0、 シャフト 1 1 0、 およびオイル通路 1 2 0を収納するようにしてもよい。 イールディスク 1 0は、 ディスク部 1 O Aをネジ 1, 2によってホイールハブ 2 0に締結することにより ホイールハブ 2 0と連結される。 ホイールハブ 2 0の内周端は、 シャフト 1 1 0 にスプライン嵌合される。 そして、 シャフト 1 1 0にスプライン嵌合されたホイ 一ルハプ 2 0は、 ベアリング 7 6によって回転自在に支持され、 グリス潤滑 7 1 , 7 2によってスムーズに回転する。
プレーキロータ 4 0は、 内周端がネジ 3, 4によってホイールハブ 2 0の外周 端に固定され、 外周端がブレーキキヤリパ 5 0内を通過するように配置される。 ブレーキキヤリパ 5 0は、 ブレーキピストン 5 1と、 ブレーキ/ヽ。ッド 5 2, 5 3 とを含む。 ブレーキパッド 5 2, 5 3は、 ブレーキロータ 4 0の外周端を挟み込 む。
開口部 5 O Aからブレーキオイルが供給されると、 ブレーキビストン 5 1は、 紙面右側へ移動し、 ブレーキパッド 5 2を紙面右側へ押す。 ブレーキパッド 5 2 がブレーキビストン 5 1によって紙面右側へ移動すると、 それに応答してブレー
キパッド 5 3が紙面左側へ移動する。 これにより、 ブレーキパッド 5 2, 5 3は、 ブレーキロータ 4 0の外周端を挟み込み、 電動輪 1 0 0にブレーキがかけられる。 ホイールハブ 2 0の紙面左側には、 ケース 3 0, 3 1が配置される。 そして、 ケース 3 0は、 ネジ 5によってケース 3 1と連結される。 ケース 3 0 , 3 1は、 モータ 6 0を収納する。
モータ 6 0は、 ステータコア 6 1と、 ステータコィノレ 6 2と、 ロータ 6 3とを 含む。 ステータコア 6 1は、 ケース 3 1に固定される。 ステータコイル 6 2は、 ステータコア 6 1に卷回される。 モータ 6 0が三相モータである場合、 ステータ コィノレ 6 2は、 U相コイル、 V相コイルおよび W相コィ / からなる。
ロータ 6 3は、 ステ一タコア 6 1およびステータコィ / 6 2の内周側に配置さ れる。
プラネタリギア 8 0は、 サンギア軸 8 1と、 サンギア S 2と、 ピニオンギア 8 3と、 プラネタリキャリア 8 4と、 リングギア 8 5と、 ピン 8 6と、 ニードルべ ァリング 8 7とを含む。 サンギア軸 8 1は、 モータ 6 0のロータ 6 3と連結され る。 そして、 サンギア軸 8 1は、 ベアリング 7 3, 7 4により回転自在に支持さ れる。 サンギア 8 2は、 サンギア軸 8 1に連結される。
ピニオンギア 8 3は、 サンギア 8 2と嚙合い、 ピン 8 6の外周に配設された- 一ドルベアリング 8 7により回転自在に支持される。 プラネタリキャリア 8 4は、 ピユオンギア 8 3に連結され、 シャフト 1 1 0にスプライン嵌合される。 そして、 プラネタリキャリア 8 4は、 ベアリング 7 5 , 7 6により回転自在に支持される。 リングギア 8 5は、 ケースに固定される。 ピン 8 6は、 ードノレベアリング 8 7 を介してピニオンギア 8 3に連結される。 ユードノレベアリング 8 7は、 ピニオン ギア 8 3とピン 8 6との間に設けられる。
オイルポンプ 9 0は、 シャフト 1 1 0の一方端に設けられる。 シャフト 1 1 0 ( 「連結軸」 とも言う。 ) は、 上述したようにホイール/、ブ 2 0およびプラネタ リキャリア 8 4にスプライン嵌合されるため、 ベアリング 7 6によって回転自在 に支持され、 グリス潤滑 7 1, 7 2によってスムーズに固転する。 そして、 シャ フト 1 1 0は、 オイル通路 1 1 1およびオイル孔 1 1 2を内蔵する。
オイル通路 1 2 1は、 プラネタリギア 8 0のピン 8 6の内部に設けられる。 ォ
ィル通路 1 20は、 一方端がオイルポンプ 90に連結され、 他方端がオイル溜 1 30に揷入される。
オイルポンプ 90は、 オイル溜 1 3 0に溜まったオイノレをオイル通路 1 20を 介して汲み上げ、 その汲み上げたオイルをオイル通路 1 1 1へ供給する。
タイヤ 140は、 ホイールディスク 1 0のリム部 1 0 Bの外縁に固定される。 この発明においては、 プラネタリギア 80 ( 「遊星歯車」 とも言う。 ) は、 モ ータ 60を中心にしてホイールハブ 20と反対側に配置される。
図 2は、 図 1に示すシャフト 1 1 0の拡大図である。 図 2を参照して、 シャフ ト 1 1 0は、 キヤリァ連結部 1 1 0 Aと、 中間部 1 1 0 Bと、 ハブ連結部 1 1 0 Cとからなる。 キャリア連結部 1 1 OAは、 プラネタリキャリア 84とスプライ ン嵌合される。 ハプ連結部 1 1 0 Cは、 ホイールハブ 2 0とスプライン嵌合され る。 中間部 1 1 0 Bは、 キヤリァ連結部 1 1 0 Aとハブ連結部 1 1 0 Cとの間に 配置される。 そして、 中間部 1 1 0 Bは、 湾曲部 1 1 0∑)を有する。
キャリア連結部 1 1 0A、 湾曲部 1 1 0Dを除く中間 11 O Bおよびハブ連 結部 1 1 0 Cは、 直径 R 1を有する。 一方、 湾曲部 1 1 0 Dは、 直径 R 1よりも 小さい直径 R 2を有する。 この直径 R 2は、 外部入力がシャフト 1 1 0に印加さ れることにより、 湾曲部 1 1 0Dが破断する直径、 すなおち、 キャリア連結部 1 1 OAとハブ連結部 1 1 O Cとの間が切離される直径よ りも大きい。 また、 直径 R 2は、 シャフト 1 1 0の変形が停止する直径 (所定値) よりも小さい。 このよ うに、 直径 R 2は、 キヤリァ連結部 1 1 0 Aとハブ連結 1 1 0 Cとの間が切離 される直径よりも大きく、 シャフト 1 1 0の変形が停止する直径よりも小さい値 を有する。
また、 湾曲部 1 10Dは、 シャフト 1 1 0の回転軸方向に長さ L 1を有する。 この場合、 長さ L 1は、 シャフト 1 1 0の長さ L 2に対する比 (=L 1/L 2) が基準値以上になるように決定される。 湾曲部 1 1 0Dの長さ L 1がシャフト 1 1 0の長さ L 2に対して短いとき、 シャフト 1 1 0は、 :ホイールディスク 1 0お よびホイールハブ 20へ印加された外部入力に対して変形し難い。 そこで、 シャ フト 1 1 0の長さ L 2に対する湾曲部 1 1 0Dの長さ L 1の比 =L 1/L 2を、 ホイールディスク 1 0およびホイールハブ 20へ印加された外部入力によりシャ
フト 1 1 0が変形し始める基準値以上に設定することにしたものである。
そして、 湾曲部 1 1 O Dは、 直径 R 2および長さ L 1を有する結果、 外部入力 がホイールディスク 1 0およびホイールハブ 2 0へ印加されたとき、 変形し易い 曲げ強度を有する。
このように、 シャフト 1 1 0は、 キャリア連結部 1 1 O Aとハブ連結部 1 1 0
Cとの間に、 外部入力に対して変形し易い曲げ強度を有する湾曲音 15 1 1 O Dを含 むことを特徴とする。 そして、 この特徴により、 湾曲部 l l O D fま、 ホイールデ イスク 1 0およびホイールハブ 2 0への外部入力に対して変形し、 外部入力がシ ャフト 1 1 0、 プラネタリキャリア 8 4およびピン 8 6を介して-一ドノレべァリ ング 8 7へ印加されるのを緩和する。 その結果、 ブラネタリギア 8 0を保護でき る。
外部入力がホイールディスク 1 0およびホイールハブ 2 0へ印力 Pされると、 そ の印加された外部入力は、 シャフト 1 1 0、 プラネタリキャリア 8 4およびピン 8 6を介して-一ドルベアリング 8 7に印加される。 この場合、 シャフト 1 1 0 が変形しなければ、 ードルベアリング 8 7が外部入力によって損傷する虞があ る。 そこで、 一部に直径の小さい湾曲部 1 1 0 Dを設け、 外部入力によりシャフ ト 1 1 0が変形し、 ニードルベアリング 8 7へ印加される力を緩和するようにし たものである。
これにより、 外部入力がホイールディスク 1 0およびホイールハプ 2 0に印加 されたとき、 ニードルベアリング 8 7、 すなわち、 プラネタリギア 8 0 (減速 機) が損傷するのを防止できる。
この発明においては、 上述したように、 プラネタリギア 8 0を、 モータ 6 0を 中心にしてホイールディスク 1 0およびホイールハブ 2 0と反対 ί划に配置するこ とを特徴とする。 これにより、 外部入力がホイールディスク 1 0およびホイール ハブ 2 0へ印加されたときのシャフト 1 1 0の変形を容易にし、 プラネタリギア 8 0 (減速機) が損傷するのを防止できる。 また、 プラネタリキャリア 8 4をホ ィールハブ 2 0に連結するシャフト 1 1 0の長さを長くでき、 外部入力が印加さ れたときにシャフト 1 1 0により曲げ入力を緩和する自由度を大きくできる。 また、 この発明においては、 プラネタリギア 8 0を、 モータ 6 Οを中心にして
ホイールディスク 1 0およびホイールハブ 2 0と反対側に配置し、 外部入力に対 してシャフト 1 1 0を変形し易くする湾曲部 1 1 0 Dをシャフト 1 1 0に設ける ことを特徴とする。
これにより、 プラネタリギア 8 0 (減速機) が損傷するのを防止できる。 なお、 湾曲部 1 1 0 Dは、 中間部 1 1 0 Bであれば、 どこに設けられていても よい。
また、 上記においては、 シャフト 1 1 0の一部を細くすることによりシャフト 1 1 0が変形するようにしたが、 この発明においては、 これに限らず、 シャフト 1 1 0の作製条件を変えることによりシャフト 1 1 0の一部が変形するようにし てもよい。 たとえば、 変形させる部分だけ、 焼き入れを行なわずにシャフト 1 1 0を作製することである。 また、 変形させる部分だけ、 構成元素のうち一部の元 素の含有量 (たとえば、 カーボン量) を少なくしてシャフト 1 1 0を作製するこ とである。 そして、 この発明においては、 作製方法によらず、 外部入力が印加さ れたときに変形する構造を有するシャフトであれば、 どのようなシャフトであつ てもよい。
再び、 図 1を参照して、 電動輪 1 0 0が搭載された自動車の本体に備えられた スイッチング回路 (図示せず) によりステータコイル 6 2に交流電流が供給され ると、 ロータ 6 3が回転し、 モータ 6 0は、 所定のトルクを出力する。 そして、 モータ 6 0の出力トノレクは、 サンギア軸 8 1を介してプラネタリギア 8 0へ伝達 される。 プラネタリギア 8 0は、 サンギア軸 8 1から受けた出力トルクをサンギ ァ 8 2およびピ-オンギア 8 3によって変更、 つまり、 変速 (減速) してプラネ タリキャリア 8 4へ出力する。 プラネタリキャリア 8 4は、 プラネタリギア 8 0 の出力トルクをシャフト 1 1 0に伝達し、 シャフト 1 1 0は、 所定の回転数でホ ィールハブ 2 0およびホイールディスク 1 0を回転する。 これにより、 電動輪 1 0 0は、 所定の回転数で回転する。 このように、 動力は、 モータ 6 0、 プラネタ リギア 8 0 (減速機) 、 ホイ一ルハプ 2 0およぴホイ一ルディスク 1 0の順に伝 達される。
一方、 オイルポンプ 9 0は、 オイル通路 1 2 0を介してオイル溜 1 3 0からォ ィルを汲み上げ、 その汲み上げたオイルをシャフト 1 1 0の内部に設けられたォ
ィル通路 1 1 1へ供給する。
そうすると、 オイル通路 1 1 1へ供給されたオイルは、 オイル通路 1 11を移 動中にシャフト 1 10の回転により生じた遠心力によってオイル孔 1 1 2から吐 出される。 そして、 オイル通路 121は、 シャフト 1 10から吐出されたオイル をプラネタリギア 80に供給し、 プラネタリギア 80を潤滑する。 また、 シャフ ト 1 10から吐出されたオイルは、 ステータコイル 62を冷却し、 ベアリング 7 3〜76を潤滑する。
そして、 電動輪 100が作動しているときに外部入力がホイールディスク 1 0 およびホイ一 、ブ 20に印加されると、 シャフト 1 10の湾曲部 1 10Dが湾 曲する。 その結果、 外部入力のニードルべァリング 87への印加が緩和され、 プ ラネタリギア 80が損傷するのを防止できる。
なお、 ホイ一ノレディスク 10、 ホイ一ノレハブ 20、 ケース 30, 31、 モータ 60、 ベアリング 73— 76, プラネタリギア 80、 オイルポンプ 90、 シャフ ト 1 10およびオイル通路 120は、 この発明による 「インホイールモータ j を 構成する。
また、 プラネタリギア 80は、 「減速機」 を構成する。
さらに、 ホイールディスク 10およびホイールハブ 20は、 「ホイール」 を構 成する。
さらに、 湾曲部 1 1 ODは、 「易変形部」 を構成する。
[実施の形態 2]
図 3は、 この発明の実施の形態 2によるインホイールモータを備えた電動輸の 概略断面図である。 図 3を参照して、 電動輪 10 OAは、 電動輪 100のシャフ ト 1 10を、 シャフト 1 100に変更したものであり、 その他は、 電動輪 10 0 と同じである。
図 4は、 図 3に示すシャフト 1 100の拡大図である。 図 4を参照して、 シャ フト 1 100は、 キヤリァ連結部 1 100 Aと、 中間部 1 100 Bと、 ハプ連結 部 1 100Cとからなる。 キャリア連結部 1 10 OAは、 プラネタリキャリア 8 4とスプライン嵌合される。 ハプ連結部 1 100Cは、 ホイールハプ 20とスプ ライン嵌合される。 中間部 1 100Bは、 キャリア連結部 1 10 OAとハブ連雜
部 1 1 0 0 Cとの間に配置される。 そして、 '中間部 1 1 0 0 Bは、 破断部 1 1 0 0 Eを有する。
キヤリァ連結部 1 1 0◦ A、 破断部 1 1 0 0 Eを除く中間部 1 1 0 0 Bおよび ハブ連結部 1 1 0 0 Cは、 直径 R 1を有する。 一方、 破断部 1 1 0 0 Eは、 直径 R 1よりも小さい直径 R 2を有する。 そして、 破断部 1 1 0 0 Eは、 その中心軸 がシャフト 1 1 0 0の中心軸に一致するように形成される。 なお、 この発明にお いては、 破断部 1 1 0 0 Eの中心軸は、 シャフト 1 1 0 0の中心軸からずれてい てもよい。
このように、 シャフト 1 1 0 0は、 キャリア連結部 1 1 0 O Aとハブ連結部 1 1 0 0 Cとの間に細い部分を含むことを特徴とする。 そして、 この特徵により、 シャフト 1 1 0 0に基準値よりも大きい力 (過大な力) が印加されたとき、 破断 部 1 1 0◦ Eは破断する。 つまり、 キヤリァ連結部 1 1 0 0 Aは、 ハブ連結部 1 1 0 0 Cと切り離される。 なお、 基準値は、 シャフト 1 1 0 0が破断しない範囲 の力に設定される。
過大な力は、 ロータ 6 3のロック、 またはプラネタリギア 8 0のギアの欠けに よりシャフト 1 1 0 0に印加される。 この場合、 シャフト 1 1 0 0が破断しなけ れば、 過大な力は、 プラネタリギア 8 0 (減速機) に印加される。 そうすると、 プラネタリギア 8 0 (減速機) が破断する虞があるので、 一部に直径の小さい破 断部 1 1 0 0 Eを設け、 過大な力によりシャフト 1 1 0 0が破断するようにした ものである。
これにより、 基準値よりも大きい過大な力がシャフト 1 1 0 0に印加されたと き、 プラネタリギア 8 0 (減速機) が破断するのを防止できる。 また、 ロータ 6 3のロックおよびプラネタリギア 8 0のギアの欠けによるシャフ ト 1 1 0 0の口 ック等のモータ故障時にも、 タイヤロックの被害を最小限に止め、 電動輪 1 0 0 Aを搭載した自動車を移動させることができる。
さらに、 上述したように、 プラネタリギア 8 0は、 モータ 6 0に対してホイ一 ルハブ 2 0と反対側に配置される。 これにより、 プラネタリキャリア 8 4をホイ 一ルハブ 2 0に連結するシャフト 1 1 0 0の長さを長くでき、 過大な力が印加さ れたときにシャフト 1 1 0 0を破断させる構造の自由度を大きくできる。
なお、 破断部 1 1 0 0 Eは、 中間部 1 1 0 0 Bであれば、 どこに設けられてレ、 てもよい。 また、 破断部 1 1 0 0 £の直径1 2は、 過大な力に応じて決定される。 すなわち、 ロータ 6 3のロックによりシャフト 1 1 0 0に印加される力、 またほ プラネタリギア 8 0のギアの欠けによりシャフト 1 1 0 0に印加される力を予め 測定し、 その測定した力により破断するように直径 R 2を決定する。
さらに、 上記においては、 シャフト 1 1 0 0の一部を細くすることによりシャ フト 1 1 0 0が破断するようにしたが、 この発明においては、 これに限らず、 、ン ャフト 1 1 0 0の作製条件を変えることによりシャフト 1 1 0 0の一部が破断す るようにしてもよい。 たとえば、 破断させる部分だけ、 焼き入れを行なわずに、ン ャフト 1 1 0 0を作製することである。 そして、 この発明においては、 作製方 ¾ によらず、 過大な力が印加されたときに破断する構造を有するシャフトであれ ί 、 どのようなシャフトであってもよレ、。
さらに、 過大な力は、 プラネタリギア 8 0側からシャフト 1 1 0 0に印加され る場合に限らず、 ホイールディスク 1 0側からシャフト 1 1 0 0に印加される場 合もある。
再び、 図 3を参照して、 電動輪 1 0 O Aが搭載された自動車の本体に備えら たスイッチング回路 (図示せず) によりステータコイル 6 2に交流電流が供給さ れると、 ロータ 6 3が回転し、 モータ 6 0は、 所定のトルクを出力する。 そして、 モータ 6 0の出力トノレクは、 サンギア軸 8 1を介してプラネタリギア 8 0へ伝逢 される。 プラネタリギア 8 0は、 サンギア軸 8 1から受けた出力トルクをサンギ ァ 8 2およびピ-オンギア 8 3によって変更、 つまり、 変速してプラネタリキヤ リア 8 4へ出力する。 プラネタリキャリア 8 4は、 プラネタリギア 8 0の出力ト ルクをシャフト 1 1 0 0に伝達し、 シャフト 1 1 0 0は、 所定の回転数でホイ一 ルハブ 2 0およびホイールディスク 1 0を回転する。 これにより、 電動輪 1 0 0 Aは、 所定の回転数で回転する。 このように、 動力は、 モータ 6 0、 プラネタリ ギア 8 0 (減速機) およびホイールハブ 2 0の順に伝達される。
—方、 オイルポンプ 9 0は、 オイル通路 1 2 0を介してオイル溜 1 3 0からォ ィルを汲み上げ、 その汲み上げたオイルをシャフト 1 1 0 0の内部に設けられた オイル通路 1 1 1へ供給する。
そうすると、 オイル通路 1 1 1へ供給されたオイルは、 オイル通路 1 1 1を移 動中にシャフト 1 1 0 0の回転により生じた遠心力によってオイル孔 1 1 2から 吐出される。 そして、 オイル通路 1 2 1は、 シャフト 1 1 0 0から吐出されたォ ィルをプラネタリギア 8 0に供給し、 プラネタリギア 8 0を潤滑する。 また、 シ ャフト 1 1 0 0から吐出されたオイルは、 ステータコイル 6 2を冷却し、 ベアリ ング 7 3〜7 6を潤滑する。
そして、 電動輪 1 0 O Aが作動しているときに基準値よりも大きい過大な力が シャフト 1 1 0 0に印加されると、 シャフト 1 1〇 0の破断部 1 1 0 O Eが破断 し、 プラネタリキャリア 8 4は、 ホイールハブ 2◦から切り離される。 すなわち、 プラネタリギア 8 0とホイールハブ 2 0との動力伝達が遮断される。 このように、 この発明においては、 過大な力が印加されたときに破断するようにシャフト 1 1 0 0を設計し、 シャフト 1 1 0 0にシェアピン機能を持たせる。
その結果、 過大な力が印加され、 プラネタリギア 8 0が破断するのを防止でき る。 また、 ロータ 6 3のロックおよびプラネタリギア 8 0のギアの欠けによるシ ャフト 1 1 0 0のロック等のモータ故障時にも、 電動輪 1 0 O Aを搭載した自動 車を移動させることができる。
図 5は、 この発明によるインホイールモータを備えた電動輪の他の断面概略図 である。 図 5を参照して、 電動輪 1 0 0 Bは、 電動輪 1 0 O Aのベアリング 7 6 を削除したものであり、 その他は、 電動輪 1 0 O Aと同じである。
電動輪 1 0 0 Bにおいては、 プラネタリキャリア 8 4は、 ベアリング 7 5のみ によって回転自在に支持される。 図 5に示すように、 プラネタリキャリア 8 4が 片方のベアリング 7 5のみによって保持されるものを 「片持ちべァリング方式」 と言う。 そして、 片持ちベアリング方式を用いれば、 電動輪 1 0 0 Bのシャフト 1 1 0の長さを短くできる。 その結果、 電動輪 1 O 0 Bをコンパクト化できる。 その他は、 電動輪 1 0 O Aと同じである。
なお、 ホイ一ノレディスク 1 0、 ホイールハブ 2 0、 ケース 3 0 , 3 1、 モータ 6 0、 ベアリング 7 3〜7 6、 プラネタリギア 8 0、 オイノレポンプ 9 0、 シャフ ト 1 1 0およびオイル通路 1 2 0は、 この発明に る 「インホイールモータ」 を 構成する。
また、 プラネタリギア 8 0は、 「減速機」 を構成する。
さらに、 ホイ一ルディスク 1 0およびホイ一ルハブ 2 0は、 「ホイール」 を構 成する。 産業上の利用可能性
この発明は、 減速機を保護可能なインホイールモータに適用される。