明 細 書 機能性を有するポリイ ミ ド微粒子の製造方法 および 光照射ま たは熱処理による蛍光特性の変化を利用する書き換え可能なメ モ リ 一材料 技俯分野
本発明は、 機能付与成分とポリ マー成分を含有する溶液から、 ま たは前記溶液から再沈澱法によ り 、 前記ポリマー中に前記機能付与 成分を含有させて前記成分の機能を発揮する膜または粒径 5 n m以 上 1 0 0 0 0 n m以下の粒子と した機能性材料おょぴ前記粒子を前 記 2成分を溶解させた溶液を前記 2成分の貧溶媒に注入して再沈澱 させて前記粒子を製造する方法である。 よ り詳しく は、 機能付与成 分と して希土類元素、 特にランタノィ ドに属する元素のイオンを力 ルポュル基を有するポリマー中に含有させた光メモ リ一材料、 及ぴ 前記希土類元素のイオンおよび前記ポリ マーの溶液を用いて製造し た光メモリー特性を有する希土類イオン含有ポリ マー膜、 あるいは 前記溶液を貧溶媒に注入して、 再沈澱によ り製造した粒径が 5 n m 〜 1 0 0 0 0 n mの光メ モ リ ー特性を有する希土類イオン含有ポリ マー微粒子又は前記ポリマー微粒子を含有する溶液から形成した前 記希土類イオン含有ポリ マー微粒子膜に関する。 該ポリ マー膜、 微 粒子または微粒子膜は、 光照射エネルギー、 換言すれば照射強度 X 照射時間の積の増加に伴い蛍光強度が増強し、 熱処理温度の上昇に 伴い蛍光強度が初期状態まで減少するこ とから、 前記蛍光の変化を 利用した書き換え可能な光メ モ リ材料と して利用できる。 また、 希
差替え用紙 (規則 26)
土類イオン又は遷移金属イオンを生成する化合物を含有するポリ ア ミ ド酸の溶液またはポリ アミ ド酸溶液に色素を溶解した溶液を貧溶 媒に注入して前記希土類イオン、 遷移金属イオンまたは色素を含有 したポリ アミ ド酸微粒子を再沈澱法によ り形成させ、 前記希土類ィ オン、 遷移金属イオンまたは色素を含有するポリ アミ ド酸微粒子を イ ミ ド化するこ とによ り 、 希土類イオン、 遷移金属イオンまたは色 素を有するポリ イ ミ ド微粒子、 特に粒径 5 n m〜 l 0 0 0 0 n mの ポリイ ミ ド粒子を製造する方法に関する。
背景技術
近年の情報化社会の発達に伴い、 情報の高密度 · 高速処理が可能 な記録材料が求められており 、 記録に用いる光波長の短波長化が可 能な記録媒体を開発するこ とによ り、 前記短波長化によ り ピッ ト幅 を狭く して記録密度の向上を計ってきたが、 さ らなる高密度化の達 成に際して、 従来の 1ピッ トにっき 1 ビッ トの記録ではなく 、 1 ピッ トにっき数ビッ トの記録可能な多重記録材料が望まれている。 また、 環境に優しい技術の要求の観点から、 前記記録特性に加えて書き換 え可食§な特' I1生を持つ材料力 S望まれてレ、る。 Shinya MAEN0S0N0, Ceco Danov DUSHKIN, Soichiro SAITA and Yukio YAMAGUCHI, 「0ptical Memory Media Based on Excitation-Time Dependent Luminescence from a Thin Film of Semi conductor Nanocrystal s」 Japanese Jo urnal of Applied Physics 39, 4006—4012 (2000) (文献 1 ) ίこ fま t ri一 octy丄 phosphine oxide ίこ dimethylcadraiumu, seleniumu— tr i一 but ylphosphine溶液を添力 Bし、 得られた溶液を 3 0 0 °Cに維持し、 アル ゴン雰囲気下で撹拌下に作製した tri- octylphosphine oxideで表面 をキヤ ッ ビングされた C d S e微粒子が波長 4 3 0 n m、 1 5 mW
のレーザー光の照射時間の増加に伴い蛍光強度が増強して約 5 0 0 分で飽和して初期蛍光強度の 7倍の強度を示すこ と、 増強した発光 の強度は 5 0 0時間以上ほぼ安定であるこ となどが記載されている < しかしながら蛍光の消去に関しては記載されていない。 Masayuki N ogami , 「Room temperature persistent spectral hole burning o f Eu3+ ions doped in sol - gel derived glasses」 Journal of Lumi nescence 98, 289-294 (2002) (文献 2 ) はゾルゲル法で作製した E u 3 +イオンを含有したアルミ ノ シリ ケィ トガラスに一 1 9 6。C ( 7 7 K ) で 3 0 分間 3 0 0 W、 スポッ トサイ ズ l mmのローダミ ン 6 G レーザーを幅照射すると とによ り E u 3 +の励起スぺク トルにホ ールが生成するこ と、 また室温で X線を照射するこ とで同様にホ一 ルが生成して温度を上昇させるこ とでホールの深さが減少する こ と が記載されており、 ホールの深さを変化させるこ とで数ビッ トの記 録をすること を 案している。 Nobuhiko Umezu, Tsunenor i Asatsu ma, Yoshihiro Takemoto, Masahiko kaneko 「 Mult i - wave length r ecording at room temperature by gated persistent spectral ho le burning in SrrCl0 5 Br ' Sm' 」 Journal of Lumi nescence 64, 1 95 - 199 (1995) (文献 3 ) は S m 2 +イオンを含有した S r F C 1 。 . 5 B r 。 . 5 の粉体に 6 8 8 η πι力、ら 6 9 3 n mの範囲の多波長の色 素レーザーを照射して S m 2 +の励起スペク トルに多数のホールを 生成させて波長多重記録するこ とが記載されており 、 高密度記録を 可能と している。 しかしながら、 いずれもホール深さは浅く ブロー ドであり 閾値があいまいとなる。
このこ とは、 前記情報化社会において記録材料に要求される室温 記録特性および高分解能特性において満足すべき記録材料とは言え
ない。 また、 記録材料の製造の容易性の観点からも充分とは言えな い。 また、 微粒子、 こ こではおおよそ粒径 5 n m〜 : L O O O O n m の粒子を言う 、 とい う形態はそれらをつなぎ合わせるこ とによ り 、 一次元から三次元の様々な形態に容易に変化させ又は加工するこ と ができるため、 材料と して非常に扱いやすい形態であり 、 機能性を 持った無機微粒子の製造技術は多く存在している。 一方、 ポリ マ一 は穏和な条件で微粒子を作製するこ とができ低コス トで軽いという 利点があるものの、 多く のポリ マーにおいては耐熱性、 耐光性、 耐 薬品性に劣り 、 機械的強度が低いという欠点がある。 これに対し、 ポリイ ミ ドはこれら欠点を持たない優れたポリマーであ り 、 ポリイ ミ ド自体の微粒子化の研究は行われている。 しかしながら、 ポリ イ ミ ド微粒子に機能性を持たせる技術はないし、 当然ながら、 前記機 能性を付与するものをポリ イ ミ ド微粒子形成の溶液に配合する とい う発想は全く ない。 Jun Hu et al. Journal of Applied Polymer S cience, 89, 1124-1131 (2003) (文献 4 ) には希土類イ オンを含有 するサブミク ロ ンの P MMA粒子を、 希土類イオンと前記ポリ マー を形成するモノ マーを乳化剤を存在させないで、 マイク ロ波の照射 下で重合して、 製造する方法の発明が記載されている。 また、 浅尾 克哉 他 2名、 高分子論文集 (Kobunshi Ronbunshue) , Vol.57, No. 5, pp271-276, May.2000.特に項目 2.3 ポリ イ ミ ド微粒子の調製 (文献 5 ) にはテ ト ラカルボン酸二無水物とジァミ ンと を非プロ トン極性 溶媒中で反応させてポリイ ミ ドの前駆体であるポリ アミ ド酸を製造 し、 前記ポリ アミ ド酸溶液に トルエンを加えて環流して熱イ ミ ド化 を進行させつつポリ イ ミ ド微粒子を沈殿物と して得るポリイ ミ ド微 粒子の調製方法が記載されている。 更に、 平成 1 3年 5月 2 5 日の
高分子学会年次大^予稿集、 Vol.50,No.3 (2001), PP484, III F08 演題 「再沈法によるポリイ ミ ド微粒子の作成」 (文献 6 ) にはテ ト ラカルボン酸二無水物とジァミ ンと を非プロ トン極性溶媒中で反応 させて得られたポリ イ ミ ドの前駆体であるポリ ア ミ ド酸の溶液を用 いて、 先ず、 再沈法によ り ポリ アミ ド酸の微粒子を製造し、 得られ たポリ アミ ド酸の微粒子を、 熱的または化学的に架橋してポリ イ ミ ド微粒子を製造する方法の発明が記載されている。 また、 特願 2 0 0 2 - 5 7 6 8 3号 (文献 7 ) には前記文献 6 に記載の技術の改良 方法が記載されている。 特開 2 0 0 3 — 8 4 3 2 2 (平成 1 5年 3 月 1 9 日公開) (文献 8 ) には 「金属微粒子、 半導体微粒子、 無機 蛍光材料微粒子、 無機発光材料微粒子から選択される 5 0 n m以下 の無機微細粒子が分散する水性分散液中に π—共役結合を持つ有機 材料を水に可溶な溶液と して滴下し、 核を形成する前記無機微細粒 子と殻を形成する前記有機材料の微結晶を前記分散液中で共沈澱さ せるこ とによ り前記無機微粒子のサイズぉよび前記有機材料の添加 量を制御して前記無機微粒子の 5 0 n m以下の核の表面に前記有機 材料の微結晶殻を形成させるこ と によ り無機微粒子一有機微結晶複 合微結晶の製造方法。 」 の発明が記載され、 無機蛍光材料微粒子ま たは無機発光材料微粒子、 具体的には Z n S (公報の 〔 0 0 0 7〕 を参照) などと有機材料、 固相重合可能な有機材料、 具体的にはジ アセチレンなどを用いて、 再沈法によ り無機蛍光材料微粒子または 無機発光材料微粒子と有機材料からなる複合ナノ粒子を製造する方 法が記載されている。 前記複合微粒子化によ り 、 両物質の界面にお いて相互作用が発現するこ とについて言及している。
しかしながら、耐熱性に優れたポリ イ ミ ド樹脂に、希土類イオン、
遷移金属イオン、 色素を含有させた微粒子、 特に粒径 5 n m〜 1 0 0 0 0 n mの微粒子とするこ とについて言及する文献は見当たらな い
本発明の第 1 の課題は、 記録が室温で安定で、 1 ピッ トに対して 多ビッ トの多重記録が可能であり 、 かつ、 記録の書き換え可能な、 光照射による蛍光特性の変化を利用 した光記録材料を提供するこ と である。 本発明者らはカルポニル基、 例えば、 イ ミ ド基、 カルボキ シル基あるいはそのエステル基を持つポリ マーに含有させた希土類 特にランタノィ ドに属する元素のイオンが光照射量、 すなわち照射 光強度 X照射時間に依存して希土類イオンの蛍光強度が増強し、 特 にポリイ ミ ド系では最大 4 0 0倍にも増強するこ と、 また、 光照射 停止後の発光強度特性が室温で数ケ月間安定である こ とを見いだし 多数照射量の閾値を設ける こ とで高密度記録が可能である。 また、 ポリマーのフ レキシブルな構造を利用して、 熱処理によ.り初期状態 に戻すこ とで蛍光の強度の消去を実現した。 更に、 蛍光の消去後、 光の再照射によ り再び蛍光強度の増強が光照射量に依存して増強す るこ とを見いだした。 前記光記録は膜においてのみではなく 5 n m サイズの微粒子の形態でも可能であるため、 高分解能の記録が可能 であるこ とを見出し前記本発明の第 1 の課題を解決するこ とが出来 た。
本発明の第 2の課題は、 耐熱性の優れたポリイ ミ ド榭脂を用いて、 蛍光、 非線形、 発色特性などを有するポリ イ ミ ドの微粒子、 特に粒 径が 5 η π!〜 1 0 0 0 0 n mの微粒子を提供するこ とである。 前記 課題を解決するために、先ず、前記機能性を付与する希土類イオン、 遷移金属イオンなどを生成する化合物または染料をポリ イ ミ ド樹脂
の微粒子の製造工程で含有させこ と によ り 、 機能性付与材料が微粒 子中に前記機能性を安定に付与した状態またはポリイ ミ ドとの複合 化による新たな機能を発現させる状態で存在させるこ と を考え、 前 記希土類イオンまたは遷移金属イオンなどを生成する化合物又は染 料とポリ イ ミ ド樹脂の前駆体であるポリ アミ ド酸との溶液を用いて 前記溶液から再沈法によ り ポリ アミ ド酸と希土類イオンまたは遷移 金属イオンからなる複合微粒子材料を製造し、 次いで当該 術分野 において公知の架橋手段、 例えば加熱または化学的架橋手段によ り ポリ ア ミ ド酸を架橋し希土類イオン、 遷移金属イオンまたは染料と ポリイ ミ ド樹脂の複合微粒子材料を得た。 そして、 希土類イオンを 含有するポリ イ ミ ド樹脂の蛍光特性などを調べたと ころ、 複合微粒 子は蛍光特性を示すこ とが分かり 、 ポリイ ミ ド樹脂と希土類イオン からなる複合微粒子材料の有用性を確認するこ とができた。 また、 染料とポリイ ミ ド樹脂とからは前記染料の着色特性、 非線形特性な どを有する微粒子が得たれるこ と、 また、 ポリイ ミ ド樹脂と遷移金 属ィオンからなる複合微粒子においては、 遷移金属の持つ特性が均 一な微粒子であるこ との基づく 特性、 例えばナノサイズにおいては その量子効果を発現する特性の微粒子を提供できるこ とが分かった 上記のこ とによ り 、 前記本発明の第 2の課題を解決する こ とができ た。 発明の開示
前記第 1 の課題に関する第 1 の発明は、 ( 1 ) ポリ マーの主鎖ま たは側鎖にカルボ二ル基をもつポリ マー中に希土類元素イオンを含 有させた照射光量に対応して蛍光強度が増強し、 熱処理によ り初期
状態まで回復可能な光メモ リ 一材料である。 好ま しく は、 ( 2 ) 前 記カルボエル基をもつポリ マーがテ トラカルボン酸またはその二無 水物とジァミ ンとの反応で得られたポリイ ミ ドである前記 ( 1 ) に 記載の光メモ リ ー材料または ( 3 ) 前記カルボ二ル基をもつポリ マ 一が側鎖にカルボキシル基またはそのエステル基を有するポリ マー である前記 ( 2 ) に記載の光メ モ リ ー材料であり 、 更に好ま しく は、 ( 4 ) 側鎖に力ルポキシル基またはそのエステル基を有するポリ マ 一がエチレン系不飽和基の付加重合によ り得られたものである前記
( 3 ) に記載の光メ モ リ ー材料である。
よ り好ま しく は、 ( 5 ) 希土類元素が元素番号 5 8〜 7 0までの 元素から選択されるものである前記 ( 1 ) 、 ( 2 ) 、 ( 3 ) または
( 4 ) に記載の光メモリ ー材料である。
本発明の前記第 1 の課題に関する第 2の発明は、 ( 6 ) 光メモリ 一材料がポリ マーの主鎖または側鎖に力ルポ-ル基をもつポリ マー と希土類元素のイオンを生成する前記希土類元素の化合物を、 少な く と も前記 2成分を溶解する溶媒に溶解させ、 該溶液から形成した 前記ポリマー中に前記希土類元素イオンを含有させたポリ マー膜、 ポリ マーの主鎖または側鎖にカルボ二ル基をもつポリ マーと希土類 元素のイオンを生成する前記希土類元素の化合物を、 少なく と も前 記 2成分を溶解する溶媒に溶解させ、 該溶液を少なく と も前記 2成 分の貧溶媒に注入するこ とによ り形成した粒径が 5 n n!〜 1 0 0 0 0 n mの前記希土類元素イオン含有ポリ マー微粒子または、 ポリ マ —の主鎖または側鎖に力ルポ二ル基をもつポリマーと希土類元素の イオンを生成する前記希土類元素の化合物を、 少なく と も前記 2成 分を溶解する溶媒に溶解させ、 該溶液を少なく と も前記 2成分の貧
溶媒に注入するこ と によ り前記ポリ マー中に前記希土類元素イオン を含有させた光メモリー特性を有する粒径が 5 n m〜 l 0 0 0 0 ri mであるポリ マー微粒子を生成させ、 前記ポリマー微粒子を含有す る溶液から形成した前記希土類元素イオン含有ポリ マーの微粒子膜 又はパルク成形体である。
前記第 2の課題に関する第 1 の発明は、 ( 2— 1 ) 希土類元素ィ オン又は遷移金属イオンを生成する化合物又は色素化合物を前記ィ オンを生成する溶媒に溶解させたポリ アミ ド酸溶液を前記希土類元 素イオン又は遷移金属イオン又は色素化合物とポリ アミ ド酸の貧溶 媒中に注入し希土類元素イオン又は遷移金属イオン又は色素を含有 するポリ アミ ド酸の微粒子を形成させ前記形成されたポリ アミ ド酸 微粒子にイ ミ ド化処理をして希土類元素イオン又は遷移金属イオン 又は色素を含有する粒径 5 η π!〜 1 0 0 0 0 n mのポリ イ ミ ド微粒 子を製造する方法である。 好ま しく は、 ( 2 — 2 ) ポリ アミ ド酸に 対して 0. 1〜10重量%の希土類元素イオン又は遷移金属イオンを 生成する化合物又は色素化合物を溶解させたポリ アミ ド酸溶液を用 いた前記 ( 2 — 1 ) に記載の希土類元素イオン、 遷移金属イオンま たは色素を含有する粒径 5 n m〜 l 0 0 0 0 n mのポリ イ ミ ド粒子 を製造する方法であ り、 よ り好ま しく は、 ( 2— 3 ) ポリ アミ ド酸 溶液を調製する溶媒と してアセ トン、 ァセ トニ ト リル、 テ トラ ヒ ド 口フラン、 ク ロ 口ホルム、 あるいは極性のアミ ド系溶媒を用いる前 記 ( 2 — 1 ) または ( 2 — 2 ) に記載の希土類元素イオン、 遷移金 属イオンまたは色素を含有する粒径 5 n m〜 l 0 0 0 0 n mのポリ イ ミ ド粒子を製造する方法であ り 、 一層好ま しく は、 ( 2 — 4 ) 貧 溶媒がデカ リ ン、 シク 口へキサン、 へキサン、 ベンゼン、 トルエン、
水、 アルコール系、 C S 2またはこれらの 2種以上の混合物である前 記 ( 2 — 1 ) 、 ( 2 — 2 ) または ( 2 — 3 ) に記載の希土類元素ィ オン、 蛍光物質または有機色素を含有する粒径 5 n m〜 1 0 0 0 0 n mのポリイ ミ ドナノ粒子を製造する方法であり 、 よ り 一層好ま し く は、 ( 2— 5 ) 貧溶媒の温度を— 2 0 °C〜 6 0 °Cに制御する前記 ( 2 — 1 ) 、 ( 2 — 2 ) 、 ( 2 — 3 ) または ( 2 — 4 ) に記載の希 土類元素イオン、 遷移金属イオンまたは色素を含有する粒径 5 n m 〜 1 0 0 0 0 n mのポリイ ミ ド粒子を製造する方法であ り 、 更に一 層好ま しく は、 ( 2 — 6 ) 希土類元素イオンが原子番号 5 8〜 7 0 までの元素のイオンから選択される ものである前記 ( 2— 1 ) 、 ( 2 — 2 ) , ( 2 — 3 ) 、 ( 2 — 4 ) または ( 2 — 5 ) に記載の希土類 元素イオンを含有する粒径 5 η π!〜 1 0 0 0 0 n mのポリイ ミ ド粒 子を製造する方法である。 図面の簡単な説明
第 1 図は、 実施例 1 で得られた E u 3 +含有ポリイ ミ ド膜に U Vラン プを用いて 6 Wの波長 2 5 4 n m光を照射した時の照射時間と E u 3 +に帰属される蛍光強度の相関を示す。
第 2図は、 実施例 1 で得られた前記 UV照射によ り蛍光強度が飽和 した E u 3 +含有ポリ イ ミ ド膜の熱処理温度と蛍光強度の減少の相 関を示す。 2 0 0 °Cで前記蛍光が完全に消滅した。
第 3図は、 前記第 2図の 2 0 0 °Cでの熱処理によ り蛍光を消去した 後、 さ らに U V光を照射した時の照射時間と E u 3 +に帰属される蛍 光強度の相関を示す。 すなわち、 書き換え可能な記憶材料と して利 用性を示す。
第 4図は、 実施例 2で得られた T b 3 +含有ポリイ ミ ド膜に U Vラン プを用いて 6 Wの波長 2 5 4 n m光を照射した時の照射時間と E u 3 +に帰属される蛍光強度の相関を示す。
第 5図は、 実施例 4で得られた E u 3 +含有ポリアミ ド酸膜に U Vラ ンプを用いて 6 Wの波長 2 5 4 n m光を照射した時の照射時間が約 3時間で蛍光強度が飽和したことを示す。
第 6図は、 実施例 5で得られた E u 3 +含有ポリアク リル酸膜に U V ランプを用いて 6 Wの波長 2 5 4 n m光を照射し、 照射時間の増加 に伴い E u 3 +に帰属される蛍光強度が増強し、 約 2 4時間で蛍光強 度が飽和したことを示す。
第 7図は、 実施例 7で得られた E u 3 +含有ポリアタ リル酸微粒子の S EM写真を示す。
第 8図は、前記第 2の課題に関する第 1の発明の希土類元素イオン、 蛍光物質、 有機顔料など含有ポリイ ミ ド微粒子の再沈法による製造 工程の工程図であり、 A、 B工程で、 貧溶媒 1 中に、 所定量の機能 性付与成分を含有するポリ アミ ド酸の溶液 3 を注入し、 再沈法によ り所定量前記機能性付与物質を含有したポリ アミ ド酸微粒子を得る, 溶液 3 を注入する際、 前記貧溶媒を撹拌子 2で撹拌する。
第 9図は、 実施例 8で得られた E u 3 +含有ポリイ ミ ド微粒子の S E M写真を示す。
第 1 0図は、 実施例 8で得られた E u 3 +含有ポリイ ミ ド微粒子を波 長 2 8 0 n mの励起光で照射した時の蛍光スぺク トルである。
第 1 1 図は、 実施例 9で得られた T b 3 + ( a ) 及ぴ C e 3 + ( b ) 含 有ポリイ ミ ド微粒子を波長 2 8 0 n mの励起光で照射した時の蛍光 スぺク トルである。
第 1 2図は、実施例 1 0で得られた E u 3 +の配合量を 1 重量% ( a ) 5重量。 /o ( b ) および 1 0重量0 /0 ( c ) Zポリ アミ ド酸と したポリ アミ ド酸一 E u (N O 3) 3溶液を用いて調製した E u 3 +含有ポリ ィ ミ ド微粒子の S E M写真を示す。
第 1 3 図は、実施例 1 0で得られた E u 3 +の配合量を 1 重量% ( & ) 5重量% ( b ) および 1 0重量% ( c ) /ポリ アミ ド酸と したポリ アミ ド酸ー E u (N O 3 ) 3溶液を用いて調製した E u 3 +含有ポリ ィ ミ ド微粒子を波長 2 8 O n mの励起光で照射した時の蛍光スぺク ト ルである。
第 1 4図は、 実施例 1 1 で得られたキナタ リ ドン含有ポリイ ミ ド微 粒子の S EM写真を示す。
第 1 5 図は、 実施例 1 3で貧溶媒であるシク 口へキサンの温度を 1 0 °C ( a ) 、 2 5 °C ( b ) および 4 0 °C ( c ) と して得られた E u 3 +含有ポリ イ ミ ド微粒子の S E M写真を示す。
第 1 6図は、実施例 1 5で得られた、遷移金属含む化合物と して( a ) F e ( N O 3 ) 3 ( a ) 又は F e C l 3 ( b ) 又は C u S 04 ( c ) を 含有させたポリイ ミ ド微粒子の S E M写真を示す。 本発明をよ り詳細に説明する。
前記第 1 の課題に関する発明において、
A. 希土類イオンを構成する材料は、 力ルポ二ル基を持ったポリ マー材料中に存在して、 光照射によ り異なった配位状態を形成し、 室温において安定にその状態を維持しているこ とが大切である。 前 記配位状態を生成する希土類元素と しては、 ランタノイ ドに属する 元素、 好ま しく は、 原子番号 5 8〜 7 0までの元素、 よ り好ま しく
は、 E u、 T b、 G dおよび C e から選択される。 特定の蛍光ピー ク波長を持ち、 蛍光強度の増強が異なる多重遷移に対応する記録が 可能である。
B . ポリマー材料は、 前記配位状態の希土類元素イオンを室温に おいて安定に保持するこ とが重要であ り 、 希土類元素ィオンと酸素 との配位結合状態、 希土類元素イオン一 Oが前記多重配位結合状態 を維持するのに好ま しいものと推測されるので、 本発明において前 記ポリ マーの主鎖または側鎖にカルボ二ル基をもつポリ マーを好ま しいものと して用いた。
これを、 配位結合状態と関連する電子論的な推測をすれば、 ポリ マーと希土類元素イオンとのエネルギー移動の実現のために、 ポリ マーの H OMO、 L UMOのエネルギーギヤップと希土類元素ィォ ンの基底状態と励起状態のエネルギーギャ ップが前記条件に対応し ている こ とが重要である。
B— 1 . 好ま しいポリ マーと しては、 先ず、 ポリイ ミ ドを挙げる ことができる。
テ トラカルポン酸またはその二無水物と しては、 3, 3 ' 一 4, 4, 一べンゾフエノ ンテ トラカルボン酸 (B T D A) 、 3 , 3 ' — 4 , 4 ' ― テ ト ラ力ルポキシビフエニル、 2, 2 — ( 3 , 4 —ジカルボ キシフエ二ノレ) 一 1 , 1 , 1 , 3, 3, 3 —へキサフルォロプロパ ン、 およびこれらの二無水物を例示できる。
B— 2. 前記テ トラカルボン酸またはその二無水物と反応してポ リ イ ミ ド前駆体のポリ アミ ド酸を形成し、 その後のイ ミ ド化などで ポリ イ ミ ドを形成するジァ ミ ンと しては、 4, 4 ' ージアミ ノ ジフ ェニルエーテル、 4, 4 , 一ビス ( 4 一アミ ノブエノキシ) ビフエ
l
ュノレ、 1 , 4 一ビス ( 4 —アミ ノ フエノ キシ) ベンゼン、 1 , 3 — ビス ( 4 —ア ミ ノ フエノキシ) ベンゼン、 1 , 4 —ジァ ミ ノべンゼ ン、 4 , 4 , ーメ チレンビス (メチノレシク ロへキシノレア ミ ン) 、 4 , 4 , 一メチレンビス (ェチルシク ロへキシルァ ミ ン) などを挙げる こ とができる。
Β— 3. 他のポリ マーと しては、 ポリ アク リル酸、 ポリ メ タタ リ ル酸メ チル ( P M M A ) の様な、 側鎖にカルボキシル基またはエス テル基をもつ、 エチレン系不飽和結合を有するモノ マーの付加重合 体を挙げるこ とができる。
C . 粒径は記録光の有効利用の観点から重要である。 前記ポリ マ 一およぴ希土類元素化合物を溶解して前記希土類元素がイオンと し て存在する溶液を調製し、 該溶液を前記 2成分の貧溶媒中に注入し て微粒子を製造する再沈法を利用するこ と によ り粒径 5 n mの前記 希土類元素のイオンが均一に分散した粒子を得る こ とができる。
D . 記録材料の製造法
前記光メモ リ ー材料の製造には、 ポリ マーの主鎖または側鎖に力 ルポ二ル基をもつポリ マーに対して i i O重量%の希土類塩を配 合し、前記ポリ マーを 0. 1 〜 1 5重量%の濃度で溶媒、好ま しく は、 前記希土類塩を溶液中でイオンと して存在させるために極性溶媒、 に溶解したポリ マー溶液を、 ポリ マー膜の形成手段と しては公知の、 ス ピンコーティ ング、 ディ ップコーティ ング、 キャスティ ングなど を適用 して、 希土類塩含有ポリ マー膜とするか、 或いは、 前記ポリ マー溶液を、 脂肪族系溶剤 (デカ リ ン、 へキサン) 脂環式系溶剤 (シ ク ロへキサン) 、 芳香族系溶剤 (ベンゼン、 トルエン) 、 C S 2及び これらの 2種以上の混合物から選択され、 温度を一 2 0 °C〜 6 0 °C
に制御した貧溶媒に注入するこ とによ り粒径が 5 n m〜 1 0 0 0 0 n mであるポリ マー微粒子を生成させ、 得られたポリ マー微粒子分 散用液を、 前記ポリ マー膜の形成手段と同様の手段を適用 して、 あ るいは電着によ り希土類塩含有ポリ マ一微粒子膜を作製する。
前記極性溶媒と しては、 アセ トン、 メチルェチルケ ト ン、 テ トラ ヒ ドロフラン、 ジォキサン、 ァセ トエ ト リル、 アルコール系 (メ タ ノール、 エタノール、 イ ソプロノヽ。ノールなど) 、 N , N —ジメチル ァセ トアミ ド、 ジメチルホルムァミ ド、 N —メチルピロ リ ドン (N M P ) などを挙げるこ とができる。
ポリ イ ミ ドをポリ マー材料とする光メモ リー材料の製造には、 ポ リイ ミ ドの前駆体であるポリ アミ ド酸 (ァ ミ ック酸と もいう。 ) を 用いて、 膜または微粒子を製造後物理的または化学的イ ミ ド化する のが好ま しい。
E . 前記製造方法によ り作成された希土類塩含有ポリ マー膜ある いは希土類塩含有ポリ マー微粒子膜には、 前記 B . に記載の力ルポ 二ル基を有するポリ マーと希土類元素イオンと酸素との配位結合状 態に対応する波長の光、 例えば波長 2 5 4 n mまたは 3 0 4 n mの 光を照射すこ とによ り前記照射光量に依存した希土類イオンの蛍光 強度が増強された室温で安定な光記録をすることができる。 また、 前記希土類塩含有ポリ マーのガラス転移点以下で熱処理を施すこ と による、 前記処理温度に対応する状態に蛍光強度を減少乃至消去す るこ とができる。
F . 好ま しく は、 前記光メモリ ー材料の製造に用いる希土類塩と しては、 E u 3 +も しく は T b 3 +の塩化物塩、 硝酸塩、 シアン化合物 などが好ま しい。 ポリ マーがポリイ ミ ド、 ポリ アク リル酸、 ポリ メ
タク リル酸メチル ( P M M A ) であることを特徴とする前記膜に前 記蛍光特性の増強を利用した多ビッ ト記録可能な材料を製造する方 法である。
前記第 2の課題に関する発明において、
2— A . 本発明において、 前記機能性付与成分を配合したポリア ミ ド酸微粒子を形成する再沈法では、 ポリ アミ ド酸溶液中に前記機 能性付与成分である希土類元素イオン又は遷移金属イオンを生成す る化合物、 又は色素を配合した (前記配合化合物類を代表した表現 と して、 機能性付与成分という表現を使用する場合がある。 ) 溶液 を貧溶媒に注入する溶液と して用いる点を除いて、 既に確立されて いる再沈法によ り微粒子、 特にポリイ ミ ドの微粒子を製造する方法 を適用できる。 再沈法の工程図 1 に示すとおりであり、 A、 B工程 で、 貧溶媒 1 中に、 所定量、 例えば 0 . :!〜 1 0重量% ( w t % ) の機能性付与成分を含有するポリアミ ド酸の溶液 3 を注入し、 再沈 法によ り所定量の前記機能性付与成分を含有したポリ アミ ド酸微粒 子を得る。 溶液 3を注入する際の貧溶媒を撹拌する撹拌子 2の撹拌 条件は、 スケールによ り至適条件を確立する必要があるが、 ビ一力 一スケールにおいては、 1 0 0〜 3 0 0 0 r p mで行う ことが好ま しい。 また、 作製した機能性付与成分を含有する複合微粒子の分散 向上のため、 注入する溶液にポリアク リル酸エステル系の中性高分 子界面活性剤 (アタ リディ ック : 大日本インキ製) を 0 , 1重量% 含有させることができる。 次いで C工程で無水酢酸ノピリ ジン混合 溶媒 5 を添加し、 撹拌下、 スケールにもよるがビーカースケールに おいては、 1 0 0〜 3 0 0 0 r p m、 で化学イ ミ ド化して、 前記機 能性付与物質を含有するポリイ ミ ド微粒子分散液 6 とする。 イ ミ ド
化工程は熱ィ ミ ド化と しても良いし、 前記化学ィ ミ ド化、 例えば無 水酢酸—ピリ ジン混合溶媒を用いる化学イ ミ ド化を施した後、 熱ィ ミ ド化を行っても良い。
2— B . ポリ アミ ド酸 (ポリ アミ ック酸と もい う。 ) の溶剤と し ては、 再沈法に用いるポリ アミ ド酸及ぴ前記溶液に加える機能性付 与物質などに対する貧溶媒であり 、 前記ポリ アミ ド酸の溶媒と相溶 性を有す'るものであれば汎用の有機溶媒を使用できる。 これらのも のと して、 アセ トン、 ク ロ口ホルム、 メチルェチルケ トン、 テ トラ ヒ ドロフラン、 ジォキサン、 ァセ トニ ト リ ル、 アルコール系 (メ タ ノール、 エタノール、 イ ソプロノ、。ノールなど) 、 N, N -ジメチルァ セ トア ミ ド、 ジメチルホルムア ミ ド、 N -メチルピロ リ ドン (N M P ) などを挙げるこ とができるが、 極性のアミ ド系溶媒である前記 N , N -ジメチルァセ トア ミ ド、 N M P、 ジメチルホルムアミ ドが好ま し レゝ
ポリ アミ ド酸の溶液濃度は生成する粒子'サイズに影響する大きな ファク ターである。 特にポリ アミ ド酸の分子量が大きいほど溶液濃 度の粒子サイズに対する影響は大きい。 ポリ アミ ド酸の濃度は 0 . :! 〜 1 5 . 0重量%程度が良く 、 分子量が大きい場合には約 0 . 5 重量%が好ま しい。 また、 4 . 0重量%と濃度が濃く なる と、 前記 希土類イオン生成化合物を配合して得られる蛍光特性などを有する 複合微粒子においては、 凝集する傾向があった。
2 — C . 再沈法に使用される、 前記ポリ アミ ド酸の溶媒と相溶性 を持ち前記ポリ アミ ド酸の貧溶媒と しては、 へキサン (脂肪族系) 、 デカ リ ン、 シク ロへキサン (脂環式系) 、 ベンゼン、 トルエン (芳 香族系) 、 水、 アルコール系、 二硫化炭素、 またはこれらの 2種以
上の混合溶媒を利用できるが、 脂環式系溶媒及びこれと二硫化炭素 の混合溶媒が好ま しい。
2 - D . 貧溶媒の温度は、 室温程度の条件で十分であるが、 温度 条件を制御するこ と によ り 、 生成する微粒子の粒径を制御でき、 所 望の粒径の蛍光特性などを有するポリ アミ ド酸複合微粒子を製造す るこ とが可能である。 ただ、 3 0 °Cよ り低い温度の場合、 蛍光特性 などを有するポリ ア ミ ド酸複合微粒子の粒径が大き く なる傾向にあ り 、 最大で 1 0 0 0 O n mの蛍光特性などを有するポリ アミ ド酸複 合微粒子が生成した。
2 - E . 本発明でポリイ ミ ド微粒子を形成するのに使用される、 前記ポリィ ミ ドを形成するテ トラカルボン酸またはその二無水物と しては、 3, 3 ' — 4, 4 ' —ベンゾフエノ ンテ トラカルボン酸 ( B T D A) 、 3, 3, 一 4 , 4 ' 一 テ トラ力ルポキシビフエニル、 2, 2 - ( 3, 4 —ジカノレポキシフエ -ル) 一 1 , 1 , 1 , 3 , 3, 3 一へキサフルォロプロパン、 およびこれらの二無水物を例示できる。
また、 前記テ トラカルボン酸またはその二無水物と反応してポリ イ ミ ド前駆体のイ ミ ド酸を形成し、 その後のイ ミ ド化などでポリ ィ ミ ドを形成するジァ ミ ンと しては、 4 , 4 ' ージアミ ノジフエニル ェ一テノレ、 4, 4 , 一ビス ( 4—アミ ノ フエノキシ) ビフエ二ノレ、 1 , 4 —ビス ( 4—アミ ノ フエノキシ) ベンゼン、 1 , 3 —ビス ( 4 —アミ ノ フエノキシ) ベンゼン、 1 , 4 ージァミ ノベンゼン、 4 , 4 ' ーメチレンビス (メチ /レシク ロへキシノレアミ ン) 、 4, 4 , 一 メチレンビス (ェチルシク ロへキシルァミ ン) などを挙げるこ とが できる。
ポリ イ ミ ドの分子量は、 基本的には、 前記機能性付与物質によ り
得られるポリイ ミ ド複合微粒子の用途との関連で適宜選択できるが- 所望の粒径の微粒子を安定的に製造するためには、 平均分子量 (重 量) カ 8 0 0 0〜 2 2 0 0 0 0の範囲にあることが好ま しい。
F . 機能性付与化合物と しては、 希土類元素、 好ましく はランタノ ィ ド系の元素、 より好ましく は原子番号 5 8〜 7 0までの元素の化 合物、 遷移金属の化合物、 及ぴキナタ リ ドン、 チタ -ルフタロシア ニンなどの有機染料 (顔料) を挙げるこ とができ る。 実施例
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明する。 これは本発明の 有用性を更に明確にすることを意図するものであって、 本発明を限 定するものではない。 実施例 1 ;
2 , 2 — ( 3, 4 —ジカノレボキシフエ二ノレ) 一 1 , 1 , 1, 3 , 3, 3 —へキサフルォロプロパン二無水物と 4, 4 —ジアミ ノ ジフ ェニルエーテルの重合によ り得られたポリ アミ ド酸 (平均分子量 :
1 2 2 9 5 5 ) を、 濃度 0. 7重量%になるよ うにァセ トンに溶解さ せた。 これに前記溶解させたポリ アミ ド酸に対して E u 3 +の配合量 が 1重量%、 5重量%、 1 0重量%ノポリ アミ ド酸となるよ う に E u ( N O 3 ) 3を添加して、 ポリアミ ド酸一 E u ( N O 3 ) 3のァセ ト ン溶液を調製した。 次いで前記溶液 0. 0 1 mlを 2 0 X I O mniの石 英板上にキャスティ ング、 3 0 0 0 r p mでス ピンコーティ ングま たはディ ップコーティ ングの後、 乾燥することによ り E u 3 +含有ポ リアミ ド膜を作製した。 これを 3 5 0 °Cで 2時間保持して熱ィ ミ ド 化を完了させ E u 3 +含有ポリイ ミ ド膜を得た。 前記作製した
E u 3 +含有ポリイ ミ ド膜の光記録特性を調べるために、 U Vランプ を用いて 6 Wの波長 2 5 4 n m光を照射すると、 その照射時間の増 加に伴い E u 3 +に帰属される蛍光強度が増強した。 結果を図 1 に示 す。 飽和強度は 5重量。/。の E u 3 +含有ポリイ ミ ド微粒子が最も大き く 、 U Vランプ照射前と比べて約 4 0 0倍となった。 蛍光強度が飽 和した E u 3 +含有ポリィ ミ ド微粒子膜に 5分間の熱処理を施すと、 熱処理温度の上昇に伴い蛍光強度ほ減少して、 2 0 0 で完全に消 滅した。 結果を図 2 に示す。 蛍光の消去後さ らに U V光を照射する と蛍光強度は増強した。 結果を図 3 に示す。
このことから、 前記 E u 3 +含有ポリイ ミ ド微粒子膜が、 書き込み 一再生可能な光メ モ リ ー材料と して有用であるこ とが分かった。 実施例 2 ;
2 , 2— ( 3 , 4 —ジカルボキシフエニル) 一 1, 1, 1 , 3 , 3 , 3 —へキサフルォロプロパン二無水物と 4 , 4ージアミ ノジフ ェ -ルエーテルの重合によ り得られたポリ アミ ド酸 (平均分子量 : 1 2 2 9 5 5 ) を、 濃度 0. 7重量%になるよ うに NM Pに溶解させ た。 これに前記溶解させたポリアミ ド酸に対する T b 3 +の配合量が 5質量% /ポリ アミ ド酸となるよ う に T b ( N O 3 ) 3を添加して、 ポリアミ ド酸— T b (N O 3 ) 3の NM P溶液を調製した。 次いで前 記溶液 0. 0 1 mlを 2 0 X 1 O mmの石英板上にキャスティング、 3 0 0 0 r p mでス ピンコーティングまたはディップコーティ ングの 後、 乾燥することによ り T b 3 +含有ポリアミ ド膜を作製した。 これ を 3 5 0でで 2時間保持する熱イ ミ ド化を行った後、 U Vランプを 用いて 6 Wの波長 2 5 4 n m光を照射すると、 その照射時間の増加 に伴い T b 3 +に帰属される蛍光強度が増強し、 約 1 5時間で飽和し
た。 結果を図 4に示す。 蛍光強度が飽和した T b 3 +含有ポリイ ミ ド 微粒子膜に 5分間の熱処理を施すと、 熱処理温度の上昇に伴い蛍光 強度は減少して、 2 0 0 °Cで完全に消滅した。 蛍光の消去後さ らに UV光を照射すると蛍光強度は増強した。
このことから、 前記 T b 3 +含有ポリイ ミ ド微粒子膜が、 書き込み —再生可能な光メモリ一材料と して有用であることが分かった。 実施例 3 ;
2, 2— ( 3 , 4 —ジカルボキシフエニル) 一 1 , 1 , 1, 3, 3 , 3 —へキサフルォロプロパン二無水物と 4 , 4 ージアミ ノ ジフ ェ二ルエーテルの重合によ り得られたポリ アミ ド酸 (平均分子量 : 1 2 2 9 5 5 ) を、 濃度 0. 7重量%になるよ うにァセ トンに溶解さ せた。 これに前記溶解させたポリ アミ ド酸に対する E u 3 +の配合量 が 5質量%Zポリアミ ド酸となるよ うに E u (N 03) 3を添加して、 ポリアミ ド酸一 E u (N O 3 ) 3のアセ トン溶液を調製した。 次いで 前記溶液 0. 0 1 mlを 2 0 X 1 O mmの石英板上にキャスティ ング、 3 0 0 0 r p mでスピンコーティングまたはディ ップコーティ ング の後、 乾燥することによ.り E u 3 +含有ポリ アミ ド膜を作製した。 こ れを 3 5 0 °Cで 2時間保持して熱イ ミ ド化を完了させ E u 3 +含有 ポリイ ミ ド膜を得た。 前記作製した E u 3 +含有ポリイ ミ I ^膜の光記 録特性を調べるために、 U Vランプを用いて 6 Wの波長 3 0 4 n m 光を照射すると、 その照射時間の増加に伴い E u 3 +に帰属される蛍 光強度が増強し、 約 2 4時間で蛍光強度が飽和した E u 3 +含有ポリ イ ミ ド膜に 5分間の熱処理を施すと、 熱処理温度の上昇に伴い蛍光 強度は減少して、 2 0 0 °Cで完全に消滅した。 蛍光の消去後さ らに UV光を照射すると蛍光強度は増強した。
このことから、 前記 E u 3 +含有ポリイ ミ ド膜が、 書き込み一再生 可能な光メモ リ ー材料と して有用であることが分かった。
実施例 4 ;
3 , 3, , 4 , 4 ' ーテ トラカルボキシビフエエルニ無水物と 1 , 4ージァミノベンゼンの重合により得られたポリ アミ ド酸を、 镌度 1重量%になるよ う に NM Pに溶解させた。 これに前記溶解させた ポリアミ ド酸に対する E u 3 +又は T b 3 +又は S m3 +又は E r 3 + の配合量が 5質量% /ポリ アミ ド酸となるよ.うに E u (N O 3 ) 3又 は T b ( N O 3 ) 3又は S m ( N O 3 ) 3又は E r ( N O 3 ) 3を添加 して、 ポリアミ ド酸一 E u (N O 3 ) 3、 ポリ アミ ド酸一 T b (N O 3 ) 3、 ポリ アミ ド酸— S m (N 03) 3、 及びポリ アミ ド酸— E r (N O 3 ) 3の溶液を調製した。 前記溶液 0. 0 1 mlを 2 0 X 1 O mmの 石英板上にキャスティ ング、 3 0 0 0 r p inでス ピンコ ーティ ング またはディップコーティングの後、 乾燥することによ り E u 3 +含有 ポリアミ ド酸膜を得た。 前記作製した E u 3 +含有ポリアミ ド膜の光 記録特性を調べるために U Vランプを用いて 6 Wの波長 2 5 4 n m 光を照射すると、 その照射時間の増加に伴い E u 3 +に帰属される蛍 光強度が増強し、 約 3時間で蛍光強度が飽和した。 E u 3 +含有ポリ アミ ド膜の結果を図 5 に示す。 蛍光強度が飽和した E u 3 +含有ポリ アミ ド酸膜に 2 0 0 °Cで 5分間の熱処理を施すと、完全に消滅した。 蛍光の消去後さらに U V光を照射すると蛍光強度は増強した。 T b 3 +又は S m 3 +又は E r 3 +を含有ポリアミ ド膜においても E u 3 +の 場合と同様の特性が発現した。
実施例 5 ;
ポリ アク リル酸 (分子量 : 4 5 0 0 0 0 ) を、 濃度 1重量%とな
るよ う に NM Pに溶解させた。 これに前記溶解させたポリ ァク リル 酸に対する E u 3 +の配合量が 5重量%7ポリ アク リル酸となるよ う に E u (N O 3 ) 3を加えポリ アク リル酸一 E u ( N O 3 ) 3溶液を 調製した。 前記溶液 0. 0 1 m l を 2 0 X 1 O mmの石英板上にキヤ スティ ング、 3 0 0 0 r p mでス ピンコーティ ングまたはディ ップ コーティ ングの後、 乾燥するこ と によ り E u 3 +含有ポリ アク リル酸 膜を作製した。 前記作製した E u 3 +含有ポリ アク リル酸膜の光記録 特性を調べるために UVランプを用いて 6 Wの波長 2 5 4 n m光を 照射する と、 その照射時間の増加に伴い E u 3 +に帰属される蛍光強 度が増強し、約 2 4時間で蛍光強度が飽和した。結果を図 6 に示す。 蛍光強度が飽和した E u 3 +含有ポリ イ ミ ド膜に 5分間の熱処理を 施すと、 熱処理温度の上昇に伴い蛍光強度は減少して、 1 4 0 で 完全に消滅した。 蛍光の消去後さ らに U V光を照射する と蛍光強度 は増強した。
実施例 6 ;
ポリ メ タク リル酸メチル ( P MMA) (分子量 : 3 5 0 0 0 0 ) を、 濃度 1重量%になるよ う に NM Pに溶解させた。 これに前記溶 解させたポリ メ タク リル酸メチルに対して E u 3十の配合量が 5重 量%7 P MM Aとなるよ う に溶液を調製した。 次いで前記溶液 0. 0 1 m l を 2 0 X 1 O mmの石英板上にキャスティ ング、 3 0 0 0 r p mでス ピンコーティ ングまたはディ ップコーティ ングの後、 乾 燥するこ とによ り E u 3 +含有 P MMA膜を作製した。 前記作製した E u 3 +含有 PMMA膜の光記録特性を調べるために U Vランプを 用いて 6 Wの波長 2 5 4 n m光を照射する と、 その照射時間の増加 に伴い E u 3 +に帰属される蛍光強度が增強し、 約 2 4時間で蛍光強
度が飽和した。 蛍光強度が飽和した E u 3 +含有 P MMA膜に 5分間 の熱処理を施すと、 熱処理温度の上昇に伴い蛍光強度は減少して、 1 6 0 °Cで完全に消滅した。 蛍光の消去後さ らに U V光を照射する と蛍光強度は増強した。
実施例 7 ; ' ポリ アタ リル酸 (平均分子量 : 4 5 0 0 0 0 ) を、 濃度 1重量% になるよ うに N M Pに溶解させた。 これに前記溶解させたポリ ァク リル酸に対する E u 3 +の配合量が 5重量% /ポリ アク リル酸とな るよ う に E u (N O 3 ) 3を加えポリ アク リル酸一 E u (N O 3 ) 3 溶液を調製した。 前記溶液 0. 1 m l を室温下、 1 5 0 0 r p mの撹 拌条件下で、 マイク ロシリ ンジを用いて、 1 0 m l のシク ロへキサ ン (アタ リディ ック : 0. 1重量%含有) に注入するこ とで E u 3 + 含有ポリ アク リル酸微粒子を得た。 走査電子顕微鏡 ( S EM) で観 察した結果を図 7 に示す。 前記 E u 3 +含有ポリ アク リ ル酸微粒子を キャス ト法によ り または電着 (分散液の微粒子濃度 : 0 . 1 〜 1重 量0 /0、 印加電圧 : 1 0〜 : L O O O VZ c m—つ によ り膜をまた、 乾 燥した微粒子 0. 2 g を直径 3 mmの成形器に入れプレスするこ と によ りパルク成形体を作製した。 次いで前記作製した膜の光記録特 性を調べるために、 前記 E u 3 +含有ポリ アク リル酸膜に U Vランプ を用いて 6 Wの波長 2 5 4 n m光を照射する と、 その照射時間の増 加に伴い E u 3 +に帰属される蛍光強度が増強し、 約 2 4時間で蛍光 強度が飽和した。 蛍光強度が飽和した E u 3 +含有ポリイ ミ ド膜に 5 分間の熱処理を施すと、 熱処理温度の上昇に伴い蛍光強度は減少し て、 1 4 0 °Cで完全に消滅した。 蛍光の消去後さ らに U V光を照射 する と蛍光強度は増強した。
実施例 8 ;
2 , 2— ( 3 , 4 —ジカノレポキシフエ二ノレ) 一 1 , 1, 1, 3 , 3 , 3 _へキサフルォロプロパン二無水物と 4, 4ージァ ミ ノ ジブ ェエルエーテルの重合によ り得られたポリ アミ ド酸 (平均分子量 : 1 2 2 9 5 5 ) をァセ ト ンに溶解させ 0. 7重量%のポリ アミ ド酸ー ァセ トン溶液を調製した。 前記ポリ ア ミ ド酸一ァセ ト ン溶液中のポ リ アミ ド酸に対して E u 3 +の配合量が 5質量% /ポリ アミ ド酸と なるよ う に E u ( N O 3 ) 3を添加して、 ポリ アミ ド酸一 E u (N O 3 ) 3の溶液を調製した。 次いで、 前記ポリ アミ ド酸ー E u (N O 3 ) 3の溶液 0. 1 mlを、 マイク ロシリ ンジを用いて、 1 5 0 0 r p mで 撹拌した室温下の 1 0 m 1 のシク ロへキサン (前記ァク リ ディ ッ ク : 0. 1重量%含有) に注入し、 E u 3 +含有ポリ アミ ド酸微粒子 分散液を作製した。
前記 E u 3 +含有ポリ ア ミ ド酸微粒子分散液にピリ ジン Z無水酢 酸のモル比が 1ノ 1 の混合溶液 0. 1 m Lを撹拌下加えて、 約 2時間 保持して化学ィ ミ ド化をが完了し、 E u 3 +含有ポリ イ ミ ド微粒子を 得た。 得られた E u 3 +含有ポリ イ ミ ド微粒子を走査電子顕微鏡 ( S EM) で観察した。 結果を図 9 に示す。 得られた E u 3 +含有ポリ ィ ミ ド微粒子に励起波長 2 8 O n mの紫外線を照射する と、 図 1 0 に 示す蛍光スぺク トルが得られた。
実施例 9 ;
2 , 2 - ( 3 , 4 —ジカルボキシフエニル) 一 1 , 1 , 1 , 3 , 3 , 3 —へキサフルォロプロパン二無水物と 4, 4 ージア ミ ノ ジフ ェ -ルエーテルの重合によ り得られたポリ アミ ド酸 (平均分子量 : 1 2 2 9 5 5 ) をァセ ト ンに溶解させ 0. 7重量0 /0のポリ アミ ド酸一
アセ ト ン溶液を調製した。 前記ポリ アミ ド酸ーアセ ト ン溶液中のポ リ ア ミ ド酸に対して T b 3 + ( a ) 、 又は C e 3 + ( b ) の配合量が 5 質量% /ポリ アミ ド酸となるよ う に T b (N O 3 ) 3又は C e (N O 3 ) 3を添加してポリ アミ ド酸一 T b 3 + ( a ) 、 又は C e 3 + ( b ) の溶液を調製した。 前記ポリ アミ ド酸ー T b 3 + ( a ) 、 又は C e 3 + ( b ) の溶液 0. 1 mlを、 マイク ロシリ ンジを用いて、 1 5 0 0 r p mで撹拌した室温下の 1 O m 1 のシク ロへキサン (前記ァク リデ イ ツク : 0. 1 重量%含有) に注入し T b 3 +又は C e 3 +含有ポリ ァ ミ ド酸微粒子分散液を作製した。
前記 T b 3 +又は C e 3 +含有ポリ ア ミ ド酸微粒子分散液にピリ ジ ン 無水酢酸のモル比が 1 ノ 1 の混合溶液 0. 1 m Lを撹拌下加え て、 約 2時間保持して化学イ ミ ド化を完了し、 T b 3 +または C e 3 +含有ポリ イ ミ ド微粒子が得られた。 得られた T b 3 +または C e 3 + 含有ポリイ ミ ド微粒子に励起波長 2 8 O n mの紫外線を照射する と 図 1 1 に示す蛍光スぺク トルが得られた。
実施例 1 0 ;
2, 2 — ( 3, 4—ジカルボキシフエエル) 一 1 , 1 , 1 , 3 , 3 , 3 —へキサフルォロプロパン二無水物と 4 , 4—ジアミ ノジフエ二 ルエーテルの重合によ り得られたポリ アミ ド酸 (平均分子量 : 1 2
2 9 5 5 ) を NM Pに溶解させ 0. 7重量 °/0のポリ アミ ド酸 _ NM P 溶液を調製した。 前記ポリ アミ ド酸ー NM P溶液中のポリ アミ ド酸 に対して E u 3 +の配合量が 1重量% ( a ) 、 5質量% ( b ) 、 1 0 重量% ( c ) Zポリ アミ ド酸となるよ う に E u (N O 3 ) 3を添加し てポリ アミ ド酸— E u (N O 3 ) 3溶液を調製した。 前記ポリ アミ ド 酸一 E u (N 03 ) 3溶液 0. 1 mlを、 マイク ロシリ ンジを用いて、
1 5 0 0 r p mで撹拌した室温下の 1 O m 1 のシク ロへキサン (前 記アタ リディ ック : 0. 1重量%含有) に注入し、 前記各濃度の E u 3 +含有ポリ アミ ド酸微粒子分散液を作製した。
前記 E u 3 +含有ポリ ア ミ ド酸微粒子分散液にピリ ジン Z無水酢 酸のモル比が 1 / 1 の混合溶液 0. 1 m Lを撹拌下加えて、約 2時間 保持して化学イ ミ ド化を完了し、 更に 2 7 0 °Cで 3時間保持する熱 イ ミ ド化を実施して E u 3 +含有ポリ イ ミ ド微粒子を得た。 得られた ポリイ ミ ド微粒子の粒径は E u 3 +含有量に依存せずにほぼ一定と なった。各 E u 3 +含有ポリイ ミ ド微粒子を走査電子顕微鏡( S E M) で観察した。 結果を図 1 2 に示す。 励起波長 2 8 0 n mによる蛍光 スぺク トルの測定の結果、 5重量0 /0 E u 3 +含有ポリ イ ミ ド微粒子の 蛍光強度が最も強かった。 図 1 3 に励起波長 2 8 0 n mにおける蛍 光スぺク トルを示す。
実施例 1 1 ;
2, 2 - ( 3 , 4 —ジカルボキシフエニル) 一 1, 1 , 1 , 3, 3 , 3 —へキサフルォロプロパン二無水物と 4 , 4—ジア ミ ノ ジフ ェニルエーテルの重合によ り得られたポリ アミ ド酸 (平均分子量 : 1 2 2 9 5 5 ) を NM Pに溶解させ 0. 7重量%のポリ アミ ド酸一ん M P溶液を調製した。 前記ポリ アミ ド酸ー NMP溶液中のポリ ア ミ ド酸に対するキナク リ ドン又はチタニルフタロシアニンの配合量が 1 0質量% Zポリ ア ミ ド酸となるよ う に溶液を調製した。 前記ポリ アミ ド酸一キナク リ ドン又はチタ -ルフタロシアニン溶液 0. 1 ml を、 マイ ク ロシリ ンジを用いて、 1 5 0 0 r p mで撹拌した室温下 の 1 O m l のシク ロへキサン (前記アタ リディ ック : 0. 1 重量0 /0含 有) に注入し、 キナク リ ドン又はペリ レン又はチタエルフタロ シア
ニン微粒子含有ポリ アミ ド酸微粒子分散液を作製した。
前記キナク リ ドン又はペリ レン又はチタニルフタロシア-ン微粒 子含有ポリ アミ ド酸微粒子分散液にピリ ジンノ無水酢酸のモル比が 1 Z 1 の混合溶液 0. 1 m Lを撹拌下加えて、約 2時間保持する化学 ィ ミ ド化の後、 2 7 0 °Cで 3時間保持する熱ィ ミ ド化を行った後、 キナク リ ドン又はペリ レン又はチタニルフタロシア -ン含有ポリ ィ ミ ド微粒子が得られた。 前記キナタ リ ドン含有ポリイ ミ ド微粒子を 走査電子顕微鏡 ( S EM) で観察した。 結果を図 1 4 に示す。 前記 キナタ リ ドン含有ポリイ ミ ド微粒子は赤色を呈し、 吸収スぺク トル 測定を行ったと ころ 5 0 0 n mから 6 0 0 n mの範囲に吸収が観測 された。
実施例 1 2 ; .
3 , 3, , 4 , 4 , 一テ トラカルボキシビフエニルニ無水物と 1 , 4 ージァミ ノベンゼンの重合によ り得られたポリ アミ ド酸 (平均分 子量: 9 0 0 0 0 ) を NM Pに溶解させ 0. 7重量%のポリ アミ ド酸 一 NM P溶液を調製した。 前記ポリ アミ ド酸— NM P溶液中のポリ アミ ド酸に対する E u 3 +の配合量が 5質量% /ポリ アミ ド酸とな るよ う に E u (N O 3 ) 3を添加して溶液を調製した。 前記ポリ アミ ド酸一 E u (N O 3 ) 3溶液 0. 1 mlを、 マイ ク ロシリ ンジを用いて、 1 5 0 0 r p mで撹拌した室温下の 1 0 m l のシク ロへキサン (前 記アタ リディ ック : 0. 1重量。 /0含有) に注入し、 E u 3 +含有ポリ アミ ド酸微粒子分散液を作製した。
前記 E u 3 +含有ポリ アミ ド酸微粒子分散液にピリ ジン/無水酢 酸のモル比が 1 Z 1 の混合溶液 0. 1 m Lを撹拌下加えて、約 2時間 保持する化学イ ミ ド化が完了し、 E u 3 +含有ポリ イ ミ ド微粒子が得
られた。 前記 E u 3 +含有ポリ イ ミ ド微粒子は 2 8 0 n m励起によ り 蛍光を示した。 蛍光特性は実施例 1 0の場合と差がなかった。
実施例 1 3 ;
2, 2 — ( 3 , 4 —ジカルボキシフエニル) 一 1 , 1 , 1, 3, 3, 3 —へキサフルォロプロパン二無水物と 4, 4 ージアミ ノ ジフ ェニルエーテルの重合によ り得られたポリ ア ミ ド酸 (平均分子量 : 1 2 2 9 5 5 ) を NM Pに溶解させ 0. 7重量0 /0のポリ アミ ド酸ー N M P溶液を調製した。 前記ポリ アミ ド酸— NMP溶液中のポリ アミ ド酸に対する E u 3 +の配合量が 5重量% Zポリ アミ ド酸となるよ う に E u C 1 3を添加してポリ アミ ド酸一 E u C 1 3溶液を調製し た。 前記ポリ アミ ド酸一 E u C 1 3溶液 O . l m l を、 マイ ク ロシリ ンジを用いて、 1 5 0 0 r p mで撹拌した 1 0 °C( a )、 2 5 °C( b )、 4 0 °C ( c ) の 1 0 m l のシク ロへキサン (前記アタ リ ディ ック : 0. 1重量%含有) に注入し、 E u 3 +含有ポリ アミ ド酸微粒子分散 液を作製した。 E u 3 +含有ポリ アミ ド酸微粒子の粒径は、 高温下で 作製した場合の方が微小化し 1 0 0 n m程度であった。
前記 E u 3 +含有ポリ ア ミ ド酸微粒子分散液にピリ ジン/無水酢 酸のモル比が 1 / 1 の混合溶液 O . l m l を撹拌下加えて、約 2時間 保持して化学ィ ミ ド化を完了し、前記粒径 1 0 0 n mを保った E u 3 +含有ポリ イ ミ ド微粒子を得た。 前記各 E u 3 +含有ポリイ ミ ド微粒 子を走査電子顕微鏡 ( S E M) で観察した。 結果を図 1 5 に示す。 前記各 E u 3 +含有ポリィ ミ ド微粒子は 2 8 0 n m励起によ り 蛍光 ¾:示した。
実施例 1 4 ;
2, 2 - ( 3, 4 —ジカルボキシフエニル) 一 1 , 1, 1, 3,
3 , 3 —へキサフルォロプロパン二無水物と 4 , 4 —ジアミ ノ ジフ 工ニルエーテルの重合によ り得られたポリ アミ ド酸 (分子量 : 1 2 2 9 5 5 ) を NM Pに溶解させ 0. 7重量%のポリ ア ミ ド酸一 NM P溶液を調製した。 前記ポリ アミ ド酸 _ N M P溶液中のポリ アミ ド 酸に対して 5重量%の E u 3 +となるよ う に E u ( N O 3 ) 3添加して ポリ アミ ド酸 _ E u (N O 3 ) 3溶液を調製した。 前記ポリ アミ ド酸 - E u ( N O 3 ) 3溶液 0. 1 mlを、 マイ ク ロシリ ンジを用いて、 1 0 0 0 r p mで撹拌した室温下の様々な体積分率の C S 2を加えた シク ロへキサン混合液(前記ァク リディ ック : 0. 1 重量%含有) ( 1 O m l ) に注入し、 E u 3 +含有ポリ ア ミ ド酸微粒子分散液を作製し た。 形成される E u 3 +含有ポリ アミ ド酸微粒子の粒径は、 前記 C S 2の配合量の増大に伴って小さ く なった。
前記 E u 3 +含有ポリ ア ミ ド酸微粒子分散液にピリ ジン Z無水酢 酸のモル比が 1 / 1 の混合溶液 0. 1 m Lを、 撹拌下加えて、 約 2時 間保持する化学ィ ミ ド化を施した後、 2 7 0 で 3時間保持する熱 ィ ミ ド化を行う こ と によ り 、 前記 E u 3 +含有ポリ ア ミ ド酸微粒子の 粒径を保持した、 E u 3 +含有ポリイ ミ ド微粒子が得られた。 前記 E u 3 +含有ポリィ ミ ド微粒子は 2 8 0 n m励起によ り蛍光を示した。 得られた E u 3 +含有ポリ アミ ド酸微粒子の粒径の変化による蛍 光特性の変化は認められなかった。
実施例 1 5 ;
2, 2 - ( 3 , 4 —ジカノレボキシフエ -ル) 一 1 , 1 , 1, 3 , 3, 3 —へキサフルォロプロパン二無水物と 4, 4 —ジア ミ ノ ジフ ェニルエーテルの重合によ り得られたポリ アミ ド酸 (分子量 : 1 2
2 9 5 5 ) を NM Pに溶解させ 0. 7重量%のポリ アミ ド酸一 NM
P溶液を調製した。 前記ポリアミ ド酸ー NM P溶液中のポリアミ ド 酸に対して 5重量0 /0の F e 3 +、 C u 2 +となるよ う に F e (N 03) 3 ( a ) 又は F e C l 3 ( b ) 又は C u S 04 ( c ) を添加した溶液 を調製した。 前記調製した溶液 0. l tnlを、 マイクロシリ ンジを用い て、 1 5 0 0 r p inで撹拌した室温下の 1 O m l のシクロへキサン (前記アタ リディ ック : 0. 1重量%含有) に注入し、 F e 3 +又は C u 2 +含有ポリ アミ ド酸微粒子分散液を作製した。
前記 F e 3 +又は C u 2 +含有ポリアミ ド酸微粒子分散液にピリ ジ ン /無水酢酸のモル比が 1 / 1の混合溶液 0. 1 m Lを、撹拌下加え て、 約 2時間保持する化学イ ミ ド化を施した後、 2 7 0 °Cで 3時間 保持する熱イ ミ ド化を行う ことによ り、 F e 3 +は C u 2 +含有ポリィ ミ ド微粒子が得られた。前記 F e 3 +は C u 2 +含有ポリイ ミ ド微粒子 を走査電子顕微鏡 ( S EM) で観察した。 結果を図 1 6に示す。 F e 3 +を含有するポリイ ミ ド微粒子は茶色に着色、 C u 2 +を含有す るポリイ ミ ド微粒子は水色に着色された。 また、 全て常磁性を示し た。 産業上の利用可能性
前記第 1 の課題に関する発明のよ うに前記希土類元素イオン含有 ポリマー材料は照射光量に対応して蛍光強度が増強し、 その蛍光強 度が室温条件において安定に維持されることから、 光記録材料と し て利用可能である。 更に、 照射光量の閾値を区切った多重の記録も 可能であるから記録密度の高い光記録材料とすることができる。 ま た、 前記光記録は、 加熱などの手段によ り初期状態に回復可能であ ることから、書き換え可能な記録材料と して利用可能である。また、
前記第 2の課題に関する発明の製造方法によれば、 希土類元素ィォ ンを生成する化合物を用いた場合には、 蛍光特性を示す粒径 5 n m 〜 1 0 0 0 0 n mのポリイ ミ ド微粒子が、 遷移金属イオンを生成す る化合物を用いた場合には、 磁性特性などを示す粒径 5 η π!〜 1 0 O O O n mのポリイ ミ ド微粒子が、 また、 有機色素を配合物質と し た場合には、 着色された、 又は非線形特性を示す粒径 5 n m〜 1 0 0 0 0 n mのポリイ ミ ド微粒子が容易に得られる。 これらの微粒子 はポリイ ミ ドとの複合材料であるので、 耐熱性を持つ有用な微粒子 材料を提供できる。