明 細 書 偏心チ ャ ッ ク 技術分野 本発明は、 切削加工等を施す被加工物を、 工作機械の主軸に取付けるためのチ ャ ッ ク機構に係り、 特に被加工物を主軸の回転中心軸に対し偏心して支持する こ とができる偏心チヤ ッ クに関する ものである。 背景技術 従来より、 工作機械の主軸に取付けられ、 切削加工等を施すための被加ェ物 (ワーク) を支持するためのチャ ッ ク手段と して、 主軸の回転中心軸に対するチ ャ ッ ク位置の偏心量を可変とする こ とができるように した偏心チヤ ッ クが知られ ている。
この種の偏心チャ ッ ク と して、 例えばク ラ ン ク軸の偏心部分を加工する場合等 において、 ワークを偏心して把持する必要があり、 この様な場合において、 従来 の 3つ爪パワーチャ ッ クを改良したチャ ッ ク装置が提案されている (特許文献 1 参照) 。
前記特許文献 1 に記載のチャ ッ ク装置は、 チャ ッ クボディ の全面に、 互いに 1 2 0 ° の間隔をもって 3個のマスタージ ヨ ウを、 それぞれ半径方向に摺動自在に 装設すると共に、 各マスタ一ジ ヨ ウにワーク把持用の ト ッ プジ ヨ ウをそれぞれ装 着し、 チャ ッ クボディ に内蔵させた駆動機構によって、 前記マスタ一ジ ヨ ウを 卜 ッ プジ ヨ ウと共に一斉に接近ないし離反する方向に同一量移動させるパワーチ ヤ ッ クにおいて、 前記 ト ップジ ヨ ウを 「支持 ffl部材と把持用部材の 2層構造」 に形 成し、 そのう ち 1 個の ト ップジ ヨ ウの "把持用部材に形成したワーク把持面" と . 残りの 2個の ト ップジ ヨ ウの "把持用部材に形成したワーク把持面" との寸法形 態を異ならせると共に、 前記 2個の ト ッ プジ ヨ ウの "把持用部材" を裏返し可能
に保持するように、 それぞれ前記 "支持用部材" に取付けるように構成したもの である。 すなわち、 このよ うに構成したチャ ッ ク装置は、 前記前記 2個の ト ップ ジ ヨ ウの "把持 ffl部材" を裏返しにして取付ける こ とにより、 ワー クを偏心して 保持することができ るよ うに したものである。
一方、 従来のク ラ ンプチャ ッ クは、 冽えば被把持部が角形状や、 非対称等の形 状を有する異形ワークをクラ ンプするこ とが困難であったこ とから、 これらの異 形ワークを確実にク ラ ンプする こ とができ るよ うに したク ラ ンプチャ ッ クが提案 されている (特許文献 2参照) 。
前記特許文献 2に記載のク ラ ンプチャ ッ クは、 チャ ッ ク本体と、 クラ ンプ爪を 有するアームと、 チヤ ッ ク本体に装着されシャ フ トを付勢してク ラ ンプ爪でヮー クをチヤ ッ ク本体の載置部に押付けるク ラ ンプ部とよりなるク ラ ンプチヤ ッ クに おいて、 「アームは回転中心幸由と偏心する位置に回転重心を有し」 、 ク ラ ンプ爪 によるワークのク ラ ンプ力を増す方向に遠心力を作用させるように構成したもの である。 なお、 このク ラ ンプチャ ッ クの実施例と して、 チャ ッ ク本体における略 L字状載置部の "水平載置面" および "垂直載置面" に、 加工対象ワークを載置 した状態で、 それぞれ直交するアームのクラ ンプ爪により前記ワークを偏心位置 に保持するように した十字クラ ンプが開示されている。
特許文献 1 特開昭 6 2 - 2 4 1 6 0 4号公報
特許文献 2 特開平 1 0— 3 0 9 7 6 2号公報
しかしながら、 前記特許文献 1 に記載のチャ ッ ク装置においては、 ワークを偏 心して保持するために、 2個の ト ッ プジ ヨ ウの "把持用部材に形成したワーク把 持面" との寸法形態を異な らせる ものである力 <、 全ての ト ップジ ヨ ウは一斉に接 近ない し離反する方向に同一量移動させるるように構成されるため、 ワークの偏 心量は一定であり、 その偏心量を任意に変更する こ とができず、 また偏心量を変 更するには、 別途 "把持用部材に形成したワーク把持面" の寸法形態を異な らせ た ト ップジ ヨ ウを、 多数準備して置く必要があり、 設備コ ス トの增大と共に作業 性も悪く なる等の難点がある。
また、 前記特許文献 2に記載のク ラ ンプチャ ッ クにおいては、 ワークを偏心し て保持するために、 チャ ッ ク本体における略 L字状載置部の "水平載置面" およ
び "垂直載置面" に、 加工対象ワークを載置した状態で、 それぞれ直交するァー ムのクラ ンプ爪により前記ワークを偏心位置に保持するように構成されるため、 ワークの偏心量は一定であり、 その偏心量を任意に変更するには、 別途加工対象 ワークを載置する "水平載置面" および "垂直載置面" の寸法位置の異なるチ ヤ ッ ク本体における略 L字状載置部を、 多数準備して置く 必要があり、 前記と同様 に設備コ ス ト の増大と共に作業性も悪く なる等の難点がある。 発明の開示 そこで、 本発明者は、 種々検討並びに試作を重ねた結果、 円筒状の外周部に半 径方向に切込みを設けてそれぞれ内方に圧縮変形可能に複数のク ラ ンプ爪を取付 けるためのク ラ ンプボスと、 前記クラ ンプボスにその中心方向にそれぞれ進退調 整自在に取付けられワークを偏心位置に保持するための複数のク ラ ンプ爪と、 前 記ク ラ ンプボスの外周に H繞配置し前記クラ ンプボスを圧接変形可能に保持する ための有端押え リ ングとを設けた偏心チャ ッ クを構成し、 この偏心チ ャ ッ クの前 記有端押えリ ングの外周を適宜工作機械に装着されたチ ヤ ッ ク部材に固定保持す るこ とにより、 クラ ンプボスに取付けた複数のク ラ ンプ爪の進退位置調整によつ て、 偏心チャ ッ ク の予め所要の偏心位置に保持したワークを、 確実に固定保持し た状態により ワークの加工を適正に行える偏心チャ ッ クを得る こ とができ る こ と を突き止めた。
すなわち、 前記構成からなる偏心チャ ッ クによれば、 クラ ンプボスに取付けた 複数のク ラ ンプ爪を、 それぞれ手動によって進退位置調整を行い、 加工対象ヮー クを所要の偏心位置へ容易に位置決め操作する ことができ、 しかもこの位置決め 後においては、 工作機械に装着されたチ ヤ ッ ク部材の動作により有端押え リ ング を介してクラ ンプボスを圧縮変形する こ とによって、 所定の偏心位置に位置決め したワークを瞬時に圧接固定して、 直ちに工作機械による加工を可能にする こ と ができる。 従って、 同一の加工対象ワークに対する連続加工を容易に実現するこ とができ ると共に、 加工対象ワークの偏心位置の変更に際しても、 容易かつ簡便 に対応する こ とができる こ とを突き止めた。
また、 ク ラ ンプ爪と して、 チャ ッ ク部材に揷通固定するためのケー シングと、 このケー シング内に回転可能に装着され轴方向に固定される クラ ンプ調整ナツ 卜 部材と、 このク ラ ンプ調整ナ ツ ト部材に進退自在に螺合する爪部材とから構成し, このよ う に構成した複数のク ラ ンプ爪を、 所要の工作機械に装着されたチ ヤ ッ ク 部材に着脱自在に固定保持するよう構成する こ とにより、 前記複数のクラ ンプ爪 によって保持されるワークを、 前記と同様に して偏心位置に保持するように構成 する こと もでき る こ とを突き止めた。
従って、 本発明の目的は、 加工対象ワークの偏心位置への位置決め操作を容易 に行う こ とができると共に、 偏心位置に位置決めしたワークを瞬時に圧接固定し て、 直ちに工作機械による加工を可能に し、 しかも同一の加工対象ワーク に対す る連続加工を容易に実現する こ とができ ると共に、 加工対象ワークの偏心位置の 変更に際しても、 容易かつ簡便に対応する こ とができ る偏心チ ヤ ッ クを提供する ことにある。
前記の目的を達成するため、 本発明の請求の範囲第 1項に記載の偏心チ ヤ ッ ク は、 円筒状の外周部に半径方向に切込みを設けてそれぞれ内方に圧縮変形可能に 複数のク ラ ンプ爪を取付けるためのクラ ンプボスと、 前記ク ラ ンプボスにその中 心方向にそれぞれ進退調整自在に取付けられワークを偏心位置に保持するための 複数のク ラ ンプ爪と、 前記ク ラ ンプボスの外周に囲繞配置し前記ク ラ ンプボスを 圧接変形可能に保持するための有端押え リ ングとからなり、 前記有端抻ぇ リ ング の外周を所要の工作機械に装着されたチ ヤ ッ ク部材に固定保持して、 前記ク ラ ン プボスに取付けた複数のク ラ ンプ爪により保持されるワークを偏心位置に保持す るよ うに構成したこ とを特徴とする。
本発明の請求の範囲第 2項に記載の偏心チャ ッ クは、 前記ク ラ ンプボスを、 可 撓性部材で一休的に構成し、 内周部を矩形に形成して各隅角部にそれぞれ切込み を設ける と共に、 各矩形面の中央部にそれぞれク ラ ンプ爪を相対向するように取 付けた構成とするこ とができ る。
本発明の請求の範匪第 3項に記載の偏心チ ヤ ッ クは、 前記複数のク ラ ンプ爪を. クラ ンプボスに対し回転可能に装着され軸方向に固定される ク ラ ンプ調整ナツ ト 部材と、 このク ラ ンプ調整ナツ ト部材に進退移動自在に螺台する爪部材とから構
成とする こ とができる。
本発明の請求の範囲第 4項に記載の偏心チ ヤ ッ クは、 前記ク ラ ンプ爪のク ラ ン プ調整ナッ ト部材を、 一端に回転操作するための ドライバー ビッ ト咴合用のビッ ト嵌合溝を中心部に設定し、 その外周に回転変位を示す目盛り表示を付設したナ ッ ト調整操作部を設けると共に、 他端にス ト ップリ ングを設けた構成とする こと ができる。
本発明の請求の範囲第 5項に記載の偏心チャ ッ クは、 前記ク ラ ンプ爪のク ラ ン プ調整ナッ ト部材を、 一端に回転操作するための ドライバ一 ビッ 卜嵌台用のビッ ト嵌合溝を中心部に設定し、 その外周に回転変位を示す目盛り表示を付設したナ ッ ト調整操作部を着脱可能に結合固定し得るように構成すると共に、 他端に外向 きフラ ンジ部を一体的に設けた構成とする こ とができる。
本発明の請求の範面第 6項に記載の倔心チャ ッ クは、 前記ク ラ ンプ爪のク ラ ン プ調整ナツ ト部材に対し、 外周部に円周溝を刻設した空転止めリ ングを固定し、 クラ ンプボスへの装着に際して前記円周溝に対して圧接固定し得る止めね じを設 けた構成とする こ とができ る。
本発明の請求の範囲第 7項に記載の偏心チ ャ ッ クは、 前記ク ラ ンプ爪の爪部材 を、 一端に前記ク ラ ンプ調整ナツ ト部材に螺合して進退移動する送りね じ部を設 けると共に、 この送りね じ部と平行に突出延在してクラ ンプボスに穿設したガイ ド孔に揷通し得るガイ ドビンを設けた構成とする こ とができる。
本発明の請求の範囲第 8項に記載の偏心チ ヤ ッ クは、 前記ク ラ ンプ爪の爪部材 に対し、 半径方向寸法を增加調整するための補助爪を着脱可能に設けた構成とす るこ とができ る。
本発明の請求の範囲第 9項に記載の偏心チ ヤ ッ クは、 前記有端押え リ ングを、 中心方向に圧縮変形可能な弹性を有する金属等の剛性体により構成する こ とがで きる。
本発明の請求の範囲第 1 0項に記載の偏心チ ヤ ッ クは、 前記有端押ぇ リ ングを. クラ ンプボスの外周部に位置する クラ ンプ爪のナッ ト調整操作端部に対応させて. ク ラ ンプ調整用開口部をそれぞれ設けると共に、 前記ク ラ ンプ調整 ffl開口部に対 しそれぞれ開口部開閉ね じを取付けた構成とする ことができる。
本発明の請求の範囲第 1 1項および第 1 2項に記載の偏心チ ヤ ッ クは、 前記ェ 作機械に装着されたチ ヤ ッ ク部材を、 複数の爪チ ヤ ッ ク とする こ とができ ると共 に、 コ レ ッ トチャ ッ ク とする こと もできる。
本発明の請求の範囲第 1 3項に記載の偏心チ ヤ ッ クは、 ワークを偏心位置に保 持するためのそれぞれ進退調整自在に構成された複数のクラ ンプ爪を、 所要のェ 作機械に装着されたチャ ッ ク部材に着脱自在に固定保持して、 前記複数のクラ ン プ爪により保持されるワークを偏心位置に保持するよう に構成したことを特徴と する。
本発明の請求の範囲第 - 1 4項に記載の偏心チャ ッ クは、 前記複数のク ラ ンプ爪 を、 チャ ッ ク部材に揷通固定するためのケーシ ングと、 このケーシ ング内に回転 可能に装着され軸方向に固定されるク ラ ンプ調整ナツ ト部材と、 この ク ラ ンプ調 整ナッ ト部材に進退自在に螺台する爪部材とから構成する こ とができる。
本発明の請求の範囲第 1 5項に記載の偏心チャ ッ クは、 前記クラ ンプ爪のク ラ ンプ調整ナツ ト部材を、 一端に回転操作するための ドライバー ビッ ト嵌合用のビ ッ ト嵌台溝を中心部に設定し、 その外周に回転変位を示す目盛り表示を付設した ナツ ト調整操作端部を設けると共に、 他端にス ト ッ プリ ングを設けた構成とする ことができ る。
本発明の請求の範囲第 1 6項に記載の偏心チ ヤ ッ クは、 前記クラ ンプ爪のク ラ ンプ調整ナッ 卜部材を、 一端に回転操作するための ドライバ一 ビッ 卜嵌合用のビ ッ ト嵌合溝を中心部に設定し、 その外周に回転変位を示す目盛り表示を付設した ナツ ト調整操作部を着脱可能に結合固定し得るよ うに構成すると共に、 他端に外 向きフ ラ ンジ部を一体的に設けた構成とする こ とができ る。
本発明の請求の範固第 ]. 7項に記載の偏心チ ヤ ッ クは、 前記ク ラ ンプ爪のク ラ ンプ調整ナッ ト部材に対し、 外周部に円周溝を刻設した空転止めリ ングを固定し. ケ一シ ングへの装着に際して前記円周溝に対して圧接固定し得る止めね じを設け た構成とする こ とができる。
本発明の請求の範囲第 1 8項に記載の偏心チ ヤ ッ クは、 前記ク ラ ンプ爪の爪部 材を、 一端に前記ク ラ ンプ調整ナツ 卜部材に螺合して進退移動する送りね じ部を 設ける と共に、 この送りね じ部と平行に突出延在してケーシ ングに穿設したガイ
ド孔に揷通し得るガイ ドビンを設けた構成とする こ とができる。
本発明の請求の範囲第 1 9項に記載の偏心チ ャ ッ クは、 前記ク ラ ンプ爪の爪部 材に対し、 半怪方向寸法を増加調整するための補助爪を着脱可能に設けた構成と する こ とができ る。
本発明の請求の範囲第 2 0項に記載の偏心チャ ッ クは、 前記ク ラ ンプ調整ナッ ト部材を装着するケー シ ングの一端に、 ク ラ ンプ調整ナ ッ ト部材のナッ 卜調整操 作端部に対する回り止め部材を着脱自在に取付けた構成とする こ とができる。 本発明の請求の範囲第 2 1項および第 2 2項に記載の偏心チャ ッ クは、 前記ェ 作機械に装着されたチャ ッ ク部材を、 複数の爪チャ ッ クからなる こ とができると 共に、 コ レ ッ トチャ ッ ク とする こ と もできる。
(発明の効果)
本発明の請求の範囲第 1項〜第 1 2項に記載の偏心チ ャ ッ クによれば、 円筒状 の外周部に半径方向に切込みを設けてそれぞれ内方に圧縮変形可能に複数のクラ ンプ爪を取付けるためのク ラ ンプボスと、 前記ク ラ ンプボスにその中心方向にそ れぞれ進退調整自在に取付けられワークを偏心位置に保持するための複数のクラ ンプ爪と、 前記ク ラ ンプボスの外周に囲繞配置し前記ク ラ ンプボスを圧接変形可 能に保持するための有端押え リ ングとからなり、 前記有端押えリ ン グの外周を所 要の工作機械に装着されたチ ャ ッ ク部材に固定保持して、 前記ク ラ ンプボスに取 付けた複数のク ラ ンプ爪により保持されたワークを偏心位置に保持するよ όに構 成する こ とにより、 加ェ対象ワー ク の偏心位置への位置決め操作を容易に行う こ とができ ると共に、 偏心位置に位置決めしたワークを瞬時に圧接固定して、 直ち にェ作機械による加ェを可能に し、 しかも同一の加ェ対象ワークに対する連続加 ェを容易に実現するこ とができ る と共に、 加ェ対象ワー クの偏心位置の変更に際 しても、 容易かつ簡便に対応する こ とができ る偏心チ ヤ ッ クを得る こ とができる , また、 本発明の請求の範 I第 1 3項〜第 2 2項に記載の偏心チ ヤ ッ クによれば. ク ラ ンプ爪と して、 チャ ッ ク部材に揷通固定するためのケーシングと、 このケー シ ング内に回転可能に装着され軸方向に固定される ク ラ ンプ調整ナツ 卜部材と、 このク ラ ンプ調整ナツ ト部材に進退自在に螺合する爪部材とから構成し、 このよ うに構成した複数のク ラ ンプ爪を、 所要の工作機械に装着されたチ ヤ ッ ク部材に
着脱自在に固定保持するよう構成するこ とによ り 、 前記複数のク ラ ンプ爪によつ て保持されるワークを、 前記と同様に して偏心位置に保持する こ とができ る と共 に、 同一の加工対象ワークに対する連続加工を容易に実現する こ とができ、 しか も加工対象ワークの偏心位置の変更に際しても、 容易かつ簡便に対応する こ とが でき る偏心チヤ ッ クを得るこ とができる。 図面の簡単な説明
第 1 図は、 本発明に係る偏心チ ヤ ッ クの一実施例を示す要部断面正面図である, 第 2図は、 第 1 図に示す偏心チヤ ッ ク を構成する クラ ンプボスの概略斜視図で ある o
第 3図は、 第 1図に示す偏心チ ヤ クを構成するクラ ンプ調整ナッ ト部材の要 部切開断面斜視図である。
第 4図は、 第】.図に示す偏心チャ クを構成する爪部材ぉよび補助爪の概略斜 視図である。
第 5図は、 第 1 図に示す偏心チャ クを構成する有端押え リ ングの概略斜視図 である。
第 6図は、 本発明に係る偏心チャ ク によるワークの偏心保持状態を示す概略 正面図である。
第 7図は、 本発明に係る偏心チャ クを適用する工作機械におけるチヤ ッ ク部 材の構成例を示すものであ っ て、 ( a ) は 3つ爪チ ャ ッ ク の概略斜視図、 ( b ) はコ レ ッ トチ ャ ッ ク の概略斜視図である。
第 8図は、 本発明に係る偏心チャ ッ クを構成する ク ラ ンプ調整ナッ ト部材の変 形例であつて、 要部を切開して示す分解斜視図である。
第 9図の ( a ) は第 8図に示すク ラ ンプ調整ナッ ト部材に適合する爪部材の斜 視図、 ( b ) は第 8図に示すク ラ ンプ調整ナッ ト部材を装着するためのク ラ ンプ ボスの斜視図である。
第 1 0図は、 第 8図に示すク ラ ンプ調整ナツ ト部材のク ラ ンプボスへの装着状 態を示す要部断面図である。
第 1 1 図は、 本発明に係る偏心チャ ッ クを構成するク ラ ンプ調整ナッ ト部材の 別の実施例を示す要部切開断面斜視図である。
第 1 2図は、 第 1 1 図に示すク ラ ンプ調整ナツ ト部材のク ラ ンプボスへの装着 状態を示す要部断面図である。
第 1 3図は、 本発明に係る偏心チ ヤ ッ クの別の実施例を^す要部断面正面図で ある。
第 1 4図は、 第 1 3図に示す偏心チャ ッ クの I X— I X線断面図である。 第 1 5図は、 第 1 3図に示す偏心チ ャ ッ ク のそれぞれ構成部品の分解斜視図で ある。
第 1 6図は、 本発明に係る偏心チ ャ ッ クによるワー クの加工例を示すものであ つて、 ( a ) は加工前のワー クの概略斜視図、 ( b ) は加工後のワー クの概略斜 視図である。
第 1. 7図は、 本発明に係る偏心チャ ッ クによる ワークの別の加ェ例を示すもの であって、 ( a ) は加工前のワークの概略斜視図、 ( b ) は加工後のワークの概 略斜視図である。
第 1 8図は、 本発明に係る偏心チ ヤ ッ クによる ワークのさ らに別の加工例を示 す加工後のワークの概略斜視図である。
(符号の説明)
1 0 ク ラ ンプボス 1 2 a〜 1 2 d 切込み
1 4 クラ ンプ爪取付け部 1 6 ガイ ド孔
2 0 a、 2 0 b、 2 0 c、 2 0 d ク ラ ンプ爪
2 2、 2 2 ' ク ラ ンプ調整ナ ッ ト部材
2 3、 2 3 ' ナ ッ ト調整操作端部
2 4、 24 ' ビッ ト嵌合溝 2 5 ス ト ッ プ リ ン グ
2 5 ' 外向きフ ラ ンジ部 2 6 爪部材
2 7 送りね じ部 2 8 a . 2 8 b ガイ ド ピン
2 9 補助爪 3 0 有端押え リ ング
3 2 ク ラ ンプ調整用開口部 34 開口部開閉ね じ
3 5 円周溝 3 6 空転止めリ ン グ
3 7 ね じ孔 38 止めねじ
4 0 a、 4 0 b、 4 0 c、 4 0 d ク ラ ンプ爪
4 2 ク ラ ンプ調整ナッ ト部材 4 3 ナッ ト調整操作端部
44 ビ ッ ト嵌合溝 4 5 ス ト ッ プ リ ン グ
46 爪部材 4 7 送りね じ部
48 a . 48 b ガイ ドピ ン 4 9 補助爪
50、 5 0 A、 5 0 B チ ャ ッ ク部材
5 2 ク ラ ンプ爪取付け孔部 54 ケー シ ング
54 a , 54 b ガイ ド孔 5 5 止めね じ
56 操作防止部材 E C— 1、 E C— 2 偏心チャ ク
W、 Wl 、 W2 、 W3 ワー ク S m 目盛り表示 発明を実施するための最良の形態 次に、 本発明に係る偏心チヤ ッ クの実施例およびその加工例につき、 それぞれ 添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
〔実施例 1〕
第 1図ないし第 5図は、 本発明に係る偏心チ ヤ ッ クのー実施例を示すものであ る。 すなわち、 第 1図は本実施例における偏心チ ャ ッ ク E C _ 1の要部断面正面 図、 第 2図は偏心チ ャ ッ ク E C— 1を構成する ク ラ ンプボスの概略斜視図、 第 3 図は偏心チャ ッ ク E C _ 1を構成するク ラ ンプ調整ナッ ト部材の概略斜視図、 第 4図は偏心チ ヤ ッ ク E C— 1を構成する爪部材の概略斜視図、 そ して図 5は偏心 チヤ ッ ク E C— 1を構成する有端押え リ ン グの概略斜視図である。
第 1図ない し第 5図において、 本実施例の偏心チャ ッ ク E C _ 1 は、 筒状の 外周部に半径方向に切込み ( 1 2 a〜 1 2 d ) を設けてそれぞれ内方に圧縮変形 可能に複数のク ラ ンプ爪 ( 2 0 a ~ 2 0 d ) を取付けるためのク ラ ンプボス 1 0 と、 前記クラ ンプボス 1 0にその中心方向にそれぞれ進退調整自在に取付けられ ワーク Wを偏心位置に保持するための複数のク ラ ンプ爪 2 0 a、 2 0 b、 2 0 c
20 d と、 前記ク ラ ンプボス 1 0の外周に囲繞配置し前記ク ラ ンプボス .1 0を圧 接変形可能に保持するための有端押え リ ング 3 0とから構成されている。
第 2図において、 ク ラ ンプボス 1 0は、 可撓性部材で一体的に構成し、 内周部 を矩形に形成して各隅角部にそれぞれ切込み 1 2 a、 1 2 b . 1 2 c、 1 2 dを 設けると共に、 各矩形面の中央部にそれぞれク ラ ンプ爪 2 0 a、 2 0 b , 20 c . 20 dを相対向するように取付けるためのクラ ンプ爪取付け部 14がそれぞれ設 けられている。
そこで、 前記複数のク ラ ンプ爪 20 a ~ 2 0 dは、 第 3図および第 4図に示す ように、 円筒状に形成し、 ク ラ ンプボス 1 0に設けたク ラ ンプ爪取付け部 1 4に 対して、 回 Ϊ可能に装着されかつ 方向に固定される クラ ンプ調整ナツ ト部材 2 2と、 このク ラ ンプ調整ナツ ト部材 2 2にそれぞれ進退移動自在に螺合する爪部 材 26とから構成される。
そ して、 第 3図に示すように、 前記クラ ンプ爪 2 0 a〜 2 0 dのクラ ンプ調整 ナツ 卜部材 2 2は、 一端に回転操作するための ドラ イバ一 ビッ ト嵌台用のビッ 卜 嵌合溝 24を中心部に設定し、 その外周に回転変位を示す目盛り表示 S mを付設 したナ ツ ト調整操作端部 23を設けると共に、 他端にク ラ ンプ調整ナッ ト部材 2 2の位置固定ないし爪部材 26のス ト ツ プ位置の設定を行うためのス 卜 ップリ ン グ 2 5を設けた構成からなる。
これに対し、 第 4図に示すように、 前記複数のク ラ ンプ爪 2 0 a〜 2 0 dの爪 部材 26は、 一端に前記ク ラ ンプ調整ナッ ト部材 2 2に螺合して爪部材 26を進 退移動する送りね じ部 2 7を設けると共に、 この送りね じ部 2 7と平行に突出延 在してクラ ンプボス 1 0に穿設したガイ ド孔 1 6 (第 2図参照) に揷通し得るガ ィ ドビン 28 a、 28 bを設けた構成からなる。 なお、 この場合、 前記爪部材 2 6に対し、 半径方向寸法を増加調整するための補助爪 2 9を着脱可能に設けるこ とができる (第 4図参照 ) 。
前述した目盛り表示 S mの設定に際しては、 ナツ ト調整操作端部 2 3の 1回転 による送りね じ部 2 7の移動距離を、 例えば 0. 5〜 5. 0 rn mに設定した場合. 1 0〜 50等分の目盛り表示を付すことにより、 それぞれ 1ノ 1 0〜 1 5 0の 単位で精密な移動調整を行う ことが可能となる。
そ して、 第 5図に示すように、 前記有端押え リ ング 3 0は、 中心方向に圧縮変 形可能な弾性を有する金厲等の剛性体により構成し、 ク ラ ンプポス 1 0の外周部 に位置するク ラ ンプ爪 2 0 a ~ 2 0 dのナツ ト調整操作端部 2 3にそれぞれ対応 させて、 クラ ンプ調整用開口部 3 2をそれぞれ設けると共に、 前記クラ ンプ調整 用開口部 3 2に対しそれぞれ開口部開閉ね じ 3 4を取付けた構成とする。
次に、 前記構成からなる本実施例に係る偏心チ ヤ ッ ク の機能動作と して、 加ェ 対象ワーク Wを偏心位置に保持する場合について、 第 6図を参照して説明する。 第 6図に示すように、 ワーク Wを偏心位置に保持するに際しては、 まずク ラ ンプ ボス 1 0 に取付けた複数のク ラ ンプ爪 2 0 a ~ 2 0 dの各ク ラ ンプ調整ナツ ト部 材 2 2のナツ ト調整操作端部 2 3を、 ドライバ一 ビッ ト等を使用 して、 それぞれ 手動操作により所定の方向に回動する こ とによって、 爪部材 2 6を進退移動させ て、 ワーク Wの位置決めを行う。
なお、 前記ワー ク Wの位置決めに際して、 前記ナツ ト調整操作端部 2 3に回転 変位を示す目盛り表示 S mを付設してある場合には、 前記ナツ ト調整操作端部 2 3の 1 回転変位において、 爪部材 2 6が予め設定された一定の距離寸法を移動す るよ うに設定しておけば、 ワーク Wの着脱作業に伴う前記ク ラ ンプ爪 2 0 a 〜 2 0 d の位置設定を、 前記目盛り表示 S mを利用 して、 前記ナッ ト調整操作端部 2 3により円滑かつ適正に行う こ とができる。
前記ク ラ ンプ爪 2 0 a 〜 2 0 d の各ク ラ ンプ調整ナ ツ ト部材 2 2のナ ツ ト調整 操作端部 2 3を操作するに際しては、 前記ク ラ ンプボス 1 0を囲繞保持する有端 押え リ ング 3 0 に設けたク ラ ンプ調整用開口部 3 2の開口部開閉ね じ 3 4を取外 して、 前記ク ラ ンプ調整用開口部 3 2を開口 して操作する こ とができる。 また、 ワーク Wの位置決めに際しては、 ワーク Wに対する各クラ ンプ爪 2 0 a ~ 2 0 d の爪部材 2 6の接触当接を、 ワーク Wが抜き差し可能となる程度に設定する。 さ らに、 図示しないが、 前記クラ ンプボス 1 0には、 ワーク Wの抜き差しに際して ワーク Wが後方へ落下しないよ うに、 その背而側において、 それぞれワークの種 類に応じて奥行き寸法を可変に設定し得る複数種類のヮ一クス ト ツバを準備して おき、 これらのワークス ト ツパを前記ク ラ ンプボス 1 0に対して適宜取付けるよ うに構成すれば好適である。
このように して、 複数のクラ ンプ爪 2 0 a〜 2 0 dによってクラ ンプボス 1 0 の偏心位置に保持されたワーク Wは、 次いで有端押えリ ング 3 0に設けたクラ ン プ調整用開口部 3 2にそれぞれ開口部開閉ねじ 3 4を取付けた後、 例えば工作機 械に装着された 3っ爪チャ ッ ク 5 0 a 〔第 7図の ( a ) 参照〕 や、 工作機械に装 着されたコ レッ トチャ ッ ク 5 0 b 〔第 7図の ( b ) 参照〕 等のチャ ッ ク装置のそ れぞれ中心部に固定保持する。
そ して、 前述したように、 本実施例に係る偏心チ ヤ ッ ク E C— 1 を取付けたェ 作機械に装着されたチャ ッ ク装置を、 適宜チャ ッ ク動作させる こ とにより、 偏心 チャ ッ ク有端押え リ ン グ 3 0が圧縮変形されると共に、 この有端押え リ ング 3 0 の内方に位置する クラ ンプボス 1 0はそれぞれ切込み 1 2 a〜 1 2 dの部分が圧 縮変位して、 このクラ ンプボス 1 0に取付けられたそれぞれヮ一ク Wを保持する 複数のク ラ ンプ爪 2 0 a〜 2 0 d力 ワーク Wを圧接する方向に変位して、 ヮー ク Wを確実に固定保持する こ とができ る。 従っ て、 この状態によ っ て、 ワー ク W に対する各種の加工を施すことができる。
なお、 同一の加工対象となるワー ク の取付けに際しては、 前述した工作機械に 装着されたチ ヤ ッ ク装置のチ ヤ ッ ク動作の O N / 0 F F操作のみで、 本実施例の 偏心チャ ッ ク E C— ] に対するワークの着脱操作を簡便かつ迅速に行う こ とがで きる。 また、 加工対象となる ワークの偏心位置の変更に際しては、 工作機械に装 着されたチヤ ッ ク装置から本実施例の偏心チ ヤ ッ ク E C — 1 を取外して、 前述し たようなワーク Wの偏心位置への位置決めを行ってから、 再度チ ヤ ッ ク装置へ取 付けて、 前記と同様の加工作業を繰り返し行う ことができる。
また、 本実施例においては、 工作機械に装着されたチャ ッ ク装置の加工作業中 において、 ワーク Wをそれぞれ保持している複数のク ラ ンプ爪 2 0 a ~ 2 0 dが. 外部振動等の影響を受けて、 それぞれク ラ ンプ調整ナツ ト部材 2 2が空転し、 各 ク ラ ンプ爪 2 0 a ~ 2 0 dが移動してワーク Wの保持状態が不安定となる危険が ある。 そこで、 例えば、 第 8図に示すように、 ク ラ ンプ調整ナツ ト部材 2 2の一 端则に、 円周溝 3 5を刻設した空転止めリ ング 3 6を圧入固定する。 そ して、 こ の空転止めリ ング 3 6を備えたク ラ ンプ調整ナツ ト部材 2 2を、 ク ラ ンプボス 1 0に設けたクラ ンプ爪取付け部 1 4に装着するに際しては、 第 9図の ( a ) に示
すよ うに、 ク ラ ンプ爪 2 0 a〜 2 0 dの爪部材 2 6の送りね じ 2 7 と平行に突出 延在するガイ ドビン 2 8 a、 2 8 bを、 前述した第 4図に示す実施例に対して 9 0 ° 偏位させた位置に設定する。 従って、 このように構成したク ラ ンプ調整ナツ 卜部材 2 2を装着する クラ ンプボス 1 0においては、 第 9図の ( b ) に示すよ う に、 前記クラ ンプ爪 2 0 a〜 2 0 dを取付けるためのク ラ ンプ爪取付け部 ]. 4 と . ガイ ドピン 2 8 a、 2 8 bを揷通するためのガイ ド孔 1 6 とを、 それぞれ穿設し た構成とする。
そ こで、 本実施例においては、 前記クラ ンプ調整ナ ツ ト部材 2 2を、 ク ラ ンプ ボス 1 0 に装着した場合、 第 9図の ( b ) および第 1 0図に示すように、 前記空 転止めリ ング 3 6の位置に対応する前記ク ラ ンプボス 1 0のー侧面部に、 ね じ孔 3 7を貫通穿設し、 このね じ孔 3 7に適宜止めね じ 3 8を螺合して、 その先端を 前記空転止め リ ング 3 6の円周溝 3 5に圧接させる。 このように構成する こ とに より、 前述したク ラ ンプ調整ナッ ト部材 2 2の空転による危険を容易に防止する ことが可能となる。
代案と して、 前記ク ラ ンプ爪 2 0 a〜 2 0 dを構成する ク ラ ンプ調整ナツ ト部 材 2 2 ' は、 第 1 1図に示すように、 一端に回転操作するための ドライバ一 ビッ ト嵌合用のビッ ト嵌合溝 2 4 ' を中心部に設定し、 その外周に回転変位を示す目 盛り表示 S mを付設したナツ ト調整操作端部 2 3 ' を着脱可能に螺合結合すると 共に、 他端にクラ ンプ調整ナツ ト部材 2 2 ' の位置固定ない し爪部材 2 6のス ト ッ プ位置の設定を行うための外向きフラ ンジ部 2 5 ' を一体的に設けた構成とす る。 この場合、 前記ク ラ ンプ調整ナツ ト部材 2 2 ' の一端側には、 前記と同様の 構成からなる円周溝 3 5を刻設した空転止めリ ング 3 6を圧入固定する。 このよ うに構成したク ラ ンプ調整ナツ ト部材 2 2 ' を使用する こ とによ つても、 第 1 2 図に示すよう に、 前記と同様にク ラ ンプボス ]. 0へ取付けて、 ク ラ ンプ調整ナッ 卜部材 2 2の空転による危険を防止する こ とが可能となる。 なお、 この場合、 ク ラ ンプ調整ナ ツ 卜部材 2 2のク ラ ンプボス 1 0への取付けに際して、 簡便に取付 ける こ とができる (第 1 2図参照) 。
〔実施例 2〕
第 1 3図ないし第 1 5図は、 本発明に係る偏心チ ャ ッ クの别の実施例を示すも のである。 すなわち、 第 1 3図は本実施例における偏心チャ ッ ク E C — 2の要部 断面正面図、 第 1 4図は偏心チヤ ッ ク E C _ 2の取付け状態を示す要部断面側面 図、 第 1 5図は偏心チ ヤ ッ ク E C _ 2の構成部品をそれぞれ示す分解斜視図であ る
第 1 3図において、 本実施例の偏心チャ ッ ク E C — 2は、 ヮーク Wを偏心位置 に保持するためのそれぞれ進退調整自在に構成された複数のク ラ ンプ爪 4 0 a、 4 0 0 b、 4 0 c、 4 0 dを、 所要の工作機械に装着されたチ ャ ッ ク部材 5 0に 着脱自在に固定保持して、 前記複数のク ラ ンプ爪 4 0 a、 4 0 0 b . 4 0 c , 4 0 d により保持される ワーク Wを、 偏心位置に保持するように構成したものであ る。
しかるに、 ク ラ ンプ爪 4 0 a〜4 0 d は、 第 1 4図および第 1 5図に詳細に示 すように、 チ ャ ッ ク部材 5 0に設けたク ラ ンプ爪取付け孔部 5 2に対して、 挿通 固定するため円筒状に形成したケ一 シ ング 5 4 と、 このケーシ ング 5 4内に回転 可能に装着され軸方向に固定される ク ラ ンプ調整ナツ ト部材 4 2 と、 このク ラ ン プ調整ナツ ト部材 4 2にそれぞれ進退自在に螺合する爪部材 4 6 とから構成され る
そ して、 第 1 5図に示すよ うに、 前記クラ ンプ爪 4 0 a〜4 0 dのク ラ ンプ調 整ナツ ト部材 4 2は、 一端に回転操作するための ドライバ一 ビッ ト嵌台用のビッ ト嵌合溝 4 4を中心部に設定し、 その外周に回転変位を示す目盛り表示 S mを付 設したナ ッ 卜調整操作端部 4 3を設けると共に、 他端にク ラ ンプ調整ナッ 卜部材 4 2の位置固定ない しは爪部材 4 6のス ト ッ プ位置の設定を行うためのス 卜 ップ リ ング 4 5を設けた構成からなる。
これに対し、 第 1 4図および第 1 5図に示すように、 前記複数のクラ ンプ爪 4 0 a ~ 4 0 dの爪部材 4 6は、 一端に前記ク ラ ンプ調整ナツ ト部材 4 2に螺台し て爪部材 4 6を進退移動する送りね じ部 4 7を設けると共に、 この送りね じ部 4 7 と平行に突出延在してケー シ ング 5 4 に穿設したガイ ド孔 5 4 a、 5 4 b に揷 通し得るガイ ドビン 4 8 a、 4 8 bを設けた構成からなる。 なお、 この場台、 前 記爪部材 4 6 に対し、 半径方向寸法を増加調整するための補助爪 4 9を着脱可能
に設ける こ とができる。
そ して、 前記ク ラ ンプ調整ナツ ド部材 4 2を収納するケ一シング 5 4の一端に は、 ク ラ ンプ調整ナツ ト部材 4 2のナツ 卜調整操作端部 4 3に対する操作防止部 材 5 6を着脱自在に取付けた構成とする。 なお、 前記チャ ッ ク部材 5 0のク ラ ン プ爪取付け孔部 5 2へ揷通したケーシング 5 4の脱落防止と回り止めとを行う位 置固定に際しては、 適宜チヤ ッ ク部材 5 0より クラ ンプ爪取付け孔部 5 2を介し て、 ケ一 シング 5 4の一部に止めね じ 5 5を螺合する ことにより、 着脱可能に固 定する こ とができ る (第 1 3図参照) 。
このように構成した本実施例の偏心チヤ ッ ク E C - 2は、 例えば工作機械に装 着される 4つ爪チャ ッ クの各爪の先端に、 第 1 4図に示すよ うに、 予めク ラ ンプ 爪取付け孔部 5 2を穿設しておき、 これらのクラ ンプ爪取付け孔部 5 2に着脱自 在に固定保持する こ とができる。 そ して、 加工対象ワーク Wを偏心位置に保持す る場台には、 第 1 3図に示すように、 複数のクラ ンプ爪 4 0 a 〜4 0 dの各ク ラ ンプ調整ナツ ト部材 4 2のナツ ト調整操作端部 4 3を、 ドライバー ビッ ト等を使 用 して、 それぞれ手動操作により所定の方向に回動する ことによって、 爪部材 4 6を進退移動させて、 ワーク Wの位置決めを行う こ とができる。
なお、 前記ク ラ ンプ爪 4 0 a ~ 4 0 dの各クラ ンプ調整ナツ ト部材 4 2のナツ ト調整操作端部 4 3を操作するに際しては、 前記ケーシング 5 4に設けた操作防 止部材 5 6を取外して、 簡便に操作する こ とができる。 また、 ワーク Wの位置決 めに際しては、 ワーク Wに対する各クラ ンプ爪 4 0 a〜 4 0 dの爪部材 4 6の接 触当接を、 ヮーク Wが抜き差し可能となる程度に設定する。
このように構成する ことにより、 本実施例の偏心チャ ッ ク E C— 2においても . 前記実施例の偏心チャ ッ ク E C— 1 と同様に して、 工作機械に装着されたチヤ ッ ク装置により、 ワーク Wを偏心位置に保持して、 所要の加工作業を繰り返し行う こ とができる。 また、 本実施例の偏心チャ ッ ク E C _ 2は、 コ レ ツ トチャ ッ ク等 のチヤ ッ ク装置への装着も可能である。
なお、 本実施例においても、 前述した実施例と同様に、 工作機械に装着された チヤ ッ ク装置の加工作業中における、 クラ ンプ調整ナツ ト部材 4 2の空転による 危険を容易に防止するため、 ク ラ ンプ調整ナッ ト部材 4 2の一端側に、 円周溝 3
5を刻設した空転止めリ ング 3 6 (第 8図参照) を圧入固定して、 前記ク ラ ンプ 調整ナツ ト部材 4 2を収納するケー シ ング 5 4 の一部にね じ孔を貫通穿設し、 こ のね じ孔に適宜止めね じを螺合して、 その先端を前記空転止めリ ング 3 6の円周 溝 3 5に圧接させるように構成する こ とができる (第 1 0図参照) 。 また、 代案 と して、 ク ラ ンプ調整ナツ ト部材 4 2を、 第 1 1 図に示すように構成し、 適宜ケ — シ ング 5 4 に取付けて、 前記と同様にク ラ ンプ調整ナツ ト部材 4 2の空転によ る危険を防止するよ うに構成するこ と もでき る (第 1. 2図参照) 。
〔加ェ例〕
第 1 6図ないし第 1 8図は、 本発明に係る偏心チャ ッ ク E C _ 1、 E C— 2を 使用する こ とにより、 容易に加工するこ とができるそれぞれワークの加工例を示 すものである。 すなわち、 第 1 6図に示すように、 同じ厚さの L字型ワーク W 1 の 1側面の厚さを加工して 〔第 1 6図の ( a ) 参照〕 、 その偏心位置にボス部 (または穴部) を加工する こ とができる 〔第 1 6図の ( b ) 参照〕 。 また、 第 1 7図に示すよ うに、 立方体ワーク W 2 の 1側面の厚さを加ェして 〔第 1 7図の ( a ) 参照〕 、 その偏心位置にボス部およびその溝部を加ェするこ とができる 〔第 1 7図の ( b ) 参照〕 。 さ らに、 第 1 8図に示すように、 角パイプからなる ワーク W 3 の端面における偏心位置に、 ボス部を加ェする ことができる。
以上、 本発明の好適な実施例について説明したが、 本発明は前記実施例に限定 される こ とな く 、 例えばク ラ ンプ爪の爪部材に設けるガイ ドビンは 1本と したり . 有端押え リ ングに設けたク ラ ンプ調整用開口部に対し開閉ねじを設ける こ となく . 開口 したまま とする こ とができ る等、 本発明の精神を逸脱しない範囲内において. 多く の設計変更が可能である。