明 細 書
非可逆回路素子用フェライト磁器組成物、 非可逆回路素子、 及び無線装置 技術分野
本発明は非可逆回路素子用フェライト磁器組成物、 非可逆回路素子、 及び無線 装置に関し、 特に、 周波数が数 GHz〜数 10 GHzのマイクロ波 ·ミリ波帯 ( 以下、単に、 「マイクロ波帯」 という)での使用に好適な非可逆回路素子用フェラ ィト磁器組成物、 該フェライト磁器組成物を使用して形成されたアイソレータや サーキュレー夕等の非可逆回路素子、 及び該非可逆回路素子を備えた無線装置に 関する。 背景技術
携帯電話やミリ波レーダ等のマイクロ波帯に使用される非可逆回路素子として は、 従来より、 永久磁石で直流磁界を印加する非可逆回路素子が知られている。 該非可逆回路素子は、 イットリウム鉄ガーネット YgF esC^ 2 (以下、 「Y I G」 という) に代表されるガ一ネット系フェライトや、 Mgフェライトや N i C uZnフェライトに代表されるスピネル系フェライトを使用し、 希土類磁石や S rフェライト磁石等の永久磁石で直流磁界を印加し、 駆動させている。
上記非可逆回路素子は、 通常、 数 100 MHz〜数 GHzの極超短波 ·マイク 口波帯ではガーネット系フェライトが使用され、 数 10GHzのマイクロ波帯で はスピネル系フェライトが使用されている。
すなわち、 ガーネット系フェライトは、 数 100MHz〜数 GHzの極超短波 又はマイクロ波帯域では低磁界側で大きな磁気損失のピークがあるため、 低磁気 損失の非可逆回路素子を得ることができず、 このため、 強磁性共鳴ピークよりも 高磁界側で駆動させている。
一方、 スピネル系フェライトは、 数 10 GHzのマイクロ波帯で使用され、 強 磁性共鳴ピークよりも低磁界側で駆動させるのが一般的である。 すなわち、 数 1 0GHzのマイク口波帯では、 強磁性共鳴ピークと低磁界損失ピークとが十分に 離れているため、 低磁界で駆動させても十分に低い磁気損失を有する非可逆回路
素子を得ることができ、 また永久磁石ではスピネル系フェライト (飽和磁化約 0 . 4 T) を十分に飽和させるのが困難であることから、 強磁性共鳴ピークよりも 低磁界側で駆動させている。 そして、 磁場が発生すると、 高周波磁界は直流磁界 の方向に向かって右回りに旋回する正円偏波と左回りに旋回する負円偏波とが生 じるが、 該フェライトの複素透磁率 は正円偏波と負円偏波とで異なり、 このよ うな性質を利用して非可逆回路素子を実現している。
すなわち、 フェライトの複素透磁率 ^は、 数式 (1 ) で表され、 実数部^ ' は 磁化の応答、 虚数部^〃 は磁気損失を示している。
11 = ― L … ( 1 )
複素透磁率 の実数部 ' は磁化の応答を示すことから、 正円偏波透磁率 + の実数部^ と負円偏波透磁率^—の実数部 ノ との透磁率差 Δ / (= 一 ) の絶対値 (以下、 「絶対透磁率差 I I」 という) は非可逆性を示し、 したがって、 フェライトの特性は絶対透磁率差 I I及び正円偏波透磁率 + の虚数部 +" で評価することができる。
ところで、 数 GH zのマイクロ波帯域で使用される携帯電話では、 機器の更な る低背化、 小型化、 低コスト化が要請されており、 これに伴い非可逆回路素子の 低背化、 小型化、 低コスト化が要求されてきている。
しかしながら、 ガーネット系フェライトでは、 直流磁界を印加するための永久 磁石が必要となるため、 非可逆回路素子の低背化、 小型化、 低コスト化には限界 がある。
また、 数 1 0 GH zのマイクロ波帯域では、 非可逆回路素子を搭載した小型の 無線 L ANゃミリ波レーダ等の無線装置が期待されるが、 非可逆回路素子にスピ ネル系フェライトを使用した場合は、 ガーネット系フェライトの場合と同様、 永 久磁石が必要となるため、 非可逆回路素子の低背化、 小型化、 低コスト化には限 界がある。
一方、 一軸的な磁気異方性を有する B aフェライト (B a O, 6 F e 203) や S rフェライト (S r O · 6 F e 2〇3) 等の六方晶系のマグネトプランバイト型 フェライトを使用した自己パイァス動作形の非可逆回路素子も従来から知られて いる。
該自己バイアス動作形の非可逆回路素子では、 例えば、 B aフェライトは、 1 . 4 0 X 1 0 6 AZmの異方性磁界 H aを有し、 また、 S rフェライトは、 1 . 5 4 X 1 0 6 A/mの異方性磁界 H aを有していることから、 永久磁石を要する ことなく前記異方性磁界 H aを駆動させて磁場を発生させている。
このようにマグネトプランバイト型フェライトを使用した自己バイアス動作形 非可逆回路素子は、 ガーネット系フェライトゃスピネル系フェライトのような磁 場印加用の永久磁石が不要であるため、 非可逆回路素子の低背化 ·小型化ゃ低コ スト化の観点から有望視されている。
そして、 このような永久磁石を必要としない自己バイアス動作形の非可逆回路 素子として、 アイソレータ (非可逆回路素子) を半導体チップと共にマイクロ波 集積回路又はマイクロ波回路モジュール内に表面実装形式で実装した技術が提案 されている (特開平 1 1— 1 7 4 0 8号公報)。
しかしながら、 従来の自己バイアス動作形の非可逆回路素子では、 1 0 GH z 以下のマイク口波帯では十分な非可逆性を得ることができず、 また 3 0〜6 0 G H zのマイクロ波帯では磁気損失が大きいため、 これらのマイクロ波帯での使用 には適さないという問題点があった。
図 1はマグネトプランバイト型フェライトの一例としての S rフェライトの正 負円偏波透磁率^ ±の各透磁率成分^ 、 、 H— ' 、 の周波数特性を 示している。 横軸は周波数 (GH z;)、 縦軸は正負円偏波透磁率 ±の透磁率成分 + ' 、 β + 、 、 li— である。
また、 図 2は S rフェライトを自己バイアス動作形非可逆回路素子に使用した 場合の透磁率差 Δ ^を示している。横軸は周波数(GH z )、縦軸は透磁率差 である。
この図 1及び図 2から明らかなように、 1 0〜3 0 GH zのマイクロ波帯域で は強磁性共鳴ピークより高磁界側で駆動させることが可能であり、 6 0〜 2 0 0 GH zのマイク口波帯域では強磁性共鳴ピークより低磁界側で駆動させることが 可能である。
しかしながら、 図 1に示すように、 3 0〜 6 0 GH zのマイクロ波帯域では、 正円偏波透磁率の虚数部/ が、 その閾値とされる 0 . 0 5から大幅に増大し
て磁気損失が大きくなり、 低損失な非可逆回路素子が得られなくなる。
一方、 図 2に示すように、 10 GHz以下のマイクロ波帯域では、 透磁率差△ が 0. 1未満と小さく、 所望の非可逆性を得ることができなくなる。
すなわち、 従来の自己バイアス動作形非可逆回路素子では、 10GHz以下の マイクロ波帯では所望の非可逆性を得ることができなくなり、 一方 30〜60G H zのマイク口波帯では磁気損失が大きくなるという問題点があった。
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであって、 10 GHz以下や 3 0〜 60 GH zのマイク口波帯で使用しても十分な非可逆性を得ることが可能で あり、 また磁気損失を小さくすることが可能な非可逆回路素子用フェライト磁器 組成物、 該フヱライト磁器組成物を使用して製造された自己バイアス形の非可逆 回路素子、 及び無線装置を提供することを目的とする。 発明の開示
本発明者らは、 上記目的を達成するために鋭意研究したところ、 マグネトプラ ンバイト型六方晶フェライトに含有される F e3 +の一部を I n3+で置換するこ とにより、 異方性磁界 Haを低下方向に制御することができ、 これにより 10G H z以下のマイクロ波帯でのフェライト磁器組成物の非可逆性を向上させること ができ、 さらには強磁性共鳴ピークの周波数を低周波側にシフトさせることがで き、 これにより 30〜 60GHzのマイク口波帯での磁気損失を抑制することが できるという知見を得た。
すなわち、 本発明に係る非可逆回路素子用フェライト磁器組成物 (以下、 単に 「フェライト磁器組成物」 という) は、 一般式 { (S r,.xB ax) 〇 · η (F e,.,. z I ny) 203} (0≤x≤ 1. 00、 5. 00≤n<6. 00、 0<y≤0. 3 0) で表される主成分を含有していることを特徴としている。
上記フェライト磁器組成物によれば、 一般式 { (S r,.xB ax) 〇 · n (F
I ny) 2〇3} (0≤x≤ 1. 00、 5. 00≤n<6. 00、 0<y≤ 0. 30 ) で表される主成分を含有しているので、 10 GH z以下や 30〜 60 GHzの マイク口波帯でも所望の非可逆性を得ることができ、 磁気損失の小さなフェライ 卜磁器組成物を得ることが可能となる。
また、 従来より、 30〜 60 GHzのマイクロ波帯では、 非可逆性は良好であ るが (図 1、 図 2参照)、 磁気損失が大きいという欠点があった。
そこで、 本発明者らが鋭意研究を行ったところ、 上述した F e3 +の一部を A 1 3+で置換することにより、 異方性磁界 Haを増加方向に制御することができ、 こ れにより強磁性共鳴ピークの周波数を高周波側にシフトさせることができ、 その 結果、 30〜60 GHzのマイクロ波帯でも非可逆性を損なうことなく磁気損失 を抑制することができるという知見を得た。
すなわち、 本発明に係るフェライト磁器組成物は、 一般式 { (S r,.xB ax) O • n (F e,_zA 1 z) 203} (0≤x≤ 1. 00、 5. 00≤n<6. 00、 0< z≤0. 30) で表される主成分を含有していることを特徴としている。
上記フェライト磁器組成物によれば、 一般式 { (S r,.xB ax) 〇 · η (F e(.z A 1 z) 203} (0≤x≤ 1. 00、 5. 00≤n<6. 00、 0<z≤ 0. 30 ) で表される主成分を含有しているので、 30〜60 GHzのマイクロ波帯でも 磁気損失を低減することができ、 斯かる周波数帯でも非可逆性が良好で低磁気損 失のフェライト磁器組成物を得ることができる。
また、 本発明者らの更なる鋭意研究の結果、 ?63 +のー部を 1113+及び八 13
+で置換することにより、 10 GHz以下や 30〜60 GHzのマイクロ波帯で 所望の非可逆性と低磁気損失を有するように調整されたフェライト磁器組成物を 得ることができるという知見を得た。
すなわち、 本発明に係るフェライト磁器組成物は、 一般式 { (S r,.xB ax) 〇 • n (F I nyA 1 z) 203} (0≤x≤ 1. 00、 5. 00≤n<6. 00 、 0<y≤0. 30、 0<z≤0. 30) で表される主成分を含有していること を特徴としている。
上記フェライト磁器組成物によれば、 一般式 { (S Γ,.ΧΒ ax) 〇.· n (F e,.y_ ZI nyA 1 z) 2〇3} (0≤x≤ 1. 00、 5. 00≤n<6. 00、 0<y≤ 0 . 30、 0<z≤0. 30) で表される主成分を含有しているので、 上記効果に 加えて、 異方性磁界 Haの変動を抑制しつつ飽和磁化 Msを変動させることがで き、 これにより強磁性共鳴ピークや透磁率差を制御することができ、 10 GHz 以下や 30〜60 GHzのマイクロ波帯でも所望の非可逆性と低磁気損失を有す
るフェライト磁器組成物を容易に得ることが可能となる。
ところで、 非可逆回路素子では、 永久磁石とフェライト磁器組成物との距離が 短いほど、 永久磁石に発生する渦電流損の影響を受けて伝送特性の悪化を招く。 そしてこの渦電流は永久磁石の比抵抗率 Pが小さいほど発生し易い。 しかも、 自 己バイアス形の非可逆回路素子では、 フェライト磁器組成物自身が磁界を発生す るため、 渦電流損の影響が非常に大きい。 したがって、 自己バイアス形の非可逆 回路素子で伝送特性の悪化を回避するためには渦電流損を低くする必要があり、 そのためにはフェライト磁器組成物の比抵抗率 /0を大きくする必要がある。 そして、 本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、 C a成分及び C o成分のうちの 少なくとも一方を、 前記主成分 1モルに対し、 総計で 0 . 0 0 1〜0 . 8モル添 加することにより、 また、 前記フェライト磁器組成物中の M n成分及び Z r成分 の総含有量が、 酸化物換算で 1 . 5重量%以下の範囲で添加することにより、 比 抵抗率 |0を増大させることができるということが知見を得た。
すなわち、 本発明のフェライ卜磁器組成物は、 副成分として C a成分及び C o 成分のうちの少なくとも一方を含み、 C a成分及び C o成分の含有量が、 前記前 記主成分 1モルに対し、 総計で 0 . 0 0 1〜0 . 8モル含有されていることを特 徴とし、 また、 副成分として M n成分及び Z r成分のうちの少なくとも一方を含 み、 前記 M n成分及び Z r成分の含有量が、 酸化物換算で、 総計で 1 . 5 0重量 %以下 (0重量%を含まず) であることを特徴としている。
上記フェライト磁器組成物によれば、 前記主成分 1モルに対し、 副成分として の C a成分及び C o成分のうちの少なくとも 1種を 0 . 0 0 1〜0 . 8モル含有 し、 また、 M n成分及び Z r成分のうちの少なくとも 1種を、 酸化物換算で、 総 計で 1 . 5 0重量%以下 (0重量%を含まず) の範囲で含有しているので、 比抵 抗率 10の大きなフェライト磁器組成物を得ることができ、 これにより非可逆回路 素子の永久磁石に発生する渦電流損の影響を小さくすることが可能となり、 良好 な伝送特性を有する自己バイァス形の非可逆回路素子を得ることができる。 本発明に係る非可逆回路素子は、 前記フェライト磁器組成物で形成されたフエ ライト部材を備えていることを特徴としている。
上記非可逆回路素子によれば、 数 GH z〜数 1 0 GH zのマイク口波帯でも所
望の非可逆性を有し、磁気損失の小さく、 かつ誘電損失 tan «5が低く、 比抵抗率 |0 の大きな非可逆回路素子を得ることが可能となる。 しかも、 上記フェライト磁器 組成物は、 異方性磁界 H aを使用して駆動させることができるので、 永久磁石を 必要とせず、 小型化 ·低背化や低コスト化が可能となる。
本発明に係る無線装置は、 上記非可逆回路素子を備えていることを特徴として いる。
上記無線装置によれば、 上述した非可逆回路素子を備えているので、 数 GH z 〜数 1 0 GH zのマイクロ波帯で磁気損失が小さく、 所望の非可逆性を有し、 か つ誘電損失 tan δが低く、比抵抗率 ρの大きな自己バイァス形の非可逆回路素子を 具備した小型化 ·低背化や低コスト化がなされた携帯電話、 ミリ波レーダ等の無 線装置を得ることが可能となる。 図面の簡単な説明
図 1は、 従来の S rフェライトの複素透磁率の各透磁率成分の周波数特性を示 す図である。 図 2は、 従来の S rフェライトの透磁率差 Δ の周波数特性を示す 図である。 図 3は、 本発明に係るフェライト磁器組成物の透磁率差 の周波数 特性を模式的に示した図である。 図 4は、 本発明に係るフェライト磁器組成物の 磁気共鳴半値幅を示す図である。 図 5は、 本発明に係る非可逆回路素子の第 1の 実施の形態を示す斜視図である。 図 6は、 本発明に係る非可逆回路素子の第 2の 実施の形態を示す正面図 (a ) 及び要部平面図 (A— A矢視図) である。 図 7は 、 本発明に係る非可逆回路素子の第 3の実施の形態を示す斜視図である。 図 8は 、 本発明に係る非可逆回路素子の第 4の実施の形態を示す斜視図である。 図 9は 、 本発明に係る非可逆回路素子の第 5の実施の形態を示す斜視図である。 図 1 0 は、 本発明に係る非可逆回路素子の第 6の実施の形態を示す斜視図である。 図 1 1は、 本発明に係る非可逆回路素子の第 7の実施の形態を示す平面図である。 図 1 2は、 本発明に係る非可逆回路素子の第 8の実施の形態を示す斜視図である。 図 1 3は、 本発明に係る非可逆回路素子の第 9の実施の形態を示す斜視図である 。 図 1 4は、 本発明に係る無線装置の一実施の形態を示すシステム構成図である
発明を実施するための最良の形態
次に、 本発明の実施の形態を詳説する。
本発明の第 1の実施の形態に係るフェライト磁器組成物は、 下記一般式 〔A〕 で表される。
(S r !_XB ax) 0 · η (F e^I ny) 203 … 〔A〕
ただし、 xは 0≤x≤l. 0、 nは 5. 00≤n<6. 00、 yは 0く y≤0 . 30である。
すなわち、 第 1の実施の形態のフェライト磁器組成物は、 一般式 (S Γ,.,Β , ) Ο · nF e 2〇3 (伹し、 0≤χ≤1. 0 ) で表されるマグネトプラバント型フ ェライトにおいて、 F e 3 +の一部を I n3+で置換している。
このように F e 3 +の一部を I n3+で置換したのは以下の理由による。
マグネトプランバイト型フェライトでは、 異方性磁界 Haを駆動させることに より磁場を発生させているが、 本発明者らの実験結果により、 63 +のー部を 1 n3+で置換することにより、 異方性磁界 Haを低下方向に制御することができる ことが分かった。 例えば、 マグネトプランバイト型である B aフェライトの F e 成分を I n成分で置換すると、 その異方性磁界 Haは B aフェライト自身の異方 性磁界 (1. 40 X 106 (A/m)) よりも減少する。 そして、 この際、 飽和磁 化 Msも低下方向に変動する。
一方、 内部磁界 Hinは、 数式 (2) で表され、 強磁性共鳴ピークの周波数 ω ( =27C f r) は、 数式 (3) で表される。
Hin=Ha - NXMs … (2)
ω = τ XHin … (3)
ここで、 Nは反磁界係数、 Msは飽和磁ィ匕 (T)、 ァはジャイロ定数 (=2. 2 1 X 105m/A · s) である。
したがって、 数式 (2) により異方性磁界 Ha及び飽和磁ィ匕 Msの変動により 内部磁界 Hinも適宜変動するため、 数式 (3) により強磁性共鳴ピークの周波数 ωも変動する。
このように異方性磁界 H aが低下することにより、 強磁性共鳴ピークの周波数
ωが変動し、 その結果、 図 3に示すように、 正円偏波と負円偏波の実数部の透磁 率差 Δ の周波数特性が、 仮想線で示す特性から、 矢印 Xで示すように、 実線で 示す特性に変移させることが可能となり、 10 GHz以下のマイクロ波帯で使用 しても十分な非可逆性を有するフェライト磁器組成物を得ることが可能となる。 また、 磁気損失を示す虚数部^ +" は、 図 4に示すように内部磁界 H in (=ω /Ύ) に対し、 口一レンツ形の分布曲線になることが知られており、 内部磁界 Hi nを変化させることによって磁気共鳴ピークの半値幅 ΔΗを小さくできると同時 に、 強磁性共鳴ピークの周波数 ωを低周波側にシフトさせることができる。 そし てその結果、 虚数部 を低下させることができ、 30〜60 GHzでの磁気 損失を抑制することが可能となる。
尚、本発明者らは、 F e 3 +の一部を Sn4+で置換することによつても同様の作 用効果を得ることが可能であることを確認しているが、 F e 3 +の一部を S n 4 + で置換した場合は電荷バランスが崩れるため、 Z n 2+や C u 2+等の 2価の金属元 素で電荷補正する必要があるのに対し、 I nイオンは 3価であるため、 Fe3 +を I n3+で置換しても電荷バランスは崩れず、 したがって 2価の金属元素で電荷補 正する必要はない。
尚、 上記一般式 〔A〕 で、 yを 0<y≤0. 30としたのは、 yが 0. 30を 超えると、 I nの含有量が過剰となる一方で、 Feの含有量が過少となって磁気 異方性を示さなくなり、 非磁性体となって使用することができなくなるからであ る。
また、 上記一般式 〔A〕 で、 nを 5. 00≤n<6. 00としたのは、 nがこ の範囲外になると磁気異方性を示さなくなり、 また異相が析出したり、 焼結しに くくなり、 更には十分な飽和磁化 Msが得られなり、 また比抵抗率 pも小さくな るからである。
そして、 上記フェライト磁器組成物は以下のようにして製造される。
すなわち、 最終生成物であるフェライト磁器組成物の成分組成が所定モル比と なるように、 フェライト素原料としてのバリウム化合物、 ストロンチウム化合物 、 鉄化合物、 及びインジウム化合物を適宜秤量して調合し、 ポールミルで湿式混 合した後、 大気中で仮焼し、 その後湿式粉砕して仮焼粉末を作製する。 次いで、
この仮焼粉末をバインダ樹脂と混練させてスラリー化し、 磁場中で脱水成形した 後、 大気中で焼成し、 これにより、 上記一般式 〔A〕 で表されるフェライ卜磁器 組成物が製造される。
このように第 1の実施の形態のフェライト磁器組成物は、 マグネトプランパイ ト型フェライトの F e 3 +の一部を I n3+で置換しているので、 10 GHzや 30 〜60 GHzのマイクロ波帯域において、 所望の非可逆性を有し、 磁気損失が小 さく、 非可逆回路素子に好適なフェライト磁器組成物を得ることができる。
次に、 本発明の第 2の実施の形態に係るフェライト磁器組成物を詳説する。 第 2の実施の形態に係るフェライト磁器組成物は、 下記一般式 〔B〕 で表され る。
(S rト XB ax) O · n (F e^A 1 z) 2〇3 … 〔B〕
ただし、 xは 0≤x≤l. 0、 nは 5. 00≤n<6. 00、 zは 0<z≤0 . 30である。
すなわち、 第 2の実施の形態のフェライト磁器組成物は、 一般式 (S r xB ax ) O · nF e 2〇3 (但し、 0≤χ≤1. 0 ) で表されるマグネトプラバント型フ ェライトにおいて、 F e 3 +の一部を A 13+で置換している。
このように F e3 +の一部を A 13+で置換したのは以下の理由による。
上述したようにマグネトプランバイト型フェライトでは、 異方性磁界 Haを駆 動させることにより磁場を発生させているが、 本発明者らの実験結果により、 F e3 +の一部を A 13+で置換することにより、強磁性共鳴ピークの周波数 ωを高周 波側にシフトさせることができることが分った。 すなわち、 本第 2の実施の形態 においても、 Fe3 +の一部を A 13 +に置換することにより、上記第 1の実施の形 態と同様、 磁気共鳴ピークの半値幅 ΔΗを小さくすることができると共に、 強磁 性共鳴ピークの周波数 ωを高周波側にシフトさせることができる。 そしてその結 果、 30〜60 GHzのマイクロ波帯での虚数部 〃 を低下させることができ 、 磁気損失を抑制することが可能となる。
すなわち、 B rフェライトゃ S rフェライトのような従来のマグネトプランバ ィト型フェライトでは、 30〜60 GHzのマイクロ波帯では非可逆性は満足し 得るものの、磁気損失が大きいという欠点があつたが、本第 2の実施の形態では、
F e 3 +の一部を A 13 +に置換することにより、 30 60 GHzのマイクロ波帯 においても磁気損失の抑制が可能であり、 非可逆性と低磁気損失とを両立させる ことのできるフェライト磁器組成物を得ることが可能となる。
尚、 上記一般式 〔B〕 で、 zを 0く z≤0. 30としたのは、 zが 0. 30を 超えると、 A 1の含有量が過剰となる一方で、 F eの含有量が過少となって磁気 異方性を示さなくなり、 非磁性体となって使用することができなくなるからであ る。
そし 、 第 2の実施の形態のフェライ卜磁器組成物も、 フェライト素原料につ いてインジウム化合物に代えてアルミニウム化合物を使用し、 第 1の実施の形態 と略同様の方法,手順で上記一般式 〔B〕 で表されるフェライト磁器組成物を容 易に製造することができる。
次に、 本発明の第 3の実施の形態に係るフェライト磁器組成物について詳説す る。
第 3の実施の形態に係るフェライト磁器組成物は、 下記一般式 〔C〕 で表され る。
(S r XB ax) O · n (F e ,.y.z I nyA 1 z) 2〇3 〔C〕
ただし、 xは 0≤x≤l. 0 nは 5. 00≤n<6. 00である。 また、 y 及び zはそれぞれ 0<y≤ 0. 30 0<z≤0. 30である。
すなわち、 本第 3の実施の形態では、 63 +のー部を 1113+及び八 13 +の双 方で置換している。
このように F e 3 +の一部を I n3+及び A 13 +の双方で置換することとしたの は以下の理由による。
F e 3+の一部を I n 3+で置換することにより、上述したように異方性磁界 H a を制御することができるが、これに加えて F e 3+の一部を A 13+で置換すること により、 制御された異方性磁界 H aの変動を抑制しつつ、 飽和磁化 M sを変動さ せることが可能となり、 これにより飽和磁化 Msに依存する強磁性共鳴ピークの 周波数 ω (上記数式 (2)、 (3) 参照) や透磁率差 Δ //を微調整することが容易 となり、 10 GH ζ以下や 30 60GHzのマイク口波帯において、 所望の非 可逆性及び低磁気損失のフェライト磁器組成物を得ることが容易となる。
また、 上記一般式 〔C〕 で、 y及び zをそれぞれ 0<y≤0. 30、 0<z≤ 0. 30としたのは、 y及び zが共に 0. 30を超えると、 I n及び A 1の含有 量が過剰となる一方で、 F eの含有量が過少となつて磁気異方性を示さなくなり、 非磁性体となって使用することができなくなるからである。
そして、 第 3の実施の形態のフェライト磁器組成物も、 フェライト素原料とし てバリウム化合物、 ストロンチウム化合物、 鉄化合物、 インジウム化合物、 及び アルミニウム化合物を使用し、 第 1の実施の形態と略同様の方法 ·手順で上記一 般式 〔C〕 で表されるフェライト磁器組成物を容易に製造することができる。 このように本第 3の実施の形態では、 マグネトプランバイト型フェライトの F e 3 +の一部を I n3+及び A 13+で置換しているので、 100112ゃ30〜60 GHzのマイクロ波帯域において、 所望の非可逆性を有し、 磁気損失が小さく、 非可逆回路素子に好適なフェライト磁器組成物を得ることができる。
尚、 上述した製造過程において、 Mn、 C l、 N i、 Zn、 Mg、 S、 Ca、 C r、 B i等の不純物が 0. 4重量%未満で混入することがあり、 また、 湿式混 合時に Z rや S i等の不純物が 0. 8重量%未満で混入することがあるが、 本発 明の特性に影響を与えるものではない。
また、 本発明のフェライト磁器組成物は、 上記実施の形態に限定に限定される ことはなく、 C a成分及び Co成分のうちの少なくとも一方が、 一般式 〔A〕 〜 〔C〕 で表される主成分 1モルに対し、 総計で 0. 001〜0. 8モル含有する ようにするのも好ましい。
この場合、 フェライト磁器組成物は、 下記一般式 〔D〕 〜 〔F〕 で表される。 (S rト xB ax) 〇 · η (F eト yI ny) 203+ o; C a + ]3 C o… 〔D〕
(S rト xB ax) O - n (F eト ZA 1 Z) 203+o;C a + ]S Co- 〔E〕
(S r ,.
XB a
x) O ' n (F eト
y z I n
y A 1
z)
20
3 + a C a + j8 C o… 〔F〕 ここで、 α、 3は一般式 〔D〕 〜 〔F〕 で表される主成分 1モルに対し、 添加 される C a成分、 及び Co成分のモル数であり、 下記数式 〔G〕 を充足している
非可逆回路素子では、 永久磁石とフェライト磁器組成物との距離が短いほど、
永久磁石に発生する渦電流損の影響を受けて伝送特性の悪化を招く。 そしてこの 渦電流は永久磁石の比抵抗率 !0が小さいほど発生し易い。 しかも、 自己バイアス 形の非可逆回路素子では、 フェライト磁器組成物自身が磁界を発生するため、 渦 電流損の影響が非常に大きい。
しかるに、 本発明者らの研究結果により、 上記一般式 〔G〕 を充足するように 所定量の C a成分及び/又は C o成分を添加することにより、 比抵抗率 /0の大き なフェライト磁器組成物を得ることができ、 これにより自己バイアス形の非可逆 回路素子の渦電流損を低くすることができ、 伝送特性の悪化を回避することがで きるということが分かった。
ここで、 C a成分及び C o成分の含有モル量ひ、 ]3を上記数式 〔G〕 を充足す るようにしたのは以下の理由による。
すなわち、 前記主成分 1モルに対し、 C a成分及び C o成分の含有モル量ひ、 βの総計が 0 . 0 0 1モル未満の場合は C a成分及び 又は C ο成分の添加によ る比抵抗率 Pの上昇効果を得ることができず、 信号伝送損失も大きく、 伝送特性 の悪化を招くからであり、 また、 C a成分及び C o成分の含有モル量ひ、 βの総 計が 0 . 8モルを超えると比抵抗率 ρは低下傾向となり、 信号伝送損失も大きく なつて伝送特性の悪化を招くおそれがあるからである。
また、 上述した一般式 〔Α〕 〜 〔F〕 のフェライト磁器組成物中に、 M n成分 及び Z r成分の含有量が、 酸化物換算で、 1 . 5重量%以下 (0重量%を含まず ) となるように M n成分及び Z r成分を添加することによつても比抵抗率 pを増 大させることができ、 かつ誘電損失 tan δを低下させることができる。特に、一般 式 〔D〕 〜 〔F〕 において、 M n成分及び Z r成分の含有量が 1 . 5重量%以下 ( 0重量%を含まず) となるように調製することにより、 C a成分や C o成分の 添加効果と相俟ってより大きな比抵抗率 pを得ることが可能となる。
尚、 この場合、 M n成分については主成分である焼結体中に含有されている場 合、 或いは焼結体に M n化合物を添加する場合があり、 また Z r成分については 焼結体に Z r成分を添加する必要があるが、 いずれにしてもフェライト磁器組成 物中の M n成分及び Z r成分が、 酸化物換算で、 1 . 5重量%以下 (0重量%を 含まず) となるように調製することにより、 誘電損失 tan <5が低く、 比抵抗率 ιθの
大きなフェライト磁器組成物を得ることができ、 これにより自己バイアス形の非 可逆回路素子で更なる低渦電流損を図ることができ、 良好な伝送特性を得ること ができる。
特に、 M nは 1元素で複数の価数を有するため、 電荷バランスを調整すること が可能であり、 高抵抗なマグネトプランバイト型フェライトを得る上で特に好ま しい。
尚、 M n成分及び Z r成分の含有量が、 酸化物換算で、 総計 1 . 5重量%を超 えると、却って誘電損失 tan <5や比抵抗率 ί)の低下を招くおそれがあるため、 M n 成分や Z r成分を添加する場合は、 その含有量が総計で 1 . 5重量%以下となる ように制御する必要がある。
次に、 上記フェライト磁器組成物を使用した非可逆回路素子について述べる。 図 5は、 本発明に係る非可逆回路素子の一実施の形態 (第 1の実施の形態) と しての集中定数形サ一キユレ一夕を模式的に示した斜視図である。
該集中定数形サ一キユレ一夕は、 マイクロストリップ線路 1 a、 l b、 l cが 互いに 1 2 0 °C間隔となるように交叉状に形成され、 かつ、 これらマイクロスト リップ線路 1 a、 1 b、 1 cの上下両面は絶縁体層 2を介して上記フェライト磁 器組成物で形成されたフェライト基板 3と接触している。 そして、 マイクロスト リップ線路 l a、 l b、 1 ( の端子部1 & ' 、 l b ' 、 l c ' には不図示のコン デンサが取り付けられ、 フェライト基板 3の有するインダクタンスと前記コンデ ンサとで共振周波数を調整している。
本第 1の実施の形態では、 例えば、 マイクロストリツプ線路 1 aに電流を流す と、 フェライト基板 3にはマイクロストリップ線路 1 a、 l b、 l cにより形成 される交叉回路により一様な回転磁界が形成される。 そして、 マイクロ波フェラ ィト 3が上記フェライト磁器組成物で形成されているので、 1 0 GH z以下や 3 0〜6 0 GH zのマイクロ波帯で磁気損失が小さく十分な非可逆性を有するサ一 キユレ一夕を得ることが可能となる。 しかも、 フェライト磁器組成物は、 異方性 磁界 H aにより駆動させているので、 永久磁石等の外部磁界を必要とすることな く、 サーキュレー夕の小型 ·低背化や低コスト化を図ることができる。
図 6 ( a ) は非可逆回路素子の第 2の実施の形態としてのストリップ線路 Y接
合形サ一キユレ一夕であり、 図 6 (b) は図 6 (a) の A— A矢視図である。 本第 2の実施の形態では、 ストリップ線路 4の分岐路 4 a、 4 b、 4 cが円形 状の中心部 4 dで Y字状に接合されており、 さらに前記分岐路 4 a、 4 b, 4 c には補正用のコンデンサ部 5 a、 5 b、 5 cが形成されている。 そして、 前記中 心部 4 dの上下両面にはフェライト基板 6が設けられると共に、 該フェライト基 板 6が挟持状となるように分岐路 4 a、 4 b、 4 cの上下両面には外部導体 7 a 、 7 bが設けられている。
そして、 例えば、 TM 。モードで共振する場合、 分岐路 4 aに入力された高 周波磁界は、 フェライト基板 6を通過する際に矢印で示すように偏波面が回転し 、 分岐路 4 bにのみ出力され、 サーキユレ一夕を形成する。
本第 2の実施の形態でも、 フェライ卜基板 6が上記フェライト磁器組成物で形 成されているので、 1 0 GHz以下や 3 0〜6 0 GHzのマイクロ波帯で磁気損 失が小さく十分な非可逆性を有する小型 ·低背化や低コスト化がなされたサーキ ユレ一夕を得ることが可能となる。
図 7は非可逆回路素子の第 3の実施の形態としてのフェライト基板サーキュレ 一夕であって、 フェライト基板 9の表面に Y字状のストリップ線路 1 0が形成さ れている。 そして、 本第 3の実施の形態でも、 第 2の実施の形態と同様、 例えば 、 TM^。モードで共振する場合、 分岐路 1 0 aに入力された高周波磁界は、 フ エライト基板 9上を偏波面が回転し、 分岐路 1 0 bにのみ出力され、 サ一キユレ 一夕を形成する。
本第 3の実施の形態でも、 フェライト基板 9が上記フェライト磁器組成物で形 成されているので、 1 0 GHz以下や 3 0〜6 0 GHzのマイクロ波帯で磁気損 失が小さく十分な非可逆性を有する小型 ·低背化や低コスト化がなされたサーキ ユレ一夕を得ることが可能となる。
図 8は非可逆回路素子の第 4の実施の形態としての導波管形サーキュレータを 模式的に示した斜視図であって、 本第 4の実施の形態では、 Y字状の導波管 1 1 の Y分岐の中心部に円柱状のフヱライト柱 1 2が挿入されており、 上記第 2及び 第 3の実施の形態と略同様に動作し、 サーキユレ一夕を形成する。 そして、 フエ ライト柱 1 2が上記フェライト磁器組成物で形成されているので、 1 0 GHz以
下や 30〜60 GHzのマイクロ波帯で磁気損失が小さく十分な非可逆性を有す る小型 ·低背化や低コスト化がなされたサーキユレ一夕を得ることが可能となる 図 9 (a) は非可逆回路素子の第 5の実施の形態としての非放射性誘電体線路 Y型サーキユレ一夕を模式的に示した斜視図であり、 図 9 (b) は図 9 (a) の B— B断面図である。 尚、 図 9 (a) では上下一対の金属板を省略している。 本第 5の実施の形態では、 誘電体ストリップ 13 a、 13 b、 13 cが互いに 等間隔で 120。 に配設されると共に、 一対の円盤状フェライト基板 14 a、 1 4 bが誘電体ストリップ 13 a、 13 b、 13 cの一方の端部により挟持され、 さらに、 誘電体ストリップ 13 a、 13 b、 13 c及びフェライト基板 14 a、 14bの上下両面に平板状の金属板 15 a、 15 bが設けられている。 そして、 フェライト基板 14 a、 14 bにより共振器を構成し、 ΗΕ11δモードで共振す る。
本第 5の実施の形態でも、 フェライト基板 14 a、 14bが上記フェライト磁 器組成物で形成されているので、 10 GHz以下や 30〜60 GHzのマイクロ 波帯で磁気損失が小さく十分な非可逆性を有する小型 ·低背化や低コスト化がな されたサーキュレー夕を得ることが可能となる。
図 10は非可逆回路素子の第 6の実施の形態としてのファラデー回転形アイソ レータを模式的に示した斜視図であって、 該ファラデー回転形アイソレータは、 支持誘電体 16に挿通されたフェライト棒 17と抵抗板 18 a、 18 bとが導波 管 19内に収容されている。
そして、 例えば、 矢印 C方向からの TE10モードの入力信号は方形一円形変換 器 20 aにより TEuモードに変換される。入力信号の電界は抵抗板 18 aに垂 直であるので吸収されずにフェライト棒 17に到達し、 正負の円偏波に分解され 、 正円偏波と負円偏波との透磁率差 Δ が位相定数の差となって偏波面が角度 0 だけ回転する。 そして、 その結果、 フェライト棒 17を通過した入力信号は、 抵 抗板 18 bと平行となり、 入力信号は吸収される。
一方、矢印 D方向からの TE1Qモードの入力信号は方形—円形変換器 20 bに より TE^モードに変換される。 そして、 入力信号の電界は抵抗板 18 bに垂直
であるので吸収されずにフェライト棒 1 7に到達し、 正負の円偏波に分解され、 偏波面が角度 0だけ回転する。 フェライト棒 1 7を通過した入力信号は抵抗板 1 8 aと垂直となり導波管 1 9から出力され、 これにより矢印 D方向へのアイソレ —夕が形成される。
そして、 本第 6の実施の形態でも、 フェライト棒 1 7が上記フェライト磁器組 成物で形成されているので、 1 0 GH z以下や 3 0〜6 0 GH zのマイクロ波帯 で磁気損失が小さく十分な非可逆性を有する小型 ·低背化や低コスト化がなされ たアイソレータを得ることが可能となる。
図 1 1は非可逆回路素子の第 7の実施の形態としてのペリファリ ·モード形ァ イソレー夕を模式的に示した斜視図であって、 該第 7の実施の形態は、 上記フエ ライト磁器組成物で形成されたフェライト基板 2 1の表面に略台形状のストリツ プ線路 2 2が形成され、 さらに、 一部がストリップ線路 2 2の端部と重畳するよ うにフェライト基板 2 1の表面に抵抗体 2 3が形成されている。
そして、 端子 2 4 aに高周波信号が入力すると、 高周波磁界はファラデー効果 により矢印 Eに示すように、 ストリップ線路 2 2の一方の端部を伝播して出力側 に進んでゆき、 端子 2 4 bから出力する。 一方、 端子 2 4 bに高周波信号が入力 すると、 抵抗体 2 3の方向に捩れて進行し、 高周波信号は抵抗体 2 3により吸収 され、 これによりアイソレータを形成している。
そして、 本第 7の実施の形態でも、 フェライト基板 2 1が上記フェライト磁器 組成物で形成されているので、 1 0 GH z以下や 3 0〜6 0 GH zのマイクロ波 帯で磁気損失が小さく十分な非可逆性を有する小型 ·低背化や低コスト化がなさ れたアイソレー夕を得ることが可能となる。
図 1 2 ( a ) ( b )は非可逆回路素子の第 8の実施の形態としての導波管共鳴形 アイソレータを模式的に示す斜視図であって、 フェライト棒 2 6 a〜2 6 cが方 形状の導波管 2 5の所定位置に挿入されている。
本第 8の実施の形態では、 導波管 2 5を基本モード、 すなわち T E 1 Qモードで 伝搬する場合、 特定位置で高周波磁界は回転し、 円偏波となる。 そして円偏波に は正の円偏波と負の円偏波とがあり、 一方の円偏波、 例えば正の円偏波が大きな 磁気損失として作用する場合、 他方の円偏波、 例えば負の円偏波は減衰を受ける
ことなく通過する。
そこで、 図 12 (a) (b) に示すように、 円偏波が発生する特定位置にフェラ イト棒 26 a〜 26 cを挿入することによってアイソレータを形成することがで さる。
本第 8の実施の形態でも、 フェライト棒 26 a〜26 cが上記フェライト磁器 組成物で形成されているので、 10 GHz以下や 30〜60 GHzのマイクロ波 帯で磁気損失が小さく十分な非可逆性を有する小型 ·低背化や低コスト化がなさ れたアイソレ一タを得ることが可能となる。
図 13は非可逆回路素子の第 9の実施の形態としての十字ストリップ線路共鳴 型アイソレー夕である。
該第 9の実施の形態では、 誘電体 29 a、 29 bの一方の面に接地導体 27 a 、 27 bが形成されると共に、 誘電体 29の略中央部には円柱状のフェライト柱 28が埋設され、 ストリツプ線路 30が誘電体 29 a、 29 bに挟着されている 。 また、 ストリップ線路 30は整合用のコンデンサ部 31を有すると共に、 フエ ライト柱 28と当接可能となるように、 ストリップ線路 30上には λ/4共振器 32が形成されている。 そして、 本第 9の実施の形態では、 ストリップ線路 30 と λ/4共振器 32との交点で円偏波が生じるので、 図 10と同様の動作原理に よりアイソレー夕が形成される。
本第 9の実施の形態でも、 フェライト柱 28が上記フェライト磁器組成物で形 成されているので、 10 GHz以下や 30〜60 GHzのマイクロ波帯で磁気損 失が小さく十分な非可逆性を有する小型 ·低背化や低コスト化がなされたアイソ レ一タを得ることが可能となる。
図 14は本発明に係る無線装置の一実施の形態を示すシステム構成図であって 、 31は図 10〜図 13で示されたアイソレータであり、 32は図 5〜図 9で示 されたサーキユレ一夕である。
すなわち、 本無線装置は、 変調信号が、 電圧制御信号 (Voltage Controlled 0 scillator: VCO) 33に入力されると、 アイソレ一夕 31を経て力ブラ 34に 入力され、 変調信号は力ブラ 34によりサーキユレ一夕 32とミキサ 36とに分 割され、 サーキユレ一夕 32に入力された変調信号はアンテナ 35から送信され
る。
一方、 アンテナ 35に入力された受信信号はサーキュレー夕 32を経てミキサ 36に入力され、 力ブラ 34からの変調信号とミキシングされ、 受信周波数が引 き下げられて I F信号 (Intermediate Frequency:中間周波数) を得ている。 本実施の形態では、 上述したアイソレータ及びサーキユレ一夕を使用している ので、 数 GHz帯で使用される携帯電話や数 10 GHz帯で使用される無線 L A Nゃミリ波レーダにおいても、 磁気損失が小さく十分な非可逆性を有する小型 · 低背化や低コスト化が可能な無線装置を得ることが可能となる。
次に、 本発明の実施例を具体的に説明する。
実施例 1
表 1の組成を有する一般式 {S r O · n (F e,.yI ny) 203}で表されるフエ ライト磁器組成物を作製した。
すなわち、 フェライト素原料として S r C〇3 (炭酸ストロンチウム)、 F e2 03 (酸化鉄)、 I n203 (酸化インジウム) を用意し、 これらフェライト素原料 を、 0. 00≤y≤0. 31、 n= 5. 50となるように秤量して調合し、 ボー ルミルで湿式混合した後、 大気中で仮焼し、 その後湿式粉碎して、 比表面積が約 5m2Zgの仮焼粉末を作製した。
次いで、 この仮焼粉末を酢酸ビュル系パインダと混練してスラリーとし、 この スラリーを磁場中で脱水成形し、 その後大気中で焼成して焼結体を作製し、 一般 式 {S rO ' n (F e,.yI ny) 2〇3}で表される試料番号 1〜 6のフェライト磁 器組成物を得た。
次に、 これら各試料の飽和磁化 Ms、 及び異方性磁界 Haを測定し、 測定され た飽和磁化 M s、 及び異方性磁界 H aに基づいて周波数と複素透磁率との関係を シミュレーションし、 10 GHz及び 40 GHzにおける透磁率差 (非可逆 性)、 及び正円偏波複素透磁率の虚数部 ' (磁気損失) を求めた。
ここで、 飽和磁化 Msは VSM (試料振動型磁化測定装置) で測定した。
また、 異方性磁界 Haは以下のようにして求めた。 すなわち、 まず、 ネットヮ ークアナライザを使用し、 反磁界係数 Nが既知試料の磁気共鳴周波数 f rを外部 磁界なしで測定し、 数式 (4) に基づいて異方性磁界 Haを算出した。
27T f r = r · (Ha-N · Ms) - (4)
ここで、 ァはジャイロ定数 (=2. 21 X 105m/A · s) である。
さらに、 高抵抗測定器を用いて四端子法で比抵抗率 |0を測定した。
表 1は各試料番号の組成と、 飽和磁化 Ms、 異方性磁界 Ha、 比抵抗率 p、 透 磁率差 Δ 、 虚数部^ ' を示している。
(以下余白)
SrO-nCFe!-yln gOg 試料 透磁率差 虚数部
No. (非可逆性) (磁気損失)
n 飽和磁化 Ms異方性磁界 Ha 比抵抗率 /0 y (T) (kAZm) Δ/i ,' ( Ω . cm)
10GHz 40GHz 10GHz 40GHz
1* 0.00 5.5 0.360 1536 4.99 0 0.96 1.2X1010
2 0.05 5.5 0.350 1200 0. 14 -2.21 0 0. 19 3.5 1010
3 0. 15 5.5 0.300 570
-0.55 0.41 0 2. 2X10
10
4 0.25 5.5 0. 150 310 -0.33 -0.22 0 0 7.5X1010
5 0.30 5.5 0. 110 100 -0.22
0 0 5.5X10
10
6* 0.31 5.5 0 0 0 0 0 0 6.0X1010 注) *印は本発明範囲外 p
O
〇
試料番号 1は、 従来から使用されている S rフェライト (異方性磁界 Ha : 1 536 kAZm) であり、 10 GH zでは透磁率差△ が 0. 05 «0. 1) と小さく、 所望の非可逆性を得ることができない。 また、 40 GHzでは虚数部 が 0. 96 (≥0. 05) であり、 磁気損失が大きい。
試料番号 6は、 yが 0. 31であり、 0. 30を超えているため、 F eの含有 量が過少となり、 このため異方性磁界が 「0」 となって非可逆性を示さなくなつ た。
これに対して試料番号 2〜 5は、 yが 0く y≤0. 30、 nが 5. 50である ので、 従来の S rフェライト (試料番号 1) に比べて異方性磁界 Haを低下させ ることができ、 これにより 10 GHz及び 40 GHzの少なくともいずれか一方 で絶対透磁率差 I Iが 0. 1以上となって所望の非可逆性を得ることができ 、 虚数部^ ' も 0. 05未満となって磁気損失を低減することができる。
すなわち、 試料番号 4、 ' 5は 10 GH ζ及び 40 GHzの双方で絶対透磁率差 I Δ Iが 0. 1以上となって所望の非可逆性を得ることができ、 虚数部 も 0となって磁気損失も生じず、 これら双方のマイクロ波帯で使用できる非可逆 回路素子を得ることが可能となる。
また、 試料番号 2は、 40 GHzでは虚数部^ +〃 が 0. 19となって 0. 0 5以上となり、 磁気損失が大きくなるが、 10 GHzでは虚数部 ' が 0とな つて磁気損失が生じず、 また、 この 10 GHzでは絶対透磁率差 I Iも 0. 14 (>0. 1) であり、 所望の非可逆性を得ることができる。
また、 試料番号 3は、 10GHzでは虚数部 〃 が 0· 41となって 0. 0 5以上であるため、 磁気損失が大きくなるが、 40 GHzでは虚数部 t +〃 が 0 となって磁気損失が生じず、 また、 この 40 GHzでは絶対透磁率差 I Iも 0. 55 (>0. 1) であり、 所望の非可逆性を得ることができる。
実施例 2
〔実施例 1〕 と同様の方法 ·手順で、 表 2に示すような組成を有する一般式 { S rO ' n (F et_zA 1 z) 203}で表されるフェライト磁器組成物を作製した。 すなわち、 フェライト素原料として S r C〇3 (炭酸ストロンチウム)、 F e2 〇。 (酸化鉄)、 A 1203 (酸化アルミニウム) を用意し、 これらフェライト素原
料を、 0. 00≤z≤0. 31、 n= 5. 50となるように抨量して調合し、 ポ —ルミルで湿式混合した後、 大気中で仮焼し、 その後湿式粉砕して、 比表面積が 約 5 m2Z gの仮焼粉末を作製した。
次いで、 この仮焼粉末を酢酸ビニル系バインダと混練してスラリーとし、 この スラリーを磁場中で脱水成形し、 その後大気中で焼成して焼結体を作製し、 一般 式 rO ' n (F e^A 1 z) 203}で表される試料番号 1 1〜 15のフェライ ト磁器組成物を得た。
次に、 これら各試料について、 〔実施例 1〕 と同様、 飽和磁化 Ms、 異方性磁界 Ha、 及び比抵抗率 pを測定し、 測定された飽和磁化 Ms及び異方性磁界 Haに 基づき各試料の 10 GH z及び 4 OGHzにおける透磁率差 Δ (非可逆性)、正 円偏波複素透磁率の虚数部 (磁気損失) を求めた。
表 2は各試料番号の組成と、 飽和磁化 Ms、 異方性磁界 Ha、 比抵抗率 ί)、 透 磁率差 Δ^、 虚数部^ ' を示している。
(以下、 余白)
表 2
注) *印は本発明範囲外
試料番号 1 1は、 試料番号 1 (実施例 表 1) と同様、 従来から使用されて いる S rフェライト (異方性磁界 Ha : 1 536 k A/m) であり、 1 0 GHz では透磁率差△ が 0. 0 5 «0. 1) と小さく、 所望の非可逆性を得ること ができない。 また、 40 GHzでは虚数部 が 0. 96 (≥0. 05) であ り、 磁気損失も大きい。
試料番号 1 5は zが 0. 3 1であり、 0. 30を超えているため、 F eの含有 量が過少となり、 このため異方性磁界が 「0」 となって非可逆性を示さなくなつ た。
これに対して試料番号 1 2〜14は、 zが 0<z≤0. 30であるので、 従来 の S rフヱライト (試料番号 1 1) に比べて異方性磁界 Haを増加させることが でき、 強磁性共鳴ピークの周波数が高周波側にシフトし、 その結果、 虚数部 ^ + 〃 も 0となる。 そして、 1 0 GHzでは絶対透磁率差 I Iが 0. 1未満であ り非可逆性を得ることはできないが、 40 GHzでは絶対透磁率差 I Δ Iは 0 . 1以上であり、 十分な非可逆性を得ることができる。 すなわち、 40GHzの マイクロ波帯では非可逆性が良好で磁気損失の生じないフェライト磁器組成物を 得ることができた。
実施例 3
〔実施例 1〕 と同様の方法,手順で、 表 3に示すような組成を有する一般式 { (S rト xB ax) 〇 · η (F eト y z I n y A 1 ζ) 2〇3}で表されるフェライト磁器 組成物を作製した。
すなわち、 フェライト素原料として S r C03 (炭酸ストロンチウム)、 B aC 〇3 (炭酸バリウム)、 F e 2〇3 (酸化鉄)、 I n2〇3 (酸化インジウム)、 A 12 〇3 (酸化アルミニウム)、 を用意し、 これらフェライト素原料を、 0≤χ≤1. 00、 0. 00≤y≤0. 3 1、 0. 00≤z≤0. 3 1、 4. 90≤n≤6. 00となるように抨量して調合し、 ポールミルで湿式混合した後、 大気中で仮焼 し、 その後湿式粉砕して、 比表面積が約 5 m2Zgの仮焼粉末を作製した。
次いで、 この仮焼粉末を酢酸ビニル系バインダと混練してスラリーとし、 この スラリーを磁場中で脱水成形し、 その後大気中で焼成して焼結体を作製し、 一般 式 { (S r,.xB ax) 〇 · n (F I nyA 1 z) 2〇3}で表される試料番号 21
〜38のフェライト磁器組成物を得た。
次に、 これら各試料について、 〔実施例 1〕 と同様、 飽和磁化 Ms、 異方性磁界 Ha、 及び比抵抗率 <oを測定し、 測定された飽和磁化 Ms及び異方性磁界 Haに 基づき各試料の 10 GH z及び 40 GHzにおける透磁率差△ a (非可逆性)、正 円偏波複素透磁率の虚数部^ ' (磁気損失) を求めた。
表 3は各試料番号の組成と、 飽和磁化 Ms、 異方性磁界 Ha、 比抵抗率 ιθ、 透 磁率差 Δ; 、 虚数部^ を示している。
(以下、 余白)
表 3
(Sr-, _xBax) O ' n (Fe―_zInyAlz) 203
透磁率差 虚 3 ¾部
試料
No. 飽和磁化 Ms異方性磁界 Ha (非可逆性) (磁気損
X y z n
(T) (kA/m) Δ /H ,失, ) 比抵抗率 jO
(Ω. cm)
10GHz 40GHz 10GHz 40GHz
21* 0 0.00 0.00 5.5 0.360 1536 0.05 4.99 0 0.96 1.2 1010
22 0 0.15 0.05 5.5 0.289 930 0.26 -0.73 0.01 0 2.5X1010
23 0 0.15 0.20 5.5 0.113 2002 0.01 0.17 0 0 3.5X101D
24 0 0.15 0.30 5.5 0.110 2200 0.01 0.12 0 0 5.0X 1011
25* 0 0.15 0.31 5.5 0 0 0 0 0 0 4.5X1011
26* 0 0.31 0.31 5.5 0 0 0 0 0 0 3.5X1010
27 0. 10 0. 12 0.05 5.5 0.235 810 0.29 - 0.51 0. 01 0 8.1 1010
28 0. 20 0. 12 0.06 5.5 0.225 800 0.28 - 0.48 0. 01 0 7.0X 1010
29 0.40 0.13 0.05 5.5 0.230 820 0.26 -0.50 0.01 0 6.8X1010
30 0.80 0.13 0.05 5.5 0.231 800 0.29 - 0.49 0.01 0 5.4X1010
31 1.00 0.12 0.06 5.5 0.233 790 0.30 - 0.49 0 0 9.2X 1010
32* 0.20 0.30 0.30 4.9 0 0 0 0 0 0 8.5X106
33 0.20 0.13 0.13 5.5 0.221 770 0.31 - 0.45 0.01 0 7.7X107
34 0.20 0.12 0.13 5.4 0.226 890 0.21 -0.57 0 0 9.5X107
35 0.20 0.13 0.13 5.5 0.233 900 0.21 - 0.60 0 0 1.0X 1010
36 0.20 0.13 0.12 5.6 0.234 950 0.18 -0.67 0 0.01 2.5X1011
37 0. 20 0.13 0. 12 5.9 0.241 810 0.30 - 0.51 0. 01 0. 02 8.1 109
38* 0.20 0.13 0.13 6.0 0.220 600 0.10 一 0.35 0.10 0.12 5.4X106 注) *印は本発明範囲外
試料番号 21は、 従来から使用されている S rフェライト (異方性磁界 Ha : 1536 kAZm) であり、 10 GH zでは透磁率差△ が 0. 05 «0. 1 ) と小さく、 所望の非可逆性を得ることができない。 また、 40 GHzでは虚数 部 ' が 0. 96 (≥0. 05) であり、 磁気損失も大きい。
試料番号 25は yが 0. 31であり、 試料番号 26は、 y及び zが 0. 31で あり、 0. 30を超えているため、 F eの含有量が過少となり、 このため異方性 磁界が 「0」 となって非可逆性を示さなくなった。
また、 試料番号 32は、 nが 4. 90であり、 5. 00未満であるため、 異方 性磁界 Haが 「0」 となって非可逆性を示さなくなり、 また比抵抗率! 0も 8. 5 X 106Ω · cmと小さくなつた。
また、 試料番号 38は、 nが 6. 00であるため、 異方性磁界 Haが 「0」 と なって非可逆性を示さなくなり、 また比抵抗率 iOも 5. 4X 106Ω · cmと小 さくなつた。
これに対して試料番号 22〜 24、 27〜31、 及び 33〜37は、 y及び z がそれぞれ 0<y≤0. 30、 0<z≤0. 30、 nが 5. 00≤n<6. 00 であるので、 10 GHz及び 40 GHzの少なくともいずれか一方で絶対透磁率 差 I Iが 0. 1以上となって所望の非可逆性を得ることができ、 虚数部 + " も 0. 05未満となって磁気損失を低減することができる。
すなわち、 試料番号 22、 27〜31、 及び 33〜37は、 10 GHz及び 4 0 GHzの双方で絶対透磁率差 I Δ Iが 0. 1以上となって所望の非可逆性を 得ることができ、 虚数部/ ζ ' も 0. 05未満となって磁気損失も小さく、 これ ら双方のマイク口波帯で使用できる非可逆回路素子を得ることが可能となる。 また、 試料番号 23、 24は、 10 GHzでは絶対透磁率差 I Iが 0. 1 未満であり、 所望の非可逆性を得ることができなくなるが、 40 GHzでは絶対 透磁率差 I Iも 0. 1以上であり、 所望の非可逆性を得ることができ、 虚数 部 も 0となつて磁気損失が生じないことが分かる。
そして、 I η3+及び A 13 +の含有モル量、すなわち y及び zを適宜調整するこ とにより、 試料番号 22、 27〜31、 及び 33〜37のように 10 GHz及び 40 GHzの双方で非可逆性と低磁気損失を両立させることのできるフェライト
磁器組成物を得ることができる。
実施例 4
表 4の組成を有する一般式 { (S r,— XB ax) O ' n (F e,.y.zI nyA 1 z) 2〇3 + o;Ca + ^Co}のフェライト磁器組成物を作製した。
すなわち、 〔実施例 1〕 と略同様の方法,手順を使用し、 フェライト素原料とし ての S r C〇3 (炭酸ストロンチウム)、 B a C03 (炭酸バリウム)、 F e 2〇3 (酸化鉄)、 I n 203 (酸化インジウム)、 A 1203 (酸化アルミニウム) が x = 0. 2、 n= 5. 5、 y=0. 13、 z = 0. 13となるように抨量して調合し 、 ポールミルを使用して湿式混合した後、 大気中で仮焼し、 一般式 { (S r,.xB a x) 〇 · n (F e^I nyA lz) 203}で表される仮焼粉末を作製した。
次いで、 この仮焼粉末 (主成分) 1モルに対し、 C aC03 (炭酸カルシウム )、 及び CoO (酸化コバルト) の含有量が、 総計で 0〜0. 9000モルとなる ように添加し、 湿式粉碎し、 比表面積が約 5 m2Zgの仮焼粉砕品を作製した。 次いで、 この仮焼粉砕品を酢酸ビニル系バインダ樹脂と混練させてスラリー化 し、 さらに磁場中で脱水成形機を使用して成形加工を施し、 その後大気中で焼成 処理を施し、 一般式 { (S rト XB ax) 〇 · n (F e^. nyA lz) 2〇3+ cuC a + j3 Co}で表される試料番号 41〜69のフェライト磁器組成物を得た。
次に、 〔実施例 1〕 と同様、 各試料の飽和磁化 Ms、 異方性磁界 Ha、 10GH z及び 40GHzにおける透磁率差 Δ (非可逆性)、及び正円偏波複素透磁率の 虚数部 ' (磁気損失)、 比抵抗率 /0を求めた。
さらに、 各試料を、 図 7に示す非放射性誘電体線路 Y型サーキユレ一夕に実装 し、 ネットワークアナライザを使用して信号伝送損失 (挿入損失 I. L) を測定 した。
表 4は各試料の組成と、 飽和磁化 Ms、 異方性磁界 Ha、 透磁率差 Δ 、 虚数 部 +〃 、 比抵抗率 /□、 挿入損失 I. L. を示している。
(以下、 余白)
表 4
各試料番号 4 1〜6 9は、 x、 y、 z、 及び nが本発明範囲内であるので、 絶 対透磁率差 I Iが 0. 1以上となって所望の非可逆性を得ることができ、 虚 数部 +" も 0. 0 5未満となって磁気損失を低減することができる。
しかしながら、 試料番号 4 1、 42、 49、 5 6、 6 5は (α + /3) 値が 0. 0 0 1未満であるため、 比抵抗率! 0が 1. 9 X 1 09〜 2. 8 X 1 010Ω · cm と小さく、 挿入損失 I . L. も 1. 0 6〜: 1. 24 dBと大きくなる。
また、 試料番号 48、 5 5、 6 0、 64、 6 9は ( a + /3 ) 値が 0. 8を超え ているため、 比抵抗率 ιθが 1. 6 X 1 09〜2. 9 X 1 01 ()Ω · cm以下と小さ く、 挿入損失 I . L. も 1. 0 6〜: L. 5 9 dBと大きくなる。
これに対して試料番号 43〜47、 5 0〜5 5、 5 7〜5 9、 6 1〜6 3、 6 6〜6 8は、 (α + )3)値が 0, 0 0 1 0〜0. 8 0 0の範囲内にあるため、 比抵 抗率 Pは 4. 5 X 1 01 (〜 1. 8 X 1 013 Ω · cmであり、 また揷入損失 I . L . が 0. 46〜0. 9 9 dBであり、 比抵抗率 pを増大させて挿入損失 I . L. を低減することのできるフェライト磁器組成物を得ることができる。
実施例 5
〔実施例 4〕 と同様の方法 ·手順で、 表 5の組成を有する一般式 { (S r^B a χ) 〇 · η (F I ny) 2〇3+ a C a + )3 C o} (x= 0、 n= 5. 5、 0≤y ≤ 0. 3 1、 = β = 0. 2 5) で表される試料番号 7 1〜7 6のフェライト磁 器組成物を作製した。
また、 比較例として C a及び C oを添加していないフェライト磁器組成物を作 製した。
次に、 〔実施例 1〕 と同様、 各試料の飽和磁化 Ms、 異方性磁界 Ha、 1 0 GH z及び 4 O GHzにおける透磁率差 Δ (非可逆性)、及び正円偏波複素透磁率の 虚数部^ ' (磁気損失)、 比抵抗率 pを求めた。
表 5は各試料番号の組成と、 飽和磁化 Ms、 異方性磁界 Ha、 透磁率差 Δ 、 虚数部 ' 、 比抵抗率 0を示している。
(以下、 余白)
表 5
(Srト xBax) 0"n(Fe-, _vIny) z03 + Of Ca+ Co
透磁率差 Ajw 虚数部 jt +" 比抵抗率 /0 試料 飽和磁 異方性 (非可逆性) (磁気損失) (Q-cm)
No. X y n 化 Ms 磁界 Ha
(T) (kA/m) 10GHz 40GHz 10GHz 40GHz 実施例
比較例 (α = β =0.25)
71* 0 0.00 5.5 0.346 1525 0.04 4.98 0 0.97 2.1 Χ1013 1.2Χ1010
72 0 0.05 5.5 0.336 1180 0.13 2.20 0 0.20 6.2Χ1013 3.5Χ1010
73 0 0.15 5.5 0.286 555 2.93 0.55 0.41 0.01 3.7Χ1013 2.2 1010
74 0 0.25 5.5 0.134 290 0.32 0.21 0 0.01 1.5Χ1014 7.5Χ1010
75 0 0.30 5.5 0.095 90 0.22 0.13 0 0.01 9.6Χ1013 5.5Χ1010
76* 0 0.31 5.5 0 0 0 0 0 0.01 1.0Χ1014 6. ΟΧ1010
*は本発明範囲外を示す
試料番号 7 1は、 従来の S rフェライトに C a成分及び Co成分を添加したも のであり、 10 GHzでは絶対透磁率差 I Iが 0. 04と小さく所望の非可 逆性を得ることができない。 また 40 GHzでは虚数部 〃 が 0. 97 (≥0 . 05) であり、 磁気損失が大きくなる。
試料番号 76は、 yが 0. 3 1であり、 0. 30を超えているため、 F eの含 有量が過少となり、 このため異方性磁界も 「0」 となって非可逆性を示さなくな る。
また、 各試料番号 7 1〜76から明らかなように、 C a成分及び Co成分を各 0. 25モル添加することにより、 添加しない場合に比べ、 比抵抗率 pが飛躍的 に増大することが分かる。
実施例 6
〔実施例 4〕 と同様の方法,手順で、 表 6の組成を有する一般式 { (S Γ ι.χΒ a x) 〇 · n (F e,.zA 1 z) 203+ a C a + j8 C o} (x = 0、 n= 5. 5、 0≤ z ≤ 0. 31、 α = β = 0. 25) で表される試料番号 8 1〜85のフェライト磁 器組成物を作製した。
また、 比較例として C a及び Coを添加していないフェライト磁器組成物を作 製した。
次に、 〔実施例 4〕 と同様、 各試料の飽和磁化 Ms、 異方性磁界 Ha、 1 0GH z及び 40GHzにおける透磁率差△ a (非可逆性)、及び正円偏波複素透磁率の 虚数部 ' (磁気損失)、 比抵抗率 Pを求めた。
表 6は各試料番号の組成と、 飽和磁化 Ms、 異方性磁界 Ha、 透磁率差 Δ 、 虚数部^ ' 、 比抵抗率 pを示している。
(以下、 余白)
表 6
— Al
z)
20
3+ (XC + βθο
透磁率差厶〃 虚数部 JU+" 比抵抗率 ο
試料 飽和磁 異方性 (非可逆性) (磁気損失) (Q-cm)
No. X z n 化 Ms 磁界 Ha
(T) (kA/m) 10GHz 40GHz 10GHz 40GHz 実施例
ία = β=0.25) 比較例
81* 0 0.00 5.5 0.346 1525 0.04 4.98 0 4. 97 2. 1 1013 1.2Χ1010
82 0 0.05 5. 5 0.337 1785 0.06 0.59 0 0.01 5.6x 1013 3.2 1010
83 0 0. 10 5. 5 0.314 2140 0.03 0.28 0 0.01 5.3Χ1013 3. 1 X 101Q
84 0 0.30 5. 5 0. 117 3030 0.01 0. 10 0 0.01 5.4Χ1013 3. 1 1010
85* 0 0.31 5.5 0 3885 0 0 0 0.01 6. 5Χ1013 3.8X1010
*は本発明範囲外を示す
試料番号 8 1は、 従来の S rフェライ卜に C a成分と C o成分を添加したもの であり、 1 0 GHzでは絶対透磁率差 I Δ Iが 0. 04と小さく所望の非可逆 性を得ることができない。 また 40 GHzでは虚数部 〃 が 4. 9 7 (≥ 0. 0 5) であり、 磁気損失が大きくなる。
試料番号 8 5は、 zが 0. 3 1であり、 0. 3 0を超えているため、 F eの含 有量が過少となり、 このため異方性磁界も 「0」 となって非可逆性を示さなくな る。
また、 試料番号 8 1〜8 5から明らかなように、 C a成分及び C o成分を各 0 . 2 5モル添加することにより、 添加していない比較例に比べ、 比抵抗率 pが飛 躍的に増大することが分かる。
実施例 7
〔実施例 4〕 と同様の方法,手順で、 表 6の組成を有する一般式 { (S r^B a χ) 〇 · η (F e,.y.z I nyA 1 z) 203+ a C a + j3 C o} (x= 0、 5. 0≤n≤ 6. 0、 0≤z≤0. 3 1、 0≤z≤0. 3 1、 = = 0. 2 5) で表される 試料番号 9 1〜 1 0 8のフェライト磁器組成物を作製した。
また、 比較例として C a及び C oを添加していないフェライト磁器組成物を作 製した。
次に、 〔実施例 4〕 と同様、 各試料の飽和磁化 Ms、 異方性磁界 Ha、 1 0 GH z及び 4 O GHzにおける透磁率差 Δ (非可逆性)、及び正円偏波複素透磁率の 虚数部 ' (磁気損失)、 比抵抗率 ρを求めた。
表 7は各試料番号の組成と、 飽和磁化 Ms、 異方性磁界 Ha、 透磁率差 Δ 、 虚数部 、 比抵抗率 ιθを示している。
(以下、 余白)
表 7
*は本発明範囲外を示す
試料番号 91は、 従来の S rフェライトに C a成分と C o成分を添加したもの であり、 10 GHzでは絶対透磁率差 I Δ ζ Iが 0. 04と小さく所望の非可逆 性を得ることができない。 また 40 GHzでは虚数部 〃 が 4. 98 (≥ 0. 05) であり、 磁気損失が大きくなる。
試料番号 95は、 zが 0. 31であり、 0. 30を超えているため、 F eの含 有量が過少となり、 このため異方性磁界も 「0」 となって非可逆性を示さなくな る。
試料番号 96は、 y及び zが共に 0. 31であり、 0. 30を超えているため 、 F eの含有量が過少となり、 このため異方性磁界も 「0」 となって非可逆性を 示さなくなる。
また、 試料番号 102、 108は、 nが 4. 9又は 6. 0であり、 5. 0≤n <6. 0の範囲外となるため、 磁気異方性を示さなくなり、 非可逆性を示さなく なる。
また、 試料番号 91〜108から明らかなように、 Ca成分及び Co成分を各 0. 25モル添加することにより、 添加していない比較例に比べ、 比抵抗率 pが 飛躍的に増大することが分かる。
実施例 8
〔実施例 1〕 と同様の方法 ·手順で、 表 8に示すような組成のフェライト磁器 組成物を作製した。
すなわち、 フェライト素原料として S r C〇3 (炭酸ストロンチウム)、 B aC 03 (炭酸バリウム)、 Fe 203 (酸化鉄)、 I n203 (酸化インジウム)、 A 12 〇3 (酸化アルミニウム) を使用し、 x=0. 10、 0. 1 l≤y≤0. 13、 0. 04≤z≤0. 06、 5. 50≤n≤ 5. 60となるように枰量して調合し 、 ポールミルで湿式混合した後、 大気中で仮焼した。 次いで、 この仮焼物に Mn O及び Z r 02を所定量添加し、湿式粉砕して比表面積が約 5 m2Zgの仮焼粉末 を作製した。
次に、 この仮焼粉末を酢酸ビニル系パインダと混練してスラリーとし、 このス ラリーを磁場中で脱水成形し、 その後大気中で焼成して焼結体を作製し、 Mn成 分及び Z r成分を含有した一般式 { (S r i_xB ax) 〇 · η (F e ,.y.z I n y A 1 ζ
) 203}で表される試料番号 1 1 1〜122のフェライト磁器組成物を得た。 次に、 〔実施例 1〕 と同様、 比抵抗率 P、 各試料の 10 GHz及び 40 GHzに おける透磁率差 Δ (非可逆性)、 正円偏波複素透磁率の虚数部^ ' (磁気損失 ) を求め、 さらに誘電損失 tan δを摂動法で測定した。
表 8は各試料番号の組成と、 透磁率差 Δ 、 虚数部 ' 、 誘電損失 tan δ、 比 抵抗率 Ρを示している。
(以下、 余白)
表 8
(Sr— xBax) O■ n (Fe,— y— JnyAlz) 203
試料 透磁率差 虚数部
No. Mn Zr Mn+Zr (非可逆性) (磁気損失) 比抵抗率 /0
X y z n
d (重量%) (重量%) tano (Ω. cm)
10GHz 40GHz 10GHz 40GHz
M C
111 0.1 0.12 0.05 5.50 0.00 0.05 0.05 0.28 -0.50 0.01 0 8 x 10一4 3.6X1011
112 0.1 0.12 0.06 5.50 0.50 0.04 0.54 0.25 -0.46 0.01 0 2 X 10~4 5.8X1011
113 0.1 0.13 0.05 5.50 0.90 0.02 0.92 0.26 -0.49 0.01 0 1 10"4 6.8X 10"
114 0. 1 0.13 0.05 C 5I.50 1.10 0.06 1.16
一 0.49 0. 01 0 2X10"
4 5.5X10
10
115 0. 1 0. 12 0.06 5.5 1.47
o0 0.03 1.50 0.30 -0.48 0 0 9X10—4 8.1 109
116 0.1 0.13 0.05 5.50 1.50 0.02 1.52 0.29 -0.46 0 0 25X10— 4 6.5X106
117 0.1 0.11 0.04 5.50 0.20 0.01 0.21 0.27 一 0.51 0.01 0 6X10一4 4.5X10"
118 0. 1 0.05 5.60 0. 20 0.20 0.40 0.23 -0.45 0 0 2X10一4 5.5X10"
119 0.1 0.11 0.04 「
5.50 0.30 0.マ 60 0.90 0.27 一 0.47 0 0 1 X10—4 4.5X 1011
O
120 0.1 0.13 0.04 5.50 0.20 1.00 1.20 0.26 一 0.50 0.01 0 1 10~4 7.5X1010
121 0. 1 0. 12 0.06 5.50 0. 02 1. 2 0.29 -0.49 0. 01 0 10X10-4 7.0 109
122 0.1 0.12 0.05 0.20 1.48 1.68 0.29 -0.47 0.01 0 30X10— 4 5.5X106
試料番号 116は、 Mn成分と Z r成分の含有量の総計が 1. 52重量%でぁ り、 1. 50重量%を超えているため、 誘電損失 tan0が 25 X 10—4と大きく 、 また、 比抵抗率 ioも 6. 5 X 106Ω · cmと小さくなつている。
また、 試料番号 122も、 Mn成分と Z r成分の含有量の総計が 1. 68重量 %であり、 1. 50重量%を超えているため、 誘電損失 tan0が 30 X 10一4と 大きく、 また、 比抵抗率 pも 5. 5 X 106Ω · cmと小さくなつている。
これに対して試料番号 1 1 1〜1 15、 及び 1 17〜121は、 Mn成分と Z r成分の含有量の総計が 1. 50重量%以下の範囲で Mn成分や Z r成分を添加 しているので、 誘電損失 tanSが 1. 0 X 10— 4以下と小さく、 また、 比抵抗率 ioも 8. 1 X 109〜6. 8 X 10 · cmと大きくなつている。 しかも、 1 0GHz及び 40GHzで、 絶対透磁率差 I Δ Iが 0. 1以上なつて所望の非 可逆性を得ることができ、 また、 虚数部^ ' が 0. 05未満となって磁気損失 を抑制できることが分った。
実施例 9
〔実施例 4〕 と同様の方法 *手順で、 表 9の組成を有する一般式 { (S r,_xB a χ) 〇 · η (F e,.y.z I nyA 1 z) 203+ a C a + jS C o} (x=0、 5. 0≤n≤ 6. 0、 0≤z≤0. 31、 0≤z≤0. 31、 a = j3 = 0. 25) で表され、 かつ所定量の Mn〇 (酸化マンガン) 及び Z r〇2 (酸化ジルコニウム) を添加 した試料番号 132〜142のフェライト磁器組成物を作製した。
次に、 〔実施例 4〕 と同様、各試料の 10 GHz及び 40 GHzにおける透磁率 差 Δ (非可逆性)、 及び正円偏波複素透磁率の虚数部 +" (磁気損失)、 比抵 抗率 Pを求めた。
表 9は各試料の組成と、 透磁率差 Δ 、 虚数部 +" 、 比抵抗率 pを示してい る。
(以下、 余白)
表 9
試料番号 131〜142は、 x、 y、 z、 及び nが本発明範囲内であるので、 絶対透磁率差 I Iが 0. 1以上となって所望の非可逆性を得ることができ、 虚数部^ ' も 0. 05未満となって磁気損失を低減することができる。
しかしながら、 試料番号 136、 142は、 Μη成分及び Z r成分の含有量の 総計がそれぞれ 1. 52重量%、 1. 68重量%であり、 1. 50重量%を超え ているので、 比抵抗率 pがそれぞれ 1. l X l O ^Q ' cm, 9. 5 X 109Ω • cmと小さレ^
これに対して試料番号 131〜135、 及び 137〜141は、 C a成分及び Co成分に加え、 Mn成分と Z r成分が、 総計で 1. 50重量%以下の範囲で添 加されているので、 比抵抗率 ιθが 1. 2 X 1 013〜 1. l X 1 015Q ' cmと飛 躍的に増大することが分かった。 産業上の利用可能性
以上詳述したよう本発明のフェライト磁器組成物は、 10 GHz以下や 30〜 60 GHzのマイクロ波帯で使用しても十分な非可逆性を得ることができ、 また 磁気損失を小さくすることができるので、 これらマイクロ波帯で使用されるサー キュレー夕やアイソレー夕、 及びこれらサ一キュレー夕やアイソレ一夕を搭載し た無線装置に有用である。