明細書 ベンジリデン誘導体の新規な製造法 技術分野
本発明は、 抗炎症剤と して有用な、 ベンジリデン誘導体の新規な製造法に関す る。 背景技術
特開平 6— 2 1 1 8 1 9号公報 (第 4頁) には、 抗炎症活性を有するベンジリ デン誘導体およびその製造方法と して、 1 ) ベンズアルデヒ ド誘導体とイソチア ゾリジン誘導体をアルドール縮合させる工程および 2 ) アルドール付加体を酸性 条件下で脱水反応に付し、 該ペンジリデン誘導体を得る工程が記載されている。
また、 特開平 8— 0 2 7 1 3 4号公報 (第 5頁) にも該ベンジリデン誘導体の 製造方法として、 1 ) ベンズアルデヒ ド誘導体とイ ソチアゾリジン誘導体をアル ドール縮合させる工程および 2 ) アルドール付加体を脱水剤を用いて脱水反応に 付し、 該ベンジリデン誘導体を得る工程が記載されている。
さらに、 特開平 7— 0 4 1 4 7 0号公報 (第 5— 6頁) にも該ベンジリデン誘 導体の製造方法として、 1 ) ベンズアルデヒ ド誘導体からシクロへキサジェノ ン 誘導体を合成する工程および 2 ) シクロへキサジェノ ン誘導体とイソチアゾリ ジ ン誘導体の縮合による該ベンジリデン誘導体を得る工程が記載されている。
特開平 8 - 2 1 7 7 6 4号公報 (第 2— 3頁) には、 該ペンジリデン誘導体を アルコール系溶媒を用いて晶析すると不安定な I I型晶から安定な I型晶に変換 され、 安定な I型晶が選択的に得られることが記載されている。
しかしながら、 従来の製造方法では、 抗炎症活性の高いベンジリデン誘導体の ( E ) —異性体のみを選択的に高収率でかつ工業的に得ることは困難であ 、 該 ベンジリデン誘導体の ( E ) —異性体の有用な製造方法が望まれていた。
発明の開示
上記の事情に鑑み、 本発明者らは、 鋭意検討した結果、 以下に示すペンジリデ ン誘導体の (E) —異性体の製造方法を見出した。
すなわち、 本発明は、
(式中、 R 1 R 2および R 3はそれぞれ独立して低級アルキル)
で示される化合物を、 H 20存在下、 塩基性条件下で脱水反応に付するこ とを特 徴とする、 式 (ェ) : の
(式中、 R 1 R 2および R 3は前記と同意義)
で示される化合物の製造方法を提供する。 発明を実施するための最良の形態
本発明の好ま しい態様としては、 以下の態様が挙げられる。
( 2 ) 式 ( I I I ) :
(式中、 R 1および R 2は前記 ( 1 ) と同意義)
で示される化合物と、 式 ( I V) : 0V)
-N 、0
(式中、 R3は前記 ( 1 ) と同意義)
で示される化合物を縮合させて、 式 ( I I ) :
(式中、 I 1、 R 2および R3は前記 ( 1 ) と同意義)
で示される化合物を得る工程 Α ; および
上記の工程 Aで得られる式 ( I I ) で示される化合物を、 H 20存在下、 塩基性 条件下で脱水反応に付する工程 Bを包含する、 式 ( I ) : の
(式中、 R 1 R 2および R3は前記 ( 1 ) と同意義)
で示される化合物の製造方法を提供する。
さらに、 ( 3 ) 工程 Aおよび工程 Bを同一系内で連続して行なう前記 ( 2 ) 記 載の製造方法を提供する。
さらに、 ( 4 )塩基と して水酸化リチウムを用いることを特徴とする、前記( 1 ) 記載の製造方法が挙げられる。
また、 ( 5 ) 5 0〜 : 1 2 0 °Cに加熱することを特徴とする、 前記 ( 1 ) 記載の 製造方法が挙げられる。
さらに、 ( 6 ) 反応溶媒と して、 1 , 3—ジメチル一 2—イ ミダゾリ ジノ ンを 用いる前記 ( 1 ) カゝら ( 5 ) のいずれかに記載の製造方法が挙げられる。
また、 ( 7 ) R 1および R 2がともに t—ブチルである前記 ( 1 ) から ( 6 ) の いずれかに記載の製造方法が挙げられる。
さらに、 ( 8 ) R 3がェチルである前記 ( 1 ) から ( 7 ) のいずれかに記載の 製造方法が挙げられる。
なお、 上記の本発明に用いる式 ( I I ) で示される化合物は、 以下の方法によ
り製造することができる。
( 9 ) 式 ( I I I ) :
(式中、 R 1および R 2は前記 ( 1 ) と同意義) '
で示される化合物と、 式 ( I V) : し 。 ν>
R3
(式中、 R 3は ( 1 ) と同意義)
で示される化合物を、 反応溶媒と して 1 , 3—ジメチルー 2—ィ ミダゾリジノ ン を用いて、 縮合させることを特徴とする、 式 ( I I ) :
(式中、 I 1、 R 2および R 3は前記 ( 1 ) と同意義)
で示される化合物の製造方法。 本明細書で使用する置換基の定義は以下の通りである。
本明細書中で用いられる 「低級アルキル」 なる用語は、 1〜 6個の炭素原子を 有する、 直鎖または分枝鎖の 1価の炭化水素基を包含する。 例えば、 メチル、 ェ チル、 n—プロピル、 イソプロピル、 n—ブチル、 イソブチル、 s e c—ブチル、 t e r t—ブチル、 n—ペンチル、 イ ソペンチル、 n e o—ペンチル、 n—へキ シル、 またはイソへキシル等が挙げられる。
R 1または R 2のアルキルとしては、 C 3〜 C 5アルキルが好ましい。 さらに C 4アルキルが好ましい。
R 3のアルキルと しては、 C 1〜 C 4アルキルが好ま しい。 さらに C 1〜 C 2 アルキルが好ま しい。 以下に本発明の製造方法について、 工程 Aおよび工程 Bに分けて具体的に説明 する。
工程 A
(式中、 R 1 R 2および R 3は前記 ( 1 ) と同意義)
本工程は、 式 ( I I I ) で示される化合物と式 ( I V) で示される化合物を縮 合することによって、 式 ( I I ) で示される化合物を製造する工程である。
式 ( I I I ) で示される化合物としては、 市販の化合物または公知の方法 (例 えば、 ジャーナル ' オルガ二ヅク ' ケミス ト リー (J . O r g . C h e m . ) , 44卷、 2 1 5 3頁、 1 9 7 9年等) に準じて合成した化合物を用いることがで きる。
式 ( I V) で示される化合物としては、 公知の方法 (例えば、 特開平 7— 2 8 5 9 2 6等) に準じて合成した化合物を用いることができる。
式 ( I I I ) で示される化合物は式 (V I ) で示される化合物に対して 0. 5 〜2. 0当量、 好ま しく は 0. 7〜 1 . 2当量用いることができる。
縮合に用いる試薬としては、 有機リチウム化合物 (例えば、 η—プチルリチウ ム、 s e c—ブチルリチウム、 t e r t—ブチルリチウム、 フエニルリチウム、 リチウムジイソプロピルアミ ド ( L D A ) 、 リチウムビス (ト リメチルシリル) アミ ド (L i HMD S) 等) が挙げられる。 n—ブチルリチウム、 LD Aまたは L i HMD Sが好ま しく、 特に LDAが好ま しい。
縮合に用いる試薬は式 (V I ) で示される化合物に対して 0. 7〜 1 . 5当量、
好ま しくは 1. 0〜 1 . 2当量用いることができる。
反応溶媒と しては、 エーテル類 (例えば、 ジェチルエーテル、 テ トラヒ ドロフ ラン (TH F) 、 ジォキサン、 ジメ トキシェ夕ン等) 、 炭化水素類 (例えば、 n —へキサン、 シクロへキサン、 ベンゼン、 トルエン等) 、 N, N—ジメチルホル ムアミ ド (DMF) または 1, 3—ジメチルー 2—イ ミダゾリ ジノ ン (DM I ) が挙げられる。 これらの溶媒を単独あるいは混合して用いることができる。 DM ェが好ま しい。
反応温度と しては、 — 2 0〜 5 0°Cが挙げられる。 0 ~ 3 0 °Cが好ま しい。 反応時間と しては、 5分間〜 2 4時間が挙げられる。 1 0分間〜 4時間が好ま しい。
得られた式 ( I I ) で示される化合物は、 公知の手段 (例えば、 クロマ トグラ フィ一、 再結晶等) で単離精製するこ とができる。
なお、 式 ( I I ) で示される化合物は単離精製せず、 粗生成物のまま工程 Bに 使用することもできる。 また、 工程 Aの反応終了後に後処理をせず、 式 ( I I ) で示される化合物を含んだ反応溶液のまま、 同一系内で連続して工程 Bに使用す ることもできる。 工程 Aにおいて LD A等の有機リチウム化合物を使用する場合 は、 工程 Aの終了後に水を添加することによ り、 L D A等が水酸化リチウムとな るため、 さらに塩基を添加することなく、 工程 Bを行うことができる。 このよう な同一系内 (ワンポッ ト と称する) での連続反応のことをワンポッ ト反応と称す る。
式 ( I I ) で示される化合物は、 水酸基 (一 0 H) が α配置のみである化合物、 5配置のみである化合物、 およびそれらの混合物を包含する。 さらに、 式 ( I I ) で示される化合物には 2個の不斉炭素が存在し、 それらが互いに結合しているた め、 ト レォ体およびエリ トロ体も包含する。 なお、 トレォ体のみの場合は式 ( I I - 1 ) で示し、 エリ ト口体のみの場合は式 ( I I一 2 ) で示す。
(式中、 R 1 R 2および R 3は前記 ( 1 ) と同意義)
式 ( I I— 2 ) :
(式中、 R 1 R 2および R 3は前記 ( 1 ) と同意義)
工程 B
(式中、 R 1 R 2および R 3は前記 ( 1 ) と同意義)
本工程は、 式 ( I I ) で示される化合物を塩基性条件下で脱水反応に付するこ とによって、 式 ( I ) で示される化合物を製造する工程である。
塩基としては、 水酸化アルカリ金属類 (例えば、 水酸化リチウム、 水酸化ナ ト リ ウム、 水酸化カリ ウム等) 、 水酸化アルカ リ土類金属類 (水酸化カルシウム、 水酸化バリ ウム等) またはアルコールのアルカリ金属塩 (例えば、 ナト リ ウムメ トキシ ド、 カリ ウム t e r t—ブトキシ ド等) が挙げられる。
塩基は式 ( I I ) に対して 1. 0〜 5. 0当量、 好ま しくは 1. 5 ~ 3. 0当 量用いることができる。
反応溶媒としては、 水と有機溶媒の混合液が用いられる。 有機溶媒と してはェ 一テル類 (例えば、 ジェチルエーテル、 テ トラヒ ドロフラン (TH F) 、 ジォキ サン、 ジメ トキシェタン等) 、 炭化水素類 (例えば、 ベンゼン、 トルエン等) 、 N , N—ジメチルホルムアミ ド ( D M F ) または 1, 3—ジメチル一 2—イ ミダ ゾリジノ ン (DM I ) が挙げられる。 有機溶媒と しては、 これらを単独あるいは
混合して用いることができる。 有機溶媒としては、 DM I ( 1, 3—ジメチルー 2—イ ミダゾリ ジノ ン) を用いることが好ま しい。 水/有機溶媒の比は、 V/V で 1 / 5〜 3 / 1が好ま しく、 特に 1 / 2〜 2 / 1が好ま しい。
反応温度と しては、 2 0〜 1 5 0 °Cが挙げられる。 6 5 ~ 1 0 0 °Cが好ま しい, 反応時間としては、 5分間〜 2 4時間が挙げられる。 1 0分間〜 4時間が好ま しい。
得られた式 ( I ) で示される化合物は、 公知の手段 (例えば、 クロマ トグラフ ィー、 再結晶等) で精製することができる。
なお、 工程 Aおよび工程 Bを同一系内での連続反応を行なった場合、 抽出操作 をすることなく、 高純度かつ好収率で式 ( I ) で示される化合物を晶析させるこ とができる。
さらに、 特開平 8— 2 1 7 7 6 4号公報に記載の方法を用いて、 安定な I I型 晶を選択的に得ることができる。
なお、 式 ( I ) で示される化合物には、 異性体が存在するが、 式 ( I ) は (E) 一異性体のみを示す。
実施例中、 以下の略号を使用する。
E t : ェチル
t一 B u : t—ブチル
T H F : テ トラヒ ドロフラン
D M I : 1, 3—ジメチル一 2—イ ミダゾリジノ ン
L D A : リチウム ジイソプロピルアミ ド
1 H NMRは 5値を p p mで表わし、 s =—重線、 d =二重線、 t二三重線、 q =四重線、 m =多重線、 b r =幅広線を意味する。 J値は H zで表わした。 実施例
(ΙΠ-a) (IV-a)
窒素気流中、 ジ— t e r t —ブチルベンズアルデヒ ド(ΠΙ-a, 21 g)、 アーサル タム(IV-a, 16.1 g)の T H F (315 mL)溶液を攪拌し、 その中に 2 . 0 mol/L L D A /ヘプ夕ン溶液(96 mL)を— 6 5〜一 7 1 °Cで 4 5分間かけて滴下した。 滴下 後、 徐々に昇温して 1 0 °C以下で 2時間攪抻した。 反応液を氷、 1 mol/L H C 1 (840 mL), 酢酸ェチル(800 mL)の混合液に注ぎ入れ、 抽出した。 有機層を水(800 mL)で 2回洗浄、無水硫酸ナ ト リ ゥムで乾燥した。溶媒を減圧下濃縮して、粗(Il-a) を 43.62g得た。 この粗 (Π-a)のうち 36.92 gを酢酸ェチル /へキサンで結晶化し、 (II-la)を 21.57 g (換算収率 74%、 融点 160~ 163°C ) 得た。
X H NMR ( CDCls) δ : 1.25 (3H; t, J = 7.3 Hz), 1.43 (18H, s), 1.70- 2.10 (2H, m), 2.95~ 3.30 (6H, m), 4.81〜4.86 (1H, m), 5.26 (1H, s), 7.15 (2H, s). 実施例 1 : 化合物(Π- la)から化合物(I-a)の合成
(II- la) 106 mgを D M I (0.5 mL)に溶解し、 L i O H · H 2 0 (25.5 mg) の水溶 液(水 0.5 mL)を加えた。 反応液を 8 5 °Cで 4 5分間加熱攪拌後、 室温まで冷却し た。 反応液に トルエンを加え、 6 2 % H 2 S 0 4で中和し、 抽出した。 有機層を 水で 2回洗浄し、 濃縮した。 析出した結晶を濾過し、 2—プロパノールで洗浄し た。 結晶を乾燥し、 (I-a) を 70 mg (70%)得た。
得た化合物(I-a)は、 H P L Cによ り基準試料と同定し、 確認した。 実施例 2 : 化合物 (Π-a)の合成
(IV-a) (II-a) ジー t e r t —プチルベンズアルデヒ ド(Ill-a, 5.0 g)、 ア ーサルタム(IV-a, 3.34 g)の D M I (40 mL)の懸濁液を攪拌し、 その中に 2 mol/L L D A (24.0 mL) を 1~ 20°Cで滴下した。 室温で 5 0分間攪拌後、 反応液に トルエン(100 mL)およ び水(50 mL)を加えた。 冷却下、 濃塩酸(12.5 g)で約 p H 2 と し、 抽出した。 水層 は更に トルエン(50 mL)で抽出し、 それそれの有機層を水(50 mL)で 2回洗浄した c あわせた有機層を減圧濃縮し、 粗 (II-a) を 12.06 g得た。 粗 (II-a)は精製せず、 そ のまま次の反応に用いた。
得た粗(II-a)は、 H P L Cによ り基準試料と同定し、 確認した。 実施例 3 : 化合物(I-a)の合成
(II-a) (I-a)
上記の粗(II-a) 12.06 g を D M I (50 mL)に溶解し、 L i 0 H · H 2 0 (1.97 g) の水溶液(水 50 mL)を加え、 8 0〜 8 5 °Cで 2時間加熱攪拌した。 トルエン(75 mL)を加え、 濃塩酸(5.37 g)で約 p H 2 とし、 抽出した。 水層は更に トルェン(50 mL)で抽出し、 それそれの有機層を水(50 mL)で 2回洗浄した。 あわせた有機層を 16.2 gまで濃縮し、 一 1 0 °Cで 1時間攪拌した。 析出した結晶を濾過し、 冷トル ェン(10 mL)で洗浄し、 粗(I-a)を得た。
粗 (I-a)にイソプロパノール(18 mL)を加え、 約 7 0 °Cで加熱溶解した。 その溶 液を 3 0 °Cまで冷却し、 晶析させた。 I型の種晶 (85 mg)を添加し、 3 0 °Cで 6 時間搅拌した。 I I型晶の消失を確認後、 一 1 0 °C以下で 1時間攪拌した。 結晶 を濾取し、 5 0 °Cで 8時間、 減圧乾燥して(I-a)を 6.35 g (80.3%)得た。
得た化合物(I-a)は、 H P L Cにより基準試料と同定し、 確認した 実施例 4 : ワンポッ ト反応による化合物(I-a)の合成
ジ一 t e r t—ブチルベンズアルデヒ ド(ΠΙ-a. 7.5 g)、 アーサル夕ム(IV-a, 5.0 g)の D M I (60 mL)の懸濁液を攪拌し、 その中に 2 5 % L D A (30.2 g)を 4 ~ 2 8 °Cで滴下した。 室温で 5 0分間攪拌後、 脱ィオン水(60 g)を加え、 9 5 で 4 5分間加熱攪拌した。 反応液を 2 5 °Cに冷却し、 イソプロパノール(60 mL)と水 (52.5 g)を加えた。 室温下、 2 0 % H C 1 (15.85 g)で p H 4に調整し、 1時間攪 拌した。析出した結晶を濾過し、水(22.5 g)、続いて冷ィソプロパノール(22.5 mL) で洗浄し、 粗(I-a)を得た。
粗(I-a)にイ ソプロパノール(27 mL)を加え、 約 7 0 °Cで加熱溶解した。 3 0 °C まで冷却し、 晶析後、 I型の種晶 112.5 mgを添加し、 3 0 °Cで 5時間攪拌した。 I ェ型晶の消失を確認後、 一 1 0 °C以下で 1時間攪拌した。 析出した結晶を濾取 し、 5 0 °Cで 8時間、 減圧乾燥して(I-a)を 10.02 g (84.4%)得た。
得た化合物(I-a)は、 H P L Cによ り基準試料と同定し、 確認した。 参考例 2 : 化合物(I-a)の合成
ジ一 t e r t—ブチルベンズアルデヒ ド(III-a, 5.0 g)、 ア ーサル夕ム(IV-a, 3.34 g)の D M I (25 mL)/トルエン(100 mL)溶液を攪拌し、 その中に 2 5 % L D A (20.1 g)を 1 4 〜 2 0 °Cで 7 4分間かけて滴下した。 室温で 3 0分間攪拌後、
反応液に水 (25 g)を加え、 1 0 まで冷却し、 6 2 %硫酸で p H 2 . 5に調整し た。 水層は更にトルエン(50 mL)で抽出し、 それぞれの有機層を水(50 mL)で 3回 洗浄した。 あわせた有機層を共沸脱水下、 減圧濃縮し、 無水の粗(Π-a)の トルエン 溶液(116.6 g)を得た。
無水の粗(Π-a)のトルエン溶液(116.6 g)に、 D M I (5.0 mL)を加え、 5 °Cで攪拌 した。 反応溶液に塩化チォニル(2.79 g)を加え、 さらにト リェチルァミン(3.89 g) を約 0 °Cで滴下した。 3 0分間攪拌後、 反応液に水(15 g)を加え、 さらに 1 5分 間攪拌した。 別途調製した、 N a H C 0 3 (7.2 g)の水溶液 (水 25 g) に、 室温下 反応液を滴下した。 4 5分間攪拌後、 有機層を 6 %硫酸(25 g)、 水(25 g;)、 2 % N a H C 0 3 (25 g)、 水(25 g)で順次洗浄した。 洗浄層は更にトルエン(25 mL)で順 次抽出した。 合わせた有機層を減圧濃縮して粗 (I-a)を晶析させ、 析出した結晶を 濾取した。
粗(I-a)にイソプロパノール(18 mL)を加え、 約 7 0 °Cで加熱溶解した。 室温ま で冷却し、 晶析させた後、 I型の種晶 (0.05 g)を添加し、 2 5 °Cで 5時間攪拌し た。 I I型晶の消失を確認後、 一 1 5 °C以下まで冷却し, 1 時間攪拌した。 析出 した結晶を濾取し、 5 0 °Cで 8時間減圧乾燥して、 (I-a)を 6.34 g (81.3%)得た。 得た化合物(I-a)および粗(ΙΙ-a)は、 H P L Cにより基準試料と同定し、 確認し た。 産業上の利用可能性
本発明により、 抗炎症活性の高い (E ) —異性体の該ベンジリデン誘導体のみ を工業的に製造方法することができる。