WO2004089193A1

WO2004089193A1 - カプセル内視鏡システム

Info

Publication number: WO2004089193A1
Application number: PCT/JP2004/004147
Authority: WO
Inventors: Kazuya Matsumoto; Hiroshi Suzushima; Noriyuki Fujimori
Original assignee: Olympus Corporation
Priority date: 2003-04-01
Filing date: 2004-03-25
Publication date: 2004-10-21
Also published as: US20040181127A1; JP2004298560A

Abstract

被検者の体腔内に導入されたカプセル型内視鏡の移動を、外部からの遠隔操作によって、より確実かつ迅速に移動させて、目的の観察等を行えるカプセル内視鏡システムである。外部からの磁界により移動制御されるカプセル型内視鏡2と、磁界を一点に局所的に集中発生させて、診察台3上の被検者100の体腔内に導入されているカプセル型内視鏡2を移動制御する磁界発生部6、7と、診察台3と磁界発生部6、7とを相対的に移動させるベッド駆動部11とを具備してカプセル内視鏡システムは構成される。

Description

明細書

カプセル内視鏡システム技術分野

この発明は、観察部等を一体に組み込み込んだ錠剤カプセル形状のカプセル型内視鏡を備えたカプセル内視鏡システムに関する。背景技術

従来より、例えば体腔内等の検査等を行うのに際して内視鏡装置が実用化され、広く普及している。内視鏡装置は、内視鏡、光源装置、画像処理装置、表示装置等の各種装置を組み合わせて構成されている。

内視鏡は、例えば先端に撮像素子等を備えた管状の挿入部と、この揷入部に連設される操作部とを備えている。この挿入部から延出するユニバーサルコードは、光源装置及び画像処理装置に接続される。そして、揷入部を被検者の例えば口腔等から体腔内へ挿入することによつて所望の部位の観察を行えるように構成されている。

このような従来の内視鏡装置においては、体腔内に導入される挿入部の長さ等の制約から、観察や検査等を行い得る範囲が限られていた。

そのため、近年においては、例えば特開平 7— 2 8 9 5 0 4号公報等によって、カプセル内視鏡システムについて、種々の提案がなされている。

特開平 7— 2 8 9 5 0 4号公報の力プセル内視鏡システムは、小型の内視鏡、いわゆるカプセル型内視鏡と、受信記録装置とで主に構成されている。カプセル型内視鏡は、例えば錠剤力プセル形状であり、カプセル内部に撮影光学系を含む撮像手段、照明手段、通信手段、電源手段等を収納している。受信記録装置は、力プセル型内視鏡との間で無線通信を行う通信手段及び受信した信号を記録する記録手段等を備えている。

図 1に示すように、特開平 7— 2 8 9 5 0 4号公報のカプセル内視鏡システム 1 0 1は、カプセル型内視鏡 1 0 2と、診察台 1 0 3と、べヅド駆動部 1 0 4と、受信装置 1 0 5と、画像処理部 1 0 6と、重力方向検出部 1 0 7と、演算部 1 0 8と、べヅド駆動制御部 1 0 9とで主に構成されている。診察台 1 0 3は支持台 1 1 0によって支持されている。

カプセル型内視鏡 1 0 2の内部には撮像手段、照明手段、通信手段、電源等が収納されている。診察台 1 0 3には、カプセル型内視鏡 1 0 2を体腔内に導入した被検者 1 0 0が例えば仰臥した状態で載るようになつている。べヅド駆動部 1 0 4は、支持台 1 1 0と診察台 1 0 3との間に介在し、診察台 1 0 3を前後方向及び左右方向の任意の方向に対して傾けられるようになつている。受信装置 1 0 5は診察台 1 0 3と一体に設けられ、カプセル型内視鏡 1 0 2からの信号を受信する。画像処理部 1 0 6は、受信装置 1 0 5から出力される画像信号を受けて所定の信号処理等を施す。重力方向検出部 1 0 7は、カプセル型内視鏡 1 0 2の内部に設けられている重力センサ（不図示）から出力される信号を受信装置 1 0 5 を介して受け、その受信信号に基づいて重力方向の検出を行う。演算部 1 0 8は、画像処理部 1 0 6及び重力方向検出部 1 0 7から出力された信号に基づき、所定の演算処理を行って、診察台 1 0 3の傾き方向（姿勢とも記載する）を設定する c べヅド駆動制御部 1 0 9は、演算部 1 0 8から出力される診察台 1 0 3の姿勢に関する情報等を含む所定の信号を受けてべッド駆動部 1 0 4を駆動させる。

このような構成からなる従来のカプセル内視鏡システム 1 0 1では、カプセル型内視鏡 1 0 2が被検者によって嚥下された後、カプセル型内視鏡 1 0 2の移動は、その被検者 1 0 0自身の体腔内臓器による蠕動運動と、ぺヅド駆動部 1 0 4 によって診察台 1 0 3の傾きを変化させることによって生じる重力とを利用して行われるようになつている。

そして、被検者の体腔内に導入されたカプセル型内視鏡 1 0 2は、最終的に、体腔内臓器による蠕動運動によって自然排出される。

このように、カプセル内視鏡システム 1 0 1においては、被検者の体腔内臓器による蠕動運動に加えて、重力方向検出部 1 0 7によって重力方向を検出しながら所定の方向に診察台 1 0 3を傾けることで生じる重力を利用して、カプセル型内視鏡 1 0 2を被検者 1 0 0の体腔内における所望の位置へ誘導できる構成になつている。

しかしながら、上記特開平 7— 2 8 9 5 0 4号公報では、カプセル型内視鏡の移動を蠕動運動及び重力により行っているので、その推進力量が弱い。このため、カプセル型内視鏡を体腔内における所望の位置まで移動させるのに多くの時間を要とするという問題がある。このことは、カプセル内視鏡システムを利用して行われる診察に要する時間、言い換えれば、被検者の体腔内にカプセル型内視鏡が導入されている総時間、が長くなつてしまうことである。これにより、被検者を束縛する時間も長くなつて、被検者の負担が大きくなるという問題が生じる。また、カプセル型内視鏡を移動させるのに重力を利用する場合、その進行方向によっては、被検者が倒立した状態になる方向に診察台を傾けることが考えられる。このような場合、診察台上に仰臥した状態で横たわつている被検者に負担が生じるという問題が発生する。

さらに、カプセル型内視鏡の移動を蠕動運動及び重力によって行っているので、検査者が観察を所望する患部等の目的部位を十分に観察することができなかったり、カプセル型内視鏡がその目的部位を通過した後は、後戻りさせて観察することができない。つまり、 1つのカプセル型内視鏡を用いて、再度同じ部位の観察を行うことができないという問題がある。

又、カプセル型内視鏡に、薬剤投与、体腔内細胞の採取、又は治療等の諸機能を備えるように構成した場合、力プセル型内視鏡を蠕動運動や重力等による移動させていたのでは、各作業について確実な効果を期待することが難しいことは明白である。

したがって、本発明は、被検者の体腔内に導入されたカプセル型内視鏡の移動を外部からの遠隔操作によって行う際、従来のものに比べ、より大きな移動推進力量を確保し、かっこれを確実にカプセル型内視鏡へ伝え、カプセル型内視鏡の体腔内における移動をより確実かつ迅速に行い得るカプセル内視鏡システムを提供することを目的としている。発明の開示

本発明のカプセル内視鏡システムは、外部からの磁界により移動制御される力プセル型内視鏡と、磁界を一点に局所的に集中発生させて診察台上の被検者の体腔内に導入された上記カプセル型内視鏡を移動制御する磁界発生手段と、上記診察台若しくは上記磁界発生手段のいずれかを相対的に移動させる移動手段とを具備している。このことによって、磁界発生手段によって磁界を一点に局所的に集中発生させて、移動手段によって診察台若しくは磁界発生手段のいずれかを相対的に移動させることで、診察台上の被検者の体腔内に導入されているカプセル型内視鏡を移動制御する。これにより、被検者の体腔内に導入されているカプセル型内視鏡を大きな移動力量で強制的に確実かつ安全に移動される。

また、本発明のカプセル内視鏡システムは、上記カプセル型内視鏡の少なくとも一部に磁界発生部材を設けている。このことによって、カプセル型内視鏡は、磁界発生手段による磁界中において確実に移動が制御される。図面の簡単な説明

図 1は従来のカプセル内視鏡システムの全体構成を説明するプロック図、図 2 以降は最良の形態を説明する図であって、図 2は本発明のカプセル内視鏡システムの全体構成を説明するプロヅク図、図 3はカプセル内視鏡システムの一部を上面側から見た際の構成図、図 4は力プセル内視鏡システムで使用される力プセル型内視鏡の一部に形成される磁性体の第 1の配置例を示す図、図 5はカプセル内視鏡システムで使用されるカプセル型内視鏡の一部に形成される磁性体の第 2の配置例を示す図、図 6は上記一実施形態の変形例である力プセル内視鏡システムの全体構成を説明するブロック図、図 7は上記一実施形態の別変形例である力プセル内視鏡システムの全体構成を説明するプロック図、図 8は力プセル内視鏡システムで使用されるカプセル型内視鏡の一部に配置される電磁コイルの第 1の配置例を示す図、図 9は力プセル内視鏡システムで使用される力プセル型内視鏡の一部に配置される電磁コイルの第 2の配置例を示す図である。発明を実施するための最良の形態

本発明を図面にしたがって説明する。

図 2に示すように本実施形態のカプセル内視鏡システム 1は、外部から磁力を印加することにより磁界を一点に局所的に集中発生させるための磁界発生手段を備えている。そして、被検者の体腔内に導入された後のカプセル型内視鏡 2を、磁界発生手段により生じる磁界を利用して、被検者の体腔内における所望の位置へと誘導し、その所望の位置において、病変部等の所望の部位を観察し得るように構成されるものである。

そのため、本カプセル内視鏡システム 1は、カプセル型内視鏡 2と、診察台 3 と、受信装置 4と、画像処理部 5と、磁界発生手段である一対の磁界発生部 6、 7と、位置検出部 8と、演算部 9と、べッド駆動制御部 1 0と、移動手段であるぺッド駆動部 1 1と、表示装置 1 2とで主に構成されている。診察台 3は支持台 1 3によって支持されている。

カプセル型内視鏡 2の内部には図示しない撮像部、照明部、通信部、電源部等が収納されている。カプセル型内視鏡 2は、外部からの磁界により移動制御されるように構成されている。

診察台 3にはカプセル型内視鏡 2を体腔内に導入した被検者 1 0 0が例えば仰臥した状態で横たわるものである。

受信装置 4は診察台 3に一体的に設けられ、力プセル型内視鏡 2から送信される所定の電気信号を受信する。

. 画像処理部 5は、受信装置 4から出力される電気信号を受けて所定の信号処理等を施す。

一対の磁界発生部 6、 7は、第 1磁界発生部 6及び第 2磁界発生部 7であり、互いが対向するように配置されている。これら第 1磁界発生部 6及び第 2磁界発生部 7は、磁界を一点に局所的に集中発生させる。

位置検出部 8は、磁界発生部 6、 7からの出力信号に基づいて、磁界の中心位置が被検者 1 0 0に対していずれの位置であるかを検出する。

演算部 9は、画像処理部 5又は位置検出部 8から出力された信号に基づいて所定の演算処理を行う。

べッド駆動制御部 1 0は、演算部 9から出力される診察台 3の位置に関する情報等を含む所定の信号を受け、ベッド駆動部 1 1を駆動させる。このことによつて、カプセル型内視鏡 2の位置に対する診察台 3上の被検者 1 0 0の相対的な位置が設定されて、被検者 1 0 0の体腔内に導入されているカプセル型内視鏡 2が移動制御される。べッド駆動部 1 1は支持台 1 3と診察台 3との間に介在する。このべッド駆動部 1 1は、診察台 3を磁界発生部 6、 7に対して図 2の矢印 Zあるいは矢印 X、 Yに沿う方向へ移動させる。

表示装置 1 2には、画像処理部 5又は位置検出部 8からの出力信号に基づいて、カプセル型内視鏡 2の位置に関する情報或いは、カプセル型内視鏡 2により取得された内視鏡観察画像等が表示される。

なお、図 2において、特に図示していないが、受信装置 4又は画像処理部 5等、力プセル型内視鏡 2の撮像手段によつて取得された画像信号を扱う装置 4、 5のいずれか又はこれら装置 4、 5とは別に、取得した画像信号を所定の形態で記録すべく、所定の記録部又は記録装置が設けられている。

また、カプセル型内視鏡 2の内部には上述した撮像部、照明部、通信部、電源部等の各種構成部材が収納されているが、その内部構成については本実施形態に直接関連しない事項である。このため、その詳細な図示及び説明は省略し、カブセル型内視鏡 2は、従来のものと同様に例えば被検者 1 0 0がその口腔等から嚥下し得る形態の小型力プセル形状のものが適用される。

図 3に示すように第 1磁界発生部 6及び第 2磁界発生部 7は、磁界を一点に局所的に集中発生させるベく、互いに対向して配置されている。第 1磁界発生部 6 と第 2磁界発生部 7との間の空間には、カプセル型内ネ見鏡 2を体腔内に導入した被検者 1 0 0が配置され得るようになつている。具体的に、本実施形態における磁界発生部 6、 7では、診察台 3及び被検者 1 0 0の側方から磁界を発生させ得る構成になっている。

本実施形態におけるカプセル型内視鏡 2は、磁界発生部 6、 7によって印加される磁力によって移動制御が行われる。つまり、印加される磁界に対して、例えば引き寄せられるように、その外表面或いは内部に、少なくともカプセルの一部に磁界発生部材である磁性体あるヽは電磁コィル等が配置されている。

図 4は力プセル型内視鏡 2の外表面上における、胴部周面の所定の位置に磁界発生部材として磁性体 2 aを配置した構成例である。この第 1の配置の場合における磁性体 2 aとしては、パーマロイ、フェライト、 N i F e等の軟磁性体材料を用いる。なお、図 4における符号 N及び符号 Sは外部から与える磁界の極性を示している。

図 5は力プセル型内視鏡 2の外表面上又は内部壁面等の所定の位置に、磁界発生部材として磁性体 2 b、 2 cを配置した構成例である。この第 2の配置の場合においては、互いに対向する二箇所等に、複数の磁性体 2 b、 2 cを設けている c この磁 '性体 2 b、 2 cとしては、サマリウムコノルト（C o_s S m) 、ネオジム鉄ボロン（N d₂F e wB ) 等の硬磁性体やパーマロイ、フェライト、 N i F e 等の軟磁性体を用いる。

なお、図 5においても符号 N及び符号 Sは外部から与える磁界の極性を示している。また、ここで硬磁性体を用いる場合には、予めそれらの磁性体を着磁しておくようにしてもよい。つまり、ここで硬磁性体を用いた場合、図 5に示した符号 N及び符号 Sは予め着磁される極性が示されている。

図 4及び図 5に示すようにカプセル型内視鏡 2の一部に、磁性体 2 a又は磁性体 2 b、 2 cを配置することによって、力プセル型内視鏡 2に対して、改めて配置させたものに対して磁性を付与するためのエネルギーの供給を必要としないという利点がある。

診察台 3は、ぺヅド駆動制御部 1 0によって制御されるべッド駆動部 1 1によつて、図 2及び図 3に示す矢印 Z方向あるいは矢印 X、 Y方向に向けて移動自在に/よつている o

したがって、まず、磁界発生部 6、 7によって印加される磁界中に、体腔内にカプセル型内視鏡 2を導入した被検者 1 0 0を配置させ、次に、磁界発生部 6、 7により発生される磁界をカプセル型内視鏡 2が存在している位置の一点に局所的に集中発生させ、次いで、診察台 3を所定の方向へ移動させることにより、力プセル型内視鏡 2を例えば、患部或いは病変部等、体腔内の所望する任意の位置近傍へ誘導し得ることができるようになつている。

また、磁界発生部 6、 7による磁界の作用を利用して、カプセル型内視鏡 2を体腔内における所望の位置において一時的に保持することや、内容積の大きな胃などの臓器の内部において、当該カプセル型内視鏡 2を、その臓器内部の空間の所定位置に一時的に浮遊させた状態に保持すること等、カプセル型内視鏡 2に対する各種の制御を行い得るようになつている。表示装置 1 2には、カプセル型内視鏡 2によって取得され、外部に向けて送信 'された画像信号に基づいた、内視鏡静止画像又は内視鏡動画像が表示されたり、位置検出部 8からの出力信号に基づいた、磁界発生部 6、 7による磁界の中心位置、即ち力プセル型内視鏡 2の位置に関する情報等が表示される。

なお、位置情報等を表示する場合において、位置検出部 8は、カプセル型内視鏡 2に設けられる磁性体が硬磁性体であるとき、それにより生じる磁界を検出し、そのカプセル型内視鏡 2の位置に関する情報を得るようになつている。

つまり、カプセル型内視鏡 2の撮像部により光電変換された電気信号は、当該カプセル型内視鏡 2の通信部（不図示）及び受信装置 4を介して画像処理部 5に入力される。そして、画像処理部 5で所定の画像信号に処理された後、演算部 9、べヅド駆動制御部 1 0等を介して出力されて、表示装置 1 2に入力される。表示装置 1 2では、この画像信号を受けることによって、内視鏡静止画像又は内視鏡動画像が表示される。

また、これとは別に、表示装置 1 2には所定の場合において、位置検出部 8から出力される電気信号も入力されるようになっている。この位置検出部 8からの出力信号は、磁界発生部 6、 7によって発生される磁界の中心位置、即ち、カブセル型内視鏡 2の被検者 1 0 0の体腔内における位置に関する情報等からなる電気信号である。そして、表示装置 1 2にはこの電気信号に基づく情報も表示される。

したがって、検査者は、表示装置 1 2によって、被検者 1 0 0の体腔内に導入されているカプセル型内視鏡 2の位置に関する情報の取得や、このカプセル型内視鏡 2によって取得された画像信号に基づく内視鏡画像を観察することができるようになつている。そして、所定の場合において、検査者は、これらの内視鏡画像や情報等を観察しながら、所定の操作を行って磁界発生部 6、 7と診察台 3との相対的な位置を変化させる。このことで、カプセル型内視鏡 2の移動制御が行われるようになっている。

上述のように構成したカプセル内視鏡システムの作用を簡単に説明する。

カプセル内視鏡システム 1を利用するに際して、まず、被検者 1 0 0は診察台 3の台上に仰臥した状態となる。このため、診察台 3を一対の磁界発生部 6、 7 に挟まれた空間の所定の位置に配置する。

次に、被検者 1 0 0は、カプセル型内視鏡 2を例えば口腔から嚥下することによって、体腔内に導入する。また、磁界発生部 6、 7によって磁界を発生させる。このことによって、被検者 1 0 0及び体腔内に導入されたカプセル型内視鏡 2が、磁界発生部 6、 7による磁界中に存在した状態になる。

表示装置 1 2には、位置検出部 8又は画像処理部 5からの信号に基づく所定の画像が表示される。検査者は、この表示装置 1 2の表示画面を観察しながら例えば図示しない操作部材を手動操作することによって、ぺヅド駆動部 1 1によって診察台 3を所定の方向へと移動させる。すると、体腔内に導入されたカプセル型内視鏡 2が移動されて、所望の部位に誘導されていく。

つまり、カプセル型内視鏡 2は、被検者 1 0 0の外部からの遠隔的な力量である磁力を推進手段に利用して、体腔内における所望の部位に、より迅速かつ確実に移動される。

なお、力プセル型内視鏡 2の誘導は、手動操作によるもののほかに、例えば位置検出部 8からの信号に基づいて、演算部 9が算出した演算結果等をべッド駆動制御部 1 0に出力し、このべヅド駆動制御部 1 0がべッド駆動部 1 1を制御して診察台 3を自動的に移動させるようにして、カプセル型内視鏡 2を所望する位置に誘導するようにしてもよい。

力プセル型内視鏡 2が所望の部位に到達したなら、診察台 3の位置の制御を行うことによって、力プセル型内視鏡 2の移動を制御しながら、体腔内の観察を行う。このとき、カプセル型内視鏡 2は、磁界発生部 6、 7による磁界によって自在にその位置が制御される。したがって、カプセル型内視鏡 2を、例えば蠕動運動とは逆方向に戻るように移動制御しての観察等も可能になっている。

そして、体腔内における所望の部位に対する観察が終了した後、磁界発生部 6、 7による磁力の印加を停止させる。このことによって、この後、カプセル型内視鏡 2は体腔内臓器による蠕動運動によって自然排出されることになる。

なお、観察終了後に、診察台 3の位置制御を行うことで、例えばカプセル型内視鏡 2を口腔側へと誘導することも可能である。つまり、カプセル型内視鏡 2を口腔から体外に取り出すようにしてもよい。また、カプセル型内視鏡 2を被検者 1 0 0の体腔内に導入させる際、上述したように口腔から嚥下する方法に代えて、カプセル型内視鏡 2を肛門側から挿入し、磁界発生部 6、 7及び診察台 3の相対的な移動によって、カプセル型内視鏡 2を肛門側から所望の部位に誘導するようにしてもよい。

以上説明したように、本実施形態によれば、カプセル型内視鏡 2の少なくとも一部に磁性体を配置すると共に、磁界発生部 6、 7を備え、診察台 3を移動自在に構成したことによって、被検者 1 0 0の体腔内に導入されたカプセル型内視鏡 2を、重力や蠕動運動によらず、磁力の作用による推進力量で、強制的に任意の方向に移動させることができる。.

このことによって、カプセル型内視鏡 2を重力や蠕動運動によって移動させて観察及び診察をするのに比較して、観察時間及び診察時間を大幅に短縮することが容易になる。したがって、被検者 1 0 0の束縛時間が短縮されて、被検者 1 0 0への負担を軽減することができる。

また、体腔内に導入された後のカプセル型内視鏡 2の体腔内における位置を、能動的に制御することができるので、検査者は容易に所望の部位について観察することができる。つまり、力プセル型内視鏡 2の体腔内における位置を一時的に保持させてた状態での定点観測を行うことや、体腔内において一度通過してしまつた部位に再び戻って、同一部位の繰り返し観察をも容易に行える。

さらに、所望の部位の診察終了後、磁界発生部 6、 7からの磁力によってカブセル型内視鏡 2を誘導して、迅速かつ確実に体腔外へ排出させることができる。その一方で、磁界発生部 6、 7からの磁力の印加を停止させることによってカブセル型内視鏡 2の排出を自然排出に移行することもできる。

加えて、カプセル型内視鏡 2の導入を、口腔側からでも肛門側からでも行うことができるので、より迅速に観察目的部位に到達させることが可能になる。また、観察終了後における力プセル型内視鏡 2の排出も、口腔又は肛門のいずれからでも行えるので診察時間の短縮化に寄与することができる。

さらに、上述したように総合的な観察時間の短縮を実現し得ることから、カブセル型内視鏡 2の電源容量を考慮した上で、カプセル型内視鏡 2の内部に設ける撮像部による画像信号の取り込み能力を向上させることが容易となる。つまり、通常の撮像素子等の撮像部においては、単位時間の画像信号のフレームレ一トによって、動画像の画質が決定されるが、このフレームレートが高くなる程、消費される電力もまた多くなつてしまう。しかし、本実施形態によれば、従来のものにくらべて、観察時間の短縮化を実現し得るので、その分、撮像部のフレームレートを高く設定することが可能になる。

したがって、より高精細な内視鏡画像を表す画像信号を取得することができるので、より精度の高い検査及び診断を行える。

なお、従来のカプセル内視鏡システムにおいては、観察終了後のカプセル型内視鏡 2の体腔外への排出が重力や蠕動運動による自然排出によるものであった。このため、その排出時に、例えば体腔内においてカプセル型内視鏡が詰まってしまう等の不測の事態が生じることも考えられた。そして、このような不測の事態が発生した場合においては、例えば外科的手法等によってカプセル型内視鏡 2を体外に取り出すほかなかった。このことは、被検者の負担として大きなものであつた。しかし、本実施形態によれば、強制的にカプセル型内視鏡 2の姿勢制御を行ったり、或いは移動制御を行うことによって、より確実かつ安全にカプセル型内視鏡 2排出させることができる。

また、上述した実施形態においては、診察台 3及び被検者 1 0 0の側方から磁界発生部 6、 7による磁力を印加する構成としているが、磁力の印加は側方に限定されるものではなく、例えば図 6に示す本実施形態の変形例のように、磁界発生部 6 A、 7 Aを上下方向に配設して、診察台 3及ぴ被検者 1 0 0に対して上下方向から磁力を印加させるようにしてもよい。

さらに、上述した実施形態においては、外部からの磁界を印加するための磁界発生手段として、一対の磁界発生部、即ち、第 1磁界発生部 6及び第 2磁界発生部 7による構成を示している。しかし、磁界発生手段の構成はこれに限定されるものではなく、例えば被検者 1 0 0、若しくは診察台 3の周囲を覆い得る形状、即ち、図 7に示すように、 MR Iや C Tスキャン装置等において採用されているのと同様な略半円筒形状、円筒形状又は円環形状の磁界発生リング 6 Bを形成するようしてもよい。このような形態の場合、より安定した磁界を発生させることができるので、より確実に力プセル型内視鏡 2の移動を制御することができるようになる。

その他の磁界印加方式としては、図 2に示すように左右から磁界を印加し、かつ図 6に示すように上下から磁界を印加する方式、つまり、上下左右の四箇所から磁界を印加する方式にしてもよい。この印加方式とした場合にも、最も高強度な磁界が印加される箇所は一点に絞られ、磁界が一点に局所的に集中発生される一方、上述した実施形態における磁界発生手段は、一対の磁界発生部 6、 7によって構成されている。この場合において、さらに二つの磁界発生部 6、 7のそれそれを、図 3に示す矢印 X方向及び矢印 Z方向に対して自在に移動し得るように構成することもできる。そして、本構成とすることによって、常に、カプセル型内視鏡 2に近接する位置に磁界を発生させ得るように制御することができる。このことにより、当該システムの運用に必要となる磁界の発生量を常に適切に制御して効率的な運用を行うことができると共に、磁界発生部の装置としての小型化にも寄与することができる。

また、上述した実施形態においては、診察台 3を磁界発生部 6、 7に対して、図 2、図 3の矢印 Z方向に移動させるベッド駆動部 1 1及びこれを制御するべッド駆動制御部 1 0を設けている。しかし、診察台 3とぺッド駆動部 1 1及ぴぺヅド駆動制御部 1 0との構成はこれに限定されるものではなく、診察台 3と磁界発生部 6、 7とが相対的に移動する構成であればよい。

つまり、例えば診察台 3が固定されて、磁界発生部 6、 7が矢印 Z方向若しくは矢印 X方向あるいは矢印 Y方向に移動し得る構成であってもよい。この場合においては、診察台 3を移動させるべッド駆動部 1 1及びそのぺッド駆動制御部 1 0に代えて、磁界発生部 6、 7を所定の方向に移動させる移動手段及びその駆動制御部を配設する。このことにより、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。

通常、被検者 1 0 0は、診察台 3上に仰臥して横たわることになる。このとき、被検者 1 0 0の体格等の違いによって印加する磁力の必要発生量が異なることがある。したがって、磁界発生部 6、 7によって発生される磁界の強度を制御することによって、磁界の発生量を可変させる構成にすることも考えられる。このような構成にすれば、様々な体格の被検者 1 0 0に応じて、適切となるように磁界の発生量を調節して、より効率的な運用を行い、磁界による影響を最小限に抑えられる ό

さらにまた、上述の実施形態のおいては、図 4及び図 5に示すようにカプセル型内視鏡 2の一部に磁性体を設けることによって、力プセル型内視鏡 2を磁力の作用によつて所望の位置へと誘導することができるようにしている。この場合において、図 5に示した一例に対して硬磁性体を用い、磁界発生部 6、 7により発生させる磁界の極性を制御すれば、さらにカプセル型内視鏡 2の姿勢を制御することができる。

具体的に言えば、カプセル型内視鏡 2に設けた硬磁性体の極性に応じて、一対の磁界発生部 6、 7によって発生される磁界の極性を制御することにより、カブセル型内視鏡 2を例えば図 5に示す矢印 R方向等に回転させる制御を行うこともできる。

上述した実施形態におけるカプセル型内視鏡 2では、図 4、図 5で説明したように、その一部に磁性体を配置する構成としているが、本実施形態におけるカブセル型内視鏡 2は磁性体を配置する構成に限定されるものではなく、例えば図 8 及び図 9で示すように電磁石の作用を用いて磁界を発生させる構成にしてもよい c 具体的に、図 8における力プセル型内視鏡 2の所定位置に磁界発生部材として電磁コイルを配置した構成例である。電磁コイルの第 1の配置例においては、配置する電磁コィルの数は少なくとも一個あればよく、複数配設するようにしてもよい。図 8では複数の電磁コイル 2 d、 2 e、 2 fヽ …をそれそれ所定の位置、即ちカプセル型内視鏡 2の外表面における胴部周面上の所定位置に等間隔で配置している。

一方、図 9においては、カプセル型内視鏡 2の外表面上又は内部壁面等の所定の位置に磁界発生部材として電磁コィルを配置した構成例である。電磁コイルの第 2の配置例においては、電磁コイル 2 g、 2 h、 2 iの配置位置を、互いに直交する三軸である軸 x、軸 y、軸 zを含む三面にそれぞれ沿う面に対応する所定位置に配置させる。

即ち、図 9に示すようにカプセル型内視鏡 2の外表面の胴部周面上の X軸を含む面に対応する位置の電磁コイル 2 gと、これに対して互いに直交する各軸 y、 zを含む面に沿う外表面上の y軸を含む面及び z軸を含む面に対応する所定の位置の電磁コイル 2 h、 2 iとである。

このように構成したカプセル型内視鏡 2を用いる際、複数の電磁コイルのうち、所定の電磁コイルに対して電流の供給制御を行う。このことにより、カプセル型内視鏡 2自身も磁界を発生することになる。そして、カプセル型内視鏡 2が、磁界発生部 6、 7による磁界内にあるときには、その磁界の作用が与えられる。このことによって、カプセル型内視鏡 2の姿勢制御及び移動制御を、遠隔操作によつて容易に行い得るようになつている。

なお、この場合における電磁コイルへの給電は、通常、カプセル型内視鏡 2の内部に設けられている電源部により行われる。しかし、これとは別に、例えば外部電源装置（不図示）等を別に設け、この電源装置等から例えば受信装置 4や、これとは別に設ける送電装置（不図示）等の所定の無線通信手段を用いてカプセル型内視鏡 2に対して給電する、いわゆる無線給電方式を採用することも可能である。

この場合には、力プセル型内視鏡 2の内部に設けられる電源部 (不図示) を、カプセル型内視鏡 2の内部回路への給電制御を行う役目をさせると同時に、上述の外部電源装置等から給電される電力の受電手段としての役目もさせる。

また、カプセル型内視鏡 2の一部に電磁コイルを配設し、この電磁コイルには所定のとき、電流を供給して力プセル型内視鏡 2自身が磁界を発生するようにもなっているので、この場合においては、被検者の体腔内に力プセル型内視鏡 2が導入された後、このカプセル型内視鏡 2の位置の検出を、その外部から行うことが可能になっている。

なお、このようにカプセル型内視鏡 2の位置検出を行う場合においては、電磁コィルばかりでなく、上述した図 5に示した実施形態における力プセル型内視鏡 2において、硬磁性体を用いた形態のものでも、自身が磁界を発生することによつて、同様にその位置を検出することができる。

また、電磁コイルを備えたカプセル型内視鏡 2においては、外部から強力な磁界を与えることによる発電作用の利用が考えられ、力プセル型内視鏡 2を動作させるための電力を供給することも可能になる。さらに、当該カプセル型内視鏡 2に対して与える外部からの磁界を、高周波パルスを含むパルス信号、即ち交流磁界を印加する構成にすれば、当該カプセル型内視鏡 2の移動制御を行うと同時に、発電作用を実現し内部電気回路への電力供給を行い得るような構成にすることもできる。この場合においては、高周波パルスを印加しているときに発電作用を行い、高周波パルスが印加されていないときに移動制御が行われるように構成できる。

又、外部からの磁界をパルス信号として印加するようにすれば、磁力を印加している時点においてカプセル型内視鏡 2の移動を行ったり、発電を行うことができ、その一方で磁力を印加していない時においてはカプセル型内視鏡 2自身の電磁コィルの作用のみによつて位置の検出を行うことができる。

したがって、位置検出精度の向上に寄与することができると共に、消費電力の効率化を図ることができ、よつて省電力化に寄与することができる。

本実施形態の力プセル内視鏡システムにおけるカプセル型内視鏡自体に、さらに加えて、例えば薬剤投与、細胞等の治療或いは採集機能を具備することもできる。このように構成される場合においては、受動的にカプセル型内視鏡 2の移動を蠕動運動等に頼るのではなく、磁力による制御によつて正確な治療や採集等を行うことが期待でき、本発明によれば、より確実に、かつより安全に実施することができる。産業上の利用可能性

以上のように、本発明にかかるカプセル内視鏡システムは、体腔内に導入されている状態のカプセル型内視鏡等の誘導又は移動制御を、外部からの遠隔操作によって、より迅速に、かつ確実に行って、目的の観察等を行うのに適している。

Claims

請求の範囲

1 . 外部からの磁界により移動制御される力プセル型内視鏡と、

磁界を一点に局所的に集中発生させて、診察台上の被検者の体腔内に導入された上記カプセル型内視鏡の移動を制御する磁界発生手段と、

上記診察台と上記磁界発生手段とを相対的に移動させる移動手段と、

を具備することを特徴とするカプセル内視鏡システム。

2 . 上記カプセル型内視鏡の少なくとも一部に磁界発生部材を設けていることを特徴とする請求の範囲第 1項記載の力プセル内視鏡システム。

3 . 上記磁界発生部材は磁性体であることを特徴とする請求の範囲第 2項記載のカプセル内視鏡システム。

4 . 上記磁性体は硬磁性体であることを特徴とする請求の範囲第 3項記載の力プセル内視鏡システム。

5 . 上記磁性体は軟磁性体であることを特徴とする請求の範囲第 3項記載のカブセル内視鏡システム。

6 . 上記磁界発生部材は上記カプセル型内視鏡の内部に配設される電磁コイルであることを特徴とする請求の範囲第 2項記載の力プセル内視鏡システム。

7 . 上記電磁コイルは複数個具備され、これら複数のコイルのうちの少なくとも

1つに時系列的、かつ選択的に電流が流される構成であることを特徴とする請求の範囲第 6項記載の力プセル内視鏡システム。

8 . 上記磁界発生手段は磁界を電気的に発生させ、その磁界の調節が可能な構成であることを特徴とする請求の範囲第 1項記載のカプセル内視鏡システム。

9 . 上記磁界発生手段は、磁界が間欠的に印加されるように調節されることを特徴とする請求の範囲第 8項記載の力プセル内視鏡システム。

1 0 . 上記磁界発生手段によって発生する磁界は交流磁界であることを特徴とする請求の範囲第 9項記載の力プセル内視鏡システム。

1 1 . 上記磁界発生手段から発生される磁界を、被検者に対して左右方向より印加することを特徴とする請求の範囲第 1項記載のカプセル内視鏡システム。

1 2 . 上記磁界発生手段から発生される磁界を、被検者に対して上下方向より印加することを特徴とする請求の範囲第 1項記載のカプセル内視鏡システム。

1 3 . 上記磁界発生手段から発生される磁界を、被検者の周囲から環状に印加することを特徴とする請求の範囲第 1項記載のカプセル内視鏡システム。

1 4 . 上記カプセル型内視鏡による観察部位の観察終了後、上記磁界発生手段から発生される磁界の印加が停止されることを特徴とする請求の範囲第 1項記載のカプセル内視鏡システム。

1 5 . 上記移動手段によって、上記診察台と上記磁界発生手段とを相対的に移動させて、上記カプセル型内視鏡を口腔又は肛門より観察目的部位に誘導することを特徴とする請求の範囲第 1項記載のカプセル内視鏡システム。

1 6 . 上記移動手段によって、上記診察台と上記磁界発生手段とを相対的に移動させて、上記カプセル型内視鏡を口腔又は肛門より体外に取り出すことを特徴とする請求の範囲第 1項記載のカプセル内視鏡システム。

1 7 . さらに、上記カプセル型内視鏡の位置を表示する表示装置を備えることを特徴とする請求の範囲第 1項記載の力プセル内視鏡システム。