明 細 書 有機化合物、 及び有機エレクト口ルミネッセンス素子 技術分野 本発明は、 有機化合物、 及び有機エレク卜口ルミネッセンス素子 (以下、 「エレクト 口ルミネッセンス」 を 「E L」 と略すことがある) に関し、 さらに詳しくは、 溶媒溶解 性及び発光特性に優れた有機化合物、 及び当該有機化合物を含有する有機化合物層を備 えた有機 E L素子に関するものである。 景技術 有機化合物材料の電界発光を利用した有機 E L素子は、 蛍光有機化合物に電場を与え ることにより発光する自発光型の素子であり、 視野角が広いこと、 低電圧で駆動できる こと、 高輝度であること、 構成層が液晶素子と比べて少なく製造が容易であること、 薄 形化できること等の多くの長所を有しており、次世代の表示素子として注目されている。 特に有機 E L素子は、 無機 E L素子に比べ、 印加電圧を大幅に低くできるので消費電力 を小さくすることができ、 小型化が容易で、 面発光が可能でありかつ三原色発光も可能 であることから活発な研究開発がなされている。
有機 E L素子の構成については、陽極 Z発光層 Z陰極の構成を基本とし、これに正孔 - 注入輸送層や電子注入■輸送層を適時設けたもの、 例えば陽極 正孔注入■輸送層 Z発 光層 Z陰極や、 陽極 正孔注入■輸送層 発光層 電子注入■輸送層 陰極などの構成 のものが知られている。
有機 E L素子は、 素子内に注入された電子と正孔の再結合によリ生じた励起状態のェ ネルギーを発光として取り出すものであり、 生じた励起状態は、 一重項状態が 2 5 %、 三重項状態が 7 5 %になると考えられている。 蛍光を利用した有機 E L素子では一重項 状態のエネルギーのみを利用しているため、 内部量子収率が原理的に 2 5 %に留まるの
力《難点である。
現在注目されているのが燐光を利用した有機 E L素子である。 燐光を利用した有機 E L素子 (燐光有機 EL素子ともいう。 ) では、 一重項状態のエネルギーのみならず三重 項状態のエネルギーも利用することが可能であり、 内部量子収率を原理的には 100% まで上げることが可能となる。
燐光有機 E L素子は、 憐光を発するドーパントとして白金ゃィリジゥムなどの重金属 を含む金属錯体系発光性材料をホス卜材料にドーピングすることにより燐光発光を取り 出している(例えば、 M.A.Baldo et.al., Nature, vol.403, p.750 - 753 (2000)を参照)。 燐光ドーパン卜の発光はホスト材料に依存するが、 そのホスト材料に必要とされる基 本性能としては、 正孔輸送性および電子輸送性を有すること、 ホスト材料の還元電位が 燐光ドーパン卜の還元電位よリも高いこと、 ホスト材料の三重項状態のエネルギーレべ ルがドーパン卜の還元電位よリも低いことなどが挙げられ、 一般には低分子材料である CBP (4, 4' — b i s (c a r b a z o l— 9 - y l ) 一 b i p h e n y l ) が好 適に用いられている (例えば、 特開平 10—1 68443号公報を参照) 。
このような低分子材料を用いた燐光素子は、 層構成の最適化を容易に行うことができ るため、 高効率化や長寿命化が期待できるが、 一方で経時的に有機層の結晶化や凝集が 起こり素子が劣化して、 素子寿命に多大な影響を与えるといった問題がある。 さらに、 蒸着プロセスにより素子を作製しなければならず、 大掛かりな蒸着装置が必要でコス卜 が高いという問題があり、 さらに、 基材の大面積化が困難という問題がある。 真空蒸着 法に比べてコストが安価で、 大面積ディスプレイの製造が可能な方法としては、 溶媒を 用いて基材に塗布する塗布法がある。 しカゝしな力《ら、 従来の低分子材料を溶剤に溶解又 は分散させて塗工液を調製しょうとしても溶解性、 分散性が悪いため、 均一で安定な塗 ェ液が得られず、 成膜できても膜安定性が悪いため、 従来の低分子材料を塗布法により 利用することは困難であった。
こうした問題を解決すべく、近年塗布法によリ成膜可能な燐光素子が開発されている。 例えば、 ① PVCz (ポリビニルカルバゾール) などの高分子ホス卜と I r (p p y) 3 (トリス (2—フエニルピリジネート一N, C2' ) イリジウム (III) 錯体) などの低 分子燐光ゲス卜との混合溶液を塗布する方法 (例えば、 特開 2001— 257076号
公報を参照) 、②ホスト分子とゲスト分子のモノマーを共重合させた高分子の溶液を塗 布する方法(例えば、 J. -S. Lee et.al. , Pol ymer Prepr i nts 2001 , 42 (2), p.448-449 (2
001)、 鈴木充典、 時任静士, NHK技研 R&D, No.77, ρ· 34-41 (2003)を参照) 、③ 共役系デンドリマーの中心に低分子燐光ゲストを配し、低分子ホストとの混合溶液を塗 布する方法 (例えば、 S.-G丄 0 et.al. , Adv. Mater. , vol.14, No.13-14, p.975-979(20
02)を参照)、等が報告されている。また、酸素や水に対する安定性を高めた有機 EL素 子についても報告されている (例えば、 特表 2002— 543570号公報を参照) 。 発明の開示 し力、しながら、 上述した報告例では、 溶液をスピン塗布して容易に成膜することがで きるが、 発光特性や素子寿命が十分ではないという課題がある。 発光特性や素子寿命が 不十分な理由として、①と②の報告例においては、 ホス卜高分子自身に電子輸送能がな いためにォキサジァゾールゃ卜リアゾールなどの電子輸送性低分子を必須とした塗布溶 液を用いているが、 その電子輸送性低分子材料が劣化や凝集を起こし易いためと考えら れている。また、③の報告例においては、ゲスト分子は、その発光中心の周囲に枝 (デン ドロン)を持ち、 ゲスト分子の均一分散に寄与しているが、 反面、 最近接のホスト-ゲス 卜分子同士が最適な分子間距離と相対的配向状態を必ずしもとることができず、 効率的 なェネルギー移動が行われていないのではないかと考えられている。
本発明は、上記問題を解決するためのなされたものであり、その目的とするところは、 塗布法によるコーティングが容易で、 高い発光効率を実現可能な有機化合物、 及び当該 有機化合物を用いた高い発光効率を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を提供す ることにある。
本発明者は、 塗布法によるコーティングが容易であり、高い発光効率を有する有機 E L素子の研究を行っている過程で、 以下のことを見出した。 すなわち、 化合物中に EM 分子と CTM分子を含有させ、 それを溶媒可溶性を有する分子鎖で繋ぐことにより、 塗 布の容易性と均一分散性を向上させ、 また、 付加した分子鎖で繋がれた最近接のホスト ーゲスト分子間距離と相対的な配向状態を最適化することが可能で、 従来の塗布法によ
る燐光素子に比べ、再結合時の発光効率を大幅に向上させることができることを見出し、 本発明を完成させた。
すなわち、 本発明の第 1形態に係る有機化合物は、 一般式 (1) で表されることを特 徵とする。
EM— X— CTM (1) この一般式 (1) 中、 EMは蛍光発光性材料または燐光発光性材料であり、 CTMは 電荷輸送性材料であり、 Xは直鎖状、 分枝鎖状、 または環状の炭化水素鎖または炭素鎖 が単独または組み合わされてなり、 炭化水素鎖内には異種原子が含まれていても良く、 また環上には置換基を有していても良い 2価の有機基である。
また、 本発明の第 2形態に係る有機化合物は、 一般式 (2) で表されることを特徴と する。
(EM— X— CTM) — Y (2) この一般式 (2) 中、 EMは蛍光発光性材料または燐光発光性材料であり、 CTMは 電荷輸送性材料であり、 Xは直鎖状、 分枝鎖状、 または環状の炭化水素鎖または炭素鎖 が単独または組み合わされてなり、 炭化水素鎖内には異種原子が含まれていても良く、 また環上には置換基を有していても良い 2価の有機基であり、 Yは EM、 CTMまたは Xの何れかの部位に導入された少なくとも溶媒溶解性を向上させるための置換基 (この 置換基は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、 アルキルアミノ基、 ァリール基、 ァリールアルキル基、 ァリールアルコキシ基、 ァリー ルアルキニル基、 ァリールアミノ基、 複素環化合物基、 シァノ基、 ニトロ基およびハロ ゲン原子からなる群から選ばれる。 ) である。
また、 本発明の第 3形態に係る有機化合物は、 一般式 (3) で表されることを特徴と する。
m = 1 or 2 or 3 (l + m = 2 or3)
n = 1 - 3
この一般式 (3 ) 中、 E Mは蛍光発光性材料または燐光発光性材料を示し、 C T Mは 電荷輸送性材料を示す。 また、 A rは未置換もしくは置換のァリ一レン基または複素環 化合物基であり、 Rはそれぞれ独立に水素原子、 アルキル基、 アルコキシ基、 アルキル チォ基、 アルキルシリル基、 アルキルアミノ基、 ァリール基、 ァリールアルキル、 ァリ ールアルコキシ基、 ァリールアルキニル基、 ァリールアミノ基、 複素環化合物基、 シァ ノ基、 ニトロ基、 ハロゲン原子からなる群から選ばれる基であり、 Xは直鎖状、 分枝鎖 状、 または環状の炭化水素鎖または炭素鎖が単独または組み合わされてなり、 炭化水素 鎖内には異種原子が含まれていても良く、 また環上には置換基を有していても良い 2価 の有機基であり、 Yは少なくとも溶媒溶解性を向上させるために必要に応じて任意に設 けられる置換基 (この置換基は、 水素原子、 アルキル基、 アルコキシ基、 アルキルチオ 基、 アルキルシリル基、 アルキルアミノ基、 ァリール基、 ァリールアルキル基、 ァリー ルアルコキシ基、 ァリールアルキニル基、 ァリ一ルァミノ基、 複素環化合物基、 シァノ 基、 ニトロ基およびハロゲン原子からなる群から選ばれる。 ) である。
これらの第 1〜第 3形態に係る有機化合物は、 化学結合鎖 Xで発光性材料 E Mと電荷
輸送性材料 C T Mとを連結してなる一般式 (1 ) 〜 (3 ) の化合物であり、 その化学結 合鎖 Xに基づく良好な溶媒溶解性により、 溶媒中に均一に溶解又は分散し易い状態とな つている。 そのため、 この化合物を含む塗料を用いて被塗布材上に塗布すれば、 化合物 は塗膜中に凝集することなく分散することが可能となるので、 被塗布材上の各部におい て均一な発光特性をもたらすことができる。 さらに本発明に係る有機化合物は、 その化 学結合鎖 Xが最近接のホストーゲスト分子間距離と相対的配向状態を最適化すると共に 電荷移動の障壁として作用するので、 電荷輸送性材料 C T Mから発光性材料 E Mへの電 荷のホッピング伝導を確保でき、 有機 E L素子に用いられた場合に、 より高い発光効率 を達成することができる。 特に、 第 2、 第 3形態においては、 置換基 Yを有するので、 この置換基 Yの作用により、 化合物の溶媒溶解性をより向上させることができる。 この 置換基 Yは、 化合物に立体障害を持たせるように振る舞うので、 化合物が溶媒中に溶解 又は分散した際の凝集等を防ぎ、 有機化合物層を構成する低分子又は高分子バインダー 中に、 単分散に近い状態で均一に分散させることができる。 化合物が膜中に均一に分散 することは、 注入された電荷に基づく発光が面内で均一に生じることとなるので、 発光 効率の向上にも寄与できる。
上述した本発明の第 1〜第 3形態に係る有機化合物においては、 前記 E Mと C T Mと の間の分子間距離が、 化合物の溶解性及び Z又はホッビング伝導を確保できる所定の長 さに制御されていることが好ましい。
本発明の第 1〜第 3形態に係る有機化合物において、 前記 E Mと C T Mとの間の分子 間距離に関しては、 Xと結合している E Mの原子を原子 A、 Xと結合している C T Mの 原子を原子 Bとし、 原子 Aから X上の隣接原子をたどって原子 Bまで到達するまでの原 子間距離の和のうち最短距離になるものを A Λ Bとしたとき、 A Λ Βが 3 Α以上である ことが、 主として溶解性の点から好ましい。
また、 Xと結合している E Mの原子を原子 A、 Xと結合している C T Mの原子を原子 Bとし、 原子 Aと原子 Bの直線距離を A— Bとしたとき、 A— Bが 2八〜 5 0 Aである ことが、 主としてホッピング伝導を確保しやすい点から好ましい。
また、 Xと結合している E Mの原子を原子 A、 Xと結合している C T Mの原子を原子 Bとし、 原子 Aから X上の隣接原子をたどって原子 Bまで到達するまでの原子間距離の
和のうち最短距離になるものを A Λ Β、原子 Αと原子 Βの直線距離を Α— Βとしたとき、 (Α Λ Β) Ζ (Α— Β) が 1. "!〜 20であることが、 主として溶解性及びホッピング 伝導を確保しやすい点から好ましい。
更に、 Xと結合している EMの原子を原子 A、 Xと結合している CTMの原子を原子 Bとし、原子 Aから X上の隣接原子をたどって原子 Bまで到達するまでの原子間距離の 和のうち最短距離になるものを ΑΛ Β、原子 Aと原子 Bの直線距離を A— Bとしたとき、 A— Bが 2 A~5 OAであり、 且つ (A Λ B) / (Α-Β) が 1 · 1 ~10であること が、 主として溶解性及びホッビング伝導を確保しやすい点から好ましい。
また、前記 Xは、 脂環式化合物を含むこと、 中でも、 式 (4) で示される脂環式化合 物を含むことが、 最近接のホス卜一ゲス卜分子間距離と相対的配向状態を最適化すると 共に電荷移動の障壁として作用する点から好ましい。
また、前記 Xは、 異種原子が含まれない炭化水素鎖からなることが、 上記有機化合物
力熱的に安定な構造となる点から好ましい。
また、本発明の第 1〜第 3形態に係る有機化合物において、 (i)前記 E M力 クマリン 誘導体、 キノリジン誘導体、 キナクリドン誘導体、 ピロロピロール誘導体、 多環芳香属 炭化水素、 スチリルベンゼン誘導体、 ポリメチン誘導体、 キサンテン誘導体などから選 ばれる蛍光発光色素、 キノリノール錯体誘導体、 キノリン錯体誘導体、 ヒドロキシフエ ニルォキサゾール、 ヒドロキシフエ二ルチアゾール、 ァゾメチン金属錯体誘導体などか ら選ばれる蛍光発光金属錯体、 または、 イリジウム錯体誘導体、 白金錯体誘導体などか ら選ばれる燐光発光遷移金属錯体であることが好ましく、 (i i)前記 C T Mが、 芳香族 3 級ァミン誘導体、 スターバーストポリアミン類、 フタロシアニン金属錯体誘導体などか ら選ばれる正孔輸送性材料、 または、 アルミノキノリノール錯体誘導体、 ォキサジァゾ ール誘導体、 卜リアゾール誘導体、 卜リアジン誘導体、 フエ二ルキノキサリン誘導体、 カルバゾ一ルビフ: 1:ニル誘導体などから選ばれる電子輸送性材料であることが好ましい。 一方、 本発明の第 1形態に係る有機 E L素子は、 少なくとも一対の対向電極と当該電 極間に挟持される単層または多層の有機化合物層とを有する有機エレクトロルミネッセ ンス素子において、 前記有機化合物層のうち少なくとも 1つの層が、 上記一般式 ( 1 ) で表される化合物を含有することを特徴とする有機ェレクトロルミネッセンス素子であ る。
また、 本発明の第 2形態に係る有機 E L素子は、 少なくとも一対の対向電極と当該電 極間に挟持される単層または多層の有機化合物層とを有する有機エレクトロルミネッセ ンス素子において、 前記有機化合物層のうち少なくとも 1つの層が、 上記一般式 (2 ) で表される化合物を含有することを特徴とする有機ェレクトロルミネッセンス素子であ る。
また、 本発明の第 3形態に係る有機 E L素子は、 少なくとも一対の対向電極と当該電 極間に挟持される単層または多層の有機化合物層とを有する有機エレクトロルミネッセ ンス素子において、 前記有機化合物層のうち少なくとも 1つの層が、 上記一般式 (3 ) で表される化合物を含有することを特徴とする有機ェレクトロルミネッセンス素子であ る。
これらの本発明に係る有機 E L素子は、 前記有機化合物層のうち少なくとも 1つの層
が、 上記本発明に係る有機化合物を含有する。 化学結合鎖 Xで発光性材料 E Mと電荷輸 送性材料 C T Mとを連結してなる上記本発明に係る有機化合物は、 その化学結合鎖 Xに 基づく良好な溶媒溶解性によリ、溶媒中に均一に溶解又は分散し易い状態となっている。 そのため、 この化合物を含む塗料を用いて被塗布材上に塗布すれば、 化合物は塗膜中に 凝集することなく分散することが可能となるので、 被塗布材上の各部において均一な発 光特性をもたらすことができる。 さらに、 その化学結合鎖 Xが飽和炭化水素鎖を含む場 合には、 架橋基を経由しない E Mと C T Mとの直接的、 空間的なエネルギー移動が可能 となり、より高い発光効率を達成できるだけでなく、 E M由来の発光が得られる。特に、 第 2、 第 3形態においては、 置換基 Yを有するので、 この置換基 Yの作用により、 化合 物の溶媒溶解性をより向上させることができる。 この置換基 Yは、 化合物に立体障害を 持たせるように振る舞うので、 化合物が溶媒中に溶解又は分散した際の凝集等を防ぎ、 有機化合物層を構成する低分子又は高分子バインダ一中に、 単分散に近い状態で均一に 分散させることができる。 化合物が膜中に均一に分散することは、 注入された電荷に基 づく発光が面内で均一に生じることとなるので、 発光効率の向上にも寄与できる。
上述した本発明の第 1〜第 3形態に係る有機 E L素子においては、 前記 E Mと C T M との間の分子間距離が、 化合物の溶解性及び Z又はホッビング伝導を確保できる所定の 長さに制御されていることが好ましい。
この発明によれば、 発光性材料 E Mと電荷輸送性材料 G T Mとの間の分子間距離が、 化合物の溶解性及び/又はホッピング伝導を確保できる所定の長さに制御されているの で、上記の有機化合物層に付与される効果を安定なものとすることができる。このとき、 溶媒溶解性をよリ向上させようとすると化学結合鎖 Xが長 <なリ却って分子間の電荷輸 送特性が低下するおそれがあるが、 置換基 Yを付加して溶媒溶解性を補うことによリ、 良好な電荷輸送特性を有する化学構造とすることができる。 その長さは、 発光性材料 E Mと電荷輸送性材料 C T Mがおよそ 0. 1〜 2 0 n mの距離で電荷移動を行いやすい配 向に制御されていることカ《好ましし、。 特に、 式 (4 ) に示す剛直、 即ちとリ得る立体配 座が熱力学的に限定される骨格構造をもち、 E Mと C T Mの配向を固定できる化学結合 鎖 Xであることが好ましい。
また、本発明の第 1〜第 3形態に係る有機 E L素子において、 (i)前記 E M力 クマリ
ン誘導体、 キノリジン誘導体、 キナクリドン誘導体、 ピロロピロール誘導体、 多環芳香 属炭化水素、 スチリルベンゼン誘導体、 ポリメチン誘導体、 キサンテン誘導体などから 選ばれる蛍光発光色素、 キノリノール錯体誘導体、 キノリン錯体誘導体、 ヒドロキシフ ェニルォキサゾール、 ヒドロキシフエ二ルチアゾール、 ァゾメチン金属錯体誘導体など から選ばれる蛍光発光金属錯体、 または、 イリジウム錯体誘導体、 白金錯体誘導体など から選ばれる燐光発光遷移金属錯体であることが好ましく、 (i i )前記 C T Mが、 芳香族 3級ァミン誘導体、 スターバーストポリアミン類、 フタロシアニン金属錯体誘導体など から選ばれる正孔輸送性材料、 または、 アルミノキノリノール錯体誘導体、 ォキサジァ ゾール誘導体、 トリァゾ一ル誘導体、 トリアジン誘導体、フエ二ルキノキサリン誘導体、 カルバゾールビフエニル誘導体などから選ばれる電子輸送性材料であることが好ましい。 この発明によれば、 発光効率に優れた有機 E L素子を構成することができる。
また、 本発明の第 1〜第 3形態に係る有機 E L素子においては、 前記化合物が、 電荷 輸送性の低分子材料または高分子材料に混合■分散されて発光層を構成することが好ま しい。 この発明によれば、 溶媒溶解性と分散性に優れた化合物は、 電荷輸送性の低分子 材料または高分子材料中に均一に分散し、 凝集等の生じていない発光層を形成すること ができる。
また、 本発明の第 1〜第 3形態に係る有機 E L素子においては、 陰極と発光層の間に 電子輸送層を設けることが好ましく、 さらに、 陽極と発光層の間に正孔輸送層を設ける こと力好ましい。 図面の簡単な説明 第 1図は、 本発明の有機 E L素子の発光スぺクトルである c 発明を実施するための最良の形態
<有機化合物 >
以下、 本発明の有機化合物について詳しく説明する。
本発明に係る有機化合物は、 下記一般式 (1) 〜 (3) で表される化合物である。
EM— X——CTM (1)
(EM— X— CTM) — Y (2)
m = 1 or 2 or 3 (I + m = 2 or 3)
n =1 -3
上記一般式 (1) 〜 (3) で表される化合物において、 EMは、 蛍光発光性材料また は燐光発光性材料であり、 CTMは電荷輸送性材料であり、 Xは、 EMと CTMを結合 する化学結合鎖であり、 Yは、 置換基である。
蛍光発光性材料としては、 色素系材料および金属錯体系材料が挙げられる。 色素系材 料としては、 例えば、 クマリン誘導体、 DCM2 (キノリジン誘導体) 、 キナクリドン 誘導体、 ペリレン、 ルブレン等の多環芳香属炭化水素、 ピレン誘導体、 ピロロピロール 誘導体、 スチリルベンゼン誘導体、 ポリメチン誘導体、 キサンテン誘導体などが挙げら れる。 その一例を以下に挙げる。
クマリン誘導体 キナクリドン
DC 2 ペリレン ルブレン
APD
ピレン誘導体
ジスチリルベンゼン誘導体 差替え用弒 (¾(|26)
金属錯体系材料としては、 例えば、 A I q3 (アルミノキノリノール錯体) などのキ ノリノール錯体誘導体、 B e q 2 (ベリリゥム一キノリン錯体) などのキノリン錯体誘 導体、 そのほかには、 ヒドロキシフエ二ルォキサゾールゃヒドロキシフエ二ルチアゾー ル、 ァゾメチン金属錯体誘導体などが挙げられる。 その一例を以下に挙げる。
トリス
Mgq
ビス (8 -ヒドロキシキノリネ一ト)
マグネシウム (II)錯体 燐光発光性材料としては、 例えば、 I r (p p y) 3などのイリジウム錯体誘導体、 P t OEPなどの白金錯体誘導体、 などの遷移金属錯体が用いられる。 その一例を以下 に挙げる。
トリス (2-フエニルピリジネート- N, C2' )
イリジウム (III) 錯体
ビス (2-フ: Lニルピリジネート- N,C
2')
ァセチルァセトネ一卜イリジウム (ΙΠ)錯体
(btpy)2lr(acac)
ビス [2- (ベンゾ Mチオフ; Eン -2-ィル)ピリジネート- ,C3') ァセチルァセトネ一トイリジウム (IH)錯体
ビス (2-フエ二ルペンゾチォゾレ一卜 N,C2')
ァセチルァセトネートイリジウム (III)錯体
ビス { (4,6-ジフルオロフ; E二ル)-ピリジネート- N,C2') 1
ァセチルァセトネートイリジウム (ΠΙ)錯体
ビス { (4,6-ジフルオロフェニル)-ピリジネート- N,C2') }
ピコリネ一トイリジウム (III)錯体
PtOEP
2,3,7,8,12,13,17,18-ォクタェチル
-21H,23H-ボルフイリン白金(Π)錯体 電荷輸送材料 C T Mには、 正孔輸送性材料と電子輸送性材料、 正孔および電子輸送 性材料がある。 正孔輸送性材料としては、 例えば、 芳香族 3級ァミン誘導体、 スターバ 一ストポリアミン類、 フタロシアニン金属錯体誘導体が用いられる。 その一例を以下に 挙げる。
TPD
4,4' ,一ビス (N— 3—メチルフエニノ! /"N—フエニル) ビフエニル
a-NPD
-ジ (ナフタレン-
2-ィル) _ ,_ジフエ二ルペンジジン
t-BuPu-PTC 銅フタロシアニン
MTDATA
TCTA
4,4,-ビス (N-カルバゾィル)トリフエニルァミン 電子輸送性材料としては、 A I q 3誘導体、 ォキサジァゾール誘導体、 トリァゾール 誘導体、 イミダゾール誘導体、 卜リアジン誘導体、 フエ二ルキノキサリン誘導体が用い られる。 その一例を以下に挙げる。
(8-ヒドロ
TAZ
3-(4-ビフ: Eニル) ·4-フ: Lニル -5- ブチルフエニル -1,2,4-トリァゾール
TPBI
,3,5,-トリス(2-N-フエニルベンズイミダゾィル)ベンゼン
TPBI
1,3,5,-トリス (2-N-フエニルベンズイミダゾィル)ベンゼン
PBD
2- (4-ビフ Iニル)ふ (4-フエニル -5
-f-ブチルフエニル -1,3,4-トリァゾール
正孔および電子輸送材料としてはカルバゾールビフエニル (C B P ) 誘導体が用いら れる。 その一例を以下に揚げる。
CBP
4,4' - Ν,ΝΓ -ジカル/ ゾールビフ: rニル 化学結合鎖である Xは、 直鎖状、 分枝鎖状、 または環状の炭化水素鎖または炭素鎖が 単独または組み合わされてなり、 炭化水素鎖内には異種原子が含まれていても良く、 ま た環上には置換基を有していても良い 2価の有機基である。
炭化水素鎖は、 一 C Η2-のような飽和炭化水素又は一 C H = C H—のような不飽和炭 化水素を含むものであり、 炭素鎖は、 一 C三 C一を含むものである。 また、 炭化水素鎖 内には o、 S等の異種原子が含まれていても良いし、 水素原子がフッ素原子等のハロゲ ン原子と置き換えられていても良い。 環状の炭化水素鎖は、 脂環式化合物からなるもの であっても良いし、 芳香族化合物からなるものであっても良い。 環上に有していてもよ し、置換基としては、 直鎖状または分枝鎖状のアルキル基であることが望ましい。 その置 換基については、 そのアルキル基中の 1つもしくは隣接しない 2つ以上のメチレン基が — O—、一 S—、 一C O—、 一 C O— O—、一 O— C O—、 一 C H = C H—または一 C 三 c一で置きかえられてもよく、 そのアルキル基中の水素原子はフッ素原子に置換され ていてもよい。
化学結合鎖 Xは、 電気的に中性を保つものであることが好ましく、 E M、 C T Mの共 役系を切断するような構造となっていることが好ましい。 少なくとも E M、 C T Mと結 合する原子については不飽和結合を含まない方が好ましい。
直鎖状、分枝鎖状の化学結合鎖 Xとしては、例えば、 一 (CH2) 2—、一 (CH2) 3—、 一 (CH2) 4—、 一 (CH2) CH (CH3) CH2—、 — C H2C H = C H C H2—、― (C H2) 5—、 - (CH2) C (CH3) 2CH2—、 ― (CH2) 6—、 一 (CH2) 2C (CH3) 2 CH2—、― (CH2) 2CH (CH3) (CH2) 2—、一 (CH2) 2CH = CH (CH2) 2—、 — (CH2)「、 一 (CH2) 2C (CH3) 2 (CH2) 2—、 一 (CH2) C (CH2CH3) 2 CH2—、 ― (CH2) 8—、 一 (CH2) 3C (CH3) 2 (CH2) 2—、 ― (CH2) C (CH2 CH3) (CH2CH2CH3) (CH2) 一、 - (CH2) 3CH = CH (CH2) 「、 - (C H2) 9—、一 (CH2) 3C (CH3) a (CH2) 3—、― (CH2) 2C (CH2CH3) 2 (CH2)
2—、 - (CH2) C (CH2CH2CH3) 2 (CH2) ―、 - (CH2) 10—、一 (CH2) 4C (C H3) 2 (CH2) 3—、 - (CH2) 2C (CH2CH3) 2 (CH2) 「、 - (CH2) 2C (CH2
CH3) (CH2CH2CH3) (CH2) 2—、― (CH2) C (CH2CH2CH3) (CH2CH 2CH2CH3) (CH2) —のような直鎖状又は分岐鎖状飽和又は不飽和炭化水素鎖; -C H2OCH2—、 - (CH2) 2OCH2—、 - (CH2) 20 (CH2) 2—、― (CH2) 30 (C H2) 2—、― (CH2) 30 (CH2) 3—、一 (CH2) 40 (CH2) 3—、 - (CH2) 40 (C H2) 4—、—CH2SCH2—、 - (CH2) 2SCH2—、 - (CH2) 2S (CH2) 2—、 - (C H2) 3S (CH2) 2—、 - (CH2) 3S (CH2) 3—、一 (CH2) 4S (CH2) 「、 - (C H2) 4S (CH2) 4—、一 CH2COCH2—、 - (CH2) 2COCH2—、 - (CH2) 2CO (CH2) 2—、一 (CH2) 3CO (CH2) 2—、一 (CH2) 3CO (CH2) 3—、 - (CH2) 4CO (CH2) 3—、 - (CH2) 4CO (CH2) 4—、 — CH2COOCH2—、一 (CH2) 2 COOCH2—、 -CH2COO (CH2) 2—、 - (CH2) 2COO (CH2) 2—、 一 CH2 COO (CH2) 3—、 一 (CH2) 3COO (CH2) 2—、 -CH2COO (CH2) 4一、 - (CH2) 3COO (CH2) 3—、 -CH2COO (CH2) 5—、一 (CH2) 4COO (CH2)
3—、一 CH2COO (CH2) 广、 一 (CH2) 4COO (CH2) 4一、 — CH2COO (C H2) 8—のような 1つもしくは隣接しない 2つ以上のメチレン基が一 O—、 一 S—、 一 CO—、 一CO— O—、 一O— CO—で置換されている直鎖状又は分岐鎖状炭化水素鎖 が例示される。
また、環状化合物を含む化学結合鎖 Xとしては、環状の炭化水素鎖のみからなるもの、 上記直鎖状又は分岐鎖状炭化水素鎖と環状の炭化水素鎖との組み合わせが挙げられる。
環状の炭化水素鎖は、 脂環式化合物からなるものであっても良いし、 芳香族化合物から なるものであっても良い。 EMと CTM分子の配置を安定にする点からは、 脂環式化合 物を含むことが好ましい。 化学結合鎖 Xに好適に含まれる脂環式化合物の基本骨格構造 の一例を下記化学式 (4) に示した。
本発明における化学結合鎖 Xは、 電気的に中性を保つもので、 且つ、 化学式 (4) に 示すようなシクロプロパン骨格、 シクロブタン骨格、 シクロペンタン骨格、 シクロへキ サン骨格、 ノルポルナン骨格、 [2, 2, 2] ビシクロオクタン骨格、 [3, 2, 1] ビシクロオクタン骨格、 ァダマンタン骨格、 等の剛直な骨格構造を有するものが好まし く適用される。 化学式 (4) に示したユニット数は、 適用する骨格構造にも異なるが、 通常、 1~ 3程度とすることが好ましい。
環状化合物を含む化学結合鎖 Xとしては、 例えば、 下記化学式で表されるもの力例示 される。 EMと CTMは結合部位の例を明示するため記載している。
ΙΛΙ丄 ίΤ
zz
^08Z00/l700Zdf/X3d
f08Z00/ 00Zdf/X3d Z OAV
化学結合鎖 Xは、 EMと CTMとの間の分子間距離と配置を規定する作用があり、 そ の長さと構造によリ、 得られる化合物の溶解性及び Z又はホッビング伝導を確保するこ とができる。化学結合鎖 Xは所定の長さに制御されていることが好ましく、その長さは、 発光性材料 EMと電荷輸送性材料 CTMの分子軌道が重ならないおよそ 0. 1〜20 n mの距離に制御されていることが好ましく、 0. 5〜1 Onmの距離に制御されている こと力《好ましい。 化学結合鎖 Xの長さが短すぎると、 分子軌道が重なり、 EMと CTM 同士での分子間反発により、 互いに最適な位置関係をとることができず、 好ましいエネ ルギー移動ができないという悪影響が生じ易くなる。 また、 化学結合鎖 Xの長さが長す
ぎると、 溶媒溶解性は向上するものの却って分子間の電荷輸送特性が低下するおそれが ある。
さらに詳細には、 上記の点を考慮し、 主として得られる化合物の溶解性の点から、 X と結合している EMの原子を原子 A Xと結合している CTMの原子を原子 Bとし、 原 子 Aから X上の隣接原子をたどって原子 Bまで到達するまでの原子間距離の和のうち最 短距離になるものを A Λ Bとしたとき、 Α Βが 3 Α以上であることが好ましく、 更に 4 A以上、 特に 5 A 5 OAであることが好ましい。
また、 主として得られる化合物のホッピング伝導の点から、 Xと結合している EMの 原子を原子 A Xと結合している CTMの原子を原子 Bとし、 原子 Aと原子 Bの直線距 離を A— Bとしたとき、 八ー8が2入〜50八でぁることが好ましく、 更に3八〜30 A、 特に 4 A 2 OAであることが好ましい。
なお、 原子間距離及び直線距離は、 分子力学法の MM 3 (文献 〃CRG Handbook of G hemistry and Physics, 60th Edition, R. C. Weast, (Ed), CRC Press, Boca Rato n, FL 1980. M. W. Chase, C. A. Davies, J. R. Downey, D. R. Frurip, R. A. Mc Donald, A. N. Syverud, JANAF Thermochemical Tables, Third Edition, J. Phys. C hem. Ref. Data 14, Suppl. 1 (1985). NIST Chemistry WebBook, NIST Standard Re ference Database, No. 69; W. G. Mai lard, P. J. Linstrom, Eds. , National Insti tute of Standards and Technology, Gaithersberg, http://webbook.nist.gov/Gheini stry. J. 0. Cox, 6. Pi lcher, "Thermochemistry of Organic and Organometal I ic Compounds," Academic Press, New York, N. Y. , 1970. P. v. R. Schleyer, J. E. W i I Mams, K. R. Blanchard, J. Am. Ghem. Soc. , 92, 3277, (1970).) により、計算ソ フトは CACh e Wo r k s y s t em V e r . 5. 0 (富士通) を用いて化合物 の構造最適化を行い、 得られた構造を基に算出されたものである。
更に、 得られる化合物の溶解性及びホッピング伝導の点から、 Xと結合している EM の原子を原子 A Xと結合している CTMの原子を原子 Bとし、 原子 Aから X上の隣接 原子をたどって原子 Bまで到達するまでの原子間距離の和のうち最短距離になるものを Α Λ Β、 原子 Αと原子 Βの直線距離を A— Βとしたとき、 (ΑΛ Β) / (Α-Β) の比 の値が 1. " 20であることが好ましく、 更に 1. 3 1 5、特に 1. 5 1 0であ
ることが好ましい。 なお、 (ΑΛ Β) / (Α-Β) の比の値は、 値が大きくなればなる ほど、 化学結合鎖 Xの原子 Αから X上の隣接原子をたどって原子 Βまで到達するまでの 原子間距離の和のうち最短距離になるルー卜が屈曲して弧を描くような配座をとること になる。
溶解性及びホッビング伝導が好ましくなる一実施形態として、 A— Bが 2 A〜 50 A であり、 且つ (ΑΛ Β) / (Α— Β) が 1. 1〜10であること、 更に A— Bが 3A〜 2 OAであり、 且つ (ΑΛ Β) / (Α— Β) が 1. 2~9であること、 特に A— Bが 3 A~1 5 Aであり、且つ(ΑΛ B) Z (Α-Β)が 1. 3〜8であることが挙げられる。 なお、 上記 (ΑΛ Β) 、 (Α-Β) 、 (ΑΛ Β) Ζ (Α-Β) は、 一般式 (3) で表 される有機化合物においては、 η =1について求められる値をし、い、一般式(1)、 (2) で表される有機化合物においても C ΤΜ分子のうち ΕΜ分子に最近接の C ΤΜ分子を用 いて求められる値をいう。
また、 化学結合鎖 Xは、 熱的に安定な構造、 即ち、 自由回転が容易でない構造及び/ 又は熱によリ切断され難い構造を有することが好ましく、 化学結合鎖 Xの好ましい実施 形態として、 異種原子が含まれない炭化水素鎖からなるものが挙げられる。
さらに、 化学結合鎖 Xは、特に岡値な (即ち、 とり得る立体配座が熱力学的に限定さ れる骨格構造をもつ。 ) 骨格構造を有することが好ましい。 剛直な結合鎖 Xとすること よリ、 ΕΜと C ΤΜの分子同士の向き、 すなわち分子同士の立体構造的な配置を制御す ることができる。 ΕΜと CTMの立体的な (3次元的な) 向きを制御することにより、 2分子間のより効率的な電荷移動ができるという効果が生じる。 さらに、 剛直な化学結 合鎖 Xが電荷移動の障壁となるので、 ホッビング伝導を起こし易くさせ且つその効果の 安定化にも有利である。 このような点から、 化学結合鎖 Xの好ましい実施形態として、 脂環式化合物を含むものが挙げられ、 式 (4) で示される化学結合鎖を含むものが挙げ られる。
本発明に係る有機化合物において前記 Ε Μと C Τ Μとの配置は、 ホッビング伝導を確 保できる所定の配置に制御されていることが好ましい。熱力学的に安定な配座において、 前記 Ε Μと C Τ Μとの配置は、 Ε Μ分子の中心から C Τ Μ分子の共役面上の中心にのば した直線と C Τ Μ分子の共役面とが垂直に近い角度で交わるような配置であることが好
ましい。 なお熱力学的に安定な配座は、 上記直線距離 A— Bを求めたときと同様の方法 で構造最適化を行って得ることができる。
置換基である Yは、 EM、 CTMまたは Xの何れかの部位に導入された少なくとも溶 媒溶解性を向上させるための置換基である。溶媒溶解性は化学結合鎖 Xも備えているが、 溶媒溶解性をより向上させようとすると化学結合鎖 Xを長くしなければならず、 化学結 合鎖 Xの好ましい剛直性が損なわれると共に電荷移動特性も低下し易くなるので、 置換 基 Yを付加して溶媒溶解性を補い、 良好な電荷輸送特性を有する化学構造とすることが 好ましい。
この置換基 Yは、 水素原子、 炭素数 1〜20のアルキル基、 炭素数 1~20のアルコ キシ基、 炭素数 1〜 20のアルキルチオ基、 炭素数 1〜 60のアルキルシリル基、 炭素 数 1~40のアルキルアミノ基、 炭素数 6〜 60のァリール基、 炭素数 7~60のァリ ールアルキル、 炭素数 7〜 60のァリールアルコキシ基、 炭素数 8〜 60のァリールァ ルキニル基、 炭素数 6〜 60のァリールアミノ基、 炭素数 4 ~ 60の複素環化合物基、 シァノ基、 ニトロ基、 ハロゲン原子からなる群から選ばれる。
上記のァリール基については、 共役結合に関する炭素原子数が 6個以上 60個以下か らなる未置換もしくは置換のァリーレン基、 または共役結合に関する炭素原子数が 4個 以上 60個以下からなる未置換もしくは置換の複素環化合物基を示すものであることが 好ましい。 また、 そのアルキル基は、 直鎖状あるいは分枝状のアルキル基で、 1つもし くは隣接しない 2つ以上のメチレン基は一 0—、 一 S―、 一CO—、 一 CO— O—、 - O— CO—、 一 CH = CH—、 一 C≡C一で置きかえられても良く、 該アルキル基中の 水素原子はフッ素原子に置換されていても良い。
また、この置換基 Yを、化合物に立体障害を持たせるように作用させることもできる。 置換基 Yを、 EM、 CTMまたは Xの何れかの部位に付加することにより、 その置換基 Yが障害となって、 EMの分子と CTMの分子が Xを軸にしてねじれが生じる。 こうし たねじれにより、 EMの分子と CTMの分子との向きが変化するので、 その向きに基づ し、た特性を発現させることができる。
なお、 上述の化学式 (3) 中の A rは、 共役結合に関する炭素原子数が 6個以上 60 個以下からなる未置換もしくは置換のァリーレン基、 または共役結合に関する炭素原子
数が 4個以上 6 0個以下からなる未置換もしくは置換の複素環化合物基を示す。 また、 Rは、 それぞれ独立に水素原子、 炭素数"!〜 2 0のアルキル基、 炭素数 1〜2 0のアル コキシ基、 炭素数"!〜 2 0のアルキルチオ基、 炭素数 1〜6 0のアルキルシリル基、 炭 素数 1〜4 0のアルキルアミノ基、 炭素数 6〜6 0のァリール基、 炭素数 7〜6 0のァ リールアルキル、 炭素数 7 ~ 6 0のァリールアルコキシ基、 炭素数 8〜 6 0のァリール アルキニル基、炭素数 6〜 6 0のァリ一ルァミノ基、炭素数 4〜 6 0の複素環化合物基、 シァノ基、 ニトロ基、 ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。
一般式(3 )は、有機化合物の構造をよリ一般化した構成例を示している。一般式(3 ) において、 Mはルテニウム、 オスミウム、 ロジウム、 イリジウム、 パラジウム、 白金な どの遷移金属の中から選択され、 Iは 0〜 2の何れかの整数であり、 mは"!〜 3の何れ かの整数であり、 nは 1 ~ 3の ί可れかの整数である。 このとき、 Iと mの和は、 2また は 3である。 また、 A〜Dは、 一般式 (3 ) に示した各種のものを適用できる。
化学式 (5 ) ~ ( 9 ) は、 上述した一般式 (3 ) についての一例である。 ここで例示 するように、 有機化合物層を構成する化合物は、 (E M— X— C T M) — Y、 に基づく 各種の形態とすることが可能である。
(6)
以上のように、 化合物中に溶媒可溶性の分子鎖を付加することによリ塗布の容易性と 膜中での均一分散性を向上させることができる。化合物が膜中で均一に分散することは、 分子間相互作用に起因する劣化を抑制して素子寿命の長寿命化を実現する。 また、 付加 した分子鎖で繋がれた最近接のホストーゲスト分子間距離を最適化することにより、 従 来の塗布法による燐光素子に比べ、 再結合時の発光効率を大幅に向上させることができ る。 差眷ぇ用紙 Wi26
そして、 上記化合物は、 用いる結合ユニット、 その繰り返し単位数あるいは総原子数 を調整することができるので、 発光性材料 E Mと電荷輸送性材料 C T Mとの分子間距離 を最適化することができる。 また、 化学結合鎖 Xの結合部位やその種類を適宜変えるこ とにより、 ホスト一ゲストユニットの相対的な配向を任意に決めることができる。 この ような、 ホスト一ゲストュニッ卜の両方を有する化合物をゲストとして用い、 高分子ま たは低分子ホスト材料との混合溶液を塗布した場合、 同様な組成の蒸着膜と塗布膜との 充填密度や配向の違いを解消することができるという効果がある。
発光効率については、 ホスト一ホスト間、 ホスト一ゲスト間のエネルギー移動が如何 に効率的であるかも重要であるが、 本発明の有機化合物においては、 化学結合鎖 Xによ リ E Mと C T Mの配置を最適化して E M— C T M間での電荷の移動を安定させることが できると共に、化合物を膜中に均一に分散することができるので、有機 E L素子用材料、 有機 E L素子用発光材料として好適に用いられ、 有機 E L素子において効率的で安定な 発光が実現でき、 その結果、 有機 E L素子の長寿命化を実現できるという効果がある。
<有機 E L素子 >
以下、 本発明の有機エレクト口ルミネッセンス素子について詳しく説明する。
本発明の有機 E L素子は、 少なくとも一対の対向電極とその電極間に挟持される単層 または多層の有機化合物層とを有するものであり、 その特徴は、 その有機化合物層のう ち少なくとも 1つの層が、 上記本発明に係る有機化合物を含有する。
本発明の有機 E L素子の代表的な層構成および作製方法について説明する。
(基板)
基板は、 観察者側の表面に通常設けられる。 そのため、 この基板は、 発光層からの光 を観察者が容易に視認することができる程度の透明性を有していることが好ましい。 な お、 この基板の反対が観察者側である場合には、 この基板は不透明であってもよい。 基板としては、 フィルム状の樹脂製基板、 または、 ガラス板に保護プラスチックフィ ルム若しくは保護プラスチック層を設けたものが用いられる。
基板を形成する樹脂材料または保護プラスチック材料としては、 フッ素系樹脂、 ポリ エチレン、 ポリプロピレン、 ポリ塩化ビニル、 ポリフッ化ビニル、 ポリスチレン、 A B S樹脂、 ポリアミド、 ポリアセタール、 ポリエステル、 ポリカーボネート、 変性ポリフ
ェニレンエーテル、 ポリスルホン、 ポリアリレート、 ポリエーテルイミド、 ポリアミド ィミド、 ポリイミド、 ポリフエ二レンスルフィド、 液晶性ポリエステル、 ポリエチレン テレフタレ一ト、 ポリブチレンテレフタレート、 ポリエチレンナフタレート、 ポリオキ シメチレン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレー卜、 アクリロニトリル一スチレン樹脂、 フエノール樹脂、 尿素樹脂、 メラミン樹脂、 不飽和 ポリエステル樹脂、 エポキシ樹脂、 ポリウレタン、 シリコーン樹脂、 非晶質ポリオレフ イン等が挙げられる。 この他の樹脂材料であっても、 有機 E L素子用として使用できる 条件を満たす高分子材料であれば使用可能である。 基板の厚さは、 通常 5 0〜2 0 0 mであ 。
これらの基板においては、 その用途にもよるが水蒸気や酸素等のガスバリアー性のよ し、ものであればより好ましい。 なお、 基板上に、 蒸気や酸素等のガスバリアー層を形成 してもよい。 バリアー層としては、 酸化ケィ素、 酸化アルミニウム、 酸化チタン等の無 機酸化物をスパッタリング法や真空蒸着法等の物理蒸着法によリ形成したものを例示で さる。
(電極)
電極は有機化合物層を挟持するようにその両側に設けられる。 基板側の電極は、 陽極 でも陰極でもよいが、 本願においては陽極として説明する。 基板側の電極は、 発光層に 正電荷 (正孔) を注入するために発光層に隣接する態様で基板上に設けられる。 なお、 発光層と基板との間に正孔輸送層が設けられている場合には、 電極は正孔輸送層に隣接 して設けられる。
陽極である電極は、 通常の有機 E L素子に用いられるものであれば特に限定されず、 例えば、 酸化錫、 酸化亜鉛、 酸化インジウム、 酸化インジウム錫 (I T O) などの導電 性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケルなどの金属、ポリア二リン、ポリチォフェン、 ポリピロールなどの有機導電性材料、 これらの混合物または積層物などが挙げられ、 中 でも、 正孔が注入し易いように仕事関数の大きし、透明または半透明材料である I T O、 酸化インジウム、 金、 I Ζ Οが好ましい。 電極の厚さは、 何れも 0 . 0 0 5〜0. 5 mであることが好ましく、 通常、 スパッタリング法や真空蒸着法等により全面にまたは ノ ターン状に形成される。 パターン状の電極は、 全面に形成した後、 感光性レジストを
用いてエッチングすることにより形成される。
また、 上記電極に対向して設けられる一方の電極は、 上記電極とは異なる極性であれ ぱよいが、 本願においては陰極として説明する。 この電極 (以下、 陰極という) は、 発 光層に負電荷 (電子) を注入するための電子注入層に隣接して設けられる。
陰極は、 通常の有機 E L素子に用いられるものであれば特に限定されず、 上述した電 極 (陽極) と同様の酸化インジウム錫 (I T O) 、 酸化インジウム、 酸化インジウム亜 鉛 (I Z O ) または金等の薄膜電極材料の他、 マグネシウム合金 (M g A g等) 、 アル ミニゥムまたはその合金 (A I L i、 A I C a、 A I M g等) 、 銀等を挙げることがで きる。 中でも、 電子を注入しやすいように 4 e Vより小さい仕事関数を持つものが好ま しく、 例えば、 アルカリ金属 (たとえばリチウム、 ナトリウム、 セシウムなど) および そのハロゲン化物 (たとえばフッ化リチウム、 フッ化ナトリウム、 フッ化セシウム、 塩 化リチウム、 塩化ナトリウム、 塩化セシウムなど) 、 アルカリ土類金属 (カルシウム、 マグネシウムなど)およびそのハロゲン化物 (フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、 塩化カルシウム、 塩化マグネシウムなど) 、 アルミニウム、 銀などの金属、 導電性金属 酸化物およびこれらの合金または混合物などが挙げられる。 陰極の厚さは、 何れも 0. 0 0 5〜0 . 5 j!i mであることが好ましく、 通常、 真空蒸着法、 スパッタンダ法、 金属 薄膜を圧着するラミネ一ト法などが用いられる。
なお、 陰極作製後においては、 有機 E L素子を保護する保護層を装着してもよい。 こ の有機 E L素子を長期間安定的に用いるためには、 素子を外部から保護するために、 保 護層または保護カバーを装着することが望ましい。 保護層としては、 高分子化合物、 金 属酸化物、 金属フッ化物、 金属ホウ化物、 珪素酸化物、 珪素窒化物などを用いることが できる。 また、 保護カバーとしては、 ガラス板、 表面に低透水率処理を施したプラスチ ック板などを用いることができ、 このカバーを熱硬化樹脂や光硬化樹脂で素子基板と張 リ合わせて密閉する方法が好適に用いられる。
(有機化合物層)
電極間に挟持される単層または多層の有機化合物層、 すなわち有機 E L層は、 広義に はエレクトロルミネッセンスを起こす層をいい、 発光層のほか、 発光層に正孔を輸送す る正孔輸送層、 その正孔車俞送層および発光層に正孔を注入する正孔注入層、 発光層に電
子を輸送する電子輸送層、 その電子輸送層および発光層に電子を注入する電子注入層等 を任意に組み合わせてなる多層構造の形態を含む。
具体的には、 正孔輸送層 発光層 Z電子注入層の順に形成された態様、 正孔輸送層 Z 発光層 Z電子輸送層 Z電子注入層の順に形成された態様、 発光層 Z電子輸送層 電子注 入層の順に形成された態様、 等が含まれる。 また、 発光層に正孔輸送性材料や電子輸送 性材料を混合することにより、正孔輸送層や電子輸送層を省略することもできる。なお、 この有機 E L層と上記電極との間の一部または全部に、 紫外線硬化樹脂等の光硬化性樹 脂または熱硬化性樹脂を含む材料からなる絶縁層を形成してショー卜等の欠陥発生を抑 えてもよいし、 ブラックマトリックスなどの遮光層を設けることもできる。
(発光層)
発光層は、 有機 E L素子における必須の層であり、 上記本発明に係る有機化合物を含 有する材料で形成される。 上記本発明に係る有機化合物については既述したので、 ここ では省略する。
発光層用材料には、 上記本発明に係る有機化合物を含有するほか、 電荷輸送性材料を 含有することが好ましい。 電荷輸送性材料としては、 従来からの正孔輸送性材料、 電子 輸送性材料、 正孔および電子輸送性材料の低分子材料、 そして高分子系材料等が用いら れる。 正孔輸送性材料としては、例えば、 芳香族 3級ァミン誘導体、 スターバーストポ リアミン類、 フタロシアニン金属錯体誘導体が用いられる。 電子輸送性材料としては、 A I q 3誘導体、ォキサジァゾール誘導体、 トリァゾ一ル誘導体、イミダゾール誘導体、 卜リアジン誘導体、 フエ二ルキノキサリン誘導体が用いられる。 正孔および電子輸送材 料としてはカルバゾールビフエニル (C B P ) 誘導体が用いられる。
高分子系材料としては、例えば、 ポリパラフエ二レンビニレン誘導体、 ポリチォフエ ン誘導体、 ポリバラフ:!:二レン誘導体、 ポリシラン誘導体、 ポリアセチレン誘導体等、 ポリフルオレン誘導体、 ポリビニルカルバゾール誘導体、 上記色素系、 金属錯体系発光 性材料を高分子化したものが挙げられる。
また、 発光層用材料には、 さらに上記本発明に係る有機化合物とは異なる発光性材料 を含有させても良い。 発光性材料としては、 従来用いられる蛍光発光性材料、 および燐 光発光性材料が挙げられる。 蛍光発光性材料としては、 色素系材料および金属錯体系材
料が挙げられる。 色素系材料としては、 例えば、 クマリン誘導体、 D C M 2 (キノリジ ン誘導体) 、 キナクリドン誘導体、 ペリレン、 ルブレン等の多環芳香属炭化水素、 ピレ ン誘導体、 ピロ口ピロ一ル誘導体、 スチリルベンゼン誘導体、 ポリメチン誘導体、 キサ ンテン誘導体などが挙げられる。 金属錯体系材料としては、 例えば、 A I q 3 (アルミ ノキノリノール錯体) などのキノリノール錯体誘導体、 B e q 2 (ベリリウム一キノリ ン錯体) などのキノリン錯体誘導体、 そのほかには、 ヒドロキシフエ二ルォキサゾ一ル ゃヒドロキシフエ二ルチアゾール、 ァゾメチン金属錯体誘導体などが挙げられる。 燐光 発光性材料としては、 例えば、 I r ( p p y ) 3などのイリジウム錯体誘導体、 P t O E Pなどの白金錯体誘導体、 などの遷移金属錯体力《用いられる。
さらに、 発光層中に発光効率向上、 発光波長を変化させる等の目的でドーピングを行 うことができる。 このドーピング材料としては、 例えば、 ペリレン誘導体、 クマリン誘 導体、 キナクリドン誘導体、 スクァリウム誘導体、 ポリフィリン誘導体、 スチリル系色 素、 テトラセン誘導体、 ピラゾリン誘導体、 デカシクレン、 フエノキサゾンカ《挙げられ る。
発光層は、 電極上に上記本発明に係る有機化合物と好ましくはホスト材料である電荷 輸送性材料と、 更に場合により発光性材料、 ドーピング材料を含む層であり、 上記本発 明に係る有機化合物と、 高分子あるいは低分子ホスト材料である上記電荷輸送性材料、 更に場合により、 発光性材料、 ドーピング材料、 その他の成分として分散剤、 界面活性 剤等とを含む混合溶液を塗布等することにより形成される。 溶媒としては、 トルエン、 キシレンなどの芳香族系溶媒、 クロ口ホルム、 1 , 2—ジクロロェタンなどの/、ロゲン 化炭化水素系溶媒、テトラヒドロフランなどのエー亍ル系溶媒等を挙げることができる。 混合溶液は、 上記本発明に係る有機化合物を 0 . 0 1 ~ 1 0重量%、 好ましくは 0 . 0 1〜5重量%、 ホスト材料である電荷輸送性材料を 0〜 2 0重量%、 好ましくは 0 ~ 1 0重量%、更に場合により発光性材料を 0 . 1〜1 0. 0重量%、 ドーピング材料を 0 . 0 1〜 5 . 0重量0 /o、 その他の成分の総量を 0 . 1〜 5重量0 /o、 溶媒を 5 0〜 9 9 . 9 9重量%の範囲で含有させて得ることが好ましい。
発光層は、 その混合溶液をスピンコート法、 キャストコート法、 ディップコート法、 ダイコート法、 ビ一ドコート法、 バーコート法、 ロールコート法、 スプレーコート法、
グラビアコート法、 フレキソ印刷法、 スクリーン印刷法、 オフセット印刷法などの塗布 方法により形成することができる。 発光層の膜厚としては、 1 n m〜1 jii m、 好ましく は 2 n m〜5 0 0 n m、 さらに好ましくは 5 n m~ 5 0 0 n mである。 なお、 塗布法に より成膜した場合には、 溶媒を除去するために、 好ましくは減圧下または不活性雰囲気 下で、 3 0 ~ 3 0 0 °C、 好ましくは 6 0 ~ 2 0 0 °Cの温度で加熱乾燥することが望まし い。
また、 発光層と他の電荷輸送性材料とを積層する場合には、 上記の成膜方法で発光層 を設ける前に、 陽極上に正孔輸送層を形成する、 または、 発光層を設けた後に電子輸送 層を形成することが望ましい。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、陽極と発光層との間、または正孔注入層と発光層との間に設けられる。 正孔輸送層を形成する正孔輸送性材料としては、 例えば、 トリフエニルァミン類、 ビス 類、 ピラゾリン誘導体、 ポリフィリン誘導体に代表される複素環化合物、 ポリマー系で は前記単量体を側鎖に有するポリカーボネート、 スチレン誘導体、 ポリビニルカルバゾ ール、 ポリシランが挙げられる。 正孔輸送層は、 蒸着法、 スパッタリング法、 印刷法等 により形成される。 正孔輸送層の膜厚としては、 1 n m〜1〃m程度が好ましい。
(正孔注入層)
正孔注入層は、 陽極と正孔輸送層との間、 または陽極と発光層との間に設けることが できる。 正孔注入層を形成する材料としては、 フエニルァミン系、 スターバースト型ァ ミン系、 フタロシアニン系、 酸化バナジウム、 酸化モリブデン、 酸化ルテニウム、 酸化 アルミニウム等の酸化物、 アモルファスカーボン、 ポリア二リン、 ポリチォフェン誘導 体等が挙げられる。
正孔注入層の形成方法としては、 特に限定されないが、 固体状態からの真空蒸着法、 または溶融状態、 溶液状態、 分散液状態、 混合液状態からのスピンコート法、 キャスト コート法、 ディップコート法、 ダイコート法、 ビードコート法、 ノく一コート法、 ロール コー卜法、スプレーコー卜法、グラビアコー卜法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、 オフセット印刷法を用いることができる。正孔注入層の膜厚としては、 1 n m〜1〃m、 好ましくは 2 n m〜5 0 0 n m、 さらに好ましくは 5 n m〜 2 0 0 n mである。
(電子輸送層)
電子輸送層は、 発光層と陰極との間、 または発光層と電子注入層との間に設けること ができる。 電子輸送層を形成する材料としては、 例えば、 ォキサジァゾール類、 アルミ ニゥムキノリノール錯体など、 一般的に安定なラジカルァニオンを形成し、 イオン化ポ テンシャルの大きい物質が挙げられる。具体的には、 1 , 3 4—ォキサジァゾール誘 導体、 1 , 2 , 4—トリアゾール誘導体、 イミダゾ一ル誘導体などが挙げられる。 電子 輸送層は、 蒸着法、 スパッタリング法、 印刷法等により形成される。 電子輸送層の膜厚 としては、 1 n m 1〃 m程度が好ましい。
(電子注入層)
電子注入層は、 電子輸送層と陰極との間、 または発光層と陰極との間に設けられる。 電子注入層としては、 発光層の種類に応じて、 C a層の単層構造からなる電子注入層、 または、 C aを除いた周期律表 I A族と I I A族の金属であり且つ仕事関数が 1 . 5 ~ 3 . O e Vの金属およびその金属の酸化物、 ハロゲン化物および炭酸化物の何れか 1種 または 2種以上で形成された層と C a層との積層構造からなる電子注入層を設けること ができる。仕事関数が 1 . 5 3 . 0 e Vの、周期律表 I A族の金属またはその酸化物、 ハロゲン化物、 炭酸化物の例としては、 リチウム、 フッ化リチウム、 酸化ナトリウム、 酸化リチウム、炭酸リチウム等が挙げられる。また、仕事関数が 1 , 5 - 3. O e Vの、 C aを除いた周期律表 I I A族の金属またはその酸化物、 ハロゲン化物、 炭酸化物の例 としては、 ストロンチウム、 酸化マグネシウム、 フッ化マグネシウム、 フッ化ストロン チウム、 フッ化バリウム、 酸化ストロンチウム、 炭酸マグネシウム等が挙げられる。 電 子注入層は、 蒸着法、 スパッタリング法、 印刷法等により形成される。 電子注入層の膜 厚としては、 1 n m 1 m程度が好ましい。
以上、 本発明の有機 E L素子の構成について説明したが、 本発明の目的及び効果を損 なわない範囲であれば、 上述した層以外の機能層が設けられていても構わない。 そうし た機能層としては、 通常の有機 E L素子又は発光表示体に用いられている低屈折率層、 反射層、 光吸収層、 バリア一層、 封止剤等が挙げられる。 また、 隔壁が設けられている ものも含まれる。
面状の有機 E L素子を得るためには、 面状の陽極と陰極力重なり合うように配置すれ
ばよい。 また、 パターン状の発光を得るためには、 前記面状の発光素子の表面にパター ン状の窓を設けたマスクを設置する方法、 非発光部の有機層を極端に厚く形成して実質 的に非発光とする方法、 陽極または陰極のいずれか一方、 または両方の電極をパターン 状に形成する方法が挙げられる。 さらに、 ドットマトリクス素子とするためには、 陽極 と陰極を共にストライプ状に形成して直交するように配置する方法、 片方の電極を T F Tで選択駆動できるようにする方法などが挙げられる。 また、 同一面状に発光色の異な る有機 EL素子を複数配置することにより部分カラ一表示、 マルチカラ一表示、 フル力 ラー表示が可能となる。 実施例 実施例および比較例によリ本発明を更に具体的に説明する。
(実施例 1 ;本発明に係る有機化合物 1の合成)
前記一般式 (2) で示される化合物の合成法の例を以下に示す。 この実施例 1におい ては、 化合物 (2) 中、 EMにはイリジウム配位化合物、 Xには一 (CH2) 6—、 CT Mに [ま CB P (4, 4' — b i s (c a r b a z o I — 9 - y I )— b i p h e n y 1 )、 Yには一(CH2) 7CH3を用いた。試薬には、塩化カルシウム、無水硫酸マグネシウム、 炭酸ナトリウム、 炭酸カリウム、 水酸化ナ卜リゥムは純正化学社から、 無水塩化アルミ 二ゥ厶、無水 1, 2—ジクロロエタン、 A?—ブチルリチウム、 2—イソプロポキシ一4, 4, 5, 5—テトラメチル一 1, 3, 2—ジォキサボロラン、 P d (PPh3) 4、 亜リ ン酸トリエチルは A I d r i c h社から、塩化イリジウム(III)三水和物は AC ROS 社から、 無水エタノール、 無水トルエン、 無水 DMF、 無水クロ口ホルム、 クロ口ホル 厶、無水 TH F、エタノール、 トルエン、 ジクロロメタン、クロ口ホルム、酢酸ェチル、 無水メタノール、 メタノール、 ジェチルエーテル、 ジエチレングリコール、 蒸留水、 水 素化ホウ素ナトリゥ厶、 水素化ナ卜リゥム、 2—ェトキシエタノール、 ヒドラジン水和 物、 2—ブロモピリジン、 ナトリウム、 塩酸、 塩化チォニル、 水素化ホウ素ナトリウム は関東化学社から、 /7—ォクチル酸クロリド、 4—ブロモベンズアルデヒド、 1 Oo/oP d C触媒、 4一プロモブチルァセタールは東京化成社から購入したものを未精製で使
用した。
CBPは窒素ガス気流下 4, 4 '—ジョードビフエ二ルとカルバゾールとを銅粉と炭酸 カリウム存在下、 ジイソプロピルベンゼン中で 200 ° Gに加熱することで得られた(r ef.. B. E. Koene, etal., Chem. Mater. 10(8), 1998, 2235- 2250. )ものを使用した。
1. 配位子の合成
<アルキル CBP[1]の合成 >
減圧下で加熱乾燥した後にアルゴン置換した 1 OOmL三口フラスコに、 無水塩化ァ ルミニゥム 2. 7 g (2 Ommo I ) 、 無水 1 , 2—ジクロロェタン 3 Om L、 CBP 8. 7 g (18mmo I ) を入れて懸濁させ、 反応溶液を調製した。 氷冷撹拌下におい て、 前記反応溶液が 20°Cに保たれるように、 一才クチル酸クロリド 5. 7 g (35 mo I : 6. OmL) を滴下した。 滴下後の反応溶液を 1時間撹拌し、 12時間室温に て放置した。 その反応溶液を氷 20 gに注ぎ、 有機層を分取し、 水層をジクロロメタン
(20mLx 2) で抽出した。 有機層を合わせて 2%水酸化ナトリウム水溶液、 水、 飽 和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、 無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、 減圧下で濃 縮し、 粗生成物をフラッシュカラムクロマ卜グマ卜グラフィー (へキサン:酢酸ェチル = 10 : 1) に供し、 下式のケトン体 [1] 7. 2 g (12mmo I : 67%) を得た。
1 次に、得られた化合物 [1] 6 g (9 · 8mmo I )を 100 m Lナス型フラスコに入れ、 80%ヒドラジン水和物 1. 8m L (27mmo I ) 、 水酸化ナトリウム"!. 8 g、 ジ エチレングリコール (22mL) を混合させ、 2時間加熱還流した。 次に、 加熱還流器 を蒸留へッドに換え、 内部温度をゆっくり 195〜200°Cに上昇させ、 6時間その温 差替え用就(規則 26)
度に保ち、 ヒドラジンおよび H20の混合物を留出させた。 その混合物を冷却し、 水 3 5 m Lでうすめ、 トルエンで抽出した (100mLx 3) 。 合わせた有機層を水、 飽和 塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、 無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、 減圧下で濃縮 し、 粗生成物をフラッシュカラムクロマトグマトグラフィー (へキサン:酢酸ェチル = 1 5 : 1) に供し、 下式の目的化合物 [2]4. 7 g (7. 6mmo I : 80%) を得た。
<酸クロリド [9]の合成 >
先ず、フエ二ルビリジンホルメート [4]の合成を行った。 4—プロモーべンズアルデヒ ド 5.5mL (24.7mmo I )を T H F 60 m Lに溶解させ、窒素雰囲気下で一 78°C まで冷却し、 /7—ブチルリチウム 1 OmL (25mmo I , 2. 5Μ) を滴下し、 1時 間反応させた。 1時間後、 2—イソプロポキシ一4, 4, 5, 5—テトラメチル一 1, 3, 2—ジォキサボロラン (DOB) 2.76 g (15mmo I ) を加え、 さらに 1時間 反応させた。 反応終了後に室温に戻し、 30分間撹拌した後、 ジェチルエーテル 300 ml_x3にて抽出した。 合わせた有機層を 2%水酸化ナトリウム水溶液、 水、 飽和塩化 ナトリゥム水溶液で洗浄した後、 無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、 減圧下で濃縮し、 下式の粗生成物 [3] 6.5 gを得た。
減圧下で加熱乾燥した後にアルゴン置換した 30 OmL三口フラスコに上記粗生成物 差替え用紙(規則 26)
[3] 2. 9 g、 2—ブロモピリジン (14. 32mmo l ) 、 P d (PP 3) 41 mg (0. 87mmo I ) を入れ、 無水 T H F 155 mしに溶解させた。 2 M—炭酸力リウ 厶溶液 108mL (216mmo l ) を注ぎ、 60°〇で10時間撹拌した。 氷冷し、 1 N塩酸 200m Lを加え、 ジェチルエーテルで抽出した (2 OOmし X 3) 。 合わせた 有機層を水、 飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、 無水硫酸マグネシウムで乾燥さ せ、 減圧下で濃縮し、 粗生成物をフラッシュカラムクロマ卜グマトグラフィー (へキサ ン:酢酸ェチル =10 : 1)に供し、下式のフエ二ルビリジンホルメ一ト [4] 1. 8 g (1 Ommo I : 70%) を得た。
次に、フエニルピリジンアルケニルァセタール [6]の合成を行った。減圧下で加熱乾燥 した後にアルゴン置換した 20 OmL三口フラスコに 4ーブロモブチルァセタール 10 mL (83mmo I ) 、亜リン酸トリェチル [5] 18, 9 g (83mmo I ) を入れ、 無 水ベンゼン 4 OmLに溶解させた。 室温で撹拌しながら無水メタノール 4 OmLにナト リウム 1. 8 g (83mmo I ) を溶解した溶液を滴下した。 ここにフエ二ルビリジン ホルメート [4] 1 5 g (82. Ommo I )をすこしずつ加え、得られた黄色溶液を 40°C に保ち 2時間かくはんした。 その溶液を氷 160 gに注ぎ、 ジェチルェ一テルで抽出し た (100ml_x3) 。 合わせた有機層を水 (200mLx 2) で洗浄し、 飽和塩化ナ トリウム水溶液で乾燥させた。 溶媒を減圧下で留去し、 フラッシュカラムクロマトダラ フィ一に供し (へキサン:酢酸ェチル = 20 : 1) 、 下式の目的とするフヱニルピリジ ンァルケ二ルァセタール [6] 19. 4 g (65. 6%) を得た。
次に、フエ二ルビリジンアルキルァセタール [7]の合成を行った。フエ二ルビリジンァ 差 え 用弒 («!126)
ルケ二ルァセタール [6] 1 2 g (41 mmo I ) のエタノール(7 Omし)溶液に 10% P dZC触媒 0. 50 gを加えて懸濁液とし、 その懸濁液を、 還元装置で減圧脱気と水 素導入操作を各 3回行った。 その後、 2気圧の水素圧下、 室温で 3時間撹拌した。 Pd ZC触媒を吸引ろ別した後、 減圧下で濃縮し、 フラッシュカラムクロマトグラフィーに 供し (へキサン:酢酸ェチル = 20 : 1) 、 下式の目的とするフエ二ルビリジンアルキ ルァセタール [7] 1 1. 9 g (40mmo I : 98%) を得た。
次に、フエ二ルビリジンアルキル酸クロリド [9]の合成を行った。 300mLナス型フ ラスコにフエ二ルビリジンアルキルァセタール [7] 10 g (33. 6mmo I ) と 0. 5 M塩酸 100mしを入れ、 2時間加熱還流した。 室温まで冷却し、 ジェチルエーテル溶 媒で抽出した ( 100 m L X 3 ) 。 合わせた有機層を水、 飽和炭酸水素ナトリゥム水溶 液、 飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。 溶媒を 減圧下で留去し、下式のアルデヒド体の粗生成物 [8] 9.5 g(3 Ommo I : 65.6%) を得た。
この粗生成物 [8]と塩化チォニル 54 g (45mmo I ) および DMF (—滴) を混合 し、 撹拌下、 水浴上でゆっくり 2時間加熱還流した。 過剰の塩化チォニルを減圧下で留 去し、 室温に冷却し、 蒸留残さをジクロロメタン 200m Lに溶解させ、 氷冷しながら H201 OOmLを加え、 よく撹拌した。 有機層を分取し、 水層をさらにジクロロメタ ンで抽出した ( 100 m L X 2 ) 。 合わせた有機層を水、 飽和炭酸水素ナ卜リゥム水溶 液、 飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。 溶媒を 減圧下で留去し、 フラッシュカラムクロマトグラフィーに供し (へキサン:酢酸ェチル 差替え用銑(親則 26)
= 1 5 : 1 ) 、下式の目的とするフエ二ルビリジンアルキル酸クロリド [9] 6. 4 g (2 2mmo I : 65. 6%) を得た。
<配位子 [11] の合成 >
減圧下で加熱乾燥した後にアルゴン置換した 1 0 Om L三口フラスコに無水塩化アル ミニゥム 1. 08 g (8mmo I ) 、 無水 1 , 2—ジクロロェタン (30mL) 、 n 一アルキル CBP[2]4. O g (6. 7mmo I )を入れ、懸濁して反応溶液を調製した。 氷冷撹拌下において、 フエ二ルビリジンアルキル酸クロリド [9] 2. 47 g (8. 6mm o I ) の 1, 2—ジクロロエタン溶液 1 0 m Lを、 反応溶液が 20 °Cに保たれるように 滴下した。 その後、 1時間撹拌し、 1 2時間室温にて放置した。 反応液を氷 (20 g) に注ぎ、 有機層を分取し、 水層をジクロロメタン (20mLX 2) で抽出した。 有機層 を合わせて 20/0水酸化ナトリゥム水溶液、水、飽和塩化ナ卜リゥム水溶液で洗浄した後、 無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、 減圧下で濃縮し、 粗生成物をフラッシュカラムクロ マトグマトグラフィー (へキサン:酢酸ェチル =25 : 1 ) に供し、 下式のケトン体 [1 0] 4. 1 g (5mmo I : 75 %) を得た。
10 上記ケトン体 [10] 3. 05 g (3. 6mmo I )を 1 0 Om Lナス型フラスコに入れ、 80%ヒドラジン水和物 0. 72mし (1 0. 8 mm o I ) 、 水酸化ナトリウム 0. 6 差 '替ぇ用弒(規則 26)
5 g> ジエチレングリコール (8mL) を混合させ、 2時間加熱還流した。 次いで、 加 熱還流器を蒸留へッドに換え、 内部温度をゆつくリ 195〜200°Cに上昇させ、 6時 間この温度に保ち、 ヒドラジンおよび H20の混合物を留出させた。 混合物を冷却し、 H201 OmLでうすめ、 トルエンで抽出した (1 OmLX3) 。合わせた有機層を水、 飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、 無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、 減圧下で 濃縮し、 粗生成物をフラッシュカラムクロマトグマトグラフィー (へキサン:酢酸ェチ ル =25 : 1) に供し、下式の配位子 [11] 2. 4 g (2. 9mmo I : 81 %) を得た。
11
2. 錯体の合成
先ず、 前駆体を合成した。 減圧下で加熱乾燥させた 50mし三つ口フラスコに塩化ィ リジゥム三水和物(0. 45mmo I ) 、配位子 [11] 1. 66 g ( 2 mm o I ) を入れ、 2—エトキシエタノール 1 2. 2mLに溶解させた。 そこに蒸留水 4m Lを加え、 窒素 気流下、 135 °Cで 24時間撹拌した。 反応終了後、 ガラスフィルタ一で沈殿物を回収 し、 エタノール (2 OmL) で洗浄し、 真空乾燥 (80°C、 5時間) し、 下式の二量体 の粗生成物 Π2]0. 8 g (0. 2mmo I : 89%) を得た。
差替え用紙(規則 26)
lrCI3-3H20
C2H5OC2H4OH
H20 (3:1)
reflux, 24 h
200 mLの 3つ口フラスコにエトキシエタノール 70 mL、 二量体 [12]0. 8 g (0. 2mmo I ) 、 ァセチルァセトン 0. 22 g (2. 1 Ommo I ) と炭酸ナトリ ゥム 0. 3 g (2. 91 mmo I ) を入れ、 アルゴン気流下、 室温で 1時間攪拌し、 そ の後 1 5時間還流攪拌した。 反応混合物を氷冷し、 沈殿物を濾取水洗した。 この沈殿物 をシリカゲルカラムクロマ卜 (溶離液:クロ口ホルム メタノール: 30Z1) で精製 し、エタノールにより再結晶し、下式のイリジウム錯体 [13]の黄色粉末 0. 20g (0. 18 mmo I :収率 45%) を得た (これを本発明に係る有機化合物 1と呼ぶ) 。 質量 分析装置 (MA LD I— TO F MS) によりこの化合物の MH+である 1 962. 6
3を確認した。 また、 本発明に係る有機化合物 1の構造については、 1H— NMR、 13 C— NMR、 I Rスペクトルで相当するスペクトルカ《確認された。
(実施例 2 ;本発明に係る有機化合物 2の合成)
実施例 2においては、 前記一般式 (1) で示される化合物のうち、 EMにはイリジゥ ム配位化合物、 Xには一 CH2OCH2—、 0丁1\1には08 を用ぃた。 試薬として、 三 臭化リンは和光純薬社から、 4— (2—ピリジル) ベンズアルデヒドは A I d r i c h 社から、 ォキシ塩化リンは関東化学社から購入し、 他は実施例 1と同じものを未精製で 使用した。
1. 配位子の合成
<4—ヒドロキシメチル P P Y [21] の合成 >
塩化カルシウム管を付した 1 OOmLナス型フラスコに磁気攪拌子、 4一 (2—ピリ ジル)ベンズアルデヒド 10. Og (54. 6mmo I ) を入れ、 無水エタノール (2 2mL) に溶解させた。 氷冷下、 水素化ホウ素ナトリウム 1. 1 g (28mmo I ) を加え、 室温で 1時間攪拌させた。 氷冷下水 (30mL) を滴下し、 エタノールを減圧 下留去した。ジクロロメタン(40 OmL)加え溶解させた後、水(3 OOmL X 3)、 飽和塩化ナトリゥム水溶液( 300 m L)で洗浄し、減圧下溶媒を留去し、真空乾燥後、 4ーヒドロキシメチル P PY [21] の粗生成物 10. O g (54mmo I : 99%) を
無色固体として得た
c
21
<4—ブロモメチル PPY [22] の合成 >
上記粗生成物 4ーヒドロキシメチル ΡΡΥ [21] 10. 0 g (54mmo I ) 、 脱水 トルエン (100mL) を窒素ガス気流下で還流管を付した 3 OOm L三つ口フラスコ にいれた。 このものに三臭化リン 2. 12mL (22. 5mmo I ) を激しく攪拌しな がら滴下し、 1 20° Gに加熱し 1時間攪拌した。 室温に戻した反応混合液を氷冷下、 水 (750mL) 、 トルエン (750mL) を入れた 2 Lビーカーに注いだ。 有機層を 分取し、 水層をトルエン (500ml_x 3) で抽出した。 合わせた有機層を飽和塩化ナ トリウム水溶液で洗浄後、 無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、 減圧下濃縮し、 真空乾燥 することで 4一ブロモメチル P PY [22] の粗生成物 8. 0 g (32. 2mmo I : 5 9%) を淡黄色固体として得た。
21 22
< 3—ホルミル C BP [23] の合成 >
200mL滴下ロート、 還流管を付した 1 L三つ口フラスコに磁気攪拌子、 CBP3 8. 8 g (0. 8mo l ) 、 無水 DMF 1 87mL (2. 4mo l ) 、 無水クロ口ホル ム 300 m Lを加えた。 70°Cに加熱還流下、ォキシ塩化リン 100g (61 mL : 0. 65mo I ) を 1時間かけて滴下した。 滴下後、 そのまま 6時間加熱還流した。 室温に 戻した反応混合液を氷冷下、 15%炭酸ナトリゥム水溶液 75 Om Lに少しずつ加えた。 有機層を分取し、 水層をクロ口ホルム (500mLx 4) で抽出した。 合わせた有機層 を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、 無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、 減圧下濃縮 し、 真空乾燥することで粗生成物を得た。 このものをフラッシュカラムクロマトグラフ ィ一に供し、 クロ口ホルム エタノールから再結晶し、 無色針状結晶の 3—ホルミル C BP [23] 1 1. 3 g (22mm o I : 27%) を得た。
く 3—ヒドロキシメチル CBP [24] の合成 >
塩化カルシウム管を付した 500m Lナス型フラスコに磁気攪拌子、 3—ホルミル C BP [23] 2. 5 g (4. 9mmo I ) 、無水 TH F (25 OmL) を入れた。氷冷下、 水素化ホウ素ナトリウム 204m g (5. 4mmo I ) を加えた後、 室温に戻し 1時間 攪拌させた。 無色けん濁液の反応混合液に無水エタノール (5 OmL) を加え、 室温で さらに 1時間攪拌させた。 無色透明の反応混合液を減圧下濃縮しクロ口ホルム (500 mL) に溶解させた。 このものを水、 飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し無水硫酸マグ ネシゥムで乾燥させ、 減圧下濃縮し、 真空乾燥することで 3—ヒドロキシメチル C BP
[24] の粗生成物 2. 5 g (4. 8mmo I : 99%) を無色固体として得た。
23 24
<配位子 4— P P Y— CH2OCH2— CBP [25] の合成 >
還流管を付した 20 Om L三つ口フラスコに窒素ガス気流下で磁気攪拌子、 水素化ナ トリウム 192 m g ( 55 %パラフィンけん濁液: 8 mm o I )を入れた。 氷冷下無水 DMF (40mL) 、 3—ヒドロキシメチル C B P [24] 1. 84 g (3. 6mmo I ) を加え、 室温に戻し 20分間攪拌した。 茶白色の反応混合物に 4一ブロモメチル PPY
[22] 21. Og (4mmo I ) を加え、 室温で 2時間攪拌した。 氷冷下メタノールを 滴下し、 水、 ジクロロメタンを加えた。 混合液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、 有機層を分取した。 水層をジクロロメタン (100mLX 5) で抽出し、 合わせた有機 層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、 減圧下濃縮し真空乾燥後、 茶褐色固体の組成生 物 を得た。 このものをフラッシュカラムクロマトグラフィーに供し、 無色非晶質の 4 -PPY-CH
2OCH
2-CBP [25] 1. 6 g (2. 3mmo I : 66%) を得た。
24 25
2. 錯体の合成
< [I r C I (4-PPY-CH2OCH2-CBP) J 2 [26] の合成〉
5 OmLシュレンク型反応管に磁気攪拌子を入れ、 減圧下加熱乾燥し、 アルゴンガス で反応系内を置換した。 このものに 2—エトキシエタノール (24mL) 、 蒸留水 (8 mL) を入れ、 3回凍結脱気を行なった。次いで 4— PPY— CH2OCH2— CBP [2 5] 1. 0 g (1. 5mmo I ) 、 塩化イリジウム (I I I) 三水和物 273mg (0. 77mmo I ) を入れ、 140°Cで 24時間加熱還流した。 反応混合物を室温に戻し、 析出した黄色固体をガラスフィルターによリろ別し、ェタノール、ァセトンで洗浄した。 このものをジクロロメタンに溶解してろ過し、 ろ液にトルエン、 へキサンを加え、 減圧 下溶液の体積が 3 OmLになるまで濃縮した。 ろ過し、 へキサンで洗浄することで黄色 固体の [I r C I (4— PPY— CH2OCH2— CBP) 2] 2 [26] 0. 95 g (0. 3 Ommo I : 78%) を得た。
< I r (a c a c) (4— P P Y— C H
20 C H
2— C B P)
2 [27] の合成〉
5 OmLシュレンク型反応管に磁気攪拌子を入れ、 減圧下加熱乾燥し、 アルゴンガス で反応系内を置換した。 このものに 2—エトキシエタノール (35mL) 、 ァセチルァ セトン (0. 5mL) 入れ、 3回凍結脱気を行なった。次いで [I r C I (4— PPY— CH2OCH2-CBP) J 2 [26] 0. 95 g (0. 30mmo l ) 、 無水炭酸ナトリ ゥム 516mg (4. 9mmo I ) を入れ、 95 °Cで 24時間加熱攪拌した。 反応混合 物を室温に戻し、 エタノールを加え、 析出した黄色固体をガラスフィルターによりろ別 し、 エタノール、 水で洗浄した。 このものをジクロロメタンに溶解してろ過し、 得られ たろ液を減圧濃縮した。 このものをフラッシュカラムクロマトグラフィーに供し、 クロ 口ホルム/へキサンから再沈殿することで黄色粉末の I r (a c a c) (4— PPY— C H2OCH2— CBP) 2 [27] 0. 51 g (0. 31 mm o I : 51%) を得た (これ を本発明に係る有機化合物 2と呼ぶ) 。 質量分析装置 (MALD I— TOF MS) に よりこの化合物の MH+である 1 653. 96を確認した。 また、 本発明に係る有機化 合物 2の構造については、 ,H— NMR、 13C— NMR、 I Rスペクトルで相当するス ぺクトルが確認された。
(実施例 3 ;本発明に係る有機化合物 3の合成)
実施例 3においては、 前記一般式 (1) で示される化合物のうち、 EMにはイリジゥ 厶配位化合物、 Xには一CH2CH2—、 CTMには CBPを用いた。 試薬としては、 実 施例 1および 2と同じものを使用した。
1. 配位子の合成
く配位子 4— PPY— CH-CH— CBP [31] の合成 >
還流管を付した 200 m L三つ口フラスコに磁気攪拌子を入れ、減圧下加熱乾燥した。 このものに 4一ブロモメチル PPY [22] 23. 6 g (14. 6mmo l ) 、 亜リン酸 トリ工チル 2. 5mL (14. 6mmo I ) 入れ、 1 80°Cで 30分間加熱した。 褐色 油状物の反応混合物を室温に戻し、 THF (1 20mL) 、 水素化ナトリウム 672m g (55%パラフィンけん濁液: 15. 4mmo I ) を加え、 15分間攪拌した。 次い で、この褐色のけん濁液に実施例 2と同様にして得られた 3—ホルミル C BP [23] 4. 8g (9. 4mmo I ) を加え、 75 °Cで 2時間加熱還流した。 氷を黒褐色溶液の反応 混合物に加え反応を停止する。析出した固体をジクロロメタンに溶解させ、 水、 200/0 炭酸ナトリウム水溶液を加えた。 有機層を分取し、 水層をジクロロメタン (300mL X 5) で抽出した。 合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、 減圧下濃縮し 真空乾燥後、 黒褐色油状物の組成生物を得た。 このものをフラッシュカラムクロマトグ ラフィ一に供し、クロ口ホルム/ェタノールから再結晶することで淡黄色粉末の 4— P P Y-CH = CH-CBP [31] 4. 9 g (7. 4mmo I : 51%) を得た。
31
<配位子 4一 P P Y— CH2CH2— CBP [32] >
10 OOm Lナス型フラスコに磁気攪拌子を入れ、 このものに 4一 PPY— CH = C H— CBP [31] 4. 0 g (6. Ommo I ) 、 THF (30 OmL) 、 PdZC触媒 2. 5m
gを入れた。 反応系内を水素ガスで置換し、 1. 1気圧の水素雰囲気下、 室温 で 2日間攪拌した。反応混合液をセライ卜ろ過し、 ろ液をメタノール(50 OmL) に注 ぎ、 再沈殿により、 無色粉末の 4— P P Y— CH
2CH
2— CBP [32] 3. 5 g (5. 3mmo I : 87%) を得た。
31 32
2. 錯体の合成
く [I r C I (4— PPY— CH2CH2—CBP) 2] 2 [33] の合成 >
5 OmLシュレンク型反応管に磁気攪拌子を入れ、 減圧下加熱乾燥し、 アルゴンガス で反応系内を置換した。 このものに 2—エトキシエタノール (33mL) 、 蒸留水 (1 1 mL) を入れ、 3回凍結脱気を行なった。次いで 4— PPY— CH2CH2—CBP [3 2] 1. 5 g (2. 3mmo I ) 、 塩化イリジウム (I I I) 三水和物 418mg (1. 2mmo I ) を入れ、 140°Cで 24時間加熱還流した。 反応混合物を室温に戻し、 析 出した黄色固体をガラスフィルターによリろ別し、 エタノール、 ァセトンで洗浄した。 このものをジクロロメタンに溶解してろ過し、 ろ液にトルエン、 へキサンを加え、 減圧 下溶液の体積が 3 OmLになるまで濃縮した。 ろ過し、 へキサンで洗浄することで黄色 固体の [I r C I (4— PPY— CH2CH2— CBP) J 2 [33] 1. 5 g (0. 48 mm o I : 81 %) を得た。
< I r (a c a c) (4— P P Y— C H 2C H 2— C B P) 2 [34] の合成 >
5 OmLシュレンク型反応管に磁気攪拌子を入れ、 減圧下加熱乾燥し、 アルゴンガス で反応系内を置換した。 このものに 2—エトキシエタノール (4 OmL) 、 ァセチルァ セトン (0. 5mL) 入れ、 3回凍結脱気を行なった。次いで [I r C I (4-PPY- CH2CH2-CBP) 2] 2 [33] 1. Og (0. 32mmo I ) 、 無水炭酸ナトリウム 55 Omg (5. 2mmo I ) を入れ、 95 °Cで 24時間加熱攪拌した。 反応混合物を 室温に戻し、 エタノールを加え、 析出した黄色固体をガラスフィルターによりろ別し、 エタノール、 H20で洗浄した。 このものをジクロロメタンに溶解してろ過し、 得られ たろ液を減圧濃縮した。 このものをフラッシュカラムクロマトグラフィーに供し、 クロ 口ホルム/へキサンから再沈殿することで黄色粉末の I r (a c a c) (4— PPY— C H2CH2— CBP) 2 [34] 0. 3 g (0. 1 8mmo I : 28%) を得た (これを本 発明に係る有機化合物 3と呼ぶ) 。 質量分析装置 (MALD I -TOF MS) により この化合物の MH+である 1 621. 96を確認した。 また、 本発明に係る有機化合物
3の構造については、 1H— NMR、 13C— NMR、 I Rスペクトルで相当するスぺク トルが確認された。
(実施例 4 ;本発明に係る有機化合物 4の合成)
実施例 4においては、 前記一般式 (1) で示される化合物のうち、 EMにはイリジゥ ム配位化合物、 Xには脂環式化合物 (以下、 BCと略す) を含む一 CH2— BC— CH2 CH2—、 CTMには CBPを用いた。 試薬として、 エンド一ビシクロ [2, 2, 2] ォク! ^一 5ェン— 2, 3—ジカルボン酸無水物は AC ROS社から、 ブロモベンゼンは 東京化成社から、 無水ジェチルエーテル、 水素化アルミニウムリチウム、 2—メトキシ メチルエーテルは関東化学社から購入したものを未精製で使用し、 他は実施例 1、 2、 3と同じものを使用した。
1. 配位子の合成
<ケトカルボン酸 [41] の合成 >
減圧下加熱乾燥し、 アルゴン置換した 1 OOmL三口フラスコに無水塩化アルミニゥ 厶 5. 3 g (4 Ommo I ) 、 無水 1 , 2—ジクロロメタン (1 OOmL) 、 ブロモ ベンゼン 3. 8 g ( 36 mm 0 I ) を入れ懸濁した。氷冷撹拌下ェンド一ビシク口 [ 2 , 2, 2] ォクト一5ェン一 2, 3—ジカルボン酸無水物 7. 1 g (40mo I ) を反応 溶液が 20°Cに保たれるように滴下した。 その後 1時間撹抻し、 12時間室温にて放置
した。 反応液を氷 (20 g) に注ぎ、 濃塩酸で酸性に調整し、 有機層を分取した。 水層 をジクロロメタン (50ml_x 3) で抽出した。 有機層を合わせて飽和塩化ナトリウム 水溶液で洗浄後、 無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、 減圧下濃縮し DMFZ水から再結 晶し、 ケトカルボン酸 [41] 7. 8 g (23mmo I : 65%) を得た。
41
<アルデヒド体 [42] の合成 >
上記ケ卜カルボン酸 [41] 7. 5 g (22mmo I ) を 1 00 m Lナス型フラスコにい れ、 80%ヒドラジン水和物 1. 8mL (27mmo l )、水酸化ナトリウム 1. 8 g、 ジエチレングリコール (22mL) を混合させ 2時間加熱還流した。 ついで加熱還流器 を蒸留へッドに換え、 内部温度をゆつくリ 1 95— 200°Cに上昇させ 6時間この温度 に保ちヒドラジンおよび水の混合物を留出させる。混合物を冷却し水 35mしでうすめ、 濃塩酸で酸性に調整し、 ジクロロメタンで抽出した ( 1 00 m L X 3 ) 。 合わせた有機 層を水、 飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、 無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、 減圧 下濃縮し、 DM F/水から再結晶しカルボン酸 5. 6 g (1 7. 6mmo I : 80%) を得た。
このカルボン酸 5. 6 g (1 7. 6mmo I ) と塩化チォニル 24 g (2 Ommo I ) および DMF (—滴) を混合し、 撹拌下、 水浴上でゆっくり 2時間加熱還流した。 過剰 の塩化チォニルを減圧下で留去し、 室温に冷却し、 蒸留残さをジクロロメタン溶媒 1 0 OmLに溶解させ、 氷冷しながら水 50m Lを加え、 よく撹拌した。 有機層を分取し、 水層をさらにジクロロメタンで抽出した (1 00ml_x 2) 。 合わせた有機層を水、 飽 和炭酸水素ナトリゥム水溶液、 飽和塩化ナトリゥム水溶液で洗浄し、 無水硫酸マグネシ ゥムで乾燥させた。 溶媒を減圧下で留去し、 フラッシュカラムクロマトグラフィーに供 し、 酸クロリド 3. 9 g (1 1. 6mmo I : 66%) を得た。
無水ジェチルエーテル (25mL) に水素化アルミニウムリチウム 0. 42 g (1 1 mmo I ) を懸濁させ、 —ブチルアルコール 2. 6 g (35. 2mmo I ) を滴下し
た。 析出したアルコキシヒドリドアルミニウム塩を十分に沈殿させ、 ジェチルエーテル を除き、 沈殿物に 2—メトキシェチルェ一テル (9 m L) を加えた。
酸クロリド 3. 7 g (1 1 mmo I ) を 2—メ トキシェチルエーテル (5. OmL) に溶かし、 -70〜一 75 °Cで撹拌しながら 1時間かけて L i [HA I (O i-C4H9) 3] 溶液を滴下した。 滴下終了後、 さらに室温で 1時間撹拌し、 反応液をろ過しこのも のを熱エタノールで抽出し、 再結晶することでアルデヒド体 [42] 2. 2 g (7. 4m mo I : 67%) が得られた。
a) NH2NH2-H20
<4-PPY-CH2-BC-CHO [43] の合成 >
エチレングリコールを用いてァセタール化したアルデヒド体 [42] 2. 0 g (5.
7 mmo I ) を T H F 3 O m Lに溶解させ、 窒素雰囲気下で一 78 °Cまで冷却し、 n— ブチルリチウム 2. 8mL (7. Ommo l , 2. 5M) を滴下し 1時間反応させた。 反応後、 2—イソプロポキシ一 4, 4, 5, 5—テトラメチルー 1, 3, 2—ジォキサ ポロラン 2. 8 g (1 5. 0 mmo I ) を加え、 さらに 1時間反応させた。 反応終了 後室温に戻し、 30分撹拌した後、 ジェチルエーテルにて抽出しボロン酸エステルを得 た。
得られたポロン酸エステル、 2—ブロモピリジン (7. Ommo I ) 、 P d (PP h 3) 4 (0. 35mmo I ) を TH F50 mLに溶解させ、 炭酸カリウム水溶液 1 05 mL (2M) を注ぎ、 60°Cで窒素気流下 1 0時間撹拌した。 反応終了後、 ジェチルェ 一テルで抽出しフエニルピリジンのァセタール体を得た。
この得られたフエ二ルビリジンのァセタール体と 0. 5M塩酸 (1 OOmL) の混合 物をかくはん下に 45分間加熱還流した。 冷却後、 反応混合物をジェチルエーテルで抽 出し、 有機層を水、 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、 飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄 し、 無水硫酸マグネシウムで乾燥し、 減圧下濃縮した。 このものをへキサン クロロホ
ルムから再結晶し 4— P P Y— CH2—BC— CHO [43] 1. 3 g (4. 5mmo I 79%) を得た。
42 43
<4-PPY-CH2-BC-CH = CH-CBP [45] の合成〉
還流管を付した 200 m L三つ口フラスコに磁気攪拌子を入れ、減圧下加熱乾燥した。 このものに 3— CBP— CH
2B r [44] 1. 0 g (3. 3 mm o I ) 、 亜リン酸トリ ェチル 0. 57mL (3. 3mmo I )を入れ、 180°Cで 30分間加熱した。 なお、 3 -CBP— CH
2B r [44] は実施例 2における 3—ヒドロキシメチル C BP [24] を 三臭化リンと反応させブロモ化することで得られた。 褐色油状物の反応混合物を室温に 戻し、 無水 TH F25mL、 55%水素化ナトリウム ミネラルオイル懸濁液 148 m g (3. 4mmo I ) を加え、 15分間攪神した。 次いで、 この褐色の懸濁液に 4一 P P Y-CH
2-BC-CHO [43] 1. 0 g (3. 3mmo I ) を加え、 75°Cで 2時 間加熱還流した。 氷を黒褐色溶液の反応混合物に加え反応を停止する。 析出した固体を ジクロロメタン ( 100 mL) に溶解させ、 水 ( 100 mL) 、 20%炭酸ナトリゥム水溶 液 (100mlJ を加えた。 有機層を分取し、 水層をジクロロメタン (100mLx 5) で抽出した。 合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、 減圧下濃縮し真空乾 燥後、 黒褐色油状物の組成生物を得た。 このものをフラッシュカラムクロマトグラフィ 一に供し、クロ口ホルム/エタノールから再結晶することで淡黄色粉末の 4— P P Y— C H
2-BC-CH = CH-CBP [45] 1. 3 g (1. 7mmo I : 51%) を得た。
44
45 く 4— PPY— CH2— BC— CH2CH2— CBP [46] の合成 >
50 OmLナス型フラスコに磁気攪拌子を入れ、 このものに 4一 P P Y— CH2— B C— CH = CH— CBP [45] 1. 3 g (1. 7mmo I ) 、 THF100mL、 パラ ジゥム '炭素 2. 5m gを入れた。 反応系内を水素ガスで置換し、 1. 1気圧の水素 雰囲気下、 室温で 2日間攪拌した。 反応混合液をセライトろ過し、 パラジウム'炭素を 除いた後、 ろ液をメタノール (30 OmL) に注ぎ、 再沈殿により、 無色粉末の 4— P PY-CH2-BC-CH2CH2-CBP [46] 1. 3 g (1. 6mmo I : 95%) を得た。
45 46
2. 錯体の合成
< [I r C I (4— PPY— CH2— BC— CH2CH2— CBP) 2] 2 [47] の合成
>
50mLシュレンク型反応管に磁気攪拌子を入れ、 減圧下加熱乾燥し、 アルゴンガス で反応系内を置換した。 このものに 2—エトキシエタノール 23mL、 蒸留水 7. 7m Lを入れ、 3回凍結脱気を行なった。 次いで 4— PPY— CH2— BC— CH2CH2— CBP [46] 1. 3 g ( 1. 6 mm o I ) 、 塩化ィリジゥム ( I I I) 三水和物 291 mg (0. 84mmo I ) を入れ、 140°Cで 24時間加熱還流した。 反応混合物を室 温に戻し、 析出した黄色固体をガラスフィルターによりろ別し、 エタノール、 アセトン で洗浄した。 このものをジクロロメタンに溶解してろ過し、 ろ液にトルエン、 へキサン を加え、 減圧下溶液の体積が 25mLになるまで濃縮した。 ろ過し、 へキサンで洗浄す ることで黄色固体の [I r C I (4-PPY-CH2-BC-CH2CH2-CBP) J 2 [47] 1. 2 g (0. 33mmo I : 79%) を得た。
< I r (a c a c) ( 4一 P P Y— C H
2— B C— C H
2 C H
2— C B P)
2 [48] の合 成 >
5 OmLシュレンク型反応管に磁気攪神子を入れ、 減圧下加熱乾燥し、 アルゴンガス で反応系内を置換した。 このものに 2—エトキシエタノール 42 m L、 ァセチルァセト ン (0. 5mL) 入れ、 3回凍結脱気を行なった。次いで [I r C I (4-PPY-CH 2—BC— CH2CH2— CBP) J a [47] 1. 2 g (0. 33mmo I ) 、 無水炭酸 ナトリウム 567mg (5. 4mmo I ) を入れ、 95 °Cで 24時間加熱攪拌した。 反 応混合物を室温に戻し、 エタノールを加え、 析出した黄色固体をガラスフィルタ一によ りろ別し、 エタノール、 水で洗浄した。 このものをジクロロメタンに溶解してろ過し、 得られたろ液を減圧濃縮した。このものをフラッシュカラムクロマ卜グラフィ一に供し、 クロ口ホルム/へキサンから再沈殿することで黄色粉末の I r (a c a c) (4-PPY — CH2— BC— CH2CH2— CBP) 2 [48] 0. 2 g (0. 1 mmo I : 16%) を 得た (これを本発明に係る有機化合物 4と呼ぶ) 。 質量分析装置 (MALD I— TOF
MS) によりこの化合物の MH+である 1 861. 34を確認した。 また、 本発明に 係る有機化合物 4の構造については、 1H— NMR、 13C— NMR、 I Rスぺクトルで 相当するスぺクトルが確認された。
(比較例 1 ; I r (a c a c) (p p y) 2の合成)
< [I r C I (p p y) 2] 2の合成〉
5 OmLシュレンク型反応管に磁気攪拌子を入れ、 減圧下加熱乾燥し、 アルゴンガス で反応系内を置換した。 このものに 2—エトキシエタノール 31 mL、 蒸留水 1 OmL を入れ、 3回凍結脱気を行なった。 次いで 2—フエ二ルビリジン 0. 75mL (5. 3
mm o I ) 、 塩化ィリジゥム (I I I) 三水和物 51 6mg (1. 46 mm o l ) を入 れ、 140°Cで 24時間加熱還流した。 反応混合物を室温に戻し、 析出した黄色固体を ガラスフィルターによりろ別し、 エタノール、 アセトンで洗浄した。 このものをジクロ ロメタンに溶解してろ過し、 ろ液にトルエン、 へキサンを加え、 減圧下溶液の体積が 2 5mLになるまで濃縮した。 ろ過し、 へキサンで洗浄することで黄色固体の [I r C I (p p y) J 20. 69 g (0. 33mmo I : 79%) を得た。
< I r (a c a c) ( p p y ) 2の合成 >
2—フエ二ルビリジンは A I d r i c h社から購入し、 その他のものに関しては実施 例 1、 2、 3、 4と同じものを使用した。
5 OmLシュレンク型反応管に磁気攪拌子を入れ、 減圧下加熱乾燥し、 アルゴンガス で反応系内を置換した。 このものに 2—エトキシエタノール 33 m L、 ァセチルァセト ン 0. 13mLを入れ、 3回凍結脱気を行なった。次いで [ I r C I (p p y) 2] 20. 55 g (0. 52mmo I ) 、 無水炭酸ナトリウム 1 69mg (1. 34mmo I ) を 入れ、 95 °Cで 24時間加熱攪拌した。 反応混合物を室温に戻し、 エタノールを加え、 析出した黄色固体をガラスフィルターによりろ別し、 エタノール、 水で洗浄した。 この ものをジクロロメタンに溶解してろ過し、 得られたろ液を減圧濃縮した。 このものをフ ラッシュカラムクロマトグラフィ一に供し、クロ口ホルム/へキサンから再沈殿すること で黄色粉末の I r (a c a c) (p p y) 20. 2 g (0. 1 mmo I : 16%) を得た。 質量分析装置 (MALD I— TOF MS) によりこの化合物の M H+である 601. 71を確認した。 また、 この有機化合物の構造については、 1H— NMR、 13C— NM R、 I Rスぺクトルで相当するスぺクトルが確認された。
(実施例"!〜 4の配座計算)
Xと結合している E Mの原子を原子 A、 Xと結合している C T Mの原子を原子 Bとし、 原子 Aから X上の隣接原子をたどって原子 Bまで到達するまでの原子間距離の和のうち 最短距離になるもの A Λ B、 原子 Aと原子 Bの直線距離 A— B、 及び (A Λ B) / (A -B)の比の値を計算した。なお、原子間距離及び直線距離は、分子力学法の MM 3 (文 献 "CRC Handbook of Chemistry and Physics," 60th Edition, R. C. Weast, (Ed.), CRC Press, Boca Raton, FL, 1980. M. W. Chase, C. A. Davies, J. R. Downey, D.
R. Frurip, R. A. McDonald, A. N. Syverud, JANAF Thermochemical Tables, Third Edition, J. Phys. Chem. Ref. Data 14, Suppl. 1 (1985). NIST Chemistry WebBo ok, NIST Standard Reference Database, No. 69; W. G. Mai lard, P. J. Linstrom, Eds. , National Institute of Standards and Technology, Gaithersberg, http://we bbook.nist.gov/chemistry. J. 0. Cox, G. Pi lcher, "Thermochemistry of Organic and Organometal I ic Compounds, " Academic Press, New York, N. Y. , 1970. P. v. R. Schleyer, J. E. Williams, K. R. Blanchard, J. Am. Chem. Soc. , 92, 3277 (1 970)· ) により、 計算ソフトは CAC h e Wo r k s y s t em Ve r. 5. 0 (富 士通) を用いて化合物の構造最適化を行い、 得られた構造を基に算出した。 結果を表 1 に示す。
(実施例 1 ~ 4、 比較例 1 3の評価)
実施例 1 4で得られた有機化合物 1〜有機化合物 4、 及び比較例 1として I r (a c a c) ( p p y ) 2、 比較例 2として溶解性が考慮された下記に示す I r 8 p p y (ケ ミプロ化成社製) 比較例 3として I r (p p y) 3 (ケミプロ化成社製) を用いて物性 を評価した。
Ir8ppy
( 1 ) 溶解性試験
芳香族系溶媒としてトルエン及びキシレン、 ハロゲン化炭化水素系溶媒としてク口口 ホルム、 1, 2—ジクロロエタン、エーテル系溶媒としてテトラヒドロフランを用いて、 溶解性試験を行った。 実施例"!〜 4で得られた有機化合物 1〜有機化合物 4、 及び比較 例 1として I r (a c a c) (p p y ) 2、 比較例 2として I r 8 p p y、 比較例 3とし て I r (p p y) 3と上記溶媒 5mLとを混合し、室温で 30分間撹拌し、溶解可能な重 量濃度によって評価した。 結果を表 2に示す。
隱基準]
0 : 1. 0質量%以上溶解する。
△: 0. 1質量%以上 1. 0質量%未満溶解する。
X : 0. 1質量%未満しか溶解しない。 表 2
本発明に係る有機化合物 1〜有機化合物 4については、 比較例 1 , 3では溶解が困難 な芳香族系溶媒についても、 良好な溶解性を示した。
(2) 耐熱性試験
実施例"!〜 4で得られた有機化合物 1〜有機化合物 4、 及び比較例 1として I r (a c a c) (p p y) 2について、 TGZDTA測定を行った (装置: TG— DTA TG 81 20 リガク社製、 条件窒素ガス雰囲気下、 昇温速度: 5. 0°CZm i n) 。 得ら れた各 TGZDTA曲線より、 5%重量損失が認められた温度を比較した。 結果を表 3 に示す。
表 3
Xがアルキル直鎖である、 有機化合物 1、 3は従来型の比較例 1に比べて高い耐熱温 度を示した。 一方、 エーテル結合を含む有機化合物 2は従来型の比較例 1に比べて耐熱 性が低かったが、 これはエーテル結合の解離が生じているためだと考えられる。 Xがよ リ剛直な脂環式化合物を有する有機化合物 4はよリ高い耐熱性を示した。 高い耐熱性を 示す有機化合物は、 有機 Eし素子用材料として用いた場合、 寿命向上に有利であること が示唆される。
(実施例 5-8 :有機 E L素子の作製)
実施例 1 ~4で得られた本発明に係る有機化合物 1〜有機化合物 4を用いて実施例 5 ~ 8の有機 EL素子を作製した。 先ず、 ガラス基板上に I TOの透明導電性膜が成膜さ れた基板を所望の形状にパターニングした後、 洗浄および UVZオゾン処理を施した。 次いで、 ポリ一 3, 4一エチレンジォキシチォフェンノポリスチレンスルフォネー卜水 分散液 (略称 P EDOT PSS、 商品名 B a y t r o n TP CH 8000、 パイエ ル社) を洗浄基板上に滴下し、 スピンコートした。 その後、 200°Cのホットプレート 上で 10分間加熱乾燥することにより、 8 Onmの正孔輸送層を形成した。 続いて、 本 発明に係る有機化合物と電荷輸送性材料として C B Pポリマー (特願 2003-008 873号公報、 特願 2003-008874号公報) をキシレンに下記構成比率で混合 し、 電子車俞送層兼発光層形成用組成物 (構成比率;固形分は、 本発明に係る有機化合物 ( I r原子換算) :電荷輸送基(C BP分子換算) =4 : 96 (モル比)、固形分比率: 1. 5質量0 /0) として滴下し、 スピンコートすることにより、 40nmの電子輸送兼発 光層を形成した。
さらに、 5. 0 X 1 0— 6To r rの真空条件下で、 金属カルシウムを 0. 14 n mZ sの成膜速度で 10 nm真空蒸着し、 さらにその上に銀を 0. 23 nmZsの成膜速度
で 250 nm真空蒸着して電極を形成した。
(比較例 4, 5 :有機 E L素子の作製)
対照として比較例 1 , 2の材料を用いて、 比較例 4, 5の有機 E L素子を作製した。 先ず、 ガラス基板上に I TOの透明導電性膜が成膜された基板を所望の形状にバタ一二 ングした後、 洗浄および UVZオゾン処理を施した。 次いで、 ポリ一 3, 4—エチレン ジォキシチォフェン ポリスチレンスルフォネート水分散液 (略称 PEDOTZPSS、 商品名 Ba y t r o n TP CH8000、 バイエル社) を洗浄基板上に滴下し、 スピ ンコートした。 その後、 200°Cのホットプレート上で 1 0分間加熱乾燥することによ リ、 8 O nmの正孔輸送層を形成した。 続いて、 比較例 1 , 2の材料と電荷輸送性材料 として C BPポリマ一 (特願 2003— 008873号公 、 特願 2003— 0088 74号公報)をキシレンに下記構成比率で混合し、電子輸送層兼発光層形成用組成物(構 成比率;固形分は、 本発明に係る有機化合物 (I r原子換算) :電荷輸送基 (CBP分 子換算) =4 : 96 (モル比) 、 固形分比率: 1. 5質量0 /0) として滴下し、 スピンコ 一卜することによリ、 40 nmの電子輸送兼発光層を形成した。
さらに、 5· O X 1 0_6To r rの真空条件下で、 金属カルシウムを 0. 1 4 n mZ sの成膜速度で 1 O nm真空蒸着し、 さらにその上に銀を 0. 23 nmZsの成膜速度 で 250 n m真空蒸着して電極を形成した。
(比較例 6 :低分子蒸着型有機 E L素子の作製)
対照として比較例 3の材料を用いて、 比較例 6の有機 EL素子を作製した。 比較例 3 の材料は塗布法を用いると短期間に材料が凝集し膜安定性が得られないため、 蒸着法を 用いた。
先ず、 ガラス基板上に I TOの透明導電性膜力《成膜された基板を所望の形状にパター ニングした後、 洗浄および UVZオゾン処理を施した。 次いで、 ポリ一 3, 4—ェチレ ンジォキシチォフェン ポリスチレンスルフォネート水分散液 (略称 PEDOTZPS S、 商品名 Ba y t r o n TP CH8000、 バイエル社) を洗浄基板上に滴下し、 スピンコートした。 その後、 200 °Cのホットプレート上で 1 0分間加熱乾燥すること により、 8 O nmの正孔車俞送層を形成した。
続いて、 CBP (ケミプロ化成社製) 、 I r (p p y) 3を 4. 0 X 1 0_6T o r r
の真空条件下で、 それぞれ 0. 3 nmZs、 0. 02 n mZ sの成膜速度で 40 n m蒸 着した。
さらに、 5. O 10~6To r rの真空条件下で、 金属カルシウムを 0. 14 n mZ sの成膜速度で 1 Onm真空蒸着し、 さらにその上に銀を 0. 23 nmZsの成膜速度 で 250 n m真空蒸着して電極を形成した。
(実施例 5〜 8、 比較例 4〜 6の評価:有機 E L素子の評価)
( 1 ) 素子の輝度
上記のようにして得られた有機 EL素子に、 外部電源 (ケースレー社製ソースメータ -2400) を接続し、 I T Oを陽極、 金属電極を陰極として直流電圧を印加すると、 I r (a c a c) (p p y) 2または I r (p p y) 3に由来する緑色の発光を得た。 素 子の輝度は、 トプコン社製の輝度計 BM— 8を用いて測定した。 得られた最高輝度の結 果を表 4に示す。
表 4
*1 蒸着法 本発明に係る有機化合物を発光材料として用いた本発明の有機 E L素子では、 従来の 低分子ゲス卜材料を用いた場合に比べ、 高い輝度が得られた。
(2) 電流効率
電流効率は、 上記の輝度測定用の外部電源から得られた駆動時の電流値とそのときの 輝度によって求められた。 得られた各素子の最高電流効率を表 5に示す。
表 5
*1 蒸着法 本発明に係る有機化合物を発光材料として用いた有機 E L素子では、 従来の低分子ゲ スト材料を用いた場合に比べ、 高い電流効率が得られた。
(3) 発光スぺクトル
トプコン社製分光放射計 SR— 2を用いて発光スぺクトルを測定した。実施例 7 ( I r (a c a c) (4-p p y— CH2CH2— c b p) 2を用いた素子) についての結果 を図 1に示す。 各実施例 5〜 8の有機 EL素子において、 P Lスペクトルと同様のピー クを持つ、 I r (a c a c) ( p p y ) 2に由来する発光スペクトルが得られた。 本発 明に係る有機化合物を用いて作製された実施例 5~8の有機 E L素子においては、 従来 の I r (a c a c) (p p y) 2のような低分子ゲス卜材料に比べ、 より線幅の狭いス ぺクトルが得られた。 溶解性が考慮された直鎖のォクチル基をもつ I r 8 p p yに比べ ても、 線幅の狭いスぺクトルが得られた。 このことから蛍光■発光材料を立体的にかさ 高い CBPと連結することで、 より効果的に発光中心同士の会合を阻害し、 濃度消光を 抑制することが可能となったと考えられる。 これにより効率も上昇し長寿命化へつなが ると推察される。 産業上の利用可能性 以上のように、 本発明に係る有機化合物は、 化学結合鎖 Xや付加される置換基 Yの 作用により溶媒溶解性に優れるため、 該化合物を含む塗料を用いて成膜することが可能
であり、 有機発光素子、 特に燐光有機発光素子をコーティング成膜によって作製するこ とが可能である。
また本発明に係る有機化合物は塗膜中に凝集することなく均一に分散するので、 有機 E L素子に用いられた場合に被塗布材上の各部において均一な発光特性をもたらし、 そ の結果、 注入された電荷に基づく発光が面内で均一に生じることとなり、 発光効率が向 上する。 さらに本発明に係る有機化合物は、 その化学結合鎖 Xが最近接のホストーゲス ト分子間距離と相対的配向状態を最適化すると共に電荷移動の障壁として作用するので、 架橋基を経由しない電荷輸送性材料 C T Mから発光性材料 E Mへの直接的、 空間的なェ ネルギー移動が可能となり、 有機 E L素子に用いられた場合に、 より高い発光効率を達 成することができる。
本発明の有機化合物は、 これまでの塗布型発光'燐光材料に比べて純度が高く、 かつ 発光材料自身の凝集を抑制できるため、 得られる発光'燐光スぺクトルがシャープとな リ、 高い色純度を有する。 また、本発明の有機化合物は熱的安定性が高く、 寿命向上に 有利である。
従って、 本発明の有機化合物は、 これまでの塗布型発光■燐光材料が抱える純度、 分 子間距離、 分子配向の問題を解決し、 高効率的発光により長寿命な有機 E L素子の実現 を可能にする。
本発明に係る有機 E L素子は、 上記効果を有する本発明に係る有機化合物を含有する 層が設けられているため、 従来のように燐光発光材料と電荷移動材料それぞれを混合し て含有する層が設けられている場合に比べて、 塗布によリ容易に該材料の分散性が高い 層が得られ、 更に高い発光効率を得ることができ、 長寿命素子の実現が可能である。