WO2004060398A1 - コネキシン26阻害剤および癌転移抑制剤 - Google Patents

コネキシン26阻害剤および癌転移抑制剤 Download PDF

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Akihiko Ito
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Description

コネキシン 2 6阻害剤および癌転移抑制剤
技術分野
本発 は、 コネキシン 2 6 の機能を特異的に阻害するコネキシン 2 6 阻害剤およびそれを用いた新規明癌転移抑制剤に関するものである。 田
背景技術 コネキシンは、 ギヤップ結合を構成する結合膜タンパク質ファ ミ リー の総称である。 コネキシンは、 その分子量の違いによって、 1 2を越え るサブタイプが発見されている。 分子量が 2 6 k D a のものをコネキシ ン 2 6、 4 3 k D a のものをコネキシン 4 3 と称されている。 コネキシンの 6量体は、 コネク ソンと呼ばれ、 導管状構造を形成して 細胞膜を貫通する。 コネク ソンが隣接細胞間で連結しているのがギヤッ プ結合であり、 この連結によって形成された導管内をイオンや低分子量 タンパク質が細胞から細胞へと受け渡される。 この機構は、 上皮性細胞 の増殖の恒常性維持のために必須であると考えられている。 本願発明者等は、 癌の転移機序を遺伝子レベルで解明する基礎研究を 行っている中で、 コネキシン 2 6が癌転移に密接に関わっていること、 さ らには、 コネキシン 2 6の機能を生化学的に抑制することによ り癌の 転移が抑制されることを見出している (日本国公開特許公報 「特開 2 0 0 1 — 1 7 1 8 4号公報」 ( 2 0 0 1年 1月 2 3 日公開) 、 I t o, A . e t a 1 - : J . C l i n . I n e s t . , 1 0 5 : 1 1 8 9 — 1 1 9 7 , 2 0 0 0 . :) 。
また、 ギャップ結合を阻害する物質と して、 例えば、 ォレイ ン酸のァ ミ ド誘導体であるォレアミ ドが知られている (日本国公表開特許公報 「 特表 2 0 0 1 — 5 2 3 6 9 6号公報」 ( 2 0 0 1年 1 1月 2 7 日公開) 、 B o g e r , D . L - e t a l 。 , P r o c . N a t . A c a d . S c i . U S A. , 9 5 : 4 8 1 0 — 4 8 1 5 . 1 9 9 8 . ) 。
現在の癌治療では、 抗癌剤の投与、 癌細胞および癌組織の摘出、 放射 線治療など、 直接癌細胞に对する治療が行われている。 しかし、 癌細胞 は転移が非常に早いため、 癌治療を行っている途中に、 別の組織に転移 する場合がある。 その結果、 治療が長期化し、 治療途中に死んでしま う という事態が生じる。
したがって、 癌治療の治療効果を上昇させるためには、 抗癌剤の投与 、 および、 癌組織を摘出によって、 直接的に癌を撲滅する他に、 癌の転 移を抑制することが重要となる。
しかしながら、 癌の耘移機序に基づく癌転移抑制剤の研究開発は、 難 航しており、 臨床的に確立された癌転移抑制剤は未だ開発されていない 前述のよ うに、 本願発明者等は、 コネキシン 2 6の機能を生化学的に 阻害することによって、 癌の転移が抑制されることを見出じている。 それゆえ、 コネキシン 2 6 の機能を特異的に抑制する化合物を見出す こ とができれば、 その化合物は、 癌転移抑制剤と しての利用が期待され る。 癌転移抑制剤が開発されれば、 癌の摘出手術や種々の抗癌剤との併 用によ り、 癌の治療効果が飛躍的に上昇することが予想される。
本発明は、 上記の課題に鑑みてなされたものであって、 その目的は、 コネキシン 2 6の機能を特異的に阻害して、 癌の転移を抑制するコネキ シン 2 6阻害剤およびそれを用いた癌転移抑制剤を提供するこ とにある 。 ただし、 ここでいう阻害剤は、 コネキシン 2 6 に直接結合してその機 能を阻害するものではない。 発明の開示
本発明者等は、 コネキシンファ ミ リ ーの中で、 コネキシン 2 6 の機能 を阻害することによって、 癌の転移が抑制されるという知見に基づいて 、 これまで開発されていない、 コネキシン 2 6の機能を特異的に阻害す る化合物について鋭意に検討した。
その結果、 例えば、 含ォキシラン脂肪族アミ ドのよ うな、 分子内 (分 子中の主鎖) に、 環状構造と、 末端アミ ド基とを有する化合物が、 特異 的にコネキシン 2 6 の機能を抑制する とを見出した。 さらに、 ォレア ミ ドのよ うな、 不飽和脂肪酸ァミ ドもコネキシン 2 6 の機能を阻害する ことを見出し、 本発明を完成させるに至った。
また、 含ォキシラン脂肪族アミ ドが、 コネキシン 4 3を阻害すること なく、 コネキシン 2 6 を特異的に阻害することを見出した。
コネキシン 4 3は、 コネキシンファ ミ リ ーの中で、 中枢神経や心筋細 胞に多く存在しており、 その量が減少する と、 不整脈などの悪影響を及 ぼすと推定されている。 それゆえ、 コネキシン 4 3 の機能を阻害しない 本発明の含ォキシラン脂肪族ァミ ドは、 コネキシン 4 3の機能を阻害す るこ とによる副作用のない、 癌転移抑制剤と して利用し得ると結論付け 、 本発明を完成させるに至った。
すなわち、 本発明のコネキシン 2 6阻害剤は、 上記の課題を解決する ために、 コネキシン 2 6 の機能を阻害する化合物であって、 分子内に、 シス配置の置換基を有する 3員環を含んでいることを特徴と している。
こ こで、 上記 「コネキシン 2 6の機能を阻害」 とは、 本発明のコネキ シン 2 6阻害剤を投与することによ り、 投与前よ り もコネキシン 2 6が 関与する機能が抑制されていればよい。 例えば、 コネキシン 2 6 の発現 量が低下したり、 コネキシン 2 6 によるギャップ結合の形成が阻害され ていることを意味する。
上記置換基のう ち少なく とも 1つの置換基は、 その置換基の末端に力 ルポ二ル基を有する官能基を含んでいることが好ましい。
上記カルボ二ル基を含む官能基は、 第 1アミ ドであるこ とが好ましい 上記 3員環は、 ォキシランであることが好ましい。
本発明のコネキシン 2 6阻害剤は、 一般式 ( 1 )
Figure imgf000006_0001
(式中、 Rは水素原子または炭化水素基であり、 Xは、 水素原子、 メ タ ンスルフォニル基、 エタ ンスノレフォニル基、 ァセチル基、 ト リ フノレオ口 ァセチル基、 ヒ ドロキシル基、 アルコキシ基、 ァミ ノ基のいずれかであ り 、 mは 4〜 1 0の整数、 nは 4〜 7の整数である) で表される化合物 であってもよレヽ。
また、 本発明のコネキシン 2 6阻害剤および癌転移抑制剤は、 コネキ シン 2 6の機能を阻害する化合物であって、 シス配置の 2重結合を含ん でいる不飽和脂肪酸アミ ドであってもよい。
また、 本発明のコネキシン 2 6阻害剤は、 コネキシン 2 6に対するギ ヤップ結合細胞間コミ ュニケーショ ン (GJIC) 値が、 4以下であること が好ましい。
本発明のコネキシン 2 6阻害剤は、 コネキシン 2 6阻害作用に加えて 、 コネキシン 4 3に対するギャップ結合細胞間コミ ュニケーショ ン (GJ IC) 値が、 6以上であることが好ま しい。
本発明のコネキシン 2 6阻害剤によれば、 コネキシン 2 6を含むギヤ ップ結合の形成が阻害されるので、 細胞間の情報伝達が遮断される。 そ の結果、 癌の転移を抑制することができる。
本発明にかかる癌転移抑制剤は、 上記の課題を解決するために、 本発 明のコネキシン 2 6阻害剤を有劾成分とすることを特徴と している。 本発明の癌転移抑制剤は、 癌の転移を抑制するコネキシン 2 6阻害剤 を含んでいるので、 これまで開発されていない新規抗癌剤を提供するこ とができる。 これによ り、 癌の転移が抑制されるので、 癌治療の効果を 飛躍的に向上させられる。
本発明のさらに他の目的、 特徴、 および優れた点は、 以下に示す記載 によって十分わかるであろう。 また、 本発明の利益は、 添付図面を参照 した次の説明で明白になるであろう。 図面の簡単な説明
図 1 は、 実施例 3におけるコネキシン 2 6およびコネキシン 4 3に対 する阻害阻害活性を評価した結果を示す図である。
図 2 ( a ) 〜図 2 ( d ) は、 実施例 4におけるォレアミ ドの投与によ る癌転移抑制を評価した結果を示す図である。
図 3は、 本発明の実施例 4におけるォレアミ ドの投与による癌転移病 巣数の変化の結果を示すグラフである。
図 4は、 実施例 5におけるォレアミ ドおよび M 1 - 1 8 の投与による 癌転移病巣数の変化の結果を示すグラフである。
図 5は、 実施例 5におけるォレアミ ドおよび M 1 — 1 8 の投与による マウスの死亡率を示すグラフである。 発明を実施するための最良の形態
本発明の実施の一形態について、 以下に説明する。 なお、 本発明はこ れに限定されるものではない。
本発明のコネキシン 2 6阻害剤は、 ギヤ ップ結合を構成するタ ンパク 質ファ ミ リーのサブタイプの 1つであるコネキシン 2 6の機能を特異的 に阻害するものである。 ただし、 その阻害は、 コネキシン 2 6阻害剤が 、 コネキシン 2 6 に直接結合するこ とでなされるものではなく、 膜タン パク質であるコネキシン 2 6の働きを抑制するよ うに、 細胞膜の性質を 変化させるためであると考えられる。
本発明において 「コネキ.シン 2 6の機能を阻害」 とは、 本発明のコネ キシン 2 6阻害剤を投与することによ り 、 投与前よ り もコネキシン 2 6 の関与する機能が阻害 (抑制) されていればよい。 すなわち、 コネキシ ン 2 6が正常に機能しなく なる程度にコネキシン 2 6 の機能を阻害 (抑 制) されていることを意味する。 なお、 後述する実施例では、 コネキシ ン 2 6阻害剤を腹腔内投与することによ り、 有効性が示されている。 し かし、 投与方法は、 腹腔内投与に限らず、 経口投与など、 他の投与方法 であってもよい。 腹腔内投与による有効性が示されているため、 経口投 与でも、 同様の有効性を示す可能性が極めて高い。
本発明のコネキシン 2 6阻害剤は、 分子内に、 3員環に結合するシス 配置の置換基を含んでいる。 なお、 この 3員環構造は、 分子内 (分子の 主鎮) に含まれるものである。
上記 3員環は、 具体的には、 エチレンォキシド、 アジリ ジン'、 シクロ プロパン環などが挙げられる。 これらのうち、 容易に製造できるェチレ ンォキシ ド (いわゆるエポキシド) であることが好ま しい。
以下の説明では、 上記 3員環と して、 エチレンォキシ ドについて説明 する。
本発明において、 上記エチレンォ'キシドは、 シス配置の置換基が結合 した、 シス一ォキシラ ンである。 この置換基のうち、 一方の置換基は、 その置換基の末端にカルボ二ル基を有する官能基を含んでいる。
上記官能基と しては、 例えば、 アミ ド、 ヒ ドラジド、 カルボン酸、 ェ ステル、 ヒ ドロキサム酸、 ケ ト ン、 アルデヒ ドなどが挙げられる。 これ らのうち、 窒素を含有するアミ ド、 ヒ ドラジドが好ましく 、 第 1アミ ド がよ り好ましい。 後述のように、 末端ァミ ド結合を有していると、 コネ キシン 2 6に対する阻害活性が高い。
すなわち、 上記コネキシン 2 6阻害剤は、 分子内 (分子の主鎖) に、 シス配置のォキシラ ン構造と、 末端アミ ド構造とを有することが非常に 好ましい。
上記シス配置の置換基は、 それぞれ炭化水素基である。 そして、 その う ち一方の置換基は、 末端に前述のカルボ二ル基を有する前記官能基を 含んでいる。 ここで、 上記炭化水素基とは、 具体的には、 炭素数 1 〜 1 2の直鎖状 、 分岐鎖状のアルキル基、 および炭素数 3 〜 1 2の環状のアルキル基、 および、 炭素数 2 〜 1 2の直鎖状、 枝分かれ鎖状アルケニル基、 および 炭素数 3 〜 1 2の環状のアルケニル基、 フエニル基等のァリール基を示 す。 上記のアルキル基と しては、 具体的には、 メチル基、 ェチル基、 プ 口 ピル基、 イ ソプロピル基、 プチル基、 イ ソブチル基、 t 一プチノレ基、 ペンチル基、 イ ソペンチル基、 t 一ペンチル基、 へキシル基、 ォクチノレ 基、 シク ロプロピノレ基、 シク ロブチル基、 シク ロペンチル基、 シク ロへ キシル基およびメチ'ルシク口へキシル基が挙げられる。 上記のアルケニ ル基と しては、 具体的には、 ァリル基が挙げられる。
なお、 上記の炭化水素基は、 コネキシン 2 6阻害作用を失わない限り 、 不活性な原子や、 官能基を含んでいてもよい。
また、 上記シス一ォキシランは、 2置換ォキシランであることが好ま しいが、 3置換、 4置換ォキシランであってもよい。
ところで、 ォレイン酸由来のアミ ドであるォレアミ ドが、 グリ ア細胞 由来のギヤップ結合を阻害することは知られている (前記日本国公表開 特許公報 「特表 2 0 0 1 — 5 2 3 6 9 6号公報」 ) 。
したがって、 本発明のコネキシン 2 6阻害剤は、 脂肪酸由来の含ォキ シラ ン脂肪族アミ ドであることが好ましい。 こ こで、 脂肪酸由来の含ォ キシラン脂肪族アミ ドとは、 分子内 (脂肪酸の主鎖) に、 ォキシラン構 造 (好ましく はシス配置) を有し、 かつ、 脂肪酸の末端カルボキシル基 が、 アミ ド基に変換されている (すなわち、 末端カルボキシル基が誘導 体となっている) 分子を意味する。 このよ う に、 本発明のコネキシン 2 6阻害剤は、 分子内に、 シス配置の置換基を有するォキシラン ( 3員環 ) 構造を含む脂肪酸を主鎖とする化合物 (好ましく は、 その脂肪酸の末 端カルボキシル基がアミ ドである化合物) からなるものと換言できる。 上記含ォキシラ ン脂肪族アミ ドは、 生体由来の脂肪酸と同じ程度の直 鎖脂肪酸由来の含ォキシラン脂肪族アミ ドであることが好ましい。 具体 的には、 脂肪酸の炭素数は、 1 2〜 2 1が好ましく 、 1 6 〜 2 0がよ り 好ましく 、 炭素数 1 8からなる (例えば、 ォレイ.ン酸) ことが特に好ま しい。 なお、 「生体由来の脂肪酸」 とは、 生体内で代謝 · 分解されるこ とによって、 生合成される脂肪酸を意味する。 すなわち、 生体由来の脂 肪酸は、 通常、 生体に含まれている脂肪酸である。 これによ り、 生体分 子に近いコネキシン 2 6阻害剤となる。 従って'、 このコネキシン 2 6阻 害剤を、 副作用の少ない癌転移抑制剤と して利用できる。
また、 上記含ォキシラン脂肪族アミ ドにおいて、 ォキシラン構造は、 特に限定されるものではないが、 末端アミ ドカルボニル炭素から数えて 、 9番目の炭素と 1 0番目の炭素間にあることが好ま しい。 これによ り 、 コネキシン 2 6阻害活性が高く なる。
本発明のコネキシン 2 6阻害剤と しては、 例えば、 一般式 ( 1 )
Figure imgf000011_0001
で示される含ォキシラン脂肪族アミ ドであることが好ましい。
一般式 ( 1 ) において、 置換基 Rの炭化水素基と しては、 前述したシ ス配置の置換基における炭化水素基と同様のものである。
また、 一般式 ( 1 ) において、 末端アミ ドに結合する置換基 Xは、 水 秦原子、 メ タンスルフォニル基、 エタンスルフォニル基、 ァセチノレ基、 ト リ フルォロアセチル基、 ヒ ドロキシル基、 アルコキシ基、 ァ ミ ノ基の いずれかである。 すなわち、 置換基 X (水素原子を除く) は、 アミ ド基 中の窒素原子の保護基である。 なお、 置換基 Xがァミ ノ基である ヒ ドラ ジドである場合、 当該アミ ノ基は置換基や保護基が結合するものであつ てもよい。
なお、 本発明のコネキシン 2 6阻害剤は、 ォレイ ン酸などのシス配置 の 2重結合を含んでいる不飽和脂肪酸アミ ドであってもよい。 この場合 も、 前述したよ うに、 第 1アミ ドであることが好ましい。
また、 前述と同様に、 上記不飽和脂肪酸アミ ドの炭素数は、 1 2〜 2 1が好ましく、 1 6 〜 2 0がよ り好ましく、 炭素数 1 8からなる (例え ば、 ォレアミ ド) ことが特に好ましい。 また、 上記不飽和脂肪酸アミ ド における、 2重結合の位置は、 特に限定されるものではないが、 9位 ( 末端ァミ ドカルボニル炭素から数えて 9番目 と 1 0番目の炭素間 ; 厶 9 シス 2重結合) であるこ とが好ましい。 これによ り、 コネキシン 2 6阻 害活性が高く なる。
なお、 上記不飽和脂肪酸アミ ドは、 直鎖脂肪酸、 分岐鎖脂肪酸であつ てもよく、 分子内に、 その他の官能基を含んでいてもよい。 また、 上記 不飽和脂肪酸ァミ ドは、 コネキシン 2 6 の機能を阻害するものであれば 、 末端のアミ ドを前述のカルボ二ル基を有する官能基と してもよい。
( 2 ) コネキシン 2 6阻害剤の製造方法
上記脂肪酸由来の含ォキシラン脂肪族アミ ドは、 以下のよ う にして製 造することができる。
炭素一炭素 2重結合 (アルケン) をォキシランに変換する反応や、 力 ルボン酸をアミ ドに変換する反応は、 一般的に行われている。 それゆえ 、 含ォキシラン脂肪族ァミ ドからなるコネキシン 2 6阻害剤は、 分子内 にアルケンと、 カルボン酸とを含む脂肪酸から容易に製造できる。
例えば、 含ォキシラ ン脂肪族アミ ドは、 天然に多く存在する不飽和脂 肪酸から容易に製造できる。 不飽和脂肪酸は生体でも生合成されるので 、 不飽和脂肪酸から製造した含ォキシラ ン脂肪族アミ ドは、 よ り生体分 子に近いコネキシン 2 6阻害剤となる。
不飽和脂肪酸からコネキシン 2 6阻害剤を製造する方法は、 2つのェ 程を含んでいる。 すなわち、 ( i ) 不飽和脂肪酸の 2重結合を過酸によ りォキシランに変換する工程 ; (i i ) 不飽和脂肪酸のカルボン酸をアン モニァによ り アミ ドに変換する工程。
本発明のコネキシン 2 6阻害剤は、 シス配置の 3員環を含んでいるの で、 上記の製造方法では、 シス配置の不飽和脂肪酸を選択する。 例えば 、 ステリ ング酸、 パルミ トォレイ ン酸、 ォレイ ン酸、 リ シノール酸、 ぺ ト ロセリ ン酸、 バクセ リ ン酸、 リ ノール酸、 リ ノ レン酸、 エレォステア リ ン酸、 プニシン酸、 ァラキ ドン酸、 ィコセン酸、 エイコサペンタエン 酸が、 挙げられるが特に限定されるものではない。
また、 上記不飽和脂肪酸における 2重結合の位置は、 9位であるこ と が好ましい。 これによ り、 コネキシン 2 6阻害活性が高く なる。
このよ う に、 コネキシン 2 6阻害剤の製造は容易である。 したがって 、 コンビナ ト リ アル合成によ り多く の候捕化合物を製造し、 後述するコ ネキシン 2 6阻害作用の評価方法にしたがって、 その中からコネキシン 2 6阻害活性を示すものをスク'リ一二ングすれば、 短期間にコネキシン 2 6阻害剤を製造できる。 2
なお、 上記の説明では、 上記コネキシン 2 6阻害剤を化学的に合成し て製造することについて説明したが、 上記コネキシン 2 6阻害剤は、 天 然から単離されたものや、 微生物によって生産されたものであってもよ レ、。
( 3 ) コネキシン 2 6阻害活性の評価
こ こで、 コネキシン 2 6阻害,活性を評価する方法について説明する。 コネキシン 2 6阻害作用は、 例えば、 色素一 トランスファーアツセィ によって評価することができる。 具体的には、 コネキシン 2 6 に対する ギヤップ結合値 (G J I Cスコア) によつて評価することができる (前 記日本国公開特許公報 「特開 2 0 0 1 — 1 7 1 8 4号公報」 ( 2 0 0 1 年 1月 2 3 日公開) 、 M. M e n s i 1 e t a 1 . C ancer Res. V o l 5 5 , 6 2 9 - 6 3 9 1 9 9 5. 参照) 。
この方法は、 ギヤップ結合を介してのみ細胞外へ移動できる標識色素 を、 細胞に取り込ませ、 その細胞を単層培養または組織培養の上にまく 。 色素を取り込ませた細胞 ( ドナー細胞) と、 単層培養または組織培養 の細胞 (ドナ一細胞に瞵接する隣接細胞) との間にギャップ結合が形成 されれば、 色素が ドナー細胞から隣接細胞へと移動するのが観察される 。 この方法は、 蛍光色素の細胞から細胞への移動を、 蛍光顕微鏡などに よって観察する ものである。
前述のよ うに、 コネキシン 2 6はギヤップ結合を構成する分子の 1つ である。 このため、 コネキシン 2 6阻害作用を示す候補化合物によって 、 コネキシン 2 6の機能が阻害されると、 細胞間にギャップ結合は形成 されない。 その結果、 ギャップ結合によってのみ移動する標識物質は、 細胞間を移動するこ とはできなく なる。 したがって、 細胞を蛍光顕微鏡などによって観察したときに、 蛍光物 質が移動していない、 もしく はコネキシン 2 6阻害剤の投与前よ り も蛍 光物質が移動しなく なれば、 コネキシン 2 6阻害活性があると判定でき る。 逆に、 多く の細胞に渡って檩識物質が移動していればコネキシン 2 6阻害作用をほとんど示さないと判定できる。
なお、 G J I C値については、 例えば、 後述の実施例のよ うにして算 出することができる。 すなわち、 ドナー細胞が色素一カップリ ングしな ければ 「 0」 、 ドナ一細胞から隣接受容細胞に色素—カップリ ングすれ ば 「 1」 、 ドナー細胞から 2番目の隣接細胞に色素—カップリ ングすれ ば 「 2」 、 · · ■ とレ、う よ うに ドナー細胞から離れた n番目 ( nは整数 ) の隣接細胞に色素—カップリ ングした場合に 「n」 という よ うに評価 して、 この nを G J I C値とする。
このよ うにじて算出するコネキシン 2 6に対するギャップ結合細胞間 コミュニケーショ ン (GJIC) 値は、 4以下であることが好ましく、 3以 下であるこ とがよ り好ましい。 これによ り、 コネキシン 2 6の機能を確 実に阻害することができる。
すなわち、 コネキシン 2 6に対するギャップ結合細胞間コ ミ ュニケ一 シヨ ン (GJIC) 値がゼロに近づく ほど、 コネキシン 2 6阻害作用が大き いため、 好ましい。
本発明のコネキシン 2 6阻害剤は、 少なく ともコネキシン 2 6 の機能 を阻害することができればよ く 、 その他のサブタイプのコネキシンを阻 害するものであつてもよレ、。
ただし、 コネキシン 2 6阻害剤を抗癌剤 (癌転移抑制剤) と して利用 する場合、 コネキシン 4 3の機能を阻害しないことが好ましい。 コネキ シン 4 3は、 心筋細胞に対する特異性が高く 、 コネキシン 4 3によるギ ャップ結合が形成されるこ とによ り心筋に筋収縮の刺激が伝導される。 このため、 コネキシン 4 3の機能を阻害する と、 不整脈などの副作用が 発現する虞があるからである。
したがって、 本発明のコネキシン 2 6阻害剤は、 コネキシン 2 6阻害 作用に加えて、 さ らに、 コネキシン 4 3に対するギャップ結合細胞間コ ミュニケ一シヨ ン (GJIC) 値が、 大きい方が好ましい。 これによ り、 コ ネキシン 4 3の機能を阻害することによる不整脈などの副作用の発現を 防止することができる。
具体的には、 コネキシン 4 3に対するギヤップ結合細胞間コ ミ ュニケ ーシヨ ン (GJIC) 値は、 6以上であることが好ましく、 よ り好ましく は 7以上である。 これによ り、 コネキシン 4 3の機能を阻害しないよ うに することができる。
( 4 ) 本発明の癌転移抑制剤
コネキシン 2 6 の機能を生化学的に阻害することによ り、 癌の転移が 抑制されることは、 本願発明者が既に見出している (前記日本国公開特 許公報 「特開 2 0 0 1 — 1 7 1 8 4号公報」 、 I t o , A. e t a 1 . : J . C l i n . I n v e s t . , 1 0 5 : 1 1 8 9— 1 1 9 7 , 2 0 0 0. ) 。 したがって、 本発明にかかる癌転移抑制剤は、 本発明にか かるコネキシン 2 6阻害剤を含んでいればよい。
癌転移抑制剤と して利用する場合、 コネキシン 2 6が代謝される可能 性もある。 例えば、 コネキシンタンパク質阻害剤の分子に、 置換 . 付加 - 脱離などが起こ り 、 コネキシン 2 6阻害作用を示す化合物に変化が生 じる場合がある。 したがって、 本発明の癌転移抑制剤は、 生体内でコネキシン 2 6阻害 剤が、 ( i ) 未変化体のまま癌転移抑制作用を示すもの ; (i i ) 活性代 謝物となって癌転移抑制作用を示すもののいずれも包含する。
と ころで、 医薬品は生体にとっては異物であるため、 医薬品開発では 、 生体分子に近い構造の ドラッグデザインがなされる。 これによ り、 副 作用の少ない医薬品を提供できる可能性がある。
生体では、 例えば、 パルミチン酸、 ステアリ ン酸、 ォレイ ン酸、 リ ノ ール酸、 リ ノ レイン酸、 ァラキ ドン酸などの多くの脂肪酸が合成される 。 前述のよ うに、 不飽和脂肪酸の 2重結合は、 容易にォキシランに変換 できる。 また、 脂肪酸の末端はカルボキシル基であるので、 容易にアミ ド基に変換できる。 さ らに、 生体には、 脂肪酸を代謝してァセチル C o Aを生成する経路がある。 それゆえ、 脂肪酸を基本骨格と してコネキシ ン 2 6阻害剤分子をデザインすれば、 よ り生体分子に近く 、 副作用の少 ない癌転移抑制剤を提供できる可能性が極めて高い。
したがって、 コネキシン 2 6阻害剤を、 癌転移抑制剤と して利用する 場合には、 前述した含ォキシラン脂肪族アミ ドであることが非常に好ま しい。
なお、 2重結合はォキシラ ンに、 また、 カルボン酸はアミ ドに、 容易 に変換できるので、 こ られは互いに、 ほぼ等価である といえる。 その他 にも、 原子半径が近いもの同士の置換 (例えば、 水素からフッ素への置 換) などもほぼ等価であるといえる。
本発明の癌転移抑制剤では、 シス配置のォキシランおょぴ末端にカル ボニル基を有する宫能基は、 ォキシラン、 'アミ ド構造そのものだけでは なく、 それらに容易に変換されるほぼ等価なものも包含するものとする 本発明において、 「コネキシン 2 6阻害剤を含む」 とは、 ( i ) 本発 明のコネキシン 2 6阻害剤そのもの ; (i i ) 生体内で本発明のコネキシ ン 2 6阻害剤に代謝されるもののいずれであってもよレ、。
すなわち、 本発明の癌転移抑制剤は、 製造された医薬品が本発明のコ ネキシン 2 6阻害剤またはそれにほぼ等価な分子を含むもの、 または、 生体内で癌転移抑制作用を示す活性代謝物が本発明のコネキシン 2 6阻 害剤またはそれにほぼ等価な分子を含むものであればよい。
生体内では、 分子が立体特異的に認識される。 例えば、 酵素反応では 、 ラセミ体分子の一方の構造は認識するが、 も う一方の分子は認識しな い。 その結果、 ラセミ体の医薬品の場合、 一方の分子は薬理活性を示す が、 も う一方の分子は薬理活性を示さず、 場合によっては、 副作用を示 す場合もある。
したがって、 上記癌転移抑制剤も、 癌転移抑制作用を示す上記コネキ シン 2 6阻害剤の光学活性体を含んでいることが好ましい。 具体的には 、 コネキシン 2 6阻害剤は、 不斉の 3員環構造部分を有することが好ま しい。 すなわち、 前述の製造方法における、 2重結合からォキシラ ンへ の変換の工程を不斉反応とすればよい。 これによ り、 副作用がなく効果 的に、 癌の転移を抑制することができる。
また、 上記癌転移抑制剤が生体分子に近いことに加えて、 光学活性体 のコネキシン 2 6阻害剤を含んでいれば、 より一層副作用が低減される 後述の実施例のよ うに、 脂肪酸由来の含ォキシラン脂肪族ァミ ドは、 コネキシン 2 6阻害作用を示すが、 コネキシン 4 3阻害作用を示さない 7
。 つま り、 コネキシン 4 3阻害作用による、 不整脈などの副作用がない 。 したがって、 上記含ォキシラン脂肪族アミ ドは、 副作用の少ない安全 な癌転移抑制剤と して利用する上で、 非常に好ましい。
なお、 上記癌転移抑制剤は、 コネキシン 2 6阻害剤またはそれにほぼ 等価な分子をプロ ドラ ッグ化し、 生体内で活性代謝物を産生するよ う に してもょレ、 D
また、 コネキシン 2 6阻害剤を癌転移抑制剤と して用いる場合、 生体 内での吸収、 分布、 代謝、 排泄などを改善するために、 当該コネキシン 2 6阻害剤の構造を修飾してもよい。
上記瘙転移抑制剤に上記コネキシン 2 6阻害剤が含まれる量は、 生体 で癌転移抑制作用を示す範囲であればよい。 また、 癌転移抑制剤と して 利用する場合、 コネキシン 2 6阻害剤の他に、 賦形剤、 結合剤、 など、 通常の使用される医薬品添加物が添加されるが、 医薬品添加物の量は適 宜設定すればよい。
また、 ォレイン酸のアミ ド誘導体であるォレアミ ドおよびその誘導体 (ォレアミ ド類と称する) が、 ギャップ結合を阻害することは既に知ら れている (B o g e r , D . L . e t a l 。 , P r o c . N a t . A c a d . S c i . U S A. , 9 5 : 4 8 1 0 — 4 8 1 5 . 1 9 9 8 . ) 。 しかし、 ォレアミ ド類の、 コネキシンのサブタイプ対する阻害作用の 選択性を試験した例はなく 、 本願発明者等によって初めて行われた。 その結果、 ォレアミ ドは、 コネキシン 2 6 とコネキシン 4 3 との両者 に阻害作用を示した。
これに対して、 一般式 ( 1 ) で示されるよ うな、 含ォキシラン脂肪族 ァミ ドは、 コネキシン 2 6に対してはォレアミ ドに匹敵する強い阻害作 用を示しながら、 コネキシン 4 3に対しては全く 阻害作用を示さなかつ た。 すなわち、 一般式 ( 1 ) で示されるよ うな、 含ォキシラン脂肪族ァ ミ ドは、 コネキシン 2 6に対して高い選択性を有することが明らかとな つた。
コネキシン 4 3 に対して阻害作用を示すと、 中枢神経や心筋細胞に悪 影響を与えることが推定されている。 したがって、 コネキシン 4 3に対 して阻害作用を示すォレアミ ドを癌転移抑制剤と して使用する と、 例え ば、 不整脈などの副作用が発現してしま う可能性がある。
それゆえ、 コネキシン 4 3に対する阻害作用を示さず、 コネキシン 2 6に対して特異的に阻害作用を示す、 前記一般式 ( 1 ) で示される含ォ キシラン脂肪族アミ ドは、 副作用のない癌転移抑制剤となる。
このよ う に、 B o g e r , D . L - e t a l 。 , P r o c . N a t . A c a d . S c i . U S A. , 9 5 : 4 8 1 0 — 4 8 1 5. 1 9 9 8 . には、 ォレアミ ドが、 ギャップ結合を阻害していることについては記 載されているが、 どのサブタイプのコネキシンを阻害して、 ギャップ結 合を阻害しているのかについては、 全く記載も示唆もない。 また、 後述 する実施例のよう に、 本願発明者等は、 ォレアミ ドのコネキシン 2 6お よびコネキシン 4 3に対する阻害作用を調べた。 その結果、 ォレアミ ド はコネキシン 2 6およびコネキシン 4 3共に阻害作用を示すこ とが明ら かとなつた。 このため、 ォレアミ ドを癌転移抑制剤と して利用すると、 コネキシン 4 3阻害作用による不整脈などの副作用が発現する可能性が あるので、 癌転移抑制剤と して不適切である と考えられる。 しかし、 後 述の実施例では、 ォレアミ ドを投与した場合も、 癌以外での死亡率は低 く (図 4 · 図 5参照) 、 癌転移抑制剤と して、 充分利用可能である。 なお、 後述する実施例のよ う に、 本発明において注目すべきは、 本発 明の癌転移抑制剤が、 癌の自然転移を抑制 (阻害) するこ とである。 従 来の癌転移抑制剤は、 癌細胞を移植したものではなく 、 実験的に癌を転 移させて、 薬効評価 (癌転移の抑制程度の評価) を行っていた。 すなわ ち、 癌細胞を静注し、 癌転移抑制剤の投与 2週間後の肺への癌の転移か ら、 有効性を評価していた。 これに対し、 後述の実施例では、 癌細胞を 移植して、 移植後の癌の転移から、 薬効評価を行っている。 これによ り 、 実際の癌に近い状態での、 有効性の評価が可能となる。 すなわち、 本 発明の癌転移抑制剤は、 ヒ トの癌転移を直接反映する癌の自然転移を抑 制 (阻害) するものである。 したがって、 本発明の癌転移抑制剤 (抗癌 転移薬) は、 医薬品と して有用性が極めて高い。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、 請求の範囲に 示した範囲で種々の変更が可能であり、 異なる実施形態にそれぞれ開示 された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発 明の技術的範囲に含まれる。
〔実施例〕
以下の実施例では、 核磁気共鳴 ( 1 H - NMR ) スぺク トルは、 J E 〇 L J NM— A L 3 0 0型 ( 3 0 0MH z ) を用い、 テ トラメチルシ ランを内部標準物質と して測定した。 質量分析 (MS ) スぺク トルは、 J E O L J NM— LMS 3 0 0型を用い、 2 0 e Vまたは 7 0 e Vの 直接法で測定した。 カラムク ロマ トグラフィ一の吸着剤は、 M e r c k
K i e s e g e 1 6 0 ( 7 0 - 2 3 0 m e s h A S TM) を使用し た。
〔実施例 1〕 9 ( Z ) —ォクタデセンアミ ド (ォレアミ ド) の製造 窒素雰囲気下、 9 ( Z ) ーォクタデセン酸 ( 4 9 0 m g. 1 . 8 mm o 1 ) の無水メチレンク ロ リ ド溶液 ( 8. 5 m L ) に氷冷下、 ォキザリ ルクロ リ ド ( 0. 4 5 mL、 5. 3 mm o 1 ) を滴下して、 室温で 4時 間撹拌した。 溶媒を留去して、 氷冷下、 アンモニア水 ( 1 O m L) を加 え、 室温で 3 0分攪拌した後、 水 ( 1 0 m L) を加え、 酢酸ェチル ( 1 5 m L X 3 ) を加えて抽出した。 得られた有機層を飽和食塩水 ( 1 0 m L ) で洗浄し、 無水硫酸ナト リ ウムで乾燥後、 減圧濃縮した。 得られた 粗生成物をシリ 力ゲル力ラムク ロマ トグラフィー (へキサン : 酢酸ェチ ル = 1 : 2 ) を用いて精製し、 オクタンアミ ド ( 3 5 0 m g、 7 1 %) を得た。
1 H - NMR ( C D C 1 3 , 3 0 0 MH z ) : δ 0 - 8 8 ( 3 Η , t , J = 6. 4 H z ) , 1. 2 4 - 1 . 3 3 ( 2 0 H, m) , 1. 5 8 - 1 . 6 5 ( 2 H, m) , 1 . 9 9 - 2. 0 2 ( 4 H, m ) , 2. 2 2 ( 2 H, t, J = 7. 5 H z ) , 5. 3 2 - 5. 3 6 ( 2 H , m) 。
〔実施例 2〕 8 - [ ( 2 S * 3 R *) — 3—ォクチルォキシランー 2— ィル]オク タンアミ ドの製造
実施例 1で得られたォレア ミ ド ( 5 3 m g , 0. 1 9 mm o l ) のメ チレンク ロ リ ド溶液 ( 3 m L) に、 氷冷下、 m—ク ロ口過安息香酸 ( 4 9 m g , 0. 2 3 mm o 1 ) を加えて、 室温で 3時間撹拌した。 氷冷下 、 飽和チォ硫酸ナ ト リ ウム水溶液 ( 3 mL) を加えて、 酢酸ェチル ( 5 m L X 3 ) で抽出した。 得られた有機層を飽和食塩水 ( l O ni L) で洗 浄し、 無水硫酸ナ ト リ ウムで乾燥後、 減圧濃縮した。 得られた粗生成物 をシリ カゲルカラムクロマ トグラフィー (酢酸ェチル) を用いて精製し 、 一般式 ( 1 ) に含まれる化合物の 1つである含ォキシランアミ ド (M I 一 1 8 ) : S - [ ( 2 S * 3 R *) — 3 —ォクチルォキシラン一 2—ィ ル]ォクタン了ミ ド ( 5 4 m g、 9 6 %) を得た。
〔実施例 3〕 コネキシン 2 6 に対する阻害作用の試験
( 1 ) 細胞株と細胞培養
ヒ ト子宮頸部偏平上皮癌細胞 (H e L a細胞) は、 (American Type
Culture Collection) から購入した。 ラッ トコネキシン 2 6 を安定して 発現する H e L a細胞サブク ローン (H e L a — C x 2 6 ) は、 以前に 取得してレヽる (Duflot-Dancer et al. , Oncogen, 1997) 。 すべての細 胞は、 (Dulbecco's modified Eagle's medium) (DMEM) 中で、 1 0 %ゥシ胎仔血清 (F C S ) と と もに培養した。
( 2 ) プラス ミ ドの作製と D N A感染
p C X 4 b s rベクターは、 p C X b s rベクタ一 (T. Akagi. , et al. , 2000, Proc. Natl. Acad. Sci. USA) を少し修飾した。 p C X 4 b s rべクターは大阪生命科学機関の赤木先生から提供された。 p B 1 u e s c r i p t I I S K +プラス ミ ドベクターは、 ラッ ト C x 4 3 タ ンパク質を完全にコ ー ドする領域の c D NAフラグメ ン トを、 S p e I 部と C I a I部との間に含んでおり 、 すでに確立されている (Y. Omori . , et al. , 1998, Int. J. Cancer) 。 C x 4 3 c D N Aは、 上記べク ター力 ら N o t l と H i n c l I とを消化し、 N o t I と H i n c l I とが消化された p C X 4 b s rべクターを結びつけることによ り取り出 した。 H e L a細胞は、 TransFast感染試薬を用レ、て、 得られた p C X 4 b s r 一 C x 4 3ベクタ一を感染させた。 感染後、 3週間ブラスチジ ン ( 3 ;U g Zni L ) 耐性の細胞を選択し、 シングルコロニーを得た。 安 定した形質転換クローン (H e L a — C x 4 3 ) を色素一 ト ランスファ 一アツセィに使用した。
( 3 ) 色素一 ト ラ ンスファ一アツセィ
アツセィ の前日、 H e L a— C x 2 6または H e L a— C x 4 3細胞 を、 1 0 % F C S含有 DMEM中に懸濁させた。 そして、 いずれの細胞 も 6— w e 1 1 プレー ト、 または、 6— w e 1 1 プレー トの底面のカバ 一ガラス上で培養した。 前者の細胞は ドナーと して使用し、 後者の細胞 はレシピエン ト と して使用した。 最初の平板は、 翌日、 subconfluent単 層を作成するよ う に、 調節した。 翌日、 カルセィン- AMおよび D i I を ドナー細胞の培養液に、 4 M、 1 0 μ Mをそれぞれ添加し、 1時間 イ ンキュベート した。 2重標識ドナ一細胞は、 ト リ プシン処理し、 リ ン 酸緩衝溶液で 3回洗浄した。 1 0 °/。 F C S含有 D Μ Ε Μ中に懸濁させた 1 0 0 0個の単一ドナー細胞は、 標識化されていないレシピエント細胞 上に、 静かに overlayした。 ドナー細胞が単層に定着するには 1時間を 要した。 そして、 約 1 . 5時間で色素一カップリ ングを示し始めた。 色 素一カツプリ ングにおける試薬の阻害活性を評価するために、 ドナー細 胞培養 1時間後、 表 1に示した濃度で試薬を培養液に添加した。 対照と して、 エタノールを 1 : 1 0 0 0に希釈して培養液に添加した。 培養し てさ らに 1時間後、 カバ一ガラスを 6 - wellプレー トよ り取り 出し、 共 焦点走查顕微鏡 (L SM 5 1 0 ) を用いて、 観察した。
ギャップ結合非透過性の D i I (赤色蛍光) を含む細胞は、 ドナー細 胞であることを示す。 ギャップ結合透過性の力ルセイ ンが D i I 陽性ド ナー細胞から D i I 陰性受容細胞に移動していれば、 色素一カップリ ン グとみなす。
ギャップ結合細胞間コ ミュニケーショ ン (GJIC) 値は、 次の方法よつ て評価される。
すなわち、 ドナー細胞が色素一カ ップリ ングしなければ 「 0」 、 ドナ 一細胞から隣接受容細胞に色素一カ ップリ ングすれば 「 1」 、 上記隣接 '受容細胞に移動したカルセィンが、 上記ドナー細胞から離れる方向の次 の隣接細胞に移動すれば 「 2」 、 上記 ドナー細胞から離れた 3番目の隣 接細胞に移動すれば 「 3」 、 ■ · · という よ うに評価する。 上記ドナー 細胞から離れた 8以上の細胞に色素移動すると、 評価するこ とが難しい ので、 「 8」 とする。 各因子ごとに、 少なく とも 2 5の ドナー細胞の評 価を行う。 この ドナー細胞は、 別の単一ドナー細胞から少なく と も 1 0 細胞離れた単一細胞である。 このよ う な実験を 3回繰り返し、 各因子ご とに評価値の平均値、 標準偏差を算出する。 比較のために、 unpaired S tudent's testを行い、 P値く 0 . 0 1 をもって有意差を判定した。
図 1 は、 実施例 1で製造したォレアミ ドおよび実施例 2で製造した含 ォキシランアミ ドについて、 コネキシン 2 6およびコネキシン 4 3に対 する阻害阻害活性を評価した結果を示したものである。 同図に示すよ う に、 いずれの化合物もコネキシン 2 6に対する阻害作用を示すこ とが確 認され、 含ォキシランアミ ドについては、 コネキシン 2 6のみを特異的 に阻害することが確認された。
〔実施例 4〕 コネキシン 2 6阻害剤による癌転移抑制作用の試験一 1 1 X 1 0 5個の B L 6細胞 (B16 マウスメ ラノーマ細胞の亜株) を C 5 7 B L Z 6マウスの足底部皮下に接種した後、 マウスを次の 3群に分 ける。
1 ) 媒体 (vehicle) 投与群 : オリ一ブ油 0 . 2 m Lを 1 日 2回 (朝夕 ) 、 連日腹腔内注射 2 ) ォレアミ ド ( 2 5 m gZ k g Z d a y ) 投与群 : ォリーブ油 0. 2 mLにォレアミ ドを 2 5 m / k g / d a yの濃度で溶解したものを 1 日 2回 (朝夕) 、 連日腹腔内注射
3 ) ォレアミ ド ( S O m g Z k g Z d a y ) 投与群 : ォリ一ブ油 0. 2 mLにォレアミ ド (を 5 O m g / k g / d a yの濃度で溶解したものを 1 日 2回 (朝夕) 、 連日腹腔内注射 '
上記の処置を B L 6細胞接種日 よ り連ョ行い、 約 1 8 日 目接種部に形 成された径約 6 mmの腫瘤を膝関節切断によ り切除する。 この 2 日後ま で上記の処置を行い、 その後は無処置でマウスを飼育する。 膝関節切断 後 4週間でマウスを安楽死させ、 左右両肺の胸膜表面に形成された転移 結節 (病巣数) を肉眼的に数えた (図 2 ( a ) 〜図 2 ( c ) 、 図 3参照 ) 。 なお、 各群マウス 1 0匹での癌転移抑制作用の評価を行った。 その 結果、 ォレアミ ドを投与した群は、 投与しない群と比べて、 転移結節数 が減少し、 顕著に癌転移抑制作用を示した。
なお、 同様の実験をォレアミ ド ( 5 0 0 m g / k g Z d a y ) 投与群 についても行い、 同様の結果を得た (図 2 ( d ) 参照) 。
〔実施例 5〕 コネキシン 2 6阻害剤による癌転移抑制作用の試験一 2
2 1 0 5個の 8 し 6細胞 (B16 マウスメ ラノーマ細胞の亜株) を C 5 7 B L/ 6マウスの足底部皮下に接種した後、 マウスを次の 3群に分 ける。
1 ) メ ラノーマ細胞を移植する以外、 何も処置しないマウスを対象群 ( N ΐ ) とする。
2 ) ォレアミ ド ( 2 5 m g / k g Z d a y ) 投与群 : ォリーブ油 0. 1 mLにォレア ミ ドを 2 5 m g / k g / d a yの濃度で溶解したものを 1 日 1回、 連 S腹腔内注射。
3 ) M l — 1 8 ( 1 0 m g /k g / d a y ) 投与群 : ォリーブ油 0. 1 mLに M l — 1 8を 1 O m g /k g / d a yの濃度で溶解したものを 1 日 1回、 連日腹腔内注射。
上記の処置を B L 6細胞接種日 よ り連日行い、 約 1 8 日 目接種部に形 成された径約 8 mmの腫瘤を膝関節切断によ り切除する。 この 2 日後ま で上記の処置を行い、 その後は無処置でマウスを飼育する。 膝関節切断 後 4週間でマウスを安楽死させ、 左右両肺の胸膜表面に形成された転移 結節 (病巣数) を肉眼的に数えた (図 4、 図 5参照) 。 なお、 各群マウ ス 1 5匹での癌転移抑制作用の評価を行った。 その結果、 ォレアミ ドぉ よび M l — 1 8を投与した群は、 投与しない群と比べて、 転移結節数が 減少し、 顕著に癌転移抑制作用を示した。 また、 図 5のよ うに、 2 ヶ月 近く、 これらの物質を毎日投与しても、 癌以外で死んだマウスはいなか つた。 したがって、 これらの物質は、 安全性が極めて高い。 それゆえ、 これらの物質は、 副作用の少ない (あるいは全く ない) 、 癌転移抑制剤 (抗癌転移薬) と して使用できる可能性が極めて高い。
尚、 発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実 施態様または実施例は、 あく までも、 本発明の技術内容を明らかにする ものであって、 そのよ うな具体例にのみ限定し T狭義に解釈されるべき ものではなく、 本発明の精神と次に記載する特許請求の範囲内で、 いろ いろと変更して実施することができるものである。 産業上の利用の可能性
以上のよ うに、 本発明によれば、 コネキシン 2 6の機能を特異的に阻 害するコネキシン 2 6阻害剤を提供することができる という効果を奏す る。 さ らに、 本発明のコネキシン 2 6阻害剤を有効成分とする癌転移抑 制剤を提供できるという効果を奏する。
本発明の癌転移抑制剤は、 コネキシン ·2 6の機能を特異的に阻害し、 コネキシン 4 3の機能を阻害しないので、 不整脈などの副作用のない安 全な癌転移抑制剤を提供できる。 それゆえ、 癌の転移が抑制されるので、 癌治療の効果が飛躍的に向上するという効果を奏する。

Claims

請 求 の 範 囲
1 . コネキシン 2 6の機能を阻害する化合物を含む癌転移抑制剤であつ て、 上記化合物の分子内に、 シス配置の置換基を有する 3員環を含んで いること特徴とする癌転移抑制剤。
2 - 上記 3員環は、 脂肪酸の主鎖にあることを特徴とする請求の範囲 1 に記載の癌転移抑制剤。
3 . 上記脂肪酸は、 生体由来のものであることを特徴とする請求の範囲 2に記載の癌転移抑制剤。
4 . 上記置換基のうち少なく とも 1つの置換基は、 その置換基の未端に カルボ二ル基を有する官能基を含んでいることを特徴とする請求の範囲
1 〜 3のいずれか 1項に記載の癌転移抑制剤。
5 . 上記カルボ-ル基を有する官能基は、 第 1アミ ドであることを特徴 とする請求の範囲 4に記載の癌転移抑制剤。
6 . 上記 3員環は、 ォキシランであることを特徴とする請求の範囲 1 〜 5のいずれか 1項に記載の癌転移抑制剤。
コネキシン 2 6阻害剤。
7 . 一般式 ( 1 )
Figure imgf000029_0001
(式中、 Rは水素原子または炭化水素基であり、 Xは、 水素原子、 メ タ ンス /レフォニノレ基、 エタンスノレフォニノレ基、 ァセチノレ基、 ト リ フノレオ口 ァセチル基、 ヒ ドロキシル基、 アルコキシ基、 ァミ ノ基のいずれかであ り、 mは 4〜 1 0の整数、 nは 4〜 7の整数である) で表される請求の範囲 1〜 6のいずれか 1項に記載の癌転移抑制剤。
8. コネキシン 2 6に対するギャ ップ結合細胞間コ ミ ュニケーシ ョ ン ( GJIC) 値が、 4以下であることを特徴とする請求の範囲 1〜 7のいずれ か 1項に記載の癌転移抑制剤。
9. コネキシン 4 3の機能を阻害しない請求の範囲 1 〜 8のいずれか 1 項に記載の癌転移抑制剤。
1 0. コネキシン 4 3に対するギャ ップ結合細胞間コ ミュニケーシ ョ ン (GJIC) 値が、 6以上であることを特徴とする請求の範囲 9に記載の癌 転移抑制剤。
1 1. コネキシン 2 6の機能を阻害する化合物であって、 分子内に、 シ ス配置の置換基を有する 3員環を含む脂肪酸を主鎖とする化合物からな るコネキシン 2 6阻害剤。
1 2. 上記脂肪酸の末端力ルポキシル基が、 アミ ドである請求の範囲 1 1 に記載のコネキシン 2 6阻害剤。
1 3. コネキシン 2 6の機能を阻害する化合物であって、 シス配置の 2 重結合を含んでいる不飽和脂肪酸ァミ ドからなるコネキシン 2 6阻害剤
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