明細書
カルボン酸の製造方法
技術分野
本発明は、 可塑剤、 潤滑剤、 伝熱媒体、 誘電媒体、 繊維、 共重合体、 塗料、 界面活性剤、 防カビ薬、 殺虫剤、 接着剤等として化学工業をはじめ、 各種の産業 分野で幅広く用いられる有用な物質であるジエステル、 ポリエステル及びポリア ミ ドの合成における重要な中間体であるカルボン酸の製造方法に閧し、 更に詳し くは、 脂環式アルコール又は脂環式ケトンと過酸化水素水溶液の反応によるカル ボン酸の新規な製造法に関するものである。 背景技術
アルコール類を酸化してカルボン酸を製造する方法としては、 硝酸 (Org. Synth., 5, 9—11、 Org. Synth., Coll. Vol. 1, 18 —20、 Compt. Rend., 1919, 168, 1324一 1326、 J. Chem. Soc, 1942, 559—562、 J. Chem. Soc., Perkin Trans. II, 1985, 1677 - 1682) 、 クロム酸 (Org. Synth., Coll. Vol. 4, 19 —21 ) 又は過マンガン酸力リゥム (Chem. Ber., 1908, 41, 575、 Chem. Ber" 1922, 55B, 3526—3536) 等を酸化剤とし て用いる方法が知られているが、 これらの方法は、 毒性の高い副生物の発生、 酸 化剤の腐食性等の点で環境に与える負荷が大きく、 工業的に優れたプロセスとは 言い難い。
これに対して、 酸素や過酸化水素は、 安価で腐食性がなく、 反応後の副生物は 皆無又は無害な水であるために環境負荷が小さく、 工業的に利用するのに優れた 酸化剤ということができる。
酸素を酸化剤とするアルコール類からカルボン酸を製造する方法としては、 触 媒として白金担持触媒を用いる方法が既に提案されている (Appl. Cat. A, 1996, 135, L7 - L11 ) 。
だが、 この方法は酸素を加圧下として、 反応温度を高温 ( 1 5 0 °C以上) で行 わなければならず、 しかも得られるカルボン酸の選択率も低く、 5 0 %程度に過 ぎない。
一方、 過酸化水素を酸化剤としてカルボン酸を得る方法としては、 極性溶媒を
用い、 シクロへキサノールと過酸化水素との均一溶液を予め調製しておき、 この 均一溶液を周期律表第 V I族の金属酸化物等の触媒の存在下で反応させてアジピ ン酸を製造する方法が提案されている (特開昭 5 4 - 1 3 5 7 2 0号公報) 。 しかしながら、 この方法によるアジピン酸の収率はせいぜい 50%程度と推定さ れ、 工業的なカルボン酸の製造方法としては未だ充分なものとはいえず、 また過 酸化水素水溶液にシクロへキサノールを溶解させて均一溶液とするために、 酢酸 や t—ブチルアルコールなどの極性溶媒の使用が不可欠とされていることから、 目的生成物であるアジピン酸を単離する際にその除去手段が必要となり、 反応操 作や装置が煩雑となる上、 極性有機溶媒自身の環境及び人体への影響 ·毒性も指 摘されるに至っている。
また、 ケトン類を酸化してカルボン酸を製造する方法としては、 硝酸 (Chem. Ber 1894, 27, 1542 -1546)が酸化剤として用いられているが、 この手法は反応中の 爆発の危険性が高く、 また反応後には有毒ガスである窒素酸化物が副生する。 過 マンガン酸カリウムを酸化剤とする反応 (J. Chem. Soc, 1956, 4232 -4237)では、 反 応後に硫酸を用いた後処理が必要であり、 操作が危険で煩雑である。 硫酸又は過 塩素酸存在下、 ク口ム酸 (Helv. Chimica Acta., 1948, 31, 422 -426、 J. Am. Chem. Soc, 1967, 89, 6691 -6695)を、 または超酸化力リゥム(Tetrahedron Lett" 1978, 3689 -3690) を酸化剤として用いる方法が知られているが、 これらの反応では酸化剤の腐食性 、 酸又はベンゼン溶媒の使用といった問題点が挙げられる。 上記の酸化剤を用い てケトン類からカルボン酸を製造するプロセスは、 環境に与える負荷が大きく、 工業的に優れた方法とは言い難い。 ' これに対して、 酸素や過酸化水素は、 安価で腐食性がなく、 反応後の副生物は 皆無又は無害な水であるために環境負荷が小さく、 工業的に利用するのに優れた 酸化剤ということができる。
酸素を酸化剤としてケトン類からカルボン酸を製造する方法は既に知られてい るが (Chem. Ber., 1892, 25, 1271 -1277、 Chem. Ber., 1892, 25, 2095 -2102、 J. Chem.
Soc, 1909, 95, 166 -171、 J. Org. Chem., 1965, 30, 3768 -3771)、 これらの方法では基 質に対して大過剰の強塩基が必要である。 また、 マンガンやコバルト塩等の金属 触媒存在下、 酸素を酸化剤としてケトン類からのカルボン酸の生成が報告されて
いる(USP2005183 号明細書、 USP2316543 号明細書、 特開平 13-213841、 WOP2001-87815号明細書) が、 これらの方法では溶媒量の酢酸を用いないと、 力 ルボン酸が得られない。 さらに、 鉄又はバナジウム触媒を用いて酸素酸化を行つ た場合 (J. Org. Chem" 1983, 48, 1133 -1135、 J. Org. Chem" 1993, 58, 5663 -5665 ケ トンの 位に電子供与性置換基が結合していないと転化率が低い。 さらに鉄触媒 を用いる反応ではべンゼン溶媒が必要である。
一方、 過酸化水素を酸化剤としてカルボン酸を得る方法としてば、 周期律表第 3族や 1 3族の金属化合物を触媒量用いる方法が提案されているが (W 0 P 2 0 0 0 - 5 3 5 9 3明細書)、 この方法で得られる生成物は、 カルボン酸ではなくェ ステル又はラクトン化合物である。
また、 極性溶媒を用い、 シクロへキサノンと過酸化水素との均一溶液を予め調 製しておき、 この均一溶液を周期律表第 6族の金属酸化物等の触媒の存在下で反 応させてアジピン酸を製造する方法が提案されている (特開昭 5 4 - 1 3 5 7 2 0号公報) 。
しかしながら、 この方法によるアジピン酸の収率はせいぜい 50%程度と推定さ れ、 工業的なカルボン酸の製造方法としては未だ充分なものとはいえず、 また過 酸化水素水溶液にシクロへキサノンを溶解させて均一溶液とするために、 酢酸や t—ブチルアルコールなどの極性溶媒の使用が不可欠とされていることから、 目的 生成物であるアジピン酸を単離する際にその除去手段が必要となり、 反応操作や 装置が煩雑となる上、 極性有機溶媒自身の環境及び人体への影響 ·毒性も指摘さ れるに至っている。 発明の開示
本発明は、 上記のような従来技術の問題点を克服するためになされたものであ つて、 温和な反応条件下で、 脂環式アルコール類又は脂環式ケトン類からカルボ ン酸を高収率で得ることができると共に反応操作が簡便で反応終了後の溶媒除去 操作を不要とし、 かつ環境や人体への影響,毒性がきわめて小さい、 脂環式アル コール類又は脂璟式ケトン類と過酸化水素水溶液との反応による安全かつ簡便で 効率的なカルボン酸の製造方法を提供することをその目的とする。
本発明者らは、 前記課題を解決するために鋭意研究した結果、 脂環式アルコー ル又は脂環式ケトン類の極性溶媒溶液と過酸化水素水溶液との均一溶液系で酸化 反応を行う従来の反応方法に代えて、 過酸化水素水溶液と脂環式アルコール油性 又は脂環式ケトン油性溶液との不均一溶液系を用いる反応を選定すると、 従来の 常識的な技術的知見とは異なり、 対応するカルボン酸が高収率で安全かつ簡便に 製造し得ることを見いだし、 本発明を完成するに至った。
即ち、 本発明によれば、 以下の発明が提供される。
( 1 ) 脂環式アルコール油性溶液又は脂環式ケトン油性溶液と過酸化水素水溶液 とを、 周期律表第 6族金属化合物を含む触媒の存在下、 不均一溶液系で反応させ ることを特徴とするカルボン酸の製造方法。
( 2 ) 周期律表第 6族金属化合物が、 クロム、 モリブデン及びタングステンから 選ばれた少なくとも一種の金属化合物であることを特徴とする上記 ( 1 ) に記載 のカルボン酸の製造方法。
( 3 ) 脂環式アルコールが下記一般式 ( 1 )
(式中、 nは 1〜 1 8の整数を示し、 、 R2、 R3及び R4は、 水素原子、 ヒドロキ シ基、 ハロゲン原子、 カルボキシル基、 炭素数 1〜4のアルキル基、 炭素数 1〜 4のアルコキシ基、 炭素数 3〜 7のシクロアルキル基、 ァリール基、 ァラルキル 基、 ァシル基またはァシロキシ基を示し、 同一でも相異なっていてもよい。 また 、 R1と R2、 R1と R3、 R1と R4、 R2と R3、 R2と R4又は R3と R4は互いに結合して 炭素環を形成していてもよく、 更にこれらの環は炭素数 1〜4のアルキル基、 炭 素数 1〜4のアルコキシ基、 炭素数 3〜 7のシクロアルキル基、 ァリール基、 ァ ラルキル基、 カルボキシル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。 )
(式中、 nは 1〜 1 8の整数を示し、 R R2、 R3及び R4は、 水素原子、 ヒドロキ シ基、 ハロゲン原子、 カルボキシル基、 炭素数 1〜4のアルキル基、 炭素数 1〜 4のアルコキシ基、 炭素数 3〜 7のシクロアルキル基、 ァリール基、 ァラルキル 基、 ァシル基またはァシロキシ基を示し、 同一でも相異なっていてもよい。 また 、 R1と R2、 R1と R3、 R1と R4、 R2と R3、 R2と R4又は R3と R4は互いに結合して 炭素環を形成していてもよく、 更にこれらの環は炭素数 1〜4のアルキル基、 炭 素数 1〜4のアルコキシ基、 炭素数 3〜 7のシクロアルキル基、 ァリ一ル基、 ァ ラルキル基、 カルボキシル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。 ) で表される化合物であることを特徴とする請求項 1又は 2に記載のカルボン酸 の製造法。
( 5 ) カルボン酸がグル夕ル酸又はアジピン酸であることを特徴とする上記 ( 1 ) 乃至 (4 ) 何れかに記載のカルボン酸の製造方法。 発明を実施するための最良の形態
本発明に係る過酸化水素を用いる脂環式アルコール又は脂環式ケトンの酸化反 応によるカルボン酸の製造方法は、 該酸化反応を、 周期律表第 6族金属化合物を 含む触媒の存在下、 過酸化水素水溶液と脂環式アルコール又は脂環式ケトン油性 溶液との不均一溶液中で行うことを特徴としている。
従来、 液液反応においては、 原料同士、 あるいは原料と酸化剤、 反応促進剤な どの反応試薬とが相溶性を持たない場合には、 反応を円滑に進めるために原料と 反応試薬等とが相互に溶解する溶媒を用いて、 両者の均一な溶液を予め調製し、 しかる後反応させるプロセスが選択率、 収率などの点で有利であるとされていた 脂環式アルコールや脂環式ケトンと過酸化水素との反応によるカルボン酸の合
成反応においても、 前記したように、 この発想が踏襲され、 特開昭 5 4— 1 3 5 7 2 0号公報記載の発明においても、 酢酸や t—ブチルアルコールのような極性 溶媒を用い、 シクロへキサノール又はシクロへキサンノンと過酸化水素との均一 溶液を予め調製しておき、 この均一溶液を周期律表第 6族の金属酸化物等の触媒 の存在下で反応させてァジピン酸を製造するプロセスが採られている。
本発明者等は、 かかる酸化反応を更に効率的にかつ環境 ·人体の保護の観点か ら、 種々様々な研究 ·実験、 理論的考察を模索した結果、 この過酸化水素を酸化 剤とする脂環式アルコール又は脂環式ケトンとの酸化反応は、 従来の技術常識と は異なり、 均一溶液系ではなく、 脂環式アルコール油性溶液又は脂環式ケトンと 過酸化水素水溶液との不均一溶液系で行なった場合には、 カルボン酸の収率が著 しく向上し、 しかも環境負荷の軽減に著しく貢献することを知見した。 このよう な知見は従来の技術常識では到底予期できるものではなく、 本発明者の弛まぬ実 験研究の積み重ねによってはじめて見い出された特異的な現象である。 · 本発明の不均一溶液系での酸化反応が、 カルボン酸の大幅な収率アップにつな がる理論的解明は現時点では明らかとなっていないが、 油性溶液中では触媒活性 種の溶媒和による活性低下が起こらない、 或いは何らかの理由によつて水一油相 界面で反応が大幅に促進される等に起因するところが多いものと推定される。 本発明方法で用いる原料としては、 従来公知の一般的な脂璟式アルコール又は 脂環式ケトンを使用することができ、 特に制限されるものではないが、 脂環式ァ ルコールとしては、 下記一般式 ( 1 ) で表される脂環式アルコールが好ましく用 いられる。
(式中、 nは 1〜 1 8の整数を示し、 R1 R2、 R3及び R4は、 水素原子、 ヒドロキ シ基、 ハロゲン原子、 カルボキシル基、 炭素数 1〜4のアルキル基、 炭素数 1〜
4のアルコキシ基、 炭素数 3〜 7のシクロアルキル基、 ァリール基、 ァラルキル
基、 ァシル基またはァシロキシ基を示し、 同一でも相異なっていてもよい。 また
、 R1と R2、 R1と R3、 R1と R4、 R2と R3、 R2と R4又は R3と R4は互いに結合して 炭素環を形成していてもよく、 これらの環は炭素数 1〜4のアルキル基、 炭素数 1〜4のアルコキシ基、 炭素数 3〜 7のシクロアルキル基、 ァリール基、 ァラル キル基、 カルボキシル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。 )
一般式 (I) で表される脂環式アルコールの具体例としては、 例えば、 シクロ ブ夕ノーノレ、 シクロ ン夕ノール、 シク口へキサノーノレ、 シクロヘプ夕ノーノレ、 シクロォク夕ノール、 シクロノナノール、 シクロデカノール、 シクロゥンデカノ —ル、 シクロドデカノ一ル、 シクロトリデカノ一ル、 シクロテトラデカノ一ル、 シクロペン夕デカノール、 シクロへキサデ力ノール、 シクロヘプ夕デカノール、 シクロォクタデカノール、 シクロノナデカノール、 シクロイコサノ一ル、 シクロ へニコサノール、 1—メチルシクロペン夕ノール、 2ーメチルシクロペンタノ一 ル、 1,2—ジメチルシクロペン夕ノール、 1,3—ジメチルシクロペン夕ノール 、 1,4ージメチルシクロペン夕ノール、 2,3—ジメチルシクロペン夕ノール、 1,2,3—トリメチルシクロペン夕ノール、 1,2,4—トリメチルシクロペン夕ノ —ル、 1,2, 3,4—テトラメチルシクロペンタノ一ル、 1ーメチルシクロへキサ ノール、 2—メチルシクロへキサノール、 3ーメチルシクロへキサノール、 1, 2—ジメチルシクロへキサノール、 1,3—ジメチルシクロへキサノール、 1 , 4 ージメチルシクロへキサノール、 1, 5—ジメチルシクロへキサノール、 2,3- ジメチルシクロへキサノール、 2, 4—ジメチルシクロへキサノール、 1,2,3 - トリメチルシクロへキサノール、 1,2,4 - トリメチルシクロへキサノール、 1, 2,5—トリメチルシクロへキサノール、 1, 3,4—トリメチルシクロへキサノー ル、 1,3,5—トリメチルシクロへキサノール、 2,3,4—トリメチルシクロへキ サノール、 1, 2,3,4—テトラメチルシクロへキサノール、 1,2,3,5ーテトラ メチルシクロへキサノール、 1,2,4,5—テトラメチルシクロへキサノール、 1, 2,3,4,5一ペンタメチルシクロへキサノール、 1ーメチルシクロヘプ夕ノ一ル 、 1—メチルシクロォク夕ノール、 1—メチルシクロノナノ一ル、 1—メチルシ クロデカノール、 1—メチルシクロウンデカノール、 1—メチルシクロ ドデカノ ール、 1—メチルシクロ トリデカノ一ル、 1ーメチルシクロテトラデカノール、
1ーメチルシクロペンタデカノ一ル、 1ーメチルシクロへキサデカノ一ル、 1一 メチルシクロへプ夕デカノ一ル、 1ーメチルシクロォク夕デカノ一ル、 1ーメチ ルシクロノナデカノ一ル、 1ーメチルシクロイコサノール、 1ーメチルシクロへ ニコサノール、 1一フエニルシクロへキサノ一ル、 1—ベンジルシクロへキサノ ール、 1 , 2ーシクロへキサンジオール、 1—クロロシクロペン夕ノール、 1― ブロモシクロペン夕ノール、 1—クロ口シクロへキサノール、 1—ブロモシクロ へキサノール、 シクロペン夕ノール一 1一力ルボン酸、 シクロへキサノール一 1 一力ルボン酸、 1—ァセチルシクロペン夕ノ一ル、 1—ァセチルシクロへキサノ
—ル等が挙げられる。 本発明で好ましく使用されるアルコールはシクロペンタノ ール、 シクロへキサノールである。
本発明方法で用いる脂環式ケトンとしては、 従来公知の一般的な脂璟式ケトン を使用することができ、 特に制限されるものではないが、 下記一般式 (2 ) で表 される脂環式ケトンが好ましく用いられる。
(式中、 nは 1〜 1 8の整数を示し、 R R R3及び R4は、 水素原子、 ヒドロキ シ基、 ハロゲン原子、 カルボキシル基、 炭素数 1〜4のアルキル基、 炭素数 1〜
4のアルコキシ基、 炭素数 3 ~ 7のシクロアルキル基、 ァリール基、 ァラルキル 基、 ァシル基またはァシロキシ基を示し、 同一でも相異なっていてもよい。 また 、 R1と R2、 R1と R3、 R1と R4、 R2と R3、 R2と R4又は R3と R4は互いに結合して 炭素環を形成していてもよく、 これらの環は炭素数 1〜4のアルキル基、 炭素数 丄〜 4のアルコキシ基、 炭素数 3〜 7のシクロアルキル基、 ァリール基、 ァラル キル基、 カルボキシル基またはハロゲン原子で置換されていてもよい。 )
一般式 (2 ) で表される脂環式ケトンの具体例としては、 例えば、 シクロブ夕 ノン、 シクロペン夕ノン、 シクロへキサノン、 シクロヘプ夕ノン、 シクロォク夕 ノン、 シクロノナノン、 シクロデカノン、 シクロウンデカノン、 シクロ ドデカノ
ン、 シクロ トリデカノン、 シクロテトラデカノン、 シクロペン夕デカノン、 シク 口へキサデカノン、 シクロへプ夕デカノン、 シクロォク夕デカノン、 シクロノナ デカノン、 シクロイコサノン、 シクロへニコサノン、 1—メチルシクロペンタノ ン、 2—メチルシクロペン夕ノン、 1,2—ジメチルシクロペン夕ノン、 1,3 - ジメチルシクロペン夕ノン、 1,4—ジメチルシクロペンタノン、 2, 3—ジメチ ルシクロペン夕ノン、 1,2,3—トリメチルシクロペン夕ノン、 1 , 2, 4一卜リメ チルシクロペン夕ノン、 1,2, 3, 4—テトラメチルシクロペン夕ノン、 1ーメチ ルシクロへキサノン、 2—メチルシクロへキサノン、 3ーメチルシクロへキサノ ン、 1,2—ジメチルシクロへキサノン、 1,3ージメチルシクロへキサノン、 1, 4—ジメチルシクロへキサノン、 1 , 5—ジメチルシクロへキサノン、 2 , 3—ジ メチルシクロへキサノン、 2,4ージメチルシクロへキサノン、 1, 2 , 3—トリメ チルシクロへキサノン、 1, 2,4ートリメチルシクロへキサノン、 1, 2, 5—卜リ メチルシクロへキサノン、 1,3,4—トリメチルシクロへキサノン、 1,3,5 - h リメチルシクロへキサノン、 2,3,4—トリメチルシクロへキサノン、 1,2,3, 4ーテトラメチルシクロへキサノン、 1,2,3,5—テトラメチルシクロへキサノ ン、 1,2,4,5—テトラメチルシクロへキサノン、 1,2,3,4,5—ペンタメチル シクロへキサノン、 1ーメチルシクロヘプ夕ノン、 1—メチルシクロォクタノン 、 1ーメチルシクロノナノン、 1—メチルシクロデカノン、 1—メチルシクロウ ンデカノン、 1ーメチルシクロ ドデカノン、 1ーメチルシクロ トリデカノン、 1 —メチルシクロテトラデカノン、 1—メチルシクロペン夕デカノン、 1一メチル シクロへキサデカノン、 1—メチルシクロへプ夕デカノン、 1ーメチルシクロォ ク夕デカノン、 1ーメチルシクロノナデカノン、 1—メチルシクロイコサノン、 1ーメチルシクロへニコサノン、 1一フエニルシクロへキサノン、 1—ベンジル シクロへキサノン、 1、 2-シクロへキサンジオン、 1—ヒドロキシシクロへキサ ノン、 1 -クロロシクロペン夕ノン、 1 -プロモシクロペン夕ノン、 1—クロロシ クロへキサノン、 1—ブロモシクロへキサノン、 シクロペン夕ノン- 1一力ルボン 酸、 シクロへキサノン一 1一力ルボン酸、 1ーァセチルシクロペン夕ノン、 1一 ァセチルシクロへキサノン等が挙げられる。 本発明で好ましく使用されるケトン は、 シクロペン夕ノン、 シクロへキサノン、 シクロヘプ夕ノン、 シクロォク夕ノ
ン等である。
本発明においては、 上記したように、 温和な反応条件下で、 脂環式アルコール 又は脂環式ケトンからカルボン酸を高収率で得ることができると共に反応操作が 簡便で反応終了後の溶媒除去操作を不要とし、 かつ環境や人体への影響 ·毒性が きわめて小さい、 脂環式アルコール類又は脂環式ケトン類と過酸化水素水溶液と の反応による安全かつ簡便で効率的なカルボン酸の製造方法を提供することをそ の目的としていることから、 上記酸化反応を可能な限り有機溶媒を使用すること なく不均一溶液系で行うことが極めて重要となる。
したがって、 上記した脂環式アルコール又は脂環式ケトンは、 酸化剤である過 酸化水素水溶液相とは分相となるようにできればそれ自体の油性溶液として用い ることが必要である。
脂環式アルコール又は脂環式ケトンの油性溶液としては、 脂環式アルコール又 は脂環式ケトンそれ自体の油性溶液の他、 水と相溶のない炭化水素などの非極性 溶媒中に溶解させた脂環式アルコール又は脂環式ケトンの油性溶媒溶液が挙げら れるが、 前記した環境負荷の軽減や溶媒除去操作の観点からみて、 脂環式アルコ ール又は脂環式ケトンそれ自体の油性溶液を用いることが最も望ましい。
本発明方法で用いる酸化剤は、 過酸化水素であり、 実施に当たってはその水溶 液の形態で用いられる。 過酸化水素水溶液の濃度は、 その濃度に応じて脂環式ァ ルコール又は脂環式ケトンの酸化反応は生起するので、 特に制限はないが、 一般 的には 1〜80重量%、 好ましくは 30〜60重量%の範囲から選ばれる。
また、 過酸化水素水溶液の使用量にも制限はないが、 一般的には脂環式アルコー ルに対して 3.0〜30.0当量、 好ましくは 3.3〜8.0当量の範囲から選ばれる。
本発明方法で用いる触媒は、 周期律表第 6族金属化合物を主体とするものであ る。 このような金属化合物としては、 クロム、 モリブテン及び夕ングステンから 選ばれた少なくとも一種の金属化合物を挙げることができる。
具体的には、 クロム化合物としては、 水中でクロム酸ァニオンを生成するクロ ム化合物、 例えばクロム酸、 Ξ酸化クロム、 三硫化クロム、 六塩化クロム、 リン クロム酸、 クロム酸アンモニゥム、 クロム酸カリウム二水和物、 クロム酸ナトリ ゥムニ水和物等が挙げられるが、 クロム酸、 三酸化クロム、 リンクロム酸が好ま
しい。
モリブデン化合物としては、 水中でモリブデン酸ァニオンを生成する化合物、 例えばモリブデン酸、 三酸化モリブデン、 三硫化モリブデン、 六塩化モリブデン 、 リンモリブデン酸、 モリブデン酸アンモニゥム、 モリブデン酸カリウム二水和 物、 モリブデン酸ナトリウム二水和物等が挙げられるが、 モリブデン酸、 三酸化 モリブデン、 リンモリブデン酸が好ましい。
夕ングステン化合物としては、 水中でタングステン酸ァ二オンを生成する化合 物であり、 例えばタングステン酸、 三酸化タングステン、 三硫化タングステン、 六塩化タングステン、 リンタングステン酸、 タングステン酸アンモニゥム、 夕ン グステン酸カリウム二水和物、 タングステン酸ナトリウム二水和物等が挙げられ るが、 タングステン酸、 三酸化タングステン、 リンタングステン酸が好ましい。 これらの周期律表第 6族金属化合物は単独で使用しても、 二種以上を併用して も良い。 また、 その使用量に特に制限はないが、 通常、 原料の脂環式アルコール 又は脂環式ケトンに対して 0.0001〜20モル%、 好ましくは 0.01〜10モル%の範 囲から選ばれる。
本発明の製造方法で用いる触媒は、 前記した周期律表第 6族金属化合物が主体 とするものであるが、 必要に応じ、 リン酸等の補助触媒等を使用することも可能 である。
本発明方法の反応条件には、 特に制約ないが、 通常、 反応は 30〜120°C、 好ま しくは 50〜: 10CTCの範囲で行われる。 反応圧力は常圧、 加圧、 減圧のいずれでも 良いが、 常圧で行うことが好ましい。
また、 本発明の製造方法においては、 反応系中で過酸化水素水溶液と脂環式ァ ルコール又は脂環式ケトンとが不均一溶液を形成する方法であれば、 原料、 酸化 剤及び触媒の添加順序や反応態様に特に制限はないが、 通常、 触媒を混合した過 酸化水素水溶液に脂環式アルコール又は脂璟式ケトンを添加し、 あらかじめこれ らの不均一混合物を形成しておき、 ついでこれらを撹拌しながら反応させる方法 が採られる。
本発明の製造方法においては、 前記した特有な酸化反応プロセスを採ることに より、 たとえば、 脂環式アルコールからこれに対応するグルタル酸やアジピン酸
などのカルボン酸を高収率で得ることができる。
具体的には、 前記一般式 ( 1 ) の脂璟式アルコール及び前記一般式 (2 ) にお いて、 R4が水素原子、 ヒドロキシ基又はハロゲン原子であるアルコールからは、 下記一般式 (3 )
(式中、 n、 R R2及び R3は前記と同じ意味を表す。 )
で表されるジカルボン酸を得ることができる。
また、 前記一般式 ( 1 ) の脂環式アルコール及び一般式 (2 ) の脂環式ケトン において、 R4が水素原子、 ヒドロキシ基又はハロゲン原子以外の基である場合に は、 下記一般式 (4 )
(式中、 n、 R\ R2及び R3は前記と同じ意味を表す。 R4はカルボキシル基、 炭素 数 1〜4のアルキル基、 炭素数 1〜4のアルコキシ基、 炭素数 3〜7のシクロア ルキル基、 ァリ一ル基、 ァラルキル基、 ァシル基またはァシロキシ基を示し、 同 一でも相異なっていてもよい。 また、 と 、 と 、 と 、 R2と R3、 R2 と R4又は R3と R4は互いに結合して炭素環を形成していてもよく、更にこれらの 環は炭素数 1〜4のアルキル基、 炭素数 1〜4のアルコキシ基、 炭素数 3〜7の シクロアルキル基、 ァリ一ル基、 ァラルキル基、 カルボキシル基またはハロゲン 原子で置換されていてもよい。 ) .
で表されるケトカルボン酸を得ることができる。
本発明方法で得られるカルボン酸の具体例としては、 例えば、 コハク酸、 グル 夕ル酸、 アジピン酸、 ピメリン酸、 スベリン酸、 ァゼライン酸、 セバシン酸、 ゥ ンデカンジオン酸、 ブラシル酸、 トリデカンジオン酸、 テトラデカンジオン酸、 ペン夕デカンジオン酸、 へキサデカンジオン酸、 ヘプ夕デカンジオン酸、 ォク夕 デカンジオン酸、 ノナデカンジオン酸、 ィコサンジオン酸、 へニコサンジオン酸 、 5—ォキソへキサン酸、 2—メチルグル夕ル酸、 4—メチル _ 5—ォキソへキ サン酸、 3—メチル一 5—ォキソへキサン酸、 2 _メチル _ 5—ォキソへキサン 酸、 2, 3—ジメチルグルタル酸、 3,4—ジメチル _ 5—ォキソへキサン酸、 2, 4—ジメチル— 5—ォキソへキサン酸、 2,3—ジメチルー 5—ォキソへキサン酸 、 2,3,4一トリメチル一 5—ォキソへキサン酸、 6—ォキソヘプタン酸、 2— メチルアジピン酸、 3—メチルアジピン酸、 5—メチル一 6—ォキソヘプタン酸 、 4—メチル _ 6—ォキソヘプ夕ン酸、 3—メチル一 6—ォキソヘプタン酸、 2 ーメチルー 6—ォキソヘプ夕ン酸、 2,3—ジメチルアジピン酸、 2, 4—ジメチ ルアジピン酸、 4, 5—ジメチルー 6—ォキソヘプタン酸、 3,5—ジメチルー 6 —ォキソヘプタン酸、 2, 5—ジメチル _ 6—ォキソヘプタン酸、 2,3—ジメチ ル一 6—ォキソヘプタン酸、 3,4—ジメチルー 6 _ォキソヘプタン酸、 2,4— ジメチル一 6—ォキソヘプタン酸、 2,3,4—トリメチルアジピン酸、 3,4,5— トリメチルー 6—ォキソヘプ夕ン酸、 2,4, 5—トリメチル一 6—ォキソヘプ夕 ン酸、 2,3,4—トリメチル— 6—ォキソヘプタン酸、 2,3,5 _トリメチルー 6 —ォキソヘプタン酸、 2, 3,4, 5—テトラメチル一 6—ォキソヘプタン酸、 7— ォキソオクタン酸、 8—ォキソノナン酸、 9—ォキソデカン酸、 10—ォキソゥ ンデカン酸、 1 1一才キソドデカン酸、 1 2—ォキソトリデカン酸、 13—ォキ ソテトラデカン酸、 14—ォキソペン夕デカン酸、 1 5—ォキソへキサデカン酸 、 16—ォキソヘプ夕デカン酸、 17—ォキソォク夕デカン酸、 18—才キソノ ナデカン酸、 1 9ーォキソィコサン酸、 20—ォキソへニコサン酸、 2 1—ォキ ソドコサン酸、 6—フエニル— 6—ォキソへキサン酸、 7—フエニル一 6—ォキ ソヘプ夕ン酸等が挙げられる。 この中でも、 グルタル酸、 アジピン酸等が好まし く合成される。
本発明方法においては、 前記反応終了後、 生成したカルボン酸を含む混合液を
濃縮後、 再結晶や蒸留、 昇華等の通常の方法によって分離精製することにより、 高収率、 高選択率で目的とするカルボン酸を得ることができる。
実施例
本発明を以下の実施例によってさらに具体的に説明するが、 本発明はこれらの実 施例により何ら限定されるものではない。
実施例 1
H2W04 (25.0 mg, 0.100 mmol)、 30%過酸化水素水溶液 (5.1 mL, 44 mmol)及びシク 口ペン夕ノ一ル (0.91 mL, 10 mmol)を混合し、 90°Cで 20時間撹拌した。 反応終了 後、 室温まで冷却した。 グルタル酸の収率を、 トリメチルシリルジァゾメタンで メチル化した後にビフエニルを内部標準として GLCで決定したところ、 91%であ つ 7こ。
実施例 2
H2W04 (25.0 mg, 0.100 mmol)、 30%過酸化水素水溶液 (5.1 mL, 44 mmol) 及びシ クロへキサノール (1.06 mL, 10 mmol)を混合し、 90°Cで 20時間撹拌した。 実施例 1と同様の操作を行い GLCによる定量を行ったところ、アジピン酸の収率は 89% であった。
実施例 3
H2W04 (2.50 g, 0.010 mol)、 30%過酸化水素水溶液 (510 mL, 4.4 mol) 及びシク口 へキサノール (101 mL, 1.0 mol)を混合し、 90 °Cで 20時間撹拌した。 0 °Cにてー晚 静置したところ、 白色結晶が析出した。 得られた結晶を減圧ろ過によりろ別し、 冷水 (20 mL)で洗浄した。ヨウ化力リゥムデンプン紙を用いてろ液が過酸化物反応 を示さないことを確認し、 真空乾燥を行った。 アジピン酸の白色結晶が 85% (125 g, 0.85 mol)の収率で得られた。
実施例 4
H2W04 (25.0 mg, 0.100 mmol)、 30%過酸化水素水溶液( 3 . 7 mL, 3 3 mmol) 及ぴシクロペン夕ノン . 0 mL, 10 mmol)を混合し、 90°Cで 20時間撹拌した。 反応終了後、 室温まで冷却した。 グル夕ル酸の収率を、 トリメチルシリルジァゾ メタンでメチル化した後にビフエニルを内部標準として GLCで決定したところ、 9 8 %であった。
実施例 5
H2W04 (25.0 mg, 0.100 mmol)、 30%過酸化水素水溶液 (5.1 mL, 44 mmol) 及びシ クロへキサノン (1.0 mL, 10 mmol)を混合し、 90 で 20時間撹拌した。 実施例 1 と同様の操作を行い GLCによる定量を行ったところ、アジピン酸の収率は 9 9 % であった。
実施例 6
H2W04 (2.50 g, 0.010 mol)、 30%過酸化水素水溶液( 3 7 0 mL, 3 . 3 mol) 及 びシクロへキサノン(1 0 0 mL, 0 . 9 6 6 mol)を混合し、 90°Cで 20時間撹拌 した。 o°c にてー晚静置したところ、 白色結晶が析出した。 得られた結晶を減圧 ろ過によりろ別し、冷水 (20 mL)で洗浄した。 ヨウ化カリウムデンプン紙を用いて ろ液が過酸化物反応を示さないことを確認し、 真空乾燥を行った。 アジピン酸の 白色結晶が 9 2 % ( 1 3 0 g, 0 . 8 9 9 mol)の収率で得られた。
実施例 7
H2W04 (25.0 mg, 0.100 mmol)、 30%過酸化水素水溶液( 3 . 7 mL, 3 3 mmol) 及びシクロヘプ夕ノン(1 . 2 mL, 10 mmol)を混合し、 90 °Cで 20時間撹拌した 。実施例 1と同様の操作を行い GLCによる定量を行ったところ、 ピメリン酸の収 率は 8 1 %であった。
実施例 8
H2W04 (25.0 mg, 0.100 mmol)、 30%過酸化水素水溶液( 3 . 7 mL, 3 3 mmol) 及びシクロォク夕ノン( 1 . 3 mL, 10 mmol)を混合し、 90 °Cで 20時間撹拌した 。実施例 1と同様の操作を行い GLCによる定量を行ったところ、スペリン酸の収 率は 8 5 %であった。
比較例 1
実施例 2において、 シクロへキサノールに代えて、 t—ブチルアルコール(3 mL ) に溶かしたシクロへキサノール (1.06 mL, 10 mmol)溶液を用い、均一溶液中での酸 化反応を実施例 2に準じた操作で行い、 GLCによる定量を行ったところ、 アジピ ン酸の収率は 5 2 %であった。
比較例 2
実施例 5において、 シクロへキサノンに代えて、 t一ブチルアルコール(3 mL)
に溶かしたシクロへキサノン(1.0 mL, 10 mmol)溶液を用い、 均一溶液中での酸化 反応を実施例 2に準じた操作で行い、 GLCによる定量を行ったところ、 アジピン 酸の収率は 5 2 %であった。
産業上の利用可能性
本発明方法によれば、 可塑剤、 潤滑剤、 伝熱媒体、 誘電媒体、 繊維、 共重合体 、 塗料樹脂、 界面活性剤、 防カビ薬、 殺虫剤、 接着剤等として化学工業をはじめ 、 各種の産業分野で幅広く用いられる有用な物質であるジエステル、 ポリエステ ル及びポリアミ ドの合成における重要な中間体である、 グルタル酸やアジピン酸 などのカルボン酸を、 温和な反応条件下で、 かつ高収率で得ることができる。 また、 本発明方法は、 有機溶媒、 酸及び塩基は使用しないため、 反応操作が簡 便で反応終了後の溶媒除去操作等を不要とすると共に環境や人体への影響 ·毒性 がきわめて小さく、 環境に対する負荷を軽減する効果も有し、 安全かつ簡便で効 率的にカルボン酸を製造することができる。
したがって、 本発明方法は工業的に多大な効果をもたらす発明ということがで きる。