WO2003097515A1

WO2003097515A1 - Suspension se deplaçant dans le plan

Info

Publication number: WO2003097515A1
Application number: PCT/JP2002/004958
Authority: WO
Inventors: Tsuyoshi Saotome; Hisashi Ebata
Original assignee: Tsuyoshi Saotome; Hisashi Ebata
Priority date: 2002-05-22
Filing date: 2002-05-22
Publication date: 2003-11-27
Also published as: AU2002258217A1

Description

技術分野

本発明は移送装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、例えば病院や老人ホーム、倉庫、工場、プラネタリウムや宇宙センター、ゲームセンター、テーマパーク等の遊戯施設やシミュレーション施設などにおいて大きな力をかけないで重量物を水平移動するのに適している平面移動式懸架装置に関するものである。

明技術用語

本明細書において被移送物とは、物品田の他に、機能回復のための医学的リハビリテーションゃリハビリテーション介護、一般生活での介護などを受ける対象者

(クライアント）あるいは遊戯のプレーヤーやシミュレーション施設の体験者なども含まれ、人や物に限られず、水平移動の際に重量の一部あるいは全部を天井から吊り下げられる懸架索によって支持される必要（意義）がある重量物の全てを含む意味に使われている。

背景技術

従来の平面移動式懸架装置は、レールを用いて昇降装置を水平移 »可能にするものである。例えば、工場などで見られる大規模な平面移動式懸架装置は、天井にレールを設置してその上を移動する架台に搭載された昇降装置を使って重量物を持ち上げて水平移動可能としている。しかしながら、この平面移動式懸架装置では、レールに沿って移動するため決まつたところし力移動できないという問題を有する。

この問題を解決するものとして、互いに直交する X方向と Y方向の 2方向にレールを配置し、それらの上を昇降装置が自在に移動できるようにしたものがある。例えば、平行に配置された一対の X方向用固定レールの間に跨るように Y方向用案内レールを、一対の Y方向用固定レールの間に跨るように X方向用案内レールをそれぞれ設置し、これら両案内レールが対応する各固定レールに沿つて平行移動できるように設けられると共に、 X方向案内レールと Y方向案内レールとの交差する部分に懸架軸を貫通させて昇降装置を吊り下げ、レールの交差部の移動に伴って懸架軸に吊り下げられた昇降装置が X Y平面上を自在に移動可能とした介護用の天井走行リフト装置が提案されている（特開 2 0 0 0— 3 5 0 7 5 0号参照）。 X方向案内レールと Υ方向案内レールとはそれぞれの案内方向へ延びる長孔を有し、この長孔が交差する部分に昇降装置を吊り下げる懸架軸を貫通させて両レールに鉛直方向に係合させ、両案内レールの X， Υ方向への移動に伴って交差部が移動することにより昇降装置を Χ Υ平面で自在に移動可能とするようにしている。

しかしながら、このような平面移動式懸架装置では、 X方向用案内レールと Υ 方向用案内レールとが交差し得る範囲内での昇降装置の移動は自由となるが、その構造上一つの昇降装置あるいは懸架手段しか使用できないという問題を有する。また、 X方向用案内レールと Υ方向用案内レールの交差部を貫通する昇降装置の水平移動は、 X方向用案内レールと Υ方向用案内レールとを同時に移動させなければならないことから、力を要する問題もある。

本発明は、 1つのェリァ内で使用できる懸架装置の数が 1つに制限されることがない平面移動式懸架装置を提供することを目的とする。また、本発明は、簡単な構造でかつ軽い力で水平移動できる平面移動式懸架装置を提供することを目的とする。

発明の開示

かかる目的を達成するため、本発明の平面移動式懸架装置は、被移送物を平面移動させる領域の構築物の天井あるいは天井や支柱に取り付けられて支持される面部材に吊り下げられる複数の固定部材と、被移送物を吊り下げる懸架索を有する移動部材とを備え、固定部材は移動部材を下側から鉛直方向に受け支えるフランジ部を有すると共に、隣り合う固定部材のフランジ部同士が移動部材の周縁から懸架索の中心までの最小距離に懸架索の中心から周縁までの最小距離を加えた幅よりも狭くかつ懸架索の最大幅よりも広い隙間を空けて配置され、固定部材のフランジ部の上に移動部材が載置されて隙間を通過する懸架索に被移送物が吊り下げられて一群の固定部材の上を摺動可能とするようにしている。

したがって、本発明によると、被移送物即ちリハビリテーションや介護を受け '若しくは重量物が移動部材に吊り下げられることにより、重量 · 体重の一部が天井や面部材に支持されてクライアントあるいは介護者若しくは被運搬者が負担する重量が軽減されるため、体に負担をかけずに歩行したり、軽い力で押すことができる。しかも、一群の固定部材が配置された範囲内で移動部材がとりうる軌道は一義的には決まらないので、同時に多数の懸架装置による輸送を可能とする。

ここで、移動部材は固定部材のフランジ部と接触する面にベアリングを有することが好ましい。この場合には、移動部材が固定部材の間を通過する際の摩擦抵抗が少なくなり、移動部材の動きひいては懸架されている人や物品の移動が滑らかなものとなる。特に、ポールベアリングの場合には、転がり点接触となるため、抵抗が少なくなり、一層移動が滑らかなものとなる。

また、移動部材の天井あるいは面部材と対向する面は、天井あるいは面部材と摺接するように設けることが好ましい。この場合には、移動部材が固定部材の間を通過する際に、上側から押さえられているため移動部材の浮上がなく、移動部材の傾きやがたつきがなくなる。更に、移動部材の天井あるいは面部材と対向する面にはべァリングを備え、該ベアリングを介して天井あるいは面部材に常時接触するように設ければ、より滑らかに移動できる。

また、移動部材の外周面にはベアリングを備えることが好ましく、更に好ましくはベアリングの外周面を弾力部材で覆っていることである。この場合には、移動部材が固定部材の間を通過する際に支柱と衝突しても、ベアリングの回転によつて衝撃が吸収されて緩和され、更にベアリングを覆っている弾力部材の変形によって固定部材の支柱に衝突したときの衝撃を吸収することができる。ここで、ベアリングはボールベアリングのような転がり軸受けでも滑り軸受けでも構わないし、 1回転未満で回転する部材も含まれる。例えば、移動部材の外周面のベアリングは、環状のプラスチック製ブッシングと該ブッシングを覆！、懸架索を取り付けるベアリング本体と、ブッシングとべアリング本体とを連結する放射状に配置された複数の引っ張りばねとから成り、引っ張りばねの釣り合いが保たれるところでプラスチック製ブッシングを保持し、プラスチック製プッシングに支柱が衝突したときに、プラスチック製プッシングを回転させかつ引っ張りばねを伸縮させて衝撃力を吸収 ·緩和させるようにしても良い。この場合には、外側のブッシングが内側のブッシングに対して偏心運動することにより、引っ張りばねを伸縮させることにより、緩衝させるため、支柱に衝突したときの衝撃を吸収することができる。しかも、多数のボールベアリングを移動部材の外周面に取り付ける場合よりも、安価にできるし、緩衝性能に優れ、被移送物に与えるショックが少なくなる。

また、固定部材及び移動部材は円板であることが好ましい。この場合には、移動部材が固定部材の間を通過する際に、最短距離でかつ滑らかに移動方向を変更できるため、受ける制約が少なくなるので、移動部材の動き即ち懸架されているクライアントや物品の移動が自由なものとなる。

また、固定部材は各固定部材の中心を結ぶ線が成す角度が 6 0 ° となる関係で配置されることが好ましい。この場合には、移動部材が固定部材の間を通過する際に、最短距離でかつ滑らかに移動方向を変更できるため、受ける制約が少なくなるので、移動部材の動き即ち懸架されている人や物品の移動が自由なものとなる。

また、固定部材並びに移動部材は回転可能であることが好ましい。この場合には、移動部材が固定部材の間を通過する際に支柱と衝突しても、ベアリングの回転によつて衝撃が吸収されて緩和される。

また、移動部材並びに固定部材の周縁には角取りが施されていることが好ましい。この場合には、移動部材が隣りの固定部材に乗り移る際の動きが滑らかなものとなる。

また、移動部材の懸架索には、伸縮可能な弾性体を備えることが好ましい。この場合には、懸架索によって加わる力が緩衝されるため、補助できる力が変えることができるので、リハビリの程度や吊り下げられる人が感じる重力などを変化させ得る。特に、懸架索には弾性体の伸びを調整可能とする浮力調整機構を有する場合には、懸架索によって補助できる力を変えることができるので、リハビリの程度に応じてクライアントが受ける負担を変化させたり、吊り下げられる人が感じる重力などを変化させ得る。したがって、地球より重力の低い天体（例えば月や火星）における歩行や移動の擬似体験が可能となるし、その設定重力の値も必要に応じて変更できる。

更に、固定部材が多数据え付けられたエリアが複数ある場合には、それら複数のエリアを区切る仕切りに移動部材が通り抜け可能な開口を設けると共に、その開口部に仕切りを貫通する単一の部材から成る拡張型固定部材を配置し、各拡張型固定部材の間には移動部材が通過する際には開閉し、それ以外のときには閉じる扉を設けることが好ましい。この場合には、移動部材が出入りする都度、扉が開閉されて仕切りとしての機能を損なわないため、騒音の侵入や汚染空気の還流や塵埃などの侵入も抑制できる。したがって、病院棟内などにおけるプライバシ一の保護や院内感染の危険度の低減を可能にできる。

更に、固定部材が多数据え付けられた 2つ以上の互いに独立したエリアの間では、移動部材を支持するフランジ部分を有するレールを複数本並べて移動部材の懸架索を通過させる溝を設けた連通路を構成し、該連通路で複数のエリアを繋いで異なるエリァ間での移動部材の移動を可能とすることが好ましい。この場合には、移動範囲の全てに固定部材を設置する場合に比べて安価にできる。即ち、連通路では自由な水平移動の必要がなく、ただ移動するだけで、しかも主たる移動方向も定まっているので、このような場合には、製作コストのかかる円盤を多数設けるよりもレールを用いることが経済的である。

また、連通路は、少なくとも 2本の溝を並列に設け、 2本の溝の間のレールを途中で分断し、並んで形成された少なくとも 2本の溝を途中で交差させて移動部材が通過し得るバイパス部を少なくとも 1力所設け、該バイパス部で進路の変更を可能とすることが好ましい。この場合には、連通路の途中での衝突回避や進路変更が可能となる。

図面の簡単な説明

Fig. 1は本発明の平面移動式懸架装置の一実施形態を示す平面図である。 Fig. 2は同平面移動式懸架装置の側面図である。 Fig. 3は本発明の平面移動式懸架装置を構成する固定円盤の平面図である。 Fig. 4は同平面移動式懸架装置の側面図である。 Fig. 5は本発明の平面移動式懸架装置を構成する移動円盤の平面図である。同 Fig. 6は側面図である。 Fig. 7は本発明を用いた実際の輸送の一例を示す斜視図である。 Fig. 8はやぐらを組んで固定部材を配置する例を示す斜視図である。 Fig. 9は移動部材の一実施形態を示す部分縦断面図である。 Fig. 1 0は Fig. 9の IX— IX線に沿う断面図である。 Fig. 1 1は移動部材の他の実施形態を示す分解斜視図である。 Fig. 1 2は複数の移動部材を併用して懸架に用いる実施形態の一例を示す斜視図である。 Fig. 1 3は複数の移動部材を併用する他の実施形態を示す斜視図である。 Fig. 1 4は 2つの独立したエリア間を移動可能とする実施形態を示す原理図である。 Fig. 1 5は扉で仕切られた 2つのエリア間での移動を可能とする実施形態の縦断面図である。 Fig. 1 6は Fig. 1 5の平面図である。 Fig. 1 7はドア通り抜け機構の一実施形態を示す斜視図である。 Fig. 1 8はドア通り抜け機構の他の実施形態を示す斜視図である。 Fig. 1 9は移動部材のロック機構の一実施形態を示す斜視図である。 Fig. 2 0は本発明の平面移動式懸架装置を地球より重力の低い天体での擬似歩行体験ができるシミュレータに適用した例を示す斜視図である。 Fig. 2 1は同シミュレーシヨン施設で使用する懸架索の一例を示す概略説明図である。 Fig. 2 2は移動部材の更に他の実施形態を示す縦断面図である。

発明を実施するための最良の形態

以下、本発明の構成を図面に示す最良の実施形態に基づいて詳細に説明する。 Fig. 1及び Fig. 2に本発明の平面移動式懸架装置の一実施形態を原理図を用いて説明する。この平面移動式懸架装置は、構築物の天井側に一定の間隔を空けて吊り下げられる複数の固定部材 2と、該固定部材 2の上に引っ掛かるようにして吊り下げられる移動部材 1及ぴ移動部材 1カゝら吊り下げられた懸架索 5とで構成され、固定部材 2のフランジ部 1 0の上に移動部材 1が載置されて隙間 Sを通過する懸架索 5に被移送物 4が吊り下げられて一群の固定部材 2 , …， 2の上を摺動可能とするように設けられている。

固定部材 2は、構築物の天井 1 4から直接あるいは天井や支柱に取り付けられた平坦な面部材 3から支柱 8によって吊り下げられており、移動部材 1を下側から鉛直方向に受け支えるフランジ部 1 0を備えている。このフランジ部 1 0は、水平移動時の移動部材 1の上下動を抑えるためには平坦であることが好ましい。また、移動部材 1の水平移動に際して受ける軌道に関する制約を小さくして自由に移動できるようにするためには、比較的小さくかつ円に近い外周形状であることが好ましい。そこで、本実施形態の場合、固定部材 2と移動部材 1とは共に円盤で構成されている（以下、固定部材を固定円盤と、移動部材を移動円盤とも呼ぶ）。尚、本実施形態では、固定部材 2と移動部材 1とを共に円盤で構成するようにしているが、これに限られるものではなく、矩形状や三角形状、更には五角形状以上の多角形状とすることも可能である。例えば、三角形の固定部材 2の場合でも、交互に逆向きに配置することにより、放射状に延びる通路を組み合わせて相当自由度の高い軌道を形成できる。特に、その形状が軌道を決定する固定部材 2とは異なって、固定部材 2の上を摺動するだけの移動部材 1の場合には、必ずしも移動部材 1と同じ外形状とする必要はなく、様々の外形状をとりうるが、固定部材 2からの脱落を防ぐ上でも対象形状であることが好ましい。

本実施形態の場合には、移動円盤 1と固定円盤 2とはアルミニウム合金で製作されている。この場合、軽量でかつ剛性に優れると共に精度良く製作できるため、小形化できる。また、移動円盤 1と固定円盤 2とはその他の金属で製作されても良いし、場合によっては強化ブラスチックや複合材などで製作されることもある。固定円盤 2と移動円盤 1との対向する面の間には、摩擦を低減し摺動性を高める手段が介在されて移動円盤 1の摺動が滑らかなとものなるように設けられている。本実施形態の場合には、被移送物 4を平面移動させる範囲全域に多数配置される固定円盤 2に対して移動円盤 1の数が極めて少ないことから、移動円盤 1側に摺動性を高める部材、例えばボールベアリング 1 2を配置し、固定円盤 2側を簡潔な構造とするようにしている。この場合には、使用されるボールベアリング 1 2の数が少ないので、コスト的に安価となる。また、摺動性を高める手段としては、ポールベアリング 1 2に限られず、磁石の反発力を利用したり、固定円盤 2と移動円盤 1との互いに接触する面 (以下、摺動面と呼ぶ）を鏡面にして滑らかなものとしたり、テフロン（デュポン社登録商標）のような低摩擦係数材料を使用することができる。テフロンのような低摩擦材料から成る摺動面を採用する場合には、固定円盤 2側の搢動面に微細な孔を無数に開けてその孔から空気を噴出させることにより、移動円盤 1との間に流体層を形成して更に摩擦を低減させるようにすることが好ましい。

一群の固定円盤 2 , · · · , 2は、それらの間を懸架索 5がスムーズに通過しかつ移動部材 1が落下しないような間隔を保つように配置されている。例えば、 Fig. 1に示すように、隣り合う固定円盤 2のフランジ部 1 0同士の間の隙間 Sの幅 L 2が移動部材 1の周縁から懸架索 5の中心までの最小距離（本実施形態では移動円盤 1の半径）に懸架索 5の中心から周縁までの最小距離（円形である本実施形態の懸架索 5の場合には半径）を加えた幅 L 1よりも狭くかつ懸架索 5の最大

(本実施形態では懸架索 5の直径） L 3よりも広い関係（L 1〉L 2 > L 3 ) の隙間を空けて配置される。ここで、固定円盤 2の配置関係は、移動円盤 1が同時に跨る 2つの固定円盤 2の間の隙間 Sの間隔が上述の L 1〉L 2 > L 3の関係に少なくともあれば良く、各々の固定円盤 2の中心を結ぶ線が成す角度 Θが特定の角度である必要はないが、 6 0 ° の関係で配置されることが好ましい。本発明者等の実験.検討の結果、 6 0 ° の配置角度 Θで固定円盤 2を配置したときに最短距離でかつ滑らかに移動方向を変更できるため、動作が最適（スムース）になることが判明した。尚、ここで、固定円盤 2のフランジ部 1 0の間を通過する懸架索 5とは、本実施形態の場合には、円盤状の移動部材 1に吊り下げられるワイヤやロープ等の索状物 7を保持するフック 6を指すが、移動部材 1からフックや口ープなどの索状物 7が直接吊り下げられている場合にはこれら索状物 7を指す。各固定円盤 2は、 Fig. 2に示すように、構造物の天井が各固定円盤 2に負荷される荷重を支持するのに十分な強度を有する場合には直接に取り付けられ、十分な強度を有していない場合には、十分な強度を有する平らな面部材 3に取り付けられてから、更に天井 1 4などに取り付けられて支持される。また、天井 1 4がない開放空間や、天井 1 4の構造が懸架荷重に耐えられる強度がない場合には、 Fig. 8に示すように、格子状の枠 1 8を支柱 1 7で支えたやぐら 2 0の上に、固定円盤 2を上述の配置角度、ピッチで吊り下げた面部材 3を載置するようにしても良いし、 Fig. 2 0に示すように面部材 3をワイヤ 6 3ゃロッドなどで吊り下げるようにしても良い。

固定円盤 2は、本実施形態では、ポルトとナットを利用して支柱 8の下端に固定されているが、場合によっては回転可能に取り付けられることもある。回転可能に取付けた場合には、移動円盤 1が衝突したときに、固定円盤 2が回転することにより、衝突力を受け流して衝撃を更に和らげることができる。

また、固定円盤 2を支える支柱 8には移動円盤 1と衝突したときの衝撃を和らげるためのクッション 9が必要に応じて設けられる。また、移動円盤 1の外周面にも、固定円盤 2の支柱 8と衝突したときの衝撃を和らげるためのクッシヨン 1 3が必要に応じて設けられている。これらクッション 9及び 1 3は、ゴムやエラストマー、ばねなどの弾性体で構成することが容易であるが、場合によってはその他の弾性体や磁石の反発力を利用したものでも実施可能である。例えば、タツシヨン 9とクッション 1 3とを互いに反発する関係の磁石として、磁気反発力で固定円盤 2の支柱 8に移動円盤 1の外周面が衝突するのを避けるようにしても良い。

また、天井 1 4あるいは面部材 3と対向する移動円盤 1の上面は、天井 1 4あるいは面部材 3と近接することが好ましく、より好ましくは摺接させることである。この場合には、移動円盤 1が固定円盤 2の間を通過する際に、上側から押さえられているため移動円盤 1の浮上がなく、移動円盤 1の傾きやがたつきがなくなる。更に、移動円盤 1の上面には図示していないがベアリングを備え、該ベアリングを介して天井あるいは面部材に常時接触するように設ければ、より滑らかに移動できる。

この移動円盤 1には鉛直方向に吊り下げられる懸架索 5を有しており、その懸架索 5に被移送物 4を取り付けることによって、被移送物 4の重量の一部あるいは全部を固定円盤 2側に支持させるようにしている。懸架索 5は、例えば、移動円盤 1に取り付けられたフック 6と該フック 6から吊り下げられたワイヤあるいはロープ 7から構成されている。この懸架索 5の構造は特に図示のものに限られず、被移送物 4に応じて適切なものが使われる。例えば、物品輸送のような場合にはフックとネットが、またリハビリテーションゃ看護のような場合にはクライアントに装着されるハーネスのようなものとそれを支えるロープやフック等である。

尚、図示していないが、移動円盤 1と固定円盤 2の周縁、少なくとも固定円盤 2の周縁は、角取りが施されていることが好ましい。この場合には、移動部材が隣りの固定部材に乗り移る際の動きが滑らかなものとなる。

以上のように構成された水平移動式懸架装置によれば、移動方向が 1つに決められないため、 Fig. 7に示すように複数の移動部材 1を同時に使用可能であり、同一空間内での幾つもの懸架装置による同時輸送を可能とする。

また、 Fig. 9及び Fig. 1 0に移動部材 1の他の実施形態を示す。この移動部材 1は、ボールベアリング 1 2を組み込んだベース組立体 1 1 aと、この上で一定の径方向移動と周方向移動可能に搭載されたクッション 1 3 ' と、面部材 3あるいは天井 1 4に対して接触するボールベアリング 1 5を組み込んだアルミニウム合金製のトップ組立体 1 1 bとから構成されている。クッション 1 3 ' は、環状のプラスチック製インナープッシング 1 3 aと、これを包囲する環状のアルミ二ゥム合金製アウターケース (本体) 1 3 bと、ィンナーブッシング 1 3 aとァゥターケース 1 3 bとの間に放射状に配置された引っ張りばね 1 3 cとによって構成され、放射状に配置された引っ張りばね 1 3 cの釣り合いでプラスチック製ィンナープッシング 1 3 aをラジアル方向に自在に移動可能とすると共に中立位置に常時戻る力を与えている。クッション 1 3 ' は、ベース組立体 1 1 aとトップ組立体 1 1 bとの間にスぺーサ 1 6を介して挟まれ、懸架装置 5を構成するフック 6を兼ねているボルト 6 aとナツト 6 bとから成る締結手段によって連結されて一体化されている。ボルト 6 aは、ベース組立体 1 1 aとトップ組立体 1 1 b とを貫通してこれらを連結する。クッション 1 3 ' のアウターケース 1 3 bは、軸方向に 2つ割りとなる構造とされ、ばね 1 3 cの取付を容易なものとしている。即ち、ィンナープッシング 1 3 aにピン 1 3 dで外側端が取り付けられたばね 1 3 cの内側端を分解された半分のアウターケース 1 3 bにピン 1 3 eを使って取付けてから、残りの半分のアウターケース 1 3 bを組み付けて一体化するように設けられている。ィンぅ "一プッシング 1 3 aとアウターケース 1 3 bとは、インナープッシング 1 3 aの径方向並びに周方向への動きを許容する程度の僅かの間隔を空けて嵌合する関係にある。また、放射状に配置された全てのばね 1 3 cは或る程度引っ張られた状態でブッシング 1 3 aを支持しており、インナーブッシング 1 3 aが固定部材 2の支柱 8に衝突したときに反対側へ移動しながらばね 1 3 cの伸縮で衝撃を吸収すると共にばね 1 3 cの力で自動的に復帰する構造となつている。

このように構成された移動部材 1によると、ィンナーブッシング 1 3 aは、ばね 1 3 cによって支持されて一定範囲内では自在に径方向移動と回転を可能とするため、衝突の衝撃をばね 1 3 cの伸縮による吸収と回転による受け流しによつて緩和することができる。

また、 Fig. 1 1に移動部材 1の更に他の実施形態を示す。この移動部材 1は、ボールベアリング 3 2を組み込んだベース組立体 3 0と、この上で一定の径方向移動と周方向移動可能に搭載されたプラスチック製のインサートプッシング 3 1 と、インサートプッシング 3 1に嵌め込まれたラジアルボールベアリング 3 3 b と、ラジアルボールベアリング 3 3 bの周りを保護するゴムあるいはナイロン製のアウタープッシング 3 3 aと、天井 1 4あるいは面部材 3に対して接触するボールベアリング 3 5を組み込んだアルミニゥム合金製のトップ組立体 2 9とから構成されている。ベース組立体 3 0とインサートプッシング 3 1との間には、ベース組立体 3 0の支柱 3 9の周りに放射状に配置された圧縮ばね 3 4の反発力でィンサートプッシング 3 1を孔 3 6とダボ 3 7とが係合する範囲内でラジアル方向並びに周方向に自在に移動可能としている。そして、インサートプッシング 3 1に嵌め込まれたラジアルポールベアリング 3 3 b並びにアウタープッシング 3 3 aは、ベース組立体 3 0とトップ組立体 2 9との間に一定範囲内で径方向並びに周方向に移動自在に挟まれて懸架装置 5を構成するフック 6と図示していないナツトによって連結され、一体ィ匕されている。ベース組立体 3 0とトップ組立体 2 9とは、ベース組立体 3 0の支柱 3 9の上端面にトップ組立体 2 9が当接することによって、アウタープッシング 3 3 a等の動きを許容する程度の僅かの間隔を空けて連結される。尚、符号 3 8はフック 6の先端のねじ部分が貫通する孔である。この移動部材 1の場合にも、上述の実施形態と同様に、アウターブッシング 3 3 aが固定部材 2の支柱 8に衝突したときに、ラジアルボールベアリング 3 3 bの回転により受け流すと共にインサートプッシング 3 1がばね 3 4を圧縮しながら反対側へ移動することによつて衝撃を吸収することができる。偏心したィンサートプッシング 3 1は圧縮されたばね 3 4の力で自動的に復帰する。

また、 Fig. 2 2に移動部材 1の更に他の実施形態を示す。この移動部材 1は、外周面にポールべァリング 7 3を備えると共に更にその周りを弾力部材から成るアウタープッシング 7 4で覆って、アウタープッシング 7 4の弾力による緩衝性能を付加したものである。即ち、移動部材 1は、固定部材 2のフランジ部 1 0の上を転動するボールベアリング 7 2を組み込んだベース組立体 7 0と、天井 1 4 あるいは面部材 3に対して接触するボールベアリング 3 5を組み込んだトップ組立体 7 1と、ベース組立体 7 0とトップ組立体 7 1とに跨ってそれらの外周面に嵌め込まれるラジアルボールベアリング 7 3と、ラジアルボールベアリング 7 3 の周りを保護するゴムあるいはエラストマ一などのクッション機能を有する弾力部材から成るアウタープッシング 7 4と、ベース組立体 7 0とトップ組立体 7 1 とを貫通してこれらを連結する締結手段 7 6とから構成されている。締結手段 7 6は、ベース組立体 7 0とトツプ組立体 7 1とを貫通するボルト 7 8と、これらを挟持するナツト 7 7とカゝら成り、ボルト 7 8は懸架装置のフック 6を兼ねている。したがって、ラジアルボールベアリング 7 3は、ベース組立体 7 0とトップ組立体 7 1とを合わせる際に、それらの向かい合う端部に設けられた段部 7 9に嵌め込まれてベース組立体 7 0とトップ組立体 7 1 との間に挟まれて一体化されている。この移動部材 1の場合にも、上述の実施形態と同様に、アウタープッシング 7 4が固定部材 2の支柱 8に衝突したときに、ラジアルボールベアリング 7 3の回転により受け流すと共にアウタープッシング 7 4が圧縮変形することによつて衝撃を吸収することができる。

また、以上の実施形態では、 1つのエリア内での水平移動懸架装置について説明したが、 2つ以上の互いに独立したエリアにそれぞれ水平移動懸架装置を設置し、これらを連通路で繋いで異なるエリア間での移動を可能とすることもある。この場合には、連通路では自由な水平移動の必要がなく、ただ移動するだけで、しかも主たる移動方向も定まっているので、このような場合には、製作コストのかかる円盤を多数設けるよりもレールを用いることが経済的であり好適である。例えば、 Fig. 1 4に示すように、 2つの独立したエリア 1 9 A， 1 9 Bの間を結ぶ連通路 2 2では、固定円盤 2の代わりに懸架索 5を通過させる溝 S ' と移動部材 1を支持するフランジ部分 2 4とを有する逆 T形のレール 2 3を構築物の天井部分あるいは天井に相当する部分に備えるようにしても良い。ここで、レール 2 3は、その途中に、退避ないし回避を可能とする領域を設けることが好ましい。例えば、逆 T形の 3本のレール 2 3を用いて懸架索 5が通過する 2本の溝 S ' を並列に形成する場合に、中央のレール 2 3を途中で分断し、並んで形成された 2 本の溝 S ' を途中で交差させて移動部材 1が通過し得るパイパス部 2 5を設け、進路の変更を可能とすることが好ましい。この場合には、移動中のクライアントや物品の衝突を避けて進路を変更したり、 Uターンして元のェリァに戻ることを可能としたりすることができる。しかも、固定円盤 2を使用しないので、コスト削減となる。

更に、本発明の水平移動懸架装置が据え付けられたエリアが独立した空間を構成する場合には、他の空間と仕切られる壁や仕切などに、移動部材が通り抜ける際に開閉可能な扉を備える構造とすることが好ましい。例えば、 Fig. 1 5〜Fig. 1 8に示すように、固定部材 2が多数据え付けられた複数のエリア（スペース）が扉 5 5とその上の仕切壁 5 6によって仕切られている場合には、仕切壁 5 6に移動部材 1が通り抜け可能な開口を設けると共に、その開口部に仕切りを貫通する単一の部材から成る拡張型固定部材 5 0を配置し、その周りを移動部材 1が通過する際には開閉しそれ以外のときには閉じる扉 5 1を設けて移動部材 1が通過するとき以外は塞がれるようすることが好ましい。扉 5 1は、少なくとも懸架索 5が通過する幅の間隔 S ' を空けて配置される拡張型固定部材 5 0のフランジ部 5 2の上方と下方とに分けてそれぞれ開閉自在に設けられている。本実施例の場合、両開き式の扉 5 1が採用されており、仕切壁としても機能するように、可能な限り両扉間の隙間を排するように接近させて配置されることが好ましい。更に、扉 5 1とこれを支持する枠部材 5 4との間には、扉 5 1を常時閉じる方向に付勢する手段、例えば捩りコイルばね（図示省略）のようなものが備えられ、常時閉じる方向に付勢されるように設けられている。ここで、扉 5 1の支持は、拡張型固定部材 5 0に対して直接捩りコイルばねを介して取り付けても良いが、捩りコィばねを内蔵するヒンジ（図示省略）を介して取り付けるようにしても良い。いずれにしても、移動部材 1の移動に伴ってどちらの通過方向にも開き、通常はばねの力で閉じるように設けられている。

尚、本実施形態では、拡張型固定部材 5 0と扉 5 1とこれらを支持する枠部材

5 4とを 1ュニットとして扉 5 5の上の仕切壁 5 6の切り欠きに嵌め込むようにしているが、場合によっては拡張型固定部材 5 0とこれを支持する枠部材 5 4並ぴに拡張型固定部材 5 0を構成するフランジ部 5 2と支持壁 5 3とをそれぞれ別部材として組み合わせるようにしても良い。また、拡張型固定部材 5 0は Fig. 1

7に示すような比較的長尺なフランジ部 5 2を有するものであっても、 Fig. 1 8 に示すように短尺なフランジ部 5 2を有するものであっても良く、適用状況によつて適切な長さのフランジ部 5 2を有するものが使われる。

因みに、部屋と廊下との間のドア 5 5の上の壁 5 6は、構造強度を受け持つような設計とは通常されないため、ドア 5 5の上の壁 5 6を移動部材 1が自由に通過できる構造とするため、当初から開閉可能な扉構造としても、既存の建物の扉の上の仕切り壁を一部壊して扉を開閉可能に設けるように改築しても、建築物としての強度上の問題は無い。一方、廊下では天井から梁のような強度を受け持つ構造物が飛び出していることがある。この場合には、梁を寸断することは好まし ' くないので、固定円盤 2を吊り下げた面部材 3を梁の下を通すように天井から吊り下げたり、支柱で支持することが好ましい。

このように 2つのエリァに跨つて拡張形固定部材 5 0を配置して 2つのエリアの境界部分に開閉可能な扉 5 1を配置する構造の場合には、移動部材 1が出入りする都度、扉 5 1が開閉されて仕切りとしての機能を損なわないため、騒音の侵入や放出、汚染空気の還流や塵埃などの侵入も抑制できる。したがって、病院棟内などにおけるプライバシ一の保護や院内での病原菌の空気感染の危険を減らすことに効果的である。しかも、移動部材 1は壁の制約無しに部屋と部屋の間を自由に移動できるので、 2つ以上の互いに独立したエリアの間での移動部材の連続した自由な移動を可能とする。

更に、移動部材 1には、任意の位置で固定するための移動ロック機構を備えることが好ましい。この移動ロック機構は、懸架索からの被移送物の取り外しや被移送物の懸架索への装着のときに、移動部材の動きをロックするもので、例えば固定部材の間の隙間に割り込むスタツドを上下動させる機構が簡易な構造の一例として挙げられる。この移動ロック機構は、例えば Fig. 1 9に示すように、複数本、好ましくは 3本以上のスタツド 4 1を設けたスタツドプレート 4 2と、該スタッドブレート 4 2を保持して昇降自在に案内すると共に固定プレート 4 7を支持する支持筒 4 6と、前記スタツドプレート 4 2を固定部材 2側へ向けて押し上げるように常時付勢する圧縮ばね 4 3と、圧縮ばね 4 3を受け支える固定プレート 4 7と、スタッドプレート 4 2の上昇を阻止するストッパピン 4 8と、スタツドプレート 4 2を引き下げるのに用いる U形ハンドル 4 4と、ストッパピン 4 8 を通過させる切り欠き 4 5とから成り、通常は圧縮ばね 4 3を縮めてスタツドプレート 4 2を引き下げた状態でスタツドプレート 4 2を回転させてストッパピン 4 8をスタツドプレート 4 2の上に引っかけ、口ック時にはスタッドプレート 4 2を回転させてストツパピン 4 8を切り欠き 4 5に通してばね 4 3の力でスタツドプレート 4 2の上昇を許容するようにしている。尚、本実施形態の場合には、圧縮ばね 4 3の力と人手によって操作されるようにしているが、油圧、空気圧などを利用したァクチユエータあるいは電磁ソレノィドなどのァクチユエ一タを遠隔操作で制御して開閉動作を実現するようにしても良い。符号 5 ' は懸架索 5を構成するフックである。

なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、 Fig. 2 0に示すように、平面移動懸架装置の周りをスクリーン 6 1で囲レ、、そこに宇宙映像を写すことにより地上にて模擬的な宇宙遊泳体験を提供することができる。この平面移動式懸架装置は、固定部材 2を等間隔で全面に吊り下げた面部材 3をワイヤ 6 3で上方に設置し、その固定部材 2に更に引っ掛けられて移動可能な移動部材 1の懸架索 5の途中にばね 6 4を設け、ばね 6 4を介して体験者 4を吊り下げ、例えば火星上における" 地球上の 1 / 3の重力" を体感できるようにすることができる。この施設の場合には、同時に幾人もの人が移動方向を制約されずに他の人と衝突しないように回避しながら独自に行動すること、即ち模擬宇宙歩行体験をすることができる。一群の固定部材 2によって幾通りあるレヽは数十通りの軌道が確保され道筋が決まつていないことから行動が自由となり、平面上のどこへでも行ける。

ここで、懸架索 5に設けられたばね 6 4は、そのばね定数を可変とすることが好ましい。この場合には、懸架索 5によって補助できる力を変えることができるので、吊り下げられる人が感じる重力などを変化させ得る。また、この装置を医学的リハビリテーションに用いる場合には、リハビリテーションの程度に応じて捕助する重量を変化させうるので、患者の回復状況に応じた適切なリハビリテーションが行える。ばね定数の可変機構としては、例えば Fig. 2 1に示すような、浮力調整機構 6 5を用いることができる。この浮力調整機構 6 5は、ラチニットホイール逆転防止機構を有する卷き上げドラム 6 7と、荷重モニター 7 2からの制御により正逆回転駆動され巻き上げドラム 6 7を回転させて懸架索 5のワイヤ 7を卷き上げたり緩めたりするモータ 6 6と、体験者 4を弾性支持するばね 6 4 と、体験者 4にかかる浮力を測定するロードセル 6 9若しくは秤 6 8とから構成されている。この浮力調整機構 6 5は、荷重モニター 7 2を監視している係員 7 6による図示していないソレノィドの操作により、巻き上げドラム 6 7のラチェットホイール逆転防止機構を開放した状態でモータ 6 6を駆動してワイヤ 7を卷き上げることにより、ばね 6 4の伸び量を調整できるので、ばね 6 4若しくはゴムを介して体験者 4の身体に装着されたハーネス ·ジャケットに連繋されたワイャ 7を巻き上げて体験者 4の身体を吊り上げ、地球より低い重力の天体の Gを体感できるようにしている。この浮力調整機構 6 5のモータ 6 6及びロードセル 6 9は、荷重モニター 7 2並びに電源 7 1に対して初期調整時のみコネクタ 7 3を介して接続され、所定の Gが体験できるように設定される。尚、符号 7 4は電源ケーブル、 7 5は信号ケーブルである。

また、本実施形態では、 1つの移動部材に 1本の懸架索を備えた例を挙げて主に説明したが、これに特に限定されるものではなく、 2以上の移動部材に対して 1つの懸架索あるいは複数の懸架索を備えて、同じ動きをするように設けるようにしても良い。例えば、 Fig. 1 2に示すような三角形の固定側部材 2 6を用いたり、 Fig. 1 3に示すような四角形の固定側部材 2 6を用いたりすることが可能である。この場合には、同じ構造の移動部材 1を用いて設計耐荷重を増加することができるし、万が一移動部材 1の 1つが固定部材 2から脱落した場合でも、懸架装置全体の落下を防ぐことができる。この場合、移動部材 1同士の間隔は必ずしも均等に配置することは必要なく、必要に応じて間隔を設定するようにしても良レ、

Claims

請求の範囲

1 . 被移送物を平面移動させる領域の構築物の天井あるいは前記天井や支柱に取り付けられて支持される面部材に吊り下げられる複数の固定部材と、前記被移送物を吊り下げる懸架索を有する移動部材とを備え、前記固定部材は前記移動部材を下側から鉛直方向に受け支えるフランジ部を有すると共に隣り合う前記固定部材の前記フランジ部同士が前記移動部材の周縁から前記懸架索の中心までの最小距離に前記懸架索の中心から周縁までの最小距離を加えた幅よりも狭くかつ前記懸架索の最大幅よりも広い隙間を空けて配置され、前記固定部材の前記フランジ部の上に前記移動部材が載置されて前記隙間を通過する前記懸架索に前記被移送物が吊り下げられて一群の前記固定部材の上を摺動可能とすることを特徴とする平面移動式懸架装置。

2 . 前記移動部材は前記固定部材のフランジ部と接触する面にベアリングを有することを特徴とする請求の範囲第 1項記載の平面移動式懸架装置。

3 . '前記移動部材の前記天井あるいは面部材と対向する面は、前記天井あるいは面部材と搢接することを特徴とする請求の範囲第 1項記載の平面移動式懸架装

4 . 前記移動部材の前記天井あるいは面部材と対向する面にはベアリングを備え、該ベアリングを介して前記天井あるいは面部材に常時接触していることを特徴とする請求の範囲第 3項に記載の平面移動式懸架装置。

5 . 前記移動部材の外周面にはベアリングを備えていることを特徴とする請求の範囲第 1項記載の平面移動式懸架装置。

6 . 前記ベアリングの外周面は弾力部材で覆われていることを特徴とする請求の範囲第 5項記載の平面移動式懸架装置。

7 . 前記ベアリングは環状のプラスチック製プッシングと該プッシングを覆い懸架索を取り付けるベアリング本体と、前記プッシングと前記べァリング本体とを連結する放射状に配置された複数の引っ張りばねとから成り、前記引っ張りばねの釣り合いが保たれるところで前記プラスチック製ブッシングを保持し、前記プラスチック製ブッシングに支柱が衝突したときに、前記プラスチック製ブッシングを回転させかつ前記引っ張りばねを伸縮させて前記衝撃力を吸収 ·緩和させることを特徴とする請求の範囲第 5項記載の平面移動式懸架装置。

8 . 前記固定部材及ぴ前記移動部材は円板であることを特徴とする請求の範囲第 1項記載の平面移動式懸架装置。

9 . 前記固定部材は各固定部材の中心を結ぶ線が成す角度が 6 0 ° となる関係で配置されていることを特徴とする請求の範囲第 8項記載の平面移動式懸架装置。

1 0 . 前記固定部材並びに移動部材は回転可能であることを特徴とする請求の範囲第 1項記載の平面移動式懸架装置。

1 1 . 前記移動部材並びに固定部材の周縁には角取りが施されていることを特徴する請求の範囲第 1項記載の平面移動式懸架装置。

1 2 . 前記移動部材の懸架索には、伸縮可能な弾性体を備えることを特徴とする請求の範囲第 1項記載の平面式移動式懸架装置。

1 3 . 前記懸架索には前記弾性体の伸びを調整可能とする浮力調整機構を有することを特徴とする請求の範囲第 1 2項記載の平面移動式懸架装置。

1 4 . 前記固定部材が多数据え付けられたエリアが複数あり、それら複数のェリァを区切る仕切りに前記移動部材が通り抜け可能な開口を設けると共に、その開口部に前記仕切りを貫通する単一の部材から成る拡張型固定部材を配置し、各拡張型固定部材の間には前記移動部材が通過する際には開閉し、それ以外のときには閉じる扉が設けられていることを特徴とする請求の範囲第 1項記載の平面移

1 5 . 前記固定部材が多数据え付けられた 2つ以上の互いに独立したエリアの間に、前記移動部材を支持するフランジ部分を有するレールを複数本並べて前記移動部材の懸架索を通過させる溝を設けた連通路を構成し、該連通路で前記複数のェリァを繋いで異なるエリァ間での前記移動部材の移動を可能とすることを特徴とする請求の範囲第 1項記載の平面移動式懸架装置。

1 6 . 前記連通路は、少なくとも 2本の前記溝を並列に設け、 2本の前記溝の間の前記レールを途中で分断し、並んで形成された少なくとも 2本の前記溝を途中で交差させて前記移動部材が通過し得るバイパス部を少なくとも 1力所設け、該バイパス部で進路の変更を可能とすることを特徴とする請求の範囲第 1 5項記載の平面移動式懸架装置。