WO2003081501A1

WO2003081501A1 - Dispositif de gestion d'actifs, procede de gestion d'actifs et procede de contrat de livraison de gestion d'actifs

Info

Publication number: WO2003081501A1
Application number: PCT/JP2003/003475
Authority: WO
Inventors: Ryo Kubo; Masami Iwai; Yasuhiro Kano; Hiroyuki Inubushi; Mariko Nishimura; Yasushi Uchida
Original assignee: Kabushiki Kaisha Toshiba
Priority date: 2002-03-27
Filing date: 2003-03-20
Publication date: 2003-10-02
Also published as: EP1489543A4; US20050044477A1; AU2003221192B2; EP1489543A1; AU2003221192A1; TW200304603A; TWI248005B; CA2480305A1; JP2003288474A

Description

明細書

資産管理装置、資産管理方法、資産管理委託契約方法技術分野

本発明は、資産の運用管理やそのサポートのために利用される資産管理装置、資産管理方法、資産管理委託契約方法に関する。資産とは、各種産業で使用されたり一般消費者に提供されたりする、素材、製品、エネルギー等を生産する生産設備などである。

背景技術

図 1 4 は発電設備などの資産を資産所有者により運用するための従来の資産運用モデルを示す図である。

資産所有者 1 は、設備 2 の生産物を販売することにより利益を得る。

そのために、資産所有者 1 は、製品を製造するための生産設備 2 等への投資、設備 2 の運転（ 3 ) 、メンテナンス ( 4 ) 、予備品の管理（ 5 ) 、工事、原料 · 燃料の調達 ( 6 ) 、保険（ 6 ) 、需要予測（ 7 ) 、運転計画（ 1 ) 、生産物の販売（ 6 ) 、納税等の行政対応（ 7 ) 、地域 * コミュ二ティーとの関係調整等を、それぞれ資産所有者 1 自身、運転担当者 3 、メンテナンス管理者 4 、予備品管理者 5 、市場 · 取引相手の情報機器 6 、官公庁 · 企業 7 、人材管理者 8 を通して行う必要がある。

したがって、当該資産の運営 · 管理を行うためには、資産所有者 1 は、以上の各々（ 2 〜 8 ) に関して知識 · 経験 · ノゥハウを持った人材を雇用（ 8 ) する必要がある。図 1 4 において、設備 2 の運転担当者 3 、人材管理者 8 、メンテナンス管理者 4 、予備品管理者 5 の各々と、資産所有者（管理者） 1 とを結ぶ破線は、人材の雇用関係を示している。

近年、 I T技術の進歩に伴う経済活動の変化や地域間でポ一ダーレスになることによる地域内での経済状況の変化が急激になってきたことを受けて、企業の変化もそれにあわせて俊敏に行われる必要がある。そして、この様な企業では経済状況の変化に俊敏に対応するために保有資産を軽減することが一般化している。昨今、生産設備を持たずに開発設計、販売のみを手がけて生産活動を外部委託するファブレス企業や生産材である航空機をリースで調達し運用する航空会社などは、いずれも保有資産減らしの例である。

しかしながら、生産に必要な規模が大きく、またその設備が他への転用が難しい産業においては、生産設備そのものを外部に依存することは難しい。このような産業においては、資産を自ら保有せざるを得ない。そして、このような産業においては、生産設備そのものを圧縮することは難しく、他の方法で保有資産や固定費を圧縮することが必要である。

このような産業としては、鉄鋼や化学品製造業、電力ゃガス供給等の巨大装置産業が典型的な例である。巨大装置産業の設備投資額は巨額となることが一般的であり、設備の効率的な運用が製品製造価格を低減するのに不可欠である。

一方、最近の企業経営においては、保有設備の圧縮に加えて企業内の人的リソースの削減 · 適正化が大きな課題であるしかしながら、製品の品質、納期を適正に保ったまま人的リソースを削減することは容易でない。

このような背景下で近年、設備の運用そのものを外部委託することが始まっている。つまり、設備のオーナ（所有者）は、外部企業または個人に対し自らの設備を使わせて製品の製造を委託し、人的リソースやそれに関わる設備を最小化して広い意味での資産の圧縮を図っている。

設備のオーナは、委託費用を請負企業に支払う。委託費用の支払い額は運用成果に応じて変わる契約となることも少なくない。

すなわち、設備のオーナは、運用成果に応じて対価を支払うことで請負企業側の改善モチベ一ションとすることを意図している。

しかしながら、運用委託を受けた請負企業が運用成果を上げるために、オーナ所有物である設備を必要以上に酷使したり、必要な保守を怠ったりして目先の利益を追求することがある。つまり、被運用委託側（請負企業）が追求する短期的利益と運用委託側であるオーナ（所有者）が追求する中長期的利益とは相反する。この結果、請負企業側の改善モチベ一シヨンがうまく機能しないという問題があった。

発明の開示

本発明の目的は、短期的利益と中長期的利益が相反しない運用成果を評価し、効率よく資産設備を運用することである資産管理装置は、管理対象設備を含む資産の運用及び管理により得られた過去の利益の実績値を計算する過去利益計算処理部と、前記管理対象設備を含む資産の運用及び管理により得られる将来の利益の予測値を計算する予測利益計算処理部と、前記管理対象設備を含む資産の固定資産価値を計算する資産価値計算処理部と、前記過去利益計算処理部により計算された過去の利益および前記予測利益計算処理部により計算された将来の利益および前記資産価値計算処理部により計算された固定資産価値に基づき、過去から将来に渡る一定期間の経営評価値を計算する評価値計算処理部とを備える。

この資産管理装置によれば、利益実績計算処理部によって管理対象設備を含む資産の運用及び管理により得られた過去の利益の実績値を計算する。予測利益計算処理部によって、同資産の運用及び管理により得られる将来の利益の予測値を計算する。資産価値計算処理部によって、当該資産の固定資産価値を計算する。計算した過去の利益および将来の利益ならびに固定資産価値に基づき、評価値計算処理部によって、過去から将来に渡る一定期間の経営評価値を計算する。中長期的利益をも視野に入れて経営評価できる。

資産管理委託契約方法は、前記資産管理装置を用いて、資産所有者が資産管理者に当該資産の管理を委託する。

この資産管理委託契約方法によれば、資産管理装置によつて中長期的利益をも視野に入れて経営評価できるので、資産所有者が追求する中長期的利益と資産管理者が追求する短期的利益とが相反しない資産運用ができる。

図面の簡単な説明

図 1 は本発明の一実施例に係る資産管理装置 1 1 を用いた設備資産運用システムの全体構成を示すブロック図。図 2 は前記資産管理装置 1 1 のサーバ装置 1 2 に資産デー夕 Aとして入力される運転データ d 1 の構成を示す図。

図 3 Aは前記資産管理装置 1 1 のサーバ装置 1 2 に資産デ一夕 Aとして入力されるメンテナンスデータ d 3 の構成を示す図。

図 3 Bは前記資産管理装置 1 1 のサーバ装置 1 2 に資産デ一夕 Aとして入力される人材デ一夕 d 2 の構成を示す図。

図 4 Aは前記資産管理装置 1 1 のサーバ装置 1 2 に入力される取引データ Cの構成を示す図。

図 4 Bは前記資産管理装置 1 1 のサーバ装置 1 2 に入力される外部データ B の構成を示す図。

図 4 Cは前記資産管理装置 1 1 のサーバ装置 1 2 に入力される資産データ Aとしての諸管理データ d 4 の構成を示す図図 5 は前記資産管理装置 1 1 のサーバ装置 1 2 において実行されるデータ処理を示すフローチヤ一卜。

図 6 は前記資産管理装置 1 1 におけるサーバ装置 1 2 のデ一夕処理部 1 6 において求められる経営評価係数 Xの構成を示す図。

図 7 は前記資産管理装置 1 1 による経営評価係数 Xの計算処理に伴い初期設定される資産設備の経営評価期間における利益の推移をグラフにして示す図。

図 8 Aは前記資産管理装置 1 1 により管理される発電資産設備による電力売却売上（将来予測売上 S ) とこの売上に占める予測発電コスト B の構成を示す図。

図 8 Bは前記資産管理装置 1 1 により管理される発電資産設備による電力売却売上（過去の売上 S ' ) とこの売上に占める発電コスト B ' の構成を示す図。

図 9 は前記資産管理装置 1 1 の管理対象となる資産設備全般の過去から将来に渡る固定資産評価 Vの変化曲線（効率変化曲線に比例）を示す図。

図 1 0 は前記資産管理装置 1 1 による過去から将来の設定評価期間での経営評価係数 Xに基づき生成された運転計画デ一夕をグラフにして示す図。

図 1 1 は前記資産管理装置 1 1 におけるデータ入力部 1 4 の表示画面に表示出力された経営評価係数 Xのパラメ一夕設定ポ夕ンを示す図。

図 1 2 は前記資産管理装置 1 1 における経営評価係数の算出に伴い経営指針を決定し運用管理を行うためのパラメ一夕設定手順を示す図。

図 1 3 は本発明の実施形態に係る資産管理装置 1 1 を用いて資産所有者 1 が外部の資産管理者 1 0 へ資産設備の運用および管理を委託した場合の設備資産運用システムの全体構成を示すブロック図。

図 1 4 は発電設備などの資産を資産所有者により運用するための従来の資産運用モデルを示す図。

発明を実施するための最良の形態

以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。

図 1 は、本発明の一実施例に係る資産管理装置 1 1 を用いた設備資産運用システムの全体構成を示すブロック図である資産管理装置による資産管理の対象となる設備資産としては、発電機およびその付帯設備、薬品や工業製品等の製造装置、水処理装置等、さまざまな産業の生産設備が挙げられるこの一実施例では、発電設備を資産とした場合について説明する。

[資産管理装置の構成]

資産管理装置 1 1 は、資産運用の評価処理を行うサーバ装置 1 2 を中心に備える。また、資産管理装置 1 1 は、資産運用の評価結果を表示出力するための複数のクライアント 1〜 n にそれぞれ対応したクライアント装置 1 3 1〜 1 3 n を備える。サーバ装置 1 2 のデータ入力部 1 4 には、発電設備 2 0 の運転管理システム 2 1 、人材管理システム 2 2、メンテナンスシステム 2 3 、諸管理システム 2 4、官公庁 · 企業サーバ 2 5 、市場 · 取引相手情報機器 2 6 から各種のデータが入力される。また、サーバ装置 1 2 のデータ出力部 1 5からは、各クラィァント装置 1 3 1〜 1 3 11、運転管理システム 2 1 、メンテナンスシステム 2 3 、市場 · 取引相手情報機器 2 6 に対して各種のデータが出力される。

資産管理装置 1 1 は、資産評価処理を行うためのサーバ装置 1 2 内において、前記データ入力部 1 4 とデータ出力部 1 5 との間にデータ処理部 1 6 を有する。このデータ処理部 1 6 は、前記データ入力部 1 4 により入力したデータを基に資産評価処理を行う。

このサーバ装置 1 2での資産評価処理に基づく評価結果を表示するためのクライアント装置 1 3 1〜 1 3 n は、サーバ装置 1 2 からの評価結果データを入力するデータ入力部 1 7 とそのデータを出力するデータ出力部 1 8 、およびデ一夕表示装置 1 9 とから構成される。このクライアント装置 1 3 1 〜 1 3 n のデ一夕表示装置 1 9 としては、 C R Tディスプレィ 1 9 a、プリン夕 1 9 bなどがある。

なお、クライアント装置 1 3 1 〜 1 3 η は、外部のコンビユー夕端末であっても良い。つまり外部のコンピュータ端末を各クライアント装置 1 3 1 〜 1 3 η として使用可能とするこれにより、通信ネットワークへの接続手段がある場所であれば、当該資産管理装置 1 1 による資産評価処理及びその評価結果データをどこからでも利用することができる。

[入出力データの概要]

当該資産管理装置 1 1 のデータ入力部 1 4へ入力される各種のデータとしては、資産データ A、外部データ B、取引デ一夕 Cがある。

資産データ Aは、当該電力設備資産の資産所有者が所有する資産に関するデータである。この資産データ Aは、運転管理システム 2 1 から送信される運転データ d l 、人材管理システム 2 2 から送信される人材データ d 2 、メンテナンスシステム 2 3 から送信されるメンテナンスデ一夕 d 3 、諸管理システム 2 4から送信される諸（予備品）管理データ d 4から構成される。

外部データ B は、官公庁，企業サーバ 2 5 によって送信される。この外部データ B としては、政府が発行する法人企業統計等の経済予測に関するデータ、税制等の行政が発行するデータ、気象情報、地域 ' コミュニティー情報等が挙げられる。

取引データ Cは、市場取引により決定されるデータである , この取引データ C としては、生産物取引情報、原料取引情報燃料取引情報、地球温暖化ガスや環境汚染物質の排出権の取引情報、保険情報、銀行取引情報等がある。各情報（取引デ一夕 C ) は、それぞれ対応する市場 · 取引相手の情報機器 2 6 から送信され当該資産管理装置 1 1 のサーバ装置 1 2 に入力される。

なお、本一実施例において、前記資産管理装置 1 1 のサーバ装置 1 2 に入力される各種のデ一夕は、そのそれぞれのデ一夕を管理するシステム ( 2 1 , 2 2 ， 2 3 , 2 4 ) 、市場および取引相手のサーバ等の情報機器（ 2 5 ， 2 6 ) からィンターネットのような有線 Z無線の公衆回線または専用回線を通じて自動入力または手入力される。入力データが書籍等の刊行物で与えられる場合は、手入力であれば、ネットヮークを介在しない状態、すなわちスタンドアローンでの入力となる。

図 2 は前記資産管理装置 1 1 のサーバ装置 1 2 に資産デー夕 Aとして入力される運転デ一夕 d 1 の構成を示す図である図 3 は前記資産管理装置 1 1 のサーバ装置 1 2 に資産デ一夕 Aとして入力されるメンテナンスデータ d 3 及び人材デー夕 d 2 の構成を示す図である。

図 4 は前記資産管理装置 1 1 のサーバ装置 1 2 に入力される取引データ C及び外部データ B及び資産データ Aとしての諸管理データ d 4それぞれの構成を示す図である。

資産データ Aのうち、運転デ一夕 d l は、運転管理システム 2 1 による電力設備 2 0 に対する運転操作情報及びそのフイードバック情報に基づき入力される。この運転デ一夕 d 1 は、例えば図 2 に示すような発電電力量の時間推移データとして入力される。

人材データ d 2 は、人材管理システム 2 2 による当該資産設備全体の作業者を対象とする人材管理情報に基づき入力される。この人材データ d 2 は、例えば図 3 B に示すように、各人の時間あたりの単価、勤務時間、および単価 X勤務時間により算出される人件費から構成される。

メンテナンスデータ d 3 は、メンテナンスシステム 2 3 により管理されて入力される。このメンテナンスデータ d 3 は例えば図 3 Aに示すように、発電設備 2 0 を構成する各機器の名称とメンテナンス時の費用と発電効率係数とを対応付けて構成される。発電効率係数は当該機器を交換した場合における従来の発電効率からの偏差を示す。例えば、電磁弁 Aを交換したときの費用は 2 万円であり、発電効率が従来の 1. 0 2倍になる'ことを示している。

取引データ Cは、例えば図 4 Aに示すように、発電された電気（電力）の売却取引や燃料の購入取引などに基づき、そのそれぞれの市場 · 取引相手の情報機器（サーバなど） 2 6 から入力される。この取引データ Cは、過去から将来に渡るその時々の単位あたりの発電電気（電力）売却価格、燃料の価格、地球温暖化ガスや環境汚染物質の排出権価格等から構成される。

外部データ Bは、各対応する官公庁 · 企業のサーバ 2 5 から入力される。この外部データ Bは、例えば図 4 Bに示すように、過去から将来に渡るその時々の天候、気温、湿度の実測値、予報値から構成される。

そして、資産管理装置 1 1 のサーバ装置 1 2 は、前記運転管理システム 2 1 、人材管理システム 2 2 、メンテナンスシステム 2 3 、諸管理システム 2 4から入力される資産データ A、及び官公庁 · 企業サーバ 2 5 から入力される外部データ B、市場 · 取引相手の情報機器 2 6 から入力される取引デー夕 Cに基づき、過去から将来に渡る後述の経営評価係数 Xを計算出力する。そしてサーバ装置 1 2 は、最適な経営評価係数 Xに応じた発電設備 2 0 の運転計画情報をデータ出力部 1 5 の表示画面で表示すると共に、運転管理システム 2 1 に送信する。またサーバ装置 1 2 は、運転計画の実行に要する商取引指令を市場 · 取引相手の情報機器 2 6 に送信し、同運転計画の実行に要するメンテナンス計画情報をメンテナンスシステム 2 3 に送信する。

次に、前記構成の設備資産運用システムにおける資産管理装置の動作について説明する。

図 5 は前記資産管理装置 1 1 のサーバ装置 1 2 において実行されるデータ処理を示すフローチヤ一卜である。

まず、前記資産管理装置 1 1 のサーバ装置 1 2 において実行されるデータ処理の概略について説明する。

はじめにサーバ装置 1 2 のデータ入力部 1 4 において、資産データ A、外部データ B、取引データ C の入力処理が実行される（ステップ S 1 ) 。

すると、サーバ装置 1 1 のデータ処理部 1 6 において、後述にその詳細を説明する経営評価係数 Xが計算される（ステップ S 2 ) 。

この経営評価係数 Xの計算結果データは、データ出力部 1 5 から各クライアント装置 1 3 …に出力ざれる。クライアント装置 1 3 …のデ一夕入力部 1 7 から入力された経営評価係数 Xの計算結果データは、デ一夕出力部 1 8 を経て、デイスプレイ 1 9 aやプリン夕 1 9 b等の出力装置 1 9 に出力される（ステップ S 3 ) 。

経営評価係数 Xは、経営評価の対象となる資産設備の評価を行う期間や予測値などの条件を変えることにより変化する資産設備の管理者は、様々な条件に基づく入力データ（ A， B , C ) に応じて計算させたそれぞれの評価係数 Xを比較検討して当該資産設備の運用経営に最も適切な結果データを得る。つまり資産設備の管理者は、資産評価係数 Xに基づき資産設備の運用方針決定する (ステップ S 4 ) 。そして、選択決定された経営評価係数 Xが得られる各入力データ（ A， B C ) の条件に基づき、発電設備 2 0 の運転計画情報が運転管理システム 2 1 に出力される（ステップ S 5 a ) 。これと共に、当該運転計画の実行に必要な燃料の調達、発電電気（電力）の売却などといった商取引指令が、市場 · 取引相手の情報機器（サーバ） 2 6 へ出力される（ステップ S 5 b ) 。また、同運転計画の実行に必要なメンテナンス計画情報が、メンテナンスシステム 2 3 へ出力される（ステップ S 5 c ) 。この場合、市場 · 取引相手の情報機器（サーバ） 2 6 に対する商取引指令は、電話，文書，イン夕一ネットのような有線または無線の公衆回線，専用回線を介して直接通知されるまた、当該資産管理装置 1 1 への入力デ一夕（ A， B , C ) に基づき計算され選択決定された経営評価係数 Xに基づく発電設備 2 0 の運転計画情報は、人手，文書，インターネッ卜のような有線または無線の公衆回線，専用回線を通じて運転管理システム 2 1 へ出力される。この運転管理システム 2 1 に入力された運転計画情報は、操作制御信号として発電設備 2 0 の運転に反映される。なお、運転管理システム 2 1 がない場合には、運転計画情報は人手により発電設備 2 0 の運転操作に反映される。

前記発電設備 2 0 の運転計画情報は、データ出力部 1 5 の表示画面で表示され、また、各クライアント装置 1 3 …や運転管理システム 2 1 で表示される。

[データ処理部 1 6 (経営評価方法） ]

次に、サーバ装置 1 2 のデータ入力部 1 4 において入力された各種データ（A , B , C ) を用いて、データ処理部 1 6 において経営評価係数 Xを計算する処理について詳細に説明する。

従来の経営評価は、該当会計期利益（過去の利益の和）を計算することによりを行っていた。本発明の一実施例における経営評価では、従来からある「過去の利益の和」に加えて「将来予測利益の和」および「評価期間前後の固定資産価値の変化」の三点をパラメ一夕とした経営評価係数 Xを計算することにより行うものである。

図 6 は前記資産管理装置 1 1 におけるサーバ装置 1 2 のデ一夕処理部 1 6 において求められる経営評価係数 Xの構成を示す図である。

資産管理装置 1 1 のサーバ装置 1 2 により計算される経営評価係数 Xは、図 6 に示すように、設定評価期間における「過去の利益の和」と、「将来予測利益の和」と、「評価期間前後の固定資産価値の差」とにより構成される。

(評価対象期間の設定処理部：ステップ S 2 a )

はじめに経営評価の対象となる期間を設定する。起算時期としては設備導入といった過去のある時期あるいは現在を設定する。評価の終了時期としては設備寿命あるいは経営計画のマイルストーンといった未来のある時期を設定する。

この評価期間は、会計期毎等の短い間隔でその都度新規に設定しても良いし、常に同一の期間を対象として設定しても良い。また、複数の期間を設定して各々の評価結果を加重平均することで、経営評価係数 Xを得る方法もある。したがつて、この評価期間は、時間毎、日毎、月毎、会計期毎といつた単位期間に分解される。

図 7 は前記資産管理装置 1 1 による経営評価係数 Xの計算処理に伴い初期設定される資産設備の経営評価期間における利益の推移をグラフにして示す図である。

評価期間は、時間毎、日毎、月毎、会計期毎といった単位期間 i に分解され、起算期は c 、当期を k、最終期を nで示す。

(過去の利益の和の計算処理部：ステップ S 2 b ) 第 1 のパラメ一夕である過去の利益の和は、図 7 に示すよつ

c ' P c+1 ， 1 c+2 P ,，の和であり、次式 1 で表される。

た一 1

∑s，式 1 ここで、 P i ' は、単位期間 i の利益を示し、次式 2 で表される。

…式 2

ここで、 S は、単位期間 i の売上、 B i ' は単位期間 i の発電コス卜を示す。

したがって、過去の利益 P i ' の和は、売上 S i ' の和と発電コスト B i' の和の差であり、次式 3 で表される。

k-\ k-l k-1

∑S' =∑s ∑ 式 3

i=c 売上 S i' は、電力単価 M i' と発電量 W i' から、次式 4 により求められる。

s ϋ .' 式 4

電力単価 M i' は、取引データ C にて入力されており、図 4 Aに示すように、（ k — c ) 時間においては、 2 0 0 0 0 円 Z KW h となっている。発電量 W i ' は、運転デ一夕 d l の起動カーブから算出でき、図 2 に示すように、 5 0 0 (M W) X ( k - c ) (時間） = 5 0 0 ( k — c ) MWとなる。したがって、売上 S i ' の和は 10000000 ( k - c ) 円となる。

図 8 は前記資産管理装置 1 1 により管理される発電資産設備による電力売却売上とこの売上に占める発電コス卜の構成を示す図である。図 8 Aは将来予測売上 S とその予測発電コスト B を示す図。図 8 Bは過去の売上 S ' とその発電コスト B ' の構成を示す図である。

発電コスト B i' は、図 8 に示すように、燃料費、排出権費、メンテナンス費、人件費、および諸経費から構成される燃料費は、燃料使用量と燃料単価をかけることにより算出される。燃料使用量は、運転データ d 1 (図 2 参照）の燃料使用量カーブに基づき入力される。燃料単価は、取引データ (図 4 A参照）に基づき入力される。この例では燃料単価が 1 0 0 0 円 Zリットル、燃料使用量は 1 0 0 (リットル）であり、これにより燃料費は、 1 0 0 0 円 X 1 0 0 ( リットル） X ( k - c ) (時間） = 100000 ( k _ c ) 円となる。

排出権費は、温暖化ガス · 汚染物質の排出量と排出権単価をかけることにより算出される。温暖化ガス · 汚染物質の排出量は、運転データ d 1 (図 2参照）の排出量カーブに基づき入力される。排出権単価は、取引データ（図 4 A参照）に基づき入力される。この例では排出権単価が 1 1 0 0 円 Z C t o n (炭素トン）、温暖化ガス · 汚染物質の排出量が 1 (リットル）であり、これにより排出権費は、 1 1 0 0 円 X 1 (リットル） X ( k — c ) (時間） = 1100 ( k _ c ) 円となるメンテナンス費は、メンテナンスデータ d 3 (図 3 A参照）から算出される。この例では、（ k 一 c ) 時間においては、電磁弁 A、流量計 Bが交換されている。電磁弁 Aのメンテナンス費用は 20000 円であり、流量計 Bのメンテナンス費用は 50000 円である。したがって、メンテナンス費用は 70000 円となる。

人件費は、人員毎の単価 X作業時間から算出される。人員毎の単価は、人材デ一夕 d 2 (図 3 B参照）により入力される。作業時間は、運転データ d 1 (図 2参照）の作業者リス卜により入力される。この例では、（ k 一 c ) 時間においては、オペレータ A、オペレータ Bおよび監督者 Aの 3 人が作業にあたり、各人員の単価は、 5000 円、 6000 円、 10000 円である。したがって、人件費は、 21000 ( k - c ) 円となる，諸経費は、諸管理データ d 4 (図 4 C参照）により入力され、この例では、（ k — c ) 時間においては、 1 0 0 0 円 Z 時間であることから、 1000 ( k — c ) 円となる。

以上により、発電コスト B i' の和は、燃料費、排出権費 . メンテナンス費、人件費、および諸経費を合計して、 70000 + 123100 ( k - c ) 円となる。そして、売上 S i ' は 10000000 ( k - c ) 円であることから、 9876900 ( k - c ) - 70000 円が過去の利益の和となる。

(将来予測利益の和の計算処理部：ステップ S 2 c ) 経営評価係数 Xを求めるための、第 2 のパラメ一夕である将来予測利益の和は、図 7 に示すように、 P _k， P _k+1， P _k+2, …， P _nの和であり、次式 5 で表される。式 5 ここで、 P i は単位期間 i の予測利益で、図 8 Aに示すような将来予測売上 S の構成からなり、次式 6 で表される。

P_t = S_t - Bi …式 6

ここで、 S i は予測売上、 B i は予測発電コストを示す。予測売上 S i は次式 7 で表される。

Si = …式 7

ここで、 W i は発電量、 M i は単位発電量当たりの販売価格である。 W i は次式 8 で表される。

Wi =

…式 8

ここで、 A i は設備の稼働率、 φ i は生産効率、 Gは単位燃料当たり理論上期待される発電量、 F i は原料の量を示す例えば本一実施例において説明する発電設備 2 0 において電力を生産する場合には、 A i は発電プラントの稼働率、 φ i は発電プラン卜の発電効率、 Gは単位燃料量当たりの発熱量 F i は燃料量を示す。

予測発電量 W i を求める前記式 8 において、 Gおよび F i はプラント毎に固有の値である。

予測発電量 W i は、気象情報と過去の運転データから、需要を予測することにより算出する。気象情報は、外部データ B (図 4 B参照）として入力される将来予測の天候、気温、湿度のデータを使用する。また、過去の運転データ d l (図 2 参照）から当該将来予測期間と同じ季節の発電量 W i ' を求める。そして、この過去の同じ季節の発電量 W i ' に、将来予測されている天候、気温、湿度のデ一夕との偏差を加味して予測発電量 W i を算出する。なお、需要予測には、外部データ B として得られる季節関連のデ一夕以外にも、電力需要に影響を与えるイベントや企業のミクロの財務分析、日本企業全体や製造業等で大分類したマクロの財務分析などを加味してもよい。また、需要予測には、電力需要を予測する電力需要予測装置（図示せず）の算出結果を用いてもよい。

発電効率 Φ i は、年々低下していくのが一般的であるが、オーバホールや改良などのメンテナンスによりアップする場合もある。発電効率の実績値は、図 3 Aに示すようなメンテナンスデータ d 3 から得ることができる。この発電効率実績値に基づいて、プラントの起動 · 停止回数、部分負荷運転、過負荷運転、局所の温度 · 圧力 · ひずみといった運転デ一夕 d 1 を取得する。またメンテナンスデ一夕 d 3 として得られる運転記録や毎日繰り返される保守作業や定期点検等のメンテナンス記録および実績値の外揷等の影響との関連から発電効率 i の予想曲線を作成する。なお、同型や類似型の発電設備 2 0 の実績値に基づいて発電効率 φ i の予想曲線を作成する方法もある。

図 9 は前記資産管理装置 1 1 の管理対象となる資産設備全般の過去から将来に渡る固定資産評価 Vの変化曲線（効率変化曲線に比例）を示す図である。

この固定資産評価 Vの変化曲線（効率変化曲線に比例）では、時間（ c + 1 ) 及び（ c + 2 ) において電磁弁 Aの交換と流量計 Bの交換というメンテナンス（図 3 A参照）を実施した。このため、その各メンテナンス時点において発電効率が「 1 . 0 2 」アップし、これに伴い資産評価もアップしている。

このような固定資産評価 Vの変化曲線（効率変化曲線に比例）に基づいた将来予想曲線から、発電効率 φ i の予測値が求められ、前記式 8 に基づき発電設備 2 0 の稼働率予測値 A i が算出される。そして、この算出された稼働率予測値 A i から、図 2 に示すような発電プラン卜 2 0 の予測起動カーブをはじめとする予測運転データが得られる。

この予測運転データに基づいて、前記過去の利益の和の計算 (ステップ S 2 b ) にて発電コスト B i ' を計算した手順と同様に、燃料費、人件費、排出権費、諸経費、メンテナンス費を算出する。それぞれの費用の将来の単価については、現在の単価に経済成長の予測率をもりこんで算出する。

以上の手順により発電コスト予測値 B i が算出され、前記式 5 〜式 7 に従い将来予測利益の和が計算される。

(固定資産価値の計算処理部：ステップ S 2 d )

第 3 のパラメータである評価期間前後の固定資産価値の変化 Vは、評価開始時の固定資産価値を V c 、評価期間終了時の固定資産を V n とすると次式 9 で表される。

V = V n - V c …式 9

一方、固定資産価値 V c は、発電設備が発電可能な発電量 Wと固定資産評価係数 t から算出される。

したがって、発電設備の寿命を m時とすると、 c 時の固定資産価値 V c は次式 1 0 で表される。 Vc = t W_i …式 1 0 発電量 W i や寿命 mは、前記図 9 で示したように、メンテナンスを行うことで変化する。

図 9 に示す固定資産評価 Vの変化曲線（効率変化曲線に比例）において、 c + 1 時、 c + 2 時に設備の改修（メンテナンス）を行うと、発電効率がアップし、寿命 mが延びる。これにより、資産価値 V i は一時的にアップする。

(経営評価係数 Xの計算処理部：ステツプ S 2 e ) 以上の「過去利益 P i ' の和」と「将来予測利益 P i の和」と「評価期間前後の固定資産価値 V n — V c 」の三つのパラメ一夕を用いて経営評価を行うために、以下のような経営評価係数 X (図 6 参照）を導入する。

ここで、 Xはパラメ一タ①、 ②、 ③の関数であるから、 X ( P ' , P , V n - V c ) の形で表され、代表的には次式 1 1 の形態となる。式

そして、次式 1 2 に示すように、「過去利益 P i ' の和」「将来予測利益 P i の和」「評価期間前後の固定資産価値 V n — V c 」である右辺の各項にそれぞれ係数「ひ」「 j3 」「ァ」をかけると、経営者（資産所有者あるいは資産管理者）の方針に従って各パラメ一夕の重み付けが行える。

X_k = α^Ρ,'+βΤ Ρ, + r(V_n -V_c) …式 1 2

i'k 例えば、経営者が短期利益を重視する場合には、上式 1 2 において αパラメ一夕を大きくとる。長期利益を重視する場合には上式 1 2 において ]3 、了のパラメータを大きくとる。これにより経営の方針が各パラメ一夕に反映できる。

当期 kの利益を重視する場合には、 Xを次式 1 3 ように定義し、 δ を大きく取ってやることで経営の方針を反映できる，

1

X_k = Ρ_ί'+ β∑Ρ_ί + _Y(V_n - V_c) + dP_k …式 1 3 以上のように与えられる経営評価係数 Xを最大化することにより、最適な経営指針が得られる。

そして、経営者（資産所有者あるいは資産管理者）の方針に従った各パラメ一夕の重み付けに応じて経営評価係数が計算されたときの予測利益（ P i = S i - B i (式 6 ) ) から予測売上 S i の目標値が得られる。この予測売上 S i の計算式（ S i = M i W i (式 7 ) ) から逆算した発電量 W i を目標値とした場合の運転実績デ一夕（ d 1 ) に基づいて、発電設備 2 0 を目標に合わせて運転操作するための運転計画情報が生成され運転管理システム 2 1 へ出力される。

これと共に、前記運転計画情報に基づいた発電設備 2 0 の運転に連動させて、生産物である電気を市場へ売却したり、燃料を調達したりするための商取引指令が、各指令に対応する市場 · 取引相手の情報機器（サーバ） 2 6 へ出力される。

なお、前記経営指針に応じて重み付けされた経営評価係数 Xに基づき各予測値を目標値として生成された運転計画情報は、評価期間における単位期間あたりの生産物の量（発電量）として得られる。この運転計画情報は例えば図 1 0 に示すような発電設備運転計画のグラフあるいは表としてデータ出力部 1 5から出力され各部の表示画面で表示される。

図 1 0 は前記資産管理装置 1 1 による過去から将来の設定評価期間での経営評価係数 Xに基づき生成された運転計画デ一夕をグラフにして示す図である。

ここで、経営者（資産所有者あるいは資産管理者）の指針に従った各重み付けパラメータ， β , r , (5 を経営評価係数 Xの算出に伴い設定操作する。すると、この重み付けパラメータ， β , τ , δ の各重みの設定に応じて異なる経営評価係数 Xが算出される。すると、この経営評価係数 Xに基づく各予測値を目標値として生成された運転計画情報も当該重み付けパラメ一夕の設定に応じて変化する。このため、図 1 0で示したような運転計画データも、前記経営指針の重み付けに応じてそのカーブが変化する。

したがって、経営者（資産所有者あるいは資産管理者）は自身の経営指針に応じた経営評価係数 Xに基づく運転計画をビジュアルで確認することができ、より最適な資産設備の運用方針を決定することができる。

ここで、前記経営評価係数 Xに対する重み付けパラメ一夕 , β , ァ，（5 の設定入力に応じて、各対応する運転計画のビジュアル表示を行い、所望の運転計画（運用方針）を決定して資産設備（ 2 0 ) の運用管理を実行する実施手順について説明する。

図 1 1 は前記資産管理装置 1 1 におけるデータ入力部 1 4 の表示画面に表示出力された経営評価係数 Xのパラメ一夕設定ポタンを示す図である。

図 1 2 は前記資産管理装置 1 1 における経営評価係数の算出に伴い経営指針を決定し運用管理を行うためのパラメ一夕設定手順を示す図である。

すなわち、経営者（資産所有者あるいは資産管理者）が短期利益を重視する場合、長期利益を重視する場合、当期利益を重視する場合の何れかに応じて、図 1 1 に示すような経営評価係数 Xのパラメ一夕設定ポタンを「過去」「将来」「現在」の §盛りに従い任意の重み付け位置に移動操作する。このパラメ一夕設定ポタンの移動操作により、各パラメ一夕 α β , 了， δ の値を変更入力する（ステップ A 1 ) 。この変更入力の都度、各パラメ一夕 α， β , r , <5 の設定値に応じた経営評価係数 Xが算出され、これに対応して運転計画データ (図 1 0 参照）のグラフ · 表がデータ出力部 1 5 の表示画面にて変更表示される（ステップ Α 2 ) 。

例えば過去の利益を重視する場合は、他のパラメ一夕に比ベ αの比重を大きくし、同様に現在，将来の利益を重視するに伴い、 <5， j3 の比重を大きくしていく。

そして、希望の経営方針に合致した経営評価係数 Xによる運転計画デ一夕が表示されて決定操作されると（ステップ A 3 ) 、この決定時点での各パラメ一夕 α， β ， r , δ の設定値が記憶される（ステップ A 4 ) 。これにより、決定経営方針に従った経営評価係数 Xを目標とする運転計画情報が運転管理システム 2 1 へ出力される。これと共に、その運転計画情報に基づいた発電設備 2 0 の運転に連動させて、生産物である電気を市場へ売却したり、燃料を調達したりするための商取引指令が、各対応する市場 · 取引相手の情報機器（サーバ） 2 6 へ出力される。そして、設備 2 0 の運用管理に移行される（ステップ A 5 ) 。

したがって、前記構成の資産管理装置 1 1 によれば、購入価格が高く、納入までの期間が長く、また寿命が長いといつた特徴を持つ設備の運転が利益の源泉である場合でも、単一会計期の利益が経営評価材料の大きな部分を占めることなく当該設備の特性を反映した長期的な利益を目的とする経営指針を決定して設備を運用管理することができる。

また、ひ， β , r , δ のパラメ一夕を、式 1 3 の条件で変化させ、各条件下での X _kに対して、次式の各値が占める割合を比較する。 α∑Ρ- , β∑Ρ, , Y(V_n - V_c) , dP_k これにより、当期 k の利益 P _k、といった各評価項目が経営評価係数 X _kへどの程度貢献しているかを評価してから、 a , β , γ , δ のパラメータを決定することもできる。短期利益

さらに、 α ， β , r , δ のパラメータは異なる評価項目の重み付けであることから、下記のように相関関係を表し、下式の条件で変化させる。

+ β + γ + δ = 1 各条件下での X _kに対して、次式の各値が占める割合を比較することもできる。

"∑ '， β∑ , Y(V_n - V_c) , 5P_k

i=c i=k+l なお、前記一実施例における経営評価係数 Xの算出処理においては、市場 · 取引相手の情報機器（サーバ） 2 6 から入力される取引データ Cである発電気（生産物） · 原料，燃料等の売買価格は、何れも時価の取引価格である。このため、取引データ Cは景気等の外的要因の影響を内包する。この取引データ C を平均取引価格として取得し、実際の取引価格との差あるいは比をとることで、当該取引価格の外的要因による影響を排除することができる。また、市場の取引高を同様に基準として用いることで、需要に関する外的要因を排除するようにしてもよい。

また、前記一実施例では、資産所有者 =資産管理者の形態として、資産設備の経営評価を行いその運用方針を決定する場合について説明した。次の [運用委託契約] において説明するように、資産所有者が資産設備の運用および管理を外部の資産管理者へ委託する契約形態とし、前記同様の資産管理装置 1 1 を利用する構成としてもよい。

[運用委託契約]

図 1 3 は本発明の一実施例に係る資産管理装置 1 1 を用いて資産所有者 1 が外部の資産管理者 1 0へ資産設備の運用および管理を委託した場合の設備資産運用システムの全体構成を示すプロック図である。この場合、資産管理者 1 0 が前記実施例における資産管理装置 1 1 を用いて設備資産の運用 · 管理を行う。この資産管理装置 1 1 により経営評価係数 Xを算出しその運用方針を決定する。この運用方針の決定段階において、短期利益を重視する資産管理者 1 0 と長期利益を重視する資産所有者 1 との間で経営評価係数 Xに対する重み付けパラメ一夕 α， β , r δ を設定入力して所望の運転計画（運用方針）を決定する。

これによれば、資産所有者 1 が外部の資産管理者 1 0 に当該資産設備の運用 · 管理を委託した場合でも、中長期的な資産評価が可能となり、資産所有者 1 から資産管理者 1 0 への報酬に反映することができる。このため、資産管理者 1 0 が追求する短期的利益と運用委託側である資産所有者 1 が追求する中長期的利益が相反することなく、資産設備を有効に運用することができる。

すなわち、当該資産設備は資産所有者 1 に帰属し、資産所有者 1 は当該資産設備のすべてあるいは一部の運営 · 管理を外部の資産管理者 1 0 に委託する。

このような委託契約を実施した場合、資産所有者 1 と資産管理者 1 0 の間で、その資産管理方法に関して適切な評価方法が必要となる。例えば資産所有者 1 が資産管理者 1 0 に契約期間中の利益が最大となるように資産の運営 · 管理を委託する。すると、資産管理者 1 0 は設備を過負荷運転して利益を大きくしょうとする。このとき、資産管理者 1 0 は設備寿命を著しく消費し、本来であれば契約期間後も期待できた利益を大幅に減少させることになる。そこで、前記実施例の資産管理装置 1 1 による経営評価係数 Xの算出に基づき、資産所有者 1 と資産管理者 1 0 の間でその運用方針を決定する。これにより、資産所有者 1 がその本来の目的を反映して、資産の運営 · 管理を資産管理者 1 0 に委託することが可能となる。

例えば図 7 に示すように、資産所有者 1 と資産管理者 1 0 が A年の資産管理委託契約を結ぶとき、資産所有者 1 は契約条件として評価期間 B を指定する。資産所有者 1 が資産管理者 1 0 に支払う報酬を評価期間 B に対する経営評価係数 Xに基づいて決定すると、資産管理者 1 0 は契約期間 Aの利益よりも評価期間 Bの利益を考慮して資産管理を行うようになるここで、経営評価係数 Xに基づく報酬額の決定処理について説明する。

まず、あらかじめ経営評価係数 Xに関係なく、資産管理業務に対する対価 Qを定める。そして、資産所有者 1 と資産管理者 1 0 の間で資産管理委託契約が結ばれる直前の会計期 o について経営評価係数 X o を求める。このとき、資産管理者 1 0 に支払われる会計期 kの報酬 R k を次式 1 4で定義することにより、経営評価係数 Xに基づく報酬額の決定が可能となる。

R_k = ^-Q …式 1 4

A. なお、この場合、前記経営評価係数 X o は単会計期だけでなく複数会計期を基準としてもよい。また、会計期毎に X k が著しく変動するといつた特性を持つ場合には、次式 1 5 に示すように、緩和係数 λ を与えて経営評価係数 X o に基づく報酬額の決定処理を行うようにしてもよい。

= λ Q …式 1 5

X。なお、本願発明は、前記各実施例に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施例に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が組み合わされても、発明が解決しょうとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。

産業上の利用可能性

資産管理装置は、電力生産設備等の資産設備の運用管理やそのサボ一卜のために利用される。資産管理装置は、短期的利益と中長期的利益が相反しない運用成果を評価し、効率よく資産設備を運用する。

Claims

請求の範囲

1 . 管理対象設備（20)を含む資産の運用及び管理により得られた過去の利益の実績値を計算する過去利益計算処理部 (16:S2b) と、

前記管理対象設備（20)を含む資産の運用及び管理により得られる将来の利益の予測値を計算する予測利益計算処理部 (16:S2c) と、

前記管理対象設備（20)を含む資産の固定資産価値を計算する資産価値計算処理部（16: S2d) と、

前記過去利益計算処理部（16 :S2b)により計算された過去の利益および前記予測利益計算処理部（16:S2c)により計算された将来の利益および前記資産価値計算処理部（16 :S2d)により計算された固定資産価値に基づき、過去から将来に渡る一定期間の経営評価値を計算する評価値計算処理部（16:S2e) と、を備えた資産管理装置（11)。

2 . 請求項 1 に記載の資産管理装置（11)であって、

前記過去利益計算処理部（16: S2b)は、前記設備による生産物の売却益とその生産コス卜の実績値を入力する入力処理部 (14)を備え、この入力処理部（14)により入力された生産物の売却益から生産コス卜を減算して過去の利益の実績値を計算し、

前記予測利益計算処理部（16 :S2c)は、前記設備（20)の稼働率，生産効率に基づく理論上の生産物生産量と単位生産量あたりの生産物販売価格とにより算出される予測売却益から、前記理論上の生産物生産量に要する予測生産コストを減算して将来の利益の予測値を計算し、

前記資産価値計算処理部（16: S2d)は、前記設備（20)による生産可能な生産物生産量と当該設備（20)の寿命に基づき固定資産価値を計算し、

前記評価値計算処理部（16: S2e)は、過去から将来に渡る任意設定の評価対象一定期間における前記過去の利益の実績値と前記将来の利益の予測値と前記固定資産価値とを加算して経営評価値を計算する。

3 . 請求項 2 に記載の資産管理装置（11)であって、

前記評価値計算処理部（16: S2e)は、短期利益に基づき経営評価を行う場合と長期利益に基づき経営評価を行う場合とで前記過去の利益と将来の利益と固定資産価値とのそれぞれに異なる重み付けのパラメ一夕（α， β , ァ）を設定して経営評価値を計算する。

4. 請求項 1 に記載の資産管理装置（11)であって、さらに、前記評価値計算処理部（16 :S2e)により計算された一定期間の経営評価値に基づいて当該一定期間における前記設備（20) の運転デ一夕を出力するデータ出力部（15)を備えた。

5 . 請求項 2 に記載の資産管理装置（11)であって、さらに、前記評価値計算処理部（16 :S2e)により計算された一定期間の経営評価値に基づいて当該一定期間における前記設備（20) の運転データを出力するデータ出力部（15)を備えた。

6 . 請求項 3 に記載の資産管理装置（11)であって、さらに、前記評価値計算処理部（16: S2e)により計算された一定期間の経営評価値に基づいて当該一定期間における前記設備（20) の運転データを出力するデータ出力部（15)を備えた。

7 . 請求項 4 に記載の資産管理装置であって、

前記データ出力部（15)は、前記評価値計算処理部（16 :S2e) により計算された一定期間の経営評価値に含まれる過去の利益と将来の利益とに基づき逆算される前記設備（20)の生産物生産量を目標値とする運転実績データを用いて当該設備（20 の運転データを出力する。

8 . 請求項 5 に記載の資産管理装置であって、

9 . 請求項 6 に記載の資産管理装置であって、

1 0 . 管理対象設備（20)を含む資産の運用及び管理により得られた過去の利益の実績値を計算し（S2b)、

前記管理対象設備（20)を含む資産の運用及び管理により得られる将来の利益の予測値を計算し（S2c)、

前記管理対象設備（20)を含む資産の固定資産価値を計算し (S2d)、前記計算された過去の利益（S2b)および前記計算された将来の利益（S2c)ならびに前記計算された固定資産価値（S2d)に基づき、過去から将来に渡る一定期間の経営評価値を計算する（S2e)、

資産管理方法。

1 1 . 請求項 1 0 に記載の資産管理方法であって、

前記過去の利益の実績値は、前記設備（20)による生産物の売却益とその生産コストの実績値を入力し、この入力された生産物の売却益から生産コストを減算して計算し（S2b) 、

前記将来の利益の予測値は、前記設備（20)の稼働率，生産効率に基づく理論上の生産物生産量と単位生産量あたりの生産物販売価格とにより算出される予測売却益から、前記理論上の生産物生産量に要する予測生産コス卜を減算して計算し (S2c)、

前記資産の固定資産価値は、前記設備（20)による生産可能な生産物生産量と当該設備の寿命に基づき計算し（S 2d)、

前記経営評価値は、過去から将来に渡る任意設定の評価対象一定期間における前記過去の利益の実績値と前記将来の利益の予測値と前記固定資産価値とを加算して計算する（S2e)

1 2 . 請求項 1 1 に記載の資産管理方法であって、

前記経営評価値（S2e)は、短期利益に基づき経営評価を行う場合と長期利益に基づき経営評価を行う場合とで前記過去の利益と将来の利益と固定資産価値とのそれぞれに異なる重み付けのパラメータ（ひ， β , ァ）を設定して計算する。

1 3 . 請求項 1 0 に記載の資産管理方法であって、前記計算された一定期間の経営評価値（S2e) に基づいて当該一定期間における前記設備の運転データを出力する（S5a)

1 4. 請求項 1 1 に記載の資産管理方法であって、

前記計算された一定期間の経営評価値（S2e)に基づいて当該一定期間における前記設備の運転データを出力する（S5a)

1 5 . 請求項 1 2 に記載の資産管理方法であって、

前記計算された一定期間の経営評価値（S2e) に基づいて当該一定期間における前記設備の運転データを出力する（S5a)

1 6 . 請求項 1 3 に記載の資産管理方法であって、

前記運転データの出力（S5a) は、前記計算された一定期間の経営評価値（S2e)に含まれる過去の利益と将来の利益とに基づき逆算される前記設備（20)の生産物生産量を目標値とする運転実績データを用いて行う。

1 7 . 請求項 1 4 に記載の資産管理方法であって、

前記運転デ一夕の出力（S5a)は、前記計算された一定期間の経営評価値（S2e)に含まれる過去の利益と将来の利益とに基づき逆算される前記設備（20)の生産物生産量を目標値とする運転実績データを用いて行う。

1 8 . 請求項 1 5 に記載の資産管理方法であって、

前記運転データの出力（S5a)は、前記計算された一定期間の経営評価値（S2e)に含まれる過去の利益と将来の利益とに基づき逆算される前記設備（20)の生産物生産量を目標値とする運転実績データを用いて行う。

1 9 . 請求項 1 に記載の資産管理装置（11)を用いて、資産所有者（1)が資産管理者（10) に当該資産の管理を委託する資産管理委託契約方法。

2 0 . 請求項 1 9 に記載の資産管理委託契約方法であって、前記資産管理装置（11)の評価値計算処理部（16: S2e)により計算された経営評価値に基づいて前記資産管理者（ 10)の報酬を決定する。

2 1 . 請求項 1 0 に記載の資産管理方法を用いて、資産所有者（1)が資産管理者（10) に当該資産の管理を委託する資産管理委託契約方法。

2 2 . 請求項 2 1 に記載の資産管理委託契約方法であって、前記資産管理方法にて計算された経営評価値（S2e)に基づいて前記資産管理者（10)の報酬を決定する。