JP7245939B2 - 取引支援装置、取引支援方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本開示は、取引支援装置、取引支援方法及びプログラムに関する。
発電設備を有する自家発電事業者は、自らが使用する電力を予測し、予測に基づいて発電を行う。実際の需要が予想を上回った場合には、小売電気事業者から不足分の電力を購入して補い、需要が予想を下回った場合には、市場に売却や蓄電池に蓄電するなどして余剰電力を活用する。特許文献1には、自家発電事業者が、発電量予測及び消費電力予測から余剰電力が生じる時間帯の予測および通知を行い、蓄電池への蓄電だけでは対応しきれなくなった余剰電力の消費を需要家等へ促す技術が開示されている。
特開2019-4546号公報
自家発電事業者が発電した余剰電力を小売電気事業者などが買い取って需要家や市場に販売する等、余剰電力の活用がすすめば、自家発電事業者と小売電気事業者の双方にとって有益である。そのためには、まず、自家発電事業者が発電した余剰電力の取引に関して、自家発電事業者と小売電気事業者の間の契約条件を適切に設定する必要がある。
本開示は、上記課題を解決することができる取引支援装置、取引支援方法及びプログラムを提供する。
本開示の取引支援装置は、1つ又は複数の自家発電事業者が発電する余剰電力の取引を支援する取引支援装置であって、前記自家発電事業者が発電する単位時間ごとの余剰電力の予測値を取得する手段と、前記自家発電事業者と取引事業者との間の前記余剰電力の取引単価を取得する手段と、前記自家発電事業者と前記取引事業者との間で取引する所定の単位契約期間ごとの前記余剰電力を設定する手段と、前記設定された余剰電力の取引金額を算出する手段と、前記単位契約期間ごとに、取得された前記単位時間ごとの前記余剰電力の予測値の分布を計算する手段と、前記単位時間ごとの前記余剰電力の取引に係る1つ又は複数の外部リスクの予測値又は実績値を取得する手段と、前記単位契約期間ごとに、取得された前記単位時間ごとの1つ又は複数の前記外部リスクの予測値又は実績値の分布を計算する手段と、前記単位契約期間ごとに、前記余剰電力の予測値の分布に基づいて、当該単位契約期間における前記余剰電力の安定性を評価する手段と、前記単位契約期間ごとに、1つ又は複数の前記外部リスクの予測値又は実績値の分布に基づいて、当該単位契約期間における1つ又は複数の前記外部リスクの安定性を評価する手段と、同一の前記単位契約期間ごとの前記余剰電力の前記安定性および1つ又は複数の前記外部リスクの前記安定性に基づいて、前記単位契約期間を、前記余剰電力および1又は複数の前記外部リスクの各々が安定か又は不安定かに応じてできる、前記余剰電力および1又は複数の前記外部リスクの前記安定性に関する全ての組合せの何れかに分類する手段と、前記単位契約期間ごとに前記分類した結果を出力する手段と、を備える。
本開示の取引支援方法は、1つ又は複数の自家発電事業者が発電する余剰電力の取引を支援するコンピュータが行う取引支援方法であって、前記自家発電事業者が発電する単位時間ごとの余剰電力の予測値を取得するステップと、前記自家発電事業者と取引事業者との間の前記余剰電力の取引単価を取得するステップと、前記単位契約期間ごとに、取得された前記単位時間ごとの前記余剰電力の予測値の分布を計算するステップと、前記単位時間ごとの前記余剰電力の取引に係る1つ又は複数の外部リスクの予測値又は実績値を取得するステップと、前記単位契約期間ごとに、取得された前記単位時間ごとの1つ又は複数の前記外部リスクの予測値又は実績値の分布を計算するステップと、前記単位契約期間ごとに、前記余剰電力の予測値の分布に基づいて、当該単位契約期間における前記余剰電力の安定性を評価するステップと、前記単位契約期間ごとに、1つ又は複数の前記外部リスクの予測値又は実績値の分布に基づいて、当該単位契約期間における1つ又は複数の前記外部リスクの安定性を評価するステップと、同一の前記単位契約期間ごとの前記余剰電力の前記安定性および1つ又は複数の前記外部リスクの前記安定性に基づいて、前記単位契約期間を、前記余剰電力および1又は複数の前記外部リスクの各々が安定か又は不安定かに応じてできる、前記余剰電力および1又は複数の前記外部リスクの前記安定性に関する全ての組合せの何れかに分類するステップと、前記単位契約期間ごとに前記分類した結果を出力するステップと、出力された前記結果に基づいて、前記自家発電事業者と前記取引事業者との間で取引する所定の単位契約期間ごとの前記余剰電力を設定するステップと、出力された前記結果に基づいて、前記設定された余剰電力の取引金額を算出するステップと、を有する。
本開示のプログラムは、コンピュータに、1つ又は複数の自家発電事業者が発電する余剰電力の取引を支援する処理であって、前記自家発電事業者が発電する単位時間ごとの余剰電力の予測値を取得するステップと、前記自家発電事業者と取引事業者との間の前記余剰電力の取引単価を取得するステップと、前記単位契約期間ごとに、取得された前記単位時間ごとの前記余剰電力の予測値の分布を計算するステップと、前記単位時間ごとの前記余剰電力の取引に係る1つ又は複数の外部リスクの予測値又は実績値を取得するステップと、前記単位契約期間ごとに、取得された前記単位時間ごとの1つ又は複数の前記外部リスクの予測値又は実績値の分布を計算するステップと、前記単位契約期間ごとに、前記余剰電力の予測値の分布に基づいて、当該単位契約期間における前記余剰電力の安定性を評価するステップと、前記単位契約期間ごとに、1つ又は複数の前記外部リスクの予測値又は実績値の分布に基づいて、当該単位契約期間における1つ又は複数の前記外部リスクの安定性を評価するステップと、同一の前記単位契約期間ごとの前記余剰電力の前記安定性および1つ又は複数の前記外部リスクの前記安定性に基づいて、前記単位契約期間を、前記余剰電力および1又は複数の前記外部リスクの各々が安定か又は不安定かに応じてできる、前記余剰電力および1又は複数の前記外部リスクの前記安定性に関する全ての組合せの何れかに分類するステップと、前記単位契約期間ごとに前記分類した結果を出力するステップと、出力された前記結果に基づいて、前記自家発電事業者と前記取引事業者との間で取引する所定の単位契約期間ごとの前記余剰電力を設定するステップと、出力された前記結果に基づいて、前記設定された余剰電力の取引金額を算出するステップと、を有する処理を実行させる。
上述の取引支援装置、取引支援方法及びプログラムによれば、余剰電力取引の契約条件の設定を効率的に行うことができる。
実施形態に係る余剰電力取引支援システムの一例を示す図である。 従来の余剰電力の扱いについて説明する図である。 実施形態に係る余剰電力の取引について説明する第1の図である。 実施形態に係る余剰電力の取引について説明する第2の図である。 実施形態に係る余剰電力取引のシミュレーション処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る余剰電力取引のシミュレーション処理の一例を示す図である。 実施形態に係る余剰電力取引におけるリスク分析処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る余剰電力の調達リスク分析の一例について説明する図である。 実施形態に係る外部リスク分析の一例について説明する図である。 実施形態に係る契約条件の設定手法の一例を示す図である。 実施形態に係るシミュレーション結果の一例を示す図である。 実施形態に係る余剰電力の販売方法の算出処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る電力活用のための処理の一例を示すフローチャートである。 実施形態に係る取引支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
以下、本開示の余剰電力の取引支援方法について、図1~図12を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
(余剰電力取引支援システムの全体構成)
図1は、実施形態に係る余剰電力取引支援システムの一例を示す図である。図1に示す余剰電力取引支援システム100は、1つ又は複数の自家発電事業者1と、小売電気事業者2と、によって構成される。
自家発電事業者1は、発電設備を有する発電事業者である。自家発電事業者1は、基本的には、自家消費やオンサイトでの消費などで消費する電力を発電設備によって発電するが、本実施形態では、発電した電力の余剰分(余剰電力と呼ぶ。)を活用することが可能となる。
小売電気事業者2は、他に電力を供給する目的で発電を行う一般発電事業者から電力を調達し、需要家へ電力の供給を行う。さらに本実施形態では、小売電気事業者2は、一般発電事業者が発電した電力に加え、自家発電事業者1から余剰電力を購入し、これらを需要家などへ供給する。なお、小売電気事業者2は、自家発電事業者1から購入した余剰電力を需要家へ販売するほか、電力市場(卸電力市場)や需給調整市場、容量市場などで販売することもできる。小売電気事業者2は複数存在してもよい。小売電気事業者2は、自家発電事業者1と小売電気事業者2の電力取引を仲介するリソースアグリゲータの役割を兼ねることもできる。
従来の自家発電事業者1と小売電気事業者2は、自家発電事業者1が自分で発電した電力だけでは足りないときに、小売電気事業者2から不足する電力(不足電力と呼ぶ。)を購入するといった関係であることが多かったが、本実施形態では、自家発電事業者1が発電した余剰電力を積極的に取引することにより、小売電気事業者2は自家発電事業者1から余剰電力を調達して売電し、自家発電事業者1で電力が不足すると、自家発電事業者1へ電力を販売するといった取引関係が成立する。小売電気事業者2は、どれぐらいの余剰電力を見込んで自家発電事業者1が発電を行えばよいか、小売電気事業者2は調達した余剰電力をどのように売ればよいかといったことを、取引支援装置10を用いて計算および検討する。図1に示すように、小売電気事業者2は、取引支援装置10を有している。取引支援装置10の機能・構成については、後述する。
(余剰電力取引の考え方)
次に自家発電事業者1が発電した余剰電力の取引について、図2A~2Cを用いて説明する。
図2Aは、従来の余剰電力の扱いについて説明する図である。図2Aのグラフの縦軸は電力(kW)、横軸は時間を示す。図2Aのグラフ21は、自家発電事業者1における発電の予測を示し、グラフ22は、自家発電事業者1における電力需要の予測を示す。自家発電事業者1は、未来の所定期間における電力の需要予測を行って、発電の予測値に追従する電力を発電するように発電設備の運転を行う。発電予測通りに発電を行ったとすると、グラフ21がグラフ22を上回った期間では余剰電力が発生し、グラフ22がグラフ21を上回った期間(例えば、6/1の前後の期間)では電力不足が発生する。電力不足が発生すると、自家発電事業者1は、小売電気事業者2から電力を購入する。従来、図2Aの例のように年間のうちのわずかな期間でしか電力を購入しない場合でも、購入した電力のピークに合わせた基本料金で小売電気事業者2と年間契約を結ばなければならないことが多く、その反面、自家発電事業者1の余剰電力を小売電気事業者2などが扱う方法は存在しなかった。例えば、余剰電力は、外販するとしても市場価格の変動リスクが伴うため、安定した収益源として活用することが難しかった。つまり、自家発電事業者1にとっては、余剰電力は製造コストであって、なるべく切り詰めるべき対象として認識されていた。その結果、自家消費やオンサイトでの消費などによる電力の需要予測を精度よく行い、予測した需要に追従する運転を行うことで余剰電力の発生を抑制していた。しかし、電力需要に追従させるように自家発電設備の運転を行うことは手間がかかり負担になっていた。これらの課題に対し、本実施形態では、余剰電力取引支援システム100によって、余剰電力の安定的な取引を実現することで、自家発電事業者1における余剰電力の収益化と負荷追従(電力需要追従)運転からの開放を図る。次に図2Bを用いて、余剰電力の収益化と、負荷追従運転からの開放を図る方法について説明する。
図2Bは、実施形態に係る余剰電力の取引について説明する第1の図である。図2Bのグラフの縦軸は電力(kW)、横軸は時間を示す。図2Bのグラフ23は、自家発電事業者1における発電の予測を示し、グラフ24は、自家消費やオンサイトでの消費などによる電力の需要予測を示す。グラフ23を参照すると、図2Aのグラフ21と異なり、電力需要予測に追従しておらず、出力は、電力需要予測を上回る値に設定されて略一定となっている。これにより、自家発電事業者1の運用負担は低減する。また、電力需要の予測と発電予測に従って実際に発電した電力の差のうちの不足分については、従来通り、小売電気事業者2から電力を購入するが、余剰分については小売電気事業者2と契約して、小売電気事業者2へ契約した価格で販売する。これにより、自家発電事業者1は、価格変動リスクを回避しつつ、余剰電力を安定的に収益化することができる。なお、不足分の電力の購入については、余剰電力の販売価格と相殺し、差額を清算するような契約を行ってもよい。余剰電力を販売することで、自家発電事業者1にとって、余剰電力は製造コストではなくなり、収益源となる。自家発電事業者1は、自家消費やオンサイトでの消費などによる電力需要と、気象状況や設備状況によって変化する発電設備の最大出力とを予測することによって、余剰電力を高精度に予測する。余剰電力を高精度に予測することができれば、小売電気事業者2との余剰電力の売買におけるリスクを低減することができる。また、発電設備の運転計画を予測した最大出力に沿ってなるべく一定に保つことで、余剰電力を増加させつつ運転負荷を軽減し、収益を増大させることができる。このように安定的に余剰電力を発生させてこれを取引対象とすることで、自家発電事業者1にとっては、余剰電力が収益源となり、発電設備の運転効率を高め、運転の負担を低減することができる。
次に図2Cを用いて、余剰電力取引における小売電気事業者2のリスクを低減する方法について説明する。図2Cは、実施形態に係る余剰電力の取引について説明する第2の図である。図2Cは、図2Bのグラフにグラフ25を追加した図である。グラフ25は、自家発電事業者1から小売電気事業者2へ供給することを契約した電力(契約電力と呼ぶ。)の推移を示す。図2Bを参照して説明したように、発電設備をその時々の運転条件に応じて一定出力で運転し、余剰電力を販売することで、自家発電事業者1にとってはメリットが得られる。しかし、それだけでは、小売電気事業者2にとって、次のような課題が残る。即ち、余剰電力量の変動が大きいので調達リスクが大きい。契約基準が単一の単価では、契約期間中の調達予想と実績から生じる収益変動が大きい。予想が外れた場合(例えば、余剰電力が発生すると予測していたにもかかわらず、自家発電事業者1で電力不足が発生した場合など)、需要家への供給計画が達成できないリスクがある。これに対し、本実施形態では、余剰電力の高精度な予測ができる事を前提として、契約期間を月次に設定し、電力需要予測および最大出力予測に基づき契約期間ごとに契約電力を設定する。さらに余剰電力の単価については時間帯、繁忙期等を考慮し、期間ごとに柔軟に設定することで上記のリスクを低減する。例えば、契約期間を月単位とすることで、調達リスクや予測が外れるリスクを月単位で調整することができる。また、単価についても例えば月単位でそのときの電力価格に合わせて設定することで収益変動を抑制することができる。また、月ごとに契約電力を設定することで自家発電事業者1にとっては、契約した余剰電力を生産する動機付けになる。また、小売電気事業者2にとっては、自家発電事業者1との間の買電、売電の何れにおいても変動リスクが減るので競争力のある価格設定が可能になり、電力の小売り事業を強化することができる。これらにより、小売電気事業者2は、調達リスクなどを抑制しつつ、余剰電力を収益最大となるように販売することで、自家発電事業者1から購入した余剰電力を安定的に収益化することができる。
なお、小売電気事業者2が余剰電力を販売する先は、需要家に限らない。例えば、余剰電力を容量市場や需給調整市場、電力市場で販売することができる。その場合、余剰電力を容量や調整力として、いつ・どのぐらい活用できるかを把握することが必要である。これに対し、本実施形態では、余剰電力の長期予測(例えば、年間予測)に基づき月次の余剰電力の調達量を算出し、拠出可能な時期・量を算出し、容量市場に入札する。また、例えば、短期予測(例えば日次予測など)や中期予測(例えば月間~週間予測)に基づき調整力の調達量を算出し、拠出可能な時期・量を算出し、需給調整市場に入札する。このように、余剰電力を予測することで、容量市場や需給調整市場でいつ、どのように販売すればよいかを検討することができる。後述するように、余剰電力の予測や余剰電力の販売先の検討は、取引支援装置10を用いて行うことができる。
(取引支援装置の機能・構成)
取引支援装置10は、自家発電事業者1と小売電気事業者2との間の電力取引に関する適切な契約条件の検討を支援する機能を有する。図1に示すように、取引支援装置10は、入力受付部11と、需要予測部12と、自家発電予測部13と、計算部14と、出力部15と、記憶部16と、を備える。
入力受付部11は、余剰電力の取引における取引金額などの計算に必要な情報の入力を受け付ける。例えば、入力受付部11は、電力の需要予測に必要な情報、自家発電事業者1による発電可能電力の予測に必要な情報、取引単価、市場価格(電力市場、需給調整市場、容量市場、先物市場での価格)やその予測値などの情報を取得する。また、余剰電力の取引が開始された後の運用フェーズでは、入力受付部11は、小売電気事業者2が電力を調達する全ての一般発電事業者について各一般発電事業者が発電する電力量の予測値と、小売電気事業者2が余剰電力を調達する全ての自家発電事業者1について各自家発電事業者1が発電する余剰電力量の予測値と、小売電気事業者2が電力を供給する全ての需要家について各需要家による電力量需要の予測値を取得する。
需要予測部12は、自家発電事業者1における電力需要を予測する電力需要予測モデルを用いて自家発電事業者1における電力需要を予測する。この電力需要予測モデルは、例えば、過去の所定期間Aにおける、自家発電事業者1において自家発電した電力の供給を受けて稼働する設備等(設備Aとする。)の運転計画の実績データと、この期間Aにおける設備Aが稼働した運転環境に関する時系列の情報(温度、湿度、気象など)の実績データと、この期間Aにおける設備Aが消費した時系列の電力の実績値との関係を、例えば、機械学習により学習して構築されたモデルである。自家発電事業者1の実績データを用いて学習することで、精度よく電力需要を予測する電力需要予測モデルを構築することができる。例えば、この電力需要予測モデルに予測対象期間における設備Aの運転計画と運転環境に関する情報の時系列の予測値を入力することで、予測対象期間における電力需要の推移を予測することができる。
自家発電予測部13は、自家発電事業者1が所有する発電設備によって発電される電力を予測する発電電力予測モデルを用いて、自家発電事業者1にて発電する電力を予測する。この発電電力予測モデルは、自家発電事業者1の過去の所定期間における発電設備の運転計画、運転環境に関する情報、実際に発電された電力の実績値を用いて、例えば、機械学習により構築されたモデルである。自家発電事業者1の実績データを用いて学習することで、精度よく発電電力を予測する発電電力予測モデルを構築することができる。例えば、この発電電力予測モデルに予測対象時間における気温や天気の予測値と、運転計画と、前日の同じ時間に発電した電力の実績値を入力すると、予測対象期間における発電設備の出力を予測することができ、これを逐次的に繰り返すことにより、例えば、将来の1年間における30分ごとの発電電力を予測することができる。
計算部14は、入力受付部11が取得した情報を用いて、余剰電力および余剰電力に関する取引金額、不足電力および不足電力に関する取引金額などの計算を行う。例えば、計算部14は、自家発電予測部13によって予測された発電電力の予測値から需要予測部12によって予測された電力需要の予測値を引いて余剰電力を計算し、余剰電力に余剰電力の取引単価を乗じて取引金額を計算したり、取引される余剰電力に電力市場、需要調整市場、容量市場における販売単価を乗じて小売電気事業者2の収益を計算したりする。さらに計算部14は、自家発電予測部13等による予測の信頼度や予測値のばらつき、余剰電力の特性(発電計画や定期メンテナンス期間など)を考慮した余剰電力のリスクを分析する。また、計算部14は、余剰電力のリスクと外部リスク(電力市場での電力価格(例えば、卸電力市場価格)、燃料価格等の変動)とを対比させることで、余剰電力の取引におけるリスクを分類し評価する。自家発電事業者1と小売電気事業者2は、これらのリスクを考慮して余剰電力の契約条件(自家発電事業者1からみると余剰電力の販売条件)を設定する。
出力部15は、計算部14による計算結果を表示装置や電子ファイル等へ出力する。また、出力部15は、計算部14による計算結果をグラフ化した画像を生成し、生成した画像を表示装置等へ出力する。
記憶部16は、入力受付部11が受け付けた情報、計算に用いるプログラムや計算過程および計算結果の情報、電力需要予測モデル、発電電力予測モデルなどを記憶する。
取引支援装置10は、(1)自家発電事業者1と小売電気事業者2の間の余剰電力の取引に関するシミュレーション、(2)小売電気事業者2が自家発電事業者1から購入した余剰電力をどのように販売すると収益が最大となるかの算出、(3)小売電気事業者2が自家発電事業者1から購入した余剰電力を容量市場に入札する場合の入札条件の算出、を行うことができる。(4)また、余剰電力の契約条件に基づいて余剰電力の取引を開始した後の運用フェーズにおいても、取引支援装置10を利用することによって、小売電気事業者2は、コスト、収益、CO排出量の見直しを検討するなど、購入した電力(余剰電力を含む)をより効果的に活用することができる。以下、図3、図4を参照して(1)の機能について説明し、図10を参照して(2)、(3)の機能について説明する。また、図5~図9を用いて、(1)の取引シミュレーションにおいて、余剰電力の調達リスクや外部リスクを分析する方法について説明する。さらに、図11を参照して、(4)運用フェーズにおける購入した電力の活用を支援する処理について説明する。
(動作)
図3は、実施形態に係る余剰電力取引のシミュレーション処理の一例を示すフローチャートである。図4は、実施形態に係る余剰電力取引のシミュレーション処理の一例を示す図である。図3、図4を参照して、1又は複数の自家発電事業者1と小売電気事業者2の余剰電力取引に関する契約条件の設定を効率的に行う処理について説明する。
まず、小売電気事業者2が、各種の計算パラメータを取引支援装置10へ設定する(図3のステップS1)。入力受付部11は、設定された計算パラメータを取得し、記憶部16に書き込んで保存する。計算パラメータとは、需要予測に用いるパラメータ(例えば、将来の1年間における設備Aの運転計画、設備Aの運転環境に関する情報の予測値)、発電電力予測に用いるパラメータ(例えば、将来の1年間における発電設備の運転計画、発電設備の運転環境に関する情報の予測値、予測開始日前日の発電電力の実績値)、余剰電力の取引単価(例えば、XX円/kWh、XX円/kW)、不足電力の取引単価(例えば、XX円/kWh、XX円/kW)、発電電力の予測や取引単価の設定に用いる区切り設定、定期点検や修理期間、などの情報である。区切り設定とは、例えば、1月の昼間、1月の夜間、2月の昼間、2月の夜間、・・・・、12月の昼間、12月の夜間といった月別および昼夜の区切りである。また、区切り設定は、春(3月~5月)の0~4時、5~9時、・・・、冬(11月~2月)の14~18時、19~23時といった季節別および時間帯別の区切りでもよいし、月別および時間帯別の区切りであってもよい。これらの区切りによって分割された小期間ごとに取引単価(電気料金が高い期間は高く設定し、安い期間は安く設定する等)を設定することができる。また、小期間を契約の単位期間(図2Cで例示した月次契約)とすることができる。なお、取引単価は、取引に係る電力の大きさの範囲に応じて設定されてもよい(例えば、取引する余剰電力がX1~X2kWの場合はX3円/kWなど。)。
次に、需要予測部12が、自家発電事業者1の自家消費やオンサイトでの消費による単位時間ごと(例えば、30分ごと)の電力需要を予測する(図3のステップS2)。需要予測部12は、記憶部16が記憶する電力需要予測モデルに、将来の1年間における設備Aの30分ごとの運転計画、将来の1年間における設備Aの運転環境に関する30分ごとの予測値を入力して、30分ごとの1年分の電力需要予測値を取得する。
次に、自家発電予測部13が、自家発電事業者1の発電設備が発電する単位時間ごと(例えば、30分ごと)の発電電力を予測する(図3のステップS3)。自家発電予測部13は、記憶部16が記憶する発電電力予測モデルに、将来の1年間における発電設備の30分ごとの運転計画、将来の1年間における発電設備の運転環境に関する30分ごとの予測値、前日の同じ時間帯の発電電力の実績値(2日目以降の予測については、発電電力予測モデルによって予測された前日の同時間帯の発電電力の予測値)を入力して、30分ごとの1年分の発電電力の予測値を取得する。自家発電予測部13は、ステップS1にて設定された定期点検および修理期間については、発電電力の予測値を0に設定する。
次に、計算部14が、単位時間ごとの余剰電力と不足電力を計算する(図3のステップS4、図4のS01~S02)。計算部14は、ステップS3で算出された30分ごとの発電電力の予測値から、ステップS2で算出された電力需要のうちの対応する時間帯(30分)の電力需要を引いて、30分ごとの余剰電力と不足電力とを計算する。
次に、計算部14が、余剰電力と不足電力をステップS1で設定した区切りによってできる小期間ごとに集計する(図3のステップS5、図4のS03~S04)。例えば、月別および昼夜別で区切り設定を行った場合、区切り設定によって1年間は24個の小期間(1月昼、1月夜、・・・、12月夜)に分割される。計算部14は、ステップS4で計算した30分ごとの余剰電力と不足電力を小期間ごとに集計する。これにより、1月昼の余剰電力量(積算)XXkWh又は1月昼の余剰電力の範囲X1kW~X2kW、1月昼の不足電力量(積算)YYkWh又は1月昼の不足電力の範囲Y1kW~Y2kW、・・・、12月夜の余剰電力量(積算)XXkWh又は12月夜の余剰電力の範囲X1kW~X2kW、12月夜の不足電力量(積算)YYkWh又は12月夜の不足電力の範囲Y1kW~Y2kWといった情報が得られる。
次に、小売電気事業者2が小期間(又は契約の単位期間)ごとの取引量を設定する(図3のステップS6)。なお、小期間と契約の単位期間は一致していてもよいし異なっていてもよい。例えば、小売電気事業者2は、月次の契約条件として、月ごと昼夜ごとに取引量を設定する。例えば、1月昼については余剰電力が発生し、不足電力が0であるとすると、小売電気事業者2は、1月昼について、XXkWh以内で取引(自家発電事業者1が小売電気事業者2へ売る)する余剰電力の電力量を設定する。あるいは、小売電気事業者2は、1月昼についてX3kW(X3はX1~X2kWの範囲の値)を取引する余剰電力として設定する。不足電力が発生する小期間については、小売電気事業者2は、不足電力を賄うことができるように、取引(自家発電事業者1が小売電気事業者2から買う)する積算の電力量または電力を取引支援装置10へ設定する。入力受付部11は、期間ごとの取引量(kWh又はkW)を取得し、記憶部16に書き込んで保存する。
次に計算部14は、小期間ごとに取引金額を計算する(図3のステップS7、図4のS05)。計算部14は、ステップS6で設定した余剰電力の取引量にステップS1で設定された取引単価を乗じて、小期間ごとの余剰電力の取引金額を計算する。また、計算部14は、ステップS6で設定した不足電力に対する取引量にステップS1で設定された取引単価を乗じて、小期間ごとの不足電力の取引金額を計算する。計算部14は、小期間ごとの余剰電力および不足電力の取引金額を記憶部16に書き込んで保存する。
次に計算部14は、小期間ごとに計算した取引金額を合計して年間の余剰電力の取引総額、年間の不足電力の取引総額を計算する(図3のステップS8、図4のS06)。計算部14は、年間の余剰電力および不足電力の取引総額を記憶部16に書き込んで保存する。最後に出力部15が、計算結果を表示装置などへ出力する(図3のステップS9)。例えば、出力部15は、余剰電力および不足電力の小期間ごとの取引金額と1年間の取引総額、図2Cで例示したグラフなどを出力する。
小売電気事業者2は、出力部15による出力結果を自家発電事業者1へ提供し、自家発電事業者1と小売電気事業者2自身の意見を取り入れて、ステップS1で設定する計算パラメータを様々に変化させながら、両者の合意が得られるまで、図4の処理を繰り返し行ってもよい。例えば、自家発電事業者1は、出力結果を見て、余剰電力の変動や規模、年間の収益総額を把握する。そして、例えば、ある1つの小期間における30分ごとの余剰電力の変動が大きかったり、隣り合う小期間における余剰電力の変動が大きく安定性に欠けたりする場合には、自家発電事業者1(又は小売電気事業者2でもよい。)は、取引における変動リスクが大きいと判断し、その間の余剰電力の取引を行わないように決定してもよい。また、余剰電力の規模が十分ではないために収益が少ないが、発電設備の能力に余裕があれば、自家発電事業者1は、最大出力で運転するように運転計画に変更することで、余剰電力の販売による収益の増大を検討してもよい。また、自家発電事業者1は、例えば、発電設備の運転コストを考慮して、余剰電力の単価として適正な価格を設定し直してもよい。その際、kWhあたりの単価、kWあたりの単価、ΔkWあたりの単価を設定してもよい。また、例えば、定期点検の時期には、自家発電事業者1は、小売電気事業者2から電力を購入するが、定期点検の時期が電力単価の高い時期にあたると割高で購入しなければならなくなるため、定期点検の時期を電力の安い時期に変更するよう運転計画を変更してもよい。また、自家発電事業者1は、発電設備の運転コストと余剰電力による収益を比較して、余剰電力が高く売れる時期については余剰電力を増大させ、余剰電力が安い時期については余剰電力を減らすように運転計画に変更してもよい。小売電気事業者2は、自家発電事業者1が見直した単価、運転計画、定期点検の時期などの条件を取引支援装置10に設定して、図4の処理を再度行うことにより、余剰電力取引のシミュレーションを行う。なお、図3のフローチャートでは、最初に計算パラメータを設定することとしているが、計算パラメータが必要となるタイミングで設定するような処理の流れに構成されていてもよい。
一方、小売電気事業者2は、出力部15による出力結果を見て、余剰電力を安定して調達できる条件(小期間ごとの余剰電力の大きさや単価)を確認し、契約条件(契約の単位期間ごとの取引量や単価)を変更してもよい。また、小売電気事業者2は、自家発電事業者1が電力不足となるときの販売条件(取引量や単価)を変更してもよい。小売電気事業者2は、小売電気事業者2が設定した単価や取引量などの条件を取引支援装置10に設定して、図4の処理を再度行うことにより、余剰電力取引のシミュレーションを行う。自家発電事業者1が複数存在する場合、取引支援装置10は、自家発電事業者1ごとにステップS1~S9の処理を行う。これにより、小売電気事業者2は、複数の自家発電事業者1を対象とする余剰電力の総取引額などを把握することができる。また、小売電気事業者2は、年単位での取引総額や小期間ごとの取引金額を把握して、買い取った余剰電力の活用方法を検討する。取引支援装置10は、余剰電力の活用方法の検討を支援することができる。図5に取引支援装置10を用いた余剰電力活用方法の検討を支援する処理の一例を示す。
次に図5~図9を参照して、上記の余剰電力取引のシミュレーションにおいて、小売電気事業者2が調達できる余剰電力の調達リスク(余剰電力不足など)や、買い取った余剰電力を販売するときの(又は、電力を購入するときの(例えば、小売電気事業者2が自家発電事業者1へ販売するための電力を購入するときの))外部リスク(販売価格の変動など)を考慮して、余剰電力取引の契約条件を設定する方法の一例について説明する。
図5に、余剰電力取引におけるリスク分析処理の一例を示す。図5に示す処理は、図3のステップS6(小期間ごとに取引量を設定)、ステップS7(小期間ごとに取引金額を計算)に関して実行される。例えば、図3のステップS4やステップS5の後に、図6に示す一連の処理が実行されてもよい。まず、ユーザの指示に基づいて、計算部14が、ステップS4で計算された単位時間ごと(例えば、30分ごと)の余剰電力と不足電力に基づいて、単位時間ごとの余剰電力量の分布を評価する(ステップS21)。ここで、図6を参照する。
図6は、実施形態に係る余剰電力の調達リスク分析の一例について説明する図である。計算部14は、ステップS4で計算された例えば1年分の30分ごとの余剰電力の予測値から30分ごとの余剰電力量を計算する。この際、計算部14は、30分ごとの余剰電力量に加え、統計的に求められる信頼区間を計算してもよい。例えば、計算部14は、余剰電力量の予測値から95%の信頼区間を計算してもよい。余剰電力の調達リスク分析においては、余剰電力量はこの範囲でばらつく可能性があると考える。なお、信頼区間の計算は必須ではなく、また、信頼区間を計算する場合、その範囲は95%に限定されず68%など他の値であってもよい。
次に計算部14は、30分ごとの余剰電力量を小期間単位で集計し、小期間ごとに分布を評価し、調達可能な余剰電力量を計算する。安定して調達可能な余剰電力量は、小売電気事業者2の調達方針やリスク許容度などによりさまざまに設定することができる。例えば、余剰電力の調達区間(契約の単位期間)を月別かつ時間帯別(例えば昼間7:00~18:00)に区切り、各調達区間における最小値を調達可能最小値として定めることができる。最小値を当該調達区間の取引量として定めることで余剰電力の調達リスクを低減することができる。図6のグラフ60の60aに5月の調達可能最小値を示す。また、上記計算で95%信頼区間を計算した場合には、計算部14は、最小値の95%信頼区間の下限値や上限値を5月に調達可能な余剰電力量の最小値として計算してもよい。これにより、小売電気事業者2は、調達可能な余剰電力量とその時期を把握することができる。
また、自家発電事業者1と小売電気事業者2が、合理的な余剰電力の取引契約を行うにあたって、合理的な契約条件を定めるために、余剰電力の全体的なばらつきを解析してもよい。例えば、小期間を1ヶ月の昼間(例えば7:00~18:00)、1ヶ月を30日とすると、この小期間には、22個/日の余剰電力量の予測値(30分ごとの余剰電力量)×30日=660個の余剰電力量の予測値が存在する。計算部14は、小期間ごとに調達可能な余剰電力量の予測値の範囲に関して、25%値(25パーセンタイルの値。以下同じ。)、中央値(50パーセンタイルの値。以下同じ。)、75%値(75パーセンタイルの値。以下同じ。)を計算する。また、上記計算で95%信頼区間を計算した場合には、計算部14は、25%値、中央値、75%値とそれぞれの95%信頼区間を計算する。出力部15は、この計算結果に基づいて、グラフ60を生成し、グラフ60を表示装置等に出力する。25%値や75%値(又は最小値や最大値)が中央値から離れていれば余剰電力の変動が大きく調達リスクが高い。25%値や75%値と中央値の距離が小さければ、余剰電力の変動が小さく、例えば、取引量を最小値に設定することでリスクが低く安定した調達が可能と考えられる。
余剰電力が安定しているかどうかを判定する条件は、小売電気事業者2の方針やリスク許容度などにより、さまざまに設定することができる。例えば、余剰電力の最小値が中央値に比べて90%~100%の範囲にあり、かつ、最大値が中央値に比べて100%~110%の範囲にあることを余剰電力が安定している条件とすることができる。また、よりリスク許容度が大きい調達者であれば、25%値が中央値に比べて90%~100%の範囲にあり、かつ、75%値が中央値に比べて100%~110%の範囲にあることを余剰電力が安定している条件とすることができる。小売電気事業者2は、グラフ60を参照して、自らの調達方針やリスク許容度に従って、各小期間における余剰電力の調達リスクを判断し、取引量を決定する。例えば、リスク許容度が大きい小売電気事業者2であれば、上記した最小値に代えて、25%値を取引量の目安として設定することができる。一方、自家発電事業者1も、グラフ60を参照することで、リスクなく供給できる余剰電力の範囲を確認することができる。
次に、ユーザの指示に基づいて、計算部14が、単位時間ごとの外部リスクを評価する(ステップS22)。外部リスクとは、例えば、電力市場での電力価格(卸電力市場価格)、調整力市場価格、電力先物市場での先物価格、電力価格などに影響を与える燃料価格(例えば、燃料価格が高騰すれば電力価格も高騰する。)などである。ここで、図7を参照する。
図7は、実施形態に係る外部リスク分析の一例について説明する図である。ここでは、電力価格(具体的には、例えば、卸電力市場価格)を外部リスクの例として説明を行う。入力受付部11は、例えば30分ごとの電力価格の予測値又は実績値を取得する。計算部14は、取得した30分ごとの電力価格の予測値又は実績値を小期間(例えば、1ヶ月の7:00~18:00の時間帯)単位で集計し、小期間ごとに電力価格の分布を評価する。例えば、計算部14は、図6の余剰電力の例と同様に、小期間ごとに電力価格の最小値、25%値、平均値、75%値、最大値を算出する。そして、出力部15がグラフ70を生成し、生成したグラフ70を表示装置等に出力する。小売電気事業者2は、グラフ70を参照することで、各小期間における電力価格のばらつきを把握することができる。25%値や75%値(又は最小値や最大値)が中央値から離れていれば電力価格の変動が大きく、25%値や75%値(又は最小値や最大値)と中央値の距離が小さければ、電力価格の変動が小さいと考えられる。また、小売電気事業者2は、グラフ70を参照して、余剰電力調達の契約条件を設定することができる。例えば、小売電気事業者2は、グラフ70に基づいて、時期に応じた価格(例えば、電力価格が安い時期は自家発電事業者1から買い取る値段も安く設定する等。)、電力価格が高騰する時期の余剰電力の取引量(例えば、収益を増大させるために、なるべく多くの取引量を検討する等。)、電力価格が安定している時期の取引量などを検討する。
さらに、図7を参照して説明した関連する外部リスクの影響を考慮し、契約条件の調整(取引価格や調達区間の設定など)を行うことで、図6を参照して説明した余剰電力の調達リスクを低減することができる。例えば、電力価格を外部リスクとして考える場合は、電力市場における価格のばらつき分布に基づいて、余剰電力の契約条件の設定を合理的に行う。具体的には、電力価格が高騰する時期は、余剰電力の取引量を増やし、市場調達リスクの低減を図ることができる。電力価格が高騰する時期の判断としては、例えば、電力価格の最大値が中央値に比べて100%以上(2倍以上)大きい、などを判断の基準とすることができる。また、例えば、電力価格の最大値が中央値に比べて110%以上120%未満の場合、120%以上130%未満の場合、130%以上140%未満の場合、・・・など電力価格の高騰の程度に合わせた分類を行い、その程度に応じて余剰電力の取引量を決定してもよい。なお、計算部14は、電力価格に限らず、電力取引に係る1又は複数の任意の外部リスク(電力価格、先物価格、燃料価格など)の予測値又は実績値を取得して、分布の評価やグラフの生成および出力を行うことができる。
次に計算部14は、余剰電力量の調達リスクと外部リスクを対比する(ステップS23)。計算部14は、小期間ごとに計算した余剰電力量のばらつきと外部リスクのばらつきとを同じ小期間ごとに対比して、各小期間における余剰電力調達の契約条件をリスクの類型別に分類する。余剰電力の契約条件を定めるにあたっては、上述したように、関連する外部リスクの影響を考慮し、調達価格や調達区間の調整を行うことで、余剰電力の調達リスクを低減することができる。例えば、卸電力市場価格(単に電力価格と記載する。)を外部リスクとして選択した場合、余剰電力のばらつき分布が示す安定性と電力価格のばらつき分布が示す安定性との組み合わせに応じて分類することで、合理的に契約条件を定めることができる。例えば、以下のような分類が考えられる。
(A)余剰電力が安定し、かつ、電力価格が安定していない(高騰する)小期間。
(B)余剰電力が安定し、かつ、電力価格が安定している小期間。
(C)余剰電力が安定せず、かつ、電力価格が安定している小期間。
(D)余剰電力が安定せず、かつ、電力価格が安定していない(高騰する)小期間。
これらのリスク類型への分類は、小期間ごとに行うことが契約条件の合理性を高める上で望ましい。
以下、外部リスクとして、例えば、卸電力市場価格(単に電力価格と記載する。)を選択した場合を例に説明する。計算部14は、余剰電力が安定か否かという点について、例えば、対象とする小期間の余剰電力の最小値と最大値又は25%値と75%値を中央値と比較してそれらの差が所定の範囲内であれば、余剰電力の調達量が安定していると判定し、そうでなければ、余剰電力の調達量が安定していないと判定する。また、計算部14は、電力価格が安定しているか否かという点について、電力価格の最大値が中央値に比べて100%以上大きければ、電力価格が安定していない(高騰する)と判定し、そうでなければ、電力価格が安定していると判定する。電力価格が安定していない(高騰する)場合、余剰電力の取引によって電力価格が変動するリスクを回避できる可能性が高く、電力価格が安定している場合、余剰電力の取引によって電力価格が変動するリスクを回避できる可能性が低いと考えられる。計算部14は、これらの判定に基づいて、各小期間のリスク類型を(A)~(D)に分類する。分類結果の一例を図8に示す。図8は、実施形態に係る契約条件の設定手法の一例を示す図である。図8に例示するマッチング結果画面80には、図6のグラフ60、図7のグラフ70の小期間を(A)~(D)に分類した結果が表示されている。4月、7~10月は(A)に分類され、5~6月は(B)に分類され、11~3月は(C)に分類されている。例えば、出力部15は、計算部14による分類結果に基づいて、マッチング結果画面80を生成し、その画面を表示装置等へ出力する(ステップS24)。小売電気事業者2は、マッチング結果画面80を参照して、調達の可否、取引量、取引価格の設定などを自らのリスク許容度に応じて定める。例えば、取引量については、各小期間の最低値を取引量として決定してもよいし、リスク許容度に応じてさらに多くの取引量(例えば25%値)を設定してもよい。取引価格には、例えば、電力価格の中央値を定めてもよい。あるいは、上記の(A)に分類されるような場合には、電力価格の中央値よりも高額に設定し、その分、取引量を増大させるような契約条件を設定してもよい。また、余剰電力の調達が合理的でないと判断される分類(例えば、(C))は、自家発電事業者1の電力需要が大きく変動する時期であるため、一時的に自家発電事業者1に電力の不足が生じる可能性がある。このような小期間については、例えば、各小期間の最低値を取引量として決定する(又はこの小期間は余剰電力の取引をしない設定をする。)だけでなく、小売電気事業者2が、自家発電事業者1へ電力を販売する条件を設定することができる。
また、上記例では、余剰電力と電力価格の安定度に注目して(A)~(D)に分類することとしたが、さらに余剰電力の大小に応じて分類してもよいし、電力価格や燃料価格などの高低に応じて分類してもよい。また、外部リスクとして、電力価格のみを考慮する例を挙げて説明を行ったが、電力価格に加えて(あるいは電力価格に代えて)、先物価格、燃料価格等についてもばらつきの評価を行って、例えば、各小期間を、(A1)余剰電力が安定し、電力価格が安定せず、先物価格が安定せず、燃料価格が安定しない小期間、(A2)余剰電力が安定し、電力価格が安定せず、先物価格が安定せず、燃料価格が安定する小期間、(A3)余剰電力が安定し、電力価格が安定せず、先物価格が安定し、燃料価格が安定しない小期間、・・・、などの、余剰電力と1又は複数の外部リスクの各々が安定か又は不安定かに応じてできる、余剰電力と1又は複数の外部リスクの安定性に関する全ての組合せのうちの何れかに分類して、取引価格や取引量の決定を支援するようにしてもよい。より多くの要因を考慮することで、より安全な契約条件を設定することができる。例えば、燃料価格が高騰する時期には、電力価格も高騰すると考えられる。小売電気事業者2にとっては、余剰電力の取引量を増大させることで収益を増大させることができるが、自家発電事業者1にとっては、発電に要するコストが上昇し、不利益を被る可能性がある。電力価格と燃料価格の両方のリスクを分析することで双方にとって不利益の無い契約条件を設定することができる。
図9に余剰電力取引のシミュレーション結果の一例を示す。図9のグラフ90は、自家発電事業者1が所有する発電設備の改修月を変化させた場合の余剰電力の取引単価を発電設備の稼働率別に示したグラフである。グラフ90の縦軸は取引単価を示し、横軸は改修月を示す。小売電気事業者2は、シミュレーション結果から、市場リスクや割高買電を回避するための条件を把握する。自家発電事業者1は、シミュレーション結果から、自らが所有する発電設備によって発電した電力によって行う生産活動への影響や赤字売電を回避する条件を把握する。グラフ90に例示するシミュレーション結果の場合、全体的な傾向として、設備改修月を7~9月に設定できれば、小売電気事業者2は、調達価格を抑えられることが分かる。また、自家発電事業者1が所有する発電設備の稼働率を60%以上に設定できれば、設備改修月の影響による調達価格のブレを抑えられることが分かる。これらの知見に基づいて、自家発電事業者1と小売電気事業者2は、設備改修月を7~9月に設定し、稼働率を60%以上に設定することに合意したうえで、各月ごとの取引量や取引金額を定めることができ、効率的に契約条件を設定することができる。また、余剰電力取引のシミュレーションを行うことによって、図6~図8を用いて説明した余剰電力や外部リスクのばらつきに加えて、発電計画や定期メンテナンス期間(例えば、設備改修月)などの余剰電力特性を考慮した契約条件の設定が可能になる。なお、余剰電力特性とは、余剰電力の安定しやすい季節や時間帯、余剰電力の単位時間当たりの量や発電コストなどを示す。余剰電力特性は、自家発電事業者1の事業の特徴(発電計画や生産計画)の影響を受ける。例えば、生産量変動の度合い(季節変動の影響の受けやすさなど)、生産シフト(昼夜連続生産や夜間運転休止、設備メンテ時期など)、自家発設備や燃料の種類などによって変化する。これらの変化を反映したシミュレーションを行うことで、小売電気事業者2と自家発電事業者1は、余剰電力特性に応じた取引量や取引価格を反映した、両者にとって合理的な契約条件を設定することができる。例えば、小売電気事業者2と自家発電事業者1は、図9の表91に示すような契約条件を設定する。契約条件が設定できると、小売電気事業者2は、買い取った余剰電力をどのようにして販売すれば収益が増大するかを検討する。次に図10を参照して、余剰電力の販売方法を検討する処理について説明する。
図10は、実施形態に係る余剰電力の販売方法の算出処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す処理は、需要家への電力供給義務などの制約条件を満たしつつ、収益が最大になるような余剰電力の売り方を算出する処理である。
前提として、図3、図4に例示する処理が完了して、1又は複数の自家発電事業者1との余剰電力の取引に関する契約条件(例えば月ごとの余剰電力の取引量、単価)が決定しているとする。
まず、小売電気事業者2が、計算パラメータを取引支援装置10に設定する(ステップS11)。入力受付部11は、設定された計算パラメータを取得して記憶部16に保存する。計算パラメータとは、例えば、小売電気事業者2が買い取った余剰電力(例えば、自家発電事業者1が複数存在する場合には複数の自家発電事業者1から買い取った余剰電力の合計)のうち需要家へ供給しなければならない電力の大きさ(供給義務)、電力市場への販売単価、需要調整市場への販売単価、容量市場への販売単価(入札単価)などである。これらの販売単価は、予め定められていてもよいし、所定の予測装置によって予測された単価であってもよい。例えば、入力受付部11は、電力市場や需要調整市場については30分ごとのkWあたりの単価の予測値を取得する。
次に計算部14が、小期間ごとの余剰電力の取引量を記憶部16から読み出して取得する(ステップS12)。次に計算部14は、余剰電力から供給義務に相当する電力を減算する(ステップS13)。次に計算部14が、供給義務分を除いた余剰電力の販売先を算出する(ステップS14)。例えば、計算部14は、1年を通じた所定の時間帯ごとの供給義務分を除いた余剰電力について、その余剰電力の一部を電力市場へ供給し、残りの一部を需要調整市場へ供給し、残り全てを容量市場へ供給した場合の収益を、ステップS11で設定された各市場の単価に各市場へ供給する電力を乗じてその結果を合計することにより計算する。計算部14は、各市場に供給する電力を様々に変化させて、繰り返し収益を計算し、収益が最大となるときの各市場への電力の供給量(分配方法)を算出する。例えば、容量市場の場合、計算部14は、入札条件として、時間帯ごとの供給可能な電力と価格を設定して収益の計算を行う。なお、収益を最大化する売り方(分配方法)の算出方法のロジックに限定は無い。計算部14は、任意のロジックによって、収益を最大化する余剰電力の各市場への分配方法を算出することができる。次に出力部15は、収益が最大となるときの電力市場、需要調整市場、容量市場への供給量(kW)を表示装置等に出力する(ステップS15)。小売電気事業者2は、出力結果を参照し、1又は複数の自家発電事業者1から購入した余剰電力を各市場にどのように分配して販売すればよいかを把握することができる。また、他の例としてステップS14にて最適な販売先を算出する代わりに供給義務分を除いた余剰電力のすべてを容量市場へ供給可能な電力として設定し、入札条件を算出してもよい(上記の(3)の機能)。これにより、小売電気事業者2は、自家発電事業者1から購入した余剰電力を容量市場へ入札する場合の入札条件を把握することができる。
以上が余剰電力の取引を行う準備段階の処理である。小売電気事業者2は、契約条件の設定や販売先の検討が完了し、自家発電事業者1から余剰電力の購入が始まると、例えば次に示すような処理によって、事業の効率化を検討する。
(運用フェーズにおける電力活用)
図11は、実施形態に係る電力活用のための処理の一例を示すフローチャートである。
まず、計算部14が、各発電事業者による発電量予測値を合計する(ステップS31)。運用フェーズでは、自家発電事業者1による余剰電力に係る電力量だけではなく、一般発電事業者による発電電力量の予測値に自家発電事業者1による余剰電力の予測値を加えた電力量の予測値を計算する。例えば、入力受付部11は、電力調達先の全ての一般発電事業者それぞれが発電する30分ごと1年分の電力量の予測値を取得する。自家発電予測部13は、各自家発電事業者1による30分ごとの1年分の発電電力を予測し、需要予測部12は、各自家発電事業者1における30分ごとの1年分の電力需要を予測し、計算部14が、これらの予測に基づいて、30分ごとの1年分の余剰電力を計算し、30分ごとの1年分の余剰の電力量に換算する。計算部14は、全ての一般発電事業者による発電電力量の予測値と、全ての自家発電事業者1による余剰電力量の予測値を合計する。
次に、計算部14が、各需要家による需要予測値を合計する(ステップS32)。例えば、入力受付部11は、小売電気事業者2が電力を供給する全ての需要家それぞれにおける30分ごとの1年分の電力量の需要予測値を取得する。計算部14は、全ての需要家による電力量の需要予測値を合計する。
また、入力受付部11は、30分ごとの1年分の電力価格、燃料価格、先物価格等の予測値を取得してもよい。
次に出力部15が、ステップS31で計算された発電量予測の合計値と、ステップS32で計算された電力量の需要予測値の合計値とを表示装置等へ出力する(ステップS33)。小売電気事業者2は、余剰電力を含む調達する電力量の予測値と全体の電力量の需要予測から、コスト、収益、CO排出量などの経営指標を把握し、必要に応じて指標を改善する運用を計画する。例えば、需要家による需要の予測値が一般発電事業者や自家発電事業者1から供給される電力量を上回ったり、運用前の自家発電事業者1との契約時に予想された電力価格よりも高騰したりすることが予測できる場合、その時期により多くの余剰電力を購入することを条件として、自家発電事業者1に発電計画の見直し(稼働率向上)を依頼してもよい。これにより、小売電気事業者2の経営方針に最適な事業運営を行うことができ、事業の効率化を図ることができる。小売事業の経営方針とは、例えば、「CO排出量はある一定値を満足しながら収益を最大化する」、「事業計画の収益を確保しながらCO排出量を最小化する」などである。
上記の説明では、小売電気事業者2が取引支援装置10にステップS1~ステップS9、ステップS11~ステップS15、ステップS21~24、ステップS31~33の処理を実行させることとしたが、リソースアグリゲータや他の事業者が取引支援装置10を使って上記の各処理を行ってもよい。また、上記の説明では、小売電気事業者2が、1つ又は複数の自家発電事業者1と余剰電力の買い取り契約を行い、その余剰電力を販売等して活用する場合を例に説明を行ったが、小売電気事業者2に限定されず、リソースアグリゲータやその他の事業者などが余剰電力の取引を行ってもよい。
(効果)
以上説明したように、本実施形態の取引支援装置10によれば、自家発電事業者1の余剰電力の予測値を基に図3、図4を参照して説明したシミュレーションを行うことで、余剰電力取引の契約条件を効率的に設定することができる。これにより、自家発電事業者1が有する発電設備の能力を有効に活用し、その利用効率を向上し、安定した収益源とすることができる。また、これまでは活用されることの少なかった1又は複数の自家発電事業者1が発電した電力を安定電源として調達することで、小売電気事業者2における購入電力の予見性を高めて、電力の調達リスクを軽減することができる。また、取引支援装置10によれば、小売電気事業者2が購入した余剰電力の売り先を最適化(収益を最大化、長期的な視点で収益化)することができる。これにより、小売電気事業者2における収益性を高めて、その事業効率を改善することができる。
また、運用フェーズにおいては、余剰電力を含む各発電事業者の発電量予測(買電量予測)と、供給契約を結んでいる各需要家の需要予測(売電量予測)を組み合わせ、余剰電力を含めた需給バランス予測を参照する。これにより、小売電気事業者2に必要な環境指標(CO排出量など)を満足しながら、電力調達コストや収益を最適化し、調達リスクの低減を図ることができる。これら相反する要素を予測に基づいてバランスさせることで経営リスクを低減し、事業効率の改善を実現することができる。また、図11を参照して説明した処理を用いることで、将来のさらなる改善方案を効果的に検討することができる。例えば、将来さらに環境性を高める場合(CO排出量のさらなる低減など)に、必要となる調達計画の最適化(一般発電事業者や自家発電事業者1からの電力の調達量や市場からの調達量の比率など)や事業リスクの最小化(電力調達コストの肥大化回避や、インバランスリスクの回避など)を実現することができる。
なお上記実施形態では、電力価格、先物価格、燃料価格などの予測値や、一般発電事業者が発電する30分ごと1年分の電力量の予測値、各需要家による30分ごとの1年分の需要電力量の予測値を、入力受付部11が取得することとしたが、取引支援装置10に、これらを予測する機能を実装し、取引支援装置10が未来の1年間における30分ごとの電力価格、一般発電事業者による発電電力量、需要家による需要電力量などを予測するようにしてもよい。
図12は、実施形態に係る取引支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
コンピュータ900は、CPU901、主記憶装置902、補助記憶装置903、入出力インタフェース904、通信インタフェース905を備える。
取引支援装置10は、コンピュータ900に実装される。そして、上述した各機能は、プログラムの形式で補助記憶装置903に記憶されている。CPU901は、プログラムを補助記憶装置903から読み出して主記憶装置902に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU901は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置902に確保する。また、CPU901は、プログラムに従って、処理中のデータを記憶する記憶領域を補助記憶装置903に確保する。
なお、取引支援装置10の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各機能部による処理を行ってもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、CD、DVD、USB等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ900に配信される場合、配信を受けたコンピュータ900が当該プログラムを主記憶装置902に展開し、上記処理を実行しても良い。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
<付記>
各実施形態に記載の取引支援装置、取引支援方法及びプログラムは、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様に係る取引支援装置10は、1つ又は複数の自家発電事業者1が発電する余剰電力の取引を支援する取引支援装置であって、前記自家発電事業者1が発電する単位時間(例えば、30分)ごとの余剰電力の予測値を取得する手段(S4)と、前記自家発電事業者と取引事業者(小売電気事業者2、リソースアグリゲータなど)との間の前記余剰電力の取引単価を取得する手段(S1)と、前記自家発電事業者と前記取引事業者との間で取引する所定の単位契約期間(例えば、1月ごと)ごとの前記余剰電力を設定する手段(S6)と、前記設定された余剰電力の取引金額を算出する手段(S7、S8)と、を備える。
これにより、自家発電事業者1と小売電気事業者2などとの間の余剰電力取引に関するシミュレーションを行うことで、取引の契約条件を検討することができる。
(2)第2の態様に係る取引支援装置10は、(1)の取引支援装置10であって、前記自家発電事業者が発電する前記単位時間ごとの電力を予測する手段(S3)と、前記自家発電事業者が消費する前記単位時間ごとの電力を予測する手段(S2)と、をさらに備える。
これにより、余剰電力を精度よく予測することができる。
(3)第3の態様に係る取引支援装置10は、(1)~(2)の取引支援装置10であって、前記自家発電事業者が発電する単位時間ごとの電力に対する不足分を取得する手段(S4)と、前記不足分を前記取引事業者から購入するために要する金額を算出する手段(S7、S8)と、をさらに備える。
これにより、余剰電力取引における自家発電事業者の収益、小売電気事業者2などのコストを計算することができる。
(4)第4の態様に係る取引支援装置10は、(1)~(3)の取引支援装置10であって、前記取引単価を取得する手段は、時期および時間帯ごと(=小期間)に設定された取引単価を取得する。
これにより、公平な取引の契約条件を検討することができる。
(5)第5の態様に係る取引支援装置10は、(1)~(4)の取引支援装置10であって、前記取引事業者が購入した前記余剰電力の販売先(電力市場、需給調整市場、容量市場)ごとの販売単価を取得する手段(S11)と、前記取引事業者が、購入した前記余剰電力を前記販売先に分配して販売する場合に、その収益を最大化する分配方法を算出する手段(S14)と、をさらに備える。
これにより、小売電気事業者2などは、購入した余剰電力を活用することができる。
(6)第6の態様に係る取引支援装置10は、(1)~(5)の取引支援装置10であって、前記取引事業者が、購入した前記余剰電力を容量市場に入札する場合に、購入した前記余剰電力から需要家への供給義務分を減算した残りの前記余剰電力に基づいて、時間帯ごとに前記容量市場に供給可能な電力を算出する手段(S14)、をさらに備える。
これにより、小売電気事業者2などが、購入した余剰電力を容量市場に入札する場合に、その入札条件を設定することができる。
(7)第7の態様に係る取引支援装置10は、(1)~(6)の取引支援装置10であって、前記単位契約期間ごとに、取得された前記単位時間ごとの前記余剰電力の予測値の分布を計算する手段と、前記単位契約期間を時系列に並べ、それぞれの前記単位契約期間ごとに当該単位契約期間における前記余剰電力の予測値の分布を表示した第1のグラフを生成する手段と、前記第1のグラフ(グラフ60)を出力する手段と、をさらに備える。
これにより、自家発電事業者1と小売電気事業者2は、余剰電力のばらつき(安定性)に応じた取引量を決定することができる。
(8)第8の態様に係る取引支援装置10は、(1)~(7)の取引支援装置10であって、前記単位時間ごとの前記余剰電力の取引に係る1つ又は複数の外部リスク(販売単価、先物価格、燃料価格などの販売単価に影響する要因)の予測値又は実績値を取得する手段と、前記単位契約期間ごとに、取得された前記単位時間ごとの1つ又は複数の前記外部リスクの予測値又は実績値の分布を計算する手段と、前記単位契約期間を時系列に並べ、それぞれの前記単位契約期間ごとに当該単位契約期間における1つ又は複数の前記外部リスクの分布を表示した第2のグラフ(グラフ70)を生成する手段と、前記第2のグラフを出力する手段と、をさらに備える。
これにより、自家発電事業者1と小売電気事業者2は、外部リスクに応じた取引金額を決定することができる。
(9)第9の態様に係る取引支援装置10は、(1)~(6)の取引支援装置10であって、前記単位契約期間ごとに、取得された前記単位時間ごとの前記余剰電力の予測値の分布を計算する手段と、前記単位時間ごとの前記余剰電力の取引に係る1つ又は複数の外部リスク(販売価格、先物価格、燃料価格などの販売価格に影響する要因)の予測値又は実績値を取得する手段と、前記単位契約期間ごとに、取得された前記単位時間ごとの1つ又は複数の前記外部リスクの予測値又は実績値の分布を計算する手段と、前記単位契約期間ごとに、前記余剰電力の予測値の分布に基づいて、当該単位契約期間における前記余剰電力の安定性を評価する手段と、前記単位契約期間ごとに、1つ又は複数の前記外部リスクの予測値又は実績値の分布に基づいて、当該単位契約期間における1つ又は複数の前記外部リスクの安定性を評価する手段と、同一の前記単位契約期間ごとの前記余剰電力の安定性および1つ又は複数の前記外部リスクの安定性に基づいて、前記単位契約期間を、前記余剰電力および1又は複数の前記外部リスクの各々が安定か又は不安定かに応じてできる、前記余剰電力および1又は複数の前記外部リスクの前記安定性に関する全ての組合せの何れかに分類する手段と、前記単位契約期間ごとに前記分類した結果を出力する手段、をさらに備える。
これにより、自家発電事業者1と小売電気事業者2は、余剰電力と外部リスクの安定性に応じて契約条件を決定することができる。
(10)第10の態様に係る取引支援装置10は、(1)~(9)の取引支援装置10であって、前記取引事業者が電力を調達する全ての一般発電事業者について、それぞれの前記一般発電事業者が発電する電力量の所定の予測対象期間における予測値である第1の予測値を取得する手段と、前記取引事業者が余剰電力を調達する全ての前記自家発電事業者について、それぞれの前記自家発電事業者が発電する余剰電力量の前記予測対象期間における予測値である第2の予測値を取得する手段と、前記取引事業者が電力を供給する全ての需要家について、当該需要家による電力量の需要の前記予測対象期間における予測値である第3の予測値を取得する手段と、全ての前記一般発電事業者についての前記第1の予測値と、全ての前記自家発電事業者についての前記第2の予測値と、を合計する手段と、全ての前記需要家についての前記第3の予測値を合計する手段と、前記第1の予測値を合計した結果と、前記第2の予測値を合計した結果と、前記第3の予測値を合計した結果と、を出力する手段と、をさらに備える。
これにより、小売電気事業者2は、事業の効率化を図ることができる。
(11)第11の態様に係る取引支援方法は、1つ又は複数の自家発電事業者が発電する余剰電力の取引を支援する取引支援方法であって、前記自家発電事業者が発電する単位時間ごとの余剰電力の予測値を取得するステップと、前記自家発電事業者と取引事業者(小売電気事業者2、リソースアグリゲータなど)との間の前記余剰電力の取引単価を取得するステップと、前記自家発電事業者と前記取引事業者との間で取引する所定の単位契約期間ごとの前記余剰電力を設定するステップと、前記設定された余剰電力の取引金額を算出するステップと、を有する。
(12)第12の態様に係るプログラムは、コンピュータに、1つ又は複数の自家発電事業者が発電する余剰電力の取引を支援する処理であって、前記自家発電事業者が発電する単位時間ごとの余剰電力の予測値を取得するステップと、前記自家発電事業者と取引事業者(小売電気事業者2、リソースアグリゲータなど)との間の前記余剰電力の取引単価を取得するステップと、前記自家発電事業者と前記取引事業者との間で取引する所定の単位契約期間ごとの前記余剰電力を設定するステップと、前記設定された余剰電力の取引金額を算出するステップと、を有する処理を実行させる。
1・・・自家発電事業者、2・・・小売電気事業者、10・・・取引支援装置、11・・・入力受付部、12・・・需要予測部、13・・・自家発電予測部、14・・・計算部、15・・・出力部、16・・・記憶部、100・・・余剰電力取引支援システム、900・・・コンピュータ、901・・・CPU、902・・・主記憶装置、903・・・補助記憶装置、904・・・入出力インタフェース、905・・・通信インタフェース

Claims (11)

  1. 1つ又は複数の自家発電事業者が発電する余剰電力の取引を支援する取引支援装置であって、
    前記自家発電事業者が発電する単位時間ごとの余剰電力の予測値を取得する手段と、
    前記自家発電事業者と取引事業者との間の前記余剰電力の取引単価を取得する手段と、
    前記自家発電事業者と前記取引事業者との間で取引する所定の単位契約期間ごとの前記余剰電力を設定する手段と、
    前記設定された余剰電力の取引金額を算出する手段と、
    前記単位契約期間ごとに、取得された前記単位時間ごとの前記余剰電力の予測値の分布を計算する手段と、
    前記単位時間ごとの前記余剰電力の取引に係る1つ又は複数の外部リスクの予測値又は実績値を取得する手段と、
    前記単位契約期間ごとに、取得された前記単位時間ごとの1つ又は複数の前記外部リスクの予測値又は実績値の分布を計算する手段と、
    前記単位契約期間ごとに、前記余剰電力の予測値の分布に基づいて、当該単位契約期間における前記余剰電力の安定性を評価する手段と、
    前記単位契約期間ごとに、1つ又は複数の前記外部リスクの予測値又は実績値の分布に基づいて、当該単位契約期間における1つ又は複数の前記外部リスクの安定性を評価する手段と、
    同一の前記単位契約期間ごとの前記余剰電力の前記安定性および1つ又は複数の前記外部リスクの前記安定性に基づいて、前記単位契約期間を、前記余剰電力および1又は複数の前記外部リスクの各々が安定か又は不安定かに応じてできる、前記余剰電力および1又は複数の前記外部リスクの前記安定性に関する全ての組合せの何れかに分類する手段と、
    前記単位契約期間ごとに前記分類した結果を出力する手段と、
    を備える取引支援装置。
  2. 前記自家発電事業者が発電する前記単位時間ごとの電力を予測する手段と、
    前記自家発電事業者が消費する前記単位時間ごとの電力を予測する手段と、
    をさらに備える請求項1に記載の取引支援装置。
  3. 前記自家発電事業者が発電する単位時間ごとの電力の不足分を取得する手段と、
    前記不足分を前記取引事業者から購入するために必要な金額を算出する手段と、
    をさらに備える請求項1または請求項2に記載の取引支援装置。
  4. 前記取引単価を取得する手段は、時期および時間帯ごとに設定された取引単価を取得する、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の取引支援装置。
  5. 前記取引事業者が1つ又は複数の前記自家発電事業者から購入した前記余剰電力の販売先ごとの販売単価を取得する手段と、
    前記取引事業者が、購入した前記余剰電力を前記販売先に分配して販売する場合に、その収益を最大化する分配方法を算出する手段と、
    をさらに備える請求項1から請求項4の何れか1項に記載の取引支援装置。
  6. 前記取引事業者が、1つ又は複数の前記自家発電事業者から購入した前記余剰電力を容量市場に入札する場合に、購入した前記余剰電力から需要家への供給義務分を減算した残りの前記余剰電力に基づいて、時間帯ごとに前記容量市場に供給可能な電力を算出する手段、
    をさらに備える請求項1から請求項5の何れか1項に記載の取引支援装置。
  7. 前記単位契約期間を時系列に並べ、それぞれの前記単位契約期間ごとに当該単位契約期間における前記余剰電力の予測値の分布を表示した第1のグラフを生成する手段と、
    前記第1のグラフを出力する手段と、
    をさらに備える請求項1から請求項6の何れか1項に記載の取引支援装置。
  8. 前記単位契約期間を時系列に並べ、それぞれの前記単位契約期間ごとに当該単位契約期間における1つ又は複数の前記外部リスクの予測値又は実績値の分布を表示した第2のグラフを生成する手段と、
    前記第2のグラフを出力する手段と、
    をさらに備える請求項1から請求項7の何れか1項に記載の取引支援装置。
  9. 前記取引事業者が電力を調達する全ての一般発電事業者について、それぞれの前記一般発電事業者が発電する電力量の所定の予測対象期間における予測値である第1の予測値を取得する手段と、
    前記取引事業者が余剰電力を調達する全ての前記自家発電事業者について、それぞれの前記自家発電事業者が発電する余剰電力量の前記予測対象期間における予測値である第2の予測値を取得する手段と、
    前記取引事業者が電力を供給する全ての需要家について、当該需要家による電力量の需要の前記予測対象期間における予測値である第3の予測値を取得する手段と、
    全ての前記一般発電事業者についての前記第1の予測値と、全ての前記自家発電事業者についての前記第2の予測値と、を合計する手段と、
    全ての前記需要家についての前記第3の予測値を合計する手段と、
    前記第1の予測値を合計した結果と、前記第2の予測値を合計した結果と、前記第3の予測値を合計した結果と、を出力する手段と、
    をさらに備える請求項1から請求項8の何れか1項に記載の取引支援装置。
  10. 1つ又は複数の自家発電事業者が発電する余剰電力の取引を支援するコンピュータが行う取引支援方法であって、
    前記自家発電事業者が発電する単位時間ごとの余剰電力の予測値を取得するステップと、
    前記自家発電事業者と取引事業者との間の前記余剰電力の取引単価を取得するステップと、
    所定の単位契約期間ごとに、取得された前記単位時間ごとの前記余剰電力の予測値の分布を計算するステップと、
    前記単位時間ごとの前記余剰電力の取引に係る1つ又は複数の外部リスクの予測値又は実績値を取得するステップと、
    前記単位契約期間ごとに、取得された前記単位時間ごとの1つ又は複数の前記外部リスクの予測値又は実績値の分布を計算するステップと、
    前記単位契約期間ごとに、前記余剰電力の予測値の分布に基づいて、当該単位契約期間における前記余剰電力の安定性を評価するステップと、
    前記単位契約期間ごとに、1つ又は複数の前記外部リスクの予測値又は実績値の分布に基づいて、当該単位契約期間における1つ又は複数の前記外部リスクの安定性を評価するステップと、
    同一の前記単位契約期間ごとの前記余剰電力の前記安定性および1つ又は複数の前記外部リスクの前記安定性に基づいて、前記単位契約期間を、前記余剰電力および1又は複数の前記外部リスクの各々が安定か又は不安定かに応じてできる、前記余剰電力および1又は複数の前記外部リスクの前記安定性に関する全ての組合せの何れかに分類するステップと、
    前記単位契約期間ごとに前記分類した結果を出力するステップと、
    出力された前記結果に基づいて、前記自家発電事業者と前記取引事業者との間で取引する前記単位契約期間ごとの前記余剰電力を設定するステップと、
    出力された前記結果に基づいて、前記設定された余剰電力の取引金額を算出するステップと、
    を有する取引支援方法。
  11. コンピュータに、
    1つ又は複数の自家発電事業者が発電する余剰電力の取引を支援する処理であって、
    前記自家発電事業者が発電する単位時間ごとの余剰電力の予測値を取得するステップと、
    前記自家発電事業者と取引事業者との間の前記余剰電力の取引単価を取得するステップと、
    所定の単位契約期間ごとに、取得された前記単位時間ごとの前記余剰電力の予測値の分布を計算するステップと、
    前記単位時間ごとの前記余剰電力の取引に係る1つ又は複数の外部リスクの予測値又は実績値を取得するステップと、
    前記単位契約期間ごとに、取得された前記単位時間ごとの1つ又は複数の前記外部リスクの予測値又は実績値の分布を計算するステップと、
    前記単位契約期間ごとに、前記余剰電力の予測値の分布に基づいて、当該単位契約期間における前記余剰電力の安定性を評価するステップと、
    前記単位契約期間ごとに、1つ又は複数の前記外部リスクの予測値又は実績値の分布に基づいて、当該単位契約期間における1つ又は複数の前記外部リスクの安定性を評価するステップと、
    同一の前記単位契約期間ごとの前記余剰電力の前記安定性および1つ又は複数の前記外部リスクの前記安定性に基づいて、前記単位契約期間を、前記余剰電力および1又は複数の前記外部リスクの各々が安定か又は不安定かに応じてできる、前記余剰電力および1又は複数の前記外部リスクの前記安定性に関する全ての組合せの何れかに分類するステップと、
    前記単位契約期間ごとに前記分類した結果を出力するステップと、
    出力された前記結果に基づいて、前記自家発電事業者と前記取引事業者との間で取引する前記単位契約期間ごとの前記余剰電力を設定するステップと、
    出力された前記結果に基づいて、前記設定された余剰電力の取引金額を算出するステップと、
    を有する処理を実行させるプログラム。
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