WO2003066854A1 - Agent anticancereux utilisant des variantes de verotoxines - Google Patents

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Description

明 細 書 変異べ口毒素を用いた抗癌剤 技術分野
本発明は、 弱毒化したベロ毒素、 その Aサブユニット、 それらを有効成分とす る抗癌剤及び該抗癌剤を用いた癌の治療方法に関する。 また、 本発明は、 上記弱 毒化べ口毒素又はその Aサブュニットをコ一ドする DNA、 それらの DNAを含 むベクター、 該ベクタ一を含む宿主細胞、 該ベクター又は該宿主細胞を有効成分 とする癌の遺伝子治療剤、 及び該遺伝子治療剤を用いた癌の遺伝子治療方法に関 する。 更に、 本発明は、 上記弱毒化べ口毒素又はその Aサブユニットと、 癌細胞 に特異的又は選択的に結合するためのリガンドとを含む複合体、 及び該複合体を 有効成分とする抗癌剤に関する。 背景技術
ベロ毒素 (Vero toxin : VT) は、 病原性大腸菌の一種である腸管出血性大腸菌 が産生するタンパク質性外毒素である。該毒素は、 1つの Aサブユニットと 5つ の Bサブユニットとから構成され、 Aサブュニットは毒性を有し、 Bサブュニッ トはレセプタ一への結合性を有することが知られている。
また、 ベロ毒素には、 志賀赤痢菌の 1型菌が産生するシガトキシンと同一の 1 型べ口毒素 (VT1) と、 VT1と約 60%の相同性を示す 2型べ口毒素 (VT2) とが 存在する。
現在では、 ベロ毒素ファミリ一として、 VT1 (Vero toxin l) (「SLT (shiga- like toxin type I)」 ともいう。)、 VT2 (Vero toxin 2) (「SL "II (shiga-like toxin type II) J ともいう。)、 VT2vha (VT2 variant human a) > VT2vhb (VT2 variant human b)、 VT2vpl (VT2 variant porcine 1)、 VT2vp2 (VT2 variant porcine 2) 等が知られている。
ベロ毒素は RNAに対する N—グリコシダ一ゼ活性を有しており、 真核細胞由 来のリボゾームの 60S亜粒子を構成する 28S リポゾ一マル RNAの 5'末端から 4324番目のアデノシン残基のグリコシド結合を加水分解し、アデニンを遊離させ る。 その結果、 伸長因子 1 (EF-1)依存性ァミノアシル tRNAのリポゾ一ムへの 結合が阻害されることにより、 タンパク質合成が阻害され、 細胞が死滅する。 こ のようにして、 ベロ毒素は出血性大腸炎、 溶血性尿毒症症候群、 脳症等の重篤な 疾患を引き起こす。
上述したように、 ベロ毒素は夕ンパク質合成阻害作用を有することが知られて いるにも関わらず、 ワクチンとしての利用以外は、 ほとんど研究されていないの が現状である。
そこで、 本発明の主な目的は、 癌に対して有効な弱毒化べ口毒素、 その Aサブ ュニット、 又はそれらとリガンドとの複合体等を提供することである。 図面の簡単な説明
図 1は、 VT2vpl毒素 Aサブュニットの構造遺伝子の塩基配列及び推定ァミノ 酸配列を示す。 括弧内における N末端から 22アミノ酸残基又は 5'末端から 66 塩基は、 リーダーシークェンスを示す。
図 2は、 VT2vpl毒素 Bサブュニットの構造遺伝子の塩基配列及び推定ァミノ 酸配列を示す。 括弧内における N末端から 19アミノ酸残基又は 5'末端から 57 塩基は、 リーダ一シークェンスを示す。
図 3は、 6種類のベロ毒素 Aサブユニットのの推定アミノ酸配列を示す。 Tは プロセッシングを受ける位置を示し、—は V 2と同じアミノ酸であることを示し、 +はアミノ酸が欠失していることを示す (文献 7)。
図 4は、 ワイルドタイプのベロ毒素及び部位特異的突然変異誘発法で作製した 各弱毒化べ口毒素 (変異毒素) の塩基配列 (上) 及びアミノ酸配列 (下) を示す。 図中の数字はべ口毒素の Aサブュニットのアミノ酸残基の位置を示す。 #は 22 のリーダ一アミノ酸を除いた N末端からのアミノ酸残基の位置を示す。 また、 一 はワイルドタイプのベロ毒素と同じ塩基又はアミノ酸残基を示す。
図 5は、 ゥサギ網状赤血球ライゼ一ト系における細胞フリーグ口ビン合成にお いて精製した、 ワイルドタイプ VT2vpl毒素と 3種類の本発明べ口毒素 (変異 VT2vpl毒素) によるタンパク質合成抑制のアツセィの結果を示す。 縦軸はタン パク質合成活性 (%) を、 横軸は毒素の量 g) を示す。 ' 図 6は、 胎児臍帯静脈内皮細胞におけるトロポニン I夕ンパク質による細胞増 殖の抑制率 (図 A)、 及び TnI-VT2vpl-dmA (〇) 及び VT2vpl-dmA-TnI (·) による細胞増殖の抑制率 (図 を示す。 縦軸はコントロールに対する内皮細胞 の増殖の抑制率(%) を、 横軸は培地 lml中に添加したタンパク質の量(図 Aは ng、 図 Bは pg) を示す。
図 7は、 2 X 106個の人の卵巣癌細胞 (SKOV3) を接種した雌のヌードマウス の腹腔に、コントロールとしての PBS (拳)、 3 gのトロポニン I夕ンパク質(〇)、
3 gの TnI-VT2vpl-dmA融合夕ンパク質(T)、及び 3 gの VT2vpl-dmA-TnI 融合タンパク質 (V) をマウスの腹腔内に投与したときの結果を示す。 縦軸は癌 体積 (mm3) を、 横軸はマウスに癌細胞を接種してからの日数を示す。 発明の開示
本発明者は、 ベロ毒素を弱毒化することにより、 抗癌剤として使用できること を見出した。 すなわち、 本発明は、 下記の項 1〜21に関する。
項 1 .ベロ毒素の Aサブュニットのアミノ酸配列の N末端から 167— Γ72番目 の配列及び 202— 207番目の配列の少なくとも 1種の配列が変異された弱毒化べ 口毒素。
項 2 .ベロ毒素の Aサブュニットのアミノ酸配列の N末端から 167— 172番目 の配列及び 202— 207番目の配列の少なくとも 1種の配列が置換又は欠失された、 上記項 1に記載の弱毒化べ口毒素。
項 3 .ベロ毒素の Aサブュニットのアミノ酸配列の N末端から 167、 170、 172 及び 202番目の配列の少なくとも 1種の配列が置換又は欠失された、上記項 1に 記載の弱毒化べ口毒素。
項 4 . ベロ毒素の Aサブユニットのアミノ酸配列の N末端から 167番目のグ ル夕ミン酸がグルタミンに、及び Z又は 170番目のアルギニンがロイシンに置換 された、 上記項 1に記載の弱毒化べ口毒素。
項 5 . ベロ毒素の Aサブュニットのアミノ酸配列の N末端から 172番目のァ ルギニンがロイシンに置換された、 上記項 1に記載の弱毒化べ口毒素。 項 6 . ベロ毒素の Aサブュニットのアミノ酸配列の N末端から 202番目のト リブトフアンがロイシン又はヒスチジンに置換された、 上記項 1に記載の弱毒ィ匕 ベロ毒素。
項 7 . 上記項 1に記載の弱毒化べ口毒素の Aサブュニット。
項 8 . 上記項 7に記載の Aサブユニットをコードする DNA。
項 9 . 上記項 8に記載の DNAが揷入されたべクタ一。
項 1 0 .上記項 7に記載の弱毒ィ匕ベロ毒素の Aサブュニット又はその薬学的に 許容される塩を有効成分として、 薬学的に許容される担体、 賦形剤又は希釈剤を 含有する抗癌剤。
項 1 1 . 上記項 1に記載の弱毒化べ口毒素又はその蕖学的に許容される塩を有 効成分として、 薬学的に許容される担体、 賦形剤又は希釈剤を含有する抗癌剤。 項 1 2 .上記項 7に記載の弱毒ィ匕ベロ毒素の Aサブュニットと癌細胞に特異的 又は選択的に結合'するためのリガンドとを含む複合体。
項 1 3 . 上記項 7に記載の弱毒化べ口毒素の Aサブュニッ卜とトロポニン Iを 含む融合タンパク質。
項 1 4. 上記項 8に記載の DNA及びトロポニン Iをコ一ドする DNAを含む 融合遺伝子。
項 1 5 . 上記項 8に記載の DNA及びトロポニン Iをコードする DNAを含む 融合遺伝子を有するベクタ一。
項 1 6 . 上記項 1に記載の弱毒化べ口毒素と癌細胞に特異的又は選択的に結合 するためのリガシドとを含む複合体。
項 1 7 . 上記項 12に記載の複合体又はその薬学的に許容される塩を有効成分 として、 薬学的に許容される担体、 賦形剤又は希釈剤を含有する抗癌剤。
項 1 8 . 上記項 13に記載の融合タンパク質又はその薬学的に許容される塩を 有効成分として、薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤を含有する抗癌剤。 項 1 9 . 上記項 10、 11、 17又は 18に記載の抗癌剤を用いる癌の治療方法。 項 2 0 . 上記項 9又は 15に記載のベクタ一を有効成分とする癌の遺伝子治療 剤。
項 2 1 . 上記項 20に記載の遺伝子治療剤を用いる癌の遺伝子治療方法。 発明の詳細な記述
ベロ毒素とは、腸管出血性大腸菌が産生するタンパク質性外毒素のことであり、 Aサブュニット及び Bサブュニットから構成される。該毒素が由来する大腸菌の 種類は限定されない。 毒素の種類としても限定されず、 例えば、 VT1、 VT2、 VT2vha、 VT2vhb、 VT2vpl及び V 2vp2等が挙げられ、 好ましくは VT2vpl である。
参考として、 配列番号 1、 2及び図 1に VT2vplの Aサブユニットの塩基配列 及びアミノ酸配列を、 配列番号 3、 4及び図 2に VT2vplの Bサブュニットの塩 基配列及びアミノ酸配列を示す。 また、 ベロ毒素ファミリーのメンバーのァミノ 酸配列を図 3に示す。
なお、 配列番号 1又は図 1に示した Aサブュニットにおいて、 N末端から 22 個のアミノ酸 (図 1中の括弧内) がリーダーシークェンスであるので、 本明細書 におけるァミノ酸の配列中の番号は、 リ一ダ一シークエンスを除いた番号で表す こととする。すなわち、本明細書において N末端から X番目のアミノ酸とは、 配 列番号 1では N末端から (x+22) 番目を意味する。 例えば、 本明細書において N末端から 10番目のアミノ酸とは、 配列番号 2では N末端から 32番目のアミ ノ酸のことである。
同様に、配列番号 4又は図 2に示された Bサブュニッ卜アミノ酸配列において は、 N末端から 19個のアミノ酸 (図 2中の括弧内) がリーダーシ一クエンスで ある ά
また、 本明細書において、 DNA配列の場合、 Αサブュニットの DNA配列では 5'末端から y番目の塩基とは、 配列番号 1では (y+66) 番目の塩基を意味する。 同様に、 Bサブユニットの DNA配列 (配列番号 3) では、 5'末端から z番目の塩 基とは、 (z+57) 番目の塩基を意味する。
本発明の弱毒化べ口毒素
本発明における弱毒化したベロ毒素(以下、 「弱毒化べ口毒素」又は「変異毒素 J ということがある。) とは、正常細胞に対するタンパク質合成作用への影響等の細 胞毒性をできる限り少なくし、 癌組織細胞のタンパク質合成に対して阻害作用を 示すようにしたベロ毒素のことをいう。 弱毒化べ口毒素は、 Aサブュニット及び Bサブュニットを含むが、 Aサブュニ ット単独でもよい。 また、 Aサブユニットと Bサブュニットの組み合わせ方も限 定されず、同種のベロ毒素のサブュニット同士の組み合わせでも良いし、例えば、 VT2vplの Aサブュニットと VT2vp2の Bサブュニットの組み合わせというよう に、 異なる種類のベロ毒素のサブユニット同士を組み合わせることもできる。 本発明は、 ベロ毒素の Aサブュニッ卜の 167番目及び 170番目のアミノ酸が 毒性の活性中心であることに基いて、 それらの部位又はその他の部位のアミノ酸 変異させることによって、 ベロ毒素を弱毒化させ、 抗癌剤、 抗ウィルス剤、 抗菌 剤等として用いることができるようにしたものである。
本発明の弱毒化べ口毒素は、 Aサブュニットのアミノ酸配列の N末端から 167 — 172、 200— 207番目の配列のうちの少なくとも 1種、好ましくは 1又は数種の 配列を変異させた弱毒化べ口毒素である。
本明細書において、 変異とは置換、 欠失、 挿入又は付加を示す。 例えば、 ベロ 毒素のアミノ酸配列中にアミノ酸を挿入する場合、 166番目の配列と 167番目の 配列の間にアミノ酸を揷入すると、 167番目の配列にアミノ酸を揷入したことに なる。また、 172番目の配列と 173番目の配列の間にアミノ酸を揷入すると、 172 番目の配列にアミノ酸を揷入したことになる。 上記のようにアミノ酸を揷入する と、 200—207番目の配列も変異されたことになる。
アミノ酸配列の 200— 207番目の配列中にアミノ酸を挿入する際についても上 記と同様に考えることができる。
付加するアミノ酸の数は、 1個以上,、 好ましくは 1又は数個であるが、 細胞毒 性が抑制され、 抗癌作用を有している限り限定されない。
アミノ酸を付加する場合、 ベロ毒素の Aサブュニットのアミノ酸配列の N末 端又は C末端に 1個以上のアミノ酸を付加することができる。付加するアミノ酸 の数は、 好ましくは 1又は数個が例示できるが、 細胞毒性が抑制され、 抗癌作用 を有している限り限定されない。
好ましくは、 ベロ毒素の Aサブユニットのアミノ酸配列の N末端から 167— 172、 200— 207番目の配列のうちの少なくとも 1種、好ましくは 1又は数種の配 列を置換又は欠失させた弱毒化べ口毒素である。 より好ましくは、 Aサブユニットの N末端から 167、 170、 Γ72及び 202番目 の配列の少なくとも 1個が、 置換又は欠失した弱毒化べ口毒素が挙げられ、 最も 好ましくは、 167、 170、 172及び 202番目のアミノ酸の少なくとも 1個が置換さ れた弱毒化べ口毒素が挙げられる。
例えば、 Aサプュ二ットの N末端から 167番目のダル夕ミン酸は、グリシン、 ァラニン、 バリン、 ロイシン、 イソロイシン、 フエ二ルァラニン、 チロシン、 ト リブトフアン、 セリン、 トレオニン、 システィン、 メチォニン、 グルタミン、 ァ スパラギン等の中性アミノ酸に置換することが好ましい。
170番目のアルギニン及び 172番目のアルギニンも、 上で例示したような中性 アミノ酸に置換することが好ましい。 202番目のトリブトファンは、 上に例示し たような中性アミノ酸又はリジン、 アルギニン、 ヒスチジン等の塩基性アミノ酸 に置換することが好ましい。
その中でも特に好ましい態様としては、 ベロ毒素の Aサブュニットの N末端 から 167番目のグルタミン酸をダル夕ミン及び/又は 170番目のアルギニンをロ イシンに置換した弱毒化べ口毒素、 172番目のアルギニンをロイシンに置換した 弱毒化べ口毒素、 202番目のトリブトファンをロイシン又はヒスチジンに置換し た弱毒化べ口毒素等が例示できる (図 4参照)。
本発明の弱毒化べ口毒素の製造方法
本発明の弱毒化べ口毒素又はその Aサブユニット (以下、 「本発明タンパク質」 ということもある。) を得る方法としては、何ら限定されず、公知の生物学的方法 又は化学的方法を用いることができる。
( 1 ) 生物学的方法
(i) 本発明 DNA
本発明タンパク質を得るための生物学的方法としても特に限定されず、 公知の 方法を用いることができる。
例えば、 ベロ毒素又はその Aサブユニットをコードする DNAを、 公知の手段 を用いて改変することにより、 本発明タンパク質をコードする DNA (以下、 「本 発明 DNA」 ともいう。) を作製し、 得られた本発明 DNAを用いて公知の遺伝子 工学的手段により本発明タンパク質を得ることができる。 ベロ毒素の DNAの改変は、 例えば、 部位特異的突然変異誘発 〔Methods in Enzymology, 154, 350, 367-382 (1987);同 100, 468 (1983); Nucleic Acids Res., 12, 9441 (1984);続生化学実験講座 1「遺伝子研究法 II」、日本生化学会編, pl05 (1986)〕 等の遺伝子工学的手法を用いて行うことができる。 この方法は、 例え ば、 TOYOBO社の部位特異的突然変異導入キット "Transformer TM Site- Directed Mutagenesis Kit" を用いて行うこともできる。
本発明の部位特異的突然変異誘発法において、 好ましくは、 表 1に示す変異塩 基導入オリゴヌクレオチドがプライマーとして使用できる。
また、 化学的 DNA合成法としては、 例えば、 リン酸トリエステル法、 リン酸 アミダイト法等の公知の化学合成手段 〔 Am. Chem. Soc, 89, 4801 (1967) ; 同 91, 3350 (1969); Science, 150, 178 (1968); Tetrahedron Lett., 22, 1859 (1981);同 24, 245 (1983)〕、 及びそれらの組合せ方法等が使用できる。
より具体的には、 DNAはホスホロアミダイト法又はトリエステル法を利用し た化学合成法によって合成することもでき、 また、 市販されている自動オリゴヌ クレオチド合成装置等を利用して合成することもできる。
以上のようにして、本発明 DNA、好ましくは図 4で示される配列の DNAを得 ることができる (図 4は、 本発明の弱毒化べ口毒素のアミノ酸配列及びそれをコ 一ドする DNAの配列がワイルドタイプと異なる部位を示す)。
例えば、 変異毒素 E167Q— R170L (ベロ毒素の Aサブユニットの N末端から 167番目のグルタミン酸をグルタミン及ぴ 170番目のアルギニンをロイシンに置 換した弱毒化べ口毒素) をコ一ドする DNAの場合は、 ベロ毒素の DNA配列の 499番目の Gが Cに、 501番目の Aが Gに、 509番目の Gが Tに改変されてい る。 ここで、 「A」 はアデニンを示し、 「T」 はチミンを示し、 「G」 はグァニンを 示し、 「C」 はシトシンを示す。
変異毒素 E167Q (ベロ毒素の Aサブュニットの N末端から 167番目のダル夕 ミン酸をグルタミンに置換した弱毒化べ口毒素) をコ一ドする DNAの場合は、 ベロ毒素の DNA配列の 499番目の Gが Cに改変されている。
変異毒素 R170L (ベロ毒素の Aサブュニットの N末端から 170番目のアルギ ニンをロイシンに置換した弱毒化べ口毒素) をコードする DNAの場合は、 ベロ 毒素の DNA配列の 509番目の Gが Tに改変されている。
変異毒素 R172L (ベロ毒素の Αサブュニットの N末端から Γ72番目のアルギ ニンをロイシンに置換した弱毒化べ口毒素) をコードする DNAの場合は、 ベロ 毒素の DNA配列の 514番目の Aが Cに、 515番目の Gが Tに改変されている。
W202L (ベロ毒素の Aサブュニットの N末端から 202番目のトリブトファン をロイシンに置換した弱毒ィ匕ベロ毒素) をコードする DNAの場合は、 ベロ毒素 の DNA配列の 604番目の Tが Cに、 605番目の Gが Tに改変されている。
W202H (ベロ毒素の Aサブュニットの N末端から 202番目のトリプトファン をヒスチジンに置換した弱毒化べ口毒素) をコードする DNAの場合は、 ベロ毒 素の DNA配列の 604— 606番目の 「TGG」 が 「CAC」 に改変されている。
本発明 DNAは、 PCR法 [Science, 230, 1350 (1985)〕 により DNAを好適に 増幅させることができる。また、 EACE法〔Rapid amplification of cDNA ends; 実験医学、 12 (6) , 35 (1994)〕、 5'-RACE法 〔M.A. Frohman, etal., Proc. Na . Acad. Sci., USA., 8, 8998 〈1988)〕 等も用いることができる。
PCR法において使用されるプライマーは、 本発明において得られた本発明 DNAの配列情報に基づいて適宜設定することができ、 常法に従って合成するこ とができる。 なお、 増幅させた DNAの単離精製も常法に従うことができる。 例 えば、 ゲル電気泳動法等によることができる。
上記方法により得られる本発明 DNAは、 例えばジデォキシ法 CProc. Natl. Acad. Sci., USA., 74, 5463 (1977)〕、 マキサム—ギルバート法 [Methods in Enzymology, 65, 499 (1980)〕 等の常法に従って、 その塩基配列を決定すること ができる。 また、 簡便には、 市販のシークェンスキット等を用いて、 その塩基配 列を決定することができる。
(ii) 本発明タンパク質
本発明タンパク質は、 本発明 DNAの配列に基いて、 通常の遺伝子組換え技術 〔例えば、 Science, 224, 1431 (1984); Biochem. Biophys. Res. Comm., 130, 692 (1985) ; Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 80, 5990 (1983) 等参照〕 に従って調製 することができる。
より詳細には、 本発明タンパク質は、 本発明 DNAが宿主細胞中で発現できる 組換え DNA (発現ベクター) を作成し、 これを宿主細胞に導入して形質転換し、 該形質転換体を培養し、 次いで得られる培養物から回収することにより得ること ができる。
宿主細胞としては、 原核生物及び真核生物のいずれも用いることができる。 原 核生物の宿主としては、 例えば大腸菌、 枯草菌等の一般的に用いられるものが広 く挙げられる。好適には大腸菌、 とりわけェシエリキア 'コリ (Escherichia coli) K12株に含まれるものが用いられる。
真核生物の宿主細胞としては、 特に限定されるものではなく、 例えば、 脊椎動 物、 酵母等の細胞を用いることができる。 脊椎動物の細胞としては、 例えば、 サ ルの細胞である COS細胞 [Cell, 23: 175 (1981)〕、 チャイニーズ ·ハムスター 卵巣細胞及びそのジヒドロ葉酸レダクタ一ゼ欠損株 〔Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 77: 4216 (1980)〕 等を好適に使用できる。 酵母の細胞としては、 例えば サッカロミセス属酵母細胞等を好適に利用できる。
原核生物細胞を宿主とする場合は、 該宿主細胞中で複製可能なベクターを用い て、 このべクタ一中に本発明 DNAが発現できるように該遺伝子の上流にプロモ 一夕一及び SD (シャイン ·アンド ·ダルガーノ) 塩基配列、 更にタンパク合成 開始に必要な開始コドン(例えば ATG) を付与した発現プラスミドを好適に利用 できる。
上記べクタ一としては、 一般に大腸菌由来のプラスミド、 例えば pBR322、 pBR325、 pUC12、 pUC13等がよく用いられるが、 これらに限定されず公知の各 種のベクターを利用することができる。 大腸菌を利用した発現系に利用される上 記べクタ一の市販品としては、例えば、 pGEX-4T (Amersham Pharmacia Biotech 社)、 MAL-C2, pMAl-P2 (New England Biolabs社)、 pET21, pET21/lacq (Invitrogen社)、 BAD/His (Invitrogen社) 等を例示できる。
脊椎動物細胞を宿主とする場合の発現べクタ一としては、 通常、 発現しようと する本発明 DNAの上流に位置するプロモーター、 RNAのスプライス部位、ポリ アデニル化部位及び転写終了配列を保有するものが挙げられ、 これは更に必要に より複製起点を有していてもよい。
該発現べクタ一の例としては、 具体的には、 例えば、 SV40 の初期プロモー夕 一を保有する pSV2dhfr 〔Mol. Cell. Biol., 1: 854 (1981)〕 等が例示できる。 上記以外にも既知の各種の市販ベクターを用いることができる。 動物細胞を禾 IJ 用した発現系に利用されるかかるべクタ一の市販品としては、例えば pEGFP-N, pEGFP-C (Clontrecli社)、 IND (Invitrogen社)、 pcDNA3.1/His (Invitrogen 社) 等の動物細胞用ベクター、 pFastBac HT ( GibciBRL社)、 p AcGHLT ( PharMingen 社)、 pAc5/V5'His , pMT V5'His, pMT/Bip V5-his (以上 Invitrogen社) 等の昆虫細胞用ベクター等が挙げられる。
また、 酵母細胞を宿主とする場合の発現ベクターの具体例としては、 例えば、 酸性ホスファタ一ゼ遺伝子に対するプロモータ一を有する pAM82 CProc. Natl. Acad. Sci., USA., 80: 1 (1983)) 等が例示できる。 市販の酵母細胞用発現べク 夕一には、 例えば、 pPICZ (Invitrogen社)、 PICZ a (Invitrogen社) なとが 包含される。
プロモータ一としても特に限定されず、ェシエリキア属菌を宿主とする場合は、 例えば、 トリプトファン (trp) プロモータ一、 lppプロモ一ター、 lacプロモ一 タ一、 recAプロモータ一、 PL/PRプロモーター等を好ましく利用できる。 宿主 がバチルス属菌である場合は、 SP01プロモーター、 SP02プロモ一夕一、 penP プロモーター等が好ましい。 酵母を宿主とする場合のプロモータ一としては、 例 えば pH05プロモーター、 PGKプロモーター、 GAPプロモーター、 ADHプロ モ一夕一等を好適に利用できる。
また、 動物細胞を宿主とする場合の好ましいプロモータ一としては、 SV40 由 来のプロモーター、 レトロウイルスのプロモ一ター、 メタ口チォネインプロモ一 夕一、 ヒートショックプロモーター、 サイトメガロウィルスプロモータ一、 SR CK プロモ一夕一等を例示できる。
本発明 DNAの発現べクタ一としては、 通常の融合タンパク発現ベクターも好 ましく利用できる。該ベクターの具体例としては、 ダル夕チオン- S-トランスフエ ラ一ゼ (GST) との融合タンパクとして発現させるための pGEX (Promega社) 等を例示できる。
成熟ポリぺプチドのコ一ド配列が宿主細胞からのポリぺプチドの発現、 分泌を 助けるポリヌクレオチド配列としては、 分泌配列、 リーダ配列が例示できる。 本 発明タンパク質の製造には、 これらの配列を利用することもできる。 また、 本発 明タンパク質の製造に当たっては、 細菌宿主に対して融合成熟ポリペプチドの精 製に使用されるマーカ一配列(へキサヒスチジン 'タグ、. ヒスチジン 'タグ)、哺乳 動物細胞の場合はへマグルチニン (HA) ·タグ等を利用することもできる。
所望の組換え DNA (発現ベクター) の宿主細胞への導入法及びこれによる形 質転換法としては特に限定されず、 一般的な各種方法を採用することができる。 形質転換体は常法に従って培養でき、 該培養により所望のように設計した遺伝 子によりコードされる本発明の目的タンパク質が、 形質転換体の細胞内、 細胞外 または細胞膜上に発現、 生産 (蓄積、 分泌) される。
培養に用いられる培地としては、 用いる宿主細胞に応じて通常使用される各種 の培地を適宜選択利用できる。 培養も宿主細胞の生育に適した条件下で実施でき る。
このようにして得られる本発明の組換えタンパク質は、 所望により、 その物理 的性質、 化学的性質等を利用した各種の分離操作 〔「生化学データーブック II」、 1175-1259頁、 第 1版第 1刷、 1980年 6月 23日株式会社東京化学同人発行; Biochemistry, 25 (25) , 8274 (1986) ; Eur. J. Biochem., 163, 313 (1987) 等 参照〕 により分離、 精製できる。
該方法としては、 例えば、 通常の再構成処理、 タンパク沈澱剤による処理 (塩 析法)、遠心分離、 浸透圧ショック法、 超音波破碎、 限外濾過、 分子篩クロマトグ ラフィー(ゲル濾過)、 P及着クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、 ァフィ二ティクロマトグラフィー、 高速液体クロマトグラフィー (HPLC) 等の 各種液体クロマトグラフィ一、 透析法、 これらの組合せが例示できる。 特に好ま しい方法としては、 本発明タンパク質に対して特異的な抗体を結合させたカラム を利用したァフィ二ティクロマトグラフィー等を例示することができる。
( 2 ) 化学的方法
本発明タンパク質はまた、 例えば図 4に示すアミノ酸配列に従って、 一般的な 化学合成法により製造することができる。 このような方法には、 通常の液相法及 び固相法によるべプチド合成法が包含される。
このようなペプチド合成法は、 より詳しくは、 アミノ酸配列情報に基づいて、 各アミノ酸を 1個ずつ逐次結合させて鎖を延長させていく、 いわゆるステップヮ ィズェ口ンゲーシヨン法と、 ァミノ酸数個からなるフラグメントを予め合成し、 次いで各フラグメントをカップリング反応させるフラグメント ·コンデンセ一シ ョン法とを包含し、 本発明タンパク質の合成はそのいずれによってもよい。
上記ペプチド合成に採用される縮合法も常法に従うことができ、 例えばアジド 法、 混合酸無水物法、 DCC法、 活性エステル法、 酸化還元法、 DPPA (ジフエ二 ルホスホリルアジド) 法、 DCC+添加物 (添加物: 1-ヒドロキシベンゾトリァゾ —ル、 N-ヒドロキシサクシンアミド、 N-ヒドロキシ -5-ノルポルネン -2,3-ジカル ポキシイミド等) 法、 ウッドワード法等を例示できる。
これら各方法に利用できる溶媒も、 ペプチド縮合反応に使用されることが知ら れている一般的なものから適宜選択することができる。 例えば、 ジメチルホルム アミド (DMF)、 ジメチルスルホキシド (DMSO)、 へキサホスホロアミド、 ジ ォキサン、 テトラヒドロフラン (THF)、 酢酸ェチル及びこれらの混合溶媒等を 挙げることができる。
なお、 上記ペプチド合成反応に際して、 反応に関与しないアミノ酸又はべプチ ドにおけるカルボキシル基は、 一般にはエステルィヒにより、 例えば、 メチルエス テル、 ェチルエステル、 第 3級ブチルエステル等の低級アルキルエステル、 例え ば、 ベンジルエステル、 P-メトキシベンジルエステル、 p-ニトロべンジルエステ ル等のァラルキルエステル等として保護することができる。
また、 側鎖に官能基を有するアミノ酸、 例えば、 チロシン残基等の水酸基は、 必要に応じて、 ァセチル基、 ベンジル基、 ベンジルォキシカルボ二ル基、 第 3級 ブチル基等で保護することができる。 更に、 例えば、 アルギニン残基のグァニジ ノ基は、 ニトロ基、 トシル基、 P-メトキシベンゼンスルホニル基、 メチレン- 2-ス ルホニル基、 ベンジルォキシカルポニル基、 イソポルニルォキシカルボ二ル基、 ァダマンチルォキシカルポニル基等の適当な保護基により保護することができる。 上記保護基を有するアミノ酸、 ぺプチド及び最終的に得られる本発明夕ンパク 質におけるこれら保護基の脱保護反応もまた、 例えば接触還元法、 液体アンモニ ァ/ナトリウム、 フッ化水素、 臭化水素、 塩化水素、 トリフルォロ酢酸、 酢酸、 蟻酸、 メタンスルホン酸等を用いる方法等の公知の方法に従って行うことができ る。
合成の各段階における縮合反応の進行の程度は、 例えばニンヒドリン反応法の ような公知の方法によって調べることができる。 また、 得られた本発明タンパク 質は、 例えば、 イオン交換樹脂、 分配クロマトグラフィー、 ゲルクロマトグラフ ィー、 向流分配法等の公知の方法に従って、 適宜精製を行うことができる。
リガンド
本発明には、 本発明タンパク質と癌細胞に特異的又は選択的に結合できるよう なリガンドと含む複合体も含まれる。
該リガンドとしては、 癌細胞、 癌組織中の血管内皮細胞等に特異的又は選択的 に結合できるものであれば特に限定されず、 生物学的なリガンドであっても化学 的なリガンドであってもよい。
例えば、 リガンドは、 癌細胞の表層に発現している物質と親和性を有する物質 で、 細胞表層物質に対して、 静電相互作用、 疎水相互作用、 ファンデルヮ一ルス 相互作用等により特異的又は選択的に結合するものが好ましい。
血管内皮細胞に特異的又は選択的に結合するリガンドとしては、 トロポニン I のような塩基性タンパク質が挙げられる。
また、 細胞表層物質に特異的又は選択的に結合するものとしては、 モノクロ一 ナル抗体、 ポリクローナル抗体、 抗体の抗原認識部位を含むフラグメント、 細胞 表層レセプ夕一、 レセプ夕一のリガンド結合部位を含むフラグメント、 糖鎖、 ポ リペプチド、 オリゴペプチド、 アミノ酸、 ポリヌクレオチド、 オリゴヌクレオチ ド、 ヌクレオチド、 脂質等が挙げられる。
より詳細には、 例えば、 抗インテグリン抗体、 抗 CD44抗体、 抗 MUC-1抗体、 抗サイトケラチン抗体、 抗上皮細胞増殖因子抗体、 抗インシュリン様増殖因子抗 体、 抗インシュリン様増殖因子レセプタ一抗体等の抗体、 抗原認識部位を含む抗 体の一部、 コラーゲン等のポリペプチド又はオリゴペプチド、 RGD配列を含む オリゴペプチド、 フイブロネクチン等の糖タンパク質、 ヒアルロン酸、 ホスホマ ンナン等の多糖、 マンノース一 6—リン酸五量体等のオリゴ糖、 マンノ一ス一 6 一リン酸等の単糖、 レチノイン酸等のビタミン酸等が挙げられる。
白血球、 赤血球等の正常細胞と相互作用しないという点で、 抗インシュリン様 増殖因子レセプ夕一抗体、マンノース一 6—リン酸五量体等が好適に用いられる。 化学的リガンドとしては、 例えば、 合成有機化合物、 合成高分子化合物のリガ ンドが利用できる。
上記リガンドを本発明夕ンパク質に結合させる方法は特に限定されず、 リガン ドの種類等に応じて適宜選択することができる。
例えば、 本発明タンパク質とリガンドとを混合して複合体を形成させることも できるし、 また、 上述したような公知の遺伝子工学的方法により、 例えば、 弱毒 化べ口毒素の Aサブユニットの DNA及びリガンドをコードする DNAを含む融 合遺伝子をプラスミドに構築する等して得ることもできる。 このとき、 融合遺伝 子において、 本発明 DNAとリガンドをコードする DNAはどちらが 5,末端に位 置してもよいが、 本発明 DNAが 5'に位置する (すなわち、 弱毒化べ口毒素の B サブュニットの代わりにリガンドが位置する) 方が好ましい。
本発明における特に好ましい態様としては、弱毒化べ口毒素の Aサブュニット とリガンドとしてトロポニン Iの融合タンパク質が挙げられる。 このとき、 Aサ ブユニットとトロポニン Iのどちらが N末端に位置してもよいが、好ましくは A サブュニッ卜が N末端に位置する方がよい。
医薬組成物 (抗癌剤)
本発明において抗癌剤とは、 癌細胞 (腫瘍細胞) の増殖を抑制したり、 癌細胞 (腫瘍細胞) を死滅させたりすることができる医薬組成物を意味する。
抗癌剤としては、 Aサブ二ット及び Bサブュニットを含む形で有効成分として 使用することもできるし、 Aサブュニットを有効成分とすることもできる。また、 Aサブニット及び Bサブュニットを含む形においては、それらを同時に使用する こともできるし、 別々に用いることもできる。 '
本発明の医薬組成物において、 抗癌剤の有効成分である本発明タンパク質又は 本発明複合体には、 その医薬的に許容される塩もまた包含される。 かかる塩は当 業界で周知の方法により調製される。 例えばナトリウム、 カリウム、 リチウム、 カルシウム、 マグネシウム、 バリウム、 アンモニゥム等のアルカリ金属塩、 アル 力リ土類金属塩、 アンモニゥム塩等が包含される。
更に、 有効成分化合物がアミノ基等の官能基を有する場合、 上記塩には、 本発 明の有効成分と適当な有機酸又は無機酸との反応による酸付加塩も包含される。 代表的酸付加塩としては、 例えば、 塩酸塩、 塩化水素酸塩、 臭化水素酸塩、 硫酸 塩、 亜硫酸塩、 酢酸塩、 蓚酸塩、 吉草酸塩、 ォレイン酸塩、 ラウリン酸塩、 硼酸 塩、 安息香酸塩、 乳酸塩、 リン酸塩、 P-トルエンスルホン酸塩(トシレート)、 ク ェン酸塩、 マレイン酸塩、 フマル酸塩、 コハク酸塩、 酒石酸塩、 スルホン酸塩、 グリコール酸塩、 ァスコルビン酸塩、 ベンゼンスルホン酸塩、 ナプシレート等が 例示される。
本発明の抗癌剤は、 例えば、 本発明タンパク質又は本発明複合体の薬学的有効 量を、 適当な担体、 賦形剤又は希釈剤と共に含有することができる。
ここで、 担体、 賦形剤又は希釈剤としては、 製剤の使用形態に応じて通常使用 される公知のものが使用される。 担体としては、 例えば、 充填剤、 増量剤、 結合 剤、 付湿剤、 崩壊剤、 表面活性剤、 滑沢剤等を例示できる。
タンパク質を活性成分とする場合、 医薬製剤は、 好ましくは、 通常のタンパク 製剤に使用される各種成分、 例えば安定化剤、 殺菌剤、 緩衝剤、 等張化剤、 キレ —ト剤、 pH調整剤、 界面活性剤等を適宜使用して調製される。
ここで安定化剤としては、 例えばヒト血清アルブミン、 L-アミノ酸、 糖類、 セ ルロ一ス誘導体等を例示できる。 これらは単独でまたは界面活性剤等と組合せて 使用できる。 特にこの組合せによれば、 活性成分の安定性をより向上させ得る場 合がある。
L—アミノ酸には、 例えばグリシン、 システィン、 グルタミン酸等が含まれる。 糖としては、例えばグルコース、マンノース、ガラクトース、果糖等の単糖類; マンニ 1 ^一ル、 イノシトール、 キシリトール等の糖アルコール;ショ糖、 マルト —ス、 乳糖等の二糖類;デキストラン、 ヒドロキシプロピルスターチ、 コンドロ ィチン硫酸、 ヒアルロン酸等の多糖類等及びそれらの誘導体等を使用できる。 界面活性剤は、 イオン性及び非イオン性界面活性剤のいずれでもよく、 これに は、 例えばポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル系、 ポリ ォキシエチレンアルキルエーテル系、 ソルビ夕ンモノァシルエステル系、 脂肪酸 グリセリド系等が含まれる。
セルロース誘導体としては、 例えばメチルセルロース、 ェチルセルロース、 ヒ ドロキシェチルセルロース、 ヒドロキシプロピルセルロース、 ヒドロキシプロピ ルメチルセルロース、 カルボキシメチルセルロースナトリゥム等を使用できる。 上記糖類の添加量は、 活性成分 1 ^ g当り約 O.OOOlmg程度以上、 好ましくは 約 0.01— 10mg程度の範囲とするのが適当である。 界面活性剤の添加量は、 活性 成分 l^ g当り約 O.OOOOlmg程度以上、 好ましくは約 0.0001— O.Olmg程度の範 囲とするのが適当である。 ヒト血清アルブミンの添加量は、 活性成分 当り 約 O.OOOlmg程度以上、 好ましくは約 0.001— O.lmg程度の範囲とするのが適当 である。 アミノ酸は、 活性成分 当り約 0.001— 10mg程度とするのが適当で ある。 また、 セル口一ス誘導体の添加量は、 活性成分 l g当り約 O.OOOOlmg程 度以上、 好ましくは約 0.001— O.lmg程度の範囲とするのが適当である。
医薬製剤中に含まれる活性成分量は、 広範囲から適宜選択される。 通常、 約 0.00001-70重量%、 好ましくは 0.0001— 5重量%程度の範囲から選ばれるのが 適当である。
また医薬製剤中には、 各種添加剤、 例えば緩衝剤、 等張化剤、 キレート剤等を 添加することもできる。 ここで緩衝剤としては、. ホウ酸、 リン酸、 酢酸、 クェン 酸、 ε —アミノカプロン酸、 グルタミン酸及び Ζ又はそれらに対応する塩 (例え ばそれらのナトリウム塩、 カリウム塩、 カルシウム塩、 マグネシウム塩等のアル カリ金属塩やアルカリ土類金属塩) 等を例示できる。 等張化剤としては、 例えば 塩化ナトリウム、 塩化カリウム、 糖類、 グリセリン等を例示できる。 またキレ一 ト剤としては、 例えばェデト酸ナトリウム、 クェン酸等を例示できる。
本発明医薬製剤は、 溶液製剤として使用できる他に、 これを凍結乾燥して保存 し得る状態にした後、 用時に水、 生埋的食塩水等を含む緩衝液等で溶解して適当 な濃度に調製して使用することも可能である。
医薬製剤の投与単位形態としては、 各種の形態が治療目的に応じて選択でき、 その代表的なものとしては、 錠剤、 丸剤、 散剤、 粉末剤、 顆粒剤、 カプセル剤等 の固体投与形態、 溶液、 懸濁剤、 乳剤、 シロップ、 エリキシル等の液剤投与形態 が含まれ、 これらは更に投与経路に応じて経口剤、 非経口剤、 経鼻剤、 経膣剤、 坐剤、 舌下剤、 軟膏剤等に分類され、 それぞれ通常の方法に従い、 調合、 成形乃 至調製することができる。 例えば、 錠剤の形態に成形するに際しては、 上記製剤担体として例えば乳糖、 白糖、 塩化ナトリウム、 ブドウ糖、 尿素、 デンプン、 炭酸カルシウム、 カオリン、 結晶セルロース、 ケィ酸、 リン酸カリウム等の賦形剤、 水、 エタノール、 プロパ ノール、 単シロップ、 ブドウ糖液、 デンプン液、 ゼラチン溶液、 カルポキシメチ ルセルロース、 ヒドロキシプロピルセル口一ス、 メチルセルロース、 ポリビニレ ピロリドン等の結合剤、 カルポキシメチルセルロースナトリウム、 カルボキシメ チルセルロースカルシウム、 低置換度ヒドロキジプロピルセルロース、 乾燥デン プン、 アルギン酸ナトリウム、 カンテン末、 ラミナラン末、 炭酸水素ナトリウム、 炭酸カルシウム等の崩壊剤、 ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、 ラウリル硫酸ナトリウム、 ステアリン酸モノグリセリド等の界面活性剤、 白糖、 ステアリン、 カカオバタ一、 水素添加油等の崩壊抑制剤、 第 4級アンモニゥム塩 基、 ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、 グリセリン、デンプン等の保湿剤、 デンプン、 乳糖、 カオリン、 ベントナイト、 コロイド状ケィ酸等の吸着剤、 精製 タルク、 ステアリン酸塩、 ホウ酸末、 ポリエチレングリコ一ル等の滑沢剤等を使 用できる。
更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、 例えば糖衣錠、 ゼラチン被包 錠、 腸溶被錠、 フィルムコーティング錠とすることができ、 また二重錠ないしは 多層錠とすることもできる。
丸剤の形態に成形するに際しては、 製剤担体として例えばブドウ糖、 乳糖、 デ ンプン、 カカオ脂、 硬化植物油、 カオリン、 タルク等の賦形剤、 アラビアゴム末、 トラガント末、 ゼラチン、 エタノール等の結合剤、 ラミナラン、 カンテン等の崩 壊剤等を使用できる。
カプセル剤は、 常法に従い通常本発明の有効成分を上記で例示した各種の製剤 担体と混合して硬質ゼラチンカプセル、 軟質カプセル等に充填して調整される。 経口投与用液体投与形態は、 慣用される不活性希釈剤、 例えば水を含む医薬的 に許容される溶液、 ェマルジヨン、 懸濁液、 シロップ、 エリキシル等を包含し、 更に湿潤剤、 乳剤、 懸濁剤等の助剤を含ませることができ、 これらは常法に従い 調製される。
非経口投与用の液体投与投与形態、 例えば滅菌水性乃至非水性溶液、 ェマルジ ヨン、懸濁液等への調製に際しては、希釈剤として例えば水、エチルアルコール、 プロピレングリコール、 ポリエチレングリコール、 エトキシ化イソステアリルァ ルコール、 ポリオキシ化イソステアリルアルコール、 ポリオキシエチレンソルビ タン脂肪酸エステル及びオリ一ブ油等の植物油等を使用でき、 また注入可能な有 機エステル類、 例えばォレイン酸ェチル等を配合できる。 これらには更に通常の 溶解補助剤、 緩衝剤、 湿潤剤、 乳化剤、 懸濁剤、 保存剤、 分散剤等を添加するこ ともできる。
滅菌は、 例えばバクテリア保留フィルターを通過させる濾過操作、 殺菌剤の配 合、 照射処理及び加熱処理等により実施できる。 また、 これらは使用直前に滅菌 水や適当な滅菌可能媒体に溶解することのできる滅菌固体組成物形態に調製する こともできる。
坐剤や膣投与用製剤の形態に成形するに際しては、 製剤担体として、 例えばポ リエチレングリコール、 カカオ脂、 高級アルコール、 高級アルコールのエステレ 類、 ゼラチン及び半合成グリセライド等を使用できる。
ペースト、 クリーム、 ゲル等の軟膏剤の形態に成形するに際しては、 希釈剤と して、 例えば白色ワセリン、 パラフィン、 グリセリン、 セル口一ス誘導体、 プロ ピレンダリコール、 ポリエチレングリコール、 シリコン、 ベントナイト及びオリ ーブ油等の植物油等を使用できる。
経鼻または舌下投与用組成物は、 周知の標準賦形剤を用いて、 常法に従い調製 することができる。
なお、 本発明抗癌剤 (医薬組成物) 中には、 必要に応じて着色剤、 保存剤、 香 料、 風味剤、 甘味剤等や他の医薬品等を含有させることもできる。
上記医薬製剤の投与方法は、 特に制限がなく、 各種製剤形態、 患者の年齢、 性 別その他の条件、 疾患の程度等に応じて決定される。 例えば錠剤、 丸剤、 液剤、 懸濁剤、 乳剤、 顆粒剤及びカプセル剤は経口投与され、 注射剤は単独でまたはブ ドウ糖、. アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、 更に必要に応じ単 独で筋肉内、 皮内、 皮下もしくは腹腔内投与され、 坐剤は直腸内投与され、 経膣 剤は膣内投与され、 経鼻剤は鼻腔内投与され、 舌下剤は口腔内投与され、 軟膏剤 は経皮的に局所投与される。 上記医薬製剤中に含有されるべき活性成分の量及びその投与量は、 特に限定さ れず、 所望の治療効果、 投与法、 治療期間、 患者の年齢、 性別その他の条件等に 応じて広範囲より適宜選択される。 一般的には、 該投与量は、 通常、 成人 1日当 たり約 O.lng— lOOOmg程度、 好ましくは約 0.5ng— lOOmg程度、 更に好ましく は lng— lOOmg程度とするのがよぐ該製剤は 1日に 1回投与することができ、 また数回に分けて投与することもできる。
本発明の抗癌剤の対象となる癌の種類としては限定されるものではなく、 あら ゆる種類の癌に用いることができる。 例えば、 胃癌、 肺癌、 食道癌、 乳癌、 子宮 癌、 肝臓癌、 滕臓癌、 大腸癌、 皮膚癌、 喉頭癌、 前立腺癌、 膀胱癌、 腎臓癌、 甲 状腺癌、 脳腫瘍、 悪性リンパ腫等が例示できる。
また、 本発明の抗癌剤は、 手術により切除できない窟、 特に多発性に散在する 癌組織(例えば、 内臓癌、 リンパ節へ転移した癌等)、 手術後の再発癌(例えば、 胃癌、 大腸癌等) には内視鏡による注射、 手術ができない状態の癌 (例えば、 食 道癌、 大腸癌等) には癌組織への直接的な注射、 癌組織を支配する動脈内への力 二ユールでの注射 (肝臓癌) 等によって投与することもできる。
更に、 本発明の抗癌剤は単独で使用することもできるが、 公知の抗癌剤、 ホル モン剤、 放射線、 下記の本発明遺伝子治療剤等の 1種以上と組み合わせて使用す ることもできる。
遺伝子治療剤
以下、 本発明遺伝子治療剤につき詳述する。 なお、 以下の遺伝子治療の実施に おいては、 化学、 分子生物学、 微生物学、 組換え DNA、 遺伝学および免疫学に おける慣用的方法を利用することができる。 これらの方法は、 例えばマニアティ ス (Maniatis'T., et al" Molecular cloning" A laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York (1982))、 サムブレック (Sambrook,J., et al.'Molecular cloning: A laboratory manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York ( 1981) )、 ァウスべ リレ (Ausbel'F.M" et al" Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, New York, New York, (1992))、グロ一パ一(Glover,D., DNA Cloning, I and II (Oxford Press) (1985) )、 アナンド (Anand, Techniques for the Analysis of Complex Genomes, (Academic Press) (1992) )、 グスリ一 (Guthrie,G., et al., Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology, (Academic Press) (1991) )、 フィンク (Fink,et al., Hum. Gene Ther., 3, 11-19 (1992) ) 等に記載されている。 本発明の遺伝子治療は、 癌細胞及びその周辺の細胞において本発明 DNAを導 入し、 本発明タンパク質を発現させることにより、 癌細胞の増殖を抑制又は癌細 胞を死滅させるための医薬組成物の提供を基礎としている。
本発明 DNAを用いた癌患者に対する遺伝子治療は、 例えばレトロウィルス、 アデノウイルス、 アデノ随伴ウィルスベクタ一 (AAV, adeno-associated virus) 等に由来するべクタ一に、 本発明の DNAを組込み、 これを癌細胞 (腫瘍細胞) に感染させて本発明タンパク質を発現させることにより、 所望の抗癌 (抗腫瘍) 効果を得ることができる。
本発明 DNAによる組換えおよび染色体外維持の双方のためのベクターは、 当 該分野において既に知られており、 本発明ではかかる既知ベクターのいずれも使 用できる。 例えば、 発現制御エレメントに連結した本発明の DNAのコピーを含 み、 かつ目的細胞内で本発明の DNA産物を発現できるウィルスベクタ一又はプ ラスミドベクターを挙げ ¾ことができる。 かかるベクタ一としては、 通常前述す る遺伝子発現用ベクターを利用することもできるが、 好適には、 例えば起源べク 夕一として、 米国特許第 5252479号明細書および PCT国際公開 WO93/07282 号明細書に開示されたベクター(pWP-7A、 pWP-19 pWU-l、 pWP_8A、 pWP-21 および Zまたは pRSVLなど) または pRC/CMV (Invitrogen社製) を用いて調 製されたべクタ一を挙げることができる。 より好ましくは、 後述する各種ウィル ス ·ベクタ一を利用できる。
遺伝子導入治療において用いられるベクターに使用されるプロモーターとして は、 各種疾患の治療対象となる患部組織に固有のものを好適に利用することがで きる。
その具体例としては、 例えば肝臓に対しては、 アルブミン、 -フエトプロティ ン、 Q! l-アンチトリプシン、 トランスフェリン、 トランススチレンなどを例示で きる。 結腸に対しては、 カルボン酸アンヒドラーゼ I、 カルシノエンブロゲンの 抗原などを例示できる。 子宮および胎盤に対しては、 エストロゲン、 ァロマター ゼサイトクローム P450、 コレステロール側鎖切断 P450、 17-アルファーヒドロ キシラーゼ P450などを例示できる。前立腺に対しては、前立腺抗原、 gp91-フォ ックス遺伝子、 前立腺特異的カリクレインなどを例示できる。 乳房に対しては、 erb-B2、 erb-B3、 /3 -カゼイン、 /3 -ラクトグロビン、 乳漿タンパク質などを例示 できる。肺に対しては、活性剤タンパク質 Cゥログロブリンなどを例示できる。 皮膚に対しては、 K-14-ケラチン、 ヒトケラチン 1または 6、 ロイクリンなどを例 示できる。 脳に対しては、 神経膠繊維質酸性タンパク質、 成熟ァストロサイト特 異タンパク質、 ミエリン塩基性タンパク質、 チロシンヒドロキシラーゼなどを例 示できる。 滕臓においては、 ヴィリン、 グルカゴン、 ランゲルハンス島アミロイ ドポリペプチドなどを例示できる。 甲状腺に対しては、 チログロブリン、 カルシ トニンなどを例示できる。 骨に対しては、 α ΐ コラーゲン、 ォステオカルシン、 骨シァログリコプロテインなどを例示できる。 腎臓に対してはレニン、 肝臓 Ζ骨 /腎臓アルカリ性ホスフオタ一ゼ、 エリスロポエチンなどを例示できる。 脬臓に 対しては、 アミラーゼ、 PAP1などを例示できる。
本発明 DNA導入用べクタ一の細胞への導入は、 例えばエレクトロボレ一ショ ン、 リン酸カルシウム共沈法、 ウィルス形質導入、 遺伝子銃などを始めとする、 細胞に DNAを導入する当該分野において既に知られている各種の方法に従って 行うことができる。 本発明 DNAで形質転換された細胞は、 それ自体で抗癌作用 を有する医薬として、 また治療研究のためのモデル系などとして利用することも 可能である。
遺伝子治療において、 本発明 DNA導入用べクタ一は、 患者の対象とする組織 部位に局所的に又は全身的に注射投与することにより、 患者の標的細胞内に導入 することができる。 例えば、 全身的投与によれば、 本発明タンパク質の mRNA が発現し得るいずれの細胞にも目的べクタ一を到達させることができる。 形質導 入された DNAが各標的細胞の染色体内に恒久的に取り込まれない場合には、 該 投与を定期的に繰り返すことによって所望の取り込みを行わせることができる。 本発明の遺伝子治療方法は、前述した本発明 DNA導入用の材料(本発明 DNA 導入用ベクター) を直接体内に投与するインビポ (in vivo) 法と、 患者の体内よ り一旦標的とする細胞を取り出して体外で遺伝子を導入し、 その後、 該細胞を体 内に戻すェクスビポ (ex vivo) 法の両者を包含する。 また、 本発明遺伝子治療方 法では、本発明 DNAを直接細胞内に導入し、 UNA鎖を切断する活性分子である リポザィムを利用して遺伝子治療を行うことも可能である。
より具体的には、 本発明 DNAを公知の組み換えアデノウィルスの遺伝子に導 入することにより、 組み換えウィルス粒子を作成することができる。 例えば、 遺 伝子治療に使用するアデノウイルスは、 通常ウィルスゲノムからウィルスの増殖 に必須な初期遺伝子 E1A-E1B遺伝子を欠損させているので、 その領域に変異べ 口毒素 Aサブュニットの DNAを揷入することができる。
この本発明 DNAを取り込んだ組み換えアデノウイルスを、 例えば、 E1A-E1B 遺伝子を恒常的に発現している 293細胞等で増殖させ、大量の組み換えウィルス 粒子を得ることができる。 これらのウィルス粒子を精製し、 癌細胞に感染させる ことによって、 本発明タンパク質を癌細胞において産生し、 癌細胞の増殖を抑制 又は癌細胞を死滅させることができる。
本発明遺伝子治療剤 (組成物) は、 製剤の使用形態に応じて、 前述した医薬組 成物の項で例示した各種の担体等を用いて常法に従い調製することができる。 また、 本発明遺伝子治療剤 (本発明 DNA導入用べクタ一を含む医薬製剤) は、 該ベクターをリボソームに包埋された形態、 または本発明 DNAが包含されるレ トロウィルスベクターを含むウィルスによって感染された培養細胞の形態に調製 され、 実用され得る。
これらは、 リン酸緩衝生理食塩液(pH7.4)、 リンゲル液、 細胞内組成液用注射 剤中に配合した形態などに調製することもでき、 ま.たプロ夕ミンなどの遺伝子導 入効率を高める物質と共に投与されるような形態に調製することもできる。
上記医薬製剤の投与方法は、 特に制限がなく、 各種製剤形態、 患者の年齢、 性 別その他の条件、 疾患の程度などに応じて決定される。
上記医薬製剤中に含有されるべき有効成分の量およびその投与量は、 特に限定 されず、 所望の治療効果、 投与法、 治療期間、 患者の年齢、 性別その他の条件な どに応じて広範囲より適宜選択される。
一般には、医薬製剤としての本発明 DNA含有ウィルスベクターの投与量は、 1 日当り成人体重 lkg当たり、例えばウィルスの力価として IX 103 pfu程度から 1 X 1015 pfu程度、好ましくは l X 105 pfo程度から l X 10lfl pfu程度が例示できる。 該製剤は 1日に 1回投与することができ、 また数回に分けて投与することもで きる。 更に 1から数週間間隔で間欠的に投与すること.もできる。 好ましくは、 プ ロタミンなど遺伝子導入効率を高める物質又はこれを含む製剤と併用投与できる。 本発明の抗癌剤の対象となる癌の種類としては限定される.ものではなく、 あら ゆる種類の癌に用いることができる。 例えば、 胃癌、 肺癌、 食道癌、 乳癌、 子宮 癌、 肝臓癌、 滕臓癌、 大腸癌、 皮膚癌、 喉頭癌、 前立腺癌、 膀胱癌、 腎臓癌、 甲 状腺癌、 脳腫瘍、 悪性リンパ腫等が例示できる。
また、 本発明の抗癌剤は、 手術により切除できない癌、 特に多発性に散在する 癌組織(例えば、 内臓癌、 リンパ節へ転移した癌等)、 手術後の再発癌(例えば、 胃癌、 大腸癌等) には内視鏡による注射、 手術ができない状態の癌 (例えば、 食 道癌、 大腸癌等) には癌組織への直接的な注射、 癌組織を支配する動脈内への力 二ユールでの注射 (肝臓癌) 等によって投与することもできる。
更に、 本発明の遺伝子治療剤は単独で使用することもできるが、 本発明の抗癌 剤、 公知の抗癌剤、 ホルモン剤、 放射線等の 1種以上と組み合わせて使用するこ ともできる。
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( 7 ) Take da, Y. and Yamazaki, S. Enterohemorragic Escherichia coli and Vero toxins. Clinical and Microorganism, Vol. 18 (4): 5-17, 1991. 実施例
実施例 1
表 1の中欄 (上から順に配列番号 5〜: L0) に示す変異塩基オリゴヌクレオチド を、 プライマー合成機 (model 391 PCR-Mate) を用いて合成し、 これらを用い て部位特異的突然変異誘発を行つた。
VT2vpl遺伝子を含む 1.9kbの Sau3AI断片を M13mpl8にサブクローニング し (得られたプラスミドを 「M13mpl8.CI」 という。)、 この M13mpl8.CIを大 腸菌 CJ236 にトランスフォーメーションし、 次いで、 この大腸菌から
M13mpl8.CIの一本鎖 DNAを調製した。
変異塩基導入用オリゴヌクレオチドとこの一本鎖 DNAとをァ二一リングし、 in vitroでポリメラーゼとリガーゼ反応することにより、二本鎖の DNAを得た。 得られた DNAを BMH71-81 mutS大腸菌にトランスフォーメーションし、 クロ ーンを得た。
得られた大腸菌のクローンからファージを調製し、 MV1184大腸菌に感染させ た。 この大腸菌から得た二本鎖 DNA をスクリーニングし、 変異導入させた VT2vpl遺伝子を含む M13mpl8.CIを選び出した。
以上のようにして、 図 4に示す 6種類の変異毒素の遺伝子(DNA) を作製した。 図 4はそれぞれ、 遺伝子配列 (上) 及びアミノ酸配列 (下) のワイルドタイプと 異なる部分を示す。
これらの弱毒化べ口毒素遺伝子とワイルドタイプのベロ毒素遺伝子を、 M13mpl8.CIから変異毒素を含む EcoRI-Hindlll断片を pUC118にサブクロー ニングし、 大腸菌 HB101のトランスフォーメ一ションした。
得られた大腸菌 HB101を 37°Cで 48時間培養した後、 1分間超音波で処理す ることにより菌体を破壌し、 遠心分離し、 上清を粗毒素液として調製した。 得ら れた本発明の弱毒化べ口毒素のアミノ酸配列を図 4に示す (文献 1)。
1X 104個のベロ細胞を 96 wellの各 wellに播き、ー晚培養した後、 同量の各粗 毒素液を添加した。 24時間後、ベロ毒素のベロ細胞に対する影響を顕微鏡で確認 した。 比活性は、 ベロ毒素を死滅させる変異毒素液の希釈倍数と、 ベロ毒素を死 減させるワイルドタイプの毒素の希釈倍数に対する比として計算した。 表 1
く口細胞毒性 変異塩基導入オリゴ《>
の比活性 ワイルドタイプ 1
変異毒素 E167Q-R170L 5' - CTGAACAGTAAGGCCTGTGCTG - 3' < 1/10,000 変異毒素 E167Q 5'-CTGAACCGTAAGGCTTGTGeTG-3' < 1/10,000 変異毒素 R170L 5'-CTGAACAGTAAGGCTTCTGCTG-3' 1/1,000 変異毒素 R172L 5' -TGTATTTGCAGGAACCGTAAGG- 3' 1/100 変異毒素 W202L 5'-CTGATTCTCCCCAGGTTCAG-3' 1/10
変異毒素 W202H 5' - GATTCTCCCGTGGTTCAGAGT- 3' 1/10 a ) 下線はワイルドタイプ毒素の遺伝子塩基と違う位置を表す 実施例 2
実施例 1で得られた 6種の変異毒素の中で、 特にべ口細胞毒性の比活性の低い 3種の毒素 (E167Q— R170L、 E167Q及び R170L) 及びワイルドタイプの毒素 をコードする DNAを、 実施例 1と同様に大腸菌に組み込み、 その大腸菌を 37°C で 48時間培養し、 超音波で潰した。 その後、 DEAE-セファロースカラムクロマ トグラフィ一、 クロマトフォーカシングクロマトグラフィ一、 HPLCで毒素を精 製した (文献 1)。得られた変異毒素は、 それぞれ図 4で表される本発明の変異毒 素 (E167Q-R170L、 E167Q及び R170L) であった。 これらの変異毒素のタンパク質を Bead-ELISA (文献 2) により定量して、 以 下の実験を行った。
ベロ毒素試験:
96穴のプレートで一晩培養したベロ細胞の培地に、段階希釈した各変異毒素と ワイルドタイプのベロ毒素をそれぞれ添加した。 48時間後、顕微鏡で観察した。 細胞を死滅させた最小の毒素量と細胞を致死に至らしめなかった最大の毒素量の 中間値を CD5。とした (文献 3)。 結果を表 2に示す。
マウス致死活性:
5匹ずつの ddYマウス (Shimizu Laboratory Supply Co., Kyoto) をグループ にわけ、段階希釈したそれぞれの本発明弱毒化べ口毒素 (E167Q—R170L、 E167Q 及び R170L) とワイルドタイプのベロ毒素をそれぞれマウスの腹腔に注射し、死 んだマウスの時間と匹数によってマウスの LD5。を計算した (文献 3)。 結果を下 の表 2に示す。
タンパク質合成抑制活性:
ゥサギ網状赤血球ライゼートにおける細胞フリーグロビン合成抑制実験を行つ た。 15mM Hepes-KOHバッファ一 (pH 7.6)、 15 Mへミン、 lOOmM酢酸力 リウム、 1.5mM酢酸マグネシウム、 0.5mMスペルミジン、 2mMジチオスレィ トール、 0.2mMグルコース- 6-リン酸、 1.5mMATP、 0.3mM GTP、 8mMクレア チンリン酸、 7.5 のクレアチンキナ一ゼ、 5 ii gのラット肝 tRNA、 0.6 gグ ロビン mRNA、 W il l のヌクレア一ゼ処理された網状赤血球ライゼ一ト、 Ο.ΐ β Ci [wC]ロイシン、 30mMの他の 19種類のアミノ酸からなる 50 1の反応液中に、 各量の弱毒化べ口毒素とワイルドタイプのベロ毒素をそれぞれ添加し、 37 で 30 分間反応させた。 一部の反応液を取って放射活性を測定し、 タンパク質合成抑制 活性を計算した (文献 4)。 結果を表 2に示す。
また、 本発明べ口毒素及びワイルドタイプの毒素において、 各毒素量のタンパ ク質合成抑制活性に対する影響を図 5に示す。 表 2 蛋白合成抑制活性 ベロ細胞毒性 マウス致死活性
(ID5oa>, μ g) (CD5ow,ng) (LD5oc) , μ g)
Wild-type 0.009 0.006 0.025 変異毒素 E167Q-R170し 17 750 50
変異毒素 E167Q 8.6 75 12
変異毒素 R170L 7.1 30 3 a ) 50%グロビン合成を抑制する毒素の量
; b ) 50%ベロ細胞を死滅させる毒素の量
c ) 50%マウスを致死する毒素の量
. 毎実験グループに 5匹マウスを使う 実施例 3
癌組織の成長と共に血管細胞が増殖するので、 新生血管内皮細胞の増殖を抑え ると、 癌の成長を抑制できると考えられる。 そこで、 本発明の弱毒化べ口毒素 E167Q—R170Lの Aサブユニットとトロポニン Iタンパクの複合体を作り、 そ の複合体の血管内皮細胞の増殖に対する影響について調べた。
トロポニン Iは血管内皮細胞の増殖抑制機能を有することが知られており、 血 管内皮に結合することができる。 ここでは、 VT2vplの変異毒素 E167Q— R170L (VT2vpl-dm)遺伝子の Bサブュニットを取り除いて、ヒトのトロポニン I(Tnl) の遺伝子 (文献 5) を Αサブュニットの上流又は下流にそれぞれ繋げて、 Tnl- VT2vpl-dmAと V 2vpl-dmA-TnIという融合遺伝子を以下のようにして作った。 上流の終止コドンのない遺伝子断片を PCR反応で作る時、 5'側に EcoRI cutting siteを導入した遺伝子の 5'_primer (配列番号 11又は配列番号 13) と、 終止コドンを含まないでその代わりに BamHI cutting siteを導入した 3' -primer (配列番号 12又は配列番号 14) を用いて、 上流遺伝子断片を作った。 .
該遺伝子断片を、 EcoRIと BamHIで消化してから、 pUC119の cloning site 中の EcoRI と BamHI の間に導入した。 このように作ったプラスミドを pUC119-VT2vpl-dmA又は pUC119'TnIと命名した。
下流の開始コドンのない遺伝子断片を PCR反応で作る時、 開始コドンを含ま ないでその代わりに BamHI cutting siteを導入した遺伝子の 5'-primer (配列番 号 15又は配列番号 17)と、 3'側に Hindlll cutting siteを導入した 3'-primer (配 列番号 16又は配列番号 18) を用いて、 下流遺伝子の断片を作った。
該遺伝子断片を BamHIと Hindlllで消化してから、 pUC119-VT2vpl-dmA又 は pCU119-TnI中の BamHIと Hindlllの間に導入した。 作ったプラスミドを pVT2vpl-dmA-TnI或いは pTnI-VT2vpl_dmAと命名した。各プライマーは日本 製粉株式会社製である。
その後、 これらの融合遺伝子をプラスミド (p c99A) に導入し、 大腸菌 (JM105) の中で大量に発現させた。それらの融合タンパク質産物をウエスタン プロット法で確認し、 精製した (文献 6)。
800個の胎児臍帯静脈内皮細胞を 96穴プレイトに播き、 5%血清(calf-semm) を含む DMEM培地で 3時間ィンキュベ一トし、 VEGF (vascular endothelial growth factor, 30ng/ml) 添カロした。
その後、 トロポニン Iタンパク質、 VT2vpl-dmAタンパク質(本発明弱毒ィ匕べ 口毒素 E167G-R170Lタンパク)、 nI-VT2vpl-dmAタンパク質 (トロポニン I -VT2vpl-dmAの融合タンパク質)、 VT2vpl-dmA-TnI タンパク質 (VT2vpl- dmA—トロポニン Iの融合タンパク質) を種々濃度で添加した。
VEGFのみを添カ卩したゥエルの細胞をコントロールとして、 5日後のコント口 ールの細胞数に対する各タンパク質の内皮細胞の増殖抑制率を計算した。 結果を 図 6に示す。
lml培地中の V 2vpl-dmAの量が 200ngに達しても細胞増殖抑制効果はなか つた。 一方、 内皮細胞の増殖の 50%抑制活性に達するには、 トロポニン Iタンパ ク質の量は 60ng、 TnI-VT2vpl-dmA融合タンパク質は 50pg、 VT2vpl-dmA-TnI 融合タンパク質は 10pgであった。 つまり、 TnI-VT2vpl-dmAと VT2vpl-dmA- Tnl融合タンパク質の内皮細胞の増殖抑制活性は、 それぞれ、 トロポニン Iタン パク質の抑制活性より 1200倍、 6000倍に高くなった。
この実験結果から、 本発明弱毒化べ口毒素の Αサブユニットが、 増殖している 血管内皮細胞の中に入ることにより、 その細胞に対する増殖抑制効果が非常に高 くなることが示唆された。 実施例 4
動物に接種した癌組織の抑制実験を行つた。
6-8週齢、 雌のヌードマウスの腹腔に 2 X 106個の人の卵巣癌細胞 (SKOV3) を接種した。 これらのマウスを 4群に分けて、 各群に 4匹マウスを使用した。 肉眼で癌塊が確認できる 8日目と 10日目に 2回にわたって、 コントロールと しての 0.8mlの PBS、 3 gのトロポニン Iタンパク質、 3 gの TnI-VT2vpl- dmA融合夕ンパク質及び 3 gの VT2vpl-dmA-TnI融合夕ンパク質をそれぞれ のマウスの腹腔内に投与した。
50 日間観察した結果、 PBSを注射したコントロールのマウスの癌の大きさに 比べて、 トロボニン I及び TnI-VT2vpl-dmA融合夕ンパク質をそれぞれ投与し たマウスの癌はわずかに小さかった。
一方、 VT2vpl-dmA-TnI融合タンパク質を投与したマウスの癌組織の成長は顕 著に抑制され、 50 日目の癌の大きさは、 PBS を投与したコントロールのマウス のものに比べて著しく小さく、 PBS群に対する統計学的有意差 (student's t検定) が認められた (pく 0.05)。
また、 どの群のマウスにも、 体重の低下、 食餌量の減少、 行動の異常は見られ なかった。
以上の結果より、 本発明の弱毒化べ口毒素 E167Q—R170L (VT2vpl-dm) の Aサブュニットの C末端側にトロポニン Iを結合させた融合夕ンパク質が、 癌の 血管内皮細増殖を有意に抑制し、癌組織の成長を抑制することがわかった(図 7)。 産業上の利用可能性
本発明の弱毒化べ口毒素、その Aサブュニット又はそれらとリガンドとの複合 体を用いることにより、 毒性を生じることなく有効に癌を治療又は癌細胞の増殖 を抑制することができる。 '

Claims

請求の範囲
1 . ベロ毒素の Aサブュニットのアミノ酸配列の N末端から 167— 172番目の配 列及び 202— 207番目の配列の少なくとも 1種の配列が変異された弱毒化べ
2 . ベロ毒素の Aサブュニットのアミノ酸配列の N末端から 167— 172番目の配 列及び 202— 207番目の配列の少なくとも 1種の配列が置換又は欠失された、 請求項 1に記載の弱毒ィ匕ベロ毒素。
3 . ベロ毒素の Aサブユニットのアミノ酸配列の N末端から 167、 170、 Γ72及 び 202番目の配列の少なくとも 1種の配列が置換又は欠失された、 請求項 1 に記載の弱毒ィヒベロ毒素。
4. ベロ毒素の Aサブユニットのアミノ酸配列の N末端から 167番目のグル夕 ミン酸がグルタミンに、及び Z又は 170番目のアルギニンがロイシンに置換 された、 請求項 1に記載の弱毒化べ口毒素。
5 . ベロ毒素の Aサブュニットのアミノ酸配列の N末端から 172番目のアルギ ニンがロイシンに置換された、 請求項 1に記載の弱毒化べ口毒素。
6 . ベロ毒素の Aサブュニットのアミノ酸配列の N末端から 202番目のトリプ トフアンがロイシン又はヒスチジンに置換された、 請求項 1に記載の弱毒ィ匕 ベロ毒素。
7 . 請求項 1に記載の弱毒化べ口毒素の Aサブユニット。
8 . 請求項 7に記載の Aサブュニットをコードする DNA。
9 . 請求項 8に記載の DNAが挿入されたベクター。
1 0 . 請求項 7に記載の弱毒化べ口毒素の Aサブュニット又はその薬学的に許 容される塩を有効成分として、 薬学的に許容される担体、 賦形剤又は希釈剤 を含有する抗癌剤。
1 1 . 請求項 1に記載の弱毒化べ口毒素又はその薬学的に許容される塩を有効 成分として、 薬学的に許容される担体、 賦形剤又は希釈剤を含有する抗癌剤。
1 2 . 請求項 7に記載の弱毒化べ口毒素の Aサブュニットと癌細胞に特異的又 は選択的に結合するためのリガンドとを含む複合体。
1 3 . 請求項 7に記載の弱毒化べ口毒素の Aサブュニットとトロポニン Iを含 む融合タンパク質。
4. 請求項 8に記載の DNA及びトロポニン Iをコ一ドする DNAを含む融合 遺伝子
1 5 . 請求項 8に記載の DNA及びトロポニン Iをコードする DNAを含む融合 遺伝子を有するベクター。
1 6 . 請求項 1に記載の弱毒化べ口毒素と癌細胞に特異的又は選択的に結合す るためのリガンドとを含む複合体。
1 7 . 請求項 12に記載の複合体又はその薬学的に許容される塩を有効成分とし て、 薬学的に許容される担体、 陚形剤又は希釈剤を含有する抗癌剤。
1 8 . 請求項 13に記載の融合タンパク質又はその薬学的に許容される塩を有効 成分として、 薬学的に許容される担体、 賦形剤又は希釈剤を含有する抗癌剤。
1 9 . 請求項 10、 11、 17又は 18に記載の抗癌剤を用いる癌の治療方法。
2 0 . 請求項 9又は 15に記載のベクターを有効成分とする癌の遺伝子治療剤。
2 1 . 請求項 20に記載の遺伝子治療剤を用いる癌の遺伝子治療方法。
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