P T/JP03/01127 明細書 インクジヱッ ト記録用インク、 及びインクジエツト記録方法 技術分野
本発明は、 ィンクジエツト記録用ィンク及びそれを用いる記録方法に関するも のであり、とくに記録画像の保存性が優れ、色相や色濃度などの画像品質が高く、 インクの吐出安定性にも優れたィンクジエツト記録用ィンクに関する。 n .
近年、 コンピューターの普及に伴いインクジェヅトプリン夕一がオフイスだけ でなく家庭で紙、 フィルム、 布等に印字 '描画するために広く利用されている。 インクジエツ ト記録方法には、 ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させ る方式、 熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、 超音波を 用いた方式、 あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。 これらの インクジェット記録用インクとしては、 水性インク、 油性インク、 あるいは固体 (溶融型) インクが用いられる。
これらのインクのうち、 水性インクは、 製造 ·取り扱い性 ·臭気 ·安全性等の 点を鼎立させ得る可能性の点では油性インクや固体 (溶融型) インクよりは比較 的優っているので、 現用インクジヱッ ト記録用ィンクの主流となっている。
これらのインクジヱッ ト記録用インクに用いられる色素に対しては、 溶剤 (ィ ンク媒体) に対する溶解性が高いこと、 高濃度記録が可能であること、 色相が良 好であること、 光、 熱、 空気、 水や薬品に対する堅牢性に優れていること、 受像 材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、 インクとしての保存性に優れている こと、 毒性がないこと、 純度が高いこと、 さらには、 安価に入手できることが要 求されている。
しかしながら、 上記の諸要件を高いレベルで満たす色素を捜し求めることは、 極めて難しい。 特に、 色相が優れていることと堅牢であることとは多くの場合に 相反することであり、 マゼン夕またはシアンインク用の色材には、 上記した諸要
件を満たすものが得にく く、 とりわけ良好なマゼン夕またはシアン色相と酸化性 雰囲気に耐える光堅牢性を両立させた色素を見出すことは困難が伴う。
したがって、 既にインクジェット用として様々な染料や顔料が提案され、 実際 に使用されているにも係らず、 未だに上記した全ての要求を満足する色素は、 発 見されていないのが現状である。
カラーインデックス (C . I . ) 番号が付与されているような、 従来から良く知 られている染料や顔料では、 インクジェット記録用インクに要求される色相と堅 牢性とを両立させることは難しい。
堅牢性を向上させる染料として下記の特許文献 1に記載の芳香族ァミンと 5員 複素環ァミンから誘導されるァゾ染料が提案されている。 しかし、 これらの染料 はイェローおよびシアンの領域に好ましくない色相を有しているために、 色再現 性を悪化させる問題を有していた。
下記の特許文献 2および特許文献 3には、 色相と光堅牢性の両立を目的とした インクジェット記録用インクが開示されている。 しかし、 各公報で用いている色 素は、 水溶性インクとして用いる場合には、 水への溶解性が不十分である。 また 各公報に記載の色素をィンクジエツト用水溶性ィンクとして用いると、 湿熱堅牢 性にも問題が生じる。
これらの問題を解決する手段として、 下記の特許文献 4に記載の化合物および インク組成物が提案されている。 また、 さらに色相や光堅牢性を改良するために ビラゾリルァニリンァゾ色素を用いたィンクジエツト記録用ィンクについてにつ いて記載されている(下記の特許文献 5 )。 しかしながらこれらのィンクジエツト 記録用インクでは、 色再現性、 出力画像の堅牢性のいずれも不十分であった。
さらに、 写真画質用のインクジェッ ト専用光沢紙に記録し、 室内に貼っておい た場合の画像の保存性が著しく悪い場合があることが判明した。 本発明者はこの 現象を、 オゾン等、 何らかの空気中の酸化性ガスによるものと推定している。 ま た、 ガラス製の額に入れる等の処置により空気の流れを遮断すると起こりにく く はなるもののそれでは使用条件が制約されてしまう。
この現象は、写真画質用のィンクジエツト専用光沢紙において特に顕著であり、
写真画質が重要な特徴のひとつとなっている現在のィンクジエツト記録方式にと つて大きな問題であった。
また、 水性インクは腐敗しやすく、 インクを長期間経時すると腐敗によって吐 出性が著しく悪化するという問題があることがわかった。 また、 防腐剤として単 独のものを利用した場合には、 菌の耐性が向上するために効果が現れにくいとい う問題があることもわかった。
[先行技術の特許文献の一覧表]
[特許文献 1 ]
特閧昭 55 - 161856号公報
[特許文献 2 ]
特開昭 61-36362号公報
[特許文献 3 ]
特閧平 2 - 212566号公報
[特許文献 4]
特表平 11— 504958号公報
[特許文献 5 ]
特願 2000— 80733公報 本発明の目的は、 長期間インクを経時した後も、 吐出安定性に優れ、 しかも色 相が確保され、 かつ耐候性に優れるインクジェット記録用インク、 およびそれを 用いた記録方法を提供することである。 発明の開示
本発明の目的は、 下記 1〜18に記載の手段により達成される。
1. 水性媒体中に染料を溶解または分散してなるインクジエツト記録用インクで あって、 該染料が 1. 0V (vs SCE) よりも貴の酸化電位を有する水溶性染 料であり、 該インクは防腐剤が少なくとも 1種含有されていることを特徴とする ィンクジエツト記録用ィンク。
2. 水性媒体中にァゾ染料から選択されるマゼン夕染料を溶解または分散してな るインクジエツト記録用インクであって、 該マゼン夕染料が該水性媒体中におい て 500〜 580 nmの分光領域に吸収極大を有し、かつ 1. 0 V (v s S CE) よりも貴の酸化電位を有する染料であり、 該インクは防腐剤が少なくとも 1種含 有されていることを特徴とする上記第 1項に記載のィンクジエツト記録用ィンク
3. 前記ァゾ染料が、 一般式 (複素璟 A) -N = N- (複素環 B) で表される発 色団を有することを特徴とする上記第 1項又は第 2項に記載のィンクジエツト記 録用ィンク。
ただし、 上記一般式中の複素環 Aと複素環 Bは同一の構造であってもよい。
4. 前記ァゾ染料のァゾ基が、 少なくともその一方に芳香族含窒素 6員複素環を カップリング成分として直結させたァゾ染料であることを特徴とする上記第 1項 〜第 3項のいずれかに記載のィンクジエツト言 3録用ィンク。
5. 前記ァゾ染料が、 芳香族璟ァミノ基または複素環ァミノ基含有構造を助色団 として有するァゾ染料であることを特徴とする上記第 1項〜第 4項のいずれかに 記載のィンクジエツト記録用ィンク。
6. 前記ァゾ染料が、 立体構造を有するァゾ染料であることを特徴とする上記第 1項〜第 5項のいずれかに記載のィンクジエツト記録用ィンク。
7. 前記ァゾ染料が、 下記一般式 ( 1) で表される染料であることを特徴とする 上記第 1項〜第 6項のいずれかに記載のィンクジエツト記録用ィンク。
一般式 ( 1 )
一般式 (1) において、 Aは 5員複素環基を表す。
B1および B2は各々 —、 一 CR2 =を表すか、あるいはいずれか一方が窒 素原子、他方が =CR1—または— CR2=を表す。 R5および R6は各々独立に水素 原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基、複素環基、ァシル基、 アルコキシカルボニル基、 ァリールォキシカルボニル基、 力ルバモイル基、 アル キルスルホニル基、 ァリールスルホニル基、 またはスルファモイル基を表し、 該
各置換基の水素原子は置換されていても良い。
G、 R1および R2は各々独立して、水素原子または置換基を示し、該置換基は、 ハロゲン原子、 脂肪族基、 芳香族基、 複素環基、 シァノ基、 カルボキシル基、 力 ルバモイル基、 アルコキシカルボニル基、 ァリールォキシカルボニル基、 複素環 ォキシカルボニル基、 ァシル基、 ヒドロキシ基、 アルコキシ基、 ァリールォキシ 基、複素環ォキシ基、 シリルォキシ基、ァシルォキシ基、 力ルバモイルォキシ基、 アルコキシカルボニルォキシ基、ァリールォキシカルボニルォキシ基、アミノ基、 ァシルァミノ基、 ウレイ ド基、 スルファモイルァミノ基、 アルコキシカルボニル アミノ基、 ァリールォキシカルボニルァミノ基、 アルキルスルホニルァミノ基、 ァリ一ルスルホニルァミノ基、 複素環スルホニルァミノ基、 ニトロ基、 アルキル チォ基、 ァリ一ルチオ基、 複素環チォ基、 アルキルスルホニル基、 ァリ一ルスル ホニル基、 複素環スルホニル基、 アルキルスルフィニル基、 ァリールスルフィ二 ル基、 複素環スルフィニル基、 スルファモイル基、 またはスルホ基を表し、 該各 置換基の水素原子は置換されていても良い。
R1と 、 あるいは R5と R6が結合して 5〜6員環を形成しても良い。
8.記録画像の対オゾン褪色速度定数が 5. 0 X 10—2 [hour"1]以下であ ることを特徴とする上記第 1項〜第 7項のいずれかに記載のィンクジエツト記録 用ィンク。
9. フタロシアニン染料が水性媒体中に溶解または分散しているインクジエツト 記録用インクであって、
該フ夕ロシアニン染料がその酸化電位が 1.0より貴である水溶性染料であり、 該インクは防腐剤が少なくとも 1種含有されていることを特徴とする上記第 1項 に記載のインクジエツト記録用インク。
10. 該インク (シアン) 単色を用いて、 ステータス Aフィルターにおけるシァ ン反射濃度が 0. 9〜1. 1となるように印字した単色部位において、 5ppm のオゾン環境に 24時間保存した際の色素残存率 (褪色後の濃度/初期濃度 X 1 00) が 60%以上あることを特徴とする上記第 9項に記載の記載のィンクジェ ット記録用ィンク。
11. 該インクの、 上記第 10項の条件でオゾン褪色させた後、 水中に流出する
Cuイオン量は全染料の 20%以下であることを特徴とする上記第 9項または第 10項に記載の記載のインクジエツト記録用インク。
12. 該フ夕ロシアニン染料が該フ夕ロシアニンのベンゼン環の/?位に電子吸引 性基を有する水溶性染料であることを特徴とする上記第 9項〜第 11項のいずれ かに記載の記載のィンクジエツト記録用ィンク。
13. 該フ夕ロシアニン染料が無置換のフタロシアニンのスルホン化を経由しな い方法で製造された水溶性フタロシアニン染料であることを特徴とする上記第 9' 項〜第 12項のいずれかに記載の記載のインクジェヅト記録用インク。
14. 該フ夕口シァニン染料が下記一般式 (I) で表されることを特徴とする上 記第 9項〜第 13項記載のインクジエツト記録用インク。
一般式 ( I ) '
Xい x2、 x3および x4は、 それそれ独立に、 — so - zヽ -so2— zヽ 一
S02N 1R 2s スルホ基、 一 C〇NR1R2、 または一 C 02R 1を表す。 上記 Zは、 置換もしくは無置換のアルキル基、 置換もしくは無置換のシクロア ルキル基、 置換もしくは無置換のアルケニル基、 置換もしくは無置換のァラルキ ル基、 置換もしくは無置換のァリール基、 または置換もしくは無置換の複素環基 を表す。 上記 Rl、 R2は、 それそれ独立に、 水素原子、 置換もしくは無置換の
アルキル基、 置換もしくは無置換のシクロアルキル基、 置換もしくは無置換のァ ルケニル基、 置換もしくは無置換のァラルキル基、 置換もしくは無置換のァリー ル基、 または置換もしくは無置換の複素璟基を表す。 なお、 Zが複数個存在する 場合、 それらは同一でも異なっていてもよい。
Υ2、 Υ3および Υ4は、 それそれ独立に、 一価の置換基を表す。
なお、 Xi〜X4および Yi Y のいずれかが複数個存在するとき、 それらは、 同一でも異なっていてもよい。
&1~&4ぉょび¾>1〜134は、 それぞれ Xi〜X4および Yi Y の置換基数を 表し、 ai〜a4は、 それそれ独立に、 0〜 4の整数であり、 全てが同時に 0にな ることはなく、 bi b は、 それそれ独立に、 0〜4の整数である。
Mは、水素原子、金属原子またはその酸化物、水酸化物もしくはハロゲン化物で める。
15. 一般式 (I) で表される染料が、 下記一般式 (II) で表される染料である ことを特徴とする上記第 14項に記載のインクジエツト記録用インク。
一般式 (II)
Χη〜Χ14、 Υη〜Υ18、 Μは、 それそれ一般式 (I) の中の Xi〜X4、 Y 'Υ4、 Μと同義である。
au a Mは、 それそれ独立に、 1または 2の整数である。
16. 防腐剤が異なる 2種以上のものであることを特徴とする上記第 1項〜第 1 5項のいずれかに記載のィンクジエツト記録用ィンク。
17. 沸点 150°C以上の有機溶剤を含有することを特徴とする上記第 1項〜第 1 6項のいずれかに記載のィンクジエツト記録用ィンク。
18. 上記第 1項〜第 17項に記載のインクジェヅト記録用インクを用いること を特徴とするインクジエツト記録方法。
19. 支持体上に白色無機顔料粒子を含有する受像層を有する受像材料にインク 滴を記録信号に応じて吐出させ、 受像材料上に画像を記録するインクジエツト記 録方法であって、
該インク滴が、 上記第 1項〜第 17項に記載のインクジエツト記録用インクか らなることを特徴とするインクジエツト記録方法。
第 1項に記載のインクジェット記録用インク。
以下、 本発明についてさらに詳細に説明する。
本件出願人はインクジェット記録用インクについて鋭意、 検討を行ない、 その 結果染料に関して要求される特性としては 1 )色相が良好で色相変化(ソルパト) がない、 2) 耐性 (光、 オゾン、 NOx、 溶剤、 油、 水) に優れている、 3) 安 全である (エームズ、 発ガン性が無い、 皮膚刺激が無い、 易分解性)、 4)低コス トである, 5)高 εである、 6)高溶解性である、 7) メディアに対し強固着性 を有することである。
次にインク物性、 コンクィンク物性に要求されるのは 1) 温度、 経時に係わら ず均一である、 2) 汚れにくい、 3) メディアへの浸透が良い、 4) 打滴サイズ が均一である、 5) 紙を選ばない、 6) 調液しやすい、 7) 吐出ミスが無く、 泡 が立ちにくい、 泡が消えやすい、 8) 安定吐出ができることである。
画像に関して要求されるのは 1)滲み、変色、ビーディングがなく綺麗である、 2)耐傷性を有している、 3)光沢が高く、 均一である、 4)画像保存性が良く、 褪色バランスに優れている、 5) 乾きが速い、 6) 高速でプリントされる、 7) 褪色率に画像濃度依存性が無いことである。
以下、 本発明の具体的実施形態について詳細に説明する。
[マゼン夕染料]
本発明の目的としている特性を具備するには、マゼンタインクとしては上記 1. 〜8. 項に記載の特性を持つ染料によって画像記録が行なわれる。 したがって、 マゼン夕染料についてのこれらの特性について説明する。
本発明のィンクジェット記録用インクに用いるマゼン夕インクは、 水性媒体中 にァゾ染料から選択されるマゼン夕染料を溶解または分散されており、 該水性媒 体中において 500〜580 nmの分光領域に吸収極大を有し、かつ 1.0V(v s S C E)よりも貴の酸化電位を有する染料であることを基本的特徴としている。 このァゾ染料の好ましい染料の構造上の特徴の第一は、 一般式 (複素環 A) - N = N— (複素環 B) で表される発色団を有する染料であることである。 この場 合、複素環 Aと複素璟 Bは同一の構造であってもよい。複素環 A及び複素環 Bは、 具体的には 5員環、 または 6員環の複素環で、 ピラゾ—ル、 イミダゾ—ル、 トリ ァゾ—ル、 ォキサゾ一ル、 チアゾ一ル、 セレナゾ一ル、 ピリドン、 ビラジン、 ピ リミジン、 ピリジンから選ばれた複素璟である。 具体的には特願 2000— 15 853、 特願 2001— 15614、 特開平 2002— 309116号公報, 特 願 2001— 195014などに記載されている。
さらに、 前記ァゾ染料の好ましい構造上の特徴の第 2は、 ァゾ基が、 少なくと もその一方に芳香族含窒素 6員複素環を力ップリング成分として直結させたァゾ 染料であることで、 その具体例は 2001 - 110457に記載されている。 構造上の好ましい特徴の第三は、 助色団が芳香族璟ァミノ基または複素環アミ ノ基の構造を有することであり、 具体的にはァニリノ基、 へテリルアミノ基であ る ο
好ましい構造上の特徴の第四は立体構造を有することである。 具体的には特願 2002-12015に記載されている。
上記したァゾ染料の好ましい構造上の特徴の中でも、 本発明の目的を達する上 で最も好ましいのは、 下記一般式 (1) で表される染料である。
-般式 ( 1 )
一般式 ( 1 ) において、 Aは 5員複素環基を表す。
B 1および B2は各々 C R1—、— C R2 =を表すか、あるいはいずれか一方が窒 素原子、他方が —または— C R2=を表す。 R5および R6は各々独立に水素 原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基、複素璟基、ァシル基、 アルコキシカルボニル基、 ァリールォキシカルボニル基、 力ルバモイル基、 アル キルスルホニル基、 ァリ一ルスルホニル基、 またはスルファモイル基を表し、 該 各置換基の水素原子は置換されていても良い。
G、 R1および は各々独立して、水素原子または置換基を示し、該置換基は、 ハロゲン原子、 脂肪族基、 芳香族基、 複素環基、 シァノ基、 カルボキシル基、 力 ルバモイル基、 アルコキシカルボニル基、 ァリールォキシカルボニル基、 複素璟 ォキシカルボニル基、 ァシル基、 ヒドロキシ基、 アルコキシ基、 ァリールォキシ 基、複素璟ォキシ基、シリルォキシ基、ァシルォキシ基、力ルバモイルォキシ基、 アルコキシカルポニルォキシ基、ァリールォキシカルボニルォキシ基、アミノ基、 ァシルァミノ基、 ゥレイ ド基、 スルファモイルァミノ基、 アルコキシカルボニル アミノ基、 ァリールォキシカルボニルァミノ基、 アルキルスルホニルァミノ基、 ァリ一ルスルホニルァミノ基、 複素環スルホニルァミノ基、 ニトロ基、 アルキル チォ基、 ァリ一ルチオ基、 複素環チォ基、 アルキルスルホニル基、 ァリ一ルスル ホニル基、 複素環スルホニル基、 アルキルスルフィニル基、 ァリールスルフィ二 ル基、 複素璟スルフィニル基、 スルファモイル基、 またはスルホ基を表し、 該各 置換基の水素原子は置換されていても良い。
R1と R5、 あるいは R5と R6が結合して 5〜6員環を形成しても良い。
一般式 (1 ) の染料について更に詳細に説明する。
一般式 (1 ) において、 Aは 5員複素環基を表すが、 複素環のへテロ原子の例に は、 N、 0、 および Sを挙げることができる。 好ましくは含窒素 5員複素環であ
り、 複素環に脂肪族環、 芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。 Aの 好ましい複素璟の例には、 ビラゾール環、 イミダゾ一ル璟、 チアゾール環、 イソ チアゾ一ル璟、チアジアゾ一ル環、ペンゾチアゾ一ル環、ベンゾォキサゾ一ル環、 ペンゾイソチアゾール環を挙げる事ができる。 各複素環基は更に置換基を有して いても良い。 中でも下記一般式 (a) から (f) で表されるピラゾール環、 イミ ダゾ一ル環、 イソチアゾ一ル環、 チアジアゾール環、 ベンゾチアゾ一ル環が好ま しい。
(c) (d) N-N
N R 12
13
(/ ίί ^ R
S一 Ν
上記一般式(a)から (f )において、 R
7から R
2°は一般式(1)における G、 R
1, R
2と同じ置換基を表す。
一般式 (a) から (f ) のうち、 好ましいのは一般式 (a)、 (b)で表される ピラゾ一ル環、 イソチアゾール環であり、 最も好ましいのは一般式 (a) で表さ れるピラゾール璟である。
一般式( 1)において、 B1および B2は各々 -CR1—および— CR2 =を表すか、 あるいはいずれか一方が窒素原子、 他方が —または一 CR2 =を表すが、 各々 ^CR1—、 _CR2=を表すものがより好ましい。
R5および R6は各々独立に水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、 芳香族基、 複素璟基、 ァシル基、 アルコキシカルボニル基、 ァリールォキシカル ボニル基、 力ルバモイル基、 アルキルスルホニル基、 ァリ一ルスルホニル基、 ま たはスルファモイル基を表し、 該各置換基の水素原子は置換されていても良い。
R5、 R6は好ましくは、 水素原子、脂肪族基、 芳香族基、複素璟基、 ァシル基、 アルキルまたはァリ一ルスルホニル基を挙げる事ができる。 さらに好ましくは水 素原子、 芳香族基、 複素璟基、 ァシル基、 アルキルまたはァリ一ルスルホニル基 である。 最も好ましくは、 水素原子、 ァリール基、 複素環基である。 該各置換基 の水素原子は置換されていても良い。 ただし、 R5および R6が同時に水素原子で あることはない。
G、 R1および R2は各々独立して、水素原子または置換基を示し、該置換基は、 ハロゲン原子、 脂肪族基、 芳香族基、 複素環基、 シァノ基、 カルボキシル基、 力 ルバモイル基、 アルコキシカルボ二ル基、 ァリールォキシカルボニル基、 複素環 ォキシカルボ二ル基、 ァシル基、 ヒドロキシ基、 アルコキシ基、 ァリールォキシ 基、複素環ォキシ基、シリルォキシ基、ァシルォキシ基、力ルバモイルォキシ基、 アルコキシカルボニルォキシ基、ァリールォキシカルボニルォキシ基、アミノ基、 ァシルァミノ基、 ウレイ ド基、 スルファモイルァミノ基、 アルコキシカルポニル アミノ基、 ァリールォキシカルボニルァミノ基、 アルキルスルホニルァミノ基、 ァリ一ルスルホニルァミノ基、 複素環スルホニルァミノ基、 ニトロ基、 アルキル チォ基、 ァリ一ルチオ基、 複素環チォ基、 アルキルスルホニル基、 ァリ一ルスル ホニル基、 複素璟スルホニル基、 アルキルスルフィニル基、 ァリ一ルスルフィ二 ル基、 複素環スルフィニル基、 スルファモイル基、 またはスルホ基を表し、 該各 置換基の水素原子は置換されていても良い。
Gとしては水素原子、 ハロゲン原子、 脂肪族基、 芳香族基、 ヒドロキシ基、 ァ ルコキシ基、 ァリールォキシ基、 ァシルォキシ基、 複素環ォキシ基、 アミノ基、 ァシルァミノ基、 ゥレイ ド基、 スルファモイルァミノ基、 アルコキシカルボニル アミノ基、 ァリールォキシカルボニルァミノ基、 アルキル及ぴァリールチオ基、 または複素璟チォ基が好ましく、 更に好ましくは水素原子、 ハロゲン原子、 アル キル基、 ヒドロキシ基、 アルコキシ基、 ァリールォキシ基、 ァシルォキシ基、 ァ
ミノ基またはァシルァミノ基であり、 中でも水素原子、 アミノ基 (好ましくは、 ァニリノ基)、ァシルアミノ基が最も好ましい。該各置換基の水素原子は置換され ていても良い。
R R2 として好ましいものは、 水素原子、 アルキル基、 ハロゲン原子、 アル コキシカルボニル基、 カルボキシル基、 力ルバモイル基、 ヒドロキシ基、 アルコ キシ基、 シァノ基を挙げる事ができる。 該各置換基の水素原子は置換されていて 良い。
R 1と 、 あるいは と R6が結合して 5〜6員璟を形成しても良い。
Aが置換基を有する場合、 または R R2 R5、 R6または Gの置換基が更に置 換基を有する場合の置換基としては、 上記 G、 Έί \ R2で挙げた置換基を挙げる 事ができる。
本発明の染料が水溶性染料である場合には、 A、 R 1, R2、 R5、 R6, G上のい ずれかの位置に置換基としてさらにイオン性親水性基を有することが好ましい。 置換基としてのイオン性親水性基には、 スルホ基、 カルボキシル基、 ホスホノ基 および 4級アンモニゥム基等が含まれる。 前記イオン性親水性基としては、 カル ボキシル基、 ホスホノ基、 およびスルホ基が好ましく、 特にカルボキシル基、 ス ルホ基が好ましい。 カルボキシル基、 ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であ つてもよく、 塩を形成する対イオンの例には、 アンモニゥムイオン、 アルカリ金 属イオン (例、 リチウムイオン、 ナトリウムイオン、 カリウムイオン) および有 機カチオン (例、 テトラメチルアンモニゥムイオン、 テトラメチルグァニジゥム イオン、 テトラメチルホスホニゥム) が含まれる。
本明細書において使用される用語 (置換基) について説明する。 これら用語は 一般式 ( 1 ) 及び後述の一般式 ( l a ) における異なる符号間であっても共通で める。
ハロゲン原子としては、 フッ素原子、 塩素原子および臭素原子が挙げられる。 脂肪族基はアルキル基、 置換アルキル基、 アルケニル基、 置換アルケニル基、 アルキニル基、 置換アルキニル基、 ァラルキル基および置換ァラルキル基を意味 する。 本明細書で、 「置換アルキル基」 等に用いる 「置換」 とは、 「アルキル基」 等に存在する水素原子が上記 G、 R \ で挙げた置換基等で置換されているこ
とを示す。
脂肪族基は分岐を有していてもよく、 また璟を形成していてもよい。 脂肪族基 の炭素原子数は 1〜2 0であることが好ましく、 1〜 1 6であることがさらに好 ましい。 ァラルキル基および置換ァラルキル基のァリ一ル部分はフヱニル基また はナフチル基であることが好ましく、 フエニル基が特に好ましい。 脂肪族基の例 には、 メチル基、 ェチル基、 ブチル基、 イソプロピル基、 t一プチル基、 ヒドロ キシェチル基、 メ トキシェチル基、 シァノエチル基、 トリフルォロメチル基、 3 一スルホプロピル基、 4—スルホプチル基、 シクロへキシル基、 ベンジル基、 2 —フエネチル基、 ビニル基、 およびァリル基を挙げることができる。
芳香族基はァリール基および置換ァリール基を意味する。 ァリール基は、 フエ ニル基またはナフチル基であることが好ましく、 フエニル基が特に好ましい。 芳 香族基の炭素原子数は 6〜 2 0であることが好ましく、 6から 1 6がさらに好ま しい。
芳香族基の例には、 フエニル基、 p—トリル基、 p—メ トキシフエ二ル基、 0 —クロ口フエニル基および m— ( 3—スルホプロピルァミノ) フエニル基が含ま れる。
複素璟基には、 置換複素環基が含まれる。 複素環基は、 複素環に脂肪族環、 芳 香族環または他の複素環が縮合していてもよい。 前記複素環基としては、 5員ま たは 6員環の複素環基が好ましい。 前記置換基の例には、 脂肪族基、 ハロゲン原 子、アルキルスルホニル基、ァリ一ルスルホニル基、ァシル基、ァシルァミノ基、 スルファモイル基、 力ルバモイル基、 イオン性親水性基などが含まれる。 前記複 素環基の例には、 2—ピリジル基、 2—チェニル基、 2—チアゾリル基、 2—べ ンゾチアゾリル基、 2—ベンゾォキサゾリル基および 2 _フリル基が含まれる。 力ルバモイル基には、 置換力ルバモイル基が含まれる。 前記置換基の例には、 アルキル基が含まれる。 前記カルパモイル基の例には、 メチルカルバモイル基お よびジメチルカルパモイル基が含まれる。
アルコキシカルボニル基には、 置換アルコキシカルボニル基が含まれる。 前記 アルコキシカルボニル基としては、 炭素原子数が 2〜2 0のアルコキシカルボ二 ル基が好ましい。 前記置換基の例には、 イオン性親水性基が含まれる。 前記アル
コキシカルボニル基の例には、 メトキシカルボニル基およびエトキシカルボニル 基が含まれる。
ァリールォキシカルボニル基には、 置換ァリ一ルォキシカルボニル基が含まれ る。 前記ァリールォキシカルボニル基としては、 炭素原子数が 7〜2 0のァリー ルォキシカルボニル基が好ましい。 前記置換基の例には、 イオン性親水性基が含 まれる。 前記ァリールォキシカルボニル基の例には、 フエノキシカルボニル基が 含まれる。
複素環ォキシカルボニル基には、 置換複素環ォキシカルボニル基が含まれる。 複素環としては、 前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。 前記複素璟ォキシ カルボニル基としては、 炭素原子数が 2〜2 0の複素璟ォキシカルポニル基が好 ましい。 前記置換基の例には、 イオン性親水性基が含まれる。 前記複素環ォキシ カルボニル基の例には、 2—ピリジルォキシカルボニル基が含まれる。
ァシル基には、 置換ァシル基が含まれる。 前記ァシル基としては、 炭素原子数 が 1〜2 0のァシル基が好ましい。 前記置換基の例には、 イオン性親水性基が含 まれる。前記ァシル基の例には、 ァセチル基およびベンゾィル基が含まれる。 アルコキシ基には、置換アルコキシ基が含まれる。前記アルコキシ基としては、 炭素原子数が 1〜2 0のアルコキシ基が好ましい。 前記置換基の例には、 アルコ キシ基、 ヒドロキシル基、 およびイオン性親水性基が含まれる。 前記アルコキシ 基の例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メトキシェトキシ基、 ヒドロキシエトキシ基および 3—カルボキシプロポキシ基が含まれる。
ァリールォキシ基には、 置換ァリールォキシ基が含まれる。 前記ァリールォキ シ基としては、 炭素原子数が 6〜2 0のァリールォキシ基が好ましい。 前記置換 基の例には、 アルコキシ基、 およびイオン性親水性基が含まれる。 前記ァリール ォキシ基の例には、 フエノキシ基、 p—メトキシフエノキシ基および o—メトキ シフエノキシ基が含まれる。
複素璟ォキシ基には、 置換複素環ォキシ基が含まれる。 複素環としては、 前記 複素環基で記載の複素環が挙げられる。 前記複素環ォキシ基としては、 炭素原子 数が 2〜2 0の複素環ォキシ基が好ましい。 前記置換基の例には、 アルキル基、 アルコキシ基、 およびイオン性親水性基が含まれる。 前記複素璟ォキシ基の例に
は、 3—ピリジルォキシ基、 3—チェニルォキシ基が含まれる。
シリルォキシ基としては、 炭素原子数が 1〜 2 0の脂肪族基、 芳香族基が置換 したシリルォキシ基が好ましい。 前記シリルォキシ基の例には、 トリメチルシリ ルォキシ、 ジフエニルメチルシリルォキシが含まれる。
ァシルォキシ基には、 置換ァシルォキシ基が含まれる。 前記ァシルォキシ基と しては、炭素原子数 1〜 2 0のァシルォキシ基が好ましい。前記置換基の例には、 イオン性親水性基が含まれる。 前記ァシルォキシ基の例には、 ァセトキシ基およ びべンゾィルォキシ基が含まれる。
カルパモイルォキシ基には、 置換力ルバモイルォキシ基が含まれる。 前記置換 基の例には、 アルキル基が含まれる。 前記力ルバモイルォキシ基の例には、 N— メチルカルバモイルォキシ基が含まれる。
アルコキシカルボニルォキシ基には、 置換アルコキシカルボニルォキシ基が含 まれる。 前記アルコキシカルボニルォキシ基としては、 炭素原子数が 2〜 2 0の アルコキシカルボニルォキシ基が好ましい。 前記アルコキシカルボニルォキシ基 の例には、 メトキシカルポニルォキシ基、 イソプロポキシカルボニルォキシ基が 含まれる。
ァリ一ルォキシカルボニルォキシ基には、 置換ァリ一ルォキシカルボ二ルォキ シ基が含まれる。 前記ァリールォキシカルポニルォキシ基としては、 炭素原子数 が 7〜2 0のァリールォキシカルボニルォキシ基が好ましい。 前記ァリールォキ シカルボニルォキシ基の例には、 フエノキシカルボニルォキシ基が含まれる。 ァミノ基には、 置換アミノ基が含まれる。 該置換基としてはアルキル基、 ァリ ール基または複素環基が含まれ、 アルキル基、 ァリール基および複素環基はさら に置換基を有していてもよい。 アルキルアミノ基には、 置換アルキルアミノ基が 含まれる。 アルキルアミノ基としては、 炭素原子数 1〜2 0のアルキルアミノ基 が好ましい。 前記置換基の例には、 イオン性親水性基が含まれる。 前記アルキル ァミノ基の例には、 メチルァミノ基およびジェチルァミノ基が含まれる。
ァリールァミノ基には、 置換ァリ一ルァミノ基が含まれる。 前記ァリールアミ ノ基としては、 炭素原子数が 6〜2 0のァリールァミノ基が好ましい。 前記置換 基の例としては、 ハロゲン原子、 およびイオン性親水性基が含まれる。 前記ァリ
—ルァミノ基の例としては、 フエニルァミノ基および 2—クロ口フエニルァミノ 基が含まれる。
複素璟ァミノ基には、 置換複素璟ァミノ基が含まれる。 複素環としては、 前記 複素璟基で記載の複素環が挙げられる。 前記複素環ァミノ基としては、 炭素数 2 ~ 2 0個の複素璟ァミノ基が好ましい。 前記置換基の例としては、 アルキル基、 ハロゲン原子、 およびイオン性親水性基が含まれる。
ァシルァミノ基には、 置換ァシルァミノ基が含まれる。 前記ァシルァミノ基と しては、 炭素原子数が 2〜2 0のァシルァミノ基が好ましい。 前記置換基の例に は、 イオン性親水性基が含まれる。 前記ァシルァミノ基の例には、 ァセチルアミ ノ基、 プロピオニルァミノ基、 ベンゾィルァミノ基、 N—フエニルァセチルアミ ノおよび 3, 5—ジスルホベンゾィルァミノ基が含まれる。
ゥレイ ド基には、 置換ウレィ ド基が含まれる。 前記ウレィ ド基としては、 炭素 原子数が 1〜2 0のゥレイ ド基が好ましい。 前記置換基の例には、 アルキル基お よびァリール基が含まれる。 前記ウレィ ド基の例には、 3—メチルゥレイ ド基、 3, 3—ジメチルゥレイ ド基および 3—フエニルゥレイ ド基が含まれる。
スルファモイルァミノ基には、 置換スルファモイルァミノ基が含まれる。 前記 置換基の例には、アルキル基が含まれる。前記スルファモイルァミノ基の例には、 N, N—ジプロピルスルファモイルァミノ基が含まれる。
アルコキシカルボニルァミノ基には、 置換アルコキシカルボニルァミノ基が含 まれる。 前記アルコキシカルボニルァミノ基としては、 炭素原子数が 2〜2 0の アルコキシカルボニルァミノ基が好ましい。 前記置換基の例には、 イオン性親水 性基が含まれる。 前記アルコキシカルボニルァミノ基の例には、 エトキシカルボ ニルァミノ基が含まれる。
ァリールォキシカルボニルアミノ基には、 置換ァリ一ルォキシカルボニルァミ ノ基が含まれる。 前記ァリールォキシカルボニルァミノ基としては、 炭素原子数 が 7〜2 0のァリールォキシカルボニルァミノ基が好ましい。 前記置換基の例に は、 イオン性親水性基が含まれる。 前記ァリールォキシカルボニルァミノ基の例 には、 フエノキシカルボニルァミノ基が含まれる。
アルキルスルホニルァミノ基及びァリ一ルスルホニルァミノ基には、 置換アルキ
ルスルホニルァミノ基及び置換ァリ一ルスルホニルァミノ基が含まれる。 前記ァ ルキルスルホニルァミノ基及びァリ一ルスルホニルァミノ基としては、 炭素原子 数が 1〜2 0のアルキルスルホニルァミノ基及びァリ一ルスルホニルァミノ基が 好ましい。 前記置換基の例には、 イオン性親水性基が含まれる。 前記アルキルス ルホニルァミノ基及びァリールスルホニルァミノ基の例には、 メチルスルホニル アミノ基、 N—フエニル—メチルスルホニルァミノ基、 フエニルスルホニルアミ ノ基、 および 3—カルボキシフエニルスルホニルァミノ基が含まれる。
複素環スルホニルァミノ基には、 置換複素璟スルホニルァミノ基が含まれる。 複素環としては、 前記複素環基で記載の複素環が挙げられる。 前記複素環スルホ ニルァミノ基としては、 炭素原子数が 1 ~ 1 2の複素環スルホニルァミノ基が好 ましい。 前記置換基の例には、 イオン性親水性基が含まれる。 前記複素璟スルホ ニルァミノ基の例には、 2—チェニルスルホニルァミノ基、 3 _ピリジルスルホ ニルァミノ基が含まれる。
アルキルチオ基、ァリ一ルチオ基及び複素環チォ基には、置換アルキルチオ基、 置換ァリ一ルチオ基及び置換複素璟チォ基が含まれる。 複素璟としては、 前記複 素環基で記載の複素環が挙げられる。 前記アルキルチオ基、 ァリールチオ基及び 複素璟チォ基としては、 炭素原子数が 1から 2 0のものが好ましい。 前記置換基 の例には、 イオン性親水性基が含まれる。 前記アルキルチオ基、 ァリ一ルチオ基 及び複素璟チォ基の例には、 メチルチオ基、 フエ二ルチオ基、 2—ピリジルチオ 基が含まれる。
アルキルスルホ二ル基およびァリ一ルスルホニル基には、 置換アルキルスルホ ニル基および置換ァリールスルホニル基が含まれる。 アルキルスルホニル基およ びァリ一ルスルホニル基の例としては、 それぞれメチルスルホニル基およびフェ ニルスルホニル基をあげる事ができる。
複素環スルホニル基には、 置換複素璟スルホニル基が含まれる。 複素環として は、 前記複素環基で記載の複素璟が挙げられる。 前記複素環スルホニル基として は、 炭素原子数が 1〜2 0の複素環スルホニル基が好ましい。 前記置換基の例に は、 イオン性親水性基が含まれる。 前記複素環スルホニル基の例には、 2—チェ ニルスルホニル基、 3—ピリジルスルホニル基が含まれる。
アルキルスルフィニル基およびァリ一ルスルフィニル基には、 置換アルキルス ルフィニル基および置換ァリ一ルスルフィニル基が含まれる。 アルキルスルフィ ニル基およびァリ一ルスルフィニル基の例としては、 それそれメチルスルフィ二 ル基およびフエニルスルフィ二ル基をあげる事ができる。
複素環スルフィニル基には、 置換複素環スルフィニル基が含まれる。 複素環と しては、 前記複素璟基で記載の複素璟が挙げられる。 前記複素環スルフィニル基 としては、 炭素原子数が 1〜2 0の複素環スルフィニル基が好ましい。 前記置換 基の例には、ィォン性親水性基が含まれる。前記複素環スルフィニル基の例には、 4—ピリジルスルフィニル基が含まれる。
スルファモイル基には、 置換スルファモイル基が含まれる。 前記置換基の例に は、 アルキル基が含まれる。 前記スルファモイル基の例には、 ジメチルスルファ モイル基およびジ— (2—ヒドロキシェチル) スルファモイル基が含まれる。 一般式 ( 1 ) の中でも、 特に好ましい構造は、 下記一般式 ( l a ) で表される ものである。
式中、 I 1、 R2、 R5および R6は一般式 ( 1 ) と同義である。
R3および R4は各々独立に水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、 芳香族基、 複素璟基、 ァシル基、 アルコキシカルボニル基、 ァリールォキシカル ボニル基、 力ルバモイル基、 アルキルスルホニル基、 ァリ一ルスルホニル基、 ま たはスルファモイル基を表す。中でも水素原子、芳香族基、複素璟基、ァシル基、 アルキルスルホ二ル基もしくはァリ一ルスルホニル基が好ましく、 水素原子、 芳 香族基、 複素環基が特に好ましい。
Z 1はハメッ卜の置換基定数 σ ρ値が 0 . 2 0以上の電子吸引性基を表す。 Ζ 1 は cr p値が 0 . 3 0以上の電子吸引性基であるのが好ましく、 0 . 4 5以上の電
子吸引性基が更に好ましく、 0 . 6 0以上の電子吸引性基が特に好ましいが、 1 . 0を超えないことが望ましい。 好ましい具体的な置換基については後述する電子 吸引性置換基を挙げることができるが、 中でも、 炭素数 2〜2 0のァシル基、 炭 素数 2〜 2 0のアルキルォキシカルボニル基、 ニトロ基、 シァノ基、 炭素数 1〜 2 0のアルキルスルホニル基、 炭素数 6〜 2 0のァリールスルホニル基、 炭素数 1〜2 0のカルパモイル基及び炭素数 1〜2 0のハロゲン化アルキル基が好まし い。 特に好ましいものは、 シァノ基、 炭素数 1〜2 0のアルキルスルホニル基、 炭素数 6〜 2 0のァリールスルホニル基であり、 最も好ましいものはシァノ基で める。
Z 2は水素原子または置換基を表し、該置換基は脂肪族基、芳香族基もしくは複 素環基を表す。 Z 2は好ましくは S旨肪族基であり、更に好ましくは炭素数 1 ~ 6の アルキル基である。
Qは水素原子または置換基を表し、 該置換基は脂肪族基、 芳香族基もしくは複 素璟基を表す。 中でも Qは 5〜 8員環を形成するのに必要な非金属原子群からな る基が好ましい。 前記 5〜 8員環は置換されていてもよいし、 飽和環であっても 不飽和結合を有していてもよい。その中でも特に芳香族基、複素環基が好ましい。 好ましい非金属原子としては、 窒素原子、 酸素原子、 ィォゥ原子または炭素原子 が挙げられる。 そのような環構造の具体例としては、 例えばベンゼン環、 シクロ ペンタン環、 シクロへキサン環、 シクロヘプタン環、 シクロオクタン環、 シクロ へキセン璟、 ピリジン環、 ピリミジン環、 ピラジン環、 ピリダジン環、 トリアジ ン璟、 イミダゾ一ル環, ベンゾイミダゾール璟、 ォキサゾール璟、 ベンゾォキサ ゾール環、 チアゾ一ル環、 ベンゾチアゾ一ル璟、 ォキサン環、 スルホラン環およ びチァン環等が挙げられる。
一般式 ( l a ) で説明した各置換基の水素原子は置換されていても良い。 該置 換基としては、 一般式 ( 1 ) で説明した置換基、 G、 R R2で例示した基ゃィ ォン性親水性基が挙げられる。
ここで、本明細書中で用いられるハメットの置換基定数び p値について説明す る。 ハメット則はベンゼン誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量 的に論ずるために 1 9 3 5年に L . P . H a mm e t tにより提唱された経験則
であるが、 これは今日広く妥当性が認められている。 ハメット則に求められた置 換基定数には rp値と rm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出す ことができるが、 例えば、 J. A. De an編、 「Lange, s Handb o ok of Chemi s t ry」 第 12版、 1979年 (Mc Gr aw-H i 11 ) や 「化学の領域」 増刊、 122号、 96〜: 103頁、 1979年 (南光 堂) に詳しい。 尚、 本発明において各置換基をハメットの置換基定数び pにより 限定したり、 説明したりするが、 これは上記の成書で見出せる、 文献既知の値が ある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、 その値が文献未知であっても ハメッ ト則に基づいて測定した場合にその範囲内に包まれるであろう置換基をも 含むことはいうまでもない。 また、 本発明の一般式 (l a) の中には、 ベンゼン 誘導体ではない物も含まれるが、 置換基の電子効果を示す尺度として、 置換位置 に関係なく crp値を使用する。本発明において、 crp値をこのような意味で使用 する。
ハメヅト置換基定数び p値が 0.60以上の電子吸引性基としては、シァノ基、 ニトロ基、 アルキルスルホニル基 (例えばメチルスルホニル基、 ァリ一ルスルホ ニル基 (例えばフエニルスルホニル基) を例として挙げることができる。
ハメヅト び 値が0. 45以上の電子吸引性基としては、 上記に加えァシル基 (例えばァセチル基)、アルコキシカルボニル基 (例えばドデシルォキシカルボ二 ル基)、ァリールォキシカルボニル基 (例えば、 m—クロ口フエノキシカルボ二ル)、 アルキルスルフィニル基 (例えば、 n—プロピルスルフィニル)、 ァリールスルフ ィニル基(例えばフエニルスルフィ二ル)、 スルファモイル基(例えば、 N—ェチ ルスルファモイル、 N, N—ジメチルスルファモイル)、ハロゲン化アルキル基(例 えば、 トリフロロメチル) を挙げることができる。
ハメット置換基定数び p値が 0. 30以上の電子吸引性基としては、 上記に加 え、 ァシルォキシ基(例えば、 ァセトキシ)、 力ルバモイル基(例えば、 N—ェチ ルカルバモイル、 N, N—ジブチルカルバモイル)、 ハロゲン化アルコキシ基(例 えば、 トリフロロメチルォキシ)、 ハロゲン化ァリールォキシ基(例えば、 ペン夕 フロロフエ二ルォキシ)、スルホニルォキシ基(例えばメチルスルホニルォキシ基)、 ハロゲン化アルキルチオ基 (例えば、 ジフロロメチルチオ)、 2つ以上の crp値
が 0 . 1 5以上の電子吸引性基で置換されたァリール基 (例えば、 2, 4ージニ トロフエニル、 ペンタクロロフエ二ル)、 およびへテロ環(例えば、 2—べンゾォ キサゾリル、 2—ベンゾチアゾリル、 1一フエニル一 2—べンゾイミダゾリル) を挙げることができる。
び p値が 0 . 2 0以上の電子吸引性基の具体例としては、 上記に加え、 ハロゲ ン原子などが挙げられる。
前記一般式 ( 1 ) で表されるァゾ染料として特に好ましい置換基の組み合わせ は、 R5および R6として好ましくは、 水素原子、 アルキル基、 ァリール基、 複素 環基、スルホニル基、ァシル基であり、さらに好ましくは水素原子、ァリール基、 複素環基、 スルホニル基であり、 最も好ましくは、 水素原子、 ァリール基、 複素 環基である。 ただし、 R5および R6が共に水素原子であることは無い。
Gとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシル基、 アミノ基、 ァシルァミノ基であり、 さらに好ましくは水素原子、 ハロゲン原子、 アミノ基、 ァシルァミノ基であり、 もっとも好ましくは水素原子、 アミノ基、 ァ シルァミノ基である。
Aのうち、 好ましくはビラゾ一ル環、 ィミダゾール環、 イソチアゾール環、 チ アジアゾール璟、 ベンゾチアゾール環であり、 さらにはビラゾ一ル環、 イソチア ゾ一ル環であり、 最も好ましくはビラゾ一ル環である。
B 1および B2がそれそれ C R1—、 — C R2 =であり、 II1、 R2は各々好ましく は水素原子、 アルキル基、 ハロゲン原子、 シァノ基、 力ルバモイル基、 カルボキ シル基、 ヒドロキシル基、 アルコキシ基、 アルコキシカルボニル基であり、 さら に好ましくは水素原子、 アルキル基、 カルボキシル基、 シァノ基、 力ルバモイル 基である。
尚、 前記一般式 ( 1 ) で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについ ては、 種々の置換基の少なくとも 1つが前記の好ましい基である化合物が好まし く、 より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、 全 ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
前記一般式 ( 1 ) で表されるァゾ染料の具体例を以下 (表 1 ) 〜 (表 1 3 ) に 示すが、 本発明に用いられるァゾ染料は、 下記の例に限定されるものではない。
a2-
CHg SOaK
LZll0/£0d£/∑Jd CS.990/C0 OAV
染料 R3 R5 Re
b-5 CH3 H CN H ^-^— SOaNa SOaNa
LZU0/£0dr/lJd
染料 R, R2 R3 R5 (t) -C8H,
1 -SCH3 CH, CN H CeHl7
e-1 5- CI CH3 CONH2 H CaHl7(t) CaHl7(t)
本発明に用いられる上記ァゾ基を有するマゼンタ染料は、 染料の酸化電位がィ ンクの水性媒体において 1. OVv s SCEより貴、 好ましくは 1. I V V S S CEより貴、 特に好ましくは 1. 2Vv s SCEより貴である。 電位を高める手 段としては、 前記した好ましい項 zお芋要件カラの選択、 すなわち、 複素環 A) 一 N = N— (複素環 B) で表される発色団を有する型の染料構造の選択、 ァゾ基 が、 少なくともその一方に芳香族含窒素 6員複素環をカツプリング成分として直 結させたァゾ染料の選択、 芳香族環ァミノ基または複素環ァミノ基含有構造を助 色団として有するァゾ染料の選択、 さらにはァゾ染料のひ水素を除去することで ある。 とくに上記一般式 (1) の染料が貴の電位を発現する。 具体的には特願 2 001— 254878に記載されている。
ここでいう酸化電位の測定法としては、 染料を溶解した水溶液もしくは水混合 溶媒系において参照電極として S C E (標準飽和力ロメル電極) を基準とする測 定法で、 作用極としてグラフアイト電極又は白金電極を使用した直流ポーラログ ラフィー、 滴下水銀電極によるポーラログラフィー、 サイクリックボルタンメ ト リ一法(CV)、 回転リングディスク電極法、 櫛形電極法等、 種々の測定法が利用可 能である。 酸化電位は、 過塩素酸ナトリゥムゃ過塩素酸テトラプロピルアンモニ ゥムといった支持電解質を含むジメチルホルムァミドゃァセトエトリルのような 溶媒中に、 被験試料を 1 X 1 0— 4〜; L X 1 0-6mO 1 · dnT3溶解し、 上記測定法 を用いて S C E (標準飽和カロメル電極) に対する値として測定する。 また用い る支持電解質や溶媒は、 被験試料の酸化電位や溶解性により適当なものを選ぶこ とができる。 用いることができる支持電解質や溶媒については藤嶋昭他著 "電気 化学測定法" (1984年 技報堂出版社刊) 101〜118ページに記載がある。
酸化電位の値は、 液間電位差や試料溶液の液抵抗などの影響で、 数 1 0ミリポ ルト程度偏位することがあるが、 標準試料 (例えばハイドロキノン) を用いて校 正することにより、 測定された電位の値の再現性を保証することができ、 かつ上 記いずれの電位測定手段でも同じ測定値を得ることができる。
酸化電位が 1. OVv s SCEより貴のァゾ染料は、 別の耐酸化性基準は、 ォ ゾンガスに対する強制褪色速度定数であり、 好ましいァゾ染料は、 強制褪色速度
定数が 5. 0 X 1 0— 2 [h o u r—1] 以下、 好ましくは 3 X 1 0— 2 [h o u r一 x]以下、 より好ましくは 1. 5 X 10_2 [h o u r— 以下であることがよい。 オゾンガスに対する強制褪色速度定数の測定は、 当該インクのみを反射型受像 媒体に印画して得られた画像の該ィンクの主分光吸収領域の色であつてステータ ス Aのフィルターを通して測定した反射濃度が 0. 90〜1. 10の濃度の着色 領域を初期濃度点として選択し、 この初期濃度を開始濃度 ( = 100%) とする。 こ の画像を 5mg/Lのオゾン濃度を常時維持するォゾン褪色試験機を用いて褪色させ、 その濃度が初期濃度の 80%となるまでの時間を測定し、 この時間の逆数 [hour一1 ] を求め、 褪色濃度と時間関係が一次反応の速度式に従うとの仮定のもとに、 褪 色反応速度定数とする。 したがって、 求められる褪色速度定数は当該インクによ つて印画された着色領域の褪色速度定数であるが、 本明細書では、 この値をイン クの褪色速度定数として用いる。
試験用の印画パッチは、 JISコード 2223の黒四角記号を印字したパッチ、マクべ スチャートの階段状カラーパッチ、 そのほか測定面積が得られる任意の階段濃度 パッチを用いることができる。
測定用に印画される反射画像 (階段状カラーパッチ) の反射濃度は、 国際規格 I SO 5-4 (反射濃度の幾何条件) を満たした濃度計によりステータス Aフィ ルターを透した測定光で求められた濃度である。
オゾンガスに対する強制褪色速度定数測定用の試験チャンバ一には、 内部のォ ゾンガス濃度を定常的に 5mg/Lに維持可能のォゾン発生装置 (例えば乾燥空 気に交流電圧を印可する高圧放電方式) が設けられ、 曝気温度は 25°Cに調節さ れる。
なお、 この強制褪色速度定数は、 光化学スモッグ、 自動車排気、 家具の塗装面 や絨毯などからの有機蒸気、 明室の額縁内の発生ガスなどの環境中の酸化性雰囲 気による酸化の受け易さの指標であって、 オゾンガスによってこれらの酸化 1~生雰 囲気を代表させた指標である。
次ぎにマゼンタインクの色相について述べる。 マゼンタ用インクとしては、 λ maxが 500〜 580 n mであることが色相の点で優れており、 さらに最大吸収 波長の長波側と短波側の半値幅が小さい、 すなわちシャープな吸収であることが
好ましい。 具体的には特開平 2002-309133号公報に記載されている。 またひ位にメチル基を導入することにより吸収のシヤープ化を具現できる。
[フタロシアニン染料]
インクジエツト記録用インクとして要求される物性は耐光性、 オゾン耐性がと もに優れ、色相 ·表面状態の変化が小さい(ブロンズが生じにく く、染料が析出し にくい)ことである。 耐光性 (OD1.0) につ.いてはエプソン PM写真用受像紙上で の Xe 1. 1 W/m (間欠条件) でトリアセチルセルロース (TAC) フィル夕 一ありの耐光性が 3日間で色素残存率 90 %以上あることが好ましい。 また 14 日間で色素残存率 85 %以上あることが好ましい。
オゾン耐性については、 該インク (シアン) 単色を用いて、 ステータス Aフィ ルターにおけるシアン反射濃度が 0. 9〜1. 1となるように印字した単色部位 において、 5 ppmのオゾン環境に 24時間保存した際の色素残存率 (褪色後の 濃度 Z初期濃度 X 100) が 60%以上あることが好ましい。 オゾン耐性が 1日 間で色素残存率 70%以上あることがさらに好ましく、 色素残存率 80%以上あ ることが特に好ましい。 また 5日間で色素残存率 25 %以上あることが好ましく 、 色素残存率 40%以上あることがさらに好ましく、 色素残存率 50%以上ある ことが特に好ましい。 染料の塗布量を変えたサンプルを GTCで作成, 染料中に 含まれる Cu元素量を蛍光 X線で測定する。
フタロシアニン染料の分解によって Cuイオンはフ夕ル酸塩として存在する。 実際のプリントに存在する C uィオン換算量は 10m g /m2以下にすることが好ま しい。 プリントから流出する Cu量は Cuイオン換算量が 20mg/m2以下の一面 シアンべ夕の画像を形成させ、 この画像を上記オゾン耐性の条件でォゾン褪色さ せた後、 水中に流出するイオン量を分析した。 なお褪色以前は全ての Cu化合物 は受像材料にトラップされている。 水中に流出する Cuイオン量は全染料の 20 %以下にすることが好ましい。
上記のような物性を有するフタロシアニン染料は 1)酸化電位を上げる。 2) 会合性を上げる。 3)会合促進基を導入する。 7Γ- 7Γスタツキング時の水素結合を 強くする。 4) a位へ置換基を入れない。 即ちス夕ッキングしやすくすること等 によって達成されることが本発明により見出された。
本発明のィンクジエツト記録用インクにおいて使用する染料の特徴は従来のィ ンクジエツトインクに用いていたフタロシアニン染料が無置換のフタロシアニン のスルホン化から誘導されたものであるため、 置換基の数と位置を特定できない 混合物であるのに対して、 置換基の数と位置を特定できるフタロシアニン染料を 用いることである。 構造上の特徴の第一は無置換のフタロシアニンのスルホン化 を経由しない水溶性フタロシア二ン染料であることである。 構造上の特徴の第二 はフタロシアニンのベンゼン環の/?位に電子吸引性基を有することであり、 特に 好ましくは全てのベンゼン環の 5位に電子吸引性基を有することである。 具体的 にはスルホニル基が置換したもの (特願 2001— 47013、 特願 2001— 190214)、スルファモイル基全般が置換したもの(特願 2001 - 2435 2、特願 2001— 189982 )、ヘテロ環スルファモイル基が置換したもの( 特願 2001— 96610、特願 2001— 190216)、へテ口環スルホニル 基が置換したもの (特願 2001— 76689、 特願 2001— 190215) 、特定スルファモイル基が置換したもの(特願 2001— 57063)、 カルボ二 ル基が置換したもの(特願 2002— 012869)、溶解性、 ィンク安定性向上 、 ブロンズ対策のため特定置換基を有するものが好ましく、 具体的には不斉炭素 を有する (特願 2002-012868), L i塩にしたもの(特願 2002 -0 12864)、 が有用である。
本発明のィンクジエツト記録用インクに使用するフタロシアニン染料の物性上 の特徴の第一は高い酸化電位を有することである。 酸化電位は 1. 0Vより貴で あることが好ましく、 1. IVより貴であることが更に好ましく、 1. 2Vより 貴であることが最も好ましい。 物性上の特徴の第二は強い会合性を有することで ある。 具体的には油溶性染料の会合を規定したもの (特願 2001 - 64413 ) 水溶性染料の会合を規定したもの(特願 2001 - 117350)が挙げられ る。
会合性基の数と性能 (インクの吸光度) との関係は会合性基の導入で希薄溶液 中でも吸光度の低下や Amaxの短波化が起きやすくなる。また会合性基の数と性能
(エプソン PM 920受像紙における反射 0D) との関係は会合性基の数が増える ほど、 同じイオン強度での反射 0Dが低下する。 即ち受像紙上で会合が進むと思わ
れる。 会合性基の数と性能 (オゾン耐性 ·耐光性) との関係は会合性基の数が増 えるほど、 オゾン耐性が良化する。 会合性基の数が多い染料は耐光性も良化する 傾向がある。 オゾン耐性を付与するためには前記の置換基 X (Xi〜X4等を表す ) を付与することが必要である。 反射 0Dと堅牢性の間はトレードオフの関係にあ るので、 会合を弱めずに耐光性を上げることが必要である。
本発明の好ましいィンクの態様としては
1)エプソン PM写真用受像紙上での Xe 1. lW/m (間欠条件)で TACフ ィル夕—ありの耐光性が 3日間で残色率 90 %以上あるシアンインク。
2)該インク (シアン) 単色を用いて、 ステータス Aフィル夕一におけるシアン 反射濃度が 0. 9〜1. 1となるように印字した単色部位において、 5ppmの オゾン環境に 24時間保存した際の色素残存率 (褪色後の濃度/初期濃度 X 10 0) が 60% (好ましくは 80%) 以上あるシアンインク。
3)上記 2) の条件でオゾン褪色させた後、 水中に流出する Cuイオン量は全染 料の 20%以下であるシアンィンク。
4)特定受像紙に対するインク染み込み量が受像層の上部 30%以上まで浸透可 能なシアンィンク。
本発明のインクジヱット記録用インクに含有されるフタロシアニン染料は、 そ の酸化電位が 1. 0より貴である水溶性染料が好ましく、 さらにオゾンガスに対 する堅牢性が上記の条件を満足するものがより好ましく、 その中でも上記一般式
(I) で表されるフ夕口シァニン染料であることがさらに好ましい。
フタロシアニン染料は堅牢な染料として知られていたが、 ィンクジエツト用記 録色素として使用した場合、 ォゾンガスに対する堅牢性に劣ることが知られてい る。
本発明では、 求電子剤であるオゾンとの反応性を下げるために、 フタロシア二 ン骨格に電子求引性基を導入して酸化電位を 1. 0V (vs SCE) よりも貴 とする。 酸化電位は貴であるほど好ましく、 酸化電位が 1. IV (vs SCE
) よりも貴であるものがより好ましく、 1. 2V (vs SCE) より貴である ものが最も好ましい。
酸化電位の値 (Eox) は当業者が容易に測定することができる。 この方法に関
しては、 例えば P. D e 1 aha y著 " New Ins t rument al M ethods i n E le ct rochemi st ry" (1954年 In t ersc ience Publ i sher s社刊)、 A. J . Bar d他著 "E lectrochemi cal Methods" (1980年 J o hnW i ley & S ons社刊)、藤嶋昭他著 "電気化学測定法" (1984年 技報 堂出版社刊) などに記載されている。
具体的には、 酸化電位は、 過塩素酸ナトリウムや過塩素酸テトラプロピルアン モニゥムなどの支持電解質を含むジメチルホルムアミ ドゃァセトニトリルなどの 溶媒中に、被験試料を 1 X 10— 4〜1 X 10_8モル Zリヅトルの濃度に溶解して 、 サイクリックボル夕ンメトリーや直流ポーラログラフィ一を用いて S CE (標 準飽和カロメル電極) に対する値として測定する。 この値は、 液間電位差や試料 溶液の液抵抗などの影響で、 数 10ミルボルト程度偏位することがあるが、 標準 試料 (例えばハイドロキノン) を入れて電位の再現性を保証することができる。 なお、 電位を一義的に規定するために、 本発明では、 0. lmo ldm_3の過 塩素酸テトラプロビルアンモニゥムを支持電解質として含むジメチルホルムアミ ド中 (染料の濃度は 0. 00 lmo 1 dm—3)で直流ポーラログラフィ一により 測定した値 (vs SCE) を染料の酸化電位とする。
Eox (酸化電位) の値は試料から電極への電子の移りやすさを表わし、 その値 が大きい (酸化電位が貴である) ほど試料から電極への電子の移りにくい、 言い 換えれば、 酸化されにくいことを表す。 化合物の構造との関連では、 電子求引性 基を導入することにより酸化電位はより貴となり、 電子供与性基を導入すること により酸化電位はより卑となる。 本発明では、 求電子剤であるオゾンとの反応性 を下げるために、 フタロシアニン骨格に電子求引性基を導入して酸化電位をより 貴とすることが望ましい。 従って、 置換基の電子求引性や電子供与性の尺度であ るハメットの置換基定数 crp値を用いれば、 スルフィニル基、 スルホニル基、 ス ルファモイル基のようにび P値が大きい置換基を導入することにより酸化電位を より貴とすることができると言える。
このような電位調節をする理由からも、 上記一般式 (I) で表されるフタロシ ァニン染料を用いることは好ましい。
前記の酸化電位を有するフ夕ロシア二ン染料は耐光性、 ォゾン耐性がともに優 れたシアン染料であることは前記の耐光性、 ォゾン耐性の条件を満足することか ら、 明らかである。
以下、 本発明で用いられるフタロシアニン染料 (好ましくは一般式 (I) で表 されるフタロシアニン染料) について詳細に説明する。
一般式 (I)において、 x2、 x3および x4は、 それそれ独立に、 — so 一 Z、 — S02— Z、 一 S02NR1R2、 スルホ基、 — C0NR1R2、 または — C02R1を表す。 これらの置換基の中でも、 一 SO— Z、 一 S02— Z、 一 S 02NR 1 R 2および— CONR 1 R 2が好ましく、特に— S 02— Zおよび一 S 02NR1R2が好ましく、 一 S02— Zが最も好ましい。 ここで、 その置換基数 を表す a 〜 a 4のいずれかが 2以上の数を表す場合、 Xi〜X4の内、複数存在す るものは同一でも異なっていても良く、 それそれ独立に上記のいずれかの基を表 す。 また、 Xi、 X2、 X3および X4は、 それそれ全く同じ置換基であってもよく 、 あるいは例えば Xi、 X2、 X3および X4が全て— S02— Zであり、 かつ各 Z は異なるものを含む場合のように、 同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異 なる置換基であってもよく、 あるいは互いに異なる置換基を、 例えば一 S02— Zと一 S02NR 1 R 2を含んでいてもよい。
上記 Zは、 それそれ独立に、 置換もしくは無置換のアルキル基、 置換もしくは 無置換のシクロアルキル基、 置換もしくは無置換のアルケニル基、 置換もしくは 無置換のァラルキル基、 置換もしくは無置換のァリール基、 置換もしくは無置換 の複素環基を表す。 好ましくは、 置換もしくは無置換のアルキル基、 置換もしく は無置換のァリール基、 置換もしくは無置換の複素環基であり、 その中でも置換 アルキル基、 置換ァリール基、 置換複素環基が最も好ましい。
上記 Rl、 R2は、 それそれ独立に、 水素原子、 置換もしくは無置換のアルキ ル基、 置換もしくは無置換のシクロアルキル基、 置換もしくは無置換のアルケニ ル基、 置換もしくは無置換のァラルキル基、 置換もしくは無置換のァリール基、 または置換もしくは無置換の複素環基を表す。 なかでも、 水素原子、 置換もしく は無置換のアルキル基、 置換もしくは無置換のァリール基、 および置換もしくは 無置換の複素環基が好ましく、 その中でも水素原子、 置換アルキル基、 置換ァリ
ール基、 および置換複素環基がさらに好ましい。 但し、 R l、 R 2がいずれも水 素原子であることは好ましくない。
R l、 R 2および Zが表す置換もしくは無置換のアルキル基としては、 炭素原 子数が 1〜3 0のアルキル基が好ましい。 特に染料の溶解性やインク安定性を高 めるという理由から、 分岐のアルキル基が好ましく、 特に不斉炭素を有する場合 (ラセミ体での使用) が特に好ましい。 置換基の例としては、 後述の Z、 R l、 R 2、 Y l Y 2、 Y 3および Y4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と 同じものが挙げられる。 中でも水酸基、 エーテル基、 エステル基、 シァノ基、 ァ ミド基、 スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好 ましい。 この他、 ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していても良い。 なお、 アルキル基の炭素原子数は置換基の炭素原子を含まず、 他の基についても同様で ある。
R 1、 R 2および Ζが表す置換もしくは無置換のシクロアルキル基としては、 炭素原子数が 5〜3 0のシクロアルキル基が好ましい。 特に染料の溶解性やイン ク安定性を高めるという理由から、 不斉炭素を有する場合 (ラセミ体での使用) が特に好ましい。 置換基の例としては、 後述の Z、 R I s R 2、 Υ 2、 Υ 3 および Υ 4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じものが挙げられ る。 なかでも、 水酸基、 エーテル基、 エステル基、 シァノ基、 アミ ド基、 および スルホンアミド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させるので特に好ましい。 この他、 ハロゲン原子ゃィォン性親水性基を有していても良い。
R l、 ; 2および Zが表す置換もしくは無置換のアルケニル基としては、 炭素 原子数が 2〜3 0のアルケニル基が好ましい。 特に染料の溶解性やインク安定性 を高めるという理由から、 分岐のアルケニル基が好ましく、 特に不斉炭素を有す る場合 (ラセミ体での使用) が特に好ましい。 置換基の例としては、 後述の Z、 R l、 R 2、 Y l s Y 2、 Y 3および Y 4が更に置換基を持つことが可能な場合の置 換基と同じものが挙げられる。 なかでも、 水酸基、 エーテル基、 エステル基、 シ ァノ基、 アミド基、 スルホンアミ ド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させる ので特に好ましい。 この他、 ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していてもよ い。
R l、 R 2および Zが表す置換もしくは無置換のァラルキル基としては、 炭素 原子数が 7〜3 0のァラルキル基が好ましい。 特に染料の溶解性やインク安定性 を高めるという理由から、 分岐のァラルキル基が好ましく、 特に不斉炭素を有す る場合 (ラセミ体での使用) が特に好ましい。 置換基の例としては、 後述の Z、 R l、 R 2、 Y l Y 2、 Y 3および Y 4が更に置換基を持つことが可能な場合の置 換基と同じものが挙げられる。 なかでも、 水酸基、 エーテル基、 エステル基、 シ ァノ基、 アミ ド基、 スルホンアミ ド基が染料の会合性を高め堅牢性を向上させる ので特に好ましい。 この他、 ハロゲン原子やイオン性親水性基を有していてもよ い。
R l、 R 2および Zが表す置換もしくは無置換のァリール基としては、 炭素原 子数が 6 ~ 3 0のァリール基が好ましい。 置換基の例としては、 後述の Z、 R 1 、 R 2、 Υ 2、 Υ 3および Υ4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基 と同じものが挙げられる。 なかでも、 染料の酸化電位を貴とし堅牢性を向上させ るので電子吸引性基が特に好ましい。 電子吸引性基としては、 ハメットの置換基 定数び ρ値が正のものが挙げられる。 なかでも、 ハロゲン原子、 複素環基、 シァ ノ基、 カルボキシル基、 ァシルァミノ基、 スルホンアミ ド基、 スルファモイル基 、 力ルバモイル基、 スルホニル基、 イミ ド基、 ァシル基、 スルホ基、 4級アンモ ニゥム基が好ましく、 シァノ基、 カルボキシル基、 スルファモイル基、 カルパモ ィル基、 スルホニル基、 イミ ド基、 ァシル基、 スルホ基、 4級アンモニゥム基が 更に好ましい。
R l、 R 2および Zが表す複素環基としては、 5員または 6員環のものが好ま しく、 それらは更に縮環していてもよい。 また、 芳香族複素環であっても非芳香 族複素璟であっても良い。 以下に R l、 R 2および Zで表される複素環基を、 置 換位置を省略して複素環の形で例示するが、 置換位置は限定されるものではなく
、 例えばピリジンであれば、 2位、 3位、 4位で置換することが可能である。 ピ リジン、 ピラジン、 ピリミジン、 ピリダジン、 トリアジン、 キノリン、 イソキノ リン、 キナゾリン、 シンノリン、 フタラジン、 キノキサリン、 ピロール、 インド ール、 フラン、 ベンゾフラン、 チォフェン、 ベンゾチォフェン、 ピラゾール、 ィ ミダゾール、 ベンズイミダゾ一ル、 トリァゾール、 ォキサゾール、 ベンズォキサ
ゾール、 チアゾ一ル、 ベンゾチアゾ一ル、 イソチアゾ一ル、 ベンズイソチアゾー ル、 チアジアゾール、 イソォキサゾ一ル、 ベンズイソォキサゾール、 ピロリジン 、 ピぺリジン、 ピペラジン、 イミダゾリジン、 チアゾリンなどが挙げられる。 な かでも、 芳香族複素環基が好ましく、 その好ましい例を先と同様に例示すると、 ピリジン、 ピラジン、 ピリミジン、 ピリダジン、 トリアジン、 ピラゾ一ル、 ィミ ダゾール、 ベンズイミダゾ一ル、 トリァゾール、 チアゾ一ル、 ベンゾチアゾール 、 イソチアゾ一ル、 ベンズイソチアゾ一ル、 チアジアゾ一ルが挙げられる。 それ らは置換基を有していても良く、 置換基の例としては、 後述の Z、 R l、 R 2、 Y X Y 2、 Y 3および Y4が更に置換基を持つことが可能な場合の置換基と同じも のが挙げられる。 好ましい置換基は前記ァリール基の置換基と、 更に好ましい置 換基は、 前記ァリール基の更に好ましい置換基とそれそれ同じである。
Y l Υ 2、 Υ 3および Υ 4は、 それそれ独立に、 水素原子、 ハロゲン原子、 アル キル基、 シクロアルキル基、 アルケニル基、 ァラルキル基、 ァリール基、 複素環 基、 シァノ基、 ヒドロキシル基、 ニトロ基、 アミノ基、 アルキルアミノ基、 アル コキシ基、 ァリールォキシ基、 ァシルァミノ基、 ァリ一ルァミノ基、 ウレイ ド基 、 スルファモイルァミノ基、 アルキルチオ基、 ァリ一ルチオ基、 アルコキシカル ポニルァミノ基、 スルホンアミ ド基、 力ルバモイル基、 スルファモイル基、 スル ホニル基、 アルコキシカルボニル基、 複素璟ォキシ基、 ァゾ基、 ァシルォキシ基 、 力ルバモイルォキシ基、 シリルォキシ基、 ァリールォキシカルボニル基、 ァリ ールォキシカルボニルァミノ基、 イミ ド基、 複素環チォ基、 ホスホリル基、 ァシ ル基、 カルボキシル基、 またはスルホ基を挙げる事ができ、 各々はさらに置換基 を有していてもよい。
なかでも、 水素原子、 ハロゲン原子、 アルキル基、 ァリール基、 シァノ基、 ァ ルコキシ基、 アミ ド基、 ゥレイ ド基、 スルホンアミ ド基、 力ルバモイル基、 スル ファモイル基、 アルコキシカルボ二ル基、 カルボキシル基、 およびスルホ基が好 ましく、 特に水素原子、 ハロゲン原子、 シァノ基、 カルボキシル基およびスルホ 基が好ましく、 水素原子が最も好ましい。
Z、 R l、 R 2、 Yい Υ 2、 Υ 3および Υ 4が更に置換基を有することが可能な 基であるときは、 以下に挙げる置換基を更に有してもよい。
炭素数 1〜 1 2の直鎖または分岐鎖アルキル基、 炭素数 7〜 1 8の直鎖または 分岐鎖ァラルキル基、 炭素数 2〜 1 2の直鎖または分岐鎖アルケニル基、 炭素数
2 - 1 2の直鎖または分岐鎖アルキニル基、 炭素数 3 ~ 1 2の直鎖または分岐鎖 シクロアルキル基、 炭素数 3〜 1 2の直鎖または分岐鎖シクロアルケニル基 (以 上の各基は分岐鎖を有するものが染料の溶解性およびィンクの安定性を向上させ る理由から好ましく、 不斉炭素を有するものが特に好ましい。 以上の各基の具体 例:例えばメチル、 ェチル、 プロピル、 イソプロピル、 sec-プチル、 t一プチル
、 2—ェチルへキシル、 2—メチルスルホニルェチル、 3—フエノキシプロピル
、 トリフルォロメチル、 シクロペンチル)、 ハロゲン原子 (例えば、 塩素原子、 臭 素原子)、 ァリ一ル基(例えば、 フエニル、 4— t—プチルフエニル、 2, 4ージ
—t—ァミルフエ二ル)、 複素環基(例えば、 イミダゾリル、 ピラゾリル、 トリア ゾリル、 2—フリル、 2—チェニル、 2—ピリミジニル、 2—ベンゾチアゾリル
)、 シァノ基、 ヒドロキシル基、 ニトロ基、 カルボキシ基、 アミノ基、 アルキルォ キシ基 (例えば、 メ トキシ、 エトキシ、 2—メ トキシエトキシ、 2—メタンスル ホニルェトキシ)、 ァリ一ルォキシ基(例えば、 フエノキシ、 2—メチルフエノキ シ、 4— t—ブチルフエノキシ、 3—二トロフエノキシ、 3— t—ブチルォキシ 力ルバモイルフエノキシ、 3—メトキシカルバモイル)、 ァシルァミノ基(例えば
、 ァセトアミ ド、 ベンズアミ ド、 4 - ( 3 - t—プチル一 4—ヒドロキシフエノ キシ) ブタンアミ ド)、 アルキルアミノ基 (例えば、 メチルァミノ、 プチルァミノ
、 ジェチルァミノ、 メチルブチルァミノ)、 ァニリノ基 (例えば、 フエニルァミノ
、 2—クロロア二リノ、 ウレイ ド基 (例えば、 フヱニルウレイ ド、 メチルゥレイ ド、 N, N—ジブチルゥレイ ド)、 スルファモイルァミノ基 (例えば、 N , N—ジ プロビルスルファモイルァミノ)、 アルキルチオ基 (例えば、 メチルチオ、 ォクチ ルチオ、 2—フエノキシェチルチオ)、 ァリ一ルチオ基 (例えば、 フエ二ルチオ、
2—ブトキシ一 5 - t—ォクチルフエ二ルチオ、 2—カルボキシフエ二ルチオ)
、 アルキルォキシカルボニルァミノ基(例えば、 メ トキシカルボニルァミノ)、 ス ルホンアミ ド基 (例えば、 メタンスルホンアミ ド、 ベンゼンスルホンアミ ド、 p
-トルエンスルホンアミ ド)、 力ルバモイル基 (例えば、 N—ェチルカルバモイル
、 N , N—ジブチルカルバモイル)、 スルファモイル基 (例えば、 N—ェチルスル
ファモイル、 N , N—ジプロピルスルファモイル、 N—フエニルスルファモイル
)、 スルホニル基(例えば、 メタンスルホニル、 オクタンスルホニル、 ベンゼンス ルホニル、 トルエンスルホニル)、 アルキルォキシカルボニル基(例えば、 メトキ シカルボニル、 プチルォキシカルボ二ル)、 複素環ォキシ基(例えば、 1 一フエ二 ルテトラゾ一ルー 5—ォキシ、 2—テトラヒドロビラ二ルォキシ)、 ァゾ基(例え ば、 フエニルァゾ、 4—メ トキシフエニルァゾ、 4ーピパロィルァミノフエニル ァゾ、 2—ヒドロキシ _ 4一プロパノィルフエニルァゾ)、 ァシルォキシ基(例え ば、 ァセトキシ)、 力ルバモイルォキシ基 (例えば、 N—メチルカルバモイルォキ シ、 N—フエ二ルカルパモイルォキシ)、 シリルォキシ基(例えば、 トリメチルシ リルォキシ、ジブチルメチルシリルォキシ)、ァリールォキシカルボニルァミノ基
(例えば、 フエノキシカルボニルァミノ)、 ィミ ド基(例えば、 N—スクシンィミ ド、 N—フ夕ルイミ ド)、 複素環チォ基(例えば、 2—べンゾチアゾリルチオ、 2
, 4—ジーフエノキシ _ 1, 3, 5—トリァゾールー 6—チォ、 2—ピリジルチ ォ)、 スルフィニル基 (例えば、 3—フエノキシプロピルスルフィ二ル)、 ホスホ ニル基 (例えば、 フエノキシホスホニル、 ォクチルォキシホスホニル、 フエニル ホスホニル)、 ァリールォキシカルボニル基 (例えば、 フヱノキシカルボ二ル)、 ァシル基(例えば、 ァセチル、 3—フエニルプロパノィル、 ペンゾィル)、 イオン 性親水性基 (例えば、 カルボキシル基、 スルホ基、 ホスホノ基および 4級アンモ ニゥム基) が挙げられる。
前記一般式 (I ) で表されるフタロシアニン染料が水溶性である場合には、 ィ オン性親水性基を有することが好ましい。 イオン性親水性基には、 スルホ基、 力 ルポキシル基、 ホスホノ基および 4級アンモニゥム基等が含まれる。 前記イオン 性親水性基としては、 カルボキシル基、 ホスホノ基、 およびスルホ基が好ましく
、 特にカルボキシル基、 スルホ基が好ましい。 カルボキシル基、 ホスホノ基およ びスルホ基は塩の状態であってもよく、 塩を形成する対イオンの例には、 アンモ ニゥムイオン、 アル力リ金属イオン (例、 リチウムイオン、 ナトリウムイオン、 力リウムイオン) および有機カチオン (例、 テトラメチルアンモニゥムイオン、 テトラメチルグァニジゥムイオン、 テトラメチルホスホニゥム) が含まれる。 対 イオンのなかでも、 アルカリ金属塩が好ましく、 特にリチウム塩は染料の溶解性
を高めインク安定性を向上させるため特に好ましい。
イオン性親水性基の数としては、 フタロシアニン系染料 1分子中少なくとも 2 個有することが好ましく、 スルホ基および/またはカルボキシル基を少なくとも 2個有することが特に好ましい。
&1〜&4ぉょび131〜134は、 それそれ Xi〜X4および Yi〜Y4の置換基数を 表す。 at〜a4は、 それそれ独立に、 0〜4の整数を表すが、 全てが同時に 0に なることはない。 bi b は、 それそれ独立に、 0〜4の整数を表す。 なお、 a 〜a4および b b のいずれかが 2以上の整数であるときは、 Xi〜X4およ び Yi〜Y4のいずれかは複数個存在することになり、それらは同一でも異なって いてもよい。
atと は、 a + b の関係を満たす。 特に好ましいのは、 &iが 1また は 2を表し、 が 3または 2を表す組み合わせであり、 そのなかでも、 &1が1 を表し、 が 3を表す組み合わせが最も好ましい。
丄と ぃ & 1と¾>1、 a iと b丄の各組み合わせにおいても、 丄とゎ丄の組み 合わせと同様の関係であり、 好ましい組み合わせも同様である。
Mは、 水素原子、 金属元素またはその酸化物、 水酸化物もしくはハロゲン化物 を表す。
Mとして好ましいものは、 水素原子の他に、 金属元素として、 L i、 Na、 K 、 Mg、 Ti、 Zr、 V、 Nb、 Ta、 Cr、 Mo、 W、 Mn、 F e、 Co、 N i、 Ru、 Rh、 Pd、 Os、 I r、 Pt、 Cu、 Ag、 Au、 Z n、 Cd、 H g、 Al、 Ga In、 S i、 Ge、 S n、 Pb、 Sb、 B i等が挙げられる。 酸化物としては、 VO、 GeO等が好ましく挙げられる。
また、 水酸化物としては、 Si (OH) 2、 Cr (OH) 2、 Sn (OH) 2等 が好ましく挙げられる。 さらに、 ハロゲン化物としては、 Al C 1、 S i C 12 、 VC 1、 VC 12ヽ VO C 1、 F e C ls GaCl、 Z r C 1等が挙げられる 。 なかでも、 Cu、 Ni、 Zn、 Al等が好ましく、 Cuが最も好ましい。 また、 L (2価の連結基) を介して P c (フタロシアニン環) が 2量体 (例え ば、 P c— M— L-M— P c)または 3量体を形成してもよく、 その時の Mはそれ それ同一であっても異なるものであってもよい。
Lで表される 2価の連結基は、 ォキシ基— 0—、 チォ基— S—、 カルボニル基 — CO—、 スルホニル基一 S 02—、 イミノ基一 NH—、 メチレン基一 CH2—、 およびこれらを組み合わせて形成される基が好ましい。
前記一般式 (I ) で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては 、種々の置換基の少なくとも 1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、 よ り多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、 全ての置 換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
前記一般式 (I) で表されるフタロシアニン染料のなかでも、 前記一般式 (II ) で表される構造のフタロシアニン染料が更に好ましい。 以下に本発明の一般式
(II) で表されるフタロシアニン染料について詳しく述べる。
前記一般式 (Π) において、 ^〜 "、 Υη〜Υ18は一般式 (I ) の中の Xi〜X4、 Yi〜Y4とそれそれ同義であり、 好ましい例も同じである。 また、 M iは一般式 (I) 中の Mと同義であり、 好ましい例も同様である。
一般式 (Π) 中、 a n〜a14は、 それそれ独立に、 1または 2の整数であり、 好ましくは A ^an + a + a + aM^ Sを満たし、 特に好ましくは a 丄 = a12 = a13 = a 14= lのときである。
Xu、 X12、 X13および X14は、 それそれ全く同じ置換基であってもよく、 あるいは例えば Xi、 X2、 X3および X4が全て— S02— Zであり、 かつ各 Zは 異なるものを含む場合のように、 同じ種類の置換基であるが部分的に互いに異な る置換基であってもよく、 あるいは互いに異なる置換基を、 例えば— S 02— Z と— S 02NR 1 R 2を含んでいてもよい。
一般式 (II) で表されるフタロシアニン染料のなかでも、 特に好ましい置換基 の組み合わせは、 以下の通りである。
Xn〜X14としては、 それそれ独立に、 — S O— Z、 — S 02— Zヽ - S 02 NR 1 R 2または一 CO NR 1 R 2が好ましく、特に一 S 02— Zまたは一 S 02 NR 1 R 2が好ましく、 一 S 02— Zが最も好ましい。
Zは、 それそれ独立に、 置換もしくは無置換のアルキル基、 置換もしくは無置 換のァリール基、 置換もしくは無置換の複素環基が好ましく、 そのなかでも、 置 換アルキル基、 置換ァリール基、 置換複素環基が最も好ましい。 特に染料の溶解
性やインク安定性を高めるという理由から、 置換基中に不斉炭素を有する場合 ( ラセミ体での使用) が好ましい。 また、 会合性を高め堅牢性を向上させるという 理由から、 水酸基、 エーテル基、 エステル基、 シァノ基、 アミ ド基、 スルホンァ ミ ド基が置換基中に有する場合が好ましい。
R I s R 2は、 それそれ独立に、 水素原子、 置換もしくは無置換のアルキル基 、 置換もしくは無置換のァリール基、 置換もしくは無置換の複素環基が好ましく 、 そのなかでも、 水素原子、 置換アルキル基、 置換ァリール基、 置換複素璟基が より好ましい。 ただし R l、 R 2が共に水素原子であることは好ましくない。 特 に染料の溶解性ゃィンク安定性を高めるという理由から、 置換基中に不斉炭素を 有する場合 (ラセミ体での使用) が好ましい。 また、 会合性を高め堅牢性を向上 させるという理由から、 水酸基、 ェ一テル基、 エステル基、 シァノ基、 アミ ド基 、 スルホンアミ ド基が置換基中に有する場合が好ましい。
YU〜Y 1 8は、 それそれ独立に、 水素原子、 ハロゲン原子、 アルキル基、 ァリ —ル基、 シァノ基、 アルコキシ基、 アミ ド基、 ゥレイ ド基、 スルホンアミ ド基、 力ルバモイル基、 スルファモイル基、 アルコキシカルボ二ル基、 カルボキシル基 、 およびスルホ基が好ましく、 特に水素原子、 ハロゲン原子、 シァノ基、 カルボ キシル基、 またはスルホ基であることが好ましく、 水素原子であることが最も好 ましい。
a ^ a Mは、 それそれ独立に、 1または 2であることが好ましく、 全てが 1 であることが特に好ましい。
M iは、 水素原子、 金属元素またはその酸化物、 水酸化物もしくはハロゲン化 物を表し、 特に C u、 N i、 Z n、 A 1が好ましく、 なかでも特に特に C uが最 も好ましい。
前記一般式 ( I I) で表されるフタロシアニン染料が水溶性である場合には、 ィ オン性親水性基を有することが好ましい。 イオン性親水性基には、 スルホ基、 力 ルポキシル基、 ホスホノ基および 4級アンモニゥム基等が含まれる。 前記イオン 性親水性基としては、 カルボキシル基、 ホスホノ基、 およびスルホ基が好ましく
、 特にカルボキシル基、 スルホ基が好ましい。 カルボキシル基、 ホスホノ基およ びスルホ基は塩の状態であってもよく、 塩を形成する対イオンの例には、 アンモ
ニゥムイオン、 アルカリ金属イオン (例、 リチウムイオン、 ナトリウムイオン、 カリウムイオン) および有機カチオン (例、 テトラメチルアンモニゥムイオン、 テトラメチルグァニジゥムイオン、 テトラメチルホスホニゥム) が含まれる。 対 イオンのなかでも、 アルカリ金属塩が好ましく、 特にリチウム塩は染料の溶解性 を高めィンク安定性を向上させるため特に好ましい。
イオン性親水性基の数としては、 フタロシア二ン系染料 1分子中に少なくとも 2個有することが好ましく、 スルホ基および/またはカルボキシル基を少なくと も 2個有することが特に好ましい。
前記一般式 (II) で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては 、種々の置換基の少なくとも 1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、 よ り多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、 全ての置 換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
本発明のフタロシアニン染料の化学構造としては、 スルフィニル基、 スルホ二 ル基、 スルファモイル基のような電子吸引性基を、 フタロシアニンの 4つの各べ ンゼン環に少なくとも一つずつ、 フタロシアニン骨格全体の置換基のび p値の合 計で 1. 6以上となるように導入することが好ましい。
ハメヅトの置換基定数 crp値について若干説明する。 ハメット則は、 ベンゼン 誘導体の反応または平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために 1935 年 L. P. Hamme t tにより提唱された経験則であるが、 これは今日広く妥 当性が認められている。 ハメット則に求められた置換基定数には crp値とび m値 があり、 これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、 例えば、 J
. A. Deanlis ' L ang e' s Handbook o f Chemi st ry」 第 12版、 1979年 (1 0 G r a w— H i 11 ) や 「化学の領域」 増 刊、 122号、 96〜: 103頁、 1979年 (南光堂) に詳しい。
前記一般式 (I) で表されるフタロシアニン誘導体は、 その合成法によって不 可避的に置換基 Xn (n= 1-4) および Ym (m=l〜4) の導入位置および 導入個数が異なる類縁体混合物である場合が一般的であり、 従って一般式はこれ ら類縁体混合物を統計的に平均化して表している場合が多い。 本発明では、 これ らの類縁体混合物を以下に示す三種類に分類すると、 特定の混合物が特に好まし
いことを見出したものである。 すなわち前記一般式 (I ) および (II) で表され るフタロシアニン系染料類縁体混合物を置換位置に基づいて以下の三種類に分類 して定義する。 式 (II) 中における い Υ12、 Υ13、 Υ14、 Υ15、 Υ16、 Υ 17、 Υ18を各々 1、 4、 5、 8、 9、 12、 13、 16位とする。
( 1) ?-位置換型: 2およびまたは 3位、 6およびまたは 7位、 10およびまた は 11位、 14およびまたは 15位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料
(2) ひ-位置換型: 1およびまたは 4位、 5およびまたは 8位、 9およびまたは 12位、 13およびまたは 16位に特定の置換基を有するフタロシアニン染料
(3) a, ?-位混合置換型: 1〜16位に規則性なく、 特定の置換基を有するフ 夕ロシアニン染料
本明細書中において、 構造が異なる (特に、 置換位置が異なる) フタロシア二 ン染料の誘導体を説明する場合、 上記/?-位置換型、 ひ-位置換型、 ひ, ^-位混合 置換型を使用する。
本発明に用いられるフタ口シァニン誘導体は、例えば白井—小林共著、 (株)ァ イビ一シー発行 「フタロシアニン—化学と機能一」 (P. 1〜62)、 C. C. L e znof f -A. B. P. Leve r共著、 VCH発行 'Pht ha l o cy ani ne s— Pr op e r t i e s and App l i c at i ons' ( P. 1〜54) 等に記載、 引用もしくはこれらに類似の方法を組み合わせて合成 することができる。
本発明の一般式 (I) で表されるフタロシアニン化合物は、 国際公開 oozi
7275号、 同 00/08103号、 同 00/08101号、 同 98/4185
3号、 特開平 10_ 36471号などに記載されているように、 例えば無置換の フタロシアニン化合物のスルホン化、 スルホニルクロライ ド化、 アミド化反応を 経て合成することができる。 この場合、 スルホン化がフタロシアニン核のどの位 置でも起こり得る上にスルホン化される個数も制御が困難である。 従って、 この ような反応条件でスルホ基を導入した場合には、 生成物に導入されたスルホ基の 位置と個数は特定できず、 必ず置換基の個数や置換位置の異なる混合物を与える
。 従ってそれを原料として本発明の化合物を合成する時には、 複素環置換スルフ
ァモイル基の個数や置換位置は特定できないので、 本発明の化合物としては置換 基の個数や置換位置の異なる化合物が何種類か含まれる α , ? -位混合置換型混合 物として得られる。
前述したように、 例えばスルファモイル基のような電子求引性基を数多くフタ ロシアニン核に導入すると酸化電位がより貴となり、 オゾン耐性が高まる。 上記 の合成法に従うと、 電子求引性基が導入されている個数が少ない、 即ち酸化電位 がより卑であるフタロシアニン染料が混入してくることが避けられない。 従って 、 オゾン耐性を向上させるためには、 酸化電位がより卑である化合物の生成を抑 えるような合成法を用いることがより好ましい。
本発明の一般式 (Π) で表されるフタロシアニン化合物は、 例えば下記式で表 されるフタロニトリル誘導体 (化合物 Ρ ) および/またはジィミノイソインドリ ン誘導体(化合物 Q ) を一般式(I I I)で表される金属誘導体と反応させるか、 或 いは下記式で表される 4 -スルホフ夕ロニトリル誘導体(化合物 R )と一般式(II I ) で表される金属誘導体を反応させて得られるテトラスルホフ夕ロシアニン化合 物から誘導することができる。
上記各式中、 Xpは上記一般式 (II) における Xu、 X12、 X13または X14
に相当する。 また、 Yq、 Yq,は、 それぞれ上記一般式 (II) における Yu、 Υ12、 Υ13、 Υ14、 Υ15、 Υ16、 Υ17または Υ18に相当する。 化合物 Rにおい て、 Μ, はカチオンを表す。
M' が表わすカチオンとしては、 Li、 Na、 Kなどのアルカリ金属イオン、 または トリエチルアンモニゥムイオン、 ピリジニゥムイオンなどの有機カチオンなどが 挙げられる。
一般式 (III): Μ— (Y) d
一般式 (III) 中、 Mは前記一般式 (I)および (II)の Mと同義であり、 Yは ハロゲン原子、 酢酸陰イオン、 ァセチルァセトネ一ト、 酸素などの 1価または 2 価の配位子を示し、 dは 1〜4の整数である。
即ち、 上記の合成法に従えば、 望みの置換基を特定の数だけ導入することがで きる。 特に本発明のように酸化電位を貴とするために電子求引性基を数多く導入 したい場合には、 上記の合成法は、 一般式 ( I ) のフタロシアニン化合物を合成 するための既に述べた方法と比較して極めて優れたものである。
かくして得られる前記一般式 (II) で表されるフタロシアニン化合物は、 通常 、 Xpの各置換位置における異性体である下記一般式 (a) —:!〜 (a) — 4で 表される化合物の混合物、 すなわち/? -位置換型となっている。
—般式 (a) — 1
-般式 (a) — 3
上記合成法において、 Xpとして全て同一のものを使用すれば い X12、 X i 3および 4が全く同じ置換基である/?—位置換型フタロシアニン染料を得る ことができる。 一方、 Xpとして異なるものを組み合わせて使用すれば、 同じ種
類の置換基であるが部分的に互いに異なる置換基をもつ染料や、 あるいは、 互い に異なる種類の置換基をもつ染料を合成することができる。 一般式 (I I) の染料 のなかでも、 互いに異なる電子吸引性置換基を持つこれらの染料は、 染料の溶解 性、 会合性、 インクの経時安定性などを調整できるので、 特に好ましい。
本発明では、 いずれの置換型においても酸化電位が 1 . 0 V ( v s S C E ) よりも貴であることが堅牢性の向上に非常に重要であることが見出され、 その効 果の大きさは前記先行技術から全く予想することができないものであった。 また 、 原因は詳細には不明であるが、 なかでも、 ひ, ? -位混合置換型よりは/? -位置 換型の方が色相、 光堅牢性、 オゾンガス耐性等において明らかに優れている傾向 にあった。 前記一般式 (I ) および (Π) で表されるフタロシアニン染料の具体例 (例示 化合物 I— 1〜I— 1 2および 1 0 1〜1 9 0 ) を下記に示すが、 本発明に用い られるフタロシア二ン染料は、 下記の例に限定されるものではない。
例示化合物
(1-2)
(t-I)
(ε-ι)
LZll0/£0d£/∑Jd CS.990/C0 OAV
(1-6)
£ZlI0/f0df/X3d fSZ,990/C0 OAV
C9 300vHN S
(01 - I)
(6-1)
LZU0/£0dt/13d CS.990/C0 OAV
(1-11)
表中 (X1、 X2)、 (Y11, Y12)、(Y13、 Y14)、(Y15、 Y16)、(Y17、 Y18〉の各組の具体例はそれぞれ独立に順不同である。
表中 (X1、 X2)、(Y11、 Y12)、 (Y13, Y14), (Y15、 Y16)、(Y17、 Y18)の各組の具体例はそれぞれ独立に順不同である。
化合物 No. M X1 X2 Y11、 Y12 Y13、 Y14 Y15、Y16 Y17、Y18
Hg
118 Cu -SOzCHzCHaCH -H -H, -H - H, -H - H, - H
ヽ S03Li
OH
119 Cu I
一 S02— GH2 - CH— CHa— S03Na -H - H, - H -H. - H
120 Cu 一 S02— Cht— Ch½— CH— COOLi - H -H. -H - H, - H
一 S02(CH2)3S02NHCH2- CH - CH2 - SOaLi
121 Cu - H - H, - H 一 H, - H 一 H, - H
OH
OH
122 Cu 1
一 C02CH2CH2CH2S02— NH— CHa— CH— CHa— SOaLi -H -H, -H - H, - H 一 H, - H
123 Cu -S02NH-CaH17(t) 一 H -H, -H - H, - H -H, -H - H, - H
CH2CH3
124 Cu -H, - H - H, - H 一 H, - H 一 S02— NH— CHa-CH-CHCHCht— CH3 一 H
1ェ 画
M-Pc(Xp1)m(Xp2)n 表中 (XP1)、 (Xp2)の各置換基の β位置換基型内で導入位置の
72
差替え用紙(纏 1126)
M-Pc(Xp1)m(Xp2)n 表中 (XP1)、 (Xp2)の各置換基の β位置換基型内で導入位置の 順序は順不同である。
73
羞替え用紙(規則 26》
JP03/01127 M-Pc(Xp1)m(Xp2)n 表中 (XP1)、 (XP2)の各置換基の^位置換基型内で導入位置の
順序は順不同である
73/1
差替え用紙
M-Pc(Xp1 )m(Xp2)n 表中 (XP1)、 (Xp2)の各置換基の β位置換基型内で導入位置の 順序は順不同である。
74
え用紙翻麵
M-Pc(Xp1)m(Xp2)n 表中 (Xp1)、 (Xp2)の各置換基の β位置換基型内で導入位置の
74/1 ;
普え用紙麵 26)
-Pc(Xp1)m(Xp2)n 表中 (Xp1)、 (XP2)の各置換基の β位置換基型内で導入位置の 順序は順不同である。
75 差替え用紙(規則^
M-Pc(Xp1 )m(Xp2)n 表中 (XP1)、 (Xp2)の各置換基の β位置換基型内で導入位置の 順序は順不同である。
75/1 差替え用紙 (規則 26)
なお、 化合物 No.146〜 190の M— P c (Xp 1 ) m (Xp 2) nで示され るフタロシア二ン化合物の構造は下記の通りである
前記一般式 (I) で表されるフタロシアニン染料は、 前述した特許に従って合 成することが可能である。 また、 一般式 (II) で表されるフタロシアニン染料は 、 前記した合成方法の他に、 特開 2001— 226275号、 同 2001— 96 610号、 同 2001— 47013号、 同 2001— 193638号の各公報に 記載の方法により合成することができる。 また、 出発物質、 染料中間体および合 成ル—卜についてはこれらに限定されるものでない。
[インク]
本発明のインクジェッ ト記録用インク (本発明のインクともいう) は、 前記ァ ゾ染料またはフタロシアニン染料の少なくとも 1種を、 水性媒体中に溶解または 分散してなり、 ァゾ染料またはフ夕ロシアニン染料を好ましくは、 0. 2〜20 質量%含有し、 より好ましくは、 0. 5〜15質量%含有するマゼン夕インクま たはシアンィンクである。
本発明のインクには、 上記した本発明に係る特定のァゾ染料またはフタロシア ニン染料のほかに、 色調を整えるため等の目的で他の染料を添加することもでき
76
る。 また、 フルカラ一用インクセットを構成するために、 本発明のインクととも にイエロ一ィンク及びブラックィンク等を合わせて用いるが、 それらもそれそれ の色素が用いられる。 また、 本発明以外のマゼン夕インクやシアンインクも用い ることができる。 これらの併用することが出来る色素の例としては以下を挙げる ことが出来る。
イエロ一色素としては、 例えばカップリング成分としてフエノール類、 ナフト —ル類、 ァニリン類、 ピラゾロン類、 ピリ ドン類、 開鎖型活性メチレン化合物類 を有するァリールもしくはへテリルァゾ色素;例えば力ップリング成分として閧 鎖型活性メチレン化合物類を有するァゾメチン色素;例えばべンジリデン色素や モノメチンォキソノール色素等のようなメチン色素;例えばナフトキノン色素、 アントラキノン色素等のようなキノン系色素などがあり、 これ以外の色素種とし てはキノフタロン色素、 ニトロ ·ニトロソ色素、 ァクリジン色素、 ァクリジノン 色素等を挙げることができる。これらの色素は、クロモフォアの一部が解離して初 めてイェローを呈するものであっても良く、 その場合のカウン夕一カチオンはァ ルカリ金属や、アンモニゥムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニ ゥム、 4級アンモニゥム塩のような有機のカチオンであってもよく、 さらにはそ れらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
マゼン夕色素としては、 例えばカップリング成分としてフエノール類、 ナフト
—ル類、 ァニリン類を有するァリ一ルもしくはへテリルァゾ色素;例えば力ップ リング成分としてピラゾロン類、 ビラゾロトリァゾ一ル類を有するァゾメチン色 素;例えばァリ一リデン色素、 スチリル色素、 メロシアニン色素、 ォキソノール 色素のようなメチン色素;ジフエニルメタン色素、 トリフエニルメタン色素、 キ サンテン色素のようなカルボニゥム色素、例えばナフトキノン、 アントラキノン、 アントラピリ ドンなどのようなキノン系色素、 例えばジォキサジン色素等のよう な縮合多璟系色素等を挙げることができる。これらの色素は、クロモフオアの一部 が解離して初めてマゼン夕を呈するものであっても良く、 その場合のカウンター カチオンはアル力リ金属や、アンモニゥムのような無機のカチオンであってもよ いし、 ピリジニゥム、 4級アンモニゥム塩のような有機のカチオンであってもよ く、 さらにはそれらを部分構造に有するポリマ一カチオンであってもよい。
77
シアン色素としては、 例えばインドア二リン色素、 インドフエノール色素のよ うなァゾメチン色素; シァニン色素、 ォキソノール色素、 メロシアニン色素のよ うなポリメチン色素; ジフエニルメタン色素、 トリフエニルメタン色素、 キサン テン色素のようなカルボニゥム色素; フタロシアニン色素;アントラキノン色素 ;例えば力ップリング成分としてフヱノ一ル類、 ナフトール類、 ァニリン類を有 するァリールもしくはへテリルァゾ色素、 ィンジゴ ·チオインジゴ色素を挙げる ことができる。これらの色素は、クロモフォァの一部が解離して初めてシアンを呈 するものであっても良く、その場合のカウン夕一力チオンはアル力リ金属や、アン モニゥムのような無機のカチオンであってもよいし、 ピリジニゥム、 4級アンモ ニゥム塩のような有機のカチオンであってもよく、 さらにはそれらを部分構造に 有するポリマ一カチオンであってもよい。
また、 ポリアゾ色素などのブラック色素も使用することが出来る。
そのほかの水溶性染料としては、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、 反応性染料等が挙げられる。 好ましいものとしては、
C. I . ダイレクトレツ ド 2、 4、 9、 23、 26、 31、 39、 62、 63、 72、 75、 76、 79、 80、 81、 83、 84、 89、 92、 95、 111、 173、 184、 207、 211、 212、 214、 218、 21、 223、 224、 225、 226、 227、 232、 233、 240、 241、 242、 243、 247
I . ダイレクトバイオレット 7、 9、 47、 48、 51、 66、 90、 93、 94、 95、 98、 100 、 101
C. I . ダイレクトイェロー 8、 9、 1 12、 27、 28、 29、 33、 35、 39、 41、 44、 50 、 53、 58、 59、 68、 86、 87、 93、 95、 96、 98、 100、 106、 108、 109、 110、 130、 132、 142、 144、 161、 163
C. I . ダイレクトプル一 1、 10、 15、 22、 25、 55、 67、 68、 71、 76、 77、 78、 80 、 84、 86、 87、 90、 98、 106、 108、 109、 151、 156、 158、 159、 160、 168、 189、 192、 193、 194、 199、 200、 201、 202、 203、 207、 211、 213、 214、 218、 225、 229 、 236、 237、 244、 248、 249、 251、 252、 264、 270、 280、 288、 289、 291
C. I . ダイレクトブラック 9、 17、 19、 22、 32、 51、 56、 62、 69、 77、 80、 91、 94 、 97、 108、 112、 113、 114、 117、 118、 121、 122、 125、 132、 146、 154、 166、 168 、 173、 199
78
C.I. ァシヅ ドレツ ド 35、 42、 52、 57、 62、 80、 82、 111、 114、 118、 119、 127、 128、 131、 143、 151、 154、 158、 249、 254、 257、 261、 263、 266、 289、 299、 301 、 305、 336、 337、 361、 396、 397
C.I. ァシッ ドバイオレツト 5、 34、 43、 47、 48、 90、 103、 126
C.I. ァシッドイェロー 17、 19、 23、 25、 39、 40、 42、 44、 49、 50、 61、 64、 76、 79、 110、 127、 135、 143、 151、 159、 169、 174、 190、 195、 196、 197、 199、 218、 219、 222、 227
C.I. ァシヅ ドブルー 9、 25、 40、 41、 62、 72、 76、 78、 80、 82、 92、 106、 112、 113、 120、 127: 1、 129、 138、 143、 175、 181、 205、 207、 220、 221、 230、 232、 247、 258、 260、 264、 271、 277、 278、 279、 280、 288、 290、 326
C.I. ァシッドブラック 7、 24、 29、 48、 52 : 1、 172
C.I. リアクティブレッド 3、 13、 17、 19、 21、 22、 23、 24、 29、 35、 37、 40、 41、 43、 45、 49、 55
I. リアクティブバイオレツト 1、 3、 4、 5、 6、 7、 8、 9、 16、 17、 22、 23、 24、 26、 27、 33、 34
C.I. リアクティブイェロー 2、 3、 13、 14、 15、 17、 18、 23、 24、 25、 26、 27、 29 、 35、 37、 41、 2
C.I. リアクティブブルー 2、 3、 5、 8、 10、 13、 14、 15、 17、 18、 19、 21、 25、 26 、 27、 28、 29、 38
C.I. リアクティブブラック 4、 5、 8、 14、 21、 23、 26、 31、 32、 34
C.I. ベ一シックレツド 12、 13、 14、 15、 18、 22、 23、 24、 25、 27、 29、 35、 36、
38、 39、 45、 46
C.I.ベーシックバイオレツト 1、 2、 3、 7、 10、 15、 16、 20、 21、 25、 27、 28、 35 、 37、 39ヽ 40、 48
C.L ベーシックイェロー 1、 2、 4、 11、 13、 14、 15、 19、 21、 23、 24、 25、 28、 29、 32、 36、 39、 40
C.I. ベーシックプル一 1、 3、 5、 7、 9、 22、 26、 41、 45、 46、 47、 54、 57、 60、 62、 65、 66、 69、 71
C.I. ベーシックブラック 8、 等が挙げられる。
79
また、 本発明で使用するァゾ染料またはフタロシアニン染料を含む色素は実質 的に水溶性又は水分散性のものである。 具体的には、 各々の染料を含む色素は、 その 20°Cにおける水への溶解度は、 2質量%以上が好ましく、 より好ましくは 5 質量%以上である。
更に、 本発明のインクやこれとインクセットとして組み合わせられる他のイン クには顔料も併用し得る。
本発明に用いられる顔料としては、 市販のものの他、 各種文献に記載されてい る公知のものが利用できる。 文献に関してはカラ一ィンデックス(The Society of Dyers and Colourists編)、 「改訂新版顔料便覧」 日本顔料技術協会編(1989年刊) 、 「最新顔料応用技術」 CMC出版 (1986年刊)、 「印刷インキ技術」 CMC出版 ( 1984 年刊)、 W. Herbst, K. Hunger共著による Industrial Organic Pigments (VCH Verlagsgesellschaft, 1993年刊)等がある。具体的には、 有機顔料ではァゾ顔料 (ァゾレーキ顔料、 不溶性ァゾ顔料、 縮合ァゾ顔料、 キレートァゾ顔料) 、 多環 式顔料 (フタロシアニン系顔料、 アントラキノン系顏料、 ペリレン及びペリノン 系顔料、 インジゴ系顔料、 キナクリ ドン系顔料、 ジォキサジン系顔料、 イソイン ドリノン系顔料、 キノフタロン系顔料、 ジケトピロロピロール系顔料等) 、 染付 けレーキ顔料 (酸性または塩基性染料のレーキ顔料) 、 ァジン顔料等があり、 無 機顔料では、 黄色顔料の I . Pigment Yellow 34, 37, 42, 53など、 赤系顔料の C. I . Pigment Red 101, 108など、 青系顔料の C. I . Pigment Blue 27, 29, 17: 1 など、 黒系顔料の C. I. Pigment Black 7,マグネタイ トなど、 白系顔料の I. Pigment White 4,6,18,21などを挙げることができる。
画像形成用に好ましい色調を持つ顔料としては、 青ないしシアン顔料ではフタ ロシアニン顔料、アントラキノン系のィンダントロン顔料(たとえば C. I. Pigment
Blue 60など)、 染め付けレーキ顔料系のトリァリールカルボニゥム顔料が好まし く、 特にフタロシアニン顔料 (好ましい例としては、 C. I. Pigment Blue 15 : 1、 同 15 :2、 同 15 :3、 同 15:4、 同 15 :6などの銅フタロシアニン、 モノクロ口ないし低 塩素化銅フタロシアニン、 アル二ゥムフ夕ロシアニンでは欧州特許 860475号に記 載の顏料、 I . Pigment Blue 16である無金属フタロシアニン、 中心金属が Zn、
Ni、 Tiであるフタロシアニンなど、 中でも好ましいものは C. I . Pigment Blue 15 :3
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、同 15:4、 アルミニウムフタロシアニン) が最も好ましい。
赤ないし紫色の顔料では、 ァゾ顔料 (好ましい例としては、 C. I. Pigment Red 3、 同 5、 同 11、 同 22、 同 38、 同 48:1、 同 48:2、 同 48:3、 同 48:4、 同 49:1、 同 52:1 、 同 53:1、 同 57:1、 同 63:2、 同 144、 同 146、 同 184) など、 中でも好ましいものは C. I. Pigment Red 57:1、 同 146、 同 184) 、 キナクリ ドン系顔料 (好ましい例と しては I. Pigment Red 122、 同 192、 同 202、 同 207、 同 209、 G. I. Pigment Violet 19、 同 42、 なかでも好ましいものは I. Pigment Red 122) 、 染め付けレーキ顔 料系のトリアリールカルボニゥム顔料(好ましい例としてはキサンテン系の C. I. Pigment Red 81:1、 C. I. Pigment Violet 1、 同 2、 同 3、 同 27、 同 39) 、 ジォ キサジン系顔料 (例えば C. I. Pigment Violet 23s 同 37) 、 ジケトピロ口ピロ一 ル系顔料 (例えば I. Pigment Red 254) 、 ペリレン顔料 (例えば C. I. Pigment Violet 29) 、 アントラキノン系顏料 (例えば I. Pigment Violet 5:1、同 31、 同 33) 、 チォインジゴ系 (例えば I. Pigment Red 38、 同 88) が好ましく用い られる。
黄色顔料としては、 ァゾ顔料 (好ましい例としてはモノァゾ顔料系の I. Pigment Yellow 1, 3, 74, 98、 ジスァゾ顔料系の I. Pigment Yellow 12, 13, 14, 16, 17, 83、 総合ァゾ系の C. I. Pigment Yellow 93, 94, 95, 128, 155、 ベ ンズイミダゾロン系の I. Pigment Yellow 120, 151, 154, 156, 180など、 な かでも好ましいものはべンジジン系化合物を原料に使用しなもの)、 イソインド リン .イソインドリノン系顔料 (好ましい例としては I. Pigment Yellow 109, 110, 137, 139など)、キノフタロン顔料(好ましい例としては I. Pigment Yellow 138など)、 フラパントロン顔料 (例えば I. Pigment Yellow 24など) が好ま しく用いられる。
黒顔料としては、 無機顔料 (好ましくは例としてはカーボンブラヅク、 マグネ タイ ト) ゃァニリンブラヅクを好ましいものとして挙げることができる。
この他、 オレンジ顔料 (C. I. Pigment Orange 13, 16など) ゃ綠顔料 (C. I. Pigment Green 7など) を使用してもよい。
本技術に使用できる顔料は、 上述の裸の顔料であっても良いし、 表面処理を施 された顔料でも良い。 表面処理の方法には、 樹脂やワックスを表面コートする方
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法、 界面活性剤を付着させる方法、 反応性物質 (例えば、 シランカップリング剤 やエポキシ化合物、 ポリイソシァネート、 ジァゾニゥム塩から生じるラジカルな ど) を顔料表面に結合させる方法などが考えられ、 次の文献や特許に記載されて いる。
① 金属石鹼の性質と応用 (幸書房)
② 印刷インキ印刷 (CMC出版 1984)
③ 最新顔料応用技術 (CMC出版 1986)
④ 米国特許 5, 554, 739号、 同 5, 571, 311号
⑤ 特開平 9- 151342号、 同 10- 140065号、 同 10- 292143号、 同 11- 166145号 特に、 上記④の米国特許に記載されたジァゾ二ゥム塩を力一ボンブラックに作 用させて調製された自己分散性顔料や、 上記⑤の日本特許に記載された方法で調 製されたカプセル化顔料は、 ィンク中に余分な分散剤を使用することなく分散安 定性が得られるため特に有効である。
本発明においては、 顔料はさらに分散剤を用いて分散されていてもよい。 分散 剤は、 用いる顔料に合わせて公知の種々のもの、 例えば界面活性剤型の低分子分 散剤や高分子型分散剤を用いることが出来る。分散剤の例としては特開平 3- 69949 号、 欧州特許 549486号等に記載のものを挙げることができる。 また、 分散剤を使 用する際に分散剤の顔料への吸着を促進するためにシナジストと呼ばれる顔料誘 導体を添加してもよい。
本発明に使用できる顔料の粒径は、 分散後で 0 . 0 1 ~ 1 0 Ζ Π1の範囲である ことが好ましく、 0 . 0 5〜l〃mであることが更に好ましい。
顔料を分散する方法としては、 ィンク製造やトナー製造時に用いられる公知の 分散技術が使用できる。分散機としては、縦型あるいは横型のァジテ一夕一ミル、 アトライター、 コロイ ドミル、 ボールミル、 3本口一ルミル、 パールミル、 スー パ一ミル、 インペラ一、 デスパーサー、 K Dミル、 ダイナトロン、 加圧ニーダー 等が挙げられる。 詳細は 「最新顔料応用技術」 (CMC出版、 1986) に記載がある。 本発明のィンクは、 さらにィンク中に防腐剤を含有するという特徴を有する。 本発明において、 防腐剤とは微生物、 特に細菌 '真菌 (力ビ) の発生、 発育を防 止する機能を有するものを言う。
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本発明に使用可能な防腐剤としては、 種々のものが使用可能である。 重金属イオンを含有する無機物系の防腐剤 (銀イオン含有物など) や塩類をま ず挙げることができる。 有機系の防腐剤としては、 第 4級アンモニゥム塩 (テト ラプチルアンモニゥムクロリ ド、 セチルピリジニゥムクロリ ド、 ベンジルトリメ チルアンモニゥムクロリ ド等) 、 フヱノール誘導体 (フエノール、 クレゾ一ル、 ブチルフエノール、 キシレノール、 ビスフエノール等) 、 フエノキシエーテル誘 導体 (フヱノキシエタノール等) 、 複素環化合物 (ベンゾトリアゾール、 プロキ セル (P R O X E L ) 、 1 , 2 —ベンゾイソチアゾリンー 3 —オン等) 、 酸アミ ド類、 力ルバミン酸、 力ルバメート類、 アミジン 'グァニジン類、 ピリジン類 ( ナトリウムピリジンチオン一 1—ォキシド等) 、 ジァジン類、 トリアジン類、 ピ ロール ·ィミダゾール類、 才キサゾール ·ォキサジン類、 チアゾ一ル ·チアジア ジン類、 チォ尿素類、 チォセミカルバジド類、 ジチォ力ルバメート類、 スルフィ ド類、 スルホキシド類、 スルホン類、 スルファミ ド類、抗生物質類(ベニシリン、 テトラサイクリン等) 、 デヒドロ酢酸ナトリウム、 安息香酸ナトリゥム、 P—ヒ ドロキシ安息香酸ェチルエステル、 およびその塩など種々のものが使用可能であ る。 また、 防腐剤としては防菌防微ハンドブック (技報堂: 1 9 8 6 ) 、 防菌防 黴剤事典 (日本防菌防黴学会事典編集委員会編) 等に記載のものも使用し得る。 これらの化合物は油溶性の構造、 水溶性の構造のものなど種々のものが使用可 能であるが、 好ましくは水溶性の化合物である。
中でも本発明では、 これらの防腐剤を 2種以上併用して使用すると、 インクの 長期間の経時における吐出安定性が格段に向上し、 本発明の効果がさらに良好に 発揮される。 2種以上組み合わせる場合、 その防腐剤種は異なった化学構造の骨 格を有するものであることが好ましい。 また、 2種以上の防腐剤を含有する場合 には、少なくとも 1種の防腐剤が、複素環化合物であることが好ましい。例えば、 複素環化合物と抗生物質の組み合わせ、 複素環化合物とフエノール誘導体との組 み合わせ等が好ましく挙げられる。 2種の防腐剤を組み合わせる場合の含有量比 は、 特に限定的ではないが、 防腐剤 AZ防腐剤 B = 0 . 0 1〜 1 0 0 (質量比) の範囲が好ましい。
防腐剤の添加量は広い範囲で使用可能であるが、 好ましくは、 0 . 0 0 1〜1
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0質量%、 より好ましくは、 0 . 1〜5質量%である。
本発明のインクジェット記録用インクに界面活性剤を含有させることが好まし く、 これにより、 インクの液物性を調整することで、 インクの吐出安定性を向上 させ、 画像の耐水性の向上や印字したインクの滲みの防止などに優れた効果を持 たせることができる。
界面活性剤としては、 例えばドデシル硫酸ナトリウム、 ドデシルォキシスルホ ン酸ナトリウム、 アルキルベンゼンスルホン酸ナトリゥム等のァニオン性界面活 性剤、 セチルピリジニゥムクロライ ド、 トリメチルセチルアンモニゥムクロライ ド、 テロラブチルアンモニゥムクロライ ド等のカチオン性界面活性剤や、 ポリオ キシエチレンノニルフエ二ルェ一テル、 ポリオキシエチレンナフチルエーテル、 ポリオキシエチレンォクチルフエニルエーテル等のノニオン性界面活性剤などが 挙げられる。 中でも特にノニオン系界面活性剤が好ましく使用される。
界面活性剤の含有量はインクに対して 0 . 0 0 1〜1 5質量%、好ましくは 0 . 0 0 5 ~ 1 0質量%、 更に好ましくは 0 . 0 1〜5質量である。
本発明のインクジエツト記録用インクは、 水性媒体中に前記のァゾ染料と界面 活性剤を溶解およびノまたは分散させることによって作製することができる。 本 発明における 「水性媒体」 とは、 水又は水と少量の水混和性有機溶剤との混合物 に、 必要に応じて湿潤剤、 安定剤等の添加剤を添加したものを意味する。
本発明において用いることができる水混和性有機溶剤の例には、アルコ一ル(例 えば、 メ夕ノール、エタノール、 プロパノール、 イソプロパノール、 ブ夕ノール、 イソブ夕ノ一ル、 s e c—ブ夕ノール、 t—プ夕ノール、 ペン夕ノール、 へキサ ノール、 シクロへキサノール、 ペンジルアルコール) 、 多価アルコール類 (例え ば、 エチレングリコール、 ジエチレングリコール、 トリエチレングリコール、 ポ リエチレングリコール、 プロピレングリコ一ル、 ジプロピレングリコール、 ポリ プロピレングリコール、 ブチレングリコール、 へキサンジオール、 ペン夕ンジォ ール、 グリセリン、 へキサントリオール、 チォジグリコール) 、 グリコール誘導 体 (例えば、 エチレングリコールモノメチルエーテル、 エチレングリコールモノ ェチルエーテル、 エチレングリコールモノプチルエーテル、 ジエチレングルコ一 ルモノメチルエーテル、 ジエチレングリコールモノブチルエーテル、 プロピレン
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グリコールモノメチルエーテル、 プロピレングリコールモノブチルエーテル、 ジ プロピレングリコ一ルモノメチルエーテル、 トリエチレングルコ一ルモノメチル エーテル、 エチレングリコールジアセテート、 エチレングルコ一ルモノメチルェ 一テルアセテート、 トリエチレングリコールモノメチルエーテル、 トリエチレン グリコールモノェチルエーテル、 エチレングリコ一ルモノフエ二ルェ一テル) 、 ァミン (例えば、 エタノールァミン、 ジエタノールァミン、 トリエタノールアミ ン、 N—メチルジェタノ一ルァミン、 N—ェチルジェ夕ノールァミン、 モルホリ ン、 N—ェチルモルホリン、 エチレンジァミン、 ジエチレントリアミン、 トリエ チレンテトラミン、 ポリエチレンイミン、 テトラメチルプロピレンジァミン) お よびその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミ ド、 N , N—ジメチルホルムアミ ド、 N, N—ジメチルァセトアミ ド、 ジメチルスルホキシド、 スルホラン、 2—ピロ リ ドン、 N—メチル一 2—ピロリ ドン、 N—ビニルー 2—ピロリ ドン、 2ーォキ サゾリ ドン、 1 , 3—ジメチルー 2—イミダゾリジノン、 ァセトニトリル、 ァセ トン) が挙げられる。 尚、 前記水混和性有機溶剤は、 2種類以上を併用してもよ い。
本発明のインクを調液する際には、 水溶性インクの場合、 まず水に溶解するこ とが好ましい。 そのあと、 各種溶剤や添加物を添加し、 溶解、 混合して均一なィ ンク液とする。
このときの溶解方法としては、 攪拌による溶解、 超音波照射による溶解、 振と うによる溶解等種々の方法が使用可能である。 中でも特に攪拌法が好ましく使用 される。 攪拌を行う場合、 当該分野では公知の流動攪拌や反転アジ夕一やディゾ ルバを利用した剪断力を利用した攪袢など、 種々の方式が利用可能である。 一方 では、 磁気攪拌子のように、 容器底面との剪断力を利用した攪拌法も好ましく利 用できる。
前記ァゾ染料またはフタ口シァニン染料が油溶性染料の場合は、 該油溶性染料 を高沸点有機溶媒中に溶解させ、 水性媒体中に乳化分散させることによって調製 することができる。
本発明に用いられる高沸点有機溶媒の沸点は 1 5 0 °C以上であるが、 好ましく は 1 7 0 °C以上である。
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例えば、 フ夕ル酸エステル類 (例えば、 ジブチルフタレート、 ジォクチルフ夕 レート、 ジシクロへキシルフ夕レート、 ジ一 2—ェチルへキシルフタレ一ト、 デ シルフ夕レート、 ビス ( 2 , 4—ジ一 t e r t—アミルフェニル) イソフタレ一 ト、 ビス ( 1, 1ージェチルプロピル) フタレート) 、 リン酸又はホスホンのェ ステル類 (例えば、 ジフエニルホスフェート、 トリフエニルホスフェート、 トリ クレジルホスフエ一ト、 2—ェチルへキシルジフエニルホスフエ一ト、 ジォクチ ルブチルホスフェート、 トリシクロへキシルホスフェート、 トリー 2—ェチルへ キシルホスフエ一ト、 トリ ドデシルホスフヱ一ト、 ジ一 2—ェチルへキシルフェ ニルホスフェート) 、 安息香酸エステル酸 (例えば、 2—ェチルへキシルベンゾ ェ一ト、 2, 4—ジクロロべンゾエート、 ドデシルペンゾエート、 2—ェチルへ キシル—p—ヒドロキシベンゾェ一ト) 、 アミ ド類 (例えば、 N , N—ジェチル ドデカンアミ ド、 N , N—ジェチルラウリルアミ ド) 、 アルコール類またはフエ ノール類 (イソステアリルアルコール、 2 , 4—ジ一 t e r t —アミルフエノ一 ルなど) 、 脂肪族エステル類 (例えば、 コハク酸ジブトキシェチル、 コハク酸ジ - 2—ェチルへキシル、 テトラデカン酸 2—へキシルデシル、 クェン酸トリブチ ル、ジェチルァゼレート、イソステアリルラクテ一ト、トリオクチルシトレート)、 ァニリン誘導体 (N, N—ジブチルー 2 _ブトキシー 5— t Θ r t一才クチルァ ニリンなど)、塩素化パラフィン類(塩素含有量 1 0 %〜8 0 %のパラフィン類)、 トリメシン酸エステル類 (例えば、 トリメシン酸トリプチル) 、 ドデシルペンゼ ン、 ジイソプロピルナフ夕レン、 フエノール類 (例えば、 2 , 4—ジー t e r t —ァミルフエノール、 4 -ドデシルォキシフエノール、 4—ドデシルォキシカル ボニルフエノール、 4一( 4—ドデシルォキシフエニルスルホニル)フエノール)、 カルボン酸類 (例えば、 2— ( 2 , 4—ジ— t e r t —ァミルフエノキシ酪酸、 2一エトキシオクタンデカン酸) 、 アルキルリン酸類 (例えば、 ジ— 2 (ェチル へキシル) リン酸、 ジフヱニルリン酸) などが挙げられる。 高沸点有機溶媒は油 溶性染料に対して質量比で 0 . 0 1〜3倍量、 好ましくは 0 . 0 1〜1 . 0倍量 で使用できる。
これらの高沸点有機溶媒は単独で使用しても、 数種の混合 〔例えばトリクレジ ルホスフェートとジブチルフ夕レート、 トリオクチルホスフェートとジ (2—ェ
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チルへキシル) セバケ一ト、 ジブチルフ夕レートとポリ (N— t—プチルァクリ ルアミ ド) 〕 で使用してもよい。
本発明において用いられる高沸点有機溶媒の前記以外の化合物例及び/または これら高沸点有機溶媒の合成方法は例えば米国特許第 2, 322, 027号、 同 第 2, 533, 5 14号、 同第 2, 772, 163号、 同第 2, 835, 579 号、 同第 3, 594, 171号、 同第 3, 676, 137号、 同第 3 , 689,
271号、 同第 3, 700, 454号、 同第 3, 748, 141号、 同第 3, 7
64, 336号、 同第 3, 765 , 897号、 同第 3, 9 12, 5 15号、 同第
3, 936, 303号、 同第 4, 004, 928号、 同第 4, 080, 209号、 同第 4, 127, 413号、 同第 4, 193, 802号、 同第 4, 207, 39
3号、 同第 4, 220, 71 1号、 同第 4, 239, 851号、 同第 4, 278,
757号、 同第 4, 353, 979号、 同第 4, 363, 873号、 同第 4, 4
30, 42 1号、 同第 4, 430, 422号、 同第 4, 464, 464号、 同第
4, 483, 9 18号、 同第 4, 540, 657号、 同第 4, 684, 606号、 同第 4, 728, 599号、 同第 4, 745, 049号、 同第 4, 935, 32
1号、 同第 5 , 013, 639号、 欧州特許第 276, 319 A号、 同第 286 ,
253 A号、 同第 289 , 820 A号、 同第 309, 158 A号、 同第 309 ,
159 A号、 同第 309 , 160 A号、 同第 509 , 31 1 A号、 同第 5 10 ,
576 A号、東独特許第 147, 009号、 同第 157, 147号、同第 1 59,
573号、 同第 225, 240 A号、 英国特許第 2, 09 1, 124 A号、 特開 昭 48— 47335号、 同 50— 26530号、 同 5 1— 25 133号、 同 5 1 一 26036号、 同 51— 2792 1号、 同 5 1— 27922号、 同 5 1— 14
9028号、同 52— 46816号、同 53— 1520号、同 53— 152 1号、 同 53— 15127号、 同 53— 146622号、 同 54— 9 1325号、 同 5
4— 106228号、 同 54— 1 18246号、 同 55— 59464号、 同 56
— 64333号、 同 56— 81836号、 同 59— 204041号、 同 6 1— 8
4641号、 同 62— 1 18345号、 同 62— 247364号、 同 63— 16
7357号、 同 63— 214744号、 同 63— 3019.41号、 同 64— 94
52号、 同 64— 9454号、 同 64— 68745号、 特開平 1— 10 1543
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号、 同 1— 102454号、 同 2— 792号、 同 2— 4239号、 同 2— 435 41号、 同 4— 29237号、 同 4一 30165号、 同 4— 232946号、 同 4— 346338号等に記載されている。
上記高沸点有機溶媒は、 油溶性染料に対し、 質量比で 0. 0 1〜3. 0倍量、 好ましくは 0. 01〜1. 0倍量で使用する。
本発明では油溶性染料や高沸点有機溶媒は、 水性媒体中に乳化分散して用いら れる。 乳化分散の際、 乳化性の観点から場合によっては低沸点有機溶媒を用いる ことができる。 低沸点有機溶媒としては、 常圧で沸点約 30°C以上 150°C以下 の有機溶媒である。 例えばエステル類 (例えばェチルアセテート、 ブチルァセテ —ト、 ェチルプロビオネ一ト、 エトキシェチルアセテート、 メチルセ口ソル プアセテート) 、 アルコール類 (例えばイソプロピルアルコール、 n—ブチルァ ルコール、 セカンダリープチルアルコール) 、 ケトン類 (例えばメチルイソブチ ルケトン、 メチルェチルケトン、 シクロへキサノン) 、 アミ ド類 (例えばジメチ ルホルムアミ ド、 N—メチルビロリ ドン) 、 エーテル類 (例えばテトラヒドロフ ラン、ジォキサン)等が好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。 乳化分散は、 高沸点有機溶媒と場合によっては低沸点有機溶媒の混合溶媒に染 料を溶かした油相を、 水を主体とした水相中に分散し、 油相の微小油滴を作るた めに行われる。この際、水相、油相のいずれか又は両方に、後述する界面活性剤、 湿潤剤、 染料安定化剤、 乳化安定剤、 防腐剤等の添加剤を必要に応じて添加する ことができる。
乳化法としては水相中に油相を添加する方法が一般的であるが、 油相中に水相 を滴下して行く、 いわゆる転相乳化法も好ましく用いることができる。 なお、 本 発明に用いるァゾ染料またはフタロシア二ン染料が水溶性で、 添加剤が油溶性の 場合にも前記乳化法を適用し得る。
乳化分散する際には、 種々の界面活性剤を用いることができる。 例えば脂肪酸 塩、 アルキル硫酸エステル塩、 アルキルベンゼンスルホン酸塩、 アルキルナフ夕 レンスルホン酸塩、 ジアルキルスルホコハク酸塩、 アルキルリン酸エステル塩、 ナフ夕レンスルホン酸ホルマリン縮合物、 ポリオキシエチレンアルキル硫酸エス テル塩等のァニオン系界面活性剤や、 ポリオキシエチレンアルキルエーテル、 ポ
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リオキシエチレンアルキルァリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、 ソルビ夕ン脂肪酸エステル、 ポリオキシエチレンソルビ夕ン脂肪酸エステル、 ポ リオキシエチレンアルキルァミン、 グリセリン脂肪酸エステル、 ォキシエチレン ォキシプロピレンプロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。 ま た、 アセチレン系ポリオキシエチレンォキシド界面活性剤である SURF YN〇 LS(AirProduct s&Chemi cal s社)も好ましく用いられる。 また、 N, N—ジメチルー N—アルキルアミンォキシドのようなァミンォキシド 型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特閧昭 59 - 157, 636号の第(3 7) 〜 (38) 頁、 リサーチ■ディスクロージャー No. 308119 ( 198 9年) 記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
また、 乳化直後の安定化を図る目的で、 上記界面活性剤と併用して水溶性ポリ マーを添加することもできる。水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、 ポリビニルピロリ ドン、 ポリェチレンォキサイ ド、 ポリァクリル酸、 ポリアクリ ルアミ ドゃこれらの共重合体が好ましく用いられる。 また多糖類、 カゼイン、 ゼ ラチン等の天然水溶性ポリマ一を用いるのも好ましい。 さらに染料分散物の安定 化のためには実質的に水性媒体中に溶解しないァクリル酸エステル類、 メタクリ ル酸エステル類、 ビニルエステル類、 アクリルアミ ド類、 メ夕クリルアミ ド類、 ォレフィン類、 スチレン類、 ビニルェ一テル類、 ァクリロニトリル類の重合によ り得られるポリビニルゃポリウレ夕ン、ポリエステル、ポリアミ ド、ポリウレァ、 ポリカーボネート等も併用することができる。 これらのポリマーは一 S〇3_、 一 COO—を含有していること好ましい。 これらの実質的に水性媒体中に溶解しな いポリマーを併用する場合、 高沸点有機溶媒の 20質量%以下用いられることが 好ましく、 10質量%以下で用いられることがより好ましい。
乳化分散により油溶性染料や高沸点有機溶媒を分散させて水性ィンクとする場 合、 特に重要なのはその粒子サイズのコントロールである。 インクジェットによ り画像を形成した際の、 色純度や濃度を高めるには平均粒子サイズを小さくする ことが必須である。 体積平均粒径で好ましくは 1 m以下、 より好ましくは 5〜 100 nmである。
前記分散粒子の体積平均粒径および粒度分布の測定方法には静的光散乱法、 動
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的光散乱法、 遠心沈降法のほか、 実験化学講座第 4版の 417〜418ページに 記載されている方法を用いるなど、 公知の方法で容易に測定することができる。 例えば、インク中の粒子濃度が 0.1〜 1質量%になるように蒸留水で希釈して、 市販の体積平均粒径測定機(例えば、マイクロトラック U P A (日機装(株)製)) で容易に測定できる。更に、レーザードップラー効果を利用した動的光散乱法は、 小サイズまで粒径測定が可能であり特に好ましい。
体積平均粒径とは粒子体積で重み付けした平均粒径であり、 粒子の集合におい て、 個々の粒子の直径にその粒子の体積を乗じたものの総和を粒子の総体積で割 つたものである。 体積平均粒径については 「高分子ラテックスの化学 (室井 宗 一著 高分子刊行会) 」 の 119ページに記載がある。
また、 粗大粒子の存在も印刷性能に非常に大きな役割を示すことが明らかにな つた。 即ち、 粗大粒子がヘッドのノズルを詰まらせる、 あるいは詰まらないまで も汚れを形成することによってィンクの不吐出や吐出のョレを生じ、 印刷性能に 重大な影響を与えることが分かった。 これを防止するためには、 インクにした時 にインク 1 1中で 5 m以上の粒子を 10個以下、 1〃m以上の粒子を 100 0個以下に抑えることが重要である。
これらの粗大粒子を除去する方法としては、 公知の遠心分離法、 精密濾過法等 を用いることができる。 これらの分離手段は乳化分散直後に行ってもよいし、 乳 化分散物に湿潤剤や界面活性剤等の各種添加剤を加えた後、 ィンクカートリッジ に充填する直前でもよい。
平均粒子サイズを小さくし、 且つ粗大粒子を無くす有効な手段として、 機械的 な乳化装置を用いることができる。
乳化装置としては、 簡単なスターラーやインペラ一撹拌方式、 インライン撹拌 方式、 コロイ ドミル等のミル方式、 超音波方式など公知の装置を用いることがで きるが、 高圧ホモジナイザーの使用は特に好ましいものである。
高圧ホモジナイザーは、 US— 4533254号、 特開平 6— 47264号等 に詳細な機構が記載されているが、 市販の装置としては、 ゴーリンホモジナイザ
― (A. P. V GAUL I N INC. ) s マイクロフルイダイザ一 (M I C
ROFLUIDEX INC. ) 、 アルティマイザ一 (株式会社スギノマシン)
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等がある。
また、 近年になって US— 5720551号に記載されているような、 超高圧 ジエツト流内で微粒子化する機構を備えた高圧ホモジナイザーは本発明の乳化分 散に特に有効である。 この超高圧ジェット流を用いた乳化装置の例として、 De BEE2000 (BEE INTERNATIONAL LTD. ) があげられ る
高圧乳化分散装置で乳化する際の圧力は 50 MP a以上であり、 好ましくは 6 0 MP a以上、 更に好ましくは 18 OMP a以上である。
例えば、 撹拌乳化機で乳化した後、 高圧ホモジナイザーを通す等の方法で 2種 以上の乳化装置を併用するのは特に好ましい方法である。 また、 一度これらの乳 化装置で乳化分散した後、 湿潤剤や界面活性剤等の添加剤を添加した後、 カート リッジにィンクを充填する間に再度高圧ホモジナイザーを通過させる方法も好ま しい方法である。
高沸点有機溶媒に加えて低沸点有機溶媒を含む場合、 乳化物の安定性及び安全 衛生上の観点から低沸点溶媒を除去するのが好ましい。 低沸点溶媒を除去する方 法は溶媒の種類に応じて各種の公知の方法を用いることができる。即ち、蒸発法、 真空蒸発法、 限外濾過法等である。 この低沸点有機溶剤の除去工程は乳化直後、 できるだけ速やかに行うのが好ましい。
なお、 ィンクジェヅト用ィンクの調製方法については、 特開平 5— 14843 6号、 同 5— 295312号、 同 7— 97541号、 同 7— 82515号、 同 7 - 118584号の各公報に詳細が記載されていて、 本発明のィンクジエツ ト記 録用ィンクの調製にも利用できる。
本発明で得られたインクジヱット記録用インクには、 インクの噴射口での乾操 による目詰まりを防止するための乾燥防止剤、 インクを紙によりょく浸透させる ための浸透促進剤、 紫外線吸収剤、 酸化防止剤、 粘度調整剤、 表面張力調整剤、 分散剤、 分散安定剤、 防鲭剤、 pH調整剤、 消泡剤、 キレート剤等の添加剤を適 宜選択して適量使用することができる。
本発明に使用される乾燥防止剤としては水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が 好ましい。 具体的な例としてはエチレングリコール、 プロピレングリコール、 ジ
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エチレングリコール、 ポリエチレングリコール、 チォジグリコール、 ジチォジグ リコール、 2—メチル一 1 , 3—プロパンジオール、 1 , 2 , 6—へキサントリ オール、 アセチレングリコール誘導体、 グリセリン、 トリメチロールプロパン等 に代表される多価アルコール類、 エチレングリコールモノメチル (又はェチル) エーテル、 ジエチレングリコールモノメチル (又はェチル) エーテル、 トリェチ レングリコ一ルモノェチル (又はプチル) エーテル等の多価アルコールの低級ァ ルキルエーテル類、 2—ピロリ ドン、 N—メチル一2—ピロリ ドン、 1, 3—ジ メチル—2—イミダゾリジノン、 N—ェチルモルホリン等の複素環類、 スルホラ ン、 ジメチルスルホキシド、 3—スルホレン等の含硫黄化合物、 ジアセトンアル コール、 ジエタノールァミン等の多官能化合物、 尿素誘導体が挙げられる。 これ らのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。 また上記の乾燥防止剤は単独で用いてもよいし 2種以上併用してもよい。 これら の乾燥防止剤はインク中に 1 0〜 5 0質量%含有することが好ましい。
本発明に使用される浸透促進剤としてはエタノール、 イソプロパノール、 ブ夕 ノール、 ジ (トリ) エチレングリコールモノプチルェ一テル、 1 , 2—へキサン ジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、 ォレイン酸ナトリウムや ノニオン性界面活性剤等を用いることができる。 これらはインク中に 1 0 ~ 3 0 質量%含有すれば充分な効果があり、 印字の滲み、 紙抜け (プリントスルー) を 起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
本発明で画像の保存性を向上させるために使用される紫外線吸収剤としては特 開昭 5 8 - 1 8 5 6 7 7号公報、 同 6 1— 1 9 0 5 3 7号公報、 特閧平 2— 7 8
2号公報、 同 5— 1 9 7 0 7 5号公報、 同 9— 3 4 0 5 7号公報等に記載された ペンゾトリアゾール系化合物、 特開昭 4 6— 2 7 8 4号公報、 特閧平 5— 1 9 4
4 8 3号公報、 米国特許第 3 2 1 4 4 6 3号等に記載されたべンゾフエノン系化 合物、 特公昭 4 8— 3 0 4 9 2号公報、 同 5 6— 2 1 1 4 1号公報、 特開平 1◦
- 8 8 1 0 6号公報等に記載された桂皮酸系化合物、 特開平 4— 2 9 8 5 0 3号 公報、 同 8— 5 3 4 2 7号公報、 同 8— 2 3 9 3 6 8号公報、 同 1 0— 1 8 2 6
2 1号公報、特表平 8— 5 0 1 2 9 1号公報等に記載されたトリアジン系化合物、 リサーチディスクロージャ一 N o . 2 4 2 3 9号に記載された化合物やスチルベ
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ン系、 ベンゾォキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する 化合物、 いわゆる蛍光增白剤も用いることができる。
本発明では、画像の保存性を向上させるために使用される酸化防止剤としては、 各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。 有機の褪色 防止剤としてはハイ ドロキノン類、 アルコキシフエノール類、 ジアルコキシフエ ノ一ル類、 フヱノール類、 ァニリン類、 ァミン類、 ィンダン類、 クロマン類、 ァ ルコキシァニリン類、 複素環類などがあり、 金属錯体としてはニッケル錯体、 亜 鉛錯体などがある。 より具体的にはリサーチディスクロージャー No. 1764 3の第 VI Iの Iないし J項、 同 No. 15162、 同 No. 18716の 65 0頁左欄、 同 No. 36544の 527頁、 同 No. 307105の 872頁、 同 N 0. 15162に引用された特許に記載された化合物や特閧昭 62— 215 272号公報の 127頁〜 137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合 物例に含まれる化合物を使用することができる。
また、 防鲭剤としては、 例えば、 酸性亜硫酸塩、 チォ硫酸ナトリウム、 チォグ リコール酸アンモン、 ジイソプロピルアンモニゥムニトライ ト、 四硝酸ペンタエ リスリ トール、 ジシクロへキシルアンモニゥムニトライ ト、 ペンゾトリアゾ一ル 等が挙げられる。 これらは、 インク中に 0. 02〜5. 00質量%使用するのが 好ましい。
本発明に使用される pH調整剤は pH調節、 分散安定性付与などの点で好適に 使用する事ができ、 25°Cでのィンクの pHが 8~11に調整されていることが 好ましい。 pHが 8未満である場合は染料の溶解性が低下してノズルが詰まりや すく、 11を超えると耐水性が劣化する傾向がある。 pH調製剤としては、 塩基 性のものとして有機塩基、 無機アルカリ等が、 酸性のものとして有機酸、 無機酸 等が挙げられる。
前記有機塩基としてはトリエタノールァミン、 ジエタノールァミン、 N—メチ ルジェ夕ノールァミン、 ジメチルエタノールァミンなどが挙げられる。 前記無機 アルカリとしては、 アルカリ金属の水酸化物 (例えば、 水酸化ナトリウム、 水酸 化リチウム、 水酸化カリウムなど)、 炭酸塩 (例えば、 炭酸ナトリウム、 炭酸水素 ナトリウムなど)、 アンモニゥムなどが挙げられる。 また、 前記有機酸としては酢
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酸、 プロピオン酸、 トリフルォロ酢酸、 アルキルスルホン酸などが挙げられる。 前記無機酸としては、 塩酸, 硫酸、 リン酸などが挙げられる。
本発明では前記した界面活性剤とは別に表面張力調整剤として、 ノニオン、 力 チオンあるいはァニオン界面活性剤が挙げられる。 例えばァニオン系界面活性剤 としては脂肪酸塩、 アルキル硫酸エステル塩、 アルキルベンゼンスルホン酸塩、 アルキルナフ夕レンスルホン酸塩、 ジアルキルスルホコハク酸塩、 アルキルリン 酸エステル塩、 ナフ夕レンスルホン酸ホルマリン縮合物、 ポリオキシエチレンァ ルキル硫酸エステル塩等を挙げることができ、 ノ二オン系界面活性剤としては、 ポリオキシェチレンアルキルエーテル、 ポリオキシェチレンアルキルァリルエー テル、 ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、 ソルビ夕ン脂肪酸エステル、 ポリオ キシエチレンソルビ夕ン脂肪酸エステル、 ポリオキシエチレンアルキルアミン、 グリセリン脂肪酸エステル、 ォキシエチレンォキシプロピレンブロヅクコポリマ 一等を挙げることができる。 ァセチレン系ポリォキシェチレンォキシド界面活性 剤である SURF YNO L S(A irProduct s&Chemi cal s社) も好ましく用いられる。 また、 N, N—ジメチルー N—アルキルアミンォキシド のようなアミンォキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。 更に、 特開昭 59- 157, 636号の第 (37) 〜 (38) 頁、 リサーチ ·ディスクロージャ一N o. 308119 ( 1989年) 記載の界面活性剤として挙げたものも使うこと ができる。
本発明のインクの表面張力は、 これらを使用してあるいは使用しないで 20~ 6 OmNZmが好ましい。 さらに 25〜45mNZmが好ましい。
本発明に用いられるィンクの粘度は 3 OmP a■ s以下が好ましい。 更に 20 mPa · s以下に調整することがより好ましいので、 粘度を調整する目的で、 粘 度調整剤が使用されることがある。粘度調整剤としては、例えば、セルロース類、 ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーゃノニオン系界面活性剤等が挙げら れる。 更に詳しくは、 「粘度調整技術」 (技術情報協会、 1999年) 第 9章、 及び 「インクジェヅ トプリン夕用ケミカルズ (98増補) —材料の開発動向 -展 望調査一」 (シーエムシー、 1997年) 162〜 174頁に記載されている。 また本発明では分散剤、 分散安定剤として上述のカチオン、 ァニオン、 ノニォ
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ン系の各種界面活性剤、 消泡剤としてフッソ系、 シリコーン系化合物や E D T A に代表されるキレ一ト剤等も必要に応じて使用することができる。
本発明のインクジエツ ト記録用インクは、 インクジエツ ト記録以外の用途に使 用することもできる。 例えば、 ディスプレイ画像用材料、 室内装飾材料の画像形 成材料および屋外装飾材料の画像形成材料などに使用が可能である。
ディスプレイ画像用材料としては、 ポスタ一、 壁紙、 装飾小物 (置物や人形な ど) 、 商業宣伝用チラシ、 包装紙、 ラッピング材料、 紙袋、 ビニール袋、 パヅケ —ジ材料、 看板、 交通機関 (自動車、 バス、 電車など) の側面に描画や添付した 画像、 ロゴ入りの洋服、 等各種の物を指す。 本発明の染料をディスプレイ画像の 形成材料とする場合、 その画像とは狭義の画像の他、 抽象的なデザイン、 文字、 幾何学的なパターンなど、 人間が認知可能な染料によるパターンをすベて含む。 室内装飾材料としては、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、照明器具の部材、 家具の部材、 床や天井のデザイン部材等各種の物を指す。 本発明の染料を画像形 成材料とする場合、 その画像とは狭義の画像の他、 抽象的なデザイン、 文字、 幾 何学的なパターンなど、 人間が認知可能な染料によるパターンをすベて含む。 屋外装飾材料としては、 壁材、 ルーフイング材、 看板、 ガーデニング材料屋外 装飾小物 (置物や人形など) 、 屋外照明器具の部材等各種の物を指す。 本発明の 染料を画像形成材料とする場合、 その画像とは狭義の画像ののみならず、 抽象的 なデザイン、 文字、 幾何学的なパターンなど、 人間が認知可能な染料によるパ夕. ーンをすぺて含む。
以上のような用途において、 パターンが形成されるメディアとしては、 紙、 繊 維、 布 (不織布も含む) 、 プラスチック、 金属、 セラミックス等種々の物を挙げ ることができる。 染色形態としては、 媒染、 捺染、 もしくは反応性基を導入した 反応性染料の形で色素を固定化することもできる。 この中で、 好ましくは媒染形 態で染色されることが好ましい。
本発明のインクジェッ ト記録方法に用いられる記録紙及び記録フィルムについ て説明する。 記録紙及び記録フィルムにおける支持体は L B K P、 N B K P等の 化学パルプ、 G P、 P GW、 R M P、 T M P、 C T M P、 C M P、 C G P等の機 械パルプ、 D I P等の古紙パルプ等からなり、 必要に応じて従来の公知の顔料、
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バインダー、 サイズ剤、 定着剤、 カチオン剤、 紙力増強剤等の添加剤を混合し、 長網抄紙機、 円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。 支 持体としては、 これらの支持体の他に合成紙、 プラスチックフィルムシートのい ずれであってもよく、 支持体の厚みは 10〜25 O j ui 坪量は 1 0〜250 g Zm2が望ましい。
支持体にそのまま受像層及びバックコ一ト層を設けて本発明のィンクの受像材 料としてもよいし、 デンプン、 ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカ ーコート層を設けた後、 受像層及びバックコート層を設けて受像材料としてもよ い。 さらに支持体には、 マシンカレンダ一、 TGカレンダ一、 ソフトカレンダー 等のカレンダ一装置により平坦化処理を行ってもよい。
本発明では支持体としては、 両面をポリオレフイン (例、 ポリエチレン、 ポリ スチレン、 ポリブテンおよびそれらのコポリマー) やポリエチレンテレフ夕レー トでラミネートした紙およびプラスチックフィルムがより好ましく用いられる。 ポリオレフイン中に、 白色顔料 (例、 酸化チタン、 酸化亜鉛) または色味付け染 料 (例、 コノ "レトブル一、 群青、 酸化ネオジゥム) を添加することが好ましい。 支持体上に設けられる受像層には、多孔質材料や水性バインダ一が含有される。 また、受像層には顔料を含むのが好ましく、顔料としては、 白色顔料が好ましい。 白色顔料としては、 炭酸カルシウム、 カオリン、 タルク、 クレー、 珪藻土、 合成 非晶質シリカ、 珪酸アルミニウム、 珪酸マグネシウム、 珪酸カルシウム、 水酸化 アルミニウム、 アルミナ、 リ トボン、 ゼォライ ト、 硫酸バリウム、 硫酸カルシゥ ム、 二酸化チタン、 硫化亜鉛、 炭酸亜鉛等の無機白色顔料、 スチレン系ビグメン ト、 アクリル系ピグメント、 尿素樹脂、 メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられ る。 特に好ましくは、 多孔性の白色無機顔料がよく、 特に細孔面積が大きい合成 非晶質シリカ等が好適である。 合成非晶質シリカは、 乾式製造法 (気相法) によ つて得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用 可能である。
上記顔料を受像層に含有する記録紙としては、 具体的には、 特開平 1 0— 8 1
064号、 同 10— 1 1 9423、 同 10— 1 57277、 同 1 0— 2 1760
1、 同 1 1— 348409、 特開 20 0 1— 1386 2 1、 同 2000— 434
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TJP03/01127
01、 同 2000— 21 1235、 同 2000— 309157、 同 2001— 9 6897s 同 200 1— 138627、 特開平 1 1— 91242、 同 8— 208 7、 同 8— 2090、 同 8— 209 1、 同 8— 2093、 同 8— 174992、 同 1 1— 192777、 特開 2001— 3013 14などに開示されたものを用 いることができる。
受像層に含有される水性バインダーとしては、 ポリビニルアルコール、 シラノ —ル変性ポリビニルアルコール、 デンプン、 カチオン化デンプン、 カゼイン、 ゼ ラチン、 カルボキシメチルセルロース、 ヒドロキシェチルセルロース、 ポリビニ ルピロリ ドン、 ポリアルキレンォキサイ ド、 ポリアルキレンォキサイ ド誘導体等 の水溶性高分子、 スチレンブタジエンラテックス、 ァクリルェマルジョン等の水 分散性高分子等が挙げられる。 これらの水性バインダ一は単独または 2種以上併 用して用いることができる。 本発明においては、 これらの中でも特にポリビニル アルコール、 シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、 イン ク受容層の耐剥離性の点で好適である。
受像層は、 顔料及び水性バインダーの他に媒染剤、 耐水化剤、 耐光性向上剤、 耐ガス性向上剤、 界面活性剤、 硬膜剤その他の添加剤を含有することができる。 受像層中に添加する媒染剤は、 不動化されていることが好ましい。 そのために は、 ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、 特開昭 48— 28325号、 同 54— 74430 号、同 54— 124726号、同 55— 22766号、同 55— 142339号、 同 60— 23850号、 同 60— 2385 1号、 同 60— 23852号、 同 60 一 23853号、 同 60— 57836号、 同 60— 60643号、 同 60— 1 1
8834号、 同 60— 122940号、 同 60— 122941号、 同 60— 12
2942号、 同 60— 235 134号、 特開平 1一 16 1236号の各公報、 米 国特許 2484430号、 同 2548564号、 同 314806 1号、 同 330
9690号、 同 41 15 124号、 同 4124386号、 同 4193800号、 同 4273853号、 同 4282305号、 同 4450224号の各明細書に記 載がある。 特開平 1一 16 1236号公報の 2 12〜215頁に記載のポリマー 媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。 同公報記載のポリマ一媒染剤を用い
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ると、 優れた画質の画像が得られ、 かつ画像の耐光性が改善される。 耐水化剤は、 画像の耐水化に有効であり、 これらの耐水化剤としては、 特に力 チオン樹脂が望ましい。 このようなカチオン樹脂としては、 ポリアミ ドポリアミ ンェピクロルヒドリン、 ポリエチレンィミン、 ポリアミンスルホン、 ジメチルジ ァリルアンモニゥムクロライド重合物、 カチオンポリアクリルアミ ド等が挙げら れる。 これらのカチオン樹脂の含有量は、 インク受容層の全固形分に対して 1〜 15質量%が好ましく、 特に 3〜10質量%であることが好ましい。
耐光性向上剤、 耐ガス性向上剤としては、 フヱノール化合物、 ヒンダ一ドフヱ ノール化合物、 チォエーテル化合物、 チォ尿素化合物、 チォシアン酸化合物、 ァ ミン化合物、 ヒンダードァミン化合物、 TEMPO化合物、 ヒドラジン化合物、 ヒドラジド化合物、 アミジン化合物、 ビニル基含有化合物、 エステル化合物、 ァ ミド化合物、 エーテル化合物、 アルコール化合物、 スルフィン酸化合物、 糖類、 水溶性還元性化合物、 有機酸、 無機酸、 ヒドロキシ基含有有機酸、 ベンゾトリア ゾ一ル化合物、 ベンゾフエノン化合物、 トリアジン化合物、 ヘテロ環化合物、 水 溶性金属塩、 有機金属化合物、 金属錯体等があげられる。
これらの具体的な化合物例としては、 特開平 10— 182621号、 特開 20 01— 2605 19号、 特開 2000— 2605 19号、 特公平 4— 34953 号、 特公平 4一 345 13号、 特公平 4一 345 12号、 特開平 1 1一 1706 86号、 特開昭 60— 67190号、 特開平 7— 276808号、 特閧 2000 — 94829号、 特表平 8— 512258号、 特開平 1 1一 321090号等に 記載のものがあげられる。
界面活性剤は、 塗布助剤、 剥離性改良剤、 スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤 として機能する。 界面活性剤については、 特閧昭 62— 173463号、 同 62 - 183457号の各公報に記載がある。
界面活性剤の代わりに有機フルォロ化合物を用いてもよい。 有機フルォロ化合 物は、 疎水性であることが好ましい。 有機フルォロ化合物の例には、 フッ素系界 面活性剤、 オイル状フッ素系化合物 (例、 フッ素油) および固体状フッ素化合物 樹脂(例、四フヅ化工チレン樹脂)が含まれる。有機フルォロ化合物については、 特公昭 57— 9053号 (第 8〜17欄) 、 特閧昭 6 1 - 20994号、 同 62
98
01127
- 1 3 5 8 2 6号の各公報に記載がある。
硬膜剤としては特開平 1— 1 6 1 2 3 6号公報の 2 2 2頁、 特開平 9一 2 6 3 0 3 6号、 特開平 1 0— 1 1 9 4 2 3号、 特開 2 0 0 1— 3 1 0 5 4 7号に記載 されている材料などを用いることが出来る。
その他の受像層に添加される添加剤としては、 顔料分散剤、 増粘剤、 消泡剤、 染料、 蛍光増白剤、 防腐剤、 p H調整剤、 マツト剤、硬膜剤等が挙げられる。尚、 インク受容層は 1層でも 2層でもよい。
記録紙及び記録フィルムには、 バックコート層を設けることもでき、 この層に 添加可能な成分としては、 白色顔料、 水性バインダ一、 その他の成分が挙げられ る。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシゥム、 重質炭酸カルシウム、 カオリン、 タルク、 硫酸カルシウム、 硫酸バリウム、 二酸 化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、 サチンホワィ ト、珪酸アルミニウム、 珪藻土、 珪酸カルシウム、 珪酸マグネシウム、 合成非晶質シリカ、 コロイダルシ リカ、 コロイダルアルミナ、 擬べ一マイ ト、 水酸化アルミニウム、 アルミナ、 リ トボン、 ゼ才ライ ト、 加水ハロイサイ ト、 炭酸マグネシゥム、 水酸化マグネシゥ ム等の白色無機顏料、 スチレン系プラスチックビグメント、 アクリル系プラスチ ヅクビグメント、 ポリエチレン、 マイクロ力プセル、 尿素樹脂、 メラミン樹脂等 の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に含有される水性バインダ一としては、 スチレン/マレイン酸 塩共重合体、 スチレン/アクリル酸塩共重合体、 ポリビニルアルコ一ル、 シラノ —ル変性ポリビニルアルコール、 デンプン、 カチオン化デンプン、 カゼイン、 ゼ ラチン、 カルボキシメチルセルロース、 ヒドロキシェチルセルロース、 ポリビニ ルピロリ ドン等の水溶性高分子、 スチレンブタジエンラテックス、 アクリルエマ ルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。 ノ、'ックコ一ト層に含有されるその 他の成分としては、 消泡剤、 抑泡剤、 染料、 蛍光増白剤、 防腐剤、 耐水化剤等が 挙げられる。
インクジェッ ト記録紙及び記録フィルムの構成層 (バック層を含む) には、 ポ リマー微粒子分散物を添加してもよい。 ポリマ一微粒子分散物は、 寸度安定化、
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カール防止、 接着防止、 膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用され る。 ポリマー微粒子分散物については、 特開昭 62— 245258号、 同 62— 1316648号、 同 62— 1 10066号の各公報に記載がある。 ガラス転移 温度が低い (40°C以下の) ポリマー微粒子分散物を媒染剤を含む層に添加する と、 層のひび割れやカールを防止することができる。 また、 ガラス転移温度が高 いポリマー微粒子分散物をバック層に添加しても、 カールを防止できる。
本発明のインクに適用されるインクジエツトの記録方式に制限はなく、 公知の 方式例えば静電誘引力を利用してィンクを吐出させる電荷制御方式、 ピエゾ素子 の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式 (圧力パルス方式) 、 電気信号 を音響ビームに変えィンクに照射して放射圧を利用してィンクを吐出させる音響 インクジエツト方式、 及びィンクを加熱して気泡を形成し、 生じた圧力を利用す るサーマルインクジエツ ト (バブルジェット) 方式等に用いられる。
インクジエツ ト記録方式には、 フォトインクと称する濃度の低いインクを小さ い体積で多数射出する方式、 実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のィンクを用 いて画質を改良する方式や無色透明のィンクを用いる方式が含まれる。 発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明を実施例によって説明するが、 本発明はこれに限定されるもので はない。
(実施例 1 )
下記の成分に脱イオン水を加え 1リッ夕一とした後、 30〜40°Cで加熱しな がら 1時間撹拌した。 その後、 平均孔径 0. 25〃mのミクロフィル夕一で減圧 濾過してライ トマゼン夕用インクを調製した。
〔ライ トマゼン夕インク LM— 10 1処方〕
(固形分)
マゼン夕染料 (a— 36) 7. 5 g/1 尿素 37 g/1
(液体成分)
ジエチレングリコール (DEG) 50 g/1
100
グリセリン (GR) 30 g/1 トリエチレングリコールモノプチルエーテル (TGB) 30g/l トリエ夕ノールァミン (TEA) 6. 9 g/1 サ一フィノール STG (SW) 1 Og/1 さらに上記処方でマゼン夕染料 (a 36) を 23 gに増量したマゼン夕用ィ ンク M— 101を調製した。
〔マゼン夕インク M— 101処方〕
(固形分)
マゼン夕染料 (a— 36 ) 23 g/1
37 g/1
(液体成分)
ジエチレングリコール (DE G) 50 g/1 グリセリン (GR) 30 g/1 トリエチレングリコールモノプチルェ一テル (T GB) 30 g/1 トリエタノールァミン (TEA) 6. 9 g/1 サ一フィノール STG (SW) 10 g/1 ここで使用したマゼン夕染料 (a— 36) の酸化電位は 0 V (v s S CE) より貴である。
LM- 101と M— 101に対して 、 下記表 1の通りに添加物を加えた以外は 全く同じ組成のインク LM— 102〜 109、 M— 102〜109をそれそれ作 製した。
101
添カロ物
ュ、 ,
LM-101, M-101 (比較例) なし
LM-102, M-102 (比較例) LM_101, M- 101に対して、 エチレングリコール 2g/l
LM - 103, M_103 (比較例) LM-101, M-101に対して、 エチレングリコーノレ 5g/l
LM-104, M-104 (本発明) LM-101, M-101に対して、フエノキシエタノール 2g/l
LM - 105, M_105 (本発明) LM-101, M-101に対して、フエノキシエタノーノレ 5g/l
LM-106, M-106 (本発明) LM-101, M-101に対して、 プロキセル 2g/l
LM-107, M-107 (本発明) LM- 101, M-101に対して、 プロキセル 5g/l
LM-108, M-108 (本発明) LM-101, M-101に対して、 プロキセル lg/l+フエノキ シエタノール lg/1
LM-109, M-109 (本発明) LM-101, M-101に対して、 プロキセノレ 2g/l+フエノキ シエタノール 2g/l
これらのインクを EPSON社製インクジエツトプリンター PM- 950Cのマゼンタイン ク ' ライ トマゼンタインクのカートリッジに装填し、 その他の色のインクは PM - 950Cのインクを用いて、濃度の異なるマゼンタの単色画像を印字させた。受像 シートは富士写真フィルム (株) 製インクジェットペーパーフォト光沢紙 E Xに 画像を印刷し、 ィンクの吐出性と画像堅牢性の評価を行った。
(評価実験)
1 ) 吐出安定性については、 カートリッジをプリンターにセットし全ノズルから のインクの吐出を確認した後、 A 4 2 0枚出力し、 以下の基準で評価した。
A:印刷開始から終了まで印字の乱れ無し
B :印字の乱れのある出力が発生する
C :印刷開始から終了まで印字の乱れあり
この実験を、 インク充填直後 (吐出性 A) と、 インクカートリッジを 4 0 °C 8 0 °/o R Hの条件下、 2週間保存後 (吐出性 B ) に行った。
2 ) 画像保存性については、 マゼンタのベタ画像印字サンプルを作成し、 以下の 評価を行った。
①光堅牢性は印字直後の画像濃度 C iを反射濃度計 (X— R i t e 3 1 0 T R ) にて測定した後、 アトラス社製ウエザーメーターを用い画像にキセノン光 (8万 5千ルックス) を 1 0日照射した後、 再び画像濃度 C f を測定し染料残存率 (1 0 0 X C ί / C i )を求め評価を行った。染料残像率について反射濃度が 1 、 1 .
102
5及ぴ 2の 3点にて評価し、 いずれの濃度でも染料残存率が 70%以上の場合を A、 2点が 70 %未満の場合を B、 全ての濃度で 70 %未満の場合を Cとした。
②熱堅牢性については、 80°C1 5%RHの条件下に 10日間、 試料を保存する 前後での濃度を、 反射濃度計 (X— R i t e 3 10TR) にて測定し染料残存率 を求め評価した。 染料残像率について反射濃度が 1, 1. 5, 2の 3点にて評価 し、 いずれの濃度でも染料残存率が 90%以上の場合を A、 2点が 90%未満の 場合を B、 全ての濃度で 90 %未満の場合を Cとした。
③オゾン (03) 耐性については、 前記画像を形成したフォト光沢紙を、 オゾン ガス濃度が 0. 5 p pmに設定されたボックス内に 7日間放置し、 オゾンガス下 放置前後の画像濃度を反射濃度計 (X— R i t e 3 1 OTR) を用いて測定し、 色素残存率として評価した。 尚、 前記反射濃度は、 1、 1. 5及び 2. 0の 3点 で測定した。 ボックス内のオゾンガス濃度は、 AP P L I C S製オゾンガスモニ ター (モデル: OZG— EM—01) を用いて設定した。
何れの濃度でも色素残存率が 80 %以上の場合を A、 1又は 2点が 80 %未満 を B、 全ての濃度で 70%未満の場合を Cとして、 三段階で評価した。
得られた結果を表 2に示す。
表 2
上表の結果から、 本発明のインクセットを使用した系ではすべての性能を満足 し、 比較例に対して勝っていることがわかった。 また、 吐出性比較の実験を、 ィ
103
TJP03/01127 ンクカートリッジを 40°C80°/0RHの条件下、 6週間保存後に行ったところ、 LM- 1 08、 M— 108および LM— 1 09、 M- 10 9を用いた系は吐出性 が Aランクのままであつたが、 それ以外は吐出性が Cランクとなった。 このこと からも、本発明において、構造の異なる防腐剤を 2種以上含有させることにより、 経時後における吐出安定性が更に向上することが明らかである。
また、 本発明のインクは、 E P SON社 PM— 950 Cのインクと同等の色相 が得られた。
また、 実施例 1においてマゼンタ染料 (a - 36) に代えて一般式 (1) で表 される他の染料を用いて調製した本発明のインクも、実施例 1と同様の耐候性(光、 熱、 およびオゾン堅牢性) 、 吐出安定性及ぴ色相の効果が得られた。
(実施例 2 )
下記の成分に脱イオン水を加え 1リツターとした後、 30〜40°Cで加熱しな がら 1時間撹拌した。 その後、 平均孔径 0. 25 Atmのミクロフィルターで減圧 濾過してライトシアン用インク液 (LC-101) を調製した。
〔ライ トシアンインク(LC- 101)処方〕
(固形分)
本発明のシアン色素 (154) 17.5g/l 尿素 37g/l
(液体成分)
ジエチレングリ コーノレ 50g/l グリセリン 30g/l トリエチレングリコーノレモノプチノレエーテグレ 30g/l トリエタノールァミン 6.9g/l サ一ブイノール STG lOg/1 トリエタノールァミン(TEA) 6.9g/l サーフィノーノレ STG (SW) lOg/1 さらに上記処方でシアン色素(154)を 68gに増量したシアン用インク液(C - 101) を調製した。
(C-101)処方〕
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(固形分)
本発明のシアン色素 (154) 68g/l
37g/l
(液体成分)
ジエチレングリコール 50g/l グリセリン 30g/l トリエチレングリコールモノプチルエーテル 30g/l トリエ夕ノールアミン 6.9g/l サ一フィノール STG lOg/1 ここで使用したシアン色素 (154)の酸化電位は、 1. 0V (vs SCE) よ り貴である。
上記インク(LC-101)と(C- 101)に対して、下記表— Aの通りに添加物を加えた以 外は全く同じ組成のィンク(LC-102)〜(LC- 109)及び (C-102)〜(C- 109)をそれそれ 作製した。
表一 A
105 差替え用紙
これらのィンクを EPSON社製ィンクジエツトプリン夕ー PM-950Cのシアンィン ク-ライ トシアンインクのカートリッジに装填し、その他の色のィンクは PM-950C のインクを用いて、 濃度の異なる各色の画像を印字させた。 受像シートは富士写 真フィルム (株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙 E Xに画像を印刷し、 ィンクの吐出性と画像堅牢性の評価を実施例 1と同様に行った。 ' 得られた結果を表— Bに示す。
表一 B
表一 Bの結果から、 本発明のインクセットを使用した系ではすべての性能を満 足し、 比較例に比して優れていることがわかった。
また、吐出性比較の実験を、ィンクカートリッジを 4 0 °C 8 0 % R Hの条件下、 6週間保存後に行ったところ、ィンク(LM-108)、 (M-108)および (LM-109)、 (M-109) を用いた系は吐出性が Aランクのままであつたが、 それ以外は吐出性が Cランク となった。 このことからも、 本発明において、 構造の異なる防腐剤を 2種以上含 有させることにより、 経時後における吐出安定性が更に向上することが明らかで ある。
106
差替え用紙(繊
産業上の利用可能性
本発明によれば、 取り扱い性、 臭気、 安全性などの点から有利な水性インクに おいて、 色相も良好で、 長期間の経時後も吐出安定性に優れ、 かつ耐候性に優れ るインクジエツ ト記録用ィンクを提供することができる。
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