明細書 アレルギー疾患治療剤 技術分野
本発明は、 カンナビノィドレセプ夕一調節物質の新規用途に関する。 より詳しくは、 カンナピノイ ドレセプター、 特に末梢細胞型レセプター (CB2とも言う。) に選択的に作用する調節物質のアレルギー疾患治療剤 としての用途に関する。 また、 N— (ベンゾ [ 1 , 3 ] ジォキソールー 5 —ィルメチル) — 7—メトキシー 2 _ォキソ一 8 —ペンチルォキシー 1, 2—ジヒドロキノリン一 3 —力ルポキサミ ド又はその医薬上許容さ れる塩のアレルギー疾患治療剤としての新規用途に関する。 背景技術
ぐ大麻及びカンナピノイドについて >
大麻は古代から鎮痛、 解熱、 催眠等に用いられ、 薬として利用されて きた。 日本では、 1 886-1951 年まで薬局方に印度大麻として収載され、 鎮痛 ·麻酔剤として使用された。 また、 アメリカ合衆国では、 1 850-1 94 2 年まで薬局方でリウマチ、 喘息、 扁桃炎などの薬として大麻のアルコ —ル溶剤が認められていた。
一方、大麻あるいはその精神作用発現の主要成分と考えられる Δ 9—テ トラヒドロカンナビノール (THC) は、 視覚 ·聴覚の異常、 時間 ·空間的 認知の異常、 被暗示性の増大、 思考能力 · 自¾性の低下ならび記憶障害 を誘発し、 精神機能に著明な変化を起こすことが知られる。 その他の薬 理作用も極めて多様であり運動失調、 被刺激性の増大、 体温低下、 呼吸 抑制、 心拍数増大、 力タレプシー惹起作用、 血圧上昇、 血管拡張作用、
免疫抑制作用、 ロ渴等が報告されており、 現在では、 その使用に制限が 設けられている。
大麻に含まれる一連の幻覚発現物質はカンノビノィドと総称され、 現 在、 THCをはじめと 60種以上のカンナピノィドが見出されている。
天然のカンナビノィドよりも強力な種々の人工的リガンドが開発され、 そのレセプターが探索された。 結果、 1 988年にラット脳の膜成分にカン ナビノィ ドレセプターの存在が示され、 その後 1991年にはヒト cDNAが クロ一エングされた。 一方、 それと 44 %の相同性を有する蛋白質が、 ヒ 卜前骨髄性白血病細胞 HL 60から見出され、 その後、脾臓などの末梢組織 で分布することが確認された。 1 993年、 脳の受容体を CB 1、 末梢組織に 見出される受容体を CB2と呼ぶことが Munr o らによって提唱され、 現在 はこの名称が一般に使われている。
CB 1 の体内分布は脳以外に、 ヒト精巣、 ヒト前立腺 ·卵巣 ·子宮 ·骨 髄 · 胸腺 ·扁桃 ·下垂体 ·副腎 ·心 ·肺 · 胃 ·大腸 ·胆管 · 白血球など の多くの組織で探知されているがそのレベルは脳よりもはるかに低い。 これに対し CB2はラット脳には存在せずに脾の辺縁帯の単球に見出され た。 ヒトの脾 · 白血球 ·扁桃 ·胸腺 ·滕では、 CB2 は CB 1 よりはるかに 高いレベルで存在する。
受容体の 2つのサブタイプ (CB 1 と CB 2) の実体と、 ァナンダミド、 1 -ァラキドノィルグリセロール等の内因性リガンドの存在が確認され、そ の生理的役割についての検討がなされた。 その結果、 CB2 が T細胞及び B細胞の増殖を抑えてアポトーシスを誘導し免疫抑制作用を示すこと、 C B 1 欠損のノックアウトマウス はカンナビノィド投与で見られる中枢 作用が示されないこと、 CB2 欠損のノックアウトマウスではカンナピノ ィ ドによるヘルパー T細胞活性化抑制がみられないこと等様々な知見が 得られつつある。
現在、 これらの知見から CB1 と CB2の分布と機能の違いを考え、 それ ぞれに特異的なァゴニスト、 アンタゴニスト、 或いはインバースァゴニ ストの医薬品への応用が試みられている。 CB1 と関連してパーキンソン 病、 アルツハイマー病、 記憶障害、 老人性痴呆、 多発性硬化症、 食欲減 退、 疼痛など、 CB2 関連として免疫疾患、 リウマチ、 炎症などが、 創薬 開発の対象として考えられている。 中でも、 CB2 に選択的に作用する薬 剤、 すなわち末梢細胞型 (末梢型、 末梢性とも言う。) カンナピノィ ドレ セプタ一に選択的な調節物質は、 中枢作用を示さない安全な薬剤として 期待されている。 ここで、 カンナピノイドが極めて低濃度で CB1への中 枢作用を示すことから、 CB2選択的調節物質の中でも、 より CB1 作用が 少ないことが望まれる。
なお、 現在、 非選択的カンナビノィ ドレセプ夕一リガンドとして、 Δ 9 — THC、 CP55940、 WIN55212 - 2、 HU- 243、 HU- 210等が、 CB1選択的リガン ドとして、 SR141716A、 LY320135, ァラキドノィル- 2' -クロ口ェチルアミ ド、 CP56667等が、 CB2選択的リガンドとして、 SR144528、 AM630、 HU-3 08、 〗WH- 051、 L- 768242 等が知られている (例えば、 非特許文献 1及び 非特許文献 2参照。)。 くアレルギーについて >
ここで、 アレルギー疾患、 特にアレルギー性皮膚炎及びアレルギー性 喘息について説明をする。
アレルギーとは、 抗原抗体反応に基づく生体の過敏性の反応として認 識され、 単球 - マクロファージ ·好中球のなどの集積を特徴と'する通常 の炎症反応とは異なり、 アレルギー反応では、 好酸球 ·好塩基球 ·肥満 細胞の寄与するところが大きい。
アレルギー反応は、 現在、 一般的に 4つの型に分類され、 生体ではこ
れら 4つの反応が互いに独立して起こるのではなく、 いくつかの型の反 応が同時に起こっていることもある。
抗原 (アレルゲン) が体内に侵入すると、 まずマクロファージ等の抗 原提示細胞に取り込まれる。 抗原提示細胞は、 取り込んだ抗原の情報を T細胞に伝える。 さらに T細胞は B細胞に対して抗原特異的 IgE抗体を 作るように命じる。 IgE 抗体は肥満細胞と結合し、 これにより肥満細胞 は感作状態となる。
再び抗原が侵入し、 肥満細胞上の IgE抗体と抗原とが結合すると、 肥 満細胞からヒスタミン、 好酸球走化因子、 ロイコトリェンなどの様々な 化学伝達物質ゃィンターロイキンなどのサイトカインが放出される。 例えば、化学伝達物質が気管支に作用すれば、気管支平滑筋が収縮し、 粘膜の腫れ、 痰の分泌などによって気道が狭くなり喘息発作を起こす。 皮膚に作用すると炎症や腫れ、 痒みが起き、 蓴麻疹等の皮膚疾患を起こ す。 鼻の粘膜に作用すると血管透過性が亢進し、 血液中の水分が集まり 鼻粘膜が腫れて鼻づまりを起こしたり、 神経刺激によってクシャミ、 鼻 汁が大量に出るァレルギ一性鼻炎をもたらす。 消化管でこの反応が起こ ると腸の平滑筋が収縮して腸の動き (蠕動) が異常に高まり、 腹痛、 嘔 吐、 下痢などの消化管アレルギーをもたらす。
この反応は抗原が侵入して 30分以内におこるため、即時型アレルギー 反応或いは I型アレルギー反応と言われる。 通常、 即時型反応は 1時間 ほどで収まる。 代表的な疾患としてはアナフィラキシー、 アレルギー性 鼻炎、 花粉症、 蓴麻疹、 アレルギー性胃腸症等が挙げられる。
しかし、 数時間から数日後には肥満細胞から放出された好酸球走化因 子やサイトカインに引き寄せられて、 毒性の強い化学物質を持つ好酸球 がアレルギー反応の部位に集まり、 化学物質を放出して組織障害を引き 起こす。 これを 「遅発型アレルギー反応」 という。 この反応が気管支で
起これば粘膜上皮が剥離して、 抗原がさらに容易に侵入できるようにな り、 アレルギ一反応が長引き、 気道の過敏性が亢進し、 喘息が難治化す る。 これを遅発型喘息反応という。 例えば、 この遅発型反応は、 喘息に おいては主に 4一 8時間後であり、 アトピー性皮膚炎においては主に 12 一 48時間後に起こる。
I I型アレルギー反応は細胞溶解型ともいわれ、抗原に結合した IgMま たは I gG抗体に補体が作用し、 細胞膜に穴を開けて細胞を溶かす反応で ある。 これとは別に抗体の結合をうけた細胞にマクロファージゃキラー 細胞が作用して傷害物質を放出し、 細胞や組織を破壊する反応もある。 代表的な疾患として溶血性貧血、 血小板減少性紫斑病、 重症筋無力症、 グッドパスチェア症候群などが挙げられる。
I I I型アレルギー反応は、 抗原と抗体 (I gG抗体) が結合した抗原抗体 複合体が食細胞に処理されきれずに組織に沈着し、 そこへ補体やマクロ ファージ、 好中球が集まって炎症を起こし、 組織を障害する。 代表的な 疾患として溶連菌による急性糸球体腎炎、 関節リウマチや膠原病、 血清 病、 ウィルス性肝炎、 アレルギー性肺胞炎などが挙げられる。
IV型アレルギー反応は、 1一 3型と異なり抗体は関与しない。感作が成 立した状態で再度抗原が侵入すると、 T細胞はサイトカインを放出して、 リンパ球、 好中球、 マクロファージなどの免疫細胞を遊走し抗原を破壌 するが、 同時に炎症を起こし組織破壊を引き起こす。 侵入した抗原が細 胞であれば、 キラー T細胞が抗原を破壊する。 反応が完了するのには通 常 1一 2日かかり、 「遅延型アレルギー反応」 とも呼ばれる。 ッベルクリ ン反応、 結核病変、 臓器移植後の抱絶反応、 うるしかぶれ、 化粧品かぶ れ等の皮膚炎などは IV型アレルギー反応である。
アレルギー性喘息、 アトピー性皮膚炎、 アレルギー性鼻炎およびァレ ルギ一性結膜炎などの一般的アレルギー疾患の急性症状は、 大部分が即
時型反応であるとされてきた。 しかし近年、 アレルギー性喘息は一過性 の即時型過敏症ではなく、 慢性炎症に本体があるとの認識がなされてき た。
喘息にはアレルゲンにより誘発される 「アレルギー性喘息」 と、 特定 アレルゲンによらず、 寒冷、 運動、 等に誘発される非アレルギー性喘息 が知られる。
「喘息」 すなわち 「気管支喘息」 は、 かって可逆性の気流制限 (気道 閉塞) と気道の過敏性が特徴とされていたが、 喘息の気道には、 気道上 皮の剥離、 基底膜直下の繊維化 (基底膜部の肥厚)、 好酸球の集簇を特徴 とする慢性の炎症が存在することが明らかになり、 今日では慢性炎症性 疾患と認識されている。 気道炎症には、 好酸球、 T細胞、 肥満細胞など 多くの炎症細胞が関与すると見られ、 即時型反応では肥満細胞、 遅発型 反応では好酸球、 遅延型反応では好酸球及び CD4陽性ヘルパー T細胞の 関与が重要と考えられる。
抗喘息薬は、 可逆的気道閉塞に対する気管支拡張薬中心の治療から、 慢性炎症に対する抗炎症薬中心の治療へと移行してきた。 発作時の治療 としては、 その症状に応じ、 短時間作用性 i3 2刺激薬、 短時間作用性テ オフイリン薬、 吸入抗コリン薬、 注射 ·経口ステロイド剤等が用いられ る。 また、 長期管理に際しては、 吸入 ·経口ステロイド薬、 除放性テオ フィリン薬、 長期作用性 /3 2刺激薬の他、 抗アレルギー剤 (メディエー ター遊離抑制薬、 ヒスタミン ^拮抗薬、 ロイコトリェン拮抗薬、 トロン ポキサン A2阻害'拮抗薬、 Th 2サイトカイン阻害薬)が用いられている。 しかし、ステロイ ド^に見られる副腎機能抑制等の副作用、ステロイド、 ロイコトリェン拮抗薬等の効果の低い症状 (抵抗性) も知られ、 更なる 抗喘息薬が期待されている。
ァトピー性喘息あるいはァトピー性皮膚炎は、 家族歴あるいは既往歴
でアレルギー疾患を認める症状である。 アトピー型の喘息、 皮膚炎は小 児に多いこともあり、 特により副作用の少ない治療薬が望まれる。
「『アトピー性皮膚炎』 は、 増悪 ·寛解を繰り返す、 搔痒のある湿疹を 主病変とする疾患であり、 患者の多くはァトピー素因を持つ。
アトピー素因: (1 ) 家族歴、 既往歴(気管支喘息、 アレルギー性鼻炎、 結膜炎、 アトピー性皮膚炎のうちいずれか、 或いは複数の疾患)、 または ( 2) IgE抗体を産生しやすい素因」 と定義され、 他の炎症性皮膚疾患と は区別される。
症状として皮膚の過敏性および乾燥を有し、 特徴的な皮疹 (紅斑、 丘 疹、 痂皮、 鱗屑、 笞癬化病変、 痒疹等) は、 慢性 ·反復性経過をたどる。 また、 力ポジ水痘用発疹症、 ウィルス感染症 (単純へルぺスウィルス感 染症等)、 膿痂疹、 伝染性軟属種 (白内障、 網膜剥離等) 等の合併症を引 き起こす。
アトピー性皮膚炎でもまた、 その病変には、 IgE '肥満細胞による即時 型 ·遅発型アレルギー反応に加え、 ランゲルハンス細胞 · T 細胞による 遅延型アレルギー反応が係わると考えられる。
その治療には、 食物 ·ダニ等の原因 ·増悪因子の除去、 スキンケア (皮 膚を清潔に保つ、 皮膚の乾燥を防ぐため保湿剤を用いる等) とあわせ、 症状に応じて薬物療法が用いられる。
搔痒に対しては抗ヒスタミン剤が用いられるが、 その効果は蓴麻疹の 場合とは異なり顕著ではない。
炎症に対しては原則としてステロイ ド外用剤が用いられる。 補助的に 抗ヒズ夕ミン剤あるいは ¾アレルギ一剤の内服薬が用いられるが、 それ らのみで皮膚炎をコントロールすることは困難とされる。 一般的にァト ピ一性皮膚炎は難治であり、 副作用からステロイド剤を忌避する声も多 いため、 新薬の開発が望まれている。 近年、 免疫抑制剤の夕クロリムス
軟膏剤が用いられ効果を上げているものの、 これもその副作用が懸念さ れ、 使用に制限が設けられている。 また、 皮膚疾患部の損傷が激しく外 用が困難である症状、 顔 ·粘膜等もともと表皮が薄く敏感な箇所におこ る症状、 表皮の内層部 ·体の広範囲に及ぶ疾患の治療等のため、 取扱い が容易で安全な経口剤の開発も望まれている。
本出願人の出願に係る特開 2 0 0 0— 2 5 6 3 2 3号 (WO 0 0/4 0 5 6 2) には、 カンナビノィドレセプタ一調節物質として下記一般式 で表される 2—ォキソキノリン化合物が開示されている。
(式中、 各記号は前述の通り。)
また、その例として 2—才キソキノリン化合物として N—(ベンゾ[ 1 , 3] ジォキソール— 5—ィルメチル) — 7—メトキシ一 2—ォキソ— 8 一ペンチルォキシー 1 , 2—ジヒドロキノリン _ 3—力ルポキサミ ド(以 下、 化合物 Aという。) 等が開示されている。
化合物 A
また、 同公報には, カンナピノイドレセプ夕一調節物質の利用につい て、 「末梢細胞型レセプ夕一、例えばマクロファ一ジ上のレセプ夕一の発 見 (非特許文献 6参照) によって、 免疫反応を調節することにより、 抗 炎症作用、抗アレルギー作用を有し、もとより免疫調節作用を併せ持つ、
末梢細胞型レセプターのァゴニス卜の開発が進められている。」 こと、 「末梢細胞型カンナビノィドレセプ夕一に選択的に作用する薬剤は、 副 作用となる体温低下、 力タレプシ一等の中枢作用を示さない、 安全な薬 剤となり得るため、 特に、 末梢細胞型レセプ夕一選択的調節剤の開発が 期待されている。」 こと、 及び 「カンナピノィ ドレセプ夕一 (特に末梢型 カンナビノィ ドレセプ夕一)調節剤、免疫調節剤、自己免疫疾患治療剤、 抗炎症剤及び抗アレルギー剤として有用である。」 旨が記載されている。 加えて、 同公報には、 薬理試験として、 末梢細胞型カンナビノィ ドレ セプ夕一 (CB2) に対する選択的結合試験、 力ラゲニン誘発足浮腫モデル 試験、 及び、 ラットタウロコール滕炎モデルによる炎症及び出血の抑制 試験について記載されている (特許文献 1参照。)。
しかし、 当該公報には抗炎症作用についての具体的な開示が見られる ものの、 アレルギー疾患に対する効果は立証されていない。 ましてや、 ァトピ一性皮膚炎 · アレルギー性喘息への効果については記されていな い。
また、先行文献には上記化合物 A及び下記 SR144528が CB2選択的リガ ンドであること、 及び、 それらが CB2インパースァゴニストとして作用 することが記載されている。 詳しくは、 CB2発現 CH0細胞において、 化 合物 A及び下記 SR144528が、アデ二ル酸シクラ一ゼ活性化剤であるフォ ルスコリンの刺激による環状アデノシン一リン酸 (cAMP) 産生を、 増加 させること、 すなわち、化合物 A及び SR144528が CB2ィンパースァゴニ ストとして作用することが記載されている。 当文献では同試験において THCが cAMP産生を低減'させるという一般的な知見についても併記し'てい る (非特許文献 3参照)。
0—
SR144528
既知のいくつかの特許公報 (或いは文献) には、 カンナピノイ ド調節 物質の抗アレルギー効果についての記載が見られる。
特開昭 5 2— 1 1 3 9 7 6号 (US 4 1 7 9 5 1 7号) には、 TH C 誘導体の喘息発作の予防効果について記載されており、 適応症として喘 息、 アレルギー等が記載されている (特許文献 2参照)。
特表 20 0 2— 5 1 14 1 1号 (WO 9 9 5 2 5 24号) には、 力 ンナビジオール等の力ンナビノィドが、 喘息等の炎症性疾患の治療に用 いられることが示されている。 しかし、 カンナビジオールは CB1 と CB2 には結合をしないとする文献が引用されている (特許文献 3参照)。
WO 0 1 /642 1 2号には、 カンナビノィド調節物質が、 好ましく は CB1ァゴニストが、 筋疾患、 例えば喘息、 気管支炎等の治療に用いら れることが示されている (特許文献 4参照)。
WO 0 1ノ 9 5 8 9 9号には、 ァラキドン酸誘発耳浮腫に対するカン ナビジオール誘導体の抗炎症作用が記載されている (特許文献 5参照)。
WO 0 1 /8 9 5 8 9号には、 カンナビノィ ドを局所投与することに より末梢細胞に存在する CB1 レセプ夕一を調節し、 咳を改善 (ameliora te) する方法が記されている (特許文献 6参照)。 '
WO 00Z 1 6 7 5 6号には、 カンナビノィド調節物質が開示され、 適応症として皮膚疾患 (アトピー性皮膚炎等)、 呼吸器疾患 (喘息等)、 アレルギー性鼻炎等が述べられている。 しかし、 該化合物が、 CB1 選択
的であること、 末梢細胞に存在する CB1 レセプターを調節することが述 ぺられている (特許文献 7参照)。
特表平 8— 5 041 9 5号 (W094/1 246 6号) には、 カンナ ピノイ ドレセプ夕一に対するリガンドが、 抗炎症、 抗喘息等に活性を示 すことが記載されている (特許文献 8参照)。
特開平 6— 7 3 0 1 4号 (US 5 6 2494 1号) 及び特開平 7— 3 240 7 6号 (US 546 2 9 6 0号) には、 カンナビノィドレセプ夕 一に対するリガンドが、 胸腺障害、 喘息、 免疫調節等の治療に使用され 得ることが記載されている (特許文献 9及び特許文献 1 0参照)。
WO 0 1 / 9 8 28 9号には、 Δ 6テトラヒドロカンナビノールタイ プの化合物が、 炎症、 喘息 ·慢性閉塞性肺疾患等の肺疾患、 自己免疫疾 患等の治療に使用され得ることが記載されている。しかし、その作用は、 Nメチル Dァスパラギン酸受容体の遮断と抗酸化活性に加えて、 プロス タグランジン合成阻害、 腫瘍壌死因子産生阻害、 シクロォキゲナーゼ阻 害、 一酸化窒素産生阻害によるものであることが記載されている (特許 文献 1 1参照)。
WO 0 2Z2 6 70 2号には、 カンナピノイ ドレセプター調節物質、 特にァゴニストが、 喘息、 アレルギー、 皮膚疾患等に有効であることが 記載されている (特許文献 1 2参照)。
WO 0 1 Z 8 7 29 7号には、 CB1 調節物質が、 乾癬の様な皮膚壊死 等の治療に用いられることが記載されている (特許文献 1 3参照)。
WO 0 2 42 248号には、 カンナピノイ ドレセプター結合剤、 特 に CB1ァゴニストが、 喘息、 鼻炎、 炎症性皮膚疾患に使用されることが 記載されている (特許文献 14参照)。
W〇 0 2 / 47 6 9 1号には、 カンナビノィ ドレセプタ一ァゴ二スト が、 炎症等の治療に用いられることが記載されている (特許文献 1 5参
照)。
しかし、 これら公報には、 該化合物がアレルギー疾患の治療効果を示 すことを実証するデータが開示されていないばかりか、 該化合物が CB2 に選択的に作用することも述べられておらず、 それを示唆する記載も見 られない。
また、 いくつかの公報には CB2選択的なカンナビノィド調節物質によ る薬理作用について記載が見られる。
特表 1 1— 5 0 04 1 1号 (WO 9 6Z 1 8 3 9 1号) には、 CB2 調 節物質が、 免疫系障害、 慢性呼吸器障害 (喘息等) 等の治療に用いられ ることが示されている。 また、 マストセル、 非免疫セル (例えば、 小脳 顆粒、 小脳、 心臓) に CB2が発現することを見出した旨が記載されてい る (特許文献 1 6参照)。
特表 1 1一 5 0 1 6 1 5号 (WO 9 6Z 1 8 6 0 0号) には、 CB2 調 節物質が、 自己免疫疾患、 慢性炎症、 呼吸器障害 (喘息等) 等の治療に 用いられることが示ざれている (特許文献 1 7参照)。
特表 1 0— 5 0 8 8 7 0号 (WO 9 6 Z 2 5 3 9 7号) には、 CB2 調 節物質が、 肺障害 (喘息、 慢性気管支炎等)、 アレルギー性反応 (鼻炎、 接触性皮膚炎、 結膜炎等)、免疫系障害の治療に用いられることが示され ている (特許文献 1 8参照)。
特表平 1 1— 5 0 7 9 3 7号 (US 6 0 1 3 648) には、 CB2 作用 薬が開示されており、 該作用薬の適応症として、 自己免疫疾患、 感染性 疾患、 アレルギー疾患 (具体的には、 急性過敏症、 喘息) が記載されて いる。 しかし、 該作用寧は CB2に対し選択性を有するが、 フオルスコリ ン刺激による c AMP産生を抑制する旨が記載されている (特許文献 1 9参照)。
特表 2 00 0— 5 0 2 0 8 0号 (U S 5 9 2 5 7 6 8号) には、 CB2
受容体への親和性を有する化合物が開示されており、 適応症として免疫 疾患、 例えばアレルギー疾患 (即時型過敏症又は喘息) 等が記載されて いる。 しかし、 該化合物が CB2受容体アン夕ゴニストであることが記載 されている (特許文献 2 0参照)。
特表 20 0 1 - 5 0 8 7 9 9号 (\¥098/ 3 1 2 2 7号) には、 CB 2 調節物質、 特にアン夕ゴニストが、 免疫疾患、 炎症等の治療に用いら れることが示されている (特許文献 2 1参照)。
特表 20 0 1— 5 1 6 3 6 1号 (WO 98/4 1 5 1 9号) には、 CB 2 調節物質、 特にァゴニストが、 免疫疾患、 炎症等の治療に用いられる ことが示されている (特許文献 2 2参照)。
特表 2 0 0 1— 5 1 547 0号 (US 62 6 2 1 1 2号) には、 力ン ナビノイドァゴニスト、 特に CB1ァゴニストが、 アレルギー性疾患、 喘 息、 炎症性及び/又は免疫学原因の皮膚疾患等の治療に有効であること が記載されている。 また、 当該化合物のいくつかは CB2に有効であるこ とが記載されている (特許文献 2 3参照)。
WO 9 9/5 7 1 0 7号には、 CB2 選択的調節物質が、 抗炎症、 免疫 調節に用いられることが示されている (特許文献 24参照)。
特表 2 0 0 2— 5 2 3 3 9 5号 (WO 00Z 1 0 9 6 7号) 及び特表 2 0 0 2— 5 2 3 3 9 6号 (WO 0 0Z 1 0 9 6 8号) には、 CB1 ァゴ 二スト、 CB2 ァゴニストが、 それぞれ皮膚疾患等の治療に用いられるこ とが示されている (特許文献 2 5及び特許文献 2 6参照)。
特表 2 0 0 2— 5 3 9 246号 (WO 0 0 / 5 6 3 0 3号) には、 CB 2 選択的テゴニストが、 免疫疾患の治療に用いられるヒとが示されてい る (特許文献 27参照)。
WO 0 1 /40 8 3号には、 CB2選択的調節物質、特にァゴニス卜が、 炎症、 免疫性疾患、 例えばアトピー性皮膚炎、 アレルギー性皮膚炎、 喘
息等の治療に用いられることが示されている。 しかし、 該化は c AMP 上昇を抑制する旨が記載されている。 (特許文献 2 8参照)。
WO 0 1 / 1 9 8 0 7号には、 CB2 選択的調節物質、 特にァゴニス卜 が、 抗炎症、 免疫抑制作用を有することが記載されており、 ヒッジ赤血 球誘発遅延型過敏反応モデル実験による試験結果が記載されている。 し かし、該化合物は c AMP上昇を抑制する旨が記載されている。 (特許文 献 2 9参照)。
WO 0 1/ 2 9 0 0 7号には、 カンナビノィド調製物質が、 抗炎症、 免疫系の調節等に用いられることが示されている。 該化合物のいくつか はアン夕ゴニストであり、 その他がァゴニストであることが記載され、 また、 バインディングアツセィの結果により CB2選択的な調節物質も示 されている (特許文献 3 0参照)。
WO 0 1 / 2 849 7号には、 CB2 選択的調節物質、 特にァゴニスト が、 抗炎症作用等を有することが示されている (特許文献 3 1参照)。
WO 0 1/ 3 2 1 6 9号には、 CB2 選択的ァゴニストが、 抗炎症、 自 己免疫疾患等の治療に用いられることが示されている (特許文献 3 2参 照)。
WO 0 1X 2 8 3 2 9号には、 CB2 選択的調節物質が、 抗炎症、 自己 免疫疾患等の治療に用いられることが示されている(特許文献 3 3参照) c WO 0 1Z 2 8 5 5 7号には、カンナビノィ ドレセプ夕一調節物質が、 抗炎症、 自己免疫疾患等の治療に用いられることが示されており、 該化 合物のうちいくつかは CB2選択的な調節物質である試験データが開示さ れている (特許文献 34参照)。 '
WO 0 1 / 3 2 6 2 9号には、 CB2 アンタゴニス卜が、 抗炎症、 免疫 疾患等の治療に用いられることが示されている (特許文献 3 5参照)。
WO 0 1 / 5 8 8 6 9号には、 CBァゴニスト、特に CB2ァゴニストが、
呼吸器疾患特に、 喘息、 気管支炎等の治療に用いられることが示されて いる。 また、 該ァゴ二ストが肺上皮細胞からのムチン産生を抑制するこ とが記載されている (特許文献 3 6参照)。
WO 0 1 9 6 3 3.0号には、 CB2 に結合する化合物が開示され、 適 応症として、 呼吸器疾患、 例えば喘息,気管支炎等、 炎症性疾患等が挙 げられている (特許文献 3 7参照)。
WO 0 2 / 1 0 1 3 5号には、 CB2 ァゴニストが、 喘息、 鼻ァレルギ 一、 アトピー性皮膚炎、 自己免疫疾患等の治療に有効であることが記載 されている。 また、 該化合物が c AMP産生を抑制することをしめす試 験結果が示されている (特許文献 3 8参照)。
WO 0 2/42 2 6 9号には、 CB2 ァゴニス卜が、 乾癬等の免疫系疾 患、 過敏症 ·喘息 · アレルギー性鼻炎、 接触性皮膚炎等のアレルギー性 疾患、 関節炎等の炎症性疾患等の治療に有効であることが記載されてい る (特許文献 39参照)。
WO 0 2 / 5 8 6 3 6号には、 力ンナビ様化合物、 特に CB2選択的化 合物が、 抗炎症、 免疫系の調節等に用いられることが記載されている。 また、 該化合物が c AMP産生を抑制するァゴニストであることが記載 されている (特許文献 40参照)。
WO 0 2/6 0447号には、 CB1選択的調節物質、 CB2選択的調節物 質が記載されている。 また、 CB2 選択的調節物質、 特にアンタゴニスト が、 抗炎症、 免疫系の調節等に用いられることが記載されている (特許 文献 4 1参照)。
WO 0 2/ 5 3 543 には、 CB2 親和性化合物が、 抗炎症剤、 免疫 抑制剤等として用いられることが示されている。 また、 フオルスコリン 刺激による c AMP生成量を測定し、 いくつかの化合物がァゴニスト作 用を示すこと、 及び、 ヒッジ赤血球誘発遅延型過敏反応モデルを用いた
試験方法を記載している (特許文献 4 2参照)。
W O 0 2 / 7 2 5 6 2号には、 CB2親和性化合物、特にァゴニストが、 抗炎症剤、 免疫抑制剤等として用いられることが示されている。 また、 フオルスコリン刺激による c A M P生成量を測定し、 いくつかの化合物 がァゴニスト作用を示すこと、 及び、 ヒッジ赤血球誘発遅延型過敏反応 モデルを用いた試験方法を記載している (特許文献 4 3参照)。
W O 0 2 / 6 2 7 5 0号には、 カンナビノィド調節物質、 特に CB2に 結合する化合物が、 アトピー性皮膚炎、 アレルギー、 喘息、 慢性閉塞性 肺疾患、 気管支炎等の治療に有効であることが記載されている (特許文 献 4 4参照)。
W O 0 2 / 8 5 8 6 6号には、 CB2 選択的ァゴニス卜が、 痛みの治療 に有効であることが記載されている (特許文献 4 5参照)。
これら公報には、 該化合物がァレルギ一疾患の治療効果を示すことを 実証するデータが開示されていないばかりか、 アレルギー性皮膚炎、 ァ トピー性皮膚炎、ァレルギ一性喘息、即時型喘息反応、遅発型喘息反応、 気道過敏症に有効であるというデータも開示されてはいない。 また、 CB 2 ィンバースァゴニスト作用によって治療効果を示すことも示されてお らず、 それを示唆する記載も見られない。
しかし当該公報或いは文献には、カンナビノィドレセプタ一調節物質、 特に CB2選択的な調節物質、特に CB2選択的なィンバースァゴニストが、 アレルギー疾患に有効であるとする確固たる論拠も実証もみられない。 更には、 それら調節物質がアレルギ一性皮膚炎、 アトピー性皮膚炎、 ァ レルギ一性 i¾息、 即時型 I 息反応、 遅発型喘息反応、 ^道過敏症に有効 であるという記載も見られない。
このように、 カンナピノイドレセプターへの作用と病理との関係につ いての知見は様々であり、 特に CB2選択的な調節物質の臨床への応用に
ついて、 ァゴニストであるべきか、 アンタゴニストであるべきか、 或い はィンバ一スァゴニストであるべきかの統一した見解は得られていない。
これら事情の下、 抗アレルギー剤として用いられるカンナビノィ ド調 節剤は、 今だ開発されるに至っていない。
なお、 本発明者らは、 本出願に係る薬理作用を評価するに際し、 抗ァ レルギ一効果の判断に有効な病態モデル動物として、 ァトピー性皮膚炎 類似の炎症を誘導させた DNFB誘発アレルギー性皮膚炎マウス(非特許文 献 4参照。)、 三相性 (即時相 ·遅発相,後遅発相) の皮膚炎を惹起させ た IgE依存性アレルギー性皮膚炎マウス (非特許文献 5参照。)等を使用 した。 これら病態モデルは抗アレルギー作用、 特にアトピー性皮膚炎の 薬理作用を評価するのに適したモデルとして用いられている。
【特許文献 1】
特開 20 0 0— 2 5 6 32 3号 (2 9頁実施例 3— 5、 及び、 6頁右 4 2行から 7頁左 1行、 6 5頁右 43行から 46行、 6 3頁左 1 6行から 6 5頁左 3 7行)
【特許文献 2】
特開昭 5 2— 1 1 3 9 7 6号 (3頁右下 1行から 4行、 8頁右上 1 2行 から 1 7行)
【特許文献 3】
特表 20 0 2— 5 1 1 4 1 1号 (6頁段落番号 0 0 0 5、 7頁段落番号 0 0 09)
【特許文献 4】
WO 0 1/642 1 2号 (4頁 1行から 2' 9行)
【特許文献 5】
WO 0 1ノ 9 5 8 9 9号 (2 0頁 7行から 2 3頁 2 3行)
【特許文献 6】
WO 01Z89589号 (2頁 15行から 4頁 2行、 図 2 B、 2 C) 【特許文献 7】
WO00Z16756号 (1 3頁 1 8行から 1 5頁 14行、 30頁 1 3 行から 32頁表、 43頁 4行から 44頁行)
【特許文献 8】
特表平 8— 504195号 ( 12頁表 Π、 16頁)
【特許文献 9】
特開平 6— 73014号 (6頁左 28行から 50行)
【特許文献 10】
特開平 7— 324076号 (8頁左 4行から 34行)
【特許文献 1 1】
WO 01Z98289号 (5頁下 1 3行から 7頁 1 1行、 12頁 7行か ら 1 3行)
【特許文献 12】
WO 02/26702号
【特許文献 1 3】
WO 01Z87297号(3頁 9行から 1 5行、 10頁 7行から 13行) 【特許文献 14】
WO 02Z42248号 ( 6頁下 5行から 7頁 20行、 12頁 14行か ら 1 7行)
【特許文献 1 5】
WO 02Z4769 1号( 2頁段落番号 0006、 3頁 4行から最終行)
【特許^:献 16】 '
特表 1 1一 50041 1号 (9頁 12行から 1 1頁 12行、 65頁 22 行から 67頁 6行)
【特許文献 17】
特表 1 1一 5 0.1 6 1 5号 ( 1 6頁 1 6行から 2 1行、 5 2頁 14行か ら 54頁 7行)
【特許文献 1 8】
特表 1 0— 5 0 3 8 7 0号 ( 1 3頁 1 1行から 1 2行、 34頁 7行から 22行)
【特許文献 1 9】
特表平 1 1— 5 0 7 9 3 7号 ( 1 3頁 1 0行から 2 2行、 6 6頁 1 4行 から 6 7頁 5行)
【特許文献 2 0】
特表 2 0 00— 5 02 0 8 0号 (42頁 1 9行から 44頁 2行)
【特許文献 2 1】
特表 2 0 0 1— 5 0 8 7 9 9号 ( 1 4頁 5行から 1 4行、 2 7頁 9行か ら 1 8行)
【特許文献 2 2】
特表 2 0 0 1— 5 1 6 3 6 1号 (6頁 1 8行 7頁 2行、 1 4頁 1 7行か ら 1 8行)
【特許文献 2 3】
特表 2 0 0 1— 5 1 547 0号 (86頁 7行から 8 7頁 1 4行)
【特許文献 24】
WO 9 9Z5 7 1 07号 ( 1頁 1行から 2頁 1 3行、 2 2頁表)
【特許文献 2 5】
特表 2 0 02— 5 2 3 3 9 5号 (6 5頁 9行から 6 6頁 2 0行)
【特許文献 2 6】
特表 2 0 02— 5 2 3 3 9 6号 (7 8頁下 3行から 80頁 8行)
【特許文献 2 7】
特表 2 0 0 2— 5 3 9 246号 (5 3頁 5行から 54頁 2 3頁、 64頁
下 9行から 65頁 5行)
【特許文献 28】
WO 01/4083号 (50頁 9行から 56頁 12行)
【特許文献.29】
WO 01 Z 1 9807号 ( 27頁 1 1行から 28頁 8行、 134頁下 7 行から 1 38頁最終行)
【特許文献 30】
WO 01 29007号 (4頁 6行から 25行、 8頁表 1 )
【特許文献 31】
WO 01 / 28497号 ( 1頁下 4行から 3頁 6行、 9頁 21行から 2 6行)
【特許文献 32】
WO0 1Z32 169号 (3頁 18行から 4頁最終行)
【特許文献 33】
WO01Z28329号 (2頁 1行から 3頁 14行)
【特許文献 34】
WO 01ノ 28557号 (2頁 5行から 5頁 15行、 7頁表)
【特許文献 35】
WO 01Z32629号
【特許文献 36】
WO01ノ 58869号 (2頁 1行から 8行、 44頁下 4行から 46頁 1 5行)
' 【特許文献 37】 . '
WO 0 1Z9 6330号 (7頁 27行から 8頁 9行、 56頁 9行から 2 9行)
【特許文献 38】
O 0 2/1 0 1 3 5号 (7 1頁 1 0行から 7 2頁 1 1行)
【特許文献 3 9】
O 02ノ 4226 9号
【特許文献 40】
O 0 2ノ 5 8 6 3 6号 ( 7頁 5行から 8頁 2 5行、 2 9頁 1 8行から 2 5行)
【特許文献 41】
WO 0 2ノ 6 0447号(6頁 1行から 7頁 2行、 8頁 7行から 1 7行、 9頁表 1 )
【特許文献 42】
WO 0 2Z5 3 54 3号 (8 5頁 4行から最終行、 2 7 8頁 4行から 2 8 1頁 1 5行)
【特許文献 43】
WO 0 2 /7 2 56 2号 (2 9頁 2 2行から 3 0頁 1 8行、 1 2 0頁 5 行から 1 2 3頁 1 9行)
【特許文献 44】
WO 0 2/6 2 7 5 0号 (3頁 14行から 4頁最終行)
【特許文献 45】
WO 0 2Z8 5 86 6号 ( 1頁 4行 8行、 8頁 3 1行から 9頁 3行) 【非特許文献 1】
山本尚三ら著, 生物と化学, v o l . 3 9, N o. 5, p p 2 9 3から
3 0 0, 20 0 1年
【非特許文献 2】 '
E x p a r t Op i n i o n o n Th e r a p e u t i c P a t e n t s , Vo l . 1 2, N o. 1 0, 147 5 - 1489, 2 0 0
2
【非特許文献 3】
Th e J o u r n a l o f P h a rma c o l o g y a n d E x p e r i me n t a l Th e r a p e u t i c s , v o l .2 9 6, N o. 2, p p 42 0から 42 5 (42 2頁表 1、 42 3頁表 3 ) 【非特許文献 4】
J a r n a 1 o f A l l e r g y C I i n i c a 1 I mm u n o 1 o g y , V o l . 1 0 0 , N o 6 , P a r t 2 , p p. 3 9 - 4, D e c . 1 9 9 7
【非特許文献 5】
P h a rma c o l o g y, V o l . 6 0 No. 2 , p p. 9 7 — 1 04, F e b. 20 00
【非特許文献 6】
Mu n r oら, N a t u r e , V o l . 3 6 5, p.6 1— 6 5 , 1 9 9 3 発明の開示
上記の通りカンナピノイドレセプ夕一調節物質は未だ医薬品として成 功を収めておらず、 その効果的な用途が模索されている。
従って、 本発明は、 カンナピノイ ドレセプタ一調節物質、 特に末梢細 胞型カンナビノィ ドレセプターに選択的な調節物質を有効成分とする新 規なアレルギー疾患治療剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、 上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、 選択的 CB2 調節物質が'ア ルギー性喘息、 アトピー性皮膚炎、 アレルギー性鼻 炎及びアレルギー性結膜炎等のアレルギー性疾患に対して、 極めて有効 に作用することを実証して、本発明を完成した。本発明の医薬は、特に、 アレルギー性喘息及びァトピー性皮膚炎の治療剤として有効である。 こ
の事実、 即ち本発明の効果は、 先述の特開 2 0 0 0— 2 5 6 3 2 3 (W 00 0/40 5 6 2 )から示唆される効果をはるかに超えるものであり、 発明者自身をして驚くべきものであった。
より詳しくは下記 ( 1) 乃至 (3 1) に示す通りである。
( 1) カンナビノィドレセプター調節物質を有効成分として含有し てなるアレルギー疾患治療剤。
(2) カンナピノィ ドレセプター調節物質が末梢細胞型カンナピノ イドレセプターに選択的な調節物質である ( 1) 記載のアレルギー疾患 治療剤。
(3) カンナピノィドレセプタ一調節物質が下記一般式 [ I ] 又は その医薬上許容される塩で示される 2—才キソキノリン化合物である
( 1 ) 又は (2) 記載のアレルギ一疾患治療剤。
[式中、 Wは一 O— 5 _ _
、 — S (O) t一、 一 CR3R4—、 -NR
NR5CO—、 — C〇NR5—、 —COO—又は一 OCO— (式中、 R3 及び R 4は同一又は異なってそれぞれ水素原子又はアルキルを、 R5は水 素原子又はアルキルを、 tは 0又は 1乃至 2の整数を示す。) を示し、 R1は水素原子、 アルキル、 アルケニル、 アルキニル、 ァリール、 ァリ ールアルキル、 ヘテロァリール、 ヘテロァリールアルキル、 シクロアル キル又はシク pアルキルアルキルを示し、 当該' R1における水素原子を 除く各基はそれぞれ、 アルキルァミノ、 ァミノ、 水酸基、 アルコキシ、 力ルポキシル、 アルコキシカルボニル、 ァシル、 ァシルォキシ、 ァシル チォ、 メルカプト、 アルキルチオ、 アルキルスルフィニル又はアルキル
スルホニルで顰換されていてもよく、 水素原子及びアルキルを除く各基 はアルキルで置換されていてもよく、
R 2は水素原子、 アルキル、 — OR6 (式中、 R 6は水素原子、 アルキル、 アルケニル、 アルキニル、 ァリール、 ァリールアルキル、 ヘテロァリー ル、 ヘテロァリールアルキル、 シクロアルキル又はシクロアルキルアル キルを示す。)、 — NR7R8 (式中、 R7及び R8は同一又は異なってそ れぞれ水素原子、 アルキル、 アルケニル、 アルキニル、 ァシル、 ァリー ル、 ァリールアルキル、 ヘテロァリール、 ヘテロァリールアルキル、 シ ク口アルキル又はシク口アルキルアルキルを示すか、 又は R 7と R 8が隣 接する窒素原子と一緒になつてへテロアリールを形成してもよい。)、 又 は一 (CH2) u.— S (0) UR9 (式中、 R9は水素原子、 アルキル、 ァ ルケニル又はアルキニルを、 u及び u ' はそれぞれ独立して 0又は 1乃 至 2の整数を示す。) を示し、 当該 R2における水素原子を除く各基はそ れぞれ、 アルキルァミノ、 ァミノ、 水酸基、 アルコキシ、 アルコキシ力 ルポニル、 ァシル、 ァシルォキシ、 ァシルチオ、 メルカプ卜、 アルキル チォ、 アルキルスルフィニル又はアルキルスルホニルで置換されていて もよく、 水素原子及びアルキルを除く各基はアルキルで置換されていて もよく、
R aは水素原子又はアルキルを示し、
Xは— COORb、 — CONH2、 一 CONRc—(A l ka) r— R、 - (C H2)p-OC (=Y)-NRd - (A 1 kb)s - R、 —(CH2)q - NRe— C (=Z)-(NR )w- (A 1 kc)v— R、 一(CH2)P— OH又は—(CH 2)Q-NReRe' :
{式中、 Rb、 Re、 Rd、 R まそれぞれ独立して水素原子又はアルキ ルを示し、 Re及び Re' はそれぞれ独立して水素原子又はアルキルを示 すか、 又は Reと Re' が隣接する窒素原子と一緒になつてへテロアリー
ルを形成してもよく、
A 1 k
a、 A 1 k
b及び A 1 k
cはそれぞれ独立してアルキレン又はアル ケニレンを示し、当該アルキレン及びアルケニレンはそれぞれ、水酸基、 カルポキシル、 アル.コキシカルボニル、 アルキル (当該アルキルは、 水 酸基、 アルコキシ又はアルキルチオで置換されていてもよい。)又は一 C O N R ^ R
1 1 (式中、 R
1 Q及び R
1 1は同一又は異なってそれぞれ水素 原子又はアルキルを示すか、 又は R
1 Qと R
1 1が隣接する窒素原子と一 緒になってヘテロァリールを形成してもよい。)で置換されていてもよく Rはァリール、 ヘテロァリ一ル、 シクロアルキル、 ベンゼン縮合シクロ アルキル又は
(式中、 A及び Bはそれぞれ独立して酸素原子、 窒素原子又は硫黄原子 を示し、 kは 1乃至 3の整数を示す。) を示し、 当該ァリール及びへテロ ァリールはそれぞれ、水酸基で置換されていてもよいアルキル、水酸基、 アルコキシ、 アルケニルォキシ、 ァシル、 ァシルォキシ、 ハロゲン原子、 ニトロ、 ァミノ、 スルホン酸アミ ド、 アルキルァミノ、 ァラルキルォキ シ、 ピリジル、 ピペリジノ、 カルポキシル、 アルコキシ力ルポニル、 ァ シルァミノ、 アミノカルポニル、 シァノ又はグルクロン酸残基で置換さ れていてもよく、 当該シクロアルキルは水酸基、 アルコキシ又は = oで 置換されていてもよく、 当該ベンゼン縮合シクロアルキルは水酸基又は アルコキシで置換きれていてもよく、
r、 s、 v及び wはそれぞれ独立して 0又は 1を示し、 Y及び Zはそれ ぞれ独立して窒素原子、 酸素原子又は硫黄原子を示し、 p及び Qはそれ ぞれ独立して 1乃至 4の整数を示す。 } を示す。]
(4) Wがー O—であり、 R
1が水素原子又はアルキル (当該アル キルは前記の通りである。) であり、 R
2がー〇R
6 (R
6は前記の通りで ある。) であり、 Rがァリール、 ヘテロァリール又は
(ここで、 ァリール、 ヘテロァリール、 式中の各記号は前記の通りであ る。) である、 (3) 記載のアレルギー疾患治療剤。
( 5) カンナピノィドレセプター調節物質が下記一般式 [ I '] 又は その医薬上許容される塩で示される 2—ォキソキノリン化合物である
( 1) 又は (2) 記載のアレルギー疾患治療剤。
[式中、 Wは一 O—、 — S (0)
t―、 — C R
3R
4—、 —NR
5—、 一 NR
5 CO—、 — CONR
5—、 — COO—又は—OCO— (式中、 R
3 及び R
4は同一又は異なってそれぞれ水素原子又はアルキルを、 R
5は水 素原子又はアルキルを、 tは 0又は 1乃至 2の整数を示す。) を示し、 R 1は水素原子、 アルキル、 アルケニル、 アルキエル、 ァリール、 ァリー ルアルキル、 ヘテロァリール、 ヘテロァリールアルキル、 シクロアルキ ル又ほシクロアルキル ルキルを示し、 当該 R
1 ίこおける水素原子を除 く各基はそれぞれ、 アルキルァミノ、 ァミノ、 水酸基、 アルコキシ、 力 ルポキシル、 アルコキシカルボニル、 ァシル、 ァシルォキシ、 ァシルチ ォ、 メルカプト、 アルキルチオ、 アルキルスルフィエル又はアルキルス
ルホニルで置換されていてもよく、 水素原子及びアルキルを除く各基は アルキルで置換されていてもよく、 R
2は水素原子、 アルキル、 —OR
6 (式中、 R
6は水素原子、 アルキル、 アルケニル、 アルキニル、 ァリー ル、 ァリールアルキル、 ヘテロァリール、 ヘテロァリールアルキル、 シ クロアルキル又はシクロアルキルアルキルを示す。)、—NR
7R
8 (式中、 R
7及び R
8は同一又は異なってそれぞれ水素原子、 アルキル、 アルケニ ル、 アルキニル、 ァシル、 ァリ一ル、 ァリールアルキル、 ヘテロァリー ル、 ヘテロァリールアルキル、 シクロアルキル又はシクロアルキルアル キルを示すか、 又は R
7と R
8が隣接する窒素原子と一緒になつてへテロ ァリ一ルを形成してもよい。)、 又は一 (CH
2)
U._ S (O)
UR
9 (式 中、 R
9は水素原子、 アルキル、 アルケニル又はアルキニルを、 u及び u ' はそれぞれ独立して 0又は 1乃至 2の整数を示す。) を示し、 当該 R
2における水素原子を除く各基はそれぞれ、 アルキルァミノ、 ァミノ、 水酸基、 アルコキシ、 アルコキシカルボニル、 ァシル、 ァシルォキシ、 ァシルチオ、 メルカプト、 アルキルチオ、 アルキルスルフィエル又はァ ルキルスルホニルで置換されていてもよく、 水素原子及びアルキルを除 く各基はアルキルで置換されていてもよく、 R
aは水素原子又はアルキ ルを示し、 X, は一 C〇NR
C—(A l k
a)
r— R、 - (CH
2)
p-OC (= Y)— NR
d_ (A l k
b)
s— R又は一(CH
2)
q— NR
e— C (= Z)— (N R
f)
w— (A l k
c)
v— R {式中、 R
c、 R
d、 R
e及び R
f はそれぞれ独 立して水素原子又はアルキルを示し、 A l k
a、 八 1 1∑
1)及び八 1 ¾:。は それぞれ独立してアルキレン又はアルケニレンを示し、 当該アルキレン 及びアルケニレンまそれぞれ、 水酸 ¾、 カルボキシル、 アルコキシカル ポニル、 ァ.ルキル (当該アルキルは、 水酸基、 アルコキシ又はアルキル チォで置換されていてもよい。) 又は一 CONR ^R
1 1 (式中、 R
1 0及 び R
1 1は同一又は異なってそれぞれ水素原子又はアルキルを示すか、又
は R
1 °と R
1 1が隣接する窒素原子と一緒になつてへテロアリールを形 成してもよい。) で置換されていてもよく、 Rはァリール、 ヘテロァリ一 ル、 シクロアルキル、 ベンゼン縮合シクロアルキル又は
(式中、 A及び Bはそれぞれ独立して酸素原子、 窒素原子又は硫黄原子 を示し、 kは 1乃至 3の整数を示す。) を示し、 当該ァリール及びへテロ ァリールはそれぞれ、水酸基で置換されていてもよいアルキル、水酸基、 アルコキシ、 アルケニルォキシ、 ァシル、 ァシルォキシ、ハロゲン原子、 ニトロ、 ァミノ、 スルホン酸アミ ド、 アルキルァミノ、 ァラルキルォキ シ、 ピリジル、 ピペリジノ、 カルポキシル、 アルコキシカルボニル、 ァ シルァミノ、 ァミノカルボニル、 シァノ又はグルクロン酸残基で置換さ れていてもよく、 当該シクロアルキルは水酸基、 アルコキシ又は =〇で 置換されていてもよく、 当該ベンゼン縮合シクロアルキルは水酸基又は アルコキシで置換されていてもよく、 r、 s、 v及び wはそれぞれ独立 して 0又は 1を示し、 Y及び Zはそれぞれ独立して窒素原子、 酸素原子 又は硫黄原子を示し、 p及び qはそれぞれ独立して 1乃至 4の整数を示 す。 } を示す。]. ただし、 (a) R2が水素原子であるとき、 WR1は 2— ォキソキノリンの j位に置換するもとし、 (b) 1 , 2—ジヒドロー 6, 7—ジメトキシー 2—ォキソ一N— (フエニルメチル) 一 3—キノリン カルボキサミド及び N— ( 1 , 2—ジヒドロ— 6 , 7—ジメトキシー 2 一ォキソ一 37キノリル) ベンズアミドを除く。 ' (6) X' がー CONRc—(A 1 k a 一 Rである、 (5) 記載の アレルギー疾患治療剤。
(7) X, が—(CH2)p— OC (=Y)— NRd— (A 1 kb)s— R又
は一(CH2)a— NRe— C (= Z)_(NRf)w— (A l kc)v— Rである、 (5) 記載のアレルギー疾患治療剤。
(ここでァリ一ル、ヘテロァリ一ル、式中の各記号は前記の通りである。) である、 ( 5) 乃至 (7) 記載のアレルギー疾患治療剤。
(式中、 各記号は前記の通りである。) である、 (5) 乃至 (7) 記載の アレルギー疾患治療剤。
( 1 0) Wがー O—であり、 R2がー OR6 (ここで、 R 6が水素原 子又はアルキルである。) である、 (5) 乃至 (9) 記載のアレルギ一疾 患治療剤。
( 1 1 ) WR1の置換位置がベンゼン環状の j位であり、 R2の置換 位置がベンゼン環状の i位である、 (5) 乃至 ( 1 0) 記載のアレルギー 疾患治療剤。
( 1 2) A 1 k aがアルキレンであり、 r = lである、 (5)、 (6) 又は (8) 乃至 1 1記載のアレルギー疾患治療剤。
( 1 3) 2—ォキソキノリン化合物が、 7—メトキシー 2—ォキソ 一 8—ペンチルォキシー 1, 2—ジヒドロキノリン— 3 _カルボン酸
( 2—ピリジン— 4ーィルェチル) アミド、 7—メ キシ— 2—ォキソ 一 8一ペンチルォキシー 1 , 2—ジヒドロキノリン一 3—力ルボン酸
(4ーァミノベンジル) アミ ド、 7—メトキシー 2—ォキソ一 8—ペン チルォキシー 1, 2—ジヒドロキノリン一 3—力ルボン酸 [2— (4一
ァミノフエエル) ェチル] アミド、 7—メトキシ一 2 _ォキソ一 8—べ ンチルォキシー 1 , 2 —ジヒドロキノリン— 3 —カルボン酸 (4 一アミ ノフエニル) アミ ド 塩酸塩、 7—メトキシ— 2 —ォキソ一 8 —ペンチル ォキシ一 i , 2—ジ七ドロキノリン一 3—力ルボン酸 (3 , 4—メチレ ンジォキシベンジル) アミ ド、 8 _エトキシー 7—メトキシ 2—ォキ ソ一 1 , 2 —ジヒドロキノリン _ 3 —カルボン酸 ( 2 —ピリジン一 4— ィルェチル) アミ ド、 7—メトキシー 2 —ォキソ一 8 —ペンチルォキシ — 1 , 2—ジヒドロキノリン一 3—力ルボン酸 [ 2— (4ーヒドロキシ フエニル) ェチル] アミド、 7—メトキシー 2 —ォキソ一 8 —ペンチル ォキシ一 1 , 2—ジヒドロキノリン— 3—カルボン酸 [ 2— ( 4—フル オロフェニル) ェチル] アミド、 7—メ卜キシ一 2 —ォキソ— 8 —ペン チルォキシ— 1 , 2—ジヒドロキノリン一 3 —力ルボン酸 (4一ピリジ ルメチル) アミ ド、 7 —メ卜キシー 2 —ォキソ一 8 —ペンチルォキシー 1 , 2 —ジヒドロキノリン一 3—力ルボン酸 (2 —ピベリジノエチル) アミ ド、 7 —メトキシー 2 —ォキソ一 8 —ペンチルォキシー 1 , 2—ジ ヒドロキノリン— 3—力ルボン酸 (2 —モルホリノエチル) アミド、 7 —メトキシー 2 —ォキソ一 8 —ペンチルォキシー 1 , 2—ジヒドロキノ リン一 3—力ルボン酸 (3—ピリジルメチル) アミド、 7—メトキシ一 2 一ォキソ一 8—ペンチルォキシー 1 , 2—ジヒドロキノリン一 3 —力 ルボン酸 ( 2—ピリジルメチル) アミ ド、 8—ブトキシ _ 7—メトキシ 一 2 —ォキソ _ 1 , 2—ジヒドロキノリン一 3 —カルボン酸 ( 2—フエ ニルェチル) アミ ド、 8—ブトキシー 7—メトキシ一 2 —ォキソ— 1 , 2—ジヒドロキノリン一 3 カルボン酸 [ 2—( 4—フルオロフェニル) ェチル] アミ ド、 8 —ブトキシー 7—メトキシー 2 —ォキソ一 1 , 2— ジヒドロキノリン一 3—力ルボン酸 ( 2 —ピリジン一 4 —ィルェチル) アミ ド、 8—ブ卜キシー 7 —メトキシー 2 —ォキソ一 1 , 2—ジヒドロ
キノリン一 3—力ルボン酸 (2 —ピリジン一 4 一ィルェチル) アミ ド 塩酸塩、 8 —エトキシ— 7 —メトキシー 2—ォキソ一 1 , 2—ジヒドロ キノリン— 3—力ルボン酸 [ 2 - ( 4—フルオロフェニル) ェチル] ァ ミ ド、 7—メトキシ一 2 —ォキソ一 8 —ペンチルォキシ— 1, 2—ジヒ ドロキノリン— 3 _カルボン酸 [ 2— ( 2 —フルオロフェニル)ェチル] アミ ド、 7—メトキシー 2 _ォキソ一 8 —ペンチルォキシ— 1 , 2—ジ ヒドロキノリン一 3—カルボン酸 [ 2— ( 3 —フルオロフェニル) ェチ ル] アミド、 7—メトキシー 2 _ォキソ一 8 —ペンチルォキシ一 1, 2 —ジヒドロキノリン一 3 —カルボン酸 [ 2— (4 —ヒドロキシ一 3 —メ トキシフエ二ル) ェチル] アミ ド、 7—メトキシー 2—ォキソ一 8—べ ンチルォキシー 1, 2—ジヒドロキノリン一 3 —カルボン酸 [ 2— ( 4 一クロ口フエニル) ェチル] アミ ド、 7—メトキシー 2 —ォキソ— 8— ペンチルォキシ _ 1, 2—ジヒドロキノリン一 3 _カルボン酸 (2—フ ェニルェチル) アミド、 7 —メトキシー 2 —ォキソ一 8 —ペンチルォキ シー 1, 2—ジヒドロキノリン一 3 —カルボン酸 (4—メチルベンジル) アミ ド、 7—メトキシー 2 —ォキソ一 8 _ペンチルォキシー 1, 2—ジ ヒドロキノリン一 3 _カルボン酸 (4 一フルォロベンジル) アミド、 7 —メ トキシー 2—ォキソ一 8 —プロポキシ一 1, 2—ジヒドロキノリン _ 3 —力ルボン酸 (2 —ピリジン一 4—ィルェチル) アミド、 7 —メト キシー 2 —ォキソ— 8 —プロポキシ— 1, 2—ジヒドロキノリン— 3— カルボン酸 [ 2— (4—フルオロフェニル) ェチル] アミド、 7 —メト キシー 2 —ォキソ一 8 —プロポキシ一 1 , 2—ジヒドロキノリン _ 3— カルボン酸 [ 2— ( 4—'ヒドロキシフエニル) ェチル] アミド、 1一 卜キシー 2 _ォキソ一 8 —プロポキシ一 1 , 2—ジヒドロキノリン一 3 —カルボン酸 (3, 4ーメチレンジォキシベンジル) アミド、 7—メト キシ一 2 —ォキソ一 8 —プロポキシ一 1 , 2—ジヒドロキノリン— 3—
カルボン酸 ( 2—フエニルェチル) アミ ド、 7, 8—ジメトキシー 2— ォキソ— 1 , 2—ジヒドロキノリン一 3—力ルボン酸 [ 2— ( 4 —フル オロフェニル) ェチル] アミド、 7—メトキシ _ 2 —ォキソ一 6 —ペン チルォキシー 1, 2—ジヒドロキノリン— 3 —カルボン酸 [ 2— ( 4— フルオロフェニル) ェチル] アミ ド、 7—メトキシ— 2—ォキソ一 6— ペンチルォキシー 1 , 2—ジヒドロキノリン— 3—力ルボン酸 (3, 4 —メチレンジォキシベンジル) アミド、 7 —メトキシ一 2 —ォキソ一 6 —ペンチルォキシー 1 , 2—ジヒドロキノリン一 3—力ルボン酸 (2— モルホリノエチル) アミ ド、 8 —エトキシ一 7—メトキシ一 2—ォキソ - 1 , 2—ジヒドロキノリン一 3—力ルボン酸 (3, 4—メチレンジォ キシベンジル) アミド、 1ーメチルー 7—メトキシ一 2 —ォキソ一 8— ペンチルォキシー 1 , 2—ジヒドロキノリン一 3 —力ルボン酸 [ 2— ( 4 一フルオロフェニル) ェチル] アミド、 1 _メチル— 7—メトキシー 2 —ォキソ一 8—ペンチルォキシー 1, 2—ジヒドロキノリン一 3—カル ボン酸 (2 —ピリジン一 4一ィルェチル) アミド、 1ーメチルー 7—メ トキシ一 2 _ォキソ一 8 —ペンチルォキシ— 1, 2—ジヒドロキノリン 一 3—カルボン酸 (2 —モルホリノエチル) アミ ド、 1ーメチルー 7— メトキシー 2 —ォキソ一 8 —ペンチルォキシ一 1, 2—ジヒドロキノリ ンー 3—力ルボン酸 (4 _ピリジルメチル) アミド、 1ーメチルー 7 _ メトキシー 2 —ォキソ一 8 —ペンチルォキシ一 1, 2—ジヒドロキノリ ンー 3—力ルボン酸 (4—フルォロベンジル) アミド、 1ーメチルー 7 ーメトキシー 2 —ォキソ一 8 —ペンチルォキシ一 1, 2—ジヒドロキノ リン— 3— ルボ 酸 [ 2— (4ーヒドロキシフエニル) ェチル] アミ ド、 1ーメチルー 7—メトキシ _ 2 —ォキソ一 8 —ペンチルォキシー 1, 2 —ジヒドロキノリン一 3—力ルボン酸 (3 , 4—メチレンジォキシベ ンジル) アミ ド、 1—メチルー 7 —メトキシー 2 —ォキソ一 6 —ペンチ
ルォキシー 1, 2—ジヒドロキノリン一 3 _カルボン酸 [2— (4—フ ルオロフェニル) ェチル] アミド、 1ーメチルー 7—メトキシ— 2—ォ キソ一 6—ペンチルォキシ一 1 , 2—ジヒドロキノリン一 3—力ルボン 酸 (2—モルホリノエチル).アミド、 1—メチル _ 7—メトキシー 2 _ ォキソ— 6—ペンチルォキシ一 1, 2—ジヒドロキノリン _ 3—力ルポ ン酸 (3, 4—メチレンジォキシベンジル) アミド、 7 , 8—ジペンチ ルォキシ一 2—ォキソー 1, 2—ジヒドロキノリン _ 3—カルボン酸 [2 - (4一フルオロフェニル) ェチル] アミド、 8—ヒドロキシー 7 —メトキシ _ 2—ォキソ一 1 , 2—ジヒドロキノリン _ 3—力ルボン酸 (3, 4ーメチレンジォキシベンジル) アミド、 7—メトキシ一 2—ォ キソ一 8—ペンチルォキシー 1, 2—ジヒドロキノリン _ 3—力ルボン 酸 ( 3, 4ージヒドロキシベンジル) アミ ド、 7—メトキシ— 2—ォキ ソー 8—ペンチルォキシ一 1 , 2—ジヒドロキノリン _ 3—力ルボン酸 (4ーヒドロキシー 3—メトキシベンジル) アミ ド、 1—0— { 2—ヒ ドロキシー 5— [(7—メトキシー 2—ォキソ— 8—ペンチルォキシー 1 , 2—ジヒドロー 3—キノリル) カルポニルアミノメチル] フエ二ル} グ ルコシド ゥロン酸及び 1一 O— { 2—ヒドロキシ— 4一 [(7—メトキ シー 2—ォキソー 8—ペンチルォキシ一 1 , 2—ジヒドロ— 3—キノリ ル)カルポニルアミノメチル]フエ二ル}ダルコシド ゥロン酸、 5 _ [ 7 —メトキシ一 3— {( 3 , 4—メチレンジォキシベンジル)力ルバモイル} 一 2 _ォキソ一 1, 2—ジヒドロー 8 _キノリルォキシ] ペンタン酸、 5— [ 7—メトキシ一 3— {( 3—ヒドロキシー 4—メトキシベンジル) 力ルバモイル. } — 2 _ォキソ— 1 , 2—ジ ドロ一 8—キノリルォキシ] ペンタン酸、 8 _ ( 5—ヒドロキシペンチルォキシ) 一 7—メトキシ一 2—ォキソ一 1 , 2—ジヒドロキノリン一 3—力ルボン酸 (3, 4ーメ アミド、 8— ( 5—ヒドロキシペンチルォキ
シ) 一 7 —メ卜キシ _ 2 —ォキソ一 1 2 ジヒドロキノリン一 3—力 ルボン酸 ( 4—ヒドロキシー 3—メトキシベンジル) アミド、 8— ( 4 ーヒドロキシペンチルォキシ) 一 7—メトキシ— 2 —ォキソ— 1 , 2— ジヒドロキノリン一 3—カルボン酸 ( 3 , 4—メチレンジォキシベンジ ル) アミド、 7—メトキシ— 2 —ォキソ一 8— ( 4—ォキソペンチルォ キシ) 一 1, 2—ジヒドロキノリン一 3—力ルボン酸 ( 3 , 4—メチレ 一 7 —メトキシ一 2 —ォキソ一 1 , 2—ジヒドロキノリン一 3 —カルボ ン酸 (3 , 4—メチレンジォキシベンジル) アミ ド、 7 —メトキシ一 2 一ォキソ一 8— ( 3 _ォキソペンチルォキシ) 一 1, 2—ジヒドロキノ リン一 3—カルボン酸 (3 , 4—メチレンジォキシベンジル) アミ ド、 8— ( 2 —ヒドロキシペンチルォキシ) — 7—メトキシー 2 —ォキソ— 1, 2—ジヒドロキノリン一 3—力ルボン酸 (3 , 4—メチレンジォキ シベンジル) アミ ド、 7 , 8—ジヒドロキシー 2 —ォキソ一 1, 2—ジ ヒドロキノリン— 3—力ルボン酸 [ 2 _ ( 4—フルオロフェニル) ェチ ル] アミ ド、 8 —ブトキシー 3 —ヒドロキシメチルー 7 —メトキシー 2 一ォキソ一 1, 2—ジヒドロキノリン、 8—エトキシー 3—ヒドロキシ メチルー 7—メトキシ一 2 —ォキソ一 1, 2—ジヒドロキノリン、 N— ( 4一フルオロフェニル)カルバミン酸 (8—ブトキシー 7—メ トキシ — 2—ォキソ— 1 , 2—ジヒドロキノリン一 3—ィル)メチルエステル 、 N—ピリジン— 4ーィルカルバミン酸 (8—エトキシ— 7—メトキシ一 2 _ォキソー 1 , 2—ジヒドロキノリン一 3 —ィル) メチルエステル、 3—ジメチルアミノメチルー 8 —エトキシー 7—メトキシー 2 —ォキソ — 1, 2—ジヒドロキノリン、 8 —ブトキシー 3—ァミノメチル _ 7— メトキシー 2 —ォキソ一 1, 2—ジヒドロキノリン、 8—エトキシー 7 ーメトキシー 3 —モルホリノメチル一 2 —ォキソ一 1 , 2 —ジヒドロキ
ノリン、 N— [( 8—ブトキシ一 7—メトキシー 2—ォキソ一 1, 2—ジ ヒドロキノリン一 3—ィル) メチル] 一 N' — (4—フルオロフェニル) ゥレア及び N— [(8—ブトキシ— 7—メトキシ一 2—才キソ— 1 , 2— ジヒドロキノリン一 3—ィル) メチル] ― (4ーヒドロキシフエニル) ァセトアミドからなる群より選ばれる、 ( 5)記載のアレルギー疾患治療 剤。
( 14) カンナピノィドレセプタ一調節物質が、 N— (ベンゾ [ 1, 3] ジォキソ一ル— 5—ィルメチル) — 7—メトキシー 2—ォキソ一 8 —ペンチルォキシー 1, 2—ジヒドロキノリン— 3—カルボキサミ ド又 はその医薬上許容される塩である (3) 記載のアレルギ一疾患治療剤。
( 1 5) カンナビノィ ドレセプタ一調節物質が、 S R 1445 2 8、 HU— 3 0 8、 L— 7 5 9 6 3 3、 L一 7 5 96 5 6、 L - 7 6 8 24 2、 PR S - 2 1 1 0 96, P R S— 2 1 1 33 5、 P R S - 2 1 1 3 5 9、 AM 6 0 3、 AM 1 7 0 3、 AM 1 7 1 0及び AM 1 22 1から なる群より選ばれる ( 1 ) 又は (2) 記載のアレルギー疾患治療剤。
( 1 6) カンナピノイドレセプ夕一調節物質が、 S R 1 445 2 8 である ( 1 5) 記載のアレルギー疾患治療剤。
( 1 7) カンナピノイドレセプター調節物質が、 インパースァゴニ ス卜である ( 1 ) 乃至 ( 1 6) 記載のアレルギー疾患治療剤。
( 1 8) カンナピノイ ドレセプター調節物質が、 アデ二ル酸シクラ ーゼ活性化剤による c AMP産生量を増加する物質である( 1 )乃至( 1 7) 記載のアレルギー疾患治療剤。
( 1 9) ンナビノィドレセプタ一調節物質が末梢細胞型カンナビ ノイ ドレセプターに選択的なィンバースァゴニストである( 1 )乃至( 1 7 ) 記載のアレルギー疾患治療剤。
(20) アレルギー疾患がアレルギー性皮膚炎である ( 1 ) 乃至 ( 1
9) 記載のアレルギー疾患治療剤。
(2 1) アレルギー疾患がアトピー性皮膚炎である ( 1) 乃至 (2 0) 記載のアレルギー疾患治療剤。
(2 2) アレルギー疾患がアレルギー性喘息である ( 1) 乃至 ( 1 9) 記載のアレルギー疾患治療剤。
(2 3) アレルギー疾患が即時型喘息反応又は Z及び遅発型喘息反 応又は/及び気道過敏症である ( 1) 乃至 ( 1 9) 又は請求項 (2 2) 記載のアレルギー疾患治療剤。
( 24) アレルギ一疾患がアレルギー性鼻炎又は及びアレルギー性 結膜炎である ( 1 ) 乃至 ( 1 9) 記載の治療剤。
( 2 5) カンナピノィ ドレセプタ一調節物質がロイコトリェン阻害 作用を併せ持つ ( 1) 乃至 (24) 記載のアレルギー疾患治療剤。
(2 6) DNFB誘発アレルギー性皮膚炎動物或いは IgE依存性アレル ギー性皮膚炎動物において治療効果を示す ( 1 ) 乃至 (2 5) 記載のァ レルギ一疾患治療剤。
(2 7) カンナピノイドレセプ夕一調節物質による、 カンナビノィ ドアゴニストに起因するアレルギー疾患の治療のための医薬。
(2 8) 抗アレルギー剤の同定方法であって、 以下の工程を含む方 法。
1. 末梢細胞型カンナビノィ ドレセプタ一に選択的に結合する化合物を 選定する、
2. 工程 1で選定された化合物或いは既に末梢細胞型カンナビノィ ドレ ゼプタ一に選択的に結 する事が知られる化合物からインバースァゴニ ストである化合物を選定する、
3. 工程 2で選定された化合物の抗アレルギー効果を測定する。
(2 9) N— (ベンゾ [ 1 , 3] ジォキソ一ルー 5—
_ 7—メトキシ一 2—ォキソ一 8—ペンチルォキシ一 1, 2—ジヒドロ キノリン— 3—力ルポキサミド又はその医薬上許容される塩を有効成分 として含有してなるアレルギー疾患治療剤。
( 3 0 ) N - (ベンゾ [ 1 , 3 ] ジォキソ一ルー 5 —ィルメチル) 一 7—メトキシ一 2 _ォキソ一 8 —ペンチルォキシ一 1, 2—ジヒドロ キノリンー 3—カルボキサミド又はその医薬上許容される塩を有効成分 として含有してなるアトピー性皮膚炎治療剤。
( 3 1 ) N— (ベンゾ [ 1 , 3 ] ジォキソ一ルー 5 —ィルメチル) 一 7—メトキシ 2—ォキツー 8 —ペンチルォキシ一 1, 2—ジヒドロ キノリン一 3—カルボキサミド又はその医薬上許容される塩を有効成分 として含有してなる喘息治療剤。 次に、 本明細書において使用する語句の説明を行なう。
「カンナビノィドレセプタ一調節物質」 及び 「カンナピノイドレセプ 夕一調節剤」 とは、 カンナピノイドレセプ夕一の生物活性を調節する物 質、 若しくはカンナビノィドレセプ夕一の発現を調節する物質であり、 前者としては、 ァゴニスト、 アン夕ゴニスト、 インパースァゴニスト、 その他カンナピノイドレセプターの感受性を増強する或は低減する物質 が挙げられ、 後者としては、 カンナピノイドレセプターの遺伝子発現を 増強或は抑制する物質等が挙げられる。 インバースァゴニストとは、 レ セプターのァゴニスト本来の作用とは逆の作用を来すものである。 例え ば、 カンナピノィドレセプターにおいて cAMP レベルの観点からすると、 カンナピノィドが の上昇を抑えるのに比し、化合物 Aは cAMPレベルを 上昇させるという知見が得られている。 ィンバ一スァゴニストして具体 的には、 化合物 A、 SR144528、 AM630 が挙げられ、 好ましくは化合物 A 及び SR144528である。
カンナビノィ ドレセプ夕一調節物質として具体的には、 特開 2 0 0 0 - 2 5 632 3 (WO 0 0/40 56 2) に一般式 [ I ] により表され る化合物、 より具体的には N— (ベンゾ [ 1 , 3] ジォキソ一ルー 5— ィルメチル) 一 7—メトキシ一 2—ォキソ一 8—ペンチルォキシ— 1, 2—ジヒドロキノリンー 3—力ルポキサミド (化合物 A) 等の 2—ォキ ソキノリン化合物等が挙げられ、 その他、 Δ 9— THC、 N a b i 1 o n e (LY— 1 0 9 5 14)、C P— 5 5 940、P RS— 2 1 1 0 9 6、 PR S - 2 1 1 3 3 5, P R S - 2 1 1 3 5 9、 S R 1445 2 8、 S R 14 1 7 1 6 , R i mo n a b a n t (S R 141 7 1 6 A)、 S R I 47 7 8、 AMG— 3、 S LV— 3 1 9、 AM_ 2 5 1、 AM - 2 8 1、 AM 3 74, AM 404 , AM 6 3 0 , AM— 6 94、 AM 2 2 3 3 , AM 2 2 3 0 , AM 1 2 2 1等の WO 0 1 /2 8 5 5 7記載の化合物、 AM 1 7 0 3等の WO 0 1 /2 849 7記載の化合物、 AM 1 7 1 0等 の WO 0 1 X2 8 3 2 9記載の化合物、 HU— 3 08等の WO 0 1 /3 2 1 6 9記載の化合物、 HU— 3 1 0等の WO 9 9/5 1 5 6 0記載の 化合物、 JWH— 0 5 1、 J WH— 1 6 1、 0— 1 2 3 6、 0— 1 0 5 7、 0— 2 0 9 3、 : L一 7 5 9 6 3 3、 : L一 7 5 96 5 6、 L - 7 6 8 242、 LY 3 2 0 1 3 5等の WO 9 6/0 2 248記載の化合物、 B AY— 38— 7 2 7 1、 WO 0 2 / 246 3 0記載の化合物、 WO 0 2 ノ 1 0 1 3 5記載の化合物、 WO 0 1 Z 9 6 33 0記載の化合物、 WO 0 1 / 8 5 0 9 2記載の化合物、 WO 0 1 74 7 6 3記載の化合物、 WO 0 1/7 0 7 00記載の化合物、 W〇 0 1 / 646 34記載の化合 物、 WO 0 1/ 646 3 3記載の化合物、 WO 0 1 / 646 3'2記載の 化合物、 WO 0 1 /5 8 8 6 9記載の化合物、 WO 0 1 5 844 5記 載の化合物、 WO 0 1/040 8 3記載の化合物、 W〇 0 1 / 3 2 6 2 9記載の化合物、 WO 0 1 /2 9 0 0 7記載の化合物、 WO 0 1/2 8
5 8 8記載の化合物、 特表 2 00 1— 5 1 547 0号 (US 6 2 6 2 1 1 2号) 記載の化合物、 特表 20 0 2— 5 3 9 246 (WO 0 0/ 5 6 3 0 3 ) 記載の化合物、 WO 00Z46 2 0 9記載の化合物、 WO 0 0 / 3 2 20 0記載の化合物、 WO 0 0/ 1 6 7 5 6記載の化合物、 W〇 0 0/ 1 5 6 0 9記載の化合物、 特表 2 0 0 2— 5 2 3 3 96 (WO 0 0 / 1 09 6 8 ) 記載の化合物、 特表 2 0 0 2— 5 2 3 3 9 5 (WO 0 0 / 1 0 9 6 7 ) 記載の化合物、 WO 9 9/6 0 9 8 7記載の化合物、 WO 9 9/ 5 7 1 0 7記載の化合物、 WO 9 9/ 5 7 1 0 6記載の化合 物、 WO 9 9/ 5 2 5 24記載の化合物、 WO 9 9/2 6 6 1 2記載の 化合物、 W09 9Z2447 1記載の化合物、 W09 9Z249 9記載 の化合物、 特表 2 0 0 1— 5 1 6 3 6 1 (WO 9 8/41 5 1 9) 記載 の化合物、 WO 9 8 / 3 7 0 6 1記載の化合物、 WO 9 8/3 244 1 記載の化合物、 特表 2 0 0 1— 5 0 8 7 9 9 (WO 98/3 1 2 2 7) 記載の化合物、 WO 9 7Z2 90 7 9記載の化合物、 特表 20 0 0— 5 0 2 0 80 (WO 9 7 /2 1 68 2) 記載の化合物、 WO 97/ 1 9 0
6 3記載の化合物、 特表平 1 1一 5 0 7 9 3 7 (WO 9 7 / 8 6 0 ) 記 載の化合物、 WO 9 6/2 0 2 6 8記載の化合物、 特表 1 0— 5 0 8 8
7 0 (WO 9 6/2 5 3 9 7) 記載の化合物、 特表 1 1一 50 1 6 1 5 (WO 96/ 1 8 6 0 0) 記載の化合物、 特表 1 1一 5 0 04 1 1 (W 〇 9 6/1 8 3 9 1 ) 記載の化合物、 W〇 94/ 1 246 6記載の化合 物、 US 6 2 84 7 8 8記載の化合物、 US 5 9 3 942 9記載の化合 物、 US 5 8 04 5 9 2記載の化合物、 US 5 6 0 5 9 06記載の化合 物、 US 5 6 2494 1記載の化合物、 US 546 29 6 0記載の化合 物、 US 5 0 8 1 1 2 2記載の化合物、 US 5 0 1 3 8 3 7記載の化合 物、 DE 1 0 0 1 5 8 6 6記載の化合物、 DE 1 9 8 3 7 62 7記載の 化合物、 DE 1 9 8 3 7 6 3 8記載の化合物、 W〇 0 1 Z584 5 0記
載の化合物、 WO 0 1/ 3 2 6 6 3記載の化合物、 W〇 0 1/2 849 8記載の化合物、 WO 0 1Z247 9 8記載の化合物、 F R 2 8 0 5 8 1 8記載の化合物、 FR 2 8 0 5 8 1 7記載の化合物、 F R 2 8 0 5 8 1 0記載の化合物、. FR 2 7 9 9 1 2記載の化合物、 FR 2 7 8 9 0 7 9記載の化合物、 FR 2 7 8 9 0 7 8記載、 WO 0 1 /8 9 5 8 9記載 の化合物、 W〇 0 1 / 9 5 8 8 9記載の化合物、 WO 0 1 Z9 8 2 8 9 記載の化合物、 WO 02Z 1 9 3 8 3記載の化合物、 WO 0 2 Z 2 6 7 0 2記載の化合物、 WO 0 2/2 8 346記載の化合物、 WO 0 1/8 7 2 9 7記載の化合物、 WO 0 2/3 6 5 9 0記載の化合物、 WO 0 2 /42 2 6 9記載の化合物、 WO 0 2 Z42 248記載の化合物、 WO 0 2 /4 7 6 9 1記載の化合物、 WO 02Z5 8 63 6記載の化合物、 WO 0 2/6 0447記載の化合物、 WO 0 2/6 5 9 9 7記載の化合 物、 WO 0 2 / 5 3 543記載の化合物、 WO 0 2/7 2 5 6 2記載の 化合物、 WO 0 2 62 7 5 0記載の化合物、 WO 0 2Z80 9 0 3記 載の化合物、 WO 02Z8 5 8 66記載の化合物等が挙げられる。
好ましくは、 末梢細胞型カンナビノィドレセプターに選択的に作用す る調節物質であり、 特開 2 0 0 0— 2 56 3 2 3 (WO 0 0/4 0 5 6 2 ) 記載の化合物、 WO 0 2X 1 0 1 3 5記載の化合物、 S R 1 44 5 2 8、 AM 6 3 0 , AM 1 2 2 1等の WO 0 1 /2 8 5 5 7記載の化合 物、 AM 1 7 0 3等の WO 0 1 Z 2 849 7記載の化合物、 AM 1 7 1 0等の WO 0 1 /2 8 32 9記載の化合物、 HU— 3 0 8等の WO 0 1 Z 3 2 1 6 9記載の化合物、 JWH— 0 5 1、 L一 7 5 9 6 3 3、 L - 7 5 9 6 56、L一 7 68 242、WO 0 1/74 76 3記載の化合物、 WO 0 1/3 2 6 2 9記載の化合物、 WO 0 1 /2 9 0 0 7記載の化合 物、 WO 0 1 / 1 9 80 7記載の化合物、 WO 0 1 /40 8 3記載の化 合物、 特表 2 0 0 2— 5 3 9 246 (WO 0 0/ 5 6 3 0 3) 記載の化
合物、 特表 20 0 2 - 5 2 3 3 9 6 (WO 0 0/ 1 09 6 8) 記載の化 合物、 特表 2 0 02 - 5 2 3 3 9 5 (WO 0 0/ 1 0 9 6 7) 記載の化 合物、 WO 9 9/ 5 7 1 0 7記載の化合物、 WO 9 9/ 249 9記載の 化合物、 特表 2 0 0 1 - 5 1 6 3 6 1 (WO 9 8/41 5 1 9) 記載の 化合物、 特表 2 0 0 1— 5 1 5470号 (US 6 2 62 1 1 2号) 記載 の化合物、 特表 2 0 0 1— 5 0 8 7 9 9 (WO 9 8/3 1 2 2 7) 記載 の化合物、 WO 9 7/2 9 0 7 9記載の化合物、 特表 2 0 00 - 5 0 2
0 8 0 (WO 9 7/2 1 6 8 2) 記載の化合物、 特表平 1 1— 5 0 7 9 3 7 (WO 9 7 / 8 6 0 ) 記載の化合物、 特表 1 0— 5 0 8 8 7 0 (W 09 6/2 5 3 9 7) 記載の化合物、 特表 1 1— 5 0 1 6 1 5 (WO 9
6 / 1 8 6 0 0 ) 記載の化合物、 特表 1 1一 5 0 041 1 (WO 9 6/
1 8 3 9 1 ) 記載の化合物、 US 5 6 0 5 9 0 6記載の化合物、 WO 0 1 / 5 8 8 6 9記載の化合物、 WO 0 1 9 6 3 3 0記載の化合物、 W 00 2/1 0 1 3 5記載の化合物、 WO 0 2/422 6 9記載の化合物、 WO 0 2/5 8 6 3 6記載の化合物、 WO 0 2/6 0447記載の化合 物、 WO 0 2/5 3 543記載の化合物、 WO 02/7 2 56 2記載の 化合物、 WO 0 2/6 2 7 5 0記載の化合物、 WO 0 2 8 5 8 6 6記 載の化合物であり、 更に好ましくは、 特開 2 0 0 0— 2 5 6 3 2 3 (W 00 0/40 5 6 2) 記載の化合物、 S R 1 44 5 28、 AM 6 3 0、 AM 1 2 2 1等の WO 0 1/2 8 5 5 7記載の化合物、 AM 1 7 0 3等 の WO 0 1 /2 84 9 7記載の化合物、 AM I 7 1 0等の WO O 1 /2 8 3 2 9記載の化合物、 HU— 3 0 8等の WO 0 1 /3 2 1 6 9記載の 化合物、 J WH— 0 5 1、 L— 7 5 9 6 3 3、 L一 7 5 9 6 5 6、' L—
7 6 8 242、 WO 0 1/3 2 6 2 9記載の化合物、 WO 0 1/2 9 0 0 7記載の化合物、 WO 9 8Z4 1 5 1 9記載の化合物であり、 特に好 ましくは 2—ォキソキノリン化合物として N— (ベンゾ [ 1, 3] ジォ
02 13806
-4 2 - キソ一ル— 5 —ィルメチル) 一 7—メトキシー 2 —ォキソ一 8 —ペンチ ルォキシー 1, 2 —ジヒドロキノリンー 3—力ルポキサミド (化合物 A) を挙げることができる。 更に好ましくは、 化合物 A、 SR144528、 A 630 であり、更に好ましくは化合物 A及び SR144528であり、最も好ましくは 化合物 Aである。
「アレルギー疾患」 としては、 アナフィラキシー、消化管アレルギー、 アレルギー性胃腸症、 アレルギー性皮膚炎、 うるしかぶれ '化粧品かぶ れ等の皮膚炎、 奪麻疹、 アトピー性皮膚炎、 喘息、 アレルギー性喘息、 アトピー性喘息、 アレルギ 性気管支肺ァスペルギルス症、 花粉症、 ァ レルギ一性鼻炎、 アレルギー性結膜炎、 アレルギ一性肉芽腫性血管炎、 薬剤アレルギー、血清病、結核病変、臓器移植後の拒絶反応、結核病変、 臓器移植後の拒絶反応等が挙げられるがこれに限定されず、 アレルギー に関係する疾患であれば、 何れにも適用可能である。 より好ましくは、 アレルギー性皮膚炎、 アトピー性皮膚炎、 喘息、 アレルギー性喘息、 ァ トピー性喘息、 アレルギ一性鼻炎及びアレルギー性結膜炎を挙げること ができる。 特に好ましくは、 皮膚若しくは呼吸器に関するアレルギー疾 患を挙げることができ、 より具体的な適応症としては、 アレルギ一性皮 膚炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性喘息及びァトピ一性喘息である。
「アレルギー性皮膚炎」 とは、 アレルギー反応に関係する皮膚炎を示 し、 例えばアトピ一性皮膚炎を含む。 創傷による皮膚炎の様な非アレル ギー性皮膚炎と区別される。 「ァトピ一性皮膚炎治療薬」 としては、 ァト ピー性皮膚炎のアレルギー反応に作用することにより治療効果を上げる ものが好ましい。また、そのアレルギー反応の遅発型'反応、遅延型反応、 若しくは、 遅発型反応かつ遅延型反応に効果を有することが好ましく、 更に好ましくは、 即時型反応に加え、 遅発型反応、 遅延型反応、 若しく は、 遅発型反応かつ遅延型反応に効果を有する治療剤である。
「アレルギー性喘息」 とは、 喘息症状のなかでのアレルギー的側面を 示し、 例えば混合型喘息、 アトピー性喘息を含む。 アスピリン喘息等の 非アレルギー性喘息とは区別される。 「喘息治療薬」 としては、喘息のァ レルギ一反応に作用することにより治療効果を上げるものが好ましい。 また、慢性気管支炎又は気道過敏症に対し効果を有することが好ましく、 更に好ましくは慢性気管支炎かつ気道過敏症に効果を有する治療剤であ る。 また、 そのアレルギ一反応の遅発型反応、 遅延型反応、 若しくは、 遅発型反応かつ遅延型反応に効果を有することが好ましく、 更に好まし くは、 即時型反応に加え、 遅発型反応、 遅延型反応、 若しくは、 遅発型 反応かつ遅延型反応に効果を有する治療剤である。
「鎮痒作用」 とは、 痒みを低減させる或いは痒みを取り除くことによ り、 搔痒反応を減少させ、 痒みからの精神的ストレスを低減させる効果 をいう。 中枢作用ではなく、 例えば抗ヒスタミン作用、 抗サブスタンス
P 作用の様に、 痛みの原因を取り除くことが好ましい。 また、 上記のァ レルギ一疾患、 特にアトピー性皮膚炎に対し、 鎮痒作用を有することが 好ましい。
本発明の 「カンノビノイドレセプ夕一調節物質」 は、 ステロイ ド剤、 免疫抑制剤の様な 「副作用となる免疫抑制作用」 を持たない安全な薬剤 となり得る。 「副作用となる免疫抑制作用」 としては、 腎臓 ·脾臓の機能 障害による、 高カリウム血症、 白血球 ·血小板減少等が挙げられ、 例え ば、 脾臓重量の減少がその指標となるが、 本発明の 「カンノビノィドレ セプター調節物質」 には、 これら副作用は見られなかった。
著しい副作.用が認められないことで'「経口投与が可能」 な薬剤であれ ば、 軟膏剤、 注射剤等に比べ取扱いが容易となる。
ここで、 アレルギー疾患の 「治療」 とは、 アレルギー反応を抑制する こと或いはアレルギー疾患の症状を改善することを意味し、 起こり得る
アレルギー反応或いはアレルギー疾患を予防すること、 その増悪を予防 することも含む。 図面の簡単な説明
図 1は、マウス DNFB誘発アレルギー性皮膚炎における 4回目抗原塗布 後の試験化合物の耳介腫脹への影響を示す図である。 縦軸は、 試験化合 物投与前後におけるマウスの 「耳介の厚みの増加 (X 1 0_½m)」 を表す。 左からそれぞれ偽処置、 溶媒 (溶媒のみ 10mg/kgを経口投与。)、 プレド ニゾロン (陽性対照として 1、 2、 5mg/kgを経口投与。)、 化合物 A ( 0. 1、 1、 10mg/kgを経口投与。) の結果を示す。
図 2は、マウス DNFB誘発アレルギー性皮膚炎における 5回目抗原塗布 後の試験化合物の耳介腫脹への影響を示す図である。 縦軸は、 試験化合 物投与前後におけるマウスの 「耳介の厚みの増加 (X 1 0— 2mm)」 を表す。 左からそれぞれ偽処置、 溶媒 (溶媒のみ 10mg/kgを経口投与。)、 プレド ニゾロン (陽性対照として 1、 2、 5mg/kgを経口投与。)、 化合物 A ( 0. 1、 1、 10mg/kgを経口投与。) の結果を示す。
図 3は、 DNFB誘発ァレルギ一性皮膚炎モデルにおける試験化合物の脾 臓湿重量への影響を示す図である。 縦軸は、 脾臓湿重量 (mg) を表す。 左からそれぞれ偽処置、 溶媒 (溶媒のみ 10mg/kgを経口投与。)、 プレド ニゾロン (陽性対照として 1、 2、 5mg/kgを経口投与。)、 化合物 A ( 0. 1、 1、 10mg/kgを経口投与。) の結果を示す。
図 4は、マウス I gE依存性アレルギー性皮膚炎反応における即時相(抗 原塗布 1時間後) での試験化合物の耳介腫脹への影響を示す図である'。 縦軸は、 試験化合物投与前後におけるマウスの 「耳介の厚みの増加 (X I 0— ¾m)」を表す。左からそれぞれ、溶媒(溶媒のみ 10mg/kgを経口投与。)、 フマル酸ケトチフェン (陽性対照として 10mg/kgを経口投与。)、 プラン
ルカスト水和物 (陽性対照として 30fflg/kgを経口投与。)、 化合物 A ( 10m g/kgを経口投与。) の結果を示す。
図 5は、マウス I gE依存性アレルギー性皮膚炎反応における遅発相(抗 原塗布 24時間後) での試験化合物の耳介腫脹への影響を示す図である。 縦軸は、 試験化合物投与前後におけるマウスの 「耳介の厚みの増加 (X I
0_2mm)」を表す。左からそれぞれ、溶媒(溶媒のみ 10mg/kgを経口投与。)、 フマル酸ケトチフェン (陽性対照として 10mg/kgを経口投与。)、 プラン ルカスト水和物 (陽性対照として 30mg/kgを経口投与。)、 化合物 A ( 10m g/kgを経口投与。) の結果を示す。
図 6は、 マウス I gE依存性アレルギー性皮膚炎反応における後遅発相 (抗原塗布 8 日後)での試験化合物の耳介腫脹への影響を示す図である。 縦軸は、 試験化合物投与前後におけるマウスの 「耳介の厚みの増加 (X I
0_2mm)」を表す。左からそれぞれ、溶媒(溶媒のみ 10mg/kgを経口投与。)、 フマル酸ケトチフェン (陽性対照として 10mg/kgを経口投与。)、 プラン ルカスト水和物 (陽性対照として 30mg/kgを経口投与。)、 化合物 A ( 10m g/kgを経口投与。) の結果を示す。
図 7は、 マウス I gE依存性アレルギ一性皮膚炎反応における試験化合 物の投与期間の影響を示す図である。 縦軸は、 試験化合物投与前後にお けるマウスの 「耳介の厚みの増加 (X 1 0— 2mm)」 を表す。 0-8 は、 抗原塗 布日から 8日後までの投与期間を示す。 左からそれぞれ溶媒 (溶媒のみ
10mg/kgを 9 日間経口投与。)、 化合物 A ( 10mg/kgを 9、 8、 7、 5、 3日間 経口投与。) の結果を示す。
図 8は、 'モルモット抗原 発喘息における即時型喘息 (抗原誘発 1分 後) での試験化合物の呼吸抵抗への影響を示す図である。 縦軸は気道抵 抗 (sRaw) の増加率 (%) を示す。 左からそれぞれ偽処置、 溶媒 (溶媒 のみ 10mg/kgを経口投与。)、化合物 A ( 10、 30、 100mg/kgを経口投与。)、
プランルカスト (陽性対照として 30mg/kgを経口投与。)、 プレドニゾロ ン (陽性対照として 30mg/kgを経口投与。) の結果を示す。
図 9は、 モルモット抗原誘発喘息における遅発型喘息 (抗原誘発 4〜8 時間後) での試験化合物の呼吸抵抗への影響を示す図である。 縦軸は AU C4_8h r ( % ' h r) を示す。 AUC4_8hrとは、 抗原誘発 4乃至 8時間後の気道抵 抗 (sRaw) の増加率 (曲線下面積比) である。 左からそれぞれ偽処置、 溶媒 (溶媒のみ 1 0mg/kgを経口投与。)、 化合物 A ( 10、 30、 100mg/kgを 経口投与。)、 プランルカスト (陽性対照として 30mg/kgを経口投与。)、 プレドニゾロン (陽性対照として 30mg/kgを経口投与。) の結果を示す。 図 1 0は、 モルモット気道反応における試験化合物の影響を示す図で ある。 縦軸は PCl fl。ACli (mg/ml ) を示す。 PC1 ()()ACh とは、 アセチルコリン 吸入後の気道抵抗 (sRaw) が生理食塩液吸入後の sRawから 100%上昇す るのに必要なアセチルコリン濃度である。 左からそれぞれ偽処置、 溶媒 (溶媒のみ 10mg/kgを経口投与。)、 化合物 A ( 10、 30、 100mg/kgを経口 投与。)、 プランルカスト (陽性対照として 30mg/kgを経口投与。)、 プレ ドニゾロン (陽性対照として 30mg/kgを経口投与。) の結果を示す。
図 1 1は、 ヒト好塩基球からのロイコトリェン産生に対する試験化合 物の影響を示す図である。
縦軸にロイコトリェン (C4/D4/E4) 量 (pg/mL)、 横軸には抗 IgE抗体量 ( g/mL) を示す。
図 1 2は、 ラット肥満細胞からのロイコトリエン産生に対する試験化 合物の影響を示す図である。
縦軸にロイコトリェン (C4/D4/E4) 量 (pg/mL;)、 横軸には DNP-BSA量 (n g/mL) を示す。
図 1 3は、 マウス I gE依存性アレルギー性皮膚炎反応における後遅発 相 (抗原塗布 8 日後) での試験化合物の耳介腫脹への影響を示す図であ
る。 縦軸は、 試験化合物投与前後におけるマウスの 「耳介の肥厚 (X10一 ½m)」 を表す。 上図の左からそれぞれ、 非感作群、 感作群、 HU- 308 (10、 50mg/kgを経口投与。)、 化合物 A (0.1、 1、 10mg/kgを経口投与。)、 プレ ドニゾロン (陽性対照として 5mg/kgを経口投与。) の結果を示す。 下図 の左からそれぞれ、 非感作群、 感作群、 SR144528 (0.1、 1、 10mg/kg を 経口投与。)、 化合物 A (10mg/kgを経口投与。)、 プレドニゾロン (陽性対 照として 5mg/kgを経口投与。) の結果を示す。 平均値 土 標準誤差 (n =8)、 : pく 0.01, ***:pく 0.001 (vs 感作群 Dunnett test), ###:p<0.00 1 (vs 感作群 Studeni-ί test), $$$:ρ<0.001 (vs 非感作群 Student- 1 test)
図 1 4は、 マウス IgE依存性アレルギー性皮膚炎反応における後遅発 相 (抗原塗布 8 日後) での試験化合物の脾臓および胸腺湿重量への影響 を示す図である。 上図の縦軸は、 脾臓湿重量 (mg) を表す。 下図の縦軸 は、 胸腺湿重量 (mg) を表す。 左からそれぞれ非感作群、 感作群、 HU-3 08 (10、 50mg/kgを経口投与。)、化合物 A (0.1、 1、 10mg/kgを経口投与。)、 プレドニゾロン (5mg/kgを経口投与。) の結果を示す。 平均値 土 標準 誤差 (n=8)、 *:pく 0.05, ***:p<0.001 (vs 感作群 Dunnett test), ##: pく 0.01, «#:pく 0.001 (vs 感作群 Student- 1 test), $$:pく 0.01 (vs 非 感作群 Student - 1 test)
図 1 5は、 マウス IgE依存性アレルギー性皮膚炎反応における後遅発 相 (抗原塗布 8 日後) での試験化合物の脾臓および胸腺湿重量への影響 を示す図である。 上図の縦軸は、 脾臓湿重量 (mg) を表す。 下図の縦軸 は、 胸腺湿重量 (mg) を表す。 左からそれぞれ非感作群、 感作群、 SR14 4528 (0.1、 1、 lOmg/kgを経口投与。)、化合物 A (lOmg/kgを経口投与。)、 プレドニゾロン (5mg/kgを経口投与。) の結果を示す。 平均値 土 標準 誤差 (n=8)、 ###:p<0.001 (vs 感作群 Student— t test)
図 1 6は、 マウス IgE依存性アレルギー性皮膚炎反応における試験化 合物によって誘発される耳介腫脹の経時変化を示す図である。 縦軸は、 試験化合物投与前後におけるマウスの「耳介の肥厚(X10—2mm)」を表す。 左から、 化合物塗布後の時間を表わす。 平均値 土 標準誤差、 (n=6) 図 1 7は、 マウス IgE依存性アレルギー性皮膚炎反応における 2-ァラ キドノィルグリセロールエーテル (2- AG-E) によって誘発される耳介浮 腫に対する化合物 Aの効果を示す図である。 縦軸は AUC (0乃至 8日目) を表わす。 左からそれぞれ、 偽処置、 溶媒 (溶媒のみ 10mg/kgを経口投 与。)、 化合物 A (0.01、 0.1、 1、 10mg/kgを経口投与。) の結果を示す。 平均値 土 標準誤差 (η=8)、' ":pく 0.01, * :pく 0.001 (vs 溶媒群 Du nnett test), $$$:p<0.001 (vs 偽処置群 Student- 1 test) . 図 1 8は、 NC系マウスの自発的搔痒反応に対する試験化合物の効果を 示す図である。 縦軸は、 試験化合物投与前後におけるマウスの引つ搔き 回数(回 Z時間)を表わす。左からそれぞれ、溶媒(溶媒のみ経口投与。)、 化合物 A (し 10mg/kgを経口投与。)、 タク口リムス水和物 Umg/kgを経 口投与。)、 吉草酸べタメサゾン (lmg/kgを経口投与。) の結果を示す。 発明を実施するための最良の形態
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、 本発明はこれ らにより限定されるものではない。 製剤例 1 カプセル剤の製造
1) 化合物 A 30g
2) 微粉末セルロース 10g
3 ) 乳糖 19g
4) ステアリン酸マグネシウム lg
計 60g
1 )、 2 )、 3 ) 及び 4 ) を混合して、 ゼラチンカプセルに充填する。 製剤例 2 錠剤の製造
1 ) 化合物 A 30g
2 ) 乳糖 50g
3 ) トウモロコシデンプン 15g
4 ) カルボキシメチルセルロースカルシウム 44g
5 ) ステアリン酸マグネシウム l g
計 140g
1 )、 2 )、 3 ) の全量及び 30gの 4 ) を水で連合し、 真空乾燥後、 製 粒を行なう。 この製粒粉末に 14gの 4 ) 及び 5 ) を混同し、 打錠機で打 錠する。 1錠あたり化合物 Aを 30mg含有する錠剤 1000錠を得る。
本発明における化合物を医薬組成物として使用する場合には、 化合物 自体を直接患者に投与する以外に、 公知の製剤学的方法により製剤化し て投与を行うことも可能である。 例えば必要に応じて上記製剤例 1 (力 プセル剤) および 2 (錠剤) 以外に、 マイクロカプセル剤、 軟 ·硬カブ セル剤、 丸剤、 液剤、 散剤、 顆粒剤、 細粒剤、 フィルムコ一ティング剤、 ペレット剤、 卜ローチ剤、 舌下剤、 咀嚼剤、 バッカル剤、 ペースト剤、 シロップ剤、 懸濁剤、 エリキシル剤、 乳剤、 点眼剤、 点耳剤、 塗布剤、 軟膏剤、 硬膏剤、 パップ剤、 TTS 剤、 ローション剤、 吸引剤、 エアゾ一 ル剤として経口的あるいは非経口的に、 あるいは水もしくはそれ以外の 蕖学的に許容し得る液との無菌性溶液、 または懸濁 ·乳濁状溶液を注射 剤の形で非経口的に使用できる。 非経口投与のためのその他の形態とし ては、 一つまたはそれ以上の活性物質を含み、 常法により処方される外 用液剤、 腸溶内投与のための坐剤、 ペッサリー、 乳剤性発泡剤などが含
まれる。 また、 例えば薬理学上許容される担体もしくは媒体、 具体的に は、 滅菌水や生理食塩水、 植物油、 溶剤、 基剤、 乳化剤、 懸濁剤、 界面 活性剤、 安定剤、 香味剤、 芳香剤、 賦形剤、 べヒクル、 防腐剤、 結合剤、 希釈剤、 等張化剤、. 無痛化剤、 増量剤、 崩壌剤、 緩衝剤、 コーティング 剤、 滑沢剤、 着色剤、 甘味剤、 粘稠剤、 矯味矯臭剤、 溶解補助剤あるい はその他の添加剤等と適宜組み合わせて、 一般に認められた製薬実施に 要求される単位用量形態で混和することによって製剤化することが考え られる。
錠剤、 カプセル剤に混和することができる添加剤としては、 例えばゼ ラチン、 コーンスターチ、 トラガントガム、 アラビアゴムのような結合 剤、 結晶性セルロースのような賦形剤、 コーンスターチ、 ゼラチン、 ァ ルギン酸のような膨化剤、 ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、 ショ糖、 乳糖またはサッカリンのような甘味剤、 ペパーミント、 ァカモ ノ油またはチェリーのような香味剤が用いられる。 調剤単位形態がカブ セルである場合には、 上記の材料にさらに油脂のような液状担体を含有 することができる。 注射のための無菌組成物は注射用蒸留水のようなベ ヒクルを用いて通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水溶液としては、 例えば生理食塩水、 ブドウ糖やその他の捕 助薬を含む等張液、 例えば D-ソルビトール、 D-マンノース、 D-マンニト —ル、 塩化ナトリウムが挙げられ、 適当な溶解補助剤、 例えばアルコ一 ル、 具体的にはエタノール、 ポリアルコール、 例えばプロピレングリコ —ル、 ポリエチレングリコール、 非イオン性界面活性剤、 例えばポリソ ルベート 80 (TM)、 HC0-50と併用してもよい。
油性液としてはゴマ油、 大豆油があげられ、 溶解補助剤として安息香 酸ベンジル、 ベンジルアルコールと併用してもよい。 また、 緩衝剤、 例 えばリン酸塩緩衝液、 酢酸ナトリウム緩衝液、 無痛化剤、 例えば塩酸プ
ロカイン、 安定剤、 例えばべンジルアルコール、 フエノール、 酸化防止 剤と配合してもよい。 調製された注射液は通常、 適当なアンプルに充填 させる。
投与量は、 疾患の種類及び程度、 投与する化'合物並びに投与経路、 患 者の年齢、 性別、 体重等により変わり得る。 経口投与の場合、 通常、 成 人 1 日当たり化合物 A 0. l〜1000mg、 好ましくは l〜300mgを、 1〜数回 にわけて投与する。
なお、 本発明化合物は動物用医薬としても適応することができる。 薬理試験
1) アレルギ一性皮膚炎モデル動物を用いた治療効果
ァトピー性皮膚炎は I型及び IV型アレルギ一反応が複雑に絡み合った ものと考えられており、 I型及び IV型が単独若しくは複合的に発症する モデルが有用である。
1. マウス DNFB誘発アレルギー性皮膚炎に対する効果
本モデルは、 マウスを抗廪によって感作後、 誘発を繰り返すことによ り、 IgE 抗体価の上昇を伴う接触性皮膚炎、 すなわちアトピー性皮膚炎 類似の炎症を誘導させたモデルである (J. Allergy Clin. Immunol., 1 00(6Pt2), 39-44, Dec. 1997)。本モデルは、 T細胞による遅延型アレル ギー反応及び肥満細胞による遅発型アレルギー反応により炎症を起こす と考えられる。 また、 本試験において同時に、 試験化合物の全身性免疫 抑制作用を検討するため脾臓重量を測定した。
試験方法 ' . ' •試験化合物の調製
溶媒の調製:メチルセルロース (以下 MC) を蒸留水で溶解し、 0.5% (w /v)MC水溶液とした。
試験化合物の調製:特開 2 0 0 0— 2 5 6 3 2 3号の実施例 3— 5に 従い化合物を合成した。所定量の化合物 Aを上記溶媒により懸濁し、 l m g/mL懸濁液とした。 さらに希釈により、 0. 1mg/mL、 0. 01 mg/mL懸濁液に 調製した。 また、 陽性対照薬としてプレドニゾロン (S i gma) を同様に 0. 5mg/mL 0. 2mg/mL 0. lmg/mLに調製した。 プレドニゾロンはアトピー性 皮膚炎の治療に有効とされる副腎皮質ステロイド剤のひとつである。 •抗原の調製及び塗布
抗原の調製: DNFB ( 2,4-ジニトロフルォロベンゼン) をアセトンとォ リーブオイルの混液 (3 : 1、 v/v) にて、 0. 1 5 % (w/v) になるように用時 調製した。
抗原塗布: 9週齢雌性 BALBZ c系マウス (SLC製)の両耳介の表裏に、 上記抗原を 25 /z Lずつ、 1週間に 1回の割合で計 5回塗布した。
•試験化合物の投与
3回目に抗原塗布した翌日より 5回目に抗原塗布した翌日までの間、 1 日に 1回の割合で合計 1 5回上記試験化合物を 10mL/kg投与した。 なお、 抗原塗布日には抗原塗布の 1時間前に、 抗原塗布翌日には抗原塗布の 23 時間後に投与した。
•耳介腫脹の測定
抗原塗布前及ぴ 24時間後に、 ダイヤルシックネスゲージ (山前機ェ) を用いて耳介の厚みを測定し、 その差を腫脹の指標とした。 4 回目抗原 塗布及び 5回目抗原塗布の際の測定結果を陽性対照の結果と合わせ図 1 及び図 2に示す。
•綽臓重量の測^
5回目抗原塗布 24時間後に、 エーテル麻酔し放血させたマウスより脾 臓を摘出し、 湿重量を測定した。 測定結果を図 3に示す。
•結果
永井らは本モデルにおいて、 5回目の抗原塗布後には、 遅発型反応 (I 型アレルギー反応) 及び遅延型反応 (IV型アレルギー反応) が複合した 耳介の腫脹が発現することを報告している。
化合物 Aは、 '本アレルギ一性皮膚炎モデルにおいて、 耳介の腫脹を有 意に抑制した。 また、 3 回目の抗原塗布後の投与開始において、 その効 果を示した。 その際プレドニゾロンに認められる脾臓重量の低下は示さ なかった。
2 . マウス IgE依存性アレルギー性皮膚炎反応に対する効果
本モデルは、 マウスを IgEで受動感作した後、 抗原による誘発を繰り 返すことにより、 三相性 (即時相 ·遅発相 ·後遅発相) の皮膚炎を惹起 させたモデルである (Pharmaco l ogy, 60 (2) , 97-104, Feb. 2000)。それ ら反応は、 肥満細胞及び T細胞の関与、 炎症局所での好酸球の浸潤が確 認されていることから、 アトピー性皮膚炎症状の一部を反映した反応と 考えられる。
試験方法
•試験化合物の調製
溶媒の調製: MCを蒸留水で溶解し、 0. 5 % MC水溶液とした。
試験化合物の調製:所定量の化合物 Aを上記溶媒により懸濁し、 lmg/ mL懸濁液とした。
また、 陽性対照薬として上記と同様にフマル酸ケトチフェン (S i gma) lmg/mL及びプランルカスト水和物 (商標名オノン錠 (小野薬品工業) よ り抽出。) 3ig/mL を調製した。 ブランルカスト水和物はロイコトリェン 阻害剤として、 喘息治療剤及びアレルギー性鼻炎治療剤として用いられ ており、 フマル酸ケトチフェンはケミカルメデイエ一夕一遊離抑制剤と して、 喘息、 アレルギー性鼻炎、 湿疹、 皮膚炎、 奪麻疹、 皮膚搔痒症、
アレルギー性結膜炎に用いられている。
•受動感作
anti-DNP IgE (DNPに対する抗体、 ャマサ醤油) を生理食塩液で 15 S /mLに調製し、 9週齢雌性 BALBZc系マウス (SLC製) に 0.2mL尾静脈内 より投与した。
•抗原の調製及び塗布
抗原の調製: DNFB (2,4-ジニトロフルォロベンゼン) をアセトンとォ リーブオイルの混液 (3:1、 v/v) にて、 0.15% (w/v) になるように用時 調製した。
抗原塗布:上記 anti- DNP IgEの投与より 24時間後に、 両耳介の表裏 に、 上記抗原を 25 Lずつ塗布した。
•試験化合物の投与
抗原塗布日より抗原塗布後 8 日目まで計 9回、 1 日に 1回の割合で 10 ml /kg を経口投与した。 また他のマウスには抗原塗布 1日後より抗原塗 布後 8日目まで計 8、 1 日に 1回の割合で 10ml/kgを経口投与した。他の マウスにも同様に、 抗原塗布 2、 4、 6日後より抗原塗布後 8 日目まで それぞれ計 7、 5、 3回、 1 日に 1 回の割合で 10ml/kgを経口投与した。 抗原塗布日より試験化合物の投与開始までの期間は、 試験化合物に代え て溶媒のみ 10ml/kgを 1 日に 1回の割合で経口投与した。 なお、 抗原塗 布日には抗原塗布の 1時間前に、 抗原塗布後 8 日目には耳介の厚さを測 定する 1時間前に投与した。
•耳介腫脹の測定
抗原塗布前、 1'時間後、 24時間後及び 8日後に、 ダイヤルシックネス ゲージ (山前機ェ) を用いて耳介の厚みを測定し、 抗原塗布前の値と各 時間の値との差を腫脹の指標とした。 それぞれの測定結果を図 4乃至図 6に示す。 また、 抗原塗布 8日後の腫脹抑制効果に対する塗布開始時期
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- 55- の影響を図 7に示す。
•結果
化合物 Aは、 本 IgE依存性皮膚炎モデルにおける即時相 (塗布 1時間 後)、 遅発相 (塗布 24時間後)、 後遅発相 (塗布 8日後) に対して、 いず れも有意に耳介の腫脹を抑制した。 また、 後遅発相における化合物 Aの 効果は、 遅発相が惹起した後より投薬を開始した場合においても認めら れた。
2) 喘息モデルを用いた治療効果
モルモットにおける抗原誘発即時型喘息、 遅発型喘息、 気道過敏性に 対する効果
試験方法
•試験化合物の調製
所定量の化合物 Aを、 0.5%MC水溶液に懸濁し、 60mg/mLとした。 試験 化合物はさらに希釈し、 20、 6、 2mg/mL に用時調製した。 同様に、 陽性 対照として、 プランルカスト水和物 (商標名オノン錠 (小野薬品工業) より抽出。) 及びプレドニゾロン (Sigma) を 6mg/mL調製した。
•能動感作及び抗原誘発
感作:超音波ネブライザ一 (NE-U12、 オムロン社) を用い、 6週齢雄性 H artley系モルモット (九動 (株)) に 1%0VA (ovalbumin, Sigma) 含有 生理食塩液を 1 日に 10分間、 連続 8日間吸入させた。
抗原誘発:最終感作の 1週間後、 同様に 2%0VAを 5分間吸入させた。 0 VA 発 24時間前及び 時間前に metyrapone令 生理食塩液(Aldriclu 10mg/kg) を静脈内に、 OVA誘発 30分前に pyri lamine含有生理食塩液(S igma、 10mg/kg) を腹腔内に投与した。
•試験化合物の投与
感作開始から抗原誘発まで 15 日間、 1 日 1回 5mL/kg経口投与した。 感作の 8日間は、 感作 1時間前に、 抗原誘発の日は誘発 1時間前に投与 した。 溶媒対照として、 OVA 誘発及び生理食塩液誘発への投与も同様に 行なった。
陽性対照としてプランルカスト水和物は誘発 1時間前に、 プレドニゾ ロンは誘発 16時間前及び 2時間前に投与した。 なお、 動物は経口投与 1 6〜18時間前から絶食状態とした。
•気道抵抗性の測定
総合呼吸機能解析システム (Pulmos- 1, M. I.P.S.社) を用い, pre値 を測定した後、 OVA誘発 1分後、 2、 4、 5、 6、 7および 8時間後、 更に 2 2〜26時間後に 1回、 それぞれ 100呼吸分の気道抵抗 (specific airway resistance, 以下 sRaw) を測定し、 その平均値を各測定時間の sRawと した。 sRawの増加率の計算式は以下に示す。
sRawの増加率(%) = ((各測定時間の sRaw — 誘発前の sRaw) / (誘 発前の sRaw)) X 100
OVA誘発 1分後の sRawの増加率を図 8に、誘発 4乃至 8時間後におけ る sRawの増加率 (曲線下面積: AUC4- 8hr)を図 9に示す。
•気道反応性の測定
抗原誘発 22〜26時間後、 生理食塩液及びァセチルコリン(以下 ACh)の 0.0625、 0.125、 0.25、 0.5、 1及び 2mg/mL溶液を順次各 1分間ずつ吸入 させ、 sRawが baseline sRaw (生理食塩液吸入後の sRaw)の 2倍以上に なるまで続けた。 ACh濃度と sRawの濃度—抵抗曲線から、 sRawが base line sRawから 100%上昇するの ίこ必要な AChの濃度 PClOOAChを求めた。 測定結果を図 1 0に示す。
·結果
本モデルにおいて、 化合物 Aは、 抗原誘発即時型喘息反応 (抗原誘発
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- 57- 直後の sRaw)、 遅発型喘息反応 (抗原誘発 4から 8時間後の sRaw)、 気道 過敏性の何れをも抑制した。 陽性対照のプランルカスト水和物及びプレ ドニゾロンもまた、 抗原誘発即時型喘息、 遅発型喘息、 気道過敏性の何 れをも抑制した。
3 ) ロイコ卜リエン産生に対する作用
ロイコトリエン(以下 LTs)は好塩基球および肥満細胞等より産生し、 アレルギー疾患、 特にアレルギー性気管支喘息において増悪に関与して いることが知られている。
1. ヒト好塩基球からのロイコトリェン産生に対する作用
•試験化合物の調製
所定量の化合物 Aを DMSO (Dimethyl Sulfoxide)で 0. OlinMとした後、 タイロード液(Sigma)にて希釈し、 IOO Mから 0.1 Mまで調製した(1% DMS0溶液)。細胞に作用するときは更に希釈され、 IO Mから 0,01 M(0. 1% DMS0溶液) となった。
•好塩基球の高純度化
ヒト血液より 3.8%クェン酸ナトリゥム液を入れたシリンジを用いて lOOmLの血液を得た。
10 HBSS (-) (10倍 Hank's Balanced Salt Solution, GIBC0)、 perco 11 (Amersham), ミリ Q水にて調製した 1. 070g/mL、 1.079g/mL、 1.088g /mL PrecoU- HBSS (-)を重層し、 上記血液を重層した。 300Xgで 25分間 遠心し、 1. 070g/mL Percol卜 HBSS (-)層と 1.079g/mL Percol 1-HBSS (-) 層の間に存在した細胞画分を回収した。 回収した細胞懸濁液に対して 3 倍量の HBSS (-)を添加し、 300 Xgで 4°Cにて 7分間遠心した。 遠心後、 上清を除去し、 細胞を HBSS (-)で 1 回洗浄した。 以上より得られた細胞 群を好塩基球と見なした。
• プレインキュベーション
上記好塩基球をタイロード液で 2.5X106cells/mLに調製し、 10 g/mL recombinant human IL-3 (Genzyrae/Techne) にて最終濃度 lOOng/mL と なるように添加した。 直ちに丸底 96穴プレートに 80 L/well(2.0X105 cells/well)播種し、 37。C、 5%C02で 30分間インキュベートした。
•試験化合物及の添加
プレインキュベーションの後、 上記試験化合物 lO^L/well を添加し、 37°C、 5%C02 で 10 分間インキュベートした。 溶媒対照群には 1%DMS0 を含むタイロード液を 10/zL/well加えた。
·抗ヒト IgE抗体の添加
タイロード液で 1、 3、 10、 30、 100 g/mLに希釈した抗ヒト IgE抗体 を ΙΟ/iL/well添加し、 37°C、 5% C02で 30分間ィンキュベートした (最 終濃度はそれぞれ 0.1、 0.3、 1、 3、
• LTsの定量
刺激から 30分後、 3000rpm、 5min、 4 で遠心し、 上清を 80 L/well 回収した。上清の LTs 量を LTs EIA Kit (Amersham pharmacia)のメーカ 一プロトコールに従って測定した。 サンプルはタイロード液で 3倍およ び 24倍希釈し測定した。 測定結果を図 1 1に示す。
•結果
本試験において、 化合物 Aは、 ヒト好塩基球からのロイコトリェン (C 4/D4/E4) 産生に対して抑制作用を示した。
2. ラット肥満細胞株からのロイコトリェン産生に対する作用
•試験化合物の調製
所定量の化合物 Aを DMS0にて希釈し、 3、 1、 0.3、 O. lmMに調節した (100%DMS0溶液)。 さらに、 E- MEM (EAGLE- MEM、 日研生物研究所) 培地
にて希釈し、 それぞれ 100から 1 Mに調節した (1%DMS0溶液)。 細胞 に作用するときは更に希釈され、 10 iMから O. I M (0.1%DMSO溶液) となった。
. PIPES Bufferの調製
ImM PIPES (同仁化学研究所)、 1 mM NaCK 0.5mM KC1、 0.06mM MgC12、 0. ImM CaC12、 0.55mM Glucose, 0.1%BSA (Bovine Serum Albumin, Sig ma) を精製水で調製し、 NaOHで pH 7.4とした。
• anti-DNP IgEの調製
lmg/niL anti-DNP IgE (モノクローナルマウス抗 DNP-IgE、 Yamasa) を 上記 PIPES Bufferで 1000倍希釈することにより 1 g/mL溶液に調製し た。
• DNP-BSAの調製
1 Omg/mL DNP- BSAを上記 PIPES Bufferで 10 g/mLの濃度に希釈した。 • ラット肥満細胞株の培養方法
培地:非働化済 10%FCS (Fetal Calf Serum, Morgate Biotech), lOOun i ts/mL Penicillin, 100 n g/mL Streptomycin (Penici 11 in/Streptomyc inとして、 GIBC0) を含む E- MEM培地。
•細胞の調製
ラット肥満細胞株 RBL- 2H3(ヒューマンサイエンス lxl06cells/mL/tub e)を上記培地で遠心洗浄後、 同培地で再懸濁し、 75cm2フラスコ(Falcon 353136)で 3 日間培養した。 継代後、 さらに 225cm2フラスコ(CORNING 43 1082)で 2 日間培養した。 セミコンフルェント(confluency 60- 70%)な状 態を確認し、 HBSSでリンス後、 Trypsin- EDTAではがした。細胞を回収後、 上記培地で遠心洗浄し、同培地で再懸濁した。 2X105cells/mLに調製し、 250 L/well で 96well flat bottom culture plate (Falcon 3072)に播 種し、 5%C02、 37°Cで 20時間培養した。
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-6 0 -
•抗原感作
plateの培地を除き HBSSで洗浄後、 上記培地に溶解した 150ng/mLの anti-DNP IgEを 100 L/wel 1添加し、 37°Cで 30分間ィンキュベートし、 細胞を感作した。
·試験化合物の添加
plate の培地を除き HBSSで洗浄後、 上記培地を 80 L/wel 1添加し、 さらに、 上記培地で 1、 3、 10、 30、 100 Mに希釈した化合物 Aを 10 L /well添加し、 37°Cで 10分間ィンキュベートした(最終濃度はそれぞれ 0.1、 0.3、 1、 3、 10 M、 最終 DMS0濃度 0.1%)。
·抗原刺激
上記培地で 150、 500、 1500、 5000ng/mLに希釈した DNP- BSAを IO L /well添加し (最終濃度はそれぞれ 15、 50、 150、 500ng/iL), 37°Cで 3 0分間ィンキュベ一トした。
• LTsの定量
抗原刺激から 30分後、 上清を 20 iL/weil回収し、 LTs 量を LTs EIA Kit (Amersham Pharmacia)のメ一カープ口トコ一ルに従って測定した。 測定結果を図 1 2に示す。
•結果
本試験において、 化合物 Aは、 ラッ ト肥満細胞株からのロイコトリエ ン (C4/D4/E4) 産生に対して抑制作用を示した。
4 ) カンナピノイ ドレセプターに対する Binding Assay
化合物 Aは、 末梢細胞型カンナピノィ ドレセプター選択的な調節物質 (CB1 に対する IC5。が 3436nM、 CB2 に対する IC5()が 0.087nM) であるこ とが公知である (特開 2 0 0 0— 2 5 6 3 2 3号記載の薬理試験結果、 表 33、 実施例番号 3-5)。
6
3. マウス IgE依存性アレルギー性皮膚炎反応に対する CB2ィンバース ァゴニストおよび CB2ァゴニストの作用
マウスを IgEで受動感作した後抗原により誘発される三相性皮膚炎モ デルを用いて、 CB2インバースァゴニストおよび CB2 ァゴニストの作用 を検討した。
試験方法
•動物: 8〜10週齢雌性 BALBZc系マウス (SLC) を用いた。
•試験化合物の調製
溶媒の調製: MCを蒸留水で溶解し、 0.5%MC水溶液とした。
試験化合物の調製:所定量の化合物 Aを上記溶媒により懸濁し、 0.01, 0.1および 1 mg/mL懸濁液を調整した。
また、 陽性対照薬としてプレドニゾロン (Sigma) の 0.5mg/mLを、 比 較対照薬として CB2特異的なァゴニストである HU- 308の 1, 5 mg/mLお よび CB2 特異的なインバースァゴニストである SR144528 の 0.01, 0.1 および 1 mg/mLを上記と同様 MC懸濁液として調製した。
•受動感作
Anti-DNP IgE (DNPに対する抗体、 ャマサ醤油) を生理食塩液で 15 g /mLに調製し、 マウスにその 0.2mLを尾静脈内より投与した。
·抗原の調製及び塗布
抗原の調製: DNFB (2,4-ジニトロフルォロベンゼン) をアセトンとォ リーブオイルの混液 (3:1、 v/v) にて、 0.15% (w/v) になるように用時 調製した。
抗原塗布: 上記 anti- DNP IgEの投与より 24時間後に、 両耳介の表裏 に、 上記抗原を 25 zLずつ塗布した。
•試験化合物の投与
抗原塗布日より抗原塗布後 8 日目まで計 9回、 1 日に 1回 10 mL/kgで 経口投与した。 なお、 抗原塗布日には抗原塗布の 1時間前に、 抗原塗布 後 8 日目には耳介の厚さ.を測定する 1時間前に投与した。
•耳介腫脹の測定
抗原塗布前及び 8 日後に、 ダイヤルシックネスゲージ (山前機ェ) を 用いて耳介の厚みを測定し、 抗原塗布前の値と各時間の値との差を腫脹 の指標とした。 測定結果を図 1 3に示す。
·臓器重量の測定
耳介腫脹を測定した後脾臓と胸腺を取り出し、 それらの湿重量を測定 した。 それぞれの測定結果を図 1 4および図 1 5に示す。
•結果
化合物 Aは、 後遅発相 (塗布 8 日後) において、 0. 1 , 1 , 1 0 mg/kgの いずれの用量とも有意に耳介の腫脹を抑制した。 また、 CB2 インバース ァゴニストである SR144528も 0. 1 mg/kgから有意な効果を示した。それ に対して、 CB2ァゴニストである HU- 308は 1 0および 50 mg/kgのいずれ において薬効は認められなかった。 脾臓および胸腺の重量を測定した結 果は、 プレドニゾロンが両臓器重量を有意に抑制したのに対し、 化合物 Aおよび SR144528では明らかな変化は認められなかった。 HU - 308を投与 した動物では脾臓重量の有意な減少が認められた。
4 . CB ァゴニストによって誘発される耳介腫脹と化合物 Aの作用
CB2ィンバースァゴニストが I gE依存性アレルギー性皮膚炎モデルに おいて有効性を示したことから、 内因性リガンド候補の 2-ァラキドノィ ルグリセロールの安定体である 2-ァラキドノィルグリセロールエーテ ル(2- AG- E)および特異的 CB 2ァゴニストである HU- 308が直接耳介腫脹 を誘発するかどうかを検討し、 ァラキドン酸 (AA) によって誘発される
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-63 - 耳介腫脹と比較した。 また、 CB2 ァゴニストの耳介への影響に対する化 合物 Aの作用についても検討した。
試験方法
•動物: 8〜10週齢雌性 BALB/c系マウス (SLC) を用いた。
·試験物質の調製及び塗布
合成した 2- AG - Eおよび HU- 308は、 それぞれ 10 % (w/v) および 1 0 % ( /v) に、 AA (Sigma) は 1.25 % (w/v) になるようにアセトンにて 用時調製し、 左耳介の表裏に各々 10/2Lずつ塗布した。
•溶媒おょぴ化合物 Aの調製
溶媒の調製: MCを蒸留水で溶解し、 0.5%MC水溶液とした。
化合物 Aの調製:所定量の化合物 Aを上記溶媒により懸濁し、 0.001, 0.01, 0.1および 1 mg/mL懸濁液を調整した。
•化合物 Aの投与
溶媒または化合物 Aを 10 mL/kgで経口投与し、 その 1 時間後に 10 % (w/v) の 2- AG- Eを左耳介の表裏に各々 lO^Lずつ塗布した。
•耳介腫脹の測定
試験物質の塗布前、 塗布後 1、 1、 3、 6、 9、 24時間後及び 2、 3、 8 日 後に、 ダイヤルシックネスゲージ (山前機ェ) を用いて耳介の厚みを測 定し、 塗布前の値と各時間の値との差を腫脹の指標とした。 化合物 Aの 評価には、 2-AG- E塗布後 8 日目までの耳介腫脹の経時変化から得られる 曲線下面積を算出した値を用いた。 それぞれの測定結果を図 1 6および 図 1 7に示す。
•結果
2-AG-E を塗布することにより、 2 - AG- E濃度に依存した 1 時間から 2 時間をピークとする耳介の腫脹が認められ、 10 %濃度では塗布後 8 日目 まで持続した。 HU- 308 も同様の持続的な耳介の腫脹を誘発した。 一方、
AAは塗布 1時間後をピークに 10% 2-AG-Eと同程度の腫脹を示したが、 2 日後にはもとのレベルまで回復した。
10% 2-AG-E塗布による耳介の腫脹に対し、化合物 Aは投与量に依存し て腫脹を抑制し、 1および 10 mg/kgで有意な効果を示した。
5. NC系マウスの自発的搔痒反応に対する効果
痒みは、 アトピー性皮膚炎、 奪麻疹、 接触性皮膚炎などの皮膚科領域 における疾患の主要な症状の一つである。 しかしながら、 その発生機序 については未だ不明な点が多く、 痒みを劇的に抑制しかつ副作用の少な い薬物は開発されていない。
現在、ァトピー性皮膚炎の動物モデルとして NC系マウスが用いられて いる。 空気中の微生物の制御を行っている環境下 (SPF 環境下) で飼育 しても、 皮膚炎ゃ搔き動作は観察されない。 しかし、 通常の環境下 (CO nventional環境下)で飼育すると 8週目頃から皮膚炎の発症と共に搔き 動作が観察されるようになり、その症状は慢性化することが知られる( J . Dermatol. Sci. , 25, 20-28, 2001)。
試験方法
•試験化合物の調製
溶媒の調製: MCを水道水で溶解し、 0.5% (w/v)MC水溶液とした。
試験化合物の調製:所定量の化合物 Aを上記溶媒により懸濁し、 lmg AiL、 0. lmg/mL 懸濁液に調製した。 また、 陽性対照薬として吉草酸ベタ メサゾン (Sigma) 及びタク口リムス水和物 (プログラフ (藤沢薬品) よ り抽出。) を同様に lmg/mLに調製した。 吉草酸べ夕メタゾンはアトピー 性皮膚炎の治療に有効とされる副腎皮質ステロイ ド剤のひとつであり、 タク口リムス水和物は上記の様に免疫抑制剤として知られるァトピー性 皮膚炎治療剤である。
•動物飼育及び選択方法
4週齢雄性 NC/Jic系マウス (日本クレア) を rodent time (Myobia m usculi) に感染した重度の皮膚病変を発症したマウス (A) と同じ飼育ケ —ジで 12 日間飼育し、 その後、 飼育ケージからマウス (A)
を除き 16週齢で使用した。
飼育条件: 温度 22±2°C、 湿度 55±10%、 照明時間 8:00-20:00、 飼 料 固型飼料 CA-1 日本クレア)を自由摂餌、飲料水 水道水を自由摂水。 実験開始 10日前から 2 日間もしくは 3 日間に渡り、マウスの後肢によ る搔き動作の回数 (20分間、 1 日 1回) を目視により数え、 測定した複 数マウスの中から、搔き動作数回数が 1 日当たりの平均で 50回以上のマ ウスを選択し使用した。
•試験化合物の投与
上記マウスに 3週間に渡り 1 日 1回、 10mL/kgにて経口投与した。 •試験方法
無人環境下で上記マウスの行動をビデオカメラに撮影し、 1 時間中の 後肢による搔き動作を数えた。 マウスは通常約 1秒間に数回の搔き動作 を示すが、 この一連の動作を一回の搔き動作として、 搔き部位の区別な く全て数えた。 測定は投与開始日、 1、 3、 6、 10、 13、 17、 20 日後に行 なった。 陽性対照とあわせ結果を図 1 8に記載する。
·結果
本搔痒反応モデルにおいて、 溶媒のみを投与した対照と比較し、 化合 物 Aは搔き動作の回数を抑制した。 また、 陽性対照の夕クロリムス水和 物及び吉草酸べタメタゾンも搔き動作の回数を抑制した。 以上の結果より、 カンナピノイドレセプ夕一調節物質、 特に化合物 A 及び SR144528等の末梢細胞型カンナピノイドレセプター (CB2) 選択的
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- 6 6 - インバースァゴニストは、 アレルギー疾患の治療剤として有効であるこ とが認められた。
特に、 即時型 ·遅発型 ·遅延型アレルギー反応が複合しておこる喘息 及びアトピー性皮膚炎の治療に有効であった。 また、 遅発相及び後遅発 相においてアレルギー性皮膚炎を抑制する効果は、 慢性化した皮膚炎に 有効であることが期待される。 よってカンナビノィ ドレセプター調節物 質、特に化合物 A及び SR144528等の CB2選択的ィンバースァゴニストは、 現在、 ステロイ ド剤及び免疫抑制剤夕クロリムス水和物でしか著しい効 果の認められない難治性のアレルギー性皮膚炎、 特にァトピー性皮膚炎 に有効である。
また、アレルギー性喘息においては抗原誘発即時型喘息、遅発型喘息、 気道過敏性の何れの症状をも軽減する抗喘息剤として有効であり、 難治 性の喘息にも効果を有することが期待される。
また、 カンナビノイ ドレセプター調節物質、 特に化合物 A等の CB2選 択的インバースァゴニストは、 マウス搔痒反応試験において、 アレルギ 一反応に起因すると考えられる搔き動作を減少させることが認められた。 更に、 全身性免疫抑制を示さない安全な薬剤となり得、 経口剤として の利用可能性も示された。
化合物 A及び SR144528は、 カンナピノィ ドレセプター、特に CB2 レセ プターに選択的に強く作用することが知られる。 CB2選択的ァゴニスト H U- 308、 及び、 カンナビノィド内因性リガンド 2- AGの誘導体である 2 - AG - Eでは、抗アレルギ一作用が見られなかったこと、 2 - AG - Eによりアレル ギー反応が誘発され、 化合物 Aはそのアレルギー反応さえも抑制すると いう試験結果は、 CB2 選択的インバースァゴニストが抗アレルギー剤と して有用であることを裏付けるものである。
よって、化合物 A及び SR144528等のアレルギー疾患治療効果は、 力ン
ナビノイドレセプターへの作用によるものと考えられ、 特に、 既存のァ レルギ一疾患治療剤とは異なる作用機序を有する薬剤として、 例えば、 既存の薬剤に耐性を示す症状にも有効であると考えられる。 また、 化合 物 Aのロイコトリェン阻害作用が、 それらの治療効果を増強している可 能性も認められた。
化学構造的な特徴を異にする化合物 Aと SR144528は、その薬理作用に おいては CB2選択的ィンバースァゴニストという共通点を持ち、 これら の事実は CB2選択的ィンバースァゴニストがアレルギー疾患治療剤とし て有効であることを指示するものである。
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産業上の利用の可能性
カンナビノィ ドレセプター調節物質は、 喘息及びァトピー性皮膚炎等 のアレルギー疾患治療剤として有効である。 特に、 末梢細胞型カンナビ ノイ ドレセプ夕一に選択的に作用する調節物質、 更にィンパースァゴニ ストとして作用する調節物質は、 既存のアレルギー疾患治療剤では効果 の低い、 慢性 '難治性のアレルギー疾患に有効であり、 かつ安全な薬剤 となり得る。