JPH08188533A - タイプ2ヘルパーt細胞選択的免疫抑制剤 - Google Patents
タイプ2ヘルパーt細胞選択的免疫抑制剤Info
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- JPH08188533A JPH08188533A JP7018647A JP1864795A JPH08188533A JP H08188533 A JPH08188533 A JP H08188533A JP 7018647 A JP7018647 A JP 7018647A JP 1864795 A JP1864795 A JP 1864795A JP H08188533 A JPH08188533 A JP H08188533A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】トートマイシンまたはトートマイシンアナログ
を有効成分として含む、Th2の機能亢進に起因する疾患
の治療に有用な、Th2選択的免疫抑制剤。 【効果】本発明のTh2選択的免疫抑制剤は、優れたTh2
活性化抑制作用を示し、かつTh1活性化抑制作用を示さ
ないことから、Th2の活性化あるいはその機能亢進に起
因する各種疾患、例えばアレルギー性疾患、全身性エリ
テマトーテスなどの自己免疫疾患、HVG(Host-versus-Gr
aft)病、エイズなどに対する治療薬剤として有用であ
る。
を有効成分として含む、Th2の機能亢進に起因する疾患
の治療に有用な、Th2選択的免疫抑制剤。 【効果】本発明のTh2選択的免疫抑制剤は、優れたTh2
活性化抑制作用を示し、かつTh1活性化抑制作用を示さ
ないことから、Th2の活性化あるいはその機能亢進に起
因する各種疾患、例えばアレルギー性疾患、全身性エリ
テマトーテスなどの自己免疫疾患、HVG(Host-versus-Gr
aft)病、エイズなどに対する治療薬剤として有用であ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイプ2ヘルパーT細
胞(以下、Th2と略す) 選択的免疫抑制剤に関する。更
に詳しくは、Th2の活性化を選択的に抑制することによ
りアレルギー性疾患等のTh2の機能亢進に起因する疾患
を治療することができる、新規なTh2選択的免疫抑制剤
に関する。
胞(以下、Th2と略す) 選択的免疫抑制剤に関する。更
に詳しくは、Th2の活性化を選択的に抑制することによ
りアレルギー性疾患等のTh2の機能亢進に起因する疾患
を治療することができる、新規なTh2選択的免疫抑制剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、
アレルギー性鼻炎、花粉症などのいわゆるアレルギー性
疾患は、IgE 抗体とアレルゲンによる肥満細胞の活性
化、およびそれに引き続く化学伝達物質の遊離の結果起
こるものとして理解されてきた(mast cell theory)。
従って肥満細胞からの化学伝達物質の遊離を抑制する薬
剤、あるいは遊離した化学伝達物質に拮抗作用を示す薬
剤が、従来の抗アレルギー剤開発の対象であった。例え
ばわが国で開発された抗アレルギー剤第1号となったト
ラニラストは、肥満細胞からの化学伝達物質の遊離、特
にヒスタミン遊離抑制を目的に開発された薬剤であり、
第2号となったケトチフェンは、肥満細胞から遊離する
主要な化学伝達物質であるヒスタミンに拮抗作用を示す
ことを目的に開発された薬剤である。
アレルギー性鼻炎、花粉症などのいわゆるアレルギー性
疾患は、IgE 抗体とアレルゲンによる肥満細胞の活性
化、およびそれに引き続く化学伝達物質の遊離の結果起
こるものとして理解されてきた(mast cell theory)。
従って肥満細胞からの化学伝達物質の遊離を抑制する薬
剤、あるいは遊離した化学伝達物質に拮抗作用を示す薬
剤が、従来の抗アレルギー剤開発の対象であった。例え
ばわが国で開発された抗アレルギー剤第1号となったト
ラニラストは、肥満細胞からの化学伝達物質の遊離、特
にヒスタミン遊離抑制を目的に開発された薬剤であり、
第2号となったケトチフェンは、肥満細胞から遊離する
主要な化学伝達物質であるヒスタミンに拮抗作用を示す
ことを目的に開発された薬剤である。
【0003】しかしそれら従来薬の実際の臨床的効果は
十分なものではなく、喘息治療薬として用いられてはい
るものの、それ自体、呼吸機能を改善する為の根本的な
治療薬ではなく、欧米では、抗アレルギー剤は効果が証
明されていないとして殆ど使用されていない。そして、
1993年に市販されたエメダスチンは、強力な抗ヒス
タミン作用を有する抗アレルギー剤であるが、気管支喘
息には効果がなく、結局適応症として認められなかっ
た。このことは、「肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制
作用」あるいは「肥満細胞から遊離するヒスタミンに対
する拮抗作用」を持つだけの薬剤では、抗喘息薬として
は不十分であることを意味している。
十分なものではなく、喘息治療薬として用いられてはい
るものの、それ自体、呼吸機能を改善する為の根本的な
治療薬ではなく、欧米では、抗アレルギー剤は効果が証
明されていないとして殆ど使用されていない。そして、
1993年に市販されたエメダスチンは、強力な抗ヒス
タミン作用を有する抗アレルギー剤であるが、気管支喘
息には効果がなく、結局適応症として認められなかっ
た。このことは、「肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制
作用」あるいは「肥満細胞から遊離するヒスタミンに対
する拮抗作用」を持つだけの薬剤では、抗喘息薬として
は不十分であることを意味している。
【0004】一方、上述のような肥満細胞からの化学伝
達物質の遊離に基づく、いわゆる「即時型反応」とは別
に、近年、アレルギー性疾患における「遅発型反応」が
発見され、その本体が好酸球を主体とする炎症反応であ
ることが確認されてきた。とりわけ慢性的な喘息、ある
いは重症の喘息において遅発型反応が重要な役割を果し
ていることが判明してきたことから、現在、好酸球重視
の理論(eosinophil theory)が広く認められつつある。
そしてかかる遅発型反応に対しては、現在用いられてい
る薬剤の中ではステロイド剤のみが有効性を示してい
る。この事実は、臨床治療の原則にも大きな影響を及ぼ
しつつある。すなわち遅発型反応が重要な役割を果たし
ていると考えられる重症の喘息やアトピー性皮膚炎に対
しては、ステロイド剤を使用するのが合理的であるとす
る考え方が強くなっていることである。そのため欧米で
は吸入ステロイド剤を喘息治療の第一選択とする考え方
が台頭し、大勢になりつつある(臨床医 (1994) 20 : 2
-12 )。
達物質の遊離に基づく、いわゆる「即時型反応」とは別
に、近年、アレルギー性疾患における「遅発型反応」が
発見され、その本体が好酸球を主体とする炎症反応であ
ることが確認されてきた。とりわけ慢性的な喘息、ある
いは重症の喘息において遅発型反応が重要な役割を果し
ていることが判明してきたことから、現在、好酸球重視
の理論(eosinophil theory)が広く認められつつある。
そしてかかる遅発型反応に対しては、現在用いられてい
る薬剤の中ではステロイド剤のみが有効性を示してい
る。この事実は、臨床治療の原則にも大きな影響を及ぼ
しつつある。すなわち遅発型反応が重要な役割を果たし
ていると考えられる重症の喘息やアトピー性皮膚炎に対
しては、ステロイド剤を使用するのが合理的であるとす
る考え方が強くなっていることである。そのため欧米で
は吸入ステロイド剤を喘息治療の第一選択とする考え方
が台頭し、大勢になりつつある(臨床医 (1994) 20 : 2
-12 )。
【0005】しかしステロイド剤は、切れ味の良い臨床
効果を示す一方で、長期投与により副作用が現れてくる
こともよく知られている。現在アトピー性皮膚炎に対す
る効果的な治療薬はなく、唯一ステロイド剤の軟膏が有
効であるが、逆に皮膚粘膜が薄くなり赤くただれるステ
ロイド皮膚症、長期使用によるムーンフェイス、また使
用中止後のリバウンドなどの副作用が問題になってい
る。喘息治療の場合には、全身性の副作用を避ける目的
で、現在吸入ステロイドの使用が勧められており、その
有効性が認められている。しかしながら吸入ステロイド
剤の臨床使用はまだ歴史が浅く、長期使用時の経過を検
討しなければ、本当の有効性は判断できないと考えられ
ているのが実状である。ステロイド剤長期吸入療法に伴
って、例えばアトピー性皮膚炎に用いるステロイド剤の
軟膏が、長期使用によりいろいろな問題を起こしている
のと同じようなことが、気道にも起こりうる可能性が懸
念されている(臨床医 (1994) 20 : 105-119) 。
効果を示す一方で、長期投与により副作用が現れてくる
こともよく知られている。現在アトピー性皮膚炎に対す
る効果的な治療薬はなく、唯一ステロイド剤の軟膏が有
効であるが、逆に皮膚粘膜が薄くなり赤くただれるステ
ロイド皮膚症、長期使用によるムーンフェイス、また使
用中止後のリバウンドなどの副作用が問題になってい
る。喘息治療の場合には、全身性の副作用を避ける目的
で、現在吸入ステロイドの使用が勧められており、その
有効性が認められている。しかしながら吸入ステロイド
剤の臨床使用はまだ歴史が浅く、長期使用時の経過を検
討しなければ、本当の有効性は判断できないと考えられ
ているのが実状である。ステロイド剤長期吸入療法に伴
って、例えばアトピー性皮膚炎に用いるステロイド剤の
軟膏が、長期使用によりいろいろな問題を起こしている
のと同じようなことが、気道にも起こりうる可能性が懸
念されている(臨床医 (1994) 20 : 105-119) 。
【0006】ところでアレルギー反応は、炎症反応であ
ると共に免疫反応であること、すなわちリンパ球の関与
する生体反応であることは、古くから認められていた。
遅発型反応の本態が好酸球を主体とする炎症反応である
ことは、近年広く認められるところであるが、最近で
は、好酸球の浸潤が、T細胞と呼ばれるリンパ球の産生
するサイトカインであるインターロイキン5(IL-5)に
よって引き起こされるとする考え方が有力になり、アレ
ルギー性疾患の制御にはT細胞活性化の制御が重要であ
るとする考え方が多くの支持を集めつつある。このよう
な観点から、メソトレキセートやシクロスポリンなど
の、いわゆる免疫抑制剤が喘息治療にも応用されてい
る。例えばシクロスポリンについてはピークフローを改
善させて有用性が認められると報告されている。またメ
ソトレキセートも、リンパ球の気道への浸潤を抑制する
など喘息に対して有効であると言われている。最近では
タクロリムスがアトピー性皮膚炎に有効であるとする臨
床成績が報告されている。
ると共に免疫反応であること、すなわちリンパ球の関与
する生体反応であることは、古くから認められていた。
遅発型反応の本態が好酸球を主体とする炎症反応である
ことは、近年広く認められるところであるが、最近で
は、好酸球の浸潤が、T細胞と呼ばれるリンパ球の産生
するサイトカインであるインターロイキン5(IL-5)に
よって引き起こされるとする考え方が有力になり、アレ
ルギー性疾患の制御にはT細胞活性化の制御が重要であ
るとする考え方が多くの支持を集めつつある。このよう
な観点から、メソトレキセートやシクロスポリンなど
の、いわゆる免疫抑制剤が喘息治療にも応用されてい
る。例えばシクロスポリンについてはピークフローを改
善させて有用性が認められると報告されている。またメ
ソトレキセートも、リンパ球の気道への浸潤を抑制する
など喘息に対して有効であると言われている。最近では
タクロリムスがアトピー性皮膚炎に有効であるとする臨
床成績が報告されている。
【0007】以上のことから、アレルギー性疾患に対す
る免疫抑制剤の臨床応用が注目されつつある。しかしな
がら、これらの薬剤はいずれも副作用が非常に強く、結
局、有効性と副作用のバランスが問題とされ、副作用の
ことを考えると積極的に使用されるケースは限られてい
るのが実状である(Asthma (1994) 7:154-157)。すな
わち、上記シクロスポリンやタクロリムスは当初、臓器
移植時の拒絶反応を抑制する目的で開発された薬剤であ
るが、その臨床応用例を見ると、薬剤の有する肝臓、腎
臓への副作用のほかに、その非特異的な免疫抑制作用に
起因する日和見感染も副作用として問題となっているの
である。この日和見感染は、拒絶反応に関与する免疫応
答ばかりでなく、ウイルス、バクテリア等に対する感染
防御を担う免疫応答まで抑制してしまうために起こる。
従って、それらの薬剤をアレルギー性疾患に適用しよう
とすると同様の問題が生じる可能性が大である。
る免疫抑制剤の臨床応用が注目されつつある。しかしな
がら、これらの薬剤はいずれも副作用が非常に強く、結
局、有効性と副作用のバランスが問題とされ、副作用の
ことを考えると積極的に使用されるケースは限られてい
るのが実状である(Asthma (1994) 7:154-157)。すな
わち、上記シクロスポリンやタクロリムスは当初、臓器
移植時の拒絶反応を抑制する目的で開発された薬剤であ
るが、その臨床応用例を見ると、薬剤の有する肝臓、腎
臓への副作用のほかに、その非特異的な免疫抑制作用に
起因する日和見感染も副作用として問題となっているの
である。この日和見感染は、拒絶反応に関与する免疫応
答ばかりでなく、ウイルス、バクテリア等に対する感染
防御を担う免疫応答まで抑制してしまうために起こる。
従って、それらの薬剤をアレルギー性疾患に適用しよう
とすると同様の問題が生じる可能性が大である。
【0008】一方、免疫学領域における最近の学問の進
歩はめざましく、アレルギー性疾患の病態に関与する細
胞群とウイルス、バクテリア等に対する感染防御を担う
細胞群は異なること、特にそれらの反応を制御する重要
な細胞であるヘルパーT細胞は異なる二つのサブセット
が各々の反応に関与することが明らかになってきた。従
って、シクロスポリンやタクロリムスのような非特異的
な免疫抑制剤とは異なり、アレルギー性疾患の病態に関
与するT細胞のみを標的とし、ウイルス、バクテリア等
に対する感染防御を担うT細胞には作用しない新しいタ
イプのアレルギー性疾患治療剤の開発が考えられるよう
になってきた。
歩はめざましく、アレルギー性疾患の病態に関与する細
胞群とウイルス、バクテリア等に対する感染防御を担う
細胞群は異なること、特にそれらの反応を制御する重要
な細胞であるヘルパーT細胞は異なる二つのサブセット
が各々の反応に関与することが明らかになってきた。従
って、シクロスポリンやタクロリムスのような非特異的
な免疫抑制剤とは異なり、アレルギー性疾患の病態に関
与するT細胞のみを標的とし、ウイルス、バクテリア等
に対する感染防御を担うT細胞には作用しない新しいタ
イプのアレルギー性疾患治療剤の開発が考えられるよう
になってきた。
【0009】免疫応答において中心的な役割を担ってい
るヘルパーT細胞は、異なる二つのサブセットに分類さ
れる。即ちTh1とTh2である(J.Immunol. (1986) 136
: 2348-2357)。Th1は、インターロイキン2(IL-2)
、インターフェロンγ(IFN-γ)を産生し、マクロフ
ァージやナチュラルキラー細胞を活性化することで、主
にウイルス、バクテリア等に対する感染防御など細胞性
免疫に関与することが知られている。一方、Th2は、IL
-4、IL-5、IL-10 、IL-13 を産生し、主にIgE 抗体産生
など液性免疫に関与することが知られている。
るヘルパーT細胞は、異なる二つのサブセットに分類さ
れる。即ちTh1とTh2である(J.Immunol. (1986) 136
: 2348-2357)。Th1は、インターロイキン2(IL-2)
、インターフェロンγ(IFN-γ)を産生し、マクロフ
ァージやナチュラルキラー細胞を活性化することで、主
にウイルス、バクテリア等に対する感染防御など細胞性
免疫に関与することが知られている。一方、Th2は、IL
-4、IL-5、IL-10 、IL-13 を産生し、主にIgE 抗体産生
など液性免疫に関与することが知られている。
【0010】Th2はアレルギー反応に関与すると思われ
る多くのサイトカインを産生することから、アレルギー
反応の制御細胞として近年、重要視されている。IL-4は
IgE抗体の産生を誘導するとともに肥満細胞の活性化、
増殖も誘導する。また、好酸球が血管内皮細胞に接着、
組織浸潤する際に機能する重要な分子であるVCAM-1の遺
伝子発現も誘導する。IL-5は抗体産生を促進するととも
に好酸球の分化増殖および遊走、活性化を誘導し、アレ
ルギー性炎症反応の惹起因子のひとつと考えられてい
る。IL-10 はマクロファージやTh1の機能を抑制するこ
とで間接的にTh2主体の反応を増強する。IL-13 はIL-4
と同様にIgE 抗体の産生を誘導する。
る多くのサイトカインを産生することから、アレルギー
反応の制御細胞として近年、重要視されている。IL-4は
IgE抗体の産生を誘導するとともに肥満細胞の活性化、
増殖も誘導する。また、好酸球が血管内皮細胞に接着、
組織浸潤する際に機能する重要な分子であるVCAM-1の遺
伝子発現も誘導する。IL-5は抗体産生を促進するととも
に好酸球の分化増殖および遊走、活性化を誘導し、アレ
ルギー性炎症反応の惹起因子のひとつと考えられてい
る。IL-10 はマクロファージやTh1の機能を抑制するこ
とで間接的にTh2主体の反応を増強する。IL-13 はIL-4
と同様にIgE 抗体の産生を誘導する。
【0011】以上のようにTh2は、好酸球が関与する遅
発型反応のみならず、IgE 抗体や肥満細胞が関与する即
時型反応をも惹起するアレルギー反応における中心的な
細胞であると言える。従ってアレルギー性疾患はTh2が
病的に機能亢進した状態であるとの推定も現在なされて
おり、実際にアレルギー性疾患病変部である気道、皮膚
にIL-4、IL-5の産生、Th2の存在が確かめられたり、こ
れらの部位においてTh2のクローン化が成功したことか
ら、アレルギー性疾患の制御にはTh2の活性化の制御が
重要であるとする考え方が、支配的となりつつある(臨
床医 (1994) 20:40-46)。
発型反応のみならず、IgE 抗体や肥満細胞が関与する即
時型反応をも惹起するアレルギー反応における中心的な
細胞であると言える。従ってアレルギー性疾患はTh2が
病的に機能亢進した状態であるとの推定も現在なされて
おり、実際にアレルギー性疾患病変部である気道、皮膚
にIL-4、IL-5の産生、Th2の存在が確かめられたり、こ
れらの部位においてTh2のクローン化が成功したことか
ら、アレルギー性疾患の制御にはTh2の活性化の制御が
重要であるとする考え方が、支配的となりつつある(臨
床医 (1994) 20:40-46)。
【0012】このような背景から、アレルギー性疾患の
病態に関与するTh2のみを標的とし、ウイルス、バクテ
リア等に対する感染防御を担うTh1には作用しない新し
いタイプの薬剤の開発が期待される。このような薬剤が
開発されれば、アレルギー性疾患における遅発型反応を
副作用を起こすことなく抑制し、他方では即時型反応を
も抑制することが可能となるからである。
病態に関与するTh2のみを標的とし、ウイルス、バクテ
リア等に対する感染防御を担うTh1には作用しない新し
いタイプの薬剤の開発が期待される。このような薬剤が
開発されれば、アレルギー性疾患における遅発型反応を
副作用を起こすことなく抑制し、他方では即時型反応を
も抑制することが可能となるからである。
【0013】最近開発されたトシル酸スプラタストIPD-
1151T は、従来の抗アレルギー剤同様、肥満細胞からの
化学伝達物質の遊離抑制を目的として見出されてきたも
のであるが、IL-4の産生を抑制し、IFN-γの産生には影
響しないという結果が報告されていることから(Jpn.J.P
harmacol.(1993) 61 : 31-39)、Th2の活性化のみを選
択的に抑制する可能性があると示唆されており、さら
に、喘息、アトピー性皮膚炎に対して有効であるという
臨床成績が示されている。しかしながらその実験結果を
見ると、 IL-4 の産生を抑制する作用はそれほど強くな
い。また、後述の実施例中の比較例にも記載した通り、
本発明と同様の評価法により、IPD-1151TがTh2の活性
化を選択的に抑制するか否かにつき本発明者らが評価し
たところ、Th1、Th2のいずれに対してもその活性化を
抑制する作用は弱く、従ってTh2の活性化のみを選択的
に抑制するものであるとはいい難い。
1151T は、従来の抗アレルギー剤同様、肥満細胞からの
化学伝達物質の遊離抑制を目的として見出されてきたも
のであるが、IL-4の産生を抑制し、IFN-γの産生には影
響しないという結果が報告されていることから(Jpn.J.P
harmacol.(1993) 61 : 31-39)、Th2の活性化のみを選
択的に抑制する可能性があると示唆されており、さら
に、喘息、アトピー性皮膚炎に対して有効であるという
臨床成績が示されている。しかしながらその実験結果を
見ると、 IL-4 の産生を抑制する作用はそれほど強くな
い。また、後述の実施例中の比較例にも記載した通り、
本発明と同様の評価法により、IPD-1151TがTh2の活性
化を選択的に抑制するか否かにつき本発明者らが評価し
たところ、Th1、Th2のいずれに対してもその活性化を
抑制する作用は弱く、従ってTh2の活性化のみを選択的
に抑制するものであるとはいい難い。
【0014】さらに、最近、気道および末梢血中に存在
する神経ペプチドであるロイシン−エンケファリン、メ
チオニン−エンケファリン、ニュウロペプチドY、バゾ
アクティブ・インテスティナルペプチド等がTh2選択的
な抑制作用を示す傾向があることが示唆されている(臨
床免疫(1994)、26、1355-1360 、および1994年日本免疫
学会 学術集会記録J-07) 。しかし、この学会における
発表では、これらの神経ペプチドのTh2抑制作用はそれ
ほど強いものではなく、また後述の実施例中の比較例に
も記載したとおり、本発明と同様の評価法により測定し
た結果では、Th2抑制作用もTh1抑制作用もともに弱
く、Th2の活性化を選択的に抑制するものとはいい難
い。従って、前述の要望に応えるような新しいタイプの
強力なアレルギー性疾患治療薬の出現が期待されている
のが現状である。
する神経ペプチドであるロイシン−エンケファリン、メ
チオニン−エンケファリン、ニュウロペプチドY、バゾ
アクティブ・インテスティナルペプチド等がTh2選択的
な抑制作用を示す傾向があることが示唆されている(臨
床免疫(1994)、26、1355-1360 、および1994年日本免疫
学会 学術集会記録J-07) 。しかし、この学会における
発表では、これらの神経ペプチドのTh2抑制作用はそれ
ほど強いものではなく、また後述の実施例中の比較例に
も記載したとおり、本発明と同様の評価法により測定し
た結果では、Th2抑制作用もTh1抑制作用もともに弱
く、Th2の活性化を選択的に抑制するものとはいい難
い。従って、前述の要望に応えるような新しいタイプの
強力なアレルギー性疾患治療薬の出現が期待されている
のが現状である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Th2の活性
化を選択的に抑制することによりアレルギー性疾患等を
治療することができる新規なTh2選択的免疫抑制剤を提
供することを目的とする。即ち本発明の課題は、トート
マイシンあるいはそのアナログを有効成分として含み、
アレルギー性疾患等を治療することができる、Th2選択
的免疫抑制剤を提供することを目的とする。本発明の免
疫抑制剤は従来にない高いTh2選択性を示すため、従来
薬と比較してより副作用の少ないアレルギー性疾患治療
剤等として期待される。
化を選択的に抑制することによりアレルギー性疾患等を
治療することができる新規なTh2選択的免疫抑制剤を提
供することを目的とする。即ち本発明の課題は、トート
マイシンあるいはそのアナログを有効成分として含み、
アレルギー性疾患等を治療することができる、Th2選択
的免疫抑制剤を提供することを目的とする。本発明の免
疫抑制剤は従来にない高いTh2選択性を示すため、従来
薬と比較してより副作用の少ないアレルギー性疾患治療
剤等として期待される。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、マウスTh
1細胞株、Th2細胞株を用いて、Th2の活性化を選択的
に抑制する薬剤を開発すべく鋭意研究を行ってきた。そ
の結果、プロテインホスファターゼ阻害剤であるトート
マイシンがTh2の活性化を選択的に抑制するという作用
を有することを見い出し、本発明を完成するに到った。
すなわち本発明の要旨は、(1) トートマイシンを有
効成分として含む、Th2選択的免疫抑制剤、(2) ト
ートマイシンを有効成分とし、Th2の機能亢進に起因す
る疾患を治療するものである、前記(1)記載のTh2選
択的免疫抑制剤、(3) トートマイシンを有効成分と
し、且つ他の薬剤との併用に供するものである、前記
(1)または(2)記載のTh2選択的免疫抑制剤、
(4) トートマイシンと薬学的に許容される媒体とを
含むことを特徴とする、前記(1)ないし(3)いずれ
かに記載のTh2選択的免疫抑制剤、並びに(5) トー
トマイシンアナログを有効成分として含む、Th2選択的
免疫抑制剤、に関する。
1細胞株、Th2細胞株を用いて、Th2の活性化を選択的
に抑制する薬剤を開発すべく鋭意研究を行ってきた。そ
の結果、プロテインホスファターゼ阻害剤であるトート
マイシンがTh2の活性化を選択的に抑制するという作用
を有することを見い出し、本発明を完成するに到った。
すなわち本発明の要旨は、(1) トートマイシンを有
効成分として含む、Th2選択的免疫抑制剤、(2) ト
ートマイシンを有効成分とし、Th2の機能亢進に起因す
る疾患を治療するものである、前記(1)記載のTh2選
択的免疫抑制剤、(3) トートマイシンを有効成分と
し、且つ他の薬剤との併用に供するものである、前記
(1)または(2)記載のTh2選択的免疫抑制剤、
(4) トートマイシンと薬学的に許容される媒体とを
含むことを特徴とする、前記(1)ないし(3)いずれ
かに記載のTh2選択的免疫抑制剤、並びに(5) トー
トマイシンアナログを有効成分として含む、Th2選択的
免疫抑制剤、に関する。
【0017】トートマイシンは、磯野、生方らによって
中国産の放線菌(Streptomyces spiroverticillatus)か
ら単離構造決定された抗生物質である(J.Antibiotics
(1987) 40:907-909)。抗菌作用は0.05-0.5mg/ml の範
囲でいろいろな菌類に作用し、またヒトの白血病細胞株
K562の形態変化を誘導し、増殖抑制作用を示すことも知
られている(J.Antibiotics (1988) 41:932-937)。また
トートマイシンはプロテインホスファターゼ阻害剤とし
ても知られている。さらに、ミオシン軽鎖リン酸化促進
による平滑筋収縮作用も報告されている(FEBS Lett.
(1991) 285 : 145-148 )。その他、トロンビンによる
血小板活性化を抑制することも知られている(Cell Cal
cium (1994) 15 : 381-390) 。しかし、トートマイシン
が免疫抑制作用を有しているという報告は存在しない。
中国産の放線菌(Streptomyces spiroverticillatus)か
ら単離構造決定された抗生物質である(J.Antibiotics
(1987) 40:907-909)。抗菌作用は0.05-0.5mg/ml の範
囲でいろいろな菌類に作用し、またヒトの白血病細胞株
K562の形態変化を誘導し、増殖抑制作用を示すことも知
られている(J.Antibiotics (1988) 41:932-937)。また
トートマイシンはプロテインホスファターゼ阻害剤とし
ても知られている。さらに、ミオシン軽鎖リン酸化促進
による平滑筋収縮作用も報告されている(FEBS Lett.
(1991) 285 : 145-148 )。その他、トロンビンによる
血小板活性化を抑制することも知られている(Cell Cal
cium (1994) 15 : 381-390) 。しかし、トートマイシン
が免疫抑制作用を有しているという報告は存在しない。
【0018】本発明のTh2選択的免疫抑制剤は、有効成
分としてトートマイシンそのものを含んでいても良い
し、あるいはそのアナログを含んでいても良い。トート
マイシンは、後述の実施例において示すように、ウイル
ス、バクテリア等に対する感染防御を担うTh1の活性化
はほとんど抑制せず、アレルギー性疾患の病態に関与す
るTh2の活性化を強く抑制するという選択的な作用を示
す。この性質こそが、トートマイシンを本発明のTh2選
択的免疫抑制剤の有効成分たらしめているのである。ト
ートマイシンは放線菌由来の産物であるが、精製品が既
に市販されている為(和光純薬)、簡単に入手すること
ができる。
分としてトートマイシンそのものを含んでいても良い
し、あるいはそのアナログを含んでいても良い。トート
マイシンは、後述の実施例において示すように、ウイル
ス、バクテリア等に対する感染防御を担うTh1の活性化
はほとんど抑制せず、アレルギー性疾患の病態に関与す
るTh2の活性化を強く抑制するという選択的な作用を示
す。この性質こそが、トートマイシンを本発明のTh2選
択的免疫抑制剤の有効成分たらしめているのである。ト
ートマイシンは放線菌由来の産物であるが、精製品が既
に市販されている為(和光純薬)、簡単に入手すること
ができる。
【0019】トートマイシンアナログについては、トー
トマイシンの構造類似化合物であって、トートマイシン
とほぼ同等またはそれ以上のTh2選択的免疫抑制作用を
有するものであればすべて本発明に使用可能である。よ
り具体的には以下に示すようなドラッグデザインにより
合成されるものが一例として挙げられる。本発明者ら
は、トートマイシンと同様にプロテインホスファターゼ
阻害活性を有し、類似の環状エーテル構造を有するオカ
ダ酸(FEBS Lett.(1989)250:596-600)やカリクリンA
(Biochem.Biophys.Res.Commun.(1989) 159:871-877)に
ついてもトートマイシンと同様の選択的な免疫抑制作用
を有するか否か検討したが、後述の実施例中の比較例に
示すように両者ともTh1およびTh2の双方に強く作用
し、トートマイシンのような選択性は示さなかった。こ
のような現象が生じる理由は、まだ充分明らかになった
わけではないが、一つには、トートマイシンとオカダ酸
やカリクリンAとの化学構造の相違を挙げることができ
る。すなわち、トートマイシンの化学構造とオカダ酸お
よびカリクリンAの化学構造とを比較した場合、その類
似部分にではなく、非類似部分にトートマイシンの選択
的な免疫抑制作用の鍵が隠されているとも考えられる。
トマイシンの構造類似化合物であって、トートマイシン
とほぼ同等またはそれ以上のTh2選択的免疫抑制作用を
有するものであればすべて本発明に使用可能である。よ
り具体的には以下に示すようなドラッグデザインにより
合成されるものが一例として挙げられる。本発明者ら
は、トートマイシンと同様にプロテインホスファターゼ
阻害活性を有し、類似の環状エーテル構造を有するオカ
ダ酸(FEBS Lett.(1989)250:596-600)やカリクリンA
(Biochem.Biophys.Res.Commun.(1989) 159:871-877)に
ついてもトートマイシンと同様の選択的な免疫抑制作用
を有するか否か検討したが、後述の実施例中の比較例に
示すように両者ともTh1およびTh2の双方に強く作用
し、トートマイシンのような選択性は示さなかった。こ
のような現象が生じる理由は、まだ充分明らかになった
わけではないが、一つには、トートマイシンとオカダ酸
やカリクリンAとの化学構造の相違を挙げることができ
る。すなわち、トートマイシンの化学構造とオカダ酸お
よびカリクリンAの化学構造とを比較した場合、その類
似部分にではなく、非類似部分にトートマイシンの選択
的な免疫抑制作用の鍵が隠されているとも考えられる。
【0020】オカダ酸については、そのプロテインホス
ファターゼ阻害活性と化学構造との関係に関する研究か
ら、この活性と一定のコンフォーメーションすなわち環
状立体配座との関係が確立されている(Carcinogenesis
(1990)11:1837 、Biochem.J.(1992)284:539-544)。トー
トマイシンもオカダ酸同様のプロテインホスファターゼ
阻害活性を有し、しかも類似の環状エーテル構造を有し
ていることから、オカダ酸と同様の環状立体配座をとっ
てプロテインホスファターゼ阻害活性を発揮している可
能性が大きい。しかしながら、トートマイシンがオカダ
酸と同様の立体構造をとっているとしても、免疫抑制作
用に関しては、両者に顕著な相違がみられることから、
両者の置換基等の相違が免疫抑制作用の相違となって現
れているとも考えられる。従って、トートマイシンアナ
ログの設計に当たっての方向としては、置換基の相違を
拡大する方向が重要なアプローチの一つであるかもしれ
ない。
ファターゼ阻害活性と化学構造との関係に関する研究か
ら、この活性と一定のコンフォーメーションすなわち環
状立体配座との関係が確立されている(Carcinogenesis
(1990)11:1837 、Biochem.J.(1992)284:539-544)。トー
トマイシンもオカダ酸同様のプロテインホスファターゼ
阻害活性を有し、しかも類似の環状エーテル構造を有し
ていることから、オカダ酸と同様の環状立体配座をとっ
てプロテインホスファターゼ阻害活性を発揮している可
能性が大きい。しかしながら、トートマイシンがオカダ
酸と同様の立体構造をとっているとしても、免疫抑制作
用に関しては、両者に顕著な相違がみられることから、
両者の置換基等の相違が免疫抑制作用の相違となって現
れているとも考えられる。従って、トートマイシンアナ
ログの設計に当たっての方向としては、置換基の相違を
拡大する方向が重要なアプローチの一つであるかもしれ
ない。
【0021】このような本発明のTh2選択的免疫抑制剤
は、優れたTh2活性化抑制作用を示し、かつTh1活性化
抑制作用を示さないことから、Th2の活性化あるいはそ
の機能亢進に起因する各種疾患、例えばアレルギー性疾
患、全身性エリテマトーテスなどの自己免疫疾患、HVG
(Host-versus-Graft)病、エイズなどに対して有効な治
療剤として使用できる(Immunology Today (1991) 12:2
23-227およびJ. Immunol. (1993) 150:361-366) 。最近
では担癌状態の免疫抑制にIL-4、IL-10 などのTh2から
産生されるサイトカインの関与が推定されており、それ
らの病態改善にもTh2選択的免疫抑制剤の有効性が期待
される(日本免疫学会学術集会記録(1994) : A-41およ
びB1-26)。
は、優れたTh2活性化抑制作用を示し、かつTh1活性化
抑制作用を示さないことから、Th2の活性化あるいはそ
の機能亢進に起因する各種疾患、例えばアレルギー性疾
患、全身性エリテマトーテスなどの自己免疫疾患、HVG
(Host-versus-Graft)病、エイズなどに対して有効な治
療剤として使用できる(Immunology Today (1991) 12:2
23-227およびJ. Immunol. (1993) 150:361-366) 。最近
では担癌状態の免疫抑制にIL-4、IL-10 などのTh2から
産生されるサイトカインの関与が推定されており、それ
らの病態改善にもTh2選択的免疫抑制剤の有効性が期待
される(日本免疫学会学術集会記録(1994) : A-41およ
びB1-26)。
【0022】本発明のTh2選択的免疫抑制剤は、薬効成
分としてトートマイシンあるいはそのアナログを単独で
含むもの、あるいはその両者を含むものであってもよい
し、他の薬剤との併用であってもよい。ここで言う「他
の薬剤」としては、アレルギー疾患等において通常使用
される気管支拡張剤や既知の抗アレルギー剤、ステロイ
ド剤等が挙げられる。特にステロイド剤と本発明のTh2
選択的免疫抑制剤を併用することにより、ステロイドの
使用量を従来より減らすことが可能である。
分としてトートマイシンあるいはそのアナログを単独で
含むもの、あるいはその両者を含むものであってもよい
し、他の薬剤との併用であってもよい。ここで言う「他
の薬剤」としては、アレルギー疾患等において通常使用
される気管支拡張剤や既知の抗アレルギー剤、ステロイ
ド剤等が挙げられる。特にステロイド剤と本発明のTh2
選択的免疫抑制剤を併用することにより、ステロイドの
使用量を従来より減らすことが可能である。
【0023】トートマイシンあるいはそのアナログを含
有する本発明のTh2選択的免疫抑制剤は、アレルギー性
疾患等を治療するのに好ましい投与経路に適した薬学的
に許容される媒体を含んでいてもよい。また、本発明の
Th2選択的免疫抑制剤は、通常許容される賦形剤、結合
剤、安定剤などをトートマイシンあるいはそのアナログ
とともに配合することにより製造することができる。ま
た、注射剤型でもちいる場合は、通常許容される緩衝
剤、溶解補助剤、等張剤等を添加することもできる。
有する本発明のTh2選択的免疫抑制剤は、アレルギー性
疾患等を治療するのに好ましい投与経路に適した薬学的
に許容される媒体を含んでいてもよい。また、本発明の
Th2選択的免疫抑制剤は、通常許容される賦形剤、結合
剤、安定剤などをトートマイシンあるいはそのアナログ
とともに配合することにより製造することができる。ま
た、注射剤型でもちいる場合は、通常許容される緩衝
剤、溶解補助剤、等張剤等を添加することもできる。
【0024】投与法としては、経口及び非経口投与のい
ずれも使用可能である。経口投与の場合は吸入剤または
カプセル剤、錠剤、顆粒剤などの剤型で投与することが
でき、非経口投与の場合は水溶性懸濁液による皮下ある
いは静脈注射剤、点滴剤、軟膏剤などの剤型で投与する
ことができる。
ずれも使用可能である。経口投与の場合は吸入剤または
カプセル剤、錠剤、顆粒剤などの剤型で投与することが
でき、非経口投与の場合は水溶性懸濁液による皮下ある
いは静脈注射剤、点滴剤、軟膏剤などの剤型で投与する
ことができる。
【0025】投与量は、対象疾患を有効に治療するに十
分な量を使用することが可能であるが、一般に、症状、
年令、体重等により異なるが、経口投与の場合、大人で
は 1日当たり約0.01〜5mg/kg体重( 小人では、0.01〜3m
g/kg体重) の範囲で、その上限は好ましくは約2.5mg/kg
体重、更に好ましくは約0.5mg/kg体重程度であり、非経
口投与の場合、0.002 〜1mg/kg 体重(小人では0.002
〜 0.6mg/kg 体重)で、その上限は好ましくは約0.5mg/
kg体重程度であり、更に好ましくは0.25mg/kg体重、特
に好ましくは0.1mg/kg体重が適当である。
分な量を使用することが可能であるが、一般に、症状、
年令、体重等により異なるが、経口投与の場合、大人で
は 1日当たり約0.01〜5mg/kg体重( 小人では、0.01〜3m
g/kg体重) の範囲で、その上限は好ましくは約2.5mg/kg
体重、更に好ましくは約0.5mg/kg体重程度であり、非経
口投与の場合、0.002 〜1mg/kg 体重(小人では0.002
〜 0.6mg/kg 体重)で、その上限は好ましくは約0.5mg/
kg体重程度であり、更に好ましくは0.25mg/kg体重、特
に好ましくは0.1mg/kg体重が適当である。
【0026】
【実施例】次に実施例、比較例、および参考例により本
発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等
によりなんら限定されるものではない。
発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等
によりなんら限定されるものではない。
【0027】なお、評価に用いるT細胞株としては、本
実施例ではクローン「23-1-8」および「24-2」を用いた
が、これら細胞株に何ら限定されるものではない。現在
ではT細胞株の樹立に関する詳細な実験手引書が発行さ
れている為、これらに基づき比較的簡単に調製すること
ができる(Current Protocols in Immunology , unit3.
13 "Production of T Cell Clones") 。
実施例ではクローン「23-1-8」および「24-2」を用いた
が、これら細胞株に何ら限定されるものではない。現在
ではT細胞株の樹立に関する詳細な実験手引書が発行さ
れている為、これらに基づき比較的簡単に調製すること
ができる(Current Protocols in Immunology , unit3.
13 "Production of T Cell Clones") 。
【0028】実施例1(マウスT細胞株の活性化に対す
るトートマイシンの作用) 1.実験方法 1) 動物 B6C3F1マウスは日本チャールスリバー(横浜)より購入
し、6週令の雄を使用した。 2) 培地 RPMI1640培地「ダイゴ」(日本製薬(東京))に56℃、
30分にて非働化した牛胎児血清(Fetal Bovine Serum,
Characterized, Code No.A-1115-L, HyClone Lab., Log
an, Utah)を10%、2−メルカプトエタノール(Sigma,
St Louis, MO,Code No.M-6250)を50μMとなるように
添加して使用した。
るトートマイシンの作用) 1.実験方法 1) 動物 B6C3F1マウスは日本チャールスリバー(横浜)より購入
し、6週令の雄を使用した。 2) 培地 RPMI1640培地「ダイゴ」(日本製薬(東京))に56℃、
30分にて非働化した牛胎児血清(Fetal Bovine Serum,
Characterized, Code No.A-1115-L, HyClone Lab., Log
an, Utah)を10%、2−メルカプトエタノール(Sigma,
St Louis, MO,Code No.M-6250)を50μMとなるように
添加して使用した。
【0029】3) 薬剤 シクロスポリンA(サンディミュン、サンド薬品)およ
びトートマイシン(和光純薬(東京)Code No.209-1204
1)はジメチルスルホキサイド(ナカライテスク(京都)
Code No.134-45)にて1mM となるように溶解し、培地で
希釈して最終濃度10-9 - 10 -6M とした。
びトートマイシン(和光純薬(東京)Code No.209-1204
1)はジメチルスルホキサイド(ナカライテスク(京都)
Code No.134-45)にて1mM となるように溶解し、培地で
希釈して最終濃度10-9 - 10 -6M とした。
【0030】4) T細胞増殖因子(TCGF) TCGFの調製は以下の方法にて行なった。すなわち、SDラ
ット(8週令、雄、日本チャールスリバー)脾細胞を5
×106 cells/mlとなるように浮遊させ、コンカナバリン
A(和光純薬(東京)Code No.037-08771)2 μg/mlにて2
日間刺激培養した。その培養上清にα−メチル−D−マ
ンノシド(ナカライテスク(京都)CodeNo.227-27)を
最終濃度25mMとなるように添加し、TCGFとした。
ット(8週令、雄、日本チャールスリバー)脾細胞を5
×106 cells/mlとなるように浮遊させ、コンカナバリン
A(和光純薬(東京)Code No.037-08771)2 μg/mlにて2
日間刺激培養した。その培養上清にα−メチル−D−マ
ンノシド(ナカライテスク(京都)CodeNo.227-27)を
最終濃度25mMとなるように添加し、TCGFとした。
【0031】5) T細胞株 2種のマウスT細胞株、23-1-8 (Th1) 、24-2 (Th2)
は東京大学医学部免疫学教室多田富雄先生より分与され
たものを使用した。23-1-8は、 I-AK 拘束性Keyhole Li
mpet Hemocyanin(以下、KLH と略す)特異的T細胞クロ
ーン、24-2は、I-Ab 拘束性KLH 特異的T細胞クローン
である。いずれのT細胞株も特異抗原刺激ののち、実験
に用いるまで約2週間5%TCGFを含む培地で培養した。23
-1-8はさらに1週間TCGFを含まない培地で培養した。
は東京大学医学部免疫学教室多田富雄先生より分与され
たものを使用した。23-1-8は、 I-AK 拘束性Keyhole Li
mpet Hemocyanin(以下、KLH と略す)特異的T細胞クロ
ーン、24-2は、I-Ab 拘束性KLH 特異的T細胞クローン
である。いずれのT細胞株も特異抗原刺激ののち、実験
に用いるまで約2週間5%TCGFを含む培地で培養した。23
-1-8はさらに1週間TCGFを含まない培地で培養した。
【0032】6) 抗原提示細胞 B6C3F1マウスより脾臓を摘出し、細胞浮遊液を調製し
た。マイトマイシンC(協和醗酵(東京)Code No.11J)
40μg/mlにて37℃、30分、恒温槽にてインキュベー
トしたのち、よく洗浄したものを抗原提示細胞として用
いた。
た。マイトマイシンC(協和醗酵(東京)Code No.11J)
40μg/mlにて37℃、30分、恒温槽にてインキュベー
トしたのち、よく洗浄したものを抗原提示細胞として用
いた。
【0033】7) 抗原特異的増殖反応の測定 96ウェル丸底プレート(Corning 25850, Corning Gla
ss Works, Corning, NY)に1ウェルあたり抗原提示細胞
1×105 cells 、抗原(KLH, Calbiochem-Novabiochem
Corp., La Jolla, CA, Code No.374805)10μg/ml、T細
胞株2 x 104 cells および薬剤を加えて37℃、5%CO2 存
在下で培養した(0.2ml/well)。2日後、[3H]チミジン
(アマシャム(東京)Code No. TRK.61)を0.5 μCi/wel
l ずつ加えて、さらに培養し、翌日細胞を回収、液体シ
ンチレーションシステム(1205 Betaplate Wallac)にて
チミジンの取り込みを測定した。実験は、triplicateで
行ない、平均値を求めた。
ss Works, Corning, NY)に1ウェルあたり抗原提示細胞
1×105 cells 、抗原(KLH, Calbiochem-Novabiochem
Corp., La Jolla, CA, Code No.374805)10μg/ml、T細
胞株2 x 104 cells および薬剤を加えて37℃、5%CO2 存
在下で培養した(0.2ml/well)。2日後、[3H]チミジン
(アマシャム(東京)Code No. TRK.61)を0.5 μCi/wel
l ずつ加えて、さらに培養し、翌日細胞を回収、液体シ
ンチレーションシステム(1205 Betaplate Wallac)にて
チミジンの取り込みを測定した。実験は、triplicateで
行ない、平均値を求めた。
【0034】2.結果 Th1の活性化に及ぼす薬剤の影響を図1に、Th2の活性
化に及ぼす薬剤の影響を図2に示す。トートマイシンは
シクロスポリンAと異なり、Th1の活性化にはほとんど
影響を与えることなく、Th2の活性化のみを強く抑制し
た。なお、トートマイシンのTh2に対する抑制作用はシ
クロスポリンAと同程度であった。
化に及ぼす薬剤の影響を図2に示す。トートマイシンは
シクロスポリンAと異なり、Th1の活性化にはほとんど
影響を与えることなく、Th2の活性化のみを強く抑制し
た。なお、トートマイシンのTh2に対する抑制作用はシ
クロスポリンAと同程度であった。
【0035】比較例1(マウスT細胞株の活性化に対す
る IPD-1151Tの作用) 1.実験方法 実施例1における薬剤をIPD-1151T に変えた他は実施例
1と同様の方法により、マウスT細胞の活性化に対する
IPD-1151Tの作用を調べた。
る IPD-1151Tの作用) 1.実験方法 実施例1における薬剤をIPD-1151T に変えた他は実施例
1と同様の方法により、マウスT細胞の活性化に対する
IPD-1151Tの作用を調べた。
【0036】2.結果 Th1の活性化に及ぼす IPD-1151Tの影響を図3に、Th2
の活性化に及ぼす IPD-1151Tの影響を図4に示す。シク
ロスポリンAはいずれのT細胞株の活性化も強く抑制し
たが、IPD-1151T は、この濃度域ではいずれのT細胞株
の活性化をも殆ど抑制しなかった。
の活性化に及ぼす IPD-1151Tの影響を図4に示す。シク
ロスポリンAはいずれのT細胞株の活性化も強く抑制し
たが、IPD-1151T は、この濃度域ではいずれのT細胞株
の活性化をも殆ど抑制しなかった。
【0037】参考例(IPD-1151T の合成) (1)3−メチルチオ−プロピオニルクロリドの合成 3−メチルチオ−プロピオン酸と塩化チオニルを用い
て、特開昭61−236775号公報に記載の方法に従
い、3−メチルチオ−プロピオニルクロリドを得た。b
p.86℃/26mmHg。
て、特開昭61−236775号公報に記載の方法に従
い、3−メチルチオ−プロピオニルクロリドを得た。b
p.86℃/26mmHg。
【0038】(2)4−(3−エトキシ−2−ヒドロキ
シプロポキシ)フェニルアミンの合成 3−エトキシ−2−ヒドロキシ−プロピルクロリドとp
−ニトロフェノールを用いて特開昭59−144737
号公報に記載の方法に従い4−(3−エトキシ−2−ヒ
ドロキシプロポキシ)ニトロフェニルを得た後、50%
wet10%バラジウムカーボンを用いてエタノール溶
液中で常圧水素添加反応を行った。反応液を濾過し、触
媒を除去した後、濾液の減圧濃縮を行って、4−(3−
エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルアミン
を得た。
シプロポキシ)フェニルアミンの合成 3−エトキシ−2−ヒドロキシ−プロピルクロリドとp
−ニトロフェノールを用いて特開昭59−144737
号公報に記載の方法に従い4−(3−エトキシ−2−ヒ
ドロキシプロポキシ)ニトロフェニルを得た後、50%
wet10%バラジウムカーボンを用いてエタノール溶
液中で常圧水素添加反応を行った。反応液を濾過し、触
媒を除去した後、濾液の減圧濃縮を行って、4−(3−
エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルアミン
を得た。
【0039】(3)4−(3−エトキシ−2−ヒドロキ
シプロポキシ)フェニルカルバモイルエチルチオメチル
の合成 特開昭59−167564に記載の方法に従い、4−
(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル
アミンを用いて、4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシ
プロポキシ)フェニルカルバモイルエチルチオメチルを
得た。mp.78〜81℃。
シプロポキシ)フェニルカルバモイルエチルチオメチル
の合成 特開昭59−167564に記載の方法に従い、4−
(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル
アミンを用いて、4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシ
プロポキシ)フェニルカルバモイルエチルチオメチルを
得た。mp.78〜81℃。
【0040】(4)IPD-1151T (4−(3−エトキシ−
2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイルエチ
ルジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネート)
の合成 4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェ
ニルカルバモイルエチルチオメチルとp−トルエンスル
ホン酸メチルを用いて、特開昭59−167564に記
載の方法に従って反応を行ない、4−(3−エトキシ−
2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイルエチ
ルジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネートを
得た。 1HNMR(D6-DMSO)δ(ppm):1.
11(3H,t,J=7.2HZ )、2.29(3H,
s)、2.9〜3.0(8H,m)、3.39〜3.5
5(6H,m)、3.80〜3.96(3H,m)、
3.90(2H,t,J=5.4HZ )、6.88(2
H,d,J=8.9HZ )、7.11(2H,d,J=
7.9HZ )、7.48(2H,d,J=8.9
HZ)、7.50(2H,d,J=7.9HZ )。
2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイルエチ
ルジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネート)
の合成 4−(3−エトキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェ
ニルカルバモイルエチルチオメチルとp−トルエンスル
ホン酸メチルを用いて、特開昭59−167564に記
載の方法に従って反応を行ない、4−(3−エトキシ−
2−ヒドロキシプロポキシ)フェニルカルバモイルエチ
ルジメチルスルホニウム p−トルエンスルホネートを
得た。 1HNMR(D6-DMSO)δ(ppm):1.
11(3H,t,J=7.2HZ )、2.29(3H,
s)、2.9〜3.0(8H,m)、3.39〜3.5
5(6H,m)、3.80〜3.96(3H,m)、
3.90(2H,t,J=5.4HZ )、6.88(2
H,d,J=8.9HZ )、7.11(2H,d,J=
7.9HZ )、7.48(2H,d,J=8.9
HZ)、7.50(2H,d,J=7.9HZ )。
【0041】比較例2(マウスT細胞株の活性化に対す
るオカダ酸およびカリクリンAの作用) 1.実験方法 実施例1における薬剤をオカダ酸およびカリクリンAに
変えた他は実施例1と同様の方法により、マウスT細胞
株の活性化に対するオカダ酸およびカリクリンAの作用
を調べた。オカダ酸(和光純薬Code No.154-01651)およ
びカリクリンA(和光純薬Code No.032-14451)はジメチ
ルスルホキサイドにて1mMとなるように溶解し、培地
で希釈して使用した。
るオカダ酸およびカリクリンAの作用) 1.実験方法 実施例1における薬剤をオカダ酸およびカリクリンAに
変えた他は実施例1と同様の方法により、マウスT細胞
株の活性化に対するオカダ酸およびカリクリンAの作用
を調べた。オカダ酸(和光純薬Code No.154-01651)およ
びカリクリンA(和光純薬Code No.032-14451)はジメチ
ルスルホキサイドにて1mMとなるように溶解し、培地
で希釈して使用した。
【0042】2.結果 Th1の活性化に及ぼすオカダ酸およびカリクリンAの影
響を図5に、Th2の活性化に及ぼすオカダ酸およびカリ
クリンAの影響を図6に示す。オカダ酸およびカリクリ
ンAは、Th1およびTh2のいずれの活性化に対しても強
い抑制効果を示し、抑制作用に対する選択性はみられな
かった。
響を図5に、Th2の活性化に及ぼすオカダ酸およびカリ
クリンAの影響を図6に示す。オカダ酸およびカリクリ
ンAは、Th1およびTh2のいずれの活性化に対しても強
い抑制効果を示し、抑制作用に対する選択性はみられな
かった。
【0043】比較例3(マウスT細胞株の活性化に対す
る神経ペプチドの作用) 1.実験方法 実施例1における薬剤を神経ペプチドに変えた他は実施
例1と同様の方法により、マウスT細胞株の活性化に対
する神経ペプチドの作用を調べた。神経ペプチドとして
は、ロイシン−エンケファリン(和光純薬 Code No.128
-02871)、メチオニン−エンケファリン(和光純薬 Cod
e No.130-07631)、バソアクティブ・インテスティナル
ペプチド(ペプチド研究所(大阪)Code No.4110-S)及
びニュウロペプチドY(ペプチド研究所 Code No.4158-
S )を使用した。ロイシン−エンケファリンおよびメチ
オニン−エンケファリンは10-3Mとなるように、また
バゾアクティブ・インテスティナルペプチドおよびニュ
ウロペプチドYについては10-4Mとなるようにそれぞ
れ蒸留水に溶解し、0.22μmのフィルターで濾過滅
菌後、培地で希釈して使用した。
る神経ペプチドの作用) 1.実験方法 実施例1における薬剤を神経ペプチドに変えた他は実施
例1と同様の方法により、マウスT細胞株の活性化に対
する神経ペプチドの作用を調べた。神経ペプチドとして
は、ロイシン−エンケファリン(和光純薬 Code No.128
-02871)、メチオニン−エンケファリン(和光純薬 Cod
e No.130-07631)、バソアクティブ・インテスティナル
ペプチド(ペプチド研究所(大阪)Code No.4110-S)及
びニュウロペプチドY(ペプチド研究所 Code No.4158-
S )を使用した。ロイシン−エンケファリンおよびメチ
オニン−エンケファリンは10-3Mとなるように、また
バゾアクティブ・インテスティナルペプチドおよびニュ
ウロペプチドYについては10-4Mとなるようにそれぞ
れ蒸留水に溶解し、0.22μmのフィルターで濾過滅
菌後、培地で希釈して使用した。
【0044】2.結果 シクロスポリンAをポジティブコントロールとして、Th
1の活性化に及ぼす神経ペプチドの影響を図7に、Th2
の活性化に及ぼす神経ペプチドの影響を図8に示す。シ
クロスポリンAはいずれのT細胞株の活性化も強く抑制
したが、4種の神経ペプチドは、Th1およびTh2のいず
れの活性化に対しても顕著な抑制作用を示さなかった。
1の活性化に及ぼす神経ペプチドの影響を図7に、Th2
の活性化に及ぼす神経ペプチドの影響を図8に示す。シ
クロスポリンAはいずれのT細胞株の活性化も強く抑制
したが、4種の神経ペプチドは、Th1およびTh2のいず
れの活性化に対しても顕著な抑制作用を示さなかった。
【0045】実施例2(KLH 感作マウスリンパ節細胞の
活性化に対するトートマイシンの作用) 1.実験方法 1) 動物 BALB/c マウスは日本チャールスリバー(横浜)より購
入し、6週令の雌を使用した。 2) 感作およびリンパ節細胞 KLH 50μg を水酸化アルミニウム Alu-Gel-S(Serva Fe
inbiochemica GmbH &Co., Code No.12261)あるいはフ
ロイント完全アジュバント(Difco Lab., Detroit, Mic
higan, Code No.3113-60-5)とともにマウス尾根部皮下
に注射した(100 μl)。10日後に鼠径部リンパ節を摘
出し、細胞浮遊液を調製した。なお、IL-4産生誘導の場
合には水酸化アルミニウムを、IFN-γ産生誘導の場合に
はフロイント完全アジュバントをそれぞれアジュバント
として使用した。
活性化に対するトートマイシンの作用) 1.実験方法 1) 動物 BALB/c マウスは日本チャールスリバー(横浜)より購
入し、6週令の雌を使用した。 2) 感作およびリンパ節細胞 KLH 50μg を水酸化アルミニウム Alu-Gel-S(Serva Fe
inbiochemica GmbH &Co., Code No.12261)あるいはフ
ロイント完全アジュバント(Difco Lab., Detroit, Mic
higan, Code No.3113-60-5)とともにマウス尾根部皮下
に注射した(100 μl)。10日後に鼠径部リンパ節を摘
出し、細胞浮遊液を調製した。なお、IL-4産生誘導の場
合には水酸化アルミニウムを、IFN-γ産生誘導の場合に
はフロイント完全アジュバントをそれぞれアジュバント
として使用した。
【0046】3) 抗原刺激によるサイトカイン産生 リンパ節細胞浮遊液(3×105 cells/well) に KLH(30
μg/ml)および薬剤を添加し、37℃、5%CO2 存在下で3
日間培養(Corning 25850, 0.2ml/well)後、上清中に産
生されるサイトカインを特異的なELISA 法により定量し
た。培地および薬剤は、実施例1と同じものを使用し
た。Th2より産生される代表的サイトカインとしてイン
ターロイキン4(IL-4)を、Th1より産生される代表的
サイトカインとしてインターフェロンγ(IFN-γ)を定
量した。
μg/ml)および薬剤を添加し、37℃、5%CO2 存在下で3
日間培養(Corning 25850, 0.2ml/well)後、上清中に産
生されるサイトカインを特異的なELISA 法により定量し
た。培地および薬剤は、実施例1と同じものを使用し
た。Th2より産生される代表的サイトカインとしてイン
ターロイキン4(IL-4)を、Th1より産生される代表的
サイトカインとしてインターフェロンγ(IFN-γ)を定
量した。
【0047】4) ELISA 法 IL-4の定量は、以下に示すELISA 法にて行った。ラット
抗マウスIL-4抗体(Pharmingen, San Diego, CA, Code N
o.18031D, 0.5mg/ml) を炭酸緩衝液にて250 倍希釈し、
50μl/wellずつ 96 ウエルプレート (Falcon 3912, Bec
ton Dickinsonand company, Franklin Lakes, NJ)にま
き、一晩 4℃にてコートした。プレートは、3 % BSA を
含む PBS(-) にてブロッキングした(200μl/well) 。一
晩4℃にてインキュベートしたのち、プレートをリンス
し, 、乾燥後、使用時まで−20℃にて保存した。培養上
清を 50 μl/wellずつまき、室温にて4時間インキュベ
ートした。検量線作成のため、リコンビナントマウスIL
-4 (Pharmingen, Code No.19004W) を使用した。プレー
トをリンスしたのち、二次抗体としてビオチン標識ラッ
ト抗マウスIL-4抗体(Pharmingen, Code No. 18042D, 1m
g/ml) を 0.1%BSAを含む PBS(-) にて500 倍希釈したも
のを加え(100μl/well) 、室温にて 1時間インキュベー
トした。結合した二次抗体は、ストレプトアビジンアル
カリフォスファターゼ(Kirkegaared & Perry Lab., Gai
thersburg, MD, Code No.15-30-00)(0.25 μg/ml, 100
μl/well) により検出した。37℃、1 時間インキュベー
トした後、プレートをリンスし、PNPP基質 (p-ニトロフ
ェニルリン酸2ナトリウム、ナカライテスク)(1mg/ml,
100 μl/well) を加えて発色させた。測定にはマイクロ
プレートリーダー(MTP-120 Microplatereader, Corona
Electric) を用いた( 波長415nm)。IFN-γの定量には、
市販のキットCytoscreen Immunoassay Kit, mouse IFN-
γ(BioSource Int., Camarillo, CA, Code No.ASY-17)
を使用した。実際の方法は取扱説明書に従った。実験
は、triplicateで行ない、平均値を求めた。
抗マウスIL-4抗体(Pharmingen, San Diego, CA, Code N
o.18031D, 0.5mg/ml) を炭酸緩衝液にて250 倍希釈し、
50μl/wellずつ 96 ウエルプレート (Falcon 3912, Bec
ton Dickinsonand company, Franklin Lakes, NJ)にま
き、一晩 4℃にてコートした。プレートは、3 % BSA を
含む PBS(-) にてブロッキングした(200μl/well) 。一
晩4℃にてインキュベートしたのち、プレートをリンス
し, 、乾燥後、使用時まで−20℃にて保存した。培養上
清を 50 μl/wellずつまき、室温にて4時間インキュベ
ートした。検量線作成のため、リコンビナントマウスIL
-4 (Pharmingen, Code No.19004W) を使用した。プレー
トをリンスしたのち、二次抗体としてビオチン標識ラッ
ト抗マウスIL-4抗体(Pharmingen, Code No. 18042D, 1m
g/ml) を 0.1%BSAを含む PBS(-) にて500 倍希釈したも
のを加え(100μl/well) 、室温にて 1時間インキュベー
トした。結合した二次抗体は、ストレプトアビジンアル
カリフォスファターゼ(Kirkegaared & Perry Lab., Gai
thersburg, MD, Code No.15-30-00)(0.25 μg/ml, 100
μl/well) により検出した。37℃、1 時間インキュベー
トした後、プレートをリンスし、PNPP基質 (p-ニトロフ
ェニルリン酸2ナトリウム、ナカライテスク)(1mg/ml,
100 μl/well) を加えて発色させた。測定にはマイクロ
プレートリーダー(MTP-120 Microplatereader, Corona
Electric) を用いた( 波長415nm)。IFN-γの定量には、
市販のキットCytoscreen Immunoassay Kit, mouse IFN-
γ(BioSource Int., Camarillo, CA, Code No.ASY-17)
を使用した。実際の方法は取扱説明書に従った。実験
は、triplicateで行ない、平均値を求めた。
【0048】2.結果 IFN-γの産生に及ぼす薬剤の影響を図9に、IL-4の産生
に及ぼす薬剤の影響を図10に示す。トートマイシンは
シクロスポリンAと同様にIL-4の産生を抑制したが、一
方、IFN-γの産生にはシクロスポリンAと比較して顕著
な抑制作用を示さなかった。
に及ぼす薬剤の影響を図10に示す。トートマイシンは
シクロスポリンAと同様にIL-4の産生を抑制したが、一
方、IFN-γの産生にはシクロスポリンAと比較して顕著
な抑制作用を示さなかった。
【0049】実施例3(ブタクサ花粉感作マウスリンパ
節細胞の活性化に対するトートマイシンの作用) 1.実験方法 1) 動物 BALB/cマウスは日本チャールズリバーより購入し、6週
齢の雌を使用した。
節細胞の活性化に対するトートマイシンの作用) 1.実験方法 1) 動物 BALB/cマウスは日本チャールズリバーより購入し、6週
齢の雌を使用した。
【0050】2) 感作及びリンパ節細胞 ブタクサ花粉(Giant Ragweed (Ambrosia trifida) pol
len, International Biologicals Inc., (Piedmont, Ok
lahoma)) 20mg/ml, 10%水酸化アルミニウム・アジュバ
ント Alu-Gel-Sを生理食塩水に懸濁し in vivo感作用抗
原液とした。 in vivo感作は2回行い、初回免疫は両足
蹠に各 0.2mlずつ、追加免疫はさらに6週後、尾根部に
0.2ml 注射した。追加免疫3日後に鼠径部リンパ節及び
膝窩リンパ節を摘出し細胞浮遊液を調製した。
len, International Biologicals Inc., (Piedmont, Ok
lahoma)) 20mg/ml, 10%水酸化アルミニウム・アジュバ
ント Alu-Gel-Sを生理食塩水に懸濁し in vivo感作用抗
原液とした。 in vivo感作は2回行い、初回免疫は両足
蹠に各 0.2mlずつ、追加免疫はさらに6週後、尾根部に
0.2ml 注射した。追加免疫3日後に鼠径部リンパ節及び
膝窩リンパ節を摘出し細胞浮遊液を調製した。
【0051】3) in vitro感作用ブタクサ花粉抗原抽出
液の調製 ブタクサ花粉2gを生理食塩水10mlに懸濁しテフロン・
ホモジナイザーを用い4℃にて破砕した。破砕液を遠心
分離し、得られた上清を濾過除菌しin vitro感作用抗原
抽出液とした。
液の調製 ブタクサ花粉2gを生理食塩水10mlに懸濁しテフロン・
ホモジナイザーを用い4℃にて破砕した。破砕液を遠心
分離し、得られた上清を濾過除菌しin vitro感作用抗原
抽出液とした。
【0052】4) in vitro抗原刺激によるIL-4産生およ
び細胞増殖 リンパ節細胞浮遊液(2×106 cells/ml) に抗原抽出液
(2%)及び薬剤(トートマイシンまたはハービマイシ
ンA; 0.5μM)を添加し4日間培養(Falcon 3075(Bect
on Dickinson Labware(Lincoln Park, New Jersey)), 1
10μl/well) 後、上清中に含まれるIL-4を実施例2に記
載の ELISA法により、また細胞の増殖をAlamar Blue(Ca
t, No.AL-01-025, BIOSOURCE International (Camarill
o, California)) を用い蛍光法で測定した。ハービマイ
シンA(和光純薬 Code No.085-06491) はトートマイシ
ンと同様に1mMとなるようにジメチルスルホキサイドに
溶解し、培地で希釈して使用した。ハービマイシンAは
Th1選択的な抑制作用を有することが報告されている
(J.Immunol.(1993)151:6051-6161)ので、本実験の比較
のために用いた。
び細胞増殖 リンパ節細胞浮遊液(2×106 cells/ml) に抗原抽出液
(2%)及び薬剤(トートマイシンまたはハービマイシ
ンA; 0.5μM)を添加し4日間培養(Falcon 3075(Bect
on Dickinson Labware(Lincoln Park, New Jersey)), 1
10μl/well) 後、上清中に含まれるIL-4を実施例2に記
載の ELISA法により、また細胞の増殖をAlamar Blue(Ca
t, No.AL-01-025, BIOSOURCE International (Camarill
o, California)) を用い蛍光法で測定した。ハービマイ
シンA(和光純薬 Code No.085-06491) はトートマイシ
ンと同様に1mMとなるようにジメチルスルホキサイドに
溶解し、培地で希釈して使用した。ハービマイシンAは
Th1選択的な抑制作用を有することが報告されている
(J.Immunol.(1993)151:6051-6161)ので、本実験の比較
のために用いた。
【0053】2.結果 細胞増殖、IL-4産生に対する薬剤の影響を表1に示す。
ここで、薬剤処理群のIL-4産生阻害率(%)及び細胞増
殖阻害率(%)は、以下の計算式により求めた。
ここで、薬剤処理群のIL-4産生阻害率(%)及び細胞増
殖阻害率(%)は、以下の計算式により求めた。
【0054】
【数1】
【0055】トートマイシンはIL-4産生、細胞増殖とも
に強く阻害した。一方ハービマイシンAは細胞増殖を弱
く阻害するもののIL-4産生には影響を与えなかった。
に強く阻害した。一方ハービマイシンAは細胞増殖を弱
く阻害するもののIL-4産生には影響を与えなかった。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明のTh2選択的免疫抑制剤は、優れ
たTh2活性化抑制作用を示し、かつTh1活性化抑制作用
を示さないことから、Th2の活性化あるいはその機能亢
進に起因する各種疾患、例えばアレルギー性疾患、全身
性エリテマトーテスなどの自己免疫疾患、HVG(Host-ver
sus-Graft)病、エイズなどに対する治療薬剤として有用
である。
たTh2活性化抑制作用を示し、かつTh1活性化抑制作用
を示さないことから、Th2の活性化あるいはその機能亢
進に起因する各種疾患、例えばアレルギー性疾患、全身
性エリテマトーテスなどの自己免疫疾患、HVG(Host-ver
sus-Graft)病、エイズなどに対する治療薬剤として有用
である。
【図1】図1は、Th1増殖反応すなわちTh1の活性化に
及ぼすトートマイシンまたはシクロスポリンAの影響を
示す図である。ここで、KLH(+)はコントロール(抗原
添加時)の値を、KLH(−)はバックグラウンド(抗原非
添加時)の値を示す(図2〜図10も同様である)。
及ぼすトートマイシンまたはシクロスポリンAの影響を
示す図である。ここで、KLH(+)はコントロール(抗原
添加時)の値を、KLH(−)はバックグラウンド(抗原非
添加時)の値を示す(図2〜図10も同様である)。
【図2】図2は、Th2増殖反応すなわちTh2の活性化に
及ぼすトートマイシンまたはシクロスポリンAの影響を
示す図である。
及ぼすトートマイシンまたはシクロスポリンAの影響を
示す図である。
【図3】図3は、Th1増殖反応すなわちTh1の活性化に
及ぼす IPD-1151TまたはシクロスポリンAの影響を示す
図である。
及ぼす IPD-1151TまたはシクロスポリンAの影響を示す
図である。
【図4】図4は、Th2増殖反応すなわちTh2の活性化に
及ぼす IPD-1151TまたはシクロスポリンAの影響を示す
図である。
及ぼす IPD-1151TまたはシクロスポリンAの影響を示す
図である。
【図5】図5は、Th1増殖反応すなわちTh1の活性化に
及ぼすトートマイシン、オカダ酸、またはカリクリンA
の影響を示す図である。
及ぼすトートマイシン、オカダ酸、またはカリクリンA
の影響を示す図である。
【図6】図6は、Th2増殖反応すなわちTh2の活性化に
及ぼすトートマイシン、オカダ酸、またはカリクリンA
の影響を示す図である。
及ぼすトートマイシン、オカダ酸、またはカリクリンA
の影響を示す図である。
【図7】図7は、Th1増殖反応すなわちTh1の活性化に
及ぼす神経ペプチドまたはシクロスポリンAの影響を示
す図である。
及ぼす神経ペプチドまたはシクロスポリンAの影響を示
す図である。
【図8】図8は、Th2増殖反応すなわちTh2の活性化に
及ぼす神経ペプチドまたはシクロスポリンAの影響を示
す図である。
及ぼす神経ペプチドまたはシクロスポリンAの影響を示
す図である。
【図9】図9は、IFN-γの産生に及ぼすトートマイシン
またはシクロスポリンAの影響を示す図である。
またはシクロスポリンAの影響を示す図である。
【図10】図10は、IL-4の産生に及ぼすトートマイシ
ンまたはシクロスポリンAの影響を示す図である。
ンまたはシクロスポリンAの影響を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中谷 知右 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友製薬株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 トートマイシン(Tautomycin)を有効成
分として含む、タイプ2ヘルパーT細胞(以下、Th2と
略す) 選択的免疫抑制剤。 - 【請求項2】 トートマイシンを有効成分とし、Th2の
機能亢進に起因する疾患を治療するものである、請求項
1記載のTh2選択的免疫抑制剤。 - 【請求項3】 トートマイシンを有効成分とし、且つ他
の薬剤との併用に供するものである、請求項1または請
求項2記載のTh2選択的免疫抑制剤。 - 【請求項4】 トートマイシンと薬学的に許容される媒
体とを含むことを特徴とする、請求項1ないし請求項3
いずれか1項に記載のTh2選択的免疫抑制剤。 - 【請求項5】 トートマイシンアナログを有効成分とし
て含む、Th2選択的免疫抑制剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7018647A JPH08188533A (ja) | 1995-01-10 | 1995-01-10 | タイプ2ヘルパーt細胞選択的免疫抑制剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7018647A JPH08188533A (ja) | 1995-01-10 | 1995-01-10 | タイプ2ヘルパーt細胞選択的免疫抑制剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08188533A true JPH08188533A (ja) | 1996-07-23 |
Family
ID=11977416
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7018647A Pending JPH08188533A (ja) | 1995-01-10 | 1995-01-10 | タイプ2ヘルパーt細胞選択的免疫抑制剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08188533A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6608045B2 (en) * | 1998-03-27 | 2003-08-19 | Chong Kun Dang Corporation | Streptomyces sp producing tautomycetin and immunosuppressant comprising tautomycetin as active ingredient |
WO2011061340A1 (en) * | 2009-11-23 | 2011-05-26 | INSERM (Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale) | Inhibitors of the pp1/gadd34 complex for the treatment of a condition requiring an immunosuppressive activity |
-
1995
- 1995-01-10 JP JP7018647A patent/JPH08188533A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6608045B2 (en) * | 1998-03-27 | 2003-08-19 | Chong Kun Dang Corporation | Streptomyces sp producing tautomycetin and immunosuppressant comprising tautomycetin as active ingredient |
WO2011061340A1 (en) * | 2009-11-23 | 2011-05-26 | INSERM (Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale) | Inhibitors of the pp1/gadd34 complex for the treatment of a condition requiring an immunosuppressive activity |
US11278543B2 (en) | 2009-11-23 | 2022-03-22 | Inserm | Inhibitors of the PP1/GADD34 complex for the treatment of a condition requiring an immunosuppressive activity |
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